(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】店舗管理システム及び店舗管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20230904BHJP
【FI】
G06Q20/20
(21)【出願番号】P 2020090166
(22)【出願日】2020-05-23
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】515196702
【氏名又は名称】株式会社SUM FIELD
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【氏名又は名称】橋本 清
(73)【特許権者】
【識別番号】523101394
【氏名又は名称】NXキャッシュ・ロジスティクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆比古
(72)【発明者】
【氏名】田和 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山中 忠善
(72)【発明者】
【氏名】田畑 祐太
(72)【発明者】
【氏名】▲樋▼口 英彦
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037608(JP,A)
【文献】国際公開第03/107232(WO,A1)
【文献】特開2008-033456(JP,A)
【文献】特開2007-115208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各店舗に設置され、売上金である現金を収納すると共に、当日又は翌日のうちに、現金決済した現金売上データを店舗情報データと共に現金集配業者に設置されたサーバに送信する貨幣処理機と、
各店舗に設置され、当日又は翌日のうちに、電子決済した電子売上データを個人情報データ、店舗情報データと共にカード会社に設置されたサーバに送信する電子決済端末と、
現金集配業者に設置され、各店舗に設置された貨幣処理機から受信した現金決済した現金売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて現金決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、各店舗から回収した現金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するサーバと、
カード発行会社に設置され、前記電子決済端末から受信した電子売上データ、個人情報データ、店舗情報データを処理し、当日のうちに、店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて電子決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、利用者から回収した売上金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するサーバと、
売上集計機関に設置され、現金集配業者に設置されたサーバから受信した現金決済確定売上データと、カード発行会社に設置されたサーバから受信した電子決済確定売上データとを合計し、売上確定集計データとして店舗毎に集計して、当日又は翌日のうちに、その売上確定集計データを各店舗に送信すると共に、各店舗情報データと共に金融機関に設置された入出金処理サーバに送信するデータ収集サーバと、
金融機関に設置され、
現金又は電子決済した日から2、3日後に、売上確定集計データに基づいて、売上金を各店舗の口座に送金する入出金処理サーバと、
から構成したことを特徴とする店舗管理システム。
【請求項2】
前記売上集計機関は、卸売業者から仕入れた商品の購入代金データと前記売上確定集計データとに基づいて、卸売業者に、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データを送信すると共に、
前記金融機関は、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データに基づいて、卸売業者から仕入れた商品の購入代金を送金する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の店舗管理システム。
【請求項3】
前記売上集計機関は、前記売上確定集計データに基づいて、各店舗が利用する会計機関に、税務データを送信する機能を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の店舗管理システム。
【請求項4】
各店舗に設置された貨幣処理機から、当日又は翌日のうちに、現金決済した現金売上データを店舗情報データと共に現金集配業者に設置されたサーバに送信するステップと、
各店舗に設置された電子決済端末から、当日又は翌日のうちに、電子決済した電子売上データを個人情報データ、店舗情報データと共にカード発行会社に設置されたサーバに送信するステップと、
