(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】予測装置および予測装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20230904BHJP
【FI】
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2019181170
(22)【出願日】2019-10-01
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】杉本 貴之
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-211763(JP,A)
【文献】特開2018-182820(JP,A)
【文献】特開2017-55629(JP,A)
【文献】特開2016-181060(JP,A)
【文献】特開2006-288151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた負荷に消費される電力または熱量を予測した値である需要予測値、および前記負荷によって消費された需要電力または需要熱量の実績値に基づいて、前記需要予測値の補正を、予測日における第1の所定の期間毎に行う予測装置であって、
補正前の前記第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における前記需要予測値を積算して予測積算量を算出し、前記積算時間帯における前記実績値を積算して実績積算量を算出する積算量算出部と、
前記実績積算量を前記予測積算量で除算し、除算後の値に、補正前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数を算出する補正係数算出部と、
補正を行う対象の前記需要予測値に前記補正係数を乗算して前記需要予測値の補正を行う補正部と、
を備えることを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記補正係数算出部は、
前記第2の所定期間で表す第2の積算時間帯における前記実績値を積算して算出される第2の実績積算量を、前記第2の積算時間帯における前記補正係数を乗算して得られた補正後の需要予測値を積算して算出される第2の予測積算量で除算して、前記調整係数を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記補正係数算出部は、
前記調整係数を前記第2の積算時間帯が経過する毎に更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記補正係数算出部は、
前記補正係数の上限値を、前記積算時間帯における前記実績値のうちの最大値である実績最大値を、前記需要予測値で除算して算出し、
前記補正係数の下限値を、前記積算時間帯における前記実績値のうちの最小値である実績最小値を、前記需要予測値で除算して算出し、
前記補正係数が前記補正係数の上限値以下であり、かつ、前記補正係数の下限値以上である場合、前記補正係数を補正係数とし、
前記補正係数が前記補正係数の上限値より大きい場合、前記補正係数の上限値を補正係数とし、
前記補正係数が前記補正係数の下限値より小さい場合、前記補正係数の下限値を補正係数とする
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の予測装置。
【請求項5】
建物に設けられた負荷に消費される電力または熱量を予測した値である需要予測値、および前記負荷によって消費された需要電力または需要熱量の実績値に基づいて、前記需要予測値の補正を、予測日における第1の所定の期間毎に行う予測装置の制御方法であって、
積算量算出部が、補正前の前記第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における前記需要予測値を積算して予測積算量を算出し、前記積算時間帯における前記実績値を積算して実績積算量を算出する積算量算出工程と、
補正係数算出部が、前記実績積算量を前記予測積算量で除算し、除算後の値に、補正前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数を算出する補正係数算出工程と、
補正部が、補正を行う対象の前記需要予測値に前記補正係数を乗算して前記需要予測値の補正を行う補正工程と、
を備えることを特徴とする予測装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置および予測装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の省エネ、省コストを実現するためには、建物の最適な設備運転計画を立案することが重要である。この時、設備運転計画の精度は電力・熱量需要予測の精度に依存するため、高精度な需要予測が求められている。例えば、予測日における建物によって消費される電力・熱量を表す需要予測値を算出する予測処理部を備えた運転管理装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の予測処理部では、予測日の前日において、翌日(予測日)の需要予測を行い、その需要予測結果を用いて翌日の設備運転計画を立案することが考えられる。
