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特許7342818制御装置、サービス設備、サーバ装置、システム、及びコンテンツ出力方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】制御装置、サービス設備、サーバ装置、システム、及びコンテンツ出力方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230905BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020136062
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2022032373
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】児玉 優太
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】皆川 里桜
(72)【発明者】
【氏名】リスバーグ クリス
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-107484(JP,A)
【文献】特開2002-049670(JP,A)
【文献】特開2016-130915(JP,A)
【文献】特開2008-107927(JP,A)
【文献】特開2011-150462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを受信する通信部と、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記通信部により受信された目的地データで示される目的地に合わせたコンテンツを、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力する制御を行う制御部と、を備える制御装置と、
前記顧客を含む2人以上のユーザそれぞれと、各ユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録するサーバ装置と、
を備え、
前記制御部は、前記サービス設備に備えられた入力機器に入力された前記顧客の個人情報から、前記顧客を識別する顧客データを生成し、
前記通信部は、前記制御部により生成された顧客データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記通信部により送信された顧客データを受信し、受信した顧客データを用いて前記データベースを検索することで、前記顧客が向かっている目的地を特定し、特定した目的地を示すデータを前記目的地データとして前記制御装置に送信するシステム
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記2人以上のユーザそれぞれと、各ユーザの属性とを更に対応付けて前記データベースに予め登録し、受信した顧客データを用いて前記データベースを検索することで、前記顧客の属性を更に特定し、特定した属性を示す属性データを前記制御装置に送信し、
前記通信部は、前記サーバ装置により送信された属性データを受信し、
前記制御部は、前記通信部により受信された属性データで示される属性に合わせて前記コンテンツを更に調整する請求項1に記載のシステム
【請求項3】
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを受信する通信部と、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記通信部により受信された目的地データで示される目的地に合わせたコンテンツを、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力する制御を行う制御部と、を備える制御装置と、
前記車両及びその他の車両それぞれと、各車両でユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録するサーバ装置と、
を備え、
前記制御部は、前記サービス設備に備えられたカメラを用いて撮像された前記車両の画像から、前記車両を識別する車両データを生成し、
前記通信部は、前記制御部により生成された車両データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記通信部により送信された車両データを受信し、受信した車両データを用いて前記データベースを検索することで、前記車両で前記顧客が向かっている目的地を特定し、特定した目的地を示すデータを前記目的地データとして前記制御装置に送信するシステム
【請求項4】
前記サービス設備は、前記サービスとして、前記車両へのエネルギー源の補給サービスを提供する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム
【請求項5】
前記サービス設備は、前記サービスとして、前記顧客が前記車両に乗ったまま受けられるドライブスルーサービスを提供する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム
【請求項6】
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを取得し、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力されるコンテンツを、前記目的地データで示される目的地に合わせて調整する制御部と、
前記制御部により調整されたコンテンツを、前記サービス設備に備えられた制御装置に送信する通信部と
を備え
前記制御部は、前記車両の位置を監視し、地図データを参照して、前記車両の位置が前記サービス設備の位置から一定範囲内であるかどうかによって、前記車両が前記サービス設備の前に停まったかどうかを判定し、前記車両が前記サービス設備の前に停まったと判定すると、前記目的地データを取得し、前記目的地データで示される目的地に合わせて調整したコンテンツを前記通信部に送信させるサーバ装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記顧客を含む2人以上のユーザそれぞれと、各ユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録し、
