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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
F04D29/42 H
F04D29/42 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054420
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021156177
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000105659
【氏名又は名称】ニデックコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】益子 俊二
(72)【発明者】
【氏名】赤羽根 由智
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-95410(JP,U)
【文献】実開昭53-150907(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1吸気口及び第1排気口を有する第1ケースと、
前記第1ケースの内部に設けられ、前記第1吸気口と連通された第2吸気口及び前記第1排気口と連通された第2排気口を有する第2ケースと、
前記第2ケースの内部に設けられ、回転軸が前記第1吸気口、及び前記第2吸気口の中心軸と一致された遠心ファンとしてのブレードと、
前記第2ケースの内部に設けられ、前記ブレードを回転するモータと、
前記ブレードの前記第1吸気口及び前記第2吸気口と反対側で前記モータと前記第2ケースとの間に設けられた第1流路と、
前記第1ケースと前記第2ケースとの間に設けられ、前記第1流路、前記第1吸気口、及び第2吸気口と連通された第2流路と、
を具備することを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記第1ケースの前記第1吸気口は、前記中心軸と平行な第1側面を具備し、前記第2ケースの前記第2吸気口は、前記第1側面と平行な第2側面を具備することを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項3】
前記ブレードの前記第1吸気口及び前記第2吸気口側の第1面と、前記第2ケースの前記第1面と対向する第2面との間と、前記第2ケースの前記第2吸気口と前記ブレードの前記第2吸気口と対向する面との間に設けられ、前記第1吸気口及び前記第2吸気口と連通された第2流路を、さらに具備することを特徴とする請求項2記載の送風機。
【請求項4】
前記第1ケースの底部を覆うベースと、
前記第1ケースと前記ベースとの間に設けられたリング状のシール部材と、
をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば遠心ファンを用いた送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば遠心ファンを用いた送風機は、例えばファン(以下、ブレードとも言う)と、ブレードを回転させるモータと、ブレードの回転軸方向に設けられた吸気口と、吸気口に対して直交方向に配置された排気口と、を具備している。ブレードがモータにより回転された場合、ブレードの回転軸方向に対して、上面側(吸気口側)と下面側との間に圧力差が生じ、モータのシャフト、及びブレードがスラスト方向(回転軸方向)に移動し、ブレードが送風機のハウジングに接触する。
【0003】
羽根車の上面と下面に圧力室と、圧力室に隣接するバルブ室を設けることにより、羽根車の上面と下面との圧力差を等しくする技術が開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、羽根車の上面及び下面に複数個のリング状のブレード押え板を設け、吸気口より吸引した空気を排出口から排出することにより、羽根車の上面と下面との圧力差を均等にする技術がある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-129638号公報
【文献】特許第4716750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、ブレードのスラスト方向の移動を抑制することが可能な送風機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の送風機は、第1吸気口及び第1排気口を有する第1ケースと、前記第1ケースの内部に設けられ、前記第1吸気口と連通された第2吸気口及び前記第1排気口と連通された第2排気口を有する第2ケースと、前記第2ケースの内部に設けられ、回転軸が前記第1吸気口、及び前記第2吸気口の中心軸と一致された遠心ファンとしてのブレードと、前記第2ケースの内部に設けられ、前記ブレードを回転するモータと、前記ブレードの前記第1吸気口及び前記第2吸気口と反対側で前記モータと前記第2ケースとの間に設けられた第1流路と、前記第1ケースと前記第2ケースとの間に設けられ、前記第1流路、前記第1吸気口、及び第2吸気口と連通された第2流路と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る送風機を示す上面図。
