(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】難燃性シリコーン樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート、および、基材層付難燃性シリコーン樹脂シート
(51)【国際特許分類】
C08J 5/18 20060101AFI20230904BHJP
B32B 7/022 20190101ALI20230904BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230904BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20230904BHJP
C08K 3/016 20180101ALI20230904BHJP
【FI】
C08J5/18 CFH
B32B7/022
B32B27/00 101
B32B27/00 M
C08L83/04
C08K3/016
(21)【出願番号】P 2019153460
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2018176027
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】杉野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】井元 崇
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-231598(JP,A)
【文献】国際公開第2014/038285(WO,A1)
【文献】特開2016-027069(JP,A)
【文献】特開2013-209576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-5/02
C08J 5/12-5/22
B32B 1/00-43/00
C08L 83/04
C08K 3/016
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン樹脂とガラスフリットを含有するシリコーン樹脂組成物から形成される難燃性シリコーン樹脂シートであって、
該難燃性シリコーン樹脂シート表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度がF以上の硬さであ
り、
該シリコーン樹脂が付加反応型シリコーンである、
難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項2】
前記鉛筆硬度がH以上の硬さである、請求項1に記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項3】
温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断強度が3.2MPa以上である、請求項1または2に記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項4】
温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断伸度が2.2%以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項5】
ISO 5660-1:2002に準じたコーンカロリーメーター試験において、10分間当たりの総発熱量が30MJ/m
2以下、最大発熱速度が300kW/m
2以下、着火時間が60秒以上である、請求項1から4までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項6】
前記シリコーン樹脂がシリコーンゴムである、請求項1から
5までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項7】
前記シリコーン樹脂組成物中、前記ガラスフリットの含有量が、前記シリコーン樹脂100重量部に対して0.1重量部~500重量部である、請求項1から
6までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項8】
厚みが5μm~5000μmである、請求項1から
7までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項9】
請求項1から
8までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項10】
厚みが6μm~6000μmである、請求項
9に記載の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項11】
請求項1から
10までのいずれかに記載の難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する、基材層付難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項12】
前記難燃性シリコーン樹脂シートと前記基材層との間に粘着剤層を有する、請求項
11に記載の基材層付難燃性シリコーン樹脂シート。
【請求項13】
厚みが20μm~10000μmである、請求項
11または12に記載の基材層付難燃性シリコーン樹脂シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性シリコーン樹脂シートに関する。本発明は、また、難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートに関する。本発明は、また、難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する基材層付難燃性シリコーン樹脂シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料組成物を難燃化するための難燃化剤としてハロゲン系難燃剤が広く使われている(特許文献1参照)。しかし、この方法は、ハロゲン化難燃剤から発生するダイオキシンやフロンの問題があるため、環境保護上好ましいとは言えない。また、塗料組成物を難燃化するための難燃化剤として水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤も使われている。しかし、水酸化アルミニウムは、塗料及びそれを塗布した基材の物理的性質や耐水性等の物性を低下させるという問題がある。
【0003】
また、無機塗料をプラスチック上にコーティングして難燃化させる方法もある。しかし、無機塗料はフレキシブル性が低く、割れやすいため、厚膜でコーティングすることが困難である。したがって、塗料自体は難燃性を有しているものの、プラスチックとの複合体の場合、接炎による熱がプラスチックに伝わり、プラスチックが炭化または延焼してしまう。また、有機バインダーを含む塗料の場合、接炎時に有機バインダーが炭化してしまう。したがって、これらの塗料をコーティングしたプラスチックは、鉄道車両用途などの非炭化性が求められる用途には使用が困難である。
【0004】
従来、鉄道車両用照明用カバーとして、ガラス繊維シートに無機コーティング剤を適用したものが知られている。しかし、一般的な無機コーティング剤をガラス繊維シートに塗工、若しくは含浸させたものは、バインダーが有機成分を含む場合には、不燃性が低いという問題があり、バインダーが無機成分の場合は、フレキシブル性が低く、割れやすいという欠点がある。
【0005】
少なくとも1枚のガラス繊維織物と、このガラス繊維織物を挟む一対の樹脂層とを含む光拡散シートであって、前記樹脂層がビニルエステル等の熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂で構成されたシートが開示されている(特許文献2参照)。また、少なくとも1枚のガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物に含浸、固化して形成された熱硬化性樹脂からなる樹脂被覆層と、この樹脂被覆層の少なくとも片面にビーズ層とを備えたガラス繊維シートが開示されている(特許文献3参照)。しかし、これらの光拡散シートは、いずれも不燃性が十分でなく、フレキシブル性も低い。
