(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-01
(45)【発行日】2023-09-11
(54)【発明の名称】土砂ホッパー算出システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
E02D 23/06 20060101AFI20230904BHJP
【FI】
E02D23/06 Z
(21)【出願番号】P 2023047411
(22)【出願日】2023-03-23
【審査請求日】2023-03-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】根岸 直人
(72)【発明者】
【氏名】福田 純平
(72)【発明者】
【氏名】進藤 匡浩
(72)【発明者】
【氏名】倉知 禎直
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-192142(JP,A)
【文献】特開2020-032966(JP,A)
【文献】特開2014-034436(JP,A)
【文献】特開2005-041644(JP,A)
【文献】特開平04-034122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 23/06
E02D 23/08
B65G 67/04
B65D 88/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソンにおいて、
アースバケットの土砂の量を示す積載情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された積載情報が示す積載量の累計から、前記アースバケットにより作業室から地上へと排土された土砂を積載する土砂ホッパーの
土砂の量を示す土砂情報を算出する算出手段とを備えること
を特徴とする土砂ホッパー
算出システム。
【請求項2】
前記算出手段により算出された土砂情報が示す土砂の量が
基準値より多い場合、前記土砂ホッパーに設けられたドアホッパーを
開くように制御する制御手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の土砂ホッパー
算出システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方を含む画像を示す画像情報を取得し、
前記算出手段は、
前記土砂ホッパーの下方の排出された土砂を運搬するための車両を模したモデルを参照し、前記取得手段により取得された画像情報に基づいて、前記車両の有無を示す車両情報を算出し、
前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と車両情報とに基づいて、前記ドアホッパーを
開くように制御すること
を特徴とする請求項2に記載の土砂ホッパー
算出システム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方を含む画像を示す画像情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された画像情報から、
画像認識を用いて、前記土砂ホッパーの下方の予め設定された範囲に含まれる障害物に関する障害物情報を取得し、
前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と障害物情報とに基づいて、前記ドアホッパーを
開くように制御すること
を特徴とする請求項2に記載の土砂ホッパー
算出システム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方の車両を含む画像を示す画像情報を取得し、
前記算出手段は、前記取得手段により取得された画像情報
から、前記画像情報に含まれる前記車両を消去することにより、前記土砂ホッパーの下方の車両に積載された土砂に関する車両土砂情報を取得し、
前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と車両土砂情報とに基づいて、前記ドアホッパーを
開くように制御すること
を特徴とする請求項2に記載の土砂ホッパー
算出システム。
【請求項6】
ニューマチックケーソンにおいて、
アースバケットの土砂の量を示す積載情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された積載情報が示す積載量の累計から、前記アースバケットにより作業室から地上へと排土された土砂を積載する土砂ホッパーの
土砂の量を示す土砂情報を算出する算出ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする土砂ホッパー
算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソンの作業室内にあるアースバケットの土砂を自動排土する土砂ホッパー算出システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁や建物の基礎、シールドトンネルの発進立坑などの地下構造物を構築する工法として、ニューマチックケーソン工法が知られている。ニューマチックケーソン工法は、ケーソンの本体下部に作業室を設け、その中に圧縮空気を送って高気圧状態にし、掘削作業が行なわれている。この高気圧作業室は、高気圧状態であるため、作業員が立ち入ることができる時間が制限されている。このためニューマチックケーソン工法において、水中や高気圧下の工事においては、作業効率の向上や作業環境の安全性の観点から、地上からの遠隔操作によって施工を行なう無人化施工が採用されている。また、近年、建設業では、デジタル技術の活用による安全性や生産性向上を目指す「i-Construction」が政府や大企業を中心に推進されている。これに伴い、ニューマチックケーソン工法においても、ICT技術を活用した全自動化が必要とされている。
【0003】
一方、ニューマチックケーソン工法において、地下に存在するケーソン作業室にて掘削を行った際に発生する掘削土が積載された土砂ホッパーから車両に排土する工程がある。この排土操作は、作業員の操作により行われている。このため、車両位置や操作タイミングの判断は作業員の経験に基づいて判断される。このことから、経験の浅い作業員が排土作業を行うことで、設備を破損・故障させる可能性がある。
【0004】
これらのことから、ニューマチックケーソン工法において、アースバケットの排土工程の全自動化が求められている。このアースバケットの排出工程の全自動化の一環として、土砂ホッパーから車両に自動的に排土することが求められている。この排土工程の全自動化技術として、例えば特許文献1に示すニューマチックケーソン工法における自動排土法の技術が開示されている。
【0005】
特許文献1の開示技術によれば、スケータ、マテリアルロック、土砂ホッパ、バケット転倒装置、センタホルダでなるニューマチックケーソン工法で、センサ、リミットスイッチ、荷重計を要所要所に配置し、遠隔地に設置された排土バケットの位置表示モニタを制御盤で監視しながら無人で排土作業を行うニューマチックケーソン工法における自動排土法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、土砂ホッパーに積載された土砂を自動的に排出することを考慮していない。このため、特許文献1の開示技術では、土砂ホッパーに積載された土砂の量を自動的に算出できないという問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、土砂ホッパーに積載された土砂の量を自動的に算出することが可能な土砂ホッパー算出システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係る土砂ホッパー算出システムは、ニューマチックケーソンにおいて、アースバケットの土砂の量を示す積載情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された積載情報が示す積載量の累計から、前記アースバケットにより作業室から地上へと排土された土砂を積載する土砂ホッパーの土砂の量を示す土砂情報を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る土砂ホッパー算出システムは、第1発明において、前記算出手段により算出された土砂情報が示す土砂の量が基準値より多い場合、前記土砂ホッパーに設けられたドアホッパーを開くように制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る土砂ホッパー算出システムは、第2発明において、前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方を含む画像を示す画像情報を取得し、前記算出手段は、前記土砂ホッパーの下方の排出された土砂を運搬するための車両を模したモデルを参照し、前記取得手段により取得された画像情報に基づいて、前記車両の有無を示す車両情報を算出し、前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と車両情報とに基づいて、前記ドアホッパーを開くように制御することを特徴とする。
【0012】
第4発明に係る土砂ホッパー算出システムは、第2発明において、前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方を含む画像を示す画像情報を取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された画像情報から、画像認識を用いて、前記土砂ホッパーの下方の予め設定された範囲に含まれる障害物に関する障害物情報を取得し、前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と障害物情報とに基づいて、前記ドアホッパーを開くように制御することを特徴とする。
【0013】
第5発明に係る土砂ホッパー算出システムは、第2発明において、前記取得手段は、前記土砂ホッパーの下方の車両を含む画像を示す画像情報を取得し、前記算出手段は、前記取得手段により取得された画像情報から、前記画像情報に含まれる前記車両を消去することにより、前記土砂ホッパーの下方の車両に積載された土砂に関する車両土砂情報を取得し、前記制御手段は、前記算出手段により算出された土砂情報と車両土砂情報とに基づいて、前記ドアホッパーを開くように制御することを特徴とする。
【0014】
第6発明に係る土砂ホッパー算出プログラムは、ニューマチックケーソンにおいて、アースバケットの土砂の量を示す積載情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された積載情報が示す積載量の累計から、前記アースバケットにより作業室から地上へと排土された土砂を積載する土砂ホッパーの土砂の量を示す土砂情報を算出する算出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1発明~第6発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、土砂情報を算出する。これによって、土砂ホッパーに積載された土砂の量を自動的に算出することが可能となる。また、第1発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、積載情報に基づいて、土砂情報を算出する。これにより、積載情報の累計から土砂情報を算出することが可能となる。これによって、土砂ホッパーにセンサを設けることなく、土砂情報を算出することが可能となる。
【0018】
特に、第2発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、土砂情報に基づいて、土砂ホッパーに設けられたドアホッパーの開閉を制御する。これにより、土砂ホッパーに積載された土砂の量に応じて、自動的且つ適切に土砂を排出することが可能となる。
【0019】
特に、第3発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、土砂情報と車両情報とに基づいて、ドアホッパーの開閉を制御する。これにより、土砂ホッパーの積載状態と車両の有無とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0020】
特に、第4発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、土砂情報と障害物情報とに基づいて、ドアホッパーの開閉を制御する。これにより、土砂ホッパーの積載状態と障害物の状況とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0021】
特に、第5発明によれば、本発明の土砂ホッパー算出システムは、土砂情報と車両土砂情報とに基づいて、前記ドアホッパーの開閉を制御する。これにより、土砂ホッパーの積載状態と車両の積載状況とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、ニューマチックケーソン工法の主要設備を示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、掘削機における制御系統を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、マテリアルシャフトを示す図である。
【
図7】
図7は、反転開始点のキャリア装置を示す図である。
【
図8】
図8(a)は、反転フックの正面を示す図である。
図8(b)は、反転フックを俯瞰した図である。
【
図10】
図10(a)は、土砂ホッパーを示す図である。
図10(b)は、土砂ホッパーの内部を示す図である。
【
図12】
図12は、マテリアルシャフトの搬入口を示す図である。
【
図13】
図13(a)は、アースバケットを示す図である。
図13(b)は、アースバケットの側面を示す図である。
【
図15】
図15は、アースバケットの土砂の積載を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17(a)は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システムのアースバケットを作業室に搬入する動作についてのフローチャートである。
図17(b)は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システムのアースバケットを地上に搬出する動作についてのフローチャートである。
【
図19】
図19は、アースバケットの位置を判断するフローチャートを示す図である。
【
図21】
図21は、地上に搬出したアースバケットの土砂を土砂ホッパーに排土する動作のフローチャートである。
