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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20230904BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20230904BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20230904BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
H01L21/88 Z
H01L21/90 K
H01L21/88 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019171103
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021048340
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-08-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅基
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-312007(JP,A)
【文献】特開2006-019379(JP,A)
【文献】特表2014-510400(JP,A)
【文献】特開2002-319625(JP,A)
【文献】特開2004-273939(JP,A)
【文献】特開2002-009256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の上に設けられ、メタル層と、前記メタル層の下面及び側面に接するバリアメタル層とを有する配線層と、
前記半導体基板の上に設けられ、前記バリアメタル層と同一材料のキャパシタ下部電極と、
前記キャパシタ下部電極の上に設けられたキャパシタ絶縁膜と、
前記キャパシタ絶縁膜の上に設けられたキャパシタ上部電極と、
を備え、
前記半導体基板から前記キャパシタ下部電極の上面までの距離は、前記半導体基板から前記配線層の上面までの距離以下であり、
前記半導体基板から前記キャパシタ下部電極の下面までの距離は、前記半導体基板から前記配線層の下面までの距離よりも大きく、
前記キャパシタ下部電極と前記バリアメタル層とは連続する半導体装置。
【請求項2】
前記キャパシタ絶縁膜は窒化シリコンである請求項記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板から前記キャパシタ下部電極の上面までの距離は、前記半導体基板から前記配線層の上面までの距離と同一である請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板の上に、第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜の一部の領域をエッチングにより除去し、
前記第2の絶縁膜の上に、第3の絶縁膜を形成し、
前記第3の絶縁膜に前記第2の絶縁膜に達する溝を形成し、
前記溝の中、及び、前記第3の絶縁膜の上に第1の金属膜を形成し、
前記第1の金属膜の上に第2の金属膜を形成し、
前記第3の絶縁膜の上の前記第2の金属膜を除去し、
前記一部の領域のエッチングにより生じた段差により形成された前記第3の絶縁膜の表面の凹部に前記第1の金属膜を残して、前記第3の絶縁膜の上の前記第1の金属膜を化学的機械研磨法により除去し、
前記第1の金属膜及び前記第3の絶縁膜の上に、第4の絶縁膜を形成し、
前記第4の絶縁膜の上に第3の金属膜を形成し、
前記第3の金属膜をパターニングし、前記凹部の前記第1の金属膜の上の前記第4の絶縁膜の上に前記第3の金属膜を残存させる半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2の絶縁膜、前記第4の絶縁膜は窒化シリコンである請求項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の金属膜は銅である請求項又は請求項記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに組み込まれる通信用LSIとして、アナログLSIとデジタルLSIとが混載されたアナログデジタル混載LSIが用いられる。アナログデジタル混載LSIの特性を向上させる観点から、アナログLSIの受動素子の特性の向上、例えば、キャパシタの特性の向上が要求される。
【0003】
MIMキャパシタ(Metal Insulator Metal キャパシタ)は、キャパシタの上部電極及び下部電極に金属膜を用いる。上部電極及び下部電極に金属膜を用いることで、例えば、多結晶シリコン膜を用いる場合に比べ、キャパシタの寄生抵抗及び寄生容量が低減される。したがって、キャパシタの特性の向上が実現できる。