現金集配業者に設置されたサーバにおいて、前記貨幣処理機から受信した、現金決済した現金売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて現金決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、各店舗から回収した現金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するステップと、
カード発行会社に設置されたサーバにおいて、前記電子決済端末から受信した、電子決済した電子売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて電子決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、利用者から回収した売上金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するステップと、
売上集計機関に設置されたデータ収集サーバにおいて、現金決済確定売上データと電子決済確定売上データとを合計し、売上確定集計データとして店舗毎に集計して、その売上確定集計データを各店舗に送信すると共に、各店舗情報データと共に金融機関に設置された入出金処理サーバに送信するステップと、
金融機関に設置された入出金処理サーバから、
現金又は電子決済した日から2、3日後に、売上確定集計データに基づいて、売上金を各店舗の口座に送金するステップと、
を有することを特徴とする店舗管理方法。
【請求項5】
前記売上集計機関から、卸売業者から仕入れた商品の購入代金データと前記売上確定集計データとに基づいて、卸売業者に、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データを送信すると共に、前記金融機関から、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データに基づいて、卸売業者から仕入れた商品の購入代金を送金するステップ
を有することを特徴とする請求項4に記載の店舗管理方法。
【請求項6】
前記売上集計機関から、前記売上確定集計データに基づいて、各店舗が利用する会計機関に、税務データを送信するステップ
を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の店舗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、ガソリンスタンド等の小売業者の店舗に関して、その店舗における現金決済及び電子決済による売上金を管理し、その店舗に効率的に送金することができる店舗管理システム及び店舗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、ガソリンスタンド等の小売業者の店舗においては、
図4に示すように、その店舗の利用者が現金Mで支払った場合には、店員が店舗に設置してある貨幣処理機に現金Mを投入して蓄積しておく。そして、適宜時期に現金集配業者が貨幣処理機から現金Mを回収すると共に、釣り銭等の運用資金を店舗に配金していく。
【0003】
ここで、現金決済については、貨幣処理機から現金集配業者に設置してあるサーバに即日のうちに現金売上データが送信され、当該サーバにおいて回収した現金M及び現金売上金データが処理される。よって、
図4及び
図5に示すように、翌日には、現金集配業者は、当日の現金売上データを店舗に送信して、店長が閲覧できると共に、売上金を店舗の口座に送金するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、
図4に示すように、利用者がクレジットカード、デビットカード、電子マネー等Cで支払った場合には、店員が店舗に設置してある電子決済端末によってクレジットカード等Cのデータを読み取る。そして、電子決済端末から売上データがカード会社のデータセンターに送信され、データセンターにおいて、売上データが収集、処理されて、クレジットカード、デビットカード、電子マネー等Cのカード会社に売上データが送信される。
【0005】
そして、
図4及び
図5に示すように、クレジットカード、デビットカード、電子マネー等Cのカード会社は、電子決済による売上データを処理して、通常、毎月15日後又は30日に、電子決済の売上データを書面で店舗に通知すると共に、電子決済による売上金を店舗の口座に送金するようになっている。
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来、現金決済に関しては、店舗の店長は、翌日には、当日の現金売上データを閲覧できると共に、売上金を店舗の口座に送金して貰うことができたから、極めて都合が良かった。
しかし、電子決済に関しては、店舗の店長は、毎月15日後又は30日にならないと、売上金を店舗の口座に入金して貰うことができず、店舗の売上処理までに時間がかかると共に、資金調達に不安を抱く要因となっていた。
【0008】
よって、現金決済と電子決済との経理処理は非常に煩雑なものとなっており、店舗の店長にとっては、経理処理が面倒で、時間のかかるものとなっていた。
そのため、クレジットカード、デビットカード、電子マネー等Cの決済を認めない店舗も数多くあり、電子決済を推進する障害となっていた。
【0009】
