(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】固定層反応装置及び気体処理装置
(51)【国際特許分類】
B01J 8/04 20060101AFI20230904BHJP
G21C 9/06 20060101ALI20230904BHJP
G21D 3/08 20060101ALI20230904BHJP
B01J 19/24 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
B01J8/04 311A
G21C9/06
G21D3/08 F
B01J19/24 Z
(21)【出願番号】P 2019194559
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 昂
(72)【発明者】
【氏名】岡部 寛史
(72)【発明者】
【氏名】大村 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】土屋 直実
(72)【発明者】
【氏名】柳生 基茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠二
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-035896(JP,A)
【文献】特開平08-192040(JP,A)
【文献】特開2016-008839(JP,A)
【文献】特許第086422(JP,C2)
【文献】特開2000-121262(JP,A)
【文献】特開2004-315413(JP,A)
【文献】特開平10-288694(JP,A)
【文献】特開2000-009873(JP,A)
【文献】特表2007-512458(JP,A)
【文献】特開2007-229556(JP,A)
【文献】特開2014-108401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/86-94
B01J 8/00-14、19/24
C01B 3/00-58
G21C 9/06
G21D 3/08-18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻容器と、
前記外殻容器内に設けられ、水素を上方から流入させるための複数の入口側流路と、
前記外殻容器内の底部に
空隙が設けられ、複数の前記入口側流路を通じて流入した前記水素を一時的に収容するバッファー部と、
前記外殻容器内に、前記入口側流路と隣接
接触して熱交換可能な状態に設けられ、内部に固定層が充填され、前記バッファー部から
押出し流れとして流入した前記水素を前記入口側流路と反対向きに上昇流として流通させる出口側流路と、
を具備し、
前記入口側流路および前記出口側流路が複数のパイプ状の構造物から構成され、
前記固定
層は、水素と反応して発熱する金属酸化物が使用され、前記水素と前記金属酸化物との熱反応により、前記水素を水に変換して処理する
ことを特徴とする固定層反応装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の固定層反応装置であって、
前記パイプ状の構造物の肉厚が、前記外殻容器の肉厚より薄いことを特徴とする固定層反応装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の固定層反応装置であって、
前記入口側流路内に、前記入口側流路と前記出口側流路とを隔てる部材より熱容量が大きく反応に寄与しない不活性な物質で構成された不活性層が形成されていることを特徴とする固定層反応装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか1項に記載の固定層反応装置であって、
前記入口側流路内に、前記出口側流路との間の熱交換を促進するためのフィン状の構造物を配設したことを特徴とする固定層反応装置。
【請求項5】
原子力発電所に配設され、事故時に発生する水素を処理する気体処理装置であって、
請求項1乃至
4の何れか1項に記載の固定層反応装置を具備した
ことを特徴とする気体処理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の気体処理装置であって、
前記固定層が酸化銅(II)、酸化コバルト(II,III)、酸化マンガン(IV)、酸化ニッケル(II)、酸化鉄(III)、の少なくとも一つからなる金属酸化物を有し、水素を酸化して処理することを特徴とする気体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固定層反応装置及び気体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固定層反応装置を用いた液固反応、気液固反応、気液固触媒反応の方法やシステムについて、これまでに多数提案されている。固定層に充填される固体とは、反応に寄与する物質や触媒を指す。
【0003】
反応の多くは熱を生成する(発熱)または熱を消費する(吸熱)反応であり、固定層に充填される固体や反応媒質の温度変化を生じる。こうした反応熱による反応器中の温度変化により副反応が生じ、目的物質の収率低下が生じるという問題や、反応器内で局所過熱が生じ反応が加速度的に上昇することで反応器過熱が生じるという問題がある。
