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特許7342902情報処理システム、情報処理方法、モバイルデバイス及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、モバイルデバイス及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/35 20180101AFI20230905BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
H04W4/35
G05B23/02 T
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021038467
(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公開番号】P2022138534
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルニアワン ジェイソン
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-349804(JP,A)
【文献】特表2010-539596(JP,A)
【文献】特開2005-018142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
G05B 23/02
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントに設けられた複数のフィールド機器と、
前記複数のフィールド機器からデータを取得するモバイルデバイスと、
を備え、
前記モバイルデバイスは、
プラントエリアごとにグループ化された前記複数のフィールド機器を管理するデータ管理部と、
前記データ管理部によって管理されている前記複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する処理部と、
を含み、
前記データ管理部は、前記グループ化された前記複数のフィールド機器をリスト管理し、
前記処理部は、前記データ管理部によってリスト管理されている前記複数のフィールド機器のうち、前記ユーザ操作によって前記選択された前記プラントエリアに設けられたフィールド機器のうち前記無線通信の接続が成功したフィールド機器からデータを順次取得する
情報処理システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記ユーザ操作によって前記選択された前記プラントエリアの画像に示されるフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたフィールド機器からデータを取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記処理部は、取得したデータを含むファイル、及び取得したデータを報告するためのレポートの少なくとも一方を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ操作に基づく前記処理部の処理の少なくとも一部を実行させるユーザ権限の資格情報をチェックするアプリ管理部を備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記フィールド機器のパラメータを編集する、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記フィールド機器からのデータの取得に関するログ情報を生成する、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記処理部は、ユーザによる前記フィールド機器のメンテナンス作業をサポートするための情報を取得する、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記複数のフィールド機器は、前記データを送信するために、前記モバイルデバイスと無線通信する無線機に有線接続されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
モバイルデバイスが、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理することと、
前記モバイルデバイスが、管理している前記複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリア内に設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得することと、
を含み、
前記管理することでは、前記モバイルデバイスが、前記グループ化された前記複数のフィールド機器をリスト管理し、
前記取得することでは、前記モバイルデバイスが、前記リスト管理されている前記複数のフィールド機器のうち、前記ユーザ操作によって前記選択された前記プラントエリアに設けられたフィールド機器のうち前記無線通信の接続が成功したフィールド機器からデータを順次取得する
情報処理方法。
【請求項10】
プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理するデータ管理部と、
前記データ管理部によって管理されている前記複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する処理部と、
を備え
前記データ管理部は、前記グループ化された前記複数のフィールド機器をリスト管理し、
前記処理部は、前記データ管理部によってリスト管理されている前記複数のフィールド機器のうち、前記ユーザ操作によって前記選択された前記プラントエリアに設けられたフィールド機器のうち前記無線通信の接続が成功したフィールド機器からデータを順次取得する
モバイルデバイス。
【請求項11】
コンピュータに、
プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理し、
管理している前記複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリア内に設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する、
処理を実行させる、
情報処理プログラムであって、
前記管理する処理では、前記コンピュータが、前記グループ化された前記複数のフィールド機器をリスト管理し、
前記取得する処理では、前記コンピュータが、前記リスト管理されている前記複数のフィールド機器のうち、前記ユーザ操作によって前記選択された前記プラントエリアに設けられたフィールド機器のうち前記無線通信の接続が成功したフィールド機器からデータを順次取得する、
情報処理プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、モバイルデバイス及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラント等に設けられたフィールド機器のメンテナンス等のために、フィールド機器からデータを取得することが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2019/0052638号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでは、オペレータが、データ取得の対象となるフィールド機器に接近し、専用のツールを用いてデータを取得していた。しかしながら、例えば、プラントに多くのフィールド機器が設けられたり、プラント内の接近困難な場所にフィールド機器が設けられたりすることから、データ取得が困難な場合も少なくない。
【0005】
