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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】自動車投光器の照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/29 20180101AFI20230904BHJP
   F21S 41/275 20180101ALI20230904BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/275
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021576908
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2020065794
(87)【国際公開番号】W WO2020259994
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】19182837.5
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ミッターレーナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】カーリンガー、ギュンター
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-072105(JP,U)
【文献】特表2018-518800(JP,A)
【文献】特開2008-226542(JP,A)
【文献】特開2018-106890(JP,A)
【文献】特開2006-286615(JP,A)
【文献】特開2017-130361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/29
F21S 41/275
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射光学系システム(1)と光源ユニット(2)を含んだ自動車投光器の照射装置であって、前記光源ユニット(2)は、面部(20)を含み、
- 前記光源ユニット(2)は、前記面部(20)上に光像を生成することができ、前記面部(20)上に生成可能な前記光像は、前記投射光学系システム(1)を用い、所定の配光のかたちで前記照射装置の前方に投射可能であり、
- 前記光源ユニット(2)は、支持構造体(3)を含み、
- 前記支持構造体(3)は、開口部(30)を有し、前記開口部(30)は、前記面部(20)に適合するように配設されて構成されており、前記光像は、少なくとも、前記投射光学系システム(1)の方を向いた側の前記面部(20)の面(201)上に生成可能であり、
- 前記投射光学系システム(1)は、ガイド要素(10)を有し、前記支持構造体(3)は、前記ガイド要素(10)に対応する長手のガイド部(31)を有し、前記ガイド要素(10)は、前記長手のガイド部(31)内で、前記長手のガイド部(31)の長手方向(X)に沿って案内可能に配設されており、
- 前記投射光学系システム(1)は、前記支持構造体(3)上に載置され、前記長手方向(X)に沿って可動であり、前記支持構造体(3)に固定可能であること、
- 前記投射光学系システム(1)は、前記長手のガイド部(31)の長さ(L)により規定された運動範囲(B)内で可動であり、前記投射光学系システム(1)は、固定領域(12)を有し、前記支持構造体(3)は、前記固定領域(12)に対応する対向領域(33)を有し、前記運動範囲(B)と、前記固定領域(12)と、前記対向領域(33)とは、次のように互いに対応し、即ち前記投射光学系システム(1)の前記固定領域(12)が少なくとも部分的に前記支持構造体(3)の前記対向領域(33)に固定されているよう、前記投射光学系システム(1)が前記運動範囲(B)内のどの位置でも前記支持構造体(3)に固定可能であるように、互いに対応すること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記投射光学系システム(1)は、投射光学系ホルダ(4)と、少なくとも1つの投射光学系(5a、5b、5c)とを含み、前記少なくとも1つの投射光学系(5a、5b、5c)は、前記投射光学系ホルダ(4)内にはめ込まれており、前記ガイド要素(10)は、前記投射光学系ホルダ(4)に配設されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
前記投射光学系ホルダ(4)は、前記支持構造体(3)上に載置され、前記長手方向(X)に沿って可動であり、前記支持構造体(3)に固定可能であること、
を特徴とする、請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記投射光学系システム(1)は、2つ以上の投射光学系(5a、5b、5c)を含むこと、
を特徴とする、請求項2又は3に記載の照射装置。
【請求項5】
前記投射光学系システム(1)は、アクロマート作用及び/又はアポクロマート作用を有すること、
を特徴とする、請求項4に記載の照射装置。
【請求項6】
