(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】リーク検査装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20230904BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20230904BHJP
B65B 57/02 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G01M3/26 H
B65B57/00 A
B65B57/02 F
(21)【出願番号】P 2019163978
(22)【出願日】2019-09-09
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】506111354
【氏名又は名称】大和サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀明
(72)【発明者】
【氏名】増田 正行
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152541(JP,A)
【文献】特開2000-046685(JP,A)
【文献】米国特許第05767392(US,A)
【文献】特開2012-042489(JP,A)
【文献】特開2017-077907(JP,A)
【文献】特開2013-057602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B57/00 -57/20 、
G01M 3/00 - 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の第1プーリ群、及び、前記第1プーリ群に設けられる一対の第1プーリベルトを有し、前記一対の第1プーリ群及び前記一対の第1プーリベルトにより内容物及びガスが封入された容器を搬送路に沿って搬送する搬送装置と、
第2プーリ群、及び、前記第2プーリ群に設けられた第2プーリベルトを備え、前記第2プーリ群及び前記第2プーリベルトにより前記容器を押圧する、前記搬送装置で搬送される前記容器を与圧する与圧装置と、
前記与圧装置で与圧された前記容器を所定の距離だけ押圧して前記容器を加圧するとともに、加圧時に要した荷重を検出する検出器を有する加圧装置と、
前記検出器で検出された荷重から前記容器の前記ガスの漏れを判断する閾値を記憶する記憶部と、
前記検出器で検出された荷重を前記閾値と比較して、前記容器の漏れを判断する制御部と、
を備えるリーク検査装置。
【請求項2】
前記閾値は、前記容器に漏れがないときに前記加圧装置で前記所定の距離だけ押圧したときに生じる荷重の範囲である、請求項1に記載のリーク検査装置。
【請求項3】
前記与圧装置で前記容器を加圧する前に、前記容器を前記所定の距離だけ押圧して前記容器を加圧するとともに、加圧時に要した第1荷重を検出する第1加圧装置をさらに備え、
前記加圧装置は、加圧時に要した第2荷重を検出する第2加圧装置であり、
前記制御部は、前記検出器で検出した前記第1荷重及び前記第2荷重を、それぞれ前記閾値と比較し、前記容器の前記ガスの漏れを判断する、請求項2に記載のリーク検査装置。
【請求項4】
前記閾値は、第1閾値であり、
前記記憶部は、前記容器に漏れがないときに、前記第1加圧装置及び前記第2加圧装置による加圧及び前記与圧装置で与圧したときの前記第1荷重及び前記第2荷重の差である第2閾値をさらに記憶し、
前記制御部は、前記加圧時に要した前記第1荷重及び前記第2荷重の差を求め、求めた前記第1荷重及び前記第2荷重の差と前記第2閾値とを比較し、前記容器の前記ガスの漏れを判断する、請求項3に記載のリーク検査装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記容器に漏れがないときに、前記第1加圧装置及び前記第2加圧装置による加圧及び前記与圧装置で与圧したときの前記第1荷重及び前記第2荷重の差を前記第2荷重から減算した値を第3閾値としてさらに記憶し、
前記制御部は、前記加圧時に要した前記第1荷重及び前記第2荷重の差を前記第2荷重から減算した値と前記第3閾値とを比較し、前記容器の前記ガスの漏れを判断する、請求項4に記載のリーク検査装置。
【請求項6】
前記第2プーリ群は、前記容器を押圧する第2押圧プーリ、前記第2プーリベルトを駆動する第2駆動プーリ、及び、複数の第2従動プーリを有し、前記第2押圧プーリは、複数のプーリを含む、請求項1に記載のリーク検査装置。
【請求項7】
前記複数のプーリの一部は、前記第2プーリベルトが設けられ、前記複数のプーリの他は、前記第2プーリベルトと断面形状が同じベルトが外周面に設けられる、請求項6に記載のリーク検査装置。
【請求項8】
前記容器は、カップ容器及びカップ容器の開口に設けられたフィルム状の蓋を有し、
前記第2押圧プーリの幅は、前記カップ容器の前記開口に位置する前記蓋の幅の半分以上に設定される、請求項7に記載のリーク検査装置。
【請求項9】
前記搬送装置は、前記搬送路に配置された前記一対の
第1プーリベルトにより前記容器の側面を押圧する、請求項1に記載のリーク検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の漏れを検出するリーク検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品や飲料等の内容物を収容し、密封する容器が知られている。容器は、例えば、内容物の劣化を防止するために、不活性ガスが封入され、そして、密封される。また、例えば、このような容器は、内容物を充填した小鉢状や皿状のカップ容器に樹脂フィルムで形成された蓋が溶着され、レトルト殺菌処理が実施されることで構成される。
【0003】
しかしながら、容器の一部に非溶着部や穿孔があると、不活性ガスや内容物が漏れる虞がある。このため、例えば、内容物を封入後に、容器をチャンバ内に配置し、チャンバ内を減圧することで、容器の漏れを検査する装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
また、容器を撮像し、取得した画像情報に基づいて、容器からの液漏れを判断する装置等も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-042489号公報
【文献】特開2012-042227号公報
