(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】複合体系積層造形(CBAM)画像品質(IQ)の検証及び拒絶処理
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20230904BHJP
B22F 10/10 20210101ALI20230904BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20230904BHJP
B22F 12/50 20210101ALI20230904BHJP
B22F 12/90 20210101ALI20230904BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20230904BHJP
B29C 64/147 20170101ALI20230904BHJP
B29C 64/188 20170101ALI20230904BHJP
B29C 64/205 20170101ALI20230904BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230904BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230904BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20230904BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230904BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230904BHJP
【FI】
B29C64/393
B22F10/10
B22F10/85
B22F12/50
B22F12/90
B28B1/30
B29C64/147
B29C64/188
B29C64/205
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
G06T1/00 310Z
G06T7/00 610Z
(21)【出願番号】P 2020041426
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ディー・ダニエルズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ダブリュ・ドラウ
【審査官】小山 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-505416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0085996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0266242(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0087816(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0283833(US,A1)
【文献】特開平07-088726(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108340582(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103980705(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106990114(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0176114(US,A1)
【文献】特表2013-517494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B22F 1/00-12/90
B28B 1/30
B33Y 10/00-99/00
G06T 1/00- 1/40
3/00- 5/50
7/00- 7/90
G06V 40/00-40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形(AM)システムにおける基材の画像品質の検証方法であって、
物体の三次元(3D)モデルから前記基材上の前記物体の層を印刷することであって、前記印刷が湿潤材料及び粉末材料を適用することを有する、ことと、
前記基材が部品積層体上に位置づけされる前に、前記物体の前記印刷された層の画像を捕捉することと、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像を、既定のパターンと比較することと、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンと一致する場合、次いで、前記物体の前記印刷された層を、前記部品積層体上に位置付けることと、を含み、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンと一致しない場合、
前記AMシステムにより開始される是正処置の数を
インクリメントさせ、
前記是正処置の数が所定の数を超えた場合、前記AMシステムをエラー状態にし、
欠陥のある印刷された層を廃棄物ロールに転送し、前記物体の前記層を再印刷することによって、
是正処置を取ることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記物体の再印刷された層の前記是正処置が、前記AMシステムの構成設定に基づいて、再処理の限界に達したかどうかを判定することであり、
前記再処理の限界に達していない場合、前記再印刷された層を、再処理のために
、前記基材が部品積層体上に位置づけされる前の位置である初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較し、
印刷が、基材から層を切断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラー状態が、復旧するためのメンテナンスを必要とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較が、
前記印刷された層の前記捕捉された画像のハーフトーン値と、前記既定のパターンの前記ハーフトーン値との差異を計算することと、
各画素の前記差異を閾値レベルと比較して、前記画素に欠陥があるかどうかを判定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、
前記閾値レベルとの前記比較から特定された欠陥のある画素の数を数えることと、
前記特定された欠陥のある画素の数が閾値数未満である場合、前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンに一致すると判定することと、を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記既定のパターンが、物体の前記層の意図された画像である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンに一致しない場合、前記物体の前記印刷された層を、再処理のために
、前記基材が部品積層体上に位置づけされる前の位置である初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較することと、を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
積層造形(AM)システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに連結された記憶デバイスと、を備え、前記記憶デバイスが、前記プロセッサで作動する命令を含有して、
物体の三次元(3D)モデルから基材上の前記物体の層を印刷することであって、前記印刷が湿潤材料及び粉末材料を適用することを有する、ことと、
前記基材が部品積層体上に位置づけされる前に、前記物体の前記印刷された層の画像を捕捉することと、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像を、既定のパターンと比較することと、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンと一致する場合、次いで、前記物体の前記印刷された層を、前記部品積層体上に位置付けることと、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンと一致しない場合、