図2図1のII-II線に沿った断面図。
図3図1の一部を示す分解斜視図。
図4図1の他の部分を示す分解斜視図。
図5図1の作用を示すものであり、図1のV-V線に沿った断面図。
図6図5のA部を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図面において、同一部分には、同一符号を付している。
【0010】
図1は、本実施形態に係る送風機10を示している。送風機10は、ハウジングとしてのトップケース11を具備し、トップケース11は、略円筒形であり、吸気口(第1吸気口)11aと排気口(第1排気口)11bを具備している。吸気口11aは、トップケース11の上面、且つ中央部に配置され、排気口11bは、トップケース11の側面で、吸気口11aとほぼ直交方向に配置されている。
【0011】
図2に示すように、トップケース11の内部には、インナーケース12が設けられている。インナーケース12は、下側の第1インナーケース12-1と、上側の第2インナーケース12-2とに分割されている。しかし、インナーケース12は、必ずしも分割される必要はなく、一体構成とされていてもよい。インナーケース12は、トップケース11の吸気口11aと連通された吸気口(第2吸気口)12aと、トップケース11の排気口11bと連通された排気口(第2排気口)12bとを具備している。
【0012】
インナーケース12の吸気口12aの径は、トップケース11の吸気口11aの径より大きく、吸気口11aは、吸気口12aの内側に配置される。このため、吸気口11aと吸気口12aは、同心状に配置される。
【0013】
さらに、インナーケース12とトップケース11の間には後述する流路(第1流路)(CH3)が設けられている。すなわち、インナーケース12の一部は、トップケース11の内面から離れており、この部分に流路(CH3)が形成される。
【0014】
トップケース11及びインナーケース12の下部には、ベース13が、複数のねじ14により取着される。トップケース11及びインナーケース12の下部とベース13との間に基板15が設けられる。基板15は、複数のねじ16により、ベース13に固定される。
【0015】
基板15の周囲とトップケース11との間には、シール部材としてのリング状のパッキン18が設けられ、基板15の周囲とベース13との間にもシール部材としてのリング状のパッキン19が設けられる。パッキン18、19は、弾性体、例えばゴムにより構成されている。パッキン18により、トップケース11と基板15との隙間が閉塞され、パッキン19によりベース13と基板15との間の隙間が閉塞される。このため、トップケース11とベース13が密閉され、トップケース11及びベース13から外部に空気が漏れることが防止される。
【0016】
図2図3に示すように、基板15の中央部には、開口部15aが設けられ、開口部15aの内部には、モータ17のステータ17aが配置される。ステータ17aは、円筒形であり、ベース13の中央部に設けられた凹部13a内に収容される。
【0017】
基板15の開口部15aの径は、ステータ17aの外径と同等か、それより僅かに大きく、開口部15aの周囲には、複数の凹部15bが設けられている。このため、基板15とステータ17aとの間に複数の凹部15bにより、複数の間隙が形成される。
【0018】
さらに、基板15の周囲には、複数の開口部15cが設けられている。これら開口部15cは、インナーケース12の外側で、トップケース11の内側に位置し、ベース13に設けられた複数の凹部13bに対応して配置される。
【0019】
ベース13の凹部13b、基板15の凹部15b、開口部15cは、前述したインナーケース12とトップケース11の間の流路(CH3)に連通する流路(CH2)を構成する。
【0020】
モータ17は、インナーケース12内に配置され、具体的には、第1インナーケース12-1内に配置されている。モータ17は、前述したステータ17aと、スリーブ17bと、シャフト17cと、軸受17dと、複数のコイル17eと、複数のヨーク17fと、ロータフォルダ17gと、永久磁石17hと、シャフトフォルダ17iと、を具備している。
【0021】
スリーブ17bは、ステータ17aの内部に設けられ、シャフト17cは、スリーブ17bの内部に配置される。軸受17dの固定部は、スリーブ17bの内部に固定され、軸受17dの回転部は、シャフト17cの第1端部に固定される。シャフト17cは、軸受17dによりスリーブ17bの内部において、磁力によりスラスト方向に保持される。スリーブ17bとシャフト17cは、空気動圧軸受を構成してもよい。複数のコイル17eが巻回された複数のヨーク17fは、ステータ17aの周囲に配置される。シャフトフォルダ17iは、シャフト17cの第2端部に固定され、ロータフォルダ17gは、シャフトフォルダ17iの内側に保持される。永久磁石17hは、筒状であり、ロータフォルダ17gの内側に固定される。永久磁石17hの内面は、複数のヨーク17fから離間して配置される。
【0022】
シャフトフォルダ17iの外面は、第1インナーケース12-1の内面から離間され、シャフトフォルダ17iの外面と、第1インナーケース12-1の内面との間に形成された隙間は、流路(CH1)を形成する。
【0023】
尚、モータ17の構成は、上記に限定されるものではなく、変形可能である。
【0024】
ブレード20は、第2インナーケース12-2の内部に配置され、シャフトフォルダ17iの上部に取着される。
