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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】自律搬送車両
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
B65G1/06 M
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020022805
(22)【出願日】2020-02-13
(62)【分割の表示】P 2017172306の分割
【原出願日】2011-12-15
(65)【公開番号】P2020073417
(43)【公開日】2020-05-14
【審査請求日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】61/423,388
(32)【優先日】2010-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/423,365
(32)【優先日】2010-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/423,220
(32)【優先日】2010-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/326,993
(32)【優先日】2011-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/326,952
(32)【優先日】2011-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/327,040
(32)【優先日】2011-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513150764
【氏名又は名称】シムボティック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーベス、ステファン シー
(72)【発明者】
【氏名】サリバン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ブザン、フォレスト
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/150684(WO,A1)
【文献】特開昭52-131378(JP,A)
【文献】特開平09-148401(JP,A)
【文献】特開2007-099424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133;1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィンガー支持部材と、前記フィンガー支持部材に可動に連結した複数のフィンガーを有する搬送アームと、
前記フィンガー支持部材は、前記搬送アームの伸長方向に移動するように構成され、
前記フィンガー支持部材に対して各フィンガーを、前記搬送アームの伸長方向と直交する第2の方向に独立して動かすために複数のフィンガーのそれぞれに連結される駆動装置と、
前記駆動装置を選択的に作動させるために、前記駆動装置のそれぞれに接続されたコントローラであって、前記コントローラからの1つの開始コマンドによって、その接続によって選択された駆動装置の起動を一斉に行い、かつ、前記コントローラからの1つの停止コマンドによって、その接続によって選択された駆動装置の解除を一斉に行うコントローラと
を備える自律搬送車両。
【請求項2】
前記駆動装置のそれぞれは、ステッピングモータと線形アクチュエータとを含み、前記ステッピングモータは、前記線形アクチュエータを介して前記複数のフィンガーのそれぞれに連結される請求項1記載の自律搬送車両。
【請求項3】
前記線形アクチュエータはボールねじを備えている請求項2記載の自律搬送車両。
【請求項4】
前記複数のフィンガーのうちの1つまたは2つ以上は、前記コントローラに接続されたセンサを含み、前記センサは、前記複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上が前記フィンガー支持部材に対して所定の位置にあることを示す信号を前記コントローラに送るように構成されている請求項1記載の自律搬送車両。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上が前記フィンガー支持部材に対して所定の位置にあることを示す信号を受け取った時、前記複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上の動作を停止するように構成されている請求項1記載の自律搬送車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,220号の優先権を主張する2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/327,040号、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,388号の優先権を主張する2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,993号、および2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,365号の優先権を主張する2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号の利益を主張する非仮特許出願であって、これらの出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている。
【0002】
[技術分野]
本実施形態は、全体として保管および取り出しシステムに関し、特に保管および取り出しシステムの自律搬送に関する。
【背景技術】
【0003】
ケースユニットを保管する倉庫は、通常は、保管ラック間の、または保管ラックに沿った通路内を移動可能な、フォークリフト、カートおよびエレベータ等のような搬送装置によって、または他の吊り上げ装置および搬送装置によってアクセス可能な一連の保管ラックを備えている。これらの搬送装置は、自動的にまたは手動で駆動されてもよい。通常は、保管ラックへ/保管ラックから搬送され、保管ラックに保管されている品物(item)は、キャリア、例えばトレイ、トート(tote)もしくは配送ケース等の保管コンテナやパレットに収容されている。
【発明の概要】
【0004】
自動搬送によってケースを保管ラックへ、および保管ラックから搬送する時、自動搬送の割りに、搬送中にケースをしっかりと保持しながらケースを配置できることは有利である。また、自動搬送の駆動モータの数を最小限に抑えることができ、ケースユニットを取り出して保管場所やコンベヤの位置に置くために、自動搬送の搬送アームのフィンガーを制御できることも有利である。さらに、ケースユニットを取り出して保管場所やコンベヤの位置に置くために、簡易な駆動システムで自動搬送の搬送アームのフィンガーを制御できることは有利である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
開示される実施形態の上記態様および他の特徴は、以下の説明において、添付の図面と関連付けて説明される。
【0006】
図1】開示された実施形態の一態様に従って、例示の保管および取り出しシステムを示す概略図である。
図2】開示された実施形態の一態様に従って、例示の保管および取り出しシステムを示す概略平面図である。
図3】開示された実施形態の一態様に従って、保管および取り出しシステムの構造部を示す図である。
図4A】開示された実施形態の一態様に従って、保管棚を示す図である。
図4B】開示された実施形態の一態様に従って、保管棚を示す図である。
図4C】開示された実施形態の一態様に従って、保管棚を示す図である。
図5】開示された実施形態の一態様に従って、例示の自律搬送車両を示す図である。
図6】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図7A】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図7B】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す別の概略図である。
図7C】開示された実施形態の一態様に従って、例示の自律搬送車両を示す図である。
図8】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図9】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図10】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す図である。
図11】開示された実施形態の一態様に従ったフロー図である。
図12】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図13A】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図13B】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図13C】開示された実施形態の一態様に従ったフロー図である。
図14】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図15A】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図15B】開示された実施形態の一態様に従って、図5の例示の自律搬送車両の一部を示す概略図である。
図16】開示された実施形態の一態様に従って、図5の自律搬送車両の搬送アームとコンベヤの棚との間のインターフェースを示す概略図である。
図17A】開示された実施形態の一態様に従って、自律搬送車両の傾きの検出を示す概略図である。
図17B】開示された実施形態の一態様に従って、自律搬送車両の傾きの検出を示す概略図である。
図18】開示された実施形態の一態様に従ったフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態による例示の保管および取り出しシステムを概略的に示す。開示される実施形態は、図で示された実施形態を参照して説明されるが、開示される実施形態は、多くの代替的な形態で実施することができることを理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状、または要素または材料の種類を使用することができる。
【0008】
実施形態によれば、保管および取り出しシステム100は、例えば「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,381号明細書、「Warehousing Scalable Storage Structure」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014551-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,340号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014551-US(PAR)の米国特許出願第13/326,674号明細書)に記載のものと実質的に同様のものでよく、これらの出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている。保管および取り出しシステム100は、例えば、小売店から受けたケースユニットに関する注文を履行するために、小売流通センターまたは倉庫において動作してもよい(本明細書において使用されるケースユニットは、トレイ内、トート上またはパレット上に保管されていない品物、例えば収容されていない(uncontained)品物、またはトレイ内、トート内もしくはパレット上に保管されている品物を意味する)。ケースユニットは、品物のケース(例えば、スープ缶のケース、シリアルの箱等)、またはパレットから取り出されるか、もしくはパレット上に配置されるように適合された個別の品物を含んでもよいことに留意する。実施形態によれば、配送ケースまたはケースユニット(例えば、カートン、樽、箱、クレート、つぼ(jug)、トート、パレットまたはケースユニットを保持するのに適切な任意の他のデバイス等)は、変更可能なサイズを有してもよく、配送において品物を保持するために使用されてもよく、配送のためにパレットに載置可能なように構成されてもよい。例えば、ケースユニットの束またはパレットが保管および取り出しシステムに到着した際、各々のパレットの内容物は、同一であってもよく(例えば、各々のパレットが所定数の同一の品物を保持する-1つのパレットがスープを保持し、別のパレットがシリアルを保持する)、パレットが保管および取り出しシステムから離れる際に、パレットが、任意の適切な数でかつ組み合わされた異なる品物を含んでいてもよい(例えば、各々のパレットが、異なるタイプの品物を保持してもよい-1つのパレットがスープおよびシリアルの組み合わせを保持する)ことに留意する。代替的な実施形態において、本明細書に記載されている保管および取り出しシステムは、ケースユニットが保管され、取り出される任意の環境に適用されてもよい。
【0009】