【0006】
最近、無機化合物を含有するプラスチック系基材の少なくとも一方の面上に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成される被膜を有する、難燃複合部材が報告されている(特許文献4参照)。上記の被膜は、上記の特定の無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を含むことにより、高い難燃性を示す。しかしながら、上記の被膜は、脆く、伸度が乏しい。このため、外部からの物が当たった場合などの外部衝撃によって傷が付きやすいという問題や、上記の被膜やそれを有する難燃複合部材をシート状にして難燃化させたい被着体に貼り付ける作業時に被膜表面が傷付きやすいという問題、上記の被膜やそれを有する難燃複合部材をシート状にして曲げた場合に亀裂が入りやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平7-186333号公報
【文献】特許第4491778号公報
【文献】特許第4539349号公報
【文献】特開2014-231597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、高い難燃性を示し、且つ、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することにある。また、本発明の課題は、そのような難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートを提供することにある。さらに、本発明の課題は、そのような難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する基材層付難燃性シリコーン樹脂シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、
シリコーン樹脂とガラスフリットを含有するシリコーン樹脂組成物から形成される難燃性シリコーン樹脂シートであって、
該難燃性シリコーン樹脂シート表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度がF以上の硬さである。
【0010】
一つの実施形態においては、上記鉛筆硬度がH以上の硬さである。
【0011】
一つの実施形態においては、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断強度が3.2MPa以上である。
【0012】
一つの実施形態においては、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断伸度が2.2%以上である。
【0013】
一つの実施形態においては、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、ISO 5660-1:2002に準じたコーンカロリーメーター試験において、10分間当たりの総発熱量が30MJ/m2以下、最大発熱速度が300kW/m2以下、着火時間が60秒以上である。
【0014】
一つの実施形態においては、上記シリコーン樹脂が付加反応型シリコーンである。
【0015】
一つの実施形態においては、上記シリコーン樹脂がシリコーンゴムである。
【0016】
一つの実施形態においては、上記シリコーン樹脂組成物中、上記ガラスフリットの含有量が、上記シリコーン樹脂100重量部に対して0.1重量部~500重量部である。
【0017】
一つの実施形態においては、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、厚みが5μm~5000μmである。
【0018】
本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する。
【0019】
一つの実施形態においては、本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートは、厚みが6μm~6000μmである。
【0020】
本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する。
【0021】
一つの実施形態においては、上記難燃性シリコーン樹脂シートと上記基材層との間に粘着剤層を有する。
【0022】
一つの実施形態においては、本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、厚みが20μm~10000μmである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高い難燃性を示し、且つ、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。また、本発明の課題は、そのような難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。さらに、本発明の課題は、そのような難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する基材層付難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートの一例を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートの一例を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートの別の一例を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、燃焼試験で用いた燃焼試験装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、コーンカロリーメーター試験で用いた燃焼試験装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
≪難燃性シリコーン樹脂シート≫
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、シリコーン樹脂とガラスフリットを含有するシリコーン樹脂組成物から形成される。
【0026】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、上記シリコーン樹脂組成物から形成されるシートであり、その形成方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な形成方法を採用し得る。このような形成方法としては、例えば、任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、上記シリコーン樹脂組成物を乾燥後の厚みが所望の厚みになるように塗布し、加熱乾燥した後、上記基材を剥離することによって、シート状の難燃性シリコーン樹脂シートを形成する方法などが挙げられる。
【0027】
上記シリコーン樹脂組成物は、溶剤系の組成物であってもよいし、水分散系の組成物であってもよいし、無溶剤系の組成物(例えば、ホットメルト系など)であってもよい。
【0028】
シリコーン樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、キスコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、ワイヤーコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング、ディスペンサーコーティング、スクリーン印刷、メタルマスク印刷などの、任意の適切な塗布方法が挙げられる。
