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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2485 20160101AFI20230904BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20230904BHJP
【FI】
H01M8/2485
H01M8/2465
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022532449
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 JP2021020230
(87)【国際公開番号】W WO2021261166
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020107392
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 勇
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-209669(JP,A)
【文献】特表2019-503030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/0297
H01M 8/08- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の両側に配されたアノード電極及びカソード電極と、前記アノード電極及びカソード電極にそれぞれ接して配置され、燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路を有するセパレータとからなる単位電池を複数個積層して構成された燃料電池積層体と、
前記燃料電池積層体を両端から締め付けて保持する一対のエンドプレートと、
前記燃料電池積層体及び前記エンドプレートにシール材を介して固定され、前記燃料電池積層体のそれぞれの前記燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路に燃料及び酸化剤を供給するための複数のガスマニホールドと、
を備えた燃料電池であって、
前記ガスマニホールドの背面に接触して設置された押え板と、
隣接した前記ガスマニホールドの背面に設置された前記押え板同士を接続する押え板連結部と、
一連の前記押え板と前記押え板連結部の両端を接続して締め付けるバンド締付部と、
を具備したガスマニホールド固定バンドを有し、
前記ガスマニホールド固定バンドを締め付けた際に、前記ガスマニホールドが前記シール材との接触面に対し水平方向に移動せずに、前記押え板が前記ガスマニホールドに対して移動することで、前記ガスマニホールドを前記燃料電池積層体の方向に押し付ける力が発生することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池であって、
前記押え板連結部は、前記バンド締付部において締め付けた際に変形可能な薄板状の部材から構成され、
前記押え板は、前記押え板連結部より厚く剛性の高い板状の部材から構成されている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料電池であって、
前記押え板は、当該押え板が接触する前記ガスマニホールドの背面より長く、前記ガスマニホールド固定バンドを設置して前記シール材が圧縮されて変形する前と、前記ガスマニホールド固定バンドを締め付けて前記シール材が圧縮されて変形し、前記押え板が前記ガスマニホールドに対して移動した後とのどちらの状態においても、前記押え板連結部が前記ガスマニホールドと接触しない構成である
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の燃料電池であって、
前記ガスマニホールドの背面と前記押え板との間の摩擦抵抗を低減するための摩擦抵抗低減手段を具備した
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池であって、
前記摩擦抵抗低減手段は、前記ガスマニホールドの背面と前記押え板との間の接触面積を低減するように、前記ガスマニホールドの背面に設けた凸部である
ことを特徴とする燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、単位電池を複数個積層して構成した燃料電池積層体に、水素等の燃料と空気等の酸化剤を供給して電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換し外部へ取り出す発電装置である。燃料電池積層体の単位電池は、電解質の両側にそれぞれ配置されアノード電極及びカソード電極と、これら電極間のセパレータとを具備している。
【0003】
セパレータには、アノード電極及びカソード電極に接する燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路が形成されている。また、燃料電池積層体の両端には一対のエンドプレートが設置されており、エンドプレートによって燃料電池積層体が単位電池の積層方向から締め付けられることで燃料電池積層体が保持される。
