(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】少なくとも1つのアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム
(51)【国際特許分類】
F15B 1/027 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
F15B1/027
(21)【出願番号】P 2021506719
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2019070474
(87)【国際公開番号】W WO2020035304
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】102018006380.2
(32)【優先日】2018-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516021430
【氏名又は名称】ハイダック フルイドテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ブルック
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュタウフ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-194564(JP,A)
【文献】特開2013-087547(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第3011493(DE,A1)
【文献】特開2018-123902(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0301073(US,A1)
【文献】米国特許第03768375(US,A)
【文献】西独国特許出願公開第3327978(DE,A1)
【文献】特開昭50-012477(JP,A)
【文献】米国特許第06357230(US,B1)
【文献】米国特許第04665697(US,A)
【文献】米国特許第9429175(US,B2)
【文献】独国特許出願公開第102016006545(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/00-7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されて
おり、
アキュムレータ圧(P
A
)が最小のアキュムレータ圧(P
AO
)を下回っている間、前記切替え弁(18)が、好ましくは調節可能な、ばね(36)と前記制御圧とによってそれぞれもたらされる弁位置にあり、かつその場合に前記アキュムレータ圧(P
A
)を前記ロジック弁(14)のピストン(24)の1つの側(34)へ伝え、前記ロジック弁(14)が、逆止め弁として作用して、調節された前記最小のアキュムレータ圧(P
AO
)未満の圧力下でそれぞれのアキュムレータ(10)のディスチャージを阻止する、
ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【請求項2】
弁(14、16、18、20)が相互に接続され、前記接続によって、前記アキュムレータ圧(P
A)が調節された前記最小のアキュムレータ圧(P
AO)を上回るとすぐに、前記切替え弁(18)がその操作された切替え位置に変更し、かつ前記シャトル弁(16)が、前記アキュムレータ圧(P
A)とシステムに接続された油圧システム(42)のシステム圧(Ps)の形式の2つの圧力のうち低い方を、前記ロジック弁(14)の前記ピストン(24)の前記1つの側(34)へ伝えることを可能とし、
前記ロジック弁(14)は、
前記アキュムレータ(10)から
前記油圧システム(42)へ、且つその逆に、前記ロジック弁(14)の両方向の貫流を可能としており、
前記アキュムレータ(10)がチャージ可能かつディスチャージも可能である、ことを特徴とする請求項1
に記載のシステム。
【請求項3】
アクティブな遮断装置が設けられており、前記遮断装置が電磁弁(38)を有し、前記電磁弁が操作されず、あるいは他のシャトル弁(40)を介して操作されて、前記アキュムレータ圧(P
A)と
システムに接続された油圧システム(42)のシステム圧(Ps)の2つの圧力のうち高い方を前記ロジック弁(14)の前記ピストン(24)の1つの側(34)へ伝え、前記ロジック弁(14)が、その閉鎖された位置に保持されて前記アキュムレータ(10)を前記油圧システム(42)から遮断し、かつ油圧-機械的なアキュムレータ制御を非作動にする、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アキュムレータ(10)をディスチャージするために、タンク接続端(T)又は還流接続端内にディスチャージ弁(20)が設けられている、ことを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ロジック弁(14)が、前記ピストン(24)の前記1つの側(34)に対向する側において、段付きピストン(26)を備え、
