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  • 特許-プレキャスト梁接合構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】プレキャスト梁接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20230905BHJP
   E04B 1/21 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
E04B1/58 506A
E04B1/21 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019236405
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105274
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】油川 健樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 伸一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 進
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-35213(JP,A)
【文献】特開2014-109173(JP,A)
【文献】特開平5-222763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00-1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャスト大梁と、
前記プレキャスト大梁の側面から突出するとともに、該プレキャスト大梁の材軸方向に間隔を空けて配置される一対の受け部と、
梁端部が前記一対の受け部の間に配置されるプレキャスト小梁と、
前記プレキャスト小梁の前記梁端部から両側へ突出し、前記一対の受け部上に載置される一対の突出部と、
を備えるプレキャスト梁接合構造。
【請求項2】
前記一対の受け部は、前記プレキャスト大梁の前記側面の下部に設けられ、
前記一対の突出部は、前記プレキャスト小梁の前記梁端部の上部に設けられる、
請求項1に記載のプレキャスト梁接合構造。
【請求項3】
前記プレキャスト大梁の前記側面から突出するとともに、前記一対の突出部の外側に配置される一対の拘束部を備える、
請求項1又は請求項2に記載のプレキャスト梁接合構造。
【請求項4】
前記プレキャスト小梁の前記梁端部の下面と前記プレキャスト大梁の下面とは、面一とされる、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のプレキャスト梁接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャスト梁接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プレキャストコンクリート(以下、「プレキャスト」という)大梁と、プレキャスト小梁とのプレキャスト梁接合構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1,2に開示された技術では、プレキャスト大梁の側面の下端側から突出する受け部によって、プレキャスト小梁の梁端部が支持される。そのため、プレキャスト小梁を支持する支保工等を省略することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平3-257234号公報
【文献】特開平1-304235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に開示された技術では、プレキャスト大梁の受け部によって、プレキャスト小梁の端部の下面が支持される。そのため、プレキャスト大梁の受け部によって、プレキャスト小梁の端部の梁成が制限されてしまう。
【0006】
本発明は、上記の事実を考慮し、プレキャスト大梁に接合されるプレキャスト小梁の端部の梁成の制限をなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のプレキャスト梁接合構造は、プレキャスト大梁と、前記プレキャスト大梁の側面から突出するとともに、該プレキャスト大梁の材軸方向に間隔を空けて配置される一対の受け部と、梁端部が前記一対の受け部の間に配置されるプレキャスト小梁と、前記プレキャスト小梁の前記梁端部から両側へ突出し、前記一対の受け部上に載置される一対の突出部と、を備える。
【0008】
請求項1に係るプレキャスト梁接合構造によれば、プレキャスト大梁の側面から一対の受け部が突出される。一対の受け部は、プレキャスト大梁の材軸方向に間隔を空けて配置される。この一対の受け部の間には、プレキャスト小梁の梁端部が配置される。
【0009】
ここで、プレキャスト小梁の梁端部からは、一対の突出部が突出される。一対の突出部は、プレキャスト小梁の梁端部から両側へ突出し、一対の受け部上に載置される。これにより、プレキャスト小梁の梁端部が、一対の突出部及び一対の受け部を介して、プレキャスト大梁に支持される。したがって、プレキャスト小梁の施工時に、当該プレキャスト小梁を支持する支保工等を省略することができる。
【0010】
また、プレキャスト小梁の梁端部は、プレキャスト大梁の一対の受け部の間に配置される。これにより、本発明では、一対の受け部によってプレキャスト小梁の梁端部の下面を支持する場合と比較して、プレキャスト小梁の梁端部の梁成の制限をなくすことができる。
【0011】