【0004】
しかし、MIMキャパシタを採用することで、製造プロセスが複雑になり、デバイス歩留りが低下するおそれがある。デバイス歩留りの低下を抑制するために、製造が容易な構造を有するMIMキャパシタが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-39724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、製造が容易な構造を有するMIMキャパシタを備える半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられ、メタル層と、前記メタル層の下面及び側面に接するバリアメタル層とを有する配線層と、前記半導体基板の上に設けられ、前記バリアメタル層と同一材料のキャパシタ下部電極と、前記キャパシタ下部電極の上に設けられたキャパシタ絶縁膜と、前記キャパシタ絶縁膜の上に設けられたキャパシタ上部電極と、を備え、前記半導体基板から前記キャパシタ下部電極の上面までの距離は、前記半導体基板から前記配線層の上面までの距離以下であり、前記半導体基板から前記キャパシタ下部電極の下面までの距離は、前記半導体基板から前記配線層の下面までの距離よりも大きく、前記キャパシタ下部電極と前記バリアメタル層とは連続する
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図2】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図3】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図4】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図13】比較例の半導体装置の模式断面図。
図14】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図15】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図16】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図17】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図18】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
図19】第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0010】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する場合がある。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0011】
本明細書中の半導体装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)により行うことが可能である。また、半導体装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離等の測定には、例えば、走査型電子顕微鏡(Scannning Electron Microscope:SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いることが可能である。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上に設けられ、メタル層と、メタル層の下面及び側面に接するバリアメタル層とを有する配線層と、半導体基板の上に設けられ、バリアメタル層と同一材料のキャパシタ下部電極と、キャパシタ下部電極の上に設けられたキャパシタ絶縁膜と、キャパシタ絶縁膜の上に設けられたキャパシタ上部電極と、を備え、半導体基板から下部電極の上面までの距離は、半導体基板から配線層の上面までの距離以下であり、半導体基板から下部電極の下面までの距離は、半導体基板から配線層の下面までの距離よりも大きい。
【0013】
図1は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の半導体装置は、アナログデジタル混載LSI100である。アナログデジタル混載LSI100は、アナログLSIとデジタルLSIとが同一半導体チップに混載されている。アナログデジタル混載LSI100は、金属の多層配線と、MIMキャパシタを有する。
【0014】