前記AMシステムにより開始される是正処置の数を
インクリメントさせ、
前記是正処置の数が所定の数を超えた場合、前記AMシステムをエラー状態にし、
欠陥のある印刷された層を廃棄物ロールに転送し、前記物体の前記層を再印刷することによって、
是正処置を取ることと、によって画像品質を検証する、システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、さらに、是正処置モジュールを備え、
前記是正処置モジュール、前記AMシステムの構成設定に基づいて、再処理の限界に達したかどうかを判定し、
再処理の前記限界に到達した場合、次いで、前記AMシステムをエラー状態にし、
再処理の前記限界に到達しない場合、前記再印刷された層を、再処理のために
、前記基材が部品積層体上に位置づけされる前の位置である初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサが、さらに、比較モジュールを備え、
前記比較モジュールが、前記印刷された層の前記捕捉された画像のハーフトーン値と、前記既定のパターンの前記ハーフトーン値との差異を計算し、
各画素の前記差異を閾値レベルと比較して、前記画素に欠陥があるかどうかを判定するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサが、さらに、画像検証モジュールを備え、
前記画像検証モジュールが、前記閾値レベルとの前記比較から特定された欠陥のある画素の数を数え、
前記特定された欠陥のある画素の数が閾値数未満である場合、前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンに一致すると判定するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記既定のパターンが、前記物体の前記層のための画像である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサが、
前記物体の前記印刷された層の前記捕捉された画像が、前記既定のパターンに一致しない場合、前記物体の前記印刷された層を、再処理のために
、前記基材が部品積層体上に位置づけされる前の位置である初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較することと、を更に実行することによって、画像品質を検証する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、処理デバイス上で実行されると、前記処理デバイスに、請求項1に記載の方法を実行させる、コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記是正処置が、前記物体の前記印刷された層を、再処理のために
、前記基材が部品積層体上に位置づけされる前の位置である初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較することであり、
前記物体の再印刷された層の前記是正処置が、積層造形(AM)システムの構成設定に基づいて、再処理の限界に達したかどうかを判定することであり、
再処理の前記限界に到達した場合、次いで、前記AMシステムをエラー状態にし、
再処理の前記限界に到達していない場合、前記再印刷された層を、再処理のために
、前記初期位置に戻し、次いで、前記既定のパターンと比較し、
前記エラー状態が、復旧するためのメンテナンスを必要とする、請求項14に記載のコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複合体系積層造形のためのシステム及び方法に関し、より具体的には、個々の積層体層を積み重ねて、三次元物体、部品、及び構成要素(3D物体)を形成及び/又は製造するような画像プロセスでの画像形成問題を分析するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、出力製品の成形又は機械加工の様々な形態を含む、従来の物体、部品、及び構成要素の製造プロセスは、「積層造形」又は複合体系積層造形(composite based additive manufacturing、CBAM)と国際的に称される新しい種類の技術の商業的実例を含むように発展している。これらのAM技術は、一般に、未完成の状態で時には毒性又はそうでなければ危険である付加材料の層が、特定の材料堆積及び硬化スキームに従って、プロセス中の3D物体上に順次堆積する、「固体自由造形(Solid Freeform Fabrication、SFF)」又は「3D印刷」と代替的に称されるプロセスを伴う。3D物体形成プロセスにおいて各層が付加されると、新たな材料層が付加され、1層以上の既に存在する層に付着する。次いで、各AM層は、少なくとも部分的に、3D物体構築プロセスにおける任意の次のAM層の堆積の前に、個々に硬化し得る。3D作業空間全体にわたって、この連続層材料の付加/接合は、様々なレベルの精巧さの自動制御下で実行される。
【0003】
AM製造プロセス/技術としては、3D印刷物体を生成するために使用可能な「3D印刷」技術と広く称されるようになったこれらの技術が挙げられるが、これらに限定されない。3D印刷技術は、受像媒体基材上に2次元(two-dimensional、2D)印刷画像を形成するための周知のプロセスから適合する、及び周知のプロセスにいくつかの点で類似していると思われる1つ以上のプロセスを用いる。3D印刷技術によって生成される出力構造の有意な差は、一般的に、(1)3Dプリンタからの出力3D印刷物体を形成するために使用される堆積した材料の組成物、及び/又は(2)比較的多数の連続する(及び非常に薄い)堆積材料の層を堆積させて、層を出力3D印刷物体の形態に積み重ねる、「印刷」ヘッドによって行われる多数のパスに基づく。
【0004】
多数の粉末系AM技術が商業化されてきた。これらとしては、選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)、並びに3D印刷のためのトナー系2D印刷技術の特定の適合が挙げられる。当業者は、これらの実装例のうちの特定のものでは、特定の複雑な形状の作成を支持するための、別個の支持構造が通常必要とされないことを認識している。これらのプロセスのうちの特定のものでは、粉末材料は、過剰な粉末が手動で除去されている3D物体に選択的に圧密化される。SLSプロセスでは、例えば、粉末の薄層が作業空間容器内に堆積し、次いで、粉末は、所望の断面の形状を追跡するレーザビームを使用して粉末を一緒に溶かす。本プロセスは、粉末層を堆積させることによって繰り返され、このようにこの様式で1層ずつ3D物体を構築する。典型的なトナー系3D印刷プロセスでは、バインダ材料は、粉末の各層上の3D物体の断面の形状で、一般的に結合剤を印刷するために使用される印刷技術で、層内に堆積した粉末を選択的に結合する。
【0005】
そこで、利用可能であるAM又は3D印刷プロセス及び技術の数が増加している。多数のこれらAM又は3D印刷プロセスの間の主な際立った特性は、層が、出力3D物体を作成するように堆積される様式、及び出力3D物体を形成するために使用される材料にある。
【0006】
AM技術(この用語が、3D印刷を含む様々な3D物体層化及び構築技術を参照するために本開示の残りの部分全体にわたって使用されるため)の特定のものは、材料を溶融又は軟化して、例えば、適用された熱を通して入力材料の選択的レーザ溶融又は焼結などの技術を使用して、構築層を生成する。AM製造技術の他のものは、噴射(インク)材料「印刷」技術などのそれらの液体材料の堆積技術を使用して、液体材料を堆積及び硬化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いくつかの3Dプリンタは、炭素繊維などの繊維シート上に部分断面の像にプラスチックを印刷し、次いで、多くのシートを積み重ねて、プラスチック及び圧縮された積み重ねを溶融又は硬化させるために積み重ねが加熱された後で3D部品になる積み重ねを形成するプロセスを使用する。次いで、不要で過剰な基材は、機械的又は化学的プロセスを使用して除去される。積層造形は、遅いプロセスであり、現在のプロセスでは、誤りは、物体が完了するまで発見されない。このような誤りは、印刷ヘッド噴射及び粉末散布分注に起因し得る。欠陥のある物体は、それがリソース及びプロセス時間を浪費するという点でコストがかかる。したがって、当該技術分野では、リソースが廃棄されることになる物体に適用される前に、印刷された基材の品質検査の必要性が存在する。加えて、当該技術分野では、欠陥のある印刷、又は許容可能な範囲内に戻すには介在が必要とされる安定点から逸脱しているプロセスに起因する誤りを処理するため品質プロトコルの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の態様によれば、複合体系積層造形(CBAM)プロセスにおいて有用な画像形成基材の欠陥を検出することを含むがこれに限定されない、画像形成問題を分析するためのプロセス及び装置が提供される。少なくとも1つの撮像センサからのデータは、基材堆積層内の不規則性を補正する、噴射是正の欠落などの印刷された層内の不規則性を補正する、層を拒絶して、層を廃棄し再印刷する、メンテナンス若しくはサービスが実行され得るように印刷ジョブを一時停止する、又は製作物の証明、法医学、診断、若しくは他の目的のための追跡可能データを提供する、ために使用され得る。システムアーキテクチャ及び設計目標に応じて、撮像センサは、印刷された層の堆積の前又は後に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の一実施例による、3D物体を印刷するための積層造形システムの側面図である。