【文献】特開2013-057602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した装置では、チャンバ内を減圧させる構成や容器を撮像する構成を要する。このため、内容物を容器に封入する製造ラインに装置を設ける場合には、設備コストが高くなる、という問題がある。例えば、内容物を容器に収容する製造ラインにおいて、リーク検査を行う作業員を配置し、手作業にてリーク検査を行うことも考えられるが、人手を確保することが困難であり、また、検査の精度や速度にばらつきが生じる虞もある。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、容易、且つ、安価に容器の漏れを検査可能なリーク検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、リーク検査装置は、一対の第1プーリ群、及び、前記第1プーリ群に設けられる一対の第1プーリベルトを有し、前記一対の第1プーリ群及び前記一対の第1プーリベルトにより内容物及びガスが封入された容器を搬送路に沿って搬送する搬送装置と、第2プーリ群、及び、前記第2プーリ群に設けられた第2プーリベルトを備え、前記第2プーリ群及び前記第2プーリベルトにより前記容器を押圧する、前記搬送装置で搬送される前記容器を与圧する与圧装置と、前記与圧装置で与圧された前記容器を所定の距離だけ押圧して前記容器を加圧するとともに、加圧時に要した荷重を検出する検出器を有する加圧装置と、前記検出器で検出された荷重から前記容器の前記ガスの漏れを判断する閾値を記憶する記憶部と、前記検出器で検出された荷重を前記閾値と比較して、前記容器の漏れを判断する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易、且つ、安価に容器の漏れを検査可能なリーク検査装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るリーク検査装置の構成を模式的に示す平面図。
【
図2】同リーク検査装置の構成を模式的に示す側面図。
【
図3】同リーク検査装置で検査される容器の一例の構成を示す平面図。
【
図6】同リーク検査装置の搬送装置及び与圧装置の要部構成を示す断面図。
【
図8】同リーク検査装置に用いられる加圧装置の要部構成を示す断面図。
【
図9】同リーク検査装置を用いた容器の検査方法の一例を示す流れ図。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るリーク検査装置の構成を模式的に示す平面図。
【
図11】同リーク検査装置を用いた容器の検査方法の一例を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の実施形態に係るリーク検査装置1について、
図1乃至
図9を用いて説明する。
【0012】
図1及び
図2は、第1の実施形態に係るリーク検査装置1の構成を模式的に示す図であり、
図1は上面側から示し、
図2は、側面側から示す。
図3及び
図4は、リーク検査装置1で用いられる容器100の構成を示す。
図5は、他の例の容器100の構成を示す。
図6は、リーク検査装置1で用いられる搬送装置12及び与圧装置13の押圧プーリ31a、41a及びプーリベルト32、42の構成を搬送方向に沿った方向で示す断面図である。
図7は、押圧プーリ31a、41a及びプーリベルト32、42の構成を搬送方向に沿った方向で示す断面図であって、与圧装置13の第2押圧プーリ41aを構成するプーリ41dの数を2つとした例である。
図8は、リーク検査装置1を用いた容器100の検査方法の一例を示す流れ図である。
【0013】
図1乃至
図2に示すように、リーク検査装置1は、基台11と、搬送装置12と、与圧装置13と、加圧装置15と、検出センサ16と、制御装置18と、を備えている。リーク検査装置1は、不活性ガス等のガスが充填された、内容物120を有する容器100を与圧装置13で与圧後に、加圧して容器100を加圧装置15で所定の深さまでの押したときに生じる荷重を検出し、検出した荷重に基づいて容器100の漏れを検出する。
【0014】
図3及び
図4に示すように、容器100は、例えば、小鉢状又は皿状のカップ容器110と、カップ容器110を密封する樹脂材料で形成されたフィルム状の蓋111と、を備える。容器100は、内容物120及びガス130が収容され、蓋111が溶着されることで封止され、例えば、レトルト殺菌処理が実施される。容器100の容積は、カップ容器110に内容物120及びガス130を充填できる容積に設定される。即ち、容器100は、内容物120を収容した状態において、内容物120の上方にガス130が存するヘッドスペース112を有する。本実施形態の例では、カップ容器110は、矩形の小鉢状に構成される。
【0015】
また、カップ容器110は、蓋111が溶着されるフランジ110aを有する。カップ容器110は、例えば、
図4に示すように側面の幅が異なる二段状に形成されていてもよく、また、
図5に示すように側面の幅が開口側から底に向かって漸次減少する形状であってもよい。
【0016】
なお、容器100は、カップ容器110及び蓋111により構成されていなくても良く、例えば、パウチ状の容器であってもよく、他の容器であってもよい。容器100は、内容物120及びガス130を充填した場合に、内部空間にガス130を充填するヘッドスペース112を有し、リーク検査装置1が加圧装置15で容器100を加圧したときに、容器100の荷重を検出可能な構成であれば、適宜設定可能である。また、容器100が収容する内容物120は、例えば、総菜等の食品である。また、ガス130は、内容物120の劣化を抑制する不活性ガス等である。なお、内容物120は、食品に限定されず、また、ガスは不活性ガスに限定されない。
【0017】
基台11は、例えば、一方向に長く構成される。基台11は、搬送装置12、与圧装置13及び加圧装置15を保持する。基台11の上面には、
図1及び
図2中、二点鎖線の矢印で示すように、搬送装置12及び与圧装置13から加圧装置15へと搬送装置12により容器100を搬送する搬送路300が規定される。
【0018】
搬送装置12は、与圧装置13及び加圧装置15へ容器100を順次搬送し、そして、加圧装置15でリーク検査された容器を二次側へと搬送する。また、例えば、搬送装置12は、容器100の搬送時に、容器100のカップ容器110の側面の二箇所を与圧する。
【0019】
図1及び