【0029】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、代表的には、上記シリコーン樹脂組成物がシート状に硬化することによって形成される。このため、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの形成材料である上記シリコーン樹脂組成物と、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの組成とは、代表的には同一ではない。このため、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートをそれ自体の組成によって規定することは困難である。そこで、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの形成材料である上記シリコーン樹脂組成物を規定することによって、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの物としての規定を行うものとする。
【0030】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、その表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度がF以上の硬さであり、好ましくはH以上であり、より好ましくは2H以上である。本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が上記範囲にあれば、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。ここで、鉛筆硬度の測定に用いる鉛筆の硬度は、例えば、柔らかい方から硬い方の順で並べると、代表的には、例えば、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hの順である(6Bより柔らかい硬度や6Hより硬い硬度もあり得る)。
【0031】
本発明は、上記のように、難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が特定の硬度以上になるように設計することによって、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができるというものである。すなわち、シリコーン樹脂とガラスフリットを含有するシリコーン樹脂組成物を調製するにあたり、それから形成させる難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が特定の硬度以上になるようなシリコーン樹脂を選択して調製すれば、曲げた場合にも亀裂が入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができるというものである。JIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度の測定は極めて簡便に行うことができるので、各種の得られた難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度を測定することに多大な労力は必要とされない。また、シリコーン樹脂としては、後述するように、本発明の効果をより発現させるために好ましいシリコーン樹脂が存在するため、無数のシリコーン樹脂から選択する必要性も実際には生じ得ない。
【0032】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断強度が、好ましくは3.2MPa以上であり、より好ましくは3.5MPa以上であり、さらに好ましくは4.0MPa以上であり、特に好ましくは4.5MPa以上である。上記破断強度の上限は、現実的には、好ましくは50MPa以下である。上記破断強度が上記範囲にあれば、表面に傷がより付きにくく、曲げた場合にも亀裂がより入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0033】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、温度23℃、湿度50%RH、引張速度200mm/min、チャック間距離50mmにおける破断伸度が、好ましくは2.2%以上であり、より好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3.0%以上であり、さらに好ましくは4.0%以上であり、特に好ましくは5.0%以上であり、最も好ましくは6.0%以上である。上記破断伸度の上限は、現実的には、好ましくは1000%以下である。上記破断伸度が上記範囲にあれば、表面に傷がより付きにくく、曲げた場合にも亀裂がより入りにくい、難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0034】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、ISO 5660-1:2002に準じたコーンカロリーメーター試験において、好ましくは、10分間当たりの総発熱量が30MJ/m2以下、最大発熱速度が300kW/m2以下、着火時間が60秒以上である。本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの上記コーンカロリーメーター試験の結果が上記範囲にあれば、より高い難燃性を示す難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0035】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの厚みは、好ましくは5μm~5000μmであり、より好ましくは10μm~4000μmであり、さらに好ましくは20μm~3000μmであり、特に好ましくは30μm~2000μmである。本発明の難燃性シリコーン樹脂シートの厚みが上記範囲にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
【0036】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、表面に保護層を有していてもよい。
【0037】
保護層の主成分は、好ましくはポリマーである。保護層としては、例えば、紫外線硬化系ハードコート層、熱硬化系ハードコート層、および有機無機ハイブリッド系ハードコート層からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。このような保護層は、1層のみからなっていてもよいし、2層以上からなっていてもよい。
【0038】
紫外線硬化系ハードコート層は、紫外線硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。熱硬化系ハードコート層は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。有機無機ハイブリッド系ハードコート層は、有機無機ハイブリッド樹脂を含む樹脂組成物から形成し得る。
【0039】
上記のような樹脂に用いられる硬化性化合物として、より具体的には、シラノール基、シラノール基の前駆体(例えば、アルコキシシリル基やクロロシリル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、環状エーテル基、アミノ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー、または、シラザン化合物等が挙げられる。燃焼時に表面が炭化し難いという観点から、シラノール基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーが好ましい。
【0040】
ハードコート層を形成し得る樹脂組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。このような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤などが挙げられる。ハードコート層を形成し得る樹脂組成物に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
【0041】