【
図2】一実施形態による、物体製造システムにおける自動欠陥検出及び復旧のためのシステムのブロック図である。
【
図3】一実施形態による、物体製造システムの積層造形及びインライン品質検査を実施するための例示的な制御システムを示すブロック図である。
【
図4】一環境による、物体製造システムにおける自動欠陥検出及び復旧のためのプロセスの操作を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態による、印刷基材の欠陥を検出した後の是正処置の方法の操作を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態による、欠陥の検出後のエラー是正のためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態による、物体の印刷された層を、既定のパターンと比較するためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一態様では、積層造形(AM)システムにおける画像品質の検証方法であって、物体の三次元(three-dimensional、3D)モデルから物体の層を印刷することと、物体の印刷された層の画像を捕捉することと、物体の印刷された層の捕捉された画像を、既定のパターンと比較することと、物体の印刷された層の捕捉された画像が、既定のパターンと一致する場合、次いで、物体の印刷された層を、部品積層体上に位置付けることと、そうでなければ是正処置を取ることと、を含む。
【0011】
別の様態では、是正処置は、欠陥のある印刷された層を廃棄物ロールに転送し、物体の層を再印刷することである。
【0012】
別の態様では、物体の再印刷された層の是正処置は、AMシステムの構成設定に基づいて、再処理の限界に達したかどうかを判定することであり、再処理の限界に到達した場合、次いで、AMシステムをエラー状態にし、そうでなければ、再印刷された層を、再処理のために戻し、次いで、既定のパターンと比較し、印刷は、基材から層を切断することを含む。
【0013】
更に別の態様では、エラー状態は、復旧するためのメンテナンスを必要とする。
【0014】
なお更なる態様では、比較は、印刷された層の捕捉された画像のハーフトーン値と、既定のパターンのハーフトーン値との差異を計算することと、各画素の差異を閾値レベルと比較して、画素に欠陥があるかどうかを判定することと、を含む。
【0015】
更なる態様では、本方法は、閾値レベルとの比較から特定された欠陥のある画素の数を数えることと、特定された欠陥のある画素の数が閾値数未満である場合、物体の印刷された層の捕捉された画像が、既定のパターンに一致すると判定することと、を更に含む。
【0016】
別の様態では、既定のパターンは、物体の層の意図された画像である。
【0017】
更なる態様では、AMシステムによって開始された是正処置の総数を、既定の時間にわたって維持することを更に含む。
【0018】
なお更なる態様では、是正措置の総数が既定の総数を超過する場合、AMシステムをエラー状態にすることと、そうでなければ、物体の印刷された層を、再処理のために初期位置に戻し、次いで、既定のパターンと比較することと、を更に含む。
【0019】
積層造形システムに関する開示された実施形態の更に別の態様では、プロセッサと、プロセッサに連結された記憶デバイスと、を備え、記憶デバイスは、プロセッサで作動する命令を含有して、物体の層を物体の三次元(3D)モデルから印刷することと、物体の印刷された層の画像を捕捉することと、物体の印刷された層の捕捉された画像を、既定のパターンと比較することと、物体の印刷された層の捕捉された画像が、既定のパターンと一致する場合、次いで、物体の印刷された層を、部品積層体上に位置付けることと、そうでなければ是正処置を取ることと、によって画像品質を検証する。
【0020】
我々は、本開示の詳細を不必要に不明瞭にしないように、周知の出発材料、処理技術、構成要素、機器、及び他の周知の詳細の説明を単に要約するか、又は省略してもよいことを予め指摘する。したがって、詳細が他の方法で周知である場合、本開示の出願に任せて、それらの詳細に関する選択肢を提案又は指示する。図面は、基材ウェブ上に印刷するための例示的な方法、装置、及びシステムの実施形態に関連する様々な実施例を示し、AM製造のためのウェブの個々のシートを自動的に積層することを示す。
【0021】
本明細書における値の任意の数値範囲を指す場合、そのような範囲は、記載された範囲の最小値と最大値との間のありとあらゆる数及び/又は端数を含むと理解される。例えば、0.5~6%の範囲は、端点0.5%及び6%に加えて、0.6%、0.7%、及び0.9%の全ての中間値、5.95%、5.97%、及び5.99%を含む最後の値までを明示的に含む。文脈上明確に別段の指示がない限り、本明細書に記載される互いの数値特性及び/又は要素範囲に同じことが当てはまる。
【0022】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記述された値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、それは、少なくとも特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。特定の値で使用される場合、その値を開示していると考慮される必要がある。例えば、「約2」という用語はまた、値「2」も開示し、範囲「約2~約4」はまた、範囲「2~4」も開示する。
【0023】
「媒体」、「ウェブ」、「ウェブ基材」、「印刷基材」、及び「基材シート」という用語は、一般に、予備切断又はウェブ供給にかかわらず、通常は、紙、ポリマー、マイラー材料、プラスチック、又は他の好適な物理的印刷媒体基材、シート、ウェブなどの、画像用の可撓性物理的シートを指す。「媒体」、「印刷媒体」、「印刷基材」、及び「印刷シート」という列挙された用語はまた、当業者に容易に理解されるように、織布、不織布、金属フィルム、炭素繊維強化材料、及び箔も含み得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「マーキング材料」という用語は、画像形成デバイスによってウェブ基材上に堆積して、基材上に画像を形成する印刷物質を指し得る。「マーキング材料」という列挙された用語としては、インク、トナー、金属粒子、プラスチック、顔料、粉末、溶融材料、ポリアミド、ナイロン、ガラス充填ポリアミド、エポキシ樹脂、バイオ系樹脂、ワックス、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、フォトポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ乳酸(Polylactic acid、PLA)、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、PVA)、ABSフィラメント、高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)、高衝撃ポリスチレン(high impact polystyrene、HIPS)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETT)、セラミック、導電性フィラメント、及び他のインクジェット材料を挙げることができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「画像形成デバイス」、「印刷デバイス」、又は「プリンタ」という用語は、デジタル複写機、スキャナ、画像印刷機、ゼログラフィックデバイス、デジタルプロダクションプレス、文書処理システム、画像再生機、製本機、ファクシミリ機、多機能機などの、任意の目的のための印刷出力機能を実行する任意の装置を包含し、いくつかのマーキングエンジン、供給機構、走査アセンブリ、並びに紙フィーダー、仕上機などの他の印刷媒体処理ユニットを含み得る。画像形成デバイスは、シート、ウェブ、マーキング材料などを取り扱うことができる。画像形成デバイスは、任意の表面上などにマークを置くことができ、入力シート上のマークを読み取る任意の機械、又はこのような機械の任意の組み合わせである。3Dプリンタは、3D物体などを作製し得る。図に示される構造体は、簡略化のために示されていない追加の機能を含み得るが、示された構造は、除去又は修正されてもよいことが理解されるであろう。
