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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】無線通信装置、および無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20230905BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20230905BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20230905BHJP
   H04W 12/08 20210101ALI20230905BHJP
【FI】
H04W8/22
H04W76/10
H04W4/029
H04W12/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020005289
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021114654
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杜紅 雅恵
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/145293(WO,A1)
【文献】特開2014-021850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線通信装置からなるグループ内での通信が可能な無線通信装置であって、
他の無線通信装置との間で信号の送受信を行う通信部と、
前記通信部を制御して応答要求信号を前記グループに属する他の無線通信装置に送信し、前記グループに属する他の無線通信装置のそれぞれからの位置情報、識別情報及び応答信号を前記通信部から取得する通信制御部と、
取得した前記位置情報と、前記識別情報と、前記応答信号に含まれる暗号化データの復号機能の有無を示す復号化機能情報とを対応付けたグループ情報を生成する記憶制御部と、
前記グループ情報から、復号機能を有さない無線通信装置を要通知装置として特定するとともに、復号機能を有する無線通信装置の位置情報と前記要通知装置の位置情報とから推奨装置を特定する特定部と、
特定された前記要通知装置と前記推奨装置とのそれぞれの位置情報に基づいて、前記要通知装置から前記推奨装置への誘導情報を生成する誘導情報生成部と、を備え、
前記通信制御部は、前記通信部を制御して前記誘導情報を前記要通知装置に対して送信する無線通信装置。
【請求項2】
前記特定部は、復号機能を有する無線通信装置のうち、前記要通知装置に最も近い位置の無線通信装置を前記推奨装置として特定する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
複数の無線通信装置からなるグループ内での通信が可能な無線通信装置による無線通信方法であって、
応答要求信号を他の無線通信装置に送信するステップと、
前記グループに属する他の無線通信装置のそれぞれからの位置情報、識別情報及び応答信号を取得するステップと、
取得した前記位置情報と、前記識別情報と、前記応答信号に含まれる暗号化データの復号機能の有無を示す復号化機能情報とを対応付けたグループ情報を生成するステップと、
前記グループ情報から、復号機能を有さない無線通信装置を要通知装置として特定するとともに、復号機能を有する無線通信装置の位置情報と前記要通知装置の位置情報とから推奨装置を特定するステップと、
特定された前記要通知装置と前記推奨装置とのそれぞれの位置情報に基づいて、前記要通知装置から前記推奨装置への誘導情報を生成するステップと、
前記要通知装置に対して前記誘導情報を送信するステップと、を含む無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、受信した暗号化データの復号化の失敗を検出し、復号化に失敗した暗号化データを修復する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5036868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、暗号化データの復号化の失敗を検出し、復号化に失敗した暗号化データを修復する技術が開示されている。この技術は、無線通信装置が復号化機能を持つことを前提としている。そのため、無線通信装置間で行うグループ通信において、送信側の無線通信装置が暗号化データを送信した際に、復号化機能を持たない無線通信装置がグループに存在した場合、その無線通信装置のユーザには暗号化データの内容が伝わらないという課題がある。
【0005】
本発明は、グループ通信を行う場合に、復号化機能を持たない無線通信端末装置を使用するユーザに対して、暗号化データの内容を第三者へ漏洩することなく提供することのできる無線通信装置、および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線通信装置は、複数の無線通信装置からなるグループ内での通信が可能な無線通信装置であって、他の無線通信装置との間で信号の送受信を行う通信部と、前記通信部を制御して応答要求信号を前記グループに属する他の無線通信装置に送信し、前記グループに属する他の無線通信装置のそれぞれからの位置情報、識別情報及び応答信号を前記通信部から取得する通信制御部と、取得した前記位置情報と、前記識別情報と、前記応答信号に含まれる暗号化データの復号機能の有無を示す復号化機能情報とを対応付けたグループ情報を生成する記憶制御部と、前記グループ情報から、復号機能を有さない無線通信装置を要通知装置として特定するとともに、復号機能を有する無線通信装置の位置情報と前記要通知装置の位置情報とから推奨装置を特定する特定部と、特定された前記要通知装置と前記推奨装置とのそれぞれの位置情報に基づいて、前記要通知装置から前記推奨装置への誘導情報を生成する誘導情報生成部と、を備え、前記通信制御部は、前記通信部を制御して前記誘導情報を前記要通知装置に対して送信する。
【0007】
本発明の無線通信方法は、複数の無線通信装置からなるグループ内での通信が可能な無線通信装置による無線通信方法であって、応答要求信号を他の無線通信装置に送信するステップと、前記グループに属する他の無線通信装置のそれぞれからの位置情報、識別情報及び応答信号を取得するステップと、取得した前記位置情報と、前記識別情報と、前記応答信号に含まれる暗号化データの復号機能の有無を示す復号化機能情報とを対応付けたグループ情報を生成するステップと、前記グループ情報から、復号機能を有さない無線通信装置を要通知装置として特定するとともに、復号機能を有する無線通信装置の位置情報と前記要通知装置の位置情報とから推奨装置を特定するステップと、特定された前記要通知装置と前記推奨装置とのそれぞれの位置情報に基づいて、前記要通知装置から前記推奨装置への誘導情報を生成するステップと、前記要通知装置に対して前記誘導情報を送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、グループ通信を行う場合に、復号化機能を持たない無線通信端末装置を使用するユーザに対して暗号化された情報の内容を第三者への漏洩することなく、提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の各実施形態に係る無線通信システムを説明するための図である。