図2に示すように、例えば、搬送装置12は、搬送路300に沿った搬送方向に延設され、重力方向及び搬送方向に直交する方向で対向する一対のコンベア機構21を有する。搬送装置12は、一対のコンベア機構21により、搬送路300に沿って容器100を搬送する。
【0020】
コンベア機構21は、第1プーリ群31と、第1プーリ群31に設けられた第1プーリベルト32と、第1プーリ群31及び第1プーリベルト32を駆動する第1駆動モータ33と、を備える。一対のコンベア機構21は、第1プーリ群31の一部のプーリ同士、及び、第1プーリベルト32の一部が重力方向及び搬送方向に直交する幅方向で対向する。また、コンベア機構21は、加圧装置15下方にベルトコンベア等の搬送手段を有する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、第1プーリ群31は、例えば、搬送路300に沿って設けられた複数の第1押圧プーリ31aと、搬送路300から離れて設けられた複数の第1従動プーリ31bと、搬送路300から離れて設けられた一つの第1駆動プーリ31cと、を備えている。なお、
図2中、第1従動プーリ31bは省略して示す。
【0022】
第1押圧プーリ31aは、搬送路300に隣接して設けられる。
図1、
図2及び
図6に示すように、複数の第1押圧プーリ31aは、それぞれ、幅方向で他のコンベア機構21の複数の第1押圧プーリ31aと対向する。複数の第1押圧プーリ31aは、同一径に形成される。
【0023】
図6に示すように、幅方向で対向する一対のコンベア機構21の一対の第1押圧プーリ31aの間隔は、搬送時における容器100の幅方向の幅よりも若干小さく設定される。即ち、一対のコンベア機構21の幅方向で対向する一対の第1押圧プーリ31aは、搬送される容器100を幅方向で押圧する。例えば、第1押圧プーリ31aは、
図6に示すように外周面に配される第1プーリベルト32を介して容器100を押圧するが、直接容器100を押圧してもよい。なお、幅方向で対向する一対の第1押圧プーリ31aの間隔は、容器100にリーク箇所が生じている場合に、一対の第1押圧プーリ31aや与圧装置13による押圧から容器100が開放されたときに、リーク箇所から再びエアを吸い込むことを抑制できる幅に設定される。
【0024】
複数の第1従動プーリ31bは、第1プーリベルト32に所定の張力を生じさせる。複数の第1押圧プーリ31a及び複数の第1従動プーリ31bは、移動する第1プーリベルト32によって回転する従動プーリである。
【0025】
第1駆動プーリ31cは、第1駆動モータ33により回転する。第1駆動プーリ31cは、第1プーリベルト32を移動させる。なお、第1押圧プーリ31a、第1従動プーリ31b及び第1駆動プーリ31cの径は、同一であっても異なっていても良い。
【0026】
図1及び
図2に示すように、第1プーリベルト32は、第1押圧プーリ31a、第1従動プーリ31b及び第1駆動プーリ31cに渡って配置される。また、第1プーリベルト32は、第1押圧プーリ31aに位置する部位が、搬送路300に配置されるとともに、搬送方向に沿って一方向に延びる。第1プーリベルト32は、例えば、
図6に示すように、自身の延設方向に直交する方向の断面形状が、円形状に形成された所謂丸ベルトである。
【0027】
容器100を第1プーリベルト32により与圧して搬送する場合には、複数の第1押圧プーリ31aに位置する部位において幅方向で対向する一対の第1プーリベルト32の間隔は、容器100の幅方向よりも小さく、且つ、幅方向で対向する一対の第1押圧プーリ31aの間隔よりも小さい。なお、容器100を第1押圧プーリ31aにより押圧して搬送する場合には、当該部位において幅方向で対向する一対の第1プーリベルト32の間隔は、一対の容器100の幅方向の幅と同じか、若干大きく設定されていてもよい。
【0028】
第1駆動モータ33は、第1駆動プーリ31cを回転させる。一対のコンベア機構21にそれぞれ設けられる一対の第1駆動モータ33は、同一の回転数で駆動される。即ち、一対の第1駆動モータ33は、一対の第1プーリベルト32を同じ速度で移動させる。
【0029】
このような一対のコンベア機構21は、重力方向及び搬送方向に直交する幅方向で、複数の第1押圧プーリ31a同士が対向するとともに、第1プーリベルト32の複数の第1押圧プーリ31aに位置する部位同士が対向する。そして、一対のコンベア機構21は、第1駆動モータ33の駆動によって第1駆動プーリ31cが回転し、そして、第1プーリベルト32が移動する。
【0030】
これにより、一対のコンベア機構21は、対向する第1プーリベルト32の複数の第1押圧プーリ31aに位置する部位間に位置する容器100を、当該一対の第1プーリベルト32によって保持し、そして、搬送路300に沿って搬送する。また、一対のコンベア機構21は、搬送方向に直交する一対の第1押圧プーリ31a間を容器100がそれぞれ通過するときに、一対の第1押圧プーリ31aにより例えば第1プーリベルト32を介して容器100の側面を押圧する。即ち、一対のコンベア機構21を有する搬送装置12は、容器100を搬送路に沿って搬送するとともに、一対の第1押圧プーリ31aにより複数回与圧する。
【0031】
図1及び
図2に示すように、与圧装置13は、第2プーリ群41と、第2プーリ群41に設けられた第2プーリベルト42と、第2プーリ群41及び第2プーリベルト42を駆動する第2駆動モータ43と、を備える。
【0032】
図1及び
図2に示すように、第2プーリ群41は、例えば、搬送路300に沿って設けられた複数の第2押圧プーリ41aと、搬送路300から離れて設けられた複数の第2従動プーリ41bと、搬送路300から離れて設けられた一つの第2駆動プーリ41cと、を備えている。なお、
図1中、第2従動プーリ41bを省略して示す。
【0033】
第2押圧プーリ41aは、搬送路300に重力方向で隣接して設けられる。複数の第2押圧プーリ41aは、それぞれ、重力方向で基台11と対向する。また、第2押圧プーリ41aは、例えば、搬送路300の搬送方向で複数の一対の第1押圧プーリ31aのいずれかと同じ位置に設けられる。
【0034】
例えば、本実施形態においては、第2押圧プーリ41aの数は、一対の第1押圧プーリ31aの数よりも少ない例を用いて説明するが、第2押圧プーリ41aの数は、一対の第1押圧プーリ31aの数と同数であってもよい。即ち、製造コストや与圧効果等の観点から、第2押圧プーリ41aの数は、適宜設定可能である。本実施形態の具体例として、第2押圧プーリ41aの数は、一対の第1押圧プーリ31aの数の半分であり、搬送路300に沿って配置された複数の一対の第1押圧プーリ31aのうち一つ置きの一対の第1押圧プーリ31aと搬送方向で同じ位置に配置される。