【0026】
「制御装置」という用語は、本明細書では、一般に、プロセス又は機械を指示又は調節する1つ以上のデバイスの操作に関する様々な装置を説明するために使用される。制御装置は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するために、多数の方法(例えば、専用ハードウェアなど)で実施され得る。「プロセッサ」は、本明細書で論じる様々な機能を実行するために、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用して、プログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを用いる制御装置の一例である。制御装置は、プロセッサを用いて又は用いずに実施されてもよく、また、いくつかの機能を実行する専用ハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実施されてもよい。本開示の様々な実施形態で用いられ得る制御装置構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
実施例は、本明細書に開示されるような方法を実施又は実行するための、コンピューティングデバイス上で実行された場合、複数の命令を含む、少なくとも1つの機械可読媒体を更に含む。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。例として、限定するものではないが、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を保持若しくは記憶するために使用され得る任意の他の媒体を含み得る。情報が、ネットワーク又は別の通信接続(有線、無線、又はこれらの組み合わせのいずれか)を介して、コンピュータに転送又は提供される場合、コンピュータは、コンピュータ可読媒体としての接続を適切に検査する。したがって、任意のこのような接続は、適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。上記の組み合わせはまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0028】
コンピュータ実行可能命令としては、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は特定の機能又は機能群を実行する専用処理デバイスを起動する命令及びデータが挙げられる。コンピュータ実行可能命令としてまた、スタンドアロン環境又はネットワーク環境でコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも挙げられる。一般に、プログラムモジュールとしては、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、物体、構成要素、及びデータ構造などが挙げられる。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、及びプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法の工程を実行するためのプログラムコード手段の例を表す。このような実行可能命令又は関連するデータ構造の特定のシーケンスは、その中に記載される機能を実施するための対応する行為の例を表す。
【0029】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、「物体」という用語はまた、部品、要素、部分、又は構成要素も意味し得る。本明細書で使用される場合、物体は、3D印刷システム(プリンタ)によって個別に構築される、又は実際に構築される3D物体を指す。本明細書で言及されるような物体は、不可欠な部分を形成するために、層を連続的に付加することによって構築される。いくつかのプリンタは、同じ印刷ジョブの一部として、複数の独立した3D物体を含む3Dモデルからの複数の独立した部分を構築することができる。物体は、物体本体内に埋め込まれた空隙を含み得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「比較する」又は「比較」は、捕捉された画像の任意の光学的態様若しくは品質、又はその画像の任意のサブセット(限定するものではないが、捕捉された画像の物体の全部又は任意の一部の、形状、色(IR又はUVを含む)、表面テクスチャ、又はセレーション若しくは他の縁部異常など)に関するデータと、任意の既定のパターンを用いる、任意のアルゴリズムを介して表される任意の関係を有する任意の種類のデータとの任意の比較を意味する。本明細書で使用される場合、「パターン」は、任意の種類の繰り返しの品質がタイプ又はデータに関連付けられているか否かに関わらず、画像に関連付けられたタイプの任意のデータとして広く解釈されるものとする。本明細書で使用される場合、「一致する」は、捕捉された画像データ及びパターンに関連付けられたデータに関連付けられたデータ間の、任意のアルゴリズムを通して表される、既定の条件の任意の種類の一致を含むように広く解釈されるものとする。
【0031】
本明細書で使用される場合、「是正処置」は、AMプロセスが品質要件を遵守することを可能にすることを目的としたものであり、いかなる種類のエラーが是正されていることを必ずしも意味しないことを意味し、このような是正措置は、デバイスの置換、印刷積層体に含まれる前の層の再処理又は層の再印刷、本明細書で論じられる様々な是正技術のいずれかを実行して、仕様を外れた層を所望の仕様内に入れること、及び/又は必要に応じてこのような動作の様々な組み合わせを含み得る。是正処置は、特許請求の範囲による品質要件を遵守するための任意の可能な処置を指すと広く解釈される。
【0032】
本発明の実施形態はこの点に関して限定されるものではないが、例えば、「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」、「使用する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」などの用語を利用する考察は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として同様に表される他のデータ、又は操作及び/若しくはプロセスを実行する命令を記憶し得る他の情報記憶媒体に操作及び/又は変換するコンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの操作(複数可)及び/又はプロセス(複数可)を指し得る。
【0033】
図1は、3D物体を印刷するための例示的なAMシステム100のブロック図である。AMシステム100は、材料供給装置102、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110、カッター112、移送サブシステム114、積層装置サブシステム116、並びに様々な構成要素を接続及び制御する他の機能などの構成要素を含み得る。例示的な構成要素が
図1に示されているが、様々な代替及び任意の構成要素もまた、システム100と共に使用するのに好適である。
【0034】
例示的な実装例では、三次元(3D)物体は、コンピュータ支援設計(computer-aided design、CAD)プログラムによって作成される物体のコンピュータ3Dモデルに従って印刷される。例えば、CADプログラムは、自由形式の不均一な有利基準的スプライン(non-uniform rational basis spline、NURBS)プログラムであってもよく、又はCADプログラムは、Solid Works(登録商標)であってもよい。AMシステム100では、マーキング材料148(例えば、粉末)は、粉末サブシステム106によって、画像形成デバイス104によって画定されるような3D物体の薄いスライス又は層の「ポジ画像」に対応する基材材料118(又はその基材シート)上の物理的パターンに選択的に堆積される。3D物体の各スライスについて、3D物体が存在するスライスの位置に対応するパターンで粉末が付着し、3D物体が存在しないスライス内の位置において、粉末は基材に付着しない。3D CADモデルの薄いスライスは、例えば、STLファイル形式の3Dモデルから開始し、netfabb(登録商標)StudioソフトウェアのSlice Commander機能(netfabb GmbH,Parsberg,Germanyから入手可能)を使用して、薄いスライスを作成することによって作成され得る。指定された3D部品又は物体を作製するために必要な多くの付加された基材シートのために繰り返される、基材シートを選択的にパターニングするこのサイクルは、通常各シートで、3D部品又は物体の層を表す。
