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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022062622
(22)【出願日】2022-04-04
(62)【分割の表示】P 2019094559の分割
【原出願日】2019-05-20
(65)【公開番号】P2022079780
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】大迫 寛尚
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0341862(US,A1)
【文献】特開2012-184085(JP,A)
【文献】特開2000-118626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載方向に沿って物品を移動させる移載装置と、前記移載装置を搬送経路に沿って移動させる移動装置と、を備えた物品搬送装置であって、
上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、その反対側を幅方向第2側として、
前記移載装置は、前記移載方向に沿って出退可能な第1出退部と、前記移載方向に沿って出退可能で且つ前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に間隔を空けた状態で設置された第2出退部と、物品を支持する支持部と、間隔変更部と、制御部と、を備え、
前記第1出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第1アームと、前記第1アームに支持されて前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動する第1フックと、を備え、
前記第2出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第2アームと、前記第2アームに支持されて前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動する第2フックと、を備え、
前記第1フックは、前記第1軸心周りの揺動により、第1退避姿勢と、第1中間姿勢と、前記第1退避姿勢よりも前記第1アームに対する前記幅方向第2側への突出量が大きい第1移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記第1中間姿勢は、前記第1フックの揺動軌跡の中で前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間に位置し、前記第1アームに対して最も前記幅方向第2側に突出した状態となる前記第1フックの姿勢であり、
前記第2フックは、前記第2軸心周りの揺動により、第2退避姿勢と、第2中間姿勢と、前記第2退避姿勢よりも前記第2アームに対する前記幅方向第1側への突出量が大きい第2移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、
前記第2中間姿勢は、前記第2フックの揺動軌跡の中で前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間に位置し、前記第2アームに対して最も前記幅方向第1側に突出した状態となる前記第2フックの姿勢であり、
前記第1中間姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1中間突出量とし、前記第1移載姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1移載突出量とし、
前記第2中間姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記幅方向第1側に突出する量を第2中間突出量とし、前記第2移載姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記幅方向第1側に突出する量を第2移載突出量とし、
前記間隔変更部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔を、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より狭く且つ前記第1移載突出量と前記第2移載突出量との合計より広い第1間隔と、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より広い第2間隔とに変更可能に構成され、
前記制御部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔及び前記第2間隔のいずれかであるかに応じて、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行い、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第2間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを同時期に行う、物品搬送装置。
