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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/16 20060101AFI20230904BHJP
   G11C 13/00 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
G11C11/16 230
G11C13/00 400A
G11C13/00 400G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021157277
(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公開番号】P2022056399
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】17/037,492
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 善久
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 哲郎
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-348937(JP,A)
【文献】特開2010-262695(JP,A)
【文献】国際公開第2010/041632(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/16
G11C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1メモリセルを含む第1領域と、複数の第2メモリセルを含む第2領域とを含むセルアレイと、
前記複数の第1メモリセルの各々に接続された複数の第1ワード線と、
前記複数の第2メモリセルの各々に接続された複数の第2ワード線と、
前記複数の第1メモリセルと前記複数の第2メモリセルとに共通に接続された第1ビット線と、
データの読み出し動作時において、ロウアドレスに応じて、前記複数の第1ワード線のいずれかと、前記複数の第2ワード線のいずれかとを並行して選択するロウデコーダと、
前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記データの読み出し動作時において前記第1ビット線に電気的に接続されるセンスアンプと
を具備し、
前記複数の第1ワード線及び前記第2ワード線の各々は、第1方向に沿って設けられ、
前記第1ビット線は、前記第1方向と異なる第2方向に沿って設けられ、
前記センスアンプは、前記第2方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、
前記ロウデコーダは、第1ロウアドレスに応じて選択される前記複数の第1ワード線のいずれかと前記複数の第2ワード線のいずれかとの間の前記第1及び第2ワード線の本数と、前記第1ロウアドレスと異なる第2ロウアドレスに応じて選択される前記複数の第1ワード線のいずれかと前記複数の第2ワード線のいずれかとの間の前記第1及び第2ワード線の本数とが、常に複数となるよう、前記複数の第1ワード線のいずれかと、前記複数の第2ワード線のいずれかとを並行して選択する、メモリデバイス。
【請求項2】
前記ロウデコーダは、前記複数の第1ワード線のいずれかに接続された前記複数の第1メモリセルのいずれかと、前記複数の第2ワード線のいずれかに接続された前記複数の第2メモリセルのいずれかとから前記センスアンプに至る経路における前記第1ビット線の経路長が、前記第1ロウアドレスと前記第2ロウアドレスとで平均化されるように、前記複数の第1ワード線のいずれか及び前記複数の第2ワード線のいずれかを選択する、請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1ロウアドレスに応じて選択される前記複数の第1ワード線のいずれかと前記複数の第2ワード線のいずれかとの間の前記第1及び第2ワード線の本数の和は、前記第2ロウアドレスに応じて選択される前記複数の第1ワード線のいずれかと前記複数の第2ワード線のいずれかとの間の前記第1及び第2ワード線の本数の和と等しい、請求項1または2記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記データの読み出し動作時において、前記ロウデコーダは、
前記第1領域において、前記複数の第1ワード線のうち、前記センスアンプから最も遠い第1ワード線を基準にしてi番目を選択し、
前記第2領域において、前記複数の第2ワード線のうち、前記センスアンプに最も近い第2ワード線を基準にしてi番目を選択し、
iは1からNまでの自然数であり、Nは前記第1ワード線の数及び前記第2ワード線の数であり、且つ前記第1メモリセルの数及び前記第2メモリセルの数である、請求項1乃至3いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1領域は、前記N本の第1ワード線にそれぞれ接続されたN個の第3メモリセルを更に含み、
前記第2領域は、前記N本の第2ワード線にそれぞれ接続されたN個の第4メモリセルを更に含み、
前記メモリデバイスは、前記第3メモリセルと前記第4メモリセルとに共通に接続された第2ビット線を更に備え、
前記第1領域における前記選択された第1ワード線に接続された前記複数の第1メモリセルのいずれかと、前記第2領域における前記選択された第2ワード線に接続された前記複数の第2メモリセルのいずれかは、同一のデータを保持し、
前記データの読み出し時において、
前記第1メモリセルのいずれかと前記第2メモリセルのいずれかとから読み出されたデータに基づく第1読み出し電位が、前記第1ビット線を介して前記センスアンプに転送され、更に、
前記選択された第1ワード線に接続された前記複数の第3メモリセルのいずれかと、前記選択された第2ワード線に接続された前記複数の第4メモリセルのいずれかとから読み出されたデータに基づく第2読み出し電位が、前記第2ビット線を介して前記センスアンプに転送される、請求項4記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第3メモリセル及び前記第4メモリセルは、読み出し時における参照データを保持するリファレンスセルである、請求項5記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記第3メモリセルは、対応する前記第1メモリセルの保持するデータの相補データを保持し、
前記第4メモリセルは、対応する前記第2メモリセルの保持するデータの相補データを保持する、請求項5記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1メモリセルに接続された第1ソース線と、
前記第2メモリセルに接続された第2ソース線と
を更に備え、前記第1ソース線と前記第2ソース線とは、前記第1領域と前記第2領域との間の領域において、物理的に分離されている、請求項1乃至7いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記メモリデバイスは、M本の第3ワード線を更に備え、Mは1以上の自然数であり、
前記セルアレイは、前記第3ワード線及び前記第1ビット線に接続されたM個の第5メモリセルを含む第3領域を更に備え、
前記第1領域及び前記第2領域からデータ読み出す際に、前記ロウデコーダは、
前記第3ワード線を選択することなく、前記第1領域において前記i番目の第1ワード線を選択し、前記第2領域において、前記i番目の第2ワード線を選択する、請求項4記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第3領域からデータを読み出す際において、前記ロウデコーダは、前記N本の第1ワード線及び前記N本の第2ワード線を選択することなく、前記第3ワード線を選択する、請求項9記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1領域は、前記N本の第1ワード線にそれぞれ接続されたN個の第3メモリセルを更に含み、
