(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20230905BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G03G21/00 312
G03G21/16 190
(21)【出願番号】P 2019169452
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】野原 佑太
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-053409(JP,A)
【文献】特開平07-092802(JP,A)
【文献】特開2016-031488(JP,A)
【文献】特開2007-086343(JP,A)
【文献】特開2016-099489(JP,A)
【文献】特開2017-107059(JP,A)
【文献】特開2018-066789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0186063(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像をシートに転写して画像形成する画像形成装置であって、
前記シートを収容するカセットが着脱可能に装着されるカセット装着部と、
前記カセット装着部に隣接して配置され、前記シートに転写されずに排出される廃トナーを収容する回収容器が着脱可能に装着される回収側装着部と、を備え、
前記カセット装着部は、
前記カセットをスライド可能に支持するカセットレールと、
前記カセットレールを保持するレール保持部材と、を含み、
前記回収側装着部は、前記回収容器に対向して配置され、前記回収容器に収容された前記廃トナーの蓄積量によって変化する静電容量を検出する変位センサーを有し、
前記レール保持部材は、前記変位センサーの少なくとも一部に対向して配置され
、
前記回収容器は、
円筒状に形成され、外周面から径方向内側に突出した螺旋状の搬送リブを有する容器本体と、
前記容器本体の軸方向一端部を軸周りに回転可能に支持し、前記容器本体の内部に連通する連通口を有するキャップと、を含み、
前記回収側装着部は、前記キャップを固定し、前記容器本体を回転可能に支持し、
前記回収側装着部に装着された前記容器本体が軸周りに回転することで、前記連通口から前記容器本体の内部に導入された前記廃トナーが軸方向他方に向かって搬送され、
前記変位センサーの少なくとも一部は、前記容器本体の軸方向中央よりも他方において前記容器本体と前記レール保持部材との間に配置されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変位センサーは、前記回収容器を挟んで対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出し、
前記送信電極と前記受信電極のうち一方は、前記レール保持部材に対向して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変位センサーは、前記回収容器と前記レール保持部材との間に配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出し、
前記送信電極と前記受信電極の少なくとも一方は、前記レール保持部材に対向して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、記録材に転写されなかった残留トナーを像担持体から除去するクリーニング装置を備えていた。クリーニング装置は、残留トナーを収容する収容容器と、収容容器内の残留トナーが所定量に達したことを検知する第1および第2の検知手段と、を備えていた。第1および第2の検知手段は、収容容器の内部で上下に離間して配置された2つの入力電極と、2つの入力電極の中間に配置された1つの出力電極と、2つの入力電極を切り替えるスイッチと、スイッチでつながる1つの入力電極と出力電極との間の静電容量を検知する検知回路と、を有していた。2つの入力電極をスイッチで切り替えることで、収容容器が満タンに近い状態と満タンになった状態とを検知していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した画像形成装置(クリーニング装置)では、複数の電極を収容容器の内部に設けなければならないため、収容容器の構造が複雑になり製造コストが増加する虞があった。また、収容容器の内部複数の電極を収容容器の外部にある検知回路等に接続しなければならないため、クリーニング装置の構造が複雑になり製造コストが増加する虞があった。
【0005】
上記のような問題に対し、例えば、収容容器の外側に非接触式の静電容量センサーを配置し、この静電容量センサーが収容容器内の残留トナーの蓄積量を検出することも考えられる。しかしながら、非接触式の静電容量センサーが検出する静電容量は、静電容量センサーと検出対象との距離によって変化するため、静電容量センサーの周囲に配置された部品が移動すると、静電容量センサーは正確な静電容量を検出することができない。したがって、静電容量センサーを可動部品の近傍に配置すると、残留トナーの蓄積量を適正に検出することができない。
【0006】