【0035】
第2押圧プーリ41a及び基台11の上面との間隔は、搬送時における基台11から搬送される容器100の蓋111までの距離よりも小さく設定される。即ち、第2押圧プーリ41aは、搬送される容器100の蓋111を直接、又は、配置される第2プーリベルト42によって間接的に押圧する。好ましくは、第2押圧プーリ41aは、容器100のフランジ110aよりも下方であって、且つ、ヘッドスペース112の範囲内に蓋111を押圧できる位置に設定される。
【0036】
第2押圧プーリ41aの幅は、カップ容器110に設けられた蓋111を押圧可能な幅に設定される。好適には、第2押圧プーリ41aの幅方向の幅は、例えば、蓋111のみを押圧可能に、即ち、フランジ110aに設けられた部位を除いて蓋111を押圧可能に、カップ容器110の開口幅よりも小さく設定される。なお、第2押圧プーリ41aの幅は、カップ容器110の開口幅に近い幅が好ましい。好適な例として、第2押圧プーリ41aの幅は、カップ容器110の開口幅の半分以上の幅に設定される。
【0037】
具体例としては、第2押圧プーリ41aは、例えば、同一径の複数のプーリ41dを同軸状に組み合わせることで構成される。例えば、
図6に示すように、第2押圧プーリ41aは、幅方向でカップ容器110の開口に位置する蓋111の大部分を押圧可能に、6つのプーリ41dにより構成される。なお、
図6に示すように、第2押圧プーリ41aは、押圧時の蓋111の変形を抑制可能に幅方向でカップ容器110の開口に位置する蓋111の半分以上の幅で、好ましくは
図6に示すように幅方向で開口に位置する蓋111の大部分を押圧可能であることが好ましいが、第2押圧プーリ41aは、蓋111を押圧できればよい。例えば、
図7に示すように、第2押圧プーリ41aは、2つのプーリ41dにより構成されていてもよい。
【0038】
第2従動プーリ41bは、例えば、二つのプーリ41dにより構成される。なお、第2従動プーリ41bは、第2押圧プーリ41aを構成するプーリ41dと同数である6つのプーリ41dにより構成されていてもよい。複数の第2従動プーリ41bは、第2プーリベルト42に所定の張力を生じさせる。複数の第2押圧プーリ41a及び複数の第2従動プーリ41bは、移動する第2プーリベルト42によって回転する従動プーリである。
【0039】
第2駆動プーリ41cは、第2従動プーリ41bを構成するプーリ41dと同数、例えば二つのプーリ41dにより構成される。第2駆動プーリ41cは、第2駆動モータ43により回転する。第2駆動プーリ41cは、第2プーリベルト42を移動させる。なお、第2押圧プーリ41a、第2従動プーリ41b及び第2駆動プーリ41cを構成する各プーリ41dの径は、同一であっても異なっていても良い。
【0040】
第2プーリベルト42は、第2従動プーリ41bを構成するプーリ41dと同数設けられる。各第2プーリベルト42は、複数の第2押圧プーリ41a、複数の第2従動プーリ41b及び複数の第2駆動プーリ41cに渡って配置される。また、第2プーリベルト42は、第2押圧プーリ41aに位置する部位が、搬送路に沿って一方向に延びる。第2プーリベルト42は、例えば、自身の延設方向に直交する方向の断面形状が、円形状に形成された所謂丸ベルトである。
【0041】
なお、第2従動プーリ41bを構成するプーリ41dの数(第2プーリベルト42の数)よりも第2押圧プーリ41aを構成するプーリ41dの数が多い場合には、
図6のように、与圧装置13は、さらに、ベルト41eを有する。
【0042】
図6に示すように、ベルト41eは、断面形状が第2プーリベルト42の断面形状と同形状に形成される。ベルト41eは、第2押圧プーリ41aを構成するプーリ41dのうち、第2プーリベルト42が設けられていないプーリ41dに設けられる。具体的には、
図6に示すように、第2押圧プーリ41aを構成するプーリ41dが6つ設けられ、そして、第2プーリベルト42が2本設けられる場合には、ベルト41eは4本設けられる。
【0043】
第2駆動モータ43は、第2駆動プーリ41cを回転させる。第2駆動モータ43は、例えば、第2プーリベルト42の移動速度を、一対の搬送装置12の一対の第1プーリベルト32の移動速度と同じ速度とする回転数で回転される。
【0044】
図1及び
図2に示すように、加圧装置15は、例えば、加圧ローラ52と、ブロック53と、アクチュエータ54と、検出器55と、を備える。
【0045】
図8に示すように、加圧ローラ52は、容器100の蓋111を押圧する。加圧ローラ52の回転中心は、第2押圧プーリ41aの回転軸の延設方向に沿う。加圧ローラ52は、予め機械的に調整することで、容器100の蓋111をある程度押込むことができる位置に存する。
【0046】
ブロック53は、加圧ローラ52を回転可能に支持する。ブロック53は、加圧ローラ52とともに加圧ローラユニットを構成し、重力方向に沿って往復移動する。
【0047】
アクチュエータ54は、ブロック53を重力方向に所定の距離だけブロック53を移動させる。アクチュエータ54は、例えば、エアシリンダ54aと、エアシリンダ54aを駆動する空圧回路54bと、外郭体54cと、を備える。エアシリンダ54aは、シリンダ及びピストンを有し、ピストンがシリンダに対して所定の距離だけ往復動する。例えば、エアシリンダ54aは、2本用いられる。空圧回路54bは、例えば、空気の流路を構成する管や、圧縮空気を供給するポンプ等により構成される。空圧回路54bは、制御装置18に電気的に接続される。外郭体54cは、例えばケースであり、基台11や基台11に設けられた支持部材に保持される。
【0048】
検出器55は、加圧ローラ52が蓋111を加圧したときに生じる荷重を計測する。検出器55は、例えば、ロードセルである。検出器55は、制御装置18に接続され、計測した荷重の値を信号として制御装置18に送信する。なお、このような加圧装置15は、例えば、加圧ローラ52部分の重力が大きく、蓋111への負荷が大きくなり、蓋111等の伸び等に影響する場合には、加圧ローラユニットの上部に設けられたアクチュエータ54に、加圧ローラユニットを持ち上げる方向の圧を加える。なお、この状態において、加圧ローラユニットは上部への動きがフリーの状態である。そして、加圧装置15は、容器100が通過する直前に、あらかじめ設定した加圧ローラ52の位置を保持するように、アクチュエータ54に圧を加え、加圧ローラユニットを固定し、蓋111を加圧したときに生じる荷重を計測する。