【0025】
図4に示すように、ブレード20は、遠心ファンであり、例えば所謂ターボファンである。しかし、ターボファンに限定されるものではない。
【0026】
ブレード20は、吸気口(第3吸気口)20aと、複数の排気口(第3排気口)20bと、複数の羽根20cと、を具備している。吸気口20aは、ブレード20の上面(第1面)20dの中央部に設けられ、複数の排気口は、ブレード20の周囲に配置される。複数の羽根20cは、ブレード20の上面20dと下面(第2面)20eとの間で、吸気口20aと、複数の排気口20bとの間に配置される。
【0027】
さらに、ブレード20の上面20dで、吸気口20aの周囲には、リング状の突部20fが設けられている。
【0028】
図2に示すように、ブレード20は、第2インナーケース12-2の内部に配置された状態において、吸気口20aがトップケース11の吸気口11a及びインナーケース12の吸気口12aに対向される。ブレード20の上面20d、下面20e、及び排気口20bが設けられた側面は、第2インナーケース12-2の内面からそれぞれ離間され、隙間が形成されている。
【0029】
また、第2インナーケース12-2の内面で、吸気口12aの周囲には、リング状の凹部12cが設けられており、ブレード20の突部20fは、凹部12c内に配置される。突部20fが凹部12c内に配置された状態において、突部20fと凹部12cとの間には、ブレード20の上面20dと第2インナーケース12-2の内面との間に設けられた隙間と連通する隙間が形成される。この隙間は、流路(第2流路)(CH4)を形成する。凹部12cと突部20fとで形成される隙間は、トップケース11の吸気口11a及びインナーケース12の吸気口12aと連通される。
【0030】
具体的には、トップケース11の吸気口11aの内面と、インナーケース12の吸気口12aの内面と、ブレード20の突部20fと第2インナーケース12-2の凹部12cとの間のリング状の隙間は、平行である。このため、リング状の流路から出る空気の方向は、トップケース11の吸気口11aと、第2インナーケース12-2の吸気口12aに流入する空気の方向と平行である。
【0031】
また、ブレード20の上面20dと第2インナーケース12-2との間の隙間は、ブレード20の突部20fと第2インナーケース12-2の凹部12cとの間のリング状の隙間(径方向(回転軸と直交方向)の隙間)より広く、空気流を制御するバルブ室として機能する。ブレード20の下面20eと第2インナーケース12-2との間にも、ブレード20の上面20dと同様の隙間(流路CH3の一部)が設けられ、ブレード20の上面20d側の隙間と下面20e側の隙間とにより、ブレード20の上面20dと下面20eに対する圧力が均等に保持される。このため、ブレード20のスラスト方向の移動が抑制される。
【0032】
ブレード20の突部20fと第2インナーケース12-2の凹部12cとの間のリング状の隙間は、ブレード20の上面20dと第2インナーケース12-2との隙間より狭く、空気流を細める絞り(第2絞り)21として機能する。
【0033】
また、第2インナーケース12-2の吸気口12aの内面と、トップケース11の吸気口11aの外面との間のリング状の隙間は、ブレード20の下面20eと第2インナーケース12-2との隙間や、トップケース11とインナーケース12との間の隙間より狭く、空気流を細める絞り(第1絞り)22として機能する。
【0034】
本実施形態において、リング状の絞り21は、吸気口11a及び吸気口12aの外側に配置され、絞り21から出る空気流の方向は、吸気口11a及び吸気口12aから吸引される空気流の方向と平行である。換言すると、絞り21が、トップケース11の吸気口11aの内面と、インナーケース12の吸気口12aの内面と、平行に配置されている。
【0035】
リング状の絞り22は、吸気口11aと吸気口12aとの間に配置され、絞り22から出る空気流の方向は、吸気口11a、吸気口12a、及び絞り21から出る空気流の方向と平行である。すなわち、絞り22は、絞り21と平行に配置されている。
【0036】
(作用)
図5図6を参照して、上記送風機10の作用について説明する。
【0037】
モータ17が駆動され、ブレード20が回転されると、トップケース11の吸気口11a、インナーケース12の吸気口12aから導入された空気は、ブレード20の吸気口20aに導かれ、ブレード20の排気口20b、インナーケース12の排気口12b、トップケース11の排気口11bから排出される。
【0038】
一方、インナーケース12内の空気の一部は、モータ17とインナーケース12(第1インナーケース12-1)との間の流路CH1、基板15の開口部15a、凹部15b、ベース13の凹部13b、基板15の開口部15cを通る流路CH2、トップケース11とインナーケース12との間の流路CH3、及び絞り22を通って、トップケース11の吸気口11aとインナーケース12の吸気口12aとの間からブレード20の吸気口20aに導入される。
【0039】
このように、ブレード20の下側の空気は、流路CH1、CH2、CH3、及び絞り22を通って、インナーケース12の上側(ブレード20の上側)に導かれ、トップケース11の吸気口11aから導入される空気とともに、ブレード20の吸気口20aに導入される。このため、ブレード20のスラスト方向の移動を抑制することが可能である。
【0040】
