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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】電力システム及び充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230905BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230905BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230905BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20230905BHJP
   B60L 53/14 20190101ALN20230905BHJP
   B60L 53/30 20190101ALN20230905BHJP
   B60L 53/53 20190101ALN20230905BHJP
   B60L 53/62 20190101ALN20230905BHJP
   B60L 58/12 20190101ALN20230905BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 P
H02J7/00 X
H01M10/44 P
H02J7/34 D
H02J7/34 J
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/30
B60L53/53
B60L53/62
B60L58/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020097708
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021191203
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳原 卓朗
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-214014(JP,A)
【文献】特開2011-200104(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068735(WO,A1)
【文献】特開2018-148637(JP,A)
【文献】特開2018-033257(JP,A)
【文献】特開2011-223808(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035178(WO,A1)
【文献】特開2012-125095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 53/30
B60L 53/53
B60L 53/62
B60L 58/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を充電する電力システムであって、
前記対象蓄電装置を充電する充電モードとして、前記系統電源を用いる第1系統モードと、前記系統電源及び前記電源用蓄電装置の双方を用いる第2系統モードと、前記電源用蓄電装置を用いる電源モードと、を有する充電装置と、
前記対象蓄電装置のSOCである対象SOC、及び、前記電源用蓄電装置のSOCである電源SOCに基づいて、前記充電モードを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記対象蓄電装置の充電中、前記対象SOCの変化に応じて前記充電モードを切り替えることを特徴とする電力システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記対象SOCが予め定められた系統対象閾値よりも低く且つ前記電源SOCが予め定められた電源閾値以上である場合には前記充電モードを前記第2系統モードに設定し、前記対象SOCが前記系統対象閾値以上である場合には前記充電モードを前記第1系統モードに設定する請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記対象SOCが前記系統対象閾値よりも低く且つ前記電源SOCが前記電源閾値よりも低い場合には前記充電モードを前記第1系統モードに設定する請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記対象蓄電装置の充電に適した電力は、
前記対象SOCが予め定められた第1対象値以下である場合には第1電力であり、前記対象SOCが前記第1対象値よりも高い第2対象値以上である場合には第2電力であり、前記第1対象値から前記第2対象値に向かうに従って低下するものであり、
前記系統電源が出力可能な最大電力である系統最大電力は、前記第電力よりも高く且つ前記第電力よりも低く、
前記系統対象閾値は、前記対象蓄電装置の充電に適した電力が前記系統最大電力となる前記対象SOCである請求項2又は請求項3に記載の電力システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記充電モードが前記第2系統モードである場合には、前記対象SOCの変化に応じて、前記系統電源から出力される系統電力を前記系統最大電力に維持しつつ前記電源用蓄電装置から出力される電源電力を可変制御する請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記電源SOCが予め定められた電源閾値以上である状況下において前記対象SOCが予め定められた電源対象閾値よりも低い場合には前記充電モードを前記第2系統モードに設定する一方、前記電源SOCが前記電源閾値以上である状況下において前記対象SOCが前記電源対象閾値以上である場合には前記充電モードを前記電源モードに設定する請求項1に記載の電力システム。
【請求項7】
前記対象蓄電装置の充電に適した電力は、
前記対象SOCが予め定められた第1対象値以下である場合には第1電力であり、前記対象SOCが前記第1対象値よりも高い第2対象値以上である場合には第2電力であり、前記第1対象値から前記第2対象値に向かうに従って低下するものであり、
前記電源用蓄電装置が出力可能な最大電力である電源最大電力は、前記第電力よりも高く且つ前記第電力よりも低く、
前記電源対象閾値は、前記対象蓄電装置の充電に適した電力が前記電源最大電力となる前記対象SOCである請求項6に記載の電力システム。
【請求項8】
前記充電装置は、
第1の1次側巻線、及び、前記電源用蓄電装置が接続される第1中間タップを有する第1の2次側巻線を備えた第1トランスと、
前記第1の1次側巻線と直列に接続された第2の1次側巻線、及び、前記対象蓄電装置が接続される第2中間タップを有する第2の2次側巻線を備えた第2トランスと、
前記系統電源と接続されるとともに前記第1の1次側巻線及び前記第1の2次側巻線の直列接続体に接続された電力変換回路であって、1次側スイッチング素子を有する1次側回路と、
前記電源用蓄電装置に接続される電力変換回路であって、前記第1中間タップと前記電源用蓄電装置との間に設けられる第1の2次側コイルと、前記第1の2次側巻線に接続された第1の2次側スイッチング素子とを有する第1の2次側回路と、
前記第1の2次側回路と前記対象蓄電装置との間に設けられる電力変換回路であって、前記第2中間タップと前記対象蓄電装置との間に設けられる第2の2次側コイルと、前記第2の2次側巻線に接続された第2の2次側スイッチング素子と、を有する第2の2次側回路と、
前記第1の2次側回路及び前記第2の2次側回路の間に設けられた中間コンデンサと、
を備え、
前記制御部は、前記1次側スイッチング素子、前記第1の2次側スイッチング素子、及び前記第2の2次側スイッチング素子を制御することにより前記充電モードを制御する請求項1~7のうちいずれか一項に記載の電力システム。
【請求項9】
前記充電装置は、
前記系統電源から出力される系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路と、
前記電源用蓄電装置に接続される電力変換回路であって、第1変換スイッチング素子を有する第1変換回路と、
前記AC/DC変換回路及び前記第1変換回路の双方に接続された電力変換回路であって、第2変換スイッチング素子を有する第2変換回路と、
前記AC/DC変換回路と前記第2変換回路との間に設けられ、前記第1変換回路に接続された中間コンデンサと、
を備え、前記第2変換回路によって変換された直流電力を前記対象蓄電装置に出力するものであり、
前記制御部は、前記AC/DC変換回路、前記第1変換スイッチング素子及び前記第2変換スイッチング素子を制御することにより前記充電モードを制御する請求項1~7のうちいずれか一項に記載の電力システム。
【請求項10】
系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を充電するのに用いられるものであって、前記対象蓄電装置を充電する充電モードとして、前記系統電源を用いる第1系統モードと、前記系統電源及び前記電源用蓄電装置の双方を用いる第2系統モードと、前記電源用蓄電装置を用いる電源モードと、を有する充電装置であって、
前記対象蓄電装置のSOCである対象SOC、及び、前記電源用蓄電装置のSOCである電源SOCに基づいて、前記充電モードを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記対象蓄電装置の充電中、前記対象SOCの変化に応じて前記充電モードを切り替えることを特徴とする充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システム及び充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、電源用蓄電装置としての蓄電池を系統電源としての電力系統に系統連系させた電力システムについて記載されている。当該電力システムでは、電源用蓄電装置から出力される電力は、系統電力に変換されて電力系統に出力され、系統電力として負荷に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-68618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電源用蓄電装置を有する電力システムでは、系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を電源として用いて対象蓄電装置を充電することが考えられる。この場合、状況に応じて、対象蓄電装置の充電に用いる電源を切り替えたい場合がある。
【0005】
特に、対象蓄電装置を充電する場合、対象蓄電装置の充電に伴い対象蓄電装置のSOCが変化する。すると、対象蓄電装置の充電に適した電力が変化し、その結果充電に適した電力を供給することができなかったり、意図しない電力が供給されたりすることが生じ得る。
【0006】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を好適に充電することができる電力システム及び充電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する電力システムは、系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を充電するものであって、前記対象蓄電装置を充電する充電モードとして、前記系統電源を用いる第1系統モードと、前記系統電源及び前記電源用蓄電装置の双方を用いる第2系統モードと、前記電源用蓄電装置を用いる電源モードと、を有する充電装置と、前記対象蓄電装置のSOCである対象SOC、及び、前記電源用蓄電装置のSOCである電源SOCに基づいて、前記充電モードを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記対象蓄電装置の充電中、前記対象SOCの変化に応じて前記充電モードを切り替えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、対象蓄電装置を充電する充電モードとして、第1系統モード、第2系統モード及び電源モードがあるため、系統電源又は電源用蓄電装置のいずれか一方を用いて対象蓄電装置を充電したり、系統電源及び電源用蓄電装置の双方を用いて対象蓄電装置を充電したりすることができる。また、対象SOC及び電源SOCに基づいて充電モードを制御することにより、状況に応じた適切な充電モードを選択することができる。
【0009】
特に、対象蓄電装置の充電中、対象SOCは変化する。対象SOCが変化すると、対象蓄電装置の充電に適した電力も変化する。この点、本構成によれば、対象蓄電装置の充電中、対象SOCの変化に応じて充電モードが切り替わるため、対象SOCの変化に伴う対象蓄電装置の充電に適した電力の変化に充電モードを追従させることができる。したがって、対象蓄電装置の充電を好適に行うことができる。
【0010】
上記電力システムについて、前記制御部は、前記対象SOCが予め定められた系統対象閾値よりも低く且つ前記電源SOCが予め定められた電源閾値以上である場合には前記充電モードを前記第2系統モードに設定し、前記対象SOCが前記系統対象閾値以上である場合には前記充電モードを前記第1系統モードに設定するとよい。
