(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20230905BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G03G21/16 161
G03G21/16 176
G03G21/16 128
G03G15/08 347
(21)【出願番号】P 2019193821
(22)【出願日】2019-10-24
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】深尾 守昭
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-053551(JP,A)
【文献】特開2017-044727(JP,A)
【文献】特開2013-235237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0181673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 21/16 -21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に回動可能に設けられたカバー部材と、
媒体に画像形成を行う画像形成ユニットと、
前記カバー部材に設けられ、現像剤供給路を介して前記画像形成ユニットに現像剤を供給する現像剤収容部と、
前記現像剤供給路を遮蔽するシャッター部材と、
前記画像形成ユニットと係合する係合部を有し、前記シャッター部材を移動させ、前記現像剤供給路を遮蔽させるための第1操作部と
を有し、
前記第1操作部は、
前記シャッター部材で前記現像剤供給路を遮蔽させた後に前記画像形成ユニットと前記係合部との係合を解除
し、
前記画像形成ユニットは、
前記係合部と係合している状態であるときは、前記カバー部材と前記現像剤収容部と共に回動可能な状態である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シャッター部材は、
前記現像剤供給路を開放し前記現像剤供給路から前記画像形成ユニットへの前記現像剤の供給を可能とする開放位置と、前記現像剤供給路を遮蔽し前記現像剤供給路から前記画像形成ユニットへの前記現像剤の供給を遮断する閉鎖位置とに移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1操作部は、
前記係合部が前記画像形成ユニットとの係合を解除する位置に向かって移動することにより、前記シャッター部材を前記開放位置から前記閉鎖位置に向かって移動させ、
前記シャッター部材が前記開放位置から前記閉鎖位置に向かって移動し前記閉鎖位置に到達した際に、前記係合部を未だ前記画像形成ユニットと係合する位置とする
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シャッター部材は、
シャッター
閉鎖方向に向かって移動し、前記閉鎖位置に到達した以降は、前記第1操作部により前記シャッター
閉鎖方向へ移動しても、前記画像形成ユニットと前記係合部との係合が解除されるまで、前記現像剤供給路を遮蔽させ続ける
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1操作部は、前後方向へ移動し、前記シャッター部材は、前記第1操作部とは異なる方向へ移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カバー部材と前記画像形成ユニットとの回動軸は同一軸に設けられており、
前記係合部は、前記画像形成ユニットを挟んで前記回動軸の反対側に配置される
ことを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成ユニットは、前記媒体に画像形成を行う現像ユニットと、前記現像ユニットを保持するバスケットとにより構成され、
前記係合部は、前記バスケットと係合する
ことを特徴とする請求項
6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記カバー部材を開閉させる第2操作部をさらに有し、
前記第1操作部は、
前記係合部が、前記画像形成ユニットと係合する位置から、前記画像形成ユニットとの係合を解除する位置までの間に位置している移動途中状態にあるときは、前記第2操作部と当接する
ことを特徴とする請求項
6又は請求項
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2操作部は、所定の回動軌跡に沿って回動するように移動し、
前記第1操作部は、前後方向へ直線状に移動し、前記移動途中状態にあるときは、前記回動軌跡に入り込み、前記第2操作部の移動を規制する
ことを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、例えば電子写真式の画像形成装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、筐体のカバーを開き画像形成ユニット及びトナーカートリッジをユーザーが操作可能な状態とするか、又は、画像形成ユニットを搭載している引出可能なレールユニットを筐体内部から引き出し、筐体外部に画像形成ユニットを露出させ、画像形成ユニット及びトナーカートリッジの挿脱を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような画像形成装置においては、操作部をユーザーが操作することにより、画像形成ユニット及びトナーカートリッジに設けられたトナー供給口を開閉するシャッターを移動させてトナー供給口を閉鎖させてから画像形成ユニットを取り外すことにより、画像形成ユニット及びトナーカートリッジから外部へトナーが飛散しないようにするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような画像形成装置においては、操作部の誤操作を防止することで信頼性を向上させることが望まれている。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性を向上し得る画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の画像形成装置においては、装置本体に回動可能に設けられたカバー部材と、媒体に画像形成を行う画像形成ユニットと、カバー部材に設けられ、現像剤供給路を介して画像形成ユニットに現像剤を供給する現像剤収容部と、現像剤供給路を遮蔽するシャッター部材と、画像形成ユニットと係合する係合部を有し、シャッター部材を移動させ、現像剤供給路を遮蔽させるための第1操作部とを設け、第1操作部は、シャッター部材で現像剤供給路を遮蔽させた後に画像形成ユニットと係合部との係合を解除し、画像形成ユニットは、係合部と係合している状態であるときは、カバー部材と現像剤収容部と共に回動可能な状態であるようにした。
【0008】
また本発明の画像形成装置においては、媒体に画像形成を行う画像形成ユニットと、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部に収容された現像剤を画像形成ユニットに供給する現像剤供給路と、現像剤供給路を遮蔽するシャッター部材とを設け、シャッター部材によって現像剤供給路を遮蔽した後に画像形成ユニットが現像剤供給路から脱離可能となるようにした。
【0009】
本発明は、シャッター部材で現像剤供給路を遮蔽させ、現像剤収容部が画像形成ユニットから離間しても、現像剤供給路から現像剤が外部に漏れないようにできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シャッター部材で現像剤供給路を遮蔽させ、現像剤収容部が画像形成ユニットから離間しても、現像剤供給路から現像剤が外部に漏れないようにでき、かくして信頼性を向上し得る画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】画像形成装置の全体構成を示す左側面図である。
