(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】容器に充填製品を充填するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B67C 3/06 20060101AFI20230904BHJP
B65B 59/02 20060101ALI20230904BHJP
B67C 3/12 20060101ALI20230904BHJP
B67C 3/20 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
B67C3/06
B65B59/02
B67C3/12
B67C3/20 A
(21)【出願番号】P 2020512532
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2018073666
(87)【国際公開番号】W WO2019043237
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】102017120324.9
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッヒャー ヴァレンティーン
(72)【発明者】
【氏名】ノット ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】アンゲラー フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンター ウーテ
(72)【発明者】
【氏名】ペシュル ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ドブリンガー ジョセフ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-057292(JP,A)
【文献】特開2005-263293(JP,A)
【文献】特開2001-269562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0158479(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0303325(US,A1)
【文献】特表2010-504886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00
B65B 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(100)に充填製品を充填するための装置(1)であって、
前記容器(100)への前記充填製品の供給に影響を与える充填バルブ(2)と、
添加物リザーバ(4)からの添加物を前記充填バルブ(2)に分配するための分配バルブ(40)と、
前記充填バルブ(2)のところで主成分を提供するための主成分リザーバ(3)と、
充填操作中に前記添加物リザーバ(4)内の前記添加物を交換するための添加物交換装置(6)と、を備え
前記添加物交換装置(6)は、前記添加物リザーバ(4)内の圧力を制御または調整する与圧ガスバルブ(44)を有
し、
前記添加物交換装置(6)は、前記添加物を交換するために、前記充填バルブ(2)が閉じて前記分配バルブ(40)が開いた状態で前記添加物リザーバ(4)内の圧力が降下され、前記添加物は少なくとも部分的に前記添加物リザーバ(4)内に押し戻されるように、前記与圧ガスバルブ(44)を切り替えるように構成されていることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記添加物交換装置(6)は、前記充填バルブ(2)が閉じた状態で、製造ステップ中に前記添加物リザーバ(4)内の前記添加物を交換するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記添加物交換装置(6)は、前記添加物リザーバ(4)と前記主成分リザーバ(3)間の差圧を設定するように設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記添加物交換装置(6)は、前記主成分の流れを規定するために、流量計(32)の測定に基づいて前記分配バルブ(40)の開放または閉鎖を切り替えるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
少なくとも2つの前記充填バルブ(2)が配設され、前記分配バルブ(40)は環状ライン(400)を介して前記添加物リザーバ(4)に接続され、前記環状ライン(400)は循環式ポンプ(410)を有し、前記添加物交換装置(6)は、前記添加物リザーバ(4)内の前記添加物を交換するために前記循環式ポンプ(410)を切り替えるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記添加物交換装置(6)は、現行添加物を前記環状ライン(400)から排出するために添加物交換バルブ(420)を切り替えるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