【0011】
かかる構成によれば、対象SOCが低くなると充電に適した電力が大きくなり易いことに対応させて、対象SOCが系統対象閾値よりも低く且つ電源SOCが電源閾値以上である場合には充電モードが第2系統モードに設定される。これにより、系統電源及び電源用蓄電装置の双方を用いて対象蓄電装置を充電することができるため、大電力に対応できる。
【0012】
また、充電モードを第2系統モードにする条件として、電源SOCが電源閾値以上であることが含まれている。これにより、電源用蓄電装置の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置の放電が行われることに起因する不都合、例えば十分な電力供給を行うことができなったり、電源用蓄電装置が劣化したりすることを抑制できる。
【0013】
一方、対象SOCが高くなると充電に適した電力が小さくなり易いことに対応させて、対象SOCが系統対象閾値以上である場合には充電モードが第1系統モードに設定される。これにより、電源用蓄電装置を使用することなく充電に適した電力を供給することができる。
【0014】
上記電力システムについて、前記制御部は、前記対象SOCが前記系統対象閾値よりも低く且つ前記電源SOCが前記電源閾値よりも低い場合には前記充電モードを前記第1系統モードに設定するとよい。
【0015】
かかる構成によれば、対象SOCが系統対象閾値よりも低い場合であっても電源SOCが電源閾値よりも低い場合には、電源用蓄電装置を使用することなく、系統電源のみを用いて対象蓄電装置の充電が行われる。これにより、電源用蓄電装置の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置の放電が行われることに起因する不都合を抑制しつつ、対象蓄電装置の充電を行うことができる。
【0016】
上記電力システムについて、前記対象蓄電装置の充電に適した電力は、前記対象SOCが予め定められた第1対象値以下である場合には第1電力であり、前記対象SOCが前記第1対象値よりも高い第2対象値以上である場合には第2電力であり、前記第1対象値から前記第2対象値に向かうに従って低下するものであり、前記系統電源が出力可能な最大電力である系統最大電力は、前記第電力よりも高く且つ前記第電力よりも低く、前記系統対象閾値は、前記対象蓄電装置の充電に適した電力が前記系統最大電力となる前記対象SOCであるとよい。
【0017】
かかる構成によれば、対象蓄電装置の充電に適した電力が系統最大電力となるまでは充電モードが第2系統モードとなり、対象蓄電装置の充電に適した電力が系統最大電力よりも小さくなると、充電モードが第2系統モードから第1系統モードに切り替わる。これにより、系統最大電力が第1電力と第2電力との間に設定されている状況下において対象蓄電装置の充電を好適に行うことができる。
【0018】
上記電力システムについて、前記制御部は、前記充電モードが前記第2系統モードである場合には、前記対象SOCの変化に応じて、前記系統電源から出力される系統電力を前記系統最大電力に維持しつつ前記電源用蓄電装置から出力される電源電力を可変制御するとよい。
【0019】
かかる構成によれば、系統電力が系統最大電力に維持されるため、電源電力をなるべく小さくすることができる。これにより、電源用蓄電装置の充放電を抑制でき、それを通じて電源用蓄電装置の劣化を抑制できる。
【0020】
上記電力システムについて、前記制御部は、前記電源SOCが予め定められた電源閾値以上である状況下において前記対象SOCが予め定められた電源対象閾値よりも低い場合には前記充電モードを前記第2系統モードに設定する一方、前記電源SOCが前記電源閾値以上である状況下において前記対象SOCが前記電源対象閾値以上である場合には前記充電モードを前記電源モードに設定するとよい。
【0021】
かかる構成によれば、対象SOCが低くなると充電に適した電力が大きくなり易いことに対応させて、電源SOCが電源閾値以上であり且つ対象SOCが電源対象閾値よりも低い場合には充電モードが第2系統モードに設定される。これにより、系統電源及び電源用蓄電装置の双方を用いて対象蓄電装置を充電することができるため、大電力に対応できる。
【0022】
一方、対象SOCが高くなると充電に適した電力が小さくなり易いことに対応させて、電源SOCが電源閾値以上であり且つ対象SOCが電源対象閾値以上である場合には充電モードが電源モードに設定される。これにより、電源用蓄電装置のみを用いて充電に適した電力を供給することができる。
【0023】
また、充電モードを第2系統モード又は電源モードに設定する条件として、電源SOCが電源閾値以上であることが含まれている。これにより、電源用蓄電装置の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置の放電が行われることに起因する不都合、例えば十分な電力供給を行うことができなったり、電源用蓄電装置が劣化したりすることを抑制できる。
【0024】
上記電力システムについて、前記対象蓄電装置の充電に適した電力は、前記対象SOCが予め定められた第1対象値以下である場合には第1電力であり、前記対象SOCが前記第1対象値よりも高い第2対象値以上である場合には第2電力であり、前記第1対象値から前記第2対象値に向かうに従って低下するものであり、前記電源用蓄電装置が出力可能な最大電力である電源最大電力は、前記第電力よりも高く且つ前記第電力よりも低く、前記電源対象閾値は、前記対象蓄電装置の充電に適した電力が前記電源最大電力となる前記対象SOCであるとよい。
【0025】
かかる構成によれば、対象蓄電装置の充電に適した電力が電源最大電力となるまでは充電モードが第2系統モードとなり、対象蓄電装置の充電に適した電力が電源最大電力よりも小さくなると、充電モードが第2系統モードから電源モードに切り替わる。これにより、電源最大電力が第1電力と第2電力との間に設定されている状況下において、電源用蓄電装置を優先して使用しつつ、対象蓄電装置の充電を好適に行うことができる。
【0026】
上記電力システムについて、前記充電装置は、第1の1次側巻線、及び、前記電源用蓄電装置が接続される第1中間タップを有する第1の2次側巻線を備えた第1トランスと、前記第1の1次側巻線と直列に接続された第2の1次側巻線、及び、前記対象蓄電装置が接続される第2中間タップを有する第2の2次側巻線を備えた第2トランスと、前記系統電源と接続されるとともに前記第1の1次側巻線及び前記第1の2次側巻線の直列接続体に接続された電力変換回路であって、1次側スイッチング素子を有する1次側回路と、前記電源用蓄電装置に接続される電力変換回路であって、前記第1中間タップと前記電源用蓄電装置との間に設けられる第1の2次側コイルと、前記第1の2次側巻線に接続された第1の2次側スイッチング素子とを有する第1の2次側回路と、前記第1の2次側回路と前記対象蓄電装置との間に設けられる電力変換回路であって、前記第2中間タップと前記対象蓄電装置との間に設けられる第2の2次側コイルと、前記第2の2次側巻線に接続された第2の2次側スイッチング素子と、を有する第2の2次側回路と、前記第1の2次側回路及び前記第2の2次側回路の間に設けられた中間コンデンサと、を備え、前記制御部は、前記1次側スイッチング素子、前記第1の2次側スイッチング素子、及び前記第2の2次側スイッチング素子を制御することにより前記充電モードを制御するとよい。
【0027】
かかる構成によれば、1次側スイッチング素子、第1の2次側スイッチング素子、第2の2次側スイッチング素子を制御することにより、充電モードを制御しつつ対象蓄電装置の充電を行うことができる。
【0028】
上記電力システムについて、前記充電装置は、前記系統電源から出力される系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路と、前記電源用蓄電装置に接続される電力変換回路であって、第1変換スイッチング素子を有する第1変換回路と、前記AC/DC変換回路及び前記第1変換回路の双方に接続された電力変換回路であって、第2変換スイッチング素子を有する第2変換回路と、前記AC/DC変換回路と前記第2変換回路との間に設けられ、前記第1変換回路に接続された中間コンデンサと、を備え、前記第2変換回路によって変換された直流電力を前記対象蓄電装置に出力するものであり、前記制御部は、前記AC/DC変換回路、前記第1変換スイッチング素子及び前記第2変換スイッチング素子を制御することにより前記充電モードを制御するとよい。
【0029】
かかる構成によれば、AC/DC変換回路、第1変換回路の第1変換スイッチング素子及び第2変換回路の第2変換スイッチング素子を制御することによって、充電モードを制御しつつ対象蓄電装置を充電できる。
【0030】
上記目的を達成する充電装置は、系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を充電するのに用いられ、前記対象蓄電装置を充電する充電モードとして、前記系統電源を用いる第1系統モードと、前記系統電源及び前記電源用蓄電装置の双方を用いる第2系統モードと、前記電源用蓄電装置を用いる電源モードと、を有するものであって、前記対象蓄電装置のSOCである対象SOC、及び、前記電源用蓄電装置のSOCである電源SOCに基づいて、前記充電モードを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記対象蓄電装置の充電中、前記対象SOCの変化に応じて前記充電モードを切り替えることを特徴とする。
【0031】
かかる構成によれば、対象蓄電装置を充電する充電モードとして、第1系統モード、第2系統モード及び電源モードがあるため、系統電源又は電源用蓄電装置のいずれか一方を用いて対象蓄電装置を充電したり、系統電源及び電源用蓄電装置の双方を用いて対象蓄電装置を充電したりすることができる。また、対象SOC及び電源SOCに基づいて充電モードを制御することにより、状況に応じた適切な充電モードを選択することができる。
【0032】
特に、対象蓄電装置の充電中、対象SOCは変化する。対象SOCが変化すると、対象蓄電装置の充電に適した電力も変化する。この点、本構成によれば、対象蓄電装置の充電中、対象SOCの変化に応じて充電モードが切り替わるため、対象SOCの変化に伴って対象蓄電装置の充電に適した電力が変化した場合であっても、当該充電に適した電力に対して充電モードを追従させることができる。したがって、対象蓄電装置の充電を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、系統電源及び電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置を好適に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態の充電装置及び電力システムの概要を示す回路図。
図2】第1実施形態の充電制御処理を示すフローチャート。
図3】対象SOCと充電に適した電力との関係を示すグラフ。
図4】車両用蓄電装置の充電中の目標電力、系統目標電力及び電源目標電力の時間変化を示すグラフ。
図5】第2実施形態の充電制御処理を示すフローチャート。
図6】第3実施形態の充電装置の概要を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1実施形態)
以下、電力システム及び充電装置の第1実施形態について説明する。本実施形態では、充電装置は、工場や商業施設などに設置されている。すなわち、本実施形態の電力システムは、家庭用ではなく商業用または産業用である。
【0036】
図1及び図2に示すように、本実施形態の電力システム10は、車両20に設けられた対象蓄電装置としての車両用蓄電装置21を充電するものであり、系統電源11とは異なる電源用蓄電装置12と、充電装置30と、を備えている。
【0037】
系統電源11は、例えば3相の系統電力Paを出力するものである。系統電源11が供給可能な系統電力Paの最大値である系統最大電力Pamaxは、電力会社との契約内容又は他の電力システムの電力使用状況等に応じて変動する。
【0038】
電源用蓄電装置12は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。電源用蓄電装置12の電圧である電源電圧Vpは、電源用蓄電装置12のSOC(充電状態)に応じて変動する。一例としては、電源電圧Vpは、電源用蓄電装置12のSOCが高くなるに従って高くなる。詳細には、電源電圧Vpは、最小電源電圧Vpminから最大電源電圧Vpmaxまでの範囲内に亘って変動する。
【0039】
車両20は、対象蓄電装置としての車両用蓄電装置21の他に、車両用蓄電装置21の制御を行う車両ECU22と、を備えている。
車両用蓄電装置21は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。本実施形態では、充電電圧Vrの直流電力が車両用蓄電装置21に入力されることにより、車両用蓄電装置21の充電が行われる。このため、充電電圧Vrは、車両用蓄電装置21の電圧であり、車両用蓄電装置21が充電するのに必要な要求電圧といえる。また、充電電圧Vrは、負荷の要求電圧ともいえる。
【0040】
車両用蓄電装置21の電圧である充電電圧Vrは、車両用蓄電装置21の種類やSOC(充電状態)に応じて変動する。例えば、車両用蓄電装置21がリチウムイオン電池である場合と鉛蓄電池である場合とで充電電圧Vrは異なる。また、一般的に、充電電圧Vrは、車両用蓄電装置21のSOCが高くなるに従って高くなる。