しかしながら、当日の建物利用の予定変更などにより、前日における予測値は、実績値との乖離が大きい場合が多い。そのため、設備運転計画の精度が悪化しないように、予測日当日においては、予測値と実績値のずれを補正することが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、予測値と実績値との乖離を小さくするための予測値の補正を行う予測装置および予測装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、建物に設けられた負荷に消費される電力または熱量を予測した値である需要予測値、および前記負荷によって消費された需要電力または需要熱量の実績値に基づいて、前記需要予測値の補正を、予測日における第1の所定の期間毎に行う予測装置であって、補正前の前記第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における前記需要予測値を積算して予測積算量を算出し、前記積算時間帯における前記実績値を積算して実績積算量を算出する積算量算出部と、前記実績積算量を前記予測積算量で除算し、除算後の値に、補正前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数を算出する補正係数算出部と、補正を行う対象の前記需要予測値に前記補正係数を乗算して前記需要予測値の補正を行う補正部と、を備えることを特徴とする予測装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記予測装置であって、前記補正係数算出部は、前記第2の所定期間で表す第2の積算時間帯における前記実績値を積算して算出される第2の実績積算量を、前記第2の積算時間帯における前記補正係数を乗算して得られた補正後の需要予測値を積算して算出される第2の予測積算量で除算して、前記調整係数を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記予測装置であって、前記補正係数算出部は、前記調整係数を前記第2の積算時間帯が経過する毎に更新することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記予測装置であって、前記補正係数算出部は、前記補正係数の上限値を、前記積算時間帯における前記実績値のうちの最大値である実績最大値を、前記需要予測値で除算して算出し、前記補正係数の下限値を、前記積算時間帯における前記実績値のうちの最小値である実績最小値を、前記需要予測値で除算して算出し、前記補正係数が前記補正係数の上限値以下であり、かつ、前記補正係数の下限値以上である場合、前記補正係数を補正係数とし、前記補正係数が前記補正係数の上限値より大きい場合、前記補正係数の上限値を補正係数とし、前記補正係数が前記補正係数の下限値より小さい場合、前記補正係数の下限値を補正係数とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、建物に設けられた負荷に消費される電力または熱量を予測した値である需要予測値、および前記負荷によって消費された需要電力または需要熱量の実績値に基づいて、前記需要予測値の補正を、予測日における第1の所定の期間毎に行う予測装置の制御方法であって、積算量算出部が、補正前の前記第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における前記需要予測値を積算して予測積算量を算出し、前記積算時間帯における前記実績値を積算して実績積算量を算出する積算量算出工程と、補正係数算出部が、前記実績積算量を前記予測積算量で除算し、除算後の値に、補正前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数を算出する補正係数算出工程と、補正部が、補正を行う対象の前記需要予測値に前記補正係数を乗算して前記需要予測値の補正を行う補正工程と、を備えることを特徴とする予測装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予測値と実績値との乖離を小さくするための予測値の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る予測装置の構成例を示す構成図である。
【
図2】
図1に示す予測装置が需要予測値の補正する方法を説明するための模式図である。
【
図3】
図1に示す予測装置の補正係数を求める際の動作を説明するための図である。
【
図4】
図1に示す予測装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る予測装置10の構成例を示す構成図である。
図1に示す予測装置10は、建物に設けられた負荷に消費される電力または熱量を予測した値である需要予測値、および負荷によって消費された需要電力または需要熱量の実績値に基づいて、需要予測値の補正を、予測日における第1の所定の期間毎に行う。
