(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】抗マラリア性ヘキサヒドロピリミジン類似体
(51)【国際特許分類】
C07D 239/22 20060101AFI20230904BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20230904BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230904BHJP
A61K 31/538 20060101ALI20230904BHJP
A61P 33/06 20060101ALI20230904BHJP
C07D 239/42 20060101ALI20230904BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20230904BHJP
C07D 403/06 20060101ALI20230904BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20230904BHJP
C07D 405/04 20060101ALI20230904BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20230904BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230904BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20230904BHJP
C07D 493/08 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
C07D239/22 CSP
A61K31/513
A61K31/5377
A61K31/538
A61P33/06
C07D239/42 Z
C07D401/12
C07D403/06
C07D403/12
C07D405/04
C07D405/14
C07D413/14
C07D471/04 101
C07D471/04 106A
C07D471/04 106C
C07D471/04 107E
C07D471/04 108A
C07D471/04 108X
C07D493/08
(21)【出願番号】P 2020554487
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2019058249
(87)【国際公開番号】W WO2019192992
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-03-01
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ ハロ ガルシア、テレサ
(72)【発明者】
【氏名】キング、ロイド マルコム
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、マーティン アリグザンダー
(72)【発明者】
【氏名】マッコス、マルコム
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、リチャード デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チュー、チャオニン
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/172255(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/118404(WO,A1)
【文献】特表2013-507368(JP,A)
【文献】国際公開第2017/144517(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/089453(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I
A)の化合物又はその薬学的に許容される塩
【化1】
(式中、
Zは、アリール又はヘテロアリールを表し、いかなるこれらの基も、
ハロゲン、シアノ、C
1-6
アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、オキソ、C
1-6
アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、C
1-6
アルキルスルホニル、ジ(C
1-6
)アルキルアミノ、C
2-6
アルキルカルボニル、C
2-6
アルコキシカルボニル及びジ(C
1-6
)アルキルスルホキシミノから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基によって任意に置換されていてよく;
R
1は、C
3-7シクロアルキル、C
3-7シクロアルキル(C
1-6)
アルキル、C
3-7
ヘテロシクロアルキル、C
3-7ヘテロシクロアルキル(C
1-6)アルキル、C
4-9ヘテロビシクロアルキル
又はC
4-9スピロヘテロシクロ
アルキルを表し、いかなるこれらの基
も、ハロゲン、シアノ、C
1-6
アルキル、トリフルオロメチル及びヒドロキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基によって任意に置換されていてよく; R
2、R
3及びR
4は、水素、ハロゲン又はトリフルオロメチルを独立して表す)。
【請求項2】
Zが、フェニル、ナフチル、2,3-ジヒドロインドリル、2,3-ジヒドロベンゾオキサジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ-[3,4-b]ピリジニル、インダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ-[4,5-b]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表し、いかなるこれらの基も、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、オキソ、C
1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、C
1-6アルキルスルホニル、ジ(C
1-6)アルキルアミノ、C
2-6アルキルカルボニル、C
2-6アルコキシカルボニル及びジ(C
1-6)アルキルスルホキシミノから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基によって任意に置換されていてよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(IIA)、又はこれらの薬学的に許容される塩によって表される、請求項1に記載の化合物
【化2】
(式中、
R
15及びR
16は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1-6)アルキル、C
1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、C
1-6アルキルチオ、C
1-6アルキルスルフィニル、C
1-6アルキルスルホニル、アミノ、C
1-6アルキルアミノ、ジ(C
1-6)アルキル-アミノ、アミノ(C
1-6)アルキル、ジ(C
1-6)アルキルアミノ(C
1-6)アルキル、C
2-6アルキルカルボニルアミノ、C
2-6アルコキシカルボニルアミノ、C
1-6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C
2-6アルキルカルボニル、カルボキシ、C
2-6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1-6アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1-6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C
1-6アルキルアミノスルホニル、ジ(C
1-6)アルキルアミノスルホニル又はジ(C
1-6)アルキル-スルホキシミノを独立して表し;
R
1、R
2及びR
3は、請求項1で定義されているとおりである)。
【請求項4】
R
15が、水素、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、C
1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、C
1-6アルキルスルホニル、C
2-6アルコキシカルボニル又はジ(C
1-6)アルキルスルホキシミノを表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R
16が、水素、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルキル、トリフルオロメチル又はC
1-6アルコキシを表す、請求項3又は4に記載の化合物。
【請求項6】
式(IIB)、又はこれらの薬学的に許容される塩によって表される、請求項1に記載の化合物
【化3】
(式中、
Vは、N又はCHを表し;
R
25は、メチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ又はジフルオロエトキシを表し;
R
1、R
2及びR
3は、請求項1で定義されているとおりである)。
【請求項7】
式(IIC)、又はこれらの薬学的に許容される塩によって表される、請求項1に記載の化合物
【化4】
(式中、
R
11は、水素又はメチルを表し;
R
12は、水素又はメチルを表し;
Z、R
2及びR
3は、請求項1で定義されているとおりである)。
【請求項8】
R
2がクロロを表す、請求項1から
7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
治療法に使用するための、請求項1に記載の式(I
A)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
マラリアの処置及び/又は予防に使用するための、請求項1に記載の式(I
A)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I
A)の化合物又はその薬学的に許容される塩を薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項12】
マラリアを処置及び/又は予防するための医薬を製造するための、請求項1に記載の式(I
A)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
マラリアを処置及び/又は予防する
ために用いられる、請求項11に
記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の複素環式化合物、及び治療法におけるその使用に関する。より詳細には、本発明は、薬学的に活性な置換ヘキサヒドロピリミジン誘導体、及びその類似体に関する。これらの化合物は、ヒト血液における熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)寄生生物の強力な成長及び増殖の阻害剤であり、したがって、特にマラリアの処置において医薬品として有益なものである。
【0002】
マラリアは、蚊介在性の感染性疾患であり、プラスモジウム(Plasmodium)属の寄生生物によって引き起こされ、破壊的な結果をもたらす。2010年には、推定2億2500万人の症例が報告され、61万人から97万1千人が死亡し、そのおよそ80%がサハラ以南のアフリカで発生し、大部分は幼児(5歳以下)であった。
したがって、ヒト血液における熱帯熱マラリア原虫寄生生物の強力な成長及び増殖阻害剤である本発明による化合物は、マラリアの処置において有益である。
【0003】
更に、本発明による化合物は、新規の生物学的試験の開発及び新規の薬理学的薬剤の探索に使用するための薬理学的な基準として有益な場合がある。したがって、本発明の化合物は、薬学的に活性な化合物を検出するためのアッセイにおける放射性リガンドとして有用であり得る。
国際公開第2017/142825号では、複素環式化合物のファミリーが記載されており、これらがin vitroでの熱帯熱マラリア原虫成長の強力な阻害剤であり、マラリアの処置に有用であり得ることが述べられている。
【0004】
国際公開第2017/089453号及び同第2017/144517号では、複素環式化合物が記載されており、これらがマラリアの処置において有益なプラスメプシンV活性の強力な選択的阻害剤であることが述べられている。
国際公開第2016/172255号、同第2016/118404号及び同第2011/044181号では、ある特定のクラスの複素環式化合物が記載されており、これらが、アルツハイマー疾患を包含するAβ-関連病状の処置に有用であり得るBACE阻害剤であることが述べられている。
【0005】
国際公開第2008/103351号、同第2006/065277号及び同第2005/058311号では、複素環式化合物のファミリーが記載されており、これらがアスパルチルプロテアーゼ阻害剤であることが述べられている。これらの刊行物に記載されている化合物は、マラリアを処置するための、とりわけプラスメプシン(特にプラスメプシンI及びII)を阻害する方法において有効であることも述べられている。
本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する
【化1】
(式中、
Wは、C(O)又はS(O)
2を表し;
Zは、アリール又はヘテロアリールを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよく;
R
1は、ヒドロキシによって任意に置換されたC
2-6アルキルを表すか;又はR
1は、C
3-7シクロアルキル、C
3-7シクロアルキル(C
1-6)アルキル、アリール(C
1-6)アルキル、C
3-7ヘテロシクロアルキル、C
3-7ヘテロシクロアルキル(C
1-6)アルキル、C
4-9ヘテロビシクロアルキル、C
4-9スピロヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール(C
1-6)アルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよく;
R
2、R
3及びR
4は、水素、ハロゲン又はトリフルオロメチルを独立して表す)。
【0006】
本発明による化合物は、国際公開第2016/172255号、同第2016/118404号、同第2011/044181号、同第2008/103351号、同第2006/065277号及び同第2005/058311号の最も広い一般的な範囲内に包含される。しかし、上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいかなる刊行物にも特定の開示は存在しない。
本発明は、治療法に使用するための上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩も提供する。
【0007】
本発明はまた、マラリアの処置及び/又は予防に使用するための上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、マラリアを処置及び/又は予防するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に有効量の上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、マラリアを処置及び/又は予防するための医薬を製造するための、上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
上記式(I)の化合物中のいかなる基も、任意に置換されたと述べられた場合、この基は、置換されていなくても、1つ又は2つ以上の置換基によって置換されていてよい。典型的には、そのような基は、置換されていないか、又は1つ、2つ若しくは3つの置換基によって、一般的には1つ若しくは2つの置換基によって置換されることになる。
【0008】
医薬品における使用に関しては、式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される塩であることになる。しかし、他の塩が、本発明において使用する化合物又はその薬学的に許容される塩の調製において有用な場合がある。薬学的に許容される塩の基本的な選択及び調製の基礎となる標準原理は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use、P.H.Stahl & C.G.Wermuth編、Wiley-VCH、2002年に記載されている。
【0009】
本発明において使用する化合物に存在していてよい好適なアルキル基としては、直鎖状及び分岐状C1-6アルキル基、例えば、C1-4アルキル基がある。典型的な例としては、メチル及びエチル基、並びに直鎖状又は分岐状プロピル、ブチル及びペンチル基がある。特にアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2,2-ジメチルプロピル及び3-メチルブチルがある。派生表現、例えば「C1-6アルコキシ」、「C1-6アルキルチオ」、「C1-6アルキルスルホニル」及び「C1-6アルキルアミノ」は、それに応じて解釈されるはずである。
【0010】
本明細書において使用する「C3-7シクロアルキル」という用語は、飽和単環式炭化水素由来の3から7個の炭素原子の一価の基を指し、そのベンゾ縮合類似体を含んでいてよい。好適なC3-7シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。
【0011】
本明細書において使用する「アリール」という用語は、単一の芳香環又は複数の縮合芳香環由来の一価の炭素環式芳香族基を指す。好適なアリール基としては、フェニル及びナフチル、好ましくはフェニルがある。
好適なアリール(C1-6)アルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びナフチルメチルがある。
【0012】
本明細書において使用する「C3-7ヘテロシクロアルキル」という用語は、3から7個の炭素原子、並びに酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和単環式環を指し、そのベンゾ縮合類似体を含んでいてよい。好適なヘテロシクロアルキル基としては、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ピロリジニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、クロマニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル、ピペラジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリニル、ヘキサヒドロ-[1,2,5]チアジアゾロ-[2,3-a]ピラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ベンゾオキサジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアジアゼパニル及びアゾカニルがある。
【0013】
本明細書において使用する「C4-9ヘテロビシクロアルキル」という用語は、飽和二環式炭化水素由来の4から9個の炭素原子の一価の基を指し、酸素、硫黄及び窒素から選択される1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含む。典型的なヘテロビシクロアルキル基としては、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、7-オキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘキサニル、6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル、キヌクリジニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-オキサビシクロ-[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、3-オキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3,7-ジオキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル及び3,9-ジアザビシクロ[4.2.1]ノナニルがある。
【0014】
本明細書において使用する「C4-9スピロヘテロシクロアルキル」という用語は、4から9個の炭素原子及び酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和二環式環系であって、2つの環が共通の原子によって連結されている飽和二環式環系を指す。好適なスピロヘテロシクロアルキル基としては、5-アザスピロ[2.3]ヘキサニル、5-アザスピロ[2.4]-ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]-ヘプタニル、3-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、6-チア-2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ-[3.4]オクタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナニル、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-オキサ-7-アザ-スピロ[3.5]ノナニル及び2,4,8-トリアザスピロ[4.5]デカニルがある。
【0015】
本明細書において使用する「ヘテロアリール」という用語は、単一の環又は複数の縮合環由来の少なくとも5個の原子を含む一価の芳香族基であって、1つ又は2つ以上炭素原が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1つ又は2つ以上ヘテロ原子によって置き換えられている芳香族基を指す。好適なヘテロアリール基としては、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[3,2-c]-ピリジニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]-ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-d]-ピリミジニル、インダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[2,1-b]-チアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、プリニル、イミダゾ[1,2-a]-ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ-[1,5-a]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、シンノリニル、フタラジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピラジニル、キノキサリニル、プテリジニル、トリアジニル及びクロメニル基がある。更なる基としては、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル及び[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニルがある。