前記段付きピストン(26)が前記油圧システム(42)とそれぞれの前記アキュムレータ(10)との間の流体接続を制御する、ことを特徴とする請求項
2又は3に記載のシステム。
【請求項6】
前記電磁弁(38)が電流なしで開放するようにも、電流なしで閉鎖するようにも構成可能である、ことを特徴とする請求項
3に記載のシステム。
【請求項7】
前記切替え弁(18)のための制御圧の調節が、電流又は電圧に比例するように構成することが可能である、ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
エネルギを回収するための前記アキュムレータ(10)と前記油圧システム(42)との間の流体を案内する接続を制御するために使用される、ことを特徴とする請求項
2、3及び5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されており、
前記弁(14、16、18、20)が相互に接続され、前記接続によって、前記アキュムレータ圧(P
A
)が調節された前記最小のアキュムレータ圧(P
AO
)を上回るとすぐに、前記切替え弁(18)がその操作された切替え位置に変更し、かつ前記シャトル弁(16)が、前記アキュムレータ圧(P
A
)とシステムに接続された油圧システム(42)のシステム圧(Ps)の形式の2つの圧力のうち低い方を、前記ロジック弁(14)のピストン(24)の1つの側(34)へ伝えることを可能とし、
前記ロジック弁(14)は、前記アキュムレータ(10)から前記油圧システム(42)へ、且つその逆に、前記ロジック弁(14)の両方向の貫流を可能としており、前記アキュムレータ(10)がチャージ可能かつディスチャージも可能である、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【請求項10】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されており、
アクティブな遮断装置が設けられており、前記遮断装置が電磁弁(38)を有し、前記電磁弁が操作されず、あるいは他のシャトル弁(40)を介して操作されて、前記アキュムレータ圧(P
A
)と、システムに接続された油圧システム(42)のシステム圧(Ps)の2つの圧力のうち高い方を前記ロジック弁(14)のピストン(24)の1つの側(34)へ伝え、前記ロジック弁(14)が、その閉鎖された位置に保持されて前記アキュムレータ(10)を前記油圧システム(42)から遮断し、かつ油圧-機械的なアキュムレータ制御を非作動にする、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【請求項11】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されており、
前記アキュムレータ(10)をディスチャージするために、タンク接続端(T)又は還流接続端内にディスチャージ弁(20)が設けられている、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【請求項12】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されており、
電磁弁(38)が電流なしで開放するようにも、電流なしで閉鎖するようにも構成可能である、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【請求項13】
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されており、
前記切替え弁(18)のための制御圧の調節が、電流又は電圧に比例するように構成することが可能である、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ制御装置に接続可能なアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステムに関するものであって、その場合にバルブ制御装置は少なくとも1つのロジック弁を有する。本発明は特に、アキュムレータのチャージ状態を制御するために設けられたシステムに関するものであり、そのアキュムレータは余分な油圧エネルギを中間貯蔵し、後に回収するための油圧ハイブリッドの利用に用いられる。
【背景技術】
【0002】
油圧システム内で、アキュムレータ(Hydrospeichern)内に中間貯蔵される余分なエネルギ、たとえば制動エネルギ又は負荷を低下させる際に獲得されるポテンシャルエネルギは、駆動装置又は作動中のシリンダのような油圧を用いる駆動装置を支援し、又は負荷を除くために、再利用することができる。この目的のために、余分なエネルギをアキュムレータにチャージし、あるいは貯蔵されたエネルギをアキュムレータのディスチャージによって回収するように、アキュムレータのシステム状態又はチャージ状態に応じて、油圧システムへのアキュムレータの接続を必要に応じて遮断し、あるいは解放しなければならない。