ところで、一般的に、収容容器は、落下する残留トナーを受け入れるため、残留トナーの発生源である像担持体等よりも下方、つまり画像形成装置の下部に配置されることが多い。また、画像形成装置の下部には、記録材(用紙)をセットする給紙カセットが着脱可能に設けられることが多い。着脱される給紙カセットの近傍に収容容器が配置されると、非接触の静電容量センサーが収容容器内の残留トナーの蓄積量を適正に検出することができない虞がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために、回収容器に収容された廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明は、トナー像をシートに転写して画像形成する画像形成装置であって、前記シートを収容するカセットが着脱可能に装着されるカセット装着部と、前記カセット装着部に隣接して配置され、前記シートに転写されずに排出される廃トナーを収容する回収容器が着脱可能に装着される回収側装着部と、を備え、前記カセット装着部は、前記カセットをスライド可能に支持するカセットレールと、前記カセットレールを保持するレール保持部材と、を含み、前記回収側装着部は、前記回収容器に対向して配置され、前記回収容器に収容された前記廃トナーの蓄積量によって変化する静電容量を検出する変位センサーを有し、前記レール保持部材は、前記変位センサーの少なくとも一部に対向して配置された。
【0009】
この場合、前記変位センサーは、前記回収容器を挟んで対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出し、前記送信電極と前記受信電極のうち一方は、前記レール保持部材に対向して配置されることが好ましい。
【0010】
他の場合、前記変位センサーは、前記回収容器と前記レール保持部材との間に配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出し、前記送信電極と前記受信電極の少なくとも一方は、前記レール保持部材に対向して配置されることが好ましい。
【0011】
この場合、前記回収容器は、円筒状に形成され、外周面から径方向内側に突出した螺旋状の搬送リブを有する容器本体と、前記容器本体の軸方向一端部を軸周りに回転可能に支持し、前記容器本体の内部に連通する連通口を有するキャップと、を含み、前記回収側装着部は、前記キャップを固定し、前記容器本体を回転可能に支持し、前記回収側装着部に装着された前記容器本体が軸周りに回転することで、前記連通口から前記容器本体の内部に導入された前記廃トナーが軸方向他方に向かって搬送され、前記変位センサーの少なくとも一部は、前記容器本体の軸方向中央よりも他方において前記容器本体と前記レール保持部材との間に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回収容器に収容された廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットおよび廃トナー回収装置等を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットおよび廃トナー回収装置等を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の廃トナー回収装置の前側周辺を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に設けられるトナーボトルを示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置のドラムクリーニング装置、ベルトクリーニング装置および排出搬送装置を示す概略図(平面から見た断面図)である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の廃トナー回収装置等を示す断面図(正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[第1実施形態]
図1ないし
図4を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1について説明する。
図1は画像形成装置1の内部構造を示す概略図(正面図)である。
図2は給紙カセット3および廃トナー回収装置13等を示す平面図である。
図3は給紙カセット3および廃トナー回収装置13等を示す正面図である。
図4は廃トナー回収装置13の前側周辺を示す斜視図である。
【0016】
[画像形成装置の概要]
画像形成装置1は、電子写真方式で形成したフルカラーのトナー像をシートSに転写して画像形成するカラープリンターである。
図1に示すように、画像形成装置1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下側には、給紙カセット3を装着するためカセット装着部10が設けられている。給紙カセット3には、例えば、紙製のシートS(またはシートSの束)が収容される。装置本体2の上面には、画像形成されたシートSを受ける排紙トレイ4が設けられている。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂フィルムやOHPシート等であってもよい。
【0017】
カセット装着部10は、給紙カセット3を装着するための空間を構成している。装置本体2の下側前面には、給紙カセット3を着脱するためのカセット装着部10の前面開口が形成されている。給紙カセット3は、上面を開口させた略直方体状(箱状)に形成されている。給紙カセット3は、カセット装着部10に着脱可能に装着されている。
【0018】
図3および
図4に示すように、給紙カセット3の左右両側面には一対のスライドガイド3Aが固定され、カセット装着部10の左右両側には一対のカセットレール10Aが設けられている(
図2ないし
図4では左側のみを図示している。)。スライドガイド3Aおよびカセットレール10Aは、例えば、ステンレス等の金属材によって形成されている。一対のカセットレール10Aは、一対のスライドガイド3Aをスライド可能に抱え込んでいる。これにより、一対のカセットレール10Aは、一対のスライドガイド3Aを介して給紙カセット3をスライド可能に支持している。
【0019】