本明細書において使用する「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子、典型的には、フッ素、塩素又は臭素を含むことを意図する。
【0016】
本発明による化合物のW含有6員環におけるキラル炭素原子の絶対立体化学配置は、上記式(I)において図示するとおりである。全般的には、本発明による化合物は、少なくとも51%エナンチオ純粋である(それにより、これらのサンプルは、式(I)において図示される51%以上のエナンチオマー及び49%以下の逆の対掌体を含むエナンチオマー混合物を含むことを意味する)。典型的には、本発明による化合物は、少なくとも60%エナンチオ純粋である。適切には、本発明による化合物は、少なくとも75%エナンチオ純粋である。好適には、本発明による化合物は、少なくとも80%エナンチオ純粋である。より好適には、本発明による化合物は、少なくとも85%エナンチオ純粋である。更により好適には、本発明による化合物は、少なくとも90%エナンチオ純粋である。更により好適には、本発明による化合物は、少なくとも95%エナンチオ純粋である。好ましくは、本発明による化合物は、少なくとも99%エナンチオ純粋である。理想的には、本発明による化合物は、少なくとも99.9%エナンチオ純粋である。
【0017】
したがって、式(I)の化合物が、1つ又は2つ以上の追加の不斉中心を有する場合、これらはエナンチオマーとして存在していてよい。本発明による化合物が、1つ又は2つ以上の追加の不斉中心を有する場合、これらはまたジアステレオマーとして存在していてよい。本発明は、全てのそのようなエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ体を包含するあらゆる割合のこれらの混合物の使用に及ぶことは理解されるべきである。式(I)及び以下で図示される式は、特に明記又は示されない限り、全ての個々の立体異性体及びこれらの全ての可能な混合物を表すことを意図する。更に、式(I)の化合物は、互変異性体、例えば、ケト(CH2C=O)⇔エノール(CH=CHOH)互変異性体又はアミド(NHC=O)⇔ヒドロキシイミン(N=COH)互変異性体又はイミド(NHC=NH)⇔アミノイミン(N=CNH2)互変異性体として存在していてよい。式(I)及び以下で図示される式は、特に明記又は示されない限り、全ての個々の互変異性体及びこれらの全ての可能な混合物を表すことを意図する。更に、ある特定の状況下で、例えばR2がハロゲンを表す場合、式(I)の化合物は、アトロプ異性体として存在していてよい。式(I)及び以下で図示される式は、特に明記又は示されない限り、全ての個々のアトロプ異性体及びこれらの全ての可能な混合物を表すことを意図する。
【0018】
式(I)又は以下で図示される式に存在する各個々の原子は、実際にはその天然同位体のあらゆる形態で存在していてよく、最も豊富な同位体(単数又は複数)が好ましいことが理解されるべきである。したがって、例として、式(I)又は以下で図示される式に存在する個々の水素原子は、それぞれ1H、2H(ジューテリウム;D)又は3H(トリチウム;T)原子、好ましくは1Hとして存在していてよい。同様に、例として、式(I)又は以下で図示される式に存在する個々の炭素原子は、それぞれ12C、13C又は14C原子、好ましくは12Cとして存在していてよい。
【0019】
第1の態様において、WはC(O)を表す。第2の態様において、WはS(O)
2を表す。
第1の態様において、本発明は、式(IA)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を提供する
【化2】
(式中、
Z、R
1、R
2、R
3及びR
4は、上記で定義されたとおりである)。
第2の態様において、本発明は式(IB)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を提供する
【化3】
(式中、
Z、R
1、R
2、R
3及びR
4は、上記で定義されたとおりである)。
【0020】
第1の態様において、Zはアリールを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。第2の態様において、Zはヘテロアリールを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0021】
典型的には、Zは、フェニル、ナフチル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、インダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、イミダゾ[1,2-a]-ピリジニル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、プリニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]-ピラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、シンノリニル、フタラジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピラジニル、キノキサリニル、プテリジニル、トリアジニル又はクロメニルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。更に、Zは、2,3-ジヒドロインドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサジニル、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル又は[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]-ピリジニルを表していてよく、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0022】
適切には、Zはフェニル、ナフチル、2,3-ジヒドロインドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、インダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、[1,2,4]-トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0023】
より詳細には、Zは、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
好適には、Zは、フェニル又はピリジニルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0024】
第1の態様において、Zはフェニルを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。第2の態様において、Zはピリジニルを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。第3の態様において、Zはピリダジニルを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。第4の態様において、Zはピリミジニルを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。第5の態様において、Zはピラジニルを表し、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0025】
Zにおける任意の置換基の典型的な例としては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-6)アルキル、オキソ、C1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、アミノ(C1-6)アルキル、ジ(C1-6)アルキルアミノ(C1-6)アルキル、C2-6アルキルカルボニルアミノ、C2-6アルコキシカルボニルアミノ、C1-6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2-6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2-6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1-6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1-6)アルキル-アミノスルホニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。追加の例としては、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチル-オキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ及びジ(C1-6)アルキルスルホキシミノがある。
【0026】
Zにおける任意の置換基の選択される例としては、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、オキソ、C1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、C1-6アルキルスルホニル、ジ(C1-6)アルキルアミノ、C2-6アルキルカルボニル、C2-6アルコキシカルボニル及びジ(C1-6)アルキルスルホキシミノから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
Zにおける任意の置換基の好適な例としては、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル及びトリフルオロメチルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0027】
Zにおける特定の置換基の典型的な例としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシイソプロピル、オキソ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノメチル、ジメチルアミノメチル、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチル-アミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。追加の例としては、tert-ブチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、イソプロポキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ及びジメチルスルホキシミノがある。
【0028】
Zにおける特定の置換基の選択される例としては、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、エチル、tert-ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シアノシクロブチル、フェニル、アゼチジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルテトラゾリル、オキソ、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、メチルスルホニル、ジメチルアミノ、アセチル、メトキシカルボニル及びジメチルスルホキシミノから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0029】
Zにおける特定の置換基の代表的な例としては、メチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ及びジフルオロエトキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
Zにおける特定の置換基の好適な例としては、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル及びトリフルオロ-メチルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0030】
Zの選択される値としては、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、メチルフェニル、tert-ブチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ビフェニリル、オキソピロリジニル-フェニル、オキサゾリルフェニル、メチルオキサジアゾリルフェニル、メトキシフェニル、イソプロポキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、フェノキシフェニル、メチレンジオキシフェニル、ジフルオロメチレンジオキシフェニル、メチルスルホニルフェニル、メトキシカルボニルフェニル、ジメチルスルホキシミノフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(シアノ)(フルオロ)-フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、(フルオロ)(ジフルオロメトキシ)-フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメトキシ)フェニル、(フルオロ)(メチルスルホニル)フェニル、(クロロ)-(シアノ)フェニル、(クロロ)(メチルスルホニル)フェニル、(シアノ)(トリフルオロメチル)フェニル、(シアノ)(メトキシ)フェニル、(シアノ)(ジフルオロメトキシ)フェニル、ジメチルフェニル、ジメトキシ-フェニル、トリフルオロフェニル、ナフチル、アセチル-2,3-ジヒドロインドリル、メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサジニル、(ジメチル)(フェニル)ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、フルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、メチルピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、メチルインダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、メチルイミダゾ[4,5-b]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピリジニル、フルオロピリジニル、クロロピリジニル、シアノピリジニル、メチルピリジニル、エチル-ピリジニル、tert-ブチルピリジニル、ジフルオロメチルピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、トリフルオロエチルピリジニル、シクロプロピルピリジニル、シクロブチルピリジニル、シアノシクロブチル-ピリジニル、アゼチジニルピリジニル、モルホリニルピリジニル、トリアゾリルピリジニル、メチルテトラゾリル-ピリジニル、メトキシピリジニル、ジフルオロメトキシピリジニル、トリフルオロメトキシピリジニル、ジフルオロエトキシピリジニル、トリフルオロエトキシピリジニル、ジメチルアミノピリジニル、(フルオロ)-(メトキシ)ピリジニル、(クロロ)(メチル)ピリジニル、(クロロ)(トリフルオロメチル)ピリジニル、(シアノ)(メチル)ピリジニル、(シアノ)(ジフルオロメチル)ピリジニル、(メチル)(トリフルオロメチル)-ピリジニル、(メチル)(オキソ)ピリジニル、(シクロプロピル)(オキソ)ピリジニル、(メトキシ)(メチル)-ピリジニル、(ジフルオロメトキシ)(メチル)ピリジニル、キノリニル、シアノキノリニル、ジフルオロ-メトキシキノリニル、イソキノリニル、メチルイソキノリニル、ジフルオロメトキシイソキノリニル、メチルピリダジニル、シクロプロピルピリダジニル、トリフルオロエトキシピリダジニル、メチル-ピリミジニル、tert-ブチルピリミジニル、トリフルオロメチルピリミジニル、シクロプロピルピリミジニル、メチルピラジニル、tert-ブチルピラジニル、シクロプロピルピラジニル及びジフルオロメトキシ-ピラジニルがある。
【0031】
Zの代表的な値としては、メチルピリジニル、シクロプロピルピリジニル、ジフルオロメトキシピリジニル、ジフルオロエトキシピリジニル、(ジフルオロメトキシ)(メチル)ピリジニル、シクロプロピルピリダジニル、シクロプロピルピリミジニル及びジフルオロメトキシピラジニルがある。
【0032】
Zの典型的な値としては、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル及びメチルピリジニルがある。
【0033】
適切には、R1は、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)-アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル(C1-6)アルキル、C4-9ヘテロビシクロアルキル、C4-9スピロヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール(C1-6)アルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0034】
全般的には、R1は、ヒドロキシによって任意に置換されたC2-6アルキルを表すか;又はR1は、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル(C1-6)アルキル又はヘテロアリール(C1-6)アルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
より詳細には、R1は、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル(C1-6)アルキル、アリール-(C1-6)アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル(C1-6)アルキル又はヘテロアリール(C1-6)-アルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0035】
好適には、R1は、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル(C1-6)アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル(C1-6)アルキル、C4-9ヘテロビシクロアルキル又はC4-9スピロヘテロシクロアルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
典型的には、R1は、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル(C1-6)アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル又はC3-7ヘテロシクロアルキル(C1-6)アルキルを表し、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0036】
R1の好適な値としては、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセタニルメチル、テトラヒドロピラニルメチル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニル及び2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニルがあり、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0037】
R1の典型的な値としては、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びテトラヒドロピラニルメチルがあり、いかなるこれらの基も、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
R1の特定の値はテトラヒドロピラニルであり、その基は、1つ又は2つ以上の置換基によって任意に置換されていてよい。
【0038】
R1における任意の置換基の典型的な例としては、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-6)アルキル、オキソ、C1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、アミノ(C1-6)アルキル、ジ(C1-6)アルキルアミノ(C1-6)アルキル、C2-6アルキルカルボニルアミノ、C2-6アルコキシカルボニルアミノ、C1-6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2-6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2-6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1-6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1-6アルキルアミノスルホニル及びジ(C1-6)アルキル-アミノスルホニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0039】
R1における任意の置換基の選択される例としては、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、トリフルオロメチル及びヒドロキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
R1における任意の置換基の好適な例としては、C1-6アルキル及びヒドロキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0040】
R1における特定の置換基の典型的な例としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシイソプロピル、オキソ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノメチル、ジメチルアミノメチル、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチル-アミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0041】
R1における特定の置換基の選択される例としては、フルオロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル及びヒドロキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
R1における特定の置換基の好適な例としては、メチル及びヒドロキシから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基がある。
【0042】
R1の選択される値としては、(シアノ)(メチル)シクロブチル、(ヒドロキシ)(メチル)-シクロブチル、(エチル)(ヒドロキシ)シクロブチル、(ヒドロキシ)(イソプロピル)シクロブチル、(ヒドロキシ)-(トリフルオロメチル)シクロブチル、シクロヘキシル、ジフルオロシクロヘキシル、ヒドロキシシクロプロピルメチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、メチルテトラヒドロピラニル、ジメチルテトラヒドロ-ピラニル、メチルオキセタニルメチル、テトラヒドロピラニルメチル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニル及び2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニルがある。