前記固定領域(12)は、少なくとも2つの通過開口部(120、121、122)を有し、前記対向領域(33)は、少なくとも2つの受容部(330、331、332)を有し、各受容部(330、331、332)は、それぞれ1つの通過開口部(120、121、122)に対応し、異なる受容部(330、331、332)は、異なる通過開口部(120、121、122)に対応し、前記固定領域(12)は、前記対向領域(33)において、前記通過開口部(120、121、122)内と前記受容部(330、331、332)内に受容可能な少なくとも2つの固定要素(6a、6b、6c)を用いて固定可能であること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
前記通過開口部(120、121、122)は、長手に形成され、前記投射光学系システム(1)の光軸線(X)の方向に延在すること、
を特徴とする、請求項に記載の照射装置。
【請求項8】
前記投射光学系システム(1)が前記支持構造体(3)に固定されるポジションは、所望の結像尺度又は所望の結像鮮明度に依存して選択されていること、
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項9】
前記投射光学系システム(1)は、ハンドリング領域(13)を有し、前記ハンドリング領域(13)は、前記投射光学系システム(1)の互いに反対側に位置する側面部(14a、14b)に形成されていること、
を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
前記ハンドリング領域(13)は、前記投射光学系システム(1)から突出する側方の側板形状の要素として構成されていること、
を特徴とする、請求項に記載の照射装置。
【請求項11】
前記側方の側板形状の要素は、投射光学系ホルダ(4)から、前記投射光学系システム(1)の光軸線(X)に対して直角の方向に延在すること、
を特徴とする、請求項10に記載の照射装置。
【請求項12】
前記長手のガイド部(31)は、それらの端部においてそれぞれ当接面(31a、31b)を有し、それによりそれぞれの前記ガイド要素(10)は、前記長手のガイド部(31)の第1の端部から、前記第1の端部とは反対側の第2の端部までのみで可動であること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項13】
前記支持構造体(3)は、アーム(32)を有し、前記支持構造体(3)の前記アーム(32)は、前記投射光学系システム(1)の方向に突出し、前記長手のガイド部(31)は、前記アーム(32)内に構成されており、前記投射光学系システム(1)は、突出する側板部(11)を有し、前記ガイド要素(10)は、前記突出する側板部(11)に配設されていること、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光器(例えば自動車前照灯)の照射装置に関し、該照射装置は、投射光学系システムと光源ユニットを含んでいる。
【0002】
該照射装置は、好ましくは、所定の投射原理に従って機能する照射装置である。光源ユニットは、好ましくは投射光学系システムの光軸線に対して直角に置かれた面部を含み、この際、光源ユニットは、前記面部上に光像を生成することができる。好ましくは、前記面部の大きさは、光像の大きさと実質的に同じである。前記面部上に生成可能な光像は、投射光学系システムを用い、例えばロービーム配光、地面投射配光、又はハイビーム配光のような所定の配光のかたちで照射装置の前方に投射可能である。光源ユニットは、更に支持構造体を含み、この際、支持構造体は、開口部を有し、この際、前記開口部は、前記面部に適合するように配設されて構成されており、また光像は、少なくとも、投射光学系システムの方を向いた前記面部の側面部上で生成可能である。例えば前記面部(ないし光像)と前記開口部の間の間隔は、前記開口部の寸法と光像の寸法の双方よりも小さく、好ましくは遥かに小さい。つまり前記面部は、前記面部に光像が生成されたときに、前記面部に生成された光像から出される全ての光が前記開口部を通って(投射光学系システムの方向に)通過するように、開口部に対し、例えば開口部に沿って又は開口部内に、適合するように配設されている。
【0003】
それに加え、本発明は、そのような照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器に関する。
【背景技術】
【0004】
照射装置は、一般的に従来技術から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許発明第102010046626号
【文献】独国実用新案第202011108359号
【文献】独国特許出願公開第102016201977号
【文献】独国特許出願公開第102010054922号
【文献】欧州特許出願公開第2693109号
【文献】米国特許出願公開第2015/377439号
【文献】欧州特許出願公開第3109540号
【文献】韓国公開特許第2014-0107950号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術から知られている照射装置において、投射光学系システムは、光源に関し、全く位置調節不能であるか、又は複雑な位置調節機構を用いてのみ位置調節可能である。
【0007】
従って、本発明の課題は、簡単な構成を有し、信頼性をもって調整することのできる自動車投光器用の照射装置を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、上記の形式の照射装置において、本発明により、投射光学系システムがガイド要素を有し、支持構造体が、ガイド要素に対応する長手のガイド部を有し、この際、ガイド要素は、長手のガイド部内で、投射光学系システムの光軸線と好ましくは平行に延びる長手のガイド部の長手方向に沿って案内可能に配設されており、この際、投射光学系システムは、支持構造体上に固定可能に載置され、支持構造体に投射光学系システムを固定する前に、長手方向に沿って可動であること、により解決される。