容器(100)に充填製品を充填するための方法であって、
充填バルブ(2)によって、前記容器(100)への前記充填製品の供給に影響を与え、
分配バルブ(40)によって、添加物リザーバ(4)からの添加物を前記充填バルブ(2)に分配し、
主成分リザーバ(3)からの主成分を前記充填バルブ(2)のところで提供し、
添加物交換装置(6)により前記添加物リザーバ(4)内の前記添加物は充填操作中に交換されることを含み、
前記添加物交換装置(6)は、前記添加物リザーバ(4)内の圧力を制御または調整する与圧ガスバルブ(44)を有
し、
前記添加物を交換するために、前記充填バルブ(2)が閉じて前記分配バルブ(40)が開いた状態で前記添加物リザーバ(4)内の圧力が降下され、前記添加物は少なくとも部分的に前記添加物リザーバ(4)内に押し戻されることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記添加物は、前記充填バルブ(2)が閉じた状態で製造ステップ中に交換されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記添加物が押し戻された後で、前記添加物リザーバ(4)内の前記添加物が交換され、次に、前記充填バルブ(2)で得られる前記添加物の圧力が前記充填バルブで得られる前記主成分の圧力よりも高くなるように、前記添加物リザーバ(4)内の圧力が再び昇圧されることを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記主成分による前記添加物の押し戻しが、流量計(32)を相応に考慮して制御されることを特徴とする請求項8
または9に記載の方法。
【請求項11】
環状ライン(400)内に存在する循環式ポンプ(410)が切り替えられて、前記環状ライン(400)から前記添加物を押し出し、新たな添加物を導入することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記添加物は、別の媒体と前記循環式ポンプ(410)によって前記環状ライン(400)から押し出されることを特徴とする請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に、少なくとも1つの主成分と1つの添加物から製造される充填製品を充填するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料ボトリング工場では、夫々の容器に充填される充填製品を主成分と添加物から製造することが周知である。ここで、例えば、主成分として水を、例えば炭酸水等を充填バルブを介して被充填容器に導入することが周知である。容器に主成分を充填する前に、添加物が分配バルブを介して充填バルブに分配され、その結果、主成分が被充填容器に充填されたときに、添加物が主成分の流れとともに容器に噴入されて、同時に相互混合が行われる。
【0003】
したがって、例えば二成分または多成分飲料、例えばシロップの形態の添加物と水の形態の主成分からなる飲料が、柔軟な方式で製造され得る。特に、この構成では、充填製品が主成分と添加物から混合される上流の混合装置が省略され得る。
【0004】
そのような装置は、例えば特許文献1から公知である。
【0005】
多成分充填製品の製造、すなわち、主成分と2つの異なる添加物を有する充填製品の製造に関して、第1の分配バルブに加えて、既述の方式で第2の添加物を充填バルブに分配する第2の分配バルブを提供することがさらに周知である。
【0006】
充填製品を交換するには添加物を交換することが必要であり得る。これは、例えば、第1の充填製品の第1の充填プロセス後での製品交換の場合に、それに従って異なる組成の別の充填製品がそれぞれの充填装置上でボトリングされることになっている場合に必要である。この目的で、既知の装置では、充填プロセスを停止して、添加物リザーバから現行添加物を取り除いて適切な製品ラインをフラッシングし、次に新たな添加物を添加物リザーバに充填して、新たな添加物がそれぞれのラインに存在しており分配バルブで使用可能なことを確実にすることが必要である。そのとき初めて充填操作が再開され得る。
【0007】
したがって、従来型装置および方法では、添加物の交換のために充填プロセスを停止することが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既知の従来技術から開始して、本発明の目的は、容器への充填製品のボトリングが一層高効率で実行され得る装置および方法を定義することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって達成される。有利な改善は従属請求項、本明細書および添付図面から明らかである。