【0041】
ここで、本電力システム10において想定される充電電圧Vrの最小値を最小充電電圧Vrminといい、充電電圧Vrの最大値を最大充電電圧Vrmaxという。充電電圧Vrは、最小充電電圧Vrminから最大充電電圧Vrmaxまでの範囲内に亘って変動する。
【0042】
本実施形態では、最小電源電圧Vpminは最小充電電圧Vrminよりも低く、最大電源電圧Vpmaxは最小充電電圧Vrminよりも高い。詳細には、Vpmin<Vrmin<Vpmax<Vrmaxとなっている。このため、両蓄電装置12,21のSOCに応じて、電源電圧Vpが充電電圧Vrよりも低くなる場合と、電源電圧Vpが充電電圧Vrよりも高くなる場合とがある。なお、電源用蓄電装置12及び車両用蓄電装置21の具体的な構成は任意である。
【0043】
なお、最大充電電圧Vrmaxは、最大電源電圧Vpmaxよりも高く設定されている。これにより、本電力システム10に適用可能な車両用蓄電装置21の範囲を広げることができる。したがって、汎用性の向上を図ることができる。
【0044】
車両ECU22は、車両用蓄電装置21の充電に関する制御を行うものである。車両ECU22は、充電装置30と電気的に接続可能に構成されている。車両ECU22は、充電装置30と電気的に接続された場合には、充電装置30と通信を行うことにより、車両用蓄電装置21のSOCなどの必要な情報を送信する。
【0045】
充電装置30は、車両20と電気的に接続するのに用いられる負荷接続部としてのコネクタ40を有している。コネクタ40が車両20に接続されることにより、充電装置30と、車両用蓄電装置21及び車両ECU22とが電気的に接続される。コネクタ40は、負荷と充電装置30とを接続するための接続部ともいえる。
【0046】
図2に示すように、コネクタ40は、車両用蓄電装置21の正極端子に接続される正極負荷入力端子41と、車両用蓄電装置21の負極端子に接続される負極負荷入力端子42と、車両ECU22と接続される制御端子43と、を有している。
【0047】
充電装置30は、負極蓄電入力端子35と負極負荷入力端子42とを接続する負極配線44を有している。これにより、電源用蓄電装置12と車両用蓄電装置21との負極同士が電気的に接続される。
【0048】
本実施形態では、説明の便宜上、コネクタ40の数は1つとする。ただし、これに限られず、充電装置30は、互いに並列に接続された複数のコネクタ40を有しており、複数の車両20と同時に接続可能となっている構成でもよい。この場合、充電装置30は、複数の車両20に対して同時に電力供給を行うことができる。
【0049】
以上のとおり、充電装置30は、系統電源11、電源用蓄電装置12及び車両20(詳細には車両用蓄電装置21)に接続可能に構成されている。そして、充電装置30は、系統電源11及び電源用蓄電装置12の少なくとも一方を用いて車両用蓄電装置21の充電を行うものである。充電装置30の詳細な構成については後述する。
【0050】
充電装置30について以下に詳細に説明する。
図1に示すように、充電装置30は、フィルタ回路50と、第1トランス60と、第2トランス70と、1次側回路80と、第1の2次側回路としての昇圧回路90と、第2の2次側回路としての降圧回路100と、制御ECU120と、を備えている。
【0051】
フィルタ回路50は、系統入力端子31~33から入力された系統電力Paに含まれるノイズを低減するものである。フィルタ回路50は、例えばフィルタインダクタ51とフィルタコンデンサ52とを有するLC回路である。ただし、これに限られず、フィルタ回路50の具体的な構成は任意である。
【0052】
第1トランス60は、第1の1次側巻線61及び第1の2次側巻線62を有している。すなわち、第1トランス60は、所謂絶縁型である。
第1の2次側巻線62は、第1中間タップ62aを有している。第1中間タップ62aは電源用蓄電装置12に接続される。詳細には、第1中間タップ62aは、正極蓄電入力端子34に接続されている。これにより、第1中間タップ62aは、電源用蓄電装置12の正極端子に接続されることとなる。
【0053】
第2トランス70は、第2の1次側巻線71及び第2の2次側巻線72を有している。すなわち、第2トランス70は、所謂絶縁型である。第1の1次側巻線61と第2の1次側巻線71とは直列に接続されている。
【0054】
第2の2次側巻線72は、第2中間タップ72aを有している。第2中間タップ72aは車両20に接続される。詳細には、第2中間タップ72aは、コネクタ40に接続されており、より具体的には正極負荷入力端子41に接続されている。
【0055】
1次側回路80は、系統入力端子31~33と両トランス60,70との間に設けられている。1次側回路80は、フィルタ回路50を介して系統入力端子31~33に接続されており、フィルタ回路50によってノイズが低減された系統電力Paが1次側回路80に入力される。1次側回路80は、両1次側巻線61,71の直列接続体に接続されている。
【0056】
1次側回路80は、例えばマトリックスコンバータである。1次側回路80は、1次側コイル81u~81wと、1次側スイッチング素子82ua~82wbと、を備えている。1次側回路80は、1次側スイッチング素子82ua~82wbが周期的にON/OFFすることにより、交流の電力変換を行う。
【0057】
1次側コイル81u~81wは、フィルタ回路50(詳細にはフィルタインダクタ51)を介して、系統入力端子31~33に接続されている。
1次側スイッチング素子82ua~82wbは、順方向及び逆方向の双方の電圧をON/OFFすることができる双方向スイッチング素子である。1次側スイッチング素子82ua~82wbの具体的な構成は任意であるが、例えば互いに並列に接続された複数のIGBT又はMOSFET及びダイオードを有するとよい。
【0058】
1次側スイッチング素子82ua~82wbは、1次側上アームスイッチング素子82ua,82va,82waと、1次側接続線83u,83v,83wによって1次側上アームスイッチング素子82ua,82va,82waと直列に接続された1次側下アームスイッチング素子82ub,82vb,82wbとによって構成されている。
【0059】
1次側上アームスイッチング素子82ua,82va,82waと1次側下アームスイッチング素子82ub,82vb,82wbとの直列接続体は、互いに並列に接続されているとともに両1次側巻線61,71の直列接続体に対して並列に接続されている。1次側コイル81u,81v,81wは1次側接続線83u,83v,83wに接続されている。
【0060】
昇圧回路90は、例えば電源用蓄電装置12から出力される電力を昇圧するものである。昇圧回路90は、第1の2次側巻線62の中間タップである第1中間タップ62aと電源用蓄電装置12との間に設けられた第1の2次側コイルとしての昇圧コイル91と、第1の2次側巻線62に接続された第1の2次側スイッチング素子としての昇圧スイッチング素子92~95と、を備えている。
【0061】
昇圧コイル91は、第1中間タップ62aと正極蓄電入力端子34とを接続する配線上に設けられている。
昇圧スイッチング素子92~95は、例えばn型のMOSFETやIGBTである。ただし、これに限られず、昇圧スイッチング素子92~95の具体的な構成は任意である。
【0062】
昇圧スイッチング素子92~95は、例えば昇圧上アームスイッチング素子92,94と、昇圧接続線96,97を介して昇圧上アームスイッチング素子92,94と直列に接続された昇圧下アームスイッチング素子93,95とによって構成されている。
【0063】
第1の2次側巻線62の一端は第1昇圧接続線96に接続されており、第1の2次側巻線62の他端は第2昇圧接続線97に接続されている。これにより、昇圧スイッチング素子92~95が第1の2次側巻線62に接続されることとなる。
【0064】
昇圧回路90は、両第1昇圧スイッチング素子92,93の直列接続体と、両第2昇圧スイッチング素子94,95の直列接続体とを並列に接続する第1昇圧配線98及び第2昇圧配線99を有している。第1昇圧配線98は、両昇圧上アームスイッチング素子92,94を接続し、第2昇圧配線99は、両昇圧下アームスイッチング素子93,95を接続している。第2昇圧配線99は負極配線44に接続されている。
【0065】
降圧回路100は、例えば昇圧回路90から出力される直流電力を降圧させるものである。降圧回路100は、第2の2次側巻線72の中間タップである第2中間タップ72aと車両用蓄電装置21との間に設けられた第2の2次側コイルとしての降圧コイル101と、第2の2次側巻線72に接続された第2の2次側スイッチング素子としての降圧スイッチング素子102~105と、を備えている。
【0066】
降圧コイル101は、第2中間タップ72aと正極負荷入力端子41とを接続する配線上に設けられている。
降圧スイッチング素子102~105は、例えばn型のMOSFETやIGBTである。ただし、これに限られず、降圧スイッチング素子102~105の具体的な構成は任意である。
【0067】
降圧スイッチング素子102~105は、例えば降圧上アームスイッチング素子102,104と、降圧接続線106,107を介して降圧上アームスイッチング素子102,104と直列に接続された降圧下アームスイッチング素子103,105とによって構成されている。
【0068】
第2の2次側巻線72の一端は第1降圧接続線106に接続されており、第2の2次側巻線72の他端は第2降圧接続線107に接続されている。これにより、降圧スイッチング素子102~105が第2の2次側巻線72に接続されることとなる。
【0069】
降圧回路100は、両第1降圧スイッチング素子102,103の直列接続体と、両第2降圧スイッチング素子104,105の直列接続体とを並列に接続する第1降圧配線108及び第2降圧配線109を有している。第1降圧配線108は、両降圧上アームスイッチング素子102,104を接続し、第2降圧配線109は、両降圧下アームスイッチング素子103,105を接続している。
【0070】
昇圧回路90と降圧回路100とは接続されている。詳細には、第1降圧配線108と第1昇圧配線98とが接続されており、第2降圧配線109と第2昇圧配線99とが接続されている。これにより、昇圧回路90から出力された電力は降圧回路100に入力され、当該降圧回路100によって電圧値を下げる変換が行われる。
【0071】
充電装置30は、昇圧回路90と降圧回路100との間に設けられた中間コンデンサ110を備えている。中間コンデンサ110の一端は、第1昇圧配線98及び第1降圧配線108に接続されており、中間コンデンサ110の他端は、第2昇圧配線99及び第2降圧配線109に接続されている。
【0072】
かかる構成においては、昇圧スイッチング素子92~95は、中間コンデンサ110を介して降圧回路100(詳細には降圧スイッチング素子102~105)に接続されているとも言える。また、降圧スイッチング素子102~105は、中間コンデンサ110を介して昇圧回路90(詳細には昇圧スイッチング素子92~95)に接続されているとも言える。
【0073】
制御ECU120は、1次側回路80、昇圧回路90、及び降圧回路100を制御するものである。制御ECU120は、1次側スイッチング素子82ua~82wb、昇圧スイッチング素子92~95、及び降圧スイッチング素子102~105を制御することにより、系統電源11及び電源用蓄電装置12の少なくとも一方を用いて車両用蓄電装置21の充電を行うように構成されている。
【0074】
制御ECU120の具体的なハードウェア構成は任意である。例えば、制御ECU120は、スイッチング制御を行うための専用のハードェア回路を有する構成でもよいし、スイッチング制御を行うための制御プログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、制御プログラムに基づいてスイッチング制御を行うCPUとを有する構成でもよい。
【0075】
充電装置30は、電源電圧Vpを検出する電源電圧センサ121と、充電電圧Vrを検出する充電電圧センサ122と、を備えている。電源電圧センサ121は、両蓄電入力端子34,35間の電圧を検出することにより電源電圧Vpを検出し、その検出結果を制御ECU120に出力する。充電電圧センサ122は、両負荷入力端子41,42間の電圧を検出することにより充電電圧Vrを検出し、その検出結果を制御ECU120に出力する。これにより、制御ECU120は、電源電圧Vp及び充電電圧Vrを把握できる。
【0076】
また、制御ECU120は、制御端子43を介して車両ECU22と接続されており、車両ECU22と通信を行うことができる。例えば、車両ECU22は、制御ECU120に対して要求電力を通知する。制御ECU120は、要求電力と同一の電力又は要求電力に近い電力を供給するように1次側回路80、昇圧回路90及び降圧回路100を制御する。
【0077】
制御ECU120によるスイッチング制御について以下に詳細に説明する。