また、カセット装着部10の左右両側には、一対のカセットレール10Aを保持する一対のレール保持部材11が設けられている(
図2ないし
図4では左側のみを図示している。)。レール保持部材11は、例えば、ステンレス等の金属の板材で形成されている。レール保持部材11は、カセット装着部10の前側(前後方向中央よりも前側)に配置されている。
図4に示すように、レール保持部材11は、前後方向に沿って起立姿勢で設けられた保持部本体11Aと、保持部本体11Aの前端上部から外側に屈曲した前面部11Bとを有し、平面から見て略L字状に形成されている。カセットレール10Aはレール保持部材11の保持部本体11Aに固定され、保持部本体11Aは装置本体2に固定されている。前面部11Bの下縁は、アーチ状に形成されている。
【0020】
また、
図1に示すように、画像形成装置1は、給紙部5と、画像形成部6と、定着装置7と、トナー補給装置12と、廃トナー回収装置13と、を装置本体2の内部に備えている。給紙部5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路8の上流側に設けられている。定着装置7は搬送路8の下流側に設けられ、画像形成部6は搬送路8において給紙部5と定着装置7との間に設けられている。トナー補給装置12は、画像形成部6よりも上方に設けられている。廃トナー回収装置13は、画像形成部6よりも下方に設けられている。
【0021】
画像形成部6は、中間転写ユニット14と、4つのドラムユニット15と、光走査装置16と、含んでいる。中間転写ユニット14は、排紙トレイ4の下方に設けられている。4つのドラムユニット15は、中間転写ユニット14の下側で左右方向に並んで設けられている。光走査装置16は、各ドラムユニット15の下側に設けられている。
【0022】
中間転写ユニット14は、装置本体2の内部の右側に配置された駆動ローラー20Aと装置本体2の内部の左側に配置された従動ローラー20Bとに巻き掛けられた中間転写ベルト21を有している。駆動ローラー20Aがモーター(図示せず)によって回転駆動されると、中間転写ベルト21が左回りに回転する(
図1の矢印参照)。また、従動ローラー20Bの左側にはベルトクリーニング装置22が配置されている。
【0023】
4つのドラムユニット15は、4色のトナーに対応して設けられている。各ドラムユニット15は、感光体ドラム23と、帯電装置24と、現像装置25と、一次転写ローラー26と、ドラムクリーニング装置27と、除電装置28と、を含んでいる。なお、4つのドラムユニット15は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット15について説明する。
【0024】
感光体ドラム23は、中間転写ベルト21の下側表面に接触しながらモーター(図示せず)によって回転駆動される。帯電装置24、現像装置25、一次転写ローラー26、ドラムクリーニング装置27および除電装置28は、感光体ドラム23の周囲に転写プロセス順に配置されている。一次転写ローラー26は、中間転写ベルト21を挟んで上側から感光体ドラム23に対向配置されている。中間転写ベルト21(駆動ローラー20A)の右側には、二次転写ローラー29が接触している。
【0025】
詳細は後述するが、トナー補給装置12には、4つのトナーボトル31が着脱可能に装着されている。4つのトナーボトル31には、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)の補給用のトナー(現像剤)が収容されている。4つのトナーボトル31は、スクリューを内蔵した補給管等(図示せず)を介して4つの現像装置25に連通しており、補給用のトナーを4つの現像装置25に供給する。廃トナー回収装置13には、回収ボトル61(回収容器)が着脱可能に装着されている。回収ボトル61には、シートSに転写されずに排出される廃トナーが収容(回収)される。
【0026】
また、画像形成装置1には、画像形成部6等の制御対象機器を適宜制御するための制御部17が設けられている。制御部17は、メモリーに記憶されたプログラムやパラメーターに従って各種の演算処理を実行するプロセッサー等を含んでいる。
【0027】
ここで、画像形成装置1の動作について説明する。制御部17は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
【0028】
帯電装置24は、感光体ドラム23の表面を帯電させる。光走査装置16は、感光体ドラム23に向けて画像データに対応した露光を行い、感光体ドラム23の表面に静電潜像を形成する。現像装置25は、トナー補給装置12のトナーボトル31から供給されたトナーを用いて感光体ドラム23の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。4つの感光体ドラム23に担持された4色のトナー像は、一次転写バイアスを印加された一次転写ローラー26によって、中間転写ベルト21に順番に一次転写される。これにより、中間転写ベルト21の表面には、フルカラーのトナー像が形成される。
【0029】
一方、給紙部5は、給紙カセット3内のシートSを搬送路8に送り出す。二次転写ローラー29は、中間転写ベルト21との間を通過するシートSに中間転写ベルト21上のトナー像を二次転写する。定着装置7は、シートSにトナー像を熱定着させる。その後、シートSは、排紙トレイ4に排出される。ドラムクリーニング装置27は、一次転写後に感光体ドラム23の表面に残留した廃トナー(残留トナー)を除去する。除電装置28は、除電光を照射して感光体ドラム23の電荷を除去する。また、ベルトクリーニング装置22は、二次転写後に中間転写ベルト21の表面に残留した廃トナーを除去する。感光体ドラム23や中間転写ベルト21から除去された廃トナーは、廃トナー回収装置13の回収ボトル61に回収される。