【0011】
したがって、容器に充填製品を充填するための装置が提案され、前記装置は、好ましくは容器搬送装置による前記被充填容器の搬送中に、前記被充填容器への前記充填製品の供給に影響を与える充填バルブと、添加物リザーバからの添加物を前記充填バルブに分配する分配バルブと、前記充填バルブのところで主成分を供給する主成分リザーバを備えている。本発明により、充填操作中に前記添加物リザーバ内の前記添加物を交換するための添加物交換装置が提供される。
【0012】
充填操作中に添加物リザーバ内の添加物を交換するための添加物交換装置が提供されるため、提案の装置では、添加物の交換を効率良い方式で実行することが可能である。特に、本明細書では充填操作を中断せずに添加物の交換を実行することが可能である。
【0013】
被充填容器の充填は好ましくは被充填容器の搬送中に行われる。このため、少なくとも充填中に被充填容器を搬送路に沿って搬送する容器搬送装置が好ましくは提供される。特に好ましくは、容器搬送装置は、その上に充填バルブが配置されそのバルブの下に次に被充填容器が充填中に配置されるとともに容器と共同して回転する、回転機またはフィラーカルーセルであり得る。
【0014】
添加物リザーバとは、添加物が受け入れられる全ての容積と理解される。これは、添加物べセルと、添加物が添加物べセルから分配バルブに伝導される添加物ラインを含む。
【0015】
充填操作において添加物を交換するために、添加物べセルと、添加物を分配バルブに搬送するそれぞれの添加物ライン両方における現行添加物は、それに応じて新たな添加物と最終的に置き換わる。したがって添加物リザーバ内での添加物の交換が行われ、充填操作を中断する必要なく、特に、洗浄を行う必要なく、以前の添加物が新たな添加物と置き換わり得る。
【0016】
添加物交換装置は好ましくは、ボトリング操作中の特定の製造段階中、例えば、添加物が充填バルブに分配された後、および/または被充填容器に主成分が充填された後、および/または、容器のあり得る除荷の後、および/または充填バルブが閉じている間に、添加物リザーバ内での添加物の交換を可能にするように設定される。
【0017】
ここで添加物交換装置は、好ましくは被充填容器の各再充填時および特定のプロセス段階の通過毎に、添加物のさらなる交換のステップを周期的に始めてもよい。特に、添加物の完全交換をシングルステップで行う必要はなく、寧ろ、添加物の交換の完了は、いくつかのサイクルにわたって達成され得る。したがって、実際の充填操作は添加物が交換されたときに中断されず、添加物の交換中には、単に交換プロセス中に存在する添加物が使用できない。
【0018】
第1の添加物リザーバと第1の分配バルブに加えて、少なくとも第2の添加物リザーバと少なくとも第2の分配バルブも配設され、第1の添加物リザーバ内での添加物の交換中に、被充填容器に主成分と第2の添加物リザーバからの添加物が充填され得れば、交換は特に効率良い方式で実行され得る。充填製品が、例えば1つの主成分と2つの添加物で製造される場合、添加物のうち一方の交換は、他方の添加物を含む充填製品の容器への充填が続行している間に行われ得る。
【0019】
しかしながら、製造操作中に、添加物の交換は、添加物の交換中に被充填容器に主成分のみが充填され得る場合にも実行され得る。より具体的には、これは、添加物が交換されるときに、充填バルブを介した添加物の交換の完了までの特定の期間にわたり、主成分のみがボトリングされるように見える可能性がある。上述のように、主成分は、例えば、炭酸水、すなわち鉱水であり得る。したがって、主成分と第1の添加物を両方含む充填製品のボトリング後に、鉱水のみでの充填操作が先ず行われてよく、その間分配交換装置が添加物を交換し、次に、添加物の交換が行われた後で、交換済み添加物と主成分からなるさらなる充填製品のボトリングが行われてよい。
【0020】
添加物交換装置は好ましくは、添加物リザーバと主成分リザーバの間の差圧を設定するように設定され、特に好ましくは、添加物の交換のために、充填バルブで得られる添加物の圧力を、充填バルブで得られる主成分の圧力よりも低くするように設定される。
【0021】
したがって、例えば充填バルブが閉じた状態での進行中の充填操作中に、充填バルブで得られる添加物の圧力が、充填バルブで得られる主成分の圧力よりも低くなるように差圧が設定され得る。それにより、分配バルブが開いた状態で、主成分が添加物を添加物リザーバ内に押し戻す。
【0022】
したがって、製造操作中、すなわち、完全充填操作中に、充填バルブが被充填容器のほうで閉じているボトリングプロセスの段階において、主成分によって添加物を添加物リザーバ内に押し戻すことが可能となり、それによって、添加物が上首尾に押し戻された後で添加物の交換を行うことが可能となる。
【0023】