【請求項2】
前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と、前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更との少なくとも一方を開始してから、これらの姿勢変更の双方が完了するまでの期間を姿勢変更期間として、
前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第2間隔の場合における前記姿勢変更期間は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔の場合における前記姿勢変更期間よりも短い期間とされている、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔の場合は、前記第1フックが前記第1退避姿勢から前記第1移載姿勢への姿勢変更を開始してから設定時間経過後に、前記第2フックが前記第2退避姿勢から前記第2移載姿勢への姿勢変更を開始するように制御し、
前記設定時間は、前記第1フックが前記第1退避姿勢から前記第1中間姿勢に姿勢変更するのに要する時間よりも短い時間とされている、請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記第1退避姿勢は、前記第1フックの前記幅方向第2側の端部が前記幅方向第1側の端部より高くなる姿勢であり、前記第1中間姿勢は、前記第1フックが前記幅方向に沿う姿勢であり、前記第1移載姿勢は、前記第1フックの前記幅方向第2側の端部が前記幅方向第1側の端部よりも低くなる姿勢であり、
前記第2退避姿勢は、前記第2フックの前記幅方向第1側の端部が前記幅方向第2側の端部より高くなる姿勢であり、前記第2中間姿勢は、前記第2フックが前記幅方向に沿う姿勢であり、前記第2移載姿勢は、前記第2フックの前記幅方向第1側の端部が前記幅方向第2側の端部よりも低くなる姿勢である、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記移載装置の移載対象となる物品である対象物品のうちの最も高さが低い物品を低物品として、
前記第1軸心及び前記第2軸心が、前記支持部に支持されている前記低物品の上端より上方側に配置されている、請求項に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記第1フックは、前記第1アームにおける前記移載方向の両端部のそれぞれに設けられ、
前記第2フックは、前記第2アームにおける前記移載方向の両端部のそれぞれに設けられている、請求項1からのいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載方向に沿って物品を移動させる移載装置と、前記移載装置を搬送経路に沿って移動させる移動装置と、を備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品搬送装置として、例えば、特開2016-060624号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。以下、背景技術の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。この特許文献1に記載の物品搬送装置は、移載装置に、移載方向に沿って出退可能な第1出退部(固定スライド装置15b)と、移載方向(第2方向Y)に沿って出退可能で且つ第1出退部に対して幅方向第2側(HP側)に間隔を空けた状態で設置された第2出退部(移動スライド装置15a)と、物品を支持する支持部(物品支持台14)と、間隔変更部と、を備えている。そして、第1出退部は、移載方向に沿って出退移動する第1アーム(先端部材20)と、第1アームに支持されて第1軸心周りに揺動する第1フック(フック29a)と、を備えており、第2出退部は、移載方向に沿って出退移動する第2アーム(先端部材20)と、第2アームに支持されて第2軸心周りに揺動する第2フック(フック29a)と、を備えている。第1フックは、第1軸心周りに揺動することで、第1退避姿勢とこの第1退避姿勢より幅方向第2側に突出させた第1移載姿勢とに姿勢が変更し、第2フックは、第2軸心周りに揺動することで、第2退避姿勢とこの第2退避姿勢より幅方向第1側に突出させた第2移載姿勢とに姿勢が変更する。
【0003】
そして、間隔変更部によって第1出退部と第2出退部との間隔を物品の幅方向の大きさに対応する間隔とすると共に、第1フックを第1移載姿勢とし且つ第2フックを第2移載姿勢とした状態で、第1アーム及び第2アームを出退させることで、物品を移載方向に移動させることができるようになっている。また、間隔変更部によって第1出退部と第2出退部との間隔を広くすると共に、第1フックを第1退避姿勢とし且つ第2フックを第2退避姿勢とした状態で、第1アーム及び第2アームを出退させることで、第1フック及び第2フックを物品に干渉させることなく、第1アーム及び第2アームを出退させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-060624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような物品搬送装置において、第1軸心及び第2軸心の周囲に設置されている部材の大きさや配置等によって、当該第1軸心及び第2軸心の上下方向における設置位置が制限される場合がある。また、物品の大きさや形状に応じて第1移載姿勢の第1フックの先端部や第2移載姿勢の第2フックの先端部を所望の高さに位置させる必要がある。そのため、例えば、第1退避姿勢と第1移載姿勢との間の姿勢変更の途中に、第1フックが第1アームから最も幅方向第2側に突出する第1中間姿勢があり、第2退避姿勢と第2移載姿勢との間の姿勢変更の途中に、第2フックが第2アームから最も幅方向第1側に突出する第2中間姿勢があるように、各フックの揺動軌跡が設定される場合がある。
