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特許7342363アダプタ、更新通知方法及び空気調和システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】アダプタ、更新通知方法及び空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20230905BHJP
   F24F 11/49 20180101ALI20230905BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20230905BHJP
   F24F 11/59 20180101ALI20230905BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20230905BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20230905BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20230905BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/49
F24F11/58
F24F11/59
F24F11/64
F24F11/89
F24F11/50
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019005317
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2020112333
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜多見 隆一
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-133549(JP,A)
【文献】特開2010-066953(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020879(WO,A1)
【文献】特開2007-164603(JP,A)
【文献】特開2007-078221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0096126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置から空気調和システムの制御プログラムを受信すると共に、前記空気調和システムを制御するアダプタであって、
前記サーバ装置から前記制御プログラムの更新の通知を受信した場合に、当該制御プログラムが、当該制御プログラムの更新に伴って前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムであるか否かを判定する判定部と、
前記制御プログラムが、前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムである場合に、前記制御プログラムの更新の通知を、前記空気調和システムを利用する複数の利用者の内、前記空気調和システムに登録済みの利用者が携帯する端末装置に通知する通知部と
を有することを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
前記アダプタは、
前記端末装置から前記制御プログラムの更新の指示を前記制御プログラムの更新時刻と共に取得する取得部と、
前記端末装置からの前記指示により前記更新時刻に前記空気調和システムを停止させ、前記制御プログラムの更新を前記空気調和システムに実行させる更新部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記制御プログラムは、
前記空気調和システム内の空気調和機の室内機のファームウェア、前記アダプタのファームウェア、前記室内機を制御する制御部のファームウェア又は前記室内機を制御する学習モデルの内、少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
サーバ装置から空気調和システムの制御プログラムを受信すると共に、前記空気調和システムを制御するアダプタが実行する更新通知方法であって、
前記アダプタは、
前記サーバ装置から前記制御プログラムの更新の通知を受信した場合に、当該制御プログラムが、当該制御プログラムの更新に伴って前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムであるか否かを判定するステップと、
前記制御プログラムが、前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムである場合に、前記制御プログラムの更新の通知を、前記空気調和システムを利用する複数の利用者の内、前記空気調和システムに登録済みの利用者が携帯する端末装置に通知するステップと
を有することを特徴とする更新通知方法。
【請求項5】
空気調和機と、サーバ装置から空気調和システムの制御プログラムを受信すると共に、前記空気調和システムを制御するアダプタとを有する空気調和システムであって、
前記アダプタは、
前記サーバ装置から前記制御プログラムの更新の通知を受信した場合に、当該制御プログラムが、当該制御プログラムの更新に伴って前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムであるか否かを判定する判定部と、