R1の特定の値としては、テトラヒドロピラニル、メチルテトラヒドロピラニル及びジメチルテトラヒドロピラニルがある。第1の態様において、R1はテトラヒドロピラニルを表す。第2の態様において、R1はメチルテトラヒドロピラニルを表す。第3の態様において、R1はジメチルテトラヒドロピラニルを表す。
【0043】
R1の好適な値としては、(ヒドロキシ)(メチル)シクロブチル、シクロヘキシル、ヒドロキシシクロプロピルメチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及びテトラヒドロ-ピラニルメチルがある。
全般的には、R2、R3及びR4は、水素又はハロゲンを独立して表す。
全般的には、R2は、水素又はハロゲンを表す。
第1の態様において、R2は水素を表す。第2の態様において、R2は、ハロゲン、特にフルオロ又はクロロを表す。その態様の1つの側面において、R2は、フルオロを表す。その態様の他の側面において、R2はクロロを表す。第3の態様において、R2はトリフルオロメチルを表す。
R2の選択される値としては、水素、フルオロ及びクロロがある。
好適には、R2はクロロを表す。
全般的には、R3は、水素又はハロゲンを表す。
【0044】
第1の態様において、R3は水素を表す。第2の態様において、R3は、ハロゲン、特にフルオロ又はクロロを表す。その態様の1つの側面において、R3はフルオロを表す。その態様の他の側面において、R3はクロロを表す。第3の態様において、R3はトリフルオロメチルを表す。
【0045】
R3の選択される値としては、水素、フルオロ及びクロロがある。
好適には、R3は、水素又はフルオロを表す。
全般的には、R4は、水素又はハロゲンを表す。
【0046】
第1の態様において、R4は水素を表す。第2の態様において、R4は、ハロゲン、特にフルオロ又はクロロを表す。その態様の1つの側面において、R4はフルオロを表す。その態様の他の側面において、R4はクロロを表す。第3の態様において、R4はトリフルオロメチルを表す。
好適には、R2は、水素又はハロゲンを表し;R3は、水素又はハロゲンを表し;R4は水素を表す。
適切には、R2はハロゲンを表し;R3は、水素又はハロゲンを表し;R4は水素を表す。
【0047】
全般的には、R
2は、水素又はハロゲンを表し;R
3及びR
4は両方とも水素を表す。
本発明による化合物の1つのサブクラスは、式(IIA)の化合物及びその薬学的に許容される塩によって表される
【化4】
(式中、
R
15及びR
16は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1-6)アルキル、C
1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、C
1-6アルキルチオ、C
1-6アルキルスルフィニル、C
1-6アルキルスルホニル、アミノ、C
1-6アルキルアミノ、ジ(C
1-6)アルキル-アミノ、アミノ(C
1-6)アルキル、ジ(C
1-6)アルキルアミノ(C
1-6)アルキル、C
2-6アルキルカルボニルアミノ、C
2-6アルコキシカルボニルアミノ、C
1-6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C
2-6アルキルカルボニル、カルボキシ、C
2-6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1-6アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1-6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C
1-6アルキルアミノスルホニル、ジ(C
1-6)アルキルアミノスルホニル又はジ(C
1-6)アルキル-スルホキシミノを独立して表し;
R
1、R
2及びR
3は、上記で定義されたとおりである)。
【0048】
全般的には、R15及びR16は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-6)アルキル、C1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、アミノ(C1-6)アルキル、ジ(C1-6)アルキルアミノ(C1-6)-アルキル、C2-6アルキルカルボニルアミノ、C2-6アルコキシカルボニルアミノ、C1-6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C2-6アルキルカルボニル、カルボキシ、C2-6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-6アルキル-アミノカルボニル、ジ(C1-6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C1-6アルキルアミノスルホニル又はジ(C1-6)アルキルアミノスルホニルを独立して表す。
【0049】
好適には、R15及びR16は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、C1-6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、C1-6アルキルスルホニル、C2-6アルコキシカルボニル及びジ(C1-6)アルキルスルホキシミノを独立して表す。
典型的には、R15及びR16は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル及びトリフルオロメチルを独立して表す。
【0050】
全般的には、R15及びR16は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシイソプロピル、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロ-メトキシ、フェノキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アミノメチル、ジメチルアミノメチル、アセチルアミノ、メトキシカルボニル-アミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチル-アミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル又はジメチルスルホキシミノを独立して表していてよい。
【0051】
特に、R15及びR16は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシイソプロピル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロ-メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、ジメチル-アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノメチル、アセチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチル-アミノスルホニル又はジメチルアミノスルホニルを独立して表していてよい。
【0052】
適切には、R15及びR16は、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチル-オキサジアゾリル、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、メチル-スルホニル、メトキシカルボニル又はジメチルスルホキシミノを独立して表していてよい。
より詳細には、R15及びR16は、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル又はトリフルオロメチルを独立して表していてよい。
【0053】
R15の好適な値としては、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、トリフルオロ-メチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、C1-6アルコキシ、ジフルオロ-メトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、C1-6アルキルスルホニル、C2-6アルコキシカルボニル及びジ-(C1-6)アルキルスルホキシミノがある。
R15の典型的な値としては、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル及びトリフルオロ-メチルがある。
【0054】
第1の態様において、R15は水素を表す。第2の態様において、R15はハロゲンを表す。その態様の第1の側面において、R15はフルオロを表す。その態様の第2の側面において、R15はクロロを表す。第3の態様において、R15はシアノを表す。第4の態様において、R15はC1-6アルキルを表す。その態様の第1の側面において、R15はメチルを表す。その態様の第2の側面において、R15はtert-ブチルを表す。第5の態様において、R15はトリフルオロメチルを表す。第6の態様において、R15はフェニルを表す。第7の態様において、R15はオキソ-ピロリジニル(特に2-オキソピロリジン-1-イル)を表す。第8の態様において、R15はオキサゾリル(特にオキサゾール-5-イル)を表す。第9の態様において、R15はメチル-オキサジアゾリル(特に2-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル)を表す。第10の態様において、R15はC1-6アルコキシを表す。その態様の第1の側面において、R15はメトキシを表す。その態様の第2の側面において、R15はイソプロポキシを表す。第11の態様において、R15はジフルオロメトキシを表す。第12の態様において、R15はトリフルオロメトキシを表す。第13の態様において、R15はフェノキシを表す。第14の態様において、R15はC1-6アルキルスルホニルを表す。その態様の第1の側面において、R15はメチルスルホニルを表す。第15の態様において、R15はC2-6アルコキシ-カルボニルを表す。その態様の第1の側面において、R15はメトキシカルボニルを表す。第16の態様において、R15はジ(C1-6)アルキルスルホキシミノを表す。その態様の第1の側面において、R15はジメチルスルホキシミノを表す。
【0055】
R15の特定の値としては、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、オキソピロリジニル、オキサゾリル、メチルオキサジアゾリル、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、メチルスルホニル、メトキシ-カルボニル及びジメチルスルホキシミノがある。
【0056】
R15の特定の値としては、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル及びトリフルオロメチルがある。
R16の選択される値としては、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、トリフルオロ-メチル及びC1-6アルコキシがある。
R16の典型的な値としては、水素及びハロゲンがある。
【0057】
第1の態様において、R16は水素を表す。第2の態様において、R16はハロゲンを表す。その態様の第1の側面において、R16はフルオロを表す。その態様の第2の側面において、R16はクロロを表す。第3の態様において、R16はシアノを表す。第4の態様において、R16はC1-6アルキルを表す。その態様の第1の側面において、R16はメチルを表す。第5の態様において、R16はトリフルオロ-メチルを表す。第6の態様において、R16はC1-6アルコキシを表す。その態様の第1の側面において、R16はメトキシを表す。
R16の特定の値としては、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシがある。
R16の適切な値としては、水素、フルオロ及びクロロがある。
【0058】
R
16の好適な値としては、水素及びフルオロがある。
本発明による化合物の他のサブクラスは、式(IIB)の化合物及びその薬学的に許容される塩によって表される
【化5】
(式中、
Vは、N又はCHを表し;
R
25は、メチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ又はジフルオロエトキシを表し;
R
1、R
2及びR
3は、上記で定義されたとおりである)。
第1の態様において、VはNを表す。第2の態様において、VはCHを表す。
【0059】
第1の態様において、R
25はメチルを表す。第2の態様において、R
25はシクロプロピルを表す。第3の態様において、R
25はジフルオロメトキシを表す。第4の態様において、R
25はジフルオロエトキシ(特に2,2-ジフルオロエトキシ)を表す。
本発明による化合物の更なるサブクラスは、式(IIC)の化合物及びその薬学的に許容される塩によって表される
【化6】
(式中、
R
11は、水素又はメチルを表し;
R
12は、水素又はメチルを表し;
Z、R
2及びR
3は、上記で定義されたとおりである)。
第1の態様において、R
11は水素を表す。第2の態様において、R
11はメチルを表す。
第1の態様において、R
12は水素を表す。第2の態様において、R
12はメチルを表す。
【0060】
第1の態様において、R11及びR12は両方とも水素を表す。第2の態様において、R11は水素を表し、R12はメチルを表す。第3の態様において、R11及びR12は両方ともメチルを表す。
本発明による特定の新規な化合物としては、その調製が添付の例に記載される各化合物及びその薬学的に許容される塩がある。
【0061】
本発明はまた、上述のような本発明による化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を1つ又は2つ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。
本発明による医薬組成物は、経口、バッカル、非経口、経鼻、局所、眼若しくは直腸投与に好適な形態、又は吸入若しくは吹入投与に好適な形態をとっていてよい。
【0062】
経口投与に関しては、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);フィラー(例えば、ラクトース、微結晶セルロース又はリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はグリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を用いて従来の手段によって調製された、例えば、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形態をとっていてよい。錠剤は、本技術において周知の方法によって被覆してよい。経口投与用の液状調製剤は、例えば、液剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態をとっていてよいか、又はこれらは、使用する前に水若しくは他の好適なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として提供してよい。そのような液状調製剤は、薬学的に許容される添加物、例えば、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル又は保存剤を用いて従来の手段によって調製してよい。調製剤は、緩衝塩、香味剤、着色剤又は甘味剤を必要に応じて含んでいてよい。
【0063】
経口投与用の調製剤は、活性化合物の制御放出を得るために好適に製剤化されていてよい。
バッカル投与に関しては、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤又はトローチ剤の形態をとっていてよい。
【0064】
式(I)の化合物は、注射による、例えばボーラス注射又は点滴による非経口投与用に製剤化されていてよい。注射用製剤は、単位投薬形態、例えばガラスアンプルで又は多回用量容器、例えばガラスバイアルで提供されてもよい。注射用組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又はエマルション剤などの形態をとっていてよく、配合薬剤、例えば懸濁化剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤を含んでいてよい。或いは、活性成分は、使用する前に好適なビヒクル、例えば滅菌発熱因子不含水を用いて構成するための粉末形態であってよい。
上述の製剤に加えて、式(I)の化合物は、デポー調製物として製剤化してもよい。そのような長時間作用型製剤は、埋め込みによって又は筋肉内注射によって投与してよい。
【0065】
経鼻投与又は吸入による投与に関しては、本発明による化合物は、好適な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適な気体又は気体混合物を使用して、加圧パック又はネブライザー用のエアロゾル噴霧剤を提示する形態で都合よく送達することができる。
組成物は、必要に応じて、活性成分を含む1つ又は2つ以上の単位投薬形態を含み得るパック又は分注デバイスで提示されてもよい。パック又は分注デバイスは、投与のための取扱説明書を伴う場合がある。
【0066】
局所投与に関しては、本発明において使用する化合物は、1つ又は2つ以上の薬学的に許容される担体中に懸濁又は溶解された活性構成成分を含む好適な軟膏剤として好都合には製剤化されていてよい。特定の担体としては、例えば、鉱油、液体石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水がある。或いは、本発明において使用する化合物は、1つ又は2つ以上の薬学的に許容される担体中に懸濁又は溶解された活性構成成分を含む好適なローション剤として製剤化されていてよい。特定の担体としては、例えば、鉱油、ソルビタンモノステアラート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2-オクチルドデカノール及び水がある。
【0067】
眼投与に関しては、本発明において使用する化合物は、保存剤、例えば、殺菌又は殺真菌剤、例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム物又は酢酸クロルヘキシジンを含む又は含まない、等張のpH調整滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁剤として好都合には製剤化されていてよい。或いは、眼投与に関しては、化合物は、軟膏剤、例えばワセリン中に製剤化されていてよい。
直腸投与に関しては、本発明において使用する化合物は、坐剤として好都合には製剤化されていてよい。これらは、活性構成成分を、室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、直腸で融解し、活性構成成分を放出するであろう好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料としては、例えば、ココアバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールがある。
【0068】
特定の状態の予防法又は処置に必要な本発明において使用する化合物の量は、選択された化合物及び処置されることになる患者の状態によって変わることになる。しかし、全般的には、1日投薬量は、およそ10ng/kgから1000mg/kg、典型的には、経口又はバッカル投与に関しては、100ng/kgから100mg/kg、例えば約0.01mg/kgから40mg/kg体重、非経口投与に関しては、およそ10ng/kgから50mg/kg体重、及び経鼻投与又は吸入若しくは吹入による投与に関しては、約0.05mgから約1000mg、例えば約0.5mgから約1000mgの範囲であってよい。
上記で定義されたような式(I)の化合物を調製するための一般的な方法は、国際公開第2016/172255号、同第2016/118404号、同第2011/044181号及び同第2008/103351号に記載されている。
【0069】
本発明による化合物は、式Z-B(OH)
2の化合物を、式(III)の化合物と、
【化7】
遷移金属触媒の存在下で反応させ、続いて必要に応じて、N-保護基R
pを除去するステップを含むプロセスによって調製してよい(式中、W、Z、R
1、R
2、R
3及びR
4は、上記で定義されたとおりであり、R
pは、水素又はN-保護基を表す)。
【0070】
好適には、上記反応において使用する遷移金属触媒は、銅(II)塩、例えば酢酸銅(II)である。好適には、反応は、塩基、典型的には、有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で行われる。
式Z-B(OH)2の化合物と化合物(III)との間の反応は、好都合には、好適な溶媒、例えば塩素系溶媒、例えばジクロロメタン中、周囲温度で達成される。
好適には、N-保護基Rpはtert-ブトキシカルボニル(BOC)である。
N-保護基RpがBOCである場合、その後のBOC基の除去は、好適な溶媒、例えば塩素系溶媒、例えばジクロロメタン、又は環状エーテル、例えば1,4-ジオキサン中、典型的には、周囲温度で、酸、例えば無機酸、例えば塩酸、又は有機酸、例えばトリフルオロ酢酸を用いて処置することによって好適に達成してよい。
【0071】
代替の手順において、本発明による化合物は、上記で定義されたような式(III)の化合物を、式Z-L1の化合物と、遷移金属触媒の存在下で反応させ、続いて必要に応じて、N-保護基Rpを除去するステップを含むプロセスによって調製してよい(式中、Zは上記で定義されたとおりであり、L1は好適な脱離基を表す)。
好適には、脱離基L1は、ハロゲン原子、例えばクロロ、ブロモ又はヨードである。
【0072】
好適には、式Z-L1の化合物と化合物(III)との間の反応において使用する遷移金属触媒は、パラジウム含有触媒である。典型的なパラジウム含有触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);酢酸パラジウム(II);クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-イソプロピル-1,1’-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BrettPhos Pd G1);[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート(BrettPhos Pd G3);及び(2-ジシクロヘキシル-ホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート(RuPhos Pd G3)がある。
【0073】
好適には、反応は、有機リン試薬(ホスフィン配位子)の存在下で行われる。典型的なホスフィン配位子としては、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos);4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(キサントホス);(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(rac-BINAP);及び2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(BrettPhos)がある。
【0074】