前記通信部は、前記サービス設備に備えられた入力機器に入力された前記顧客の個人情報から生成された前記顧客を識別する顧客データを前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記通信部により受信された顧客データを用いて前記データベースを検索することで、前記顧客が向かっている目的地を特定して前記目的地データを取得する請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
請求項又は請求項に記載のサーバ装置と、
前記制御装置と
を備えるシステム。
【請求項9】
制御装置が、サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを受信することと、
前記サービス設備に備えられた出力機器が、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記制御装置により受信された目的地データで示される目的地に合わせたコンテンツを出力することと
を含むコンテンツ出力方法であって、
サーバ装置が、前記顧客を含む2人以上のユーザそれぞれと、各ユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録することと、
前記制御装置が、前記サービス設備に備えられた入力機器に入力された前記顧客の個人情報から、前記顧客を識別する顧客データを生成することと、
前記制御装置が、生成した顧客データを前記サーバ装置に送信することと、
前記サーバ装置が、前記制御装置により送信された顧客データを受信することと、
前記サーバ装置が、受信した顧客データを用いて前記データベースを検索することで、前記顧客が向かっている目的地を特定することと、
前記サーバ装置が、特定した目的地を示すデータを前記目的地データとして前記制御装置に送信することと、
を更に含むコンテンツ出力方法
【請求項10】
制御装置が、サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを受信することと、
前記サービス設備に備えられた出力機器が、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記制御装置により受信された目的地データで示される目的地に合わせたコンテンツを出力することと
を含むコンテンツ出力方法であって、
サーバ装置が、前記車両及びその他の車両それぞれと、各車両でユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録することと、
前記制御装置が、前記サービス設備に備えられたカメラを用いて撮像された前記車両の画像から、前記車両を識別する車両データを生成することと、
前記制御装置が、生成した車両データを前記サーバ装置に送信することと、
前記サーバ装置が、前記制御装置により送信された車両データを受信することと、
前記サーバ装置が、受信した車両データを用いて前記データベースを検索することで、前記車両で前記顧客が向かっている目的地を特定することと、
前記サーバ装置が、特定した目的地を示すデータを前記目的地データとして前記制御装置に送信することと、
を更に含むコンテンツ出力方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、サービス設備、サーバ装置、システム、及びコンテンツ出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポンプ及び流量計などの給油機構を内蔵する計量機と、計量機に並べられ、支柱、及び支柱の上部に設けられた広告器を有する広告装置とを備える給油装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-167098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の給油装置では、目的地に向かっている途中の顧客にとって煩わしい広告が表示されることが少なくない。
【0005】
本開示の目的は、目的地に向かっている途中の顧客にとって有益なコンテンツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを取得し、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記目的地データで示される目的地に合わせたコンテンツを、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力する制御を行う制御部を備える。
【0007】
本開示に係るサーバ装置は、
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地を示す目的地データを取得し、前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力されるコンテンツを、前記目的地データで示される目的地に合わせて調整する制御部と、
前記制御部により調整されたコンテンツを、前記サービス設備に備えられた制御装置に送信する通信部と
を備える。
【0008】
本開示に係るコンテンツ出力方法は、
サービス設備の前に停まった車両で顧客が向かっている目的地に合わせて、コンテンツをコンピュータにより調整することと、
前記サービス設備によってサービスが提供されている間に生じる前記顧客の待ち時間中に、前記コンテンツを、前記サービス設備に備えられた出力機器から出力することと