前記制御プログラムが、前記空気調和システムを停止させる必要があるプログラムである場合に、前記制御プログラムの更新の通知を、前記空気調和システムを利用する複数の利用者の内、前記空気調和システムに登録済みの利用者が携帯する端末装置に通知する通知部と
を有することを特徴とする空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダプタ、更新通知方法及び空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、空気調和システムが、サーバ装置から空気調和システム内の制御プログラム更新の通知を受けた場合、サーバ装置から制御プログラムを受信し自動的に更新するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、外出先の携帯端末から空気調和機内の制御を行うことのできるシステムが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-190853号公報
【文献】特開2018-25377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、サーバ装置から制御プログラムを受信し、空気調和システムを制御するようなアダプタを備えたシステムでは、サーバ装置から空気調和システムの制御プログラム更新の通知を受けた場合、空気調和システムの制御プログラムを自動的に更新する。この場合、制御プログラムの更新中は制御プログラムに正常にアクセスできなくなるなどの理由で空気調和システムを停止させるのが一般的である。このため、制御プログラム更新中に利用者が不快となるおそれがあった。
【0006】
本発明ではこのような問題に鑑み、空調調和システムの停止を伴う制御プログラムの更新に伴う利用者の不快を軽減するアダプタ、更新通知方法及び空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様のアダプタは、サーバ装置から空気調和システムの制御プログラムを受信すると共に、前記空気調和システムを制御する。アダプタは、判定部と、通知部とを有する。判定部は、前記サーバ装置から前記制御プログラムの更新の通知を受信した場合に、当該制御プログラムの更新に伴って前記空気調和システムを停止させる必要があるか否かを判定する。通知部は、前記空気調和システムを停止させる必要がある場合に、前記制御プログラムの更新の通知を端末装置に通知する。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面として、空気調和システムの更新に起因する利用者が望まない空気調和システムの停止がなくなるため、利用者が不快となることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例の空気調和システムの一例を示す説明図である。
図2図2は、アダプタの構成の一例を示すブロック図はある。
図3図3は、サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、端末装置の表示部のプログラム更新に関わる通知画面の一例を示す説明図である。
図6図6は、更新通知処理に関わるアダプタ内のCPUの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、更新ダウンロード処理に関わるアダプタ内のCPUの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、更新時刻設定処理に関わるアダプタ内のCPUの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、更新処理に関わるアダプタ内のCPUの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本願の開示するアダプタ、更新通知方法及び空気調和システムの実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
【実施例
【0011】
図1は、本実施例の空気調和システム1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和システム1は、室内機2と、アダプタ3と、ルータ4と、サーバ装置5と、中継装置6と、端末装置7と、通信網8とを有する。
【0012】
室内機2は、例えば、室内に配置され、室内の空気を加熱又は冷却する空気調和機の一部である。尚、室内機2の利用者は、リモコン9の操作により室内機2を遠隔操作することが可能である。室内機2は、本体2Aと、当該本体2Aを制御する制御部2Bとを有する。本体2Aには、室内ファンや室内熱交換器が備えられ、室内熱交換器で冷媒と熱交換を行った室内空気が本体2Aから吹き出されることで、部屋の暖房、冷房、除湿等が行われる。また、図示しない室外機には、室外ファンや圧縮機等が備えられている。端末装置7は、利用者のスマートフォン等の通信端末である。
【0013】