【
図2】カバー閉鎖状態における画像形成装置の構成(1)を示す左側面図である。
【
図3】カバー閉鎖状態における画像形成装置の構成(2)を示す正面図である。
【
図4】フロントカバー開放状態における画像形成装置の構成を示す左側面図である。
【
図5】トップカバー開放状態及びバスケット外部持上状態における画像形成装置の構成を示す斜視図である。
【
図6】トップカバー開放状態及びバスケット内部持上状態における画像形成装置の構成を示す左側面図である。
【
図7】ストッパー非係止状態におけるストッパー機構の構成を示す左側面図である。
【
図8】第1の実施の形態による切替レバー押込状態におけるシャッターリンク部の構成を示す底面図である。
【
図9】切替レバー引出途中状態におけるストッパー機構の構成を示す左側面図である。
【
図10】第1の実施の形態による切替レバー引出途中状態におけるシャッターリンク部の構成を示す底面図である。
【
図11】ストッパー解除状態におけるストッパー機構の構成を示す左側面図である。
【
図12】第1の実施の形態による切替レバー引出状態におけるシャッターリンク部の構成を示す底面図である。
【
図13】切替レバー引出途中状態における画像形成装置の構成を示す正面図である。
【
図14】切替レバー引出状態における画像形成装置の構成を示す正面図である。
【
図15】第2の実施の形態による切替レバー押込状態におけるストッパー機構の構成を示す左側面図である。
【
図16】第2の実施の形態による切替レバー引出途中状態におけるストッパー機構の構成(1)を示す左側面図である。
【
図17】第2の実施の形態による切替レバー引出途中状態におけるストッパー機構の構成(2)を示す左側面図である。
【
図18】第2の実施の形態による切替レバー引出状態におけるストッパー機構の構成を示す左側面図である。
【
図19】他の実施の形態による切替レバー引出状態におけるシャッターリンク部の構成を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.画像形成装置の構成]
図1、
図2及び
図3に示すように、画像形成装置1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる印刷用紙に対し、所望のカラー画像を印刷する。画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。装置本体としての筐体2は、該筐体2により囲まれた内部空間と外部とを連通させる前側筐体開口部が前面側に、上側筐体開口部が上面側にそれぞれに形成されており、前側筐体開口部を開閉可能なフロントカバー4が前面側に、上側筐体開口部を開閉可能なカバー部材としてのトップカバー6が上面側にそれぞれ設けられている。筐体2は、印刷動作時の場合にはフロントカバー4及びトップカバー6を閉鎖することにより、画像形成装置1の内部を保護する。一方、筐体2は、作業者により保守作業が行われる保守作業時の場合には、必要に応じてフロントカバー4及びトップカバー6を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得る。因みに以下では、
図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。画像形成装置1は、制御部(図示せず)により全体を統轄制御する。この制御部は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に該カラー画像の印刷が指示されると、印刷用紙の表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
【0014】
画像形成装置1は内部に、用紙トレイ8、用紙給紙部9、転写ベルトユニット10、トナーカートリッジ11、トナー搬送部12、画像形成部13、露光装置14、画像定着部15及び用紙排出部16等を有している。
【0015】
用紙トレイ8は、筐体2内部の下端部に設けられ、画像形成装置1に着脱自在に装着されており、内部に印刷用紙が積層される。用紙給紙部9は、用紙トレイ8に対し用紙の搬送方向の下流側に設けられており、ピックアップローラ18、フィードローラ19及びリタードローラ20により構成されている。ピックアップローラ18及びフィードローラ19は、図示しないモータによって
図1中反時計回りに回転駆動される。またリタードローラ20は、図示しないトルク発生手段によって、
図1中反時計回りのトルクを発生している。従ってピックアップローラ18は、用紙トレイ8内から印刷用紙を引き出し、フィードローラ19及びリタードローラ20は、接触した状態で対に配設されており、例えば、印刷用紙が複数同時に引き出されたような場合にも、一枚ずつこの印刷用紙を搬送経路に順次繰り出す。
【0016】
筐体2内における用紙トレイ8の上方には、該筐体2内を前後に大きく横切るようにして転写ベルトユニット10が設けられている。転写ベルトユニット10は、中心軸を左右方向に向けた細長い円筒状でなるテンションローラ22及びドライブローラ23が前後に1個ずつ配置されると共に、前後のテンションローラ22及びドライブローラ23を周回するように転写ベルト24が張架されている。転写ベルト24は、左右方向の幅が広く、且つ無端状のベルトとして形成されており、ドライブローラ23の回転に伴って走行する。転写ベルトユニット10は、制御部の制御に基づいてドライブローラ23を回転させることにより転写ベルト24を走行させ、用紙給紙部9から複数の搬送ローラ対を介し受け渡された印刷用紙を該転写ベルト24の上面に載せて後方向へ搬送する。
【0017】
一方、転写ベルトユニット10の上側、すなわち筐体2における中央よりも上寄りには、4個の現像ユニット26K、26C、26M及び26Y(以下では、これらをまとめて現像ユニット26とも呼ぶ)が前側から後側へ向かって順に配置された画像形成部13が設けられている。すなわち各色の現像ユニット26は、いわゆるタンデム方式で配置されている。この現像ユニット26K、26C、26M及び26Yは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色にそれぞれ対応している。また現像ユニット26K、26C、26M及び26Yは、互いに同様に構成されており、対応するトナーの色のみがそれぞれ相違する。現像ユニット26は、長手方向を左右方向に沿わせており、印刷用紙の搬送経路における搬送方向に直交する上下方向へ、バスケット54(
図2)に対し着脱自在に装着されている。以下では、現像ユニット26及びバスケット54をまとめて、画像形成ユニット17とも呼ぶ。
【0018】
複数のトナーカートリッジ11(トナーカートリッジ11K、11C、11M及び11Y)(
図3)は、画像形成部13の上方においてトップカバー6に固定されたトップフレーム50(
図2)に設けられたトナーカートリッジ装着部(図示せず)に着脱自在に装着されており、トナーを収納して現像ユニット26の現像ローラ(図示せず)にトナーを供給する。トナーカートリッジ装着部に装着されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色のトナーカートリッジ11K、11C、11M及び11Yは、トナー搬送部12(
図1)へトナーを供給し、トナー搬送部12から各色のトナー搬送ダクト28を介し、各現像ユニット26K、26C、26M及び26Yへトナーが供給される。以下では、トナーカートリッジ11及びトナー搬送ダクト28をまとめて、現像剤収容部27とも呼ぶ。この現像剤収容部27は、トップカバー6に設けられている。
【0019】
トナー搬送ダクト28と各色の現像ユニット26とが嵌合する箇所には、トナー搬送ダクト28の下端部に設けられたトナー供給口29(
図8)を開閉させるダクトシャッター30が設けられている。
【0020】
ダクトシャッター30の下側には、該ダクトシャッター30の移動に伴って移動することにより、現像ユニット26に設けられたトナー受け入れ口を開閉させる現像ユニットシャッター38が設けられている。