【0003】
そのために、アキュムレータ取出端に、逆流防止機能が必要である。システム圧(Systemdruck)がアキュムレータ圧(Speicherdruck)よりも高い場合には、アキュムレータがチャージされる。システム圧が低い場合には、逆流防止機能によってアキュムレータのディスチャージが阻止される。これに関して、解除可能な逆止め弁を使用する従来技術において、チャージは貫流方向において行われ、かつディスチャージのプロセスは弁の解除によって駆動可能である。逆流防止機能は、電磁弁の使用によって実現することもでき、その電磁弁はアキュムレータのアクティブなオンオフを可能にする。しかし、油圧ハイブリッドシステムにおいて使用するためには、普及している電磁弁の切替え動特性(Schaltdynamik)は充分ではない。切替え遅延の発生によって、システム内に望ましくない圧力過上昇がもたらされる。解除可能な逆止め弁を利用する場合には、より高い切替え動特性は実現可能である。しかし、バルブの機能によって、アキュムレータ圧の最小値を下回るアキュムレータのディスチャージは阻止できない。アキュムレータをその予備充填圧(Vorfulldruck)未満でディスチャージする場合に、該当するアキュムレータの分離部材が損傷する危険が生じる。圧力調整のためにアキュムレータと接続されている、特許文献1に示されるバルブ制御装置も、油圧ハイブリッドの利用において使用するに適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】ドイツ国特許出願公開第102016006545(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来技術に基づいて、本発明の課題は、少なくとも1つのアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステムであって、油圧ハイブリッドの利用における要求を特に満たすシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この課題は、その全体において請求項1の特徴を有するシステムによって解決される。
【0007】
請求項1の特徴的部分によれば、従来技術に対して本発明は、シャトル弁と切替え弁が設けられており、これらの弁が相互に接続され、油圧操作可能な切替え弁が、この切替え弁の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧に対してアキュムレータ圧を比較するように、接続されていることを特徴としている。本発明に係るシステムのバルブ制御装置は電磁弁の操作なしで作動するので、高い切替え動特性が保証されている。さらにシャトル弁と切替え弁によって、アキュムレータ圧を調節可能な最小のアキュムレータ圧と比較することが行われるので、本発明に係るシステムは、最小のアキュムレータ圧が圧力アキュムレータの駆動に最適な圧力値に調節されることによって、確実に操作することもできる。
【0008】
本発明に係るシステムの好ましい実施形態において、アキュムレータ圧が最小のアキュムレータ圧を下回っている限りにおいて、切替え弁は、好ましくは調節可能なもの、ばね及び制御圧によってそれぞれもたらされる弁位置にあり、それによってアキュムレータ圧を、ロジック弁のピストンの1つのピストン側へ案内する。そのようにして逆止め弁として作用するロジック弁は、調節された最小のアキュムレータ圧未満の圧力下でそれぞれのアキュムレータがディスチャージされることを阻止する。このようにして最小のアキュムレータ圧未満への圧力下降によるアキュムレータの分離部材への損傷が効果的に回避される。
【0009】
本発明に係るシステムの他の好ましい実施形態において、弁は相互に接続され、アキュムレータ圧が調節された最小のアキュムレータ圧を上回るとすぐに、切替え弁がその操作された切り替え位置に変更し、かつ、特に逆の、シャトル弁が、アキュムレータ圧とシステムに接続された油圧システムのシステム圧の形式の2つの圧力のうち低い方を、ロジック弁のピストンの1つのピストン側へ伝えることをできるように、弁は相互に接続されている。前記ロジック弁は、アキュムレータから油圧システムへ、かつその逆に、前記ロジック弁の両方向への貫流を可能にするので、アキュムレータはチャージ可能であり、かつディスチャージも可能である。アキュムレータ圧がシステム圧より高い場合に、アキュムレータはロジック弁を介して油圧システムへ向かってディスチャージされ、逆の場合において、アキュムレータ圧がシステム圧より低い場合に、ロジック弁を介して油圧システムからチャージされる。
【0010】