即ち本発明の第1の視点により、
投射光学系システムと光源ユニットを含んだ自動車投光器の照射装置であって、前記光源ユニットは、面部を含み、
- 前記光源ユニットは、前記面部上に光像を生成することができ、前記面部上に生成可能な前記光像は、前記投射光学系システムを用い、所定の配光のかたちで前記照射装置の前方に投射可能であり、
- 前記光源ユニットは、支持構造体を含み、
- 前記支持構造体は、開口部を有し、前記開口部は、前記面部に適合するように配設されて構成されており、前記光像は、少なくとも、前記投射学系システムの方を向いた側の前記面部の面上に生成可能であり、
- 前記投射光学系システムは、ガイド要素を有し、前記支持構造体は、前記ガイド要素に対応する長手のガイド部を有し、前記ガイド要素は、前記長手のガイド部内で、前記長手のガイド部の長手方向に沿って案内可能に配設されており、
- 前記投射光学系システムは、前記支持構造体上に載置され、前記長手方向に沿って可動であり、前記支持構造体に固定可能であること、
を特徴とする照射装置が提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
投射光学系システムと光源ユニットを含んだ自動車投光器の照射装置であって、前記光源ユニットは、面部を含み、
- 前記光源ユニットは、前記面部上に光像を生成することができ、前記面部上に生成可能な前記光像は、前記投射光学系システムを用い、所定の配光のかたちで前記照射装置の前方に投射可能であり、
- 前記光源ユニットは、支持構造体を含み、
- 前記支持構造体は、開口部を有し、前記開口部は、前記面部に適合するように配設されて構成されており、前記光像は、少なくとも、前記投射光学系システムの方を向いた側の前記面部の面上に生成可能であり、
- 前記投射光学系システムは、ガイド要素を有し、前記支持構造体は、前記ガイド要素に対応する長手のガイド部を有し、前記ガイド要素は、前記長手のガイド部内で、前記長手のガイド部の長手方向に沿って案内可能に配設されており、
- 前記投射光学系システムは、前記支持構造体上に載置され、前記長手方向に沿って可動であり、前記支持構造体に固定可能であること、
- 前記投射光学系システムは、前記長手のガイド部の長さにより規定された運動範囲内で可動であり、前記投射光学系システムは、固定領域を有し、前記支持構造体は、前記固定領域に対応する対向領域を有し、前記運動範囲と、前記固定領域と、前記対向領域とは、次のように互いに対応し、即ち前記投射光学系システムの前記固定領域が少なくとも部分的に前記支持構造体の前記対向領域に固定されているよう、前記投射光学系システムが前記運動範囲内のどの位置でも前記支持構造体に固定可能であるように、互いに対応すること、
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
前記照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
投射光学系システムと光源ユニットを含んだ自動車投光器の照射装置であって、前記光源ユニットは、面部を含み、
- 前記光源ユニットは、前記面部上に光像を生成することができ、前記面部上に生成可能な前記光像は、前記投射光学系システムを用い、所定の配光のかたちで前記照射装置の前方に投射可能であり、
- 前記光源ユニットは、支持構造体を含み、
- 前記支持構造体は、開口部を有し、前記開口部は、前記面部に適合するように配設されて構成されており、前記光像は、少なくとも、前記投射光学系システムの方を向いた側の前記面部の面上に生成可能であり、
- 前記投射光学系システムは、ガイド要素を有し、前記支持構造体は、前記ガイド要素に対応する長手のガイド部を有し、前記ガイド要素は、前記長手のガイド部内で、前記長手のガイド部の長手方向に沿って案内可能に配設されており、
- 前記投射光学系システムは、前記支持構造体上に載置され、前記長手方向に沿って可動であり、前記支持構造体に固定可能であること。
(形態2)
前記投射光学系システムは、投射光学系ホルダと、少なくとも1つの投射光学系とを含み、前記少なくとも1つの投射光学系は、前記投射光学系ホルダ内にはめ込まれており、前記ガイド要素は、前記投射光学系ホルダに配設されていること、が好ましい。
(形態3)
前記投射光学系ホルダは、前記支持構造体上に載置され、前記長手方向に沿って可動であり、前記支持構造体に固定可能であること、が好ましい。
(形態4)
前記投射光学系システムは、2つ以上の投射光学系を含むこと、が好ましい。
(形態5)
前記投射光学系システムは、アクロマート作用及び/又はアポクロマート作用を有すること、が好ましい。
(形態6)
前記投射光学系システムは、前記長手のガイド部の長さにより規定された運動範囲内で可動であり、前記投射光学系システムは、固定領域を有し、前記支持構造体は、前記固定領域に対応する対向領域を有し、前記運動範囲と、前記固定領域と、前記対向領域とは、次のように互いに対応し、即ち前記投射光学系システムの前記固定領域が少なくとも部分的に前記支持構造体の前記対向領域に固定されているよう、前記投射光学系システムが前記運動範囲内のどの位置でも前記支持構造体に固定可能であるように、互いに対応すること、が好ましい。
(形態7)
前記固定領域は、少なくとも2つ、好ましくは3つの通過開口部を有し、前記対向領域は、少なくとも2つ、好ましくは3つの受容部を有し、各受容部は、それぞれ1つの通過開口部に対応し、異なる受容部は、異なる通過開口部に対応し、前記固定領域は、前記対向領域において、前記通過開口部内と前記受容部内に受容可能な少なくとも2つ、好ましくは3つの固定要素、例えばねじを用いて固定可能であること、が好ましい。