【
図22】
図22は、土砂ホッパーの土砂を車両に排土する動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、本発明に係る土砂ホッパー自動制御システム6が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備について図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る土砂ホッパー自動制御システム6が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備の一例を示す図である。ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4及び予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製のケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築するように構成されている。
【0024】
掘削設備E1は、例えば、掘削機100(以下、ケーソンショベル100という)と、土砂自動積込装置11と、地上遠隔操作室13とを備える。ケーソンショベル100は、ケーソン1の底部に設けられた作業室2内に設置される。土砂自動積込装置11は、ケーソンショベル100により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む。地上遠隔操作室13は、ケーソンショベル100等の各種設備の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える。
【0025】
艤装設備E2は、例えば、マンシャフト21と、マンロック22(エアロック)と、マテリアルシャフト23と、マテリアルロック24(エアロック)とを備える。マンシャフト21は、作業者が作業室2へ出入りするために地上Tと作業室2とを繋ぐ円筒状の通路であり、例えば、螺旋階段25が設けられている。マンロック22は、マンシャフト21に設けられ地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マテリアルシャフト23は、アースバケット31又は材料等を地上Tに搬出入するために、地上Tと作業室2とを繋ぐ円筒状の通路である。マテリアルロック24は、マテリアルシャフト23に設けられた地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マンロック22及びマテリアルロック24は、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることが可能になるように構成されている。
【0026】
排土設備E3は、例えば、アースバケット31と、キャリア装置32と、土砂ホッパー33と、荷重計35とを備える。アースバケット31は、ケーソンショベル100により掘削された土砂が積み込まれる金属製の有底円筒状の筒容器である。キャリア装置32は、アースバケット31を、マテリアルシャフト23を介して地上まで引き上げて運び出す装置である。土砂ホッパー33は、アースバケット31およびキャリア装置32により地上に運び出された土砂を一時的に貯めておく設備である。荷重計35は、アースバケット31を吊る図示しないフック又はワイヤに係る負荷を計測することで、アースバケット31の質量を示す質量情報を取得するためのセンサである。また、排土設備E3は、アースバケット31を搬入出するためのクローラークレーン5を備えてもよい。クローラークレーン5は、アースバケット31を吊るす図示しないワイヤを制御することにより、アースバケット31の昇降及び運搬を制御する。また、クローラークレーン5は、クローラークレーン5に関する情報を検出するための図示しないセンサを備えてもよい。
【0027】
送気設備E4は、例えば、空気圧縮機42と、空気清浄装置43と、送気圧力調整装置44と、自動減圧装置45とを備える。空気圧縮機42は、送気管41およびケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る装置である。空気清浄装置43は、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する装置である。送気圧力調整装置44は、作業室2内の気圧が地下水圧と等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する装置である。自動減圧装置45は、マンロック22内の気圧を減圧する装置である。
【0028】
予備・安全設備E5は、例えば、非常用空気圧縮機51と、ホスピタルロック53とを備える。非常用空気圧縮機51は、空気圧縮機42の故障又は点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な装置である。ホスピタルロック53は、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくための減圧室である。
【0029】
次に、ケーソンショベル100について
図2~
図3を用いて説明する。ケーソンショベル100は、
図2に示すように、例えば、走行体110と、ブーム130と、バケットアタッチメント150とを備える。走行体110は、作業室2の天井部に設けられた左右一対の走行レール4に取り付けられ、左右の走行レール4に懸下された状態で走行レール4に沿って走行移動する。ブーム130は、走行体110の旋回フレーム121に上下方向に揺動可能に枢結される。バケットアタッチメント150は、ブーム130の先端部に取り付けられる。
【0030】
走行体110は、走行フレーム111と、旋回フレーム121と、走行ローラ113とを備える。旋回フレーム121は、走行フレーム111の下面側に旋回自在に設けられる。走行ローラ113は、走行フレーム111の上面側前後に、設けられている前後左右の4個のローラである。走行体110は、前後左右の走行ローラ113を回転駆動させて左右の走行レール4に沿って走行移動するように構成されている。
【0031】
ブーム130は、例えば、基端ブーム131と、先端ブーム132と、伸縮シリンダ133と、起伏シリンダ134とを備える。基端ブーム131は、旋回フレーム121に起伏自在又は上下方向に揺動自在に取り付けられる。先端ブーム132は、基端ブーム131に入れ子式に組み合わされ、構成される。伸縮シリンダ133は、基端ブーム131内に設けられている。起伏シリンダ134は、基端ブーム131の左右に2個設けられている。ブーム130は、伸縮シリンダ133を伸縮させると、基端ブーム131に対して先端ブーム132が長手方向に移動し、これによりブーム130が伸縮するように構成されている。2個の起伏シリンダ134の基端部は基端ブーム131の左右側部にそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0032】
バケットアタッチメント150は、ベース部材151と、バケット152と、バケットシリンダ153とを備える。ベース部材151は、先端ブーム132に取り付けられる。バケット152は、ベース部材151の先端部に上下揺動自在に取り付けられる。バケットシリンダ153は、ベース部材151に対してバケット152を上下揺動させるように構成される。
【0033】
コントロールユニット165は、
図3に示すように、メインコントローラ165aと、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとを備える。また、コントロールユニット165は、ケーソンショベル100と、遠隔操作装置12と接続されていてもよい。コントロールユニット165は、遠隔操作装置12に内蔵されていてもよい。メインコントローラ165aは、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに接続され、遠隔操作装置12からの操作信号を受けて、その操作信号に応じた駆動制御信号を走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに出力する。走行体用コントローラ165bは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、走行体110を駆動させるように構成されている。メインコントローラ165aおよび走行体用コントローラ165bは、走行体110の旋回フレーム121に配設されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、ブーム130及びバケットアタッチメント150を駆動させるように構成されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、ブーム130の基端ブーム131の側部に配設されている。
【0034】
ケーソンショベル100は、
図3に示すように、走行体位置センサ201と、旋回角度センサ202と、ブーム起伏角度センサ203と、ブーム伸長量センサ204と、バケット揺動角度センサ205と、外界センサ206とを備える。走行体位置センサ201は、走行体110が走行レール4の何処の位置に位置しているかを検出する。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度を検出する。ブーム起伏角度センサ203は、旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度を検出する。ブーム伸長量センサ204は、ブーム130の伸長量を検出する。バケット揺動角度センサ205は、ブーム130又はバケットアタッチメント150のベース部材151に対するバケット152の揺動角度を検出する。外界センサ206は、走行体110に設けられて作業室2内の掘削地面までの距離、地面の形状などの情報を取得する。また、ケーソンショベル100は、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165と通信を行い、各センサ201~206で得たデータを、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165とに送信してもよい。
【0035】
走行体位置センサ201は、例えば、走行体110の走行フレーム111に配設されたレーザセンサによって構成される。走行体位置センサ201は、レーザ光を走行レール4の端部又は作業室2の壁部に向けて照射して走行レール4の端部又は作業室2の壁部において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。走行体位置センサ201は、この時間に基づいて走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離を検出する。旋回角度センサ202は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設された光学式のロータリーエンコーダによって構成される。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回量を電気信号に変換する。旋回角度センサ202は、その信号を演算処理して旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度を検出する。なお、走行体位置センサ201及び旋回角度センサ202は一例を説明したもので、走行体の二次元的な位置を検出する他のセンサ、旋回フレーム121の旋回角度を検出する他のセンサをそれぞれ用いてもよい。
【0036】
ブーム起伏角度センサ203は、例えば、起伏シリンダ134のシリンダボトムの側部に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム起伏角度センサ203は、レーザ光を旋回フレーム121に向けて照射して旋回フレーム121において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム起伏角度センサ203は、この時間に基づいて起伏シリンダ134の伸長量を検出し、その起伏シリンダ134の伸長量に基づいて旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置を検出する。ブーム起伏角度センサ203も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりブーム130の起伏角を直接検出する他のセンサを用いてもよい。
【0037】
ブーム伸長量センサ204は、例えば、ブーム130の基端ブーム131に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム伸長量センサ204は、レーザ光を先端ブーム132の先端部に取り付けられたバケットアタッチメント150のベース部材151に向けて照射してベース部材151において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム伸長量センサ204は、この時間に基づいて、ブーム130の伸長量として基端ブーム131に対する先端ブーム132の伸長量を検出する。ブーム伸長量センサ204も一例を説明したものであり、ブーム伸縮とともに伸縮するケーブルの伸長量を直接測定する他のセンサを用いてもよい。
【0038】
バケット揺動角度センサ205は、例えば、バケットシリンダ153の油路に配設された流量センサによって構成される。バケット揺動角度センサ205は、バケットシリンダ153に供給される作動油の流量を検出し、その流量の積分値を算出する。バケット揺動角度センサ205は、この流量積分値に基づいてバケットシリンダ153のピストンロッドの伸長量を求め、そのバケットシリンダ153の伸長量に基づいて、バケットアタッチメント150のベース部材151又はブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置を検出する。バケット揺動角度センサ205も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりバケット152の揺動角度を直接検出他のセンサや、レーザセンサによりバケットシリンダ153の伸長量を求める他のセンサを用いてもよい。
【0039】
外界センサ206は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設されたRGB-Dセンサによって構成される。外界センサ206は、掘削地面のRGB画像又はカラー画像および距離画像又は点群データを取得し、それらの画像に基づいて掘削地面までの距離情報、掘削地面の形状情報又はアースバケット31を含める作業室内2の点群データを取得する。外界センサ206は、RGB-Dセンサの他の例として、ステレオカメラや超音波距離計、レーザセンサなどを用いてもよい。