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、目的地に向かっている途中の顧客にとって有益なコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】本開示の第1実施形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5】本開示の第1実施形態に係るサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図6】本開示の第2実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7】本開示の第2実施形態に係るサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図8】本開示の第3実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図9】本開示の第3実施形態に係るサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図10】本開示の第4実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図11】本開示の第4実施形態に係るサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図12】本開示の第5実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図13】本開示の第5実施形態に係るサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
図14】本開示の第6実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示のいくつかの実施形態について、図を参照して説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
本開示の一実施形態である第1実施形態について説明する。
【0014】
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0015】
本実施形態に係るシステム10は、サービス設備11に備えられた少なくとも1台の制御装置20と、少なくとも1台のサーバ装置30と、少なくとも1台の第1端末装置40と、少なくとも1台の第2端末装置50とを備える。
【0016】
制御装置20は、サービス設備11の本体の外部に設置されてもよいが、本実施形態ではサービス設備11の本体に内蔵される。制御装置20は、例えば、マイクロコンピュータなどのコンピュータである。
【0017】
サービス設備11は、サービス設備11の前に停まった車両15、又は車両15に乗っているか、若しくは車両15から降りた顧客14にサービスを提供する設備である。本実施形態では、サービスとして、車両15へのエネルギー源の補給サービスが提供される。補給サービスは、ガソリン、ディーゼル燃料、電気、又は水素などのエネルギー源を車両15に補給するサービスである。本実施形態の一変形例として、補給サービスの代わりに、顧客14が車両15に乗ったまま受けられるドライブスルーサービスなど、他のサービスが提供されてもよい。ドライブスルーサービスは、顧客14が車両15に乗ったまま注文したファストフード又はコーヒーなどの商品を顧客14に提供するサービスである。
【0018】
サービス設備11は、制御装置20のほかに、入力機器12と、出力機器13とを備える。入力機器12は、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、NFCリーダ、2次元コードスキャナ、カメラ、又はマイクである。「NFC」は、near-field communicationの略語である。出力機器13は、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。
【0019】
サーバ装置30は、データセンタなどの施設に設置される。サーバ装置30は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0020】
第1端末装置40は、顧客14によって保持される。第1端末装置40は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0021】
第2端末装置50は、車両15に搭載又は設置される。第2端末装置50は、例えば、カーナビゲーション機器などの車載機器、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。
【0022】
車両15は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車である。「HV」は、hybrid vehicleの略語である。「PHV」は、plug-in hybrid vehicleの略語である。「EV」は、electric vehicleの略語である。「FCV」は、fuel cell vehicleの略語である。車両15は、本実施形態では、顧客14、又は顧客14以外の運転手によって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両15は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0023】
制御装置20は、ネットワーク60を介して、サーバ装置30、第1端末装置40、及び第2端末装置50と通信可能である。サーバ装置30は、ネットワーク60を介して、第1端末装置40及び第2端末装置50と通信可能である。第1端末装置40は、ネットワーク60を介して第2端末装置50と通信可能であってもよい。
【0024】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0025】
図1及び図2を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0026】
本実施形態では、サービス設備11は、サービス設備11の前に停まった車両15で顧客14が向かっている目的地に合わせて、コンテンツを制御装置20により調整する。サービス設備11は、サービス設備11によってサービスが提供されている間に生じる顧客14の待ち時間中に、コンテンツを出力機器13から出力する。
【0027】
本実施形態によれば、目的地に向かっている途中の顧客14にとって有益なコンテンツを提供することができる。例えば、目的地周辺にあるレストラン、ホテル、観光スポット、公園、遊園地、映画館、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、デパート、薬局、駅、駐車場、病院、郵便局、又は銀行などのPOIに関する広告コンテンツを顧客14に向けて出力することができる。「POI」は、point of interestの略語である。