本発明は、フィールド機器のデータを効率よく取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面に係る情報処理システムは、プラントに設けられた複数のフィールド機器と、複数のフィールド機器からデータを取得するモバイルデバイスと、を備え、モバイルデバイスは、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理するデータ管理部と、データ管理部によって管理されている複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する処理部と、を含む。
【0007】
一側面に係る情報処理方法は、モバイルデバイスが、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理することと、モバイルデバイスが、管理している複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリア内に設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得することと、を含む。
【0008】
一側面に係るモバイルデバイスは、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理するデータ管理部と、データ管理部によって管理されている複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する処理部と、を備える。
【0009】
一側面に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器を管理し、管理している複数のフィールド機器のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリア内に設けられたフィールド機器から、無線通信を用いてデータを取得する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィールド機器のデータを効率よく取得することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。
図2】モバイルデバイスによるフィールド機器のデータの取得を模式的に示す図である。
図3】アプリによって実現されるモバイルデバイスの機能ブロックの例を示す図である。
図4】モバイルデバイスにおいて実行される処理の例を示すフローチャートである。
図5】アップロードされるプラントエリアの画像の例を示す図である。
図6】生成されたリストの例を示す図である。
図7】画像ベースシングルアクセスにおいて実行される処理の例を示すフローチャートである。
図8】フィールド機器の選択操作の例を示す図である。
図9】リストベース連続アクセスにおいて実行される処理の例を示すフローチャートである。
図10】リストベース連続アクセスの開始及び終了操作の例を示す図である。
図11】モバイルデバイスのハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<序>
石油、化学、製薬及びパルプ等の産業プラント(以下、単に「プラント」という。)において、伝送器(例えば圧力、温度、液位等の伝送器)、流量計、分析計、アクチュエータ等のフィールド機器が用いられる。フィールド機器には、定期的なメンテナンスが必要になる。メンテナンス作業の例は、フィールド機器が正常に機能していること、フィールド機器によって測定されたプロセス値が正常であるか否か等の確認であり、フィールド機器からデータを取得することによって行われる。
【0013】
プラントの規模によっては、プロセス制御、測定システムネットワーク等を構成するフィールド機器の数は、数十、数百、さらには数千以上にも及ぶ。それらの多くのフィールド機器に対してさまざまな頻度で定期的なメンテナンス作業が必要になる。作業手順も、フィールド機器の種類等によって異なる。適切にメンテナンスされていない(例えば未校正の)フィールド機器の使用は、プラントのプロセス制御効率の低下等につながり、損失を増大させる可能性がある。
【0014】
HART及びFoundationFieldbus(登録商標)等の一般的な産業プロトコルが用いられるプラントでは、現場作業員であるフィールドオペレータ(以下、単に「オペレータ」という。)が手動でメンテナンス作業を行う。オペレータは、ハンドヘルドコミュニケータ、マルチメータ、工具等のメンテナンスツールをプラントに持ち込む。このような従来のメンテナンス作業では、オペレータがフィールド機器の近く(例えば1メートル未満)に行き、その位置で作業に時間を費やす必要がある。例えば、フィールド機器の蓋を開け、ケーブルを介してコミュニケータを接続し、フィールド機器からデータを取得し、その後、もとの状態に戻す、といった作業が発生する。
【0015】
フィールド機器が、高い場所、不安定な場所、暗い場所、暑い場所、騒々しい場所等の危険な場所に配置されており、メンテナンス作業にリスクが伴うことも少なくない。多くのフィールド機器に対処するため、メンテナンス作業の量及び質と、オペレータの工数との間のトレードオフの問題もある。技術改善は進められているが、未だ十分ではない。その一方で、現場で主に用いられるフィールド機器は、低電力動作の2線式フィールド機器であり、機能が制限される。
【0016】
メンテナンス作業改善に重要な技術について、ここでは2つに分けて説明する。1つ目は、バーコードスキャン、近距離無線通信(NFC)及びパッシブ無線周波数識別(RFID)等の非接触技術アプリケーションである。このような非接触技術アプリケーションによって、例えば有線接続に係る作業時間を減らすことができる。ただし、オペレータがフィールド機器の近くまで行くことは依然として要求される。バーコードスキャンには、暗い場所、揺れる場所等でのスキャンが困難になるという課題も残る。2つ目は、ワイヤレステクノロジである。しかしながら、WLAN(例えばIEEE 802.11x)は、電力消費が大きい。IrDAは、オペレータがフィールド機器に1方向からアクセスする必要があり、フィールド機器が異なる高さに配置されていて、IrDAによるアクセスが困難な場合等に利便性を欠く。
【0017】
産業用のワイヤレスプロトコルとして、ISA100及びWirelessHART等が用いられているが、これらはメンテナンス作業用として容易に利用できる構成にはなっていない。例えば特許文献1が開示するLightFidelity(Li-Fi)テクノロジは、認証及びデータ通信のために、ネットワーク内のコントローラ機能を必要とする。BluetoothLowEnergy(BLE)は検討すべき技術の1つである。ただし、プラント制御(プロセスオートメーション等)で利用される既存のBLEアプリケーションは限られている。
【0018】
以上のように、従来技術にはさまざまな課題が存在する。例えば、メンテナンス作業のために、オペレータがフィールド機器の近く(例えば1メートル未満)まで行く必要がある。バーコード、NFC及びパッシブRFID等の非接触技術の実装には、既存のフィールド機器の再設計、交換等が必要になる。WLAN等の一部のワイヤレステクノロジは、消費電力が大きく、既存の2線式フィールド機器への実装に適さない。また、WLAN、ISA100及びWirelessHART等を用いると、プラントの計装確立等のための初期コストが高くなる。ISA100及びWirelessHART等は、メンテナンス作業用としては、プロトコル仕様、構成等がかなり複雑である。IrDAは、接続確立のための方向、角度の依存性が大きい。非接触技術及びIrDAの場合には、各フィールド機器のメンテナンス作業を1つずつしか行えない。多数のフィールド機器から取得したデータを、オペレータが手動でPC等に入力する必要があり、作業量が多くなるといった課題もある。
【0019】