主成分による、現行添加物の添加物リザーバへの押し戻しは、添加物リザーバ全体に、少なくとも一箇所で主成分が完全充填されるように、現行添加物の、添加物リザーバ全体を通る押し戻しであり得る。別の実施形態では、しかしながら、添加物リザーバ内の添加物は、添加物リザーバの一部分には添加物が存在し、また、添加物リザーバの別の部分には主成分が存在するように、所定位置、例えば、バルブまたは切替装置のところまでのみ押し戻され得る。するとバルブまたは切替装置によって、例えば別の添加物ベセルへの接続によって、新たな添加物への切替が相応に行われ得る。
【0024】
より具体的には、このことは、充填バルブで得られる添加物の圧力が充填バルブで得られる主成分の圧力より低くなるように添加物リザーバ内の圧力を降下させることによって達成される。添加物の圧力は、添加物リザーバの幾何学的配置または充填バルブの上の添加物リザーバ内の添加物レベルの幾何学的配置に由来する添加物の静水圧と、添加物リザーバ内の添加物にかかる圧力、例えば添加物べセルにかかるガス圧力との組み合わせに由来する。充填バルブで得られる主成分の圧力も同様に、主成分リザーバの静水圧力、または主成分リザーバの幾何学的配置もしくは充填バルブの上の主成分リザーバ内の主成分レベルの幾何学的配置と、主成分リザーバ内の主成分にかかる圧力の組み合わせに由来する。
【0025】
ボトリング装置において、添加物または主成分にそれぞれかかる圧力のみが変えられ得るのに対し、幾何形状は通常固定されている。
【0026】
進行中の充填操作を変えない、または影響を与えないようにするために、充填バルブでの主成分の圧力は添加物交換装置によって変えられず、特に、差圧装置によって変えられない。したがって、充填操作は、充填操作に基本的であるパラメータで続行され得る。
【0027】
添加物交換装置の差圧装置は添加物リザーバ内の圧力を有利に低減するが、充填バルブで得られる添加物の圧力が充填バルブでの主成分の圧力より低く保たれる程度までのみの低減であり、よってその結果、分配バルブが切り替えられたときに、主製品が添加物を添加物リザーバ内に押し戻す。
【0028】
押し退けられるべき添加物の分量に応じて、添加物を分配バルブから添加物リザーバに押し戻すプロセスは、シングルステップまたは2ステップ以上のボトリングプロセスで達成され得る。添加物は好ましくは、充填バルブが被充填容器のほうで閉じられるとき、すなわち例えば、充填バルブ内に容器が存在しない段階、取り上げられたばかりの被充填容器が排気され、フラッシングされ、与圧ガスに曝される段階、または、被充填容器に充填製品が充填され終わった後の段階、および、その時点で充填製品が充填されているが依然としてより高圧に予圧されている容器が雰囲気圧に減圧されるか、または装置から外される段階、には必ず押し戻される。
【0029】
したがって、添加物リザーバ内への添加物の完全な押し戻しは好ましくは、充填バルブが閉じた状態で周期的に行われ、また次に好ましくは同様に充填バルブが閉じた状態で特定の方法の段階においてのみ行われる。
【0030】
添加物交換装置は付加的に、主成分が、添加物リザーバ内に存在する添加物体積を、例えば分配バルブから添加物べセルまで既に押し戻したかどうかを、例えば、体積流量計を介して確定できる。体積流量計として、添加物供給ライン内に配設された別個の体積流量計、および/または主成分の体積流れを測定する体積流量計のいずれかがここでは配設され得る。分配バルブ間の添加物の体積または充填バルブと添加物ベセル間の添加物の体積は、幾何学的に単純な方式で定義可能である、測定可能である、または既知であるのいずれかであるため、それに従って、添加物が添加物リザーバ内に既に完全に押し戻されているか、または、添加物リザーバから押し出されているかが、主製品または添加物の体積流れを測定することによって判定され得る。
【0031】
添加物が完全に押し戻されていれば、添加物ライン内には主成分のみが残っている。
【0032】
次に添加物交換装置は、添加物リザーバから添加物を全て排出して、新たな添加物を導入することか、または、添加物交換装置が1つの添加物ベセルから別の添加物ベセルに切り替わることのいずれかによって実際の添加物の交換を行う。
【0033】
それに続いて、添加物交換装置は次に逆順に、例えば、添加物リザーバ内の圧力が、分配バルブで得られる添加物リザーバからの添加物の圧力が充填バルブで得られる主成分の圧力よりも再び高くなるポイントまで昇圧されるステップを行う。したがって、分配バルブが開けられたとき、充填バルブ間または分配バルブと添加物ベセルの間のラインに残存する主成分がこれらのラインから押し出されることができ、この場合も再び、主製品が再びラインから完全に排出され、従って新たな添加物が分配バルブで利用可能であるかどうかを体積流れセンサによって確定することが可能となる。
【0034】