請求項2に記載のプレキャスト梁接合構造は、請求項1に記載のプレキャスト梁接合構造において、前記一対の受け部は、前記プレキャスト大梁の前記側面の下部に設けられ、前記一対の突出部は、前記プレキャスト小梁の前記梁端部の上部に設けられる。
【0012】
請求項2に係るプレキャスト梁接合構造によれば、一対の受け部は、プレキャスト大梁の側面の下部に設けられる。一方、一対の突出部は、プレキャスト小梁の梁端部の上部に設けられる。これらの一対の受け部及び一対の突出部を組み合わせることにより、プレキャスト大梁の梁成内において、プレキャスト小梁の梁成を効率的に高くすることができる。
【0013】
請求項3に記載のプレキャスト梁接合構造は、請求項1又は請求項2に記載のプレキャスト梁接合構造において、前記プレキャスト大梁の前記側面から突出するとともに、前記一対の突出部の外側に配置される一対の拘束部を備える。
【0014】
請求項3に係るプレキャスト梁接合構造によれば、プレキャスト大梁の側面からは、一対の拘束部が突出される。一対の拘束部は、プレキャスト小梁の一対の突出部の外側に配置される。つまり、一対の拘束部の間に、一対の突出部が配置される。この一対の拘束部によって、プレキャスト小梁の梁端部の幅方向(プレキャスト大梁の材軸方向)の移動が拘束される。したがって、プレキャスト大梁とプレキャスト小梁との接合強度が高められる。
【0015】
請求項4に記載のプレキャスト梁接合構造は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のプレキャスト梁接合構造において、前記プレキャスト小梁の前記梁端部の下面と前記プレキャスト大梁の下面とは、面一とされる。
【0016】
請求項4に係るプレキャスト梁接合構造によれば、プレキャスト小梁の梁端部の下面とプレキャスト大梁の下面とは、面一とされる。これにより、プレキャスト大梁の梁成内において、プレキャスト小梁の梁成をさらに効率的に高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係るプレキャスト梁接合構造によれば、プレキャスト大梁に接合されるプレキャスト小梁の端部の梁成の制限をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係るプレキャスト梁接合構造が適用されたプレキャスト大梁及びプレキャスト小梁を示す斜視図である。
図2図1に示されるプレキャスト大梁及びプレキャスト小梁を示す分解斜視図である。
図3図1の3-3線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、一実施形態について説明する。
【0020】
図1には、本実施形態に係るプレキャスト梁接合構造10が適用されたプレキャストコンクリート大梁(以下、「プレキャスト大梁」という)20と、プレキャストコンクリート小梁(以下、「プレキャスト小梁」という)30とが示されている。プレキャスト大梁20及びプレキャスト小梁30は、交差するように配置されている。
【0021】
(プレキャスト大梁)
プレキャスト大梁20は、図示しない一対の柱に架設されている。このプレキャスト大梁20は、工場等において、ハーフプレキャストコンクリートによって形成されている。また、プレキャスト大梁20の上面20U上には、トップコンクリート28(図3参照)が設けられる。このトップコンクリート28及びプレキャスト大梁20によって、コンクリート大梁が形成される。
【0022】
プレキャスト大梁20は、断面矩形状に形成されている。また、プレキャスト大梁20は、鉄筋コンクリート造とされている。このプレキャスト大梁20には、複数の下端梁主筋22及びせん断補強筋24が埋設されている。
【0023】
下端梁主筋22は、プレキャスト大梁20の下端側に、プレキャスト大梁20の材軸方向(矢印X方向)に沿って配筋されている。複数のせん断補強筋24は、プレキャスト大梁20の材軸方向に間隔を空けて配筋されている。これらのせん断補強筋24の上部は、プレキャスト大梁20の上面20Uから上方へそれぞれ突出されている。
【0024】
また、プレキャスト大梁20の上面20U上には、複数の上端梁主筋26が配筋されている。複数の上端梁主筋26は、プレキャスト大梁20の材軸方向に沿って配筋されている。これらの上端梁主筋26、及びせん断補強筋24の上部は、前述したトップコンクリート28(図3参照)に埋設される。
【0025】
(プレキャスト小梁)
プレキャスト小梁30は、工場等において、ハーフプレキャストコンクリートによって形成されている。また、プレキャスト小梁30の上面30U上には、図示しないトップコンクリートが設けられる。このトップコンクリート及びプレキャスト小梁30によって、コンクリート小梁が形成される。
【0026】
プレキャスト小梁30は、断面矩形状に形成されている。また、プレキャスト小梁30は、鉄筋コンクリート造とされている。このプレキャスト小梁30には、複数の下端梁主筋32及びせん断補強筋34が埋設されている。
【0027】
下端梁主筋32は、プレキャスト小梁30の下端側に、プレキャスト小梁30の材軸方向に沿って配筋されている。複数のせん断補強筋34は、プレキャスト小梁30の材軸方向に間隔を空けて配筋されている。これらのせん断補強筋34の上部は、プレキャスト小梁30の上面30Uから上方へそれぞれ突出されている。
【0028】
また、プレキャスト小梁30の上面30U上には、複数の上端梁主筋36が配筋されている。複数の上端梁主筋36は、プレキャスト小梁30の材軸方向に沿って配筋されている。これらの上端梁主筋36、及び前述したせん断補強筋34の上部は、前述したトップコンクリート(図示省略)に埋設される。
【0029】
(プレキャスト梁接合構造)
次に、プレキャスト小梁30とプレキャスト大梁20とのプレキャスト梁接合構造10について説明する。プレキャスト小梁30は、例えば、プレキャスト大梁20と、図示しない他のプレキャスト大梁に架設されており、その梁端部30Eがプレキャスト大梁20に接合されている。