さらに、インナーケース12内の空気の一部は、ブレード20の上面(第1面)20dとインナーケース12との(第2インナーケース12-2)との間の流路CH4、及び絞り21を通って、流路CH3、絞り22を通る空気、及びトップケース11の吸気口11aから導入される空気と共に、ブレード20の吸気口20aに導入される。しかも、絞り21からブレード20の吸気口20aに導入される空気の方向は、絞り22を通る空気の方向、及びトップケース11の吸気口11aから導入される空気の方向と平行とされている。このため、トップケース11の吸気口11aから導入される空気流と、絞り22からの空気流と、絞り21からの空気流とが合流されて、ブレード20に導入される。したがって、ブレード20のスラスト方向の移動を一層抑制することが可能である。
【0041】
(実施形態の効果)
上記実施形態によれば、送風機10は、トップケース11と、トップケース11内に設けられたインナーケース12とを具備し、モータ17及びブレード20は、インナーケース12内に配置され、インナーケース12とモータ17との間、トップケース11と、インナーケース12との間には、流路CH1、CH2、CH3がそれぞれ形成されている。このため、インナーケース12からトップケース11内に漏れた空気は、トップケース11と、インナーケース12との間に設けられた流路CH1、CH2、CH3、及び絞り22を通ってトップケース11の吸気口11aとインナーケース12の吸気口12aとの間から、ブレード20の吸気口20aに導かれる。したがって、ブレード20のスラスト方向の移動を抑制することができ、ブレード20がインナーケース12に接触することを防止できる。
【0042】
しかも、送風機10は、トップケース11と、インナーケース12との二重構造である。このため、ブレード20の回転により生じた空気流は、トップケース11の排気口11bから排気され、トップケース11の他の部分から空気が漏れることを防止できる。
【0043】
また、上記実施形態によれば、インナーケース12は、吸気口12aの周囲にリング状の凹部12cを有し、ブレード20は、吸気口20aの周囲に、凹部12c内に配置されるリング状の突部20fを有し、凹部12cと突部20fとにより、吸気口11a及び吸気口12aの周囲にリング状の絞り21を形成している。しかも、絞り21からブレード20の吸気口20aに導入される空気の方向は、トップケース11とインナーケース12との間の絞り22を通る空気の方向、及びトップケース11の吸気口11aから導入される空気の方向と平行とされている。このため、トップケース11の吸気口11aから導入される空気流と、絞り22からの空気流と、絞り21からの空気流は、合流されて、ブレード20に導入される。したがって、ブレード20のスラスト方向の移動を一層抑制することができ、ブレード20とインナーケース12との接触を防止することが可能である。
【0044】
さらに、絞り21の方向は、絞り22、吸気口11aの側面、及び吸気口12aの側面と平行である。このため、ブレード20が仮にスラスト方向に移動した場合においても、絞り21を構成する凹部12cと突部20fとの間の隙間の幅が回転軸と交差する方向に変化しない。したがって、ブレード20の回転数が一定である場合、絞り21から吸気口20aに導入される空気量を一定に保つことができ、ブレード20のスラスト方向の移動を安定に抑制することが可能であるとともに、絞り21の寸法の管理を容易化することが可能である。
【0045】
絞り22は、第2インナーケース12-2の吸気口12aがトップケース11の吸気口11aと同心状に配置されて形成されている。このため、絞り22も絞り21と同様に、第2インナーケース12-2(インナーケース12)がトップケース11に対してスラスト方向にずれて配置された場合においても、絞り22の幅が回転軸と交差する方向に変化しない。したがって、絞り22の寸法の管理を容易化することが可能である。
【0046】
また、絞り21、絞り22からブレード20の吸気口20aに導入される空気の方向は、トップケース11の吸気口11aから導入される空気の方向と平行とされている。このため、絞り21、絞り22がトップケース11の吸気口11aに対して直交方向(径方向)に配置される場合に比べて流量の損失が少なく、さらに、騒音を低減することが可能である。
【0047】
具体的には、トップケース11の吸気口11aからブレード20の吸気口20aに導入された空気は、排気口20bに向けて次第に直角方向に向きを変える。このため、絞り21に比べて吸気口20aに近い絞り22からの空気流は、絞り21からの空気流に比べて吸気口20aから導入された空気流と滑らかに合流され、流量の損失や騒音が低減される。
【0048】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…送風機、11…トップケース(第1ケース)、11a…吸気口(第1吸気口)、11b…排気口(第1排気口)、12…インナーケース(第2ケース)、12a…吸気口(第2吸気口)、12b…排気口(第2排気口)、17…モータ、18、19…パッキン、20…ブレード、20a…吸気口(第3吸気口)、20b…排気口(第3排気口)、CH1…流路、CH2…流路、CH3…第1流路、CH4…第2流路、21…絞り(第2絞り)、22…絞り(第1絞り)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6