アナログデジタル混載LSI100は、シリコン基板10(半導体基板)、第1の層間絶縁層12、第1のエッチングストッパ膜14、第2の層間絶縁層16、第1の配線層18(配線層)、キャップ絶縁膜20、キャパシタ下部電極22、キャパシタ絶縁膜24、キャパシタ上部電極26、第2のエッチングストッパ膜28、第3の層間絶縁層30、コンタクトプラグ32、第2の配線層34、第4の層間絶縁層36を備える。
【0015】
第1の配線層18は、メタル層18aとバリアメタル層18bとを有する。
【0016】
シリコン基板10は、例えば、単結晶シリコンである。シリコン基板10は、半導体基板の一例である。
【0017】
第1の層間絶縁層12は、シリコン基板10の上に設けられる。第1の層間絶縁層12は、例えば、酸化シリコンである。
【0018】
シリコン基板10、及び、第1の層間絶縁層12内に、例えば、図示しないトランジスタやダイオードなどの半導体素子が形成されている。
【0019】
第1のエッチングストッパ膜14は、第1の層間絶縁層12の上に設けられる。第1のエッチングストッパ膜14は、第1の配線層18を形成するための溝を、第2の層間絶縁層16に形成する際のストッパとして機能する。第1のエッチングストッパ膜14は、例えば、窒化シリコンである。
【0020】
第2の層間絶縁層16は、第1のエッチングストッパ膜14の上に設けられる。第2の層間絶縁層16は、例えば、酸化シリコンである。
【0021】
第1の配線層18は、第1のエッチングストッパ膜14の上に設けられる。第1の配線層18は、第2の層間絶縁層16の中に埋め込まれている。第1の配線層18の下面は、第1のエッチングストッパ膜14に接する。
【0022】
第1の配線層18は、メタル層18aとバリアメタル層18bとを有する。バリアメタル層18bは、メタル層18aの下面及び側面に接する。バリアメタル層18bは、例えば、メタル層18aの金属の拡散を防止する機能を有する。
【0023】
メタル層18aは、例えば、銅である。バリアメタル層18bは、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン、又は、タングステンチタン合金である。
【0024】
キャップ絶縁膜20は、第1の配線層18の上に設けられる。キャップ絶縁膜20は、第1の配線層18の上面に接する。キャップ絶縁膜20は、キャパシタ絶縁膜24と連続する。
【0025】
キャップ絶縁膜20は、例えば、メタル層18aの金属の拡散を防止する機能を有する。また、キャップ絶縁膜20は、例えば、メタル層18aの金属が酸化されることを防止する機能を有する。
【0026】
キャップ絶縁膜20は、例えば、窒化シリコン、炭化シリコン、又は、炭窒化シリコンである。
【0027】
キャパシタ下部電極22は、第2の層間絶縁層16の上に設けられる。キャパシタ下部電極22は、第2の層間絶縁層16の表面の凹部に埋め込まれている。
【0028】
キャパシタ下部電極22は、バリアメタル層18bと同一材料である。キャパシタ下部電極22の厚さは、例えば、バリアメタル層18bの厚さ以下である。キャパシタ下部電極22の厚さは、例えば、バリアメタル層18bの厚さと等しい。キャパシタ下部電極22とバリアメタル層18bとは、同時形成される。
【0029】
シリコン基板10からキャパシタ下部電極22の上面までの距離(図1中のd1)は、シリコン基板10から第1の配線層18の上面までの距離(図1中のd2)以下である。距離d1は、例えば、距離d2と同一である。また、シリコン基板10からキャパシタ下部電極22の下面までの距離(図1中のd3)は、シリコン基板10から第1の配線層18の下面までの距離(図1中のd4)よりも大きい。
【0030】
キャパシタ絶縁膜24は、キャパシタ下部電極22の上に設けられる。キャパシタ絶縁膜24は、キャパシタ下部電極22に接する。
【0031】
キャパシタ絶縁膜24は、キャップ絶縁膜20と連続する。キャパシタ絶縁膜24は、キャップ絶縁膜20と同一材料である。キャパシタ絶縁膜24の厚さは、キャップ絶縁膜20の厚さと等しい。キャパシタ絶縁膜24とキャップ絶縁膜20とは、同時形成される。
【0032】
キャパシタ絶縁膜24は、例えば、窒化シリコンである。
【0033】
キャパシタ上部電極26は、キャパシタ絶縁膜24の上に設けられる。キャパシタ上部電極26は、キャパシタ絶縁膜24に接する。
【0034】
キャパシタ上部電極26は、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン、又は、タングステンチタン合金である。
【0035】
キャパシタ絶縁膜24は、キャパシタ下部電極22とキャパシタ上部電極26との間に設けられる。キャパシタ下部電極22、キャパシタ絶縁膜24、及び、キャパシタ上部電極26によりMIMキャパシタが形成される。
【0036】
第2のエッチングストッパ膜28は、キャパシタ上部電極26の上に設けられる。第2のエッチングストッパ膜28は、キャパシタ上部電極26に接続されるコンタクトプラグ32のコンタクトホールを第3の層間絶縁層30に形成する際のストッパとして機能する。
