(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20230905BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
(21)【出願番号】P 2020118960
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 智
(72)【発明者】
【氏名】稲吉 信行
(72)【発明者】
【氏名】野田 浩之
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/147544(WO,A1)
【文献】特開2008-300447(JP,A)
【文献】特開2020-053438(JP,A)
【文献】特開2012-119501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0231236(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の底壁と、前記第1の底壁と向かい合って設けられる第2の底壁と、前記第1の底壁と前記第2の底壁との間で延設する側壁と、によって区画された内部に冷媒が流れる冷却部と、
前記冷却部の内部に冷媒を供給する供給部と、
前記冷却部の内部から冷媒を排出する排出部と、
前記冷却部の内部に設けられたフィンと、
前記冷却部の内部に設けられ、前記供給部から離れる方向に延設する区画壁と、
前記冷却部の内部の領域であって前記フィンが設けられている冷却領域と、
前記冷却部の内部の領域であって、前記区画壁と、前記区画壁の厚さ方向に前記区画壁と離間する前記側壁とによって区画され、前記冷却領域と前記供給部との間に設けられる供給領域と、
前記冷媒の温度を検出する温度センサと、を備え、
前記区画壁の前記供給部とは反対側の端部と、前記側壁と、によって前記供給領域と前記冷却領域とを繋ぐ接続流路が区画され、
前記温度センサは、前記供給領域又は前記接続流路を通過する冷媒の温度を検出するように配置されている冷却器。
【請求項2】
前記区画壁の前記供給部側の端部は、前記側壁に接合されている請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記供給領域における前記区画壁の前記供給部とは反対側の端部と前記側壁とによって区画される領域の断面積は、前記供給領域における前記区画壁の前記供給部側の端部と前記側壁とによって区画される領域の断面積より小さい請求項1又は請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記供給領域の断面積は、前記区画壁の前記供給部側の端部から前記供給部とは反対側の端部に向かって単調減少する請求項3に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱体を冷却する冷却器としては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の冷却器は、内部に冷媒が流れる冷却部と、冷却部の内部に冷媒を供給する供給部と、冷却部の内部から冷媒を排出する排出部と、冷却部の内部に設けられたフィンと、を備える。冷却部の内部には、フィンが設けられる冷却領域と、供給領域が設けられている。供給領域は、供給部から冷媒が供給される領域である。供給部から供給領域に供給された冷媒は、供給領域から冷却領域に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発熱体の温度が上昇することに伴い、冷媒の温度が上昇することがある。冷媒の温度上昇による発熱体の過熱破壊を防ぐため、冷却器に冷媒の温度を検出する温度センサを設ける場合がある。冷媒の温度が変化した際には、この温度変化に追従して温度センサによって検出される温度は変化する。冷媒の流量の多い位置に温度センサを設けることで、冷媒の温度が変化してから、温度変化後の冷媒の温度を検出するまでの時間を短くできることが知られている。しかしながら、特許文献1に記載の冷却器では、供給領域に供給された冷媒は、冷却領域に分散する。このため、冷媒の流量の多い位置に温度センサを設ける場合、冷媒の流れる方向において、供給領域の上流に温度センサを配置する必要があり、温度センサの配置位置に制約が生じる。
【0005】