本発明に係るシステムの好ましい実施形態において、アクティブな遮断装置が設けられており、その遮断装置が電磁弁を有し、その電磁弁が作動されず、あるいは他のシャトル弁を介して作動されて、アキュムレータ圧とシステム圧の2つの圧力のうち高い方をロジック弁のピストンの1つの側へ伝え、ロジック弁が、その閉鎖された位置に保持されて、アキュムレータを油圧システムから遮断し、かつ油圧-機械的なアキュムレータ制御を非作動にする。油圧機能の提供のために全ての駆動出力が必要とされる駆動状態において、アキュムレータの遮断によって、アキュムレータの偶発的なチャージが行われることを、防止することができる。それによって余分なエネルギを収容するアキュムレータの収容能力が、作業サイクルの進行中に得られる。さらに、全駆動出力が必要とされる駆動状態においてアキュムレータの偶発的チャージが阻止されるので、結果として、提供可能な、放出可能な出力を減少させることができる。遮断機能のためのパイロット弁としての電磁弁の利用は、重大なものではない。というのは、このパイロット弁の機能のためには、低い切替え動特性しか必要とされないからである。
【0011】
さらに、たとえば機械停止状態において、タンク接続端又は還流接続端内へアキュムレータを安全にディスチャージするために、ディスチャージ弁が設けられていると、効果的である。
【0012】
本発明に係るシステムの好ましい実施形態において、ロジック弁は、ピストンの1つの側に対向する側において、段付き型のピストンを備え、前記段付き型のピストンが油圧システムとそれぞれのアキュムレータとの間の流体接続を制御する。
【0013】
電磁弁は、電流なしで開放するようにも、電流なしで閉鎖されるようにも、構成されることができる。或いは、切替え弁のための制御圧の調節は、電流又は電圧に比例するように構成することが可能である。
【0014】
特に好ましくは、本発明に係るシステムは、エネルギ回収するためのアキュムレータと油圧システムとの間の流体を案内する接続を制御するために使用される。それによって弁の接続を介してアキュムレータの必要に応じたチャージ、ディスチャージ及び遮断を確実に行うことができる。
【0015】
以下、図面に示す実施形態を用いて、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】少なくとも1つのアキュムレータをチャージ及びディスチャージするための本発明に係るシステムの第1の実施形態の回路図である。
【
図2】少なくとも1つのアキュムレータをチャージ及びディスチャージするための本発明に係るシステムの第2の実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、アキュムレータ10に接続されたバルブ制御装置12を有する本発明に係るシステムの第1の実施形態の回路を示している。エネルギ中間貯蔵器として使用するために、アキュムレータ10はバルブ制御装置12を介して油圧システム28、42に接続されており、その油圧システム28、42は、例えば、付属の制御エレクトロニクス(全部は示されていない)を有する作業シリンダ又は牽引駆動の形式で、油圧負荷を有している。システム圧Psを有するシステムに圧力供給するために、油圧ポンプ11が設けられており、その油圧ポンプは、可動性のある作業装置等の付属の機器の(図示されない)駆動モータによって駆動可能である。アキュムレータ10のアキュムレータ取出端13への流体の供給及びそこからの流体の流出を制御するために、バルブ制御装置12がロジック弁14を有しており、そのロジック弁14が逆流防止機能を提供する。
【0018】
このロジック弁14は、その構造が上述した特許文献1において使用されるロジック弁に相当する。ロジック弁14は、符号1で示す弁接続端によって油圧ポンプ11のシステム圧Psを案内する圧力側と接続され、かつ弁接続端2によってアキュムレータ10のアキュムレータ圧P
Aを案内するアキュムレータ取出端13と接続されている。ロジック弁14の弁接続端3は、油圧操作可能な切替え弁18の出口側と接続されている。この切替え弁は3/2ウェイ・バルブ(3/2-Wegeventil)として構成されており、それが調節可能なばね36によって
図1に示される操作されない切り替え位置へ移動可能である。操作された第2の切替え位置へ移動させるために、切替え弁18の制御接続端15が、アキュムレータ圧P
Aを案内するアキュムレータ取出端13と接続されている。切替え弁18の出口接続端41がロジック弁14の弁接続端3と接続されているので、ロジック弁14のピストン24に対して、その作用面34において切替え弁18から供給可能な制御圧によって負荷をかけることができる。
【0019】
切替え弁18の入口側の弁接続端27は、アキュムレータ取出端13と接続されており、したがってアキュムレータ圧PAを案内する。切替え弁18の第2の入口側の弁接続端31は、逆のシャトル弁16の出口35に接続されている。シャトル弁16はその1つの入口39においてシステム圧Psを案内し、シャトル弁の他の入口37は、アキュムレータ取出端13と接続されており、かつアキュムレータ圧PAを案内する。
【0020】