【0040】
走行体位置センサ201、旋回角度センサ202、ブーム起伏角度センサ203、ブーム伸長量センサ204、バケット揺動角度センサ205及び外界センサ206により検出されたそれぞれの情報は、コントロールユニット165のメインコントローラ165aに送信される。メインコントローラ165aは、走行体位置測定部211と、バケット位置測定部212と、地盤形状測定部213とを備える。
【0041】
走行体位置測定部211は、走行体位置センサ201により検出された走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離情報と、当該走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報とを用いて、走行体110が作業室2内のどこに位置しているかを算出する。また、走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報は、走行体110が取り付けられた走行レール4の情報であり、走行体110が取り付けられたときに走行体位置測定部211に設定されてもよい。また、走行体位置センサ201による距離情報の検出を周囲複数箇所に対して検出することにより、走行体110の天井内における二次元的な位置又は走行体110の向きを含む位置を検出してもよい。
【0042】
バケット位置測定部212は、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度と、ブーム起伏角度センサ203により検出された旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置と、ブーム伸長量センサ204により検出されたブーム130の伸長量と、バケット揺動角度センサ205により検出されたブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置とを用いて、走行体110の走行フレーム111に対するバケット152の位置を算出する。
【0043】
地盤形状測定部213は、走行体位置測定部211により求められた作業室2内における走行体110の位置と、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向および位置を含める旋回角度とを用いて、旋回フレーム121に設けられた外界センサ206の位置と、外界センサ206により距離情報を取得する方向と、外界センサ206により距離情報を取得する掘削地面の位置とを算出する。
【0044】
次に、マテリアルシャフト23とアースバケット31とについて、
図4を用いて説明する。
図4は、マテリアルシャフトを示す図である。マテリアルシャフト23は、マテリアルロック24と、マテリアルロック24と地上Tとの間に設けられる第1センサ90と、作業室2の天井2aとマテリアルロック24との間に設けられる第2センサ91と、作業室2の天井2aに設けられる第3センサ92とを備える。
【0045】
第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、マテリアルシャフト23を通過したアースバケット31を検出するためのセンサである。第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、例えば小型記録媒体34から情報を読み取るためのセンサであってもよい。第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、ICと小型アンテナが組み込まれたタグやカード状の小型記録媒体から、電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識技術を用いたセンサであってもよい。また、第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、ループコイルセンサであってもよい。ループコイルセンサは、ループしたコイルに電流が流されることにより発生した磁界に金属が侵入することにより変化するインダクタンスを検出することにより、非接触で金属を検出することが可能なセンサである。また、第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、レーザ等を用いた光学センサであってもよい。また、第1センサ90、第2センサ91、及び第3センサ92は、これに限らず、非接触で金属を検出することが可能な任意のセンサを用いてもよい。
【0046】
第1センサ90は、マテリアルロック24と地上Tとの間に設けられるまた、第1センサ90は、例えばマテリアルシャフト23の搬入口23aに設けられてもよい。また、第1センサ90は、例えばマテリアルシャフト23の搬入口23aとマテリアルロック24との間に設けられてもよい。第2センサ91は、作業室2の天井2aとマテリアルロック24との間に設けられる。第2センサ91は、例えばマテリアルロック24の地下G方向の出口に設けられてもよい。第2センサ91は、後述する下ドア27の付近に設けられてもよい。第3センサ92は、作業室2の天井2aに設けられる。第3センサ92は、作業室2の天井2aのスラブ圧Mの間に設けられてもよい。
【0047】
また、アースバケット31の楊重開始点Pと第1センサ90との間をロック―横行開始点間とし、第1センサ90と第2センサ91との間をマテリアルロック上下間とし、第2センサ91と第3センサ92との間をロック―スラブ間とし、第3センサ92から地盤までをスラブ―地盤間とする。ロック―横行開始点間とマテリアルロック上下間とスラブ―地盤間の長さは一定に決められている。また、ニューマチックケーソン工法の過程により、ロック―スラブ間の長さは、変動する。
【0048】
図5は、キャリア装置32を示す図である。キャリア装置32は、アースバケット31を運搬する。また、キャリア装置32は、例えばマテリアルシャフト23から排出されたアースバケット31を楊重開始点Pから昇降点Qを経由し、反転開始点Rまで運搬し、反転点Oでアースバケット31を反転することにより、アースバケット31に積載された土砂を土砂ホッパー33に排出してもよい。キャリア装置32は、アースバケット31を吊るすワイヤ38を操作するスケータ部60と土砂ホッパー33とを備える。また、キャリア装置32は、ケーソン1のケーソンショベル100の等の各設備に電源を送るための電源ケーブル402の長さを制御するための電源用リール400と、電源ケーブル402に係る張力を示す張力情報を検出するための張力計401とを備えてもよい。楊重開始点Pは、マテリアルシャフト23の上部のマテリアルシャフト23へアースバケット31を搬入する箇所である。昇降点Qは、任意の場所、及び任意の数だけ予め設定されたアースバケット31を昇降させる箇所である。反転開始点Rは、アースバケット31の反転動作を開始する箇所である。反転点Oは、土砂ホッパー33の上部のアースバケット31を反転させる箇所である。
【0049】
電源ケーブル402は、例えばマテリアルシャフト23に挿通され、作業室2内に設けられるケーソンショベル100等の各設備に接続される。また、電源ケーブル402は、ケーソン1のケーソンショベル100の等の各設備に燃料を送るためのホースであってもよい。また、電源ケーブル402は、ケーソン1のケーソンショベル100の等の各設備に信号を送るための信号線であってもよい。電源用リール400は、遠隔操作装置12から送信された制御信号に応じて、電源ケーブル402の長さを操作する。張力計401は、電源ケーブル402に係る張力を検出可能な任意のセンサが用いられてよい。また、張力計401は、測定した張力情報を遠隔操作装置12に送信してもよい。
【0050】
図6は、スケータ部60を示す図である。スケータ部60は、アースバケット31を吊るすワイヤ38を巻き上げ又は巻き下げを行うことにより、アースバケット31の上下方向zを制御するリール39と、ガーター61と、ガーター61に吊るされた横行ワイヤ62と、横行ワイヤ62の長さを制御する横行ウィンチ64と、横行ワイヤ62の端部を固定する第1スケータ65と、横行ワイヤ62の長さに応じて横行方向xの位置が変動する第2スケータ66と、第2スケータ66とワイヤ38とに接続される第3スケータとを備える。また、スケータ部60は、第1スケータ65と第2スケータ66との距離Hを測定するための図示しない距離センサを備えてもよい。第2スケータ65は、第3スケータ67とワイヤ38とを介して、アースバケット31と接続される。また、第2スケータ65の横行方向xの位置に応じて、アースバケット31の横行方向の位置も変化する。このことから、第1スケータ65と第2スケータ66との距離Hを測定することにより、アースバケット31の横行方向の位置を算出することが可能となる。また、横行ウィンチ64は、遠隔操作装置から送信される制御信号に応じて、横行ワイヤ62の長さを操作してもよい。
【0051】
図7は、反転開始点のキャリア装置を示す図である。キャリア装置32は、反転開始点Pに反転フック322と、フックセンサ96とを備える。フックセンサ96は、アースバケット31の底面に設けられるチェーン36の位置を示すチェーン位置情報と、チェーン36を緩嵌合する反転フック322の位置を示すフック位置情報とを取得するためのセンサである。フックセンサ96は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサであってもよい。また、フックセンサ96は、カメラであってもよい。LiDAR(Light Detection And Ranging)センサは、近赤外光や可視光、紫外線を使って対象物に光を照射し、その反射光を光センサでとらえ距離を測定するセンサである。フックセンサ96は、検出した情報を遠隔操作装置12に送信してもよい。
【0052】
図8(a)は、反転フック322の正面を示す図である。
図8(b)は、反転フック322を俯瞰した図である。反転フック322は、くの字型の形状のくの字部323と、くの字部323の中心に設けられると共にアースバケット31の底面に設けられたチェーン36が緩嵌合可能な嵌合部324とを備える。くの字部323は、アースバケット31の横行方向xに対して凹となるようにくの字型で設けられる。嵌合部324は、チェーン36が横行方向xから緩嵌合可能であり、チェーン36が上下方向zに挿通可能であり、チェーン36の先端に設けられたアンカー37が上下方向zに挿通できないように設けられる。
【0053】
図9は、障害センサ99を示す図である。キャリア装置32は、障害センサ99を備えてもよい。障害センサ99は、予め設定された範囲に含まれる障害物に関する障害物情報を取得するためのセンサである。障害センサ99は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ又はカメラであってもよい。障害センサ99は、例えばアースバケット31が横行する範囲F内に人がいるかを検出する。障害センサ99は、検出した情報を遠隔操作装置12に送信する。アースバケット31が横行する範囲Fは、アースバケット31が横行する範囲の上方及び下方が含まれてもよい。
【0054】
図10(a)は、土砂ホッパー33を示す図である。
図10(b)は、土砂ホッパー33の内部を示す図である。
図11(a)は、車両の俯瞰図である。
図11(b)は、車両の側面を示す図である。土砂ホッパー33は、アースバケット31により作業室2から地上Tへと排土された土砂を積載するホッパーである。また、土砂ホッパー33は、土砂ホッパー33の下方に設けられた車両70の車両バケット71に積載された土砂を排土する。土砂ホッパー33は、土砂を排土するためのドアホッパー33aを備える。また、土砂ホッパー33は、ホッパセンサ97と車両センサ98とを備える。
【0055】
ドアホッパー33aは、遠隔操作装置12から送信された制御信号に応じて、開閉が行われる。また、ドアホッパー33aは、複数の区画に区切られ、それぞれの区画毎に独立してドアの開閉が制御されてもよい。ドアホッパー33aは、例えば4つの区画に区切られてもよい。
【0056】
ホッパセンサ97は、土砂ホッパー33の内部を撮像し、土砂ホッパー33の積載状態を示す土砂情報を取得するためのセンサである。ホッパセンサ97は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ又はカメラであってもよい。ホッパセンサ97は、土砂ホッパー33内の一定の高さに設けられたレーザセンサであってもよい。車両センサ98、土砂ホッパーの下方を含む画像情報を取得するためのセンサである。車両センサ98は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ又はカメラであってもよい。ホッパセンサ97と車両センサ98とは、検出した情報を遠隔操作装置12に送信してもよい。
【0057】
図12は、マテリアルシャフト23の搬入口23aを示す図である。マテリアルシャフト23は、
図12に示すように、搬入口23aと地上センサ93とを備える。搬入口23aは、アースバケット31をマテリアルシャフト23に搬入するために地上に設けられる入口である。
【0058】
地上センサ93は、アースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとのそれぞれの位置を示すバケット位置情報と入口位置情報とを検出する地上に設けられるセンサである。地上センサ93は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサであってもよい。また、地上センサ93は、カメラであってもよい。また、地上センサ93は、アースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとを撮像する角度が異なるように、複数設けられてもよい。
【0059】
また、キャリア装置32は、アースバケット31と、アースバケット31を吊るすワイヤ38と、ワイヤ38の長さを制御するリール39とを備える。リール39は、例えば遠隔操作装置12から送られた信号に応じて、ワイヤ38を巻き上げ、又は巻き下げを行うことにより、ワイヤ38の長さを制御する。
【0060】
アースバケット31は、底面にチェーン36とチェーン36の先端に設けられるアンカー37とを備える。また、アースバケット31は、
図13(a)に示すように、アースバケット31の上面31aにつる40と、つる40に設けられたワイヤ38とを備える。また、つる40とアースバケット31との接続箇所を支点Aとする。また、つる40とワイヤ38との接続箇所を支点Bとする。また、ワイヤ38上の点を支点Cとする。また、アースバケット31の上面31aの中心点Dから支点Bを中心として、角度θに含まれる範囲Eをショベル侵入不可範囲とする。
【0061】