【0006】
このような場合、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとが干渉しないだけでなく、第1中間姿勢の第1フックと第2中間姿勢の第2フックとも干渉しないよ
うにする必要がある。そのため、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとが幅方向に離間した状態とならざるを得ず、物品の大きさや形状によっては、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとで物品を適切に移載できない場合が生じ得る。
【0007】
そこで、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとの幅方向の間隔を狭くすることが可能な物品搬送装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記に鑑みた、物品搬送装置の特徴構成は、移載方向に沿って物品を移動させる移載装置と、前記移載装置を搬送経路に沿って移動させる移動装置と、を備え、
上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、その反対側を幅方向第2側として、前記移載装置は、前記移載方向に沿って出退可能な第1出退部と、前記移載方向に沿って出退可能で且つ前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に間隔を空けた状態で設置された第2出退部と、物品を支持する支持部と、間隔変更部と、制御部と、を備え、前記第1出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第1アームと、前記第1アームに支持されて前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動する第1フックと、を備え、前記第2出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第2アームと、前記第2アームに支持されて前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動する第2フックと、を備え、前記第1フックは、前記第1軸心周りの揺動により、第1退避姿勢と、第1中間姿勢と、前記第1退避姿勢よりも前記第1アームに対する前記幅方向第2側への突出量が大きい第1移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、前記第1中間姿勢は、前記第1フックの揺動軌跡の中で前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間に位置し、前記第1アームに対して最も前記幅方向第2側に突出した状態となる前記第1フックの姿勢であり、前記第2フックは、前記第2軸心周りの揺動により、第2退避姿勢と、第2中間姿勢と、前記第2退避姿勢よりも前記第2アームに対する前記幅方向第1側への突出量が大きい第2移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、前記第2中間姿勢は、前記第2フックの揺動軌跡の中で前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間に位置し、前記第2アームに対して最も前記幅方向第1側に突出した状態となる前記第2フックの姿勢であり、前記第1中間姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1中間突出量とし、前記第1移載姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1移載突出量とし、前記第2中間姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記幅方向第1側に突出する量を第2中間突出量とし、前記第2移載姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記幅方向第1側に突出する量を第2移載突出量とし、前記間隔変更部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔を、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より狭く且つ前記第1移載突出量と前記第2移載突出量との合