【0035】
材料供給装置102は、基材材料118(例えば、炭素繊維、紙)をロール又はシート形態(ここでは、例えばロール形態で示す)に保持し、画像形成デバイス104に移送するために、基材材料を適切な位置に置く。炭素繊維は、典型的には濃い灰色であるが、他の基材は、明るい色などの他の色であり得る。基材材料118は、転写サブシステム114を介して、画像形成デバイス104に移送されてもよく、転写サブシステム114は、AMシステム100を通って供給される基材材料の長さによって画定されるウェブを保持及び前進させるために使用される供給ローラー122と共に、張力付与機構120を含んでもよい。張力付与機構120は、AMシステムの構成要素に供給されるように教示される、基材材料118を保持するために位置する1つ以上のローラー124を含み得る。基材材料118のウェブは、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110を含むAMシステムの全ての構成要素を貫通することができ、次いで、以下により詳細に論じされるように、積層前にカッター112によって単一のシートに切断され得る。
【0036】
次いで、画像形成デバイス104は、基材材料118上の正確な位置に画像状様式で、流体126のパターンを堆積させ得る。流体126は、材料の一部が、3D物体のスライスのポジ画像として液体で被覆され、材料の一部が被覆されないように、基材材料118上に選択的に堆積する。流体126は、一般に、透明な流体であるポリエチレングリコール(Polyethylene Glycol、PEG)を一般的に含む湿潤剤と称される。流体126のパターンは、様々な手法を介して堆積し得る。例えば、画像形成デバイス104は、流体を分注するためのサーマルインクジェットヘッド又は圧電インクジェットヘッドを含み得る。例では、画像形成デバイス104は、流体126を分注するために空気圧をかけることができる。画像形成デバイス104はまた、空気圧が、空気の放出又は流体の分注を制御するために使用される場合、ソレノイド弁を含み得る。
【0037】
場合によっては、選択的に堆積する流体は、水、又は水の蒸発を遅らせる材料を含む水溶液であり得る。例えば、水溶液は、2-ピロリジノンを含み得る。他の場合では、アルコールなどの異なる流体が、選択的に堆積し得る。例えば、基材材料118が、感水性(例えば、ポリビニルアルコール、PVOH(polyvinyl alcohol))である場合、次いで、水は、基材材料を歪ませるか又は溶解し得る。この場合、選択的に堆積する流体としてアルコールが使用され得る。場合によっては、展延から選択的に堆積するか、又は過剰に基材に吸収される液体流体を防止するために、液体流体を選択的に堆積させる前に、表面エネルギー調整剤又は撥水剤を基材に塗布することが有用である。
【0038】
次いで、材料供給装置102は、基材材料118を、別個の構成要素として提供され得るか、又は単一の構成要素に一体化され得る、粉末塗布装置128及び粉末除去装置130を含む、粉末サブシステム106に移送する。いずれの配置においても、粉末塗布装置128は、3D物体粉末(例えば、熱可塑性粉末)を、基材材料上に堆積させるように構成されている。粉末は、画像形成デバイス104、すなわち層画像によって湿潤された基材の領域に付着するように構成されている。換言すれば、粉末塗布装置128は、パターン化された層形状がちょうど印刷された基材材料118の表面上に、限定されないが熱可塑性粉末などの粉末を堆積させる。粉末は、シート上の印刷された(湿潤)領域に粘着するが、流体で被覆されていない基材の部分には付着しない。
【0039】
典型的な用途では、粉末塗布装置128は、粉末を収容するトラフを含み得る。トラフは、その下面にスリット付き開口部を有してもよく、粉末サブシステムの電気機械的振動装置に接続されている。振動装置は、作動時に、粉末を、基材がトラフの下で移動する間に、スリット付き開口部を通して下方に、トラフから基材上に流動させる。振動装置は、下の基板上のパターン化された流体の存在を感知するセンサ回路を含み得る制御装置150によって作動する。パターン化された流体が完全に通過すると、振動装置は停止して、トラフからの粉末流動を停止し得る。
【0040】
粉末は、他の手法によって選択的に堆積し得る。例えば、粉末は、基材の層の片側を粉末で満たし、次いで、基材の反対側をサーマル印刷ヘッド又は印刷ヘッドなどの適切なデバイスで選択的に加熱することによって、選択的に堆積し得る。この手法では、サーマル印刷ヘッドは、選択的にオン又はオフにすることができる、加熱素子の高解像度配列を含む。加熱される領域では、粉末は溶融し、基材に付着する。付着していない過剰な粉末は、例えば、粉末除去装置130により、過剰な粉末を真空にすることによって、又は過剰な粉末が重力を介して基材から落ちるように基材を裏返すことによって除去される。
【0041】
あるいは、粉末は、ゼログラフィック印刷で用いられるものと同様の選択的堆積技術を使用して堆積し得る。この手法では、電荷が粉末粒子に付与され、この粉末粒子は、基材118に向けられ、次いで基材の一部に選択的に付着するが、静電気引力又は斥力に起因する他のものではない。粉末粒子は、反対の電荷を有する基材の部分、又はこのような電荷を有する基材表面に隣接する基材の部分に付着し、同じ電荷を有する基材の部分から、又はこのような電荷を有する基材表面に隣接する基材の部分から反発される。
【0042】
あるいは、粉末は、磁気グラフィック印刷で用いられるものと同様の選択的堆積技術を使用して堆積し得る。この手法では、粉末は、基材層の部分に選択的に付着するが、粉末と、基材表面又は基材表面に隣接する基材層との間の磁力相互作用に起因する他のものではない。例えば、粉末は、単一の構成要素の磁性トナー、コロイド懸濁液(例えば、強磁性流体)、又は2つの構成要素のトナーであり得る。磁鉄鉱(FeO)又は酸化第二鉄(FeO)などの様々な磁気顔料が、この手法でトナーに使用され得る。
【0043】
上記の実施例の全てでは、粉末を選択的に堆積させる工程は、固体粉末を非選択的様式で基材118に向けるサブ工程を含み得る。例えば、このサブ工程は、基材の表面全体を粉末で満たすことを含み得る。又は例えば、ゼログラフィック又は磁気グラフィックの例では、このサブ工程は、基材層全体に向けて帯電又は磁化された粉末を送ることを含み得る。
【0044】
更に
図1を参照すると、粉末除去装置130は、次いで、基材に付着していない任意の粉末を除去する。粉末は、例えば、粉末除去装置に隣接して移動する際に、過剰な粉末を真空にすることによって、基材から除去され得る。典型的な用途では、粉末除去装置130は、(後述される)サイクロンに連結される真空モータを有する真空を含み得る。操作中、真空は、基材に付着していない粉末を引き、一方で、印刷領域に塗布された粉末は残る。サイクロンは、当業者によく理解されるように、再使用のために、真空処理された粉末を粉末塗布装置128に再循環させ得る。特定の状況では、いくつかの望ましくない粉末が依然として基材材料上に存在し得るため、真空からの粉末除去量は不十分であり得る。このため、粉末除去装置130は、基材から任意の残りの過剰な粉末を除去するために、真空後のエアナイフを含み得る。除去された過剰な粉末はまた、再使用のためにサイクロンによって粉末塗布装置に再循環され得る。
【0045】
粉末システム106は、基材材料118が、画像形成デバイス104を通過すると、基材が、粉末システム106を自動的に移動するように、連続的に稼働するように設定され得る。あるいは、移送サブシステム114、画像形成デバイス、及び粉末システム106と通信する制御装置150は、粉末塗布装置128、及び粉末除去装置130、又はそのサブシステムに、適切な時間でオン及びオフにするように指示し得る。
【0046】
基材118に粉末が塗布され、過剰な粉末が除去された後、残りの粉末は、基材上で溶融してもよく、その結果、粉末は、基材の印刷領域により永久的に付着し、したがって、後続の処理工程中の変位、破壊、又は脱落から保護される。この目的のために、任意の定着装置108は、粉末システム106の後に配置され得る。定着装置108は、粉末除去装置130から出る基材の上方に、下方に、又は隣接して配置され得る。定着装置108は、溶融させるのに十分であって、それによってパターン化された粉末を基材に固定する、例えば、これらに限定されないが、放射、IR、又は他の加熱手法であり得る。基材118が、粉末システム106から出て移動すると、定着装置108からの熱が、基材表面上の粉末を溶融させて、粉末を基材に固定させる。