図14は、マテリアルロック24を示す図である。マテリアルロック24は、地上Tの大気圧と作業室2内の圧力差を調節するための上ドア26と下ドア27との二重扉構造の気密扉が設けられる。マテリアルロック24は、マテリアルロック24内に搬入されたアースバケット31を検出するためのマテリアルセンサ95を備えていてもよい。また、マテリアルロック24は、マテリアルセンサ95間の間隔bがアースバケット31の側面の高さaよりも小さくなるように、2以上のマテリアルセンサ95を備えていてもよい。マテリアルセンサ95は、マテリアルロック24に搬入されたアースバケット31を検出するためのセンサである。マテリアルセンサ95は、例えば小型記録媒体34から情報を読み取るためのセンサであってもよい。マテリアルセンサ95は、ICと小型アンテナが組み込まれたタグやカード状の小型記録媒体から、電波を介して情報を読み取る非接触型の自動認識技術を用いたセンサであってもよい。また、マテリアルセンサ95は、ループコイルセンサであってもよい。また、マテリアルセンサ95は、レーザ等を用いた光学センサであってもよい。また、マテリアルセンサ95は、これに限らず、非接触で金属を検出することが可能な任意のセンサを用いてもよい。
【0062】
図15は、アースバケット31の土砂の積載を示す図である。作業室2は、例えばアースバケット31の積載状態を示す積載情報を取得するための作業室センサ94を備えていてもよい。作業室センサ94は、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)センサであってもよい。また、作業室センサ94は、カメラであってもよい。
【0063】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図16は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システム6の全体構成を示すブロック図である。土砂ホッパー自動制御システム6は、ニューマチックケーソン工法に使用されるアースバケット31の位置を検出する。土砂ホッパー自動制御システム6は、上述した第1センサ90と、第2センサ91と、第3センサ92と、地上センサ93と、作業室センサ94と、マテリアルセンサ95と、フックセンサ96と、ホッパセンサ97と、車両センサ98と、障害センサ99等の各種センサにより検出された情報を取得する遠隔操作装置12と、遠隔操作装置12から送信された信号に応じて、ワイヤ38を制御するリール39等の構成とを備える。
【0064】
遠隔操作装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。各種センサから入力されたデータに基づいて、遠隔操作装置12は、アースバケット31の位置を算出してもよい。遠隔操作装置12は、取得部80と、取得部80に接続された算出部81と、算出部81に接続された制御部82と提示部83との機能を備える。
【0065】
取得部80は、各種センサから検出された情報を取得する。取得部80は、例えば第1センサ90、第2センサ91、第3センサ92から検出された検出情報を取得する。また、取得部80は、荷重計35により計測されたワイヤ38に係る荷重に関する荷重情報を取得してもよい。取得部80は、例えば地上センサ93により検出されたアースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとのそれぞれの位置を示すバケット位置情報と搬入口位置情報とを取得してもよい。取得部80は、例えば作業室センサ94から画像情報、第1点群データを取得してもよい。また、取得部80は、マテリアルセンサ95から、検出情報を取得してもよい。また、取得部80は、フックセンサ96から、チェーン位置情報とフック位置情報とを取得してもよい。また、取得部80は、ホッパセンサ97から土砂情報を取得してもよい。また、取得部80は、車両センサ98から画像情報を取得してもよい。また、取得部80は、障害センサ99から画像情報を取得してもよい。また、取得部80は、張力計401から張力情報を取得してもよい。また、取得部80は、土砂ホッパー自動制御システム6を利用するユーザから入力された各種情報を取得してもよい。取得部80は、取得した各種データを算出部81に出力する。
【0066】
算出部81は、取得部80から入力された各種情報に基づいて、各種処理を行う。算出部81は、例えば、アースバケット31の位置を示す位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。
【0067】
制御部82は、算出部81から入力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。制御部82は、制御信号をリール39に出力してもよい。また、制御部82は、ケーソンショベル100、マテリアルロック24、ワイヤ固定装置240、土砂ホッパー33、横行ウィンチ64、電源用リール400及びその他の構成を制御してもよい。
【0068】
次に、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システム6の動作について
図17を用いて、説明をする。
図17(a)は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システム6のアースバケット31を作業室2に搬入する動作についてのフローチャートである。
図17(b)は、本発明を適用した土砂ホッパー自動制御システム6のアースバケット31を地上Tに搬出する動作についてのフローチャートである。
図17(a)に示すように、アースバケット31を作業室2に搬入する場合、まずステップS10において、楊重開始点Pにあるアースバケット31を地上センサ93が検出を行う。地上センサ93は、マテリアルシャフト23に搬入するアースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとのそれぞれの位置を示すバケット位置情報と搬入口位置情報とを検出する。バケット位置情報は、アースバケット31の地上Tにおける位置を示す情報である。バケット位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出されたアースバケット31を含む点群データであってもよい。点群データは、3次元空間上の座標を示す点群により構成されるデータである。点群データは、例えばセンサの位置から取得対象までの距離情報を示す点群からなるデータである。バケット位置情報は、例えばカメラにより撮像された画像であってもよい。搬入口位置情報は、マテリアルシャフト23の搬入口23aの位置を示す情報である。搬入口位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出された搬入口23aを含む点群データであってもよい。また、搬入口位置情報は、例えばカメラにより撮像された画像であってもよい。かかる場合、搬入口位置情報は、アースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとを撮像する角度が異なるように、複数設けられたカメラにより、それぞれ撮像された画像に基づいて、算出された搬入口23aの3次元空間上の位置を示す情報であってもよい。地上センサ93は、検出した情報を取得部80に送信する。
【0069】
次に、ステップS11において、取得部80は、地上センサ93から送信されたバケット位置情報及び搬入口位置情報を取得する。取得部80は、取得したバケット位置情報と搬入口位置情報とを算出部81に出力する。
【0070】
次に、ステップS12において、算出部81は、取得部80から送信されたバケット位置情報と搬入口位置情報とに基づいて、アースバケット31が搬入口23aに搬入可能かを判定する。例えば算出部81は、バケット位置情報がアースバケット31を含む点群データである場合、まず点群データからアースバケット31を示す点群を抽出する。かかる場合、3次元空間上の円筒の側面を示す方程式を満たす座標の集合からなる数学モデルを用いて、アースバケット31を示す点群を抽出する。
【0071】
数学モデルについて、
図18を用いて説明する。数学モデルは、3次元空間上の円筒の側面を示す方程式を満たす座標の集合からなるモデルである。
図18に示すように、垂直に交わるxyz軸の3次元空間上で、xy面に平行な底面を有し、原点を底面の中心とする円筒を基準円筒220とする。xyz軸を軸とする3次元空間を、角度θだけビッチ回転(y軸回転)させた後、角度φだけロール回転(x軸回転)させたとき、x軸、y軸、z軸が変化したものをそれぞれx′軸、y′軸、z′軸とする。ヨー回転(z軸回転)については、円筒を回転しても変わらないため、考慮する必要がない。垂直に交わるx′軸、y′軸、z′軸の3次元空間上で、x′y′面に平行な底面を有し、上述した原点からさらにx方向、y方向、z方向にそれぞれX、Y、Zだけ並進させた点を底面の中心とす
る円筒を一般化円筒221とする。
【0072】
数学モデルは、例えば式1のような基準円筒220の側面の基本方程式を満たす座標の集合である。
【数1】
【0073】
rは、認識の対象となるアースバケット31の半径を表す定数であり、hは、上述したアースバケット31の軸方向の長さを表す定数である。
【0074】
一般化円筒221上の点(x′、y′、z′)は、基準円筒220上の点(x、y、z)を用いて、式2のように表される。
【数2】
【0075】
この一般化円筒221上の点(x′、y′、z′)を、座標データと仮定し、座標データをx方向、y方向、z方向に並進させ、座標軸を回転させ、上述した数学モデルと比較することで、アースバケット31の三次元空間上の位置及び姿勢を判断する。
【0076】
この式1で表される数学モデルと、座標データとして点(x
p、y
p、z
p)を用いて、
図19で示すような手順で、アースバケット31の三次元空間上の位置及び姿勢を認識する。アースバケット31の認識は、例えば誤差関数を示す式3を用いて、座標データの点(x
p、y
p、z
p)と、数学モデルを重ね合わせたときの誤差Eが最小となるX、Y、Z、θ、φの5変数を求めることによって可能となる。
【数3】
【0077】
具体的な手順としては、まずステップS110において、X、Y、Z、θ、φの5つの
変数を仮変数として、仮変数を設定する。次にステップS111において、例えば上述したような仮変数と式3を用いて、誤差Eを算出する。
【0078】
次にステップS112において、先ほど算出した誤差Eに基づいて、誤差Eがより小さくなるように仮変数を補正する。ステップS112で仮変数を補正した後、再びステップS110に戻り、ステップS111で誤差Eを算出する。上記の手順を繰り返すことで、誤差Eが最小となるような仮変数を算出する。最も誤差が小さかった時の仮変数をアースバケット31の三次元空間上の位置及び姿勢としてもよい。
【0079】
例えば、式4のように誤差Eをそれぞれ算出したとすると、最小の誤差Eはt回目に補正をした仮変数であるから、t回目に補正した仮変数をアースバケット31の三次元空間上の位置及び姿勢としてもよい。例えば誤差Eが最小となったときの仮変数がそれぞれX
=Y=Z=2cm、θ=φ=5degであったならば、アースバケット31は、基準点からx方向、y方向、z方向にそれぞれ2cmずれた位置を底面の中心として、基準円筒220の状態から、5degビッチ回転し、5degロール回転した三次元空間上の位置及び姿勢であると判断できる。
【数4】
【0080】
最小の誤差Eを算出する方法として、例えば式5のように、最初の仮変数をX=Y=Z
=θ=φ=0として、目的関数を誤差Eとした最急降下法で計算を行ってもよい。また、式5において、Zを求める方法として、例えば座標データの最下点を0として、θ=φからZを推測してもよい。また、例えばθ=0のとき、Z=rcosφとなることから、Zを推定してもよい。
【数5】
【0081】
また、数学モデル及びアースバケット31が円筒であることから、ヨー回転を無視することが可能なことにより、繰り返し計算を行う場合にかかる計算時間を短くすることができる。
【0082】
また、アースバケット31が、ワイヤ38に吊るされていることから、ビッチ回転及びロール回転がほとんど起こらないため、初期姿勢の推測が容易なことから、繰り返し計算を行う場合にかかる計算時間を短くすることができる。
【0083】
また、アースバケット31が、ワイヤ38に吊るされていることから、アースバケット31はワイヤ38の直下にあることが推測できる。このため、X及びYの並進の初期姿勢
の推測が容易なことから、繰り返し計算を行う場合にかかる計算時間を短くすることができる。
【0084】
上述した理由により、Z方向のみ、アースバケットの底面あるいは上面を認識して、正確に推定する必要がある。この場合、座標データのうち最もz座標の高い点をアースバケット31の上面と推定することで、繰り返し計算を行う場合にかかる計算時間を短くすることができる。
【0085】
上述した計算方法は、X、Y、Z、θ、φの5変数からなる5自由度の計算を繰り返し
行う必要があることから、計算に時間を要することが想定されるが、これらの方法によって、格段に計算を高速化することが可能となる。これにより、点群データからアースバケット31を示す点群を抽出することができる。
【0086】
また、ステップS12において、例えば算出部81は、搬入口位置情報が搬入口23aを含む点群データである場合、点群データから搬入口23aを示す点群を抽出する。かかる場合、点群データからアースバケット31を抽出するのと同様に、3次元空間上の円筒の側面を示す方程式を満たす座標の集合からなる数学モデルを用いて、搬入口23aを示す点群を抽出する。
【0087】
上述した方法により抽出されたアースバケット31を示す点群と搬入口23aを示す点群とのxy座標を比較し、アースバケット31を示す点群のxy座標が、搬入口23aを示す点群とのxy座標に含まれている場合、アースバケット31が搬入可能であると判断する。
【0088】
また、ステップS12において、算出部81は、バケット位置情報がアースバケット31を含む複数の画像である場合、複数の画像からアースバケット31の位置を判定する。かかる場合、アースバケット31とマテリアルシャフト23の搬入口23aとを撮像する角度が異なるように設けられたカメラにより撮像された画像から、アースバケット31の位置を判定し、予め設定された基準位置内である場合、アースバケット31が搬入可能であると判断する。
【0089】
ステップS12において、アースバケット31が搬入可能であると判断された場合、制御部82は、ワイヤ38を巻き下げるようにリール39に制御信号を送信する。これにより、自動的に安全にアースバケット31を搬入することが可能となる。
【0090】