計より広い第1間隔と、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より広い第2間隔とに変更可能に構成され、前記制御部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔及び前記第2間隔のいずれかであるかに応じて、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行い、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第2間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを同時期に行う点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、第1出退部と第2出退部との幅方向の間隔を間隔変更部によって変更することで、これらの幅方向の間隔を、物品の幅方向の大きさに対応する間隔とすることができる。そして、第1出退部と第2出退部との間隔を物品の幅方向の大きさに対応する間隔とした状態で、第1出退部及び第2出退部を移載方向に沿って出退移動させることで、第1出退部と第2出退部との間にある物品を支持部と対象箇所との間で移載することができる。
【0010】
この場合において、間隔変更部は、第1アームと第2アームとの間隔を、第1中間突出量と第2中間突出量との合計より狭い第1間隔に変更可能となっている。そして、第1アームと第2アームとの間隔を第1間隔としたとしても、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを時期とをずらして行うことで、第1フックと第2フックとの干渉を適切に回避することができる。そのため、第1フックと第2フックとの干渉を回避しつつ、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとの幅方向の間隔を狭くすることが可能となっている。
また、本構成によれば、第1アームと第2アームとの間隔が第1間隔の場合は、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行うことで、第1フックと第2フックとの干渉を回避することができる。また、第1アームと第2アームとを間隔が第2間隔の場合は、第1アームと第2アームとが干渉する可能性がないため、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを同時期に行うことで、これらの姿勢変更の時期をずらして行う場合に比べて、第1アーム及び第2アームの姿勢変更を短時間で完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品搬送設備の斜視図
図2】引退状態の移載装置の斜視図
図3】突出状態の移載装置の斜視図
図4】第2間隔の移載装置の正面図
図5】第1間隔の移載装置の正面図
図6】制御ブロック図
図7】移載制御のフローチャート
図8】第1移載制御のフローチャート
図9】第2移載制御のフローチャート
図10】対象物品が幅広物品である場合の第1突出制御の動作を説明する平面図
図11】対象物品が幅広物品である場合の接近制御の動作を説明する平面図
図12】対象物品が幅広物品である場合の第1引退制御の動作を説明する平面図
図13】第1転倒制御の動作を説明する正面図
図14】第1転倒制御の動作を説明する正面図
図15】第1転倒制御の動作を説明する正面図
図16】対象物品が幅狭物品である場合の第1突出制御の動作を説明する平面図
図17】対象物品が幅狭物品である場合の接近制御の動作を説明する平面図
図18】対象物品が幅狭物品である場合の第1引退制御の動作を説明する平面図
図19】第2転倒制御の動作を説明する正面図
図20】第2転倒制御の動作を説明する正面図
図21】第2転倒制御の動作を説明する正面図
図22】第2転倒制御の動作を説明する正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
物品搬送装置を備えた物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備は、第1方向Xに沿って走行して物品Wを搬送する物品搬送装置としての物品搬送車1と、複数の収納部2を備えた物品収納棚3と、を備えている。以下、第1方向Xの一方側を第1方向第1側X1と称し、その反対側を第1方向第2側X2と称する。また、上下方向Zに沿う上下方向視で第1方向Xに対して直交する方向を第2方向Yとし、第2方向Yの一方側を第2方向第1側Y1と称し、その反対側を第2方向第2側Y2と称する。尚、第1方向Xが幅方向に相当し、第2方向Yが移載方向に相当する。また、第1方向第1側X1が幅方向第1側に相当し、第1方向第2側X2が幅方向第2側に相当する。なお、第1方向Xは物品搬送車1の走行方向でもある。また、第2方向Yは物品収納棚3の奥行方向でもある。
【0013】
物品収納棚3は、物品搬送車1が走行する走行経路を挟んで対向する状態で一対設置されている。一対の物品収納棚3の夫々は、上下方向Zに並ぶ状態で棚板4が設置されており、この棚板4上に、物品Wを収納する収納部2が形成されている。図示は省略しているが、物品収納棚3には、第1方向Xの大きさや上下方向Zの大きさが異なる複数種の物品Wが収納されており、物品搬送車1が搬送する物品Wには、第1方向Xの大きさや上下方向Zの大きさが異なる複数種の物品Wがある。