アダプタ3は、室内機2とルータ4との間を無線通信で接続する通信機能と、室内機2をAI(Artificial Intelligence)制御する制御機能とを有する。アダプタ3は、室内機2毎に配置するものである。ルータ4は、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)等を使用してアダプタ3と通信網8とを無線通信で接続するアクセスポイントの装置である。通信網8は、例えば、インターネット等の通信網である。サーバ装置5は、室内機2を制御するAIの学習モデルを生成する機能や運転履歴データ等を記憶するデータベース等を有する。尚、サーバ装置5は、例えば、データセンタに配置されている。中継装置6は、通信網8と通信で接続すると共に、サーバ装置5と通信で接続する機能を有する。中継装置6は、通信網8経由で室内機2に適用される学習モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データ等をアダプタ3からサーバ装置5に送信する。また、中継装置6は、サーバ装置5で生成又は更新した学習モデルを通信網8経由でアダプタ3に送信する。尚、中継装置6は、例えば、データセンタ等に配置されている。
【0014】
中継装置6は、第1の中継部6Aと、第2の中継部6Bと、第3の中継部6Cとを有する。第1の中継部6Aは、アダプタ3とサーバ装置5との間でAI制御に関わる各種データを送信する。第1の中継部6Aは、アダプタ3から受信した学習モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データ等を通信網8経由でサーバ装置5に送信すると共に、サーバ装置5が生成又は更新した学習モデルを通信網8経由でアダプタ3に送信する。第2の中継部6Bは、利用者が外出先から端末装置7を使用して設定した室内機2の運転条件(冷房/暖房といった運転モードや設定温度など)を取得し、これを室内機2に送信する。第3の中継部6Cは、例えば、インターネット等の通信網8から天気予報等の外部データを取得し、取得した外部データをサーバ装置5に送信する。また、第3の中継部6Cは、外部データを通信網8経由でアダプタ3に送信する。
【0015】
図2は、アダプタ3の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すアダプタ3は、第1の通信部11と、第2の通信部12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)14とを有する。第1の通信部11は、室内機2内の制御部2Bと通信接続する、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の通信IF(Interface)である。第2の通信部12は、ルータ4と通信接続する、例えば、WLAN等の通信IF等の通信部である。記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する。CPU14は、アダプタ3全体を制御する。
【0016】
図2に示すアダプタ3内の記憶部13は、室内機2から取得した、運転履歴データを一時記憶する運転履歴メモリ13Aと、サーバ装置5から取得した、学習モデルを記憶するモデルメモリ13Bと、外部データを記憶する外部メモリ13Cと、更新プログラム(ファームウェア等)を記憶するプログラムメモリ13Dとを有する。尚、更新プログラムは、サーバ装置5から空気調和システム1の制御プログラム、例えば、室内機2を制御するファームウェア等である。
【0017】
CPU14は、第1の取得部21と、送信部22と、受信部23と、設定部24と、予測制御部25と、第2の取得部26と、判定部27と、通知部28と、更新部29とを有する。
【0018】
第1の取得部21は、室内機2から所定周期、例えば5分毎の取得タイミングに運転履歴データを取得する。第1の取得部21は、5分周期に取得した運転履歴データを運転履歴メモリ13Aに記憶する。
【0019】
送信部22は、運転履歴メモリ13Aに記憶中の運転履歴データを通信網8経由でサーバ装置5に送信する。受信部23は、通信網8経由でサーバ装置5から学習モデルを受信し、受信した学習モデルをモデルメモリ13Bに記憶する。設定部24は、記憶中の学習モデルを予測制御部25に適用する。予測制御部25は、設定部24にて適用された学習モデルに基づき、室内機2内の制御部2Bを制御する。尚、説明の便宜上、予測制御部25は、学習モデルに基づき、室内機2内の制御部2Bを制御する場合を例示したが、予測制御部25は、学習モデルに基づき、室内機2の本体2Aを直接的に制御しても良い。また、予測制御部25は、学習モデルに基づく制御態様を制御部2Bに送信する。つまり、予測制御部25が、制御部2Bを介して本体2Aを間接的に制御するようにしても良く、適宜変更可能である。
【0020】
受信部23は、通信網8経由でサーバ装置5から更新プログラムを受信し、受信した更新プログラムをプログラムメモリ13Dに記憶する。第2の取得部26は、室内機2から現状のプログラムのバージョン情報を取得すると共に、サーバ装置5から更新プログラムのバージョン情報を数値として取得する。第2の取得部26は、現状プログラムのバージョン情報と更新プログラムのバージョン情報とを比較し、バージョン情報の番号の数値が大きい方を新しいバージョン情報のプログラム、すなわち更新プログラムありと判断する。判定部27は、サーバ装置5からプログラムの更新の通知を受信した場合に、当該プログラムの更新に伴って室内機2を停止させる必要があるか否かを判定する。通知部28は、室内機2を停止させる必要がある場合に、通信網8経由でプログラムの更新の通知を利用者の端末装置7に通知する。尚、利用者の端末装置7は、空気調和システム1を使用する複数の利用者の内、例えば、管理者となる利用者の端末装置7である。管理者は、更新確認や更新実行の権限を有し、空気調和システム1に登録済みの利用者である。
【0021】