上述の課題のうちの少なくとも一部の課題が、開示される技術によって対処される。例えば、無線通信を用いたフィールド機器の検索及びデータ取得が可能になる。無線通信装置の追加は比較的簡単であり、既存の2線式フィールド機器が使用できる。無線通信を用いることで、例えば非接触技術を用いる場合ほど、メンテナンス作業中にオペレータがフィールド機器の近く(例えば1メートル未満)にとどまる必要は無い。無線通信の範囲内のフィールド機器との双方向通信も可能である。タブレット端末、スマートフォン等などの汎用のモバイルデバイスでアプリケーションを実行することでメンテナンス作業が行えるので、ハンドヘルドコミュニケータ等の特定のツールが不要になる。画像ベースでフィールド機器を選択してデータ取得するといった、リッチ/ユーザフレンドリなUIが提供されうる。無線通信の通信範囲内に位置する複数のフィールド機器を自動的に検索、接続し、(例えば早いデータレートで)データを効率よく取得でき、メンテナンス作業に要する時間が大幅に短縮される。取得したデータを一般的な形式のファイル、取得したデータを報告するためのレポート(例えばデータを示す表、グラフ等)等に保存して出力することで、データ分析に供したり、他のアプリケーションとデータ交換したりすることも容易になる。アプリケーション機能の拡張により、他の既存のソリューション、さらには将来のテクノロジとの互換性確保等も柔軟に行える。
【0020】
<実施形態>
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。同一の要素、機能及び処理等には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、実施形態に係る情報処理システム1の概略構成の例を示す図である。例示される情報処理システム1は、プラントに適用される。プラントの例は、先に述べたような石油、化学、製薬及びパルプ等の産業プラントである。図1には、プラントA及びプラントBの2つのプラントが例示される。例えば、プラントA及びプラントBは、異なる種類のプラントであってもよい。また、プラントA及びプラントBは、同一種類のプラントであって、同一種類のプラントを構成する建屋内の1階部分と2階部分とに分かれているものであってもよい。
【0022】
情報処理システム1は、モバイルデバイス201と、複数のフィールド機器202とを備える。便宜上、先にフィールド機器202について説明し、その後、モバイルデバイス201について説明する。
【0023】
複数のフィールド機器202は、プラントに設けられる(配置される)。図1に示される例では、プラントA及びプラントBそれぞれに、複数のフィールド機器202が設けられる。フィールド機器202の例は、先に述べたような伝送器、流量計、分析計等である。フィールド機器202は、モバイルデバイス201と無線通信可能に構成される。各フィールド機器202は、データを送信したり受信したりするために、無線機を備えることによりモバイルデバイス201と無線通信してもよいし、別途設けられた無線機に有線接続される(例えば有線通信のフィールド機器202に無線通信アダプタを取り付ける)ことによりフィールド機器202と無線通信してもよい。
【0024】
情報処理システム1において、複数のフィールド機器202は、エリアごとにグループ化して管理される。エリアはプラントごとに定められ、従って、複数のフィールド機器202は、プラントのエリア(プラントエリア)ごとにグループ化される。図1には、プラントエリアとして、プラントエリア311a、プラントエリア311b及びプラントエリア311cが例示される。プラントエリア311aは、プラントAのエリア1である。プラントエリア311bは、プラントAのエリア2である。プラントエリア311cは、プラントBのエリア1である。なお、エリアは、物理的に区画したエリアであってもよく、プロセス全体の制御を構成する個々のプロセス(個プロセス)を各エリアとしてもよい。個プロセスの例は、原料投入プロセス、化学反応プロセス、成形プロセス等である。
【0025】
モバイルデバイス201は、複数のフィールド機器202のメンテナンス作業に用いられる。メンテナンス作業は、フィールド機器202のデータを取得することを含み、モバイルデバイス201は、フィールド機器202との無線通信を用いて、フィールド機器202からデータを取得する。データの例は、フィールド機器202の測定データ、機器パラメータ、ステータス情報(ヘルス情報)等である。測定データの例は、フィールド機器202が流量計の場合は、流量値等である。機器パラメータの例は、測定値の測定レンジの上限値及び下限値等である。ステータス情報の例は、フィールド機器202の異常の有無等である。
【0026】
図1に例示されるモバイルデバイス201は、スマートフォンである。ただし、スマートフォン以外にも、タブレット端末、ラップトップ等のさまざまなモバイル端末装置が、モバイルデバイス201として用いられてよい。
【0027】
モバイルデバイス201のユーザを、ユーザUと称し図示する。ユーザUの例は、プラントのオペレータ(現場作業員等)である。ユーザUは、モバイルデバイス201を携帯していずれかのプラントエリアまで行き、モバイルデバイス201を用いて、そのプラントエリアに設けられた(そのプラントエリア内の)フィールド機器202からデータを取得する。
【0028】
図2は、モバイルデバイス201によるフィールド機器202のデータの取得を模式的に示す図である。データ取得の対象となるフィールド機器202として、フィールド機器202a~フィールド機器202d(この例ではいずれも流量計)が例示される。
【0029】
モバイルデバイス201には、アプリ203(APP)がインストールされている。アプリ203は、フィールド機器202のメンテナンス作業用アプリケーションである。アプリ203は、モバイルデバイス201とフィールド機器202と無線通信204を用いたデータ取得を実行する。無線通信204は、モバイルデバイス201と動作中のフィールド機器202と双方向通信205(データの送受信/交換等)を含む。無線通信204には、BLEのような低消費電力の無線通信が用いられてよい。
【0030】
詳細は後述するが、手動選択又は自動検索されたフィールド機器202のデータが、無線通信204を用いて取得される。例えば図において矢印206及び矢印207として模式的に示されるように、フィールド機器202bのデータ、フィールド機器202aのデータ、フィールド機器202cのデータ及びフィールド機器202dのデータが順に取得される(短時間に収集されうる)。
【0031】
図3は、アプリ203によって実現されるモバイルデバイス201の機能ブロックの例を示す図である。モバイルデバイス201は、主な機能ブロックとして、通信ブロック211と、アルゴリズムブロック212と、データ管理ブロック213と、アプリ管理ブロック214とを含む。
【0032】
通信ブロック211は、フィールド機器202との通信を行う部分(通信部)である。通信ブロック211は、無線通信スタック211aを含む。無線通信スタック211aは、フィールド機器202との無線通信204(図2)に必要な処理、例えば無線通信プロトコルに基づく処理等を実行する。なお、無線通信スタック211aは、上述した無線通信アダプタ等の無線機に実装されていてもよい。
【0033】
アルゴリズムブロック212は、種々のアルゴリズムによる処理を実行する部分(処理部)である。アルゴリズムとして、画像ベースアルゴリズム212a、リストベースアルゴリズム212b、ユーザ操作アルゴリズム212c及びロギングアルゴリズム212dが例示される。
【0034】