図2図2は、本発明の各実施形態に係る無線通信システムを説明するための図である。
図3図3は、本発明の各実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の各実施形態に係る無線通信装置が記憶するグループ情報を説明するための図である。
図5図5は、本発明の各実施形態に係る複合化機能を有しない無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態に係るグループ通信における送信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の第1実施形態に係るグループ通信における受信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の第2実施形態に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図10図10は、本発明の第2実施形態に係るグループ通信における送信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の第2実施形態に係るグループ通信における受信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、本発明の第2実施形態の変形例に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、本発明の第2実施形態の変形例に係るグループ通信における送信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の第2実施形態の変形例に係るグループ通信における受信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[無線通信システム]
図1と、図2とを用いて、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。図1と、図2とは、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を説明するための図である。
【0012】
図1に示すように、無線通信システム1は、例えば、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dと、無線通信装置10eとを含む。無線通信装置10aから無線通信装置10eは、それぞれ、同一のグループに属する。無線通信装置10aから無線通信装置10dは、所定の範囲R内(例えば、数キロから数十キロ)に位置しており、互いにグループ通信を実行する。図1に示す例では、例えば、無線通信装置10aは、無線通信装置10bから無線通信装置10eに対して暗号化された暗号化データを送信する。無線通信装置10bから無線通信装置10eは、暗号化データを復号化する機能を有している。そのため、無線通信装置10bから無線通信装置10eは、無線通信装置10aから受信した暗号化データを復号化することができる。これにより、無線通信装置10bから無線通信装置10eのユーザは、暗号化データに含まれる情報の内容を、第三者から知られることなく把握することができる。以下では、無線通信装置10aから無線通信装置10eを総称して、無線通信装置10と呼ぶこともある。
【0013】
一方、図2に示す無線通信システム1は、例えば、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dと、無線通信装置10eと、無線通信装置20とを含む。無線通信装置20は、無線通信装置10aから無線通信装置10eと同一のグループに属している。しかしながら、無線通信装置20は、暗号化データを復号化する機能を有していない。そのため、無線通信装置20が暗号化データを受信したとしても復号化することができないので、無線通信装置20のユーザは、暗号化データに含まれる情報の内容を把握することができない。そこで、本実施形態では。無線通信装置10aは、無線通信装置20に対して無線通信装置20のユーザが暗号化データに含まれる情報の内容を把握できるような情報を送信する。ここで、参照番号を付さず単に無線通信装置とした場合は、無線通信装置10と無線通信装置20とを総称していることを示す。例えば、他の無線通信装置とは、無線通信装置10aを除く無線通信装置10及び無線通信装置20のいずれか、または両方の無線通信装置を示す。
【0014】
[無線通信装置]
図3を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図3に示すように、無線通信装置10は、GPS(Global Positioning System)受信部11と、通信部12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、制御部16とを備える。図3に図示の無線通信装置10は、暗号化機能と復号化機能とを有する無線通信装置である。
【0016】
GPS受信部11は、GPS受信回路、GPS受信アンテナなどから構成されており、GPS信号を受信する。GPS受信部11は、受信したGPS信号を位置情報取得部162に出力する。
【0017】
通信部12は、他の無線通信装置との間で無線通信を実行する。具体的には、通信部12は、他の無線通信装置に対して各種の情報を送信し、他の無線通信装置から各種の情報を受信する。各種の情報とは、具体的には音声データ、静止画像データ、動画像データ、文書データを含む各種のデータである。なお、通信部12が他の無線通信装置との間で送受信を行うデータの種類に特に制限はない。通信部12は、例えば、近距離無線通信を実行する機能を有してもよいし、長距離無線通信を実行する機能を有してもよい。通信部12は、通信回路などで構成される。
【0018】
記憶部13は、各種の情報を記憶している。記憶部13は、例えば、無線通信装置10の過去及び現在の位置情報を記憶している。記憶部13は、例えば、無線通信装置10が属するグループに関するグループ情報を記憶している。グループ情報には、グループに属している他の無線通信装置の装置名、ユーザ名、位置情報等が関連付けられた情報を含み得る。記憶部13は、地図情報を記憶していてもよい。記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、ソリッドステートドライブなどの記憶装置で実現することができる。