好適には、反応は塩基の存在下で行われる。典型的な塩基としては、リン酸塩、例えばアルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸カリウム;アルコキシド塩、例えばアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムtert-ブトキシド;及び炭酸塩、例えばアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸セシウムがある。
反応は、好適な溶媒、例えば芳香族溶媒、例えばトルエン;又は環状エーテル、例えば1,4-ジオキサン中、高温で好都合には達成される。
【0075】
代替の手順において、本発明による化合物は、2ステッププロセスによって調製してよく、そのプロセスは、(i)上記で定義されたような式(III)の化合物を塩基で処置し;(ii)得られた材料を式Z-L2の化合物と反応させ、続いて必要に応じて、N-保護基Rpを除去するステップを含む(式中、Zは上記で定義されたとおりであり、L2は好適な脱離基を表す)。
好適には、脱離基L2は、ハロゲン原子、例えばフルオロである。
【0076】
ステップ(i)は、化合物(III)を、塩基と処置することを含む。好適には、塩基は、アルキルリチウム、例えばtert-ブチルリチウムであってよい。
プロセスは、好適な溶媒、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中、低温条件下、例えば-78℃付近の温度で好都合には行われる。
【0077】
WがC(O)を表す上記式(III)の中間体は、式(IV)の化合物を、
【化8】
塩基と処置し、続いてN-保護基R
qを除去することによって調製してよい(式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
pは、上記で定義されたとおりであり、R
qはN-保護基を表し、及びR
wは、C
1-4アルキル、特にメチルを表す)。
好適には、上記反応において使用する塩基は、C
1-4アルコキシド塩、典型的には、アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムtert-ブトキシドである。反応は、好適な溶媒、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中、周囲温度で好都合には達成される。
好適には、N-保護基R
qはベンジルオキシカルボニルである。
【0078】
N-保護基R
qがベンジルオキシカルボニルである場合、その後のベンジルオキシカルボニル基の除去は、触媒的水素化によって好適に達成してよい。典型的には、これは、水素化触媒、例えばパラジウム木炭の存在下、気体水素を用いた処置を伴うことになる。
上記式(IV)の中間体は、式(V)の化合物を、式(VI)の化合物と反応させることによって調製してよい
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
p、R
q及びR
wは、上記で定義されたとおりである)。
【0079】
全般的には、化合物(V)と(VI)との間の反応は、カップリング剤の存在下で行われる。好適なカップリング剤は、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)である。好適には、反応は、塩基、典型的には有機塩基、例えばN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で行われる。
化合物(V)と(VI)との間の反応は、好適な溶媒、例えば双極性非プロトン性溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド中、周囲温度で好都合に達成される。
ある特定の状況下で、化合物(V)と(VI)との間の反応は、式(III)の対応する化合物へ直接進行するであろう。
【0080】
代替の手順において、上記式(III)の中間体は、式(VII)の化合物を、
【化10】
還元剤を用いて処置することによって調製してよい(式中、W、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
pは、上記で定義されたとおりである)。
好適には、上記反応において使用する還元剤は、亜鉛及びギ酸アンモニウムの混合物であってよく、その場合、反応は、好都合には、好適な溶媒、例えばC
1-4アルカノール、例えばメタノール中、周囲温度で達成されてもよい。
或いは、還元剤は、塩化スズ(II)であってよく、その場合、反応は、好都合には、好適な溶媒、例えばC
1-4アルカノール、例えばエタノール中、高温で達成されてもよい。
或いは、式(VII)の化合物は、従来の触媒的水素化によって還元してよく、その場合、反応は、好都合には、化合物(VII)を、水素化触媒、例えばパラジウム木炭の存在下、気体水素で処置することによって達成されてもよい。反応は、典型的には、好適な溶媒、例えばC
1-4アルカノール、例えばメタノール中、周囲温度で行われることになる。
【0081】
WがC(O)を表す上記式(VII)の中間体は、式(VIII)の化合物を、
【化11】
塩基を用いて、化合物(IV)に関して上述のように処置することによって調製してよい(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
p及びR
wは、上記で定義されたとおりである)。
【0082】
上記式(VIII)の中間体は、上記で定義されたような式(VI)の化合物を、
【化12】
化合物(V)と(VI)との間の反応に関する上述のものと類似の条件を用いて、式(IX)の化合物と反応させることによって調製してよい(式中、R
2、R
3、R
4及びR
wは、上記で定義されたとおりである)。
【0083】
代替の手順において、本発明による化合物は、式Z-NH
2の化合物を、式(X)の化合物と、
【化13】
化合物(III)と式Z-L
1の化合物との間の反応に関する上述のものと類似の条件を用いて反応させ、続いて必要に応じて、N-保護基R
pを除去するステップを含むプロセスによって調製してよい(式中、W、Z、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
pは、上記で定義されたとおりであり、L
3は好適な脱離基を表す)。
好適には、脱離基L
3は、ハロゲン原子、例えばヨードである。
【0084】
L3がヨードである上述の式(X)の中間体は、上記で定義されたような式(III)の化合物を、銅(I)ヨウ化物と、アルキル亜硝酸塩、例えばtert-ブチル亜硝酸塩の存在下で反応させることによって調製してよい。反応は、好適な溶媒、例えばニトリル溶媒、例えばアセトニトリル中、周囲温度で好都合に行われる。
これらが市販されていない場合、式(V)、(VI)及び(IX)の出発材料は、添付の例に記載されたものと類似の方法によって、又は当業者に周知の標準的な方法によって調製してよい。
【0085】
上記プロセスのいずれかから最初に得られたあらゆる式(I)の化合物が、適切な場合、その後、当技術分野で既知の技術によって更なる式(I)の化合物へ合成(Elaborate)してよいことは理解されるであろう。
【0086】
生成物の混合物が、本発明による化合物の調製に関する上述のプロセスのいずれかから得られる場合、所望の生成物は、従来の方法、例えば分取HPLC;又は例えばシリカ及び/又はアルミナを適切な溶媒系と組み合わせて利用するカラムクロマトグラフィーによって適切な段階でそこから分離することができる。
【0087】
本発明による化合物を調製するための上述のプロセスによって、立体異性体混合物が得られ、これらの異性体は、従来技術によって分離してよい。特に、式(I)の化合物の特定のエナンチオマーを得ることが望ましい場合、これは、エナンチオマーを分割するためのあらゆる好適な従来の手順を使用してエナンチオマーの対応する混合物から生成してよい。したがって、例えば、ジアステレオマー誘導体、例えば塩は、式(I)のエナンチオマー混合物、例えばラセミ体と、適切なキラル化合物、例えばキラル塩基との反応によって生成してよい。次いで、ジアステレオマーは、あらゆる好都合な手段によって、例えば、結晶化によって分離してよく、ジアステレオマーが塩である場合、所望のエナンチオマーは、例えば酸で処置することによって回収される。他の分解プロセスにおいて、式(I)のラセミ体は、キラルHPLCを使用して分離してよい。更に、必要に応じて、特定のエナンチオマーは、上述のプロセスのうちの1つにおける適切なキラル中間体を使用することによって得てもよい。或いは、特定のエナンチオマーは、エナンチオマー特異的酵素生体内変換、例えばエステラーゼを使用したエステル加水分解を行い、次いで、未処置のエステル対掌体からエナンチオ純粋に加水分解された酸のみを精製することによって得てもよい。本発明の特定の幾何異性体を得ることが望ましい場合、クロマトグラフィー、再結晶化及び他の従来の分離手順も中間体又は最終生成物と共に使用してよい。
【0088】
上記合成順序のいずれかの間、関連する分子のいずれかにおける高感受性又は反応性基を保護する必要がある場合及び/又はそれが望ましい場合がある。これは、従来の保護基、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry、J.F.W.McOmie編、PlenumPress、1973年;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、第3版、1999年に記載されているものを用いて達成してよい。保護基は、当技術分野で既知の方法を利用して、あらゆる好都合なその後の段階において除去してよい。
以下の例は、本発明による化合物の調製を例示する。
【0089】
本発明の化合物は、ヒト血液における熱帯熱マラリア原虫寄生生物の強力な成長及び増殖阻害剤である。したがって、これらは、熱帯熱マラリア原虫3D7無性血液段階アッセイにおいて活性を示し、50μM以下、一般的に20μM以下、通常5μM以下、典型的には1μM以下、好適には500nM以下、理想的には100nM以下、好ましくは20nM以下のIC50値を示す(当業者であれば、IC50値が低いほど、より活性を示す化合物であることは理解するであろう)。
【0090】
無性血液段階アッセイ
熱帯熱マラリア原虫3D7株の血流段階に対する被検化合物の効果を測定するために使用されるアッセイは、読み出し物質(readout)としてSYBRグリーンを用いる。これは、二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)に結合して、蛍光を増加させる染料であり、感染した赤血球における熱帯熱マラリア原虫DNAを検出し、その結果、寄生生物の成長及び増殖が測定される。
【0091】
熱帯熱マラリア原虫培養物の維持
赤血球(A+血液)を、不完全培地(培地1リットル中、RPMI1640(25mMのHEPES、L-グルタミン)15.9g、NaHCO3 1g、グルコース2g、ゲンタシン(500mg/mL)400μL、ヒポキサンチン溶液(pH7.3の0.1M NaOH中、13.6g/L)2mL)で4回洗浄することによって、寄生生物培養とアッセイの両方のために調製した。細胞を、1800gで5分間遠心分離してから、上澄みをデカントし、新鮮な不完全培地中に再懸濁した。最後の洗浄時に、細胞を、完全培地(5g/L AlbumaxIIを含む不完全培地)中に再懸濁し、1800gで3分間遠心分離した。この細胞堆積物を100%ヘマトクリットとして処置した。
熱帯熱マラリア原虫3D7を、37℃(1% O2、3% CO2、残りN2)の完全培地中、5%ヘマトクリットの赤血球において培養した。培養物を毎週分割し、新鮮な培地中、5%ヘマトクリットの赤血球において1%寄生虫血症を達成した。培養培地は、1日おきに新鮮な培地で置き換える(週に2回)。
【0092】
アッセイ手順-バージョン1
1日目に、被検化合物を、Echo分散技術(3倍希釈及び10ポイント滴定)を使用してアッセイプレートに添加した。各化合物の希釈液50nLを培養物(5%ヘマトクリット、0.5%寄生虫血症)50μLへ添加し、37℃(1%O2、3%CO2、残りN2)で72時間インキュベートした。被検化合物の最終濃度は、0.5%DMSO中、10,000nMから0.51nMの範囲であった。
4日目に、溶解緩衝液(20mMトリスpH7.9、5%EDTA、0.16%w/v、1.6%TX100v/v)で1/3の濃度にプレ希釈した(pre-diluted to 3 x concentrate)SYBRグリーン(Invitrogen S7563、DMSO中、1/10,000の濃度のまま(as 10,000 x concentrate)供給された)10μLを、培養物へ添加し、室温の暗所で一晩インキュベートした。
【0093】
5日目に、蛍光性シグナルを、Bio Tekプレートリーダー(励起485nm、放出528nm)を使用して測定した。全てのデータを、IDBS ActivityBaseを使用して処理した[10]。生データを、高阻害対照を100%として且つ非阻害対照を0%として設定することによって、線形回帰により阻害パーセントへ変換した。合格プレートに関する品質対照基準は、以下のとおりであった:Z’>0.5、S:B>3、CV
(非阻害対照)%<15。Z’を計算するために使用した式は
【数1】
である。
【0094】
全てのEC
50カーブフィッテイングを、以下の4つのパラメーター方程式を使用して行った
【数2】
(式中、A=最低の阻害%;B=最高の阻害%;C=EC
50;D=傾き;x=阻害濃度;及びy=阻害%)。曲線が100%阻害に達しなかった場合、少なくとも50%阻害に達したときのBを100に固定した。
【0095】
アッセイ手順-バージョン2
1日目に、被検化合物を、Echo分散技術(1.5倍希釈及び20ポイント滴定)を使用してアッセイプレートに添加した。各化合物の希釈液50nLを培養物(5%ヘマトクリット、0.5%寄生虫血症)50μLへ添加し、37℃(1%O2、3%CO2、残りN2)で72時間インキュベートした。被検化合物の最終濃度は、0.5%DMSO中、50,000nMから15nMの範囲であった。
【0096】
4日目に、溶解緩衝液(20mMトリスpH7.9、5%EDTA、0.16%w/v、1.6%TX100v/v)で1/3の濃度にプレ希釈したSYBRグリーン(Invitrogen S7563、DMSO中、1/10,000の濃度のまま供給された)10μLを、培養物へ添加し、室温の暗所で一晩インキュベートした。
【0097】
5日目に、蛍光性シグナルを、Bio Tekプレートリーダーを使用して測定した(励起485nm、放出528nm)。全てのデータを、IDBS ActivityBaseを使用して処理した。生データを、高阻害対照(メフロキン)を100%として且つ非阻害対照(DMSO)を0%として設定することによって、線形回帰により阻害パーセントへ変換した。合格プレートに関する品質対照基準は、以下のとおりであった:Z’>0.5、S:B>3、
%CV
(非阻害対照)<15。Z’を計算するために使用した式は
【数3】
である
(式中、μは平均を示し;σは標準偏差を示し;pは陽性対照を示し;nは陰性対照を示す)。
【0098】
全てのEC
50カーブフィッテイングを、XLフィットモデル300(IDBS)を使用した以下の2相性2部位用量応答を使用して行った
【数4】
(式中、A=100-上部曲線1の最高値及び下部曲線の最低値;B=傾斜の傾き;log(C)=低い位置におけるIC
50濃度;log(D)=高い位置におけるIC
50濃度;x=阻害濃度;及びy=阻害%)。
【0099】
上述のような熱帯熱マラリア原虫3D7無性血液段階アッセイ(バージョン1又はバージョン2)で試験を行った場合、添付の例の化合物は、以下のIC50値を示すことが認められた。
【0100】
アスタリスク(*)で示される引用符付きのIC
50値は、アッセイ手順のバージョン2から得た。全ての他の引用符付きのIC
50値は、アッセイ手順のバージョン1から得た。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
例
略語
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
MeOH:メタノール
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム
TFAA:トリフルオロ酢酸無水物
EtOH:エタノール
DEA:ジエチルアミン
mCPBA:3-クロロ過安息香酸
EDC.HCl:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩
KHMDS:カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
Pd
2(dba)
3:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
BrettPhosPdG1:クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)
BrettPhosPdG3:[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート
RuPhosPdG3:(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナート
XPhos:2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
キサントホス:4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
rac-BINAP:(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン
BrettPhos:2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル
h:時間
M:質量
r.t.:室温
RT:保持時間
DAD:ダイオードアレイ検出器
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
ESI:エレクトロスプレーイオン化
【0101】
命名法
化合物は、ACD/Name Batch(Network)バージョンを用いて命名した。
【0102】
材料
市販されているZn末は、希釈した1N HClと撹拌し、次いで水、メタノール及びアセトンで洗浄し、続いて100~120℃の真空下で15分間乾燥することによって活性化した。
【0103】
分析条件
LCMSデータ及びQCデータを得るために用いた。
方法1
カラム:Waters X Bridge C18、2.1×30mm、2.5μm
注入容積5.0μL
流速1.00mL/分
検出:
MS-ESI+m/z150から800
UV-DAD220~400nm
溶媒A 5mMギ酸アンモニウム、水+0.1%アンモニア中
溶媒B アセトニトリル+5%溶媒A+0.1%アンモニア
勾配プログラム:
5%Bから95%B、4.0分;最大5.00分保持する;
5.10分でBの濃度は5%である;最大6.5分保持する
方法2
機器名:LCMS/MS API 2000
機器製造業者:Applied Biosystem
HPLC:Shimadzu Prominence
カラム(名称、サイズ、タイプ):Zorbax Extend(C18、4.6×50mm、5ミクロン)
溶出液(溶媒):チャンネルA:10mM酢酸アンモニウム、水中、チャンネルB:アセトニトリル(有機相)
二重波長:220及び260nm
検出器:UV
勾配条件:溶媒A:緩衝液10mM酢酸アンモニウム、水中、溶媒B:アセトニトリル
流速:1.2mL/分
LC-MS勾配:
移動相:90%緩衝液10mM酢酸アンモニウム、水中及び10%アセトニトリルから70%緩衝液10mM酢酸アンモニウム、水中及び30%アセトニトリル、1.5分;更に、10%緩衝液10mM酢酸アンモニウム、水中及び90%アセトニトリル、3.0分;この移動相組成を4分まで維持し、5分で最終的に最初の条件に戻す。
【表2】
質量条件
イオン化技術:API(大気圧イオン化)原料を使用したESI(電子スプレーイオン化)
デクラスタリング電位:10~70V、化合物のイオン化による
質量範囲:100~800amu
スキャンタイプ:Q1
極性:+ve
イオン源:Turboスプレー
イオンスプレー電圧:+veモードに関して+5500
質量原料温度:200℃
方法3
カラム:Waters UPLC X Bridge BEH(C18、2.1×50mm、2.5μm)
温度:45℃
注入容積:1.0μL
流速:1.00mL/分
検出:質量分析法- +/-検出、同様のランにおいて
PDA:210から400nm
溶媒A:10mMギ酸アンモニウム、水+0.1%アンモニア中
溶媒B:95%アセトニトリル+5%H
2O+0.1%アンモニア
【表3】
方法4
カラム:Waters UPLC X Bridge BEH(C18、2.1×50mm、2.5μm)
温度:45℃
注入容積:1.0μL
流速:1.00mL/分
検出:質量分析法- +/-検出、同様のランにおいて
PDA:210から400nm
溶媒A:10mMギ酸アンモニウム水+0.1%ギ酸中
溶媒B:95%アセトニトリル+5%H
2O+0.1%ギ酸
【表4】
方法5
カラム:Zorbax Extend C18(50×4.6mm、5μ、80A)
移動相:50:50[10mM酢酸アンモニウム、水中]:アセトニトリルから5:95[10mM酢酸アンモニウム水中]:アセトニトリルへの勾配、1.5分にわたる、次いで溶出を4分まで継続。
流速:1.2mL/分
【0104】
中間体1
N-[1-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)エチリデン]-(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
乾燥THF(100mL)中の、1-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)エタノン(10.5g、5.1mmol)及び(R)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(11.2g、5.1mmol)の溶液へ、チタン(IV)エトキシド(23.2g、10.5mmol)を添加した。反応混合物を75℃で12時間加熱し、次いでH
2O(500mL)でクエンチし、室温で1時間撹拌し、セライトパッドに通してろ過した。水性層をEtOAc(2×150mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を赤色液状物として得た(10.0g、63%)。
【数5】
【0105】
中間体2
N-[1-(3-アミノ-2-クロロフェニル)エチリデン]-2-(R)-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
MeOH(100mL)中の中間体1(10.0g、33.2mmol)の溶液へ、ラネーNi(10.0g)を室温で添加した。反応混合物を、水素加圧下、室温で6時間撹拌し、次いでセライトパッドに通してろ過し、MeOH(150mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、表題化合物を無色液状物として得て(8.80g、98%)、これを更に精製することなく利用した。
【数6】
【0106】
中間体3
ベンジル N-(3-{N-[(R)-tert-ブチルスルフィニル]-C-メチルカルボニミドイル(methylcarbonimidoyl)}-2-クロロフェニル)-カルバマート
THF(100mL)中の中間体2(10.0g、36.7mmol)の溶液へ、DIPEA(32.5mL、183.0mmol)及びクロロギ酸ベンジル(12.5g、73.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでH
2O(500mL)でクエンチし、EtOAc(3×250mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色液状物として得た(12.5g、84%)。
【数7】
【0107】
中間体4