【0037】
第2のエッチングストッパ膜28は、例えば、窒化シリコンである。
【0038】
第3の層間絶縁層30は、第2のエッチングストッパ膜28、及び、キャップ絶縁膜20の上に形成される。第3の層間絶縁層30は、例えば、酸化シリコンである。
【0039】
コンタクトプラグ32は、第3の層間絶縁層30内に形成される。コンタクトプラグ32は、例えば、第2の配線層34とキャパシタ上部電極26を電気的に接続する。また、コンタクトプラグ32は、例えば、第2の配線層34とキャパシタ下部電極22を電気的に接続する。また、コンタクトプラグ32は、例えば、第2の配線層34と第1の配線層18を電気的に接続する。
【0040】
コンタクトプラグ32は、例えば、金属である。コンタクトプラグ32は、例えば、タングステンである。
【0041】
第2の配線層34は、第3の層間絶縁層30の上に設けられる。第2の配線層34は、金属である。第2の配線層34は、例えば、アルミニウム合金である。
【0042】
第4の層間絶縁層36は、第2の配線層34の上に設けられる。第4の層間絶縁層36は、例えば、酸化シリコンである。
【0043】
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、金属の多層配線と、MIMキャパシタを有するアナログデジタル混載LSI100の製造方法である。
【0044】
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に、第1の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜の一部の領域をエッチングにより除去し、第2の絶縁膜の上に、第3の絶縁膜を形成し、第3の絶縁膜に第2の絶縁膜に達する溝を形成し、溝の中、及び、第3の絶縁膜の上に第1の金属膜を形成し、第1の金属膜の上に第2の金属膜を形成し、第3の絶縁膜の上の第2の金属膜を除去し、一部の領域のエッチングにより生じた段差により形成された第3の絶縁膜の表面の凹部に第1の金属膜を残して、第3の絶縁膜の上の第1の金属膜を化学的機械研磨法により除去し、第1の金属膜及び第3の絶縁膜の上に、第4の絶縁膜を形成し、第4の絶縁膜の上に第3の金属膜を形成し、第3の金属膜をパターニングし、凹部の第1の金属膜の上の第4の絶縁膜の上に第3の金属膜を残存させる。
【0045】
図2図3図4図5図6図7図8図9図10図11図12は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。
【0046】
最初に、シリコン基板10に公知の製造方法を用いて、図示しないトランジスタ等の素子を形成する。さらに、シリコン基板10の上に第1の絶縁膜50を形成する。第1の絶縁膜50は、例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法:CVD法)を用いて形成される。第1の絶縁膜50は、例えば、酸化シリコンである。第1の絶縁膜50は、最終的に第1の層間絶縁層12となる。
【0047】
次に、第1の絶縁膜50の上に、第2の絶縁膜52を形成する(図2)。第2の絶縁膜52は、例えば、CVD法を用いて形成される。第2の絶縁膜52は、例えば、窒化シリコンである。第2の絶縁膜52は、最終的に第1のエッチングストッパ膜14となる。
【0048】
次に、第2の絶縁膜52の一部の領域52aをエッチングにより除去する(図3)。一部の領域52aのエッチングは、例えば、リソグラフィ法によるレジストのパターニングの後に、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行われる。
【0049】
次に、第2の絶縁膜52の上に、第3の絶縁膜54を形成する(図4)。第3の絶縁膜54の表面には、第2の絶縁膜52の一部の領域52aのエッチングにより生じた段差により、凹部54aが形成される。
【0050】
第3の絶縁膜54は、例えば、酸化シリコンである。第3の絶縁膜54は、最終的に第2の層間絶縁層16となる。
【0051】
次に、第3の絶縁膜54に溝54bを形成する(図5)。溝54bは、第2の絶縁膜52に達する。
【0052】
溝54bは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて形成される。溝54bのエッチングの際に、第2の絶縁膜52がストッパとなる。
【0053】
次に、溝54bの中、及び、第3の絶縁膜54の上に第1の金属膜56を形成する。第1の金属膜56は、例えば、CVD法により形成される。第1の金属膜56は、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン、又は、タングステンチタン合金である。第1の金属膜56は、最終的に、バリアメタル層18b及びキャパシタ下部電極22となる。
【0054】