【0019】
図4を用いて、記憶部13が記憶しているグループ情報について説明する。図4は、記憶部13が記憶しているグループ情報を説明するための図である。
【0020】
図4に示すように、グループ情報には、無線通信システム1に含まれる各無線通信装置の「装置名」、「ユーザ名」、「位置情報」、および「復号化機能」といった項目が含まれる。
【0021】
「装置名」は、各無線通信装置を識別するための識別情報である。図4に示す例では、無線通信装置10bから無線通信装置10eの装置名が、それぞれ、第2無線通信装置から第5無線通信装置であり、無線通信装置20の装置名が第6無線通信装置であることが示されている。「装置名」としては、個別に識別可能な端末ID(識別子)を記憶してもよい。
【0022】
「ユーザ名」は、各無線通信装置を使用するユーザを識別するための識別情報である。図4に示す例では、第2無線通信装置を使用するユーザのユーザ名は「B」であることが示されている。
【0023】
「位置情報」は、位置情報を送信した時点での各無線通信装置の位置を示す。図4に示す例では、第2無線通信装置の位置は「P2」であることが示されている。実際には、「P2」には、経度緯度情報や、住所などの情報が示される。
【0024】
「復号化機能」は、各無線通信装置が暗号化データを復号化するための復号化機能を有しているか否かを示す識別情報である。例えば、復号化機能を有している場合には「有」を示し、復号化機能を有していない場合には「無」を示す。
【0025】
なお、グループ情報は、図4に示す例に限定されず、記憶部13は、復号化機能を有している無線通装置のみを含むものと、復号化機能を有していない無線通信装置のみを含むものとを分けて記憶してもよい。また、グループ情報として、ユーザ名を省略し、装置名と位置情報と復号化機能を記憶してもよい。
【0026】
図3に戻る。操作部14は、制御部16に対する種々の操作を受け付ける。種々の操作には、例えば、復号化機能のオンとオフとを切り替える操作や、データ送信状態とデータ受信状態とを切り替える操作が含み得る。操作部14は、受け付けた操作に応じた操作信号を操作制御部165に出力する。操作部14は、例えば、物理的なスイッチや、表示部15に設けられたタッチパネルでユーザ操作の受け付けを実現することができる。
【0027】
表示部15は、ユーザインターフェースを構成する種々の画像を表示する。表示部15は、例えば、無線通信装置10が属しているグループに関する情報を表示する。表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部15は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光部を含んでもよい。
【0028】
制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶部に記憶されたプログラム(例えば、本発明に係るプログラム)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、コントローラ(Controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0029】
制御部16は、装置情報取得部161と、位置情報取得部162と、通信制御部163と、記憶制御部164と、操作制御部165と、表示制御部166と、特定部167と、暗号化部168と、復号化部169と、誘導情報生成部170とを備える。
【0030】
装置情報取得部161は、他の無線通信装置に関する各種の情報を取得する。装置情報取得部161は、例えば、通信部12が受信した他の無線通信装置の装置名と、その無線通信装置を使用するユーザ名、位置情報などを取得する。装置情報取得部161は、例えば、他の無線通信装置が識別情報を有しているか否かを示す識別情報を取得する。なお、装置情報取得部161が取得する他の無線通信装置に関する情報は、これらに限定されない。
【0031】
位置情報取得部162は、無線通信装置10の現在の位置情報を取得する。位置情報取得部162は、例えば、GPS受信部11が受信したGPS信号に基づいて、無線通信装置10の現在の位置情報を取得する。
【0032】
通信制御部163は、通信部12を制御することで、無線通信装置10と、他の無線通信装置との間の通信を制御する。通信制御部163は、例えば、他の無線通信装置から復号化機能をオン状態にする旨の応答要求信号を受信した場合に、無線通信装置10の装置名と、ユーザ名と、現在の位置情報とを他の無線通信装置に送信し、復号化部169を制御して復号化機能をオン状態にする。通信制御部163は、例えば、復号化機能を有していることを示す識別情報を第1応答信号(例えば、ACK(Acknowledgement))として他の無線通信装置に送信する。また、通信制御部163は、例えば、第1応答信号に無線通信装置10の装置名と、ユーザ名と、現在の位置情報とを含めて他の無線通信装置に送信してもよい。
【0033】
通信制御部163は、通信部12を制御して、例えば、各種のデータを他の無線通信装置10との間で送受信する。通信制御部163は、通信部12を制御して、例えば、暗号化部168によって暗号化された暗号化データを他の無線通信装置との間で送受信する。
【0034】
記憶制御部164は、各種の情報を記憶部13に記憶する。記憶制御部164は、例えば、装置情報取得部161が取得した他の無線通信装置に関する情報を記憶部13に記憶する。記憶制御部164は、例えば、位置情報取得部162が取得した無線通信装置10の位置情報を記憶部13に記憶する。
【0035】
記憶制御部164は、記憶部13から各種の情報を読み出す。記憶制御部164は、例えば、記憶部13に格納されている他の無線通信装置に関する情報を読み出す。記憶制御部164は、例えば、記憶部13に格納されている無線通信装置10に関する情報を読み出す。
【0036】
操作制御部165は、操作部14からの操作信号、すなわちユーザ操作に従って、各種の操作を制御する。例えば、操作制御部165は、無線通信装置10におけるユーザ操作により、データ送信状態と受信状態とを切り替えたり、暗号化データを復号化するための復号化機能のオン状態とオフ状態とを切り替えたりする。
【0037】
表示制御部166は、各種の映像を表示部15に表示させる。表示制御部166は、例えば、グループ通信に参加するユーザのリストなどを表示部15に表示させる。表示制御部166は、例えば、復号化部169によって復号化された各種のデータを表示部15に表示させる。
【0038】