【0030】
[トナー補給装置]
次に、
図1および
図5を参照して、トナー補給装置12について説明する。
図5はトナーボトル31を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、トナー補給装置12は、中間転写ユニット14(現像装置25)よりも上方に配置されている。トナー補給装置12は、4つのトナーボトル31を着脱可能に装着(挿入)するための4つの補給側装着部30を有している。各々の補給側装着部30は、トナーボトル31を装着するための空間を構成している。装置本体2の上側前面には、トナーボトル31を着脱するための補給側装着部30の前面開口が形成されている。補給側装着部30には、前面開口を開閉するための補給用カバー(図示せず)が設けられている。
【0032】
<トナーボトル>
図5に示すように、各々のトナーボトル31は、容器本体32と、キャップ33と、を含んでいる。なお、黒色のトナーを収容するためのトナーボトル31は他のトナーボトル31よりも太く(大径)に形成されており、このトナーボトル31を挿入する右端の補給側装着部30も他の補給側装着部30よりも大径に形成されている(
図1参照)。また、4つのトナーボトル31は、太さの違いを除いて、同一構成であるため、以下、1つのトナーボトル31について説明する。また、以下の説明では、トナーボトル31を補給側装着部30に装着した状態を基準として方向を設定する。なお、トナーは、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよいし、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよい。また、4つのトナーボトル31(4つの補給側装着部30)は、全て同じ大きさ(直径)であってもよい。
【0033】
(容器本体)
容器本体32は、例えば、PET樹脂(ポリエチレンテレフタラート)等の合成樹脂材料で前後方向に長い略円筒状に形成されている。容器本体32には、外周面から径方向内側(軸心に向けて)に突出した螺旋状の搬送リブ34が一体に形成されている。容器本体32および搬送リブ34は、略同一の厚みで形成されている。容器本体32の前端面には、ユーザーが把持するための把持部Gが突き出している。容器本体32の後部は他の部分よりも細く形成されており、容器本体32の後端面は開口している(図示せず)。容器本体32の後部(細くなった部分)には、略円環状の伝達ギア35が固定されている。伝達ギア35は、シャフトやギア等の動力伝達機構(図示せず)を介して駆動モーターMに接続されている。詳細は後述するが、容器本体32は駆動モーターMに駆動されて軸周りに回転し、搬送リブ34は容器本体32と共に回転して容器本体32の内部のトナーに軸方向に沿った搬送力を作用させる。なお、搬送リブ34は、容器本体32と一体に形成されていたが、これに限らず、搬送リブと容器本体とを別部材で構成してもよい(図示せず)。
【0034】
(キャップ)
キャップ33は、伝達ギア35よりも後方に配置され、容器本体32の後端面(開口)を覆うように容器本体32に取り付けられている。キャップ33は、容器本体32の後端部(軸方向一端部)を軸周りに回転可能に支持している。キャップ33は、容器本体32の内部に連通する連通口36を有している。連通口36は、キャップ33の下側面に形成された略矩形状の穴である。また、キャップ33には、連通口36を開閉するためのシャッター(図示せず)が軸方向(前後方向)にスライド可能に設けられている。トナーボトル31が補給側装着部30から取り外された状態では、シャッターは連通口36を閉じている。
【0035】
[トナーボトルの装着]
ここで、トナーボトル31を補給側装着部30に装着する手順について説明する。ユーザーは、補給側装着部30の補給用カバーを開放して前面開口を露出させ、把持部Gを手前に向け、且つ連通口36を下方に向けたトナーボトル31を補給側装着部30(前面開口)に差し込む。トナーボトル31を差し込む過程で、シャッターは、補給側装着部30の一部に接触して相対的に前方にスライドして連通口36を開放する。開放された連通口36は補給管の上流端に接続される。その後、ユーザーは補給用カバーを閉じる。
【0036】
以上によって、トナーボトル31の装着が完了する。この状態で、補給側装着部30は、キャップ33を固定し、容器本体32を回転可能に支持している。また、この状態で、伝達ギア35は動力伝達機構を介して駆動モーターMに連結され、連通口36は補給管等を介して現像装置25に接続される。
【0037】
制御部17からのトナー補給指令によって駆動モーターMが駆動されると、伝達ギア35と一体となって容器本体32が軸周りに回転する。補給側装着部30に装着された容器本体32(搬送リブ34)が軸周りに回転することで、容器本体32の内部に収容された補給用のトナーが連通口36に向かって搬送される。トナーは、連通口36から補給管を通って現像装置25に供給(補給)される。
【0038】
なお、補給側装着部30には、トナーボトル31に収容されたトナーの量を検出するための残量確認センサー(静電容量センサー等)が設けられている(図示せず)。残量確認センサーは、補給側装着部30に装着されたトナーボトル31に対向して配置され、トナーの残量に応じた静電容量を検出する。制御部17は、残量確認センサーの検出結果に基づいて、トナーボトル31が空になった(またはトナーが少なくなった)ことを判断し、例えば、画像形成装置1に備えられたタッチパネル(図示せず)に、トナーボトル31が空になったことやトナーボトル31の交換を促すメッセージ等を表示する。空になった(またはトナーが少なくなった)トナーボトル31を交換する場合、ユーザーは把持部Gを掴んでトナーボトル31を手前に引き出して補給側装着部30から離脱させる。トナーボトル31の引き出しに伴って、シャッターはバネ(図示せず)で後方に付勢されて連通口36を閉じる。