画像ベースアルゴリズム212a及びリストベースアルゴリズム212bは、フィールド機器202からデータを取得するためのアルゴリズムである。画像ベースアルゴリズム212a及びリストベースアルゴリズム212bは、後述のデータ管理ブロック213によって管理されている複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202から、無線通信204を用いてデータを取得する。詳細は後述するが、画像ベースアルゴリズム212aは、画像ベースでのフィールド機器202の選択処理、データ取得処理等を実行する。リストベースアルゴリズム212bは、リストベースでのフィールド機器202の自動検索(発見)処理及びデータ取得処理等を実行する。
【0035】
ユーザ操作アルゴリズム212cは、ユーザ操作の受け付け(入力)等の処理を行う。以後、とくに説明がある場合を除き、ユーザ操作は、ユーザ操作アルゴリズム212cによって処理されるものとする。
【0036】
ロギングアルゴリズム212dは、アプリ203のログ情報、より特定的にはフィールド機器202からのデータ取得に関する機器ID、取得データ、取得日時等のログ情報を生成する。これにより、データ取得に関するアプリ203の操作、動作及び処理(アクティビティ)等の履歴情報を残すことができる。どの機器から何のデータをいつ取得したのか等のバックトレース等も可能である。
【0037】
データ管理ブロック213は、図示しない内部データベース等を用いて、種々のデータを記憶して管理する部分(データ管理部)である。主なデータ管理として、リスト等データ管理213a、画像等データ管理213b及び取得データ管理213cが例示される。
【0038】
リスト等データ管理213aは、プラントエリアごとにグループ化されたフィールド機器202を管理(リスト管理)する。リストは、例えば、各プラントエリアの名称と、各プラントエリア内に配置されているフィールド機器202のタグ情報とを対応付けて記述する。このリストは、後述のリストベース連続アクセスで用いられるために維持される。
【0039】
画像等データ管理213bは、プラントの画像、より具体的にはプラントエリアの画像(例えば後述の図5を参照)、また、各画像中の各フィールド機器202の位置情報(座標等)を管理する。また、画像等データ管理213bは、フィールド機器202のタグ情報、フィールド機器202との無線通信204に使用される通信プロトコル情報等も管理する。タグ情報は、フィールド機器202を一意に識別することのできる情報である。タグ情報の例は、フィールド機器202の種類及びシリアル番号等である。
【0040】
取得データ管理213cは、取得されたフィールド機器202のデータを、そのフィールド機器202(の例えばタグ情報)と対応付けて管理する。
【0041】
アプリ管理ブロック214は、アプリ203の管理を行う部分(アプリ管理部)である。管理として、セキュリティ管理214a及び内部ストレージ管理214bが例示される。
【0042】
セキュリティ管理214aは、資格情報を管理する。例えば、資格情報は、ユーザ操作に基づくアルゴリズムブロック212の処理の少なくとも一部を実行させるユーザ権限(資格)の情報である。資格の例は、ユーザUによるアルゴリズムブロック212の利用資格(利用可能なログイン資格等)、ユーザUによるアルゴリズムブロック212を利用したフィールド機器202への無線通信204のアクセス資格(アクセス可能なアクセス資格情報)等である。具体的な資格情報の例は、PIN(Personal Identification Number)コードである。PINコードとともに或いはPINコードに代えて、他の種類の資格情報が用いられてもよい。
【0043】
内部ストレージ管理214bは、モバイルデバイス201内の図示しないストレージ(記憶部)に記憶されている種々のデータを管理する。例えば、内部ストレージ管理214bは、管理しているデータに対するユーザU或いは外部装置からのアクセスを可能にするインタフェースを与える。
【0044】
上述のモバイルデバイス201の各機能ブロックのさらなる詳細は、この後で、図4以降を参照して説明される。
【0045】
図4は、モバイルデバイス201において実行される処理の例(情報処理方法)を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS301において、アプリ203が起動する。ユーザ操作によって、アプリ203が起動する
【0047】
ステップS302において、ログインが行われる。アプリ管理ブロック214のセキュリティ管理214aは、モバイルデバイス201にログイン画面を表示させる。ユーザ操作により、利用資格の情報(例えばPINコード等のログイン資格情報)が入力される。セキュリティ管理214aは、入力された資格情報が適切な資格情報であるか否かをチェックする。ログインが成功すると、ステップS303に処理が進められる。ログインが失敗すると、ステップS302の処理が繰り返される。
【0048】
ステップS303において、アプリ203の初期設定が行われる。初期設定は、アルゴリズムブロック212の画像ベースアルゴリズム212a及びリストベースアルゴリズム212bの初期設定を含む。
【0049】
画像ベースアルゴリズム212aの初期設定では、ユーザ操作により、1つ以上のプラントエリアの画像が登録(アプリ203にアップロード)される。画像ベースアルゴリズム212aは、予め準備されデータ管理ブロック213の画像等データ管理213bによって管理されている各プラントエリアの画像を選択可能な態様でモバイルデバイス201に表示させる。ユーザUは、アップロードされて表示された各プラントエリアの画像から、所望のプラントエリアの画像を選択して登録する。登録された画像ごと(プラントエリアごと)に、そのプラントエリア内に設けられた複数のフィールド機器202が対応付けてグループ化される。グループ化の結果(ここでは登録された画像)は、データ管理ブロック213のリスト等データ管理213aによって管理されてよい。グループ化は、画像ベースアルゴリズム212aの制御のもとでユーザ操作によって行われてもよいし、モバイルデバイス201よりも上位側の装置(モバイルデバイス201と通信可能なサーバ装置等)で行われてもよい。
【0050】
図5は、アップロードされるプラントエリアの画像の例を示す図である。フィールド機器202a~フィールド機器202dを含むプラントエリア311aの画像が例示される。このようなプラントエリアの画像がさまざまに準備されていることで、例えば、ユーザUは、画像を見ながら所望のプラントエリアを簡単に選択することができる。
【0051】
一方、リストベースアルゴリズム212bの初期設定では、ユーザ操作により、プラントエリアごとに、グループ化されたフィールド機器202の一覧(リスト)が生成される。すなわち、複数のフィールド機器202が、プラントエリアごとに分類され対応付けられる。グループ化の結果(ここでは生成されたリスト)は、データ管理ブロック213のリスト等データ管理213aによって管理されてよい。リスト生成は、リストベースアルゴリズム212bの制御のもとでユーザ操作によって行われてもよいし、モバイルデバイス201よりも上位側の装置で行われてもよい。
【0052】
図6は、生成されたリストの例を示す図である。複数のフィールド機器202が、プラントエリア311a~プラントエリア311cそれぞれにグループ化される。プラントエリア311aには、N個のフィールド機器202が対応付けられる。1番目のフィールド機器202が「フィールド機器#1」、2番目のフィールド機器202が「フィールド機器#2」、N番目のフィールド機器202が「フィールド機器#N」として模式的に示される。
【0053】
図4に戻り、ステップS304において、トップメニューが表示される。アルゴリズムブロック212は、アプリ203のさまざまな処理(タスク)に選択移行が可能なトップメニューをモバイルデバイス201に表示させる。選択肢として、ステップS305(プラントエリア選択メニュー)及びステップS306(その他の機能)が例示される。
【0054】