【0028】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0029】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0030】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0031】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられるデータと、制御装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0032】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部23は、制御装置20の動作に用いられるデータを受信し、また制御装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0033】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0034】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0035】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0036】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としての専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0037】
図3を参照して、本実施形態に係るサーバ装置30の構成を説明する。
【0038】
サーバ装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35とを備える。
【0039】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、サーバ装置30の各部を制御しながら、サーバ装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0040】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、サーバ装置30の動作に用いられるデータと、サーバ装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0041】
通信部33は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部33は、サーバ装置30の動作に用いられるデータを受信し、またサーバ装置30の動作によって得られるデータを送信する。
【0042】
入力部34は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、又はマイクである。入力部34は、サーバ装置30の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部34は、サーバ装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器としてサーバ装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0043】
出力部35は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、サーバ装置30の動作によって得られるデータを出力する。出力部35は、サーバ装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器としてサーバ装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0044】
サーバ装置30の機能は、本実施形態に係るサーバプログラムを、制御部31としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、サーバ装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。サーバプログラムは、サーバ装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータをサーバ装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、サーバプログラムに従ってサーバ装置30の動作を実行することによりサーバ装置30として機能する。
【0045】
サーバ装置30の一部又は全ての機能が、制御部31としての専用回路により実現されてもよい。すなわち、サーバ装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0046】
図4及び図5を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図4は、制御装置20の動作を示している。図5は、サーバ装置30の動作を示している。
【0047】
サービス設備11の前に車両15が停まり、サービス設備11によってサービスが提供され始める時点、又はその時点の前後に、以下の動作が開始する。
【0048】
図4のステップS101において、制御装置20の通信部23は、サービス設備11に備えられた入力機器12に入力された顧客14の個人情報を入力機器12から受信する。個人情報は、本実施形態では、顧客14の識別情報又は生体情報を含む。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された個人情報を取得する。
【0049】
個人情報は、任意の方法で入力されてよい。例えば、顧客14のID又はメールアドレスなどの識別情報が、第1端末装置40としてのモバイル機器に内蔵されたタグから、入力機器12としてのNFCリーダを用いて読み取られる。「ID」は、identifierの略語である。あるいは、顧客14のID又はメールアドレスなどの識別情報が、第1端末装置40としてのモバイル機器の画面に2次元コードの形式で表示され、入力機器12としての2次元コードスキャナを用いて読み取られる。あるいは、顧客14の顔、又は目の虹彩などの生体情報が、入力機器12としてのカメラを用いて撮像される。あるいは、顧客14の声などの生体情報が、入力機器12としてのマイクを用いて録音される。
【0050】