【0004】
そこで、反応に伴う温度変化を制御する反応器構成が提案されている。
【0005】
例えば、反応管内に反応流体と触媒が挿入された流路と、冷媒用の流路を交互に組み合わせる反応器構成とする方法が提案されている。この方法によれば、反応流体の流れ方向と直角方向の温度分布が解消されることで反応流体が均一な貫流となり過剰な熱の発生が抑制され、有機合成反応の収率を向上できるとされる。
【0006】
また、原子力発電所の事故で発生する水素を処理するための気体処理装置において、反応器前段に除湿器と加熱器、後段に冷却器を配置した構成が提案されている。この構成によれば、反応流体は反応に適した組成と温度に、反応材は反応に適した温度に調整され、反応後流体については反応熱を除去することができる。これにより、事故時の原子炉内に滞留する水素を効率的に処理するとともに、原子炉の過圧も抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-126498号公報
【文献】特開2018-146460号公報
【文献】特開2018-112480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
固定層反応装置において、ペレットのような成形体を充填した固定層の場合、固定層の下流側ほど反応熱による影響を受けやすく、発熱反応では温度上昇、吸熱反応では温度降下の影響が大きく現れる。こうした反応流体の流れ方向に生じる固定層内の温度分布のため、反応後段では温度上昇または降下の影響を受け反応制御が困難となる。これを防ぐために、前述したように反応器の前後に予熱あるいは冷却系統を設けることが考えられるが、このような構成とした場合、装置全体として容積が大きくなってしまう。また、上記のように反応器の前後に予熱あるいは冷却系統を設けた装置では、反応流体のみの加熱と除熱に限られ固定層の温度を制御することはできない。
【0009】
さらに、反応管内に、反応流体と触媒が挿入された流路と、冷媒用の流路を交互に組み合わせる反応器構成とする方法では、固定層下流を積極的に除熱または加熱することはできない。
【0010】
本発明の目的は、装置全体の容積の増大を抑制しつつ、固定層の流れ方向に生じる温度分布を制御することのできる固定層反応装置及び気体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の固定層反応装置は、外殻容器と、前記外殻容器内に設けられ、水素を上方から流入させるための複数の入口側流路と、前記外殻容器内の底部に空隙が設けられ、複数の前記入口側流路を通じて流入した前記水素を一時的に収容するバッファー部と、前記外殻容器内に、前記入口側流路と隣接接触して熱交換可能な状態に設けられ、内部に固定層が充填され、前記バッファー部から押出し流れとして流入した前記水素を前記入口側流路と反対向きに上昇流として流通させる出口側流路と、を具備し、前記入口側流路および前記出口側流路が複数のパイプ状の構造物から構成され、前記固定層は、水素と反応して発熱する金属酸化物が使用され、前記水素と前記金属酸化物との熱反応により、前記水素を水に変換して処理する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る固定層反応装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図2】
図1の固定層反応装置の横断面構成を模式的に示す図。
【
図3】第2実施形態に係る固定層反応装置の横断面構成を模式的に示す図。
【
図4】第3実施形態に係る固定層反応装置の横断面構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係る固定層反応装置について図面を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る固定層反応装置の縦断面構成を模式的に示す図であり、
図2は、
図1の横断面構成を模式的に示す図である。なお、本実施形態では、原子力発電所に配設され、事故時に発生する水素を処理するための気体処理装置として使用される固定層反応装置を例として説明する。この場合、固体層としては金属酸化物が使用され、反応流体としての水素と金属酸化物との反応(発熱反応)により、水素を水に変換して処理する。
【0015】
図1,2に示すように、第1実施形態に係る固定層反応装置20は、反応器の外殻を構成する円筒状の外殻容器10を具備している。外殻容器10の内部には、入口側流路11を構成する複数の入口側パイプ12が設けられている。これらの入口側パイプ12は中空とされており、外殻容器10の外部から外殻容器10内に水素21を導入するためのものである。
【0016】
外殻容器10内の、入口側パイプ12の下端側には、空隙からなるバッファー部13が形成されており、入口側パイプ12を通じて外殻容器10内に導入された水素21は、このバッファー部13内に一旦収容される。
【0017】