ステップS305において、プラントエリア選択メニューが表示される。アルゴリズムブロック212は、先のステップS303で初期設定されたプラントエリアを選択可能な態様でモバイルデバイス201に表示させる。この例では、プラントエリア311a、プラントエリア311b及びプラントエリア311cが選択可能に表示される。ユーザUは、モバイルデバイス201を携帯して所望のプラントエリアまで行き、プラントエリア選択メニューにおいて、そのプラントエリアを、画像ベースシングルアクセス(ステップS321)及びリストベース連続アクセス(ステップS322)のいずれかと一緒に選択する。選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202のデータが、選択されたアクセス手法によって取得される。詳細は後述する。
【0055】
ステップS306において、その他の機能が実行される。その他の機能は、上述のステップS305における画像ベースシングルアクセス及びリストベース連続アクセス以外の機能であり、詳細は後述する。
【0056】
ステップS305又はステップS306の処理が完了した後(タスクが終了した後)、ステップS307に処理が進められる。
【0057】
ステップS307において、ログアウトが行われる。ユーザ操作によりログアウトが指示され、アプリ管理ブロック214のセキュリティ管理214aが、アプリ203をログイン前の状態に戻す。ログアウトとともにアプリ203が終了されてもよい。
【0058】
上述のステップS305で選択される画像ベースシングルアクセス(ステップS321)及びリストベース連続アクセス(ステップS322)について、図7図10を参照して説明する。
【0059】
図7は、画像ベースシングルアクセスにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。画像ベースアルゴリズム212aは、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアの画像に示されるフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたフィールド機器202からデータを取得する。データ取得対象のフィールド機器202のユーザ操作による選択が、プラントエリアの画像を用いて容易に行われる。
【0060】
ステップS401において、検出されたフィールド機器202が画像ベースで選択される。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、無線通信204が可能なフィールド機器202を検出する。画像ベースアルゴリズム212aは、検出されたフィールド機器202のタグが対応付けられたプラントエリアの画像を、モバイルデバイス201に表示させる。タグ付けは、タグ情報をフィールド機器202に紐づけて表示すること指し示す。タグ付けは、画像ベースアルゴリズム212aの制御のもとでユーザ操作によって行われてもよいし、モバイルデバイス201よりも上位側の装置で行われてもよい。タグ情報は、先に述べたようにデータ管理ブロック213の画像等データ管理213bによって管理されている。画像に示されるいずれかのフィールド機器202が、ワンクリック(或いはタップ)等のユーザ操作により選択される。
【0061】
図8は、フィールド機器202の選択操作の例を示す図である。モバイルデバイス201の表示画面208に、フィールド機器202a~フィールド機器202dを含むプラントエリア311aの画像が表示される。フィールド機器202a~フィールド機器202dそれぞれに、模式的に示されたタグ情報「aaa」~「ddd」が紐づけられて表示される。この例では、ポインティング操作により、フィールド機器202aが選択される。
【0062】
図7に戻り、ステップS402において、無線通信アクセス資格情報がチェックされる。アプリ管理ブロック214のセキュリティ管理214aは、モバイルデバイス201にチェック画面を表示させる。ユーザ操作により、アクセス資格情報(例えばPINコード)が入力される。セキュリティ管理214aは、入力されたアクセス資格情報をチェックする。適切なアクセス資格情報が入力されチェックが完了すると、ステップS403に処理が進められる。適切でないアクセス資格情報が入力されると、ステップS401まで処理が戻されるか、ステップS402の処理が繰り返される。
【0063】
ステップS403において、接続が確立される。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、ユーザ操作によって選択されたフィールド機器202との無線通信204を開始する。その際に必要な通信プロトコル情報は、画像ベースアルゴリズム212aがデータ管理ブロック213の画像等データ管理213bから取得する。
【0064】
ステップS404において、データが取得され、提示される。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、接続を確立したフィールド機器202からデータを取得する。画像ベースアルゴリズム212aは、取得したデータを、データ管理ブロック213の取得データ管理213cに管理(記憶等)させる。また、画像ベースアルゴリズム212aは、取得したデータがユーザUに提示されるように、データをモバイルデバイス201に表示させる。
【0065】
ステップS405において、他のタスクが選択的に実行される。選択肢として、ステップS411~ステップS413が例示される。
【0066】
ステップS411において、フィールド機器202内の機能(内蔵機能)が実行される。内蔵機能の例は、キャリブレーション、出力テスト、診断チェック等である。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、内蔵機能をフィールド機器202に実行させるためのコマンドを、フィールド機器202に送信する。
【0067】
ステップS412において、データがエクスポートされる。画像ベースアルゴリズム212aは、取得したデータを含むファイル及びレポートの少なくとも一方(以下、「レポート等」ともいう。)を生成する。レポート等は、汎用のコンピュータ(PC等)で利用可能な一般的な形式で生成されてよい。画像ベースアルゴリズム212aは、生成したレポート等をモバイルデバイス201に表示させてよい。画像ベースアルゴリズム212aは、生成されたレポート等を、アプリ管理ブロック214の内部ストレージ管理214bを介して外部に出力(データ転送等)してもよい。
【0068】
ステップS413において、モバイルデバイス201に表示された機器パラメータが編集される。例えばユーザ操作によって選択されたフィールド機器202の機器パラメータが、編集可能な態様でモバイルデバイス201に表示される。ユーザUは、モバイルデバイス201を操作して、表示された機器パラメータを編集する。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、編集された機器パラメータが実際にフィールド機器202で反映(更新、設定等)されるように、その機器パラメータの情報をフィールド機器202に送信する。
【0069】
ステップS406において、接続が解除される。画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いたフィールド機器202との無線通信204を終了する。
【0070】
ステップS407において、プラントエリア選択メニューに戻される。画像ベースアルゴリズム212aは、ステップS305(図4)に処理を戻す。同じプラントエリアで引き続きデータ取得を行う場合、ユーザUは、同じプラントエリアの画像ベースシングルアクセス又はリストベース連続アクセス(ステップS321又はステップS322)を選択する。別のプラントエリアでデータ取得を行う場合、ユーザUは、別のプラントエリアまで移動してから、移動先のプラントエリアの画像ベースシングルアクセス又はリストベース連続アクセス(ステップS321又はステップS322)を選択する。