【0049】
検出センサ16は、搬送路に設けられ、容器100の通過を検出し、当該情報を信号として制御装置18に送信する。例えば、検出センサ16は、与圧装置13で与圧が終了し、加圧装置15に供給される容器100を検出する。
【0050】
制御装置18は、例えば、駆動部61と、報知手段62と、記憶部63と、制御部64と、を備える。
【0051】
駆動部61は、例えば、第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43に接続される。駆動部61は、第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43を所定の回転数で回転制御する。なお、第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43の回転数は、搬送路300において、第1プーリベルト32及び第2プーリベルト42が同じ速度で移動できる回転数に設定される。また、駆動部61は、例えば、加圧装置15で容器100を加圧して加圧時の荷重を検出可能に、空圧回路54b等を制御する。なお、駆動部61は、記憶部63に記憶された各モータ33、43等を駆動する駆動プログラムであってもよい。
【0052】
報知手段62は、漏れを検査した容器100の良否判断の結果を外部に報知する。例えば、報知手段62は、容器100の良否判断の結果を光で報知するランプ、音で報知する警報器、文字等により表示するディスプレイ等が挙げられ、これらのいずれか又は複数を有する。
【0053】
記憶部63は、容器100の漏れを判断するための閾値と、制御部64の処理に要するデータを記憶する。閾値は、例えば、漏れのない正常な容器100を加圧装置15で加圧したときに検出器55で検出される荷重である。閾値は、所定の範囲の荷重値に設定される。即ち、閾値は、正常な容器100と判断できる下限及び上限の値である。
【0054】
例えば、制御部64の処理に要するデータの一例としては、各種プログラムや制御に用いる各設定値等である。記憶部63に記憶するプログラムとしては、例えば、検出センサ16から送信された信号に基づいて空圧回路54bを制御する制御プログラム、駆動部61を実行する駆動プログラム、検出器55から送信された信号を荷重に変換する変換プログラム、検出した荷重と閾値を比較して容器100の漏れを判断する判断プログラム等が挙げられる。
【0055】
制御部64は、プロセッサである。制御部64は、記憶部63に記憶された各プログラムを実行し、搬送路に沿って容器100を与圧しながら移動させるとともに、空圧回路54bを制御して容器100を加圧して荷重を求める。
【0056】
また、制御部64は、容器100を加圧して求めた荷重と閾値とを比較し、容器100の漏れを判断する。例えば、制御部64は、容器100を加圧装置15で加圧したときに検出された荷重と記憶部63に記憶された閾値とを比較する。制御部64は、検出された荷重が閾値に設定された荷重の範囲内である場合には、容器100を漏れが生じていない良品と判断し、検出された荷重が閾値に設定された荷重の範囲外である場合には容器100を不良品と判断する。なお、検出された荷重が閾値よりも小さい値である場合は、容器100に漏れが生じていると判断でき、検出された荷重が閾値より大きい値である場合は、容器100の漏れ以外の不良、例えばガスの過充填や、各装置の異常等が考えられる。そして、制御部64は、その情報を報知手段62により外部に報知するとともに、記憶部63に記憶する。
【0057】
次に、このように構成されたリーク検査装置1を用いた容器100のリーク検査の方法の一例を
図9の流れ図を用いて説明する。なお、このリーク検査装置1を用いた容器100の検査方法は、容器100の製造方法の工程の一を構成する。
【0058】
図9に示すように、先ず、制御部64は、一対の第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43を制御し、搬送装置12及び与圧装置13を駆動し、容器100を搬送しながら容器100を与圧する(ステップST1)。このとき、搬送路300の一次側から供給された容器100は、搬送装置12の一対の第1押圧プーリ31a及び一対の第1プーリベルト32によって側面が与圧されながら搬送路300に沿って移動する。また、容器100は、搬送路300の移動時に、一対の第1プーリベルト32によって側面が与圧された状態で、さらに蓋111が第2押圧プーリ41aにより複数回与圧される。
【0059】
次に、与圧された容器100が搬送路300を移動して、検出センサ16を通過すると、制御部64は、検出センサ16からの信号に基づいて加圧装置15により、容器100を加圧する(ステップST2)。具体例としては、制御部64は、加圧ローラ52によって蓋111を所定の押し込み量だけ押込み、容器100の蓋111を押圧する。また、必要に応じて、制御部64は、アクチュエータ54を制御する。検出器55は、加圧ローラ52で容器100を加圧したときの信号を制御部64に送信する。
【0060】
次に、制御部64は、加圧装置15を駆動して容器100を加圧したときに検出器55から送信された信号から、容器100の加圧時に検出した荷重である荷重データを取得する(ステップST3)。
【0061】
制御部64は、取得した荷重データと記憶部63に記憶された閾値とを比較する(ステップST4)。そして、制御部64は、荷重データが閾値に設定された範囲内である場合(ステップST4のYES)には、加圧装置15で加圧した容器100を漏れが生じていない良品と判断する(ステップST5)。また、制御部64は、荷重データが閾値に設定された範囲外である場合(ステップST4のNO)には、加圧装置15で加圧した容器100を漏れ等が生じている不良品と判断する(ステップST6)。
【0062】
次に、制御部64は、ステップST5及びステップST6で判断した結果を報知手段62で外部に報知する(ステップST7)。なお、不良品と判断した場合のみ報知手段62により外部に判断結果を報知してもよい。併せて、制御部64は、判断した結果を記憶部63に記憶する。これらの工程を繰り返し行うことで、制御部64は、複数の容器100のリーク検査を行う。
【0063】
このように構成されたリーク検査装置1によれば、加圧装置15で容器100を加圧したときに生じた荷重を閾値と比較することで、容器100の漏れを容易に判断することができる。また、リーク検査装置1は、容器100を加圧する加圧装置15を有していれば良く、簡単な構成で容器100の漏れを検出できる。