【0004】
さらに燃料電池には、セパレータの燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路に対して燃料及び酸化剤を供給するためにガスマニホールドが設けられる。ガスマニホールドを燃料電池積層体の外部に取り付ける方式を、外部マニホールド方式と呼んでいる。外部マニホールド方式の燃料電池では、ガスマニホールドはエンドプレートに固定されている。
【0005】
エンドプレートにガスマニホールドを固定する場合、燃料電池積層体とガスマニホールドの間及びエンドプレートとガスマニホールドの間には、弾性のあるシール材が挟み込まれている。燃料電池では、このようなシール材を設けることで、燃料電池積層体の内部及びガスマニホールドの内部におけるガスが、燃料電池積層体及びガスマニホールドの外部へと漏洩することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5086581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
燃料電池では、燃料電池の運転中に燃料電池内をガス又は冷却水が流れることで、ガスマニホールドの中央付近が膨らむなど、燃料電池積層体から遠ざかる方向にガスマニホールドが変形することがある。この場合、ガスマニホールドが変形したことで、シール材が燃料電池積層体、エンドプレート及びガスマニホールドのいずれかから剥がれてしまい、シール材のガスシール性が低下する懸念がある。
【0008】
近年では、燃料電池の大容量化が進んでおり、それに伴って燃料電池が大型化する傾向にある。そのため、ガスマニホールドの変形量も大きくなり、シール材がガスマニホールドなどから剥がれ易くなる。その結果、シール材のガスシール性を確保することが困難となっている。
【0009】
シール材のガスシール性低下を防止するためには、ガスマニホールドの変形を抑える必要があり、ガスマニホールドが十分な機械的強度を有することが重要となる。そこで、
(1)ガスマニホールドを弾性変形しにくい材質で構成する、
(2)ガスマニホールドを厚板の構造物とする、
(3)ガスマニホールドの背面にリブを設置した構造とする、などの対策が考えられる。
【0010】
しかしながら、ガスマニホールドに十分な機械的強度を与えようとすると、上記の(1)、(2)ではガスマニホールド自体が高価となり、(3)では製造コストが増大するという問題点があり、コストの高騰を招いた。従って、従来の燃料電池では、シール材によるガスシール性の低下を防止すると同時に、コストを低減化することが望まれている。特に燃料電池が大容量化する近年では、コストも増大し易いため、低減化が急務となっている。
【0011】
本発明は、ガスマニホールドの機械的強度に依存することなくシール材のガスシール性を確保することができ、ガスシール性の低下防止及びコストの低減化を図った燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態の燃料電池は、電解質の両側に配されたアノード電極及びカソード電極と、前記アノード電極及びカソード電極にそれぞれ接して配置され、燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路を有するセパレータとからなる単位電池を複数個積層して構成された燃料電池積層体と、前記燃料電池積層体を両端から締め付けて保持する一対のエンドプレートと、前記燃料電池積層体及び前記エンドプレートにシール材を介して固定され、前記燃料電池積層体のそれぞれの前記燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路に燃料及び酸化剤を供給するための複数のガスマニホールドと、を備えた燃料電池であって、前記ガスマニホールドの背面に接触して設置された押え板と、隣接した前記ガスマニホールドの背面に設置された前記押え板同士を接続する押え板連結部と、一連の前記押え板と前記押え板連結部の両端を接続して締め付けるバンド締付部と、を具備したガスマニホールド固定バンドを有する。ガスマニホールド固定バンドを締め付けた際に、ガスマニホールドがシール材との接触面に対し水平方向に移動せずに、押え板がガスマニホールドに対して移動することで、ガスマニホールドを燃料電池積層体の方向に押し付ける力が発生する。

【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態の斜視図。
図2A】第1の実施形態の側面図。
図2B】第1の実施形態のA-A断面図。
図3】第1の実施形態の分解斜視図。
図4】第1の実施形態の要部拡大分解斜視図。
図5A】第1の実施形態のガスマニホールド固定バンド締付前の状態の側面図。
図5B】第1の実施形態のガスマニホールド固定バンド締付前の状態のB-B断面図。
図6】第2の実施形態の斜視図。
図7A】第2の実施形態の側面図
図7B】第2の実施形態のC-C断面図。
図8】第3の実施形態の斜視図。
図9A】第3の実施形態の側面図。
図9B】第3の実施形態のE-E断面図。
図10】第4の実施形態の斜視図。
図11】スチールバンドを設置した燃料電池の斜視図。
図12A】スチールバンドを設置した燃料電池の側面図。
図12B】スチールバンドを設置した燃料電池のF-F断面図。