保管および取り出しシステム100は、例えば、既存の倉庫構造物に導入されるように構成されてもよいし、新しい倉庫構造物に適合されてもよい。実施形態において、保管および取り出しシステムは、インフィードおよびアウトフィード搬送ステーション170、160、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150B、保管構造物130、複数の自律搬送車両またはロボット110(本明細書において「ボット」と称する)を含んでもよい。また、保管および取り出しシステムは、ロボットまたはボット搬送ステーションを含んでもよく(例えば「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,220号明細書記載のもので、これらの出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている)、ロボットまたはボット搬送ステーションは、ボット110とマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bとの間の間接的なインターフェースを提供してもよい。インフィード搬送ステーション170およびアウトフィード搬送ステーション160は、保管構造物130の1つまたは2つ以上のレベルへ、および保管構造物130の1つまたは2つ以上のレベルから、ケースユニットを双方向に搬送するために、それらの各々のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bと共に動作してもよい。本明細書においては、マルチレベル垂直コンベヤが、専用の入荷(inbound)またはインフィードコンベヤ150A、および専用の出荷(outbound)またはアウトフィードコンベヤ150Bとして説明されているが、コンベヤ150A、150Bの各々は、保管および取り出しシステムからのケースユニット/品物の入庫搬送および出庫搬送の両方に使用されてもよいことに留意する。マルチレベル垂直コンベヤは、保管および取り出しシステムのレベル間でケースユニットを搬送する任意の適切なリフト装置であってもよい。本明細書においてはマルチレベル垂直コンベヤが記載されているが、他の態様においては、コンベヤは、任意の適切な搬送経路の向きを有する任意の適切なコンベヤまたは搬送/取り出し装置であってもよいことに留意する。マルチレベル垂直コンベヤの非限定的な適切な例のいくつかは、例えば、開示内容が、その全体を参照することによって本明細書に含まれている、「LIFT INTERFACE FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,354号明細書、および「LIFT INTERFACE FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014525-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,298号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014525-US(PAR)の米国特許出願第13/327,088号明細書)、ならびに「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」と題された米国特許出願第12/757,220号明細書(すでに参照により本明細書に含まれている)に見ることができる。例えば、マルチレベル垂直コンベヤは、保管および取り出しシステムの所定のレベルにケースユニットを搬送するために、任意の適切な数の支持棚を有していてもよい。支持棚は、コンベヤへおよびコンベヤからケースユニットを搬送するために、ボット110またはインフィード/アウトフィード搬送ステーション170、160のフィンガーがスラット間を通れるよう構成されたスラットのある(薄い細長い板で作られた)支持体を有してもよい。実施形態において、ボットとマルチレベル垂直コンベヤとの間のケースユニットの搬送は、任意の適切な方法で行なわれてもよいことに留意する。
【0010】
理解されるように、保管および取り出しシステム100は、例えば、保管および取り出しシステム100の各々のレベルのボット110によってアクセス可能な複数のインフィードおよびアウトフィードマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bを含んでもよく、それによって、1つまたは2つ以上のケースユニットが、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bから各レベルの保管スペースの各々へ、および保管スペースの各々から各レベルのマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bの任意の1つへ搬送することが可能である。ボット110は、保管スペースとマルチレベル垂直コンベヤとの間で、ワンピックで(例えば、保管スペースとマルチレベル垂直コンベヤとの間で実質的に直接)ケースユニットを搬送するよう構成されていてもよい。他の例によれば、指定されたボット110が、マルチレベル垂直コンベヤの棚から、ケースユニットを取り出し、ケースユニットを保管構造物130の所定の保管エリアに搬送し、ケースユニットを所定の保管エリア内に配置する(その逆も然りである)。
【0011】
ボット110は、保管構造物130の1つまたは2つ以上のレベルの取り出しストック内に、上述の小売商品等のケースユニットを配置して、注文された品物を例えば店舗または他の適切な場所に配送するために、注文された品物を選択的に取り出すように構成されてもよい。実施形態において、ボット110は、例えば、ボットのフレームに対する、ボットの搬送アームまたは作動体1540A(ボットは、マルチレベル垂直コンベヤのスラットのある支持棚と連動するためのフィンガーを有していてもよい)の延伸を通して、任意の適切な方法で、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bと連動してもよい。ボットの適切な例は、「AUTONOMOUS TRANSPORTS FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,312号明細書、「AUTOMATED BOT WITH TRANSFER ARM」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014264-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,365号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014264-US(PAR)の米国特許出願第13/326,952号明細書、「AUTOMATED BOT TRANSFER ARM DRIVE SYSTEM」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014265-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,388号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014265-US(PAR)の米国特許出願第13/326,993号明細書)、「BOT HAVING HIGH SPEED STABILITY」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014266-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,359号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014266-US(PAR)の米国特許出願第13/326,447号明細書)、および「BOT SENSING POSITION」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014267-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,206号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014267-US(PAR)の米国特許出願第13/327,035号明細書)に記載されており、これらの出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている。
【0012】
保管構造物130は、複数のレベルの保管ラックモジュールを含んでいてもよく、各々のレベルが、(複数のレベルにおいて配列されかつ各々のレベルの複数の列内に配列されている)保管スペースのアレイと、保管スペースの列の間に形成されている取り出し通路130Aと、搬送デッキ130Bとを含んでいてもよい。また、各レベルは、ボットとマルチレベル垂直コンベヤとの間の間接的なインターフェースを与えるためのボット搬送ステーションをそれぞれ含んでもよいことに留意する。実施形態において、取り出し通路130Aおよび搬送デッキ130Bは、ボット110が、ケースユニットを取り出しストック内に配置するために、保管構造物130の各レベルを行き来し、注文されたケースユニットを取り出すことを可能にするように配置されてもよい。理解されるように、保管および取り出しシステムは、保管スペースへのランダムなアクセスを可能にするように構成されてもよい。例えば、保管構造物130の全ての保管スペースは、十分なサイズの任意の保管スペースが品物の保管に使用できるように、ケースユニットを保管構造物130から取り出す/保管構造物130へ配置する際に、どの保管スペースが使用されるべきかを決定する場合に実質的に同等に扱われてもよい。また、実施形態の保管構造物130は、保管構造物の垂直方向または水平方向の配列分割がないように配置されてもよい。例えば、各々のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bが、保管構造物130内の全ての保管スペース(例えば、保管スペースのアレイ)で共通であることで、任意のボット110が各々の保管スペースにアクセス可能であり、任意のマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bが任意のレベルの任意の保管スペースからケースユニットを受け取り可能であるので、保管スペースのアレイ内の複数のレベルが、実質的に単一のレベルとして機能する(例えば、垂直方向の分割無し)。マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bは、保管構造物130の任意のレベルの任意の保管スペースからケースユニットを受け取ることも可能である(例えば、水平方向の分割無し)。また、保管および取り出しシステムは、各マルチレベル垂直コンベヤが保管スペースのアレイの所定エリアに対応機能する(serve)ように構成されてもよいことに留意する。
【0013】
また、保管構造物130は、例えばボット110のバッテリーパックを充電する充電ステーション130Cを含んでもよい。実施形態において、充電ステーション130Cは、例えば搬送デッキ130Bの搬送エリア295(図2)に配置されてもよく、それによってボット110は、例えば、充電されている間に、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bに、およびマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bから品物を実質的に同時に搬送できる。保管および取り出しシステム100のボット110および他の適切な特徴は、例えば、任意の適切なネットワーク180を介して、例えば、1つまたは2つ以上の中央システム制御コンピュータ(例えば、制御サーバ)120によって制御されてもよい。ネットワーク180は、任意の適切なタイプおよび/または数の通信プロトコルを用いた有線ネットワーク、無線ネットワーク、または無線および有線ネットワークの組み合わせであってもよい。実施形態において、システム制御サーバ120は、保管および取り出しシステム100の全ての動作を管理および調整するように構成されてもよく、例えば倉庫管理システム125と連動して全体として倉庫設備を管理するように構成されてもよいことに留意する。制御サーバ120は、例えば、「CONTROL SYSTEM FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,337号明細書に記載されたものと実質的に同様のものでよい(この出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている)。
【0014】
また、図2を参照すると、保管および取り出しシステム100の例示の構成が示されている。保管および取り出しシステムの他の適切な例示の構成は、例えば、「Warehousing Scalable Storage Structure」と題され2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014551-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,340号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014551-US(PAR)の米国特許出願第13/326,674号明細書)、および「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」と題され2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,381号明細書(これらの出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている)に見ることができる。保管および取り出しシステムは、任意の適切な構成を有していてもよいことが理解されるべきである。図2からわかるように、保管および取り出しシステム200は、単に例示的な目的で、システム200の一方の側のみが搬送セクションまたはデッキ130Bを有している、シングルエンド取り出し構造として構成されている。シングルエンド取り出し構造は、例えば、ビルの一方の側のみに配置される積み込みドックを有するビルまたは他の建造物において使用されてもよい。実施形態において、保管および取り出しシステム200は、任意の適切な保管場所/取り出し通路130Aと任意の適切なマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bとの間で品物を搬送するために、ボット110が、そのボット110が配置されている保管構造物130のあるレベル全体を行き来することを可能にする搬送デッキ130Bおよび取り出し通路130Aを含んでいる。マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bは、搬入ワークステーション210を通して、保管および取り出しシステム200内へのケースユニットの搬送をもたらし、また搬出ワークステーション220を通して、保管および取り出しシステム200からのケースユニットの搬送をもたらす。実施形態において、保管および取り出しシステム200は、並んで配置されている第1および第2の保管セクション230A、230Bを含み、各々のセクションの取り出し通路は、互いに実質的に平行であり、同一の方向を向いている(例えば、搬送デッキ130Bの方へ向いている)。保管および取り出しシステムは、任意の適切な構成で互いに対して配置される任意の適切な数の保管セクションを有していてもよいことに留意する。
【0015】