【0047】
AMシステム100は、任意に、システムが故障していないこと、適切な量の粉末が堆積すること、基材が必要に応じて移動すること、個々の基材シートが必要に応じて移動すること、を確実にするためにセンサ110(例えば、カメラなどの撮像デバイス)、及びプロセスの他の品質保証態様を有し得る。センサは、例えば、制御装置150からの入力に基づいて、又は印刷された材料又は基材シートの端部の検出に基づいて自動的に作動し得る。
【0048】
上記のように、例示的なAMシステム100では、基材材料118のロール102は、画像形成デバイス104の前に取り付けられ、位置する。特定の理論に限定されないが、基材材料118のウェブは、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110を含むAMシステムの全ての構成要素を貫通することができ、次いで、積層前にカッター112によって単一のシート132に切断することができる。例では、基材材料118のウェブは、カッター112によって、プロセスの任意の前の時点で単一のシート132に切断され得る。例えば、ウェブは、得られた基材シートを画像形成デバイス104に前進させる前に、単一のシートに変換され得る。同様に、ウェブは、画像形成デバイス104の後及び粉末サブシステム106の前、又は粉末サブシステムの後及び定着装置108の前、又は定着装置の後及びセンサ110の前に、単一のシートに変換され得る。例では、ウェブは、個々のシートに予備切断されてもよく、シートは、AMシステムによる個々の処理のために材料供給装置によって保持されたシートの積層体として配置される。カッター112は、当業者によく理解されるように、機械的器具(例えば、ブレード、パンチ)、又は他の手法(例えば、レーザ)でシートを切断し得る。
【0049】
例では、AMシステム100はまた、所望の位置に、基材材料118又はその基材シート132内に見当開口部を置くためのパンチデバイス134も含み得る。見当開口部は、シート上に印刷されたパターン化されたマーキング材料画像の正確な位置合わせのために、基材シートの位置に対して正確に予め画定された位置に配置される。これは、例えば、画像形成デバイス104及び粉末サブシステム106が置かれる同じフレーム上に、又は当該技術分野において周知の他の位置合わせ機構を使用して、移送サブシステム114によって移動する基材材料118に近接して、パンチデバイス134を取り付けることによって達成され得る。パンチデバイス134は、基材材料から見当開口部を突き出す硬質器具、又は基材材料から見当開口部を切断するレーザカッターを含み得る。
【0050】
3D物体を形成するAMプロセスを完了するために、粉末印刷された基材シート132は、基材シートをそれらの見当開口部を介して位置合わせし、互いに融合して、積層された基材シートを組み合わされた物体に取り付けることによって積層され得る。次いで、コーティングされていない基材材料は、例えば、研磨剤ブラスト、化学的除去、又は溶解によって、組み合わされた物体から除去され得る。積層装置サブシステム116は、上記の見当開口部に基づいて、切断された印刷された基材シート132を見当合わせして積層するように構成されている。
図1に見られるように、積層装置サブシステム116は、印刷された基材シート132を受容し、見当開口部が、積層装置サブアセンブリの見当ピン136の周りに位置合わせされて、印刷されたシートの積層体138を形成する。
【0051】
印刷されたシートを積層した後、シート上のパターン化された粉末は、組み合わせて、3D物体に硬化し得る。
図1は、たとえ圧縮しても、基材シート132上の圧力を維持するために、1つ以上の弾性構成要素(例えば、ばね142)を含む圧縮デバイス140を含む、積層装置サブシステム116を示す。多数の基材シート(層)が、ベッドプレート144上に重ねられて、積層装置サブシステム116内に置かれた後、挿入された基材シートは、ばね142と共に圧縮されて、上部プレート146上で、底部ベッドプレートに向かって圧力をかけ得る。
【0052】
圧縮された積層体138は、例えば、オーブン(図示せず)内で加熱され得る。オーブンからの熱は、熱可塑性粉末を溶融させる。溶融した材料は、基材層をコーティングする。次いで、その中に基板積層体138を有する圧縮デバイス140は、オーブンから取り出され、基材層は冷却される。次いで、溶融した材料は固化する。これによって、基材シート132を一緒に結合(融合)する。次いで、(固化した材料によって被覆されていない)過剰な基材は、例えば、研磨剤ブラスト、化学的除去、又は溶解によって、上記のように除去されて、3D印刷物体をもたらす。
【0053】
AMシステム100によって実行されるプロセスは、1つ以上の制御装置150を使用して、順序配列及び監視され得る。制御装置150は、印刷される物体の3Dモデルに基づいて、機外のコンピュータ(図示せず)によって生成される構築命令を読み取り、実行し得る。例えば、材料供給装置102、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110、カッター112、移送サブシステム114、パンチデバイス134、及び積層装置サブシステム116は、制御装置からの入力に基づいて、本明細書で論じられるように作動し得る。したがって、画像形成デバイス104と通信する制御装置150は示さるが、制御装置は、AMシステムの任意の構成要素と通信し得ることが理解される。
【0054】
例示的な制御装置150は、
図1~
図2で示されるものなどの、システム内でAM 3D物体形成プロセスを実行するための制御装置への入力を提供し得るか、又はその構成要素であり得る。
【0055】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上記の第1の実施形態のものと同じである部分は、同じ参照番号によって示され、第1の実施形態のものと同じである部分の説明は省略されることに留意されたい。
【0056】
図2は、一実施形態による、物体製造システムにおける自動欠陥検出及び復旧のためのシステム200のブロック図である。システム200は、適切にプログラムされた320プロセッサと、供給ローラーを補助するためのモータ260と、不揮発性メモリ(non-volatile memory、NVM)などの記憶デバイス330と、構成要素の機能性及び積層造形のためのプロセスを確認するために、基材の画像品質(image quality、IQ)を検出及び維持するための画像センサ110と、を備える。
【0057】
このウェブ系アーキテクチャは、印刷ヘッド噴射104、粉末散布106、及び過剰な粉末の除去段階を通して、基材を供給することを可能にする。次いで、物体の印刷された層又は粉末画像は、Image On Web Array(IOWA)などの撮像センサ110を通過して(P)、粉末層の画像220を捕捉する。画像センサ110は、粉末散布サブシステムの後に位置付けられているように図示されているが、別個の撮像センサは、粉末散布サブシステムの前に配置され得ることを理解されたい。しかしながら、この撮像センサ配置は、構築面118及び撮像サブシステム104へのプロセスの評価を制限するであろう。撮像センサが更に下流に配置されると、より多くのパラメータが収集されて、AMプロセスの健全性を評価し得る。捕捉された画像220は、コンピュータ支援設計(computer aided design、CAD)モデルなどの既定のパターン又は意図された画像と比較される。粉末画像220が、十分に良好に意図された画像210と一致する場合(合格)、基材は、スタンプ切断112され、印刷された層は、部品積層体116上に位置付けられる。プロセッサ320は、印刷された画像データを、画素単位で元の画像データと比較する。プロセッサ330は、比較に基づいて、印刷された層内の欠陥のある画素を検出する。プロセッサ320は、物体の印刷された層のハーフトーン値を、層210の入力画像などの既定のパターンのハーフトーン値と比較する。NVM330は、CBAM100内のプロセスユニットに関する複数のデータを記憶する。具体的には、不揮発性メモリ素子330は、物体の印刷された層の画素が欠陥であるかどうかを判定するための、入力画像データと印刷された画像データとの間の差異の閾値レベルを記憶する。不揮発性メモリ素子330はまた、物体の印刷された層が交換又は再印刷される必要があるかどうかを判定するために、閾値サイズ又は欠陥のある画素数を記憶し得る。不揮発性メモリ素子330は、欠陥のある基材の閾値数を更に記憶して、エラー状態を示すであろう困難なプロセス条件があるかどうかを判定し得る。不揮発性メモリ素子330内に記憶されたこれらの値は、製造段階での製造業者又は分野における技術担当者によって入力され得る。