【0014】
物品搬送車1は、上下方向Zに並ぶ複数の棚板4の夫々に対応して設置されている。そして、物品搬送設備は、一対の物品収納棚3と複数の物品搬送車1とに加えて、入庫用コンベヤ11及び出庫用コンベヤ12と、上下方向Zに沿って昇降自在な入庫用リフト装置13及び出庫用リフト装置14と、上下方向Zに並ぶ複数の棚板4の夫々に対応して設置されている入庫用中継コンベヤ15及び出庫用中継コンベヤ16と、を備えている。
【0015】
物品搬送設備では、入庫用コンベヤ11によって搬送された物品Wは、入庫用リフト装置13によって複数の入庫用中継コンベヤ15の何れかに搬送される。そして、入庫用中継コンベヤ15の物品Wは、当該入庫用中継コンベヤ15に対応する物品搬送車1によって当該入庫用中継コンベヤ15に対応する棚板4上に搬送される。また、物品搬送設備では、棚板4上の物品Wは、当該棚板4に対応する物品搬送車1によって当該棚板4に対応する出庫用中継コンベヤ16に搬送される。そして、複数の出庫用中継コンベヤ16の何れかに支持されている物品Wは、出庫用リフト装置14によって出庫用コンベヤ12に搬送される。
【0016】
図2及び図3に示すように、物品搬送車1は、第1方向Xに沿って走行する走行体6と、第2方向Yに沿って物品Wを移載する移載装置7と、を備えている。移載装置7は、走行体6に支持されている。また、図6に示すように、物品搬送車1は、走行体6を第1方向Xに沿って走行させる走行用モータM1を備えている。物品搬送車1は、走行用モータM1の駆動によって走行体6を第1方向Xに沿って走行させることで、走行体6に支持されている移載装置7を搬送経路に沿って移動させるように構成されている。尚、走行体6が、移動装置に相当する。
【0017】
図2及び図3に示すように、移載装置7は、第2方向Yに沿って出退可能な第1出退部21と、第2方向Yに沿って出退可能で且つ第1出退部21に対して第1方向第2側X2に間隔を空けた状態で設置された第2出退部22と、物品Wを支持する支持部23と、間隔変更部24と、出退用駆動部25と、を備えている。
【0018】
図4及び図5に示すように、第1出退部21は、第2方向Yに沿って出退移動する第1アーム27Aと、第1アーム27Aに支持されて移載方向に沿う第1軸心P1周りに揺動する第1フック31と、第1フック31を揺動させる第1揺動用モータM2と、を備えている。また、第2出退部22は、第2方向Yに沿って出退移動する第2アーム27Bと、第2アーム27Bに支持されて第2方向Yに沿う第2軸心P2周りに揺動する第2フック32と、第2フック32を揺動させる第2揺動用モータM3と、を備えている。
【0019】
説明を加えると、図2及び図3に示すように、第1出退部21及び第2出退部22の夫々は、先端部材27と、先端部材27を第2方向Yに沿ってスライド移動自在に支持する中継部材28と、中継部材28を第2方向Yに沿ってスライド移動自在に支持する基部部材29と、中継部材28と先端部材27とを連動させる連動部材30と、を備えている。そして、第1出退部21の先端部材27が、移載方向に沿って出退移動する第1アーム27Aに相当し、第2出退部22の先端部材27が、移載方向に沿って出退移動する第2アーム27Bに相当する。
【0020】
第1出退部21では、中継部材28が基部部材29に対して第1方向第2側X2に位置し、先端部材27が中継部材28に対して第1方向第2側X2に位置している。第2出退部22では、中継部材28が基部部材29に対して第1方向第1側X1に位置し、先端部材27が中継部材28に対して第1方向第1側X1に位置している。図3に示すように、連動部材30は、中継部材28が基部部材29に対して第2方向Yに沿って出退移動した場合に、この中継部材28が出退移動した側と同じ側に先端部材27を中継部材28に対して出退移動させるように、中継部材28と先端部材27とを連動させる。
【0021】
図4及び図5に示すように、第1フック31は、第1軸心P1周りの揺動により、第1退避姿勢Po1と、第1中間姿勢Po2と、第1退避姿勢Po1よりも第1アーム27Aに対する第1方向第2側X2への突出量が大きい第1移載姿勢Po3と、に姿勢変更可能である。
第1退避姿勢Po1は、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部より高くなる姿勢である。本実施形態では、第1退避姿勢Po1は、第1フック31が上下方向Zに沿う姿勢である。第1移載姿勢Po3は、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部よりも低くなる姿勢である。第1中間姿勢Po2は、第1フック31の揺動軌跡の中で第1退避姿勢Po1と第1移載姿勢Po3との間に位置し、第1アーム27Aに対して最も第1方向第2側X2に突出した状態となる第1フック31の姿勢である。本実施形態では、第1中間姿勢Po2は、第1フック31が第1方向Xに沿う姿勢である。
【0022】