特定部167は、図4に図示されるようなグループ情報に基づいて、無線通信装置10を特定する。特定部167は、例えば、グループ通信を実行している無線通信装置のうち、復号化機能を有している無線通信装置10を推奨装置として特定する。特定部167は、例えば、グループ通信を実行している無線通信装置のうち、復号化機能を有していない無線通信装置20を要通知装置として特定する。言い換えれば、特定部167は、第1応答信号を送信した他の無線通信装置10を推奨装置として特定し、第2応答信号を送信した他の無線通信装置20を要通知無線装置として特定する。第2応答信号とは、例えば、復号化機能を有していないことを通知する応答信号である。図4に示す例では、特定部167は、第2無線通信装置から第5無線通信装置を推奨装置として特定し、第6無線通信装置を要通知装置として特定する。
【0039】
特定部167は、複数の他の無線通信装置10を推奨装置として特定してもよいし、1台のみを推奨装置として特定してもよい。具体的には、特定部167は、無線通信装置10bから無線通信装置10eの全てを推奨端末として特定してよい。
【0040】
1台のみを推奨装置とする場合には、特定部167は、無線通信装置20と無線通信装置10bから無線通信装置10eとのそれぞれの間の距離を位置情報に基づいて算出する。そして、特定部167は、無線通信装置20から最も近い場所に位置する無線通信装置10を推奨装置として特定する。
【0041】
特定部167は、グループ通信を実行している複数の他の無線通信装置に、要通知装置が複数含まれている場合には、複数の要通知装置ごとに推奨装置を特定する。
【0042】
暗号化部168は、他の無線通信装置に送信するための各種のデータに対して暗号化処理を実行し、暗号化データを生成する。
【0043】
復号化部169は、他の無線通信装置から受信した暗号化データを復号化する。復号化部169の復号化機能は、制御部16の指示により、オン状態と、オフ状態とが切り替え可能である。例えば、復号化部169の復号化機能は、グループ間の秘密通信が行われていない場合にはオフ状態であり、グループ間の秘密通信が要求された場合にオン状態に切り替わるようにしてもよい。
【0044】
誘導情報生成部170は、無線通信装置20の位置情報と、推奨装置の位置情報とに基づいて無線通信装置20を使用するユーザを推奨装置に誘導するための誘導情報を生成する。誘導情報には、無線通信装置20の位置から推奨装置の位置までの距離と、方向とが含まれ得る。誘導情報生成部170は、無線通信装置20の位置情報と、推奨装置の位置情報と、記憶部13が記憶している地図情報とに基づいて、推奨装置までのナビゲーション情報を誘導情報として生成してもよい。この場合、例えば、あらかじめ無線通信装置20に地図情報を記憶させ、誘導情報を受信した無線通信装置20の表示制御部166で、推奨装置の居場所を地図上でプロットし、無線通信装置20から推奨装置までの経路を示すようにしてもよい。
【0045】
[無線通信装置]
図5を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図5に示すように、無線通信装置20は、GPS受信部11と、通信部12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、制御部16Aとを備える。図5に図示の無線通信装置20は、暗号化機能と復号化機能とを有しない無線通信装置である。
【0047】
無線通信装置20は、制御部16Aが特定部167と、暗号化部168と、復号化部169と、誘導情報生成部170とを有しない点で、図3に示す無線通信装置10と異なっている。
【0048】
通信制御部163は、例えば、他の無線通信装置から復号化機能をオン状態にする旨の応答要求信号を受信した場合に、無線通信装置20の装置名と、ユーザ名と、現在の位置情報とを送信元の他の無線通信装置に返信する。通信制御部163は、例えば、復号化機能を有していないことを示す識別情報を第2応答信号(例えば、NACK(Negative Acknowledgement))として送信元の他の無線通信装置に返信する。また、通信制御部163は、例えば、第2応答信号に無線通信装置20の装置名と、ユーザ名と、現在の位置情報とを含めて送信元の他の無線通信装置に返信してもよい。
【0049】
通信制御部163は、例えば、他の無線通信装置から暗号化データを受信しているか否かを判定する。通信制御部163は、例えば、他の無線通信装置から受信したデータに暗号化データを示すヘッダ情報が含まれている場合に、他の無線通信装置から暗号化データを受信したと判定する。
【0050】
表示制御部166は、例えば、他の無線通信装置から暗号化データを受信した場合には、表示部15を発光させることで、暗号化データを受信したことをユーザに通知する。表示制御部166が発光させる表示部15は、ディプレイであっても、LEDであってもよい。
【0051】
表示制御部166は、例えば、無線通信装置20が受信した推奨装置の位置情報を表示部15に表示させる。表示制御部166は、例えば、無線通信装置10から受信した誘導情報に従い、無線通信装置20を使用するユーザを推奨装置に誘導するための誘導情報を表示部15に表示させる。また、無線通信装置10の誘導情報生成部170から取得した地図情報を元に、推奨装置の居場所をプロットした画像を表示部15に表示させてもよいし、誘導情報生成部170から取得した地図情報と無線通信装置20から推奨装置への経路情報とを元に、無線通信装置20から推奨装置への経路が地図上に重畳表示された画像を生成して表示部15に表示させてもよい。
【0052】
記憶部13は、例えば、無線通信装置20から推奨装置への経路を重畳表示するための地図情報を記憶する。
【0053】
無線通信装置10の誘導情報生成部170は、無線通信装置20が受信した誘導情報を元に、記憶部13が記憶している地図情報から必要な範囲の情報を取得し、表示制御部166へ出力する。また、誘導情報としてナビゲーション情報を受信した場合、無線通信装置20から推奨装置への経路情報を表示制御部166へ出力するようにしてもよい。
【0054】
[第1実施形態]
[第1実施形態に係るグループ通信処理]
図6を用いて、第1実施形態に係るグループ通信処理について説明する。図6は、第1実施形態に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図6では、簡単のため送信側の無線通信装置と、復号化機能を有する受信側の無線通信装置と、復号化機能を有しない受信側の無線通信装置とを、それぞれ1台含む場合について説明するが、グループ通信に含まれる無線通信装置の数を限定するものではない。
【0055】
図6に示す例では、無線通信装置10aは、送信側の無線通信装置である。無線通信装置10bは、復号化機能を有する無線通信装置である。無線通信装置20は、復号化機能を有しない無線通信装置である。
【0056】