【0039】
次に、
図6および
図7を参照して、4つのドラムクリーニング装置27およびベルトクリーニング装置22について説明する。
図6はドラムクリーニング装置27、ベルトクリーニング装置22および排出搬送装置18を示す概略図(平面から見た断面図)である。
図7は、
図6のVII-VII断面図である。
【0040】
[ドラムクリーニング装置]
4つのドラムクリーニング装置27は、4つの感光体ドラム23に対応して設けられている(
図1参照)。なお、4つのドラムクリーニング装置27は同様の構成であるため、以下、1つのドラムクリーニング装置27について説明する。
【0041】
図7に示すように、ドラムクリーニング装置27は、ドラム側ハウジング40と、研磨ローラー41と、規制ローラー42と、クリーニングブレード43と、ドラム側スクリュー44と、を含んでいる。
【0042】
図6および
図7に示すように、ドラム側ハウジング40は、感光体ドラム23に対向する面を開口させた略箱状に形成されている。ドラム側ハウジング40の後側底面には、後述する排出搬送装置18に接続されるドラム側排出口40Aが開口している。研磨ローラー41および規制ローラー42は、前後方向に長い略円筒状に形成され、ドラム側ハウジング40の内部において軸周りに回転可能に支持されている。研磨ローラー41は感光体ドラム23に接触し、規制ローラー42は研磨ローラー41の右下側に接触している。クリーニングブレード43は、例えば、合成樹脂によって板状に形成され、ドラム側ハウジング40に固定されている。クリーニングブレード43の先端部は、感光体ドラム23に接触している。ドラム側スクリュー44は、前後方向に延びたシャフトの周面に固定された螺旋状の羽根を有し、ドラム側ハウジング40の内部において軸周りに回転可能に支持されている。ドラム側スクリュー44は、ドラム側ハウジング40の左下部に配置されている。
【0043】
[ベルトクリーニング装置]
図7に示すように、ベルトクリーニング装置22は、ベルト側ハウジング45と、バイアスブラシ46と、回収ローラー47と、回収ブレード48と、ベルト側スクリュー49と、を含んでいる。
【0044】
図6および
図7に示すように、ベルト側ハウジング45は、中間転写ベルト21に対向する面を開口させた略箱状に形成されている。ベルト側ハウジング45の後側底面には、後述する排出搬送装置18に接続されるベルト側排出口45Aが開口している。バイアスブラシ46および回収ローラー47は、前後方向に長い略円筒状に形成され、ベルト側ハウジング45の内部において軸周りに回転可能に支持されている。バイアスブラシ46は中間転写ベルト21に接触し、回収ローラー47はバイアスブラシ46の左上側に接触している。回収ブレード48は、例えば、合成樹脂によって板状に形成され、ベルト側ハウジング45に固定されている。回収ブレード48の先端部は、回収ローラー47に接触している。ベルト側スクリュー49は、前後方向に延びたシャフトの周面に固定された螺旋状の羽根を有し、ベルト側ハウジング45の内部において軸周りに回転可能に支持されている。ベルト側スクリュー49は、ベルト側ハウジング45の左下部に配置されている。
【0045】
[排出搬送装置]
図6および
図7に示すように、4つのドラムクリーニング装置27およびベルトクリーニング装置22は、廃トナーを廃トナー回収装置13に向けて搬送する排出搬送装置18に接続されている。排出搬送装置18は、搬送ハウジング50と、搬送スクリュー51と、を含んでいる。
【0046】
搬送ハウジング50は、左右方向に長い略直方体状に形成されている。搬送ハウジング50の上面には、4つのドラム側導入管52と、ベルト側導入管53と、が左右方向に並んで設けられている。各々のドラム側導入管52は、ドラムクリーニング装置27のドラム側排出口40Aに接続されている。ベルト側導入管53は、ベルトクリーニング装置22のベルト側排出口45Aに接続されている。搬送ハウジング50の左側底面には、廃トナー回収装置13に接続される搬送排出管54が形成されている。搬送スクリュー51は、左右方向に延びたシャフトの周面に固定された螺旋状の羽根を有し、搬送ハウジング50の内部において軸周りに回転可能に支持されている。
【0047】
[廃トナー回収装置]
次に、
図2ないし
図4、
図7、
図8を参照して、廃トナー回収装置13について説明する。
図8は、
図2のVIII-VIII断面図である。
【0048】
図2に示すように、廃トナー回収装置13は、回収側装着部60と、回収ボトル61と、を含んでいる。回収側装着部60には、回収ボトル61が着脱可能に装着される。回収ボトル61(容器本体32)には、ベルトクリーニング装置22やドラムクリーニング装置27から排出される廃トナーが収容される。
【0049】
<回収ボトル>
回収容器の一例としての回収ボトル61は、補給用のトナーを消費して空になったトナーボトル31である(4つのトナーボトル31の何れでもよい。)(
図5参照)。つまり、空になったトナーボトル31が、廃トナーを回収する回収ボトル61として兼用(再利用)されている。回収ボトル61は、既に説明したトナーボトル31と同一形状であるため、回収ボトル61の詳細な説明は省略する。また、回収ボトル61の構造に付す符号は、トナーボトル31の構造に付した符号と同一である。なお、空になったトナーボトル31が回収ボトル61として流用されていたが、これに限らず、トナーボトル31とは異なる専用の回収ボトル61を用意してもよい。
【0050】
<回収側装着部>
回収側装着部60は、カセット装着部10の左側に隣接して配置されている。回収側装着部60は、排出搬送装置18の搬送排出管54に対応する位置に配置されている(