次に、第1の金属膜56の上に第2の金属膜58を形成する(図6)。第2の金属膜58は、例えば、めっき法により形成される。第2の金属膜58は、最終的に、メタル層18aとなる。
【0055】
次に、第3の絶縁膜54の上の第2の金属膜58を除去する。第2の金属膜58は、例えば、化学的機械研磨法(CMP法)を用いて除去する。
【0056】
次に、第3の絶縁膜54の上の第1の金属膜56をCMP法により除去する(図7)。第3の絶縁膜54の表面の凹部54aに、第1の金属膜56を残す。
【0057】
シリコン基板10から凹部54aの第1の金属膜56の上面までの距離(図7中のd1)は、シリコン基板10から第1の金属膜56及び第2の金属膜58の上面までの距離(図7中のd2)以下である。距離d1は、理想的には距離d2と同一であるが、例えば、凹部54aの第1の金属膜56の上面がディッシングにより窪むことで、距離d1が距離d2より小さくなることが考えられる。
【0058】
次に、第1の金属膜56及び第3の絶縁膜54の上に、第4の絶縁膜59を形成する。第4の絶縁膜59は、例えば、CVD法により形成される。第4の絶縁膜59は、例えば、窒化シリコンである。第4の絶縁膜59は、最終的に、キャップ絶縁膜20、及び、キャパシタ絶縁膜24となる。
【0059】
次に、第4の絶縁膜59の上に第3の金属膜60を形成する。第3の金属膜60は、例えば、CVD法により形成される。第3の金属膜60は、例えば、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン、又は、タングステンチタン合金である。第3の金属膜60は、最終的に、キャパシタ上部電極26となる。
【0060】
次に、第3の金属膜60の上に、第5の絶縁膜62を形成する(図8)。第5の絶縁膜62は、例えば、CVD法により形成される。第5の絶縁膜62は、例えば、窒化シリコンである。第5の絶縁膜62は、最終的に、第2のエッチングストッパ膜28となる。
【0061】
次に、第5の絶縁膜62及び第3の金属膜60をパターニングする(図9)。凹部54aの第1の金属膜56の上に、第5の絶縁膜62及び第3の金属膜60を残存させる。第5の絶縁膜62及び第3の金属膜60をパターニングは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて行われる。
【0062】
次に、第5の絶縁膜62及び第4の絶縁膜59の上に、第6の絶縁膜64を形成する。第6の絶縁膜64は、例えば、CVD法により形成する。第6の絶縁膜64は、例えば、酸化シリコンである。第6の絶縁膜64は、最終的に、第3の層間絶縁層30となる。
【0063】
次に、第6の絶縁膜64、第5の絶縁膜62、及び第4の絶縁膜59にコンタクトホール64aを形成する(図10)。コンタクトホール64aは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて形成される。
【0064】
コンタクトホール64aのエッチングは、2ステップで行われる。第1のステップで、第5の絶縁膜62及び第4の絶縁膜59をストッパとして第6の絶縁膜64をエッチングする。第2のステップで、エッチングガスを切り換えて、第5の絶縁膜62及び第4の絶縁膜59をエッチングする。
【0065】
2ステップのエッチングにより、深さの異なるコンタクトホール64aの形成が容易となる。2ステップのエッチングにより、第5の絶縁膜62及び第4の絶縁膜59の下の第3の金属膜60、第1の金属膜56、及び、第2の金属膜58が過度にエッチングされることを防止する。
【0066】
次に、コンタクトホール64aの中、及び、第6の絶縁膜64の上に、第4の金属膜66を形成する。第4の金属膜66は、例えば、例えば、CVD法により形成される。第4の金属膜66は、例えば、タングステンである。第4の金属膜66は、最終的に、コンタクトプラグ32となる。
【0067】
次に、第6の絶縁膜64の上の第4の金属膜66を除去する(図11)。第4の金属膜66は、例えば、CMP法により除去する。コンタクトホール64aの中に、第4の金属膜66は残存する。
【0068】
次に、第6の絶縁膜64の上に、第5の金属膜68を形成する。第5の金属膜68は、例えば、スパッタ法により形成される。第5の金属膜68は、例えば、アルミニウム合金である。第5の金属膜68は、最終的に、第2の配線層34となる。
【0069】
次に、第5の金属膜68をパターニングする。第5の金属膜68のパターニングは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて行われる。
【0070】
次に、パターニングされた第5の金属膜68の上に、第7の絶縁膜70を形成する(図12)。第7の絶縁膜70は、例えば、CVD法により形成する。第7の絶縁膜70は、例えば、酸化シリコンである。第7の絶縁膜70は、第4の層間絶縁層36となる。
【0071】