まず、無線通信装置10aは、グループ通信を開始する(ステップS11)。無線通信装置10aは、復号化機能をオン状態に切り替えさせるための指示を含む応答要求信号を無線通信装置10b及び無線通信装置20に送信する(ステップS12とステップS13)。すなわち、無線通信装置10aから一度の送信動作で、無線通信装置10b及び無線通信装置20へ応答要求信号が送信される。無線通信装置10aは、無線通信装置10bと、無線通信装置20とに対して応答要求信号を送信した後、各無線通信装置が復号化機能をオン状態に切り替えるまでの第1時間待機する(ステップS14)。第1時間に特に制限はなく、数秒~数十秒(例えば、10秒)であってよい。例えば、応答要求信号を送信した後に開始し、第1時間が経過した時に満了するタイマーを用いてもよい。
【0057】
無線通信装置10bは、応答要求信号を受信すると、第1時間が経過するまでに復号化機能をオン状態に切り替える(ステップS15)。無線通信装置10bは、少なくとも復号化機能を有することを示す第1応答信号と、現在の位置情報とを無線通信装置10aに返信する(ステップS16)。
【0058】
無線通信装置20は、応答要求信号を受信すると、第1時間が経過するまでに少なくとも復号化機能を有しないことを示す第2応答信号と、現在の位置情報とを無線通信装置10aに返信する(ステップS17)。
【0059】
無線通信装置10aは、ステップS16で受信した情報と、ステップS17で受信した情報とをグループ情報として記憶部13に記憶する(ステップS18)。無線通信装置10aは、記憶したグループ情報に基づいて推奨装置と、要通知装置とを特定する(ステップS19)。図6に示す例では、無線通信装置10bが推奨装置として特定され、無線通信装置20が要通知装置として特定される。
【0060】
無線通信装置10aは、推奨装置として特定された無線通信装置10bに対して暗号化データを送信する(ステップS20)。無線通信装置10aは、無線通信装置10bの位置情報と無線通信装置20の位置情報とに基づいて推奨装置である無線通信装置10bへの誘導情報を生成する(ステップS21)。無線通信装置aは、生成した誘導情報を要通知装置として特定された無線通信装置20送信する(ステップS22)。
【0061】
無線通信装置10bは、無線通信装置10aから受信した暗号化データを復号化する(ステップS23)。無線通信装置10bは、ステップS23で復号化したデータを表示部15に表示する(ステップS24)。
【0062】
無線通信装置20は、無線通信装置10aから受信した誘導情報に基づいて表示制御部166が生成した画像表示用の誘導情報を表示部15に表示する(ステップS25)。
【0063】
なお、図6の処理では、無線通信装置10aは、無線通信装置20に対して無線通信装置10bが位置する場所へ誘導する誘導情報を送信したが、本発明はこれに限定されない。例えば、無線通信装置10aは、無線通信装置10bに対して無線通信装置20が位置する場所へ誘導する誘導情報を送信してもよい。
【0064】
図7を用いて、第1実施形態に係る送信側の無線通信装置の処理について説明する。図7は、第1実施形態に係る送信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、無線通信装置10は、グループ通信を行う各他の無線通信装置に対して応答要求信号を送信する(ステップS101)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御して、各他の無線通信装置に対して応答要求信号を送信する。そして、ステップS102に進む。
【0066】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置が復号化機能をオン状態に切り替えるまでの第1時間待機する(ステップS102)。そして、ステップS103に進む。
【0067】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置から応答要求信号に対する応答信号と位置情報を受信する(ステップS103)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を介して、各他の無線通信装置から応答信号を受信する。そして、ステップS104に進む。
【0068】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置から受信した情報をグループ情報として記憶する(ステップS104)。具体的には、記憶制御部164が、各他の無線通信装置から受信した情報をグループ情報として記憶部13に記憶する。そして、ステップS105に進む。
【0069】
無線通信装置10は、グループ通信を行う各他の無線通信装置のうち、要通知装置が有るか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、特定部167が、記憶部13に記憶されたグループ情報に基づいて、各他の無線通信装置に要通知装置が含まれているか否かを判定する。要通知装置が含まれていると判定された場合(ステップS105のYes)、ステップS106に進む。要通知装置が含まれていないと判定された場合(ステップS104のNo)、ステップS109に進む。
【0070】
ステップS104でYesと判定された場合、無線通信装置10は、要通知装置の推奨装置を特定する(ステップS106)。具体的には、特定部167が、要通知装置の位置情報と、要通知装置特定されなかった各他の無線通知装置との位置情報とに基づいて推奨装置を特定する。ここで、特定部167は、要通知装置が複数存在する場合には、要通知装置ごとに推奨装置を特定する。そして、ステップS107に進む。
【0071】
無線通信装置10は、推奨装置の位置情報及び要通知装置の位置情報に基づいて要通知装置に対する誘導情報を生成する(ステップS107)。無線通信装置10は、要通知装置へ誘導情報を送信し、その他の無線通信装置に対しては暗号化データを送信する(ステップS108)。具体的には、誘導情報生成部170が要通知装置の位置情報と推奨装置の位置情報とに基づいて推奨装置への誘導情報を生成する。通信制御部163が、通信部12を制御することで、要通知装置に対して推奨装置への誘導情報を送信し、その他の無線通信装置に対しては暗号化データを送信する。そして、図7の処理を終了する。
【0072】
ステップS105でNoと判定された場合、無線通信装置10は、各他の無線通信装置に暗号化データを送信する(ステップS109)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御することで、各無線通信装置に対して暗号化データを送信する。そして、図7の処理を終了する。
【0073】
図8を用いて、第1実施形態に係る復号化機能を有しない受信側の無線通信装置の処理について説明する。図8は、第1実施形態に係る復号化機能を有しない受信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