図6および
図7参照)。回収側装着部60は、回収ボトル61を装着するための空間を構成している。装置本体2の下側前面には、回収ボトル61を着脱するための回収側装着部60の前面開口が形成されている。
【0051】
回収側装着部60は、回収カバー62と、支持レール部63と、変位センサー64と、を有している。回収カバー62は、回収側装着部60の前面開口を開閉するために設けられている。支持レール部63は、回収ボトルをスライド可能に支持するために設けられている。変位センサー64は、回収ボトル61に収容された廃トナーに応じた静電容量を検出する。
【0052】
回収カバー62は、その下側に設けられた回転軸を中心に回動可能に設けられている。支持レール部63は回収側装着部60の下部に設けられ、支持レール部63の上面は容器本体32の周面にあわせて凹んでいる。支持レール部63は、容器本体32を軸方向にスライド可能に支持すると共に軸周りに回転可能に支持する。
【0053】
[回収ボトルの装着]
ここで、回収ボトル61を回収側装着部60に装着する手順について説明する。ユーザーは、回収カバー62を開放して回収側装着部60(前面開口)を露出させ、把持部Gを手前に向け、且つ連通口36を上方に向けた回収ボトル61(空になったトナーボトル31)を回収側装着部60に差し込む。回収ボトル61の差し込む過程で、シャッターは、回収側装着部60の一部に接触して相対的に前方にスライドして連通口36を開放する。開放された連通口36は搬送排出管54の下流端に接続される(
図7参照)。その後、ユーザーは回収カバー62を閉じる。
【0054】
以上によって、回収ボトル61の装着が完了する(
図2および
図4参照)。この状態で、回収側装着部60は、キャップ33を固定し、容器本体32を回転可能に支持している。また、この状態で、伝達ギア35は動力伝達機構を介して駆動モーターM(
図5参照)に連結され、連通口36は排出搬送装置18を介して各クリーニング装置22,27に接続される(
図7参照)。
【0055】
[廃トナーの除去]
次に、廃トナー(残留トナー)の除去動作について説明する。なお、バイアスブラシ46、各スクリュー44,49,51には、負極性のバイアスが印加されていることとする。
【0056】
画像形成処理が実行されると、研磨ローラー41および規制ローラー42は感光体ドラム23に従動して回転し、ドラム側スクリュー44はモーター(図示せず)によって回転駆動される。なお、研磨ローラー41および規制ローラー42は、モーターによって回転駆動されてもよい。研磨ローラー41の表面には、感光体ドラム23の表面に残留した廃トナー(残留トナー)が付着してトナー層が形成される。研磨ローラー41は、トナー層を介して感光体ドラム23の表面を研磨する。規制ローラー42は、トナー層の層厚を均一にする。クリーニングブレード43は感光体ドラム23の表面に付着した廃トナーを掻き取り、その廃トナーはドラム側ハウジング40に収容される。ドラム側スクリュー44は、モーターによって回転駆動され、ドラム側ハウジング40に収容された廃トナーをドラム側排出口40Aに向けて搬送する(
図6の矢印参照)。廃トナーは、ドラム側排出口40Aから排出され、ドラム側導入管52を通って搬送ハウジング50内に進入する(
図7の矢印参照)。
【0057】
また、バイアスブラシ46、回収ローラー47およびベルト側スクリュー49は、モーターによって回転駆動される。バイアスブラシ46は、中間転写ベルト21の表面に付着した廃トナー(残留トナー)を静電的な吸着力によって吸着する。回収ローラー47は、バイアスブラシ46に移動した廃トナーを受け取る。回収ブレード48は回収ローラー47に移動した廃トナーを掻き取り、その廃トナーはベルト側ハウジング45に収容される。ベルト側スクリュー49は、モーターによって回転駆動され、ベルト側ハウジング45に収容された廃トナーをベルト側排出口45Aに向けて搬送する(
図6の矢印参照)。廃トナーは、ベルト側排出口45Aから排出され、ベルト側導入管53を通って搬送ハウジング50内に進入する(
図7の矢印参照)。
【0058】
搬送スクリュー51は、モーターによって回転駆動され、搬送ハウジング50内に進入した廃トナーを搬送排出管54に向けて搬送する(
図6の矢印参照)。搬送ハウジング50内に進入した廃トナーは、搬送排出管54を通って連通口36からキャップ33(回収ボトル61)内に進入する(
図7の矢印参照)。
【0059】
回収側装着部60に装着された容器本体32(搬送リブ34)は、駆動モーターMに駆動されて軸周り(補給側装着部30に装着された容器本体32とは逆回り)に回転する。容器本体32(搬送リブ34)が軸周りに回転することで、連通口36から容器本体32の内部に導入された廃トナーが後方から前方(軸方向他方)に向かって搬送される。搬送リブ34は、廃トナーを前方に搬送すると共に、貯留された廃トナーの表面(上面)を均一化する。
【0060】
以上のように、廃トナーが回収ボトル61(容器本体32)に回収される(
図8参照)。
【0061】
(変位センサー)
図2、
図4および
図8に示すように、回収側装着部60には、回収ボトル61に収容された廃トナーの蓄積量(貯留量)を検出するための変位センサー64が設けられている。変位センサー64は、回収ボトル61に対向して配置され、回収ボトル61に収容された廃トナーの蓄積量によって変化する静電容量を検出する静電容量センサーである。詳細には、変位センサー64は、回収ボトル61を挟んで対向して配置された送信電極65と受信電極66との間の電界変化を検出する相互容量方式の静電容量センサーである。なお、変位センサー64では、回収ボトル61の容積に対する廃トナーの蓄積量を0~100%まで検出することができるが、これに限らず、検出可能な蓄積量は自由に設定してもよい。