逆に作動するシャトル弁16として、このシャトル弁はその出口35を介して切替え弁18の入口接続端31に、システム圧Ps又はアキュムレータ取出端13からのアキュムレータ圧PAのそれぞれ低い方の圧力値を伝える。アキュムレータ圧PAが、ばね36によって調節される最小のアキュムレータ圧PAOを下回っている間、切替え弁18は図示される、操作されない位置にあって、その位置において切替え弁はロジック弁14のピストン24の作用面34へアキュムレータ圧PAを伝える。それによってロジック弁14は逆止め弁として作用するので、アキュムレータ取出端13からの圧力の流れを阻止し、それによってアキュムレータ10は、油圧ポンプ11のシステム圧Psを案内する圧力側17からのみチャージ可能である。アキュムレータ圧PAが調節された最小圧力値を上回っている場合に、切替え弁18は、操作された切り替え位置へ変位して、逆のシャトル弁16が2つの圧力PAとPsのうちの低い方をロジック弁14のピストン24の作用面34へ伝えることを可能にする。それによって、ロジック弁14のピストン24の作用面34上に、低い圧力が作用するので、このロジック弁は2つの方向への貫流を可能にし、すなわちアキュムレータ10はチャージすることもディスチャージすることもできる。
【0021】
上記構成部品の回路は、第1の導管メイン分路としてシステム圧Psを案内する圧力導管19を有しており、その圧力導管19は油圧ポンプ11の圧力側17からシャトル弁16の第1の入口39へ通じており、かつその圧力導管19に、分岐49において、ロジック弁14の弁接続端1が接続されている。第2のメイン分路としてアキュムレータ圧力導管21が設けられており、それがアキュムレータ圧PAを案内し、かつアキュムレータ取出端13とシャトル弁16の第2の入口37との間の接続を構成する。第3のメイン分路としてアキュムレータチャージ-ディスチャージ導管23が設けられており、それがアキュムレータ取出端13からロジック弁14の弁接続端2へ通じている。切替え弁18の出口接続端41は、制御導管46(その中に絞り(Blende)43が設けられている)を介してロジック弁14の弁接続端3と接続されている。切替え弁18は、入口側においてその第1の入口接続端27によって、分岐29において、アキュムレータ圧導管21と接続されており、かつその第2の入口接続端31によって導管33を介してシャトル弁16の出口35と接続されている。アキュムレータ圧PAがばね36の調節された力に対抗作用する比較機能のために、制御接続端15は、分岐25において、アキュムレータ圧導管21と接続されている。前記回路は、ディスチャージ弁20によって完結する。前記ディスチャージ弁20は、電磁気的に作動することができ、その入口側で、分岐45においてアキュムレータ圧導管21と接続され、そしてそれに伴ってアキュムレータ10と接続されており、かつ出口側においてタンク導管47を介してタンク接続端T又は還流接続端に接続されている。
【0022】
ロジック弁14は、その阻止-逆流防止機能のために、上述した特許文献1に示されるように、2-ウエイ・ビルトイン・バルブ(2-Wege-Einbauventil)によって構成されており、その制御ピストン24は、3つの作用面30、32及び34と、幾何学的制御を有する段付きピストン(Kolbenstufe)26とを有している。作用面30には、弁接続端1の圧力が作用しており、その弁接続端1は圧力導管19の分岐49に接続されており、かつシステム圧Psを案内する。第2の作用面32は、弁接続端2の圧力を受け、かつ大きさについては第1の作用面30の百分の1よりも小さい。したがって、弁接続端3における流体圧を受ける第3の作用面34は、最大の作用面を構成し、かつ作用面30と32の合計に相当する。弁ピストン24は、制御ピンを構成する段付きピストン26によって圧力を受け、ばね22によって付勢されてシート内に圧入されている。ロジック弁14を通る体積流を遮断するこの位置において、ピストン24は、切替え弁18が
図1に示す切替え位置にある場合に、作用面34に作用するアキュムレータ圧によって保持され、その一方、切替え弁18が操作された位置にあり、かつその場合に作用面34におけるPsとP
Aのうち低い圧力において、弁接続端1と2において打ち勝った圧力に従って、ロジック弁14を通る貫流が生じる。
【0023】
図2は、本発明に係るシステムの第2の実施形態の回路図を示している。第2の実施形態は、本質的に第1の実施形態とは異なる限りにおいて説明し、かつその限りにおいてこれまでの該当する説明は、第2の実施形態にも当てはまる。第2の実施形態は、特に、作動可能な遮断装置を有する点で第1の実施形態とは異なり、その遮断装置によって制御装置12の機能を非作動にすることができる。遮断装置は、3/2ウェイ・バルブの形式で、電磁操作可能な切替え弁38とシャトル弁40とを有している。このシャトル弁は入口51によって、分岐52においてアキュムレータ圧導管21と、そして第2の入口53において接続導管54を介して、分岐55において圧力導管19に接続されている。この配置において、シャトル弁40は、その出口56から切替え弁38の第1の入口57へ、アキュムレータ圧P