図1、3、4A、4Bおよび4Cを参照すると、保管構造物130の保管ベイ510、511の各々は、通路空間130Aによって分離されている保管棚600上の取り出し在庫を保持してもよい。実施形態において、保管ベイ510、511および保管棚600は、例えば、「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」)と題された米国特許出願第12/757,220号明細書と「STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEM」と題された米国特許出願第12/757,381号明細書(両方ともすでに参照によって含まれている)で説明されているものに実質的に類似していてもよい。保管棚600は、例えば、水平支持体610、611、613(これらは垂直支持体612によって支持されている)から延びる1つまたは2つ以上の支持脚620L1、620L2を含んでもよい。支持脚620L1、620L2は、任意の適切な構成を有していてもよく、例えば、脚がチャンネル部620Bを介して互いに接続されるように、略U形状のチャンネル620の一部であってもよい。チャンネル部620Bは、チャンネル620と1つまたは2つ以上の水平支持体610、611、613との間に取り付け点を提供してもよい。支持脚620L1、620L2の各々は、水平支持体610、611、613に個別に取り付けられるよう構成されてもよいことに留意する。実施形態において、支持脚620L1、620L2の各々は、棚600上に保管されたケースユニットを支持するよう構成された適切な表面エリアを有する折曲部620H1、620H2を含んでいる。折曲部620H1、620H2は、棚上に保管されたケースユニットの変形を実質的に防ぐように構成されてもよい。折曲部620H1、620H2は、棚上に保管されるケースユニットを支持するために、適切な厚さを有してもよく、または任意の他の適切な形状および/または構成を有してもよいことに留意する。図4A、4Bおよび4Cに示されるように、支持脚620L1、620L2またはチャンネル620は、スラットのある(薄い細長い板で作られた)棚構造または波形の棚構造を形成してもよい。例えば、支持脚620L1、620L2の間のスペース620Sは、ボット110のアームまたはフィンガーが、棚へおよび棚からケースユニットを搬送するために、棚内に到達することを可能にする。また、(搬送がボット110によって直接的または間接的になされても)マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bへの、およびマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bからの品物の搬送は、保管棚600に関して上述されているのと実質的に同様の態様にて行われてもよいことにも留意する。棚上のケースユニット間の間隔は任意の適切な間隔であってもよいことに留意する。(搬送が、ボット110によって直接的または間接的になされても)マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bへの、およびマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bからのケースユニットの搬送は、保管棚600に関して上述されているのと実質的に同様の方法で行われてもよいことに留意する。
【0016】
図5を参照すると、例示のボット110が示されている。実施形態において、ボット110は、第1の端部1500および第2の端部1501を有する縦方向に延びるフレーム110Fを含み、縦軸6000が、第1の端部1500から第2の端部1501へ延びている。少なくとも1つの駆動セクション110Dは、搬送デッキ130Bと取り出し通路130Aに沿ってボット110を駆動させるために、任意の適切な方法で第1の端部1500および/または第2の端部1501のいずれかに連結していてもよい(図1)。駆動セクション110Dは、搬送デッキ130Bと取り出し通路130Aに沿ってボットを移動させるために、駆動輪、トラック、または任意の他の適切な駆動機構を含んでもよい。ボット110の他方の端部は、任意の適切な支持体、例えば、キャスターホイール、固定ホイール、可動ホイール、および搬送デッキ130Bと取り出し通路130Aに沿ってボット110が動く時にボット110を可動に支持する同様の機構などを有していてもよい。ボット110は、(本明細書で記載の)ボット110の動作が行えるよう、および/またはボット110と制御サーバ120(図1)との間の通信が行えるよう任意の適切なコントローラ1220(図1)を有してもよい。理解されるように、図で示されたボットの構成は単なる例示であり、本明細書に記載のように、ボット110に対してケースユニットの検出と位置決めを行うために、ボットは任意の適切な構成を有していてもよいことは理解されるべきである。
【0017】
図5、6、7Aおよび7Bを参照すると、ボット110のフレーム110Fは、ケースユニット(またはボット110によって取り出され、運ばれる1つまたは2つ以上のケースであるピックフェース)または任意の他の適切な積載物を保持するよう構成された積載ベッド1510を形成する。積載ベッド1510は、保管および取り出しシステム100に搬送され、または保管および取り出しシステム100から取り出される任意のケースユニット1700(またはボット110によって取り出され、運ばれる1つまたは2つ以上のケースであるピックフェース1700P)を受け取る(例えば、保持する)のに適切なサイズであってもよい。例えば、実施形態において、積載ベッド1510は、想定される取り出しサイズより大きくてもよい(すなわちボットが、例えば、保管棚600から、またはマルチレベル垂直コンベヤなどの保管および取り出しシステムの任意の他の適切な構成品から取り出すと見込まれるピックフェース1700Pより大きい)。この例において、ピックフェース1700Pは、ボット110の縦軸6000に対して横方向に配置された2つのケースユニット1700を含んでいることが示される。しかし、ピックフェースは、横方向に、縦方向に、または横と縦の格子状に、任意の適切な数のケースユニットを含んでもよい。
【0018】
積載ベッド1510は、ケースユニットが積載ベッド1510に障害なく搬送されるための任意の適切なガイド面を含んでもよい。例えば、実施形態において、積載ベッド1510を形成するフレーム110Fは、1つまたは2つ以上のフランジ1510C1、1510C2を積載ベッド1510の側面1510S1、1510S2上に含んでもよい。この例において、フランジ1510C1、1510C2は、積載ベッド1510の上部開口部1510TPで面取りされた面または角度のある面であってもよい。角度のある面は略くさび形を形成し、それにより、ピックフェースを積載エリアに搬送する間、ケースユニットの縁に接触して(例えば、矢印1673の方向にケースユニットを積載エリアに下ろして)、角度のある面は、ピックフェース1700Pのケースユニット1700を障害なく積載エリアに導く(例えば、ケースユニットはボット110の一部に引っ掛けられ、または受け止められる)。ケースユニットのボット積載エリアへの障害のない搬送は、(例えば、実質的にピックフェースの位置決めをし直すことなく、またはピックフェースのボット110への積み込みをし直すことなく)ワンピックでのケースユニットの積み込みを容易にする。この例では、フランジ1510C1、1510C2は、略まっすぐな面で示されているが、単なる例示目的で、弓形など、フランジは任意の適切な形状および/または構成であってもよいことが理解されるべきである。また、この例では、フランジ1510C1、1510C2は、積載エリアの縁1510Eで実質的に終端となっていることが示されているが、縁1510Eを越えて延びてもよいことが理解されるべきである。さらに、ケースユニットが積載ベッド1510に積み込まれる時、フランジは移動して、縁1510Eを越えて延び、ケースユニットを積載エリアに導き、一度ケースユニットが積み込まれると、フランジは後退し、そのためフランジは縁150Eを越えて突き出さないように、フランジは可動または後退可能であってもよい。また、フランジは、例えば、図7Bに示されるように、垂直直立位置と傾斜のある位置との間で旋回可能であってもよい。
【0019】
フェンス1510Fは、積載ベッド1510の側面開口部1510Pに設置されてもよい。実施形態において、フェンス1510Fは、フレーム110Fに、締め具を用いたり溶接によってなどの任意の適切な態様にて取り付けられてもよい。フェンス1510Fは、フレーム110Fの一部を形成してもよく、またはフレーム110Fと一体構造となってもよいことに留意する。実施形態において、フェンスは、停止部材1510FM間に配置されたスロット1510FSを含んでもよい。フィンガー1540が、例えば、ケースユニットの下で保管棚600に延伸可能であるように、実質的により低い位置で停止部材1510FM間のフェンス1510Fを通って延びるようスロット1510FSは構成されてもよい。停止部材1510FMは、積載ベッド1510の上方に延び、それによって、ケースユニットが積載ベッド1510上に置かれた時、ケースユニットが積載ベッド1510から出てしまうことを実質的に防ぐ障害物となるよう構成されてもよい。この例では、スロット1510FSの数はフィンガー1540の数と同じであるが、代替実施形態では、複数のフィンガー1540が1つのスロットを通る(例えば、スロットの数はフィンガーの数より少ない)ようにフェンス1510Fが構成されてもよい。また、フェンスは、ケースユニットがボット110によって運ばれる時、ケースユニットが積載エリアから出てしまうことを防ぐための任意の適切な構成を有してもよいことに留意すべきである。例えば、フェンスが延ばされた時に、フェンスは、ケースユニットが積載エリアから出てしまうことを防ぐように、停止部材が後退可能なようにフェンスが可動であってもよい。
【0020】
ボット110は、搬送アームまたは端部作動体1540Aを含んでもよい。図5および6を参照すると、搬送アーム1540Aは、フィンガー1540と可動部材1535を含んでもよい。フィンガー1540は、ボットの縦軸6000に対して略横方向に延びてもよく、保管棚600のスラットのある棚構造と整合するように構成されてもよい(図4A、4Bおよび4C)。フィンガー1540は、下がった位置と上がった位置の間のリフト軸に沿って矢印1673の方向に(例えば、フィンガーの延伸と後退の方向1550に対して略垂直方向に)動かすことができる。下がった位置にある時、フィンガー1540は、積載ベッド1510の表面の下に配置され、または少なくとも積載ベッド1510の一部を形成することに留意する。フィンガーは、フィンガー上に置かれたピックフェースを、フェンス1510Fを越えて、ボット110の積載ベッド1510の中に、または積載ベッド1510の外に持ち上げるため、以下に述べるように、任意の適切な駆動部によって、個別に、または一斉に駆動してもよい。
【0021】
積載ベッド1510は、ケースユニットがボット110によって運ばれる時、ケースユニットを支持する任意の適切な積載支持体を含んでもよい。単なる例示目的で、実施形態では、積載支持体が「流動性」(または可動)ベッドを含んでもよい。積載支持体の表面の一例としては、例えば、「BOT PAYLOAD ALIGNMENT AND SENSING」と題され、2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014263-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,220号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014263-US(PAR)の米国特許出願第13/327,040号明細書)に記載のローラベッドがあり、すでに参照によって本明細書に含まれている。例えば、ベッドはローラ1510Rを含んでもよく、その各ローラ1510Rの回転軸は、ボット110の縦軸6000に対して略交差して(横方向に)配置されている。また積載支持体は、以下により詳細に説明するように、積載ベッド/ボットに対してケースユニットの位置を少なくとも一部揃えるために積載ベッド上のケースユニットを動かすベルト、ボールベアリング、または任意の適切な「流動性」支持体であってもよい。各ローラは、任意の適切な方法でフレーム110F内で支持されてもよい。この例において、積載ベッド1510の側面開口部1510Pに隣接したフェンス1510Fによって、一方の端部の少なくとも一部で、このローラは回転可能に支持されてもよく、また他方の反対の端部では、フレーム部材110Mのような任意の適切なフレーム部材によって回転可能に支持されてもよい(図9)。実施形態において、ローラ1510R(または他の適切な積載支持体)は、ボット110のフィンガー1540と交互に配置されてもよい。ローラ1510Rおよびフィンガー1540は、任意の適切な態様にて相互に対して配置されてもよいことに留意する。以下でより詳細に説明されるように、ローラは、積載ベッド1510上でケースユニットを動かすために、ローラ1510Rをその軸を中心に回転させるための任意の適切な駆動部1532(図8)に接続してもよい。単なる例示目的で、図8に示されるように、駆動部1532は、ベルトおよびプーリドライブ1533であってもよいが、駆動部1532は、ローラ1510Rを回転させることができる任意の駆動部でもよいことが理解されるべきである。
【0022】
ボット110のフィンガー1540は、ボットの縦軸6000に対して横方向に延びている。また、フィンガー1540は、矢印1673の方向に(例えば、フィンガーの延伸と後退の方向1550に対して略垂直方向に)動かすことができる。フィンガーは、ピックフェース1700Pを、フェンス1510Fを越えて、ボット110の積載ベッド1510の中に、または積載ベッド1510の外に持ち上げるために、任意の適切な駆動部によって駆動されてもよい。フィンガー1540を駆動する駆動装置の一例は、「AUTOMATED BOT TRANSFER ARM DRIVE SYSTEM」と題され、2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が112P014265-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,388号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が112P014265-US(PAR)の米国特許出願第13/326,993号明細書)に見出すことができ、すでに参照によって含まれている。
【0023】
各フィンガー1540は、取り付け部材1671と、第1の端部598および第2の端部599を有するアーム部1541とを含んでもよい。取り付け部材1671は、アーム部1541の第1の端部598に連結してもよく、一方、第2の端部599は取り付け部材1671から遠位に設置してもよい。各フィンガー1540は、片持ち式で、可動部材1535に可動に連結してもよい。それによって、例えば、保管棚600のスラット、およびマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bのスラットのある棚720(図7)と相互作用するために、フィンガーは、積載ベッド1510に対して矢印1550の方向に、(例えば、可動部材1535の横方向の動作によって)延伸したり後退したりすることができる。例えば、各フィンガー1540の取り付け部材1671は、フィンガー1540の第1の端部598から延びている。フィンガー1540は異なるパーツ1541、1671から構成されるよう示されているが、一方でフィンガー1540は単一の一体の構造でもよいことに留意する。可動部材1535はガイド1670を含んでもよく、各取り付け部材1671および各ガイド1670は、取り付け部材1671が矢印1673の方向にガイド1670に沿って(例えば、搬送アーム1540Aの横方向の移動の方向1550に対して略垂直であるリフト軸に沿って)スライド可能であるように構成される。実施形態において、ガイド1670は、レールとして示されているが、各フィンガー1540を、例えば、可動部材1535に対して矢印1673の方向に制御可能に動かすための任意の適切な部材であってもよいことに留意する。この例では、フィンガーが矢印1550の方向で横方向に延伸したり後退したりする時、フィンガー1540の全ては(フィンガーが上がった位置であろうと下がった位置であろうと関係なく)、単一の軸駆動部1531によって可動部材1535とともに一体として動く。しかし、可動部材1535および/またはフィンガー1540は、各フィンガー1540を他のフィンガー1540から独立して矢印1550の方向で横方向に動くように構成されてもよい。また可動部材1535および/またはフィンガー1540は、フィンガーのグループが他のフィンガーのグループから独立して矢印1550の方向で横方向に動くように構成されてもよいことにも留意する。
【0024】