(形態8)
前記通過開口部は、長手に形成され、光軸線の方向に延在すること、が好ましい。
(形態9)
固定位置は、所望の結像尺度又は所望の結像鮮明度に依存して選択されていること、が好ましい。
(形態10)
前記投射光学系システムは、好ましくは投射光学系ホルダは、ハンドリング領域を有し、前記ハンドリング領域は、前記投射光学系システムの、好ましくは投射光学系ホルダの互いに反対側に位置する側面部に形成されていること、が好ましい。
(形態11)
前記ハンドリング領域は、前記投射光学系システムから、好ましくは投射光学系ホルダから突出する側方の好ましくは側板形状の要素、好ましくは側板部として構成されていること、が好ましい。
(形態12)
前記側方の側板形状の要素は、好ましくは側板部は、投射光学系ホルダから、光軸線に対して直角の方向に、好ましくは水平方向に延在すること、が好ましい。
(形態13)
前記長手のガイド部は、それらの端部においてそれぞれ当接面を有し、それによりそれぞれの前記ガイド要素は、前記長手のガイド部の第1の端部から、前記第1の端部とは反対側の第2の端部までのみで可動であること、が好ましい。
(形態14)
前記支持構造体は、アームを有し、前記支持構造体の前記アームは、前記投射光学系システムの方向に突出し、前記長手のガイド部は、前記アーム内に構成されており、前記投射光学系システムは、突出する側板部を有し、前記ガイド要素は、前記突出する側板部に配設されていること、が好ましい。
(形態15)
前記照射装置を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【0010】
好ましくは心出しされた投射光学系システムが支持構造上に載置され、支持構造体に(所望のポジションで)固定可能であることにより、本発明は重力を利用し、この際(固定前の)長手方向に沿った案内可能性は、光像を有する面部に関し、投射光学系システムの簡単で且つ確実な位置決めを可能にする。この際、欠陥(レンズ形状のずれ、レンズ厚さの許容差など)は、できるだけ鮮明な結像を達成するために、少なくとも部分的に補償可能であり、このことは、ロゴ投射にとって特に重要である。前記の所望のポジションは、長手方向に沿って光源ユニットに関して投射光学系システムを動かすことにより、そして生成された配光を同時に分析することにより、つまり照射装置が稼働されているときに、その品質に関し、例えばその鮮明度に関して検出される。
【0011】
投射光学系システムは、以下の説明ではレンズシステム(オブジェクティブ)とも呼ばれる。好ましくは、それぞれ2つの長手のガイド部とガイド要素が設けられている。ガイド要素は、例えば同様に長手に形成されている。長手のガイド部ごとに正に1つのガイド要素が設けられていると、目的に適い得る。長手のガイド部は、例えば槽形状の受容部/窪み部として構成されていることが可能である。
【0012】
好ましくは、前記面部は、例えばDMDチップのような面状光変調器のマイクロミラーアレイの複数のミラーのミラー面により構成されていることが可能である。しかしLED光源の発光面も同様に前記面部として機能することができる。それに加え、前記面部は、レーザ光源の光、例えばレーザダイオードの光を実質的に白色光に変換することのできる光変換手段(ライトコンバージョン手段)ないし光変換手段プレートとして構成されていることが可能である。また前記面部は、好ましくは平坦でありないし湾曲されていない。前記の場合においてLED光源ないしレーザ光源が光源ユニットの一部であることは自明のことである。
【0013】
投射光学系システムは、好ましくは(長手方向と平行の)主放射方向において光源ユニットの後に配設されている。
【0014】
好ましい一実施形態において、照射装置は、ライトモジュールとして構成されていることが可能である。つまり照射装置は、組み立てられた状態で、即ち投射光学系システムが支持構造体に固定されている場合に、一構造ユニットを構成し、例えば自動車投光器内で異なる場所に分散されている構造的に互いに分離された要素ないし下位ユニットから構成されているわけではない。
【0015】
有利には、投射光学系システムは、投射光学系ホルダと、少なくとも1つの投射光学系とを含むことができ、この際、少なくとも1つの投射光学系は、投射光学系ホルダ内にはめ込まれており、この際、ガイド要素は、投射光学系ホルダに配設されている。
【0016】
投射光学系としては、例えば、凹レンズ、凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、平凹レンズ、又は平凸レンズのようなレンズ(好ましくは3つのレンズが設けられている)を使用することができる。これらのレンズは、様々な材料から(それぞれ異なる屈折率を有する材料から)成ることができ、互いに異なる間隔で位置決めされていることが可能である。例えば異なるレンズは、互いに適合された異なる屈折率を有することができる。特にこれらのレンズは、例えば、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)のようなプラスチック、又は、例えばフリントガラスやクラウンガラスのような光学ガラスから製造されていることが可能である。
【0017】
好ましい一実施形態において、ガイド要素は、投射光学系ホルダと一体的に構成されており、特に投射光学系ホルダとともにモノリシック構造体を構成することができる。
【0018】