【0064】
また、リーク検査装置1によれば、加圧装置15で容器100を加圧する前に、搬送装置12及び与圧装置13により容器100を押圧する。即ち、リーク検査装置1は、与圧後に加圧して容器100の漏れを検出する構成であることから、容器100の漏れの判断精度を向上させることができる。即ち、容器100に穿孔等が形成されている場合やフランジ110a及び蓋111に非溶着部がある場合等は、与圧時に容器100内のガスを漏らした後に加圧装置15で加圧して容器100の漏れを判断することができる。このため、容器100内に充分ガスが充填されているが、容器100に穿孔が形成されている場合等であっても、リーク検査装置1は、容器100の漏れを検出できる。
【0065】
また、リーク検査装置1は、容器100の搬送及び与圧を、プーリ31a、41a、プーリベルト32、42及び駆動モータ33、43により行う簡単な構成である。また、リーク検査装置1は、蓋111を所定の押し込み量だけ押込むことができる位置で加圧ローラ52によって容器100の蓋111を加圧する簡単な構成である。このため、リーク検査装置1は、安価に製造できるとともに、メンテナンスが容易となる。また、リーク検査装置1は、容器100の搬送、与圧及び加圧は駆動モータ33、43及び空圧回路54bを駆動すればよく、ランニングコストもよい。
【0066】
また、与圧装置13は、第2押圧プーリ41aを複数、例えば6つのプーリ41dにより構成することで、カップ容器110の開口に存する蓋111を幅方向で半分以上の領域を加圧することができる。即ち、与圧装置13は、カップ容器110の開口に存する蓋111を広範囲において加圧することができることから、フィルム状の蓋111のうち第2押圧プーリ41aで押していない部位が外方に膨張する、所謂蓋111の逃げ領域を低減できる。
【0067】
このため、蓋111をカップ容器110のフランジ110aから押し込む距離が少なくても高い与圧効果が得られる。よって、与圧装置13は、容器100に所望の与圧を行うための、第2押圧プーリ41aの位置調整が容易となる。また、高い与圧効果を与えても、押圧する深さを低減できることから、カップ容器110の開口エッジで蓋111が損傷することも防止できる。
【0068】
また、与圧装置13は、第2押圧プーリ41aを第2プーリベルト42の本数よりも多い数のプーリ41dにより構成する場合には、プーリ41dにのみ設けられるベルト41eを備える。このため、与圧装置13は、幅方向の厚さを大きくするために第2押圧プーリ41aを第2プーリベルト42の本数よりも多い数のプーリ41dにより構成しても、第2押圧プーリ41aにより、容器100を押圧することができる。また、第2プーリベルト42の本数を少なくすることができることから、与圧装置13は、第2プーリベルト42の張力の管理が容易となる。また、第2プーリベルト42は消耗品であるところ、第2プーリベルト42の交換数の低減やメンテナンス性の向上が可能となる。結果として、リーク検査装置1の製造コスト及びランニングコストの低減が可能となる。
【0069】
上述したように本発明の第1の実施形態に係るリーク検査装置1によれば、容易、且つ、安価に容器100の漏れを検査可能となる。
【0070】
次に、
図10及び
図11を用いて本発明の第2の実施形態に係るリーク検査装置1Aの構成を説明する。なお、第2の実施形態に係るリーク検査装置1Aの構成のうち、上述した第1の実施形態に係るリーク検査装置1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図10に示すように、リーク検査装置1Aは、基台11と、搬送装置12と、与圧装置13と、第1加圧装置14と、第2加圧装置15と、検出センサ16と、仕分装置17と、制御装置18と、を備えている。リーク検査装置1は、不活性ガス等のガスが充填された、内容物120を有する容器100を第1加圧装置14で加圧して容器100を加圧したときの第1荷重を検出し、与圧装置13で与圧後に、さらに第2加圧装置15で加圧して容器100を加圧したときの第2荷重を検出し、検出した第1荷重及び第2荷重に基づいて容器100の漏れを検出する。
【0072】
即ち、リーク検査装置1Aは、上述した第1の実施形態に係るリーク検査装置1と、搬送装置12及び与圧装置13の一次側に第1加圧装置14を備える構成、及び、第2加圧装置15の二次側に仕分装置17を備える構成が異なるが、他の構成は同様の構成である。
【0073】
基台11は、搬送装置12、与圧装置13、第1加圧装置14及び第2加圧装置15を保持する。基台11の上面には、第1加圧装置14から搬送装置12及び与圧装置13並びに第2加圧装置15を通り、仕分装置17へと容器100を搬送する搬送路が規定される。
【0074】
第1加圧装置14は、搬送装置12及び与圧装置13の一次側に設けられる。第1加圧装置14は、例えば、加圧ローラ52と、ブロック53と、アクチュエータ54と、検出器55と、を備える。即ち、第1加圧装置14は、上述した第1実施形態の加圧装置15と同じ構成である。
【0075】
第2加圧装置15は、搬送装置12及び与圧装置13の二次側に設けられる。第2加圧装置15は、加圧ローラ52と、ブロック53と、アクチュエータ54と、検出器55と、を備える。即ち、第2加圧装置15は、上述した第1実施形態の加圧装置15と同じ構成である。
【0076】
検出センサ16は、与圧装置13で与圧が終了し、第2加圧装置15に供給される容器100を検出する。
【0077】
仕分装置17は、例えば、二方向に搬送路が構成されたコンベア17aと、コンベア17aの二つの搬送路の一方を選択する切換部17bと、コンベア17aを駆動する駆動部17cと、を備える。コンベア17aは、例えば、ベルトコンベア又はローラコンベアであり、一方の搬送路が良品の容器100を搬送する搬送路310であり、他方の搬送路が不良品の容器100を搬送する搬送路である。例えば、搬送路310の二次側には、次工程のラインや、良品と判断した容器100を収集する良品収集部等が配置される。また、例えば、搬送路320の二次側には、不良品と判断した容器100を収集する不良品収集部等が配置される。例えば、これら容器100の収集部は、例えばコンテナである。
【0078】
切換部17bは、例えばモータ等により駆動する仕切板であり、二つの搬送路のうち選択した一方の搬送路へ容器100の移動を案内し、そして他方の搬送路への容器100の移動を規制する。駆動部17cは、コンベア17aを駆動する。切換部17b及び駆動部17cは、制御装置18に電気的に接続される。