保護層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、好ましくは0.1μm~200μmであり、より好ましくは0.2μm~100μmであり、さらに好ましくは0.5μm~50μmである。
【0042】
<シリコーン樹脂組成物>
シリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂とガラスフリットを含有する。シリコーン樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。ガラスフリットは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0043】
シリコーン樹脂としては、前述したように、シリコーン樹脂組成物から形成させる難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が特定の硬度以上になるようなシリコーン樹脂を選択すればよい。このようなシリコーン樹脂としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、付加反応型シリコーンであるか、または、シリコーンゴムである。
【0044】
シリコーン樹脂としては、代表的な一つの分類体系として、付加反応型シリコーンと縮合反応型シリコーンとがある。シリコーン樹脂としては、シリコーン樹脂組成物から形成させる難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が特定の硬度以上になるようなシリコーン樹脂を選択すればよいので、このようなシリコーン樹脂であれば、付加反応型シリコーンであっても縮合反応型シリコーンであってもよい。しかしながら、本発明の効果をより発現させ得る点で、シリコーン樹脂としては、好ましくは、付加反応型シリコーンである。
【0045】
シリコーン樹脂としては、代表的な一つの分類体系として、シリコーンゴムとシリコーンレジンとがある。シリコーン樹脂としては、シリコーン樹脂組成物から形成させる難燃性シリコーン樹脂シートの表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度が特定の硬度以上になるようなシリコーン樹脂を選択すればよいので、このようなシリコーン樹脂であれば、シリコーンゴムであってもシリコーンレジンであってもよい。しかしながら、本発明の効果をより発現させ得る点で、シリコーン樹脂としては、好ましくは、シリコーンゴムである。
【0046】
シリコーン樹脂としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、特に好ましくは、付加反応型シリコーンであってシリコーンゴムである。
【0047】
付加反応型シリコーンとしては、例えば、1液付加反応型シリコーン、2液付加反応型シリコーンが挙げられ、好ましくは、2液付加反応型シリコーンである。
【0048】
付加反応型シリコーンとしては、具体的には、例えば、信越化学工業(株)製のLIMS用液状2液付加反応型シリコーンゴム(例えば、KE-1950シリーズ(例えば、KE-1950-10A/B、KE-1950-20A/B、KE-1950-30A/B、KE-1950-35A/B、KE-1950-40A/B、KE-1950-50A/B、KE-1950-60A/B、KE-1950-70A/Bなど)、KE-1987A/B、KE-1988A/B、KEG-2000シリーズ、KEG-2001シリーズ、KEG-2002シリーズ、KEG-2003Hシリーズ、KE-2017シリーズ、KE-2019シリーズ、KE-2090シリーズ、KE-2096シリーズ、KET-1001シリーズなど)、信越化学工業(株)製の2液付加反応型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-1204A/B、KE-1280-A/B、KE-1282-A/B、KE-1283-A/B、KE-1285-A/B、KE-1897-A/B、KE-109E-A/B、KE-106、KE-1011-A/B、KE-1012-A/B、KE-1013-A/B、KE-1051J-A/B、KE-1063-A/B、KE-1861-A/B、ASP-2010-A/B、KER-6110-A/B、ASP-1050P-A/B、ASP-1120-A/B、SCR-1012A/B-R、SCR-1016A/B、SCR-1018A(S2)/B、FER-7061-A/B,FER-7110-A/B、KER-2500-A/B、KER-2500N-A/B、KER-2600-A/B、KER-2910-A/B、KER-6000-A/B、KER-6150-A/B、KER-6200-A/Bなど)、信越化学工業(株)製のシリコーン粘着剤(付加反応型)(例えば、KR-3700、KR-3701、X-40-3237-1、X-40-3240、X-40-3291-1、KR-3704(X-40-3229)、X-40-3323、X-40-3270-1、X-40-3306など)、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のLR7665シリーズ、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のLR3033シリーズ、モメンティブ(株)製のTSE3032シリーズ、モメンティブ(株)製のLSRシリーズなどが挙げられる。
【0049】
シリコーンゴムとしては、具体的には、例えば、信越化学工業(株)製のLIMS用液状2液付加反応型シリコーンゴム(例えば、KE-1950シリーズ(例えば、KE-1950-10A/B、KE-1950-20A/B、KE-1950-30A/B、KE-1950-35A/B、KE-1950-40A/B、KE-1950-50A/B、KE-1950-60A/B、KE-1950-70A/Bなど)、KE-1987A/B、KE-1988A/B、KEG-2000シリーズ、KEG-2001シリーズ、KEG-2002シリーズ、KEG-2003Hシリーズ、KE-2017シリーズ、KE-2019シリーズ、KE-2090シリーズ、KE-2096シリーズ、KET-1001シリーズなど)、信越化学工業(株)製の1液付加反応型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-1831、KE-1833、KE-1835-S、KE-1850、KE-1854、KE-1855、KE-1880、KE-1884、KE-1885、IO-SEAL-300、KE-1014、KE-1056、KE-1057、KE-1061、KE-1062、KE-1842、KE-1844、KE-1886、KE-1871、KE-1867、KE-1869、KE-1891、KER-6075-F、KER-6020-F、KER-6230-F、KER-3000M2、KER-3200-T7、X-32-2551、SMP-2840、KER-2000DAM、KER-2020-DAM、KCR-H2800、KCR-4000Wなど)、信越化学工業(株)製の2液付加反応型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-1204A/B、KE-1280-A/B、KE-1282-A/B、KE-1283-A/B、KE-1285-A/B、KE-1897-A/B、KE-109E-A/B、KE-106、KE-1011-A/B、KE-1012-A/B、KE-1013-A/B、KE-1051J-A/B、KE-1063-A/B、KE-1861-A/B、ASP-2010-A/B、KER-6110-A/B、ASP-1050P-A/B、ASP-1120-A/B、SCR-1012A/B-R、SCR-1016A/B、SCR-1018A(S2)/B、FER-7061-A/B,FER-7110-A/B、KER-2500-A/B、KER-2500N-A/B、KER-2600-A/B、KER-2910-A/B、KER-6000-A/B、KER-6150-A/B、KER-6200-A/Bなど)、信越化学工業(株)製の1液縮合反応型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-3490、KE-3494、KE-3467、KE-3412、KE-4806-W、KE-4901-W、KE-4908-T、KE-4916-B、KE-4918、KE-4961-W、KE-3495、KE-3424-G、KE-4920-T、KE-4921-W、KE-4970、KE-4971、G-1000など)、信越化学工業(株)製の2液縮合反応型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-200、KE-210など)、信越化学工業(株)製のUV硬化型RTVシリコーンゴム(例えば、KE-4835、X-31-1273-2、X-31-1598-2、KER-4500、KER-4600、KER-4130M-UV、KER-4130H-UV、KER-4000-UV、SMP-7004など)などが挙げられる。