前記第2領域は、前記N本の第2ワード線にそれぞれ接続されたN個の第4メモリセルを更に含み、
前記第3領域は、前記第3ワード線に接続されたM個の第6メモリセルを更に含み、
前記メモリデバイスは、前記第3メモリセル、前記第4メモリセル、及び前記第6メモリセルに共通に接続された第2ビット線を更に備え、
前記第1領域における前記選択された第1ワード線に接続された前記複数の第1メモリセルのいずれかと、前記第2領域における前記選択された第2ワード線に接続された前記複数の第2メモリセルのいずれかは、同一のデータを保持し、
前記第1領域及び前記第2領域からデータを読み出す際に、
前記第1メモリセルのいずれかと前記第2メモリセルのいずれかとから読み出されたデータに基づく第1読み出し電位が、前記第1ビット線を介して前記センスアンプに転送され、更に、
前記選択された第1ワード線に接続された前記複数の第3メモリセルのいずれかと、前記選択された第2ワード線に接続された前記複数の第4メモリセルのいずれかとから読み出されたデータに基づく第2読み出し電位が、前記第2ビット線を介して前記センスアンプに転送される、請求項9または10記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記第1領域及び前記第2領域においては、前記複数の第1メモリセルのいずれかと前記複数の第2メモリセルのいずれかとを含む2つのメモリセルによりデータが保持され、
前記第3メモリセル及び前記第4メモリセルの各々は、読み出し時における参照データを保持するリファレンスセルである、請求項11記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記第1領域及び前記第2領域においては、前記複数の第1メモリセルのいずれか、前記複数の第2メモリセルのいずれか、前記複数の第3メモリセルのいずれか、及び前記複数の第4メモリセルのいずれかを含む4つのメモリセルによりデータが保持され、
前記第3メモリセルは、対応する前記第1メモリセルの保持するデータの相補データを保持し、
前記第4メモリセルは、対応する前記第2メモリセルの保持するデータの相補データを保持する、請求項11記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記第3領域からデータを読み出す際において、
前記ロウデコーダは、前記N本の第1ワード線及び前記N本の第2ワード線を選択することなく、前記第3ワード線を選択し、
前記第5メモリセルから読み出されたデータに基づく第3読み出し電位が、前記第1ビット線を介して前記センスアンプに転送され、更に前記第6メモリセルから読み出されたデータに基づく第4読み出し電位が、前記第2ビット線を介して前記センスアンプに転送される、請求項11乃至13いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記第3領域においては、前記第5メモリセルによりデータが保持され、
前記第6メモリセルは、前記第5メモリセルからデータを読み出す際における参照データを保持するリファレンスセルである、請求項14記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記第3領域においては、前記第5メモリセルによりデータが保持され、
前記第6メモリセルは、前記第5メモリセルの保持するデータの相補データを保持する、請求項14記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記メモリデバイスは、第1モードと第2モードとを含み、
前記メモリデバイスは、前記第1モードと前記第2モードとを切り替えるセレクタを更に備え、
データの読み出し時において前記ロウデコーダは、
前記セレクタが前記第1モードを選択した際には、前記i番目の第1ワード線と、前記i番目の第2ワード線とを並行して選択し、
前記セレクタが前記第2モードを選択した際には、前記複数の第1ワード線のいずれか、または前記複数の第2ワード線のいずれかの一方を選択する、請求項4乃至7、9乃至16、いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項18】
前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルの各々は、選択トランジスタと抵抗変化素子とを含む、請求項1乃至17いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項19】
前記メモリデバイスは、磁気抵抗メモリ(MRAM)、抵抗変化型メモリ(ReRAM)、及び相変化メモリ(PCRAM)のいずれかである、請求項1乃至18いずれか1項記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記メモリデバイスは、不揮発性メモリである、請求項1乃至19いずれか1項記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はメモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くのプロセッサやマイコンなどの情報処理装置では、情報処理の効率化のために、メモリが階層化されて使われている。しかし、扱うデータ量が多くなりメモリ容量が増大するにしたがって、メモリ階層間のデータ移動やデータ管理が、消費電力の増大を招いており、メモリの低消費電力化が求められている。
【0003】
このような中で、メモリを支える技術として、近年では、様々な抵抗変化型メモリを用いる提案がされている。具体的には、小面積で不揮発にデータを保持可能なMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)やReRAM(Resistive Random Access Memory)、及びPCRAM(Phase Change Random Access Memory)などが実用化されてきている。これらのメモリを実装する際には、複数のワード線と複数のビット線が行列状に配列され、その各ワード線とビット線の交差する点にそれぞれ選択トランジスタと抵抗変化素子とを含むメモリセルが配置されるアレイ構造が構成される。
【0004】
しかし、上記の抵抗変化型メモリの動作速度は、DRAMやSRAMよりも劣る場合がある。そこで、抵抗変化型メモリの高速動作を実現するための構造が検討されている。その1つとして、例えば特許文献1に記載の構成では、複数のワード線に接続された複数のメモリセルの組を、記憶情報の単位とする。例えば、特許文献1に記載の4T-4MTJモードは、記憶情報の単位が2行2列に並ぶ4個のメモリセルを一組とする。この場合、読み出し時に2本のワード線を同時に選択する必要がある。
【0005】
