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  • 特許-修理工事優先順位決定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】修理工事優先順位決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230905BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230905BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/06
H02J13/00 311R
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019157178
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021033952
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】田村 直輝
(72)【発明者】
【氏名】大野 一哉
(72)【発明者】
【氏名】岸田 大地
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-018024(JP,A)
【文献】特開2019-087201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の不良箇所の登録を受け付け、
登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、
検索された停電範囲における重要負荷にかかる需要者および高圧な電力を供給している需要者を特定し、
特定された需要者に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする修理工事優先順位決定方法。
【請求項2】
設備の不良箇所の登録を受け付け、
登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、
検索された停電範囲における停電戸数を特定し、
特定された停電戸数に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする修理工事優先順位決定方法。
【請求項3】
設備の不良箇所の登録を受け付け、
登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、
検索された停電範囲における過去の停電実績を特定し、
特定された停電実績に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする修理工事優先順位決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電柱などの設備の不良箇所の修理工事の優先順位を決定する修理工事優先順位決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、担当者(たとえば、保守員)の点検巡視および特定巡視において、電柱などの設備の不良箇所を発見した場合には、まずは、修理情報を登録する。そして、修理情報から設計書を作成し、作成した設計書に基づいて修理工事を発注している。その際、多数ある修理情報の中から担当者の判断により、修理工事の優先順位を決めて発注するのが一般的である。したがって、具体的な理由がなく過去の経験や担当者の感覚で決めている。
【0003】
関連する技術として、たとえば、各機器の設置年数や機器材料などの属性を表す機器属性と、各機器の過去の故障の有無を表す故障実績と、各機器に対する巡視で発見された異常を表す巡視実績とを記憶し、記憶されている機器属性の組み合わせで機器を分類し、機器の故障率と、機器の巡視実績とをもとにベイズの定理を用いて、巡視で異常が発見された機器が、故障する確率を故障率として算出する設備劣化予測システムおよび設備劣化予測方法に関する技術がある(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0004】
また、関連する技術として、たとえば、外部からの情報提供により電力設備の状態にかかる情報を早期に収集することで、調査業務または巡視業務を効率的に支援することができる電力設備調査巡視支援システムに関する技術がある(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【0005】
また、関連する技術として、たとえば、配電設備に近接して実施される伐採工事を含む管理対象工事を管理するための工事施工管理装置、工事施工管理システム及び工事施工管理方法に関する技術がある(たとえば、下記特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-97392号公報
【文献】特開2006-235901号公報
【文献】特開2011-141625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、修理工事をおこなう優先順位を決める判断が担当者ごとに異なることにより、優先順位にばらつきが生じる。また、その決定においては、事故停電した場合の影響などは考慮されていないため、停電原因の説明をしなければならないなど、重要負荷にかかる需要者や高圧の電力を供給している需要者の長時間停電事故が発生したときの影響が大きいという問題点があった。また、長時間停電事故の場合には、できるだけ需要者数を少なくしたいとの要望がある。