添加物交換装置は、差圧を提供する代わりにポンプを使用することもでき、それによって、分配バルブが開いた状態で、主成分が充填バルブから添加物ベセルに圧送されることができ、添加物ベセル内での添加物の交換後に、または別の添加物ベセルへの切り替え後に、新たな添加物が分配バルブで再び利用可能になるまで、主成分を押し出すタスクも実行され得る。
【0035】
代替的または付加的な構成では、添加物は、環状ラインを介して充填装置のそれぞれの分配バルブに供給される。環状ラインは、添加物ベセルおよび存在し得る供給ラインとともに添加物リザーバを形成する。
【0036】
特に好ましくは、分配バルブはここでデッドスペースなく環状ラインに接続される。別の好ましい変形形態では、製造操作中に環状ラインと分配バルブの間の確実かつ完全な分離も行われ得るように、シャットオフバルブを介して、好ましくはブロックアンドブリードバルブを介して環状ラインにデッドスペースなく接続される。
【0037】
その場合、添加物交換装置は循環式ポンプを備え、それによって添加物は環状ライン内で循環され得る。
【0038】
添加物の交換のため、全ての分配バルブは相応に遮断され、次に環状ライン内に存在する添加物は、循環式ポンプおよび主製品または水または次の添加物の適切な供給を介して、環状ラインから出て添加物ベセル内に押し出される。言い換えると、添加物リザーバ内の添加物は、媒体の供給により、循環式ポンプによって押し戻され、したがって、添加物リザーバから第1の添加物が少なくとも部分的に出され、この添加物が添加物ベセル内に戻される。
【0039】
次に添加物交換装置は循環式ポンプを停止し、その結果、環状ラインを可能な限り空にするために使用されていた媒体が添加物ベセルに進入しない、またはさほど進入しないようにする。ここで体積流れセンサによって、再び、環状ラインが既に媒体で完全に充填されているかどうかが確定される。
【0040】
環状ラインから添加物がなくなっていれば、次に添加物交換装置は、添加物リザーバを空にすることを完了して添加物リザーバに新たな添加物を導入する、または、1つの添加物ベセルから別の添加物ベセルに切り替えることのいずれかによって添加物ベセル内の添加物を交換するように設定される。すると添加物交換装置は次に循環式ポンプを切り替えて、新たな添加物が環状ラインに押し込まれるようにし、その結果、この時点で環状ライン内に存在する媒体が環状ラインから押し退けられるようにする。
【0041】
第2の添加物べセルからの第2の添加物によって2つの添加物ベセル間の双方向の切り替えが行われるさらなる変形形態では、第1の添加物も、環状ラインから押し退けられて、その添加物べセル内に押し戻され得る。
【0042】
上述の目的はさらに、請求項7に記載の特徴を有する方法によって達成される。有利な改善は、その従属請求項、図および本明細書から出現する。
【0043】
したがって、好ましくは被充填容器の搬送中に、被充填容器への充填製品の供給を充填バルブによって影響させ、分配バルブによって添加物リザーバから充填バルブ内に添加物を分配し、主成分リザーバからの主成分を充填バルブにて供給することを含む、充填製品での容器の充填方法が提案される。本発明により、添加物リザーバ内の添加物は充填操作中に交換される。
【0044】
このようにして、装置に関して上記で既に述べた利点が達成され得る。
【0045】
添加物は、好ましくは充填バルブが閉じた状態で、製造ステップ中に交換されることが好ましい。
【0046】
有利な改善では、添加物を交換するために、添加物リザーバ内の圧力が降下され、充填バルブが閉じ分配バルブが開いた状態で、添加物が少なくとも部分的に添加物リザーバ内に押し戻される。
【0047】
好ましくは、添加物が押し戻されたとき、添加物リザーバ内の添加物は交換され、次に、充填バルブで得られる添加物の圧力が充填バルブで得られる主成分の圧力より高くなるように、添加物リザーバ内の圧力が再び昇圧される。
【0048】
好ましい改善では、主成分による添加物の押し戻しは、流量計を相応に考慮して制御される。
【0049】
好ましい代替形態では、または補足として、本方法では、環状ライン内に存在する循環式ポンプが、添加物を環状ラインから押し出し、新たな添加物を導入するように切り替えられ得る。
【0050】
好ましくは、添加物は、別の媒体によって、および循環式ポンプによって環状ラインから押し出される。
【0051】
本発明の好ましいさらなる実施形態を、図の以下の説明によってさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】第1の例示的実施形態における、容器に充填製品を充填する装置の模式図である。
【
図3】第2の例示的実施形態における、容器に充填製品を充填する装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、好ましい例示的実施形態を図に基づいて説明する。同一、類似または同様に働く要素はここで、異なる図において同じ参照記号で提示され、これらの要素の繰り返した説明は、冗長さを避けるために部分的に省略されている。