【0062】
図4および
図8に示すように、送信電極65および受信電極66は、それぞれ、前後方向に長い長方形状の基板65A,66Aに実装されている。基板65A,66Aは、前後方向に沿って起立姿勢で設けられ、回収側装着部60のフレーム(図示せず)に固定されている。送信電極65および受信電極66(基板65A,66A)は、支持レール部63よりも上方に設けられている。送信電極65および受信電極66は、基板65A,66Aの容器本体32側の面に形成されている。送信電極65は、回収ボトル61を挟んでカセット装着部10とは反対側(装置本体2の左側)に配置されている。受信電極66は、カセット装着部10(給紙カセット3)側に配置されている。送信電極65および受信電極66は、制御部17に電気的に接続されている。
【0063】
ところで、一般的に、静電容量センサーの出力(検出結果)は、送・受信電極65,66の周囲の物(部品)との距離に応じて出力(静電容量)が変化する。この画像形成装置1では、給紙カセット3が回収側装着部60に隣接しているため、例えば、給紙カセット3の着脱(移動)によって変位センサー64の出力が変化する虞がある。例えば、回収ボトル61内での廃トナーの蓄積量に変化が無いにもかかわらず、変位センサー64が検出する静電容量が変化することがある。つまり、変位センサー64が廃トナーの蓄積量を誤検出する虞がある。そこで、この画像形成装置1は、給紙カセット3等の送・受信電極65,66の周囲の部品の移動によって変位センサー64の出力が変化することを抑制する構造を備えている。
【0064】
回収ボトル61、送信電極65および受信電極66は、レール保持部材11の保持部本体11A(カセットレール10A)と略平行に配置されている(
図2参照)。送信電極65および受信電極66は、容器本体32の前側(軸方向中央よりも他方)において容器本体32に非接触となる位置に配置されている。受信電極66は、(正面から見て)容器本体32とレール保持部材11(保持部本体11A)との間に配置されている。また、受信電極66(基板66A)は、保持部本体11Aとは非接触で、保持部本体11Aに対向して配置されている。正確には、受信電極66の前側(一部)が、不動に設けられた保持部本体11Aとオーバーラップしている(
図4参照)。
【0065】
回収ボトル61内の廃トナーの蓄積量が増加するに従って、送信電極65と受信電極66の間の電界(静電容量)が変化する。制御部17は、定期的に変位センサー64からの出力(検出結果)を受け取る。なお、変位センサー64から出力を受け取る間隔(サンプリングレート)は、制御部17のプロセッサー等処理速度に応じて自由に設定することができる。制御部17は、検出結果に基づいて回収ボトル61内の廃トナーの蓄積量を算出する。制御部17のメモリー(図示せず)には、廃トナーが満杯(所定の蓄積量)になったときの静電容量に対応するデータが予め記憶されている。制御部17は、検出結果が満杯を示す場合、速やかに画像形成動作を停止する。また、制御部17は、画像形成装置1に備えられたタッチパネルやスピーカー(図示せず)を制御して回収ボトル61が満杯になったことをユーザーに報知し、回収ボトル61の交換を促す。
【0066】
なお、満杯になった回収ボトル61を交換する場合、ユーザーは把持部Gを掴んで回収ボトル61を手前に引き出して回収側装着部60から離脱させる。回収ボトル61の引き出しに伴って、シャッターはバネ(図示せず)で後方に付勢されて連通口36を閉じる。
【0067】
以上説明した第1実施形態に係る画像形成装置1では、レール保持部材11(主に保持部本体11A)が、変位センサー64の受信電極66を覆っていた。換言すれば、レール保持部材11の保持部本体11Aは、受信電極66とカセット装着部10(給紙カセット3)とを区画するように配置されていた(
図8参照)。この構成によれば、例えば、給紙カセット3が着脱されたとしても、受信電極66とレール保持部材11との距離が一定に保たれているため、変位センサー64が検出する静電容量の変化が抑制され、正確な静電容量を検出することができる。これにより、回収側装着部60(回収ボトル61)がカセット装着部10(給紙カセット3)に隣接して配置されていたとしても、給紙カセット3の着脱による影響を受けることなく、回収ボトル61に収容された廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる。
【0068】
また、第1実施形態に係る画像形成装置1では、送信電極65が、回収ボトル61を挟んで給紙カセット3(カセット装着部10)の反対側に設けられていた。この構成によれば、給紙カセット3の着脱による影響を受け難い位置に送信電極65を配置することができ、給紙カセット3の着脱による影響を受けやすい受信電極66をレール保持部材11で覆うことができる。
【0069】
また、第1実施形態に係る画像形成装置1によれば、円筒状に形成された容器本体32が軸周りに回転するため、容器本体32の回転によって変位センサー64と容器本体32との距離が変化することがなく、当該距離を一定に保つことができる。これにより、変位センサー64が正確な静電容量を検出することができるため、回収ボトル61に収容された廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる。
【0070】
なお、第1実施形態に係る画像形成装置1では、受信電極66の前側がレール保持部材11(保持部本体11A)に対向していたが、これに限らず、受信電極66の後側や受信電極66全体がレール保持部材11に対向して配置されてもよい(図示せず)。また、本実施形態に係る画像形成装置1では、変位センサー64の受信電極66がレール保持部材11に対向して配置されていたが、本発明はこれに限定されない。受信電極66と送信電極65とを入れ替えて、送信電極65がレール保持部材11に対向して配置されてもよい(図示せず)。つまり、レール保持部材11は変位センサー64の少なくとも一部に対向して配置されていればよい。