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、修理工事をおこなう不良箇所の適切な優先順位を決定し、配電線事故発生時の停電の影響を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法は、設備の不良箇所の登録を受け付け、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、検索された停電範囲における重要負荷にかかる需要者および高圧な電力を供給している需要者を特定し、特定された需要者に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法は、設備の不良箇所の登録を受け付け、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、検索された停電範囲における停電戸数を特定し、特定された停電戸数に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法は、設備の不良箇所の登録を受け付け、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、検索された停電範囲における過去の停電実績を特定し、特定された停電実績に応じて、前記不良箇所の修理工事の優先順位を決定する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明にかかる修理工事優先順位決定方法によれば、修理工事をおこなう不良箇所の適切な優先順位を決定し、配電線事故発生時の停電の影響を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明にかかる実施の形態の修理工事優先順位決定方法を実現する全体システムの概要の一例を示す説明図である。
図2】この発明にかかる実施の形態の修理工事優先順位決定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3】重要負荷リストの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(全体システムの構成)
図1は、この発明にかかる実施の形態の修理工事優先順位決定方法を実現する全体システムの概要の一例を示す説明図である。図1において、全体システムは、保守業務管理システム101、配電自動化システム102、配電線事故管理システム103、事故停電影響範囲検索システム104の各システムから構成される。
【0016】
各システム101~104は、サーバと、情報端末装置(パーソナルコンピュータ、タブレット端末など)とを備える。サーバと情報端末装置は、それぞれ、インターネットや社内LANなどのネットワークによって接続されている。
【0017】
ここで、サーバは、各施設の各種情報を管理するコンピュータである。サーバは、当該サーバに接続されている情報端末装置を管理・制御する。また、情報端末装置間の情報の送受信を制御する。
【0018】
各システム101~104は、それぞれサーバを備えていてもよく、また、各システム101~104を一つまたは複数のサーバによって管理するようにしてもよい。いずれにせよ、各システム101~104はそれぞれ接続されており、各システム101~104間における情報の送受信をおこなうことができる。
【0019】
各サーバおよび各情報端末装置は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信インタフェースなどによって構成される。CPUは、サーバ、情報端末装置の全体の制御をつかさどる。メモリは、ブートプログラムなどのプログラムや各種データなどを記憶している。また、メモリは、CPUのワークエリアとして使用される。メモリは、たとえば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)およびHD(Hard Disc)などによって実現することができる。通信インタフェースは、ネットワークに接続され、各システム101~104の内部と外部装置との有線あるいは無線の情報通信をつかさどる。より具体的には、LANケーブル、無線LAN、Wi-Fi、移動通信規格(3G、4G、5G)、PHS回線などによる通信であってもよい。
【0020】
また、各サーバおよび各情報端末装置は、入力装置(キーボード、タッチパネル、各種スイッチやボタンを備えた操作パネル、マウスなどのポインティングデバイスなど)および表示画面を備えていてもよい。表示画面は、文字、画像、図形などのほか、入力欄や各種ボタンなどを表示する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。
【0021】
保守業務管理システム101は、担当者100が、点検巡視・定期巡視などで、電柱などの設備の不良箇所を発見した場合に、当該不良箇所の登録を受け付ける。具体的には、保守業務管理システム101は、担当者100からの不良箇所の修理票の登録を受け付ける。
【0022】
配電自動化システム102は、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索する。具体的には、配電自動化システム102は、配線情報が記憶されているデータベースなどを用いて、シミュレーションにより停電範囲を推測するなどして、当該停電範囲を検索する。また、配電自動化システム102は、検索された停電範囲における重要負荷にかかる需要者および高圧な電力を供給している需要者を特定する。また、配電自動化システム102は、検索された停電範囲における停電戸数を特定する。具体的には、配電自動化システム102は、戸数に関するデータベースなどを用いて、停電範囲における停電戸数を算出するなどして、当該停電戸数を特定する。
【0023】
配電線事故管理システム103は、検索された停電範囲における過去の停電実績を特定する。配電線事故管理システム103は、具体的には、たとえば、配電線事故が、いつどこで発生したか、また、配電線事故が発生した場合に、事故区間内の不良設備(修理票)が登録されているシステムを活用して、過去の事故の原因(分類:電柱、電線、変圧器、開閉器、その他)・気象(晴れ、雨、雪、風、雷)・事故種別(地絡・短絡)などのデータベースから事故原因を想定し、事故区間内の原因と想定される不良箇所(修理票)が管理されているデータベースより該当設備を検索するなどして、過去の停電実績を特定する。