次に、ステップS13において、第1センサ90がアースバケット31を検出する。第1センサ90は、検出した検出情報を取得部80に送信する。検出情報は、第1センサ90、第2センサ91、又は第3センサ92等の何れかのセンサによりアースバケット31が検出された情報である。検出情報は、例えばアースバケット31がマテリアルシャフト23を通過した回数に関する回数情報を含んでもよい。検出情報は、例えば第1センサ90、第2センサ91、又は第3センサ92の何れかのセンサによりアースバケット31が検出された時間に関する時間情報を含んでもよい。検出情報は、例えばアースバケット31を識別する識別情報が記録されてもよい。回数情報は、例えば第1センサ90、第2センサ91、又は第3センサ92の何れかのセンサによりアースバケット31が検出した回数の情報であってもよい。時間情報は、例えば第1センサ90、第2センサ91、又は第3センサ92の何れかのセンサによりアースバケット31が検出した順番の情報であってもよい。識別情報は、例えばアースバケット31にそれぞれ付与された識別番号の情報であってもよい。また、識別情報は、アースバケット31の内部が空であることを示す空荷情報であってもよい。
【0091】
次に、ステップS14において、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入する。ステップS14において、取得部80は、ステップS13により送信された検出情報を算出部81に出力する。算出部81は、出力された検出情報に基づいて、アースバケット31の位置を示す位置情報を算出する。位置情報は、アースバケット31の位置を示す情報であり、例えばアースバケット31が地上Tにあること示す情報であってもよい。また、位置情報は、例えばアースバケット31がマテリアルロック上下間にあることを示す情報であってもよい。また、位置情報は、例えばアースバケット31がロック―スラブ間にあることを示す情報であってもよい。また、位置情報は、例えばアースバケット31がスラブ―地盤間にあることを示す情報であってもよい。また、位置情報は、アースバケット31が第1センサ90、第2センサ91、又は第3センサ92の何れかの位置にあることを示す情報であってもよい。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。
【0092】
制御部82は、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第1センサ90の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ巻き下げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報とアースバケット31の進行状況を示す進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。進行情報は、例えばアースバケット31の目的位置を示す情報である。目的位置は、例えば地上T又は作業室2である。制御部82は、進行情報が、作業室2が目的位置であることを示し、位置情報が第1センサ90の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ巻き下げるようにリール39を制御する。制御部82は、例えば土砂ホッパー自動制御システム6を利用するユーザにより入力された進行情報を取得してもよい。ステップS14により、アースバケット31をマテリアルロック24の特定の位置に自動的に搬入することが可能となる。
【0093】
また、制御部82は、マテリアルロック24の状態に関するマテリアルロック情報に基づいて、リール39を制御してもよい。マテリアルロック情報は、例えばマテリアルロック24の内部の気圧に関する情報である。マテリアルロック情報は、例えば上ドア26及び下ドア27の開閉状態に関するである。制御部82は、上ドア26が開いており、下ドア27が閉まっていることを示すマテリアルロック情報が出力された場合、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入するようにリールを制御してもよい。また、制御部82は、例えばマテリアルロック24に設けられた図示しないセンサ、カメラ、マテリアルロック24内の気圧を測定する気圧計等により検出された情報から、マテリアルロック情報を取得してもよい。制御部82は、例えばマテリアルロック24に設けられた図示しない気圧計により検出された気圧の情報からマテリアルロック情報を取得してもよい。また、制御部82は、例えばマテリアルロック24に設けられた図示しないカメラ又はセンサにより検出された上ドア26及び下ドア2の情報からマテリアルロック情報を取得してもよい。制御部82は、例えばマテリアルロック24の上ドア26及び下ドア2の図示しない駆動機構に設けられた図示しない距離センサが検出した情報から上ドア26及び下ドア2が全開もしくは全閉め状態であるかを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。これにより、マテリアルロックの状態に応じて適切な動作を自動的に行うことが可能となる。
【0094】
また、制御部82は、検出情報に基づいて、アースバケットの位置を示す位置情報を算出し、位置情報に基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。また、制御部82は、マテリアルロック情報とマテリアルセンサ95によりアースバケット31が検出された検出情報とに基づいて、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入出させるために、リール39及びマテリアルロック24を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、例えばステップS41において、マテリアルロック情報に基づいて、上ドア26が閉じている場合、上ドア26を開ける。かかる場合、制御部82は、下ドア27が閉じている場合、上ドア26を開けるように制御してもよい。
【0095】
次に、ステップS42において、制御部82は、リール39を巻き下げ、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入する。また、ステップS42において、マテリアルロック24にマテリアルセンサ95が設けられていない場合、制御部82は、予め設定された一定の長さだけリール39を巻き下げてもよい。
【0096】
次にステップS43において、取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、リール39の動作を停止させるように制御する。かかる場合、制御部82は、マテリアルセンサ95が2以上設けられている場合、2以上のマテリアルセンサ95が同時にアースバケット31を検出するまでリール39を巻き下げるように制御してもよい。これにより、アースバケット31をマテリアルロック24内の特定の位置に自動的に静止させることが可能となる。
【0097】
次に、ステップS44において、取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。かかる場合、例えば取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示す検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、アースバケット31がマテリアルロック24内にあることを示す位置情報を算出し、制御部82は、算出部81が算出した位置情報に基づいて、上ドア26を閉じるように制御してもよい。また、このとき取得部80は、制御部82からマテリアルロック24に送られた制御信号に基づいて、上ドア26が閉じたことを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。これにより、マテリアルロック24内のアースバケット31の位置を算出することが可能となる。また、アースバケット31の位置に応じて、適切なマテリアルロック24のドアの開閉の制御の自動化が可能となる。
【0098】
また、ステップS44において、取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出したそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれ検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。かかる場合、例えば取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示すそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれの検出情報に基づいて、アースバケット31がマテリアルロック24内の2以上のマテリアルセンサ95により検出される位置にあることを示す位置情報を算出し、制御部82は、算出部81が算出した位置情報に基づいて、上ドア26を閉じるように制御してもよい。これにより、より高精度にマテリアルロック24内のアースバケット31の位置を算出することが可能となる。
【0099】
また、ステップS44において、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出したそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれ検出情報に基づいて、位置情報とアースバケット31がマテリアルロック24を通過する方向に関する通過方向情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報と通過方向情報とに基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。通過方向情報は、アースバケット31が通過する方向を示す情報であり、例えばアースバケット31の通過方向が作業室2の方向又は地上Tの方向を示す情報である。かかる場合、例えば取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示すそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれの検出情報が示すアースバケット31を検出した時間に基づいて、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した順番を算出し、算出した順番からアースバケット31の通過方向が作業室2方向であることを示す通過方向情報を算出する。制御部82は、例えばマテリアルロック24に設けられた図示しない気圧計により検出された気圧の情報からマテリアルロック情報を取得してもよい。また、制御部82は、例えばマテリアルロック24に設けられた図示しないカメラ又はセンサにより検出された上ドア26及び下ドア2の情報からマテリアルロック情報を取得してもよい。制御部82は、例えばマテリアルロック24の上ドア26及び下ドア2の図示しない駆動機構に設けられた図示しない距離センサが検出した情報から上ドア26及び下ドア2が全開もしくは全閉め状態であるかを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。また、ステップS44において、算出部82は、マテリアルロック情報に基づいて、通過方向情報を算出してもよい。かかる場合、算出部82は、例えばマテリアルロック情報が上ドア26が開いており、下ドア27が閉じており、マテリアルロック24内の気圧が大気圧であることを示す場合、アースバケット31の通過方向が地上T方向であることを示す通過方向情報を算出する。また、算出部82は、例えばマテリアルロック情報が下ドア27が開いており、上ドア26が閉じており、マテリアルロック24内の気圧が作業気圧であることを示す場合、アースバケット31の通過方向が作業室2方向であることを示す通過方向情報を算出する。制御部82は、位置情報と通過方向情報とに基づいて、上ドア26を閉じるようにマテリアルロック24を制御する。これにより、アースバケット31の通過方向を自動的に算出することが可能となるため、通過方向に応じた適切な制御が自動的に可能となる。
【0100】
また、ステップS44において、制御部82は、上ドア26を閉め、マテリアルロック24内の気圧が作業室2内の気圧である作業気圧となるようにマテリアルロック24の気圧を制御する。かかる場合、制御部82は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示す検出情報と上ドア26と下ドア27とが閉まっていることを示すマテリアルロック情報とが入力された場合、マテリアルロック24内の気圧を制御するようにしてもよい。また、このとき取得部80は、制御部82からマテリアルロック24に送られた制御信号に基づいて、マテリアルロック24内の気圧が作業気圧であることを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。
【0101】
次に、ステップS45において、制御部82は、下ドア27を開けるようにマテリアルロック24を制御する。かかる場合、制御部82は、上ドア26と下ドア27とが閉じていることを示すマテリアルロック情報が入力された場合、下ドア27を開くようにマテリアルロック24を制御してもよい。また、ステップS45において、制御部82は、マテリアルロック24内の気圧が作業気圧であることを示すマテリアルロック情報と、ステップS44において、算出した通過方向情報とに基づいて、下ドア27を開けるように制御してもよい。
【0102】
次に、ステップS46において、制御部82は、アースバケット31をマテリアルロック24から搬出するようにリール39を制御する。上述したステップS41~S46を行うことにより、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入及び搬出する動作が終了する。これにより、自動的にマテリアルロック24にアースバケット31を搬入及び搬出することが可能となる。
【0103】
次に、ステップS15において、第2センサ91がアースバケット31を検出する。ステップS46により、マテリアルロック24から搬出されたアースバケット31が、マテリアルロック24内で圧力調整をした後、リール39が巻き下げられ、第2センサ91の位置に到達することで、第2センサ91は、アースバケット31を検出する。第2センサ91は、検出した検出情報を取得部80に送信する。
【0104】
次に、ステップS16において、取得部80は、ステップS15により送信された検出情報を算出部81に出力する。算出部81は、出力された検出情報に基づいて、位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。
【0105】
制御部82は、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第2センサ91の位置であることを示す場合、第3センサ92によりアースバケット31が検出されるまで、ワイヤ38を巻き下げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報と進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、進行情報が、作業室2が目的位置であることを示し、位置情報が第2センサ91の位置であることを示す場合、第3センサ92によりアースバケット31が検出されるまで、ワイヤ38を巻き下げるようにリール39を制御する。