このような構造のメモリにおいては、記憶情報の単位となるメモリセル数が多い方が、動作速度、信頼性等が高くなるが、一方で大容量化には不利となる。また、上記のように階層化されたメモリ構造においては、階層ごとに動作速度、データ容量が異なっていることが多く、通常の場合、下位階層よりも上位階層のデータ容量が小さく、要求される動作速度が速い。したがって、上位階層のメモリにはより多くのメモリセルを使うモードを割り当てることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-179150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、動作信頼性を向上できるメモリデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係るメモリデバイスは、複数の第1メモリセルを含む第1領域と、複数の第2メモリセルを含む第2領域とを含むセルアレイと、複数の第1メモリセルの各々に接続された複数の第1ワード線と、複数の第2メモリセルの各々に接続された複数の第2ワード線と、複数の第1メモリセルと複数の第2メモリセルとに共通に接続された第1ビット線と、データの読み出し動作時において、ロウアドレスに応じて、前記複数の第1ワード線のいずれかと、前記複数の第2ワード線のいずれかとを並行して選択するロウデコーダと、第1領域と第2領域との間に設けられ、データの読み出し動作時において第1ビット線に電気的に接続されるセンスアンプとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るプロセッサシステムのブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るメモリデバイスの一部領域のレイアウト図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るメモリセルアレイの回路図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るリファレンスセルの回路図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る読み出し動作のフローチャートである。
図6A】本発明の第1実施形態に係る読み出し動作時におけるワード線選択の様子を示す概念図である。
図6B】本発明の第1実施形態に係る読み出し動作時におけるワード線選択の様子を示す概念図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る読み出し動作時における電流経路の概念図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るメモリデバイスの一部領域のレイアウト図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るメモリセルアレイの回路図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る読み出し動作時における電流経路の概念図である。
図11】本発明の第3実施形態に係るメモリデバイスの一部領域のレイアウト図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るメモリセルアレイの回路図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る読み出し動作のフローチャートである。
図14】本発明の第3実施形態に係る読み出し動作時におけるワード線選択の様子を示す概念図である。
図15】本発明の第4実施形態に係るメモリセルアレイの回路図である。
図16】本発明の第5実施形態に係るプロセッサシステムのブロック図である。
図17A】本発明の第1乃至第5実施形態に係る読み出し動作時におけるワード線選択の様子を示す概念図である。
図17B】本発明の第1乃至第5実施形態の第1変形例に係る読み出し動作時におけるワード線選択の様子を示す概念図である。
図18A】本発明の第1乃至第5実施形態の第2変形例に係るロウアドレス割り付け方法の概念図である。
図18B】本発明の第1乃至第5実施形態の第3変形例に係るロウアドレス割り付け方法の概念図である。
図19】本発明の第1乃至第5実施形態の第4変形例に係るメモリデバイスの一部領域のレイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。
【0012】
(構成について)
まず、本実施形態に係るメモリデバイスの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る例えばプロセッサシステム1のブロック図である。
【0013】
図示するようにプロセッサシステム1は、バスマスター10とメモリデバイス20とを備え、両者はバスによって互いに通信可能に接続されている。バスマスター10は、例えばCPUなどのプロセッサや、DMAコントローラなどである。そしてバスマスター10は、メモリデバイス20に対してデータの書き込みや読み出しを命令する。メモリデバイス20は、例えば抵抗変化型の不揮発性メモリであり、本例ではSTT-MRAMである。そしてメモリデバイス20は、例えばプロセッサのキャッシュメモリやメインメモリとして機能する。
【0014】
バスマスター10は、制御信号、アドレス、及び書き込み時には書き込みデータをメモリデバイス20に送信する。メモリデバイス20は、バスマスター10から受信した信号に従って動作し、書き込み時には、受信した書き込みデータを記憶し、読み出し時には、指定されたアドレスから読み出されたデータをバスマスター10に転送する。
【0015】
次に、メモリデバイス20の構成の詳細について説明する。図1に示すようにメモリデバイス20は、メモリセルアレイ21、デコーダ(ロウデコーダ及びカラムデコーダ)22、センスアンプ(及びカラムセレクタ)23、ライトドライバ24、ECC(Error Checking and Correcting)回路25、アドレスバッファ26、データバッファ27、及び制御回路28を備えている。
【0016】
メモリセルアレイ21は、複数のメモリセルを含む。メモリセルはマトリクス状に配置され、ロウ及びカラムに関連付けられる。そしてメモリセルは、データを不揮発に記憶する。メモリセルアレイ21の構成の詳細は、図2及び図3を用いて後述する。
【0017】
アドレスバッファ26は、データの読み出し動作時及び書き込み動作時において、バスマスター10から受信した、メモリセルアレイ21のアドレス(ロウアドレス及びカラムアドレス)を保持する。
【0018】
デコーダ22は、アドレスバッファ26から受信したアドレスをデコードする。そしてデコーダ22は、デコード結果に基づいて、メモリセルアレイ21におけるロウ方向とカラム方向とを選択する。これにより、書き込みまたは読み出し対象となるメモリセルが選択される。以下では、デコーダ22のうち、ロウアドレスをデコードしてロウ方向を選択するユニットをロウデコーダ22Aと呼び、カラムアドレスをデコードしてカラム方向を選択するユニットをカラムデコーダ22Bと呼ぶ。
【0019】
センスアンプ23は、選択メモリセルからデータを読み出し、読み出しデータをセンス、増幅する。センスアンプ23は、カラムデコーダ22Bにおけるデコード結果に基づいて、いずれかのカラムを選択するユニットを含む。これらのユニットを区別する場合には、それぞれをセンスアンプ23A及びカラムセレクタ23Bと呼ぶ。
【0020】
ライトドライバ24は、書き込みデータに基づいて、選択メモリセルに電圧を印加、または電流を供給する。これにより、選択メモリセルにデータが書き込まれる。
【0021】
ECC回路25は、読み出しデータ及び書き込みデータに対するECC処理を実行する。ECC回路25は、データの書き込み動作時には、書き込みデータに基づいて冗長ビット(例えばパリティ)を生成する。そして、生成したパリティを書き込みデータに付与し、これを書き込みドライバ24へ転送する。データの読み出し動作時には、センスアンプ23から読み出しデータを受信する。そしてECC回路25は、受信した読み出しデータに基づいてシンドロームを生成してエラーを検出する。そしてエラーが検出された際には、これを訂正する。
【0022】
データバッファ27は、バスマスター10から受信したメモリセルへの書き込みデータを保持し、これをECC回路25へ転送する。また、ECC回路25でエラー訂正された読み出しデータを保持し、これをバスマスター10へ転送する。
【0023】
制御回路28は、メモリデバイス20全体の動作を制御する。
【0024】