第2の取得部26は、端末装置7からプログラムの更新の指示を、後述するプログラムの更新開始時刻と共に取得する。更新部29は、端末装置7からの指示により更新時刻に室内機2を停止させ、プログラムの更新を室内機2に実行させる。
【0022】
図3は、サーバ装置5の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すサーバ装置5は、通信部31と、記憶部32と、CPU33とを有する。通信部31は、中継装置6と通信接続する通信IFである。記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、ROMやRAM等を有し、データやプログラム等の各種情報を記憶する。CPU33は、サーバ装置5全体を制御する。
【0023】
図3に示すサーバ装置5内の記憶部32は、データメモリ32Aと、モデル記憶部32Bと、プログラム記憶部32Cとを有する。データメモリ32Aは、各アダプタ3から受信した運転履歴データ等を記憶する。モデルメモリ32Bは、サーバ装置5で生成又は更新した学習モデルを記憶する。プログラム記憶部32Cは、空気調和システム1の制御プログラム、例えば、室内機2のプログラムを記憶する。
【0024】
サーバ装置5内のCPU33は、モデル学習部33Aと、受信部33Bと、送信部33Cとを有する。
【0025】
モデル学習部33Aは、複数の室内機2の各アダプタ3と接続してルータ4、通信網8及び中継装置6を経由して、各アダプタ3から48時間分の運転履歴データを受信する。そして、モデル学習部33Aは、各アダプタ3からのデータメモリ32Aに記憶中の48時間分の運転履歴データを使用して学習し、学習結果に基づき、各室内機2の学習モデルを生成又は更新する。学習モデルには、例えば、各家庭の空気調和機の運転状況に応じて室内の利用者に対する5分後の体感温度を予測し、予測する体感温度に応じて空気調和機を制御する体感温度設定予測モデルがある。
【0026】
モデル学習部33Aは、データメモリ32Aに記憶中のアダプタ3毎の48時間分の運転履歴データに基づき、当該アダプタ3対応の学習モデルを生成又は更新し、生成又は更新した学習モデルをモデル記憶部32Bに記憶する。送信部33Cは、中継装置6、通信網8及びルータ4経由でモデル学習部33Aにて生成又は更新された学習モデルをアダプタ3に送信する。
【0027】
例えば、体感温度設定予測モデル等では、アダプタ3内の取得部14Aは、室内機2から設定温度、室内温度、室内湿度や室外温度等の運転履歴データを5分周期で取得し、取得した運転履歴データを運転履歴メモリ13Aに記憶する。
【0028】
サーバ装置5内のモデル学習部33Aは、データメモリ32Aに記憶中の運転履歴データに基づき、体感温度設定予測モデル等の学習モデルを生成又は更新する。そして、サーバ装置5内の送信部33Cは、モデル学習部33Aで生成又は更新した体感温度設定予測モデル等の学習モデルを中継装置6、通信網8及びルータ4経由でアダプタ3に送信する。
【0029】
図4は、端末装置7の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す端末装置7は、通信部41と、操作部42と、表示部43と、記憶部44と、CPU45とを有する。通信部41は、通信網8及びルータ4経由でアダプタ3と通信する。操作部42は、各種コマンドを入力する入力インタフェースである。表示部43は、各種情報を表示する出力インタフェースである。記憶部44は、各種情報を記憶する。CPU45は、端末装置7全体を制御する。
【0030】
図5は、端末装置7の表示部43のプログラム更新に関わる通知画面の一例を示す説明図である。図5に示す端末装置7の表示部43は、アダプタ3から空気調和システム1の停止を伴う更新プログラムありと判断されると、プログラム更新確認中画面43Aから更新時刻OFF画面43Bに切替える。表示部43は、更新時刻指定のON操作を検出した場合、更新時刻OFF画面43Bから更新時刻ON画面43Cに切替える。プログラム更新確認中画面43Aは、新たなバージョンのプログラム更新の確認中を端末装置7の利用者に報知する画面である。更新時刻OFF画面43Bは、自動更新がOFF状態でプログラム更新の案内情報431を端末装置7の利用者に報知する画面である。案内情報431には、「更新中はエアコンを使用できません。開始時刻はエアコンを使用しない時間を指定してください。」が含まれている。更新時刻OFF画面43Bには、更新時刻指定の更新時刻ON画面43C又は更新時刻OFF画面43Bを切替える更新時刻切替ボタン432と、プログラム更新を指示する更新ボタン433とを含む。端末装置7の利用者は、更新ボタン433のボタン操作でプログラム更新を通信網8を経由してアダプタ3に指示できる。
【0031】
更新時刻ON画面43Cは、自動更新がON状態で自動更新時刻及びプログラム更新の案内情報を端末装置7の利用者に報知する画面である。更新時刻ON画面43Cには、更新時刻切替ボタン432と、更新ボタン433と、更新時刻を指定する指定ボタン434とを含む。端末装置7の利用者は、指定ボタン434のボタン操作でプログラムの更新開始時刻を自由に設定できる。これにより、プログラムの更新に伴う空気調和システム1の停止を、例えば利用者が不在の間に開始させることにより、利用者が不快にならないようにすることができる。設定されたプログラムの更新開始時刻は更新ボタン434をタッチすることでアダプタ3へ送信される。
【0032】