【0071】
図9は、リストベース連続アクセスにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。リストベースアルゴリズム212bは、データ管理ブロック213のリスト等データ管理213aによってリスト管理されている複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202からデータを取得する、リストに示されるフィールド機器202が自動的に検索され、データが自動的に取得される。
【0072】
ステップS501において、処理の開始が指示される。リストベースアルゴリズム212bは、リストベース連続アクセスの処理の開始を指示することのできる画面をモバイルデバイス201に表示させる。ユーザ操作により、処理の開始が指示される。この指示をトリガとして、先のステップS303(図4)で生成されたリストに示されるフィールド機器202が、データ取得対象のフィールド機器に設定される。
【0073】
ステップS502において、リストベース連続アクセスが実行される。具体的に、次に説明する第1のサブステップ~第3のサブステップの処理が繰り返し実行される。図8の右側に示されるステップS511~ステップS519のうち、ステップS511、ステップS514及びステップS517それぞれが、第1のサブステップである。ステップS512、ステップS515及びステップS518それぞれが、第2のサブステップである。ステップS513、ステップS516及びステップS519それぞれが、第3のサブステップである。
【0074】
ステップS511において、1番目のフィールド機器202(フィールド機器#1)に接続される。リストベースアルゴリズム212bは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いた検索手段(ポーリング等)により、1番目のフィールド機器202を検索する。1番目のフィールド機器202が発見されると、画像ベースアルゴリズム212aは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、発見したフィールド機器202との無線通信204を開始する(接続を確立する)。その際に必要な通信プロトコル情報は、リストベースアルゴリズム212bがデータ管理ブロック213の画像等データ管理213bから取得する。接続が成功すると、ステップS512に処理が進められる。フィールド機器202が発見されなかったり接続が失敗したりすると(接続失敗(connection fail))、ステップS512及びステップS513がスキップされ、2番目のフィールド機器202(フィールド機器#2)に接続するため、ステップS514に処理が進められる。
【0075】
ステップS512において、接続が成功した1番目のフィールド機器202からデータが取得される。リストベースアルゴリズム212bは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いて、接続したフィールド機器202からデータを取得する。リストベースアルゴリズム212bは、取得したデータを、一時的なメモリ(キャッシュ等)に保存する。リストベースアルゴリズム212bは、取得及び保存が終了したフィールド機器202を区別できるように、リスト内でマーキングする。
【0076】
ステップS513において、1番目のフィールド機器202との接続が解除される。リストベースアルゴリズム212bは、通信ブロック211の無線通信スタック211aを用いた1番目のフィールド機器202との無線通信204を終了する。
【0077】
ステップS514~ステップS516の処理は、2番目のフィールド機器202(フィールド機器#2)に対して実行される。詳細な処理は先に説明したステップS511~ステップS513と同様に説明される。3番目以降のフィールド機器202についても、同様の処理が順に実行される。
【0078】
ステップS517~ステップS519の処理は、N番目のフィールド機器202に対して実行される。N番目のフィールド機器202がリスト内の最後のフィールド機器202であるので、ステップS517において接続が失敗するかステップS519の処理が完了すると、ステップS520で示されるように、ステップS511に処理が戻される。
【0079】
ステップS521において、ユーザ操作に応じて処理が終了される。リストベースアルゴリズム212bは、リストベース連続アクセスの処理の終了を指示することのできる画面をモバイルデバイス201に表示させる。ユーザ操作により、任意のタイミングで、処理の終了が指示される。この指示をトリガとして、ステップS511~ステップS520のループ処理が停止され、ステップS522に処理が進められる。
【0080】
ステップS522において、リストベース連続アクセスが終了する。ステップS503に処理が進められる。
【0081】
図10は、リストベース連続アクセスの開始及び終了操作の例を示す図である。モバイルデバイス201の表示画面208に、操作画面が表示される。表示画面には、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202がリスト表示されている。「START PROCESS」が選択されると、先のステップS501で述べたように、リストベース連続アクセスの処理の開始が指示される。ステップS502の処理、より具体的にはステップS511~ステップS520の処理が繰り返されている間、処理が実行中であることを示す「EXECUTION」が、リストとともに表示される。先のステップS512で述べたように、データの取得及び保存が終了したフィールド機器202がリスト内でマーキングされる。この例では、フィールド機器#1のデータ取得及び保存が終了しており、「データ取得済み」としてマーキングされる。「STOP PROCESS」が選択されると、先のステップS521で述べたように、リストベース連続アクセスの処理の終了が指示される。
【0082】
図9に戻り、ステップS503において、取得したデータが保存される。リストベースアルゴリズム212bは、ステップS512、ステップS515及びステップS518等(第2のサブステップ)で取得して一時的に保存していたデータを整理して、データ管理ブロック213の取得データ管理213cに管理(記憶等)させる。データの整理の例は、データ取得時刻順での並べ替えである。データ整理の別の例は、場所ごとのデータのグループ化である。例えば、リストベースアルゴリズム212bは、所定の範囲内に位置するフィールド機器202のデータをグループ化してまとめる。その際、データ管理ブロック213のリスト等データ管理213aが管理しているアルゴリズムブロック212の位置情報が参照されてよい。データ整理の別の例は、フィールド機器202の異常発生時のデータ抽出である。例えば、リストベースアルゴリズム212bは、異常を示すステータス情報がデータとして取得されたフィールド機器202のデータを抽出する。
【0083】
ステップS504において、出力ファイル/レポートが生成される。リストベースアルゴリズム212bは、取得して保存されたデータを含むレポート等を生成する。
【0084】
ステップS505において、プラントエリア選択メニューに戻される。リストベースアルゴリズム212bは、ステップS305(図4)に処理を戻す。同じプラントエリアで引き続きデータ取得を行う場合、ユーザUは、同じプラントエリアの画像ベースシングルアクセス又はリストベース連続アクセス(ステップS321又はステップS322)を選択する。別のプラントエリアでデータ取得を行う場合、ユーザUは、別のプラントエリアまで移動してから、移動先のプラントエリアの画像ベースシングルアクセス又はリストベース連続アクセス(ステップS321又はステップS322)を選択する。