本実施形態の充電装置30は、車両用蓄電装置21の充電を行う充電モードとして、少なくとも系統電源11を用いて車両用蓄電装置21の充電を行う系統モードと、電源用蓄電装置12を用いて車両用蓄電装置21の充電を行う電源モードと、を有している。系統モードは、系統電源11を用いる第1系統モードと、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いる第2系統モードと、を含む。制御ECU120は、1次側スイッチング素子82ua~82wb、昇圧スイッチング素子92~95及び降圧スイッチング素子102~105を制御することにより充電モードを制御する。
【0078】
詳細には、制御ECU120は、系統モードでは、1次側スイッチング素子82ua~82wb、昇圧スイッチング素子92~95、降圧スイッチング素子102~105を周期的にON/OFFさせることにより、系統電源11、又は、系統電源11及び電源用蓄電装置12を用いて車両用蓄電装置21の充電を行う。
【0079】
詳細には、制御ECU120は、系統電力Paの電力変換が行われるように1次側スイッチング素子82ua~82wbを周期的にON/OFFさせる。
そして、制御ECU120は、第1トランス60から出力される交流電力が直流電力に変換され、且つ、中間コンデンサ110に入力される中間電圧Vmが電源電圧Vp及び充電電圧Vrよりも高い値となるように昇圧スイッチング素子92~95を周期的にON/OFFさせる。
【0080】
中間電圧Vmは、最大電源電圧Vpmaxよりも高い電圧に設定されている。また、本実施形態の中間電圧Vmは、充電電圧Vrよりも高い電圧であり、詳細には最大充電電圧Vrmaxよりも高く設定されている。制御ECU120は、中間電圧Vmと電源電圧Vpとの電圧比に対応させて昇圧スイッチング素子92~95のデューティ比を制御する。
【0081】
制御ECU120は、中間電圧Vmの直流電力が、充電電圧Vrの直流電力に変換されるように降圧スイッチング素子102~105を周期的にON/OFFさせる。すなわち、制御ECU120は、系統モード時では、中間電圧Vmが電源電圧Vp及び充電電圧Vrよりも高くなるように昇圧回路90を制御し、中間電圧Vmの直流電力が充電電圧Vrの直流電力となるように降圧回路100を制御する。
【0082】
なお、昇圧スイッチング素子92~95及び降圧スイッチング素子102~105のスイッチング態様については任意であるが、例えば、制御ECU120は、昇圧スイッチング素子92~95のスイッチングパターンを第1パターンと第2パターンとに交互に切り替える。第1パターンは、第1昇圧上アームスイッチング素子92及び第2昇圧下アームスイッチング素子95がON状態であり且つ第1昇圧下アームスイッチング素子93及び第2昇圧上アームスイッチング素子94がOFF状態であるスイッチングパターンである。第2パターンは、第1昇圧上アームスイッチング素子92及び第2昇圧下アームスイッチング素子95がOFF状態であり且つ第1昇圧下アームスイッチング素子93及び第2昇圧上アームスイッチング素子94がON状態であるスイッチングパターンである。
【0083】
ここで、降圧回路100から車両用蓄電装置21に向けて流れる電流は、降圧スイッチング素子102~105のデューティ比に応じて変化する。このため、制御ECU120は、降圧スイッチング素子102~105のデューティ比を制御することにより、車両用蓄電装置21を充電する電力を制御することができる。
【0084】
また、系統電源11から降圧回路100に入力される電力が、降圧回路100から出力される電力よりも小さい場合、不足分を補うように電源用蓄電装置12の電力が昇圧回路90を介して降圧回路100に入力される。一方、系統電源11から降圧回路100に入力される電力が、降圧回路100から出力される電力以上である場合には、電源用蓄電装置12の電力は降圧回路100に入力されない。そして、系統電源11から昇圧回路90を介して降圧回路100に入力される電力は、1次側スイッチング素子82ua~82wbのデューティ比に応じて変化する。したがって、降圧回路100から出力される電力に対応させて、1次側スイッチング素子82ua~82wbのデューティ比を制御することにより、充電モードを第1系統モードと第2系統モードとに切り替えることができる。
【0085】
かかる構成によれば、充電装置30に入力された系統電力Paは、1次側回路80及び第1トランス60によって昇圧されて昇圧回路90に入力される。そして、昇圧回路90に入力された電力は、昇圧回路90及び中間コンデンサ110によって整流されるとともに降圧される。また、必要に応じて、電源用蓄電装置12の電力が中間電圧Vmの直流電力に昇圧されて中間コンデンサ110に入力される。これにより、中間コンデンサ110には、中間電圧Vmの直流電力が入力される。この場合、中間コンデンサ110によって昇圧回路90から出力される直流電力が安定化しているともいえる。
【0086】
そして、中間コンデンサ110によって電圧が安定化された中間電圧Vmの直流電力は、降圧回路100に入力され、降圧回路100によって充電電圧Vrに降圧されて車両用蓄電装置21に入力される。これにより、少なくとも系統電源11を用いた車両用蓄電装置21への電力供給、すなわち車両用蓄電装置21の充電が行われる。
【0087】
なお、1次側回路80は、1次側スイッチング素子82ua~82wbが周期的にON/OFFすることにより、系統電力Pa(換言すれば系統電源11から降圧回路100に入力される電力)を調整するように構成されているともいえる。
【0088】
次に電源モードについて説明する。
制御ECU120は、電源モードでは、昇圧スイッチング素子92~95及び降圧スイッチング素子102~105の双方を周期的にON/OFFさせることにより、電源用蓄電装置12を用いて充電を行う。
【0089】
詳細には、制御ECU120は、中間電圧Vmが電源電圧Vp及び充電電圧Vrよりも高くなるように昇圧回路90(詳細には昇圧スイッチング素子92~95)を制御する。すなわち、制御ECU120は、昇圧回路90を用いて電源電圧Vpの直流電力を中間電圧Vmの直流電力への昇圧変換を行う。なお、中間電圧Vmの制御は、昇圧スイッチング素子92~95のデューティ比を制御することによって実現される。
【0090】
そして、制御ECU120は、中間電圧Vmの直流電力が充電電圧Vrの直流電力に変換され、且つ、必要な電力(電源目標電力Pbt)が車両用蓄電装置21に入力されるように降圧回路100(詳細には降圧スイッチング素子102~105のデューティ比)を制御する。
【0091】
一方、制御ECU120は、電源モードでは1次側スイッチング素子82ua~82wbについては周期的にON/OFFさせることなく、常時OFF状態とする。つまり、制御ECU120は、充電モードが電源モードである場合には系統電力Paが両トランス60,70に向けて伝送されないように1次側スイッチング素子82ua~82wbをOFF状態にしているといえる。
【0092】
ここで、本実施形態では、車両20がコネクタ40に接続された場合、制御ECU120は、車両用蓄電装置21を充電する充電制御処理を実行する。制御ECU120は、充電制御処理では、車両用蓄電装置21のSOCである対象SOCXaと、電源用蓄電装置12のSOCである電源SOCXbとに基づいて充電モードを制御する。
【0093】
以下、充電制御処理について図2を用いて説明する。
図2に示すように、制御ECU120は、まずステップS101にて、現段階において車両用蓄電装置21の充電に適した電力である要求電力Prqを把握する。
【0094】
ここで、図3に示すように、要求電力Prqは、対象SOCXaに応じて変動する。詳細には、要求電力Prqは、対象SOCXaが第1対象値Xa1以下である場合には一定値の第1電力Prq1であり、対象SOCXaが第1対象値Xa1よりも大きくなると徐々に低下する。そして、要求電力Prqは、第2対象値Xa2以上である場合には再度一定値の第2電力Prq2となる。第2電力Prq2は、第1電力Prq1よりも小さい。
【0095】
つまり、車両用蓄電装置21の充電に適した電力は、対象SOCXaが第1対象値Xa1以下である場合には第1電力Prq1であり、対象SOCXaが第2対象値Xa2以上である場合には第2電力Prq2であり、第1対象値Xa1から第2対象値Xa2に向かうに従って低下している。
【0096】
本実施形態では、図3に示すように、系統最大電力Pamax及び電源用蓄電装置12が出力可能な最大電力である電源最大電力Pbmaxは、第1電力Prq1と第2電力Prq2との間に設定されている。つまり、系統最大電力Pamax及び電源最大電力Pbmaxは、第2電力Prq2よりも大きく且つ第1電力Prq1よりも小さい。電源最大電力Pbmaxは、電源用蓄電装置12の仕様や規格などによって決められている。
【0097】
ここで、対象SOCXaのうち要求電力Prqが系統最大電力PamaxとなるSOCを系統対象閾値Xat1という。本実施形態では、系統最大電力Pamaxは状況に応じて変動するため、系統対象閾値Xat1は変動し得る。
【0098】
また、対象SOCXaのうち要求電力Prqが電源最大電力PbmaxとなるSOCを電源対象閾値Xat2という。系統最大電力Pamaxと電源最大電力Pbmaxとの大小関係は任意である。また、系統最大電力Pamaxと電源最大電力Pbmaxとは同一であってもよい。
【0099】
制御ECU120は、ステップS101では、現在の対象SOCXaを把握し、その把握結果から現在の対象SOCXaに対応する要求電力Prqを把握する。
対象SOCXaを把握する具体的な構成は任意であるが、例えば制御ECU120は、充電電圧センサ122によって検出される充電電圧Vrに基づいて対象SOCXaを推定する構成でもよいし、車両ECU22との通信によって対象SOCXaを取得する構成でもよい。
【0100】
また、対象SOCXaから要求電力Prqを把握する構成は任意であるが、例えば制御ECU120は、対象SOCXaと要求電力Prqとが対応付けられたマップデータを有し、当該マップデータを参照することにより、対象SOCXaに対応する要求電力Prqを把握してもよい。
【0101】
図2に示すように、制御ECU120は、ステップS101の実行後は、ステップS102に進み、今回把握された要求電力Prqが、供給可能電力Pmax以下であるか否かを判定する。
【0102】
供給可能電力Pmaxとは、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いて供給できる最大の電力である。詳細には、供給可能電力Pmaxは、系統最大電力Pamaxと電源最大電力Pbmaxとを合わせた電力である。
【0103】
制御ECU120は、要求電力Prqが供給可能電力Pmax以下である場合には、ステップS103にて、目標電力Ptを要求電力Prqに設定してステップS105に進む。
【0104】
一方、制御ECU120は、要求電力Prqが供給可能電力Pmaxよりも大きい場合には、ステップS104にて、目標電力Ptを供給可能電力Pmaxに設定してステップS105に進む。
【0105】
制御ECU120は、ステップS105では、目標電力Ptが系統最大電力Pamax以下であるか否かを判定する。
ここで、系統最大電力Pamaxとなる対象SOCXaが系統対象閾値Xat1である点、及び、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも高くなると要求電力Prq(換言すれば目標電力Pt)が小さくなる点に着目すれば、ステップS105の処理は、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1以上であるか否かの判定処理ともいえる。
【0106】
制御ECU120は、目標電力Ptが系統最大電力Pamax以下である場合、換言すれば対象SOCXaが系統対象閾値Xat1以上である場合には、充電モードを第1系統モードに設定する。詳細には、制御ECU120は、ステップS106にて、系統電源11から出力される系統電力Paの目標値である系統目標電力Patを目標電力Ptに設定する。そして、制御ECU120は、ステップS107にて、電源用蓄電装置12から出力される電源電力Pbの目標値である電源目標電力Pbtを「0」に設定して、ステップS114に進む。
【0107】
一方、目標電力Ptが系統最大電力Pamaxよりも大きい場合、換言すれば対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも低い場合、制御ECU120は、ステップS108及びステップS109にて、充電モードを第2系統モードに設定する処理を実行する。
【0108】
詳細には、制御ECU120は、ステップS108にて、系統目標電力Patを系統最大電力Pamaxに設定する。そして、制御ECU120は、ステップS109にて、電源目標電力Pbtを、目標電力Ptから系統最大電力Pamaxを差し引いた値に設定する。
【0109】
その後、制御ECU120は、ステップS110に進み、電源用蓄電装置12の放電が可能か否かを判定する。詳細には、制御ECU120は、現在の電源用蓄電装置12のSOCである電源SOCXbを把握し、電源SOCXbが予め定められた電源閾値Xbt以上であるか否かを判定する。
【0110】
電源閾値Xbtは任意であり、例えば「0」を含む。また、電源閾値Xbtは、対象SOCXaに応じて変化する可変値であってもよい。例えば、対象SOCXaが低くなると電源用蓄電装置12からの放電量が大きくなり易いことに対応させて、電源閾値Xbtは、対象SOCXaが低くなるに従って高くなるように設定されていてもよい。
【0111】