この際、投射光学系ホルダが支持構造体上に載置され、長手方向に沿って可動であり、支持構造体に(所望のポジションで)固定可能であると、目的に適い得る。
【0019】
好ましい一実施形態において、有利には、投射光学系システムは、2つ以上、好ましくは3つの投射光学系を含むことができる。
【0020】
この際、投射光学系システムがアクロマート作用及び/又はアポクロマート作用を有すると、ないし投射光学系システムがアクロマート作用及び/又はアポクロマート作用を有するように投射光学系が構成されて互いに位置決めされていると、目的に適い得る。
【0021】
有利には、ガイド要素は、隆起部(突出部)として構成されていることができ、この際、これらの隆起部は、長手方向に対して横方向(左右方向)に置かれた断面において台形状に形成されている。
【0022】
また有利には、それらの隆起部は、下方に突出していることができる。
【0023】
好ましい一実施形態において、有利には、長手のガイド部は、例えば槽形状の窪み部として、或いは、穴、貫通穴、及び/又は長穴として構成されていることができ、この際、ガイド要素は、例えば部分的に又は全体的に長手のガイド部内に受容されている。
【0024】
更に投射光学系システムが、長手のガイド部の長さにより規定された運動範囲内で可動であり、投射光学系システムが、好ましくは投射光学系ホルダが固定領域を有し、支持構造体が、該固定領域に対応する対向領域を有すると、有利で有り得て、この際、運動範囲と、固定領域と、対向領域とは、次のように互いに対応し、即ち投射光学系システムの固定領域が少なくとも部分的に支持構造体の対向領域に固定されているよう、投射光学系システムが、好ましくはその投射光学系ホルダが、運動範囲内のどの位置でも支持構造体に固定可能であるように、互いに対応する。
【0025】
本発明との関連において「運動範囲」との概念は、ガイド要素が長手のガイド部内に配設されているときに、投射光学系システムが光源ユニットに関して(投射光学系システムの)光軸線に沿って可動である長さとして理解される。
【0026】
更に有利には、運動範囲は(長手方向に沿った)ガイド要素の長さ、例えば隆起部の長さにより規定されることもできる。
【0027】
支持構造体における投射光学系システムの固定、好ましくはその投射光学系ホルダの固定は、ねじ込み、接着、リベット留め、又は溶接により行うことができる。
【0028】
固定領域が、少なくとも2つ、好ましくは3つの通過開口部を有し、対向領域が、少なくとも2つ、好ましくは3つの受容部を有すると、目的に適い得て、この際、各受容部は、それぞれ1つの通過開口部に対応し、この際、異なる受容部は、異なる通過開口部に対応し、この際、固定領域は、対向領域において、通過開口部内と受容部内に受容可能な少なくとも2つ、好ましくは3つの固定要素、例えばねじを用いて固定可能である。
【0029】
通過開口部が、光軸線の方向に延在する長穴として構成されており、その長さが運動範囲に対応すると、有利であり得る。
【0030】
有利には、固定領域は、投射光学系ホルダの外周部に配設されていることができ、この際、通過開口部は、固定領域にわたって分散して配設されており、それによりこれらの通過開口部は、支持構造体における投射光学系システムのより良い保持状態を提供する。
【0031】
好ましい一実施形態において、通過開口部ないし受容部は、三角形のかたちで(即ちそれらをつないで見ると三角形のかたちとなるように)配設されていることができる。
【0032】
固定位置(ないし所望のポジション)は、所望の結像尺度又は所望の結像鮮明度に依存して選択されていると、目的に適い得る。
【0033】
特に好ましい一実施形態において、投射光学系システムは、好ましくは投射光学系ホルダは、ハンドリング領域を有することができ、該ハンドリング領域は、投射光学系システムの、好ましくは投射光学系ホルダの互いに反対側に位置する側面部に形成されている。
【0034】
ハンドリング領域により、例えば、投射光学系システムの特に自動化されたハンドリングないし自動化された把持が可能とされる。ハンドリング領域は、例えば予め設定された結像尺度又は予め設定された結像鮮明度を達成するために、軸方向(光軸線の方向)における精密な長手方向位置調節を実行する組立ロボットのような産業ロボットにより把持されることが可能である。
【0035】
ハンドリング領域が、投射光学系システムから、好ましくは投射光学系ホルダから突出する、側方の好ましくは側板形状の要素、好ましくは側板部として構成されていると、更なる利点が得られる。
【0036】
それに加え、側方の側板形状の要素は、好ましくは側板部は、投射光学系ホルダから、光軸線に対して直角の方向に、好ましくは水平方向に延在することができる。
【0037】
更に、長手のガイド部がそれらの端部においてそれぞれ当接面を有すると有利であり得て、それによりそれぞれのガイド要素は、長手のガイド部の第1の端部から、第1の端部とは反対側の第2の端部までのみで可動である。
【0038】
好ましい一実施形態において、有利には、支持構造体がアームを有することができ、この際、支持構造体のアームは、投射光学系システムの方向に突出し、この際、長手のガイド部は、アーム内に構成されており、投射光学系システムは、好ましくは側方に突出する側板部を有し、この際、ガイド要素は、この突出する側板部に配設されている。
【0039】
この際、開口部(支持構造体の開口部)の側方に配設された正に2つのアームが設けられていると、目的に適い得る。
【0040】
それに加え、アームが、開口部(支持構造体の開口部)を含んだ面から突出し、長手方向と平行に延在すると、目的に適い得る。
【0041】
また、アームが投射光学系システムのための載置面を構成すると、格別の利点を得ることができる。