【0021】
バスケットフレーム52(
図2)は、筐体2内部の左右両端部において前後上下方向に延設する板金であり、トップカバー6の回動軸であるトップカバー回動軸6Aと同一軸上に設けられた回動軸を支点として回動する。バスケットフレーム52は、レール部56により、バスケット54を前後方向へ平行移動可能に保持する。レール部56は、筐体2の外部へ現像ユニット26K、26C、26M及び26Yが露出する位置まで移動可能にバスケット54を保持する。このバスケット54は、現像ユニット26K、26C、26M及び26Yを保持する。
【0022】
トップフレーム50及びバスケットフレーム52には、トップフレーム50とバスケットフレーム52とを離間させるか又は嵌合させるストッパー機構60(
図2)が設けられている。ストッパー機構60は、
図7に示すストッパー非係止状態の際に、トップカバー6が持ち上げられると、トップカバー6のトップフレーム50と一体にバスケットフレーム52も持ち上げる。
【0023】
またトップカバー6側には、現像ユニット26の配列方向と平行に前後方向に延び、水平方向に対し僅かに前下がりの直線方向に沿って前後方向に往復移動する切替レバー41(
図7)と、該切替レバー41に連結して連動するストッパーシャフト46(
図7)とが配置されている。ストッパーシャフト46は、画像形成ユニット17を挟んで後側であるトップカバー回動軸6Aの反対端側である前側に配置されている。
【0024】
次に、現像ユニット26Kの内部構成を説明する。例えば現像ユニット26K(
図1)には、感光体ドラム32が時計回りに回転可能に配置されており、この感光体ドラム32の周囲には、その回転方向上流側から回転方向下流側へ向かって順に、帯電ローラ(図示せず)、露光装置14、現像ローラ(図示せず)及びクリーニングブレード(図示せず)が配設される。帯電ローラ(図示せず)は、感光体ドラム32の表面に電荷を供給して帯電させる。露光装置14は、それぞれの現像ユニット26に嵌合しており、帯電された感光体ドラム32の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する。現像ローラ(図示せず)は、静電潜像が形成された感光体ドラム32の表面にトナーを付着させて現像を行う。クリーニングブレード(図示せず)は、転写されずに感光体ドラム32上に残留した転写残トナーを除去する。
【0025】
現像ユニット26K~26Cの各感光体ドラム32には、それぞれ導電性のゴム等によって形成された転写ローラ33が、転写ベルト24を介して圧接された状態で配設されている。これら転写ローラ33には、感光体ドラム32上に付着されたトナーによるトナー像を印刷用紙に転写する転写時に、各感光体ドラム32の表面電位とこれら各転写ローラ33の表面電位に電位差を持たせるための電位が印加されている。
【0026】
転写ベルト24は、印刷用紙を静電吸着して搬送する。ドライブローラ23は、このドライブローラ23と対をなして転写ベルト24を張架するテンションローラ22と共に転写ベルト24を駆動する。
【0027】
画像定着部15は、搬送路の上側に配置され、内部に熱源となるハロゲンランプを有し表面を弾性体で形成されたアッパローラと、搬送路の下側に配置され、内部に熱源となるハロゲンランプを有し表面を弾性体で形成されたロワローラとのローラ対からなり、画像形成部13から送り出された印刷用紙上のトナー像に熱と圧力を印加してトナー像を融解し、この像を印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、用紙排出部16における複数の排出ローラ対によって搬送され、やがてトップカバー6のスタッカ部へと排出される。
【0028】
[1-2.カバーの構成]
図2に示すように画像形成装置1には、装置前面にフロントカバー4が、装置上面にトップカバー6がそれぞれ設けられている。フロントカバー4及びトップカバー6は、ユーザーが開閉可能な外装部材である。
図1、
図2及び
図3は、フロントカバー4及びトップカバー6の両方が閉鎖した、カバー閉鎖状態を示している。このカバー閉鎖状態において画像形成装置1は、各現像ユニット26の感光体ドラム32が転写ベルト24と当接しており、印刷用紙に画像を形成することが可能な状態である、画像形成状態となっている。この画像形成状態における現像ユニット26は、印刷用紙に画像を形成することが可能な位置である、画像形成位置に位置している。
【0029】
[1-2-1.フロントカバーの構成]
フロントカバー4は、下端部に設けられた回動軸を支点として筐体2に対し上端部が前後方向に移動するように回動可能に設けられている。このフロントカバー4は、前面側に設けられたフロントカバー開放レバー34が手前側へ引かれると、筐体2とのロックが外れることにより開放する。またこのフロントカバー4は、上端部が前方へ引き出され前側筐体開口を外部に露出させる
図4に示すフロントカバー開放状態において、トナーカートリッジ11K、11C、11M及び11Yを筐体2の外部に露出させユーザーが挿抜可能な状態にする。またこのフロントカバー開放状態においては、適宜トップカバー6が持ち上げられることにより、画像形成装置1の内部に詰まった印刷用紙であるジャム用紙をユーザーが解除可能な状態となる。さらにフロントカバー開放状態においては、ダクトシャッター30及び現像ユニットシャッター38(
図1及び
図3)を開閉するためのシャッターリンク部40(
図8)の切替レバー41と、トップカバー6を開閉するためのトップカバー開放レバー36とがユーザーが操作可能となるよう装置前面に露出する位置に配設されている。
【0030】
[1-2-2.トップカバーの構成]
トップカバー6は、後端部に設けられたトップカバー回動軸6Aを支点として筐体2に対し前端部が上下方向に移動するように回動可能に設けられている。このトップカバー6は、前端部の下面側に設けられた第2操作部としてのトップカバー開放レバー36が、該トップカバー開放レバー36の上端部に設けられたトップカバー開放レバー回動軸を支点として左側面視で反時計回りへ回動するように下端部が手前側へ引かれると、筐体2とのロックが外れることにより開放する。またこのトップカバー6は、フロントカバー開放状態(
図4)において切替レバー41が手前へ引き出されることなくユーザーによりトップカバー開放レバー36が手前へ引かれてからトップカバー6の前端部が上方へ持ち上げられると、
図5に示すトップカバー開放状態となる。このように切替レバー41が手前へ引き出されることなくトップカバー開放状態となった場合、トップカバー6に固定されたトップフレーム50(
図2)に設けられた
図1に示すトナー搬送部12、トナー搬送ダクト28、ダクトシャッター30及び切替レバー41(
図2)に加えて、現像ユニット26が収容されたバスケット54が、トップカバー6と共に持ち上げられ、
図5に示すようにバスケット54が筐体2の上面よりも上側まで上昇するバスケット外部持上状態となる。このように画像形成ユニット17は、トップカバー6側のストッパーシャフト46がバスケットフレーム52と係合している状態であるときは、トップカバー6及び現像剤収容部27と共に回動可能な状態となる。
【0031】
このバスケット外部持上状態において画像形成装置1は、各現像ユニット26の感光体ドラム32(
図1)が転写ベルト24から上方へ離間しており、印刷用紙に画像を形成しない状態である、非画像形成状態となっている。この非画像形成状態における現像ユニット26は、印刷用紙に画像を形成し得ない位置である、非画像形成位置に位置している。このためバスケット外部持上状態において画像形成装置1は、画像形成状態と比較して、現像ユニット26と転写ベルト24との上下方向の隙間を大きくすることにより、現像ユニット26と転写ベルト24との間に詰まった印刷用紙であるジャム用紙をユーザーに除去させやすくなっている。
【0032】
一方トップカバー6は、フロントカバー開放状態(
図4)においてユーザーにより切替レバー41が手前へ引き出された(