【0024】
また、配電線事故管理システム103は、たとえば、市販されている地図ソフトを利用して、装柱などが登録されているシステムを活用することで、現場の情報を迅速に全体システムにおいて共有することができる。これらにより、配電線事故の復旧を早めることができる。
【0025】
事故停電影響範囲検索システム104は、配電自動化システム102において特定された需要者に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定する。具体的には、あらかじめ作成されている、いわゆる重要負荷リスト(たとえば、後述する図3における重要負荷リスト300)の需要者と、配電自動化システム102において特定された需要者とが一致するか否かを判断し、両者が一致する場合には、当該不良箇所の修理工事の優先順位を高くする。また、重要負荷リストの需要者と、配電自動化システム102において特定された需要者とが一致しない場合は、当該不良箇所の修理工事の優先順位を低くする。また、一致の度合い(一致する需要者の多さ)によって、当該不良箇所の修理工事の優先順位を変更するようにしてもよい。すなわち、一致する需要者が多い場合は、当該不良箇所の修理工事の優先順位を比較的高くし、一致する需要者が少ない場合は、当該不良箇所の修理工事の優先順位を比較的低くするようにしてもよい。
【0026】
また、事故停電影響範囲検索システム104は、配電自動化システム102において特定された停電戸数に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定する。具体的には、たとえば、所定の停電戸数(たとえば、400戸)以上であれば、当該不良箇所の修理工事の優先順位を高くし、それより少なければ、当該不良箇所の修理工事の優先順位を低くする。所定の停電戸数は、地域ごとに任意に設定することができる。
【0027】
また、事故停電影響範囲検索システム104は、配電線事故管理システム103において特定された停電実績に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定する。具体的には、たとえば、長時間事故の実績が過去の所定期間(たとえば6ヶ月未満)にあったか否かを判断して、あった場合は、当該不良箇所の修理工事の優先順位を高くし、なかった場合は、当該不良箇所の修理工事の優先順位を低くすることができる。
【0028】
また、事故停電影響範囲検索システム104は、配電自動化システム102において特定された需要者、配電自動化システム102において特定された停電戸数、および、配電線事故管理システム103において特定された停電実績、の少なくとも2つを総合的に判断して、当該不良箇所の修理工事の優先順位を決定するようにしてもよい。
【0029】
このようにして、事故停電影響範囲検索システム104は、不良箇所の修理工事の優先順位を決定し、その優先順位に関する情報を、担当者100に提供する。不良箇所の表示は、市販されている地図ソフトを利用して、装柱などが登録されているシステムを活用して、表示された地図上に不良箇所を表示し、その不良箇所に対する優先順位を表示するようにしてもよい。このようにして、全体システムにおいて、設備の不良箇所の情報を、当該不良箇所の位置情報とともに、共有することができる。これにより、不良箇所を正確に把握することが可能となる。地図上に表示することによって、住所や電柱番号などで確認するよりも、不良箇所の位置の誤認識をより軽減することができる。担当者100は、その優先順位に関する情報を参照することで、設計書を作成し、修理工事の発注をすることができる。このように、不良箇所の修理工事をより効率的かつ確実に進めることができる。
【0030】
(修理工事優先順位決定の処理手順)
図2は、この発明にかかる実施の形態の修理工事優先順位決定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、担当者(保守員)100は、点検巡視・定期巡視などで、設備の不良箇所を発見する(ステップS201)。そして、保守業務管理システム101が、不良箇所の修理票の登録を受け付ける(ステップS202)。
【0031】
つぎに、配電自動化システム102が、不良箇所が原因の停電範囲を検索する(ステップS203)。そして、配電自動化システム102が、検索された停電範囲の重要負荷にかかる需要者および高圧な電力を供給している需要者を特定する(ステップS204)。さらに、配電自動化システム102が、停電戸数を特定する(ステップS205)。
【0032】
つぎに、配電線事故管理システム103が、ステップS203において、配電自動化システム102により検索された停電範囲の過去の停電実績を特定する(ステップS206)。
【0033】
その後、事故停電影響範囲検索システム104が、重要負荷リストの需要者と、ステップS204において、配電自動化システム102により特定された需要者とが一致するか否かを判断する(ステップS207)。ここで、重要負荷リストの需要者と、ステップS204において、配電自動化システム102により特定された需要者とが一致する場合(ステップS207:Yes)は、ステップS210へ移行し、当該不良箇所については、修理工事の優先順位を「A(高い)」に決定し(ステップS210)、ステップS212へ移行する。
【0034】
ステップS207において、重要負荷リストの需要者と、配電自動化システム102により特定された需要者とが一致しない場合(ステップS207:No)は、つぎに、ステップS205において配電自動化システム102により特定された停電戸数が400戸以上であるか否かを判断する(ステップS208)。ここで、停電戸数が400戸以上である場合(ステップS208:Yes)は、ステップS210へ移行し、当該不良箇所については、修理工事の優先順位を「A(高い)」に決定し(ステップS210)、ステップS212へ移行する。