【0042】
各アーム内に正に1つの長手のガイド部が構成されていると、目的に適い得る。
【0043】
更に、側板部が投射光学系ホルダに配設されていると、目的に適い得る。側板部が投射光学系ホルダに形成されており、特に投射光学系ホルダとともにモノリシック構造体を構成すると、格別の利点を得ることができる。
【0044】
特に好ましい一実施形態において、有利には、ガイド要素は、側板部に配設され、特に側板部に形成されていることができる。ガイド要素が側板部とともにモノリシック構造体を構成すると、格別の利点を得ることができる。好ましくは、ガイド要素は、側板部から下方に突出している。
【0045】
更に、全ての長手のガイド部は、同じ長さであることができる。
【0046】
以下、図面に具体的に示されている例示の実施形態に基づき、更なる利点とともに本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】部分的に組み立てられた状態で一ライトモジュールを斜視図として示す図である。
図2】組み立てられた状態の図1のライトモジュールを示す図である。
図3図2のライトモジュールの支持構造体と投射光学系ホルダの一拡大部分の一横断面図を示す図である。
図4図2のライトモジュールを斜め上方から示す図である。
図5図2のライトモジュールの一横断面図を示す図である。
【実施例
【0048】
先ず図1を参照する。図1は、本発明による照射装置(照明装置)に対応する自動車投光器用のライトモジュールを示している。該ライトモジュールは、投射光学系システム1と光源ユニット2を含んでいる。図1は、投射光学系システム1が光源ユニット2には固定されていないライトモジュールの部分的に組み立てられた状態を示している。
【0049】
光源ユニット2は、ライトモジュールの光軸線Xに対して直角に置かれた面部20を含んでいる。光源ユニット2が作動中のとき、光源ユニット2は、面部20上に面部20の大きさと(実質的に)同じ大きさの光像を生成する。図1から、この光像は、投射光学系システム1の方を向いた側の面部20の面201に生成されることが見てとれる。面201に生成された光像は、投射光学系システム1を用い、好ましくは法律に準拠する配光のかたちでライトモジュールの前方に投射される。図示されたライトモジュールにおいて、面201は、例えばDMDチップのような面状光変調器のマイクロミラーアレイの複数のミラーのミラー表面により構成されている。
【0050】
投射光学系システム1は、3つの投射光学系5a、5b、5cがはめ込まれている投射光学系ホルダ4を含んでいる。投射光学系5a、5b、5cは、非回転対称レンズとして構成されている(図5を参照)。(面部20から見て)最初の2つのレンズ5a、5bは、共同で所謂エアアクロマート(Luftachromat;上記特許文献1(DE 10 2010 046 626 B4)の従来技術の説明、特に段落[0009]から[0013]を参照)を構成し、従って少なくとも色縦収差を補正する。しかしまたレンズ5a、5bから成るエアアクロマートは、追加的に色横収差が補正されるように構成されていることも可能である。このことは、例えば、レンズ材料、レンズ曲率、レンズ間の間隔のようなエアアクロマートパラメータの最適化により達成することができる。このトリプレットレンズの3番目のレンズ5cは、発散レンズであり、実質的に配光の大きさ、特にその高さと幅を決定する。
【0051】
この際、投射光学系システム1は、投射光学系ホルダ4内に投射光学系5a、5b、5cを締付固定するための固定留め具(固定クランプ部材)15又は(非図示の)弾性インサート要素のような他の要素を有することもできることを付言する。
【0052】
面部20の面201上に生成された像は、投射光学系システム1により、好ましくはレンズシステムにより結像されるので、当該ライトモジュールは、投射原理に従って機能する。
【0053】
光源ユニット2は、更に支持構造体3を含んでいる。支持構造体3は、開口部30を有し、この際、開口部30は、面部20に適合するように配設されて構成されている。例えば、開口部30の縁部から光像までの間隔は、開口部30自体の寸法及び光像自体の寸法よりも小さく、好ましくは遥かに小さい。つまり面部20ないし面201は、面部20上ないし面201上に光像が生成されたときに、実質的に、面部20上ないし面201上に生成された光像から出される全ての光が開口部30を通って(レンズシステムないし投射光学系システムの方向に)通過するように、開口部30に対し、例えば開口部30に沿って又は開口部30内に、適合するように配設されて構成されている。投射光学系システム1は、レンズシステム(オブジェクティブ)として構成されていることが可能である。
【0054】
更に投射光学系システム1は、2つのガイド要素10を有する。この好ましい実施形態によるこれらのガイド要素10は、同一に構成されている。この際、支持構造体3は、同様に、ガイド要素10に対応する長手の、同様に同一の、2つのガイド部31を有する。各長手のガイド部31は、それぞれ1つのガイド要素10に対応し、この際、異なるガイド部31は、異なるガイド要素10に対応する。ライトモジュールが組み立てられた状態で(図2から図4を参照)ガイド要素10は、長手のガイド部31内で、長手のガイド部31の長手方向(縦方向)Xに沿って案内可能に配設されている。長手方向Xは、ライトモジュールないし投射光学系システム1の光軸線と平行である。この理由から「長手方向」及び「光軸線」との概念には同じ符号「X」が使用される。長手のガイド部31は、おおよそ槽形状の受容部ないし窪み部のように形成されている(図3を参照)。