少なくとも1つの駆動装置1672は、可動部材1535に取り付けられてもよく、リフト軸に沿って矢印1673の方向でガイド1670に沿って1つまたは2つ以上のフィンガーを駆動させるための任意の適切な方法で、1つまたは2つ以上のフィンガー1540の第1の端部に連結されてもよい。少なくとも1つの駆動装置1672は、ガイド1670に沿ってフィンガーを駆動させるために、1つまたは2つ以上のフィンガー1540の任意の部分に連結されてもよいことに留意する。実施形態において、各フィンガー1540はそれぞれの駆動装置1672を有してもよく、それによって各フィンガー1540は独立して上げたり下げたりでき、または単一の駆動装置がそれぞれのガイドに沿って複数のフィンガーを駆動させてもよい(または、例えば、いくつかのフィンガーは個別に動かすことができ、他のフィンガーはグループで動かすことができる)。駆動装置1672は、矢印1673の方向でリフト軸に沿ってフィンガーを駆動させることができる任意の適切な駆動装置であってもよい。適切な駆動装置の一例は、例えば、「AUTOMATED BOT TRANSFER ARM DRIVE SYSTEM」と題され、2010年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014265-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,388号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014265-US(PAR)の米国特許出願第13/326,993号明細書)に記載され、参照によりその開示の全内容が本明細書に含まれている。例えば、駆動部は、例えば、ボールねじ1672S(図12)のような任意の適切な線形アクチュエータを駆動するよう構成されたステッピングモータ1672D(図12)を含んでもよい。また駆動装置は、モータの回転数または一部の回転数を記録すること(tracking)が可能な任意の適切なモータを含んでもよい。単なる例示目的で、チェーンまたはベルトが、矢印1673の方向にフィンガーを運ぶよう配置されるチェーン/ベルトおよびスプロケット/プーリのように一体として、駆動装置とガイドは相互に組み込まれてもよいことに留意する。実施形態において、各駆動装置1672は、例えば、ボットコントローラ1220(または、例えば、制御サーバ120のような任意の他の適切なコントローラ)によって選択可能であってもよいし、各フィンガー1540を持ち上げるために独立して操作可能であってもよい。駆動装置1672は、例えば、任意の適切な連結部1672Cによって、フィンガー1540の第1の端部598(図7A)に連結されてもよい。実施形態において、各駆動装置1672は、取り外し可能な(例えば、機械や磁気などの)連結部1672Cによって各フィンガー1540に選択可能に連結されてもよいし、または、駆動装置1672は、例えば、旋回可能な、回転可能な、またはその他の可動のジョイントやカップリングによって略永久的に各フィンガーに連結されてもよい。単なる例示目的で、チェーンまたはベルトが、矢印1673の方向にフィンガーを運ぶように配置されたチェーン/ベルトおよびスプロケット/プーリの場合のように一体として、駆動装置とガイドは相互に組み込まれてもよいことに留意する。実施形態において、各駆動装置1672は、例えば、ボットコントローラ1220によって選択可能であってもよいし、各フィンガー1540を持ち上げるために独立して操作可能であってもよい。しかし、例えば、制御サーバ120のような任意の適切なコントローラは、作動する駆動装置を選択してもよいことに留意する。一態様において、保管および取り出しシステムは、1つまたは2つ以上のケースユニットおよびケースユニットによって形成されるピックフェースの1つまたは2つ以上の寸法を測定するために、ケースユニットおよびまたはピックフェースセンサを含んでもよい。例えば、インフィード搬送ステーション170は、ケースユニットおよび/またはピックフェースの1つまたは2つ以上の寸法を測定する(図13C、ブロック9000)ために、任意の適切なセンサCS(図1)を含んでもよい。また、ボット110は、例えば、ボット110によって運ばれるケースユニットおよび/またはピックフェースの1つまたは2つ以上の寸法を測定するために積載ベッドに設置される任意の適切なセンサPS(図5)を含んでもよい。他の態様において、ケースユニットおよび/またはピックフェースの1つまたは2つ以上の寸法を測定するために、保管および取り出しシステムの任意の適切な位置に、任意の適切なセンサを配置してもよい。センサCS、PSは、1つまたは2つ以上のボットコントローラおよび制御サーバ120と通信してもよく、ケースユニットおよび/またはピックフェースの1つまたは2つ以上の寸法がボットコントローラおよび/または制御サーバ120の任意の適切なメモリに保存される。上記のように、フィンガー1540を持ち上げるための駆動部1672が作動する時、ケース/ピックフェースのデータによって特定されたケースの寸法に応じて、どの駆動装置1672を駆動させるか(例えば、どのフィンガーを持ち上げるか)を決める(図13C、ブロック9010)ために、ボットコントローラおよび/または制御サーバ120は、1つまたは2つ以上のセンサCS、PSから得られるケース/ピックフェースのデータを使用してもよい。理解されるように、積載ベッドにおけるケースユニット/ピックフェースの位置によるデータ、例えば、ボットのセンサPSによって特定されたデータもまた、どの駆動装置1672/どのフィンガー1540を作動させるか/持ち上げるかを決定するのに使用してもよい。実施形態において、各駆動装置1672は、取り外し可能な(例えば、機械や磁気などの)連結部1672Cによって各フィンガー1540に選択可能に連結されてもよいし、あるいは駆動装置1672は、例えば、旋回可能な、またはその他の可動ジョイントやカップリングによって略永久的に各フィンガーに連結されてもよい。
【0025】
本明細書に記載のように、フィンガー1540を持ち上げるために、各駆動装置1672は、例えば、ボットコントローラ1220または(単なる例示目的で、制御サーバ120などの)任意の他の適切なコントローラと適切に接続されてもよい。ボットコントローラ1220は、任意の所望の数のフィンガー1540を一斉に持ち上げ、降ろすために各駆動装置1672を選択的に作動させるよう構成されてもよい。例えば、ボットに設置されたセンサによって、またはボットコントローラ1220、制御サーバ120、倉庫管理システム2500のメモリ、または任意の他の適切なメモリに保存された任意の適切な表または他の情報によってなどの任意の適切な方法で、ボット110によって取り出されるピックフェースのサイズが測定され得る。ピックフェースのサイズに応じて、適切な数のフィンガー1540が作動のために選択されてもよく、それによってピックフェースが搬送アーム1540Aのフィンガー1540によって略均一に支持される。選択されたフィンガー1540を一斉に持ち上げる(または降ろす)ように同じ回転角度によって、モータ1672Dを駆動するために、コントローラ1220は、選択されたフィンガー1540に対するモータ1672D(図12)へ開始および停止コマンドを送るよう構成されてもよく、それによって選択されたフィンガー1540が、略同じ高さで、略同時に開始/停止動作をする。モータ1672Dはコントローラ1220に連動してもよく、それによってコントローラ1220がどのモータ1672Dにコマンドを送るか、例えば、どのモータ1672Dを動作状態、またはアイドリング状態にするかなどを選択できる(図9、ブロック18000)ことに留意する。理解されるように、モータ1672Dとコントローラ1220の間の連動関係は、選択されたモータを開始および停止するために1つのコマンド信号のみで選択されたモータを動作させることを可能にする(図9、ブロック18010)。1つの開始/停止コマンド信号のみでモータ1672Dを動作させることによって、選択されたモータを略同時に開始および停止させ、これにより略同じ回転を生じさせることができる。(以下に述べるように)フィンガー上の任意の適切なセンサは位置データを提供してもよいが、この位置データは、例えば、連動されたモータ1672Dおよびコントローラによって形成されるような閉ループ位置フィードバックシステム(例えば、ステッピングモータフィードバック)には不要かもしれないことに留意する。一態様において、フィンガーのセンサ(後述)は、閉ループフィードバックシステムによって特定されるように、フィンガーの位置を確認するために使用されてもよい。他の態様において、フィンガーのセンサは、開ループ系であってもよいし、閉ループフィードバックシステムの代わりに、または加えて使用されてもよい。
【0026】
ケースユニットコンタクト部材1530は、積載エリア内の少なくとも一部に可動に設置されてもよく、例えば、すでに本明細書に参照によって含まれている、「AUTOMATED BOT WITH TRANSFER ARM」と題され、代理人整理番号が1127P014264-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,365号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014264-US(PAR)の米国特許出願第13/326,952号明細書)に記載されている態様にて、矢印1550の方向に搬送アーム1540Aを延伸および後退させるために、そのケースユニットコンタクト部材は、取り外し可能に可動部材1535に連結されている。ケースユニットコンタクト部材1530は、実質的にケースユニットコンタクト部材1530に接触しないで矢印1673の方向に各フィンガーを持ち上げることを可能にする任意の適切なスロット1680を含んでもよいことに留意する。この例において、ケースユニットコンタクト部材は、各フィンガー1540に対してスロット1680を有するが、スロット1680は、例えば、複数のフィンガー1540に1つのスロットを割り当てる構成のような任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。ケースユニットコンタクト部材1530は、任意の適切な駆動部1531によって矢印1550の方向に横方向に駆動されてもよい。単なる例示目的で、駆動部1531は、ベルトおよびプーリドライブ1534(図9)であってもよいが、駆動部は、矢印1550の方向にケースユニットコンタクト部材を動かすための任意の適切な駆動部であってもよいことが理解されるべきである。実施形態において、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535の両方は(フィンガー1540とともに)、矢印1550の方向で横方向に動くよう構成される。ケースユニットコンタクト部材1530は、レール1530R1、1530R2に沿って動くよう構成されてもよい。レール1530R1、1530R2は、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535の動作をガイドするために任意の適切な方法で、フレーム110Fに取り付けられてもよい。実施形態において、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535の矢印1550方向の動作は、別々のレールシステム(例えば、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535のそれぞれは別個のレールを持つ)によるような任意の適切な方法でガイドされてよいことが理解されるべきである。単なる例示目的で、図5および7を参照すると、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535のそれぞれは、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535をレール1530R1、1530R2に可動に連結するため、それぞれスライド部材1530D1、1530D2、1535D1、1535D2を有してもよい。搬送アーム1540Aの片持ちのフィンガー1540上で支持されるピックフェースを支持するためにレールに沿って延びるように、1つまたは2つ以上のスライド部材1530D1、1530D2、1535D1、1535D2は配置され、または適切なサイズにしてもよい。例えば、本明細書ですでに参照によって含まれている、「BOT PAYLOAD ALIGNMENT AND SENSING」と題され、代理人整理番号が1127P014263-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,220号明細書(現在は、2011年12月15日に出願され、代理人整理番号が1127P014263-US(PAR)の米国特許出願第13/327,040号明細書)に記載のように、ケースユニットコンタクト部材1530は、積載ベッド1510に配置されたケースユニットを係合させるため、または位置決めするために、独立して矢印1550の方向に可動であってもよい。
【0027】
後でより詳細に説明するように、図6および10を参照すると、ケースユニットコンタクト部材1530は、フィンガーを矢印1673の方向(例えば、ケースコンタクト部材1530およびフィンガー1540の矢印1550の方向の延伸と後退の面に対して垂直)に動かせることができるように構成されてもよい。例えば、ケースユニットコンタクト部材1530は、ケースユニットコンタクト部材1530に実質的に接触することなく矢印1673の方向に各フィンガーを持ち上げられるようにする任意の適切なスロット1680を含んでもよい。この例では、ケースユニットコンタクト部材は、各フィンガー1540に対してスロット1680を有するが、スロット1680は、例えば、複数のフィンガー1540に対して1つのスロットが割り当てられる構成のような任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。上述のように、フェンス1510Fは、ケースユニットを積載ベッド1510へ、および積載ベッド1510から搬送する時、実質的に下がった位置および上がった位置でフィンガー1540がフェンス1510を通ることを可能にするスロット1510FSを含んでいる。
【0028】
他の態様において、図7Cを参照すると、ボット110は、ボットアーム110Aに取り付けられる1つまたは2つ以上の側部ブレード1535Gを含んでもよい。ボットアーム110A上にピックフェース(例えば、1つまたは2つ以上のケースユニット1700A)を配列するために、1つまたは2つ以上のブレード1535Gは、矢印1550Xの方向にボット110の縦軸6000に沿って、動かされてもよい。1つまたは2つ以上の側部ブレード1535Gの並進運動は、ボット積載エリア内のボットの縦軸に沿った全ての場所でのボット積載物の位置決めを可能にし、保管棚600へのケースの位置決めのための微調整を提供してもよい。この態様において、側部ブレード1535Gは、ケースユニット1700Aを運んだり、搬送したり、または持ち上げたりしないが、ケースユニットが取り出されて配置される間、ケースユニット1700Aの制御を補助してもよいことに留意する。1つの側部ブレード1535Gは、固定され、ケースユニット1700Aを配列するための基準点として機能してもよいことに留意する。
【0029】