図4のステップS102において、制御装置20の制御部21は、ステップS101で取得した個人情報から、顧客データD1を生成する。顧客データD1は、顧客14を識別するデータである。顧客データD1は、入力機器12に入力された個人情報そのもの、又は識別情報のハッシュ値、若しくは生体情報の特徴量など、個人情報を処理して得られたデータを含む。
【0051】
図4のステップS103において、制御装置20の制御部21は、ステップS102で生成した顧客データD1を通信部23に送信させる。通信部23は、顧客データD1をサーバ装置30に送信する。
【0052】
図5のステップS111において、サーバ装置30の通信部33は、図4のステップS103で送信された顧客データD1を制御装置20から受信する。サーバ装置30の制御部31は、通信部33により受信された顧客データD1を取得する。
【0053】
図5のステップS112において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS111で取得した顧客データD1を用いて、顧客14が向かっている目的地を特定する。
【0054】
本実施形態では、サーバ装置30は、顧客14に対応付けて目的地を管理する。具体的には、サーバ装置30は、顧客14を含む2人以上のユーザそれぞれの個人情報と、各ユーザが向かっている目的地とを対応付けて、記憶部32又は外部のストレージに構築されたデータベースに予め登録する。サーバ装置30の制御部31は、顧客データD1に含まれる個人情報をキーとしてデータベースを検索することで、顧客14が向かっている目的地を特定する。あるいは、サーバ装置30は、各ユーザの識別情報のハッシュ値、又は各ユーザの生体情報の特徴量など、各ユーザの個人情報を処理して得られたデータと、各ユーザが向かっている目的地とを対応付けてデータベースに予め登録する。制御部31は、顧客データD1に含まれる、個人情報を処理して得られたデータをキーとしてデータベースを検索することで、顧客14が向かっている目的地を特定する。
【0055】
図5のステップS113において、サーバ装置30の制御部31は、目的地データD2を通信部33に送信させる。目的地データD2は、ステップS112で特定された目的地を示すデータである。通信部33は、目的地データD2を制御装置20に送信する。
【0056】
図4のステップS104において、制御装置20の通信部23は、ステップS103で送信した顧客データD1への応答として、図5のステップS113で送信された目的地データD2をサーバ装置30から受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された目的地データD2を取得する。
【0057】
図4のステップS105において、制御装置20の制御部21は、ステップS104で取得した目的地データD2で示される目的地に合わせてコンテンツを調整する。このコンテンツは、任意のコンテンツでよいが、本実施形態では広告コンテンツである。例えば、制御部21は、目的地データD2で示される目的地周辺にあるレストラン、ホテル、観光スポット、公園、遊園地、映画館、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、デパート、薬局、駅、駐車場、病院、郵便局、又は銀行などのPOIに関する広告コンテンツを記憶部22又は外部のストレージから取得する。制御部21は、取得した広告コンテンツを編集して、出力用のコンテンツを生成する。
【0058】
図4のステップS106において、制御装置20の制御部21は、サービス設備11によってサービスが提供されている間に生じる顧客14の待ち時間中に、ステップS105で調整したコンテンツを、サービス設備11に備えられた出力機器13から出力する制御を行う。待ち時間は、本実施形態では、エネルギー源の補給が完了するまでの時間であるが、例えば、補給サービスの代わりにドライブスルーサービスが提供されるのであれば、注文した商品が提供されるまでの時間である。
【0059】
コンテンツは、任意の方法で出力されてよい。例えば、POIに関する広告コンテンツが、出力機器13としてのディスプレイの画面に表示される。あるいは、POIに関する広告コンテンツが、出力機器13としてのスピーカから音声で出力される。
【0060】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の制御部21は、サービス設備11の前に停まった車両15で顧客14が向かっている目的地を示す目的地データD2を取得する。制御部21は、サービス設備11によってサービスが提供されている間に生じる顧客14の待ち時間中に、目的地データD2で示される目的地に合わせたコンテンツを、サービス設備11に備えられた出力機器13から出力する制御を行う。
【0061】
本実施形態によれば、目的地に向かっている途中の顧客14にとって有益なコンテンツを提供することができる。その結果、顧客14の待ち時間が有意義な時間に変わることが期待される。
【0062】
第1実施形態の一変形例として、顧客14が向かっている目的地だけでなく、顧客14の属性にも合わせてコンテンツが調整されてもよい。そのような変形例である第2実施形態について説明する。
【0063】
図6及び図7を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図6は、制御装置20の動作を示している。図7は、サーバ装置30の動作を示している。
【0064】
図6のステップS201からステップS203の処理については、図4のステップS101からステップS103の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0065】
図7のステップS211の処理については、図5のステップS111の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0066】
図7のステップS212において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS211で取得した顧客データD1を用いて、顧客14が向かっている目的地、及び顧客14の属性を特定する。属性は、例えば、顧客14の性別、年齢、家族構成、居住地、出身地、職業、学歴、趣味、嗜好、又はこれらの任意の組合せを含む。
【0067】