図11、
図12及び
図14)後に、トップカバー開放レバー36が手前へ引かれてからトップカバー6の前端部が上方へ持ち上げられると、
図6に示すトップカバー開放状態となる。このように切替レバー41が手前へ引き出されてからトップカバー開放状態となった場合、トップフレーム50とバスケットフレーム52との係合が外れるため、トップフレーム50に設けられた
図1に示すトナー搬送部12、トナー搬送ダクト28、ダクトシャッター30及び切替レバー41(
図2)が、トップカバー6と共に持ち上げられる。このとき、現像ユニット26が収容されたバスケット54は、
図4に示すように各現像ユニット26が前下がりに並んだ状態であり画像形成状態であるバスケット収納状態から、
図6に示すようにトップカバー6と共に僅かに持ち上げられ、各現像ユニット26が水平方向に並んだ状態へ遷移するものの、未だ筐体2内部に収納されているバスケット内部持上状態となっている。このバスケット内部持上状態において画像形成装置1は、非画像形成状態となっている。バスケット内部持上状態においてユーザーによりバスケット54が手前側へ引き出されると、画像形成装置1はバスケット引出状態へ遷移する。このバスケット引出状態においては、現像ユニット26が筐体2の外部に露出し、各現像ユニット26がユーザーにより着脱可能な状態となる。
【0033】
またトップカバー6は、図示しない付勢部材によりトップカバー閉鎖状態からトップカバー開放状態へ向かうトップカバー開放方向へ回動するように付勢されている。このため画像形成装置1は、トップカバー閉鎖状態からトップカバー6がトップカバー開放方向へユーザーによりある程度持ち上げられると、付勢部材の付勢力により、所定のストッパーに当接するまでトップカバー6をトップカバー開放方向へ回動させ、トップカバー開放状態にする。
【0034】
[1-3.シャッターリンク部の構成]
図8、
図10及び
図12に示すように、シャッターリンク部40は、現像ユニット26の上方に設けられており、切替レバー41、スライダー(図示せず)、ワッシャ(図示せず)、リンク係合軸42、レバー回転軸43、リンクレバー44、嵌合部45、ストッパーシャフト46及びダクトシャッター30が設けられている。切替レバー41は、トップフレーム50(
図2)に設けられており、図示しないワッシャがスライダー内を摺動することにより、スライダーによりガイドされ前後方向に移動可能となるよう配設される。
【0035】
図7及び
図8は、切替レバー41が装置奥側へ押し込まれた状態である切替レバー押込状態を示している。この切替レバー押込状態においては、トップカバー6が持ち上げられるとストッパー係止状態(後述する)になることにより、トップフレーム50とバスケットフレーム52とが係合し、バスケットフレーム52とトップフレーム50とを物理的に一体にした状態でトップフレーム50と共にバスケットフレーム52を上方へ持ち上げる(
図5)ことが可能となると共に、シャッター開放状態(後述する)になることにより、ダクトシャッター30がトナー供給口29を開放し、トナー搬送部12のトナーが現像ユニット26へ供給される状態となる。
【0036】
一方
図11、
図12及び
図14は、切替レバー41が手前側に引き出されきった切替レバー引出状態を示している。この切替レバー引出状態においては、ストッパー解除状態(後述する)になることにより、トップフレーム50とバスケットフレーム52との係合が外れ、バスケットフレーム52とトップフレーム50とを物理的に分離させてトップフレーム50を上方へ持ち上げる(
図6)ことが可能となると共に、シャッター閉鎖状態(後述する)になることにより、シャッター部材としてのダクトシャッター30がトナー供給口29を遮蔽し、トナー搬送部12のトナーが現像ユニット26へ供給されない遮断状態となる。
【0037】
また切替レバー41は、現像ユニット26K、26C、26M及び26Yに対応するよう4つのリンクレバー44がリンク係合軸42を介し切替レバー41と係合している。このリンクレバー44は、前端に設けられた円筒形状のシャッター動作軸47が、ダクトシャッター30に設けられた前後方向に延びる溝である嵌合部45と係合する。このリンクレバー44は、レバー回転軸43を回動中心に回転可能なよう配設される。ダクトシャッター30は、移動方向である左右方向に細長い長方形状の板状部材であり、シャッター動作軸47により、切替レバー41の動作方向である前後方向と垂直な方向である左右方向に往復移動可能なように設けられている。ダクトシャッター30は、トップフレーム50に設けられたトナー搬送ダクト28のトナー供給口29を開閉可能となるように配設されている。このようにシャッターリンク部40は、切替レバー41の前後方向の移動方向を、前後方向と垂直な方向であり現像ユニット26の長手方向である左右方向へ、リンクレバー44により変換し、ダクトシャッター30をシャッター移動方向である左右方向へ往復移動させる。
【0038】
[1-4.係止部の構成]
図7、
図9及び
図11に示すようにトップフレーム50及びバスケットフレーム52には、トップフレーム50とバスケットフレーム52とを離間させるか又は嵌合させるストッパー機構60が設けられている。ストッパー機構60は、バスケット係止部62、バスケット突起部66、スライド孔64及びストッパーシャフト46により構成されている。バスケット突起部66は、左右それぞれのバスケットフレーム52における前端部の下端において、下側前方へ突出しているバスケット係止部62は、バスケット突起部66の後方に形成されており、上方向へ向かって凹み、ストッパーシャフト46が引っ掛かる形状である。
【0039】
スライド孔64は、トップフレーム50においてバスケット係止部62のそれぞれの左右方向の内側に形成されている。このスライド孔64は、トップカバー閉鎖状態においてほぼ水平方向に沿うように直線状にトップフレーム50を左右方向に穿設しており、切替レバー押込状態(
図7及び
図8)において、後端がバスケット係止部62と同様の前後方向の位置に位置し、前端がバスケット突起部66の前端部よりも前方まで位置している。ストッパーシャフト46は、トップフレーム50側における切替レバー41に設けられ、左右のスライド孔64内部を左右に貫通しており、該スライド孔64内部の前端部と後端部との間を摺動するように移動可能となっている。
【0040】
かかる構成において、
図2、
図7及び
図8に示すトップカバー閉鎖状態及び切替レバー押込状態においては、切替レバー41が装置奥側へ押し込まれているため、ストッパーシャフト46はスライド孔64の後端部に位置している。このときスライド孔64は、水平方向に対し僅かに前下がりの状態となっている。またバスケット54(
図2)の前端部の下端は、筐体2に固定された筐体側当接部68に当接しており、それ以上のトップカバー閉鎖方向への回動が規制されている。これに対しトップフレーム50は、筐体側当接部68に当接しておらず、それ以上のトップカバー閉鎖方向への回動が規制されていない。よってバスケットフレーム52は、トップフレーム50に対し僅かにトップカバー開放方向側へ回動した状態となる。このためバスケット54は、バスケットフレーム52のバスケット係止部62をストッパーシャフト46よりも上側に位置させてバスケット係止部62でストッパーシャフト46を係止しない状態にすると共に、スライド孔64の内部にバスケットフレーム52のバスケット突起部66が入り込まない状態にする。このためストッパー機構60は、スライド孔64を後端部から前端部までストッパーシャフト46を移動可能な状態であるストッパー非係止状態とする。またこのストッパー非係止状態においては、トップフレーム50が僅かに持ち上げられるとストッパーシャフト46がバスケット係止部62と係止することにより、トップフレーム50とバスケットフレーム52とが嵌合して一体化したストッパー係止状態となる。
【0041】
ここで、ユーザーがジャム用紙を除去する際や転写ベルトユニット10を交換する際に、
図7及び
図8に示すように切替レバー押込状態のまま、すなわちストッパーシャフト46がスライド孔64の後端部に位置したまま、