次に本実施例の空気調和システム1の動作について説明する。図6は、更新通知処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。図6においてアダプタ3内のCPU14内の第2の取得部26は、後述する図7に示す更新ダウンロード処理を実行する(ステップS11)。CPU14内の判定部27は、更新ダウンロード処理を実行した後、複数種のプログラム更新の内、プログラム更新が空気調和システム1の停止を伴う必要があるか否かを判定する(ステップS12)。尚、プログラム更新には、空気調和システム1の停止を伴う必要があるプログラムと、空気調和システム1の停止を伴う必要がないプログラムとがある。空気調和システム1の停止を伴う必要がないプログラムとは、例えば、学習モデル、アダプタ3のファームウェア、エッジのファームウェア等の更新プログラムである。空気調和システム1の停止を伴う必要がないプログラムでは、例えば、利用者から感じ取れるファンや風向板の動きを止めざる得ないため、学習モデル、アダプタ3のファームウェア、エッジのファームウェア等の更新中に最適な制御ができなくなるが、冷暖房の更新前の状態で、そのまま継続できるため、空気調和システム1自体の停止はさせないプログラムである。
【0033】
CPU14内の通知部28は、プログラム更新が空気調和システム1の停止を伴う必要がある場合(ステップS12、Yes)、更新時刻指定のプログラム更新可能を利用者の端末装置7に通知し(ステップS13)、図6に示す処理動作を終了する。その結果、端末装置7は、更新時刻指定のプログラム更新可能の通知に基づき、図5に示す更新時刻ON画面43C又は更新時刻OFF画面43Bを表示する。そして、利用者は、その表示画面を見てプログラム更新有無を認識し、指定ボタン434のボタン操作で希望の更新時刻を指定できる。
【0034】
判定部27は、プログラム更新が空気調和システム1の停止を伴う必要がない場合(ステップS12、No)、利用者に通知することなく、図6に示す処理動作を終了する。その結果、利用者は、プログラム更新操作を行うことなく、自動的にプログラムを更新できる。
【0035】
以上説明したように、アダプタ3は、プログラム更新が空気調和システム1の停止を伴う必要があるか否かを判定する。アダプタ3は、プログラム更新が空気調和システム1の停止を伴う必要がある場合、更新時刻指定のプログラム更新可能を利用者の端末装置7に通知する。端末装置7は、更新時刻指定のプログラム更新可能の通知に基づき、更新時刻ON画面43C又は更新時刻OFF画面43Bを表示する。その結果、利用者は、表示画面を見て更新時刻指定のプログラム更新の有無を認識できると共に、指定ボタン434のボタン操作で更新時刻を自由に指定できる。例えば、利用者が不在の時間帯を更新時刻として指定した場合、空調調和システム1の停止を伴う制御プログラムの更新によって利用者に不快感を与えるような事態を回避できる。
【0036】
図7は、更新ダウンロード処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。図7においてアダプタ3内のCPU14内の第2の取得部26は、室内機2から現状プログラムのバージョン情報を取得したか否かを判定する(ステップS21)。
【0037】
第2の取得部26は、室内機2から現状プログラムのバージョン情報を取得した場合(ステップS21、Yes)、サーバ装置5から更新プログラムのバージョン情報を取得したか否かを判定する(ステップS22)。第2の取得部26は、サーバ装置5から更新プログラムのバージョン情報を取得した場合(ステップS22、Yes)、更新プログラムのバージョン情報の方が新しいか否かを判定する(ステップS23)。
【0038】
受信部23は、更新プログラムのバージョン情報の方が新しい場合(ステップS23、Yes)、更新プログラムありと判断し、サーバ装置5から更新プログラムのダウンロードを開始し(ステップS24)、図7に示す処理動作を終了する。
【0039】
第2の取得部26は、室内機2から現状プログラムのバージョン情報を取得しなかった場合(ステップS21、No)、サーバ装置5から更新プログラムのバージョン情報を取得しなかった場合(ステップS22、No)、図7に示す処理動作を終了する。
【0040】
第2の取得部26は、更新プログラムのバージョン情報の方が新しくない場合(ステップS23、No)、現状プログラムのバージョン情報が新しい若しくは同じバージョン情報と判断し、図7に示す処理動作を終了する。
【0041】
以上説明したように、アダプタ3は、室内機2からの現状プログラムのバージョン情報と、サーバ装置5からの更新プログラムのバージョン情報とを比較し、更新プログラムのバージョン情報の方が新しい場合、更新プログラムのダウンロードを開始する。その結果、アダプタ3は、ダウンロード可能な更新プログラムの有無を認識できる。
【0042】
図8は、更新時刻設定処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。図8においてアダプタ3内のCPU14内の第2の取得部26は、利用者の端末装置7からプログラムの更新時刻を検出したか否かを判定する(ステップS31)。尚、端末装置7は、図5に示す更新時刻ON画面43C又は更新時刻OFF画面43B上の指定ボタン434のボタン操作で指定された更新時刻をアダプタ3に通知する。第2の取得部26は、利用者の端末装置7からプログラムの更新時刻を検出した場合(ステップS31、Yes)、プログラムの更新時刻を設定し(ステップS32)、図8に示す処理動作を終了する。その結果、CPU14内の更新部29は、現在時刻が設定したプログラムの更新時刻であるか否かを判定し、現在時刻が設定したプログラムの更新時刻の場合、プログラムの更新動作を開始させることになる。更新部29は、利用者の端末装置7からプログラムの更新時刻を検出しなかった場合(ステップS31、No)、現在時刻を更新時刻に設定し(ステップS33)、図8に示す処理動作を終了する。その結果、更新部29は、利用者に確認することなく、直ちにプログラムの更新動作を開始することになる。