メチル(3S)-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-3-{[(R)-tert-ブチルスルフィニル]-アミノ}ブタノアート
THF(90mL)中の、CuCl(4.37g、44.2mmol)及びZn(14.4g、221.0mmol)の懸濁液を50℃で30分間加熱した。ブロモ酢酸メチル(11.0g、66.0mmol)を80℃で滴加し、次いで反応混合物を50℃で1時間加熱した。中間体3(9.00g、22.0mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでセライトパッドに通してろ過した。ろ液を食塩水(300mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、40%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色液状物として得た(7.50g、70%)。
【数8】
【0108】
中間体5
メチル(3S)-3-アミノ-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]ブタノアート
MeOH(80mL)中の中間体4(7.50g、15.6mmol)の溶液へ、1,4-ジオキサン(15.6mL、62.5mmol)中の4M HClを0℃で添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣を、飽和NaHCO3水溶液(200mL)を用いて塩基性化し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮し、表題化合物を黄色液状物として得て(5.18g、90%)、これを更に精製することなく利用した。
【0109】
中間体6
tert-ブチルN-(テトラヒドロピラン-4-イルカルバモチオイル)カルバマート
THF(100mL)中のN,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(12.3g、44.5mmol)の溶液へ、窒素下で60%NaH(5g、124.5mmol)を0℃で10分にわたって少しずつ添加した。混合物を1時間撹拌し、次いでTFAA(11.2mL、80.1mmol)を0℃で滴加した。混合物を1時間撹拌し、次いでTHF(20mL)中のテトラヒドロピラン-4-アミン(4.5g、44.5mmol)の溶液を添加した。反応混合物をr.t.で2時間撹拌し、次いで氷冷水でクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、3%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物を淡黄色固形物として得た(9.0g、77%)。
【数9】
【0110】
中間体7
メチル(3S)-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-3-{[N’-tert-ブトキシ-カルボニル-N-(テトラヒドロピラン-4-イル)カルバミミドイル]アミノ}ブタノアート
DMF(100mL)中の、中間体5(14g、33.9mmol)及び中間体6(9g、33.9mmol)の溶液へ、DIPEA(24mL、135.9mmol)及びEDC.HCl(13g、67.9mmol)を0℃で添加した。反応混合物をr.t.で16時間撹拌し、次いで氷冷水で希釈し、EtOAc(2×800mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(9g、44%)。
【数10】
【0111】
中間体8
tert-ブチルN-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
THF(100mL)中の中間体7(9g、14.9mmol)の溶液へ、THF(1M、29.84mL、29.8mmol)中のカリウムtert-ブトキシドを、窒素下、0℃で10分にわたって添加した。反応混合物をr.t.で45分間撹拌し、次いで水性アンモニウム塩化物溶液でクエンチし、EtOAc(2×800mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(7.5g、88%)。
【数11】
【0112】
中間体9
tert-ブチル N-(シクロヘキシルカルバモチオイル)カルバマート
中間体6に関して記載した方法に従って、N,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(6.5g、23.5mmol)及びシクロヘキサナミン(4.3g、42.4mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、3%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(3.9g、64%)。
【数12】
【0113】
中間体10
メチル(3S)-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-3-{[N’-tert-ブトキシ-カルボニル-N-(シクロヘキシル)カルバミミドイル]アミノ}ブタノアート
中間体7に関して記載した方法に従って、中間体5(3.9g、10.3mmol)及び中間体9(3.3g、12.4mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、10%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物を黄色粘性固形物として得た(3.0g、48%)。
【数13】
【0114】
中間体11
tert-ブチル N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-シクロヘキシル-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体8に関して記載した方法に従って、中間体10(3.0g、5.0mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、15%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物を白色固形物として得た(2.1g、73%)。
【数14】
【0115】
中間体12
{1-[tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メタンアミン
DCM(100mL)中の1-(アミノメチル)シクロプロパノール(6.00g、68.9mmol)の溶液へ、トリエチルアミン(13.9g、138.0mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いでtert-ブチルジメチルシリル塩化物(12.4g、82.6mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでH
2O(50mL)でクエンチした。有機層を分離し、H
2O(3×50mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、5%MeOH、DCM中)で精製し、表題化合物を黄色液状物として得た(11.0g、79%)。
【数15】
【0116】
中間体13
N-({1-[tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メチルカルバモチオイル)ベンズアミド
THF(250mL)中の中間体12(11.0g、54.6mmol)の溶液へ、ベンゾイルイソチオシアナート(8.91g、54.6mmol)を室温で添加した。反応混合物を70℃で2時間加熱し、次いでH
2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を分離し、食塩水(100mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色液状物として得た(12.0g、60%)。
【数16】
【0117】
中間体14
{1-[tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メチルチオ尿素
MeOH(70mL)中の中間体13(12.0g、32.9mmol)の溶液へ、H
2O(35mL)中のK
2CO
3溶液(9.09g、65.8mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでEtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、食塩水(50mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(7.25g、85%)。
【数17】
【0118】
中間体15
tert-ブチル N-({1-[tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メチルカルバモチオイル)-カルバマート
THF(200mL)中の中間体14(7.25g、27.8mmol)の溶液へ、60%NaH(2.00g、83.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で40分間、次いで室温で10分間撹拌した。THF(10mL)中のジ-tert-ブチル二炭酸塩(7.29g、33.4mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで氷冷H
2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、食塩水(100mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を無色液状物として得た(8.0g、80%)。
【数18】
【0119】
中間体16
メチル(3S)-3-{[(R)-tert-ブチルスルフィニル]アミノ}-3-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)ブタノアート
中間体4に関して記載した方法に従って、中間体1(11g、36.8mmol)から調製した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、50%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色半固形物として得た(9.00g、60%)。
【数19】
【0120】
中間体17
メチル(3S)-3-アミノ-3-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)ブタノアート
中間体5に関して記載した方法に従って、中間体16(6.5g、16.0mmol)から調製し、表題化合物を黄色液状物として得て(5.2g、95%)、これを更に精製することなく利用した。
【数20】
【0121】
中間体18
メチル (3S)-3-{[N’-tert-ブトキシカルボニル-N-({1-[tert-ブチル(ジメチル)シリルオキシ]-シクロプロピル}メチル)カルバミミドイル]アミノ}-3-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)ブタノアート
中間体7に関して記載した方法に従って、中間体17(1.70g、5.45mmol)及び中間体15(2.58g、6.54mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色固形物として得た(3.00g、46%)。
【数21】
【0122】
中間体19
tert-ブチル (NZ)-N-[(6S)-6-(2-クロロ-3-ニトロフェニル)-6-メチル-4-オキソ-3-({1-[tert-ブチル-(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メチル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体8に関して記載した方法に従って、中間体18(3.0g、4.9mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製し、表題化合物を黄色固形物として得た(2.40g、82%)。
【数22】
【0123】
中間体20
tert-ブチルN-(テトラヒドロピラン-4-イルメチルカルバモチオイル)カルバマート
中間体6に関して記載した方法に従って、N,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(10.0g、36.2mmol)及びテトラヒドロピラン-4-イルメタンアミン(5g、43.47mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、15~20%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(7.8g、78%)。
【数23】
【0124】
中間体21
tert-ブチルN-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イルメチル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
DMF(30mL)中の、中間体5(4.0g、10.6mmol)及び中間体20(3.49g、12.7mmol)の溶液へ、EDC.HCl(2.65g、13.8mmol)及びDIPEA(4.64mL、26.6mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで冷却した水(150mL)でクエンチし、EtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、20~25%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(3.2g、52%)。
【数24】
【0125】
中間体22
tert-ブチル N-(テトラヒドロフラン-3-イルカルバモチオイル)カルバマート
表題化合物を、中間体6に関して記載した方法に従って、N,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(17.5g、63.4mmol)及びテトラヒドロフラン-3-アミン(6.62g、76.1mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(ラセミ混合物)をオフホワイト色固形物として得た(7.0g、44%)。
【0126】
中間体23
メチル(3S)-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-3-{[N’-tert-ブトキシ-カルボニル-N-(テトラヒドロフラン-3-イル)カルバミミドイル]アミノ}ブタノアート
中間体7に関して記載した方法に従って、中間体5(8.0g、21.3mmol)及び中間体22(6.29g、25.6mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(ジアステレオマー混合物)を濃赤色液状物として得て(4g、非純粋、中間体24との混合物)、これを更に精製することなく利用した。
【0127】
中間体24
tert-ブチル N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体8に関して記載した方法に従って、中間体23(4.0g、6.8mmol)から調製し、表題化合物(ジアステレオマー混合物)をオフホワイト色固形物として得た(3.4g、89%)。
【数25】
【0128】
中間体25
tert-ブチル N-[(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバモチオイル]カルバマート
表題化合物を、中間体6に関して記載した方法に従って、N,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(10g、36.2mmol)及び3-アミノ-1-メチルシクロブタノール(4.4g、43.5mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(ラセミ混合物)を茶色固形物として得た(5.5g、58%)。
【数26】
【0129】
中間体26
メチル(3S)-3-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-3-{[N’-tert-ブトキシ-カルボニル-N-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)カルバミミドイル]アミノ}ブタノアート
中間体7に関して記載した方法に従って、中間体5(5.0g、13.3mmol)及び中間体25(4.16g、15.9mmol)から調製した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×300mL)で抽出し、次いで水及び食塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物(非純粋、粗製中間体27との混合物)を得て、これを更に精製することなく利用した。
【0130】
中間体27
tert-ブチルN-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(シン異性体)
中間体8に関して記載した方法に従って、中間体26(8.0g)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10~50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、最初に溶出された異性体として、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(2.5g、33%、2ステップ後)。ヒドロキシ基とアミノ基との間のシン立体配置をnOE分光法によって確認した。
【数27】
【0131】
中間体28
tert-ブチルN-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
メタノール(100mL)中の中間体8(8.0g、14.0mmol)の溶液へ、10%Pd/C(800mg)を添加した。反応混合物を、水素バルーン加圧下、r.t.で30分間撹拌し、次いでセライトに通してろ過し、メタノールで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(5.5g、89%)。
【数28】
【0132】
中間体29
tert-ブチルN-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-シクロヘキシル-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロ-ピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体28に関して記載した方法に従って、中間体11(2g、3.6mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、15%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物を白色固形物として得た(1.4g、89%)。
【数29】
【0133】
中間体30
tert-ブチル N-[(6S)-6-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-6-メチル-4-オキソ-3-({1-[tert-ブチル-(ジメチル)シリルオキシ]シクロプロピル}メチル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
MeOH(30mL)中の中間体19(2.40g、4.1mmol)の溶液へ、ギ酸アンモニウム(1.28g、20.2mmol)及びZn(1.31g、20.2mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでH
2O(200mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.90g、87%)。
【数30】
【0134】
中間体31
tert-ブチルN-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル-メチル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体28に関して記載した方法に従って、中間体21(2.2g、3.7mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ、30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.4g、82%)。
【数31】
【0135】
中間体32及び33
tert-ブチルN-[(1S,4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート及びtert-ブチルN-[(1R,4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]-カルバマート
中間体28に関して記載した方法に従って、中間体24(5.4g、9.7mmol)から調製した。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100~200メッシュ40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、オフホワイト色固形物(ジアステレオマー混合物)を得た(3.7g、92%)。ジアステレオマー混合物を分取キラルHPLCによって分離し、表題化合物を白色固形物として得た。絶対立体化学は不明である。
【0136】
立体異性体の分離を、以下の条件を使用したAgilent Prep-HPLCによって行った
カラム:Chiralpak IC(21.0×250mm)、5μ
移動相:n-ヘキサン/エタノール/イソプロピルアミン(80:20:0.1)
流速:21.0mL/分
ラン時間:20分
波長:242nm
溶解度:メタノール
分析条件
カラム:Chiralpak IC(4.6×250mm)、5μ
移動相:n-ヘキサン/エタノール/イソプロピルアミン(80:20:0.1)
流速:1.0 mL/分
ラン時間:25分
波長:242nm
溶解度:メタノール
最初に溶出された異性体の分析データ(ピーク1):
【数32】
第2の溶出された異性体の分析データ(ピーク2):
【数33】
【0137】
中間体34
tert-ブチルN-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(シン異性体)
中間体28に関して記載した方法に従って、中間体27(2.3g、4.0mmol)から調製した。反応混合物をセライトパッドに通してろ過し、次いでろ液を減圧下で濃縮した。粗製残渣をペンタンで摩砕し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.47g、85%)。
【数34】
【0138】
中間体35から47(一般的な方法1)
DCM(0.06mol/L)中の適切なアニリン中間体(1当量)の溶液へ、適切なアリールボロン酸(2当量)、酢酸銅(II)(3当量)及びトリエチルアミン(3当量)を添加した。反応混合物を室温で35時間撹拌し、次いでH
2O(20mL)で希釈し、DCM(2×30mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(50mL)及び食塩水(60mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を精製し、以下の表で示すような中間体35から47を得た。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0139】