外殻容器10内には、入口側パイプ12と隣接して出口側流路14を構成する複数の出口側パイプ15が設けられている。出口側パイプ15は、入口側パイプ12と接触するように配列されており、両者の間で熱交換可能な状態に設定されている。これらの出口側パイプ15内には、固定層としての金属酸化物22が充填されている。なお、バッファー部13の天井部には隔壁13aが設けられており、入口側パイプ12、出口側パイプ15、及び外殻容器10の間に形成される空隙C(
図2参照。)の部分は、この隔壁13aによって閉塞されている。すなわち、空隙Cの部分はバッファー部13と連通していない。
【0018】
上記構成の固定層反応装置20では、外部から供給された反応流体としての水素21は、複数の入口側流路11(入口側パイプ12)を通って外殻容器10内に導入され、外殻容器10内の底部に設けられたバッファー部13内に一旦収容される。
【0019】
バッファー部13内に流入した水素21は、次に上昇流となって、出口側流路14(出口側パイプ15)内に流入し、出口側パイプ15内を通過する際に、出口側パイプ15内に充填されている金属酸化物22と反応する。この際、バッファー部13を通過した水素21は、整流され押出流れとなり、金属酸化物22が充填された出口側パイプ15の位置に依らず均一に流入する。
【0020】
出口側パイプ15内に流入した水素21は、出口側パイプ15内に充填された金属酸化物22と反応する。水素21と金属酸化物22が反応することで、水素21は酸化されて水蒸気に、金属酸化物22は還元されて低次の金属酸化物や金属となる。
【0021】
水素21と金属酸化物22との反応は発熱反応であるため、金属酸化物22や水素21および反応で生じる処理済流体23の温度は反応により上昇する。反応は、固定層である金属酸化物22に対して、流体(水素21及び処理済流体23)の流れ方向における上流側から下流側に向けて逐次的に進行する。したがって、下流に流通する水素21は上流の反応により生じた熱により温度が上昇し、固定層である金属酸化物22の下流ほど高温となる。
【0022】
外殻容器10の出口では、水素21は処理され全量が水蒸気を多く含む処理済流体23となる。原子力発電所の事故時に発生する水素21を処理する装置では、処理済流体23を、デブリを冷却中の原子炉内に還流するために、処理済流体23の温度は、外殻容器10に流入する水素21と同程度の温度に抑制することが必要である。
【0023】
このような処理済流体23の温度制御を目的として、金属酸化物22が充填された出口側パイプ15は、未処理の水素21が流通する入口側パイプ12と接するように配置されている。
【0024】
入口側パイプ12と出口側パイプ15の配置の仕方、これらの本数及び本数比、総本数、形状は、
図1,2に示した構成のものは、一例に過ぎず、係る構成のものに限定されない。しかし、これらの設定の仕方によって、熱交換の効率は異なることになるので、必要とされる効率が得られるように設定することが好ましい。
【0025】
外殻容器10の上部では、処理済流体23が高温となるとなる一方で、外殻容器10の入口側パイプ12内に流入した直後の水素21は、バッファー部13に至るまでの流路において最も低温である。したがって、高温の処理済流体23ほど低温の水素21とパイプ壁を通じて熱交換されるため、出口側パイプ15の下流部分と上流部分とで温度差が生じ難い。
【0026】
入口側パイプ12内の流路は、金属酸化物22や処理済流体23にて発生した熱を蓄え、水素21を予熱する熱回収器の役割を持つ。入口側パイプ12内の流路は空洞とする以外に、熱交換の効率を上げるため、内部に熱容量の大きい不活性物質(反応に寄与しない不活性な物質)を充填してもよいし、流れ方向に向けて水素21を混合するためのフィン状の構造物等を設置してもよい。不活性物質を充填する場合、入口側流路11と出口側流路14とを隔てる入口側パイプ12及び出口側パイプ15の材料より熱容量の大きい不活性物質を用いることが好ましい。不活性物質としては、例えば、アルミナ、シリカ等からなるものを使用することができる。
【0027】
また、回収した熱を外殻容器10に蓄熱しやすくするため、外殻容器10の肉厚は厚くし、例えば10~50mm程度の範囲とすることが好ましい。これに対し、入口側パイプ12と出口側パイプ15は、これらの間で効率良く熱を伝達するため、その肉厚は、必要とされる強度を確保した上で薄くすることが好ましく、例えば、1~10mm程度とすることが好ましい。
【0028】
また、入口側パイプ12と出口側パイプ15、及び、外殻容器10の材質は、反応場の環境に耐えるものであれば良いが、例えば鋼または特殊鋼などを好適に用いることができる。
【0029】
使用後の固定層反応装置20からは、金属酸化物22が充填された出口側パイプ15を取り出し、金属酸化物22を回収して廃棄物とする。そして、出口側パイプ15内に新しい金属酸化物22を充填して外殻容器10内に戻し再利用することができる。
【0030】
出口側パイプ15内に充填する金属酸化物22は、例えば、酸化銅(II)、酸化コバルト(II,III)、酸化マンガン(IV)、酸化ニッケル(II)、酸化鉄(III)、などが好ましい。また金属酸化物22はこれらの複数からなる構成でも良い。
【0031】
上記構成の固定層反応装置20では、外殻容器10の上部から入口側パイプ12内に流入した水素21は、反応により高温となった金属酸化物22が充填され、高温となった処理済流体23が流れる出口側パイプ15と接する入口側パイプ12内の入口側流路11を通ることで予熱され、外殻容器10の下部にあるバッファー部13に向けて流れる。