【0043】
以上説明したように、アダプタ3は、端末装置7からのプログラムの更新時刻を検出した場合、プログラムの更新時刻を設定する。アダプタ3は、現在時刻がプログラムの更新時刻の場合、プログラムの更新動作を開始させる。その結果、端末装置7の利用者は、プログラムの更新時刻を自由に設定できる。例えば、利用者が不在の時間帯を更新時刻として指定した場合、空調調和システム1の停止を伴う制御プログラムの更新によって利用者に不快感を与えるような事態を回避できる。
【0044】
図9は、更新処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。CPU14内の更新部29は、アダプタ3内のCPU14内の第2の取得部26にプログラム更新時刻が設定されているか否かを判定する(ステップS41)。更新部29は、プログラム更新時刻が設定されている場合(ステップS41、Yes)、現在時刻がプログラム更新時刻であるか否かを判定する(ステップS42)。
【0045】
更新部29は、現在時刻がプログラム更新時刻の場合(ステップS42、Yes)、空気調和システム1を停止し(ステップS43)、空気調和システム1の制御プログラムを更新させ(ステップS44)、図9に示す処理動作を終了する。
【0046】
更新部29は、プログラム更新時刻が設定されていない場合(ステップS41、No)、図9に示す処理動作を終了する。更新部29は、現在時刻がプログラム更新時刻でない場合(ステップS42、No)、現在時刻がプログラム更新時刻であるか否かを判定すべく、ステップS42の処理に戻る。
【0047】
以上説明したように、アダプタ3は、現在時刻がプログラム更新時刻の場合、空気調和システム1を停止し、空気調和システム1の制御プログラムを更新させることができる。その結果、例えば、利用者が不在の時間帯を更新時刻として指定した場合、空調調和システム1の停止を伴う制御プログラムの更新によって利用者に不快感を与えるような事態を回避できる。
【0048】
本実施例のアダプタ3は、サーバ装置5からプログラムの更新の通知を受信した場合に、当該プログラムの更新に伴って室内機2を停止させる必要があるかを判定する。アダプタ3は、室内機2を停止させる必要がある場合に、プログラムの更新の通知を利用者の端末装置7に通知する。その結果、端末装置7の利用者は、室内機2を停止させる必要があるプログラムの更新を認識できる。
【0049】
アダプタ3は、端末装置7からプログラムの更新の指示をプログラムの更新時刻と共に取得し、端末装置7からの指示により更新時刻に室内機2を停止させ、プログラムの更新を室内機2に実行させる。その結果、端末装置7の利用者は、希望の更新時刻にプログラムの更新を実行させるため、プログラム更新に伴う意図せぬ室内機2の停止による不快感を防止できる。つまり、利用者は自身の好みの時刻、例えば自身が不在の時刻にプログラムを更新させる(空気調和システム1を停止させる)ことができるようになるため、不快となることがない。また、空調システムを停止させずに更新を行えるときは、利用者には何も聞かず更新を行い、利用者は常に最適な制御により快適さを得ることができる。
【0050】
尚、本実施例では、空気調和システム1の制御プログラムとして、例えば、室内機2のプログラムを例示したが、アダプタ3のプログラム、室内機2を制御する制御部2Bのプログラム、室内機2を制御する学習モデル等でも良く、適宜変更可能である。
【0051】
例えば、室内機2の制御部2Bのプログラムを更新する際、学習する内容を変更しても良く、この場合、室内機2が対応できる学習のみを行い学習モデルの容量を抑えることができる。
【0052】
また、端末装置7の利用者は、更新時刻ON画面又は更新時刻OFF画面上の指定ボタン434で更新時刻を指定した場合、指定した更新時刻をアダプタ3に設定する場合を例示した。しかしながら、指定ボタン434の前回の指定操作で更新時刻が指定された場合、指定ボタン434の指定操作がなくても、前回の指定操作で指定された更新時刻をアダプタ3に設定しても良く、適宜変更可能である。
【0053】
本実施例では、室内機2のプログラム更新中は室内機2自体を停止させなくてはならず、利用者に対して調和空気を届けられなくなるため、更新時刻を利用者に指定させる場合を例示した。しかしながら、室内機2のプログラムに限定されるものではなく、例えば、他のプログラムでも室内機2を停止させなければいけない場合は、利用者に問い合わせる。例えば、学習モデルを格納するメモリエリアが1つしかなく、更新中は学習モデルを参照できない場合も、更新時刻を利用者に指定させても良く、適宜変更可能である。
【0054】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0055】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1 空気調和システム
2 室内機
2A 本体
2B 制御部
3 アダプタ
14 CPU
26 第2の取得部
27 判定部
28 通知部
29 更新部
図1
図2
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図9