【0030】
図1及び図2に示されるように、プレキャスト小梁30は、梁端部30Eの端面を、プレキャスト大梁20の一方の側面20Sに対向させた状態で配置されている。このプレキャスト小梁30の梁端部30Eは、プレキャスト大梁20の側面20Sに設けられた一対の受け部材40に支持されている。
【0031】
(受け部材)
一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20と一体に形成されている。また、一対の受け部材40は、鉄筋コンクリート造とされており、その内部に補強筋42(図3参照)が適宜埋設されている。この一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20の側面20Sから突出するとともに、プレキャスト大梁20の材軸方向(矢印X方向)に間隔を空けて配置されている。
【0032】
一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20の下面20Lから上面20Uに亘って設けられている。この受け部材40の下面40Lは、プレキャスト大梁20の下面20Lと面一とされている。また、受け部材40の上面40Uは、プレキャスト大梁20の上面20Uと面一とされている。
【0033】
なお、一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20の上面20Uから上方へ突出させても良いし、プレキャスト大梁20の下面20Lから下方へ突出させても良い。また、一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20の高さ方向の中間部にのみ設けても良い。
【0034】
図2及び図3に示されるように、一対の受け部材40は、プレキャスト大梁20を側面20S側から見て、L字形状に形成されるとともに、互いに反対向きに配置されている。この一対の受け部材40の下部には、互いに相手側へ向けて突出する一対の受け部44が設けられている。
【0035】
一対の受け部44は、プレキャスト大梁20の材軸方向に互いに対向する一対の対向面44Tを有している。この一対の受け部44の対向面44Tの間には、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの下部が配置されている。また、受け部44の上面44Uは、略水平な平坦面とされている。この受け部44の上面44Uには、後述するプレキャスト小梁30の突出部50が載置されている。
【0036】
一対の受け部材40の上部は、プレキャスト大梁20の材軸方向に対向する一対の拘束部46とされている。一対の拘束部46は、一対の受け部44よりも外側に配置されている。換言すると、一対の受け部44は、一対の拘束部46よりも内側に配置されている。これにより、一対の拘束部46と一対の受け部44との間に段部が形成されている。
【0037】
一対の拘束部46は、プレキャスト大梁20の材軸方向に対向する一対の対向面46Tを有している。この一対の対向面46Tの間には、プレキャスト小梁30に設けられた一対の突出部50が配置されている。なお、一対の拘束部46は、受け部材40の下部を介して受け部44と接続されている。
【0038】
(突出部)
図2に示されるように、一対の突出部50は、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの上部に設けられている。この一対の突出部50は、プレキャスト小梁30の梁端部30Eと一体に形成されている。また、一対の突出部50は、鉄筋コンクリート造とされており、その内部に補強筋54が適宜埋設されている。
【0039】
一対の突出部50は、梁端部30Eの上部から両側へ突出している。より具体的には、一対の突出部50は、梁端部30Eの両側の側面30Sにおける上部から外側へ突出している。また、一対の突出部50の上面50Uは、プレキャスト小梁30の上面30Uと面一とされている。
【0040】
図3に示されるように、一対の突出部50は、一対の拘束部46の間に配置(挿入)されるとともに、梁端部30Eの下部は、一対の受け部44の間に配置(挿入)されている。この状態で、一対の突出部50の下面50Lが、一対の受け部44の上面44Uにそれぞれ載置されている。これにより、梁端部30Eが、一対の受け部44に支持されている。
【0041】
ここで、一対の突出部50の下面50Lが、一対の受け部44の上面44Uに載置された状態では、プレキャスト小梁30の下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとが面一となる。
【0042】
なお、ここでいう「面一」とは、プレキャスト小梁30の下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとが厳密に同一平面内に配置される場合に限らず、プレキャスト小梁30及びプレキャスト大梁20の製作誤差や施工誤差によって、プレキャスト小梁30の下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとの間に僅かな段差等が形成される場合を含む概念である。
【0043】
また、一対の突出部50の側面(突出方向の端面)50Sと、一対の拘束部46の対向面46Tとの隙間には、モルタルやグラウト等の充填材52が充填されている。また、梁端部30Eの下部の側面30Sと、一対の受け部44の対向面44Tとの隙間には、充填材52が充填されている。これにより、梁端部30Eが、一対の受け部材40に接合されている。さらに、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの端面と、一対の受け部材40の間にあるプレキャスト大梁20の側面20Sとの隙間には、モルタルやグラウト等の図示しない充填材が充填されている。