【0050】
シリコーン樹脂組成物中のシリコーン樹脂の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、シリコーン樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは15重量%~99重量%であり、より好ましくは16重量%~98重量%であり、さらに好ましくは17重量%~97重量%であり、特に好ましくは18重量%~96重量%である。
【0051】
シリコーン樹脂組成物は、ガラスフリットを含有する。
【0052】
ガラスフリットの屈伏点は、好ましくは300℃~700℃であり、より好ましくは300℃~650℃であり、さらに好ましくは300℃~600℃である。ガラスフリットの屈伏点を上記範囲とすることにより、より高い難燃性を示す難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0053】
ガラスフリットとしては、任意の適切なガラスフリットを採用できる。このようなガラスフリットとしては、好ましくは、焼結性を有する無機粒子(ガラスフリット)であり、より好ましくは、ケイ酸(又は、酸化ケイ素)、ホウ酸(又は、酸化ホウ素)、ホウケイ酸、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム及び酸化リンから選ばれる少なくとも1種の成分から形成された無機粒子(ガラスフリット)である。代表的なガラスフリットとして、リン酸ガラスフリット、ホウケイ酸ガラスフリット、無アルカリガラスフリット、ほうろうフリットなどが挙げられる。特に好ましいガラスフリットは、少なくとも酸化リンを含む成分から形成されたガラスフリットである。少なくとも酸化リンを含む成分から形成されたガラスフリットにおいて、酸化リンの含有量は、好ましくは5重量%~70重量%であり、下限は、好ましくは10重量%であり、より好ましくは20重量%であり、上限は、好ましくは60重量%であり、さらに好ましくは50重量%である。このようなガラスフリットを採用することにより、より高い難燃性を示す難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0054】
ガラスフリットの平均粒子径は、好ましくは0.1μm~1000μmである。ガラスフリットの平均粒子径の下限は、好ましくは0.5μmであり、より好ましくは1μmであり、さらに好ましくは2μmである。また、ガラスフリットの平均粒子径の上限は、好ましくは500μmであり、より好ましくは300μmであり、さらに好ましくは150μmである。ガラスフリットの平均粒子径を上記の範囲とすることにより、より高い難燃性を示す難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0055】
シリコーン樹脂組成物中、ガラスフリットの含有量は、シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~500重量部であり、より好ましくは1重量部~450重量部であり、さらに好ましくは5重量部~400重量部であり、特に好ましくは10重量部~350重量部である。シリコーン樹脂組成物中のガラスフリットの含有量がシリコーン樹脂100重量部に対して上記範囲にあれば、より高い難燃性を示す難燃性シリコーン樹脂シートを提供することができる。
【0056】
シリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂とガラスフリット以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他成分を含有していてもよい。このようなその他成分としては、例えば、硬化触媒、溶剤などが挙げられる。
【0057】
シリコーン樹脂組成物の固形分濃度としては、取扱性、塗工性、含浸性等の観点から、上限は、好ましくは95重量%であり、より好ましくは90重量%であり、下限は、好ましくは30重量%であり、より好ましくは40重量%である。
【0058】
≪粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート≫
本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートと粘着剤層を有する。
【0059】
図1は、本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートの一例を示す概略断面図である。
図1において、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート1000は、難燃性シリコーン樹脂シート100と粘着剤層200を有する。
図1においては、難燃性シリコーン樹脂シート100と粘着剤層200とが直接に積層された状態になっているが、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な他の層を有していてもよい。
【0060】
本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートの厚みは、好ましくは6μm~6000μmであり、より好ましくは11μm~5000μmであり、さらに好ましくは21μm~4000μmであり、特に好ましくは31μm~3000μmである。
【0061】
粘着剤層としては、任意の適切な粘着剤からなる層を採用し得る。このような粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤(合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤など)、ウレタン系粘着剤、アクリルウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。本発明の硬化をより発現させ得る点で、粘着剤層としては、シリコーン系粘着剤が好ましい。このような粘着剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0062】
粘着剤としては、粘着形態で分類すると、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、紫外線架橋型(UV架橋型)粘着剤、電子線架橋型(EB架橋型)粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。このような粘着剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0063】
本発明の粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法で製造し得る。このような製造方法としては、例えば、(i)任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に形成した難燃性シリコーン樹脂シートと、別の任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に形成した粘着剤層とを、直接に貼り合わせる方法、(ii)任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に形成した難燃性シリコーン樹脂シート上に粘着剤層の材料を塗布して(必要に応じて乾燥して)粘着剤層を形成する方法、(iii)任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に形成した粘着剤層上にシリコーン樹脂組成物を塗布して硬化させて、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートを製造する方法、などが挙げられる。