一方、現金決済に関しては、店舗にとっては、極めて都合が良いものの、現金集配業者にとっては、翌日には、当日の現金売上データに基づいて売上金を店舗の口座に送金する必要があったから、予め、銀行等の金融機関から相当高額な金銭を長期に亘って融資して貰い、常時、自己の口座に送金資金として保有しておかなければならなかった。
そのため、現金集配業者にとっては、融資して貰う資金を返済する場合の利子が高額となって、現金集配業務に関する収益を低減させていた。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、店舗にとっては、電子決済に関する処理を早めて、現金及び電子決済の売上データを同時に閲覧でき、又、現金及び電子決済の売上金も早期に店舗の口座に入金して貰うことができ、店舗の売上処理までに時間がかからず、資金調達にも不安を抱くことがなく、現金集配業者にとっては、自己で送金しないようにして、相当高額な金銭を長期に亘って融資して貰う必要はなく、現金集配業務に関する収益を低減させない店舗管理システム及び店舗管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の店舗管理システムは、
各店舗に設置され、売上金である現金を収納すると共に、当日又は翌日のうちに、現金決済した現金売上データを店舗情報データと共に現金集配業者に設置されたサーバに送信する貨幣処理機と、
各店舗に設置され、当日又は翌日のうちに、電子決済した電子売上データを個人情報データ、店舗情報データと共にカード会社に設置されたサーバに送信する電子決済端末と、
現金集配業者に設置され、各店舗に設置された貨幣処理機から受信した現金決済した現金売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて現金決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、各店舗から回収した現金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するサーバと、
カード発行会社に設置され、前記電子決済端末から受信した電子売上データ、個人情報データ、店舗情報データを処理し、当日のうちに、店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて電子決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、利用者から回収した売上金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するサーバと、
売上集計機関に設置され、現金集配業者に設置されたサーバから受信した現金決済確定売上データと、カード発行会社に設置されたサーバから受信した電子決済確定売上データとを合計し、売上確定集計データとして店舗毎に集計して、当日又は翌日のうちに、その売上確定集計データを各店舗に送信すると共に、各店舗情報データと共に金融機関に設置された入出金処理サーバに送信するデータ収集サーバと、
金融機関に設置され、現金又は電子決済した日から2、3日後に、売上確定集計データに基づいて、売上金を各店舗の口座に送金する入出金処理サーバと、
から構成したことを特徴とする。
【0012】
又、前記売上集計機関は、卸売業者から仕入れた商品の購入代金データと前記売上確定集計データとに基づいて、卸売業者に、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データを送信すると共に、
前記金融機関は、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データに基づいて、卸売業者から仕入れた商品の購入代金を送金する機能を有してもよい。
【0013】
さらに、前記売上集計機関は、前記売上確定集計データに基づいて、各店舗が利用する会計機関に、税務データを送信する機能を有してもよい。
【0014】
又、本発明の店舗管理方法は、
各店舗に設置された貨幣処理機から、当日又は翌日のうちに、現金決済した現金売上データを店舗情報データと共に現金集配業者に設置されたサーバに送信するステップと、
各店舗に設置された電子決済端末から、当日又は翌日のうちに、電子決済した電子売上データを個人情報データ、店舗情報データと共にカード発行会社に設置されたサーバに送信するステップと、
現金集配業者に設置されたサーバにおいて、前記貨幣処理機から受信した、現金決済した現金売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて現金決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、各店舗から回収した現金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するステップと、
カード発行会社に設置されたサーバにおいて、前記電子決済端末から受信した、電子決済した電子売上データを店舗毎に集計し、この集計結果に基づいて電子決済確定売上データを生成し、売上集計機関に設置されたデータ収集サーバに送信すると共に、利用者から回収した売上金を金融機関に設置された入出金処理サーバを介して金融機関の口座に送金するステップと、