まず、無線通信装置20は、無線通信装置10から応答要求信号を受信する(ステップS201)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、応答要求信号を受信する。そして、ステップS202に進む。
【0075】
無線通信装置20は、復号化機能を有していない旨を示す第2応答信号と、現在の位置情報とを無線通信装置10に送信する(ステップS202)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、第2応答信号と、位置情報取得部162が取得した無線通信装置20の現在の位置情報を送信する。そして、ステップS203に進む。
【0076】
無線通信装置20は、無線通信装置20のユーザを無線通信装置20が位置する場所から推奨装置が位置する場所へ誘導する誘導情報を受信する(ステップS203)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して要通知装置から推奨装置までの誘導情報を受信する。そして、ステップS204に進む。
【0077】
無線通信装置20は、推奨装置への誘導情報に基づいて、画面表示用のデータを生成する(ステップS204)。具体的には、表示制御部166が、推奨装置への誘導情報に基づいて、現在位置から推奨装置への方向や距離を示す画像や、記憶部13から取得した地図情報に現在位置から推奨装置の居場所までの道筋を示すナビゲーション情報を重畳した画像を生成してもよい。そして、ステップS205に進む。
【0078】
無線通信装置20は、ステップS204で生成した画像を画面に表示する(ステップS205)。具体的には、表示制御部166が、誘導情報を表示部15に表示させる。そして、図8の処理を終了する。
【0079】
上述のとおり、第1実施形態では、グループ通信で暗号化データを送信する際に、復号化機能を有しない無線通信装置に対して、復号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を送信することができる。そして、復号化機能を有しない無線通信装置は、ユーザに対して暗号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を表示することができる。これにより、復号化機能を有しない無線通信装置のユーザは、復号化機能を有する無線通信装置が位置する場所に移動することで、暗号化データの内容を把握することができる。
【0080】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係る無線通信システムおよび無線通信装置の構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0081】
第2実施形態では、グループ通信に参加している、無線通信装置10aから無線通信装置10eと、無線通信装置20とは、定期的に識別情報とユーザ名と位置情報とをグループ送信してもよい。すなわち、グループ通信に参加している各無線通信装置は、グループ通信に参加している各無線通信装置の位置情報を共有してよい。
【0082】
具体的には、各無線通信装置の記憶制御部164は、通信制御部163が他の無線通信装置の識別情報とユーザ名と位置情報とを受信すると、他の無線通信装置ごとに識別情報とユーザ名と位置情報とを対応付けて記憶部13に記憶することでグループ情報を生成する。各無線通信装置の記憶制御部164は、通信制御部163が他の無線通信装置の識別情報と位置情報とを受信するたびに、グループ情報を更新する。第1実施形態と同様にユーザ名は省略してもよい。
【0083】
第2実施形態では、定期的に更新されるグループ情報に基づいて、要通知装置と推奨装置を特定し、要通知装置に対して推奨装置の位置情報を送信する。
【0084】
[第2実施形態に係るグループ通信処理]
図9を用いて、第2実施形態に係るグループ通信処理について説明する。図9は、第2実施形態に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0085】
ステップS31~ステップS34の処理は、それぞれ、図6に図示のステップS11~ステップS14の処理と同一なので、説明を省略する。
【0086】
無線通信装置10aは、無線通信装置10bと、無線通信装置20とに対して応答要求信号を送信した後、各装置が復号化機能をオン状態に切り替えるまでの第1時間待機する(ステップS35)。第1時間に特に制限はなく、数秒~数十秒(例えば、10秒)であってよい。第1時間満了後に、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び無線通信装置20に対して暗号化データを同時に送信し(ステップS36a,ステップS36b)、第2時間の待機を開始する(ステップS37)。
【0087】
無線通信装置20は、無線通信装置10aから暗号化データを受信すると、第2待機時間が満了するまでに、無線通信装置10aに対して暗号化機能を有していない旨を示す応答信号を送信する(ステップS38)。
【0088】
無線通信装置10aは、暗号化データに対して応答信号を送信した無線通信装置20を要通知装置として特定する(ステップS39)。
【0089】
無線通信装置10aは、予め記憶部13に記憶されているグループ情報に基づいて、推奨装置(例えば、無線通信装置10b)を特定する(ステップS40)。
【0090】
ステップS41~ステップS45の処理は、図6に図示のステップS20~ステップS24の処理と同一なので、説明を省略する。
【0091】
図10を用いて、第2実施形態に係る送信側の無線通信装置の処理について説明する。図10は、第2実施形態に係る送信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、無線通信装置10は、グループ通信を行う各他の無線通信装置に対して応答要求信号を送信する(ステップS301)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御して、各他の無線通信装置に対して応答要求信号を送信する。そして、ステップS302に進む。
【0093】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置に対して応答要求信号を送信してから、第1時間経過したか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、通信制御部163が、第1時間経過したか否かを判定する。第1時間経過していないと判定された場合(ステップS302のNo)、ステップS302の処理を実行する。第1時間経過したと判定された場合(ステップS302のYes)、ステップS303に進む。
【0094】
ステップS302でYesと判定された場合、無線通信装置10は、各他の無線通信装置に対して暗号化データを送信する(ステップS303)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御して、各他の無線通信装置に対して、暗号化データを送信する。そして、ステップS304に進む。