本発明の目的は、温度センサの配置自由度を向上できる冷却器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する冷却器は、第1の底壁と、前記第1の底壁と向かい合って設けられる第2の底壁と、前記第1の底壁と前記第2の底壁との間で延設する側壁と、によって区画された内部に冷媒が流れる冷却部と、前記冷却部の内部に冷媒を供給する供給部と、前記冷却部の内部から冷媒を排出する排出部と、前記冷却部の内部に設けられたフィンと、前記冷却部の内部に設けられ、前記供給部から離れる方向に延設する区画壁と、前記冷却部の内部の領域であって前記フィンが設けられている冷却領域と、前記冷却部の内部の領域であって、前記区画壁と、前記区画壁の厚さ方向に前記区画壁と離間する前記側壁とによって区画され、前記冷却領域と前記供給部との間に設けられる供給領域と、前記冷媒の温度を検出する温度センサと、を備え、前記区画壁の前記供給部とは反対側の端部と、前記側壁と、によって前記供給領域と前記冷却領域とを繋ぐ接続流路が区画され、前記温度センサは、前記供給領域又は前記接続流路を通過する冷媒の温度を検出するように配置されている。
【0007】
冷却部の内部に区画壁を設けることで、冷却部の内部には供給領域が区画されている。供給部から供給された冷媒は、供給領域を流れる。供給領域を流れる冷媒は、区画壁により、冷却領域への流入が抑制されている。冷却領域に冷媒が流入することを原因として、供給領域を流れる冷媒の流量が減ることが抑制されている。温度センサは、供給領域又は接続流路を通過する冷媒の温度を検出するように配置すればよいため、温度センサの配置自由度を向上できる。
【0008】
上記冷却器について、前記区画壁の前記供給部側の端部は、前記側壁に接合されていてもよい。
上記冷却器について、前記供給領域における前記区画壁の前記供給部とは反対側の端部と前記側壁とによって区画される領域の断面積は、前記供給領域における前記区画壁の前記供給部側の端部と前記側壁とによって区画される領域の断面積より小さくてもよい。
【0009】
上記冷却器について、前記供給領域の断面積は、前記区画壁の前記供給部側の端部から前記供給部とは反対側の端部に向かって単調減少してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、温度センサの配置自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、冷却器の一実施形態について説明する。本実施形態の冷却器は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されるインバータ装置に用いられる。インバータ装置は、バッテリから入力される直流電流を交流電流に変換して出力するものである。
【0013】
図1、
図2及び
図3に示すように、インバータ装置10は、インバータ回路11と、インバータ回路11を冷却する冷却器20と、図示しないラジエータから冷却器20に冷媒を供給する供給パイプ12と、冷却器20からラジエータに冷媒を排出する排出パイプ13とを備える。本実施形態の冷媒は、液状の冷媒である。
【0014】
インバータ回路11は、スイッチング素子を1つ以上含む。スイッチング素子は、例えばMOSFETや絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)である。インバータ回路11は、スイッチング素子がスイッチング動作した場合に熱を生じる発熱体となる。
【0015】
冷却器20は、冷却部21と、供給部31と、排出部33と、フィン41と、区画壁51と、温度センサ61と、を備える。
冷却部21は、金属製である。冷却部21は、例えば、アルミニウム製である。冷却部21は、四角箱状の部材である。冷却部21は、6つの壁部22~27を備える。6つの壁部22~27は、第1の底壁22と、第1の底壁22の厚み方向に第1の底壁22と向かい合う第2の底壁23と、第1の底壁22と第2の底壁23との間で延びる4つの側壁24~27と、を含む。第2の底壁23は、インバータ回路11が搭載される壁部である。第2の底壁23の外面にインバータ回路11は搭載されている。
【0016】
6つの壁部22~27は、四角板状である。4つの側壁24~27は、第1の底壁22の周縁と第2の底壁23の周縁の間で延びている。4つの側壁24~27は、第1の側壁24と、第2の側壁25と、第3の側壁26と、第4の側壁27と、を含む。第1の側壁24と第2の側壁25とは互いに向かい合っている。第3の側壁26と第4の側壁27とは互いに向かい合っている。なお、第1の底壁22及び第2の底壁23とは、必ずしも鉛直方向の下方に位置する壁部を示すものではなく、側壁24~27を支持する壁部を第1の底壁22及び第2の底壁23と称している。
