(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成データの記憶方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20230905BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20230905BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20230905BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230905BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230905BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/46 Z
B41J29/00 Z
G03G21/00 388
H04N1/00 838
H04N1/00 127Z
H04N1/21
(21)【出願番号】P 2019102161
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】小倉 奨
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-110518(JP,A)
【文献】特開2008-093903(JP,A)
【文献】特開2003-319119(JP,A)
【文献】特開2009-182652(JP,A)
【文献】特開2009-059274(JP,A)
【文献】特開2003-136788(JP,A)
【文献】特開2019-075157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0054467(US,A1)
【文献】特開2006-049956(JP,A)
【文献】特開2007-081541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/46
B41J 29/00
G03G 21/00
H04N 1/00
H04N 1/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
制御部と、
画像形成部と、
画像形成ジョブを受信可能な第1インタフェースと、
可搬性の記憶装置を接続可能な第2インタフェースと、
認証情報を受け付ける認証情報受付部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記可搬性の記憶装置へ記憶する特定記憶機能を有効化する操作又は前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付ける受付処理と、
前記受付処理において前記特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を有効化する有効化処理と、
前記受付処理において前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を無効化する無効化処理と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が有効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを全て前記可搬性の記憶装置へ記憶する第1記憶処理と、
前記第1記憶処理後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が有効であれば、前記第1記憶処理により前記可搬性の記憶装置に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第1画像形成処理と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が無効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを全て前記記憶部へ記憶する第2記憶処理と、
前記第2記憶処理後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が無効であれば、前記第2記憶処理により前記記憶部に記憶し
た前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第2画像形成処理と、
を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2記憶処理により前記画像形成データを前記記憶部に記憶した状態において、前記受付処理により前記特定記憶機能を有効化することを受け付けた場合、前記記憶部に記憶された前記画像形成データを削除する第1削除処理を実行する、請求
項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記受付処理により前記特定記憶機能を有効化することを受け付けた場合、前記可搬性の記憶装置に記憶されたデータを削除する第2削除処理を実行する、請求
項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1記憶処理により前記画像形成データを前記可搬性の記憶装置に記憶した状態において、前記受付処理により前記特定記憶機能を無効化することを受け付けた場合、前記可搬性の記憶装置に記憶された前記画像形成データを削除する第3削除処理を実行する、請求項1乃至請求
項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1記憶処理において、前記画像形成データを暗号化して前記可搬性の記憶装置へ記憶し、
前記第2記憶処理において、前記画像形成データを暗号化せずに前記記憶部へ記憶する、請求項1乃至請求
項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記受付処理において前記特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、前記第1記憶処理において前記画像形成データの暗号化に用いる暗号化鍵を新たに生成する、請求
項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記受付処理において前記特定記憶機能を有効化すること受け付けた場合、前記可搬性の記憶装置の記憶容量が所定記憶容量以上であるか否かを判断する記憶容量判断処理と、
前記記憶容量判断処理の結果、前記可搬性の記憶装置の記憶容量が前記所定記憶容量未満であった場合、前記特定記憶機能を有効化せずにエラーを報知する報知処理と、
を実行する、請求項1乃至請求
項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2インタフェースは、
USB(Universal Serial Bus)規格に準じた通信により前記画像形成データを通信するUSBインタフェースである、請求項1乃至請求
項7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、
前記画像形成データに基づいて画像を印刷する印刷部である、請求項1乃至請求
項8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記憶部と、
画像形成部と、
画像形成ジョブを受信可能な第1インタフェースと、
可搬性の記憶装置を接続可能な第2インタフェースと、
認証情報を受け付ける認証情報受付部と、
を備える画像形成装置における画像形成データの記憶方法であって、
前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記可搬性の記憶装置へ記憶する特定記憶機能を有効化する操作又は前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付ける受付工程と、
前記受付工程において前記特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を有効化する有効化工程と、
前記受付工程において前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を無効化する無効化工程と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が有効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを全て前記可搬性の記憶装置へ記憶する第1記憶工程と、
前記第1記憶工程後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が有効であれば、前記第1記憶工程により前記可搬性の記憶装置に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第1画像形成工程と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が無効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを全て前記記憶部へ記憶する第2記憶工程と、
前記第2記憶工程後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が無効であれば、前記第2記憶工程により前記記憶部に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第2画像形成工程と、
を含む画像形成データの記憶方法。
【請求項11】
記憶部と、
画像形成部と、
画像形成ジョブを受信可能な第1インタフェースと、
可搬性の記憶装置を接続可能な第2インタフェースと、
認証情報を受け付ける認証情報受付部と、
を備える画像形成装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記可搬性の記憶装置へ記憶する特定記憶機能を有効化する操作又は前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付ける受付処理と、
前記受付処理において前記特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を有効化する有効化処理と、
前記受付処理において前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を無効化する無効化処理と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が有効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを全て前記可搬性の記憶装置へ記憶する第1記憶処理と、