本実施形態では、サーバ装置30は、顧客14に対応付けて属性を管理する。具体的には、サーバ装置30は、顧客14を含む2人以上のユーザそれぞれの個人情報と、各ユーザの属性とを対応付けて、記憶部32又は外部のストレージに構築されたデータベースに予め登録する。サーバ装置30の制御部31は、顧客データD1に含まれる個人情報をキーとしてデータベースを検索することで、顧客14の属性を特定する。あるいは、サーバ装置30は、各ユーザの識別情報のハッシュ値、又は各ユーザの生体情報の特徴量など、各ユーザの個人情報を処理して得られたデータと、各ユーザの属性とを対応付けてデータベースに予め登録する。制御部31は、顧客データD1に含まれる、個人情報を処理して得られたデータをキーとしてデータベースを検索することで、顧客14の属性を特定する。属性を管理するためのデータベースは、目的地を管理するためのデータベースに統合されてもよい。
【0068】
図7のステップS213において、サーバ装置30の制御部31は、目的地データD2及び属性データD3を通信部33に送信させる。属性データD3は、ステップS212で特定された属性を示すデータである。通信部33は、目的地データD2及び属性データD3を制御装置20に送信する。
【0069】
図6のステップS204において、制御装置20の通信部23は、ステップS203で送信した顧客データD1への応答として、図7のステップS213で送信された目的地データD2及び属性データD3をサーバ装置30から受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された目的地データD2及び属性データD3を取得する。
【0070】
図6のステップS205において、制御装置20の制御部21は、ステップS204で取得した目的地データD2で示される目的地、及びステップS204で取得した属性データD3で示される属性に合わせてコンテンツを調整する。例えば、制御部21は、目的地データD2で示される目的地周辺にあり、且つ属性データD3で示される属性を持つ人に人気があるPOIに関する広告コンテンツを記憶部22又は外部のストレージから取得する。制御部21は、取得した広告コンテンツを編集して、出力用のコンテンツを生成する。
【0071】
図6のステップS206の処理については、図4のステップS106の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0072】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の制御部21は、顧客14の属性を示す属性データD3をさらに取得する。制御部21は、属性データD3で示される属性に合わせてコンテンツを調整する。
【0073】
本実施形態によれば、目的地に向かっている途中の顧客14にとって、より有益なコンテンツを提供することができる。その結果、顧客14の待ち時間が、より有意義な時間に変わることが期待される。
【0074】
第1実施形態の別の変形例として、顧客14に対応付けて目的地が管理される代わりに、車両15に対応付けて目的地が管理されてもよい。そのような変形例である第3実施形態について説明する。
【0075】
図8及び図9を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図8は、制御装置20の動作を示している。図9は、サーバ装置30の動作を示している。
【0076】
サービス設備11の前に車両15が停まり、サービス設備11によってサービスが提供され始める時点、又はその時点の前後に、以下の動作が開始する。
【0077】
図8のステップS301において、制御装置20の通信部23は、サービス設備11に備えられた入力機器12としてのカメラを用いて撮像された車両15の画像を当該カメラから受信する。車両15の画像は、本実施形態では、車両15の登録番号が印字されたナンバープレートの画像を含む。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された画像を取得する。
【0078】
図8のステップS302において、制御装置20の制御部21は、ステップS301で取得した画像から、車両データD4を生成する。車両データD4は、車両15を識別するデータである。車両データD4は、カメラを用いて撮像された画像そのもの、又は画像を解析して特定された車両15の登録番号を示すデータである。
【0079】
図8のステップS303において、制御装置20の制御部21は、ステップS302で生成した車両データD4を通信部23に送信させる。通信部23は、車両データD4をサーバ装置30に送信する。
【0080】
図9のステップS311において、サーバ装置30の通信部33は、図8のステップS303で送信された車両データD4を制御装置20から受信する。サーバ装置30の制御部31は、通信部33により受信された車両データD4を取得する。
【0081】
図9のステップS312において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS311で取得した車両データD4を用いて、顧客14が向かっている目的地を特定する。
【0082】
本実施形態では、サーバ装置30は、車両15に対応付けて目的地を管理する。具体的には、サーバ装置30は、車両15及びその他の車両それぞれの登録番号と、各車両でユーザが向かっている目的地とを対応付けて、記憶部32又は外部のストレージに構築されたデータベースに予め登録する。サーバ装置30の制御部31は、車両データD4に含まれる車両15のナンバープレートの画像を解析して、車両15の登録番号を特定する。制御部31は、特定した登録番号をキーとしてデータベースを検索することで、顧客14が向かっている目的地を特定する。あるいは、制御部31は、車両データD4で示される登録番号をキーとしてデータベースを検索することで、顧客14が向かっている目的地を特定する。
【0083】
図9のステップS313において、サーバ装置30の制御部31は、目的地データD2を通信部33に送信させる。目的地データD2は、ステップS312で特定された目的地を示すデータである。通信部33は、目的地データD2を制御装置20に送信する。
【0084】
図8のステップS304において、制御装置20の通信部23は、ステップS303で送信した車両データD4への応答として、図9のステップS313で送信された目的地データD2をサーバ装置30から受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された目的地データD2を取得する。
【0085】