図2は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21、ロウデコーダ22A、カラムデコーダ22B、センスアンプ23A、及びライトドライバ24の平面レイアウトを示す。図示するようにメモリセルアレイ21は、第1領域21-1と第2領域21-2とを含む。そしてメモリセルアレイ21は、第1方向D1に沿ったワード線WLと、第1方向D1と異なる(本例では直交する)第2方向D2に沿ったビット線BL及びソース線SLに接続されたメモリセルMCを含む。第1領域21-1と第2領域21-2は、第2方向D2に沿って配列され、これらの間にセンスアンプ23Aが設けられる。なお、第1領域21-1と第2領域21-2との間で、ビット線BLはセンスアンプ23Aの上方を通過して互いに共通接続される。そして、例えば第1領域21-1と第2領域21-2との間の領域において、コンタクトプラグを介してビット線BLがセンスアンプ23Aに電気的に接続される。他方で、第1領域21-1のソース線SLと第2領域21-2のソース線SLとは、第1領域21-1と第2領域21-2との間の領域において、互いに物理的に分離されている。
【0025】
ライトドライバ24は、第1領域21-1及び第2領域21-2のそれぞれに第2方向D2で隣り合うように設けられる。またカラムデコーダ22Bが、ライトドライバ24に第2方向D2で隣り合うように設けられる。そしてロウデコーダ22Aが、メモリセルアレイ21と第1方向D1で隣り合うように設けられる。
【0026】
図3は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21の一部領域の回路図である。図示するように、メモリセルアレイ21の第1領域21-1及び第2領域21-2の各々は、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCを備えている。各メモリセルMCは、選択トランジスタSTとメモリ素子MEとを含む。選択トランジスタSTは、例えばMOSトランジスタである。メモリ素子MEは可変抵抗素子であり、本例では例えばMTJ素子である。そして、選択トランジスタSTのソースがメモリ素子MEの一端に接続される。
【0027】
第1領域21-1及び第2領域21-2はそれぞれ、N本(Nは1以上の自然数であり、本例では例えば64)のワード線WLと、L本(Lは1以上の自然数であり、本例では例えば1024)のビット線BL及びソース線SLを備える。
【0028】
そして第1領域21-1内において、同一行にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのゲートは、同一のワード線WL0~WL63に共通に接続される。また、同一列にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインは、同一のビット線BL0~BL1023に共通に接続される。更に、同一列にあるメモリセルMCのメモリ素子MEの他端は、同一のソース線SL0~SL1023に共通に接続される。
【0029】
また第2領域21-2内において、同一行にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのゲートは、同一のワード線WL64~WL127に共通に接続される。また、同一列にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインは、同一のビット線BL0~BL1023に共通に接続される。更に、同一列にあるメモリセルMCのメモリ素子MEの他端は、同一のソース線SL0~SL1023に共通に接続される。
【0030】
更に第1領域21-1及び第2領域21-2のそれぞれは、N個のリファレンスセルRCを備えている。各リファレンスセルRCは、選択トランジスタSTとリファレンス素子REとを含む。選択トランジスタSTは、例えばMOSトランジスタである。リファレンス素子REは、メモリセルMCの保持データを判断する際の基準となる抵抗値を有する。そして、選択トランジスタSTのソースがリファレンス素子REの一端に接続される。リファレンス素子REの具体例については、図4を参照しつつ後述する。
【0031】
更に第1領域21-1及び第2領域21-2はそれぞれ、リファレンスビット線RBLとリファレンスソース線RSLを備える。そして第1領域21-1では、N個のリファレンスセルRCがそれぞれワード線WL0~WL63に接続され、選択トランジスタSTのドレインはリファレンスビット線RBLに共通に接続され、リファレンス素子REの他端は、リファレンスソース線RSLに共通に接続される。同様に第2領域21-2では、N個のリファレンスセルRCがそれぞれワード線WL64~WL127に接続され、選択トランジスタSTのドレインはリファレンスビット線RBLに共通に接続され、リファレンス素子REの他端は、リファレンスソース線RSLに共通に接続される。
【0032】
なお、前述の通り、ビット線BL及びリファレンスビット線RBLは、第1領域21-1と第2領域21-2とで共通に接続される。他方で、ソース線SL及びリファレンスソース線RSLは、第1領域21-1と第2領域21-2との間の領域で物理的に分離される。したがって以下では、ソース線SL及びリファレンスソース線RSLを第1領域21-1と第2領域21-2で区別する際には、第1領域21-1ではソース線SL_L及びリファレンスソース線RSL_Lと呼び、第2領域21-2ではソース線SL_U及びリファレンスソース線RSL_Uと呼ぶ。
【0033】
上記の構成において、データの書き込み動作時及び読み出し動作時において、ワード線WLがロウデコーダ22Aによって選択される。選択ワード線WLには、ロウデコーダ22Aによって電圧が印加され、選択ワード線WLに接続された選択トランジスタSTがオン状態とされる。
【0034】
また、データの読み出し動作時において、いずれかのビット線BLとリファレンスビット線RBLとがカラムセレクタ23Bによって選択され、センスアンプ23Aに接続される。そしてセンスアンプ23Aは、選択ビット線BLの電位(または電流)と、リファレンスビット線RBLの電位(または電流)とを比較して、データを判別する。
【0035】
メモリセルMCのメモリ素子MEは、例えばMTJ素子である。MTJ素子は、例えば2つの強磁性膜と、これらの間のトンネル絶縁膜とを備える。一方の強磁性膜は、磁化の方向が固定された固定層(参照層とも呼ばれ得る)である。他方の強磁性膜は、電流によって磁化方向を変化させることができる自由層(記憶層とも呼ばれ得る)である。そして2つの強磁性膜の磁化の向きが平行状態であると、メモリセルMCにおけるビット線BLとソース線SLとの間の抵抗値は小さい。これに対して2つの強磁性膜の磁化の向きが反平行状態であると、ビット線BLとソース線SLとの間の抵抗値は大きい。この抵抗値の変化を利用して、MTJ素子は“0”データと“1”データとを保持する。
【0036】
リファレンスセルRCは例えば、“0”データを保持するMTJ素子の電気抵抗値と、“1”データを保持するMTJ素子の抵抗値との間の抵抗値を有する。図4は、本実施形態に係るリファレンスセルRCの回路図である。図示するように、リファレンス素子REは、例えば4個の記憶素子RR0~RR3を備えている。記憶素子RR0~RR3は、例えばMTJ素子である。そして、記憶素子RR0とRR1とが直列に接続され、記憶素子RR2とRR3とが直列に接続され、記憶素子RR0及びRR1の組と、記憶素子RR2及びRR3の組とが並列に接続されている。例えば、記憶素子RR0とRR2とが高抵抗状態(磁化の向きが反平行)であり、記憶素子RR1とRR3とが低抵抗状態(磁化の向きが平行)である。よって、リファレンス素子REの抵抗値RREFは、以下のようになる。
【0037】
RREF=(RH+RL)/2
但し、RHは高抵抗状態の記憶素子RRの抵抗値であり、RLは低抵抗状態の記憶素子RRの抵抗値である。この抵抗値RREFは、“0”データを保持するMTJ素子の抵抗値と、“1”データを保持するMTJ素子の抵抗値との間の値である。なお、リファレンスセルRCの構成は、図4に限定されるものではない。
【0038】
上記の構成において、本実施形態では、2本のワード線WLと1本のビット線BLにより選択される2つのメモリセルMCの組によってデータを保持する。このような動作モードを、以下では2T-2R(B)モードと呼ぶ。
【0039】
(動作について)
次に、本実施形態に係る2T-2R(B)モードにおけるデータの読み出し方法について説明する。図5は、本実施形態に係る読み出し動作のフローチャートである。