【0055】
組み立てられた状態で、投射光学系システム1は、支持構造体3上に載置されており、長手方向ないし光軸線Xに沿って可動である。従って支持構造体3に対して投射光学系システム1のより精密な長手方向(縦方向)位置調節が可能とされ、それにより例えば結像尺度を設定するために、投射光学系システム1とDMDチップの面201との間の間隔を変化させることができる。つまり自動車投光器内の照射装置、例えばライトモジュールの的確な取付位置に対応する位置において、レンズシステム(投射光学系システム)は、重力の作用のもと支持構造体上に載置されている。この際、重力の方向は「下方」の方向に対応する。
【0056】
投射光学系システム1を光源ユニット2上に取り付けるために、投射光学系システム1は、光源ユニット2の支持構造体3上に載置され(図1の矢印Dを参照)、それによりガイド要素10は、長手のガイド部31内に受容されている。その後、投射光学系システム1は、面部20に対して(例えば鮮明度及び尺度に関して)最適なポジション/位置が達成されるに至るまで、長手方向Xに沿って前後に動かされる。それに続き、投射光学系システム1は、例えば、ねじ込み、接着、又は溶接により、支持構造体3に固定される。
【0057】
ガイド要素10は、投射光学系ホルダ4に配設されている。投射光学系ホルダ4は、一体的に構成されている。投射光学系ホルダ4は、例えばマグネシウムダイカストから又はチクソモールディングないしチクソフォーミングにより製造されていることが可能であり、或いはプラスチック射出成形部材として構成されていることも可能である。つまり図示されたライトモジュールのガイド要素10は、投射光学系ホルダ4と一体的に構成されており、投射光学系ホルダ4とともにモノリシック構造体を構成する。従ってレンズシステム1の投射光学系ホルダ4は、支持構造体3上に載置され、長手方向Xに沿って可動であり、そして支持構造体3に固定可能である。
【0058】
ここで、光源ユニット2は、ここでは更に説明しない更なる構成要素を有することができることを述べておく。例えば図2では、光源ユニット2を冷却するための詳細には図示されていない冷却体の冷却フィン21を見ることができる。これらの冷却フィン21は、例えば長手のガイド部31の長手方向Xと平行に配設されたピンの形式で構成されている。
【0059】
図1図3から、ガイド要素10が、投射光学系ホルダ4から下方に突出する隆起部として構成されていることが分かる。これらの隆起部は、長手のガイド部31の長手方向Xに延在し、台形状の横断面を有する。それに対応し、長手のガイド31部は、同様に台形状の横断面を有する。このことは、特に図3で良く見ることができる。
【0060】
ガイド要素10が長手のガイド部31内に案内可能に配設ないし受容されていることにより、投射光学系システム1は、光源ユニット2に関し、光軸線と平行である長手のガイド部31の長手方向Xに沿って摺動可能であり、特に前後に摺動可能である。長手のガイド部31の長さLと、任意選択的に隆起部10の長さも、投射光学系システム1を光源ユニット2に関して可動とする運動範囲B(図4を参照)を規定する。
【0061】
更に図1図2図4から、投射光学系ホルダ4が固定領域12を有することが見てとれ、この際、支持構造体3は、固定領域12に対応する対向領域33を有する。この際、運動範囲Bと、固定領域12と、対向領域33とは、次のように互いに対応し、即ち投射光学系システム1の固定領域1が少なくとも部分的に支持構造体3の対向領域33に固定されるよう、投射光学系ホルダ4が運動範囲B内のどの位置でも支持構造体3に固定可能であるように、互いに対応する。図示のライトモジュールでは、例えば、ねじ6a、6b、6cが固定手段として選択されている。接着、リベット留め、溶接も、同様に考えられる。固定領域12は、3つの(長手の)通過開口部120、121、122を含んでいる。対向領域33は、3つの受容部330、331、332を含んでいる。この際、各受容部330、331、332は、それぞれ1つの通過開口部120、121、122に対応している。異なる受容部330、331、332は、異なる通過開口部120、121、122に対応している。固定領域12は、投射光学系ホルダ4の外周部に配設されている。通過開口部120、121、122は、固定領域12にわたって分散されており、それにより通過開口部120、121、122は、特に前後運動による前記の調節中に、支持構造体3における投射光学系システム1のより良い保持状態を提供する。図1図4を一緒に見ると、通過開口部120、121、122と、受容部330、331、332も、上方から見ても前方から見ても、ほぼ三角形のかたちで(即ちそれらをつないで見ると三角形のかたちとなるように)配設されていることが見てとれる。
【0062】
通過開口部120、121、122は、運動範囲Bを最大限に利用し得るために、光軸線Xの方向に運動範囲Bに対応する長さを有する。
【0063】
受容部330、331、332は、ねじボスとして構成されている。投射光学系システム1ないしその投射光学系ホルダ4を固定するために(3つの)ねじ6a、6b、6cが、通過開口部120、121、122を通ってねじボス330、331、332内にねじ込まれる。
【0064】
投射光学系システム1が支持構造体3に固定されるポジションは、配光の所望の品質に依存し、例えば所望の結像尺度に依存して検出されて選択される。
【0065】
更に図1から図4では、投射光学系ホルダ4がハンドリング領域13を有することが見てとれる。ハンドリング領域13は、投射光学系ホルダ4の互いに反対側に位置する側面部14a、14bに形成されている。図3図4では、ハンドリング領域13が投射光学系ホルダ4の側面部14a、14bから突出し、おおよそ、水平方向に投射光学系ホルダ4から離れるように延在する側板部の形状を有することが特によく分かる。