【0064】
≪基材層付難燃性シリコーン樹脂シート≫
本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の難燃性シリコーン樹脂シートと基材層を有する。
【0065】
図2は、本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートの一例を示す概略断面図である。
図2において、基材層付難燃性シリコーン樹脂シート2000は、難燃性シリコーン樹脂シート100と基材層300を有する。
図2においては、難燃性シリコーン樹脂シート100と基材層300とが直接に積層された状態になっているが、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な他の層を有していてもよい。
図3に示すように、基材層付難燃性シリコーン樹脂シート2000は、難燃性シリコーン樹脂シート100と基材層300との間に粘着剤層200を有する実施形態でもよい。
【0066】
本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートの厚みは、好ましくは20μm~10000μmであり、より好ましくは25μm~9000μmであり、さらに好ましくは35μm~8000μmであり、特に好ましくは45μm~7000μmである。
【0067】
基材層は、好ましくは、プラスチック系基材からなる。プラスチック系基材としては、例えば、プラスチックのシート(平らなシートのみならず3次元の曲面を有するシートも意味する)や板状物(平らな板状物のみならず3次元の曲面を有する板状物も意味する)などのプラスチック系基材(プラスチック系基材を少なくとも含む積層体を含む)が挙げられる。このようなプラスチック系基材の素材(すなわち、プラスチック素材)としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα-オレフィンをモノマーとするオレフィン系樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂;アクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド(PI);ポリアミドイミド(PAI);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリアリレート(PAR);ポリサルフォン(PSF);ポリエーテルサルフォン(PES);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;環状ポリオレフィン;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンエーテル(変性ポリフェニレンエーテルを含む);などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの素材は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0068】
上記の中でも、プラスチック系基材の素材(すなわち、プラスチック素材)としては、難燃性に特に優れる点から、オレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。プラスチック系基材の素材としてポリカーボネート樹脂を用いることにより、本発明の効果をより発現させ得る。
【0069】
プラスチック系基材は、無機化合物を含有していてもよい。プラスチック系基材が無機化合物を含有することにより、プラスチック系基材の難燃性および強度が向上し得る。このような無機化合物としては、例えば、無機系難燃剤、無機フィラーなどが挙げられる。無機系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;ホウ素系化合物;リン系化合物;アンチモン系化合物;硫黄系難燃剤;等が挙げられる。本発明の効果がより発現し得る点で、このような無機化合物としては、好ましくは無機フィラーであり、より好ましくはガラス繊維である。このような無機化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0070】
プラスチック系基材中の無機化合物の含有割合は、好ましくは0.1重量%~50重量%であり、より好ましくは1重量%~45重量%であり、さらに好ましくは3重量%~40重量%であり、特に好ましくは5重量%~35重量%である。プラスチック系基材中の無機化合物の含有割合が上記範囲にあれば、本発明の効果がより発現し得る。
【0071】
プラスチック系基材中のプラスチック素材の含有割合は、好ましくは50重量%~99.9重量%であり、より好ましくは55重量%~99重量%であり、さらに好ましくは60重量%~97重量%であり、特に好ましくは65重量%~95重量%である。プラスチック系基材中のプラスチック素材の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより発現し得る。
【0072】
プラスチック素材中のポリカーボネート樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは95重量%~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。プラスチック素材中のポリカーボネート樹脂の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより発現し得る。
【0073】
基材は、任意の適切な他の難燃化処理が施されていても良い。このような難燃化処理としては、例えば、有機系難燃剤の添加が挙げられる。このような有機系難燃剤としては、例えば、フッ素系化合物、塩素系化合物、臭素系化合物、リン系化合物、シリコーン系化合物、硫黄系難燃剤等が挙げられる。このような有機系難燃剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0074】
本発明の基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法で製造し得る。このような製造方法としては、例えば、難燃性シリコーン樹脂シートと基材層とが直接に積層している実施形態の場合は、(i)基材層上にシリコーン樹脂組成物を塗布して硬化させて、基材層付難燃性シリコーン樹脂シートを製造する方法、(ii)任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上にシリコーン樹脂組成物を塗布し、硬化させる前に基材層を積層し、その後に硬化させて、基材層付難燃性シリコーン樹脂シートを製造する方法、などが挙げられ、難燃性シリコーン樹脂シートと基材層との間に粘着剤層を有する実施形態の場合は、(iii)粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シートの粘着剤層側に基材層を貼り付ける方法、(iv)基材層上に粘着剤層の材料を塗布して(必要に応じて乾燥して)粘着剤層を形成し、その上に、シリコーン樹脂組成物を塗布し、加熱乾燥する方法、(v)基材層上に粘着剤層の材料を塗布して(必要に応じて乾燥して)粘着剤層を形成し、別途、任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に形成した難燃性シリコーン樹脂シートを準備し、粘着剤層側と難燃性シリコーン樹脂シート側とを貼り合わせる方法、などが挙げられる。
【0075】
≪用途≫