売上集計機関に設置されたデータ収集サーバにおいて、現金決済確定売上データと電子決済確定売上データとを合計し、売上確定集計データとして店舗毎に集計して、その売上確定集計データを各店舗に送信すると共に、各店舗情報データと共に金融機関に設置された入出金処理サーバに送信するステップと、
金融機関に設置された入出金処理サーバから、現金又は電子決済した日から2、3日後に、売上確定集計データに基づいて、売上金を各店舗の口座に送金するステップと、
を有することを特徴とする。
【0015】
又、前記売上集計機関から、卸売業者から仕入れた商品の購入代金データと前記売上確定集計データとに基づいて、卸売業者に、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データを送信すると共に、前記金融機関から、卸売業者に関する各店舗の売上確定集計データに基づいて、卸売業者から仕入れた商品の購入代金を送金するステップを有してもよい。
【0016】
さらに、前記売上集計機関から、前記売上確定集計データに基づいて、各店舗が利用する会計機関に、税務データを送信するステップを有してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の店舗管理システム及び店舗管理方法によれば、店舗にとっては、現金決済及び電子決済の売上金データを同時に閲覧できて、店舗における事務処理の効率化を図ることができる。
【0018】
又、現金決済及び電子決済の売上金も早期に店舗の口座に入金して貰うことができ、早期に現金化することができるから、店舗における資金運用負担を軽減することができる。
【0019】
さらに、現金集配業者にとっては、相当高額な金銭を長期に亘って融資して貰う必要はなく、現金集配業務に関する高収益化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の店舗管理システムの一実施形態の概念図である。
【
図2】本発明の店舗管理システムの他実施形態の概念図である。
【
図3】本発明の店舗管理システムの他実施形態の概念図である。
【
図4】従来の店舗管理システムにおける現金決済及び電子決済のデータ及び現金処理図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の店舗管理システムの好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
本発明の店舗管理システム101は、
図1に示すように、利用者1と、店舗2と、現金集配業者3と、カード発行会社4と、売上集計機関5と、金融機関6と、を連携して成るものである。
【0023】
利用者1が商品又はサービスを現金Mで購入した場合(01)には、商品又はサービスの代金支払いの際に、店舗2の店員は、キャッシュレジスタによって商品又はサービスの代金を計算した上、利用者1から現金Mを受領すると共に、釣り銭を返却する。
【0024】
キャッシュレジスタに収納した現金Mは、店舗2の店長又は責任者によって、当日のうちに、店舗2に設置された貨幣処理機に投入、処理され、貨幣処理機において現金売上データが生成(02)される。
【0025】
そして、現金決済による現金売上データは、当日又は翌日のうちに、貨幣処理機において集計され、店舗情報データと共に、現金集配業者3に設置されたデータ処理サーバに送信(03)される。
【0026】
次いで、現金売上データは、現金集配業者3に設置されたデータ処理サーバにおいて処理され、現金決済確定売上データとして、売上集計機関5に設置されたデータ処理サーバに送信(04)される。
【0027】
利用者1が商品又はサービスをクレジットカード、デビットカード、電子マネー等の電子媒体Cで購入した場合(05)には、商品又はサービスの代金支払いの際に、店舗2の店員は、先ず、利用者1から提示された電子媒体Cを店舗2に設置された電子決済端末に近接させることによって、電子媒体Cに記憶された個人情報データを読み取る。
【0028】
これによって、電子媒体Cの個人情報データは、カード発行会社4のデータ処理サーバに信用照会データとして送信され、提示された電子媒体Cが適正であるか否か、カード発行会社4によって照会される。
【0029】
電子媒体Cが適正であり、使用可能である場合、店舗2の店員が、商品又はサービスの代金を電子決済端末において書き込めば、商品又はサービスの代金が電子売上データとして、電子決済端末に記憶される。
【0030】
そして、電子決済による電子売上データは、当日又は翌日のうちに、電子決済端末において集計され、個人情報データ、店舗情報データと共に、カード発行会社4のデータ処理サーバに送信(06)される。
【0031】
次いで、電子売上データは、カード発行会社4に設置されたデータ処理サーバにおいて処理され、電子決済確定売上データとして、売上集計機関5に設置されたデータ処理サーバに送信(07)される。
【0032】
売上集計機関5のデータ処理サーバにおいて、現金決済確定売上データと電子決済確定売上データとは、店舗毎に集計されて(08,09)、当日又は翌日のうちに、確定売上集計データとして、各店舗に送信され、かつ店舗情報データと共に、金融機関6に設置された入出金処理サーバに送信(10)される。
【0033】