ここで、建物に設けられた負荷としては、例えば、作業設備機器、空調熱源設備機器である。作業設備機器は、PC(Personal Computer)、照明機器、OA(Office Automation)機器などを含む。また、空調熱源設備機器は、空調熱源機、外調機、空調機、熱循環機構、パッケージ空調機などを含む。
【0014】
予測装置10は、コンピュータが有するハードウェアとソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的要素として、入力部20と、予測処理部30と、を有する。
【0015】
入力部20は、図示していない建物の運転管理装置(例えば、特許文献1に記載の運転管理装置、以下「外部」という)に接続されている。入力部20は、外部から、建物に消費される電力または熱量を表す需要予測値(以下、「需要予測値」という)、建物に消費された需要電力または需要熱量の実績値(以下、「実績値」という)を取り込む。また、予測処理部30は、需要予測値を補正して、補正後の需要予測値を外部へ出力する。
【0016】
ここで,前提条件として、予測処理部30が、需要予測値を補正する際に、用いる需要予測値と実績値のデータ刻みは10分(第1の所定期間)単位とする。すなわち、予測処理部30は、10分(第1の所定期間)毎に実績値、需要予測値に基づく補正を実施する。もちろん、データ刻みが30分単位の場合は、30分毎に補正を実施してもよい。
図2は、
図1に示す予測装置10が需要予測値の補正する方法を説明するための模式図である。
図2は、第1の所定期間が10分である場合の予測値(需要予測値)、実績値、および補正後の予測値(補正後の需要予測値)の時間変化を表している。
図2に示すように、予測装置10は、予測日の10:00に30分前までの(補正実行時点前の)予測値(9:30、9:40、9:50における予測値)と実績値(9:30、9:40、9:50における実績値)の積算値の比(補正係数)を、10:00(補正実行時点)の予測値に掛ける(乗算する)ことにより、予測日の10:00(補正実行時点)での補正後の予測値を算出する。
【0017】
以下、より具体的に、予測処理部30が、需要予測値を補正して、補正後の需要予測値を算出する手法について説明する。
予測処理部30は、積算量算出部31と、補正係数算出部32と、補正部33と、を含んで構成される。
【0018】
積算量算出部31は、需要予測値の積算P0、実績値の積算P1を求める。P0、P1の積算時間帯は、補正実行時点前の第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯である。ここでは、例えば、補正実行時点前の10分(第1の所定の期間)×3=30分前(データ数3:設定パラメータ)までのデータを使用する。
すなわち、積算量算出部31は、補正実行時点前の第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における需要予測値を積算して予測積算量P0を算出し、当該積算時間帯における実績値を積算して実績積算量P1を算出する。ここで、本実施形態においては、n=3としているが、n=1、2、4、5、…などの他の値により、予測積算量、実績積算量を算出してもよい。
【0019】
補正係数算出部32は、以下の計算式より補正係数K(本実施形態においては10分(第1の所定期間)ごとに更新される値である)を求める。
K=P1÷P0×調整係数
すなわち、補正係数算出部32は、実績積算量P0を予測積算量P1で除算し、除算後の値に、補正実行時点前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数Kを算出する。
【0020】
ここで、上記式における調整係数は、予測積算量P0と実績積算量P1が大きく乖離しないための設定パラメータである。
調整係数は、以下の計算式により求め、例えば1週間に1回更新する。
調整係数=過去(補正実行時点前の第2の積算時間帯)の実績積算量P1’÷過去(補正実行時点前の第2の積算時間帯)の補正後の予測積算量P0’
ここで、第2の積算時間帯とは、第2の所定期間(第1の所定期間×m(mは自然数))で表す積算時間帯である。例えば、本実施形態においては第1の所定期間=10分であるので、m=6×24×7とすることで、第2の所定期間で表す第2の積算時間帯は、1週間となる。
また、実績積算量P1’(第2の実績積算量)は、第2の積算時間帯における実績値を積算して算出される。
また、予測積算量P0’(第2の予測積算量)は、第2の積算時間帯における補正係数を乗算して得られた補正後の需要予測値を積算して算出される。
すなわち、補正係数算出部32は、第2の所定期間で表す第2の積算時間帯における実績値を積算して算出される第2の実績積算量を、第2の積算時間帯における補正係数Kを乗算して得られた補正後の需要予測値を積算して算出される第2の予測積算量で除算して、調整係数を算出する。
また、補正係数算出部32は、調整係数を第2の積算時間帯が経過する毎に更新する。
【0021】
また、上述した補正係数に上下限値(上限値、下限値)を設けないと、補正後の需要予測値が実績値より極端に大きく、または小さくなることがある。そのため、補正係数に上下限値を設ける。
図3は、