【0044】
また、梁端部30Eと一対の受け部材40とを接合した状態で、プレキャスト小梁30及びプレキャスト大梁20の上に図示しないトップコンクリートを施工することにより、プレキャスト小梁30とプレキャスト大梁20とが一体化される。
【0045】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0046】
図2に示されるように、本実施形態に係るプレキャスト梁接合構造10によれば、プレキャスト大梁20の側面20Sから一対の受け部材40が突出されている。この一対の受け部材40は、一対の受け部44を有している。一対の受け部44は、プレキャスト大梁20の材軸方向(矢印X方向)に間隔を空けて配置されている。この一対の受け部44の間には、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの下部が配置される。
【0047】
ここで、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの上部には、一対の突出部50が設けられている。一対の突出部50は、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの側面30Sから両側へ突出し、一対の受け部44上に載置される。これにより、プレキャスト小梁30の梁端部30Eが、一対の受け部44を介してプレキャスト大梁20に支持される。したがって、プレキャスト小梁30の施工時に、当該プレキャスト小梁30を支持する支保工等を省略することができる。
【0048】
また、図3に示されるように、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの下部は、プレキャスト大梁20の一対の受け部44の間に配置される。これにより、本実施形態では、一対の受け部44によってプレキャスト小梁30の梁端部30Eの下面30Lを支持する場合と比較して、梁端部30Eの梁成の制限をなくすことができる。
【0049】
また、本実施形態では、例えば、梁端部30Eの梁成を高くすることができる。これにより、プレキャスト小梁30のたわみ量を低減することができる。また、プレキャスト小梁30のロングスパン化を図ることができる。
【0050】
また、一対の受け部44は、プレキャスト大梁20の側面20Sの下部に設けられている。一方、一対の突出部50は、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの上部に設けられている。これらの一対の受け部44と一対の突出部50とを上下方向に組み合わせることにより、プレキャスト大梁20の梁成内において、プレキャスト小梁30の梁成を効率的に高くすることができる。
【0051】
特に、本実施形態では、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとが面一とされており、梁端部30Eの梁成が、プレキャスト大梁20の梁成と同じとされている。これにより、プレキャスト大梁20の梁成内において、プレキャスト小梁30の梁成をさらに効率的に高くすることができる。
【0052】
また、一対の受け部材40は、一対の拘束部46を有している。一対の拘束部46は、プレキャスト大梁20の側面20Sから突出されており、一対の突出部50の外側に配置されている。つまり、一対の拘束部46の間に、一対の突出部50が配置されている。この一対の拘束部46によって、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの幅方向(プレキャスト大梁20の材軸方向)の移動が拘束される。したがって、プレキャスト大梁20とプレキャスト小梁30と接合強度が高められるため、耐震性能が向上する。
【0053】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0054】
上記実施形態では、プレキャスト小梁30の梁端部30Eの下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとが面一とされているが、梁端部30Eの下面30Lとプレキャスト大梁20の下面20Lとは面一でなくても良い。
【0055】
また、上記実施形態では、プレキャスト大梁20の梁成とプレキャスト小梁30の梁成とが同じとされているが、プレキャスト大梁の梁成とプレキャスト小梁の梁成とは、異なっていても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、プレキャスト大梁20の受け部44及び拘束部46が一体に形成されているが、受け部と拘束部とは別体に形成されても良い。また、拘束部46は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
【0057】
また、上記実施形態では、プレキャスト大梁20及びプレキャスト小梁30がハーフプレキャストコンクリートによって形成されているが、プレキャスト大梁及びプレキャスト小梁の少なくとも一方は、フルプレキャストコンクリートによって形成されても良い。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
10 プレキャスト梁接合構造
20 プレキャスト大梁
20L 下面(プレキャスト大梁の下面)
20S 側面(プレキャスト大梁の側面)
30 プレキャスト小梁
30E 梁端部(プレキャスト小梁の梁端部)
30L 下面(プレキャスト小梁の下面)
44 受け部
46 拘束部
50 突出部
X プレキャスト大梁の材軸方向
図1
図2
図3