以上の製造方法により、図1に示すアナログデジタル混載LSI100が形成される。
【0072】
以下、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0073】
携帯電話などに組み込まれる通信用LSIとして、アナログLSIとデジタルLSIとが混載されたアナログデジタル混載LSIが用いられる。アナログデジタル混載LSIの特性を向上させる観点から、アナログLSIの受動素子の特性の向上、例えば、キャパシタの特性の向上が要求される。
【0074】
MIMキャパシタは、キャパシタの上部電極及び下部電極に金属膜を用いる。上部電極及び下部電極に金属膜を用いることで、例えば、多結晶シリコン膜を用いる場合に比べ、キャパシタの寄生抵抗及び寄生容量が低減される。したがって、キャパシタの特性の向上が実現できる。
【0075】
しかし、MIMキャパシタを採用することで、製造プロセスが複雑になり、デバイス歩留りが低下するおそれがある。デバイス歩留りの低下を抑制するために、製造が容易な構造を備えるMIMキャパシタが望まれる。
【0076】
図13は、比較例の半導体装置の模式断面図である。比較例の半導体装置は、アナログデジタル混載LSI900である。
【0077】
アナログデジタル混載LSI900は、第1の実施形態のアナログデジタル混載LSI100と同様、シリコン基板10(半導体基板)、第1の層間絶縁層12、第1のエッチングストッパ膜14、第2の層間絶縁層16、第1の配線層18(配線層)、キャップ絶縁膜20、キャパシタ下部電極22、キャパシタ絶縁膜24、キャパシタ上部電極26、第2のエッチングストッパ膜28、第3の層間絶縁層30、コンタクトプラグ32、第2の配線層34、第4の層間絶縁層36を備える。
【0078】
第1の配線層18は、メタル層18aとバリアメタル層18bとを有する。
【0079】
アナログデジタル混載LSI900は、シリコン基板10からキャパシタ下部電極22の上面までの距離(図13中のd5)が、シリコン基板10から第1の配線層18の上面までの距離(図13中のd6)より大きい点で、第1の実施形態のアナログデジタル混載LSI100と異なる。また、キャパシタ絶縁膜24は、キャップ絶縁膜20と連続していない点で、第1の実施形態のアナログデジタル混載LSI100と異なる。
【0080】
アナログデジタル混載LSI900を製造する際、キャパシタ下部電極22とバリアメタル層18bとは、同時に形成されない。また、キャパシタ絶縁膜24とキャップ絶縁膜20とは同時に形成されない。このため、製造ステップが多くなり、製造プロセスが複雑になる。
【0081】
また、アナログデジタル混載LSI900では、コンタクトプラグ32の深さの差が、アナログデジタル混載LSI100と比べて大きくなる。したがって、コンタクトプラグ32のコンタクトホールの形成の際に、コンタクトホールの下に露出するキャパシタ上部電極26、キャパシタ下部電極22、及び、第1の配線層18が過度にエッチングされるおそれがある。よって、デバイス歩留りが低下するおそれがある。
【0082】
第1の実施形態のアナログデジタル混載LSI100では、キャパシタ下部電極22とバリアメタル層18bの同時形成が可能である。また、キャパシタ絶縁膜24とキャップ絶縁膜20の同時形成が可能である。したがって、製造ステップが少なく、製造プロセスが簡単になる。
【0083】
また、コンタクトプラグ32の深さの差が小さい。したがって、コンタクトプラグ32のコンタクトホール64aの形成の際に、コンタクトホール64aの下に露出するキャパシタ上部電極26、キャパシタ下部電極22、及び、第1の配線層18が過度にエッチングされることが抑制される。
【0084】
アナログデジタル混載LSI100のMIMキャパシタは、製造が容易な構造を有する。したがって、アナログデジタル混載LSI100を製造する際の、デバイス歩留りの低下が抑制される。
【0085】
なお、キャパシタ下部電極22の平面上のパターンは、例えば、メッシュ状とすることが可能である。メッシュ状とすることで、例えば、第1の金属膜56をCMP法により研磨する際に、凹部54aの第1の金属膜56の厚さがディッシングにより減少することを抑制できる。
【0086】
以上、第1の実施形態によれば、製造が容易な構造を有するMIMキャパシタを備える半導体装置を実現できる。
【0087】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、キャパシタ下部電極とバリアメタル層とが連続する点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0088】
図14は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第2の実施形態の半導体装置は、アナログデジタル混載LSI200である。
【0089】