図13】燃料電池積層体の一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態の燃料電池について、図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池の構成を示す斜視図であり、図2Aは側面図、図2B図2AのA-A断面図、図3は分解斜視図である。これらの図に示す通り、燃料電池積層体1は一対のエンドプレート2を複数のタイロッド3で締付けて積層状態で固定されている。図13は、燃料電池積層体1の一部断面図である。図13に示すように、燃料電池積層体1は、電解質110の両側に配されたアノード電極111及びカソード電極112と、アノード電極111及びカソード電極112にそれぞれ接して配置され、燃料ガス流通路F121及び酸化剤ガス流通路F122を有するセパレータ12とからなる単位電池11を複数個積層して構成されている。燃料ガス流通路F121および酸化剤ガス流通路F122は、たとえば、延在方向が互いに直交しており、燃料ガス流通路F121が図13では紙面に直交する方向に延在し、酸化剤ガス流通路F122が図13では紙面に沿った方向に延在するように形成されている。
【0016】
燃料電池積層体1とエンドプレート2の各側面には、シール材4を介して樹脂製のガスマニホールド5が取付けられている。ガスマニホールド5は、ガスマニホールド5の両端の穴に通したガスマニホールド固定ボルト6を、エンドプレート2のネジ穴にねじ込むことでエンドプレート2および燃料電池積層体1に対して固定されている。ガスマニホールド5は、燃料電池積層1体のそれぞれの燃料ガス流通路及び酸化剤ガス流通路に燃料及び酸化剤を供給するためのものである。
【0017】
ガスマニホールド5の中央付近には、4面のガスマニホールド5の外部に巻き付けるように、ガスマニホールド固定バンド7が設置されている。図4にも示すように、ガスマニホールド固定バンド7は、押え板7aと、押え板連結部7bと、バンド締結部7cとを具備している。
【0018】
押え板7aは、鋼材の板状の部品であり、ガスマニホールド固定バンド7を締付けた状態でも大きくは変形しない程度の機械的強度(剛性)を有した部品であり、ガスマニホールド5との接触面は平滑に加工されており、ガスマニホールド5との間での摩擦抵抗が小さい。押え板7aは、押え板連結部7bより厚く剛性の高い部材から構成されている。
【0019】
押え板連結部7bは、予め曲げ加工を施した鋼材の薄板状の部品であり、押え板7aに接して設置され、ガスマニホールド固定バンド7を締付けた時に押え板7aをガスマニホールド5の方向に押し付ける状態で設置されている。押え板連結部7bは、バンド締結部7cにて締め付けた際に変形可能な程度の剛性を有し、押え板7aより薄く剛性の低い部材から構成されている。なお図4には、押え板7aと押え板連結部7bとを固定するための、押え板と連結部の固定ねじ7dが図示されている。
【0020】
一連の押え板7aと押え板連結部7bの両端には、バンド締結部7cが設置されている。バンド締結部7cは、押え板連結部7bの両端に接続された2つの部品であり、ボルト7eとナット7fを使用してお互いの距離が近くなる方向に締付けることでそれぞれの押え板7aが、ガスマニホールド5に対して押さえつけられる構成としている。締結部のボルトとバンド締結部7cとの間には、皿ばねまたはコイルばねまたはゴム等の弾性体からなる締結部弾性体7gが挿入されている。
【0021】
ガスマニホールド固定バンド7を締付けると、シール材4が圧縮されて変形しガスマニホールド5は燃料電池積層体1の方向に移動し、その移動量に応じて、押え板7aは、ガスマニホール5に対して相対的に移動するが、押え板7aが移動しても、押え板連結部7bがガスマニホールド5に接触しない形状になっている。本実施形態では、押え板7aの長さをガスマニホールド5との接触面の長さよりも長くすることで、押え板7aが移動しても押え板連結部7bがガスマニホールド5と接触しない形状としている。なお、図3に示すように、ガスマニホールド5には、ガスマニホールドの配管接続部8が設けられている。
【0022】
(作用及び効果)
図2Bは、第1の実施形態で、ガスマニホールド固定バンド7を締付けた後の状態を表した断面図である。図2Bに示すように、ガスマニホールド5と燃料電池積層体1との間のシール材4が、図5Bに示すガスマニホールド固定バンド7を締付ける前の状態よりも薄く潰されており、ガスマニホールド5も図2Bの状態の方が、燃料電池積層体1に対して近付いている。
【0023】
このとき、押え板連結部7bは、薄板状の部材であるため、押え板7aの角部との接触位置にある押え板連結部7bの曲げ部の曲げ角度が変化することで、それぞれの押え板7aは、ガスマニホールド5の背面に接触した状態を保っている。しかし、押え板連結部7bの長さは殆ど変化しないため、押え板7aがガスマニホールド5に対して移動する。
【0024】
図2Bでは、断面図の左右の押え板7aは、図5Bから図2Bの状態に変化すると同時に上方向にスライドしている。バンド締結部7cも中央寄りにスライドしている。しかし、押え板7aがスライドしても、ガスマニホールド固定バンド7を締付ける締付力により、押え板連結部7bと押え板7aを介してガスマニホールド5を燃料電池積層体1の方向に押し付ける力が発生する。さらに、押え板7aとガスマニホールド5の接触面での摩擦抵抗が少ないので、ガスマニホールド5はシール材4との接触面に対し水平方向に移動したりせずに、シール面には一様な圧縮荷重が加わりシール性が確保される。