これによって、金融機関6は、貨幣処理機から受信した各店舗2における現金決済による現金決済確定売上データ及びカード発行会社4から受信した各店舗2における電子決済による電子決済確定売上データを合計して、早期に、例えば、2、3日後に、各店舗2の銀行口座に確定売上集計データに相当する売上金を送金(11)する。
【0034】
現金集配業者3は、所定日数毎に定期的に各店舗2を巡回して、各店舗2の貨幣処理機から現金を回収(12)すると共に、釣り銭を配金する。
そして、現金集配業者3は、各店舗2から回収した現金を金融機関6に設置された入出金処理サーバを介して金融機関6の口座に送金(13)する。
【0035】
一方、カード発行会社4は、電子決済による売上発生から数日後、例えば15日後に、利用者1から電子決済による売上金を利用者1の銀行口座から回収(14)する。
そして、カード発行会社4は、利用者1から回収した売上金を金融機関6に設置された入出金処理サーバを介して金融機関6の口座に送金(15)する。
【0036】
又、売上集計機関5は、現金決済確定売上データと電子決済確定売上データを集計して合計した確定売上集計データを、当日又は翌日のうちに、各店舗2に送信(16)する。
これによって、各店舗2は、適宜端末装置によって、当日の確定売上集計データを閲覧し、確認することができる。
【0037】
本発明の店舗管理システム101は、以上のような構成であって、売上集計機関5における集計結果に基づいて、早期に、例えば2、3日後には、金融機関6の口座から各店舗2の銀行口座へ現金決済及び電子決済による売上金が同時に送金されるから、各店舗2は、売上金を早期に現金化することができ、店舗2における資金運用負担を大幅に軽減することができる。
【0038】
又、各店舗2の店長等は、当日又は翌日には、現金決済及び電子決済による売上データを同時に受信することができるため、店舗2における経理処理等の事務処理を極めて効率化することができる。
【0039】
又、金融機関6の口座から各店舗2の銀行口座へ現金決済及び電子決済による売上金が同時に送金されるから、現金集配業者3は、相当高額な金銭を長期に亘って融資して貰う必要はなく、現金集配業務に関する高収益化を図ることができる。
【0040】
又、本発明の店舗管理システムとして、
図2に示すような店舗管理システム201を構成してもよい。
【0041】
店舗管理システム201は、
図2に示すように、店舗管理システム101に、さらに、卸売業者7を連携して成るものである。
【0042】
この店舗管理システム201では、売上集計機関5は、卸売業者7から仕入れた商品の購入代金データと前記売上集計データとに基づいて、卸売業者7に、卸売業者に関する各店舗の売上集計データを送信(17)する。
【0043】
そして、金融機関6は、卸売業者に関する各店舗の売上集計データに基づいて、卸売業者7に、卸売業者7から仕入れた商品の購入代金を送金(18)する。
【0044】
これによれば、各店舗2は、卸売業者7から仕入れた商品の購入代金を送金する手間が省けると共に、卸売業者7からの商品の購入数量を予測することも可能になる。
【0045】
さらに、売上集計機関5は、前記売上集計データに基づいて、各店舗2に、各種税務データ、例えば、各種税務帳票に関するデータを送信(19)する。
【0046】
これによれば、各店舗2は、商品又はサービスの毎日の売上データを集計し、特に会計処理することなく、各種税務データ、例えば、各種税務帳票に関するデータを取得することができる。
【0047】
又、本発明の店舗管理システムとして、
図3に示すような店舗管理システム301を構成してもよい。
【0048】
店舗管理システム301は、
図3に示すように、店舗管理システム101に、さらに、卸売業者7と、会計機関8とを連携して成るものである。
【0049】
この店舗管理システム301では、売上集計機関5は、前記売上集計データに基づいて、各店舗2が利用する会計機関8、例えば、税理士、公認会計士、監査法人等に、各種税務データ、例えば、各種税務帳票に関するデータを送信(20)する。
【0050】
これによれば、各店舗2は、商品又はサービスの毎日の売上データを集計し、特に会計処理することなく、税理士等の会計機関8に、各種税務データ、例えば、各種税務帳票に関するデータを提供することができる。
【0051】
上記実施形態においては、電子決済に関して、クレジットカード、デビットカード、電子マネー等の電子媒体Cによる場合を例として挙げたが、携帯電話、スマートフォン等の携帯機器を使用したモバイル決済、すなわち、QRコード[登録商標]、バーコード等のコード決済、携帯電話料と共に支払うキャリア決済等も含むことができる。
【0052】
又、電子決済による電子売上データを電子決済端末から各カード発行会社4に送信するようにしたが、各カード発行会社4と一括契約する決済代行会社を経由して各カード発行会社4に送信する形態を採用してもよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の店舗管理システム及び店舗管理方法には、種々変形された実施形態も包含されること、勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 利用者
2 店舗
3 現金集配業者
4 カード発行会社
5 売上集計機関
6 金融機関
7 卸売業者
8 会計機関