なお、制御ECU120は、ステップS110では、電源電圧Vpが予め定められた閾値電圧以上であるか否かを判定してもよい。この場合、閾値電圧は、電源閾値Xbtに対応した電圧に設定されているとよい。なお、電源SOCXbと電源電圧Vpとが対応している点に着目すれば、電源電圧Vpが閾値電圧以上であるか否かの判定と、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上であるか否かを判定とは等価である。
【0112】
電源SOCXbが電源閾値Xbt以上である場合、制御ECU120は、電源用蓄電装置12が放電可能であると判定し、充電モードを第2系統モードに維持したままステップS114に進む。
【0113】
一方、電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合、制御ECU120は、目標電力Ptを変更するとともに、充電モードを第2系統モードから第1系統モードに変更する。詳細には、制御ECU120は、ステップS111にて、目標電力Ptを系統目標電力Patに変更し、ステップS112にて、系統目標電力Patを系統最大電力Pamaxに設定する。そして、制御ECU120は、ステップS113にて、電源目標電力Pbtを「0」に設定して、ステップS114に進む。なお、本実施形態では、電源目標電力Pbtを「0」に設定することが充電モードを第1系統モードに設定することになる。
【0114】
ステップS114では、制御ECU120は、目標電力Ptが車両用蓄電装置21に入力されるように、1次側スイッチング素子82ua~82wb、昇圧スイッチング素子92~95、降圧スイッチング素子102~105のスイッチング制御を行う。
【0115】
詳細には、制御ECU120は、充電モードが第1系統モードである場合には、系統電源11から目標電力Ptが供給されるように1次側スイッチング素子82ua~82wbのデューティ比を制御する。これにより、系統電力Paが目標電力Ptとなる。
【0116】
そして、制御ECU120は、整流と電圧変換とが行われるように昇圧スイッチング素子92~95のデューティ比を制御し、目標電力Ptが車両用蓄電装置21に入力されるように降圧スイッチング素子102~105のデューティ比を制御する。
【0117】
また、制御ECU120は、充電モードが第2系統モードである場合には、系統電源11から系統目標電力Patが供給され且つ電源用蓄電装置12から電源目標電力Pbtが供給されて目標電力Ptの直流電力が車両用蓄電装置21に入力されるように各スイッチング素子82ua~82wb,92~95,102~105を制御する。
【0118】
詳細には、制御ECU120は、系統電源11から系統目標電力Patが供給されるように1次側スイッチング素子82ua~82wbのデューティ比を制御する。これにより、系統電力Paが系統目標電力Patとなる。
【0119】
そして、制御ECU120は、整流と電圧変換とが行われるように昇圧スイッチング素子92~95のデューティ比を制御し、目標電力Ptが車両用蓄電装置21に入力されるように降圧スイッチング素子102~105のデューティ比を制御する。これにより、電源用蓄電装置12から出力される電源電力Pbが電源目標電力Pbtとなる。
【0120】
その後、制御ECU120は、ステップS115にて、充電終了条件が成立しているか否かを判定する。充電終了条件は、例えば対象SOCXaが100%となったことである。ただし、充電終了条件は任意であり、例えば予め定められた期間が経過したことや、充電装置30に対して充電終了操作が行われたことでもよい。
【0121】
制御ECU120は、充電終了条件が成立した場合には、ステップS116に進み、充電を停止させる処理を実行して、本充電制御処理を終了する。詳細には、制御ECU120は、各スイッチング素子82ua~82wb,92~95,102~105の周期的なON/OFFを停止させる。
【0122】
一方、制御ECU120は、充電終了条件が成立していない場合には、ステップS101に戻る。これにより、制御ECU120は、再度現在の対象SOCXaに対応した要求電力Prqを把握し、充電モードを設定する。つまり、制御ECU120は、充電終了条件が成立するまで、繰り返し要求電力Prqを把握し、その把握結果に対応した充電モードを設定して、要求電力Prq又は系統最大電力Pamaxで車両用蓄電装置21の充電が行われるように制御している。
【0123】
次に本実施形態の作用について図4に示す例を用いて説明する。図4は、目標電力Pt、系統目標電力Pat及び電源目標電力Pbtの時間変化の一例を示すグラフである。なお、図4の例では、電源用蓄電装置12は放電可能であるとし、充電開始タイミングを「0」とする。
【0124】
充電開始タイミングにおける対象SOCXaが第1対象値Xa1以下である場合、目標電力Ptは第1電力Prq1に設定される。この場合、対象SOCXaは系統対象閾値Xat1よりも低いため、充電モードとして第2系統モードが設定される。そして、系統目標電力Patが系統最大電力Pamaxに設定されて系統電源11から系統最大電力Pamaxが供給されるとともに、第1電力Prq1と系統最大電力Pamaxとの差分が電源電力Pbとして電源用蓄電装置12から供給される。これにより、第1電力Prq1が車両用蓄電装置21に供給される。
【0125】
その後、車両用蓄電装置21の充電に伴い、対象SOCXaが高くなる。そして、対象SOCXaが第1対象値Xa1よりも高くなったt1のタイミングから、要求電力Prqが小さくなる。この場合、系統電力Paは系統最大電力Pamaxに維持されつつ、電源電力Pbが小さくなることにより、車両用蓄電装置21に入力される電力が小さくなる。つまり、本実施形態の制御ECU120は、第2系統モード時には、系統電力Paを系統最大電力Pamaxに維持しつつ、電源電力Pbを可変制御することにより、要求電力Prqの変化に追従する。
【0126】
その後、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1となったt2のタイミングにて、充電モードが第2系統モードから第1系統モードに切り替わり、系統電源11のみを用いて車両用蓄電装置21の充電が行われる。そして、例えば対象SOCXaが100%となったt3のタイミングにて、車両用蓄電装置21の充電が終了する。
【0127】
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1-1)電力システム10は、系統電源11及び電源用蓄電装置12の少なくとも一方を用いて対象蓄電装置としての車両用蓄電装置21を充電する。電力システム10は、車両用蓄電装置21を充電する充電モードとして、系統電源11を用いる第1系統モードと、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いる第2系統モードと、電源用蓄電装置12を用いる電源モードと、を有する充電装置30と、充電モードを制御する制御部としての制御ECU120と、を備えている。
【0128】
制御ECU120は、車両用蓄電装置21のSOCである対象SOCXaと、電源用蓄電装置12のSOCである電源SOCXbとに基づいて充電モードを制御するものであり、車両用蓄電装置21の充電中、対象SOCXaの変化に応じて充電モードを切り替える。
【0129】
かかる構成によれば、車両用蓄電装置21を充電する充電モードとして、第1系統モード、第2系統モード及び電源モードがあるため、系統電源11又は電源用蓄電装置12のいずれか一方を用いて車両用蓄電装置21を充電したり、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いて車両用蓄電装置21を充電したりすることができる。また、対象SOCXa及び電源SOCXbに基づいて充電モードを制御することにより、状況に応じた適切な充電モードを選択することができる。
【0130】
特に、車両用蓄電装置21の充電中、車両用蓄電装置21のSOCは変化する。車両用蓄電装置21のSOCが変化すると、車両用蓄電装置21の充電に適した電力も変化する。この点、本構成によれば、車両用蓄電装置21の充電中、車両用蓄電装置21のSOCの変化に応じて充電モードが切り替わるため、車両用蓄電装置21のSOCの変化に伴う車両用蓄電装置21の充電に適した電力の変化に充電モードを追従させることができる。したがって、車両用蓄電装置21の充電を好適に行うことができる。
【0131】
(1-2)制御ECU120は、対象SOCXaが予め定められた系統対象閾値Xat1よりも低く且つ電源SOCXbが予め定められた電源閾値Xbt以上である場合には充電モードを第2系統モードに設定する。一方、制御ECU120は、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1以上である場合には充電モードを第1系統モードに設定する。
【0132】
かかる構成によれば、対象SOCXaが低くなると充電に適した電力が大きくなり易いことに対応させて、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも低く且つ電源SOCXbが電源閾値Xbt以上である場合には充電モードが第2系統モードに設定される。これにより、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いて車両用蓄電装置21を充電することができるため、大電力に対応できる。
【0133】
また、充電モードを第2系統モードにする条件として、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上であることが含まれている。これにより、電源用蓄電装置12の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置12の放電が行われることに起因する不都合、例えば十分な電力供給を行うことができなったり、電源用蓄電装置12が劣化したりすることを抑制できる。
【0134】
一方、対象SOCXaが高くなると充電に適した電力が小さくなり易いことに対応させて、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1以上である場合には充電モードが第1系統モードに設定される。これにより、電源用蓄電装置12を使用することなく充電に適した電力を供給することができる。
【0135】
(1-3)制御ECU120は、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも低く且つ電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合には充電モードを第1系統モードに設定する。
【0136】
かかる構成によれば、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも低い場合であっても電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合には、電源用蓄電装置12を使用することなく、系統電源11のみを用いて車両用蓄電装置21の充電が行われる。これにより、電源用蓄電装置12の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置12の放電が行われることに起因する不都合を抑制しつつ、車両用蓄電装置21の充電を行うことができる。
【0137】
(1-4)車両用蓄電装置21の充電に適した電力は、対象SOCXaが予め定められた第1対象値Xa1以下である場合には第1電力Prq1であり、対象SOCXaが第1対象値Xa1よりも高い第2対象値Xa2以上である場合には第2電力Prq2である。そして、車両用蓄電装置21の充電に適した電力は、第1対象値Xa1から第2対象値Xa2に向かうに従って低下する。そして、系統電源11が出力可能な最大電力である系統最大電力Pamaxは、第電力Prqよりも高く且つ第電力Prqよりも低く、系統対象閾値Xat1は、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が系統最大電力Pamaxとなる対象SOCXaである。
【0138】
かかる構成によれば、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が系統最大電力Pamaxとなるまでは充電モードが第2系統モードとなり、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が系統最大電力Pamaxよりも小さくなると、充電モードが第2系統モードから第1系統モードに切り替わる。これにより、系統最大電力Pamaxが第1電力Prq1と第2電力Prq2との間に設定されている状況下において車両用蓄電装置21の充電を好適に行うことができる。
【0139】
(1-5)制御ECU120は、充電モードが第2系統モードである場合には、対象SOCXaの変化に応じて、系統電力Paを系統最大電力Pamaxに維持しつつ電源用蓄電装置12から出力される電源電力Pbを可変制御する。
【0140】
かかる構成によれば、系統電力Paが系統最大電力Pamaxに維持されるため、電源電力Pbをなるべく小さくすることができる。これにより、電源用蓄電装置12の充放電を抑制でき、それを通じて電源用蓄電装置12の劣化を抑制できる。
【0141】