【0058】
粉末画像220が、既定のパターン又は意図された画像から過度に逸脱する場合、層はスタンプされず、廃棄物ロール295上に巻き取られたままになり(R)、層はスタンプされない。廃棄物ロール295は、良好なスタンプシート、並びに拒絶されたスタンプされていないシートの残りを有する。
図2から見られるように、基材が印刷され、画質について評価されるウィンドー(開始、評価)が存在する。次いで、プロセスの開始時に位置付けられることによって、不合格層が再印刷され、粉末散布され、過剰なものが除去され、粉末層がIOWAセンサなどの撮像センサ110を通過する。層の作成が、2回(又はそれ以上、構成設定に基づいて)不合格となった場合、システムは、復旧するためのメンテナンスを必要とするエラー状態になる。システムはまた、構成可能な既定の数の粉末層作成試行(例えば、N回試行のうちX回の不合格)内に過度に多くの不合格が示された場合にも、エラー状態になる。システムメンテナンスは、エラー状態から復旧するために必要とされる。この自動欠陥検出及び復旧方法は、優れた最終物体の品質レベルを有するより高い生産速度をもたらす。
【0059】
図3は、一実施形態による、物体製造システムの積層造形(AM)及びインライン品質検査を実施するための例示的な制御システム150を示すブロック図である。例示的な制御システム150は、
図1で示されるものなどの、システム内でAM 3D物体形成プロセスを実行するための制御装置への入力を提供し得るか、又はその構成要素であり得る。
【0060】
例示的な制御システム150は、使用者が例示的な制御システム150と通信し得る操作インターフェース310を含み得る。操作インターフェース310は、AM 3D物体形成デバイスに関連付けられるローカルアクセス可能なユーザインターフェースであり得る。操作インターフェース310は、使用者が例示的な制御システム150に情報を入力することを可能にし得る制御デバイス及び/又はコンピューティングデバイスに共通する1つ以上の従来の機構として構成され得る。操作インターフェース310は、例えば、従来のキーボード、「ソフト」ボタン又は互換性のあるスタイラスで使用するための様々な構成要素を有するタッチスクリーン、使用者が例示的な制御システム150に、音声認識プログラムによって「変換される」口頭命令を提供し得るマイクロフォン、又は使用者が特定の操作命令を例示的な制御システム150に通信し得る他の同様のデバイスを挙げることができる。動作インターフェース310は、例示的な制御システム150が関連するAM 3D物体形成デバイスに搭載され、一体化され、又は関連するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一部又は機能であり得る。
【0061】
例示的な制御システム150は、例示的な制御システム150を個別に操作する、AM 3D物体形成のための効果制御及び操作機能を実行する、具体的には、トライレベル電子写真層形成スキームを実施するための、1つ以上のローカルプロセッサ320を含み得る。プロセッサ(複数可)320は、例示的な制御システム150の特定の機能、及び例示的な制御システム150を用いるAM 3D物体形成プロセスの制御を指示する命令を解釈及び実行する、少なくとも1つの従来のプロセッサ又はマイクロプロセッサを含み得る。
【0062】
例示的な制御システム150は、1つ以上のデータ記憶デバイス330を含み得る。このようなデータ記憶デバイス(複数可)330は、例示的な制御システム150、具体的にはプロセッサ(複数可)330によって使用されるデータ又は操作プログラムを記憶するために使用され得る。データ記憶デバイス(複数可)330は、例えば、例示的な制御システム150が関連付けられている、AM 3D物体形成デバイス内で3D物体を生成するための1つ以上の3D物体モデルに関する情報を記憶するために使用され得る。記憶された3D物体モデル情報は、一般的に上述の様式で3D物体を形成するための一連の若干大きめの2Dスライスの印刷のためのデータに変換され得る。データ記憶デバイス330は、例えば、好適な物体を提供したことが知られている基材の参照画像を記憶するために使用され得る。
【0063】
データ記憶デバイス(複数可)330としては、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、又は更新可能なデータベース情報を記憶し得る、例えば、プロセッサ(複数可)320によって、システム操作の実行のための命令を別個に記憶し得る別のタイプのダイナミック記憶デバイスを挙げることができる。データ記憶デバイス(複数可)330はまた、従来のROMデバイス、又はプロセッサ(複数可)320のための静的情報及び命令を記憶する別のタイプの静的記憶デバイスを含み得る、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)を挙げることができる。更に、データ記憶デバイス(複数可)330は、例示的な制御システム150と統合されていてもよく、又はクラウド系データ記憶構成要素を含む例示的な制御システム150の外部で、及び制御システム150と有線若しくは無線通信で提供され得る。
【0064】
例示的な制御システム150としては、例示的な制御システム150が関連付けられ得る、AM 3D物体形成デバイスのGUI上の表示スクリーン、が含まれるが、これらに限定されない、使用者に情報を出力する1つ以上の従来の機構として構成され得る、少なくとも1つのデータ出力/表示デバイス340を挙げることができる。表示デバイス340としてはまた、拡張現実(Augmented Reality、AR)ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)、ARめがね(Eyeglasses)、又はARヘッドアップディスプレイ(Head-Up-Display、HUD)技術で使用されるものなどの、ARハードウェアを挙げることができる。データ出力/表示デバイス340は、デバイス内の複数の別個の処理ステーションのうちの1つ以上での1つ以上の個別に制御された構成要素の動作を含む、例示的な制御システム150が関連することができるデバイスによって影響を受けるAM 3D物体形成操作の状態を使用者に示すために使用され得る。
【0065】
例示的な制御システム150としては、例示的な制御システム150が、例示的な制御システム150の外部の構成要素と通信し得る、1つ以上の別個の外部通信インターフェース350を挙げることができる。外部通信インターフェース350のうちの少なくとも1つは、AM 3D物体形成操作における制御機能の実行のためのモデリング情報を記憶する外部CAD/CAMデバイスを接続することを支援する入力ポートとして構成され得る。例示的な制御システム150と、外部及び/又は関連付けられた構成要素との間で、有線又は無線通信を提供する任意の好適なデータ接続は、示された外部通信インターフェース350によって包含されることが企図される。
【0066】
例示的な制御システム150としては、開発された3D物体モデリング情報に従って、プロセス中の3D物体用の一連の2Dスライスを生成するトライレベル電子写真層印刷プロセスを制御するために使用され得る、2Dスライス画像形成制御ユニット360を挙げることができる。2Dスライス画像形成制御ユニット360は、データ記憶デバイス330のうちの1つ以上に連結されるプロセッサ320の一部若しくは機能として作動し得るか、又は例示的な制御システム150内の別個のスタンドアロン構成要素モジュール若しくは回路として作動し得る。プロセッサ320又は2Dスライス画像形成制御ユニット360それ自体のいずれかは、入力3D物体モデル情報を解析して、AM 3D物体形成デバイス内の層ごとの2Dスライス材料層印刷スキームを決定及び実行し得る。
【0067】
例示的な制御システム150は、データ記憶デバイス330のうちの1つ以上に連結される、又は例示的な制御システム150内の別個のスタンドアロン構成要素モジュール若しくは回路機構としての、プロセッサ320の一部若しくは機能としての、2Dスライス溶融/定着制御ユニット370を含み得る。2Dスライス溶融/定着制御ユニット370は、個々の2Dスライスを互いに接合するための、2Dゼログラフィック画像形成操作に由来する既知の方法に従って、熱及び/又は圧力のうちの1つ以上で実行される2Dスライス層定着プロセスの機能を制御するのに有用であり得る。
【0068】