【0025】
比較のために、図11図12A図12Bに従来の燃料電池にスチールバンド11を設置した燃料電池を示す。このようにガスマニホールドの外周に薄板のスチールバンド11を直接設置してスチールバンド締結部11aにて締め付けた場合、締付けによりシール材が潰れると、スチールバンド11はガスマニホールドの上を滑って移動し、ガスマニホールドの角部に接触していたスチールバンドの曲がり部も移動して引き伸ばされ、新たにガスマニホールドの角部に接触する部分に新しい曲がり部が形成される。
【0026】
しかし、スチールバンド11の厚さが十分に薄くないと、スチールバンド11の移動に伴い、ガスマニホールドはスチールバンド11の曲がり部に引っ張られてシール材との接触面に対し水平方向に移動したり、シール面に一様な圧縮荷重が加わらなくなったりしてしまう。また、スチールバンド11の厚さが薄い場合には、引張り強度が低いために十分な締付力を付加できなかったり、引張応力が大きい状態で使用されるためスリープ変形が大きくなり、経時的に締付力が低下し易い。
これに対し、第1の実施形態では、上述の通りの作用および効果が得られる。
【0027】
(第2の実施形態)
図6図7A図7Bに第2の実施形態の燃料電池の構成を示す。前述した第1の実施形態では、図4の要部拡大分解斜視図に示した通り、ガスマニホールド固定バンド7の押え板連結部7bは、全体が繋がった1枚の鋼材の薄板状の部品から構成されていた。これに対して第2の実施形態では、図6図7A図7Bに示す通り、ガスマニホールド固定バンド7の押え板連結部7bは、2個の隣接する押え板7aを連結する部品であり、合計4枚の鋼材の薄板状の部品から構成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。作用及び効果についても第1の実施形態と同様である。
【0028】
(第3の実施形態)
図8図9A図9Bに第3の実施形態の燃料電池の構成を示す。図8図9A図9Bに示す通り、第3の実施形態の各ガスマニホールド5には、ガスマニホールド固定バンド7の押え板7aと接触する部分に凸部5aが設けられている。凸部5aは複数設けられており、図8図9A図9Bに示す例では、各ガスマニホールド5に間隔を空けて夫々3つ設けられている。これらの凸部5aは、シール部近傍(図3に示したシール材4のある部分)を押え板7a側に凸にし、押え板7aとの接触抵抗を低減させている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0029】
作用及び効果も第1の実施形態と同様であるが、ガスマニホールド5と押え板7aとの接触抵抗が低減されているので、ガスマニホールド5がシール材4との接触面に対し水平方向に移動したり、シール面の面圧が不均一になったりし難く、よりシール性が確保され易くなっている。
【0030】
(第4の実施形態)
図10に第4の実施形態の燃料電池の構成を示す。第1の実施形態においては、ガスマニホールド5の両端部を、ガスマニホールド固定ボルト6にてエンドプレート2に固定しているが、図10に示す通り、第4の実施形態では、ガスマニホールド5の両端の部分も、ガスマニホールド固定バンド7で固定とした構成となっている。したがって、合計3本のガスマニホールド固定バンド7を用いた構成となっている。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。作用及び効果も第1の実施形態と同様である。
【0031】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態は、本発明の実施形態の一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等な範囲に含まれる。
【0032】
例えば、押え板7aのガスマニホールド5の接触面の片側または両側に潤滑材を塗布したり、摩擦抵抗の低い部材を貼り付けたりすることで摩擦係数を低減しても良い。
【0033】
また、例えば、押え板連結部7bは薄板の鋼材でなくても、隣接する押え板7aをその相対角度が変化することで、それぞれの押え板7aがガスマニホールド5の背面に接触した状態を保っていられる構成であれば良く、両端にフック部を持つ部材で、フック部を押え板7aの両端部に引っ掛けて使用することで、押え板連結部7bと押え板7aとの接続角度が可変となるものであってもよい。
【0034】
さらに、ガスマニホールド固定バンド7は、他の固定方法と組み合わせても良いし、1箇所以上であれば、何箇所に使用しても良い。
【符号の説明】
【0035】
1……燃料電池積層体、2……エンドプレート、3……タイロッド、4……シール材、5……ガスマニホールド、5a……凸部、6……ガスマニホールド固定ボルト、7……ガスマニホールド固定バンド、7a……押え板、7b……押え板連結部、7c……バンド締結部、7d……押え板連結部の固定ねじ、7e……連結部ボルト、7f……連結部ナット、7g……連結部弾性体、8……ガスマニホールドの配管接続部、11……単位電池、12……セパレータ、110……電解質、111……アノード電極、112……カソード電極、F121……燃料ガス流通路、F122……酸化剤ガス流通路
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13