図8のステップS305及びステップS306の処理については、図4のステップS105及びステップS106の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0086】
第1実施形態の別の変形例として、コンテンツが制御装置20により調整される代わりに、サーバ装置30により調整されてもよい。そのような変形例である第4実施形態について説明する。
【0087】
図10及び図11を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図10は、制御装置20の動作を示している。図11は、サーバ装置30の動作を示している。
【0088】
図10のステップS401からステップS403の処理については、図4のステップS101からステップS103の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0089】
図11のステップS411及びステップS412の処理については、図5のステップS111及びステップS112の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0090】
図11のステップS413において、サーバ装置30の制御部31は、目的地データD2を取得する。目的地データD2は、ステップS412で特定された目的地を示すデータである。制御部31は、取得した目的地データD2で示される目的地に合わせてコンテンツを調整する。例えば、制御部31は、目的地データD2で示される目的地周辺にあるレストラン、ホテル、観光スポット、公園、遊園地、映画館、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモール、デパート、薬局、駅、駐車場、病院、郵便局、又は銀行などのPOIに関する広告コンテンツを記憶部32又は外部のストレージから取得する。制御部31は、取得した広告コンテンツを編集して、出力用のコンテンツを生成する。
【0091】
図11のステップS414において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS413で調整したコンテンツを通信部33に送信させる。通信部33は、コンテンツを制御装置20に送信する。
【0092】
図10のステップS404において、制御装置20の通信部23は、図11のステップS414で送信されたコンテンツをサーバ装置30から受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信されたコンテンツを取得する。
【0093】
図10のステップS405において、制御装置20の制御部21は、サービス設備11によってサービスが提供されている間に生じる顧客14の待ち時間中に、ステップS404で取得したコンテンツを、サービス設備11に備えられた出力機器13から出力する制御を行う。コンテンツは、ステップS404で完全にダウンロードされてから出力されてもよいし、又はストリーミング方式で出力されてもよい。
【0094】
上述のように、本実施形態では、サーバ装置30の制御部31は、サービス設備11の前に停まった車両15で顧客14が向かっている目的地を示す目的地データD2を取得する。制御部31は、サービス設備11によってサービスが提供されている間に生じる顧客14の待ち時間中に、サービス設備11に備えられた出力機器13から出力されるコンテンツを、目的地データD2で示される目的地に合わせて調整する。サーバ装置30の通信部33は、制御部31により調整されたコンテンツを、サービス設備11に備えられた制御装置20に送信する。
【0095】
本実施形態によれば、クラウド環境など、サービス設備11のようなオンプレミス環境よりも高性能、高信頼、且つ低コストの環境でコンテンツを調整することができる。
【0096】
第1実施形態の別の変形例として、車両15がサービス設備11の前に停まったときに、制御装置20からサーバ装置30に何らデータが送信されることなく、目的地データD2がサーバ装置30から制御装置20に送信されてもよい。そのような変形例である第5実施形態について説明する。
【0097】
図12及び図13を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図12は、制御装置20の動作を示している。図13は、サーバ装置30の動作を示している。
【0098】
図13のステップS511において、サーバ装置30の制御部31は、車両15の位置を監視し、車両15がサービス設備11の前に停まったかどうかを判定する。車両15がサービス設備11の前に停まっていれば、ステップS512の処理が行われる。車両15がサービス設備11の前に停まっていなければ、ステップS511の処理が再び行われる。
【0099】
車両15の位置は、任意の手順で監視されてよいが、本実施形態では、以下の手順で監視される。
【0100】
サーバ装置30の通信部33は、位置データD5を第2端末装置50から受信する。位置データD5は、車両15の位置を示すデータである。具体的には、位置データD5は、第2端末装置50に内蔵又は接続されたGNSS受信機により測定された位置を示すデータである。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSは、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、Galileo、又はこれらの任意の組合せである。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。サーバ装置30の制御部31は、通信部33により受信された位置データD5を取得する。サーバ装置30の制御部31は、地図データD6を参照して、取得した位置データD5で示される位置が、サービス設備11の位置から一定範囲内であるかどうかを判定する。地図データD6は、サーバ装置30の記憶部32に予め記憶されていてもよいし、又はインターネット上のGISなど、外部のシステムに蓄積されていてもよい。「GIS」は、geographic information systemの略語である。制御部31は、位置データD5で示される位置が、サービス設備11の位置から一定範囲内であれば、車両15がサービス設備11の前に停まったと判定する。制御部31は、位置データD5で示される位置が、サービス設備11の位置から一定範囲内でなければ、車両15がサービス設備11の前に停まっていないと判定する。