【0040】
図示するように、まずメモリデバイス20は、読み出し対象アドレスADDをバスマスター10から受信し、これをアドレスバッファ26に保持する(ステップS10)。引き続き、アドレスADDがデコーダ22でデコードされる。
【0041】
すると、カラムアドレスのデコード結果に基づいて、カラムセレクタ23Bがいずれかのビット線BLj(jは0~(L-1)であり、本例では0~1023のいずれか)と、リファレンスビット線RBLを選択する(ステップS11)。この際、同様にソース線SLj及びリファレンスソース線RSLも選択され、これらはライトドライバ24において接地される。またロウデコーダ22Aは、ロウアドレスのデコード結果に基づいて、いずれかのワード線WLi(iは0~(N-1)であり、本例では0~63のいずれか)と、ワード線WL(i+N)とを選択する(ステップS12)。
【0042】
そして、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLが充電され、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLに電流が流れる。そして、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLに流れる電流によって決まる電位が、センスアンプ23Aに転送される(ステップS13)。センスアンプ23Aは、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLの電位に基づいて、選択メモリセルMCの保持データが“0”であるか“1”であるかを判定する(ステップS14)。その後は、ECC回路25において読み出しデータについてのエラー検出及びエラー訂正が行われ、更にデータバッファ27を介してバスマスター10に転送される(ステップS15)。
【0043】
上記データの読み出し動作時におけるワード線WLの選択の様子を図6A及び図6Bを用いて簡単に説明する。図6A及び図6Bはメモリデバイス20の一部領域のブロック図であり、特に選択ワード線WLi、選択ビット線BLj、選択ソース線SLj、リファレンスビット線RBL、及びリファレンスソース線RSLに着目したものである。
【0044】
図6Aは、ビット線BL0が選択され、更に第1領域21-1でワード線WL0が選択される場合について示している。この場合、第2領域21-2では、WL(0+64)=WL64が選択される。つまり、ビット線BL0と、ワード線WL0及びWL64とに接続された2つのメモリセルMCからデータがビット線BL0に読み出される。言い換えれば、この2つのメモリセルMCの組によってデータが記憶されている。これと並行して、リファレンスビット線RBLと、ワード線WL0及びWL64とに接続された2つのリファレンスセルRCからデータがリファレンスビット線RBLに読み出される。
【0045】
図6Bは、図6Aにおいて、第1領域21-1でワード線WL63が選択される場合について示している。この場合、第2領域21-2では、WL(63+64)=WL127が選択される。つまり、ビット線BL0と、ワード線WL63及びWL127とに接続された2つのメモリセルMCからデータがビット線BL0に読み出される。言い換えれば、この2つのメモリセルMCの組によってデータが記憶されている。これと並行して、リファレンスビット線RBLと、ワード線WL63及びWL127とに接続された2つのリファレンスセルRCからデータがリファレンスビット線RBLに読み出される。
【0046】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば、センスアンプ23Aに対して線対称にメモリ領域(第1領域21-1及び第2領域21-2)が設けられる。そして、データの読み出し時には、第1領域21-1内のワード線WLiと第2領域21-2内のワード線(N+i)とが選択される。したがって、読み出し動作の高速化、安定化を図ることができる。本効果につき、以下説明する。
【0047】
本実施形態によれば、センスアンプ23AからメモリセルMCに達する電流経路におけるビット線BLjの配線抵抗が、アドレスによらず略一定となるよう、2本のワード線WLi及びWL(N+i)が選択される。この様子を図7に示す。図7は、ビット線BLj及びリファレンスビット線RBL、並びにワード線WLi及びWL(N+i)が選択された際に選択メモリセルMCに流れるセル電流Icell1及びIcell2、並びに選択リファレンスセルRCに流れるリファレンス電流Iref1及びIref2と、配線抵抗について示した模式図である。
【0048】
図示するように、第1領域21-1及び第2領域21-2が共にN本のワード線WLを含む。そして第1領域21-1でワード線WLiが選択される際には、第2領域ではワード線WL(N+i)が選択される。この場合の第1領域21-1側のビット線BLjの配線抵抗RBLjLと、第2領域21-2側のビット線BLjの配線抵抗RBLjUは以下のようになる。
【0049】
RBLjL=R(BL)/d×i
RBLjU=R(BL)/d×(N-i+1)
但し、R(BL)は、ビット線BLの単位長さ当たりの配線抵抗であり、dはワード線ピッチである。したがって、トータルとして配線抵抗RBLtotalは以下のようになる。
【0050】
RBLtotal=RBLjL+RBLjU=R(BL)/d×(N+1)
すなわち、配線抵抗は、2本の選択ワード線WLの位置によらずほぼ一定となる。言い換えれば、いずれのロウアドレスを選択した場合であっても、セル電流及びリファレンス電流が流れる経路における寄生抵抗は平均化される。その結果、読み出し時における配線抵抗の位置依存性が低減され、読み出し動作の安定化に寄与する。
【0051】
特に、行列状に配置されたメモリセルMCのデータをセンスアンプ23Aで読み出す際には、ビット線BLjの配線抵抗が読み出し時の信号のSN比に影響を与える。この点、本実施形態によれば、ビット線BLjの配線抵抗を低減することができ、十分なSN比を確保できる。更に、ビット線BLの配線抵抗の位置依存性がほとんど無視できるため、読み出し時間に対する動作マージンを小さく抑えることができ、高速動作が可能となる。
【0052】
なお、上記の選択ビット線BLjに関する配線抵抗は、リファレンスビット線RBLに関する配線抵抗RRBLL及びRRBLUについても同様である。
【0053】
また、ソース線SLに関しても同様である。第1領域21-1側のソース線SLjの配線抵抗RSLjLと、第2領域21-2側のソース線SLjの配線抵抗RSLjUは以下のようになる。
【0054】
RSLjL=R(SL)/d×(N-i+1)
RSLjU=R(SL)/d×i
但し、R(SL)は、ソース線SLの単位長さ当たりの配線抵抗であり、dはソース線ピッチである。したがって、トータルとして配線抵抗RSLtotalは以下のようになる。
【0055】
RSLtotal=RSLjL+RSLjU=R(SL)/d×(N+1)
すなわち、ソース線SLの配線抵抗も、2本の選択ワード線WLの位置によらず一定となる。このことは、リファレンスソース線RSLについても同様である。
【0056】
上記のように、本実施形態によれば、複数のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCによってデータが記憶されるモード(2T-2R(B))において、センスアンプ23Aから各メモリセルMCまでのビット線BLの配線抵抗の和がアドレスによらず常に略一定となる。言い換えれば、セル電流Icellが流れる電流経路における選択ビット線BL及び選択ソース線SLの配線抵抗を、アドレスによらずに略一定とできる。その結果、読み出し動作を安定化、高速化させることができ、また動作条件を緩和することができ、ひいては消費電力を低減できる。
【0057】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態を、2本のワード線WLと2本のビット線BLにより選択される4つのメモリセルMCの組によってデータを保持する場合に適用したものである。このような動作モードを、以下では4T-4Rモードと呼ぶ。また以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0058】