【0017】
供給部31は、第1の側壁24に設けられている。排出部33は、第1の側壁24に設けられている。本実施形態では、供給部31及び排出部33は同一の壁部に設けられているといえる。第3の側壁26と第4の側壁27とが向かい合う方向において、第3の側壁26から供給部31までの距離は、第3の側壁26から排出部33までの距離よりも短い。
【0018】
供給部31は、筒状の部材である。供給部31は、供給部31の軸線方向と第1の側壁24の厚み方向とが一致する態様で第1の側壁24に設けられている。供給部31の軸線方向の第1端部は供給口32を備える。供給口32は、冷却部21の内部に連通している。供給部31の軸線方向の第2端部は、供給パイプ12に接続されている。
【0019】
排出部33は、筒状の部材である。排出部33は、排出部33の軸線方向と第1の側壁24の厚み方向とが一致する態様で第1の側壁24に設けられている。排出部33の軸線方向の第1端部は排出口34を備える。排出口34は、冷却部21の内部に連通している。排出部33の軸線方向の第2端部は、排出パイプ13に接続されている。
【0020】
供給部31から冷却部21の内部に供給された冷媒は、冷却部21の内部を通った後に排出部33から排出される。
フィン41は、ピンフィンである。フィン41は、第1の底壁22と第2の底壁23との間で垂直に延びる。フィン41の第1端部は第1の底壁22に固定されている。フィン41の第2端部は第2の底壁23に固定されている。フィン41は、互いに離間して複数配置されている。フィン41は、冷却部21と一体であってもよいし、冷却部21とは別体のものを冷却部21に接合したものであってもよい。
【0021】
本実施形態の区画壁51は、矩形板状である。区画壁51は、第1の側壁24と第2の側壁25との間に設けられており、第2の側壁25の厚み方向に延びるように設けられている。区画壁51の短手方向の第1端部52は第1の底壁22に接合されている。区画壁51の短手方向の第2端部53は第2の底壁23に接合されている。区画壁51の長手方向の第1端部54は、第2の側壁25に向かい合っている。区画壁51の長手方向の第1端部54は、第2の側壁25から離間している。区画壁51の長手方向の第2端部55は、第1の側壁24に接合されている。第1の側壁24には供給部31が設けられていることから、区画壁51の長手方向の第2端部55は、区画壁51の供給部31側の端部といえる。また、区画壁51の長手方向の第1端部54は、区画壁51の供給部31とは反対側の端部であるといえる。また、区画壁51は、第1の側壁24に設けられている供給部31から第2の側壁25に向かって離れる方向に延設しているといえる。
【0022】
区画壁51は、第3の側壁26と間隔を空けて設けられている。区画壁51は、供給部31から離間するにつれて、第3の側壁26との間隔が短くなるように設けられている。
冷却器20は、冷却領域S1と、供給領域S2と、接続流路A1と、排出領域S3と、を備える。冷却領域S1、供給領域S2、接続流路A1及び排出領域S3は冷却部21の内部の領域である。
【0023】
冷却領域S1は、フィン41が設けられた領域である。フィン41は、インバータ回路11と冷媒との熱交換を促進するために設けられている。従って、フィン41は、第2の底壁23を間に挟んでインバータ回路11と向かい合う領域に設けられる。冷却領域S1とは、インバータ回路11と熱交換が行われる冷媒が通過する領域ともいえる。
【0024】
供給領域S2は、フィン41が設けられていない領域である。排出領域S3は、フィン41が設けられていない領域である。供給領域S2と排出領域S3との間に冷却領域S1は位置している。
【0025】
供給領域S2は、区画壁51と、区画壁51の厚さ方向に区画壁51と離間する第3の側壁26とによって区画されている。供給口32は、冷却部21の内部のうち供給領域S2に開口している。即ち、供給領域S2は、冷却領域S1と供給部31との間に設けられているといえる。
【0026】
接続流路A1は、供給領域S2と冷却領域S1とを繋ぐ流路である。接続流路A1は、区画壁51の長手方向の第1端部54と第2の側壁25との間に区画されている。