【0071】
[第2実施形態]
次に、
図9を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置1(廃トナー回収装置70)について説明する。
図9は廃トナー回収装置70等を示す断面図(正面図)である。なお、以降の説明では、第1実施形態に係る画像形成装置1(廃トナー回収装置13)と同様の構成には同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0072】
第2実施形態に係る廃トナー回収装置70では、変位センサー67の送信電極68および受信電極69が、1つの基板67Aに上下方向に並んで実装されている。
図9では、一例として、送信電極68が基板67Aの上側に配置され、受信電極69が基板67Aの下側に配置されているが、送・受信電極68,69の配置は上下を入れ替えてもよい。変位センサー67は、回収ボトル61とレール保持部材11(保持部本体11A)との間に配置された送信電極68と受信電極69との間の電界変化を検出する相互容量方式の静電容量センサーである。送信電極68と受信電極69とは、保持部本体11Aとは非接触で、保持部本体11Aに対向して配置されている。正確には、上記した実施形態と同様に、送・受信電極68,69の前側(一部)が保持部本体11Aとオーバーラップしている。
【0073】
以上説明した第2実施形態に係る画像形成装置1によれば、給紙カセット3が着脱されたとしても、送・受信電極68,69とレール保持部材11との距離を一定に保つことができ、変位センサー67が検出する静電容量の変化を抑制することができる。これにより、給紙カセット3の着脱による影響を受けることなく、廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる等、第1実施形態に係る画像形成装置1と同様の作用、効果を得ることができる。
【0074】
なお、第2実施形態に係る廃トナー回収装置70では、送・受信電極68,69の前側がレール保持部材11(保持部本体11A)に対向していたが、これに限らず、送・受信電極68,69の後側や送・受信電極68,69全体がレール保持部材11に対向して配置されてもよい(図示せず)。また、送信電極68または受信電極69がレール保持部材11に対向して配置されてもよい(図示せず)。また、送信電極68および受信電極69は、1つの基板67Aに左右方向に並んで実装されてもよい(図示せず)。
【0075】
なお、第1および第2実施形態(以下「本実施形態」ともいう。)に係る画像形成装置1では、トナーボトル31や回収ボトル61の容器本体32が、軸周りに回転されることで、内部のトナー(補給用のトナー、廃トナー)を軸方向に搬送する構成であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、変形例として、トナーを搬送するためのスクリューを容器本体に内蔵した回収容器であってもよい(図示せず)。この場合、容器本体が補給側装着部30や回収側装着部60に装着され、内部のスクリューが軸周りに回転することで、容器本体の内部の廃トナーを軸方向に搬送する。このような回収容器であっても、変位センサー64,67によって廃トナーの蓄積量を適正に検出することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、レール保持部材11が、平面から見てL字状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、レール保持部材11は、単なる板状に形成されてもよいし、送・受信電極68,69の少なくとも何れかを覆うように箱状に形成されてもよい(図示せず)。また、レール保持部材11は、1つの部品で形成される必要はなく、複数の部品が組み合わされて構成されてもよい(図示せず)。つまり、カセットレール10Aを保持する機能を満たすことができる形状であれば如何なる形状でもよい。また、レール保持部材11は、金属製に限らず、合成樹脂製であってもよい。
【0077】
また、本実施形態では、廃トナー回収装置13,19が、画像形成装置1に備えられた制御部17によって制御されていたが、本発明はこれに限定されない。制御部17とは別に、廃トナー回収装置13,19またはトナー補給装置12を制御するための専用の制御部を設けてもよい(図示せず)。
【0078】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、変位センサー64,67がレール保持部材11(保持部本体11A)と非接触であったが、例えば、基板65A,66A,67Aが保持部本体11Aに接触(固定)していてもよい。また、容器本体32の円滑な回転等を担保するために、変位センサー64,67が回収ボトル61と非接触であったが、接触していてもよい。
【0079】
また、本実施形態の説明では、一例として、本発明を画像形成装置1(カラープリンター)に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
【0080】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0081】
1 画像形成装置
3 給紙カセット(カセット)
10 カセット装着部
10A カセットレール
11 レール保持部材
13,70 廃トナー回収装置
32 容器本体
33 キャップ
36 連通口
60 回収側装着部
61 回収ボトル(回収容器)
64,67 変位センサー
65,68 送信電極
66,69 受信電極
S シート