すなわち、本実施形態では、第1中間姿勢Po2は、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部と同じ高さとなる姿勢である。第1移載姿勢Po3は、第1中間姿勢Po2から90度未満の角度である第1角度(例えば、30度)下方側に向けて揺動させた姿勢としている。第1退避姿勢Po1は、第1中間姿勢Po2から第1角度より大きい角度である第2角度(例えば、90度)上方側に向けて揺動させた姿勢としている。
【0023】
ここで、第1アーム27Aにおける第1方向第2側X2の端部に位置する面を第1面F1として、第1軸心P1は、第1面F1より第1方向第1側X1に位置している。第1フック31を第1退避姿勢Po1とした状態では、第1フック31の全体が第1面F1より第1方向第1側X1に位置しており、第1フック31は、第1面F1から第1方向第2側X2には突出していない。これに対して、第1フック31を第1中間姿勢Po2及び第1移載姿勢Po3とした状態では、第1フック31は、第1面F1より第1方向第2側X2に突出している。本実施形態では、第1中間姿勢Po2における第1フック31が第1アーム27A(詳しくは、第1アーム27Aの第1面F1)に対して第1方向第2側X2に突出する量を第1中間突出量L1とし、第1移載姿勢Po3における第1フック31が第1アーム27A(詳しくは、第1アーム27Aの第1面F1)に対して第1方向第2側X2に突出する量を第1移載突出量L2とする。
【0024】
第2フック32は、第2軸心P2周りの揺動により、第2退避姿勢Po4と、第2中間姿勢Po5と、第2退避姿勢Po4よりも第2アーム27Bに対する第1方向第2側X2への突出量が大きい第2移載姿勢Po6と、に姿勢変更可能である。
第2退避姿勢Po4は、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部より高くなる姿勢である。本実施形態では、第2退避姿勢Po4は、第2フック32が上下方向Zに沿う姿勢である。第2移載姿勢Po6は、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部よりも低くなる姿勢である。第2中間姿勢Po5は、第2フック32の揺動軌跡の中で第2退避姿勢Po4と第2移載姿勢Po6との間に位置し、第2アーム27Bに対して最も第1方向第1側X1に突出した状態となる第2フック32の姿勢である。本実施形態では、第2中間姿勢Po5は、第2フック32が第1方向Xに沿う姿勢である。
【0025】
すなわち、本実施形態では、第2中間姿勢Po5は、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部と同じ高さとなる姿勢である。第2移載姿勢Po6は、第2中間姿勢Po5から90度未満の角度である第3角度(例えば、30度)下方側に向けて揺動させた姿勢としている。第2移載姿勢Po6は、第2中間姿勢Po5から第3角度より大きい角度である第4角度(例えば、90度)上方側に向けて揺動させた姿
勢としている。
【0026】
ここで、第2アーム27Bにおける第1方向第1側X1の端部に位置する面を第2面F2として、第2軸心P2は、第2面F2より第1方向第2側X2に位置している。第2フック32を第2退避姿勢Po4とした状態では、第2フック32の全体が第2面F2より第1方向第2側X2に位置しており、第2フック32は、第2面F2から第1方向第1側X1には突出していない。これに対して、第2フック32を第2中間姿勢Po5及び第2移載姿勢Po6とした状態では、第2フック32は、第2面F2より第1方向第1側X1に突出している。本実施形態では、第2中間姿勢Po5における第2フック32が第2アーム27B(詳しくは、第2アーム27Bの第2面F2)に対して第1方向第1側X1に突出する量を第2中間突出量L3とし、第2移載姿勢Po6における第2フック32が第2アーム27B(詳しくは、第2アーム27Bの第2面F2)に対して第1方向第1側X1に突出する量を第2移載突出量L4とする。
【0027】
図2及び図3に示すように、第1フック31は、第1アーム27Aにおける第2方向Yの両端部の夫々に設けられている。第2フック32は、第2アーム27Bにおける第2方向Yの両端部の夫々に設けられている。以下、第1アーム27Aの第2方向第1側Y1の端部に設けられている第1フック31を第1側第1フック31Aと称し、第1アーム27Aの第2方向第2側Y2の端部に設けられている第1フック31を第2側第1フック31Bと称する。また、第2アーム27Bの第2方向第1側Y1の端部に設けられている第2フック32を第1側第2フック32Aと称し、第2アーム27Bの第2方向第2側Y2の端部に設けられている第2フック32を第2側第2フック32Bと称する。
【0028】
本実施形態では、図19から図22に示すように、移載装置7の移載対象となる物品Wである対象物品WTのうちの最も高さが低い物品Wを低物品WMとして、第1軸心P1及び第2軸心P2は、支持部23に支持されている低物品WMの上端より上方側に配置されている。尚、第1軸心P1と第2軸心P2とは、同じ高さに配置されている。
【0029】