(1-6)電源閾値Xbtは、対象SOCXaが低くなるに従って高くなるように設定されている。
かかる構成によれば、対象SOCXaが低くなるほど、車両用蓄電装置21の充電に必要な電源用蓄電装置12の蓄電量が大きくなることに対応させて、電源閾値Xbtは、対象SOCXaが低くなるに従って高くなるように設定されている。これにより、第2系統モードの途中で、電源用蓄電装置12の蓄電量が枯渇するなどといった不都合を抑制できる。
【0142】
(1-7)充電装置30は、第1の1次側巻線61及び第1の2次側巻線62を有する第1トランス60と、第2の1次側巻線71及び第2の2次側巻線72を有する第2トランス70と、を備えている。両1次側巻線61,71は直列に接続されている。第1の2次側巻線62は、電源用蓄電装置12が接続される第1中間タップ62aを有している。第2の2次側巻線72は、車両用蓄電装置21が接続される第2中間タップ72aを有している。
【0143】
充電装置30は、系統電源11に接続され且つ両1次側巻線61,71の直列接続体に接続される電力変換回路である1次側回路80と、第1の2次側回路としての昇圧回路90と、第2の2次側回路としての降圧回路100と、昇圧回路90と降圧回路100との間に設けられた中間コンデンサ110と、を備えている。1次側回路80は、1次側スイッチング素子82ua~82wbを有している。昇圧回路90は、第1中間タップ62aと電源用蓄電装置12との間に設けられる第1の2次側コイルとしての昇圧コイル91と、第1の2次側巻線62に接続された第1の2次側スイッチング素子としての昇圧スイッチング素子92~95と、を備えている。降圧回路100は、第2中間タップ72aと車両用蓄電装置21との間に設けられる第2の2次側コイルとしての降圧コイル101と、第2の2次側巻線72に接続された第2の2次側スイッチング素子としての降圧スイッチング素子102~105と、を備えている。制御ECU120は、各スイッチング素子82ua~82wb,92~95,102~105を制御することにより、充電モードを制御する。
【0144】
かかる構成によれば、各スイッチング素子82ua~82wb,92~95,102~105を制御することにより、充電モードを制御しつつ車両用蓄電装置21の充電を行うことができる。
【0145】
(第2実施形態)
本実施形態では、充電制御処理が第1実施形態と異なっている。その異なる点について図5を用いて説明する。
【0146】
図5に示すように、制御ECU120は、ステップS103又はステップS104の処理の実行後は、ステップS201にて、車両用蓄電装置21が放電可能であるか否かを判定する。ステップS201の判定処理は、第1実施形態のステップS110の処理と同様である。
【0147】
制御ECU120は、車両用蓄電装置21が放電できないと判定した場合、詳細には電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合には、充電モードを第1系統モードに設定する。詳細には、制御ECU120は、ステップS202に進み、目標電力Ptが系統最大電力Pamax以下であるか否かを判定する。
【0148】
目標電力Ptが系統最大電力Pamax以下である場合には、制御ECU120は、ステップS203にて、系統目標電力Patを目標電力Ptに設定し、ステップS206に進む。
【0149】
一方、目標電力Ptが系統最大電力Pamaxよりも大きい場合には、制御ECU120は、ステップS204に進み、目標電力Ptを系統最大電力Pamaxに変更する。そして、制御ECU120は、ステップS205にて系統目標電力Patを系統最大電力Pamaxに設定して、ステップS206に進む。
【0150】
制御ECU120は、ステップS206では、電源目標電力Pbtを「0」に設定する。これにより、充電モードが第1系統モードに設定される。その後、制御ECU120は、ステップS114に進む。
【0151】
図5に示すように、電源用蓄電装置12が放電可能である場合、詳細には電源SOCXbが電源閾値Xbt以上である場合には、制御ECU120は、ステップS201を肯定判定し、ステップS207に進み、目標電力Ptが電源最大電力Pbmax以下であるか否かを判定する。
【0152】
ここで、既に説明したとおり、対象SOCXaのうち要求電力Prqが電源最大電力Pbmaxとなる値を電源対象閾値Xat2という。この電源対象閾値Xat2と、対象SOCXaが電源対象閾値Xat2よりも高くなると要求電力Prq(換言すれば目標電力Pt)が低くなる点とに着目すれば、制御ECU120は、ステップS207では、対象SOCXaが電源対象閾値Xat2以上であるか否かを判定しているといえる。
【0153】
制御ECU120は、目標電力Ptが電源最大電力Pbmax以下である場合、換言すれば対象SOCXaが電源対象閾値Xat2以上である場合には、充電モードを電源モードに設定する。詳細には、制御ECU120は、ステップS208にて、電源用蓄電装置12から出力される電源電力Pbの目標値である電源目標電力Pbtを目標電力Ptに設定する。そして、制御ECU120は、ステップS209にて、系統電源11から出力される系統電力Paの目標値である系統目標電力Patを「0」に設定して、ステップS209に進む。本実施形態では、系統目標電力Patを「0」に設定することが、充電モードを電源モードに設定することになる。
【0154】
一方、目標電力Ptが電源最大電力Pbmaxよりも大きい場合、換言すれば対象SOCXaが電源対象閾値Xat2よりも低い場合、制御ECU120は、ステップS210及びステップS211にて、充電モードを第2系統モードに設定する処理を実行する。
【0155】
詳細には、制御ECU120は、ステップS210にて、電源目標電力Pbtを電源最大電力Pbmaxに設定する。そして、制御ECU120は、ステップS211にて、系統目標電力Patを、目標電力Ptから電源最大電力Pbmaxを差し引いた値に設定し、ステップS114に進む。なお、ステップS114以降の処理は第1実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0156】
次に本実施形態の作用について説明する。
電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合、充電モードが第1系統モードに設定される。これにより、系統電源11のみを用いて車両用蓄電装置21の充電が行われる。
【0157】
一方、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上である場合、充電モードが電源モード又は第2系統モードのいずれかに設定される。詳細には、対象SOCXaが電源対象閾値Xat2以上である場合には、充電モードは電源モードに設定され、対象SOCXaが電源対象閾値Xat2よりも低い場合には、充電モードは第2系統モードに設定される。
【0158】
以上詳述した本実施形態によれば、(1-2)などの効果に代えて、以下の効果を奏する。
(2-1)制御ECU120は、電源SOCXbが予め定められた電源閾値Xbt以上である状況下において対象SOCXaが電源対象閾値Xat2よりも低い場合には充電モードを第2系統モードに設定する。一方、制御ECU120は、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上である状況下において対象SOCXaが電源対象閾値Xat2以上である場合には充電モードを電源モードに設定する。
【0159】
かかる構成によれば、対象SOCXaが低くなると充電に適した電力が大きくなり易いことに対応させて、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上であり且つ対象SOCXaが電源対象閾値Xat2よりも低い場合には充電モードが第2系統モードに設定される。これにより、系統電源11及び電源用蓄電装置12の双方を用いて車両用蓄電装置21を充電することができるため、大電力に対応できる。
【0160】
一方、対象SOCXaが高くなると充電に適した電力が小さくなり易いことに対応させて、対象SOCXaが電源対象閾値Xat2以上である場合には充電モードが電源モードに設定される。これにより、電源用蓄電装置12のみを用いて充電に適した電力を供給することができる。
【0161】
また、充電モードを第2系統モード又は電源モードに設定する条件として、電源SOCXbが電源閾値Xbt以上であることが含まれている。これにより、電源用蓄電装置12の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置12の放電が行われることに起因する不都合、例えば十分な電力供給を行うことができなったり、電源用蓄電装置12が劣化したりすることを抑制できる。
【0162】
(2-2)制御ECU120は、電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合には、対象SOCXaに関わらず充電モードを第1系統モードに設定する。
かかる構成によれば、電源SOCXbが電源閾値Xbtよりも低い場合には、対象SOCXaに関わらず、系統電源11のみを用いて車両用蓄電装置21の充電が行われる。これにより、電源用蓄電装置12の蓄電量が小さいにも関わらず電源用蓄電装置12の放電が行われることに起因する不都合を抑制しつつ、車両用蓄電装置21の充電を行うことができる。
【0163】
(2-3)電源用蓄電装置12が出力可能な最大電力である電源最大電力Pbmaxは、第電力Prqよりも高く且つ第電力Prqよりも低い。電源対象閾値Xat2は、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が電源最大電力Pbmaxとなる対象SOCXaである。
【0164】
かかる構成によれば、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が電源最大電力Pbmaxとなるまでは充電モードが第2系統モードとなり、車両用蓄電装置21の充電に適した電力が電源最大電力Pbmaxよりも小さくなると、充電モードが第2系統モードから電源モードに切り替わる。これにより、電源最大電力Pbmaxが第1電力Prq1と第2電力Prq2との間に設定されている状況下において、電源用蓄電装置12を優先して使用しつつ、車両用蓄電装置21の充電を好適に行うことができる。したがって、系統電源11への負担を低減できる。
【0165】
詳述すると、系統電源11が、本電力システム10だけではなく他の装置などにも用いられる場合、他の装置の使用状況や系統電源11の契約内容などによっては、系統電源11への負担、すなわち本電力システム10が引き出す系統電力Paを低減したい場合がある。この点、本構成によれば、系統電源11よりも電源用蓄電装置12が優先的に用いられるため、本電力システム10が引き出す系統電力Paを低減できる。したがって、系統電源11への負担を低減できる。
【0166】
(第3実施形態)
本実施形態では、充電装置30の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について図6を用いて説明する。
【0167】
図6に示すように、本実施形態の充電装置30は、フィルタ回路50と、AC/DC変換回路200と、第1変換回路230と、第2変換回路240と、中間コンデンサ110と、制御ECU120と、を備えている。
【0168】
なお、充電装置30は電力システム10の1つの構成であることを鑑みると、電力システム10がAC/DC変換回路200と、第1変換回路230と、第2変換回路240と、中間コンデンサ110と、制御ECU120とを備えているとも言える。
【0169】
AC/DC変換回路200は、系統電源11から出力される系統電力Paを直流電力に変換するものである。
本実施形態のAC/DC変換回路200は、1次側巻線202及び2次側巻線203を有するトランス201と、トランス201に対して1次側に設けられた1次側マトリックスコンバータ210と、トランス201に対して2次側に設けられた2次側フルブリッジ回路220と、を有している。すなわち、本実施形態のAC/DC変換回路200は、デュアルアクティブブリッジ形式のマトリックスコンバータである。
【0170】
1次側マトリックスコンバータ210は、1次側巻線202に接続されているとともに、系統入力端子31~33に接続されている。これにより、1次側マトリックスコンバータ210は、系統入力端子31~33を介して系統電源11に接続される。1次側マトリックスコンバータ210は、交流電力の双方向変換を可能に構成されている。
【0171】
1次側マトリックスコンバータ210は、1次側スイッチング素子211~216を備えている。1次側マトリックスコンバータ210は、1次側スイッチング素子211~216が周期的にON/OFFすることにより交流の電力変換を行う。例えば、1次側マトリックスコンバータ210は、系統電力Paを所定電圧の交流電力に変換してトランス201の1次側巻線202に向けて出力したり、トランス201から入力された交流電力を系統電力Paに変換して系統電源11に出力したりする。
【0172】
1次側スイッチング素子211~216は、順方向及び逆方向の双方の電圧をON/OFFすることができる双方向スイッチング素子である。1次側スイッチング素子211~216の具体的な構成は任意であるが、例えば互いに並列に接続された複数のIGBT又はMOSFET及びダイオードを有するとよい。