【0095】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置から暗号化データに対する応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS304)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を介して、各他の無線通信装置から応答信号を受信したか否かを判定する。他の無線通信装置から応答信号を受信したと判定された場合(ステップS304のYes)、ステップS305に進む。一方、応答信号を受信していないと判定された場合(ステップS304のNo)、ステップS306に進む。
【0096】
ステップS304でYesと判定された場合、無線通信装置10は、応答信号を送信した無線通信装置を要通知装置として特定する(ステップS305)。具体的には、特定部167が、応答信号を送信した無線通信装置を要通知装置として特定する。そして、ステップS306に進む。
【0097】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置に対して暗号化データを送信してから、第2時間経過したか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、通信制御部163が、第2時間経過したか否かを判定する。第2時間経過していないと判定された場合(ステップS306のNo)、ステップS304に進む。一方、第2時間経過したと判定された場合(ステップS306のYes)、ステップS307に進む。
【0098】
ステップS306でYesと判定された場合、無線通信装置10は、グループ通信に参加している無線通信装置の中に、要通知装置が有ったか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、特定部167が、要通知装置が有ったか否かを判定する。要通知装置が有ると判定された場合(ステップS307のYes)、ステップS308に進む。一方、要通知装置が無いと判定された場合(ステップS307のNo)、図10の処理を終了する。
【0099】
ステップS307でYesと判定された場合、無線通信装置10は、暗号化データを復号化できた無線通信装置を特定する(ステップS308)。具体的には、特定部167が、予め記憶部13に記憶されたグループ情報に基づいて、応答信号を送信していない無線通信装置を、暗号化データを復号化できた無線通信装置として特定する。そして、ステップS309に進む。
【0100】
無線通信装置10は、要通知装置ごとに、暗号化できた無線通信装置の中から推奨装置を特定する(ステップS309)。具体的には、特定部167が、予め記憶部13に記憶されたグループ情報に含まれる位置情報などに基づいて、推奨装置を特定する。そして、ステップS310に進む。
【0101】
無線通信装置10は、推奨装置の位置情報及び要通知装置の位置情報に基づいて、要通知装置から推奨装置までの誘導情報を生成する(ステップS310)。具体的には、誘導情報生成部170が要通知装置の位置情報と推奨装置の位置情報とに基づいて推奨装置への誘導情報を生成する。
【0102】
無線通信装置10は、要通知装置に対して推奨装置への誘導情報を送信する(ステップS311)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御して、要通知装置に対して、推奨装置への誘導情報を送信する。そして、図10の処理を終了する。
【0103】
図11を用いて、第2実施形態に係る復号化機能を有しない受信側の無線通信装置の処理について説明する。図11は、第2実施形態に係る復号化機能を有しない受信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0104】
まず、無線通信装置20は、無線通信装置10から応答要求信号を受信する(ステップS401)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、応答要求信号を受信する。そして、ステップS402に進む。
【0105】
無線通信装置20は、無線通信装置10から暗号化データを受信する(ステップS402)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、暗号化データを受信する。そして、ステップS403に進む。
【0106】
無線通信装置20は、復号化機能を有していない旨を示す応答信号を無線通信装置10に送信する(ステップS403)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、応答信号を送信する。そして、ステップS404に進む。
【0107】
ステップS404~ステップS406の処理は、それぞれ、図8に図示のステップS203~ステップS205の処理と同一なので説明を省略する。
【0108】
上述のとおり、第2実施形態では、グループ通信で暗号化データを送信する際に、予め記憶されたグループ情報に基づいて、復号化機能を有しない無線通信装置に対して、復号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を送信することができる。そして、復号化機能を有しない無線通信装置は、ユーザに対して暗号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を表示することができる。これにより、復号化機能を有しない無線通信装置のユーザは、復号化機能を有する無線通信装置が位置する場所に移動することで、暗号化データの内容を把握することができる。
【0109】
[第2実施形態の変形例]
次に、本発明の第2実施形態の変形例について説明する。なお、第2実施形態の変形例に係る無線通信システムおよび無線通信装置の構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0110】
第2実施形態では、復号化機能を有しない無線通信装置は、暗号化データを受信した際に、暗号化機能を有しない旨を示す応答信号を送信側の無線通信装置に送信する。それに対して、第2実施形態の変形例では、復号化機能を有しない無線通信装置は、送信側の無線通信装置から応答要求信号を受信した際に応答信号を返信する。
【0111】
[第2実施形態の変形例に係るグループ通信処理]
図12を用いて、第2実施形態の変形例に係るグループ通信処理について説明する。図12は、第2実施形態の変形例に係るグループ通信処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0112】
ステップS51~ステップS54の処理は、それぞれ、図9に図示のステップS31~ステップS34の処理と同一なので説明を省略する。