【0054】
図1に、模式的に示された容器100に充填製品を充填するための装置1が示されている。被充填容器100は、装置1において模式的に示した充填バルブ2の下にそれぞれ配置されている。充填プロセスに応じて、容器100はここで、充填バルブ2に対して気密的に押し付けられるか、または、充填はフリージェットプロセスで行われる。充填バルブ2による容器100の充填はここで、容器100の搬送中に行われる。このため、充填バルブ2は、例えばフィラーカルーセル(ここでは図示せず)の周囲に配置され、被充填容器100は充填中にそれぞれ充填バルブ2の下で搬送される。
【0055】
充填バルブ2は、所定の体積、所定の質量または所定の充填高さで被充填容器100に流入することになっている充填製品の流入を適切に制御するように働く。特に、被充填容器100への充填製品の流入と、充填終了の時間は、確実なボトリングを相応に達成するために制御されることが意図されている。
【0056】
この文脈では、用語「制御する」は、容器への充填製品の流れの調節をも包含する。言い換えると、それぞれの充填バルブ2は、容器100に所望の量の充填製品が受容されるように、容器100にそれぞれ充填される充填製品の流れに影響を与える。
【0057】
充填バルブ2で、主成分リザーバ3内に保持された主成分は、主成分ライン30を介して供給される。主成分リザーバ3内に保持される主成分は、例えばそれぞれの充填製品の仕様に従って前処理された、例えば水または炭酸水によって構成される。
【0058】
主成分は主成分(供給)ライン30を介して充填バルブ2に供給され得る。主成分の体積流れを規定する流量計32が、被充填容器100の充填中に充填製品の流入体積を確保するために配設される。
【0059】
主成分の他に、第1の添加物リザーバ4からの添加物が充填バルブ2に供給され、充填バルブ2に添加物を分配するための分配バルブ40が配設されている。添加物は、添加物べセル46から、添加物ライン42を通って、分配バルブ40まで伝導される。添加物ライン42と添加物べセル46は、それらに添加物が充填され、それに従って、分配バルブ40で利用可能なように添加物を保持する故に、それぞれ添加物リザーバ4の部分を形成する。分配バルブ40に添加物を伝導する全てのさらなる構成要素および体積(ここでは図示せず)も同様に添加物リザーバ4の一部である。
【0060】
分配バルブ40によって、添加物リザーバ4内に存在する添加物は充填バルブ2に供給されることができ、添加物の流れは分配バルブ40を介して制御され得る。
【0061】
容器100に充填製品を充填するために、添加物リザーバ4からの添加物は例えば、充填バルブ2が閉じた状態で、分配バルブ40によって、充填バルブ2内に、または充填バルブ2内に配設されたプレチャンバ内に先ず分配される。
【0062】
充填バルブ2内に分配される添加物の体積は、例えば、主成分ライン30内に配置された流量計32を介して規定され得るが、それは、添加物を閉じた充填バルブ2内に、またはそのプレチャンバ内に分配することによって、充填バルブ2内に存在する主成分が主成分ライン30に再び押し戻されるからである。それに従って、添加物の分配中に流量計32は逆流を登録し、それは、充填バルブ2が閉じた状態で、充填バルブ2内に分配される添加物の量と等しい。
【0063】
所定量の添加物が充填バルブ2内に導入されれば、次に分配バルブ40が閉じられて、充填バルブ2に分配された添加物を主成分とともに被充填容器100にフラッシングして出すために充填バルブ2が開けられ得る。被充填容器100に導入されるべき液体の体積はこの場合同様に流量計32を介して規定され得るが、それは、流量計32を通って流れる総体積が、容器100に流入する体積に対応するからである。提供された充填体積に達すると、次に充填バルブ2が再び閉じられて、次の充填プロセスに備えるために、閉じた充填バルブ2への更新した添加物の分配が行われ得る。
【0064】
第2の添加物リザーバ5内に存在する第2の添加物にも同じプロセスが実行され得る。さらに、複数の添加物と主成分を含む充填製品をボトリングするために、両方の添加物が充填バルブ2に導入され得る。
【0065】
添加物のうち一方、例えば、添加物リザーバ4内に存在する添加物がここで、ボトリング操作中に製品の交換を実行するために交換されることになっている場合、充填バルブ2が閉じている段階中に、添加物は添加物交換装置6によって交換される。ここで添加物交換装置6は、通常のボトリング操作中に添加物リザーバ4内の添加物が交換されることを可能にする。
【0066】
このため、添加物交換装置6は、充填バルブ2と分配バルブ40から開始した添加物が添加物リザーバ4を通って逆流することを可能にするように設定される。この場合添加物は、少なくとも部分的に添加物リザーバ4に押し戻され得る。
【0067】