【0173】
1次側スイッチング素子211~216は、1次側上アームスイッチング素子211,212,213と、1次側接続線217,218,219によって1次側上アームスイッチング素子211,212,213と直列に接続された1次側下アームスイッチング素子214,215,216とによって構成されている。1次側上アームスイッチング素子211,212,213と1次側下アームスイッチング素子214,215,216との直列接続体は、互いに並列に接続された状態で1次側巻線202に接続されている。
【0174】
系統入力端子31~33は、フィルタ回路50を介して1次側接続線217~219に接続されている。これにより、1次側マトリックスコンバータ210に系統電力Paが入力される。
【0175】
トランス201は、1次側マトリックスコンバータ210と2次側フルブリッジ回路220との間に設けられており、交流電力の電圧変換を行う。なお、変圧比は、1次側巻線202と2次側巻線203との巻数比に対応する。
【0176】
2次側フルブリッジ回路220は、2次側巻線203及び中間コンデンサ110に接続されている。2次側フルブリッジ回路220は、AC/DCの双方向変換を可能に構成されている。2次側フルブリッジ回路220は、2次側上アームスイッチング素子221,222と、2次側接続線225,226を介して2次側上アームスイッチング素子221,222に直列接続された2次側下アームスイッチング素子223,224と、を有している。2次側スイッチング素子221~224は例えばn型のMOSFETである。ただし、これに限られず、2次側スイッチング素子221~224の具体的な構成は任意である。
【0177】
2次側巻線203は、2次側接続線225,226に接続されている。これにより、トランス201(詳細には2次側巻線203)から出力される交流電力は2次側フルブリッジ回路220に入力される。
【0178】
2次側フルブリッジ回路220は、2次側スイッチング素子221~224が周期的にON/OFFすることにより電力変換を行う。例えば、2次側フルブリッジ回路220は、トランス201から入力される交流電力を直流電力に変換したり、中間コンデンサ110側から入力される直流電力を交流電力に変換したりする。
【0179】
すなわち、AC/DC変換回路200は、1次側スイッチング素子211~216及び2次側スイッチング素子221~224が周期的にON/OFFすることにより、交流電力及び直流電力間の双方向変換を行う。
【0180】
第1変換回路230は、電源用蓄電装置12に接続された電力変換回路である。本実施形態の第1変換回路230は、例えば直流電力の双方向変換が可能な双方向コンバータである。
【0181】
第1変換回路230は、例えば第1変換スイッチング素子231~234を有する。詳細には、第1変換回路230は、第1上アーム変換スイッチング素子231,232と、第1下アーム変換スイッチング素子233,234と、両者を直列に接続する第1変換接続線235,236と、を備えている。両第1変換接続線235,236は正極蓄電入力端子34に接続されており、両第1下アーム変換スイッチング素子233,234は負極蓄電入力端子35に接続されている。そして、第1変換回路230は、両第1変換接続線235,236と正極蓄電入力端子34とをつなぐ2つのライン上に設けられた第1変換コイル237,238を有している。
【0182】
本実施形態の第1変換スイッチング素子231~234は、逆方向の電流が流れることを可能とするダイオードを有している。当該ダイオードは、例えばMOSFETのボディダイオードである。ただし、これに限られず、上記ダイオードは、第1変換スイッチング素子231~234に対して外付けされたものでもよい。
【0183】
本実施形態の第1変換回路230は、電源用蓄電装置12に蓄電された直流電力を昇圧する昇圧回路である。第1変換回路230は、第1変換スイッチング素子231,233と第1変換コイル237とを有する回路と、第1変換スイッチング素子232,234と第1変換コイル238とを有する回路とからなる2つの回路が並列接続された双方向コンバータである。
【0184】
第1変換回路230は、第1変換スイッチング素子231~234が周期的にON/OFFすることにより直流電力の双方向変換を行う。第1変換回路230は、例えば電源用蓄電装置12に蓄電された直流電力を昇圧してAC/DC変換回路200又は第2変換回路240に出力したり、AC/DC変換回路200又は第2変換回路240から入力される直流電力を降圧して電源用蓄電装置12に出力したりする。
【0185】
例えば、第1変換スイッチング素子231,234がON状態であり且つ第1変換スイッチング素子232,233がOFF状態であるスイッチングパターンを第1パターンとし、第1変換スイッチング素子231,234がOFF状態であり且つ第1変換スイッチング素子232,233がON状態であるスイッチングパターンを第2パターンとする。この場合、第1変換回路230は、第1変換スイッチング素子231~234が第1パターンと第2パターンとで交互にスイッチングが行われることにより、電源用蓄電装置12に蓄電された直流電力を昇圧する。
【0186】
第2変換回路240は、第2変換スイッチング素子241~244を有する。詳細には、第2変換回路240は、第2上アーム変換スイッチング素子241,242と、第2下アーム変換スイッチング素子243,244と、両者を直列に接続する第2変換接続線245,246と、を備えている。両第2変換接続線245,246は正極負荷入力端子41に接続されており、両第2下アーム変換スイッチング素子243,244は負極負荷入力端子42に接続されている。これにより、第2変換回路240と車両用蓄電装置21とが接続される。第2変換回路240は、両第2変換接続線245,246と正極負荷入力端子41とをつなぐライン上に設けられた第2変換コイル247,248を有している。
【0187】
第2変換回路240は、AC/DC変換回路200及び第1変換回路230の双方に接続されている。詳細には、充電装置30は、AC/DC変換回路200と第2変換回路240とを接続する正極配線LN1及び負極配線LN2を備えている。正極配線LN1及び負極配線LN2は、2次側フルブリッジ回路220と、第2上アーム変換スイッチング素子241及び第2下アーム変換スイッチング素子243の直列接続体と、第2上アーム変換スイッチング素子242及び第2下アーム変換スイッチング素子244の直列接続体と、を接続している。
【0188】
そして、第1変換回路230は、正極配線LN1及び負極配線LN2に接続されている。この場合、AC/DC変換回路200及び第1変換回路230は、互いに並列に接続された状態で第2変換回路240に接続されているともいえる。
【0189】
第2変換回路240は電力変換回路であり、例えば直流電力の電圧変換を行うDC/DCコンバータ回路である。本実施形態では、第2変換回路240は、直流電力の双方向変換が可能な双方向コンバータである。詳細には、第2変換回路240は、互いに直列に接続された第2変換スイッチング素子241,243と第2変換コイル247とを有する回路と、互いに直列に接続された第2変換スイッチング素子242,244と第2変換コイル248とを有する回路とが並列接続された双方向コンバータである。
【0190】
第2変換回路240は、第2変換スイッチング素子241~244が周期的にON/OFFすることにより直流電力の双方向変換を行う。第2変換回路240は、例えばAC/DC変換回路200から入力される直流電力及び第1変換回路230から入力される直流電力の少なくとも一方を降圧して車両用蓄電装置21に向けて出力したり、車両用蓄電装置21に蓄電された直流電力を昇圧してAC/DC変換回路200又は第1変換回路230に向けて出力したりする。
【0191】
例えば、第2変換スイッチング素子241,244がON状態であり且つ第2変換スイッチング素子242,243がOFF状態であるスイッチングパターンを第1パターンとし、第2変換スイッチング素子241,244がOFF状態であり且つ第2変換スイッチング素子242,243がON状態であるスイッチングパターンを第2パターンとする。この場合、第2変換回路240は、各変換スイッチング素子241~244が第1パターンと第2パターンとで交互にスイッチングが行われることにより電力変換を行う。
【0192】
中間コンデンサ110は、AC/DC変換回路200と第2変換回路240との間に設けられている。詳細には、中間コンデンサ110は、正極配線LN1及び負極配線LN2に接続されている。
【0193】
ここで、既に説明したとおり、第1変換回路230は正極配線LN1及び負極配線LN2に接続されている。このため、中間コンデンサ110と第1変換回路230とは、正極配線LN1及び負極配線LN2を介して接続されている。
【0194】
なお、本実施形態では、図6に示すように、中間コンデンサ110は、正極配線LN1及び負極配線LN2における第1変換回路230との接続点よりも第2変換回路240側に設けられているが、これに限られず、上記接続点よりもAC/DC変換回路200側に設けられていてもよい。
【0195】
本実施形態の制御ECU120は、AC/DC変換回路200、第1変換回路230及び第2変換回路240、詳細には各スイッチング素子211~216,221~224,231~234,241~244を制御することにより充電モードの制御を行う。
【0196】
本実施形態の制御ECU120によるスイッチング制御について以下に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、以下の説明では、系統モードのうち系統電力Paのみを用いて車両用蓄電装置21の充電を行うモードを第1系統モードとし、系統モードのうち系統電力Pa及び電源用蓄電装置12の双方を用いて充電を行うモードを第2系統モードとする。
【0197】
本実施形態の制御ECU120は、第1系統モードである場合には、中間コンデンサ110に印加される中間電圧Vmが第1供給時中間電圧Vm1aとなるようにAC/DC変換回路200を制御する。詳細には、制御ECU120は、AC/DC変換回路200から第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力が出力されるように1次側スイッチング素子211~216及び2次側スイッチング素子221~224をPWM制御する。これにより、1次側スイッチング素子211~216及び2次側スイッチング素子221~224が周期的にON/OFFしてAC/DC変換が行われる。すなわち、制御ECU120は、系統電力Paが第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力に変換されるようにAC/DC変換回路200を制御する。
【0198】
ここで、第1供給時中間電圧Vm1aは、電源電圧Vp及び充電電圧Vrよりも高く設定されている。既に説明したとおり、本実施形態では、電源電圧Vp及び充電電圧Vrは変動するため、本実施形態の第1供給時中間電圧Vm1aは、最大電源電圧Vpmax及び最大充電電圧Vrmaxよりも高く設定されている。
【0199】
詳細には、制御ECU120は、第1供給時中間電圧Vm1a及びトランス201の巻数比などに基づいて、1次側スイッチング素子211~216のデューティ比を算出し、そのデューティ比で1次側スイッチング素子211~216を周期的にON/OFFさせる。また、制御ECU120は、トランス201から出力された交流電力が直流電力に変換されるように2次側スイッチング素子221~224を周期的にON/OFFさせる。なお、2次側フルブリッジ回路220は、PWM制御されることにより交流電力を直流電力に整流するPWM整流回路ともいえる。
【0200】
かかる構成によれば、AC/DC変換回路200から第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力が出力される。これにより、中間コンデンサ110には、第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力によって電荷が蓄積され、正極配線LN1及び負極配線LN2間の電圧は、中間コンデンサ110によって第1供給時中間電圧Vm1aに維持される。すなわち、中間コンデンサ110は、第2変換回路240の前段の電圧を安定化させるものとして機能している。
【0201】
制御ECU120は、第1系統モードである場合、AC/DC変換回路200から出力される第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力が充電電圧Vrの直流電力に変換されるように第2変換回路240を制御する。詳細には、既に説明したとおり、第1供給時中間電圧Vm1aは充電電圧Vrよりも高く設定されている。このため、制御ECU120は、第2変換スイッチング素子241~244をPWM制御することにより直流電力の降圧変換を行う。これにより、第2変換回路240によって変換された充電電圧Vrの直流電力が車両用蓄電装置21に入力され、車両用蓄電装置21が充電される。
【0202】
ちなみに、制御ECU120は、第1系統モードである場合には、第1変換回路230を停止させる。詳細には、制御ECU120は、第1供給時中間電圧Vm1aの直流電力が電源用蓄電装置12に供給されないように第1変換スイッチング素子231~234をOFF状態に維持する。すなわち、制御ECU120は、第1系統モードである場合には、第1変換回路230についてはPWM制御を行わない。このため、第1変換スイッチング素子231~234は周期的にON/OFFしない。