アナログデジタル混載LSI200は、第1の実施形態のアナログデジタル混載LSI100と同様、シリコン基板10(半導体基板)、第1の層間絶縁層12、第1のエッチングストッパ膜14、第2の層間絶縁層16、第1の配線層18(配線層)、キャップ絶縁膜20、キャパシタ下部電極22、キャパシタ絶縁膜24、キャパシタ上部電極26、第2のエッチングストッパ膜28、第3の層間絶縁層30、コンタクトプラグ32、第2の配線層34、第4の層間絶縁層36を備える。
【0090】
第1の配線層18は、メタル層18aとバリアメタル層18bとを有する。
【0091】
図14に示すように、キャパシタ下部電極22とバリアメタル層18bが連続する。
【0092】
次に、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。図15図16図17図18図19は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。
【0093】
第1の絶縁膜50の上に、第2の絶縁膜52を形成するまでは、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様である。
【0094】
次に、第2の絶縁膜52の一部の領域52aをエッチングにより除去する(図15)。一部の領域52aのエッチングは、例えば、リソグラフィ法によるレジストのパターニングの後に、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行われる。
【0095】
後に溝54bが形成される領域まで、第2の絶縁膜52が除去される。
【0096】
次に、第2の絶縁膜52の上に、第3の絶縁膜55を形成する(図16)。第3の絶縁膜54の表面には、第2の絶縁膜52の一部の領域52aのエッチングにより生じた段差により、凹部54aが形成される。
【0097】
第3の絶縁膜54は、例えば、酸化シリコンである。第3の絶縁膜53は、最終的に第2の層間絶縁層16となる。
【0098】
次に、第3の絶縁膜54に溝54bを形成する(図17)。溝54bは、第2の絶縁膜52に達する。
【0099】
溝54bは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて形成される。溝54bのエッチングの際に、第2の絶縁膜52がストッパとなる。
【0100】
次に、溝54bの中、及び、第3の絶縁膜54の上に第1の金属膜56を形成する。第1の金属膜56は、例えば、CVD法により形成される。第1の金属膜56は、例えば、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン、又は、タングステンチタン合金である。
【0101】
次に、第1の金属膜56の上に第2の金属膜58を形成する(図18)。第2の金属膜58は、例えば、めっき法により形成される。
【0102】
次に、第3の絶縁膜54の上の第2の金属膜58を除去する。第2の金属膜58は、例えば、化学的機械研磨法(CMP法)を用いて除去する。
【0103】
次に、第3の絶縁膜54の上の第1の金属膜56をCMP法により除去する(図19)。第3の絶縁膜54の表面の凹部54aに、第1の金属膜56を残す。凹部54aの第1の金属膜56は、溝54bの中の第1の金属膜56と連続する。
【0104】
以上の製造方法により、図14に示すアナログデジタル混載LSI200が形成される。
【0105】
第2の実施形態のアナログデジタル混載LSI200では、キャパシタ下部電極22と第1の配線層18との間の電気的接続を、例えば、第2の配線層34など、他の配線を用いずに、直接取ることが可能である。したがって、キャパシタ下部電極22と第1の配線層18との間の電気的接続を取るための構造を別途設ける必要が無い。よって、アナログデジタル混載LSI200のチップ面積の縮小が可能となる。
【0106】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、製造が容易な構造を有するMIMキャパシタを備える半導体装置を実現できる。また、チップ面積の縮小が可能な半導体装置を実現できる。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
10 シリコン基板(半導体基板)
18 第1の配線層(配線層)
18a メタル層
18b バリアメタル層
20 キャップ絶縁膜
22 キャパシタ下部電極
24 キャパシタ絶縁膜
26 キャパシタ上部電極
50 第1の絶縁膜
52 第2の絶縁膜
52a 一部の領域
54 第3の絶縁膜
54a 凹部
54b 溝
56 第1の金属膜
58 第2の金属膜
59 第4の絶縁膜
60 第3の金属膜
100 アナログデジタル混載LSI(半導体装置)
200 アナログデジタル混載LSI(半導体装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19