図1、6、7Aおよび7Bを再び参照すると、ボット110は、ピックフェース1700Pが積載ベッド1510へ、および積載ベッド1510から搬送される時、ピックフェース1700P(およびピックフェースを構成するケースユニット1700)を検出する任意の適切なセンサ1703も含んでもよい。実施形態において、センサ1703は、全通ビームセンサ(through-beam sensor)であってもよい。センサ1703は、例えば、積載ベッド1510の側部開口部1510Pに隣接したフレームに(任意の適切な方法で)取り付けられた送信機1701および受信機1702を含んでいてもよい。センサ1703は、ピックフェース1700Pが、例えば、保管棚600またはマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bと積載ベッド1510との間で搬送される時、ピックフェース1700Pの縁を検知するように、ボット110上に構成され、設置されてもよい。実施形態では、センサ1703は、例えば、ピックフェース1700Pの奥行きDを測るため、ピックフェース1700Pがセンサ1703のそばを通過する時に、ピックフェース1700Pの前縁1700Aおよび後縁1700Bを検知するように構成されてもよい。センサは、例えば、ピックフェース1700Pの任意の適切な寸法を測るために、ピックフェース1700Pの任意の適切な特徴(例えば、単一体としてのピックフェースおよび/またはピックフェースの各ケースユニット)を検知するよう構成されてもよいことが理解されるべきである。実施形態において、ボットコントローラ1220(または例えば、制御サーバ120のような任意の他の適切なコントローラ)は、ケースユニットがボット110へおよび/またはボット110から搬送される間、センサ1703からの検出信号を記録するように構成されてもよい。ボットコントローラ1220は、ピックフェース1700Pの奥行きDを測定するために、ピックフェース1700Pの前縁1700Aおよび後縁1700Bの検出に反応するように構成されてもよい。理解されるように、ピックフェースのどちらの縁が前縁かは、ピックフェース1700Pが搬送される方向による。例えば、ピックフェース1700Pが積載エリアに入る時、ケースユニットコンタクト部材1530に最も近い縁が前縁で、ピックフェース1700Pが積載エリアを出る時、ケースユニットコンタクト部材1530に最も近い縁がピックフェース1700Pの後縁である。単なる例示目的で、コントローラ1220は、ピックフェースの奥行きDを測定するために、(例えば、フィンガー1540が積載ベッドエリアから/積載ベッドエリアへ延伸されたり後退されたりする時、フィンガー1540の動作を駆動する駆動部の指標付けのような)任意の他の適切な情報/データとともに前縁および後縁センサ信号を使用するように構成されてもよい。
【0030】
また、センサ1703は、ピックフェース1700Pが積載ベッド1510の開口部1510Pから越えて延びているか否かを検知するように構成されてもよい。ピックフェースが積載ベッド1510の開口部を越えて延びている場合、コントローラ1220は、ボット110をタイムアウトにする(例えば、停止操作)ように構成されてもよく、それによって積載物のそうした「突出」が検出された場合に、修正措置をとることができる。そうした修正措置は、ケースが取り出された保管棚600に積載物を戻すこと、または、ケースがマルチレベル垂直コンベヤから取り出された場合、ケースユニット/ピックフェースが検査され、保管および取り出しシステム内の適切な場所に行き先を変更され得る場所の保管棚に積載物を戻すことを含むが、これに限定されない。そうした修正措置は、ボットとマルチレベル垂直コンベヤとの間の通信によって、または、例えば制御サーバ120(あるいはボットおよびマルチレベル垂直コンベヤの両方と通信する任意の他の適切なコントローラ)との通信によって、ボットがマルチレベル垂直コンベヤを停止させることも含んでもよい。理解されるように、ボットは、ピックフェース1700Pが積載ベッド1510の開口部1510Pをどのくらい越えて延びているかを測定する他の適切なセンサを含んでもよく、この場合、ピックフェースの突出が所定の突出量より少ない場合、コントローラ1220は、単にボット110の行き先を例えば検査エリアへ変えるだけである。所定の突出量は、突出したピックフェースが、例えば検査エリアへ移動中に、保管および取り出しシステム、他のボット、または他のピックフェースの構造物に接触しないような任意の適切な突出距離であってもよい。また理解されるように、センサ1703は、ピックフェースのケースの間のいかなる隙間も検知し、測定することに使用することができる。
【0031】
実施形態において、ボット110は、ピックフェース1700Pの長さL(図7)を検出する任意の適切なセンサを有してもよい。例えば、ボット110は、積載ベッド1510の対向する縦方向の端部にそれぞれ配置されるセンサ1713A、1713Bを有してもよい。単なる例示目的で、センサ1713は、例えばケースユニットと積載ベッド1510の側面との実質的な接触を検出する接触板、全通ビームセンサ、ロードセル、または任意の他の適切なセンサであってもよい。また、ボットコントローラ1220は、ケースユニット1700と側面1510S1、1510S2との実質的な接触を検出するために、駆動部1532に対する負荷(例えば、電流の上昇など)を監視するように構成されてもよい。図ではセンサ1713が、側面1510S1、1510S2に隣接して配置されているように示されているが、センサ1713は、ケースユニットと側面1510S1、1510S2との実質的な接触を検知するために、ボット110の任意の適切な位置に配置されてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
実施形態では、ピックフェース1700Pが、例えば積載ベッド1510のローラ1510R上に配置される時、ピックフェース1700Pが、センサ1713A、1713Bのうち最初の1つによって検知される(例えば、ピックフェースが、積載ベッド1510の側面1510S1、1510S2に実質的に接触する)まで、第1の方向1551にローラが駆動されてもよい。ピックフェースが積載ベッド1510の第1の側面に配置されていることを示す第1の検出信号が、例えばボットコントローラ1220に送られてもよい。ピックフェースが複数のケースユニットを含む場合、ピックフェース1700Pの第1のケースユニットがセンサ1713A、1713Bによって検知された後の所定時間、ローラの駆動を続けてもよく、それによってピックフェース1700Pの残りのケースユニット1700も積載ベッド1510の側面1510S1、1510S2に実質的に接触する。その後ローラは、反対方向1551に駆動させられてもよく、それによってピックフェースが、積載ベッド1510の反対側に配置された他のセンサ1713A、1713Bの方向へ動かされて、検知される(例えば、他方の側面1510S1、1510S2に実質的に接触する)。ピックフェースが積載ベッド1510の第2の面に配置されていることを示す第2の検出信号が、例えばボットコントローラ1220へ送られてもよい。再び、ピックフェース1700Pが複数のケースユニットを含む場合、ケースユニットのうちの最初の1つが、センサ1713A,1713Bに検知された後の所定時間、ピックフェースの他のケースユニットを側面1510S1、1510S2に実質的に接触可能とするために、ローラの駆動を続けてもよい。ボットコントローラ1220は、例えばベッド駆動部またはモータ1532の操作に関するデータと組み合わせて、センサ1713A、1713Bからの第1および第2の検出信号を用いて、ピックフェースの長さLを測定するように構成されてもよい。ピックフェース1700Pの長さLは、任意の適切なプロセッサまたはコントローラによって、任意の適切なセンサを用いて、任意の適切な方法で、測定されてもよいことが理解されるべきである。一例において、ボット110は、ピックフェースの測定値を確定するために、例えば制御サーバ120にピックフェース測定データを送るように構成されてもよい。
【0033】
図1、5、6、7A、7B、8、10および11を参照して、ボット110の例示の作用を説明する。ボット110は、マルチレベル垂直コンベヤ150Aまたは保管棚600からピックフェース1700Pを取り出すように、例えば制御サーバ120によって指示されてもよい。ボット110は、フェンス1510Fのスロット1510FSを通って、取り出されるケースユニットの下で、フィンガー1540を延伸させる。ピックフェースは、フィンガー1540によって持ち上げられ、積載ベッドエリアへ運ばれる。理解されるように、フィンガー1540は上昇させられてもよく、それによってケースユニットが、フレーム110Fの積載エリアに、および積載エリアから搬送される時、ケースユニットは、実質的に停止部材1510FMに接触することなくフェンスの停止部材1510FMの上方で運ばれる。フィンガーが、積載ベッドエリアに後退させられる時、コントローラ1220は、上述のように、ピックフェース1700Pの奥行きDを測定する(図11、ブロック1102)。例えば、ピックフェース1700Pがボット110の積載エリアへ運ばれる時、センサ1703は、例えばピックフェースが複数のケースを含む場合のピックフェースを形成するケースの間の隙間と、ピックフェース1700Pの第1の縁または前縁1700A、および第2の縁または後縁1700Bとを検知する。上述のように、コントローラ1220は、第1および第2の縁1700A、1700Bの検知に対応するセンサ1703からの信号を検出し、(例えばフィンガーの延伸/後退の駆動モータの操作に関するデータのような)他の適切な情報とともに、積載エリアへ搬送されるピックフェース1700Pの奥行きDを測定する。
【0034】
ボットコントローラ1220および/または制御サーバ120は、ボットによって取り出されるピックフェース1700Pの予想奥行きを用いてプログラムされてもよい。実施形態において、ボットコントローラ1220は、制御サーバ120と通信し、制御サーバにピックフェースの奥行きDを通知してもよい。測定されたピックフェースの奥行きDが予想のピックフェースの奥行きと一致する場合、適正なピックフェース1700Pが取り出されていることの確認が、制御サーバ120によってボットコントローラ1220へ送られてもよく、ボット110にピックフェース1700Pの搬送をすすめるよう命令を出す。実施形態において、測定されたピックフェースの奥行きDが、予想のピックフェースの奥行きと一致しない場合、制御サーバ120は、ピックフェース1700Pが取り出された保管棚600にピックフェース1700Pを戻すようボット110に命令を出すか、または、例えばピックフェースが検査され得る保管および取り出しシステムのエリアにピックフェース1700Pの行き先を変えることをボット110に命令する。実施形態において、測定されたピックフェースの奥行きDが予想のピックフェースの奥行きと一致しない場合、ボット110は、保管および取り出しシステム100内のボット110の位置を検証し、および/またはケースユニットの奥行きDを再測定する。ボットの位置検証および/またはピックフェースの奥行きの再測定の後、ピックフェースの奥行きDが正しくないことが確認されると、不良の信号が例えば制御サーバ120に送られてもよく、ボットはピックフェース1700Pを取り出した保管棚600に戻してもよく、またはピックフェース1700Pを保管および取り出しシステム内の任意の他の適切な場所へ行き先を変更してもよい。その後、ボット110は、別のケースユニットを取り出すために、例えば別の保管場所、マルチレベル垂直コンベヤなどに進んでよい。
【0035】
ピックフェース1700Pが正しいケースユニットであると確認された場合、ケースユニットがフレーム110Fの積載エリアに搬送される時、ピックフェース1700Pを積載ベッド1510上の所定の位置に揃えるよう構成されてもよい(図11、ブロック1103)。例えば、フィンガーが後退させられ、ケースユニットが積載ベッド1510の上方にセットされた後、フィンガー1540は下げられてもよく、それによってピックフェース1700Pが、例えば積載ベッド1510のローラ1510R(または任意の他の適切な支持体)によって支持される。ピックフェースの長さを測定するために、上述のように、ピックフェース1700Pが、積載ベッド1510の側面1510S1、1510S2に実質的に接触して位置するように、ボット110はローラ1510Rを駆動してもよい。ピックフェース1700Pが、側面1510S1、1510S2と実質的に接触する時、ボットコントローラ1220は、上述のように、センサ1713A、1713Bのうちの1つから信号を検出し、所定の時間の後、ローラ1510Rの駆動を停止するよう駆動部1532に指示してもよく、それによってピックフェースの全てのケースユニット1700が、側面1510S1、1510S2と実質的に接触する。理解されるように、矢印1551の方向(例えば、ボット110の縦軸6000の方向)のピックフェースの移動によって、1つの軸(例えば、ボットの縦軸)に沿ってボット110に対して、ピックフェース1700Pの位置を記録し、または位置を決める。
【0036】
また、ボット110は、第2の軸(例えば、ボットの横軸)に沿ってピックフェース1700Pの位置を記録するように構成されてもよく、それによってボット110に対するピックフェース1700Pの横方向と縦方向の位置がわかる。例えば、第2の基準面は、例えば、フェンス1510Fによって形成されてもよい。第1の基準面と第2の基準面は、積載ベッド1510の任意の適切な特徴によって形成されてもよいことに留意する。実施形態において、ボット110に対して横方向にピックフェース1700Pを配置するために、実質的にフェンス1510Fにピックフェース1700Pを接触させ、押圧するために、ケースユニットコンタクト部材1530は、ケースユニットコンタクト部材1530を積載ベッド1510の側部開口部1510Pの方向に動かすように、駆動部1531のような任意の適切な駆動部によって操作されてもよい。ピックフェースとフェンス1510Fの間の実質的な接触を検出するために、ボットは、実質的にセンサ1713と類似していてもよい任意の適切なセンサ1714を有していてもよい。ピックフェース1700Pとフェンス1510Fの間の実質的な接触を検出するために、ボットコントローラ1220は、駆動部1531に対する負荷(例えば、電流の上昇など)を監視するように構成されてもよいことに留意する。理解されるように、センサ1714は、ピックフェース1700Pとフェンス1510Fの間の実質的な接触を検出するために、積載ベッド1510に対して任意の適切な位置に設置されてもよい。また理解されるように、第1および第2の基準面(例えば、側面1510S1、1510S2のいずれかおよびフェンス1510F)に実質的に接触させるために、矢印1550、1551の方向にピックフェースを動かすために、駆動部1531、1532は実質的に同時に、またはそれぞれ独立して動作してもよい。この態様にて、ピックフェースが、第1および第2の基準面(実質的に相互に垂直であってもよい)と実質的に接触する時、ピックフェース1700Pは、積載ベッド1510上の所定の位置に繰り返し可能に置かれる。
【0037】
ボット110上でのピックフェースの搬送中に、ケースユニットコンタクト部材1530とフェンス1510Fの間で、ピックフェース1700Pを能動的に把持するために(図11、ブロック1104)、ケースユニットコンタクト部材1530は、ピックフェース1700Pと実質的に接触を続けてもよく、フェンス1510Fと連動して動作してもよい(例えば、図10)。ピックフェース1700Pを把持するために、ボット110は、ピックフェース1700Pの奥行きDに依存する距離だけ、ケースユニットコンタクト部材を動かしてもよく、それによってケースユニットコンタクト部材が、ケースユニットコンタクト部材とフェンスの間で、ピックフェースを把持する。この方法で、ピックフェース1700Pを把持することによって、ピックフェース1700Pの搬送中に、ピックフェースが積載ベッド1510から外れたり落ちたりすることを防ぐだけでなく、ボット110に対するピックフェース1700Pの位置を実質的に保持することができる。ピックフェースは、任意の適切な方法で、ピックフェースの搬送中にボット110によって能動的に把持されてもよいことに留意する。