【0101】
図13のステップS512において、サーバ装置30の制御部31は、記憶部32又は外部のストレージに予め記憶された目的地データD2を取得する。目的地データD2は、車両15で顧客14が向かっている目的地を示すデータである。制御部31は、取得した目的地データD2を通信部33に送信させる。通信部33は、目的地データD2を制御装置20に送信する。
【0102】
図12のステップS501において、制御装置20の通信部23は、図13のステップS512で送信された目的地データD2をサーバ装置30から受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された目的地データD2を取得する。
【0103】
図12のステップS502及びステップS503の処理については、図4のステップS105及びステップS106の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0104】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の通信部23は、車両15がサービス設備11の前に停まったときに、目的地データD2をサーバ装置30から受信する。
【0105】
本実施形態によれば、サービス設備11で実行される処理手順を簡素化することができる。
【0106】
第5実施形態の一変形例として、目的地データD2がサーバ装置30から制御装置20に送信される代わりに、車両15に搭載又は設置された第2端末装置50から制御装置20に送信されてもよい。そのような変形例において、図13のステップS511及びステップS512の処理は省略される。図12のステップS501において、制御装置20の通信部23は、目的地データD2を第2端末装置50から受信する。具体的には、通信部23は、ネットワーク60を介して、目的地データD2を第2端末装置50から受信する。あるいは、通信部23は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、目的地データD2を第2端末装置50から直接受信する。
【0107】
この変形例によれば、サーバ装置30が不要になる。
【0108】
第5実施形態の別の変形例として、目的地データD2がサーバ装置30から制御装置20に送信される代わりに、顧客14によって保持された第1端末装置40から制御装置20に送信されてもよい。そのような変形例において、図13のステップS511及びステップS512の処理は省略される。図12のステップS501において、制御装置20の通信部23は、目的地データD2を第1端末装置40から受信する。具体的には、通信部23は、ネットワーク60、又はNFCリーダ若しくは2次元コードスキャナなどの入力機器12を介して、目的地データD2を第1端末装置40から受信する。あるいは、通信部23は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、目的地データD2を第1端末装置40から直接受信する。
【0109】
この変形例によれば、サーバ装置30が不要になる。
【0110】
この変形例のさらなる変形例として、第2実施形態と同じように、顧客14が向かっている目的地だけでなく、顧客14の属性にも合わせてコンテンツが調整されてもよい。そのような変形例である第6実施形態について説明する。
【0111】
図14を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係るコンテンツ出力方法に相当する。図14は、制御装置20の動作を示している。
【0112】
図14のステップS601において、制御装置20の通信部23は、目的地データD2及び属性データD3を第1端末装置40から受信する。具体的には、通信部23は、ネットワーク60、又はNFCリーダ若しくは2次元コードスキャナなどの入力機器12を介して、目的地データD2及び属性データD3を第1端末装置40から受信する。あるいは、通信部23は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、目的地データD2及び属性データD3を第1端末装置40から直接受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された目的地データD2及び属性データD3を取得する。図14のステップS602及びステップS603の処理については、図6のステップS205及びステップS206の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0113】
本実施形態によれば、第2実施形態と同じように、目的地に向かっている途中の顧客14にとって、より有益なコンテンツを提供することができる。その結果、顧客14の待ち時間が、より有意義な時間に変わることが期待される。
【0114】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0115】
例えば、第1実施形態から第4実施形態への変形を第5実施形態に適用してもよい。すなわち、図13のステップS511において、車両15がサービス設備11の前に停まったと判定されたときに、図13のステップS512の処理に代えて、図11のステップS413及びステップS414の処理が行われてもよい。そして、図12のステップS501からステップS503の処理に代えて、図10のステップS404及びステップS405の処理が行われてもよい。
【0116】
この変形例では、サーバ装置30の制御部31は、車両15の位置を監視し、車両15がサービス設備11の前に停まったときに、コンテンツを通信部33に送信させる。
【0117】
この変形例によれば、サービス設備11で実行される処理手順をさらに簡素化することができる。
【符号の説明】
【0118】
10 システム
11 サービス設備
12 入力機器
13 出力機器
14 顧客
15 車両
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 サーバ装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
40 第1端末装置
50 第2端末装置
60 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14