図4の状態から
図5に示すようにトップフレーム50と共にバスケットフレーム52が持ち上げられトップカバー開放方向へ回動したとする。このときバスケットフレーム52は、自重によりトップカバー閉鎖方向へ回動しようとすると共に、トップフレーム50は付勢部材によりトップカバー開放方向へ付勢されているため、ストッパーシャフト46がバスケット係止部62の内部に入り込んで係止し、ストッパー係止状態となる。このストッパー係止状態においては、切替レバー41をユーザーが手前へ引っ張ろうとしても、ストッパーシャフト46がバスケット係止部62の内部に食い込んでいるため、切替レバー41は手前側へ移動しない。このためストッパー機構60は、切替レバー押込状態のままトップフレーム50及びバスケットフレーム52が持ち上げられた際に、切替レバー41が装置手前側へ引き出されて切替レバー引出状態になることを防止できる。これによりストッパー機構60は、トップフレーム50とバスケットフレーム52とが一体の状態で持ち上げられ、すなわちトップカバー6と現像ユニット26とが一体の状態でトップカバー開放方向へ回動され、非画像形成状態となった際に、ユーザーの誤操作により切替レバー41が装置手前側へ引き出され、トップフレーム50とバスケットフレーム52との係合が外れてしまい、現像ユニット26が落下してしまうことを防止できる。
【0042】
一方、
図11、
図12及び
図14に示す切替レバー引出状態においては、
図7及び
図8に示した状態から切替レバー41が装置手前側へ引き出されきっているため、ストッパーシャフト46はスライド孔64の前端部に位置している。この切替レバー引出状態においてはストッパーシャフト46がバスケットフレーム52のバスケット突起部66の前端よりも前方に位置しているためストッパーシャフト46とバスケット係止部62及びバスケット突起部66との係止が外れ、バスケットフレーム52とトップフレーム50とを物理的に分離させ互いに独立させて移動可能なストッパー解除状態となる。
【0043】
このストッパー解除状態からトップカバー開放レバー36が手前へ引かれてからトップカバー6が上方へ持ち上げられると、画像形成装置1は、ストッパーシャフト46がスライド孔64の前端部に位置した状態のまま、
図6に示すようにトップカバー開放状態及びバスケット内部持上状態となる。
【0044】
[1-5.ジャム用紙除去手順及び転写ベルトユニット交換手順]
次に、現像ユニット26と転写ベルト24との間に詰まったジャム用紙をユーザーが除去する手順と、寿命に到達した転写ベルトユニット10を交換する手順とについて説明する。まずカバー閉鎖状態(
図2)においてユーザーがフロントカバー開放レバー34を手前へ引きフロントカバー4を開くと、画像形成装置1は
図4に示すフロントカバー開放状態へ遷移する。このフロントカバー開放状態においては、切替レバー41及びトップカバー開放レバー36が筐体2の外部に露出する。
【0045】
またこのとき切替レバー41は切替レバー押込状態(
図8)であり、この切替レバー押込状態においては、
図7に示すようにストッパーシャフト46はスライド孔64の奥側へ位置しており、ストッパー非係止状態となっている。このストッパー非係止状態においてユーザーがトップカバー開放レバー36を手前側へ引くと、
図5に示すように、トップフレーム50側とバスケットフレーム52とは、互いに係合されたまま同時に回動し、非画像形成状態であるトップカバー開放状態及びバスケット外部持上状態となる。このトップカバー開放状態及びバスケット外部持上状態においては、バスケット54の下端部が転写ベルト24から上方へ離間するため、ユーザーは、ジャム用紙を除去するか、又は転写ベルトユニット10を交換する。以下では、トップカバー開放状態且つバスケット外部持上状態(
図5)の状態を、第1のカバー開放形態とも呼ぶ。
【0046】
このように画像形成装置1は、切替レバー押込状態においてトップカバー開放レバー36をユーザーが操作するだけで、トップフレーム50側とバスケット54とを互いに係合されたまま同時に回動してトップカバー開放状態及びバスケット外部持上状態とし、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく、容易にジャム用紙除去や転写ベルトユニット10の交換を行わせることができる。
【0047】
また画像形成装置1は、トップカバー開放状態において、ストッパーシャフト46をバスケット係止部62の内部に入り込んだ状態で係止し、ストッパー係止状態とするようにした。このため画像形成装置1は、トップカバー開放状態で切替レバー41が装置手前側へ引き出されて切替レバー引出状態になることを防止できる。これにより画像形成装置1は、トップカバー開放状態でユーザーの誤操作により切替レバー41が装置手前側へ引き出され、トップフレーム50とバスケットフレーム52との係合が外れてしまい、現像ユニット26が落下してしまうことを防止できる。
【0048】
[1-6.現像ユニット交換手順]
次に、寿命に到達した現像ユニット26をユーザーが交換する手順について説明する。まずカバー閉鎖状態(
図2)においてユーザーがフロントカバー開放レバー34を手前へ引きフロントカバー4を開くと、画像形成装置1は
図4に示すフロントカバー開放状態へ遷移する。このフロントカバー開放状態においては、切替レバー41及びトップカバー開放レバー36が筐体2の外部に露出する。続いてユーザーが切替レバー41を
図7及び
図8に示した切替レバー押込状態から手前に引き出すと、画像形成装置1は
図11、
図12及び
図14に示す切替レバー引出状態へ遷移する。このとき、切替レバー41が前方へ移動すると、該切替レバー41に連結されている4つのリンクレバー44のリンク係合軸42が前方へ移動する。このためリンクレバー44は、レバー回転軸43を回動中心として底面視で反時計回りに回動し、シャッター動作軸47もまた底面視で反時計回りに回動するよう移動する。嵌合部45は、底面視で反時計回りに回動するシャッター動作軸47により移動し、ダクトシャッター30と共に、切替レバー41の移動方向と垂直な方向のうちの左方向であるシャッター閉鎖方向へ移動する。
【0049】
ここで、切替レバー押込状態(
図7及び
図8)においては、ダクトシャッター30が、開放位置に位置し、トナー搬送ダクト28に設けられたトナー供給口29を開く。このとき現像ユニットシャッター38(
図1及び
図3)は、ダクトシャッター30につられて連動しトナー搬送ダクト28と現像ユニット26とを連通させる。これにより画像形成装置1は、トナー搬送部12から供給されるトナーを現像ユニット26へ供給可能なトナー供給可能状態となる。この状態をシャッター開放状態とも呼ぶ。
【0050】
一方、現像ユニット26が取り出されるために切替レバー41が引き出された
図11、
図12及び
図14に示す切替レバー引出状態においては、ダクトシャッター30がトナー供給口29を遮蔽する閉鎖位置までシャッター閉鎖方向へ移動する。このとき現像ユニットシャッター38は、ダクトシャッター30につられて連動し、現像ユニット26側のトナー受け入れ口を遮蔽する。これにより画像形成装置1は、トナー搬送部12のトナーが現像ユニット26へ供給されない遮断状態となる。この状態をシャッター閉鎖状態とも呼ぶ。これにより画像形成装置1は、トナー搬送ダクト28のトナー供給口29からトナーが漏れて飛散してしまうことを防止する。
【0051】
またここで、トップカバー閉鎖状態における切替レバー押込状態においては、
図7に示すように、ストッパーシャフト46はスライド孔64の後端部に位置してバスケット係止部62の下側に位置しており、ストッパー非係止状態となっている。このストッパー非係止状態において切替レバー41が引き出されると、切替レバー41に設けられたストッパーシャフト46は、切替レバー41と同時にスライド孔64により案内され、前方であるシャフト非係合方向へ向けて水平方向に対し僅かに前下がりに移動する。
【0052】
やがて切替レバー引出状態になると、ストッパーシャフト46は、