排出領域S3は、冷却部21の内部を冷媒が流れる方向において、冷却領域S1よりも下流の領域である。排出口34は、冷却部21の内部のうち排出領域S3に開口している。
【0027】
供給口32から供給される冷媒は、供給領域S2に流入する。供給領域S2に流入した冷媒は、接続流路A1に向けて流れる。
供給領域S2における区画壁51の長手方向の第2端部55と第3の側壁26とによって区画される領域を第1端領域E1とする。供給領域S2における区画壁51の長手方向の第1端部54と第3の側壁26とによって区画される領域を第2端領域E2とする。供給部31から離間するにつれて第3の側壁26との間隔が短くなるように区画壁51を設けることで、第1端領域E1の断面積は、第2端領域E2の断面積より小さくなっている。また、供給領域S2の断面積は、区画壁51の長手方向の第2端部55から区画壁51の長手方向の第1端部54に向かって単調減少している。なお、断面積とは、冷媒の流れる方向に垂直な面の断面積を意味する。
【0028】
供給領域S2を通過した冷媒は、接続流路A1を介して供給領域S2から排出される。接続流路A1から排出された冷媒は、冷却領域S1に拡散されていく。
温度センサ61は、供給領域S2又は接続流路A1を通過する冷媒の温度を検出するように配置されている。例えば、温度センサ61は、供給領域S2又は接続流路A1を区画する冷却部21の壁部、あるいは、区画壁51に設けられる。供給領域S2又は接続流路A1を区画する冷却部21の壁部とは、供給領域S2又は接続流路A1を流れる冷媒が接する壁部ともいえる。温度センサ61は、冷却部21の壁部の内面に設けられていてもよいし、冷却部21の壁部の外面に設けられていてもよい。供給領域S2を通過した冷媒は、接続流路A1から冷却領域S1に拡散されるため、接続流路A1から所定距離内の領域であれば、この領域の冷媒を検出した場合であっても、供給領域S2又は接続流路A1を通過する冷媒の温度を検出しているとみなすことができる。所定距離は、例えば、実験やシミュレーションによって導出可能な距離であり、温度センサ61に求められる温度追従性などにより変化する。
【0029】
本実施形態において、温度センサ61は、第2の側壁25に取り付けられている。詳細にいえば、温度センサ61は、第2の側壁25のうち供給領域S2の第1端領域E1に面する部分の外面に取り付けられている。
【0030】
温度センサ61により検出された冷媒の温度が過剰に高い場合、インバータ回路11の出力に制限が課されたり、インバータ回路11が停止される。これにより、インバータ回路11の温度が過剰に上昇することを抑制している。
【0031】
本実施形態の作用について説明する。
区画壁51を設けることで、冷却部21の内部には供給領域S2が区画されている。供給部31から冷却部21の内部に供給された冷媒は、供給領域S2を流れる。供給領域S2を流れる冷媒は、区画壁51により、冷却領域S1への流入が抑制されている。冷却領域S1に冷媒が流入することを原因として、供給領域S2を流れる冷媒の流量が減ることが抑制されている。
【0032】
本実施形態の効果について説明する。
(1)区画壁51を設けることで、供給領域S2を流れる冷媒の流量が減ることが抑制されている。冷媒の流量の多い位置に温度センサ61を設けることで、単位時間あたりに温度センサ61と熱交換を行う冷媒の量が減ることが抑制される。これにより、冷媒の温度が変化してから、温度変化後の冷媒の温度を検出するまでの時間を短くできる。区画壁51を設けない場合、冷却領域S1に冷媒が分散するため、冷媒の流量の多い領域が少なく、温度センサ61を配置できる領域が少ない。区画壁51を設けることで、温度センサ61は、供給領域S2又は接続流路A1を通過する冷媒の温度を検出するように配置すればよいため、区画壁51を設けない場合に比べて、温度センサ61の配置自由度を向上できる。
【0033】
(2)区画壁51の長手方向の第2端部55は、第1の側壁24に接合されている。このため、供給口32から供給された全ての冷媒が供給領域S2に流入する。区画壁51の長手方向の第2端部55が第1の側壁24に接合されていない場合に比べて、供給領域S2を通過する冷媒の流量が減ることを抑制できる。
【0034】
(3)供給領域S2の第1端領域E1の断面積は、供給領域S2の第2端領域E2の断面積より小さい。供給領域S2の第1端領域E1を流れる冷媒の流速を供給領域S2の第2端領域E2を流れる冷媒の流速より速くすることができる。供給領域S2を流れる冷媒の流速が速くなることにより、温度センサ61に対する冷媒の熱伝達率が向上する。これにより冷媒の温度が変化してから、温度変化後の冷媒の温度を検出するまでの時間を更に短くできる。