【0113】
無線通信装置20は、無線通信装置10aから応答要求信号を受信すると、無線通信装置10bに対して暗号化機能を有していない旨を示す応答信号を返信する(ステップS55)。
【0114】
無線通信装置10aは、暗号化データに対して応答信号を送信した無線通信装置20を要通知装置として特定する(ステップS56)。無線通信装置10aは、復号化機能を有しない各無線通信装置が応答信号を送信するまでの第1時間待機する(ステップS57)。
【0115】
無線通信装置10aは、無線通信装置10bに対して暗号化データを送信する(ステップS58)。
【0116】
ステップS59~ステップS64の処理は、それぞれ、図9に図示のステップS40~ステップS45の処理と同一なので説明を省略する。
【0117】
図13を用いて、第2実施形態の変形例に係る送信側の無線通信装置の処理について説明する。図13は、第2実施形態の変形例に係る送信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0118】
ステップS501の処理は、図10に図示のステップS301の処理と同一の処理なので説明を省略する。
【0119】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置から応答要求信号に対する応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を介して、各他の無線通信装置から応答信号を受信したか否かを判定する。他の無線通信装置から応答信号を受信したと判定された場合(ステップS502のYes)、ステップS503に進む。一方、応答信号を受信していないと判定された場合(ステップS502のNo)、ステップS504に進む。
【0120】
無線通信装置10は、各他の無線通信装置に対して応用要求信号を送信してから、第1時間経過したか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、通信制御部163が、第1時間経過したか否かを判定する。第1時間経過していないと判定された場合(ステップS504のNo)、ステップS502に進む。第1時間経過したと判定された場合(ステップS504のYes)、ステップS505に進む。
【0121】
ステップS504でYesと判定された場合、無線通信装置10は、各他の無線通信装置に対して暗号化データを送信する(ステップS505)。具体的には、通信制御部163が、通信部12を制御して、各他の無線通信装置に対して、暗号化データを送信する。そして、ステップS506に進む。
【0122】
ステップS506~ステップS510の処理は、図10に図示のステップS307~ステップS311と同一の処理なので説明を省略する。
【0123】
第2実施形態の変形例では、応答要求信号に対する応答信号に基づいて要通知装置を特定することによって、暗号化データを送信した後に待機するステップを省略することができる。
【0124】
図14を用いて、第2実施形態の変形例に係る復号化機能を有しない受信側の無線通信装置の処理について説明する。図14は、第2実施形態の変形例に係る複合化機能を有しない受信側の無線通信装置のグループ通信を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0125】
ステップS601、およびステップS604~ステップS606の処理は、それぞれ、図11に示すステップS401、およびステップS404~ステップS406の処理と同一なので説明を省略する。
【0126】
ステップS601の後、無線通信装置20は、復号化機能を有していない旨を示す応答信号を無線通信装置10に送信する(ステップS602)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、応答信号を送信する。そして、ステップS603に進む。
【0127】
無線通信装置20は、無線通信装置10から暗号化データを受信する(ステップS603)。具体的には、通信制御部163が通信部12を介して、暗号化データを受信する。そして、ステップS604に進む。
【0128】
上述のとおり、第2実施形態では、グループ通信で暗号化データを送信する際に、予め記憶されたグループ情報に基づいて、復号化機能を有しない無線通信装置に対して、復号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を送信することができる。そして、復号化機能を有しない無線通信装置は、ユーザに対して暗号化機能を有する無線通信装置への誘導情報を表示することができる。これにより、復号化機能を有しない無線通信装置のユーザは、復号化機能を有する無線通信装置が位置する場所に移動することで、暗号化データの内容を把握することができる。
【0129】
[その他の実施形態]
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。
【0130】
上述した各実施形態では、グループ通信を行う無線通信装置の位置情報は、無線通信装置間で送受信されていたが、本発明はこれに限られない。グループ通信を行う各無線通信装置は、グループ通信を行う無線通信装置を管理する基地局から他の無線通信装置の位置情報を取得してもよい。
【0131】
基地局は、例えば、グループ通信を行うグループの各種のグループ情報を記憶している。基地局は、例えば、グループ情報に含まれる各無線通信装置から定期的に位置情報を取得して、各無線通信装置の位置情報を更新する。
【0132】
グループ通信を行う無線通信装置は、基地局に記憶されている位置情報に基づいて要通知装置の推奨装置を特定する。具体的には、無線通信装置は、復号化機能を有していない旨を示す応答信号を受信した場合には、基地局から要通知装置を含むグループ通信を行っている各無線通信装置の位置情報を取得する。この場合、無線通信装置は、基地局から取得した位置情報に基づいて要通知装置の推奨装置を特定する。そして、無線通信装置は、要通知装置に対して推奨装置の位置情報を送信する。
【0133】
このように、無線通信装置は、基地局装置からグループ情報を取得することで、各他の無線通信装置から位置情報を取得する必要はなくなるので処理が軽減する。
【0134】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0135】
1 無線通信システム
10 無線通信装置
11 GPS受信部
12 通信部
13 記憶部
14 操作部
15 表示部
16 制御部
161 装置情報取得部
162 位置情報取得部
163 通信制御部
164 記憶制御部
165 操作制御部
166 表示制御部
167 特定部
168 暗号化部
169 復号化部
170 誘導情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14