前記第1記憶処理後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が有効であれば、前記第1記憶処理により前記可搬性の記憶装置に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第1画像形成処理と、
前記画像形成ジョブを受信
した際において前記特定記憶機能が有効か否かを判断し前記特定記憶機能が無効である場合に受信した前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを
全て前記記憶部へ記憶する第2記憶処理と、
前記第2記憶処理後において前記認証情報受付部により受け付けた認証情報により認証に成功し前記特定記憶機能が無効であれば、前記第2記憶処理により前記記憶部に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第2画像形成処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、可搬性の記憶装置へ画像形成データを記憶する画像形成装置、画像形成データの記憶方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成に係わるジョブを受信し、受信したジョブに係る画像データを自装置に接続されたUSBメモリなどの可搬性の記憶装置へ記憶する画像形成装置が種々提案されている。例えば、特許文献1には、プリンタが、特定の印刷指示(複数部印刷、認証印刷、電子ソート印刷等)とともに印刷データを受信した場合に、USBメモリに記憶する対象の印刷データが入力されたと判定し、上記特定の印刷指示と異なる他の印刷指示とともに印刷データを受信した場合に、USBメモリに記憶する対象の印刷データが入力されていないと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術では、プリンタが印刷データを自装置に接続されたUSBメモリに記憶するか否かの判定が、印刷データとともに受信される印刷指示の内容のみにより決まる。つまり、このプリンタにおいて、接続されたUSBメモリに印刷データを記憶するか否かの切り替えを印刷指示の内容と独立して行うことができず、利便性が低くなる虞がある。
【0005】
そこで本願は、画像形成データを可搬性の記憶装置に記憶する上で、利便性を向上させることが可能な画像形成装置、画像形成データの記憶方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明に係る画像形成装置は、記憶部と、制御部と、画像形成部と、画像形成ジョブを受信可能な第1インタフェースと、可搬性の記憶装置を接続可能な第2インタフェースと、を備え、前記制御部は、前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記可搬性の記憶装置へ記憶する特定記憶機能を有効化する操作又は前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付ける受付処理と、前記受付処理において前記特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を有効化する有効化処理と、前記受付処理において前記特定記憶機能を無効化する操作を受け付けることに応じて、前記特定記憶機能を無効化する無効化処理と、前記有効化処理により前記特定記憶機能が有効化された状態において前記画像形成ジョブを受信すると、前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記可搬性の記憶装置へ記憶する第1記憶処理と、前記第1記憶処理により前記可搬性の記憶装置に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第1画像形成処理と、前記無効化処理により前記特定記憶機能が無効化された状態において前記画像形成ジョブを受信すると、前記画像形成ジョブに係わる画像形成データを前記記憶部へ記憶する第2記憶処理と、前記第2記憶処理により前記記憶部に記憶した前記画像形成データに基づいて、前記画像形成部により画像を形成する第2画像形成処理と、を実行する。
【0007】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上記画像形成装置の機能を実行する画像形成データの記憶方法、機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本願発明に係る画像形成装置、画像形成データの記憶方法、プログラムによれば、特定記憶機能を有効化する操作を受け付けた場合、有効化後に受信した画像形成ジョブに係わる画像形成データを、可搬性の記憶装置へ記憶する。画像形成装置等は、可搬性の記憶装置へ記憶した画像形成データに基づいて、画像形成部により画像形成を実行する。一方、画像形成装置等は、特定記憶機能を無効化する操作を受け付けた場合、無効化後に受信した画像形成ジョブに係わる画像形成データを、当該装置に設けられた記憶部へ記憶する。このため、ユーザは、特定記憶機能を有効化又は無効化する操作を行なうことで、可搬性の記憶装置に画像形成データを記憶するか否かを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】MFPの電気的構成を示すブロック図である。
【
図2】一覧データに記憶されるデータを示す図である。
【
図4】RAM内のデータ削除を確認する確認画面を示す図である。
【
図5】機能オンオフ処理の内容を示すフローチャートである。
【
図6】機能オンオフ処理の内容を示すフローチャートである。
【
図7】機能オンオフ処理の内容を示すフローチャートである。
【
図8】USBストレージの初期化を確認する確認画面を示す図である。
【
図9】USBストレージが未接続であることを報知するエラー画面を示す図である。
【
図10】USBストレージの記憶容量不足を報知するエラー画面を示す図である。
【
図11】USBストレージの初期化を確認する確認画面を示す図である。
【
図12】USBストレージが未接続であることを報知するエラー画面を示す図である。
【
図13】USBストレージが未接続であることを報知するエラー画面を示す図である。
【
図14】受信処理の内容を示すフローチャートである。
【
図15】蓄積印刷処理の内容を示すフローチャートである。
【
図16】USBストレージが未接続であることを報知するエラー画面を示す図である。
【
図17】USBストレージが未接続であることを報知するエラー画面を示す図である。
【
図18】Scan to USB機能で使用するポートを選択する選択画面を示す図である。
【
図19】Scan to USB機能処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願発明に係わる画像形成装置を具体化した一実施形態であるMFP1について
図1を参照しつつ説明する。
図1は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。
【0011】
(1.MFPの構成)
MFP(MultiFunction Peripheral)1は、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能を備える複合機である。
図1に示すように、MFP1は、ROM11、CPU12、RAM13、画像処理回路14、不揮発性メモリ15、印刷部16、画像読取部17、FAXインタフェース18、ユーザインタフェース20、ネットワークインタフェース24、フロント側USBIF(インタフェースの略)26、及びリア側USBIF27などを備えている。これらのCPU12等は、バス10で互いに接続されている。また、MFP1は、商用電源から電力を供給する電源29を備えている。電源29は、電源コードや電源回路(ブリッジダイオード、平滑化回路など)を備え、商用電源から直流電源を生成し、電源線にてMFP1が備える各部へ電力を供給する。
【0012】
ROM11は、各種のプログラム31を記憶している。プログラム31は、例えば、MFP1の各部を統括的に制御するプログラムである。CPU12は、ROM11からRAM13にロードされたプログラム31を実行し、実行した処理結果をRAM13に一時的に記憶させながら、バス10で接続された各部を制御する。また、プログラム31には、Webサーバとして機能するプログラムであるEWS(Embedded Web Server)プログラムが含まれている。CPU12は、EWSプログラムを実行することで、MFP1をWebサーバとして機能させる。なお、プログラム31を記憶する記憶装置は、ROMに限らず、HDD、NVRAM、フラッシュメモリ、あるいはそれらを組み合わせた記憶装置でも良い。
【0013】
不揮発性メモリ15は、書き換え可能にデータを記憶保持する不揮発性メモリであって、例えば、EEPROM、NVRAM、フラッシュメモリ、HDDなどが採用できる。不揮発性メモリ15内には、認証DB(データベースの略)33が記憶されている。認証DB33は、例えば、MFP1にログインできるログインユーザのユーザ名、ログインパスワードなどを関連付けたデータである。各ユーザは、このユーザ名及びログインパスワードを用いてMFP1のログイン操作を行う。本実施形態のMFP1は、例えば、EWSプログラムをCPU12で実行することで起動したWebサーバによって、認証DB33の編集を受け付ける。なお、認証DB33の編集を受け付ける方法は、上記したWebサーバを用いた方法に限らず、例えば、ユーザインタフェース20により受け付ける方法でもよい。また、以下の説明では、CPU12でプログラム31を実行するMFP1のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「MFP1がタッチパネル21に対する操作入力を受け付ける」という記載は、「MFP1がCPU12でプログラム31を実行しタッチパネル21を制御することで、タッチパネル21に対する操作入力を受け付ける」ということを意味する場合がある。
【0014】
画像処理回路14は、印刷ジョブやスキャンジョブなどに係る画像データの加工処理や展開処理等をするための回路である。印刷部16は、シート(紙やOHPなど)に画像データに係わる画像を形成するための印刷エンジンを有し、印刷エンジンは、例えば、インクジェットヘッド等を有する。印刷エンジンは、露光装置及び感光体等を有する電子写真方式の印刷エンジンであって良いし、サーマルヘッド等を有するサーマル方式の印刷エンジンであってもよい。
【0015】
画像読取部17は、原稿から画像を読み取るための読取センサを有する。読取センサとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)、CIS(Contact Image Sensor)等が採用できる。画像読取部17は、原稿台に載置された原稿に対して読取センサを移動させ、原稿を読み取り、画像データを生成する。FAXインタフェース18は、電話回線を介して、他のファクシミリ装置との間でFAXデータの送受信を行う。