中間体48
tert-ブチル N-{(4S)-4-(3-アリニノ-2-クロロフェニル)-1-[(1-ヒドロキシシクロプロピル)メチル]-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
THF(2mL)中の中間体35(0.15g、0.24mmol)の溶液へ、THF(1M、0.24mL、0.24mmol)中のTBAFの溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでH
2O(20mL)でクエンチし、EtOAc(3×30mL)で抽出した。有機層を分離し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数35】
【0140】
中間体49
tert-ブチル N-[(4S)-4-{2-クロロ-3-[(6-メチルピリジン-3-イル)アミノ]フェニル}-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
トルエン(10mL)中の中間体28(0.30g、0.69mmol)の溶液へ、5-ブロモ-2-メチルピリジン(0.18g、1.03mmol)及びK
3PO
4(0.44g、2.06mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで30分間パージし、次いでトリス(ジベンジリデン-アセトン)ジパラジウム(0)(0.03g、0.03mmol)及びXPhos(0.07g、0.14mmol)を添加した。反応混合物を90℃で4時間撹拌し、次いで冷却し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10-60%EtOAc、ヘキサン中)、次いで分取HPLCで精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.028g、7%)。
【数36】
【0141】
中間体50
1-ブロモ-4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン
アセトニトリル(100mL)中の4-ブロモフェノール(2.50g、14.5mmol)の溶液へ、H
2O(20mL)中のKOH(16.2g、289mmol)の溶液、及びジエチル(ブロモ-ジフルオロメチル)ホスホナート(10.3mL、57.8mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で10時間撹拌し、次いでH
2O(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(3×200mL)及び食塩水(200mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、2~5%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を無色油状物として得た(2.00g、62%)。
【数37】
【0142】
中間体51
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(2-クロロ-3-イオドフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
アセトニトリル(15mL)中の中間体28(1.00g、2.29mmol)の溶液へ、tert-ブチル亜硝酸塩(0.41mL、3.43mmol)を0℃で添加し、続いてCuI(0.65g、3.43mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでH
2O(200mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、25%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.38g、26%)。
【数38】
【0143】
中間体52
3-ブロモ-6-メチルピリジン-2-カルボニトリル
CHCl
3(15mL)中の5-ブロモ-2-メチルピリジン(1.00g、5.81mmol)の溶液へ、mCPBA(1.10g、6.39mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで飽和Na
2CO
3水溶液(50mL)で洗浄し、DCM(2×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。得られた淡黄色固形物を、アセトニトリル(28mL)中に室温で再溶解し、次いでトリメチルシリルシアン化物(2.24mL、17.9mmol)及びトリメチルアミン(1.10mL、13.4mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間撹拌し、次いで室温へ冷却し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を淡黄色固形物として得た(0.7g、66%)。
【数39】
【0144】
中間体53
3-ブロモキノリン-4-カルボニトリル
中間体52に関して記載した方法に従って、3-ブロモキノリンから調製し、表題化合物を淡黄色固形物として得た(0.30g、69%)。
【数40】
【0145】
中間体54
3-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチルピリジン
アセトニトリル(25mL)中の3-ブロモ-6-メチルピリジン-2-オール(0.50g、2.66mmol)の溶液へ、0℃で、NaH(60%、0.32g、7.98mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで2,2-ジフルオロ-2-(フルオロ-スルホニル)酢酸(0.41mL、4.00mmol)を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで氷冷H
2O(40mL)中に注ぎ入れ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。有機層を食塩水(40mL)で洗浄し、分離し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を淡黄色油状物として得た(0.52g、79%)。
【数41】
【0146】
中間体55
4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)イソキノリン
中間体54に関して記載した方法に従って、4-ブロモイソキノリン-1-オール(0.3g、1.34mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.21g、57%)。
【数42】
【0147】
中間体56
4-ブロモ-3-(ジフルオロメトキシ)ベンゾニトリル
中間体50に関して記載した方法に従って、4-ブロモ-3-ヒドロキシベンゾニトリル(0.5g、2.53mmol)から調製し、表題化合物を白色固形物として得た(0.4g、64%)。
【数43】
【0148】
中間体57
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-3-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体6、中間体7及び中間体8に関して記載した一連の方法に従って、テトラヒドロピラン-3-アミン(5.56g、19.8mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(2.2g、28%)。
【数44】
【0149】
中間体58
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-3-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
MeOH(50mL)中の中間体57(2.20g、3.77mmol)の溶液へ、0℃で、10%Pd/C(0.48g、4.52mmol)を添加した。反応混合物を脱気し、H
2加圧(1atm)下、室温で1時間撹拌し、次いでセライトパッドに通してろ過し、MeOH(100mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.5g、91%)。
【数45】
【0150】
中間体59及び60
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[2-クロロ-3-(4-フルオロアリニノ)フェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-[(3R*)-テトラヒドロピラン-3-イル]ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(異性体1及び2)
DCM(15mL)中の中間体58(0.80g、1.83mmol)の溶液へ、4-フルオロフェニルボロン酸(0.51g、3.65mmol)、酢酸銅(II)(1.00g、5.48mmol)及びトリエチルアミン(0.76mL、5.48mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で35時間撹拌し、次いでH
2O(150mL)で希釈し、DCM(2×200mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(150mL)及び食塩水(160mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、分取HPLCで精製し、続いてキラルSFC精製を行い、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(ピーク1のジアステレオマー0.190g;ピーク2のジアステレオマー0.150g)。
中間体59(ピーク1):
【数46】
中間体60(ピーク2)
【数47】
【0151】
中間体61
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-(2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
DMF(20mL)中の中間体5(1.00g、2.42mmol)の溶液へ、中間体101(0.66g、2.18mmol)、EDC.HCl(0.69g、3.63mmol)及びDIPEA(0.85mL、4.84mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いでH
2O(200mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、80%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製した。得られたオフホワイト色固形物(1.0g)のアリコートを、THF(15mL)中に再溶解し、カリウムtert-ブトキシド(0.33g、2.92mmol)を0℃で添加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いでH
2O(300mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、80%EtOAc、n-ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.81g)。
【数48】
【0152】
中間体62
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-(2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体28に関して記載した方法に従って、中間体61(0.80g、1.35mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.60g、97%)。
【数49】
【0153】
中間体63
tert-ブチルN-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルカルバモチオイル)カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(1.00g、8.84mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.45g、14%)。
【数50】
【0154】
中間体64
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体63(0.43g、1.20mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.86g、85%)。
【数51】
【0155】
中間体65
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-(7-オキサビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-2-イル)-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体64(0.80g、1.23mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.58g、100%)。
【数52】
【0156】
中間体66
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[2-クロロ-3-(4-フルオロアリニノ)フェニル]-4-メチル-1-[(1R,2S,4S又は1S,2R,4R)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-6-オキソ-ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}-カルバマート
一般的な方法1に従って、中間体65(0.60g、1.27mmol)から調製し、続いてSFC精製を行った。ジアステレオマーの分離を、Chiralpak IGカラム(250×4.6mm、5μ;流速3mL/分;移動相A CO
2;移動相B 0.1%NH
3、メタノール中;9分にわたる90%Aから50%A勾配溶出)を使用して達成した。第1のピークを収集し、表題化合物を得た。
【数53】
【0157】
中間体67
tert-ブチルN-[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカルバモチオイル]カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、(3-メチルオキセタン-3-イル)メタンアミン(7.11g、24.7mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.80g、25%)。
【数54】
【0158】
中間体68
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体67(1.50g、3.63mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.90g、41%)。
【数55】
【0159】
中間体69
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-[(3-メチルオキセタン-3-イル)-メチル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体68(0.90g、1.50mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.35g、50%)。
【数56】
【0160】
中間体70
tert-ブチルN-(3-エチリデンシクロブチル)カルバマート
THF(40mL)中のエチルトリフェニルホスホニウム臭化物(4.51g、12.1mmol)の溶液へ、-78℃で、KHMDS(1M溶液THF中、12.1mL、12.1mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、次いでTHF(20mL)中のtert-ブチルN-(3-オキソシクロブチル)カルバマート(1.50g、8.10mmol)を-78℃で滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで飽和食塩水(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層をH
2O(100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、次いで分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.62g、39%)。
【数57】
【0161】
中間体71
tert-ブチルN-(2-メチル-1-オキサスピロ[2.3]ヘキサン-5-イル)カルバマート
DCM(80mL)中の中間体70(1.50g、7.60mmol)の溶液へ、0℃で、mCPBA(2.62g、15.20mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで飽和食塩水(50mL)でクエンチし、DCM(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、次いで飽和NaHCO
3水溶液(50mL)及び食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、40%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.1g、62%)。
【数58】
【0162】
中間体72
tert-ブチルN-(3-エチル-3-ヒドロキシシクロブチル)カルバマート
THF(15mL)中の中間体71(0.85g、3.64mmol)の溶液へ、0℃で、LiAlH
4(1M溶液、THF中、5.46mL、5.46mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌し、次いでEtOAc(20mL)でクエンチし、食塩水(20mL)で洗浄した。有機層をH
2O(20mL)で洗浄し、分離し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を茶色ゴム状物として得た(0.71g、91%)。
【数59】
【0163】
中間体73
3-アミノ-1-エチル-シクロブタノール塩酸塩
MeOH(15mL)中の中間体72(0.71g、3.30mmol)の溶液へ、0℃で、1,4-ジオキサン(3.30mL、13.2mmol)中の4M HClを添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣をジエチルエーテル(250mL)及びヘキサン(250mL)で洗浄し、次いで乾燥し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.48g、96%)。
【数60】
【0164】
中間体74
tert-ブチルN-[(3-エチル-3-ヒドロキシシクロブチル)カルバモチオイル]カルバマート
THF(20mL)中のtert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニルカルバモチオイル)カルバマート(0.71g、2.58mmol)の溶液へ、0℃で、60%NaH(0.38g、9.50mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでTFAA(0.67mL、4.75mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間更に撹拌した。THF(5mL)中の中間体73(0.48g、3.17mmol)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いでH
2O(50mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、分離し、次いで無水Na
2SO
4で洗浄し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10~20%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.46g、48%)。
【数61】
【0165】
中間体75及び76
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(3-エチル-3-ヒドロキシシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(トランス及びシス異性体)
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体74(1.50g、3.63mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(ピーク1:0.2g、40%;及びピーク2:0.18g、30%)。
中間体75(ピーク1、トランス異性体):
【数62】
中間体76(ピーク2、シス異性体):
【数63】
【0166】
中間体77
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-エチル-3-ヒドロキシシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(トランス異性体)
MeOH(10mL)中の中間体75(0.18g、0.32mmol)の溶液へ、0℃で、10%Pd-活性炭(0.05g、0.48mmol)を添加した。反応混合物を、H
2加圧下、室温で30分間撹拌し、次いでセライト(登録商標)パッドに通してろ過し、MeOH(20mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、30%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.082g、67%)。
【数64】
【0167】
中間体78
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-エチル-3-ヒドロキシシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(シス異性体)
中間体77に関して記載した手順に従って、中間体76(0.20g、0.32mmol)から調製し、表題化合物を白色固形物として得た(0.133g、90%)。
【数65】
【0168】
中間体79
rac-(2S,4S)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-アミン
MeOH(100mL)中の2-メチルテトラヒドロピラン-4-オン(10.0g、87.6mmol)の撹拌溶液へ、ベンジルアミン(14.3mL、131.4mmol)及び酢酸(0.25mL、4.38mmol)を窒素雰囲気下で添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、次いでシアノホウ素化ナトリウム(8.27g、131.4mmol)をr.t.で添加した。反応混合物を16時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、30~100%EtOAc/ヘキサンを用いて溶出)で精製した。得られた淡褐色液状物をMeOH(100mL)中に溶解し、10%Pd/C(10.0g)をパール振とう器に添加した。反応混合物をr.t.で16時間撹拌し、次いでセライトパッドに通し、DCM中の10%MeOHで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、表題化合物を茶色液状物として得た(4.0g、71%)。