図1に示す予測装置10の補正係数を求める際の動作を説明するための図である。
図3は、予測日全日の実績値と、予測値(補正後の予測値)とを、調整係数を1.02に設定して、算出したものである。
図3において、上図が、上限値がない場合、下図が、上限値がある場合の算出後の値を示している。図中〇で囲んだ部分に着目すると、補正係数に上限値を設けないと、補正後の需要予測値が実績値より極端に大きくなることが判る。
そこで、以下の計算式より、補正係数の上下限値(10分毎更新)を求める。また、補正係数が上限値以下、下限値以上の場合はそのままで、上限値以上の場合は上限値の数値、下限値以下の場合は下限値の数値とする。
上限値=30分前(データ数3:設定パラメータ)までの実績最大値÷補正実行時点の補正前予測値
下限値=30分前(データ数3:設定パラメータ)までの実績最小値÷補正実行時点の補正前予測値
すなわち、補正係数算出部32は、補正係数Kの上限値を、積算時間帯における実績値のうちの最大値である実績最大値を、補正実行時点の需要予測値で除算して算出する。また、補正係数算出部32は、補正係数Kの下限値を、積算時間帯における実績値のうちの最小値である実績最小値を、補正実行時点の需要予測値で除算して算出する。また、補正係数算出部32は、補正係数Kが補正係数の上限値以下であり、かつ、補正係数の下限値以上である場合、補正係数Kを補正係数Kとし、補正係数Kが補正係数の上限値より大きい場合、補正係数の上限値を補正係数Kとし、補正係数Kが補正係数の下限値より小さい場合、補正係数の下限値を補正係数Kとする。
【0022】
補正部33は、補正前予測値(補正実行時点の需要予測値)をY、補正後予測値(補正後の需要予測値)をWとし、以下の計算式より予測値を補正する。
W=Y×K
すなわち、補正部33は、補正を行う対象の需要予測値Yに補正係数Kを乗算して需要予測値の補正を行う。
【0023】
次に、
図4を参照して、
図1に示す予測装置10の動作例について説明する。
図4は、
図1に示す予測装置10の動作例を示すフローチャートである。
実績値、及び需要予測値の取り込みを行う(ステップST1)。
具体的には、入力部20は、外部から、建物に消費される電力または熱量を表す需要予測値、建物に消費された需要電力または需要熱量の実績値を取り込む。
【0024】
予測積算量、及び実績積算量の算出を行う(ステップST2)。
具体的には、積算量算出部31は、補正実行時点前の第1の所定の期間×n(nは自然数)で表す積算時間帯における需要予測値を積算して予測積算量P0を算出し、積算時間帯における実績値を積算して実績積算量P1を算出する。
【0025】
補正係数の算出を行う(ステップST3)。
具体的には、補正係数算出部32は、実績積算量P1を予測積算量P0で除算し、除算後の値に、補正実行時点前の第2の所定期間に基づいて設定される調整係数を乗算して、補正係数Kを算出する。
【0026】
補正係数の上限値、下限値の算出を行う(ステップST4)。
具体的には、補正係数算出部32は、補正係数の上限値を、積算時間帯における実績値のうちの最大値である実績最大値を、補正実行時点の需要予測値で除算して算出し、補正係数の下限値を、積算時間帯における実績値のうちの最小値である実績最小値を、補正実行時点の需要予測値で除算して算出する。
【0027】
補正係数が「補正係数の上限値≧補正係数≧補正係数の下限値」を満たすか否かの判定を行う(ステップST5)。
具体的には、補正係数算出部32は、補正係数Kが前記補正係数の上限値以下であり、かつ、補正係数の下限値以上であるか否かを判定する。
【0028】
判定結果がYesの場合(ステップST5-Yes)、補正係数を維持する(ステップST6)。すなわち、補正係数算出部32は、補正係数Kを補正係数Kとする。
一方、判定結果がNoの場合(ステップST5-No)、補正係数を補正係数の上限値または補正係数の下限値とする(ステップST7)。すなわち、補正係数算出部32は、補正係数Kが補正係数の上限値より大きい場合、補正係数の上限値を補正係数Kとし、補正係数Kが補正係数の下限値より小さい場合、補正係数の下限値を補正係数Kとする。
【0029】
需要予測値を補正係数で補正する(ステップST8)。
具体的には、補正部33は、補正実行時点の需要予測値に補正係数Kを乗算して需要予測値の補正を行う。また、補正部33は、需要予測値に補正係数Kを乗算して得られる補正後の需要予測値を外部に出力する。
【0030】
以上のように、本実施形態の予測装置10によれば、建物利用の予定変更などによる当日の負荷パターンの変化に対応でき、予測精度の悪化を防ぐことができる。また、本実施形態の予測装置10を用いることにより、補正後の予測値が更新されるタイミングで、設備運転計画を再計画することにより、高い精度を有する設備運転計画を立案することができ、建物の省エネ・節電に寄与することができる。
【0031】
上述した実施形態における予測装置10をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0032】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10 予測装置
20 入力部
30 予測処理部
31 積算量算出部
32 補正係数算出部
33 補正部