本発明の難燃性シリコーン樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、高い難燃性を示し、且つ、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくいので、鉄道車両、航空機、自動車、船舶、エレベーター、エスカレーターなどの輸送機の内装部材(輸送機用内装部材)、建築材料部材、ディスプレイ部材、家電部材、電子回路部材として利用できる。また、照明カバー、とりわけ、輸送機用内装部材としての照明カバーとして好適に利用できる。
【実施例】
【0076】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
【0077】
〔合成例1〕
撹拌機を備えた容器に、付加反応型シリコーンゴム(商品名:KE-1950-50A/B、信越化学工業(株)製):62.5重量部、付加反応型シリコーンゴム(商品名:KE-106、信越化学工業(株)製):37.5重量部、硬化剤(商品名:CAT-RG、信越化学工業(株)製):10重量部、ガラスフリット(商品名:VY0053M、日本フリット社製):200重量部、トルエン:128.5重量部を添加し、撹拌混合して、シリコーン樹脂組成物Aを得た。
【0078】
〔合成例2〕
撹拌機を備えた容器に、縮合反応型シリコーンレジン(商品名:KR-282、固形分濃度:50重量%、信越化学工業(株)製):100重量部、ガラスフリット(商品名:VY0053M、日本フリット社製):100重量部を添加し、撹拌混合して、シリコーン樹脂組成物Bを得た。
【0079】
〔合成例3〕
撹拌機を備えた容器に、縮合反応型シリコーンレジン(商品名:KR-112、固形分濃度:70重量%、信越化学工業(株)製):100重量部、ガラスフリット(商品名:VY0053M、日本フリット社製):140重量部を添加し、撹拌混合して、シリコーン樹脂組成物Cを得た。
【0080】
〔合成例4〕
シリコーン系粘着剤(商品名:KR-3700、固形分濃度:60重量%、信越化学工業(株)製)を、剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm、商品名:MRS♯50、三菱樹脂社製)上に、テスター産業社製のアプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、その後、熱風循環式オーブンで、140℃で2分間加熱乾燥して、粘着剤シートを得た。
【0081】
〔合成例5〕
ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂(ガラス繊維含有率:30重量%、商品名:AF5043M-G30、住化ポリカーボネート社製)を真空プレス機で圧力0.4MPa、220℃で真空プレスして、ガラス繊維強化ポリカーボネート板(厚さ:1200μm)を得た。
【0082】
〔実施例1〕
合成例1で得られたシリコーン樹脂組成物Aを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm、商品名:ルミラーS10、東レ社製)上に、テスター産業社製のアプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、その後、熱風循環式オーブンで、80℃で2分間、140℃で2分間加熱乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に難燃性シリコーン系樹脂シート(1A)を形成した。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、難燃性シリコーン系樹脂シート(1A)を得た。
【0083】
〔実施例2〕
実施例1においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した難燃性シリコーン系樹脂シート(1A)のシリコーン樹脂組成物Aを塗布した面と、合成例4においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した粘着剤シートのシリコーン系粘着剤を塗布した面とを貼り合わせ、その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(1B)を得た。
【0084】
〔実施例3〕
実施例2で得られた粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(1B)の粘着剤層の面を、合成例5で得られたガラス繊維強化ポリカーボネート板に貼り付けて、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シート(1C)を得た。
【0085】
〔実施例4〕
合成例2で得られたシリコーン樹脂組成物Bを、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm、商品名:MRS、三菱樹脂社製)上に、テスター産業社製のアプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、その後、熱風循環式オーブンで、80℃で10分間、140℃で10分間加熱乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に難燃性シリコーン系樹脂シート(2A)を形成した。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、難燃性シリコーン系樹脂シート(2A)を得た。
【0086】
〔実施例5〕
実施例4においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した難燃性シリコーン系樹脂シート(2A)のシリコーン樹脂組成物Bを塗布した面と、合成例4においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した粘着剤シートのシリコーン系粘着剤を塗布した面とを貼り合わせ、その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(2B)を得た。
【0087】
〔実施例6〕
実施例5で得られた粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(2B)の粘着剤層の面を、合成例5で得られたガラス繊維強化ポリカーボネート板に貼り付けて、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シート(2C)を得た。
【0088】
〔比較例1〕
合成例3で得られたシリコーン樹脂組成物Cを、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm、商品名:MRS、三菱樹脂社製)上に、テスター産業社製のアプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが250μmになるように塗布し、その後、熱風循環式オーブンで、80℃で10分間、140℃で10分間加熱乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に難燃性シリコーン系樹脂シート(C1A)を形成した。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、難燃性シリコーン系樹脂シート(C1A)を得た。
【0089】
〔比較例2〕
比較例1においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した難燃性シリコーン系樹脂シート(C1A)のシリコーン樹脂組成物Cを塗布した面と、合成例4においてポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した粘着剤シートのシリコーン系粘着剤を塗布した面とを貼り合わせ、その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(C1B)を得た。
【0090】
〔比較例3〕
比較例2で得られた粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート(C1B)の粘着剤層の面を、合成例5で得られたガラス繊維強化ポリカーボネート板に貼り付けて、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シート(C1C)を得た。