【0085】
図4に戻り、ステップS306で実行されるその他の機能について説明する。フィールド機器202のメンテナンス作業のデジタル化、最適化等のためのさまざまな機能をその他の機能として備えるようにアプリ203が機能拡張される。いくつかの具体例を述べる。
【0086】
その他の機能は、画像ベースシングルアクセス及びリストベース連続アクセス(ステップS321及びステップS33)の設定変更の機能を含んでよい。アプリ203の初期設定(ステップS303)の変更機能ともいえる。例えば、画像ベースシングルアクセスで用いられるプラントエリアの画像の追加、削除等が行われてよい。画像にタグ付けされるフィールド機器202の変更、削除(タグ変更、タグ削除)等が行われてもよい。リストベース連続アクセスで用いられるリストの更新等が行われてもよい。これらの機能は、アルゴリズムブロック212の画像ベースアルゴリズム212a及びリストベースアルゴリズム212bによって実行されてよい。
【0087】
その他の機能は、アプリ203のアクティビティログの確認の機能を含んでよい。例えば、アプリ203の操作履歴等が、ユーザUに提示(表示等)されてよい。この機能は、アルゴリズムブロック212のロギングアルゴリズム212dによって実行されてよい。
【0088】
その他の機能は、アプリ203のユーザアカウントに関する設定、例えばパスワード変更等の機能を含んでよい。この機能は、アプリ管理ブロック214のセキュリティ管理214aによって実行されてよい。
【0089】
その他の機能は、ユーザUによるフィールド機器202のメンテナンス作業(活動)をサポートするための情報(サポート情報)を取得する(さらには表示する)機能を含んでよい。サポート情報の例は、関連するドキュメント、アプリ203以外の他の有用なアプリケーション、ツール等、関連するパーティ(ベンダサイト等)へのリンク情報等である。例えば、フィールド機器202に関するユーザマニュアル、データシート、認証に関する情報等をモバイルデバイス201が取得して表示するように、モバイルデバイス201が制御されてよい。サポート情報は、予め準備され、モバイルデバイス201内に記憶されていてもよい(例えばデータ管理ブロック213によって管理されていてもよい)し、モバイルデバイス201の外部から取得されてもよい。サポート情報が外部から取得される場合、例えば、モバイルデバイス201が、インターネット等のネットワークを介してフィールド機器202のベンダのウェブサイト(HP等)にアクセスし、ドキュメントを取得(ダウンロード等)して表示するように制御されてよい。この機能は、アルゴリズムブロック212によって実行されてよい。
【0090】
上記以外のさまざまな拡張機能も、他の機能としてアプリ203に実装されてよい。例えば、リストベース連続アクセスの機能は、無人プラントコンセプトにも拡張できる。無人プラントコンセプトでは、ユーザU(オペレータ等)ではなく、ロボット、ドローンといった自律して移動する移動体(スマートマシン)がプラントエリアまで行き、データ取得等のメンテナンス作業を行う。そのような移動体も、モバイルデバイス201の1つの態様である。
【0091】
以上説明した情報処理システム1によれば、無線通信204を用いたフィールド機器202の検索及びデータ取得が可能になる。2線式フィールド機器でも無線通信装置の追加は比較的容易に行えるので、フィールド機器202が2線式フィールド機器であってもそのまま使用できる。無線通信204を用いることで、例えば非接触技術を用いる場合ほど、メンテナンス作業中にユーザUがフィールド機器の近く(例えば1メートル未満)にとどまる必要は無い。無線通信204の範囲内のフィールド機器202との双方向通信205も可能である。タブレット端末、スマートフォン等などの汎用のモバイルデバイス201でアプリ203を実行することでデータ取得等のメンテナンス作業を行えるので、ハンドヘルドコミュニケータ等の特定のツールが不要になる。画像ベースでフィールド機器202を選択してデータ取得する(画像ベースシングルアクセス)といった、リッチ/ユーザフレンドリなUIも提供できる。無線通信204の通信範囲内に位置する複数のフィールド機器202を自動的に検索、接続し、(例えば早いデータレートで)データを効率よく取得でき、メンテナンス作業に要する時間を大幅に短縮できる。取得したデータを一般的な形式のファイル、レポート等に保存して出力することで、データ分析に供したり、他のアプリケーションとデータ交換したりすることも容易になる。アプリ203の機能拡張により、他の既存のソリューション、さらには将来のテクノロジとの互換性確保等も柔軟に行える。
【0092】
モバイルデバイス201によってフィールド機器202のデータを効率よく取得することができるので、メンテナンス作業に要するオペレータの労力等が低減される。例えばその分、オペレータは、問題分析、作業の効率化、フィールド機器202の診断等に集中することができる。
【0093】
図11は、モバイルデバイス201のハードウェア構成の例を示す図である。例示されるハードウェア構成を備えるコンピュータ等が、これまで説明したモバイルデバイス201として機能する。例示されるハードウェア構成は、バス等で相互に接続される通信装置201a、表示装置201b、HDD(Hard Disk Drive)201c、メモリ201d及びプロセッサ201eを備える。
【0094】
通信装置201aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の装置との通信を可能にする。表示装置201bは、例えばタッチパネルやディスプレイなどである。HDD201cは、データ管理ブロック213及びアプリ管理ブロック214として機能する。HDD201cは、コンピュータにモバイルデバイス201の処理(アプリ203の処理)を実行させるためのプログラムも記憶する。
【0095】
プロセッサ201eは、上述のプログラムをHDD201c等から読み出してメモリ201dに展開することで、コンピュータを、モバイルデバイス201として機能させる。機能は、これまで説明したアプリ203の機能を含む。
【0096】
上述のプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0097】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、開示される技術は上記実施形態に限定されない。
【0098】
上記実施形態では、無線通信204の例としてBLEを挙げたが、BLE以外のさまざまな無線通信が用いられてもよい。
【0099】
モバイルデバイス201による処理(アプリ203による処理)は、クラウドコンピューティング等によって実現されてもよい。例えば、モバイルデバイス201のアルゴリズムブロック212、データ管理ブロック213及びアプリ管理ブロック214の機能の一部又は全部が、モバイルデバイス201の外部の装置に設けられてよい。モバイルデバイス201は、そのような外部の装置と通信することによって、これまで説明した処理を実行してよい。
【0100】
以上説明した情報処理システム1は、例えば次のように特定される。図1図10等を参照して説明したように、情報処理システム1は、プラント(プラントA、プラントB等)に設けられた複数のフィールド機器202と、複数のフィールド機器202からデータを取得するモバイルデバイス201と、を備える。モバイルデバイス201は、データ管理ブロック213(データ管理部)と、アルゴリズムブロック212(処理部)と、を含む。データ管理ブロック213(のリスト等データ管理213a)は、プラントエリア(プラントエリア311a~プラントエリア311c等)ごとにグループ化された複数のフィールド機器202(フィールド機器202a~フィールド機器202d、フィールド機器#1~フィールド機器#N等)を管理する(ステップS303)。アルゴリズムブロック212は、データ管理ブロック213によって管理されている複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202から、無線通信204を用いてデータを取得する(ステップS305、ステップS321、ステップS322)。