【0016】
ユーザインタフェース20は、タッチパネル21及びキー22を有する。タッチパネル21は、例えば、液晶パネル、液晶パネルの背面側から光を照射するLED等の光源、液晶パネルの表面に貼り合わされた接触感知膜等を備えている。キー22は、複数の操作ボタンを有する。ユーザインタフェース20は、CPU12の制御に基づいて、例えば各種の設定画面や装置の動作状態等をタッチパネル21に表示する。また、ユーザインタフェース20は、タッチパネル21やキー22に対する操作入力に応じた信号をCPU12へ送信する。なお、本実施形態のMFP1は、表示部と操作部とを兼ねたタッチパネル21を備えているが、特にこれに限らず、表示部とは別に例えばハードウェアキーが操作部として設けられていてもよい。
【0017】
ネットワークインタフェース24は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースであり、LANケーブル(図示略)を介してルータ51に接続されている。本実施形態のルータ51には、例えば、複数のPC(パーソナルコンピュータの略)53が接続されている。ユーザは、PC53を操作することで、PC53からMFP1へ印刷ジョブ61(画像形成ジョブの一例)を送信することができる。MFP1は、PC53から受信した印刷ジョブ61に基づいて印刷処理を実行する。なお、MFP1が処理する印刷ジョブは、PC53から受信する印刷ジョブに限らず、例えば、メールサーバからメール形式で受信する印刷ジョブでも良い。また、本願発明に係わる画像形成ジョブは、印刷を指示する印刷ジョブに限らず、例えば、FAX送信を指示するFAXジョブでも良い。また、MFP1とPC53を接続するネットワークは、有線LANに限らず、例えば、無線LANあるいはWAN(インターネットを含む)でも良い。
【0018】
また、フロント側USBIF26及びリア側USBIF27(第2インタフェースの一例)は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した通信や電力授受を行うインタフェースである。USB規格は、特に限定されないが、USB2.0規格やUSB3.0規格などを採用することができる。また、本願発明に係わる第2インタフェースは、USB規格のインタフェースに限らず、IEEE1394規格などの他の規格のインタフェースを採用できる。あるいは、本願発明に係わる第2インタフェースとしては、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の無線通信インタフェースを採用できる。この場合、携帯端末やHDDなどの可搬性の記憶装置を、無線接続により、MFP1に接続しても良い。
【0019】
フロント側USBIF26は、MFP1の前面側に取り付けられたフロント側USBポート45に接続されている。同様に、リア側USBIF27は、MFP1の背面側に取り付けられたリア側USBポート46に接続されている。フロント側USBポート45及びリア側USBポート46は、接続機器と接続可能なコネクタ(レセプタクル)である。フロント側USBIF26は、CPU12の制御に基づいてフロント側USBポート45と接続された接続機器との間でデータの入出力を実行する。同様に、リア側USBIF27は、CPU12の制御に基づいてリア側USBポート46に接続された接続機器との間でデータの入出力を実行する。
図1に示すように、例えば、リア側USBポート46には、接続機器としてUSBストレージ47が接続されている。USBストレージ47は、例えば、USBメモリなどの可搬性の記憶装置である。USBストレージは、USBフラッシュドライブ、USBフラッシュメモリ等とも呼称される。なお、本願発明に係わる可搬性の記憶装置は、USBメモリに限らず、USB接続が可能なHDD、USB接続されたカードリーダで通信可能なメモリーカード、HDDを有するPCなどを採用できる。また、フロント側USBポート45及びリア側USBポート46に接続可能な接続機器としては、上記した可搬性の記憶装置の他に、USB接続が可能なキーボード、ファン、ライトなど様々な接続機器を採用できる。
【0020】
(2.蓄積印刷機能、特定記憶機能)
本実施形態のMFP1は、蓄積印刷機能、及び特定記憶機能を備えている。MFP1は、蓄積印刷機能の有効化又は無効化の設定を、例えば、EWSのWebサーバで受け付ける。また、MFP1は、蓄積印刷機能の有効又は無効を示すレジスト値を不揮発性メモリ15に記憶して機能のオン/オフを管理する。MFP1は、蓄積印刷機能を有効化された場合、
図1に示すようにジョブ名63及びユーザ名65が設定された印刷ジョブ61をPC53から受信すると、受信した印刷ジョブ61のユーザ名65が認証DB33に登録されているか否かを判断する。MFP1は、ユーザ名65が認証DB33に登録されている場合、受信した印刷ジョブ61に係わるデータをRAM13へ蓄積し、登録されていない場合、印刷ジョブ61の印刷を実行する。なお、蓄積印刷機能の有効化又は無効化の設定を受け付ける方法は、上記したWebサーバを用いる方法に限らない。例えば、蓄積印刷機能の有効化又は無効化の設定をユーザインタフェース20より受け付けても良い。また、蓄積印刷機能の有効化又は無効化の設定が印刷ジョブ61に含まれていても良い。
【0021】
印刷ジョブ61には、例えば、プリンタジョブ言語(PJL:Printer Job Language)で記述されたPJLデータと、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたページ記述言語データ(PDLデータ)とが含まれる。PJLデータは、例えば、MFP1に画像形成処理等を実行させるコマンドなどのデータである。PDLデータは、例えば、画像形成に用いる画像のデータや描画指示のデータである。より具体的には、PDLデータは、例えば、PS(Post Script)データ、PCL(Printer Command Language)データ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)データ、GDI(Graphic Device Interface)データなどを含む。
【0022】
画像処理回路14は、CPU12の制御に基づいて、印刷ジョブ61に含まれるPDLデータをラスタライズするRIP処理を実行し、ラスタライズした画像データ73(画像形成データの一例)を生成する。MFP1は、画像処理回路14で生成した画像データ73をRAM13へ記憶する。また、MFP1は、新たな印刷ジョブ61に係わる画像データ73をRAM13に記憶すると、その印刷ジョブ61に係わる情報をRAM13内の一覧データ76に記憶する。MFP1は、蓄積印刷機能の有効化時において、認証DB33に登録されたユーザ名65の印刷ジョブ61に係わる画像データ73をRAM13へ蓄積し、一覧データ76を更新する。なお、本願発明に係わる画像形成データとは、ラスタライズ処理済みの画像データであっても良いし、ラスタライズ前のPDLデータであっても良い。また、画像データ73及び一覧データ76の記憶先は、RAM13に限らず、例えば、不揮発性メモリ15でも良い。
【0023】
図2は、一覧データ76に記憶されたデータの一例を示している。
図2に示すように、一覧データ76には、例えば、ジョブ名、ユーザ名、受信日時、画像データ名が関連付けられて1つのレコードとして登録されている。MFP1は、受信した印刷ジョブ61の情報(ジョブ名63、ユーザ名65、画像データ73など)に基づいて、一覧データ76に新たなレコードを追加する。また、MFP1は、画像データ73の名前を一覧データ76に記憶することで、一覧データ76の各レコードと、RAM13に記憶した画像データ73とを対応付けて管理することができる。
【0024】
MFP1は、所定の認証画面をタッチパネル21に表示した状態で、タッチパネル21を介してユーザ名及びパスワードが入力されると、不揮発性メモリ15の認証DB33に登録されたユーザ名及びパスワードと照合する。MFP1は、照合の結果、認証DB33に登録されたユーザ名及びパスワードと一致すると、入力されたユーザのログインを許可する。MFP1は、RAM13に蓄積した画像データ73のうち、ログインしたユーザのユーザ名が関連付けられた画像データ73の印刷(以降、蓄積印刷という場合がある)を実行する。また、MFP1は、蓄積印刷機能を無効化された場合、PC53から印刷ジョブ61を受信すると、RAM13に蓄積することなく印刷処理を開始する。
【0025】
なお、ログイン認証に用いる認証DB33を、不揮発性メモリ15に記憶しなくとも良い。例えば、認証DB33を、MFPの外部のサーバに記憶しておき、MFPがサーバと通信することで認証処理を行う構成であっても良い。また、MFP1へ印刷ジョブ61を蓄積する方法は、上記した認証DB33を用いる方法に限らない。例えば、PC53のプリンタドライバで印刷ジョブ61にパスワードを設定する。MFP1は、印刷ジョブ61にパスワードが設定されていた場合、その印刷ジョブ61をRAM13へ蓄積する。そして、MFP1は、タッチパネル21を介して、蓄積した印刷ジョブ61の選択と、パスワードの入力を受け付け、選択された印刷ジョブ61とパスワードが一致した場合に印刷を実行しても良い。
【0026】
また、特定記憶機能は、例えば、上記した蓄積印刷機能を有効化した状態において、画像データ73の記憶先を変更する機能である。特定記憶機能を有効化した場合、上記した蓄積印刷の印刷ジョブ61に係わる画像データをRAM13へ蓄積せずに、USBストレージ47へ蓄積する。特定記憶機能は、例えば、初期状態では無効化されており、蓄積印刷機能を有効化した後に有効/無効を変更可能となる。また、特定記憶機能は、例えば、蓄積印刷機能を無効化されると、連動して無効化される。なお、特定記憶機能は、蓄積印刷機能とは独立して有効/無効を切り替え可能な機能でも良い。MFP1は、特定記憶機能の有効化又は無効化の設定を、例えば、タッチパネル21の操作入力に基づいて実行する(
図3参照)。なお、特定記憶機能の有効化又は無効化の設定を、上記WEBサーバで受け付けても良い。また、MFP1は、特定記憶機能の有効又は無効を示すレジスト値を不揮発性メモリ15に記憶して機能のオン/オフを管理する。MFP1は、特定記憶機能を有効化された場合、ジョブ名63及びユーザ名65が設定された印刷ジョブ61をPC53から受信すると、受信した印刷ジョブ61のユーザ名65が認証DB33に登録されているか否かを判断する。MFP1は、ユーザ名65が認証DB33に登録されている場合、受信した印刷ジョブ61に含まれるPDLデータをラスタライズして画像データ74を生成し、生成した画像データ74をUSBストレージ47へ蓄積する。また、MFP1は、新たな印刷ジョブ61に係わる画像データ74を蓄積すると、その印刷ジョブ61に係わる情報をUSBストレージ47内の一覧データ77に記憶する。一覧データ77は、例えば、一覧データ76と同一形式のデータである。
【0027】