【0079】
制御装置18は、駆動部61と、報知手段62と、記憶部63と、制御部64と、を備える。
【0080】
駆動部61は、例えば、第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43に加え、例えば、切換部17bのモータ及び駆動部17cに接続される。
【0081】
記憶部63は、容器100の漏れを判断するための閾値と、制御部64の処理に要するデータを記憶する。閾値は、第1閾値と、第2閾値と、第3閾値と、を備える。第1閾値は、例えば、漏れのない正常な容器100を第1加圧装置14及び第2加圧装置15で加圧したときに第1加圧装置14及び第2加圧装置15の検出器55で検出される荷重である。第1閾値は、所定の範囲の荷重の値に設定される。即ち、第1閾値は、正常な容器100と判断できる下限及び上限の値である。
【0082】
第2閾値は、漏れのない正常な容器100を第1加圧装置14で加圧したときに検出器55で検出される第1荷重及び与圧後の正常な容器100を第2加圧装置15で加圧したときに検出器55で検出される第2荷重の差である。第2閾値は、所定の範囲に設定される。即ち、第1荷重及び第2の荷重の差とは、ガス130の漏れ量であり、第2閾値は、与圧による漏れ量が正常な容器100と判断できる下限及び上限の値である。
【0083】
第3閾値は、第1加圧装置14及び第2加圧装置15で加圧したときに検出される第1荷重及び第2荷重から求められる評価値から容器100の漏れを判断する値である。第3閾値は、所定の範囲に設定される。第3閾値は、正常な容器と評価できる下限及び上限の値である。例えば、第1荷重をP1、第2荷重をP2としたときに、評価値H=(P2-(P1-P2))から求められる。即ち、評価値は、例えば、加圧及び与圧後の容器100内の残圧を評価する値であり、第3閾値は、残圧が正常な容器100と判断できる下限及び上限の値である。
【0084】
例えば、制御部64の処理に要するデータの一例としては、各種プログラムや制御に用いる各設定値等である。記憶部63に記憶するプログラムとしては、例えば、検出センサ16から送信された信号に基づいて空圧回路54bを制御する制御プログラム、駆動部61を実行する駆動プログラム、検出器55から送信された信号を荷重に変換する変換プログラム、検出した荷重と閾値を比較して容器100の漏れを判断する判断プログラム、容器の漏れの判断結果に基づいて容器100を仕分ける仕分けプログラム等が挙げられる。
【0085】
制御部64は、プロセッサである。制御部64は、記憶部63に記憶された各プログラムを実行し、搬送路に沿って容器100を与圧しながら移動させるとともに、空圧回路54bを制御して容器100を加圧して荷重を求める。
【0086】
また、制御部64は、容器100を第1加圧装置14及び第2加圧装置15で加圧して求めた第1荷重及び第2荷重と第1閾値とを比較し、容器100の漏れを2回判断する。また、制御部64は、第1荷重及び第2荷重の差と第2閾値とを比較し、容器100の漏れを判断する。さらに、制御部64は、第1荷重及び第2荷重から求められた評価値と第3閾値とを比較し、容器100の漏れを判断する。
【0087】
さらに、制御部64は、容器100の良否を判断後、この判断結果を報知手段62により外部に報知するとともに、仕分装置17を制御して、良否が判断された容器100を仕分ける。
【0088】
次に、
図11の流れ図を用いてこのように構成されたリーク検査装置1Aを用いた容器100のリーク検査の方法の一例を説明する。なお、このリーク検査装置1Aを用いた容器100の検査方法は、容器100の製造方法の工程の一を構成する。
【0089】
先ず、制御部64は、第1加圧として、第1加圧装置14を駆動して容器100を加圧する(ステップST11)。具体例としては、制御部64は、空圧回路54bを駆動してアクチュエータ54を駆動し、ブロック53を重力方向へ移動させて加圧ローラ52を所定の距離だけ移動させて、容器100の蓋111を押圧する。検出器55は、加圧ローラ52で容器100を加圧したときの信号を制御部64に送信する。
【0090】
第1加圧装置14で容器100を加圧したときに検出器55から送信された信号から、容器100の加圧時に検出した第1荷重である荷重データを取得する(ステップST12)。制御部64は、取得した荷重データと記憶部63に記憶された第1閾値とを比較する(ステップST13)。そして、制御部64は、荷重データが第1閾値に設定された範囲内である場合(ステップST13のYES)には、第1加圧装置14で加圧した容器100を漏れが生じていないと判断する。そして、加圧した容器100を搬送装置12へ搬送する。
【0091】
次に、制御部64は、一対の第1駆動モータ33及び第2駆動モータ43を制御し、搬送装置12及び与圧装置13を駆動し、容器100を搬送しながら容器100を与圧する(ステップST14)。このとき、搬送路300の一次側の第1加圧装置14から供給された容器100は、搬送装置12の一対の第1押圧プーリ31a及び一対の第1プーリベルト32によって側面が押圧されながら搬送路300に沿って移動する。また、容器100は、搬送路300の移動時に、一対の第1プーリベルト32によって側面が押圧された状態で、蓋111が第2押圧プーリ41aにより複数回与圧される。
【0092】
次に、与圧された容器100が搬送路300を移動して、検出センサ16を通過すると、制御部64は、検出センサ16からの信号に基づいて第2加圧装置15を駆動して、第2加圧として、容器100を加圧する(ステップST15)。具体例としては、制御部64は、空圧回路54bを駆動してアクチュエータ54を駆動し、ブロック53を重力方向へ移動させて加圧ローラ52を所定の距離だけ移動させて、容器100の蓋111を押圧する。検出器55は、加圧ローラ52で容器100を加圧したときの信号を制御部64に送信する。
【0093】
次に、制御部64は、第2加圧装置15を駆動して容器100を加圧したときに検出器55から送信された信号から、容器100の加圧時に検出した第2荷重である荷重データを取得する(ステップST16)。制御部64は、取得した荷重データと記憶部63に記憶された第1閾値とを比較する(ステップST17)。そして、制御部64は、荷重データが閾値に設定された範囲内である場合(ステップST17のYES)には、第2加圧装置15で加圧した容器100を漏れが生じていないと判断する。
【0094】