図2及び図3に示すように、出退用駆動部25は、第1出退部21及び第2出退部22の夫々を走行体6上に引退させた引退状態(図2参照)と、第1出退部21及び第2出退部22の夫々を走行体6に対して第2方向Yに突出させた突出状態(図3参照)と、に第1出退部21及び第2出退部22の状態を変化させる。突出状態としては、第1出退部21及び第2出退部22の夫々を第2方向第1側Y1に突出させた突出状態(図3参照)と、第1出退部21及び第2出退部22の夫々を第2方向第2側Y2に突出させた突出状態(図示省略)と、がある。
【0030】
図2及び図3に示すように、出退用駆動部25は、出退用駆動軸36と、出退用駆動軸36を回転駆動させる出退用モータM4と、中継部材28の下端に備えられたラック37(図4及び図5参照)に噛合するベルト38と、を備えている。図4及び図5に示すように、ベルト38は、第1出退部21と第2出退部22との夫々に対応して設けられている。出退用駆動部25は、出退用モータM4によって出退用駆動軸36を回転駆動させ、ベルト38をその長手方向に沿って回動させる。これによって、第1出退部21の中継部材28及び第2出退部22の中継部材28を第2方向Yに沿って同じ側に移動させて、第1出退部21と第2出退部22とを同じ側に出退させる。
【0031】
図4及び図5に示すように、間隔変更部24は、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの第1方向Xにおける間隔を変更可能に構成されている。間隔変更部24は、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの第1方向Xにおける間隔を、物品Wの第1方向Xの大きさに合わせて様々な幅に変更可能である。具体的には、間隔変更部24は、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの第1方向Xにおける間隔を、少なくとも、第1間隔D1と、
この第1間隔D1より広い第2間隔D2と、に変更可能に構成されている。第1間隔D1は、図5に示すように、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔が、第1中間突出量L1と第2中間突出量L3との合計より狭く且つ第1移載突出量L2と第2移載突出量L4との合計より広い間隔である。第2間隔D2は、図4に示すように、第1中間突出量L1と第2中間突出量L3との合計より広い間隔である。
【0032】
また、本実施形態では、図10から図22に示すように、間隔変更部24は、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔を、移載間隔D3及び退避間隔D4に変更可能に構成されている。図11から図15図17から図22に示すように、移載間隔D3は、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔を対象物品WTの第1方向Xの大きさに対応した間隔であり、第1出退部21や第2出退部22を出退させて対象物品WTを第2方向Yに移動させる場合の間隔である。そして、第1方向Xの大きさが設定値未満の物品Wを幅狭物品WSとし、第1方向Xの大きさが設定値以上の物品Wを幅広物品WLとして、本例では、図17から図22に示すように、対象物品WTが幅狭物品WSである場合の移載間隔D3は第1間隔D1となり、図11から図15に示すように、対象物品WTが幅広物品WLである場合の移載間隔D3は第2間隔D2となる。また、図10及び図16に示すように、退避間隔D4は、移載間隔D3より設定距離広い間隔であり、対象物品WTを第2方向Yに移動させることなく第1出退部21や第2出退部22を出退させる場合の間隔である。尚、退避間隔D4は、第1間隔D1より広い第3間隔に相当する。
【0033】
図2及び図3に示すように、間隔変更部24は、回転ベルト41と、回転ベルト41をその長手方向に回動させる間隔用モータM5とを備えている。回転ベルト41の一部である連結部が第2出退部22の基部部材29に連結されている。間隔変更部24は、間隔用モータM5の駆動によって回転ベルト41をその長手方向に回動させて連結部を第1方向Xに移動させる。これによって、第2出退部22が第1方向Xに移動して、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔を変更させる。このように、本実施形態では、間隔変更部24は、第1出退部21と第2出退部22とのうちの第2出退部22のみを第1方向Xに移動させて、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔を変更させるように構成されている。
【0034】
図6に示すように、物品搬送車1は、走行体6及び移載装置7を制御する制御部Hを備えている。制御部Hは、対象箇所Tに対応する設定位置に移載装置7が位置するように走行体6を走行させる走行制御と、移載装置7が設定位置にある状態で対象箇所Tとの間で対象物品WTを移載する移載制御と、を実行する。移載制御には、第1移載制御と第2移載制御とがある。対象物品WTを対象箇所Tから移載装置7に移載する第1移載(物品受け取り)で実行する移載制御を、第1移載制御としている。また、対象物品WTを移載装置7から対象箇所Tに移載する第2移載(物品引き渡し)で実行する移載制御を、第2移載制御としている。尚、対象箇所Tは、移載装置7によって対象物品WTを移載する対象となる箇所であり、本実施形態では、収納部2、入庫用中継コンベヤ15、及び出庫用中継コンベヤ16が対象箇所Tとなる。