ここで、MFP1に取り付けられたRAM13内のデータは、外部からアクセスすることが困難である。一方、USBストレージ47内のデータは、USBストレージ47をMFP1から取り外してPC等に接続することで閲覧等することが可能である。そこで、本実施形態のMFP1は、特定記憶機能の有効時にUSBストレージ47へ記憶する画像データ74及び一覧データ77の暗号化を実行する。MFP1は、後述するように、特定記憶機能の有効化時に暗号化に用いる共通鍵78を生成し不揮発性メモリ15へ記憶する(
図6のS30)。なお、共通鍵78の生成方法については後述する。また、共通鍵78の記憶先は、不揮発性メモリ15に限らず、例えば、RAM13でも良い。
【0028】
MFP1は、共通鍵78を用いて画像データ74を暗号化してUSBストレージ47へ記憶する。また、MFP1は、蓄積印刷を実行する場合、USBストレージ47から読み出した画像データ74を共通鍵78で復号化して印刷を実行する。また、MFP1は、新たな印刷ジョブ61を受信すると、USBストレージ47から読み出した一覧データ77を共通鍵78で復号化し、復号化した一覧データ77へ新たな印刷ジョブ61の情報を追加する。MFP1は、更新した一覧データ77を共通鍵78で暗号化してUSBストレージ47へ記憶する。これにより、USBストレージ47に記憶する画像データ74や一覧データ77の解読を困難にすることができる。
【0029】
また、本実施形態のMFP1は、特定記憶機能で使用するUSBポートを、フロント側USBポート45及びリア側USBポート46の2つのポートから選択可能となっている。後述するように、MFP1は、特定記憶機能の有効化時にタッチパネル21の操作入力に基づいて、特定記憶機能で使用するUSBポートを設定する(
図5のS13)。MFP1は、例えば、特定記憶機能で使用するUSBポートの設定を示すレジスト値を不揮発性メモリ15に記憶して使用するポートを管理する。MFP1は、設定したUSBポートに接続されたUSBストレージ47へ画像データ74や一覧データ77の記憶を実行する。本実施形態のMFP1は、特定記憶機能で使用することを設定したUSBポートを、特定記憶機能の専用ポートとして制御する。例えば、特定記憶機能で使用するUSBポートとしてリア側USBポート46が設定された場合、MFP1は、リア側USBポート46に接続されたUSBストレージ47に対して、画像データ74や一覧データ77のみを記憶する制御を実行する。また、仮に、リア側USBポート46に、キーボードなどの記憶装置以外の接続機器が接続されたとしても、MFP1は、その接続機器を使用可能な状態に制御しない。
【0030】
(3.USB to Scan機能、DirectPrint機能)
本実施形態のMFP1は、USBストレージ47へスキャンデータ(画像データの一例)を記憶するScan to USB機能を有している。MFP1は、Scan to USB機能を有効化された場合、例えば、タッチパネル21の操作入力によりスキャン機能を開始されると、原稿台に配置された原稿の画像を画像読取部17で読み取り、生成したスキャンデータをUSBストレージ47へ記憶する。
【0031】
また、本実施形態のMFP1は、USBストレージ47に記憶された画像データを読み出して印刷するDirectPrint機能を有している。MFP1は、DirectPrint機能を有効化された場合、例えば、リア側USBポート46にUSBストレージ47が接続されると、USBストレージ47に記憶された画像データの一覧をタッチパネル21へ表示する。MFP1は、タッチパネル21の一覧から選択された画像データをUSBストレージ47から読み出し、印刷部16により印刷する。これにより、ユーザは、USBストレージ47を接続してタッチパネル21を操作することで、USBストレージ47内の画像データを印刷できる。上記したように、MFP1は、特定記憶機能で使用する専用のUSBポートを設定する。このため、例えば、リア側USBポート46が特定記憶機能で使用される場合、残りのフロント側USBポート45を用いてUSB to Scan機能やDirectPrint機能を実行することができる。なお、MFP1は、特定記憶機能で使用するUSBポートを、専用ポートとして制御せず、USB to Scan機能やDirectPrint機能でも使用できるUSBポートとして共用する制御を実行しても良い。
【0032】
(4.特定記憶機能の有効化/無効化処理)
次に、本実施形態のMFP1の動作について、
図5~
図7を参照しつつ、説明する。以下の説明では、蓄積印刷機能を有効化した状態で特定記憶機能を有効化又は無効化した場合の動作について説明する。
図5、
図6は、特定記憶機能を有効化する処理の流れを示しており、
図7は、特定記憶機能を無効化する処理の流れを示している。MFP1は、例えば、タッチパネル21に対する所定操作に応じて特定記憶機能を有効化するか無効化するかを受け付ける設定画面81(
図3参照)を表示すると、
図5~
図7に示す機能オンオフ処理を開始する。なお、機能オンオフ処理を開始するタイミングは、設定画面81を表示するタイミングに限らない。MFP1は、例えば、電源を投入されプログラム31をCPU12で実行しシステムを起動した後、
図5~
図7に示す機能オンオフ処理を開始しても良い。
【0033】
なお、本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラム31に記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「受信」、「受け付け」、「制御」、「設定」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、ハードウェア制御も含む。
【0034】
まず、
図5のS11において、MFP1のCPU12は、特定記憶機能を有効化する又は無効化する操作を受け付ける。CPU12は、例えば、タッチパネル21に対する所定の操作入力に基づいて、
図3に示す設定画面81をタッチパネル21に表示する。
図3に示すように、CPU12は、特定記憶機能を無効化するオフボタン83と、リア選択ボタン84と、フロント選択ボタン85とを、設定画面81に表示する。
【0035】
CPU12は、オフボタン83を押下する操作を検出すると、S11において否定判断し(S11:NO)、
図7のS31以降の処理を実行する。また、CPU12は、リア選択ボタン84又はフロント選択ボタン85のどちらか一方を押下する操作を検出すると、S11において肯定判断し(S11:YES)、S13以降の処理を実行する。
【0036】
(4-1.有効化処理)
S13において、CPU12は、S11で選択されたボタンに応じたUSBポートを、特定記憶機能で使用するUSBポートに設定する。CPU12は、S11においてリア選択ボタン84の押下を検出すると、S13においてリア側USBポート46を特定記憶機能のUSBポートに設定する処理を実行する。同様に、CPU12は、S11においてフロント選択ボタン85の押下を検出すると、S13においてフロント側USBポート45を特定記憶機能のUSBポートに設定する処理を実行する。
【0037】
なお、CPU12は、S11において、特定記憶機能の有効/無効に応じてタッチ操作可能なボタンを制限しても良い。例えば、CPU12は、特定記憶機能が有効である場合、オフボタン83の操作のみを受け付け、リア選択ボタン84、フロント選択ボタン85に対するタッチ操作を無効にしても良い。即ち、特定記憶機能が有効である場合、設定画面81において無効化する操作のみを受け付けても良い。同様に、CPU12は、特定記憶機能が無効である場合、オフボタン83のタッチ操作を無効にし、有効化する操作(リア選択ボタン84又はフロント選択ボタン85の操作)のみを受け付けても良い。
【0038】
CPU12は、S13でUSBポートの設定を実行すると、RAM13内に未印刷の画像データ73が存在するか否かを判断する(S15)。上記したように、MFP1は、蓄積印刷機能が有効で特定記憶機能が無効な場合、受信した印刷ジョブ61の画像データ73をRAM13へ蓄積し、有効な場合、画像データ74をUSBストレージ47へ蓄積する。このため、CPU12は、特定記憶機能を有効化するのに先だって、S15においてRAM13内に未印刷の画像データ73が蓄積されていないか判断する。
【0039】
CPU12は、RAM13に記憶された一覧データ76や画像データ73に基づいて未印刷の画像データ73が存在するか判断し、存在すると判断すると(S15:YES)、RAM13内の画像データ73を削除することを確認する確認画面を表示する(S17)。CPU12は、
図4に示すように、RAM13内のデータを削除して機能を有効化するか確認するメッセージ87と、OKボタン88と、キャンセルボタン89とを含む確認画面90を、タッチパネル21に表示する。
【0040】
次に、CPU12は、S17で表示した確認画面90において、OKボタン88が押下されたか否かを判断する(S19)。CPU12は、確認画面90のキャンセルボタン89が押下されたことを検出すると、S19において否定判断し(S19:NO)、
図5~
図7に示す機能オンオフ処理を終了する。この場合、CPU12は、特定記憶機能を有効化せずに、無効状態を維持する。
【0041】
また、CPU12は、確認画面90のOKボタン88が押下されたことを検出すると(S19:YES)、RAM13内の画像データ73を削除する(S21)。また、CPU12は、RAM13内の一覧データ76も削除する。即ち、CPU12は、RAM13に記憶されたデータのうち、蓄積印刷機能に係わるデータを削除する。なお、CPU12は、特定記憶機能の有効化時において、RAM13内の画像データ73及び一覧データ76を削除せずに、後述する有効化後に使用するUSBストレージ47へ移動させても良い。即ち、印刷が完了していない画像データ73等をUSBストレージ47へ移動し、有効化後に画像データ74や一覧データ77として処理し印刷等しても良い。この場合、CPU12は、画像データ73や一覧データ76を暗号化してUSBストレージ47へ記憶しても良い。
【0042】
CPU12は、S21を実行した後、S22を実行する。また、CPU12は、S15において、RAM13内に未印刷の画像データ73が存在しないと判断すると(S15:NO)、S22を実行する。S22において、CPU12は、S13において特定記憶機能で使用するポートとして設定したUSBポート、即ち、S11で選択されたUSBポートにUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。
【0043】
CPU12は、特定記憶機能で使用するUSBポートにUSBストレージ47が接続されていることを検出すると、S22で肯定判断し(S22:YES)、USBストレージ47を初期化することを確認する確認画面を表示する(S23)。
図8に示すように、CPU12は、USBストレージ47内のデータを全て削除し機能を有効化する旨のメッセージ91と、OKボタン93と、キャンセルボタン94とを含む確認画面95を、タッチパネル21に表示する。