(構成について)
まず、4T-4Rモードの概念につき、図8を用いて説明する。第1実施形態で説明した図2と同様に、センスアンプ23Aをはさんで第1領域21-1と第2領域21-2とが設けられる。
【0059】
そして例えば、ワード線WLi及びビット線BLjに接続された第1メモリセルMC1、ワード線WL(N+i)及びビット線BLjに接続された第2メモリセルMC2、ワード線WLi及びビット線BL(j+1)に接続された第3メモリセルMC3、及びワード線WL(N+i)及びビット線BL(j+1)に接続された第4メモリセルMC4、の4つのメモリセルMCにより、データが記憶される。この際、メモリセルMC1とメモリセルMC2とは同一のデータ(例えば“1”)を保持し、メモリセルMC3及びMC4はそれぞれ、メモリセルMC1及びMC2の相補データ(例えば“0”)を保持する。
【0060】
図9は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21の一部領域の回路図である。図示するようにメモリセルアレイ21は、第1実施形態で説明した図3において、リファレンスセルRCを排した構成を有する。その他は、図3と同様である。
【0061】
(動作について)
次に、本実施形態に係る4T-4Rモードにおけるデータの読み出し方法について説明する。本実施形態が第1実施形態で説明した図5と異なる点は下記である。
【0062】
・ステップS11において、互いに相補データを保持するメモリセルMCの接続された2本のビット線(例えばBLjとBL(j+1))とが選択される。
【0063】
・ステップS13において、ステップS11で選択されたビット線BLj及びBL(j+1)の電位がセンスアンプ23Aに転送される。
その他の点は、第1実施形態と同様である。
【0064】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得つつ、更にデータ読み出し信頼性を向上できる。
【0065】
図10は、ビット線BL0及びBL1、並びにワード線WLi及びWL(N+i)が選択された際に、選択メモリセルMCに流れるセル電流Icell1乃至Icell4と、配線抵抗について示した模式図であり、第1実施形態で説明した図7に対応する。本実施形態においても、ビット線BL0及びBL1の配線抵抗RBLtotal、並びにソース線SL0及びSL1の配線抵抗RSLtotalは、共に下記である。
【0066】
RBLtotal=RBL0L+RBL1U=R(BL)/d×(N+1)
RSLtotal=RSL0L+RSL1U=R(SL)/d×(N+1)
したがって、第1実施形態で説明したように、4T-4Rモードにおいても、セル電流Icellが流れる電流経路における選択ビット線BL及び選択ソース線SLの配線抵抗を、アドレスによらずに略一定とできる。つまり、センスアンプ23Aから選択メモリセルMCを介してライトドライバ24に至る電流経路における寄生抵抗を、ロウアドレス間で平均化できる。
【0067】
また4T-4Rモードであると、相補データを保持するメモリセルMCに接続された2本のビット線BL(これを相補ビット線と呼ぶことがある)に流れる電流量の差(または電位差)は、リファレンスセルRCを用いる場合に選択ビット線BLとリファレンスビット線RBLとに流れる電流量の差(または電位差)の略2倍となる。したがって、読み出し信頼性を更に向上できる。
【0068】
なお、本実施形態では、隣接するビット線に接続された2つのメモリセルMCが互いの相補データを保持する場合について説明した。しかし、相補データを保持するメモリセルMCは必ずしも隣接している必要はない。
【0069】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態において、センスアンプ23Aの両側に設けられたメモリセル領域の一方のワード線本数が異なる場合に関するものである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0070】
(構成について)
図11は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21、ロウデコーダ22A、カラムデコーダ22B、センスアンプ23A、及びライトドライバ24の平面レイアウトを示し、第1実施形態で説明した図2に対応する。
【0071】
図示するように、本実施形態に係るメモリセルアレイ21は、第1実施形態で説明した図2において、更に第3領域21-3を含む。第3領域21-3は、複数のメモリセルMCとリファレンスセルRCとを含み、第2領域21-2とライトドライバ24との間に設けられる。そして、ビット線BLは、第1領域21-1、第2領域21-2、及び第3領域21-3間で共通に接続される。またソース線SLは、第2領域21-2と第3領域21-3とで共通に接続される。
【0072】
図12は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21の一部領域の回路図であり、第1実施形態で説明した図3に対応する。図示するようにメモリセルアレイ21の第3領域21-3は、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCを備えている。第3領域21-3はM本(Mは1以上の自然数であり、本例では例えば128)のワード線WLと、L本のビット線BL及びソース線SLを備える。
【0073】
そして第3領域21-3内において、同一行にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのゲートは、同一のワード線WL128~WL255に共通に接続される。また、同一列にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインは、同一のビット線BL0~BL1023に共通に接続される。更に、同一列にあるメモリセルMCのメモリ素子MEの他端は、同一のソース線SL0~SL1023に共通に接続される。
【0074】
更に第3領域21-3は、リファレンスビット線RBLとリファレンスソース線RSLを備える。そしてM個のリファレンスセルRCがそれぞれワード線WL128~WL255に接続され、選択トランジスタSTのドレインはリファレンスビット線RBLに共通に接続され、リファレンス素子REの他端は、リファレンスソース線RSLに共通に接続される。したがって図11及び図12の例であると、第2領域21-2のワード線WLの本数が(N+M)本に増えた場合であるとみなすこともできる。
【0075】
なお本例では、第3領域21-3が第2領域21-2に隣接して設けられ、これらの領域21-2及び21-3が同一のライトドライバ24によって駆動される場合を例に説明した。しかし、第3領域が第1領域21-1に隣接して設けられてもよい。この場合には、領域21-1及び21-3が同一のライトドライバ24によって駆動される。
【0076】
(動作について)
次に、本実施形態に係るデータの読み出し方法について説明する。図13は、本実施形態に係る読み出し動作のフローチャートであり、第1実施形態で説明した図3に対応する。
【0077】
図示するように、第3領域21-3内のメモリセルMCが読み出し対象ではない場合、つまり、第1領域21-1または第2領域21-2にアクセスする場合(ステップS20、NO)には、第1実施形態で説明したステップS12以降の処理が実行される。すなわち、2T-2R(B)モードにおける読み出し動作が実行される。
【0078】
他方で、第3領域21-3内のメモリセルMCが読み出し対象の場合(ステップS20、YES)には、ロウデコーダ22Aは第3領域21-3内のいずれか1本のワード線WLkを選択する(ステップS21)。kは2N~(2N+(M-1))の間の自然数である。
【0079】