添加物の逆流を達成するために、添加物リザーバ4内の添加物にかかる圧力、例えば、予圧ガス圧は、例えば、分配バルブ40で得られる添加物の圧力が、充填バルブ2で得られる主成分の圧力よりも低くなるように降圧される。
【0068】
従って、添加物交換装置6、例えば、添加物リザーバ4内の圧力を制御または調整する与圧ガスバルブ44は、添加物を添加物リザーバ4内に押し戻す圧力が降下されるように切り替わり得る。
【0069】
その後、添加物交換装置6が、充填バルブ2が閉じた状態で分配バルブ40を切り替えると、主成分は、今や変更された圧力関係によって、主成分リザーバ3から添加物リザーバ4の方向に流れる。したがって、主成分は、添加物ライン42と分配バルブ40内に存在する添加物を、添加物が添加物リザーバ4内に完全に押し戻されるまで押し退け続ける。それに応じて押し退けられた体積は、体積流量計32を介して規定されることができ、それによって、添加物の全体積が既に添加物リザーバ4の上部に、特に好ましくは添加物ベセル内に押し戻されているかどうかが確定され得る。
【0070】
上記が確定した場合、添加物リザーバ4内の添加物が押し出されて添加物交換装置6を介して新たな添加物と交換されるか、または、添加物交換装置6は、添加物ベセルを、新たな添加物を保持するさらなる添加物ベセル(ここには図示せず)に切り替えてよい。
【0071】
この後、添加物交換装置6は今や新たな添加物を含んでいる添加物リザーバ4内の圧力を、分配バルブ40または充填バルブ2で得られる圧力が充填バルブ2で得られる主成分の圧力よりも再び高くなるように再び昇圧する。したがって、分配バルブ40が開けられたとき、この時点で新たな添加物は添加物リザーバ4を介して、特に、添加物ベセルから添加物ライン42を通って分配バルブ40に伝導され、そのプロセス中に再び、添加物ライン42から主成分を押し退ける。ここで、充填バルブ2が閉じた状態で、体積流量計32を介した場合と同様に、このプロセスが完了したかどうか、また、添加物が再び分配バルブ40または充填バルブ2に直に存在するかどうかが確定され得る。
【0072】
添加物交換のこのプロセスはそれぞれ、充填バルブ2が閉じられる段階で行われる。添加物の交換は、それぞれが充填バルブ2が閉じた状態で行われる2以上のステップでも行われる。
【0073】
こうして、進行中のボトリング操作中の添加物の交換が達成されることができ、充填操作中に、すると、第1の添加物が交換されているときに、被充填容器100への添加物の分配はそのとき全く行われず、したがって、例えば主成分としての炭酸鉱水のボトリングが行われるか、または、第2の添加物リザーバ5からの第2の添加物と主成分の組み合わせでの充填製品のボトリングが行われる。
【0074】
いずれの場合にも、充填操作が中断される必要はなく、工場では充填製品のボトリングを継続することができ、同時に、第1の添加物リザーバ4内の添加物の完全な交換が実行される。
【0075】
添加物の交換のために、ここで添加物交換装置6は、添加物を交換するために必要な圧力関係を得る場合に分配バルブ40を開けるか、または、適切なポンプが存在すれば、添加物の交換がさらなるボトリングプロセスに抵触しない場合に分配バルブ40を開ける。特に、常にそのようになるのは、例えば、新たな容器が取り上げられた故に、容器が存在しない故に、例えば排気または予圧またはフラッシングガスでのフラッシングによって容器が前処理中である故に、または、充填済み容器が減圧されて雰囲気圧にされた故に、または、容器が次の搬送装置への搬送に向けて準備中である故に、充填バルブ2が閉じている場合である。
【0076】
このことは、
図2の流れ図に模式的に示されている。並行して進行する、ボトリングと、添加物交換のステップがこの図に示されている。
【0077】
第1のステップS600では、被処理または被充填用の新たな容器100が最初に充填バルブ2の下に位置決めされて、充填の準備をされる。次に、ステップ602において、容器100は与圧ガスで予圧される。この予圧プロセス中に、並行して、ステップ604において、閉じた充填バルブ2への添加物の分配が、適切な分配バルブ50を開けることによって達成され得る。意図した分配量に達すると、分配バルブ50は再び閉じられる。
【0078】
ステップS606で、次に充填バルブ2が開けられ、ステップS604で既に充填バルブ2内に分配されている添加物と、充填バルブを開けることによって前記添加物に引き続いて流れる主成分からなる充填製品が、被充填容器にステップS606で充填される。
【0079】
例えば体積流量計32によってモニタされる充填体積の達成によって定義される充填の最後に達した後で、充填バルブ2は再び閉じられる。
【0080】
引き続いてステップS608で、充填バルブ2が閉じた状態で、その時点で充填製品が充填されているとともにその予圧および供給済充填製品による圧力下にある容器が、雰囲気圧に減圧される。
【0081】