【0044】
一方、CPU12は、S22においてUSBストレージ47が接続されていないことを検出すると(S22:NO)、USB未接続のエラー画面を表示する(S24)。
図9に示すように、CPU12は、USBストレージ47を接続してほしい旨のメッセージ97と、クローズボタン98とを含むエラー画面99を、タッチパネル21に表示する。これにより、S11で選択したUSBポートにUSBストレージ47が接続されていなことをユーザに認識させることができる。CPU12は、エラー画面99のクローズボタン98の押下を検出すると、エラー画面99をタッチパネル21から消し、
図5~
図7に示す機能オンオフ処理を終了する。
【0045】
また、CPU12は、S23を実行すると、S23で表示した確認画面95(
図8参照)のOKボタン93が押下されたか否かを判断する(
図6のS25)。CPU12は、OKボタン93が押下されたことを検出すると、S25で肯定判断し(S25:YES)、S26を実行する。また、CPU12は、キャンセルボタン94が押下されたことを検出すると(S25:NO)、
図5~
図7に示す処理を終了する。これにより、ユーザは、USBストレージ47内のデータを消去したくない場合、特定記憶機能の有効化を一時中断し、データを移し替えるなどの適切な対応を実行することができる。
【0046】
S26において、CPU12は、特定記憶機能で使用するUSBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量以上であるか否かを判断する。ここで、特定記憶機能に使用するUSBストレージ47の記憶容量が小さい場合、USBストレージ47へ記憶する画像データ74のデータ量が増加すると、画像データ74をUSBストレージ47へ記憶できない事態が生じる可能性がある。あるいは、USBストレージ47の記憶容量が小さい場合、USBストレージ47の単位記憶領域当たりの書き込み回数や読み出し回数が増加し、USBストレージ47の故障を招く可能性が高くなる。そこで、本実施形態のMFP1は、USBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量以上である場合のみ、特定記憶機能を有効化する。従って、S26の判断で用いる所定記憶容量は、複数の画像データ74を十分に記憶できる容量や、単位記憶領域当たりの書き込みの頻度を十分に低減できるだけの容量であり、例えば、8Gbである。
【0047】
S26において、CPU12は、記憶容量が所定記憶容量以上であると判断すると(S26:YES)、S27を実行する。また、CPU12は、記憶容量が所定記憶容量未満であると判断すると(S26;NO)、容量不足のエラー画面を表示する(S28)。
図10に示すように、CPU12は、USBストレージ47の記憶容量が少ないことや、所定記憶容量(例えば、8GB)以上のUSBストレージ47を使用してほしい旨のメッセージ101と、クローズボタン102とを含むエラー画面103をタッチパネル21に表示する。これにより、USBストレージ47が容量不足であることをユーザに認識させることができる。CPU12は、エラー画面103のクローズボタン102の押下を検出すると、エラー画面103をタッチパネル21から消し、
図5~
図7に示す処理を終了する。
【0048】
また、S27において、CPU12は、USBストレージ47の初期化を実行する。CPU12は、例えば、USBストレージ47のデータフォーマットを検出できる場合、USBストレージ47内の全データを削除する。また、CPU12は、USBストレージ47のデータフォーマットが検出できない場合、USBストレージ47の記憶領域を、画像データ74を記憶可能な形式にフォーマットすることでデータを削除する。
【0049】
次に、CPU12は、特定記憶機能を有効化したことを示すレジスト値を不揮発性メモリ15に記憶する(S29)。これにより、MFP1は、特定記憶機能が有効化された状態となる。次に、CPU12は、共通鍵78の生成を実行する(S30)。この共通鍵78は、上記したように、USBストレージ47へ記憶する画像データ74や一覧データ77の暗号化及び復号化に用いるものである。CPU12は、例えば、プログラム31に含まれる所定のプログラムを実行することで、乱数を生成する乱数生成モジュールと、共通鍵78を生成する鍵生成モジュールとを起動する。鍵生成モジュールは、乱数生成モジュールで生成した乱数と、共通鍵78を生成するための関数とを用いて、共通鍵78を生成する。従って、本実施形態のMFP1は、特定記憶機能を有効化するごとに、暗号化に用いる共通鍵78を新たに生成する。CPU12は、生成した共通鍵78を不揮発性メモリ15へ記憶し、
図5~
図7に示す処理を終了する。
【0050】
なお、画像データ74や一覧データ77を暗号化する方式や処理方法は、上記した方法に限定されない。また、CPU12は、画像データ74等を暗号化せずにUSBストレージ47へ記憶しても良い。例えば、CPU12は、画像データ74や一覧データ77にパスワードを設定してセキュリティを高め、USBストレージ47へ記憶しても良い。
【0051】
(4-2.無効化処理)
次に、
図7に示す処理について説明する。CPU12は、
図3に示す設定画面81のオフボタン83の押下を検出すると(S11:NO)、
図7のS31以降の処理を実行する。S31において、CPU12は、特定記憶機能で使用中のUSBポート、即ち、
図5のS13で設定したUSBポートにUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。CPU12は、USBストレージ47が接続されていることを検出すると、肯定判断し(S31:YES)、USBストレージ47を初期化することを確認する確認画面を表示する(S32)。
【0052】
図11に示すように、CPU12は、USBストレージ47内のデータを全て削除し機能を無効化する旨のメッセージ105と、OKボタン106と、キャンセルボタン107とを含む確認画面109を、タッチパネル21に表示する(S32)。次に、CPU12は、S32で表示した確認画面109のOKボタン106を押下されたか否かを判断する(S33)。CPU12は、OKボタン106が押下されたことを検出すると、S33で肯定判断し(S33:YES)、USBストレージ47内の画像データ74や一覧データ77を含む全データを削除して初期化する(S34)。CPU12は、特定記憶機能を無効化したことを示すレジスト値を不揮発性メモリ15に記憶する(S35)。これにより、MFP1は、特定記憶機能が無効化された状態となる。CPU12は、
図5~
図7に示す処理を終了する。
【0053】
なお、CPU12は、S34において、USBストレージ47内のデータのうち、画像データ74や一覧データ77のみを削除しても良い。また、CPU12は、特定記憶機能の無効化時に、USBストレージ47内の画像データ74や一覧データ77を削除せずに、RAM13へ移動させても良い。そして、CPU12は、画像データ74や一覧データ77を、無効化後に画像データ73や一覧データ76として処理し、印刷等を実行しても良い。
【0054】
また、S31において、CPU12は、USBストレージ47が接続されていないことを検出すると(S31:NO)、確認画面をタッチパネル21に表示する(S36)。
図12に示すように、CPU12は、USBストレージ47が接続されていない旨のメッセージ111を確認画面113に表示する。また、CPU12は、特定記憶機能を無効化した後に、USBストレージ47を再度接続して特定記憶機能を有効化しても印刷できない旨もメッセージ111に表示する。これは、本実施形態のMFP1が、特定記憶機能の有効化ごとに復号化に用いる共通鍵78を新たに生成するからである(
図6のS30参照)。また、CPU12は、特定記憶機能を無効化するかを確認する旨もメッセージ111に表示する。また、CPU12は、OKボタン115と、キャンセルボタン116を、確認画面113に表示する。CPU12は、S36を実行すると、S33を実行する。
【0055】
S33において、CPU12は、S36で表示した確認画面113のOKボタン115が押下されたか否かを判断する(S33)。CPU12は、OKボタン115が押下されたことを検出すると肯定判断する(S33:YES)。この場合、USBストレージ47が接続されていないため、CPU12は、S34でデータの初期化処理を実行せず、S35でフラグ値の設定を実行する。一方、CPU12は、確認画面113のキャンセルボタン116が押下されたことを検出すると(S33:NO)、
図5~7に示す処理を終了する。このようにして、CPU12は、特定記憶機能の有効化又は無効化を実行する。
【0056】
(5.受信処理)
次に、蓄積印刷機能、及び特定記憶機能における印刷ジョブ61の受信処理について説明する。
図14は、蓄積印刷の対象となる印刷ジョブ61を受信した場合の受信処理の流れを示している。ここでいう蓄積印刷の対象となる印刷ジョブ61とは、PC53からネットワークインタフェース24に受信した場合に、受信後に印刷を実行される通常の印刷ジョブとは異なり、上記した蓄積印刷機能や特定記憶機能の有効化時にRAM13やUSBストレージ47へ一時的に蓄積する印刷ジョブ61である。より具体的には、
図1に示すジョブ名63やユーザ名65が設定された印刷ジョブ61であり、ユーザ名65が認証DB33に登録されている印刷ジョブ61である。MFP1は、例えば、蓄積印刷機能を有効化されると、
図14に示す受信処理を開始する。
【0057】
まず、
図14のS41において、CPU12は、蓄積印刷の対象となる印刷ジョブ61を、ネットワークインタフェース24を介して受信したか否かを判断する。CPU12は、印刷ジョブ61を受信するまでの間(S41:NO)、S41の判断処理を繰り返し実行する。CPU12は、蓄積印刷の対象となる印刷ジョブ61を受信すると(S41:YES)、特定記憶機能が有効化であるか否か判断する(S43)。
【0058】
CPU12は、上記したように、特定記憶機能の有効/無効の切り替えに応じて特定記憶機能の有効/無効を示すフラグ値を、不揮発性メモリ15に記憶する。CPU12は、S43において、この不揮発性メモリ15に記憶したフラグ値に基づいて、特定記憶機能が有効であるか無効であるかを判断できる。CPU12は、特定記憶機能が無効であると判断すると(S43:NO)、画像処理回路14によりRIP処理を実行する(S45)。
【0059】
画像処理回路14は、例えば、印刷ジョブ61に含まれるPDLデータをラスタライズしてラスタデータである画像データ73を生成する(S45)。CPU12は、RAM13の一覧データ76を更新する(S47)。CPU12は、S41で受信を検出した印刷ジョブ61に設定されたジョブ名63やユーザ名65(
図1参照)、受信日時等に基づいて、新たに受信した印刷ジョブ61の情報を一覧データ76に追加する(S47)。
【0060】