そして、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLが充電され、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLに電流が流れる。そして、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLに流れる電流によって決まる電位が、センスアンプ23Aに転送される(ステップS22)。そしてセンスアンプ23Aは、選択ビット線BLj及びリファレンスビット線RBLの電位に基づいて、選択メモリセルMCの保持データが“0”であるか“1”であるかを判定する(ステップS23)。その後は、ステップS15の処理が行われる。
【0080】
上記ステップS21の様子を図14に示す。図14はメモリデバイス20の一部領域のブロック図であり、特に選択ワード線WLk、選択ビット線BLj、選択ソース線SLj、リファレンスビット線RBL、及びリファレンスソース線RSLに着目したものである。
【0081】
図14の例であると、ビット線BL0が選択され、更に第3領域21-3でワード線WL128が選択される場合について示している。この場合、第1領域21-1及び第2領域21-2では、ワード線WLは選択されない。つまり、ビット線BL0と、ワード線WL128とに接続された1つのメモリセルMCからデータがビット線BL0に読み出される。これと並行して、リファレンスビット線RBLと、ワード線WL128とに接続された1つのリファレンスセルRCからデータがリファレンスビット線RBLに読み出される。このような動作モードを、以下では1T-1Rモードと呼ぶ。
【0082】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば、センスアンプ23Aの両側にワード線WLがN本の領域21-1と、ワード線WLが(N+M)本の領域21-2、21-3とが設けられる場合であっても、2T-2R(B)モードで動作可能な領域(本例では第1領域21-1と第2領域21-2)については第1実施形態を適用できる。
【0083】
また、第3領域21-3については、種々の使用方法を適用できる。本実施形態では1T-1Rモードを適用する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0084】
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。本実施形態は、上記第2実施形態において、センスアンプ23Aの両側に設けられたメモリセル領域のワード線本数が異なる場合に関するものである。すなわち、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせたものに相当する。以下では、第2及び第3実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0085】
(構成について)
本実施形態に係るメモリセルアレイ21は、第2実施形態で説明した図8において、第2領域21-2とライトドライバ24との間に、相補ビット線に接続された2つのメモリセルMCによってデータを保持する第3領域21-3を設けたものである。その他は、第3実施形態において図11を用いて説明したとおりである。
【0086】
図15は、本実施形態に係るメモリセルアレイ21の一部領域の回路図であり、第3実施形態で説明した図12に対応する。図示するようにメモリセルアレイ21の第3領域21-3は、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCを備えている。第3領域21-3は第3実施形態と同様にM本のワード線WLと、L本のビット線BL及びソース線SLを備える。
【0087】
そして第3領域21-3内において、同一行にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのゲートは、同一のワード線WL128~WL255に共通に接続される。また、同一列にあるメモリセルMCの選択トランジスタSTのドレインは、同一のビット線BL0~BL1023に共通に接続される。更に、同一列にあるメモリセルMCのメモリ素子MEの他端は、同一のソース線SL0~SL1023に共通に接続される。すなわち、第2実施形態で説明した図9において、第2領域21-2のワード線WLの本数がN本から(N+M)本に増えた場合とみなすことができる。
【0088】
もちろん、本例においても、第3領域が第1領域21-1に隣接して設けられてもよい。この場合には、領域21-1及び21-3が同一のライトドライバ24によって駆動される。
【0089】
(動作について)
次に、本実施形態に係るデータの読み出し方法について説明する。本実施形態に係る読み出し動作は、第3実施形態で説明した図13の通りである。図13と異なる点は、第3領域21-3からデータを読み出す際に、2本の相補ビット線BLj及びBL(j+1)が選択される点である。すなわち、第2実施形態で説明したように、ビット線BLjには、第3領域21-3内においてワード線WLkに接続されたメモリセルMCからデータが読み出され、ビット線BL(j+1)には、ビット線BLjに読み出されるデータの相補データが読み出される。このような動作モードを、以下では2T-2Rモードと呼ぶ。
【0090】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば、センスアンプ23Aの両側にワード線WLがN本の領域21-1と、ワード線WLが(N+M)本の領域21-2、21-3とが設けられる場合であっても、4T-4Rモードで動作可能な領域(本例では第1領域21-1と第2領域21-2)については第2実施形態を適用できる。
【0091】
また、第3領域21-3については、種々の使用方法を適用できる。本実施形態では2T-2Rモードを適用する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0092】
<第5実施形態>
次に、この発明の第5実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。本実施形態は、上記第1乃至第4実施形態で説明した動作モードを適宜選択可能な構成に関する。以下では、第1乃至第4実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0093】
図16は、本実施形態に係るプロセッサシステム1のブロック図である。第1実施形態で説明した図1と異なる点は、制御回路28がモードセレクタ40を備えている点である。なお、モードセレクタ40は制御回路28の一部である必要はなく、別個のハードウェアまたはソフトウェアで実現されてもよい。モードセレクタ40は、メモリセルアレイ21へのアクセスモードを変更する。すなわち、本実施形態に係るメモリデバイス20は、上記第1乃至第4実施形態で説明した以下の動作モードで動作可能である。
【0094】
・1T-1Rモード
・2T-2R(B)モード
・2T-2Rモード
・4T-4Rモード
メモリセルアレイ21の構成は、図3または図12で説明したとおりである。なお、1T-1Rモード及び2T-2Rモードを用いない場合には、図9または図15に示す構成であってもよい。
【0095】
モードセレクタ40がいずれかのモードを選択すると、その旨の情報がデコーダ22、センスアンプ23、及びライトドライバ24へ転送される。そして、各回路ユニットは、上記第1乃至第4実施形態で説明したようにして、選択されたモードで動作する。
【0096】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば、モードセレクタ40によって動作モードが適宜選択可能となる。一般的に、記憶情報の単位となるメモリセル数が多いほど、高速動作、高信頼性の面で有利であるが、チップ面積が大きくなる。たとえば、1T-1RモードをROM用途、2T-2RモードをL2キャッシュ用途、4T-4RをL1キャッシュ用途などの使い分けが考えられる。この点、本実施形態によれば、これらのモードをシームレスに切り替え可能なメモリが実現できる。