【0106】
次に、ステップS17において、アースバケット31の着地制御を行う。かかる場合、まず第3センサ93は、ステップS16により巻き下げられたアースバケット31を検出する。第3センサ93は、検出した検出情報を取得部80に送信し、取得部80は、出力された検出情報を算出部81に出力する。算出部81は、出力された検出情報に基づいて、位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。制御部82は、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけワイヤ38を巻き下げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報と進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、進行情報が、作業室2が目的位置であることを示し、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけワイヤ38を巻き下げるようにリール39を制御する。
【0107】
また、制御部82は、荷重計35から送信された荷重情報と位置情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、荷重情報が示すワイヤ38にかかる荷重が閾値以下となるまでワイヤ38を巻き下げるようにリール39を制御してもよい。また、制御部82は、荷重計35から送信された荷重情報に基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、例えば荷重計35から送信された荷重情報が示す荷重が基準値以下となる場合、予め設定された長さだけワイヤ38を巻き上げ、この後再び巻き下げを行うようにリール39を制御してもよい。これにより、巻き下げ中にアースバケット31が引っかかった場合においても、自動的に適切に対応することが可能となる。
【0108】
また、制御部82は、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、リール39によりワイヤ38を巻き下げる速度を低下させてもよい。
【0109】
上述した各ステップを行うことにより、アースバケット31を作業室2に搬入する動作が終了する。これにより、自動的にかつ安全にアースバケット31を作業室2に搬入することが可能となる。
【0110】
次に、アースバケット31に土砂を積載する動作について説明する。土砂ホッパー自動制御システム6は、
図20に示すように、ケーソンショベル100がアースバケット31に土砂を積載する軌跡を示す軌跡情報を生成してもよい。かかる場合、まず、ステップS30において、作業室センサ94がアースバケット31を含む作業室2内の第1点群データを検出する。第1点群データは、アースバケットを含む作業室2内の点群からなるデータである。作業室センサ94は、第1点群データを取得部80に送信する。
【0111】
次に、ステップS31において、取得部80は、第1点群データを取得する。取得部80は、送信された第1点群データを算出部81に出力する。
【0112】
次に、ステップS32において、算出部81は、出力された第1点群データから、作業室2内にあるアースバケット31を示す第2点群データを抽出する。第2点群データは、アースバケット31を示す点群からなるデータである。
【0113】
次に、ステップS33において、算出部81は、アースバケット31に設けられたワイヤ38を示す第3点群データを抽出する。第3点群データは、ワイヤ38を示す点群からなるデータである。かかる場合、算出部81は、ステップS31により抽出した第1点群データにある直線上の点群を第3点群データとしてもよい。また、算出部81は、ステップS32により抽出した第2点群データが示すアースバケット31から閾値内の距離にある直線上の点群を第3点群データとしてもよい。また、
図13(b)に示す推定直線230との差が閾値以下となる点群を第3点群データとしてもよい。推定直線230は、3次元空間上の直線を示す方程式を満たす座標の集合からなるモデルである。
【0114】
また、ステップS33において、算出部81は、ステップS32により抽出した第2点群データに基づいて、アースバケット31のつる40を示す第4点群データを抽出し、抽出した第4点群データに基づいて、第3点群データを抽出してもよい。かかる場合、算出部81は、第2点群データから予め設定されたマッチング形状231のモデルと一致又は近似する点群データを第4点群データとして抽出してもよい。マッチング形状231のモデルは、3次元空間上のつる40を示す方程式を満たす座標の集合からなるモデルである。かかる場合、例えばRANSAC(Random Sample Consensus)等を用いて点群データを抽出してもよい。
【0115】
ステップS33において、抽出した第4点群データに基づいて、第3点群データを抽出してもよい。かかる場合、第4点群データに隣接する推定直線230を満たす点群データを第3点群データとして抽出してもよい。また、各点群データから、アースバケット31の上面31aとつる40との接点を支点Aとし、つる40とワイヤ38との接点を支点Bとし、ワイヤ38の上端を支点Cとして抽出してもよい。
【0116】
次に、ステップS34において、ステップS31により取得した第1点群データと、ステップS32により抽出した第2点群データとに基づいて、アースバケット31の積載状態を示す積載情報を算出する。算出部81は、例えば第1点群データから、抽出した第2点群データを消去することにより、アースバケット31の内部に積載された積載物を示す点群データを抽出し、抽出した積載物を示す点群データに基づいて、積載量を示す積載情報を取得してもよい。積載情報は、アースバケット31の積載状態を示す情報であり、例えばアースバケット31の内部に積載された土砂の量を示す情報であってもよい。
【0117】
次に、ステップS35において、ステップS34により算出した積載情報に基づいて、アースバケット31に土砂が積み込み可能かを判定する。かかる場合、算出部81は、積載情報が示す土砂の量、又は高さが基準値以下の場合、積み込み可能と判定し、基準値以上の場合、積み込み不可と判定する。
【0118】
次に、ステップS36において、ステップS33により抽出した第3点群データに基づいて、ワイヤの位置を示すワイヤ位置情報を算出する。ワイヤ位置情報は、3次元空間上のワイヤ38の位置を示す情報である。また、ワイヤ位置情報は、ワイヤ38のアースバケット31との相対位置を示す情報であってもよい。また、ワイヤ位置情報は、
図13(b)に示すように、ワイヤ38が支点Aより方向x側にあるか、方向xの逆側にあるかを示す情報であってもよい。また、ステップS36において、提示部83は、ワイヤ位置情報等の各情報をユーザに提示してもよい。
【0119】
次に、ステップS37において、第3点群データに基づいて、作業室2内のケーソンショベル100がアースバケット31に土砂を積載可能な方向を示す方向情報を算出する。方向情報は、例えば
図13(b)に示すように、方向xからケーソンショベル100がアースバケット31に土砂が積載可能であることを示す情報であってもよい。かかる場合、例えば算出部81は、第3点群データに基づいて、ワイヤ位置情報を算出し、算出したワイヤ位置情報に基づいて、方向情報を算出してもよい。算出部81は、例えばワイヤ位置情報が、ワイヤ38が支点Aより方向x側にあることを示す場合、方向xに積載可能であることを示す方向情報を算出してもよい。また、ステップS37において、提示部83は、方向情報等の各情報をユーザに提示してもよい。これにより、ワイヤ38とケーソンショベル100とを接触させることなく、自動的にアースバケット31に土砂を積載することが可能となる。
【0120】
次に、ステップS38において、ステップS37において算出した方向情報に基づいて、ケーソンショベル100がアースバケット31に土砂を積載する軌跡を示す軌跡情報を生成する。軌跡情報は、例えばケーソンショベル100のバケット152の軌跡を示す情報であってもよい。また、軌跡情報は、例えば走行体110、ブーム130、及びバケットアタッチメント150等のケーソンショベル100の各構成の動作を示す情報であってもよい。算出部81は、方向情報が示すケーソンショベル100がアースバケット31に土砂を積載可能な方向からケーソンショベル100によりアースバケット31に土砂を積載するように軌道情報を生成する。
【0121】
上述したステップS30~ステップS38により、アースバケット31に土砂を積載する動作が終了する。これにより、アースバケット31に自動的に土砂を積載することが可能となる。
【0122】
次に、アースバケット31を地上Tに搬出する動作について説明する。
図17(b)に示すように、まずステップS20において、作業室センサ94がアースバケット31を検出する。作業室センサ94は、作業室2内の第1点群データを取得する。作業室センサ94は、取得した第1点群データを取得部80に送信する。
【0123】
次に、ステップS21において、取得部80は、送信された第1点群データを算出部81に出力する。算出部81は出力された第1点群データから、作業室2内にあるアースバケット31を示す第2点群データを抽出する。かかる場合、算出部81は、上述した数学モデルを用いて、アースバケット31を示す第2点群データを抽出してもよい。算出部81は、第1点群データと第2点群データとに基づいて、アースバケット31の積載状態を示す積載情報を算出する。算出部81は、算出した積載情報を制御部82に出力してもよい。
【0124】
次に、ステップS22において、制御部82は、第3センサ93の位置までワイヤを巻き上げるようにリール39を制御する。制御部82は、例えばステップS21又はステップS34により算出された積載情報に基づいて、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。かかる場合、制御部82は、積載情報が示す土砂の積載量が基準値以上を示す場合、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御してもよい。これにより、自動的にアースバケット31の搬出作業を適切に判断し、開始することが可能となる。
【0125】
また、ステップS22において、制御部82は、ワイヤを巻き上げるための制御信号が入力された場合、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御してもよい。かかる場合、制御信号は、ユーザにより入力されてもよい。
【0126】
次に、ステップS23において、制御部82は、第2センサ91により、アースバケット31が検出されるまでワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。ステップS23において、制御部82は、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、第2センサ91によりアースバケット31が検出されるまで、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報と進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、進行情報が、地上Tが目的位置であることを示し、位置情報が第3センサ92の位置であることを示す場合、第2センサ91によりアースバケット31が検出されるまで、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、荷重計35から送信された荷重情報に基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、例えば荷重計35から送信された荷重情報が示す荷重が基準値以上となる場合、予め設定された長さだけワイヤ38を巻き下げ、この後再び巻き上げを行うようにリール39を制御してもよい。これにより、巻き上げ中にアースバケット31が引っかかった場合においても、自動的に適切に対応することが可能となる。
【0127】
次に、ステップS24において、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入する。ステップS24において、取得部80は、ステップS23により送信された検出情報を算出部81に出力する。算出部81は、出力された検出情報に基づいて、アースバケット31の位置を示す位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。
【0128】
制御部82は、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第2センサ91の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ巻き上げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報と進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、進行情報が、地上Tが目的位置であることを示し、位置情報が第2センサ91の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ巻き上げるようにリール39を制御する。ステップS24により、アースバケット31をマテリアルロック24の特定の位置に自動的に搬入することが可能となる。
【0129】
また、制御部82は、マテリアルロック情報に基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、上ドア26が閉じており、下ドア27が開いていることを示すマテリアルロック情報が出力された場合、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入するようにリールを制御してもよい。これにより、マテリアルロックの状態に応じて適切な動作を自動的に行うことが可能となる。
【0130】
また、制御部82は、マテリアルロック情報とマテリアルセンサ95によりアースバケット31が検出された検出情報とに基づいて、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入出させるために、リール39及びマテリアルロック24を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、例えばステップS51において、マテリアルロック情報に基づいて、下ドア27が閉じている場合、下ドア27を開ける。かかる場合、制御部82は、上ドア26が閉じている場合、下ドア27を開けるように制御してもよい。