【数66】
【0169】
中間体80
tert-ブチル N-{[rac-(2S,4S)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]カルバモチオイル}カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、中間体79(3.16g、11.46mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(2.1g、60%)。
【数67】
【0170】
中間体81
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-[(2SR,4SR)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}-カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体80(2.0g、5.3mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数68】
【0171】
中間体82及び83
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-[(2S*,4S*)-2-メチル-テトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(異性体1及び2)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体81(1.5g、2.5mmol)から調製した。得られたラセミ混合物を、キラルHPLC精製(キラルHPLC条件:カラム:Chiralpak IC(250×20mm)5μ;移動相:ヘキサン/EtOH/DEA:80/20/0.1(v/v/v);流速:18mL/分;uv:242nm;ラン時間:15分)を使用して分離し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(ピーク1のジアステレオマー0.505g;及びピーク2のジアステレオマー0.523g)。
中間体82(ピーク1):
【数69】
中間体83(ピーク2):
【数70】
【0172】
中間体84
3-ブロモ-6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル
5-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)ピリジン(400mg、1.92mmol)をクロロホルム(16mL)中に溶解し、mCPBA(398mg、2.31mmol)を添加した。反応混合物をr.t.で8時間撹拌し、次いでK
2CO
3水溶液とDCMとの間で分割した。水性層を分離し、DCMで更に洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた白色固形物をアセトニトリル(20mL)中に再溶解し、次いでトリメチルシリルシアン化物(1.1mL、8.9mmol)及びトリエチルアミン(0.933mL、6.7mmol)を添加した。反応混合物を100℃で加熱し、16時間撹拌し、次いで室温へ冷却し、EtOAcと水との間で分割した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、得られた粗製固形物をフラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc、ヘキサン中を用いて溶出)を用いて精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(135mg、26%)。
【数71】
【0173】
中間体85
1-ブロモ-4-フルオロ-2-(メチルスルホニル)ベンゼン
1-ブロモ-4-フルオロ-2-(メチルスルファニル)ベンゼン(250mg、1.13mmol)をDCM(15mL)中に溶解し、mCPBA(390mg、2.26mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を16時間撹拌し、次いで得られた懸濁液をろ過した。ろ液をDCMで希釈し、NaHCO3水溶液、次いで水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、溶媒を除去した。粗製固形物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc、ヘキサン中を用いて溶出)を使用して精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(235mg、83%)。
【0174】
中間体86
tert-ブチルN-[(3-オキソシクロブチル)カルバモチオイル]カルバマート
THF(40mL)中のN,N’-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素(3.33g、11.8mmol)の溶液へ、0℃で、60%NaH(1.78g、44.4mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでTFAA(2.71mL、19.2mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間更に撹拌し、次いでDMF(5mL)中の3-アミノシクロブタン-1-オン塩酸塩(2.00g、14.8mmol)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いでH
2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、分離し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10~20%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を淡黄色固形物として得た(2.2g、53%)。
【数72】
【0175】
中間体87
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(3-オキソシクロブチル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体86(2.0g、5.3mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数73】
【0176】
中間体88
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(3-ヒドロキシ-3-イソプロピルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(シス異性体)
乾燥THF(25mL)中の中間体87(0.8g、1.41mmol)の溶液へ、-78℃で、イソプロピルマグネシウム塩化物(2M溶液、THF中、7.03mL、14.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでH
2O(100mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、50%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.125g、15%)。
【数74】
【0177】
中間体89
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-3-イソプロピル-シクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(シス異性体)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体88(0.12g、0.2mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.065g、69%)。
【数75】
【0178】
中間体90
tert-ブチル N-[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)カルバモチオイル]カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、4,4-ジフルオロシクロヘキサナミン(4.09g、14.8mmol)から調製し、表題化合物を黄色固形物として得た。
【数76】
【0179】
中間体91
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体90から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数77】
【0180】
中間体92
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体91(1.90g、3.03mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.18g、83%)。
【数78】
【0181】
中間体93
rac-(2R,4S)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-アミン
中間体79に関して記載した反応から第2の生成物として単離した。
【数79】
【0182】
中間体94
tert-ブチルN-[(2,2-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)カルバモチオイル]カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(2.00g、15.5mmol)から調製し、表題化合物を黄色固形物として得た(2.2g、45%)。
【数80】
【0183】
中間体95
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(2,2-ジメチルテトラヒドロピラン-4-イル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体94(2.30g、5.56mmol)から調製し、表題化合物(ジアステレオマー混合物)をオフホワイト色固形物として得た(1.8g、98%)。
【数81】
【0184】
中間体96及び97
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-[(4S*)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-ピラン-4-イル]-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(異性体1及び2)
MeOH(25mL)中の中間体95(1.80g、2.9mmol)の溶液へ、0℃で、10%Pd/C(0.16g、1.48mmol)を添加した。反応混合物を、H
2加圧下、室温で2時間撹拌し、次いでセライト(登録商標)パッドに通してろ過し、MeOH(150mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物(ジアステレオマーの混合物)を得た(1.3g、94%)。個々のジアステレオマーを、キラルHPLC SFC(カラム:Diacel Chiralpak-IC、250mm×4.6mm、5μ;移動相A:n-ヘキサン+0.1%ジエチルアミン;移動相B:エタノール;流速:1.0mL/分;アイソクラチック:15%B)を使用して単離した。
中間体96(ピーク1):
【数82】
中間体97(ピーク2):
【数83】
【0185】
中間体98
tert-ブチルN-{[3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]カルバモチオイル}カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、3-アミノ-1-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-オール(5.00g、32.2mmol)から調製し、表題化合物(5.5g、50%)を黄色固形物として得た。
【数84】
【0186】
中間体99及び100
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-[3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(シス及びトランス異性体)
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体98(5.50g、16.2mmol)から調製した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、20~25%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(シス異性体:2.5g、13%;及びトランス異性体:3.5g、18%)。
中間体99(シス異性体):
【数85】
中間体100(トランス異性体):
【数86】
【0187】
中間体101
tert-ブチルN-(2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イルカルバモチオイル)カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-アミン(1.00g、6.68mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.65g、32%)。
【数87】
【0188】
中間体102
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-[(2SR,4RS)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}-カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、中間体93、次いで中間体61から調製し、表題化合物を得た。
【数88】
【0189】
中間体103
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-[(2SR,4RS)-2-メチル-テトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体102(1.50g、2.48mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.18g、83%)。
【数89】
【0190】
中間体104
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(2-クロロ-3-{[6-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ}フェニル)-4-メチル-1-[(2SR,4RS)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
一般的な方法4において記載した手順に従って、中間体103及び5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)ピリジンから調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数90】
【0191】
中間体105
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-{2-クロロ-3-[(6-シクロプロピルピリジン-3-イル)アミノ]フェニル}-4-メチル-1-[(2SR,4RS)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
一般的な方法4において記載した手順に従って、中間体103及び5-ブロモ-2-シクロプロピルピリジンから調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数91】
【0192】
中間体106
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-{2-クロロ-3-[(6-メチルピリジン-3-イル)アミノ]フェニル}-4-メチル-1-[(2SR,4RS)-2-メチルテトラヒドロピラン-4-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]-カルバマート
一般的な方法4において記載した手順に従って、中間体103及び5-ブロモ-2-メチルピリジンから調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数92】
【0193】
中間体107
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-[3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)-シクロブチル]-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(シス異性体)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体99(2.5g、3.78mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.6g、76%)。
【数93】
【0194】
中間体108
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-[3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)-シクロブチル]-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(トランス異性体)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体100(2.5g、3.78mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(1.6g、76%)。
【数94】
【0195】
中間体109
1,1,2,2-テトラメチル-1,2-エタンジアミノ-N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリシリデン)コバルト(II)
EtOH(20mL)中の2,4-ジ-tert-ブチル-6-[(E)-{2-[(E)-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-メチレンアミノ]-1,1,2-トリメチルプロピル}イミノメチル]フェノール(1g、1.82mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下、10分間加熱還流した。酢酸コバルト(II)(0.45g、1.82mmol)を添加した。反応混合物を、還流下、2時間加熱し、次いで室温へ冷却した。溶媒をデカントし、残渣を真空中で濃縮した。粗製残渣をジエチルエーテル(20mL)で洗浄し、表題化合物を赤色固形物として得た(0.16g、15%)。
【0196】
中間体110
tert-ブチルN-(3-シアノ-3-メチルシクロブチル)カルバマート
EtOH(12mL)中のtert-ブチルN-(3-メチレンシクロブチル)カルバマート(1.00g、5.46mmol)へ、アルゴン雰囲気下、中間体109(0.01g、0.11mmol)、p-トルエンスルホニルシアン化物(1.48g、8.19mmol)tert-ブチルヒドロペルオキシド(5.5M溶液、THF中、0.2mL、0.83mmol)、フェニルシラン(1M溶液、THF中、5.46mL、5.46mmol)及びEtOH(3mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(20mL)でクエンチし、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、3~7%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を無色油状物として得た(0.93g、81%)。
【数95】
【0197】
中間体111
3-アミノ-1-メチルシクロブタンカルボニトリル塩酸塩
MeOH(20mL)中の中間体110(0.92g、4.3mmol)へ、0℃で、1,4-ジオキサン(3.28mL、13.1mmol)中の4M HClを添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣をジエチルエーテル(250mL)及びヘキサン(250mL)で洗浄し、次いで乾燥し、表題化合物を黄色固形物として得た(0.72g)。
【数96】
【0198】
中間体112
tert-ブチルN-[(3-シアノ-3-メチルシクロブチル)カルバモチオイル]カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、中間体111(1.14g、4.1mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.56g、41%)。
【数97】
【0199】
中間体113及び114
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-1-(3-シアノ-3-メチルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート(シス及びトランス異性体)
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体112(0.68g、1.65mmol)から調製し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(25~45%EtOAc、ヘキサン中を用いた勾配溶出)を使用して精製した後に、表題化合物(分離されたジアステレオマー)を得た。
中間体113(トランス異性体):
【数98】
中間体114(シス異性体):
【数99】
【0200】
中間体115
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-シアノ-3-メチルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(シス異性体)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体114(0.15g、0.23mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.11g、85%)。
【数100】
【0201】
中間体116
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-1-(3-シアノ-3-メチルシクロブチル)-4-メチル-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート(トランス異性体)
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体113(0.35g、0.58mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.27g、99%)。
【数101】
【0202】
中間体117
3-ブロモ-6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリダジン
DMF(10mL)中の2,2,2-トリフルオロエタノール(0.25mL、4.20mmol)の溶液へ、NaH(0.15g、6.31mmol)を0~5℃で少しずつ添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで3,6-ジブロモピリダジン(0.50g、2.10mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでH
2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、10%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.30g、50%)。
【数102】
【0203】
中間体118
5-ブロモ-2-(2,2-ジフルオロエトキシ)ピリジン
DMF(10mL)中の2,2-ジフルオロエタノール(0.64g、7.84mmol)の溶液へ、NaH(0.08g、3.38mmol)を0℃で添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで2,5-ジブロモピリジン(1.00g、4.22mmol)を0℃で添加した。反応混合物を60℃で5時間加熱し、次いでH
2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、5%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物を白色固形物として得た(0.20g、19%)。
【数103】
【0204】
中間体119
tert-ブチルN-{[rac-(1S,5R)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバモチオイル}カルバマート
中間体6に関して記載した手順に従って、rac-(1S,5R)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン(0.9g、7.1mmol)から調製し、表題化合物を黄色固形物として得た(0.95g、39%)。
【数104】
【0205】
中間体120
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[3-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-クロロフェニル]-4-メチル-1-[(1SR,5RS)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}-カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体119から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数105】
【0206】
中間体121
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロフェニル)-4-メチル-1-[(1SR,5RS)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]-6-オキソヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
中間体28に関して記載した手順に従って、中間体120(0.9g、1.46mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.11g、85%)。
【数106】
【0207】
中間体122
1-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロフェニル)エタノン
1,4-ジオキサン(160mL)中の1-ブロモ-2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロベンゼン(16.0g、62.99mmol)の5分間脱気した撹拌溶液へ、トリブチル(1-エトキシ-ビニル)スタンナン(23.59mL、69.29mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物(3.53g、5.03mmol)を添加した。反応混合物を、不活性雰囲気下、85℃で16時間撹拌し、次いで飽和KF溶液で希釈し、セライトパッドに通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を収集し、水で洗浄した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。得られた油状物をTHF中に溶解し、4Mの水性HCl(1:1)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水で希釈し、酢酸エチル中に抽出した。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た(8.0g、58%)。
【数107】
【0208】
中間体123
(NE)-N-[1-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロフェニル)エチリデン]-(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
トルエン(200.0mL)中の中間体122(24.6g、113.36mmol)の撹拌溶液へ、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(41.151g、340.09mmol)及びチタン(IV)エトキシド(118.6mL、566.8mmol)を添加した。混合物を90℃で16時間加熱し、次いで氷冷水でクエンチした。酢酸エチルを添加し、混合物をセライトプラグに通してろ過した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥した。溶液を減圧下で蒸発乾固させた。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル、ヘキサン中を用いて溶出)で精製し、表題化合物を得た(10.0g、27.5%)。
【数108】
【0209】
中間体124
メチル(3S)-3-{[(R)-tert-ブチルスルフィニル]アミノ}-3-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-ブタノアート
乾燥した装置に、不活性雰囲気下、亜鉛粉末(66.84g、1078mmol)、CuCl(20.48g、215mmol)及び乾燥2-メチルテトラヒドロフラン(90mL)を入れた。得られた暗色スラリーを70℃で加熱し、40分間激しく撹拌し、次いで50℃に冷却した。ブロモ酢酸メチル(41.23mL、431mmol)を還流が再開するような速度で滴加し、制御された還流を維持した。添加が完了したら、反応混合物を50℃で30分間撹拌し、次いで室温へ冷却し、直ちに2-メチル-テトラヒドロフラン(60mL)中の中間体123(23.0g、71.87mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでセライトパッドに通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。合わせたろ液を水で洗浄した。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、コンビフラッシュカラムクロマトグラフィー(30~70%酢酸エチル、ヘキサン中を用いて溶出した)で精製し、表題化合物を得た(8.0g、28%)。
【数109】
【0210】
中間体125
メチル(3S)-3-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-{[(R)-tert-ブチルスルフィニル]アミノ}-ブタノアート
MeOH(100mL)中の中間体124(8.0g、20.25mmol)の撹拌溶液へ、ラネーNi(2g)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物をr.t.で5時間撹拌し、次いでセライトパッドに通してろ過した。溶液を蒸発させた。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(30~70%酢酸エチル、ヘキサン中を用いて溶出した)で精製し、表題化合物を得た(4.0g、54%)。
【数110】
【0211】
中間体126
[(1S)-1-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-メトキシ-1-メチル-3-オキソプロピル]-アンモニウム塩化物
DCM(40mL)中の中間体125(4.0g、10.99mmol)の撹拌溶液へ、1,4-ジオキサン(20mL)中の4M HClを添加した。反応混合物をr.t.で16時間撹拌し、次いで真空下で濃縮し、ペンタンで洗浄し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数111】
【0212】
中間体127
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-(3-アミノ-2-クロロ-4-フルオロフェニル)-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体61に関して記載した手順に従って、中間体126(3.0g、10.2mmol)及び中間体6(2.6g、10.1mmol)から調製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た。
【数112】
【0213】
中間体128
tert-ブチル(NE)-N-{(4S)-4-[2-クロロ-4-フルオロ-3-(4-フルオロアリニノ)フェニル]-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン}カルバマート
トルエン(2mL)中の中間体127(0.06g、0.12mmol)の溶液へ、1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(0.02g、0.12mmol)、K
3PO
4(0.05g、0.24mmol)及びXPhos(0.006g、0.01mmol)を室温で添加した。反応混合物をアルゴンで10分間パージし、次いでPd
2(dba)
3(0.01g、0.02mmol)を添加した。反応混合物を100℃で3時間加熱し、次いでH
2O(20mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を分離し、H
2O(50mL)及び食塩水(60mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、50%EtOAc、ヘキサン中)で精製し、表題化合物をオフホワイト色固形物として得た(0.025g、37%)。
【数113】
【0214】
中間体129
tert-ブチル(NE)-N-[(4S)-4-{2-クロロ-4-フルオロ-3-[(6-メチルピリジン-3-イル)アミノ]フェニル}-4-メチル-6-オキソ-1-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-2-イリデン]カルバマート
中間体127(0.11g、0.24mmol)、5-ブロモ-2-メチルピリジン(0.04g、0.22mmol)、K
3PO
4(0.10g、0.48mmol)、BrettPhos Pd G3(0.02g、0.02mmol)及びBrettPhos(0.02g、0.04mmol)の混合物にアルゴンを流し、続いて1,4-ジオキサン(6mL)を添加した。反応混合物をアルゴンで5分間パージし、シールド管中、90℃で3時間加熱し、次いでセライトパッドに通してろ過し、EtOAc(10mL)及びH
2O(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を、分取HPLCで精製し、表題化合物を白色固形物として得た(0.08g、59%)。
【数114】
【0215】
(例1から14(一般的な方法2))
DCM(4mL、0.01mol/L)中の適切な前駆体(0.07mmol、1当量)の溶液へ、TFA(1.34mmol、19当量)を0℃で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、ジエチルエーテル(4mL)及びヘキサン(15mL)で洗浄することによって精製し、次いでアセトニトリル/水(3mL)を用いて凍結乾燥し、以下の表で示すような例1から14(TFA塩)をオフホワイト色固形物として得た。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0216】
(例15から73(一般的な方法3))
中間体28及び適切なアリールハロゲン化物を溶媒中に溶解し、塩基(3当量)を添加した。溶液を脱気し、次いでホスフィン配位子(0.1当量)及び遷移金属触媒(0.05当量)を添加した。反応混合物を、反応が完了するまで80℃で加熱した。材料を、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して単離し、次いで一般的な方法2に従って脱保護し、表題化合物を得た。必要に応じて、最終生成物を、分取逆相HPLC(pH3)によって更に精製し、化合物をTFA塩として単離した。
【0217】
例15~34、36~56、72及び73で用いた溶媒はトルエンであった。例35及び57~71で用いた溶媒は1,4-ジオキサンであった。
【0218】
例15~18、20、22~31、33、34及び36~73で用いた塩基はK3PO4であった。例19、21及び35で用いた塩基はナトリウムtert-ブトキシドであった。例32で用いた塩基はCs2CO3であった。
【0219】
例15~31及び33~73で用いたホスフィン配位子はXPhosであった。例32で用いたホスフィン配位子はrac-BINAPであった。
【0220】
例15~31、33、34、36~56及び72で用いた遷移金属触媒はPd2(dba)3であった。例32で用いた遷移金属触媒は酢酸パラジウム(II)であった。例35で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G1であった。例57~71及び73で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G3であった。
【0221】
以下の表における同定された化合物は、一般的な方法3に従って調製した。
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【表7-6】
【表7-7】
【表7-8】
【表7-9】
【表7-10】
【表7-11】
【表7-12】
【表7-13】
【表7-14】
【表7-15】
【0222】
(例74から119(一般的な方法4))
適切なアニリン及び適切なアリールハロゲン化物を溶媒中に溶解し、塩基(3当量)を添加した。溶液を脱気し、次いで遷移金属触媒(0.05当量)及びホスフィン配位子(0.10当量)を添加した。反応混合物を80℃で3時間か、又は反応が完了するまで加熱した。溶液をろ過し、材料をシリカゲルクロマトグラフィー又は逆相HPLCを使用して単離し、次いで一般的な方法2に従って脱保護し、表題化合物を得た。必要に応じて、最終生成物を分取逆相HPLCで更に精製し、TFA塩として単離した。
【0223】
例74~80、85~99及び101~117で用いた溶媒は1,4-ジオキサンであった。例81~84、100、118及び119で用いた溶媒はトルエンであった。
【0224】
例74~83、86~89、92、94、96、100、102、104、110、118及び119で用いた塩基はK3PO4であった。例84、85、90、91、93、95、97~99、101、103、105~109及び111~117で用いた塩基はナトリウムtert-ブトキシドであった。
【0225】
例74~80、84~88、90、91、93、95、97~99、101、103~109及び111~117で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G3であった。例81~83、89、92、94、96、100、102、110、118及び119で用いた遷移金属触媒はPd2(dba)3であった。
【0226】
例74~80、85-88、90、91、93、95、97~99、101、103~109及び111~117で用いたホスフィン配位子はBrettPhosであった。例81~83、89、92、94、96、100、118及び119で用いたホスフィン配位子はXPhosであった。例84、102及び110で用いたホスフィン配位子はキサントホスであった。
【0227】
以下の表における同定された化合物は、一般的な方法4に従って調製し、アニリンとして中間体28を利用した。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【表8-6】
【表8-7】
【表8-8】
【表8-9】
【表8-10】
【表8-11】
【表8-12】
【0228】
(例120から158)
一般的な方法4に従って、適切なアニリン及び適切なハロゲン化アリールから以下の表における同定された化合物を調製した。
【0229】
例120~158で用いた溶媒は1,4-ジオキサンであった。
【0230】
例120~141及び143~158で用いた塩基はK3PO4であった。例142で用いた塩基はナトリウムtert-ブトキシドであった。
【0231】
例120~125、127~132及び134~158で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G3であった。例126で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G1であった。例133で用いた遷移金属触媒はPd2(dba)3であった。
【0232】
例120~132、134~149及び151~158で用いたホスフィン配位子はBrettPhosであった。例133で用いたホスフィン配位子はXPhosであった。例150で用いたホスフィン配位子はキサントホスであった。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【表9-5】
【表9-6】
【表9-7】
【表9-8】
【表9-9】
【表9-10】
【0233】
(例159から168)
一般的な方法1、続いて一般的な方法2に従って、中間体28及び適切なアリールボロン酸から以下の表における同定された化合物を調製した。必要に応じて、分取逆相HPLC(pH3)で最終生成物を更に精製した。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0234】
(例169から181)
一般的な方法1、続いて一般的な方法2に従って、適切なアニリン及び適切なアリールボロン酸から以下の表における同定された化合物を調製した。必要に応じて、最終生成物を、分取逆相HPLC(pH3)で更に精製した。
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【0235】
(例182から184(一般的な方法5))
THF中の中間体28の溶液を-78℃へ冷却し、tert-ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン中、5当量)で処置した。溶液を1時間撹拌し、次いでTHF中の適切なハロゲン化アリール(1.5当量)を添加した。反応が完了したら、混合物を食塩水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した。粗製材料を、分取HPLCで精製し、次いで一般的な方法2に従って脱保護した。必要に応じて、最終生成物を、分取逆相HPLC(pH3)で更に精製した。
【0236】
以下の表における同定された化合物は、一般的な方法5に従って調製した。
【表12】
【0237】
(例185から187(一般的な方法6))
中間体51及び適切なアリールアミンを1,4ジオキサン中に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(3当量)を添加した。溶液を脱気し、キサントホス(0.10当量)及び遷移金属触媒(0.10当量)を添加した。反応混合物を90℃で3時間か又は反応が完了するまで加熱し、次いでろ過した。材料をシリカゲルクロマトグラフィー又は逆相HPLCを使用して単離し、次いで一般的な方法2に従って脱保護し、表題化合物を得た。必要に応じて、分取逆相HPLC(pH3)で最終生成物を更に精製した。
【0238】
例185及び187で用いた遷移金属触媒はPd2(dba)3であった。例186で用いた遷移金属触媒はRuPhos Pd G3であった。
【0239】
以下の表における同定された化合物は、一般的な方法6に従って調製した。
【表13】
【0240】
(例188から190)
一般的な方法2に従って、適切な前駆体から以下の表における同定された化合物を調製した。必要に応じて、最終生成物を、分取逆相HPLC(pH3)で更に精製した。
【表14】
【0241】
(例191から196)
一般的な方法2に従って、適切な前駆体から以下の表における同定された化合物を調製した。ジアステレオマー最終生成物を、分取キラル逆相HPLC(pH3)で分離した。
【表15-1】
【表15-2】
【0242】
(例197から205(一般的な方法7))
適切なハロゲン化アリール及び適切なアニリンを1,4ジオキサン中に溶解し、K3PO4(3当量)を添加した。溶液を脱気し、次いで遷移金属触媒(0.05当量)及びホスフィン配位子(0.10当量)を添加した。反応混合物を80℃で3時間か又は反応が完了するまで加熱した。溶液をろ過した。材料をシリカゲルクロマトグラフィー又は逆相HPLCを使用して単離し、次いで一般的な方法2に従って脱保護した。必要に応じて、材料を分取逆相HPLCで更に精製した。得られた固形物をDCM中に溶解し、1,4-ジオキサン(6当量)中の4M HClを添加した。混合物を30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物(HCl塩)を、ジエチルエーテル又はDCM/ペンタンを用いて摩砕した後に単離した。
【0243】
例197及び200で用いた遷移金属触媒はPd2(dba)3であった。例198、199及び201~205で用いた遷移金属触媒はBrettPhos Pd G3であった。
【0244】
例197及び200で用いたホスフィン配位子はキサントホスであった。例198、199及び201~205で用いたホスフィン配位子はBrettPhosであった。
【0245】
以下の表における同定された化合物は、一般的な方法7に従って調製した。
【表16-1】
【表16-2】
【表16-3】
【0246】
(例206)
【化14】
(6S)-6-[2-クロロ-4-フルオロ-3-(4-フルオロアリニノ)フェニル]-2-イミノ-6-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-4-オン
DCM(10mL)中の中間体128(0.02g、0.04mmol)の溶液へ、TFA(0.03mL、0.35mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、ジエチルエーテル:n-ペンタン(1:9、30mL)で洗浄することによって精製し、表題化合物(TFA塩)をオフホワイト色固形物として得た(0.014g、70%)。
【数115】
【0247】
(例207)
【化15】
(6S)-6-{2-クロロ-4-フルオロ-3-[(6-メチルピリジン-3-イル)アミノ]フェニル}-2-イミノ-6-メチル-3-(テトラヒドロピラン-4-イル)ヘキサヒドロピリミジン-4-オン
DCM(10mL)中の中間体129(0.08g、0.13mmol)の溶液へ、TFA(0.10mL、1.34mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。粗製残渣を、ジエチルエーテル:n-ペンタン(1:9、30mL)で洗浄することによって精製し、表題化合物(TFA塩)をオフホワイト色固形物として得た(0.054g、72%)。
【数116】