図11に示すようにスライド孔64の前端部に位置してバスケット突起部66よりも前方に位置し、ストッパー解除状態となる。このストッパー解除状態においては、ストッパーシャフト46とバスケットフレーム52との係合が外れているため、トップフレーム50とバスケットフレーム52との係合が外れた状態となっている。このストッパー解除状態においてユーザーがトップカバー開放レバー36を操作すると、
図6に示すように、バスケットフレーム52からトップフレーム50が外れた状態でトップフレーム50のみが回動し、バスケット内部持上状態のままトップカバー開放状態となる。以下では、トップカバー開放状態且つバスケット外部持上状態(
図6)の状態を、第2のカバー開放形態とも呼ぶ。
【0053】
ここで、切替レバー41がユーザーにより前方へ引き出され、切替レバー押込状態から切替レバー引出状態へ移行するまでの間の状態である、
図10及び
図13に示す切替レバー引出途中状態について検討する。まずユーザーが切替レバー41を切替レバー押込状態(
図7及び
図8)から手前に引き出すと、切替レバー41に連動してダクトシャッター30がシャッター閉鎖方向へ移動し始め、トナー供給口29を徐々に閉鎖していく。またそれと同時に、切替レバー41に連動してストッパーシャフト46も前方へ移動し始める。以下では、ダクトシャッター30がシャッター開放状態からシャッター閉鎖状態へ移行するまでの間の状態をシャッター移動途中状態と呼ぶ。
【0054】
ユーザーが切替レバー41を手前に引き続け、
図9に示す位置までストッパーシャフト46が移動すると、切替レバー41の移動に伴いダクトシャッター30がシャッター閉鎖方向へ移動し、
図10及び
図13に示すようにトナー供給口29を完全に覆う閉鎖位置まで到達する。これにより、ダクトシャッター30は、トナー供給口29を閉鎖しトナーがトナー供給口29から漏れない状態とすると共に、現像ユニットシャッター38は、ダクトシャッター30につられて連動し、現像ユニット26側のトナー受け入れ口を遮蔽する。しかしながらこのとき、
図9に示したようにストッパーシャフト46は未だバスケット突起部66の下側に位置しており、ストッパー解除状態までは移行していないため、バスケットフレーム52とトップフレーム50とは連結状態のままである。引き続きユーザーが切替レバー41を手前に引き続け、
図11に示す位置までストッパーシャフト46が移動しバスケット突起部66から外れ、ストッパー解除状態となると、バスケットフレーム52とトップフレーム50とは連結状態が解除される。
【0055】
ここで、
図10及び
図13に示したようにダクトシャッター30が閉鎖位置に到達した以降も、切替レバー41が手前側へ引き出されると、ダクトシャッター30はさらにシャッター閉鎖方向へ移動することとなる。これに対しダクトシャッター30は、閉鎖位置に到達した状態では、トナー供給口29を覆う箇所よりも、シャッター閉鎖方向とは逆方向(右方向)のシャッター開放方向側において、切替レバー41がその後切替レバー引出状態まで移動する際にダクトシャッター30が移動する距離以上のシャッター移動方向の長さを有している。このため画像形成装置1は、長手方向がシャッター移動方向に沿っているダクトシャッター30でトナー供給口29を塞ぎ続け、切替レバー41がストッパー解除状態に到達するまで、シャッター閉鎖状態を維持する。
【0056】
このように、現像ユニット26を交換する際、ユーザーは、切替レバー41を手前側に引き出した後にトップカバー開放レバー36を操作することにより、画像形成装置1をトップカバー開放状態及びバスケット内部持上状態とする。このバスケット内部持上状態及びトップカバー開放状態においてユーザーがバスケット54を装置手前側へ引き出すと、画像形成装置1は、バスケット内部持上状態から非画像形成状態であるバスケット引出状態へ遷移する。このバスケット引出状態においては、現像ユニット26が筐体2の外部に露出し、各現像ユニット26がユーザーにより着脱可能な状態となる。ユーザーは、このバスケット引出状態において任意の現像ユニット26の交換を行い、上述した手順とは逆の手順を行う。すなわちユーザーは、バスケット54を装置奥側へ押し戻してバスケット内部持上状態(
図6)へ戻す。その後ユーザーは、トップカバー6を閉じてトップカバー閉鎖状態とした後、切替レバー41を装置奥側へ押し戻して切替レバー押込状態(
図4、
図7及び
図8)としてトナー供給可能状態としてから、フロントカバー4を閉じることによりカバー閉鎖状態(
図2)として、現像ユニット26の交換を完了する。
【0057】
[1-7.動作及び効果等]
以上の構成において画像形成装置1は、1つの切替レバー41を前後方向に沿って操作されることで、ダクトシャッター30及び現像ユニットシャッター38の開閉と、バスケットフレーム52とトップフレーム50との着脱とを行うようにした。このため画像形成装置1は、ダクトシャッター30及び現像ユニットシャッター38の開閉と、バスケットフレーム52とトップフレーム50との着脱とを、別個の操作部により行うことなく、1つの切替レバー41に集約でき、構成を簡略化して画像形成装置1を小型化できると共に、ユーザーの操作を簡便できる。
【0058】
ところで、従来の画像形成装置においては、ユーザーの誤操作でダクトシャッターの開閉の操作が行われず現像ユニットを交換しようとすると、開放されたままのトナー供給口から装置内部にトナーが飛散する可能性があった。
【0059】
これに対し画像形成装置1は、切替レバー41と連動するダクトシャッター30がシャッター閉鎖状態に到達した際には、切替レバー41はストッパー解除状態に到達しておらず、未だストッパーシャフト46はバスケット突起部66の下側に位置しているようにした。すなわち画像形成装置1は、ユーザーが現像ユニット26を交換する際に、開放位置からシャッター閉鎖方向へ移動したダクトシャッター30が閉鎖位置に到達した以降は、切替レバー41が手前側へ引き出されてダクトシャッター30がさらにシャッター閉鎖方向へ移動しても、長手方向がシャッター移動方向に沿っているダクトシャッター30でトナー供給口29を覆い続け、切替レバー41がストッパー解除状態に到達するまで、シャッター閉鎖状態を維持するようにした。
【0060】
このため画像形成装置1は、ダクトシャッター30が確実にシャッター閉鎖状態になった後に、バスケットフレーム52とトップフレーム50とを分離させることができる。これにより画像形成装置1は、ダクトシャッター30がシャッター移動途中状態であり、トナー供給口29の少なくとも一部分が開放された(すなわち中途半端にトナー供給口29を閉鎖させた)状態のままストッパー解除状態となってしまい、バスケットフレーム52とトップフレーム50とが分離されてトップフレーム50側のトナー搬送ダクト28からトナーが漏れてしまうことを防止できる。
【0061】
これにより画像形成装置1は、確実にダクトシャッター30がトナー供給口29を閉鎖しきっている状態でのみ現像ユニット26の交換が可能になるため、ダクトシャッター30が中途半端な位置でのトップカバー6の開閉を防止することができる。かくして画像形成装置1は、トナー搬送ダクト28からトナーが漏れて飛散してしまうことを防止できる。
【0062】
このように画像形成装置1は、現像ユニット26とトナー搬送ダクト28とが嵌合した状態のままトップカバー6を開放し現像ユニット26を持ち上げ内部にアクセスできる第1のカバー開放形態と、トナー搬送ダクト28がダクトシャッター30で確実に遮断された状態でトップカバー6を開放し現像ユニット26にアクセスできる第2のカバー開放形態とを確実に取ることができ、ユーザビリティを高めることができる。
【0063】
以上の構成によれば画像形成装置1は、媒体としての印刷用紙に画像形成を行う画像形成ユニット17と、現像剤供給路としてのトナー搬送ダクト28を介して画像形成ユニット17に現像剤としてのトナーを供給する現像剤収容部27と、トナー搬送ダクト28を遮蔽するダクトシャッター30と、画像形成ユニット17と係合する係合部としてのストッパーシャフト46を有し、ダクトシャッター30を移動させ、トナー搬送ダクト28を遮蔽させるための切替レバー41とを設け、切替レバー41は、ダクトシャッター30でトナー搬送ダクト28を遮蔽させた後に画像形成ユニット17とストッパーシャフト46との係合を解除するようにした。