【0131】
次に、ステップS52において、制御部82は、リール39を巻き上げ、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入する。また、ステップS52において、マテリアルロック24にマテリアルセンサ95が設けられていない場合、制御部82は、予め設定された一定の長さだけリール39を巻き上げてもよい。
【0132】
次にステップS53において、取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、リール39の動作を停止させるように制御する。かかる場合、制御部82は、マテリアルセンサ95が2以上設けられている場合、2以上のマテリアルセンサ95が同時にアースバケット31を検出するまでリール39を巻き上げるように制御してもよい。これにより、アースバケット31をマテリアルロック24内の特定の位置に自動的に静止させることが可能となる。
【0133】
次に、ステップS54において、取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。かかる場合、例えば取得部80は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示す検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得した検出情報に基づいて、アースバケット31がマテリアルロック24内にあることを示す位置情報を算出し、制御部82は、算出部81が算出した位置情報に基づいて、下ドア27を閉じるように制御してもよい。また、このとき取得部80は、制御部82からマテリアルロック24に送られた制御信号に基づいて、下ドア27が閉じたことを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。これにより、マテリアルロック24内のアースバケット31の位置を算出することが可能となる。また、アースバケット31の位置に応じて、適切なマテリアルロック24のドアの開閉の制御の自動化が可能となる。
【0134】
また、ステップS54において、取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出したそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれ検出情報に基づいて、位置情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報に基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。かかる場合、例えば取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示すそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれの検出情報に基づいて、アースバケット31がマテリアルロック24内の2以上のマテリアルセンサ95により検出される位置にあることを示す位置情報を算出し、制御部82は、算出部81が算出した位置情報に基づいて、下ドア27を閉じるように制御してもよい。これにより、より高精度にマテリアルロック24内のアースバケット31の位置を算出することが可能となる。また、ステップS54において、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出したそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれ検出情報に基づいて、位置情報とアースバケット31がマテリアルロック24を通過する方向に関する通過方向情報を算出し、制御部82は、算出した位置情報と通過方向情報とに基づいて、マテリアルロック24の上ドア26又は下ドア27の開閉を制御してもよい。かかる場合、例えば取得部80は、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示すそれぞれの検出情報を取得し、算出部81は、取得部80が取得したそれぞれの検出情報が示すアースバケット31を検出した時間に基づいて、2以上のマテリアルセンサ95がアースバケット31を検出した順番を算出し、算出した順番からアースバケット31の通過方向が地上T方向であることを示す通過方向情報を算出する。制御部82は、位置情報と通過方向情報とに基づいて、下ドア27を閉じるようにマテリアルロック24を制御する。これにより、アースバケット31の通過方向を自動的に算出することが可能となるため、通過方向に応じた適切な制御が自動的に可能となる。
【0135】
また、ステップS54において、制御部82は、下ドア27を閉め、マテリアルロック24内の気圧が作業室2内の気圧である作業気圧となるようにマテリアルロック24の気圧を制御する。かかる場合、制御部82は、マテリアルセンサ95がアースバケット31を検出していることを示す検出情報と上ドア26と下ドア27とが閉まっていることを示すマテリアルロック情報とが入力された場合、マテリアルロック24内の気圧を制御するようにしてもよい。また、このとき取得部80は、制御部82からマテリアルロック24に送られた制御信号に基づいて、マテリアルロック24内の気圧が大気圧であることを示すマテリアルロック情報を取得してもよい。
【0136】
次に、ステップS55において、制御部82は、上ドア26を開けるようにマテリアルロック24を制御する。かかる場合、制御部82は、上ドア26と下ドア27とが閉じていることを示すマテリアルロック情報が入力された場合、上ドア26を開くようにマテリアルロック24を制御してもよい。また、ステップS45において、制御部82は、マテリアルロック24内の気圧が大気圧であることを示すマテリアルロック情報と、ステップS44において、算出した通過方向情報とに基づいて、上ドア26を開けるように制御してもよい。
【0137】
上述したステップS51~S56を行うことにより、アースバケット31をマテリアルロック24に搬入及び搬出する動作が終了する。これにより、自動的にマテリアルロック24にアースバケット31を搬入及び搬出することが可能となる。
【0138】
次に、ステップS25において、第1センサ90がアースバケット31を検出する。ステップS56により、マテリアルロック24に搬出されたアースバケット31が、第1センサ90の位置に到達することで、第1センサ90は、アースバケット31を検出する。第1センサ90は、検出した検出情報を取得部80に送信する。取得部80は、送信された検出情報を算出部81に出力する。算出部81は、出力された検出情報に基づいて、位置情報を算出する。算出部81は、算出した位置情報を制御部82に出力する。
【0139】
次に、ステップS26において、アースバケット31をマテリアルシャフト23から搬出する。ステップS26において、制御部82は、ステップS25において、算出部81から出力された位置情報に基づいて、リール39を制御する。かかる場合、制御部82は、位置情報が第1センサ90の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。また、制御部82は、算出部81から出力された位置情報と進行情報とに基づいて、リール39を制御してもよい。制御部82は、進行情報が、地上Tが目的位置であることを示し、位置情報が第1センサ90の位置であることを示す場合、予め設定された長さだけ、ワイヤ38を巻き上げるようにリール39を制御する。
【0140】
上述した各ステップを行うことにより、アースバケット31を地上Tに搬出する動作が終了する。これにより、自動的にかつ安全にアースバケット31を地上Tに搬出することが可能となる。
【0141】
次に、地上Tに搬出したアースバケット31の土砂を土砂ホッパー33に排土する動作について説明する。
図21に示すように、まずステップS60において、地上検出情報を検出する。地上検出情報は、地上に設けられたセンサにより検出された、アースバケット31に関する情報である。地上検出情報は、例えば楊重開始点Pから昇降点Qを経由し、反転開始点Rへと運搬される地上Tに排出されたアースバケット31を検出する情報であってもよい。地上検出情報は、例えば図示しない距離センサにより検出された、第1スケータ65と第2スケータ66との距離Hを示す情報であってもよい。地上検出情報は、例えばアースバケット31を吊るすワイヤ38を制御するクローラークレーン5に関する情報であってもよい。かかる場合、地上検出情報は、例えばクローラークレーン5に取り付けられた任意の図示しないセンサにより検出されたクローラークレーン5の旋回角度、クレーンの仰角、ジブ長、ワイヤ38の巻き量を示す情報であってもよい。地上検出情報を検出したセンサは、取得部80に検出した情報を送信する。
【0142】
次に、ステップS61において、算出部81は、ステップS61により取得した地上検出情報に基づいて、アースバケット31の地上での位置を示す地上位置情報を算出する。地上位置情報は、例えばアースバケット31が楊重開始点Pから反転点Oの何れの位置にあるかを示す情報であってもよい。算出部81、例えば、地上検出情報が第1スケータ65と第2スケータ66との距離Hを示す情報である場合、距離Hに応じて予め決定された位置を示す地上位置情報を算出する。また、算出部81は、地上検出情報がクローラークレーン5に取り付けられた任意のセンサにより検出されたクローラークレーン5の旋回角度、クレーンの仰角、ジブ長、ワイヤ38の巻き量を示す情報である場合、クローラークレーン5の旋回角度、クレーンの仰角、ジブ長、ワイヤ38の巻き量を変数として、地上での位置を算出する任意の関数を用いて、地上位置情報を算出してもよい。かかる場合、算出部81は、例えばクローラークレーン5の旋回角度、クレーンの仰角、ジブ長を変数とする極座標系から直交座標系を算出し、ワイヤ38の巻き量を補正することで地上位置情報を算出してもよい。
【0143】
ステップS62において、取得部80は、障害センサ99により検出した予め設定された範囲に含まれる障害物に関する障害物情報を取得する。障害物情報は、予め設定された範囲に含まれる障害物に関する情報である。障害物情報は、例えば範囲Fを含む画像の情報であってもよい。かかる場合、障害センサ99は、例えばアースバケット31が横行する範囲Fを含む画像を撮像し、取得部80に送信してもよい。
【0144】
次に、ステップS63において、取得部80は、土砂ホッパー33の積載状態を示す土砂情報を取得する。土砂情報は、例えば土砂ホッパー33に積載された土砂の量を示す情報であってもよい。また、土砂情報は、土砂ホッパー33に積載された土砂の量が基準値より大きいか小さいかを示す情報であってもよい。かかる場合、例えばホッパセンサ97により検出された画像情報に基づいて、土砂情報を算出してもよい。かかる場合、画像情報は、例えばホッパセンサ97により撮像された土砂ホッパー33に積載された土砂を含む画像であってもよい。また、画像情報は、例えばホッパセンサ97により撮像された土砂ホッパー33に積載された土砂の点群を含む画像であってもよい。例えば算出部81は、画像情報に基づいて、土砂情報を算出してもよい。かかる場合、例えば算出部81は、画像情報に含まれる点群の高さの積分値に基づいて土砂情報を算出してもよい。
【0145】
また、ステップS63において、算出部81は、ステップS34により算出された積載情報に基づいて、土砂情報を算出してもよい。かかる場合、算出部81は、例えば作業室2から排出されたアースバケット31の積載情報が示す土砂の量の累計を土砂情報として算出してもよい。これにより、土砂ホッパー33にセンサを設けることなく、土砂情報を算出することが可能となる。
【0146】
次に、ステップS64において、制御部82は、アースバケット31の運搬を制御する。制御部82は、例えばステップS61により算出された地上位置情報に基づいて、横行ウィンチ64及びリール39の動作を制御することにより、アースバケット31を運搬する。制御部82は、例えばステップS61により算出された地上位置情報が楊重開始点Pにアースバケット31があることを示す場合、楊重開始点Pから昇降点Qにアースバケット31を運搬するように横行ウィンチ64を制御する。また、制御部82は、例えばステップS61により算出された地上位置情報が昇降点Qにアースバケット31があることを示す場合、予め設定された高さ分アースバケット31を昇降させるようにリール39を制御してもよい。また、制御部82は、制御部82は、例えばステップS61により算出された地上位置情報に基づいて、クローラークレーン5の動作を制御することにより、アースバケット31を運搬してもよい。これにより、昇降点Qに障害物等があった場合においても、自動的に障害物とアースバケット31の接触を防止することが可能となる。
【0147】
また、制御部82は、例えばステップS61により算出された地上位置情報が昇降点Qにアースバケット31があることを示す場合、反転開始点Rまでアースバケット31を運搬するように横行ウィンチ64を制御する。これにより、アースバケット31の地上での位置に応じて、自動的で適切な運搬が可能となる。
【0148】
また、制御部82は、例えばステップS62により取得した障害物情報に基づいて、アースバケット31の運搬を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、障害物情報が範囲Fに障害物があることを示す場合、アースバケットの運搬を停止させるように制御してもよい。また、算出部81は、例えばステップS62により取得した障害物情報が範囲Fを含む画像である場合、画像から障害物を認識し、範囲Fに障害物があるかどうかを判定してもよい。かかる場合、制御部82は、算出部81により算出された判定の結果に基づいてアースバケット31の運搬を制御してもよい。これにより、アースバケット31の運搬経路に作業員等が侵入した場合においても、自動的に動作を停止させることが可能となる。
【0149】
次に、ステップS65において、フックセンサ96は、アースバケット31の底面に設けられるチェーン36の位置を示すチェーン位置情報と、チェーン36を緩嵌合する反転フック322の位置を示すフック位置情報とを検出する。チェーン位置情報は、チェーン36の位置を示す情報である。チェーン位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出されたチェーン36を含む点群データであってもよい。また、チェーン位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出されたアースバケット31とチェーン36とを含む点群データであってもよい。また、チェーン位置情報は、例えばカメラにより撮像された画像であってもよい。フック位置情報は、反転フック322の位置を示す情報である。フック位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出された反転フック322を含む点群データであってもよい。フック位置情報は、例えばLiDARセンサにより検出された反転フック322を含む点群データであってもよい。また、チェーン位置情報は、例えばカメラにより撮像された画像であってもよい。またフック位置情報は、予め設定された範囲を示す座標等であってもよい。フックセンサ96は、検出した情報を取得部80に送信する。取得部80は、取得した情報を算出部81に出力する。