次に、制御部64は、第1荷重及び第2荷重の差を求め、当該差と第2閾値とを比較する(ステップST18)。第1荷重及び第2荷重の差が第2閾値の範囲内である場合(ステップST18のYES)には、制御部64は、搬送装置12及び与圧装置13による与圧における漏れ量が正常と判断する。
【0095】
次に、制御部64は、第1荷重及び第2荷重から評価値を求め、当該評価値と第3閾値とを比較する(ステップST19)。評価値が第3閾値の範囲内である場合(ステップST19のYES)には、制御部64は、加圧後の容器100内の残圧が正常と判断する。次に、制御部64は、ステップST13、ステップS17、ステップST18及びステップST19において、第1荷重、第2荷重、第1荷重及び第2荷重の差並びに評価値が各閾値の範囲内であった場合には、容器100に漏れがない良品と判断する(ステップST20)。
【0096】
また、制御部64は、ステップST13、ステップS17、ステップST18及びステップST19のいずれかにおいて、第1荷重、第2荷重、第1荷重及び第2荷重の差並びに評価値が各閾値の範囲外である場合(ステップST13のNO、ステップST17のNO、ステップST18のNO又はステップST19のNO)には、容器100に漏れが生じている不良品と判断する(ステップST21)。
【0097】
次に、制御部64は、ステップST20及びステップST21で行った容器100の良否判断の結果に基づいて、容器100の仕分けを行う(ステップST22)。例えば、制御部64は、ステップST20で容器100を良品と判断した場合には、切換部17bを操作して搬送路310を選択し、仕分装置17のコンベア17aを駆動して、容器100を良品収集部へと仕分ける。同様に、制御部64は、ステップST21で容器100を不良品と判断した場合には、切換部17bを操作して搬送路320を選択し、仕分装置17のコンベア17aを駆動して、容器100を不良品収集部へと仕分ける。
【0098】
次に、制御部64は、ステップST20及びステップST21で判断した結果を報知手段62により外部へ報知する(ステップST23)。併せて、制御部64は、判断した結果を記憶部63に記憶する。
【0099】
このように構成されたリーク検査装置1Aによれば、上述したリーク検査装置1と同様の効果を奏する。加えて、リーク検査装置1Aは、与圧の一次側に第1加圧装置14を有する。また、リーク検査装置1Aは、与圧前及び与圧後の加圧のそれぞれで求めた荷重に基づいて2回、加圧時の荷重の評価を行い、与圧の前後における荷重の差に基づいて与圧時の漏れ量の評価を行い、そして、与圧の前後の荷重に基づいて容器100の残圧を評価する。このように、リーク検査装置1Aは、複数種の評価を行うことで、容器100の漏れを高い精度で検査することが可能となる。
【0100】
また、容器100が充填・密封後にレトルト殺菌処理が実施され、このレトルト処理により蓋111の伸び及び変形や冷却時に於ける蓋111の水吸着によるフィルム伸びが助長される虞がある。しかしながら、リーク検査装置1Aは、第1加圧装置14を設け、第1加圧装置14及び第2加圧装置15の差圧から漏れを検出することができるため、蓋111に伸びや変形等が生じても、漏れを確実に検出することができる。
【0101】
また、容器100の良否判断の結果に基づいて、仕分装置17で仕分けを行う構成とすれば、作業者が不良品の容器100をピックする必要がない。
【0102】
上述したように本発明の第2の実施形態に係るリーク検査装置1Aによれば、容易、且つ、安価に容器100の漏れを検査可能となる。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上述したリーク検査装置1は、仕分装置17を有さない例を説明し、そして、リーク検査装置1Aは、仕分装置17を有する例を説明したがこれに限定されない。即ち、リーク検査装置1は仕分装置17を有していても良く、また、リーク検査装置1Aは、仕分装置17を有さない構成としてもよい。また、仕分装置17を設ける場合には、容器100は、リーク検査後に良品及び不良品が仕分けられることから、リーク検査装置1、1Aは、報知手段62を有さない構成としてもよい。
【0104】
また、上述した例では、搬送装置12は与圧を行う構成を説明したがこれに限定されず、搬送装置12は与圧を行わない構成としてもよい。また、搬送装置12は、一対のコンベア機構21を有する構成としたこれに限定されず、搬送装置12は、ベルトコンベアやローラコンベアとしてもよい。
【0105】
また、容器100を搬送する手段として、搬送装置12により搬送する構成としたが、搬送装置12は上述した例に限定されず、搬送装置12を加圧装置14、15が設けられる領域まで延長して設ける構成であってもよい。
【0106】
また、上述した例では、与圧装置13は、第2押圧プーリ41a及び第2プーリベルト42によって容器100を与圧する構成を説明したがこれに限定されず、例えば、重力方向に移動するスタンプ部材によって容器100を複数回与圧する構成であってもよい。
【0107】
また、上述した例では、リーク検査装置1Aは、第1荷重及び第2荷重を取得し、複数種の容器100の評価を行っているが、そのうちいずれかの評価によって容器100の漏れの評価を行っても良く、また、他の評価を行う構成であってもよい。
【0108】
また、搬送装置12及び与圧装置13の押圧プーリ31a、42aの構成や形状は、搬送する容器100や求める搬送性能、与圧性能に応じて適宜設定可能である。
【0109】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0110】
1、1A…リーク検査装置、11…基台、12…搬送装置、13…与圧装置、14…第1加圧装置、15…第2加圧装置、16…検出センサ、17…仕分装置、17a…コンベア、17b…切換部、17c…駆動部、18…制御装置、21…コンベア機構、31…第1プーリ群、31a…第1押圧プーリ、31b…第1従動プーリ、31c…第1駆動プーリ、32…第1プーリベルト、33…第1駆動モータ、41…第2プーリ群、41a…第2押圧プーリ、41b…第2従動プーリ、41c…第2駆動プーリ、41d…プーリ、41e…ベルト、42…第2プーリベルト、42a…押圧プーリ、43…第2駆動モータ、52…加圧ローラ、53…ブロック、54…アクチュエータ、54a…エアシリンダ、54b…空圧回路、54c…外郭体、55…検出器、61…駆動部、62…報知手段、63…記憶部、64…制御部、100…容器、110…カップ容器、110a…フランジ、111…蓋、112…ヘッドスペース、120…内容物、130…ガス、300、310、320…搬送路。