次に、CPU12は、生成した画像データ73をRAM13へ記憶する(S49)。この際、CPU12は、画像データ73を圧縮してデータ量を削減してからRAM13へ記憶しても良い。CPU12は、S49を実行すると、
図14に示す受信処理を終了する。これにより、蓄積印刷機能が有効状態で、且つ特定記憶機能が無効状態で受信した印刷ジョブ61の情報が一覧データ76に追加され、画像データ73がRAM13へ蓄積される。
【0061】
一方、CPU12は、S43において、特定記憶機能が有効であると判断すると(S43:YES)、USBストレージ47が接続されているか否かを判断する(S51)。CPU12は、
図5のS11で選択されたUSBポート(フロント側USBポート45又はリア側USBポート46)にUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。
【0062】
CPU12は、USBストレージ47が接続されていると判断すると(S51:YES)、S45と同様に、印刷ジョブ61に含まれるPDLデータをラスタライズして画像データ74を生成する(S52)。CPU12は、ラスタライズした画像データ74を圧縮した後、圧縮した画像データ74を暗号化する(S53)。CPU12は、
図6のS30において生成した共通鍵78、即ち、今回の特定記憶機能の有効化時に新たに生成した共通鍵78を用いて画像データ74を暗号化する。CPU12は、暗号化した画像データ74をUSBストレージ47へ記憶する(S54)。
【0063】
次に、CPU12は、USBストレージ47から一覧データ77を読み出して復号化する(S55)。CPU12は、例えば、一覧データ77をRAM13へ読み出し、共通鍵78を用いて一覧データ77を復号化する。CPU12は、S47と同様に、S41で受信を検出した印刷ジョブ61の情報(ジョブ名63など)を、復号化した一覧データ77へ追加し、一覧データ77を更新する(S56)。CPU12は、更新した一覧データ77を共通鍵78で再度暗号化し、暗号化した一覧データ77をUSBストレージ47へ記憶する(S57)。これにより、新たに受信した印刷ジョブ61の情報が一覧データ77に追加され、新たな画像データ73がUSBストレージ47へ記憶される。CPU12は、S57を実行すると、
図14に示す受信処理を終了する。なお、CPU12は、一覧データ77を圧縮してUSBストレージ47へ記憶することで、データ量を削減しても良い。
【0064】
また、CPU12は、S51において、USBストレージ47が接続されていないと判断すると(S51:NO)、USBストレージ47が未接続であることを示すエラー画面を表示する(S59)。CPU12は、
図13に示すように、USBストレージ47が接続されていないため印刷ジョブを蓄積できない旨のメッセージ117を含むエラー画面119をタッチパネル21に表示する。CPU12は、例えば、エラー画面119のクローズボタン121をタッチ操作されるまでの間、エラー画面119をタッチパネル21に表示する。これにより、USBストレージ47が未接続であるため印刷ジョブ61が蓄積できないことをユーザに認識させ、USBストレージ47を接続するなどの適切な対応を実施させることができる。CPU12は、S59を実行すると、
図14に示す処理を終了する。
【0065】
なお、CPU12は、S59において、USBストレージ47へ記憶する予定であった印刷ジョブ61を破棄してもよく、RAM13へ蓄積してユーザの指示を受け付けても良い。また、CPU12は、エラー画面119を、印刷ジョブ61の送信元のPC53へ表示しても良い。例えば、CPU12は、PC53のプリンタドライバと通信して、PC53の画面にエラー画面119を表示しても良い。
【0066】
(6.蓄積印刷処理)
次に、蓄積印処理について説明する。
図15は、蓄積印刷の処理の流れを示している。MFP1は、例えば、蓄積印刷機能を有効化されると、
図15に示す蓄積印刷処理を開始する。まず、
図15のS61において、CPU12は、蓄積印刷の処理を開始するか否かを判断する。上記したように、本実施形態のMFP1は、タッチパネル21によるログイン認証の成功をトリガーとして、蓄積印刷を開始する。このため、CPU12は、例えば、タッチパネル21の操作に基づいてログイン操作が行なわれ、ログイン認証に成功したと判断すると、S61において肯定判断し(S61:YES)、S63以降の処理を実行する。また、CPU12は、ログイン認証に成功したと判断するまでの間(S61:NO)、S61の判断処理を繰り返し実行する。なお、S61の判断条件は、ログイン認証の成功条件に限らない。例えば、CPU12は、タッチパネル21に対する所定の操作(印刷ジョブ61の選択など)に基づいてS63以降の処理を実行するか判断しても良い。
【0067】
次に、S63において、CPU12は、特定記憶機能が有効であるか否かを判断する。CPU12は、
図14のS43と同様に、不揮発性メモリ15に記憶したフラグ値に基づいて、特定記憶機能の有効/無効を判断する(S63)。CPU12は、特定記憶機能が無効であると判断すると(S63:NO)、一覧データ76(
図1参照)をRAM13から読み出す(S65)。上記したように、CPU12は、蓄積印刷機能が有効状態で、特定記憶機能が無効状態である場合、一覧データ76を暗号化せずにRAM13へ記憶する。このため、CPU12は、S65において読み出した一覧データ76の復号化処理が不要であるため、読み出しに係る処理時間を短縮できる。CPU12は、S65を実行すると、S67を実行する。
【0068】
一方、CPU12は、S63において、特定記憶機能が有効であると判断すると(S63:YES)、USBストレージ47が接続されているか否かを判断する(S69)。CPU12は、
図5のS11に選択された(特定記憶機能で使用する設定の)USBポート(フロント側USBポート45又はリア側USBポート46)にUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。
【0069】
CPU12は、USBストレージ47が接続されていると判断すると(S69:YES)、一覧データ77(
図1参照)をUSBストレージ47から読み出す(S71)。特定記憶機能が有効である場合、CPU12は、一覧データ77を暗号化してUSBストレージ47へ記憶する。このため、CPU12は、S71においてUSBストレージ47から読み出した一覧データ77を復号化する。CPU12は、例えば、一覧データ77をUSBストレージ47からRAM13に読み出し、
図6のS30で生成した共通鍵78を用いて復号化を実行する。CPU12は、復号化した一覧データ77をRAM13へ展開し(S73)、展開した後にS67を実行する。
【0070】
また、CPU12は、S69において、USBストレージ47が接続されていないと判断すると(S69:NO)、エラー画面を表示する(S75)。CPU12は、
図16に示すように、USBストレージ47が接続されていないため画像データ74をUSBストレージ47から読み出せない旨のメッセージ123を含むエラー画面125をタッチパネル21に表示する。CPU12は、例えば、エラー画面125のクローズボタン127をタッチ操作されるまで、エラー画面125をタッチパネル21に表示する。これにより、USBストレージ47が接続されていないことをユーザに認識させ、USBストレージ47を接続させるなどの適切な対応を実施させることができる。CPU12は、S75を実行すると、
図15に示す蓄積印刷処理を終了する。
【0071】
また、CPU12は、S67において、一覧データ(S65を実行した場合は一覧データ76、S73を実行した場合は一覧データ77)内に、S61でログインを検出したユーザ、即ち、現在のログインユーザのユーザ名と関連付けられた印刷ジョブ61(ジョブ名のレコード)が存在するか否かを判断する。CPU12は、ログインユーザのユーザ名が関連付けられた印刷ジョブ61が一覧データ76,77に存在しないと判断すると(S67:NO)、
図15に示す処理を終了する。この場合、ログインユーザの印刷ジョブ61が蓄積されておらず、印刷対象の印刷ジョブ61が存在しない状態である。
【0072】
一方、S67において、CPU12は、一覧データ76,77にログインユーザの印刷ジョブ61が存在すると判断すると(S67:YES)、S63と同様に、特定記憶機能が有効化であるか否かを判断する(S77)。CPU12は、特定記憶機能が無効であると判断すると(S77:NO)、一覧データ76内の印刷ジョブ61のうち、ログインユーザの印刷ジョブ61を選択し、その印刷ジョブ61に対応する画像データ73をRAM13から読み出す。この画像データ73は、暗号化されていないデータである。CPU12は、画像データ73に基づいて印刷部16により印刷を実行する(S79)。
【0073】
次に、CPU12は、S79の印刷に係わるデータを削除する(S81)。CPU12は、例えば、印刷を実行した画像データ73や、印刷処理において発生した一時データをRAM13から削除する(S81)。CPU12は、印刷を実行した印刷ジョブ61の情報(レコード)を一覧データ76から削除し、一覧データ76を更新する(S83)。なお、本実施形態では、CPU12は、S79で印刷を実行する度に、S81の削除処理やS83の更新処理を実行しているが、実行しなくとも良い。例えば、CPU12は、ログインユーザの印刷ジョブ61を全て印刷した後に、実行した印刷ジョブ61の画像データ73をまとめて削除し、一覧データ76を更新しても良い。
【0074】
CPU12は、S83を実行した後、S67を再度実行し、更新後の一覧データ76内にログインユーザの印刷ジョブ61が存在するか否か、即ち、蓄積印刷がまだ完了していない他の印刷ジョブ61が存在するか判断する。CPU12は、ログインユーザの印刷ジョブ61が残っている間(S67:YES)、S77以降を実行して印刷処理と一覧データ76の更新を実行する。また、CPU12は、ログインユーザの印刷ジョブ61を全て蓄積印刷すると(S67:NO)、
図15に示す蓄積印刷処理を終了する。
【0075】
また、CPU12は、S77において、特定記憶機能が有効であると判断すると(S77:YES)、一覧データ77内の印刷ジョブ61のうち、ログインユーザの印刷ジョブ61を選択し、その印刷ジョブ61に対応する画像データ74をUSBストレージ47から読み出す(S85)。画像データ74は、暗号化されているため、CPU12は、読み出した画像データ74を復号化し(S85)、復号化した画像データ74に基づいて印刷を実行する(S79)。CPU12は、特定記憶機能が無効である場合と同様に、S79で印刷した画像データ74等を削除し(S81)、一覧データ77を更新した後(S83)、S67の判断処理を実行する。CPU12は、一覧データ77内にログインユーザの印刷ジョブ61がなくなるまでS77~S85の処理を繰り返し実行する。
【0076】
(7.蓄積印刷以外の機能実行時の処理)
次に、蓄積印刷以外においてUSBストレージ47へ画像データを記憶する処理について説明する。以下の説明では、蓄積印刷以外においてUSBストレージ47へ画像データを記憶する処理の一例として、Scan to USB機能の処理について説明する。