【0035】
ステップS208において、停電戸数が400戸未満である場合(ステップS208:No)は、つぎに、ステップS206において、配電線事故管理システム103により特定された停電実績が6ヶ月未満にあったか否かを判断する(ステップS209)。ここで、停電実績が6ヶ月未満にあった場合(ステップS209:Yes)は、ステップS210へ移行し、当該不良箇所については、修理工事の優先順位を「A(高い)」に決定し(ステップS210)、ステップS212へ移行する。
【0036】
ステップS209において、停電実績が6ヶ月未満になかった場合(ステップS209:No)は、当該不良箇所については、修理工事の優先順位を「B(低い)」に決定し(ステップS211)、ステップS212へ移行する。
【0037】
ステップS212において、担当者100は、停電範囲における修理工事の優先順位をもとに、設計書を作成する(ステップS212)。これにより、一連の処理を終了する。修理工事の優先順位の情報は、たとえば、地図ソフトを利用して、地図上に不良箇所を表示して、その不良箇所ごとに表示するようにしてもよい。担当者100は、地図上に表示された不良箇所を確認しながら、設計書を作成することができる。
【0038】
(重要負荷リスト300の内容)
図3は、重要負荷リストの一例を示す説明図である。図3において、重要負荷リスト300は、「供給発変電所」、「フィーダ」、「バンク」、「電柱番号」、「お客様」、「業種」、「需要場所」、「連絡先(TEL)」、「契約種別」、「契約電力」、「自家発(非常用含)」の各項目からなる。「供給発変電所」、「フィーダ」、「バンク」、「電柱番号」において、需要者の所在に関する情報を特定する。また、「お客様」は需要者の名前(名称)に関する情報を特定する。また、「業種」によって、重要負荷にかかる需要者であるかを判断する。公共性が高い業種であれば重要負荷にかかる需要者であると判断することができる。また、「需要場所」、「連絡先(TEL)」、「契約種別」、「契約電力」、「自家発(非常用含)」などによって、需要者に関する情報を特定することができる。
【0039】
このように、重要負荷にかかる需要者を特定する重要負荷リスト300をあらかじめ作成しておき、事故停電影響範囲検索システム104において、停電範囲に含まれる需要者が、この重要負荷リスト300にある需要者と一致するかを判断する。これにより、修理の優先順位を適切に決めることができ、より影響度の高い順に事故停電を未然に防止することができる。また、エリアでの工事発注をおこなうことで、工事調整担当者の調整時間短縮による効率化を図ることができる。さらには、影響度合いの大きい範囲を知ることができる、それにより、担当者意識の向上を図ることができる。また、事故停電時での復旧時間を短縮することができる。
【0040】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の修理工事優先順位決定方法は、保守業務管理システム101が、設備の不良箇所の登録を受け付け、配電自動化システム102が、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、検索された停電範囲における重要負荷にかかる需要者および高圧な電力を供給している需要者を特定し、事故停電影響範囲検索システム104が、特定された需要者に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定するので、配電線事故が発生した場合でも、重要負荷にかかる需要者、高圧な電力を供給している需要者に停電の影響が及ばないように、修理工事の優先順位を高くすることができる。
【0041】
また、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法は、保守業務管理システム101が、設備の不良箇所の登録を受け付け、配電自動化システム102が、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、検索された停電範囲における停電戸数を特定し、事故停電影響範囲検索システム104が、特定された停電戸数に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定するので、配電線事故が発生した場合でも、停電の影響を受ける需要者(戸数)をできるだけ少なくするように、修理工事の優先順位を高くすることができる。
【0042】
また、この発明にかかる修理工事優先順位決定方法は、保守業務管理システム101が、設備の不良箇所の登録を受け付け、配電自動化システム102が、登録された不良箇所が原因となる停電範囲を検索し、配電線事故管理システム103が、検索された停電範囲における過去の停電実績を特定し、事故停電影響範囲検索システム104が、特定された停電実績に応じて、不良箇所の修理工事の優先順位を決定するので、配電線事故が発生する可能性をできるだけ低くできるように、修理工事の優先順位を高くすることができる。
【0043】
このように、電柱などの設備の不良箇所について、停電範囲・停電戸数・重要負荷を把握することで、修理工事の優先順位を決め、優先順に改修を実施する。これにより、影響の度合いが大きい順の事故停電の未然防止につなげることができる。したがって、配電線事故発生時の停電の影響を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、設備の不良箇所の修理工事の優先順位を決定する修理工事優先順位決定方法に有用であり、特に、修理工事をおこなう不良箇所の適切な優先順位を決定し、配電線事故発生時の停電の影響を軽減する修理工事優先順位決定方法に適している。
【符号の説明】
【0045】
100 担当者
101 保守業務管理システム
102 配電自動化システム
103 配電線事故管理システム
104 事故停電影響範囲検索システム
300 重要負荷リスト
図1
図2
図3