【0035】
(4)供給領域S2の断面積は、第2端領域E2から第1端領域E1に向かって単調減少する。これにより、供給領域S2内での冷媒の圧力損失が抑制され、供給領域S2を流れる冷媒の流速を更に速くすることができる。
【0036】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○供給領域S2の断面積は、供給領域S2を冷媒が流れる方向において、第2端領域E2から第1端領域E1に至るまで一定であってもよい。
【0037】
○供給領域S2の第1端領域E1の断面積は、供給領域S2の第2端領域E2の断面積より大きくてもよい。
○供給領域S2の断面積は、第2端領域E2から第1端領域E1に向けて大きくなるようにしてもよい。
【0038】
○供給領域S2の第1端領域E1の断面積が、供給領域S2の第2端領域E2の断面積より小さければ、第2端領域E2と第1端領域E1との間の断面積は、どのような大きさであってもよい。例えば、第2端領域E2から第1端領域E1に向けて途中位置までは一定の断面積であり、途中位置から第1端領域E1に向けて断面積が小さくなってもよい。また、第2端領域E2と第1端領域E1との間に、第2端領域E2よりも断面積が大きくなる箇所があってもよい。
【0039】
○区画壁51の長手方向の第2端部55は、第1の側壁24から離間していてもよい。この場合、区画壁51の長手方向の第2端部55と第1の側壁24との間には、供給領域S2と冷却領域S1とを連通させる開口部が区画される。これにより、供給口32から供給領域S2に流入する冷媒は減少し得るが、この場合であっても、区画壁51を設けない場合に比べて、冷却領域S1に冷媒が分散しにくい。従って、区画壁51を設けない場合に比べて、温度センサ61の配置自由度を向上させることができる。なお、開口部としては、接続流路A1よりも断面積が小さいことが好ましい。
【0040】
○冷却部21の区画壁51の短手方向の第1端部52は、第1の底壁22から離間していてもよい。この場合、区画壁51の短手方向の第1端部52と第1の底壁22との間には、供給領域S2と冷却領域S1とを連通させる開口部が区画される。これにより、供給口32から供給領域S2に流入する冷媒は減少し得るが、この場合であっても、区画壁51を設けない場合に比べて、冷却領域S1に冷媒が分散しにくい。従って、区画壁51を設けない場合に比べて、温度センサ61の配置自由度を向上させることができる。同様に、冷却部21の区画壁51の短手方向の第2端部53は、第2の底壁23から離間していてもよい。区画壁51は、冷却部21の壁部22~27のうち少なくともいずれかに接合されていればよい。
【0041】
○接続流路A1と冷却領域S1との間には、冷却領域S1とは異なる領域が介在していてもよい。接続流路A1は、供給領域S2と冷却領域S1とを直接的に繋ぐ流路であってもよいし、供給領域S2と冷却領域S1とを冷却領域S1とは異なる領域を介して間接的に繋ぐ流路であってもよい。
【0042】
○供給部31と排出部33とは、冷却部21の別々の壁部に設けられていてもよい。
○フィン41は、コルゲートフィンなど、どのような種類のものであってもよい。
○フィン41は、冷却領域S1に加えて供給領域S2及び排出領域S3に設けられていてもよい。
【0043】
○冷却器20は、車両以外に搭載されるものであってもよい。
○第2の底壁23に加えて、第1の底壁22や側壁24~27にも発熱体が搭載されていてもよい。
【0044】
○発熱体は、インバータ回路11でなくともよい。発熱体は、冷却器20に搭載可能であれば、任意の発熱体でよい。
○冷却器20には、インバータ回路11に加えて、インバータ回路11以外の発熱体が搭載されていてもよい。
【0045】
○冷媒は、気体状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
A1…接続流路、E1…第1端領域、E2…第2端領域、S1…冷却領域、S2…供給領域、11…発熱体としてのインバータ回路、20…冷却器、21…冷却部、24…第1の側壁、25…第2の側壁、26…第3の側壁、31…供給部、33…排出部、41…フィン、51…区画壁、54…第1端部、55…第2端部、61…温度センサ。