図19は、Scan to USB機能の処理の流れを示している。MFP1は、例えば、タッチパネル21においてScan to USB機能を実行させるための開始ボタンを表示すると、
図19に示すScan to USB機能処理を開始する。なお、蓄積印刷以外においてUSBストレージ47へ画像データを記憶する機能としては、Scan to USB機能の他に、例えばFAXインタフェース18を介して受信したFAXデータ(画像データの一例)を、USBストレージ47へ記憶する機能を採用しても良い。この場合にも、以下のScan to USB機能と同様に、USBストレージ47の接続を確認しながらFAXデータをUSBストレージ47へ記憶しても良い。
【0077】
まず、
図19のS91において、CPU12は、タッチパネル21に表示したScan to USB機能の開始ボタン(図示略)が押下されたか否かを判断する。CPU12は、開始ボタンを押下されるまでの間(S91:NO)、S91の判断処理を繰り返し実行する。
【0078】
CPU12は、開始ボタンの押下を検出すると(S91:YES)、USBストレージ47が接続されているか否かを判断する(S93)。CPU12は、フロント側USBポート45及びリア側USBポート46のうち、少なくとも一方にUSBストレージ47が接続されている場合、S93において肯定判断する(S93:YES)。また、CPU12は、フロント側USBポート45及びリア側USBポート46の両方にUSBストレージ47が接続されていない場合、S93において否定判断する(S93:NO)。
【0079】
CPU12は、S93で否定判断すると(S93:NO)、エラー画面を表示する(S95)。この場合、MFP1には、USBストレージ47が接続されていない状態となる。CPU12は、
図17に示すように、Scan to USB機能で使用できるUSBストレージ47が接続されていない旨のメッセージ129を含むエラー画面131をタッチパネル21に表示する。CPU12は、例えば、エラー画面131のクローズボタン135をタッチ操作されるまで、エラー画面131をタッチパネル21に表示する。これにより、USBストレージ47の接続をユーザに促すことができる。CPU12は、S95を実行すると、
図19に示す処理を終了する。
【0080】
一方、CPU12は、S93において肯定判断すると(S93:YES)、特定記憶機能が有効であるか否かを判断する(S97)。CPU12は、不揮発性メモリ15のフラグ値に基づいて特定記憶機能の有効/無効を判断し、有効である場合(S97:YES)、S99を実行し、無効である場合(S97:NO)、S101を実行する。
【0081】
S101において、CPU12は、複数のUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。本実施形態のMFP1は、フロント側USBポート45と、リア側USBポート46の2つのUSBポートを有している。このため、特定記憶機能が無効である場合、2つのUSBポートをScan to USB機能で使用することができる。そこで、S101において、CPU12は、2つのUSBポートの両方にUSBストレージ47が接続されているか否かを判断する。
【0082】
CPU12は、2つのUSBポートの両方にUSBストレージ47が接続されていることを検出すると(S101:YES)、USBポートを選択するための選択画面を表示する(S103)。
図18に示すように、CPU12は、Scan to USB機能で生成したスキャンデータを記憶するUSBストレージ47が接続されたUSBポートの選択を促すメッセージ137と、フロント側USBポート45を選択する選択ボタン139と、リア側USBポート46を選択する選択ボタン141とを含む選択画面143を、タッチパネル21に表示する。CPU12は、選択画面143において何れかの選択ボタン139,141の押下を検出すると押下された選択ボタン139,141に応じたUSBポートを、Scan to USB機能で使用するポートに設定する(S105)。
【0083】
次に、CPU12は、S105で設定したUSBポートに接続されたUSBストレージ47を使用してScan to USB機能を実行する(S107)。CPU12は、画像読取部17による原稿の読み取りを実行し、生成したスキャンデータを、S105で設定したUSBポートに接続されたUSBストレージ47へ記憶する。CPU12は、スキャンデータを暗号化せずに記憶する。これは、スキャンデータを、PC53などで確認する際に、暗号化されていると確認できないためである。CPU12は、S107の処理を実行すると、
図19に示すScan to USB機能処理を終了する。
【0084】
一方、CPU12は、S101において2つのUSBポートのうち、一方のUSBポートにのみUSBストレージ47が接続されていることを検出すると(S101:NO)、S109を実行する。この場合、フロント側USBポート45又はリア側USBポート46の一方にUSBストレージ47が接続された状態となる。CPU12は、USBストレージ47が接続されたUSBポートを、Scan to USB機能で使用するUSBポートに設定する(S109)。そして、CPU12は、そのUSBポート及びUSBストレージ47を用いてScan to USB機能を実行する(S107)。
【0085】
また、S99において、CPU12は、Scan to USB機能で使用可能なUSBポートが存在するか否かを判断する。S99を実行する場合、特定記憶機能が有効である。また、本実施形態のMFP1は、2つのUSBポート(フロント側USBポート45及びリア側USBポート46)しか備えていないため、一方のUSBポートを特定記憶機能の専用ポートに使用すると、他の機能(Scan to USB機能など)で使用可能なUSBポートが残りの1つのUSBポートのみとなる。このため、CPU12は、S99において、残りのUSBポートに、スキャンデータが記憶可能なUSBストレージ47が接続されているか否かを判断することで、Scan to USB機能で使用可能なUSBポートが存在するか否かを判断できる。ここでいうスキャンデータが記憶可能なUSBストレージ47とは、キーボード等の記憶装置以外の接続機器でなく、且つ、スキャンデータを記憶可能な記憶容量を有する記憶装置である。
【0086】
CPU12は、S99において、残りのUSBポートに、スキャンデータが記憶可能なUSBストレージ47が接続されていることを検出すると肯定判断する(S99:YES)。また、CPU12は、USBストレージ47が接続されていない場合や、キーボード等の記憶装置以外の接続機器が接続されている場合否定判断する(S99:NO)。CPU12は、S99で肯定判断すると(S99:YES)、使用可能なUSBポート、即ち、上記した残りのUSBポートを、Scan to USB機能で使用するUSBポートに設定する(S109)。CPU12は、Scan to USB機能を実行する(S107)。
【0087】
一方、CPU12は、S99で否定判断した場合(S99:NO)、エラー画面131(
図17参照)を表示する(S95)。このようにして、CPU12は、特定記憶機能の設定と、USBストレージ47の接続状態に応じてScan to USB機能を実行できる。
【0088】
因みに、MFP1は、画像形成装置の一例である。CPU12は、制御部の一例である。RAM13は、記憶部の一例である。印刷部16は、画像形成部の一例である。タッチパネル21は、認証情報受付部の一例である。ネットワークインタフェース24は、第1インタフェースの一例である。フロント側USBIF26、リア側USBIF27、フロント側USBポート45、リア側USBポート46は、第2インタフェースの一例である。USBストレージ47は、可搬性の記憶装置の一例である。印刷ジョブ61は、画像形成ジョブの一例である。画像データ73、画像データ74は、画像形成データの一例である。
【0089】
(8.効果)
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のMFP1のCPU12は、印刷ジョブ61に係わる画像データ74をUSBストレージ47へ記憶する特定記憶機能を有効化する操作又は特定記憶機能を無効化する操作を受け付けるS11の処理(受付処理の一例)と、S11の処理において特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて(S11:YES)、特定記憶機能を有効化するS29の処理(有効化処理の一例)と、S11の処理において特定記憶機能を無効化する操作を受け付けることに応じて(S11:NO)、特定記憶機能を無効化するS35の処理(無効化処理の一例)と、S29の処理により特定記憶機能が有効化された状態において印刷ジョブ61を受信すると(S43:YES)、印刷ジョブ61に係わる画像データ74をUSBストレージ47へ記憶するS54の処理(第1記憶処理の一例)と、S54の処理によりUSBストレージ47に記憶した画像データ74に基づいて、印刷部16により画像を形成するS85,S79の処理(第1画像形成処理の一例)と、S35の処理により特定記憶機能が無効化された状態において印刷ジョブ61を受信すると(S43:NO)、印刷ジョブ61に係わる画像データ73をRAM13へ記憶するS49の処理(第2記憶処理の一例)と、S49の処理によりRAM13に記憶した画像データ73に基づいて、印刷部16により画像を形成するS79の処理(第2画像形成処理の一例)と、を実行する。
【0090】
これによれば、CPU12は、特定記憶機能を有効化する操作を受け付けた場合、有効化後に受信した印刷ジョブ61に係わる画像データ74を、USBストレージ47へ記憶する。CPU12は、USBストレージ47へ記憶した画像データ74に基づいて、印刷部16により画像形成を実行する。一方、CPU12は、特定記憶機能を無効化する操作を受け付けた場合、無効化後に受信した印刷ジョブ61に係わる画像データ73を、MFP1に設けられたRAM13へ記憶する。このため、ユーザは、特定記憶機能を有効化又は無効化する操作を行なうことで、USBストレージ47に画像データ74を記憶するか否かを切り替えることができる。
【0091】
(2)また、MFP1は、認証情報を受け付けるタッチパネル21を備える。CPU12は、タッチパネル21により受け付けた認証情報(ユーザ名、パスワード)により認証に成功したことに基づいて(S61:YES)、S85,S79の処理を実行する。これによれば、CPU12は、画像データ74をUSBストレージ47へ蓄積しておき、その後にタッチパネル21による認証を実行する。CPU12は、認証に成功した場合、蓄積しておいた画像データ74に基づく画像形成を実行する。これにより、画像を形成した印刷物などが、画像形成を依頼したユーザ以外の他のユーザへ渡ってしまうことを抑制できる。
【0092】