【0064】
これにより画像形成装置1は、ダクトシャッター30でトナー搬送ダクト28を遮蔽させ、現像剤収容部27が画像形成ユニット17から離間しても、トナー搬送ダクト28からトナーが外部に漏れないようにできる。
【0065】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による画像形成装置101は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比べて、
図15に示すトップカバー開放レバーストッパー機構70が追加されている点が異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0066】
[2-2.ストッパー機構の構成]
図15に示すように、トップカバー開放レバーストッパー機構70は、切替レバー41の前端の上端部において上方へ突出する切替レバー突起部72と、切替レバー41の上方に設けられたトップカバー開放レバー36の下端部において下方へ突出するトップカバー開放レバー当接部74とにより構成されている。
【0067】
ここで、トップカバー開放レバー36は、上端部に設けられたトップカバー開放レバー回動軸を支点して下端部が前方向及び後方向へ円弧状の軌道上を移動するように回動可能である。このトップカバー開放レバー36は、トップカバー開放レバー36が筐体2にロックされる際の姿勢である、
図15において破線で示すロック姿勢P1から、左側面視で反時計回りであるトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するように下端部が手前側へ引かれ、
図15において実線で示すロック解除姿勢P2になると、ロックが外れることにより、トップカバー6を開放させる。このときトップカバー開放レバー36は、切替レバー41に最も近接する下端部が、トップカバー開放レバー先端回動軌跡RTに沿って移動する。
【0068】
切替レバー41は、水平に対し僅かに前下がりの直線方向に沿って往復移動可能である。この切替レバー41は、前方向である切替レバー引出方向D2(
図18)へ直線方向に沿って移動するように前端部が手前側へ引かれると、上述した切替レバー引出状態となる。この切替レバー引出状態においては、上述したようにシャッター閉鎖状態になることにより、ダクトシャッター30がトナー供給口29を遮蔽し、トナー搬送部12のトナーが現像ユニット26へ供給されない遮断状態となる。
【0069】
ここで、
図15に示す切替レバー押込状態においては、切替レバー41は、設計上最も後方に位置しており、切替レバー突起部72は、トップカバー開放レバー先端回動軌跡RTよりも下側、すなわちトップカバー開放レバー36が移動する範囲の外側に位置している。このため切替レバー41は、切替レバー突起部72がトップカバー開放レバー先端回動軌跡RTから退避しており、ロック姿勢P1からトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するトップカバー開放レバー36には当接しない。これによりトップカバー開放レバー36は、切替レバー41により妨げられることなく(すなわち物理的に干渉されることなく)トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動でき、ロック解除姿勢P2となる。
【0070】
このため画像形成装置1は、切替レバー押込状態、すなわちシャッター開放状態において、ユーザーに対しトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するように手前側へ引かせ、トップカバー6を開放させることができる。これにより画像形成装置1は、現像ユニット26とトナー搬送ダクト28のトナー供給口29とが嵌合した状態で、上述した第1のカバー開放形態(
図5)になることができる。
【0071】
一方、切替レバー41がユーザーにより切替レバー引出方向D2へ引き出され、切替レバー押込状態から切替レバー引出状態へ移行するまでの間の状態である
図16に示す切替レバー引出途中状態においては、切替レバー突起部72は、トップカバー開放レバー先端回動軌跡RT上に位置している。このため切替レバー41は、トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するトップカバー開放レバー36に当接して干渉する。これによりトップカバー開放レバー36は、切替レバー41に物理的に干渉されて移動が妨げられ、それ以上トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ移動できなくなる。
【0072】
このため画像形成装置1は、シャッター開放状態からシャッター閉鎖状態へ移行している状態、すなわちダクトシャッター30がトナー供給口29を閉鎖させる途中の状態において、ユーザーに対しトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動させないようにでき、トップカバー6を開放させないようにできる。
【0073】
図16の状態からさらに切替レバー41がユーザーにより切替レバー引出方向D2へ引き出され、
図17に示す切替レバー引出途中状態になっても、切替レバー突起部72は、トップカバー開放レバー先端回動軌跡RT上に未だ位置している。このため切替レバー41は、トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するトップカバー開放レバー36に当接して干渉する。これによりトップカバー開放レバー36は、切替レバー41に物理的に干渉されて移動が妨げられ、それ以上トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ移動できなくなる。
【0074】
このため画像形成装置1は、シャッター開放状態からシャッター閉鎖状態へ移行している状態において、すなわちダクトシャッター30がトナー供給口29を閉鎖させきる直前の状態においても、ユーザーに対しトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動させないようにでき、トップカバー6を開放させないようにできる。
【0075】
図17の状態からさらに切替レバー41がユーザーにより切替レバー引出方向D2へ引き出され、
図18に示す切替レバー引出状態になると、切替レバー41は、設計上最も前方に位置しており、切替レバー突起部72は、トップカバー開放レバー先端回動軌跡RTよりも下側、すなわちトップカバー開放レバー36が移動する範囲の外側に位置している。このため切替レバー41は、切替レバー突起部72がトップカバー開放レバー先端回動軌跡RTから退避しており、トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するトップカバー開放レバー36には当接しない。これによりトップカバー開放レバー36は、切替レバー41により妨げられることなく(すなわち物理的に干渉されることなく)トップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動でき、ロック解除姿勢P2となる。
【0076】
このため画像形成装置1は、切替レバー引出状態、すなわちシャッター閉鎖状態(ダクトシャッター30によりトナー供給口29を確実に遮蔽した状態)になった後に、ユーザーに対しトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動するように手前側へ引かせ、トップカバー6を開放させることができる。
【0077】
これにより画像形成装置1は、トップカバー6とバスケットフレーム52との嵌合が外れ、上述した第2のカバー開放形態(