ステップS610で、充填され雰囲気圧に減圧された容器が次に、充填プロセスから解放されてさらなる処理プロセス、例えば封止処理に供給される。
【0082】
減圧と並行して、ステップS612で、充填バルブ2が閉じた状態で、分配バルブ40はこのとき、添加物交換装置6が、添加物リザーバ4を、充填バルブ2で得られる主成分の圧力より低い圧力に設定した後で開けられることができ、その結果、この時点で、また、例えばステップS608と並行して、主成分は分配バルブ40によって、添加物ライン42内に存在する充填製品を添加物リザーバ4内に押し戻す。
【0083】
ステップS612におけるこの押し戻しは、ステップS608における容器の減圧と並行して、またステップS610における充填済み容器の取り外しとも並行して行なわれ得る。
【0084】
次に、分配バルブ40は、別の分配バルブ50を介して、充填バルブ2への添加物の更新された分配が開始すると直ぐに再び閉じられる。
【0085】
同様に、添加物交換装置6が、添加物リザーバ内の圧力4を、添加物が添加物リザーバ4から分配バルブ40の方向に流れ得るようなほど十分に高く再び設定したとき、ステップS612において、主成分は添加物ライン42から押し出されることができ、したがって、添加物ライン42にはその時点で交換済みの添加物が充填され得る。
【0086】
したがって、添加物交換装置6による添加物の交換は、装置1のフルスケールの動作中に行われることができ、充填バルブ2が閉じられる段階それぞれで周期的に行われ得る。
【0087】
図3に、模式的に示した容器100を充填するためのさらなる装置1が示されており、
添加物用の環状ライン400が、第1の添加物べセルおよび存在し得る供給ラインと組み合わせて第1の添加物リザーバ4を形成し、添加物用の第2の環状ライン500が第2の添加物べセルおよび存在し得る供給ラインと組み合わせて第2の添加物リザーバ5を形成する。それぞれの分配バルブ40,50はそれぞれ環状ライン400,500上にデッドスペースなしで配置されている。
【0088】
ここで、添加物交換装置6は、循環式ポンプ410または510を介して、それぞれの環状ライン400,500内で、それぞれの添加物べセルに存在する添加物体積の循環を達成する。
【0089】
したがって、添加物交換装置6によって添加物を交換するために、添加物がそれぞれの分配バルブ40,50で直接利用可能となるように、添加物が先ずそれぞれの添加物べセルから循環式ポンプ410によって環状ライン400を介して運ばれるということが達成され得る。循環式ポンプ410はそれに応じて添加物リザーバ4を介して添加物を運ぶ。製造プロセス中に、循環式ポンプ410は作動する必要はないが、寧ろ、圧力関係を得るために、添加物は次に添加物リザーバ4から分配バルブ40に供給される。
【0090】
このとき、添加物交換装置6を介して、例えば添加物リザーバ4内で添加物の交換が行われることになっていた場合、次に添加物リザーバ4は循環式ポンプ410によって空にされ、そこで添加物は、例えば対応する添加物交換バルブ420によって押し出され得る。
【0091】
添加物べセルが完全に空になれば、循環式ポンプ410によって環状ライン400をさらにフラッシングするために水が供給され得るか、または、新たな添加物が添加物リザーバ4に充填されることができ、それは次に、循環式ポンプ410によって、環状ライン400内に存在する前の残存添加物が同様に添加物交換バルブ420によって消散されるように、環状ライン400を通って運ばれる。
【0092】
したがって結果として、添加物の交換と循環式ポンプ410の操作の後で、環状ライン400が添加物交換装置4によって新たな添加物で完全に充填される。
【0093】
前記手順両方において、現行添加物が廃棄される必要なく、寧ろ、ボトリング操作中に主成分と共に、水と共に、または次の添加物と共に廃棄されるということによって、システムから完全に除去され得るということが達成される。
【0094】
その後、新たな添加物が次に再び利用可能となり、その結果、製造操作を停止させる必要がなく、同時に、添加物の効率良い使用がもたらされる。
【0095】
該当する場合、例示的実施形態に提示された全ての個々の特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに互いに組み合わせおよび/または交換され得る。
【符号の説明】
【0096】
1 容器を充填するための装置
2 充填バルブ
3 主成分リザーバ
30 主成分(供給)ライン
32 体積流量計
4 第1の添加物リザーバ
40 第1の分配バルブ
42 添加物ライン
44 与圧ガスバルブ
46 第1の添加物べセル
5 第2の添加物リザーバ
50 第2の分配バルブ
52 添加物ライン
54 与圧ガスバルブ
56 第2の添加物べセル
6 添加物交換装置
100 容器
400 環状ライン
410 循環式ポンプ
420 添加物交換バルブ
500 環状ライン
510 循環式ポンプ
520 添加物交換バルブ