(3)また、CPU12は、S49の処理により画像データ73をRAM13に記憶した状態において、S11の処理により特定記憶機能を有効化することを受け付けた場合(S:11YES、S15:YES)、RAM13に記憶された画像データ73を削除するS21の処理(第1削除処理の一例)を実行する。
【0093】
これによれば、CPU12は、S79の印刷処理が未完了の画像データ73がRAM13に記憶された状態で特定記憶機能が有効化されると、画像データ73をRAM13から削除する。RAM13内の画像データ73を削除するため、CPU12は、特定記憶機能を有効化した後、RAM13内の画像データを管理する必要がなくなり、USBストレージ47に記憶する画像データ74のみを管理すれば良い状態となる。このため、画像データ73,74の管理に係わる処理負担を軽減できる。
【0094】
(4)また、CPU12は、特定記憶機能を有効化することを受け付けた場合(S11:YES)、USBストレージ47に記憶されたデータを削除するS27の処理(第2削除処理の一例)を実行する。これによれば、特定記憶機能を有効化し画像データ74をUSBストレージ47へ記憶する前に、USBストレージ47内のデータを予め削除することで、画像データ74を記憶する記憶領域を確保できる。
【0095】
(5)また、CPU12は、S54の処理により画像データ74をUSBストレージ47に記憶した状態において、特定記憶機能を無効化することを受け付けた場合(S11:NO)、USBストレージ47に記憶された画像データ74を削除するS34の処理(第3削除処理の一例)を実行する。これによれば、CPU12は、S79の印刷処理が未完了の画像データ74がUSBストレージ47に記憶された状態で特定記憶機能が無効化されると、画像データ74をUSBストレージ47から削除する。USBストレージ47内の画像データ74を削除するため、CPU12は、特定記憶機能を無効化した後、USBストレージ47内の画像データ74を管理する必要がなくなり、RAM13に記憶する画像データ73のみを管理すれば良い状態となる。このため、画像データ73,74の管理に係わる処理負担を軽減できる。
【0096】
(6)また、CPU12は、S54の処理において、画像データ74を暗号化してUSBストレージ47へ記憶し、S49の処理において、画像データ73を暗号化せずにRAM13へ記憶する。これによれば、USBストレージ47へ記憶する画像データ74を暗号化することで、仮に、USBストレージ47がMFP1から取り外された後に紛失した場合など、USBストレージ47に記憶された画像データ74の解読を困難にすることができる。即ち、USBストレージ47に記憶した画像データ74のセキュリティを高めることができる。また、RAM13に記憶する画像データ73を暗号化しないことで、RAM13に対する画像データ73の書き込み処理及びRAM13からの画像データ73の読み出し処理の処理負荷を軽減できる。
【0097】
(7)また、CPU12は、特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて(S11:YES)、S54の処理において画像データ74の暗号化に用いる共通鍵78(暗号化鍵の一例)を新たに生成する(S30)。これによれば、CPU12は、特定記憶機能を有効化する操作を受け付けることに応じて、暗号化に用いる共通鍵78を新たに生成する。これにより、同一の暗号化鍵を使用し続ける場合に比べて、暗号化された画像データ74の解読を困難にし、情報の漏洩を防ぐことが可能となる。
【0098】
(8)また、CPU12は、特定記憶機能を有効化すること受け付けた場合(S11:YES)、USBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量以上であるか否かを判断するS26の処理(記憶容量判断処理の一例)と、S26の処理の結果、USBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量未満であった場合(S26:NO)、特定記憶機能を有効化せずにエラーを報知するS28の処理(報知処理の一例)と、を実行する。
【0099】
USBストレージ47の記憶容量が小さい場合、USBストレージ47へ記憶する画像データ74のデータ量が増加すると、画像データ74をUSBストレージ47へ記憶できない事態が生じる可能性がある。あるいは、USBストレージ47の記憶容量が小さい場合、USBストレージ47の単位記憶領域当たりの書き込み回数や読み出し回数が増加し、USBストレージ47の故障を招く可能性が高くなる。そこで、CPU12は、特定記憶機能を有効化する前に、USBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量以上であるか否かを判断し、所定記憶容量未満である場合、特定記憶機能を有効化せずにエラーを報知する。これにより、特定記憶機能を有効化するのに十分な記憶容量がないことをユーザに認識させ、USBストレージ47を取り替えるなど、適切な対応を促すことができる。
【0100】
(9)また、第2インタフェースとして、USB(Universal Serial Bus)規格に準じた通信により画像データ74を通信するUSBインタフェースを採用しても良い。これによれば、USBメモリやUSB接続のハードディスクなど、一般的に広く使用されている可搬性の記憶装置を、画像データ74の記憶装置に使用できる。
【0101】
(10)また、画像形成部として、画像データ73,74に基づいて画像を印刷する印刷部16を採用しても良い。これによれば、印刷に係わる画像データ73,74の記憶先を、特定記憶機能の有効又は無効の操作に応じて変更する画像形成装置を構成できる。
【0102】
(9.変形例)
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、記憶部や可搬性の記憶装置へ記憶する画像形成ジョブは、印刷ジョブ61に限らず、スキャン機能の実行を指示するスキャンジョブ、FAX機能の実行を指示するFAXジョブ等でも良い。
【0103】
また、S85,S79の第1画像形成処理の実行を開始する条件は、ログイン認証の成功に限らない。CPU12は、例えば、タッチパネル21の特定のボタンがタッチされたことに基づいて、S85やS79を実行し、USBストレージ47に蓄積した画像データ74を印刷しても良い。
本願発明に係わるログイン認証の認証方法は、パスワードを用いた方法に限らない。例えば、認証カードと無線通信による認証方法、指紋などの生体認証の方法でも良い。また、例えば、MFP1は、携帯端末から受信したデータに基づいてログインを許可するか判断しても良い。ユーザは、携帯端末でユーザ名やパスワードを入力してMFP1に送信しログイン操作を行っても良い。
また、CPU12は、特定記憶機能を有効化する際に、RAM13内の画像データ73を削除したが(S21)、削除しなくとも良い。例えば、CPU12は、RAM13内の画像データ73を、USBストレージ47へ移動させ、画像データ74と一緒に管理しても良い。
【0104】
また、CPU12は、特定記憶機能を有効化する際に、USBストレージ47内のデータを削除したが(S27)、削除しなくとも良い。例えば、CPU12は、USBストレージ47に記憶されたデータを残したまま、空き容量に画像データ74や一覧データ77を記憶しても良い。あるいは、CPU12は、USBストレージ47のデータを、USBストレージ47とは別の場所に移動させても良い。
また、CPU12は、特定記憶機能を無効化する際に、USBストレージ47内の画像データ74を削除したが(S34)、削除しなくとも良い。例えば、CPU12は、USBストレージ47内の画像データ74を、RAM13へ移動させ、画像データ73と一緒に管理しても良い。
【0105】
また、CPU12は、RAM13へ記憶する画像データ73及び一覧データ76の少なくとも一方を暗号化しても良く、USBストレージ47へ記憶する画像データ74及び一覧データ77の少なくとも一方を暗号化しなくとも良い。
また、CPU12は、特定記憶機能を有効化されるごとに共通鍵78を新たに生成したが(S30)、新たに生成せずに同一の共通鍵78を用いても良い。あるいは、CPU12は、複数の共通鍵78を、特定記憶機能の有効化ごとにローテーションさせながら使用しても良い。
また、CPU12は、USBストレージ47の記憶容量が所定記憶容量未満である場合、特定記憶機能を有効化せずにエラーを報知したが(S28)、記憶容量に係わらず機能を有効化しても良い。
また、本願発明に係わる画像形成部は、印刷部16に限らず、画像読取部17、FAXインタフェース18等の他の画像を形成する装置でも良い。
また、MFP1は、USBポートを1つだけ備えた構成でも良く、3以上の複数のUSBポートを備える構成でも良い。この場合、CPU12は、例えば、S11の処理において
図3に示す設定画面81に、3以上の複数のUSBポートを選択可能な選択ボタンを表示して、USBポートの選択を受け付けても良い。同様に、CPU12は、例えば、S103の処理において
図18に示す選択画面143に、3以上の複数のUSBポートを選択可能な選択ボタンを表示して、USBポートの選択を受け付けても良い。また、CPU12は、例えば、S99の処理において、特定記憶機能で使用するUSBポート以外の複数のUSBポートについてUSBストレージ47が接続されているか等を順番に判断しても良い。
また、CPU12は、特定記憶機能に使用するUSBポートを複数設定しても良い。この場合、CPU12は、例えば、S22の処理において、特定記憶機能に使用する設定とした複数のUSBポートの全てについてUSBストレージ47が接続されているか判断し、少なくとも1つに接続されている場合、肯定判断しても良い(S22:YES)。
【0106】
また、上記実施形態では、本願発明に係わる制御部として、所定のプログラムを実行するCPU12を採用したが、これに限らない。例えば、制御部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアで構成してもよい。また、制御部は、例えばソフトウェアによる処理と、ハードウェアによる処理とを併用して動作する構成でもよい。
また、上記実施形態では、本願発明に係わる画像形成装置として複合機であるMFP1を採用したが、これに限らない。本願発明に係わる画像形成装置は、プリント機能のみを有するプリンタ装置でもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 MFP(画像形成装置)、12 CPU(制御部)、13 RAM(記憶部)、21 タッチパネル(認証情報受付部)、16 印刷部(画像形成部)、24 ネットワークインタフェース(第1インタフェース)、26 フロント側USBIF(第2インタフェース)、27 リア側USBIF(第2インタフェース)、45 フロント側USBポート(第2インタフェース)、46 リア側USBポート(第2インタフェース)、47 USBストレージ(可搬性の記憶装置)、61 印刷ジョブ(画像形成ジョブ)、73,74 画像データ(画像形成データ)、78 共通鍵(暗号化鍵)。