図6)になる際には、ダクトシャッター30によりトナー供給口29を確実に遮蔽した状態とすることができ、現像ユニット26との嵌合が外れたトナー搬送ダクト28のトナー供給口29からトナーが外部に漏れることを防止できる。
【0078】
このように画像形成装置1は、切替レバー41が切替レバー押込状態又は切替レバー引出状態のときにのみ、切替レバー突起部72がトップカバー開放レバー36の回動を妨げないようにし、トップカバー開放レバー36をロック姿勢P1からロック解除姿勢P2に向かってトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動させ、トップカバー6を開放させるようにした。一方画像形成装置1は、切替レバー41が切替レバー引出途中状態のときには、切替レバー突起部72がトップカバー開放レバー36の回動を妨げるようにし、トップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動できないようにし、トップカバー6を開放させないようにした。
【0079】
このため画像形成装置1は、シャッター開放状態からシャッター閉鎖状態へ移行している状態、すなわちダクトシャッター30がトナー供給口29をまだ確実に閉鎖させていない中途半端な状態において、ユーザーに対しトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動させないようにでき、トップカバー6を開放させないようにできる。
【0080】
これにより画像形成装置1は、ユーザーに対し、操作を分かりやすくさせることができると共に、操作の間違いを防止することができ、ダクトシャッター30がトナー供給口29をまだ確実に閉鎖させていない状態において誤ってトップカバー開放レバー36をトップカバー開放レバーロック解除方向D1へ回動させてしまい、トップカバー6が開放してトナーが漏れてしまうことを防止できる。
【0081】
その他第2の実施の形態による画像形成装置101は、第1の実施の形態による画像形成装置1とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0082】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態によるシャッターリンク部40(
図12)に限らず、
図12と対応する部材に同一符号を付した
図19に示すシャッターリンク部240でも良い。シャッターリンク部240は、ダクトシャッター30とリンクレバー44との間に、ばね80が追加されている。この場合、リンクレバー44は、ばね80を潰しつつダクトシャッター30をシャッター閉鎖方向へ押すこととなる。これによりシャッターリンク部240は、シャッターリンク部40と比較して、ダクトシャッター30をリンクレバー44が押す際のガタを小さくすることができ、確実にダクトシャッター30を閉鎖させることができる。第2の実施の形態においても同様である。
【0083】
また上述した第2の実施の形態においては、トップカバー開放レバー36が円弧状の軌道上を移動するように回動し、切替レバー41が直線方向に沿って移動する場合について述べた。本発明はこれに限らず、トップカバー開放レバー36が直線方向に沿って移動し、切替レバー41が円弧状の軌道上を移動するように回動するようにしても良く、また、トップカバー開放レバー36と切替レバー41とは他の種々の移動軌跡に沿って移動しても良い。要は、トップカバー開放レバー36と切替レバー41とが異なる軌道に沿って移動すると共に、切替レバー引出途中状態において、トップカバー開放レバー36の移動軌跡と切替レバー41の移動軌跡との少なくとも一部分が重なることにより、切替レバー引出途中状態において、トップカバー開放レバー36の移動を切替レバー41により規制できれば良い。
【0084】
さらに上述した実施の形態においては、バスケット54(現像ユニット26)を筐体2の外部へ引き出す際は予めトップカバー6をトップカバー開放方向へ回動させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、トップカバー6をトップカバー開放方向へ回動させず、トップカバー閉鎖状態のまま、バスケット54(現像ユニット26)を筐体2の外部へ引き出す構成としても良い。
【0085】
さらに上述した実施の形態においては、切替レバー41が手前側に引き出されると、ダクトシャッター30によってトナー供給口29を遮蔽した後に画像形成ユニット17がトナー搬送ダクト28から脱離可能となるようにした。本発明はこれに限らず、他の種々の方法によりダクトシャッター30を移動させて、ダクトシャッター30によってトナー供給口29を遮蔽した後に画像形成ユニット17がトナー搬送ダクト28から脱離可能となるようにしても良い。
【0086】
さらに上述した実施の形態においては、前後方向に沿って直列に配置された各色の現像ユニット26を有するタンデム方式の画像形成装置1及び101に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば4サイクル方式等、他の種々の方式のカラープリンタに本発明を適用しても良い。
【0087】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置1及び101に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ファクシミリ、MFP(MultiFunction Printer:複合機)や複写機等の装置にも本発明を適用しても良い。
【0088】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0089】
さらに上述した第1の実施の形態においては、画像形成ユニットとしての画像形成ユニット17と、現像剤収容部としての現像剤収容部27と、シャッター部材としてのダクトシャッター30と、第1操作部としての切替レバー41とによって、画像形成装置としての画像形成装置1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる画像形成ユニットと、現像剤収容部と、シャッター部材と、第1操作部とによって、画像形成装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、例えば電子写真式のプリンタで利用できる。
【符号の説明】
【0091】
1、101……画像形成装置、2……筐体、4……フロントカバー、6……トップカバー、6A……トップカバー回動軸、8……用紙トレイ、9……用紙給紙部、10……転写ベルトユニット、11……トナーカートリッジ、12……トナー搬送部、13……画像形成部、14……露光装置、15……画像定着部、16……用紙排出部、17……画像形成ユニット、18……ピックアップローラ、19……フィードローラ、20……リタードローラ、22……テンションローラ、23……ドライブローラ、24……転写ベルト、26……現像ユニット、27……現像剤収容部、28……トナー搬送ダクト、29……トナー供給口、30……ダクトシャッター、32……感光体ドラム、33……転写ローラ、34……フロントカバー開放レバー、36……トップカバー開放レバー、38……現像ユニットシャッター、40、240……シャッターリンク部、41……切替レバー、42……リンク係合軸、43……レバー回転軸、44……リンクレバー、45……嵌合部、46……ストッパーシャフト、47……シャッター動作軸、50……トップフレーム、52……バスケットフレーム、54……バスケット、56……レール部、60……ストッパー機構、62……バスケット係止部、64……スライド孔、66……バスケット突起部、68……筐体側当接部、70……トップカバー開放レバーストッパー機構、72……切替レバー突起部、74……トップカバー開放レバー当接部、80……ばね、D1……トップカバー開放レバーロック解除方向、D2……切替レバー引出方向、RT……トップカバー開放レバー先端回動軌跡、P1……ロック姿勢、P2……ロック解除姿勢。