例示的な制御システム150は、層になった支持構成要素構造体を除去し、3D物体を表面仕上げすることができる減法機械加工プロセスで、切断され接合された2Dスライスの処理された積層体での最終3D物体成形スキームを実行するための3D物体仕上機制御ユニット380を含み得る。上記で列挙された他の別個の制御ユニットと同様に、3D物体仕上機制御ユニット380は、仕上げデバイスの操作を実行するための1つ以上のデータ記憶デバイス330に連結されるプロセッサ320の一部若しくは機能として作動し得るか、又は例示的な制御システム150内の別個のスタンドアロン構成要素モジュール若しくは回路として作動し得る。
【0069】
図3に示されるように、例示的な制御システム150の様々な構成要素の全ては、1つ以上のデータ/制御バス390によって、内部に、及び1つ以上のAM 3D物体形成デバイスに接続され得る。これらのデータ/制御バス390は、例示的な制御システム150の様々な構成要素間の有線又は無線通信を提供することができ、それらの構成要素の全ては、一体的に収容されているか、又はそれ以外の場合外部であり、かつ例示的な制御システム150が関連付けられ得るAM 3D物体形成デバイスに接続される。
【0070】
図3に一体型ユニットとして示されているが、例示的な制御システム150の様々な開示された要素は、例示的な制御システム150の単一ユニットと一体である、又は外部であり、例示的な制御システムの単一ユニットと有線若しくは無線通信する、個々の構成要素又は構成要素の組み合わせとして、サブシステムの任意の組み合わせで配置され得る、と理解されるべきである。換言すれば、一体型ユニットとして、又は支持ユニットとしての特定の構成は、
図3の記述によって暗示されことはない。更に、例示的な制御システム150に関する本開示で提供される詳細を理解しやすくするために個々のユニットとして示されているが、個々に示された構成要素のうちのいずれかの記載された機能、具体的には、示された制御ユニットのそれぞれは、例えば、1つ以上のデータ記憶デバイス(複数可)330に接続され、それと通信する1つ以上のプロセッサ320によって実行され得る。
【0071】
開示された実施形態は、プロセス中の3D物体を積み重ねるための2Dスライス形成のトライレベル静電プロセスを使用して、AM 3D物体形成スキームを実施するための例示的な方法を含み得る。
図4~
図7は、このような例示的な方法のフローチャートを示す。
【0072】
一般的に、フローチャート、特に
図4~
図7に関して、プロセス間の相互接続は、プロセス間の情報の交換を表す。フローがモデル化されると、各プロセスは、従来の様式で実施され得る。各プロセスは、例えば、Java(登録商標)、C++、Python、Perlなどのようなより高いレベルの言語を使用してプログラムされてもよく、又は所定のインターフェースを有する既存のアプリケーションを使用して実行され得る。例えば、特定のプロセスの機能は、CGIスクリプトなどのような従来のウェブインターフェースを使用して、リモートウェブサーバによって提供され得る。その上、フロープログラミングは、個々のプロセスが、異なるハードウェア及びソフトウェアプラットフォーム上で、又は可能であれば互いから物理的に離れている可能性のあるオペレータの動作を通じて実行することを可能にする。実行時に、ランタイム環境(ランタイムコードを含む)が、フローエンジンとして動作し、フローモデルに従ってプロセス間の協働を確実にする。ランタイムコードは、典型的には、プロセス実行、プロセス間通信、エラー、システムクラッシュなどに対応する。好都合なことに、プログラマー及びアーキテクトは、ランタイムコードによって取り扱われるようにこれらの詳細に関して心配する必要はない。
【0073】
図4は、一環境による、物体製造システムにおける自動欠陥検出及び復旧のためのプロセス400の操作を示すフローチャートである。プロセス400は、基材又は基材ウェブが、
図2に示されるような開始などの開始位置にある場合に開始される。動作420では、CBAMシステムは、印刷ヘッド104を使用して、湿潤剤を堆積させて、物体の画像及び粉末サブシステム106を流体形成して、材料を画像形成された基材上に堆積させて、物体の層を物体の三次元(3D)モデルから印刷する。動作430では、コントローラ150内のプロセッサは、IOWAセンサなどの撮像センサ110を、物体の印刷された層の画像を捕捉させる。捕捉された画像(
図2,220)は、様々な欠陥、又は変動、すなわち、詰まった噴射、並びに/又はインクジェット及び/若しくは印刷ヘッドの位置ずれ、並びに媒体自体上の欠陥を測定するために、プロセッサにデータを提供する。動作450では、動作440が、印刷された物体の比較を介して品質評価を行うために協議し得るように、既定のパターンがロードされる。ほとんどの場合、既定のパターンは、制御装置150によって受信されるような意図された画像210である。動作440は、既定のパターン210からのデータを判定し、画像220を捕捉して、両方が実質的に一致するかどうかを判定する。比較は、画素単位でのハーフトーン値、選択された領域のハーフトーン値、又は捕捉された画像を単純に分析して空隙を見つけること、材料の適用、又は材料の輪郭を通して行われ得る。決定ブロック460では、動作450によって特定されるような一致がある場合には、制御は動作470に渡され、次いで、物体の印刷された層を部品積層体上に位置付け、プロセスは、動作410で開始するように戻される。そうでなければ、動作460が一致を示さない場合、プロセス400は許容できない逸脱が存在することを示し、制御は動作480に渡され、そこで是正処置を取ることが示される。
【0074】
図5は、一実施形態による、印刷基材の欠陥を検出した後の是正処置の方法480の操作を示すフローチャートである。方法480は、
図4のプロセス400が、逸脱(すなわち印刷画像が意図された画像から過度に逸脱する)が特定され、是正措置を取る必要があると判定する場合、開始される。方法480の開始時に、動作510は、偏差総数を増加させる。動作520では、既定の値(predetermined value、PV)を参照して、偏差総数値に関して決定が行われる。既定の総数は、超過した場合には、プロセスが、1つの又は多くの欠陥のある製品につながる過度に欠陥のある印刷層を生成するために、オペレータが関与することを必要とする構成設定である。総数が既定の値を超える場合、次いで、エラー状態が存在し、動作530が開始される。動作530では、エラー状態は、エラー状態を信号化するために、サイレン、ライト、電子通知、シャットダウン、又は他の動作などのメッセージサービスを通して示される。総数が既定の値未満の場合、制御は動作540に渡される。動作540Aでは、これが物体の層の再印刷であるかどうかを確認するために決定される。はいの場合、次いで、プロセスは、動作550によって方法480Bに転送され、そうでなければ(条件なし)、物体の印刷された層が再処理のための初期位置に戻される動作580に進む。動作570では、方法480は、物体の欠陥のある印刷された層を処理するために、プロセス400に制御を戻す。
【0075】
図6は、一実施形態による、欠陥の検出後のエラー是正のためのプロセス480Bを示すフローチャートである。プロセス480Bでは、逸脱が物体の層の再印刷によるものであることを示す、方法480によって呼び出された後、再処理の限界に到達したかどうかの決定が行われる。再処理の限界に到達した場合、次いで、制御は、エラー状態が開始される動作530に渡される。再処理の限界の場合、次いで、制御は、再印刷が開始される動作560に渡される。再処理の限界は、プロセスに許容される所望の再印刷の数に設定され得る。
【0076】
図7は、一実施形態による、物体の印刷された層を、既定のパターンと比較するためのプロセス460を示すフローチャートである。プロセス460は、動作710が、捕捉された画像220、及び所望の画像210のような既定のパターンを受信し、画像間の差異を計算し、欠陥のある画素の数を特定すると共に開始する。動作720では、特定された画素、及び許容される欠陥の既定数/レベルに基づいて、物体の印刷された層の合格、及び動作470の呼び出し、又は印刷された層の不合格、及び動作480で説明されたような是正処置の呼び出しの決定が行われる。
【0077】
図4~
図7に記載された方法は、基材又は先の堆積層内の不規則性を補正する、噴射是正の欠落などの印刷された層内の不規則性を補正する、層を拒絶して、層を廃棄し再印刷する、メンテナンス若しくはサービスが実行され得るように積層造形(印刷)ジョブを一時停止する、又は製作物の証明、法医学、診断、若しくは他の目的のための追跡可能データを提供する、ことができる。システムアーキテクチャ及び設計目標に応じて、撮像センサ110は、印刷された層の堆積の前又は後に用いられ得る。流体(104)堆積の前に、基材のみが評価され、後続の全ての構成要素が評価され得る。この位置にかかわらず、記載された実施形態は、より高い品質レベルでより高い生産速度をもたらす自動欠損検出及び復旧方法を提供する。