【0032】
予熱された水素21は、バッファー部13内で一定時間滞留し、押出し流れとして出口側パイプ15の下部から上部の出口に向けて流れる。この際、出口側パイプ15内に充填された金属酸化物22と反応する。金属酸化物22が酸化銅(II)の場合は次のような反応となる。
CuO+H2→Cu+H2O
【0033】
上記反応によって発生した水蒸気は、処理済流体23として、出口側パイプ15内を上昇し、外殻容器10の外に流出する。反応が進むにつれて、出口側パイプ15内の金属酸化物22が還元し、反応する主な部位が出口側パイプ15内の出口側に移動する。金属酸化物22が還元した部位は、水素21は未反応のまま移動し、金属酸化物22が存在する位置まで移動して反応する。
【0034】
以上説明したように、第1実施形態の固定層反応装置20では、水素21と金属酸化物22の反応で生じる熱を、水素21の予熱に有効に用いることができる。これにより、反応部位の前後の加熱冷却操作を簡易化することができ、装置全体を小型化することが可能である。また、固定層反応装置20の構造が単純化されるため製造コストを抑制することができる。さらに、固定層の流れ方向に生じる温度分布を制御することができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、
図3を参照して第2実施形態に係る固定層反応装置20aの構成について説明する。
図3は、
図2に対応した固定層反応装置20aの横断面構成を示すもので、
図2と対応する部分には、同一の符号が付してある。
図3に示すように、外殻容器10内には、出口側流路14を構成する複数の出口側パイプ15が設けられており、これらの出口側パイプ15内には、固定層としての金属酸化物22が充填されている。
【0036】
また、外殻容器10内には、第1実施形態における、入口側パイプ12に相当する構成は設けられておらず、外殻容器10内の出口側パイプ15の間の空間が入口側流路11とされている。すなわち、外殻容器10内には、金属酸化物22が充填された複数の出口側パイプ15内が、間隔を設けて配設されており、これらの出口側パイプ15の間の空間が入口側流路11とされている。なお、他の部分については、第1実施形態の固定層反応装置20と同様に構成されている。
【0037】
上記構成の第2実施形態の固定層反応装置20aでは、第1実施形態の固定層反応装置20と同様な作用効果を得られるとともに、入口側パイプ12に相当する構成を必要としないため、部品点数及び製造工程を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、第1実施形態の固定層反応装置20のように、入口側パイプ12及び出口側パイプ15の間に余分な空隙C(
図2参照。)が形成されることがないので、外殻容器10内の空間を有効に使用することができ、装置の小型化や処理効率の向上を図ることができる。なお、入口側流路11と出口側流路14との間の熱交換を促進するため、例えば、出口側パイプ15の外側に突出するフィン状の構成物等を設けてもよい。
【0038】
(第3実施形態)
次に、
図4を参照して第3実施形態に係る固定層反応装置20bの構成について説明する。
図4は、
図2に対応した固定層反応装置20bの横断面構成を示すもので、
図2と対応する部分には、同一の符号が付してある。
図4に示すように、外殻容器10内には、入口側流路11を構成する複数の入口側パイプ12が設けられている。
【0039】
また、外殻容器10内には、第1実施形態における、出口側パイプ15に相当する構成は設けられておらず、外殻容器10内の入口側パイプ12の間の空間が出口側流路14とされている。そして、この出口側流路14内には、固定層としての金属酸化物22が充填されている。すなわち、外殻容器10内には、複数の入口側パイプ12が、間隔を設けて配設されており、これらの入口側パイプ12の間の空間が、金属酸化物22が充填された出口側流路14とされている。なお、他の部分については、第1実施形態の固定層反応装置20と同様に構成されている。
【0040】
上記構成の第3実施形態の固定層反応装置20bでは、第1実施形態の固定層反応装置20と同様な作用効果を得られるとともに、出口側パイプ15に相当する構成を必要としないため、部品点数及び製造工程を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、第1実施形態の固定層反応装置20のように、入口側パイプ12及び出口側パイプ15の間に余分な空隙C(
図2参照。)が形成されることがないので、外殻容器10内の空間を有効に使用することができ、装置の小型化や処理効率の向上を図ることができる。なお、入口側流路11と出口側流路14との間の熱交換を促進するため、例えば、入口側パイプ12の外側に突出するフィン状の構成物等を設けてもよい。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
10……外殻容器、11……入口側流路、12……入口側パイプ、13……バッファー部、14……出口側流路、15……出口側パイプ、20,20a,20b……固定層反応装置、21……水素、22……金属酸化物、23……処理済流体、C……空隙。