【0150】
次に、ステップS66において、算出部81は、取得部80から送信されたチェーン位置情報とフック位置情報とに基づいて、チェーン36が反転フック322に緩嵌合可能かを示す判定結果を算出する。例えば算出部81は、チェーン位置情報がチェーン36を含む点群データである場合、まず点群データからチェーン36を示す点群を抽出する。かかる場合、3次元空間上の直線を示す方程式を満たす座標の集合からなる数学モデルを用いて、チェーン36を示す点群を抽出する。また、算出部81は、チェーン位置情報がアースバケット31とチェーン36とを含む点群データである場合、アースバケット31を示す点群を抽出し、抽出したアースバケット31に点群から一定範囲の距離内にある直線を示す点群をチェーン36として抽出してもよい。
【0151】
また、ステップS66において、例えば算出部81は、フック位置情報が反転フック322を含む点群データである場合、点群データから反転フック322を示す点群を抽出する。かかる場合、点群データから、反転フック322を模した3次元空間上の数学モデルを用いて、反転フック322を示す点群を抽出する。
【0152】
上述した方法により抽出されたチェーン36を示す点群と反転フック322を示す点群との座標を比較し、チェーン36を示す点群の座標が、反転フック322を示す点群の座標に応じて決定される範囲に含まれている場合、チェーン36が反転フック322に緩嵌合可能である判定結果を算出する。かかる場合、例えば算出部81は、チェーン36を示す点群が、反転フック322のくの字部323を示す点群の座標の範囲内に含まれている場合、チェーン36が反転フック322に緩嵌合可能である判定結果を算出する。
【0153】
次に、ステップS67において、制御部81は、ステップS66により判定した判定結果に基づいて、アースバケット31を反転させる反転動作を制御する。制御部81は、ステップS66により判定した判定結果が緩嵌合可能であることを示す場合、アースバケット31を反転させる反転動作を制御する。かかる場合、制御部81は、横行ウィンチ64を制御することで、アースバケット31を反転点Oまでアースバケット31を運搬する。また、制御部81は、横行ウィンチ64の制御と同時に、リール39を制御し、ワイヤ38を巻き下げる。横行ウィンチ64及びリール39の動作の速度は予め設定された速度で動作させてもよいが、これに限らず任意の速度で動作させてもよい。これにより、アースバケット31のアンカー37が反転フック322に係止されることにより、アースバケット31が反転し、アースバケット31から土砂ホッパー33へ土砂を自動的に排出することが可能となる。
【0154】
上述した各ステップを行うことにより、アースバケット31から土砂ホッパー33に土砂を排出する動作が終了する。これにより、自動的にかつ安全にアースバケット31から土砂ホッパー33に土砂を排出することが可能となる。
【0155】
次に、土砂ホッパー33の土砂を車両70に排土する動作について説明する。
図22に示すように、まずステップS70において、ホッパセンサ97が検出を行う。ホッパセンサ97は、例えば土砂ホッパー33を含む画像を示す画像情報を検出する。また、ホッパセンサ97は、例えば土砂ホッパー33を示す点群を含む点群データを検出してもよい。また、ホッパセンサ97が土砂ホッパー33内の一定の高さに設けられたレーザセンサである場合、ホッパセンサ97は、土砂ホッパー33に積載された土砂の高さが一定以上になることを示す情報を検出してもよい。ホッパセンサ97は、検出した情報を取得部80に送信する。取得部80は送信された情報を算出部81に出力する。
【0156】
次に、ステップS71において、車両センサ98は、土砂ホッパー33の下方を含む画像を示す画像情報を検出する。画像情報は、土砂ホッパー33の下方を含む点群を示す点群データであってもよい。車両センサ98は、検出した情報を取得部80に送信する。取得部80は送信された情報を算出部81に出力する。
【0157】
次に、ステップS72において、算出部81は、土砂ホッパー33の積載状態を示す土砂情報を算出する。かかる場合、算出部81は、ステップS63と同様に、土砂情報を算出してもよい。また、算出部81は、土砂ホッパー33の内部を区分けし、区分けした領域ごとの土砂の積載状態を示す土砂情報を算出してもよい。かかる場合、算出部81は、例えば土砂ホッパー33に積載された土砂の点群を含む画像を示す画像情報に基づいて、ドアホッパー33aの区画に応じて区分けされた領域ごとの土砂の積載状態を示す土砂情報を算出してもよい。ドアホッパー33aの区画に応じて区分けされた領域は、例えばドアホッパー33aが4つの区画に区切られている場合、その区画にそれぞれ対応して区分けされた4つの領域である。
【0158】
次に、ステップS73において、算出部81は、ステップS71により取得した画像情報に基づいて、土砂ホッパー33の下方にある車両70の有無を示す車両情報を算出する。車両情報は、土砂ホッパー33の下方にある車両70の有無を示す情報である。算出部81は、予め設定された車両70を模したモデルを参照し、画像情報から車両70を認識し、車両の有無を判定し、車両情報を算出する。また、算出部81は、予め設定された車両70を模したモデルを参照し、画像情報に含まれる点群データから、車両70を示す点群を抽出し、車両情報を算出してもよい。
【0159】
また、ステップS73において、算出部81は、ステップS71により取得した画像情報に基づいて、土砂ホッパー33の下方の車両70に積載された土砂に関する車両土砂情報を算出する。車両土砂情報は、車両70の車両タンク71に積載された土砂の量を示す情報であってもよい。また、車両土砂情報は、ドアホッパー33aの区画に応じて区分けされた車両タンク71の領域毎に積載された土砂の量を示す情報であってもよい。また、算出部81は、算出した車両70を示す点群を画像情報から消去することで、車両70に積載された土砂を示す点群を抽出し、抽出した車両70に積載された土砂を示す点群に基づいて、車両70に積載された土砂の量を算出してもよい。また、算出部81は、車両70に積載された土砂を示す点群を抽出し、抽出した車両70に積載された土砂を示す点群に基づいて、車両70の区分けされた領域毎に積載された土砂の量を算出してもよい。
【0160】
次に、ステップS74において、算出部81は、ステップS71により取得した画像情報に基づいて、土砂ホッパー33の下方の予め設定された範囲に含まれる障害物に関する障害物情報を算出する。算出部81は、例えばステップS71により取得した画像情報が土砂ホッパー33の下方を含む画像である場合、画像から障害物を認識し、予め設定された土砂ホッパー33の下方の範囲に障害物があるかどうかを判定してもよい。
【0161】
次に、ステップS75において、制御部82は、ドアホッパー33aの開閉を制御する。制御部82は、例えばステップS72により算出した土砂情報に基づいて、ドアホッパー33aの開閉を制御する。かかる場合、制御部82は、土砂情報が示す土砂の量が予め設定された基準値より多い場合、ドアホッパー33aを開くように制御してもよい。また、制御部82は、ステップS72により算出した土砂情報が区分けされた領域毎の土砂情報である場合、領域毎の土砂の量が予め設定された基準値より多い場合、領域に対応するドアホッパー33aの区画を開くように制御してもよい。これにより、土砂ホッパー33の積載状態に応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0162】
また、ステップS75において、制御部82は、ステップS72により算出した土砂情報とステップS73により算出した車両情報とに基づいて、ドアホッパー33aの開閉を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、土砂情報が示す土砂の量が予め設定された基準値より多く、車両情報が土砂ホッパー33の下方に車両70があることを示す場合、ドアホッパー33aを開くように制御してもよい。これにより、土砂ホッパー33の積載状態と車両70の有無とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0163】
また、ステップS75において、制御部82は、ステップS72により算出した土砂情報とステップS73により算出した車両70の土砂の量を示す車両土砂情報とに基づいて、ドアホッパー33aの開閉を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、土砂情報が示す土砂の量が予め設定された基準値より多く、車両土砂情報が示す車両70に積載された土砂の量が予め設定された基準値より少ない場合、ドアホッパー33aを開くように制御してもよい。また、制御部82は、ステップS73により算出した車両土砂情報が区分けされた領域毎の土砂の量を示す情報である場合、領域毎の土砂の量が予め設定された基準値より少ない場合、領域に対応するドアホッパー33aの区画を開くように制御してもよい。これにより、土砂ホッパー33の積載状態と車両70の積載状態とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0164】
また、ステップS75において、制御部82は、ステップS72により算出した土砂情報とステップS74により算出した障害物情報とに基づいて、ドアホッパー33aの開閉を制御してもよい。かかる場合、制御部82は、土砂情報が示す土砂の量が予め設定された基準値より多く、障害物情報が土砂ホッパー33の下方の領域に障害物が無いことを示す場合、ドアホッパー33aを開くように制御してもよい。これにより、土砂ホッパー33の積載状態と障害物の状況とに応じて、自動的且つ適切に土砂を排土することが可能となる。
【0165】
上述した各ステップを行うことにより、土砂ホッパー33から土砂を排出する動作が終了する。これにより、自動的にかつ安全に土砂ホッパー33から土砂を排出することが可能となる。
【0166】
次に、電源用リール400が、電源ケーブル402の長さを制御する動作について説明する。まず、張力計401は、電源ケーブル402に係る張力を示す張力情報を検出する。張力情報は、電源ケーブル402に係る張力を示す情報である。張力計401は、検出した張力情報を取得部80に送信する。取得部80は、取得した張力情報を制御部82に出力する。
【0167】
次に、制御部82は、取得部80から出力された張力情報に基づいて、電源用リール400を制御する。かかる場合、制御部82は、張力情報が予め設定された基準値より大きい張力を示す場合、電源ケーブル402の長さを長くするように電源用リール400を制御する。かかる場合、制御部82は、張力情報が示す張力が予め設定された基準値より小さくなるまで電源ケーブル402の長さを長くするように電源用リール400を制御する。また、制御部82は、張力情報が予め設定された基準値より小さい張力を示す場合、電源ケーブル402の長さを短くするように電源用リール400を制御してもよい。これにより、必要以上に長くなり、垂れた電源ケーブル402が作業者や吊り荷と接触することがなくなるため、安全性がさらに向上する。これにより、電線に係る張力に応じて適切に電源用リール400を制御することが可能となる。
【0168】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1 ケーソン
2 作業室
3 送気路
4 走行レール
5 クローラークレーン
6 土砂ホッパー自動制御システム
11 土砂自動積込装置
12 遠隔操作装置
13 地上遠隔操作室
21 マンシャフト
22 マンロック
23 マテリアルシャフト
24 マテリアルロック
25 螺旋階段
26 上ドア
27 下ドア
31 アースバケット
32 キャリア装置
33 土砂ホッパー
34 小型記録媒体
35 荷重計
36 チェーン
37 アンカー
38 ワイヤ
39 リール
41 送気管
42 空気圧縮機
43 空気清浄装置
44 送気圧力調整装置
45 自動減圧装置
51 非常用空気圧縮機
53 ホスピタルロック
60 スケータ部
61 ガーター
62 横行ワイヤ
64 横行ウィンチ
65 第1スケータ
66 第2スケータ
67 第3スケータ
70 車両
71 車両バケット
80 取得部
81 算出部
82 制御部
83 提示部
90 第1センサ
91 第2センサ
92 第3センサ
93 地上センサ
94 作業室センサ
95 マテリアルセンサ
96 フックセンサ
97 ホッパセンサ
98 車両センサ
99 障害センサ
100 ケーソンショベル
110 走行体
111 走行フレーム
113 走行ローラ
121 旋回フレーム
130 ブーム
131 基端ブーム
132 先端ブーム
133 伸縮シリンダ
134 起伏シリンダ
150 バケットアタッチメント
151 ベース部材
152 バケット
153 バケットシリンダ
165 コントロールユニット
165a メインコントローラ
165b 走行体用コントローラ
165c ブーム・バケット用コントローラ
201 走行体位置センサ
202 旋回角度センサ
203 ブーム起伏角度センサ
204 ブーム伸長量センサ
205 バケット揺動角度センサ
206 外界センサ
211 走行体位置測定部
212 バケット位置測定部
213 地盤形状測定部
220 基準円筒
221 一般化円筒
230 推定直線
231 マッチング形状
240 ワイヤ固定装置
241 スライドレール
242 スライドバー
321 先端部
322 反転フック
323 くの字部
324 嵌合部
400 電源用リール
401 張力計
402 電源ケーブル
【要約】
【課題】土砂ホッパーに積載された土砂の量を自動的に算出することが可能な土砂ホッパー
算出システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】土砂ホッパー
算出システムは、ニューマチックケーソンにおいて、アースバケットにより作業室から地上へと排土された土砂を積載する土砂ホッパーの積載状態を示す土砂情報を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された土砂情報に基づいて、前記土砂ホッパーに設けられたドアホッパーの開閉を制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【選択図】
図4