【0101】
上記の情報処理システム1によれば、モバイルデバイス201が、プラントエリアごとにグループ化された複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202から、無線通信204を用いてデータを取得する。プラントエリア単位でデータ取得(収集)ができるので、フィールド機器202のデータを効率よく取得することが可能になる。
【0102】
図7及び図8等を参照して説明したように、アルゴリズムブロック212(の画像ベースアルゴリズム212a)は、上記のユーザ操作によって選択されたプラントエリアの画像に示されるフィールド機器202のうち、(さらなる)ユーザ操作によって選択されたフィールド機器202からデータを取得してよい(ステップS321)。これにより、画像ベースのフィールド機器202の選択及びデータ取得が可能になる。
【0103】
図6図9及び図10等を参照して説明したように、データ管理ブロック213(のリスト等データ管理213a)は、グループ化された複数のフィールド機器をリスト管理し、アルゴリズムブロック212(のリストベースアルゴリズム212b)は、データ管理ブロック213によってリスト管理されている複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202からデータを取得してよい(ステップS322)。これにより、選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202のデータをまとめて取得することができる。
【0104】
図7及び図9等を参照して説明したように、アルゴリズムブロック212は、取得したデータを含むファイル及び取得したデータを報告するためのレポートの少なくとも一方を生成してよい(ステップS412、ステップS504)。例えば、生成したレポート等をユーザUに提示(表示等)したり、モバイルデバイス201の外部の装置に出力(データ転送等)したりすることで、取得したデータを活用することができる。
【0105】
図3図4及び図7等を参照して説明したように、モバイルデバイス201は、ユーザ操作に基づくアルゴリズムブロック212の処理の少なくとも一部を実行させるユーザ権限の資格情報をチェックする(ステップS302、ステップS402)アプリ管理ブロック214(アプリ管理部)を備えてよい。これにより、セキュリティを向上させ、情報処理システム1の安全性等を確保することができる。
【0106】
図7等を参照して説明したように、アルゴリズムブロック212は、フィールド機器202のパラメータを編集してよい(ステップS413)。このようなメンテナンス作業も、モバイルデバイス201を用いて行うことができる。
【0107】
図3等を参照して説明したように、アルゴリズムブロック212(のロギングアルゴリズム212d)は、フィールド機器202からのデータの取得に関するログ情報を生成してよい。これにより、アルゴリズムブロック212の(アプリ203)の履歴情報を残すことができる。バックトレース等を行うこともできる。
【0108】
アルゴリズムブロック212は、ユーザUによるフィールド機器202のメンテナンス作業をサポートするための情報を取得して表示してよい。このようなサポート情報は、メンテナンス作業の効率化に役立てることができる。
【0109】
図1等を参照して説明したように、複数のフィールド機器202は、データを送信するために、モバイルデバイス201と無線通信する無線機に有線接続されていてよい。これにより、フィールド機器202自体に無線機を実装しなくとも、無線通信204を用いたデータ取得が可能になる。
【0110】
図1図10等を参照して説明したモバイルデバイス201も、実施形態の1つである。モバイルデバイス201は、データ管理ブロック213(データ管理部)と、アルゴリズムブロック212(処理部)と、を備える。データ管理ブロック213(のリスト等データ管理213a)は、プラントエリア(プラントエリア311a~プラントエリア311c等)ごとにグループ化された複数のフィールド機器202(フィールド機器202a~フィールド機器202d、フィールド機器#1~フィールド機器#N等)を管理する(ステップS303)。アルゴリズムブロック212は、データ管理ブロック213によって管理されている複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202から、無線通信204を用いてデータを取得する(ステップS305、ステップS321、ステップS322)。このようなモバイルデバイス201によっても、これまで説明したように、フィールド機器202のデータを効率よく取得することが可能になる。
【0111】
図1図10等を参照して説明した情報処理方法も、実施形態の1つである。情報処理方法は、モバイルデバイス201が、プラントエリア(プラントエリア311a~プラントエリア311c等)ごとにグループ化された複数のフィールド機器202(フィールド機器202a~フィールド機器202d、フィールド機器#1~フィールド機器#N等)を管理すること(ステップS303)と、モバイルデバイス201が、管理している複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器202から、無線通信204を用いてデータを取得すること(ステップS305、ステップS321、ステップS322)と、を含む。このような情報処理方法によっても、これまで説明したように、フィールド機器202のデータを効率よく取得することが可能になる。
【0112】
図1図11等を参照して説明した情報処理プログラムも、実施形態の1つである。情報処理プログラムは、コンピュータに、プラントエリア(プラントエリア311a~プラントエリア311c等)ごとにグループ化された複数のフィールド機器202(フィールド機器202a~フィールド機器202d、フィールド機器#1~フィールド機器#N等)を管理し(ステップS303)、管理している複数のフィールド機器202のうち、ユーザ操作によって選択されたプラントエリアに設けられたフィールド機器から、無線通信204を用いてデータを取得する(ステップS305、ステップS321、ステップS322)、処理を実行させる。このような情報処理プログラムによっても、これまで説明したように、フィールド機器202のデータを効率よく取得することが可能になる。なお、図11等を参照して説明したように、情報処理プログラムが記録された記録媒体も、実施形態の1つである。
【符号の説明】
【0113】
1 情報処理システム
201 モバイルデバイス
201a 通信装置
201b 表示装置
201c HDD
201d メモリ
201e プロセッサ
202 フィールド機器
203 アプリ
204 無線通信
205 双方向通信
206 矢印
207 矢印
208 表示画面
211 通信ブロック
211a 無線通信スタック
212 アルゴリズムブロック
212a 画像ベースアルゴリズム
212b リストベースアルゴリズム
212c ユーザ操作アルゴリズム
212d ロギングアルゴリズム
213 データ管理ブロック
213a リスト等データ管理
213b 画像等データ管理
213c 取得データ管理
214 アプリ管理ブロック
214a セキュリティ管理
214b 内部ストレージ管理
311a プラントエリア
311b プラントエリア
311c プラントエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11