【0038】
ボット110は、積載ベッド1510上にあるピックフェース1700Pを、保管および取り出しシステム100内の所定の位置(例えば、行き先)へ搬送するように制御サーバ120によって指示されてもよい。所定の行き先で、ピックフェース1700Pの把持を解除するために、ケースユニットコンタクト部材1530を動かしてもよい。実施形態において、ボットコントローラ1220は、駆動部1532にローラ1510Rを動かすようにさせてもよく、それによって第1基準面(例えば、側面1510S1、1510S2のいずれか)から所定の距離だけ離れて、矢印1551の方向にピックフェース1700Pが移動する。それによって、積載ベッド1510の側面に実質的に接触することなく(例えば、ピックフェース1700Pの積載ベッドからの障害のない移動)、ピックフェース1700Pを、積載ベッド1510から持ち上げることができ、ボットから搬送することができる。ボットコントローラ1220は、ピックフェース1700Pと側面1510S1、1510S2との間の距離を測定するため、例えばセンサ1713から信号を受け、または(駆動部1532のエンコーダからの情報などの)任意の他の適切な情報を得るように構成されてもよい。測定された距離が例えば所定の距離(例えば、ボットまたは制御サーバ120のメモリに保存された距離)に略同一である時、ボットコントローラ1220は、駆動部1532にピックフェース1700Pの移動を停止させるようにしてもよい。また、ピックフェース1700Pが側面1510S1、1510S2から離れた後、ボット110は、ケースユニットコンタクト部材に、ピックフェース1700Pをフェンス1510Fに押圧するようにさせてもよく、それによってピックフェース1700Pの位置がフェンス1510Fに対して再調整され、ピックフェース内の全てのケースユニットが相互に実質的に接触する。ピックフェースの位置の再調整およびコンパクト化(例えば、ケースユニットを共に移動すること)は、任意の適切なセンサ(上述したようなもの)を用いるなど、および/またはモータ1531、1532のような1つまたは2つ以上のボット駆動モータの状態を監視するなど、任意の適切な方法で監視してもよい。ピックフェース1700Pと側面1510S1、1510S2との間の距離は、コントローラ1220によって記録され、フェンス1510Fに対するピックフェース1700Pの位置の再調整が行われるので、ピックフェース1700Pとボットとの間の相対的位置は、ボットがピックフェース1700Pを例えば所定の位置の保管棚600に置くことを可能にする既知の関係を持つように維持されてもよい。ピックフェースを保管棚のそれぞれの位置から取り出す時に使用するために、ピックフェースおよびその中の各ケースユニットの所定の位置は、例えば制御サーバ120のメモリなどの任意の適切な場所に保存されてもよい。
【0039】
ボットコントローラ1220は、ピックフェース1700Pを所望の位置に置くために、フィンガー1540にピックフェース1700Pをローラ1510Rからフェンス1510Fの停止部材1510FMの上方に持ち上げさせて、フィンガー1540をボット110から離れて横方向に延伸させる。ピックフェース1700Pが行き先の位置、例えば保管棚600の上方にきた時、フィンガー1540は、フェンスの停止部材1510FMの間(例えば、スロット1510FSの中)に下げられ、ピックフェース1700Pを棚600に置くために、例えばスラットのある保管棚600の支持面620H1、620H2に搬送される(図11、ブロック1105)。
【0040】
図7A、12、13Aおよび13Bを参照すると、ケースユニットコンタクト部材1530は、可動部材1535と係合するために、任意の適切な方法で、可動部材1535に取り外し可能に連結されてもよい。ケースユニットコンタクト部材1530と可動部材1535が係合することによって、ケースユニットコンタクト部材1530および可動部材1535(したがって、ボットのアーム/フィンガー)は、ケースユニットコンタクト部材1530の駆動動作とともにフィンガー154を延伸および後退させるために、単一軸の駆動部による駆動が可能になり、矢印1550の方向に一体として動くことが可能になる。可動部材1535とケースユニットコンタクト部材1530の取り外し可能な連結は、フィンガー1540の少なくとも1つが持ち上げられる時、連結が行なわれ、フィンガー1540が実質的に下がった位置にある時、連結は外されるといった、少なくとも1つのフィンガー1540の上げ下げによって受動的にもたらされる。例えば、本明細書に参照によってすでに含まれる、「BOT PAYLOAD ALIGNMENT AND SENSING」と題された、代理人整理番号が1127P014263-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,220号明細書(現在は、2011年12月15日に出願された、代理人整理番号が1127P014263-US(PAR)の米国特許出願第13/327,040号明細書)に記載されたように、フィンガーが下げられた(例えば、連結が外された)時、例えば、積載ベッド上のピックフェースの位置調整またはピックフェースの把持のために、ケースユニットコンタクト部材1530は、可動部材1535から独立して可動であることに留意する。
【0041】
各取り付け部材1671は、取り付け部材1671が各フィンガーを持ち上げるために上昇する時に、ケースユニットコンタクト部材1530の相補的な凹部に係合する、任意の適切な突起部を含んでもよい。上述のように、取り付け部材1671は、可動部材1535に取り付けられ、矢印1673の方向(例えば、ケースユニットコンタクト部材1530の移動方向1550に対して略垂直に)のみに可動部材1535に対してスライド可能であるので、凹部内に突起部が係合することによって、可動部材1535は、ケースユニットコンタクト部材1530に選択的に連結され、それにより、ケースユニットコンタクト部材が駆動部1531(図9)によって駆動させられる時、可動部材1535もフィンガー1540を延伸および後退させるために駆動させられる。
【0042】
実施形態において、突起部および凹部は、図13Bに示されるように、キー3004およびキーホール3002の形であってもよい。しかし、実施形態において、突起部および凹部は、任意の適切な構成を有してもよいことが理解されるべきである。ここで、キー3004は、ケースユニットコンタクト部材1530に面している1つまたは2つ以上の取り付け部材1671の側面から延びてもよく、それによってケースユニットコンタクト部材1530が後退位置(例えば、可動部材1535に最も近い位置)にある時、キー3004が、ケースユニットコンタクト部材1530のそれぞれのキーホール3002を通って延びる。1つまたは2つ以上の取り付け部材1671(例えばフィンガー1540)が持ち上げられる時、1つまたは2つ以上の取り付け部材1671のキー3004が、それぞれのキーホール3002のスロットの中に移動するので、キー3004の一部が、キーホールのスロットを突き出て、ケースユニットコンタクト部材1530の表面1530Sに実質的に係合する。一例において、ケースユニットコンタクト部材1530と実質的に接触する可能性があるどのピックフェースの邪魔もしないように、キーホールおよびキーは、ケースユニットコンタクト部材1530の凹部1530R内に配置されてもよい。ケースユニットコンタクト部材1530は、キーホールおよびキーとフィンガー1540上または積載ベッド1510上にある任意のピックフェースとの間の干渉を実質的に防ぐために、ケースユニットコンタクト部材1530の一面から延びる隆起部またはリブ1533を含んでもよいことに留意する。
【0043】
実施形態において、突起部は、取り付け部材1671から延びる1つまたは2つ以上のピン3000の形であってもよいし、凹部は、ケースユニットコンタクト部材1530に配置された1つまたは2つ以上のスロット3001の形であってもよい。図13Aおよび13Bに示されるように、ケースユニットコンタクト部材1530が実質的に後退した位置にある時、1つまたは2つ以上のスロット3001は、1つまたは2つ以上の取り付け部材1671に隣接して配置されてもよい。ケースユニットコンタクト部材1530が後退した位置にある時、スロット3001は、方向1673においてピン3000と実質的に並んでいるので、取り付け部材1671(例えば、フィンガー1540)がそれぞれの駆動部1672によって持ち上げられる時、ピン3000が、スロット3001の中に移動し、スロット3001と係合する。実施形態において、可動部材1535とケースユニットコンタクト部材1530を連結するために、最も外側のフィンガー1540の取り付け部材1671のみが、スロット3001と係合できるように、少なくとも1つのスロット3001が、ケースユニットコンタクト部材1530の端部1530E1、1530E2に隣接して配置される。ここで、ピックフェースは、積載ベッド1510上に配置されてもよく(図5)、それによってピックフェースが、ボット110へ、およびボット110から搬送される間、ピックフェースが、最も外側のフィンガー1540の少なくとも1つと並ぶ。ケースユニットコンタクト部材の長さに沿って配置されるスロットがあってもよく、それによってそれぞれのフィンガー1540が上げられる時、取り付け部材1671のいずれかによって、可動部材1535とケースユニットコンタクト部材1530とが連結することができることに留意する。
【0044】
理解されるように、任意の適切な方法で、キー3004とキーホール3002の係合とは別に、またはキー3004とキーホール3002の係合とともに、ピン3000とスロット3001の係合は使用されてもよい。例えば、最も外側のフィンガー1540の取り付け部材1671は、ケースユニットコンタクト部材1530の端部1530E1、1530E2に隣接して位置する凹部3001と係合するように、ピン3000とともに構成されてもよい一方で、(最も外側のフィンガーの間に位置する)内側のフィンガーの取り付け部材1671は、ケースユニットコンタクト部材1530の端部1530E1、1530E2との間に位置するキーホール3002と係合するために、キー3004とともに構成されてもよい。実施形態において、ケースユニットコンタクト部材1530と可動部材1535との間の係合は任意の適切な方法で達成されてもよいことに留意する。また理解されるように、可動部材1535(例えば、ボット搬送アーム)とケースユニットコンタクト部材1530との間の取り外し可能な連結は、任意の適切な数のフィンガー1540を持ち上げることによってもたらされてもよい。例えば、その連結は、最も外側のフィンガーの一つ、最も外側のフィンガーの両方、内側のフィンガーの一つ、内側のフィンガーの複数、または内側および外側のフィンガーの任意の適切な組み合わせを持ち上げることによってもたらされてもよい。さらに、スロット3001およびキーホール3002は、1つまたは2つ以上のフィンガー1540を部分的にのみ持ち上げることによって、可動部材1535とケースユニットコンタクト部材1530との連結を可能にするように構成されてもよい。例えば、スロットおよびキーホールの係合と、対応するピンおよびキーとの連結は、フィンガーが、ピックフェースの下で保管棚600の中に挿入する位置に上げられる時に起こってもよい。スロットおよびキーホールは、さらに、フィンガー1540をさらに持ち上げることができる構成であってもよく(例えば、キーおよびピンは、それぞれのキーホールとスロットとの係合部内でスライド可能である)、それによってピックフェースを保管棚600から持ち上げてボット110の積載ベッド1510に運ぶことができる。
【0045】
ここで図4Aおよび9を参照して、ボット110の例示の作用を説明する。ボットコントローラ1220は、ボットを所定のピックフェースの位置、例えば保管ラック600(またはマルチレベル垂直コンベヤ)に移動させてもよい。ピックフェースの位置は、各ケースユニット1700A、1700Bが保管ラック600に配置されているピックフェース1700Pを含んでもよく、それによってケースユニット1700Aの前縁1705および後縁1706の位置、ならびにケースユニット1700Bの前縁1707および後縁1708の位置が、例えばボットコントローラ1220および/または制御サーバ120によって把握される。ピックフェース1700Pは、2つのケースユニット1700A、1700Bを有しているように示されているが、ピックフェースは、任意の適切な数のケースユニットを含んでもよいことに留意する。ボットコントローラ1220は、1つまたは2つ以上のフィンガー1540を所定の距離だけ上げてもよく(例えば、ピックフェース1700Pの下で保管棚600にフィンガーを挿入するために部分的にのみ上げる)、それによって可動部材1535がケースユニットコンタクト部材1530に連結される。1つまたは2つ以上のフィンガー1540は、取り出されるケースユニットの下で保管棚のスラットに延ばされてもよい。ボットコントローラ1220または任意の他の適切なコントローラは、アームの延伸量を決めるように構成されてもよく、それによって上げられたフィンガー1540の片持ち先端が、ボット110に搬送される最も遠いケースユニットを下から取り出す(underpick)(フィンガー1540の延伸の軸に沿って、ボットから取り出す)。例えば、ボット110が、ケース1700Aのみを取り出すよう指示された場合、フィンガー1540は保管ラックに延伸されてもよく、それによって片持ちフィンガー1540の先端が、ケースユニット1700Aの後縁1706から所定の距離U(例えば、アンダーピック(underpick))離れたところに位置する。ボット110が、ピックケース1700Aと1700Bを取り出すよう指示された場合、フィンガー1540は保管ラックに延伸されてもよく、それによって片持ちフィンガー1540の先端が、ケースユニット1700Bの後縁1708から所定の距離U離れたところに位置する。そのアンダーピックUによって、ピックフェースの中の隣のケースを邪魔することなく1つまたは2つ以上のケースを取り出すことが可能になる。例えば、ケースユニット1700Aは、ケースユニット1700Bを邪魔することなく取り出すことができる。例えば、すでに参照によって本明細書に含まれている、「BOT PAYLOAD ALIGNMENT AND SENSING」と題され、代理人整理番号が1127P014263-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,220号明細書(現在は、2011年12月15日に出願され、代理人整理番号が1127P014263-US(PAR)の米国特許出願第13/327,040号明細書)に記載のものと実質的に類似した方法で、いったん取り出されるケースユニット(単なる例示目的で、ケースユニット1700Aとする)の下部にくると、フィンガーが、ケースユニット1700Aを棚から取り出すために上げられ、フィンガーは矢印1550の方向に後退させられるので、ケースユニット1700Bがボット積載エリアに搬送される。