Aとシステム圧Psのうち高い方の圧力を伝える。切替え弁38は、その第2の入口58によって、導管59を介して切替え弁18の出口接続端41に接続されている。切替え弁38の出口接続端60には、制御導管46が接続されており、その制御導管46がロジック弁14の弁接続端3へ通じている。
【0024】
図2に示すような、操作されない切替え位置において、切替え弁38は、シャトル弁40から供給された、アキュムレータ圧P
Aとシステム圧Psのうち高い方の圧力をロジック弁14の作用面34へ伝えるので、このロジック弁14は遮断状態に留まり、それによってアキュムレータ10は確実にシステムから分離される。切替え弁38が操作された状態において、ここでも
図1の例におけるように、切替え弁18の出口接続端41は、導管59と出口接続端60を介して、制御導管46と接続されている。そのため、
図1の場合と同様に、バルブ制御装置12の制御機能が、再び作動される。切替え弁38は、電流なしで開放するようにも、電流なしで閉鎖するようにも構成することができる。選択的に、電流又は電圧に比例する最小の圧力設定を切替え弁18に設けることもできる。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
バルブ制御装置(12)に接続可能な、少なくとも1つのアキュムレータ(10)をチャージ及びディスチャージするシステムであって、
前記バルブ制御装置(12)が少なくとも1つのロジック弁(14)を有し、
シャトル弁(16)と切替え弁(18)が設けられており、油圧操作可能な前記切替え弁(18)が、アキュムレータ圧(P
A
)を、前記切替え弁(18)の制御圧の調節を介して調節可能な最小のアキュムレータ圧(P
AO
)と比較するように、前記弁(14、16、18)が相互に接続されている、ことを特徴とするアキュムレータをチャージ及びディスチャージするシステム。
[態様2]
アキュムレータ圧(P
A
)が最小のアキュムレータ圧(P
AO
)を下回っている間、前記切替え弁(18)が、好ましくは調節可能な、ばね(36)と前記制御圧とによってそれぞれもたらされる弁位置にあり、かつその場合に前記アキュムレータ圧(P
A
)を前記ロジック弁(14)のピストン(24)の1つの側(34)へ伝え、前記ロジック弁(14)が、逆止め弁として作用して、調節された前記最小のアキュムレータ圧(P
AO
)未満の圧力下でそれぞれのアキュムレータ(10)のディスチャージを阻止する、ことを特徴とする態様1に記載のシステム。
[態様3]
弁(14、16、18、20)が相互に接続され、前記接続によって、前記アキュムレータ圧(P
A
)が調節された前記最小のアキュムレータ圧(P
AO
)を上回るとすぐに、前記切替え弁(18)がその操作された切替え位置に変更し、かつ前記シャトル弁(16)が、アキュムレータ圧(P
A
)とシステムに接続された油圧システム(42)のシステム圧(Ps)の形式の2つの圧力のうち低い方を、前記ロジック弁(14)の前記ピストン(24)の前記1つの側(34)へ伝えることを可能とし、
前記ロジック弁(14)は、アキュムレータ(10)から油圧システム(42)へ、且つその逆に、前記ロジック弁(14)の両方向の貫流を可能としており、アキュムレータ(10)がチャージ可能かつディスチャージも可能である、ことを特徴とする態様1又は2に記載のシステム。
[態様4]
アクティブな遮断装置が設けられており、前記遮断装置が電磁弁(38)を有し、前記電磁弁が操作されず、あるいは他のシャトル弁(40)を介して操作されて、前記アキュムレータ圧(P
A
)と前記システム圧(Ps)の2つの圧力のうち高い方を前記ロジック弁(14)の前記ピストン(24)の1つの側(34)へ伝え、前記ロジック弁(14)が、その閉鎖された位置に保持されて前記アキュムレータ(10)を前記油圧システム(42)から遮断し、かつ油圧-機械的なアキュムレータ制御を非作動にする、ことを特徴とする態様1から3のいずれか一態様に記載のシステム。
[態様5]
前記アキュムレータ(10)をディスチャージするために、タンク接続端(T)又は還流接続端内にディスチャージ弁(20)が設けられている、ことを特徴とする態様1から4のいずれか一態様に記載のシステム。
[態様6]
前記ロジック弁(14)が、前記ピストン(24)の前記1つの側(34)に対向する側において、段付きピストン(26)を備え、
前記段付きピストン(26)が前記油圧システム(42)とそれぞれの前記アキュムレータ(10)との間の流体接続を制御する、ことを特徴とする態様1から5のいずれか一態様に記載のシステム。
[態様7]
電磁弁(38)が電流なしで開放するようにも、電流なしで閉鎖するようにも構成可能である、ことを特徴とする態様1から6のいずれか一態様に記載のシステム。
[態様8]
前記切替え弁(18)のための制御圧の調節が、電流又は電圧に比例するように構成することが可能である、ことを特徴とする態様1から7のいずれか一態様に記載のシステム。
[態様9]
エネルギを回収するための前記アキュムレータ(10)と前記油圧システム(42)との間の流体を案内する接続を制御するために使用される、ことを特徴とする態様1から8のいずれか一態様に記載のシステム。