【0091】
〔比較例4〕
付加型シリコーン樹脂(2液型RTVシリコーンゴム、KE-1950-20AB、信越化学工業(株)製、KE-1950-20A(20g)+KE-1950-20B(20g)):40gと酢酸エチル:100gを配合し、樹脂を酢酸エチルに溶解した後、難燃フィラーとしてガラスフリット(VS0053M2、日本フリット株式会社製):40gを加え、ディスパーで2000回転/分×2分間の撹拌を行い、シリコーン樹脂組成物dを得た。
得られたシリコーン樹脂組成物dを225mlのガラス瓶に入れ、次いで、粒子サイズ2mmのジルコニアビーズ:150gを加え、ペイントシェーカー(製品名「スキャンデックス」、LAU社製(ドイツ))で3時間かけてミル粉砕を行い、シリコーン樹脂組成物Dを得た。
得られたシリコーン樹脂組成物Dを、A4サイズの厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーS10、東レ株式会社製)の片面に、膜厚が30μmになるように塗工し、120℃で1時間キュアを行った。次いで、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの反対面にも、同じく膜厚が30μmになるようにシリコーン樹脂組成物Dを塗工し、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シート(C1D)を作製した。
【0092】
<評価>
実施例および比較例で得られた難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートについて、以下の評価を行った。結果を表1、表2に示す。
【0093】
(燃焼試験)
実施例1~6、比較例1~3について、
図4に示す燃焼試験装置を用い、社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準じて燃焼試験を行った。
図4において、11は供試体(182mm×257mm)、12はアルコール容器(鉄製17.5φ×7.1 0.8t)、13は容器受台(コルク等熱伝導率の低いもの)を示す。供試体下面中心から容器底面までの距離は25.4mm(1インチ)である。
上記で作製された難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートを、
図3のように、45°傾斜に保持し、燃料容器(アルコール容器)12の底の中心が、供試体の下面中心の垂直下方25.4mmのところに来るように、燃料容器12をコルクの台(容器受台)13に乗せ、燃料容器12にエチルアルコール0.5ccを入れて、着火し、燃料が燃え尽きるまで約2分間放置した。難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートの着火、炭化、残炎、および貫通、溶融滴下の有無を目視観察し、下記の基準で評価した。
<着火・炭化>
○:エタノール燃焼中に着火及び炭化無し
×:エタノール燃焼中に着火または炭化あり
<溶融滴下>
○:試験後に溶融滴下無し
×:試験後に溶融滴下あり
【0094】
(コーンカロリーメーター試験)
実施例1、3、4、6、比較例1、3について、一辺が100mmの平面正方形状の試験片を切り出し、
図5に示すとおり ISO 5660-1:2002に準じた方法により、コーンカロリーメーターを用い50kW/m
2の熱線を10分間照射して試験片を燃焼させた。
図5中、14は排気フード、15はコーン型ヒータ、16は供試材、17は供試材ホルダーである。燃焼判定は、試験時間中に計測された総発熱量(MJ/m
2)及び最大発熱速度(kW/m
2)並びに着火時間(秒)で行った。着火時間(秒)は、試験片から炎が確認されてから10秒以上炎が存在した場合を着火とみなし、試験開始から最初に着火が確認されるまでの時間とした。
判定基準
(1)10分間の総発熱量
○:総発熱量が30MJ/m
2以下
×:総発熱量が30MJ/m
2以上
(2)10分間の最大発熱速度
○:最大発熱速度が300kW/m
2以下
×:最大発熱速度が300kW/m
2以上
(3)着火時間
○:着火時間が60秒以上
×:着火時間が60秒未満
【0095】
(鉛筆硬度試験)
実施例1~6、比較例1~4について、ガラス板上に難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートを設置し、JIS K 5600-5-4:1999の鉛筆硬度試験に準じて(但し、荷重500g)、鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度は、芯が柔らかいものから順に、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hとなる。鉛筆硬度は、一般に、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度をいい、実施例1~6においては、最低でもFの鉛筆を用いた場合には傷跡が生じないことを意味する。例えば、特開2016-27069号公報に記載の難燃材料から得られる膜については「得られる膜がやわらかい」とあり(例えば、特開2016-27069号公報の段落0014)、特開2016-27069号公報に記載の鉛筆硬度試験では、Bの鉛筆を用いて「表面に剥がれ無し」である5点の評価を出している実施例は存在しない。すなわち、Bの鉛筆では、かならずひっかき傷の傷跡が生じていることになる。そうすると、特開2016-27069号公報に記載の難燃材料から得られる膜は、Bよりもさらに硬いFの鉛筆を用いてひっかき試験を行うと、必ず傷跡が生じることになり、本発明で発現できる鉛筆硬度(表面のJIS K 5600-5-4:1999において規定される鉛筆硬度がF以上の硬さであること)は発現できていない。
【0096】
(力学物性試験)
実施例1、2、4、5、比較例1、2、4について、難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートを、幅1cm×長さ13cmに切断した後、引張試験機として「オートグラフASG-50D型」(島津製作所製)を用い、引張速度200mm/min、チャック間距離50mm、室温(23℃)で引張試験を行い、シートが破断した時の応力を求めて破断強度とし、シートが破断した時の歪み(伸び率)を求めて破断伸度とした。
【0097】
(R曲げ試験)
実施例1、2、4、5、比較例1、2、4について、難燃性シリコーン系樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン系樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン系樹脂シートの5R曲げを行った際の曲げ加工部の状態を目視確認にて以下の評価基準により評価した。
○:シートに亀裂なし
△:シートに亀裂ないが白化
×:シートに亀裂または破断あり
【0098】
【0099】
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の難燃性シリコーン樹脂シート、粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート、基材層付難燃性シリコーン樹脂シートは、高い難燃性を示し、且つ、表面に傷が付きにくく、曲げた場合にも亀裂が入りにくいので、鉄道車両、航空機、自動車、船舶、エレベーター、エスカレーターなどの輸送機の内装部材(輸送機用内装部材)、建築材料部材、ディスプレイ部材、家電部材、電子回路部材として利用できる。また、照明カバー、とりわけ、輸送機用内装部材としての照明カバーとして好適に利用できる。
【符号の説明】
【0101】
100 難燃性シリコーン樹脂シート
200 粘着剤層
300 基材層
1000 粘着剤層付難燃性シリコーン樹脂シート
2000 基材層付難燃性シリコーン樹脂シート
11 供試体
12 アルコール容器(燃料容器)
13 容器受台
14 排気フード
15 コーン型ヒータ
16 供試材
17 供試材ホルダー