【0046】
ケースユニット1700Aが、ボット110の積載ベッド1510に運ばれる時、ケースユニット1700Aがフェンス1510Fに当たらないように、またはケースユニットが積載ベッド1510上に下げられる時にケース突出センサ1703を妨害しないように、ケースユニット1700Aの縁1706とフェンス1510Fとの間に間隔Cが必要である。間隔Cの長さは、積載ベッド1510の奥行きDからアンダーピックの距離Uとフィンガーの長さLの両方を引くことによって求めてもよい(例えば、C=D-L-U)。一例において、アンダーピックの距離Uは、約9mmのような所定の距離、または任意の他の適切な距離であってもよく、積載ベッド1510の奥行きDは一定値であってもよい。そのため、ケースユニット1700Aの縁1706とフェンス1510Fとの間の間隔Cの長さを増やすためには、フィンガー1540の長さLを減らさなければならない。あるいは、間隔Cが所定の距離であり、積載ベッド1510の奥行きDが一定である場合、アンダーピックの距離U(例えば、U=D-L-C)を増やすためにはフィンガーの長さLは減らさなければならない。理解されるように、アンダーピックUおよび間隔Cは、フィンガーの長さLを変えることなく調整されてもよいが、アンダーピックUおよび間隔Cは、アームの長さLを変えることなく、独立して変えることはできない。
【0047】
上述のように、図4B、4C、5、7A、12、15A、15Bおよび16を参照すると、例えば、すでに本明細書に参照によって含まれている、「AUTOMATED BOT WITH TRANSFER ARM」と題され、代理人整理番号が1127P014264-US(-#1)の米国仮特許出願第61/423,365号明細書(現在は、2011年12月15日に出願され、代理人整理番号が1127P014264-US(PAR)の米国特許出願第13/326,952号明細書)に記載されている方法で、矢印1550の方向に搬送アーム1540Aを延伸および後退させるために、ケースユニットコンタクト部材が可動部材1535に取り外し可能に連結されている積載エリア内に、少なくとも部分的に、ケースユニットコンタクト部材1530は可動に設置されてもよい。作動中、ボット110は、ピックフェースを取り出すか、またはピックフェースをマルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bに置くので、コンベヤの棚720上の唯一の品物(この例ではピックフェース8003)は、ボット110によって取り出されるか、または置かれたものであってもよい。一方、ボット110がピックフェース8003を取り出すか、保管棚600に置く時、他のピックフェース8001、8002は、ボットが取り出し、または置く位置8000に隣接して位置していてもよい。理解されるように、ボット110のコントローラ1220は、保管棚600から/保管棚600への品物の搬送ではなく、コンベヤ150A、150Bから/コンベヤ150A、150Bへの品物の搬送を扱うように構成されてもよい。例えば、コンベヤ150A、150Bから/コンベヤ150A、150Bへ品物を搬送する時、ボットは、ピックフェースを搬送するために、例えばフェンス停止部材1510FMの上方に、ボットの全てのフィンガー1540を持ち上げてもよい。コンベヤ棚720上の唯一の品物は、ボット110へ/ボット110から搬送されたピックフェース8003であるので、全てのフィンガー1540の持ち上げと延伸は、コンベヤ150A、150B上で他の品物と干渉しない。また、全てのフィンガー1540の持ち上げと延伸は、入庫コンベヤ150Aからフィンガー1540によって取り出されるピックフェース8003の分散された支持を実質的に確実にし、コンベヤ棚720上のピックフェースの位置はわからなくてもよい。例えばピックフェース位置8000において保管棚600から/保管棚600へピックフェースを搬送する時、保管棚600へ延伸するために全てのフィンガー1540を持ち上げることによって、位置8000に隣接したピックフェース8001、8002と接触することになってもよい。理解されるように、棚600に搬送されるピックフェース8003(図7Aのピックフェース1700P)を支持している唯一のフィンガー1540U(図7A)は持ち上げられてもよいが、一方で、残りのフィンガー1540Lは、実質的に下がった位置にとどまるので、ピックフェース8003がピックフェース位置8000に搬送される時、ピックフェース8003を支持していないフィンガー1540Lが、ピックフェース8001、8002の下で(および接触しないで)棚600に挿入される。実施形態において、保管棚および/またはコンベヤ棚は、搬送アーム1540Aの延伸が、ボットと保管棚およびマルチレベル垂直コンベヤの両方との間でのケースユニットの搬送と同様に扱われてもよいように構成されてもよいことに留意する。
【0048】
それぞれのフィンガー1540のリフト位置または高さは、任意の適切な方法で測定することができる。図15Aを参照すると、リフト位置センサは、1つまたは2つ以上のフィンガー1540の位置を測定する/記録するために、1つまたは2つ以上のフィンガー1540のリフト軸に沿って設置されてもよい。リフト位置センサは、位置合わせ装置7000および1つまたは2つ以上の検出装置7001A-7001Eを含んでもよい。一例において、位置合わせ装置7000は取り付け部材1671に取り付けられてもよく、1つまたは2つ以上の検出装置7001A-7001Eは可動部材1535に取り付けられてもよい。実施形態において、位置合わせ装置および検出装置は、ビーム(または光学)センサ、容量または誘導センサ、または例えば可動部材1535に対する取り付け部材1671の動作の検出を可能にする任意の他の適切な種類のセンサであってもよい。単なる例示目的で、位置合わせ装置7000は、光学センサの場合、反射フラグであってもよいし、容量または誘導センサの場合、磁性/電気部材であってもよい。実施形態において、位置合わせ装置は検出装置によって検出することができる任意の適切な装置であってもよいことに留意する。検出装置7001A-7001Eは、駆動装置1672がフィンガー1540を駆動する移動距離を分割するために、可動部材に沿って互いに間隔をあけて設置されてもよい。コントローラ1220は、例えば1つまたは2つ以上の位置合わせ装置7000および検出装置7001A-7001Eに接続されてもよいし、各フィンガー1540の位置を検出するために、ある検出器から次の検出器へのセンサの移行による信号として、これらの装置から信号を受け取るように構成されてもよい。理解されるように、この例において移動距離の4区域が5つの検出器7001A-7001Eによって定められる一方で、任意の適切な数の移動距離の区域が定められるように任意の適切な数の検出器を使用してもよいことに留意する(例えば、2つの検出器は、フィンガーのフルリフトストローク(full lift stroke)を含む移動距離の1区域を定めるのに使用できるが、フルリフトストロークの上限と下限の間に停止点を与えるために検出器を追加してもよい)。また理解されるように、コントローラによって受け取られる信号は、例えば位置合わせ装置7000が検出装置7001A-7001Eの1つに隣接する場合は高い値で、位置合わせ装置7000が隣接する検出装置7001A-7001Eの間にある場合低い値となる歯形状、または正弦波状のプロフィールを有してもよい。
【0049】
一例において、起動のために選択されたフィンガー1540が実質的に最も低い位置にある(それによって、フィンガーが積載ベッド1510の下に位置される)場合、位置合わせ装置7000は検出器7001Eに隣接して設置されてもよい。例えば、選択されたフィンガーを矢印1673の方向に動かすために駆動装置1672が作動され、位置合わせ装置7000が検出器7001Eに隣接する時、選択されたフィンガー1540が最も低い位置であることを特定するために、高い信号が検出器7001Eからコントローラ1220に送られてもよい(一方で他の検出器7001A-7001Dは低い信号を与えている)。コントローラ1220が検出器7001Eから信号を受け取る時、コントローラ1220は、選択されたフィンガー1540に関して駆動装置1672にコマンドを送ってもよく、それによってフィンガー1540が実質的に最も低い位置にあるように駆動装置1672が停止させられる。同様に、例えば、フィンガーを矢印1673の方向に動かすために駆動装置1672が作動され、位置合わせ装置7000が検出器7001Aに隣接する(例えば、フィンガーは実質的に最も高い位置にあるので、ピックフェースを積載ベッド1510へ、および積載ベッド1510から搬送するためにフィンガーがフェンス停止部材1510FMの上方にある)時、フィンガー1540が最も高い位置にあることを特定するために、高い信号が検出器7001Aからコントローラ1220へ送られてもよい(一方で他の検出器7001B-7001Eは低い信号を与えている)。コントローラ1220が検出器7001Aから信号を受け取る時、コントローラ1220は、選択されたフィンガー1540に関して駆動装置1672にコマンドを送ってもよく、それにより、フィンガー1540が実質的に最も高い位置にあるように駆動装置1672が停止させられる。理解されるように、上述の方法でフィンガーが停止され得る他の高さを与えるために、他の検出器7001B-7001Dは、検出器7001A、7001Eの間に設置されてもよい。
【0050】
図15Bを参照すると、1つの検出器7001が可動部材1535上に設置されてもよいし、1つまたは2つ以上の位置合わせ部材7000A-7000Eが、1つまたは2つ以上のフィンガー1540に隣接した取り付け部材1671上に設置されてもよい。選択されたフィンガー1540が矢印1673の方向に動かされ、それぞれの位置合わせ部材7000A-7000Eが検出器7001と隣接する時、検出器7001によって信号がコントローラ1220へ送られてもよい。コントローラ1220は、(例えば図15Aに関して上述した方法で)位置合わせ部材7000A-7000Eのどれが検出器7001と隣接しているかをカウントする、または記録するように構成されてもよいし、所望の所定の位置で(例えば、ピックフェースを積載ベッドへ、および積載ベッドから搬送するために、フィンガーが最も高い位置にある時、フィンガーが積載ベッドの下の最も低い位置にある時、またはその間の任意の適切な位置にある時)、フィンガー1540を停止させるために、駆動装置1672へ適切なコマンドを送るように構成されてもよい。位置合わせ部材および検出器の任意の適切な組み合わせならびに任意の適切な種類の位置合わせ部材および検出器は、フィンガー1540のリフト高さを測定するために、ボット110の任意の適切な部分に取り付けられて、使用されてもよいことに留意する。
【0051】
また、リフト軸に沿った矢印1673の方向でのそれぞれのフィンガーの位置が、駆動装置のフィードバックから特定されてもよいことに留意する。例えば、各駆動装置1672は、駆動装置が起こす回転数(またはその一部)をカウントするために、コントローラ1220に信号を送るように構成されてもよい。また、コントローラ1220は、例えばステッピングモータ駆動装置1672を動かすために使用されるパルスの数を記録するように構成されてもよい。理解されるように、任意の適切なモータのフィードバックまたは他の情報は、各フィンガー1540のリフト位置を特定するために使用することができる。
【0052】
図1、17Aおよび17Bを参照すると、ボットが搬送デッキ130Bの搬送ステーションに位置する時に生じるような、例えばボット110の水平面からの傾きαを検出するために、ボット110は任意の適切な慣性センサ899を含んでもよい。慣性センサ899は、ボットとコンベヤが接触してボット110が所定の角度を超えて傾く場合、またはボットによって運ばれるケースとコンベヤが接触してボット110が所定の角度を超えて傾く場合(逆もまた同様)、マルチレベル垂直コンベヤ150A、150Bを停止させるようにしてもよい。図17Aは、矢印998の方向の棚720の移動がボットの傾きを引き起こすような、(単なる例示目的で、ボットアームのフィンガーとコンベヤ棚のフィンガーとの間の位置合わせ不良による)ボット搬送アーム1540Aと入庫マルチレベル垂直コンベヤ150Aの棚720との接触を示す。ボットを傾けさせる可能性がある別の例は、ボットアーム1540Aがあまりに早く延ばされ、ボットアームまたはコンベヤ棚のいずれかの上にあるケースが、ボットアームのフィンガーとコンベヤ棚とが相互にかみ合うことを妨げる場合である。慣性センサ899は、傾きαを検出して、例えばボットコントローラ1220に信号を送ってもよい。ボットコントローラ1220は、対応する信号を、コンベヤ150Aの動作を停止するよう構成される制御サーバ120に送ってもよい。また、慣性センサ899は、制御サーバ120に直接信号を送るよう構成されてもよいことに留意する。傾いたボット110と連動するコンベヤ150Aが特定され、停止され得るように、制御サーバ120は、ボット110と通信し、保管および取り出しシステム100におけるボット110の位置を記録するように構成されてもよい(例えば、すでに本明細書で参照によって含まれている、「CONTROL SYSTEM FOR STORAGE AND RETRIEVAL SYSTEMS」と題された、米国特許出願第12/757,337号明細書で記述のように)。ボット110の傾きαを検出する慣性センサ899に応じて、ボットコントローラ1220は、搬送アーム1540Aを後退させてもよく、それによりボット110が、コンベヤ150Aと接触せず、水平方向に戻ることができる。図17Bは、矢印998の方向の棚720の動きが、図17Aとは反対方向にボットを傾かせるような、ボット搬送アーム1540Aと出庫マルチレベル垂直コンベヤ150Bの棚720との接触を示す。上記と実質的に同じ方法で、出庫マルチレベル垂直コンベヤ150Bの停止および搬送アーム1540Aの後退が起こってもよく、それによってボット110が出庫マルチレベル垂直コンベヤ150Bと接触しないでいることができる。ボット110は、ボット110の傾きαが所定の量の傾きを超えたことを検出した時、タイムアウトする(例えば、停止操作)ように構成されてもよく、または手動の介入を可能にするように構成されてもよく、それによって上述の搬送アームの後退などの任意の適切な修正措置をとることができる。
【0053】
開示された実施形態の第1の態様において、積載物を搬送する自律搬送ロボットが提供される。自律搬送ロボットは、少なくとも1つの基準面を有する積載ベッドと少なくとも1つの積載物位置揃え装置を含み、少なくとも1つの積載物位置揃え装置は、積載物を積載ベッドの所定の位置に置くために、少なくとも1つの基準面と実質的に接触して、積載ベッドに積載物を置くように構成されている。
【0054】
開示された実施形態の第1の態様に従って、少なくとも1つの基準面は、相互に略垂直に配置された第1および第2の基準面を含み、第1および第2の基準面のうちの1つが自律搬送ロボットの縦軸に略平行である。
【0055】
開示された実施形態の第1の態様に従って、自律搬送ロボットが、積載ベッドの開口部に配置された保持フェンスを含み、自律搬送ロボットが、積載ベッドの上に少なくとも部分的に可動に配置された従動プッシャーバーをさらに含み、保持フェンスおよび従動プッシャーバーは、自動搬送ロボット上での積載物の搬送中に、積載物を能動的に把持するように構成されている。
【0056】
開示された実施形態の第1の態様に従って、自律搬送ロボットが、積載物の少なくとも1つの寸法を検出するための少なくとも1つのセンサをさらに備えている。