【0203】
制御ECU120は、第2系統モードである場合、中間電圧Vmが第2供給時中間電圧Vm1bとなるようにAC/DC変換回路200を制御する。詳細には、制御ECU120は、系統電力Paが第2供給時中間電圧Vm1bの直流電力に変換されるようにAC/DC変換回路200を制御する。この制御態様は、第1系統モード時と同様である。
【0204】
制御ECU120は、第2系統モードである場合、電源用蓄電装置12の電力が第2供給時中間電圧Vm1bの直流電力に変換されるように第1変換回路230を制御する。
ここで、第2供給時中間電圧Vm1bは、電源電圧Vp及び充電電圧Vrよりも高く設定されている。既に説明したとおり、本実施形態では、電源電圧Vp及び充電電圧Vrは変動するため、本実施形態の第2供給時中間電圧Vm1bは、最大電源電圧Vpmax及び最大充電電圧Vrmaxよりも高く設定されている。このため、制御ECU120は、第1変換スイッチング素子231~234をPWM制御することにより直流電力の昇圧変換を行う。第2供給時中間電圧Vm1bと第1供給時中間電圧Vm1aとの大小関係は任意であり、例えば同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0205】
既に説明したとおり、第2変換回路240は、AC/DC変換回路200と第1変換回路230との双方に接続されている。このため、第2変換回路240には、AC/DC変換回路200から出力される直流電力と、第1変換回路230から出力される直流電力との双方が入力される。
【0206】
そして、制御ECU120は、第2系統モードである場合、AC/DC変換回路200及び第1変換回路230の双方から出力される第2供給時中間電圧Vm1bの直流電力が充電電圧Vrの直流電力に変換されるように第2変換回路240を制御する。これにより、車両用蓄電装置21が充電される。
【0207】
制御ECU120は、電源モードでは、第1変換スイッチング素子231~234及び第2変換スイッチング素子241~244を周期的にON/OFFさせることにより、電源用蓄電装置12を用いて車両用蓄電装置21を充電する。
【0208】
詳細には、制御ECU120は、中間電圧Vmが電源電圧Vp及び充電電圧Vrの双方よりも高くなるように第1変換回路230(第1変換スイッチング素子231~234)を制御する。そして、制御ECU120は、中間電圧Vmの直流電力が充電電圧Vrの直流電力に変換されるように第2変換回路240(第2変換スイッチング素子241~244)を制御する。
【0209】
一方、制御ECU120は、電源モードである場合には、AC/DC変換回路200を停止させる。詳細には、制御ECU120は、第1変換回路230から出力された電力が系統電源11に還流しないように1次側スイッチング素子211~216及び2次側スイッチング素子221~224の少なくとも一方(本実施形態では双方)をOFF状態に維持する。すなわち、制御ECU120は、電源モード時には、AC/DC変換回路200についてはPWM制御を行わない。このため、1次側スイッチング素子211~216及び2次側スイッチング素子221~224は周期的にON/OFFしない。
【0210】
以上詳述した本実施形態によれば、(1-6)に代えて以下の作用効果を奏する。
(3-1)充電装置30は、AC/DC変換回路200と、第1変換回路230と、第2変換回路240と、中間コンデンサ110と、を備えている。AC/DC変換回路200は、系統電源11から出力される系統電力Paを直流電力に変換する。第1変換回路230は、電源用蓄電装置12に接続される電力変換回路であって、第1変換スイッチング素子231~234を有している。第2変換回路240は、AC/DC変換回路200及び第1変換回路230の双方に接続された電力変換回路であって、第2変換スイッチング素子241~244を有している。充電装置30は、第2変換回路240によって変換された直流電力を車両用蓄電装置21に向けて出力するものである。制御ECU120は、AC/DC変換回路200、第1変換回路230の第1変換スイッチング素子231~234及び第2変換回路240の第2変換スイッチング素子241~244を制御することによって充電モードを制御する。
【0211】
かかる構成によれば、AC/DC変換回路200及び両変換スイッチング素子231~234,241~244を制御することによって、充電モードを制御しつつ車両用蓄電装置21を充電できる。
【0212】
なお、一例としては、制御ECU120は、系統電源11から出力される系統電力Paが直流電力に変換されるようにAC/DC変換回路200を制御する。そして、制御ECU120は、AC/DC変換回路200から出力される直流電力が降圧変換されて車両用蓄電装置21に向けて出力するように第2変換スイッチング素子241~244を周期的にON/OFFさせる。これにより、充電モードが第1系統モードとなる。
【0213】
また、制御ECU120は、系統電源11から出力される系統電力Paが直流電力に変換されるようにAC/DC変換回路200を制御し、第1変換スイッチング素子231~234が周期的にON/OFFすることにより、電源用蓄電装置12の直流電力を昇圧変換する。そして、制御ECU120は、AC/DC変換回路200から出力される直流電力及び第1変換回路230から出力される直流電力が降圧変換されて車両用蓄電装置21に向けて出力するように第2変換スイッチング素子241~244を周期的にON/OFFさせる。これにより、充電モードが第2系統モードとなる。
【0214】
そして、制御ECU120は、電源用蓄電装置12の直流電力が昇圧変換されるように第1変換スイッチング素子231~234を周期的にON/OFFさせ、第1変換回路230から出力される直流電力が降圧変換されて車両用蓄電装置21に向けて出力されるように第2変換スイッチング素子241~244を周期的にON/OFFさせる。これにより、充電モードが電源モードとなる。
【0215】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。また、技術的に矛盾が生じない範囲内で、上記各実施形態及び下記別例を適宜組み合わせてもよい。
○ 制御ECU120は、要求電力Prqを介することなく直接対象SOCXaと系統対象閾値Xat1とを比較し、その比較結果に基づいて充電モードを設定してもよい。例えば、制御ECU120は、対象SOCXaと系統対象閾値Xat1とを比較し、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1以下である場合には充電モードを第2系統モードに設定し、対象SOCXaが系統対象閾値Xat1よりも高い場合には充電モードを第1系統モードに設定してもよい。
【0216】
○ 系統対象閾値Xat1は、要求電力Prqが系統最大電力Pamaxとなる対象SOCXaに限られず任意である。例えば、系統対象閾値Xat1は、系統最大電力Pamaxに関わらず一定の固定値であってもよい。
【0217】
○ 電源対象閾値Xat2は、要求電力Prqが電源最大電力Pbmaxとなる対象SOCXaに限られず任意である。例えば、電源対象閾値Xat2は、対象SOCXa又は電源SOCXbに応じて変化する可変値であってもよいし、対象SOCXa及び電源SOCXbに関わらず一定の固定値であってもよい。
【0218】
○ 系統対象閾値Xat1と電源対象閾値Xat2とは、異なっていてもよいし、同一であってもよい。
○ 電源閾値Xbtは、対象SOCXaに関わらず一定の固定値であってもよい。この場合、電源閾値Xbtは、「0」であってもよいし、「0」以外であってもよい。
【0219】
○ 車両ECU22が、現在の対象SOCXaに対応する要求電力Prqを把握する構成でもよい。この場合、車両ECU22は、要求電力Prqに関する情報を制御ECU120に送信するとよい。そして、制御ECU120は、ステップS101では、車両ECU22から要求電力Prqに関する情報を受信することにより当該要求電力Prqを把握する構成でもよい。
【0220】
○ 制御ECU120は、充電モードが第2系統モードである場合、系統電力Paを可変させることにより要求電力Prqの変化に追従してもよいし、系統電力Pa及び電源電力Pbの双方を可変させることにより要求電力Prqの変化に追従してもよい。つまり、第2系統モード時において、系統最大電力Pamaxを維持することは必須ではない。
【0221】
○ 1次側回路80は、AC/AC変換することができればよく、その具体的な構成については実施形態のものに限られず任意である。
○ 昇圧回路90は、第1トランス60から出力(換言すれば伝送)される交流電力を直流電力に変換すること、及び、電源用蓄電装置12から出力される電力を昇圧することが可能に構成されていればよく、その具体的な構成は任意である。
【0222】
○ 降圧回路100は、中間コンデンサ110を介して昇圧回路90から出力される直流電力を降圧することができればよく、その具体的な構成は任意である。
○ AC/DC変換回路200の具体的な回路構成は第3実施形態のものに限られず任意である。例えば、AC/DC変換回路200は、交流電力の双方向変換が可能な構成に限られず、系統電力Paを直流電力に変換する片方向の変換回路であってもよい。一例としては、AC/DC変換回路200は、1次側マトリックスコンバータ210及びトランス201に代えて、ダイオードブリッジを有する整流回路でもよい。また、AC/DC変換回路200は、2次側フルブリッジ回路220に代えて、ハーフブリッジ回路を有する構成でもよいし、ダイオードブリッジ回路を有する構成でもよい。要は、AC/DC変換回路200は、系統電力Paを所望の電圧の直流電力に変換できればよい。
【0223】
○ 第1変換回路230は、電源用蓄電装置12の電力を電圧変換することができればその具体的な回路構成は任意である。例えば、第1変換回路230はハーフブリッジ回路を有する構成でもよい。また、第1変換回路230は双方向コンバータに限られず、片方向の電圧変換のみを行う構成でもよい。
【0224】
○ 第2変換回路240は、AC/DC変換回路200又は第1変換回路230から入力される直流電力を電圧変換することができればその具体的な回路構成は任意である。また、第2変換回路240は、AC/DC変換回路200又は第1変換回路230から入力される直流電力を電圧変換することができる一方、車両用蓄電装置21の電力を電圧変換することができない回路であってもよい。すなわち、第2変換回路240は、片方向の電圧変換のみを行う構成でもよい。
【0225】
○ 電源用蓄電装置の数は任意であり、2つ以上であってもよい。すなわち、電源用蓄電装置は1つの場合と複数の場合との双方を含む。この場合、電力システム10は、複数の電源用蓄電装置のうち一部の電源用蓄電装置と系統電源11とを用いて車両用蓄電装置21への電力供給を行う構成でもよいし、複数の電源用蓄電装置全てと系統電源11とを用いて車両用蓄電装置21への電力供給を行う構成でもよい。すなわち、電力システム10が複数の電源用蓄電装置を有する場合には、系統モードは、系統電源11、又は、系統電源11と複数の電源用蓄電装置のうち少なくとも1つとを用いて充電を行うモードであればよい。
【0226】
○ 第1系統モード又は第2系統モードのいずれか一方を省略してもよい。
○ 電源モードを省略してもよい。
○ 電源用蓄電装置12は充電装置30の一部でもよい。すなわち、充電装置30は、電源用蓄電装置12を備えていなくてもよいし、備えていてもよい。
【0227】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)電源閾値は、対象SOCが低くなるに従って高くなるように設定されているとよい。
【符号の説明】
【0228】
10…電力システム、11…系統電源、12…電源用蓄電装置、20…車両、21…車両用蓄電装置、30…充電装置、31~33…系統入力端子、34,35…蓄電入力端子、40…コネクタ、41,42…負荷入力端子、43…制御端子、50…フィルタ回路、60…第1トランス、61…第1の1次側巻線、62…第1の2次側巻線、62a…第1中間タップ、70…第2トランス、71…第2の1次側巻線、72…第2の2次側巻線、72a…第2中間タップ、80…1次側回路、82ua~82wb…1次側スイッチング素子、90…昇圧回路(第1の2次側回路)、92~95…昇圧スイッチング素子、100…降圧回路(第2の2次側回路)、102~105…降圧スイッチング素子、110…中間コンデンサ、120…制御ECU、121…電源電圧センサ、122…充電電圧センサ、200…AC/DC変換回路、230…第1変換回路、231~234…第1変換スイッチング素子、240…第2変換回路、241~244…第2変換スイッチング素子、Pa…系統電力、Pamax…系統最大電力、Pat…系統目標電力、Pb…電源電力、Pbmax…電源最大電力、Pbt…電源目標電力、Xa…対象SOC、Xa1…第1対象値、Xa2…第2対象値、Xat1…系統対象閾値、Xat2…電源対象閾値、Xb…電源SOC、Xbt…電源閾値、Prq…要求電力(充電に適した電力)、Prq1…第1電力、Prq2…第2電力、Vm…中間電圧。
図1
図2
図3
図4
図5
図6