【0066】
ハンドリング領域13は、投射光学系システム1の特に自動化されたハンドリングないし自動化された把持を容易にするために設けられている。ハンドリング領域13は、例えば予め設定された結像尺度を達成するために、軸方向Xにおける精密な長手方向位置調節を実行する組立ロボットのような産業ロボットにより把持されることが可能である。
【0067】
それによりそのようなレンズシステム1を備えたライトモジュールでは、光学的な結像の品質を改善することができる。特にそれにより結像鮮明度を改善し、レンズ形状のずれ、レンズ厚さの許容差などにより引き起こされる結像欠陥(収差)を少なくとも部分的に補償することができる。このことは、ロゴ投射又は様々な地面投射配光を生成するために使用されるライトモジュールないし照射装置において特に有利であり得る。
【0068】
長手のガイド部31は、それらの端部においてそれぞれ当接面31a、31bを有し、それによりそれぞれのガイド要素10は、対応の長手のガイド部31の第1の端部から、第1の端部とは反対側の第2の端部までのみで可動である。それにより軸方向X(光軸線の方向)での支持構造体3に関するレンズシステム1の長手方向位置調節は、予め設定された長さLに制限される。
【0069】
図1から図3では、長手のガイド部31が、支持構造体3において投射光学系システム1の方向に突出するアーム32により構成されていることが見てとれる。アーム32は、開口部30を含んだ面から突出し、アーム32内に構成された長手のガイド部31の長手方向Xと平行に延在している。この際、各アーム32内には、正に1つの長手のガイド部31が構成されている。アーム32は、開口部30の側方に配設されており、接続ブリッジ34により接続されている。接続ブリッジ34は、支持構造体3から同様に光軸線Xの方向に突出し、部分的に(例えば上側から)開口部30を取り囲んでいる。アーム32と接続ブリッジ34は、共同で投射光学系システム1の投射光学系ホルダ4のための載置面(支持面)を提供する。
【0070】
投射光学系ホルダ4は、互いに反対側に位置する側面部14a、14bに2つの側板部11を有する。これらの側板部11は、投射光学系ホルダ4から側方に突出し、面状で水平方向に延在している。それに加え、3つの通過開口部のうち2つの通過開口部120、122は、側板部11に形成されている。ハンドリング領域13は、側板部11と一体的に構成されている。更にガイド要素10は、突出する側板部11に形成されている。図1図3では、各ガイド要素10が対応の側板部11の遠位端部11aに配設されていることが特によく分かる。
【0071】
ガイド要素10のそのような配設構成は、支持構造体3におけるレンズシステム1の調節/位置決め時のハンドリング(操作性)を改善し、従って長手のガイド部31内のガイド要素10の傾動/傾斜の危険性を減少させる。それに加え、ガイド要素10を互いにできるだけ「離して」配設することは、投射光学系システム1の安定した載置と案内を提供する。
【0072】
本明細書で使用されている「上」、「下」、「垂直」及び「水平」との概念は、自動車に取り付けられた自動車投光器内の照射装置ないしライトモジュールの目的に適った的確な取付位置に関するものであり、この際、既述したように「下方の」方向とは、重力の方向と同じである。
【0073】
上記の説明の役割は、具体的な例を提供し、本発明の更なる利点と特殊性を示すことだけにある。従って上記の説明は、発明の適用分野の制限としてないし請求項で請求される特許権の制限として解釈されてはならない。上記の詳細な説明では、例えば本発明の様々な特徴が、開示内容の合理化の目的で1つ又は複数の実施形態にまとめられている。この種の開示内容は、特許請求された発明が、各請求項で明示的に言及されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると理解されるべきではない。むしろ添付の請求項が反映しているように、発明の視点は、上述の単独の実施形態の全ての特徴よりも少ないものとして存在する。(従って添付の請求項は、この詳細な説明に取り込まれ、この際、各請求項自体は、本発明の別個の有利な一実施形態として存在する。)
【0074】
それに加え、本発明の説明が、1つ又は複数の実施形態の説明と、所定の変形形態及び修正形態の説明とを含むにもかかわらず、他の変形形態及び修正形態は、本発明の範囲内にあり、例えば本開示内容を理解した当業者の能力と知識の範囲内にある。
【0075】
請求項に付記した参照符号は、本発明のより良い理解のためだけに用いられ、決して本発明の限定を意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
1 投射光学系システム
2 光源ユニット
3 支持構造体
4 投射光学系ホルダ
5a 投射光学系(レンズ)
5b 投射光学系(レンズ)
5c 投射光学系(レンズ)
6a ねじ
6b ねじ
6c ねじ
10 ガイド要素
11 側板部
11a 遠位端部
12 固定領域
13 ハンドリング領域
14a 側面部
14b 側面部
15 固定留め具
20 面部
21 冷却フィン
30 開口部
31 長手のガイド部
31a 当接面
31b 当接面
32 アーム
33 対向領域
34 接続ブリッジ
120 通過開口部
121 通過開口部
122 通過開口部
201 面
330 受容部
331 受容部
332 受容部

B 運動範囲
L 長手のガイド部の長さ
X 光軸線
図1
図2
図3
図4
図5