【0057】
開示された実施形態の第1の態様の第1の下位態様に従って、自律搬送ロボットが、積載物保持エリアと前記積載ベッドとの間の積載物の搬送のための後退可能な作動体をさらに含み、積載ベッドが、自律搬送ロボット上へ積載物を搬送する間、積載物を積載ベッドエリアに案内するように構成されたガイド面を含んでいる。
【0058】
開示された実施形態の第1の態様の第1の下位態様に従って、作動体は、積載ベッドの下から積載ベッドの開口部に配置された保持フェンスの少なくとも部分的に上方の位置に上げられるように構成され、保持フェンスは、積載ベッドの上方に延び、積載ベッド上で積載物を少なくとも一部において保持するように構成される。
【0059】
開示された実施形態の第1の態様に従って、少なくとも1つの位置揃え装置は、積載物を第1の方向に移動させて、第1の基準面に実質的に接触させるように構成された第1の位置揃え装置と、積載物を第1の方向と略垂直な第2の方向に移動させて、第2の基準面に接触させるように構成された第2の位置揃え装置を含んでいる。
【0060】
開示された実施形態の第1の態様に従って、第1の位置揃え装置は、積載ベッドの積載支持面を形成する従動ローラを含んでいる。
【0061】
開示された実施形態の第1の態様に従って、第2の位置揃え装置は、従動プッシャーバーを含んでいる。
【0062】
開示された実施形態の第1の態様に従って、自律搬送ロボットは、前記積載物と、第1および第2の基準面の少なくとも1つとの間の実質的な接触を検出する少なくとも1つのセンサを含んでいる。
【0063】
開示された実施形態の第1の態様に従って、第1の位置揃え装置は、積載物が積載ベッドから搬送される時、基準面のそれぞれから所定の距離離れて積載物を移動させるように構成され、第2の位置揃え装置は、第2の基準面に対して積載物の位置を揃え直すように構成されている。
【0064】
開示された実施形態の第2の態様に従って、保管および取り出しシステム内で積載物を搬送する自律搬送ロボットが提供される。自律搬送ロボットは、開口部を有する積載ベッドと、開口部を少なくとも部分的に通って積載ベッドへ、および積載ベッドから積載物を搬送する作動体と、積載物の第1および第2の縁を検知する、開口部に隣接して配置された少なくとも1つのセンサと、積載物の第1および第2の縁の検知に少なくとも一部において基づいて積載物の寸法を測定し、積載物の測定された寸法と積載物の所定の寸法を比較するように構成されたコントローラとを含んでいる。
【0065】
開示された実施形態の第2の態様の第1の下位態様に従って、検出された寸法と所定の寸法が実質的に一致しない場合、コントローラは不良の信号を出すように構成されている。
【0066】
開示された実施形態の第2の態様の第1の下位態様に従って、コントローラはさらに、検出された寸法と所定の寸法が実質的に一致しない場合、作動体に、積載物を取り出した積載物保持エリアに積載物を戻させるように構成されている。
【0067】
開示された実施形態の第2の態様の第1の下位態様に従って、コントローラはさらに、検出された寸法と所定の寸法が実質的に一致しない場合、保管および取り出しシステム内の自律搬送ロボットの位置を検証するように構成されている。
【0068】
開示された実施形態の第2の態様の第2の下位態様に従って、少なくとも1つのセンサは、第1および第2の縁に対して実質的に交差する積載物の他の縁を検出するセンサを備え、コントローラは、他の縁の検出に少なくとも一部において基づいて、前記寸法に対して実質的に交差する積載物の別の寸法を測定するように構成されている。
【0069】
開示された実施形態の第2の態様の第2の下位態様に従って、自律搬送ロボットは、積載物を積載ベッドに積み込む方向に対して実質的に交差する方向に積載物を積載ベッド上で移動させる積載物位置揃え装置をさらに含み、積載物位置揃え装置は、別の寸法の検出を少なくとも一部において容易にするように構成されている。
【0070】
開示された実施形態の第3の態様に従って、自律搬送車両が提供される。自律搬送車両は、積載ベッドと、積載ベッドに配置され、積載ベッドへ、および積載ベッドからピックフェースを搬送するために第1の軸に沿って延伸するように構成された搬送アームとを含み、搬送アームは、ピックフェースを取り出し、配置するために、第1の軸に略垂直の第2の軸に沿って、互いに対して独立して移動可能なフィンガーを含んでいる。
【0071】
開示された実施形態の第3の態様に従って、自律搬送車両は、各フィンガー用の駆動装置をさらに含み、駆動装置は、第2の軸に沿ってそれぞれのフィンガーを選択的に動かすように構成されている。
【0072】
開示された実施形態の第3の態様の第1の下位態様に従って、自律搬送車両は、第1の軸に沿った統一された動作のために、フィンガーが可動部材から片持ちとなるように取り付けられる可動部材をさらに含んでいる。
【0073】
開示された実施形態の第3の態様の第1の下位態様に従って、自律搬送車両は、第1の軸に沿って搬送アームを動かすために可動部材に選択的に連結されるように構成された従動部材をさらに含んでいる。さらに、1つまたは2つ以上のフィンガーは突起部を有し、従動部材は少なくとも1つの対応する凹部を有し、1つまたは2つ以上のフィンガーが上げられる時、可動部材と従動部材を連結するために突起部は凹部と係合する。
【0074】
開示された実施形態の第4の態様に従って、自律搬送車両が提供される。自律搬送車両は、従動部材と、可動部材と、可動部材および従動部材を選択的に連結するように構成された位置決め可能な連結部とを含み、位置決め可能な連結部は、連結および解放が可能であって、解放されると、従動部材が可動部材から独立して第1の軸に沿って移動可能であり、連結されると、従動部材と可動部材が一体となって第1の軸に沿って動く。
【0075】
開示された実施形態の第4の態様に従って、自律搬送車両は、積載ベッドをさらに含み、従動部材が、積載ベッド上のケースユニットを少なくとも正しい方向に置くように構成され、可動部材が、積載ベッドへ、および積載ベッドからケースユニットを一部搬送する。
【0076】
開示された実施形態の第4の態様の第1の下位態様に従って、可動部材は、第2の軸に沿って移動可能なフィンガーを含み、第2の軸は、第1の軸に対して略垂直で、1つまたは2つ以上のフィンガーは、可動部材を従動部材に連結するために従動部材と係合する。
【0077】
開示された実施形態の第4の態様の第1の下位態様に従って、自律搬送車両は、フィンガーの片持ちの先端が、ケースユニットの縁を越えて延びないように、取り出されるケースユニットの遠位端から距離をあけて配置されるように、第1の軸に沿ったフィンガーの移動量を決定するように構成されたコントローラをさらに含んでいる。
【0078】
開示された実施形態の第4の態様に従って、可動部材は、保管棚への搬送のために1つまたは2つ以上のケースユニットの位置を揃えるために、1つまたは2つ以上のケースユニットの1つの側面に実質的に接触するように構成された少なくとも1つの側部ブレードを含んでいる。
【0079】
開示された実施形態の第5の態様に従って、自律搬送車両が提供される。自律搬送車両は、搬送エリアを含むフレームと、駆動システムと、搬送エリアに配置され、駆動システムを介してフレームに接続されたフィンガーを有する搬送アームとを含み、駆動システムは、第1の軸に沿ってフィンガーを一体として動かし、第1の軸に略垂直な第2の軸に沿って、搬送アームの他のフィンガーに対して独立して各フィンガーを動かすように構成されている。
【0080】
開示された実施形態の第5の態様に従って、駆動システムは、全てのフィンガーに共通で、第1の軸に沿ってフィンガーを動かすように構成された単一の軸駆動部を備えている。
【0081】
開示された実施形態の第5の態様に従って、駆動システムは、フィンガーごとに線形駆動部を備え、各線形駆動部は、フィンガーの他駆動部から独立して、第2の軸に沿って各フィンガーを個別に動かすように構成されている。
【0082】
開示された実施形態の第5の態様に従って、駆動システムは、各フィンガーに選択的に連結された線形駆動部を備え、線形駆動部は、第2の軸に沿って1つまたは2つ以上のフィンガーを動かすよう構成されている。
【0083】
開示された実施形態の第5の態様の第1の下位態様に従って、第2の軸に沿ったフィンガーの動作によって、フィンガーは、第1の軸に沿った動作のために駆動システムに連結する。
【0084】
開示された実施形態の第5の態様の第1の下位態様に従って、自律搬送車両は、自律搬送車両の積載物と連動するように構成された可動部材をさらに含み、駆動システムは、第2の軸に沿って1つまたは2つ以上のフィンガーを動かして、1つまたは2つ以上のフィンガーを可動部材に選択的に連結し、第1の軸に沿って可動部材を駆動することによって、1つまたは2つ以上のフィンガーを第1の軸に沿って動かすように構成されている。
【0085】
開示された実施形態の第5の態様に従って、フィンガーは、フレームから片持ち支持されている。
【0086】
開示された実施形態の第6の態様に従って、自律搬送車両が提供される。自律搬送車両は、少なくとも1つのフィンガーと可動フィンガー支持部材とを含む搬送アームを含み、少なくとも1つのフィンガーは、フィンガー支持部材に可動に連結され、それにより、フィンガー支持部材が第1の方向に動き、少なくとも1つのフィンガーは、フィンガー支持部材に対して、第1の方向に略垂直の第2の方向に動く。自律搬送車両は、少なくとも1つのフィンガーの動作を検出するよう構成された少なくとも1つのセンサを含み、少なくとも1つのセンサは位置合わせ部材および検出部材を有し、位置合わせ部材および検出部材のうちの一方が、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれと一緒に動くように、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれに取り付けられ、位置合わせ部材および検出部材のうちの他方が、少なくとも1つのフィンガーに対して動かない。自律搬送車両は、少なくとも1つのセンサと通信するコントローラを含み、コントローラは、検出部材に対する位置合わせ部材の近さに基づいて、第2の方向に沿って、少なくとも1つのフィンガーの位置を特定するように構成される。
【0087】
開示された実施形態の第6の態様に従って、位置合わせ部材および検出部材のうちの他方は、可動フィンガー支持体上に取り付けられる。
【0088】
開示された実施形態の第6の態様に従って、少なくとも1つのセンサは、光学センサ、容量センサ、または誘導センサである。
【0089】
開示された実施形態の第6の態様に従って、位置合わせ部材は、反射フラグまたは磁気源を含んでいる。
【0090】
開示された実施形態の第6の態様に従って、自律搬送車両は、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれに対する駆動装置を含み、コントローラは、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれに対する駆動装置を作動させるよう構成され、それによって、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれは、第2の方向に沿って、実質的に一斉に動かされる。
【0091】
開示された実施形態の第6の態様に従って、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれに対する駆動装置はステッピングモータを含んでいる。
【0092】
開示された実施形態の第6の態様に従って、コントローラは、自律搬送車両によって運ばれるピックフェースのサイズに応じて、少なくとも1つのフィンガーのそれぞれを第2の方向に沿って選択的に動かすように構成されている。
【0093】
開示された実施形態の第6の態様に従って、自律搬送車両は、コントローラに連結された慣性センサを含み、慣性センサは、水平面に対して自律搬送車両の傾きを検出するように構成されている。
【0094】
開示された実施形態の第7の態様に従って、保管および取り出しシステムが提供され、保管および取り出しシステムは、少なくとも1つのマルチレベル垂直コンベヤと少なくとも1つの自律搬送車両とを有し、少なくとも1つの自律搬送車両は、コントローラと、自律搬送車両が少なくとも1つのマルチレベル垂直コンベヤの移動棚に接触する時、自律搬送車両の傾きを検出するように構成された慣性センサとを含み、その傾きが所定の傾き量を超える時、コントローラは、マルチレベル垂直コンベヤの動作を少なくとも一部において停止させるように構成されている。
【0095】
開示された実施形態の第7の態様に従って、保管および取り出しシステムは、自律搬送車両のコントローラと通信する制御サーバをさらに含み、制御サーバは自律搬送車両の傾きに関して、コントローラから信号を受け取るように構成され、マルチレベル垂直コンベヤの動作を停止するように構成されている。
【0096】
開示された実施形態の第7の態様に従って、自律搬送車両は、マルチレベル垂直コンベヤの移動棚と相互作用する搬送アームをさらに含み、コントローラは、所定の傾き量を超える傾きが検出された時、搬送アームを実質的に後退させるように構成されている。
【0097】
例示的な実施形態の第8の態様に従って、自動搬送車両が提供される。自律搬送車両は、フィンガー支持部材を有する搬送アームと、フィンガー支持部材に連結した複数の可動フィンガーとを含む。自律搬送車両は、フィンガー支持部材に対して各フィンガーを独立して動かすために、複数のフィンガーのそれぞれに連結される駆動装置と、コントローラからの一つの開始または停止コマンドによって、選択された駆動装置の起動または停止を一斉に行うように、駆動装置を選択的に作動させるために、それぞれの駆動装置に接続されたコントローラとをさらに含んでいる。
【0098】
開示された実施形態の第8の態様に従って、各駆動装置は、ステッピングモータと線形アクチュエータとを含み、ステッピングモータは、線形アクチュエータを介して複数のフィンガーのそれぞれに連結される。
【0099】
開示された実施形態の第8の態様に従って、線形アクチュエータはボールねじを備えている。
【0100】
開示された実施形態の第8の態様に従って、複数のフィンガーのうちの1つまたは2つ以上は、コントローラに接続されたセンサを含み、センサは、複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上がフィンガー支持部材に対して所定の位置にあることを示す信号をコントローラに送るように構成されている。
【0101】
開示された実施形態の第8の態様に従って、コントローラは、複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上がフィンガー支持部材に対して所定の位置にあることを示す信号を受け取った時、複数のフィンガーのうち1つまたは2つ以上の動作を停止するように構成されている。
【0102】
本明細書で開示された例示的な実施形態は、個別に、または任意の適切な組み合わせによって使用できることが理解されるべきである。また、前述の説明は単に実施形態を示すものであることも理解されるべきである。様々な変更および修正が、実施形態から逸脱することなく、当業者によって考案され得る。したがって、本実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのこうした変更、修正および変形を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18