【0097】
なお、モードセレクタ40は、例えばバスマスター10からモード信号を受信し、これに基づいて動作モードを選択してもよい。すなわち、バスマスター10が、1T-1Rモード、2T-2R(B)モード、2T-2Rモード、及び4T-4Rモードのいずれかの動作要求をメモリデバイス20に送信し、これに従ってメモリデバイス20が動作してもよい。
【0098】
または、例えばメモリセルアレイ21のいずれかの領域に動作モードに関する情報が記憶されていてもよい。そして、メモリデバイス20への電源投入時にこの情報が図示せぬモードレジスタ等に読み出され、読み出された情報に基づいてモードセレクタ40が動作モードを選択してもよい。
【0099】
<変形例など>
上記のように、第1乃至第4実施形態に係るメモリデバイスによれば、動作信頼性を向上できる。なお、上記では種々の実施形態を用いて説明を行なったが、実施形態は上記に限定されず、種々の変形が可能である。
【0100】
図17Aは、上記実施形態で説明した2本のワード線WLの選択方法の概念図である。図示するように、第1領域21-1においてワード線WLiが選択されると、第2領域21-2ではワード線WL(N+i)が選択される。つまり、2本の選択ワード線WLiとWL(N+i)との間には、非選択ワード線WLがN本存在する。しかしながら、この本数はN本でなくてもよい。例えば、2本の選択ワード線WLiとWL(N+i)との間には存在する非選択ワード線WLには、ダミーのワード線WLが含まれる場合であってもよい。この場合、非選択ワード線WLの本数はNより大きくなる。
【0101】
また、例えば、2本の選択ワード線WLiとWL(N+i)との間に存在する非選択ワード線WLは、常にN本でなくてもよい。この様子を図17Bに示す。すなわち、非選択ワード線WLの本数は、N本からある一定の範囲内のずれを許容する。図17Bの例では、選択ワード線WLの組によっては、2本の選択ワード線WLiとWLm(mはNから(2N-1)の間の自然数)との間の非選択ワード線WLの数が、N本から例えば10~20%の範囲で異なっていてもよい場合を示している。言い換えれば、2本の選択ワード線WLの本数が、所定の範囲内、例えばN=64の場合には、プラスマイナス10%の58~70本の範囲内であればよい。どの程度のずれを許容するかは、アプリケーションによって異なるため、必要とされる要求に応じて適宜設定すればよい。すなわち、いずれのロウアドレスを選択した場合であっても、ビット線BLからソース線SLに至るセル電流(及びリファレンス電流)の経路における抵抗値の影響を平均化できればよく、その平均化の程度は種々設定できる。また、必ずしも平均化されない場合であってもよい。すなわち、データの読み出し時に2本のワード線WLを選択する際に、センスアンプ23Aを挟んで位置する2つの領域21-1及び21-2の一方から1本のワード線WLが選択され、他方から1本のワード線WLが選択されるだけであっても十分である。
【0102】
また、ワード線WLへのアドレスの割り付け方法も適宜選択可能である。図18Aはワード線アドレス割り付け方法の第1の例を示している。図18Aの例では、第1領域21-1及び第2領域21-2のワード線WL0~WL127にそれぞれ固有の物理アドレスADD0~ADD127が割り付けられている。そして、バスマスター10は1つのアドレスADDiを送信すると、メモリデバイス20の例えば制御回路28がアドレスADD(i+N)を生成して、これをアドレスバッファ26に格納する。そして、アドレスADDiとADD(i+N)がデコーダ22へ送信される。制御回路28は、(i+N)の計算式のうちのNの値をいずれかのレジスタに保持し、これを用いて(i+N)なる計算を行なってもよい。または、予めアドレスADDの対応関係をテーブルとして有していてもよい。例えば、下記のようなテーブルを保持していてもよい。
【0103】
ADD0:ADD64
ADD1:ADD65
ADD2:ADD66
ADD3:ADD67

ADD63:ADD127
そして、例えばアドレスADD0をバスマスター10から受信した際には、制御回路28はこれに対応するアドレスADD64を選択して、これをアドレスバッファ26に送信する。本処理は、制御回路28ではなくロウデコーダ22Aによって行われてもよい。
【0104】
図18Bは、第2の方法に関する。第2の方法では、第1領域21-1のワード線WL0~WL63と、第2領域21-2のワード線WL64~127とに、同一のアドレスを割り付けてもよい。すなわち、ワード線WL0及びWL64にはアドレスADD0が割り付けられ、ワード線WL1及びWL65にはアドレスADD1が割り付けられる。この場合には、バスマスター10から受信したアドレスだけをデコードすることで2本のワード線WLを選択できる。
【0105】
また、メモリセルアレイ21及びセンスアンプ23の平面レイアウトは、図2に限定されない。例えば図19の例であってもよい。図19の例であると、センスアンプ23Aは、第2方向ではなく第1方向において、第1領域21-1と第2領域21-2との間に設けられる。この場合であっても、2本のワード線WLによって選択される2つのメモリセルMCのビット線長をアドレスによらずに略一定にできる。例えば図19の例であると、第1領域21-1においてワード線WL0は、カラムセレクタ23B及びセンスアンプ23Aに最も近いメモリセルMCを選択する。他方で、第2領域21-2においてワード線WL64は、カラムセレクタ23B及びセンスアンプ23Aに最も遠いメモリセルMCを選択する。
【0106】
また、上記実施形態ではメモリデバイス20としてMRAMを例に挙げて説明した。しかし、MRAMに限らず、例えばReRAMやPCRAMなどであってもよく、その他の不揮発性メモリであってもよい。ReRAMの場合には、電界誘起巨大抵抗変化により電気抵抗が変化する抵抗変化素子が、メモリ素子ME及びリファレンス素子REとして用いられる。PCRAMの場合には、電流を流した際に発生するジュール熱によって相変化材料の相状態を変化させてデータの書き換えを行なう相変化素子が、素子ME及びREとして用いられる。これらの素子を用いる場合、リードライト回路の読み出し部、書き込み部は、用いる素子に応じた回路構成を適用すればよく、それらは公知の回路構成を利用できる。
【0107】
また、上記実施形態では、メモリセルMCの例として、1つの選択トランジスタと1つのデータ記憶素子で形成される場合で説明しているが、このような形態に限定されるものではない。
【0108】
また、上記実施形態ではプロセッサシステム1を例に説明したが、例えばプロセッサシステム1の代わりにメモリシステムであってもよい。この場合、メモリデバイス20は例えばストレージ用のメモリであり、バスマスター10はパーソナルコンピュータやデジタルカメラ等のホスト機器であってもよい。
【0109】
上記では、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した形態に限定されるものではなく、適宜変形可能である。そして上記の構成は、実質的に類似の構成、類似の作用効果を奏する構成または類似の目的を達成できる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0110】
10…バスマスター、20…メモリデバイス、21…メモリセルアレイ、21-1…第1領域、21-2…第2領域、21-3…第3領域、22…デコーダ、22A…ロウデコーダ、22B…カラムデコーダ、23、23A…センスアンプ、23B…カラムセレクタ、24…ライトドライバ、25…ECC回路、26…アドレスバッファ、27…データバッファ、28…制御回路、40…モードセレクタ
図1
図2
図3
図4
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図6A
図6B
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図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19