【0035】
制御部Hは、対象物品WTが幅広物品WLである場合は、第1移載制御において第1突出制御と接近制御と第1転倒制御と第1引退制御とを実行する。また、制御部Hは、対象物品WTが幅狭物品WSである場合は、第1移載制御において第1突出制御と接近制御と第2転倒制御と第1引退制御とを実行する。
【0036】
第1突出制御では、制御部Hは、図10及び図16に示すように、退避間隔D4の状態で第1出退部21及び第2出退部22を突出させるように、出退用駆動部25を制御する。このように第1突出制御を実行する場合は、第1フック31及び第2フック32は退避姿勢となっている。
【0037】
接近制御では、制御部Hは、図11及び図17に示すように、第1出退部21と第2出退部22との間隔を退避間隔D4から移載間隔D3に変化させるように、間隔変更部24を制御する。尚、このときの移載間隔D3は、図11に示すように、対象物品WTが幅広物品WLの場合は第2間隔D2であり、図17に示すように、対象物品WTが幅狭物品WSの場合は第1間隔D1である。
【0038】
第1引退制御では、図12及び図18に示すように、移載間隔D3の状態で第1出退部21及び第2出退部22を引退させるように、出退用駆動部25を制御する。第1引退制御では、突出側の第1フック31及び第2フック32(図17に示す例では、第1側第1フック31A及び第1側第2フック32A)は移載姿勢となっており、引退側の第1フック31及び第2フック32(図17に示す例では、第2側第1フック31B及び第2側第2フック32B)は退避姿勢となっている。
【0039】
第1転倒制御では、制御部Hは、第1退避姿勢Po1から第1移載姿勢Po3への第1フック31の姿勢変更と第2退避姿勢Po4から第2移載姿勢Po6への第2フック32の姿勢変更とを同時期に行うように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。本実施形態の第1転倒制御では、第1フック31の揺動速度と第2フック32の揺動速度とは同じ速度となっており、図13から図15に示すように、制御部Hは、第1フック31の第1退避姿勢Po1からの姿勢変更と第2フック32の第2退避姿勢Po4からの姿勢変更とを同時に開始し、第1フック31の第1移載姿勢Po3への姿勢変更と第2フック32の第2移載姿勢Po6への姿勢変更とを同時に終了するように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。従って、図14に示すように、第1転倒制御において、第1フック31が第1中間姿勢Po2となっている状態では、第2フック32は第2中間姿勢Po5となっている。尚、図19から図21に示す例では、突出側の第1フック31及び第2フック32が第1転倒制御の制御対象となる第1フック31及び第2フック32である。
【0040】
第2転倒姿勢では、制御部Hは、第1退避姿勢Po1から第1移載姿勢Po3への第1フック31の姿勢変更と、第2退避姿勢Po4から第2移載姿勢Po6への第2フック32の姿勢変更とを、時期をずらして行うように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。本実施形態の第2転倒制御では、第2転倒制御における第1フック31の揺動速度と第2フック32の揺動速度とは同じ速度となっており、図19から図22に示すように、制御部Hは、第1フック31が第1退避姿勢Po1からの姿勢変更を開始してから設定時間経過後に、第2フック32が第2退避姿勢Po4からの姿勢変更を開始するように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。従って、図20及び図21に示すように、第2転倒制御において、第1フック31が第1中間姿勢Po2となっている状態では、第2フック32は第2中間姿勢Po5となっておらず、第2フック32が第2中間姿勢Po5となっている状態では、第1フック31は第1中間姿勢Po2となっていない。尚、本実施形態では、設定時間は、第1フック31が第1退避姿勢Po1から第1中間姿勢Po2に姿勢変更するのに要する時間より短い時間に設定している。但し、設定時間は、第1フック31と第2フック32とが干渉する程度に接近することとなる時間よりも長い時間に設定する必要がある。第1アーム27A及び第2アーム27Bの姿勢変更に要する時間を短く抑えるためには、設定時間は、第1フック31と第2フック32とが干渉しない範囲で最も短い時間に設定することが好ましい。尚、図19から図22に示す例では、突出側の第1フック31及び第2フック32が第1転倒制御の制御対象となる第1フック31及び第2フック32である。
【0041】
また、制御部Hは、対象物品WTが幅広物品WLである場合は、第2移載制御において第2突出制御と第1起立制御と離間制御と第2引退制御とを実行する。また、制御部Hは
、対象物品WTが幅狭物品WSである場合は、第2移載制御において第2突出制御と第2起立制御と離間制御と第2引退制御とを実行する。第2突出制御、離間制御、及び第2引退制御は、第1引退制御、接近制御、及び第1突出制御の逆の動きとなるように、間隔変更部24及び出退用駆動部25を制御する。尚、第2突出制御を実行する場合は、引退側の第1フック31及び第2フック32は移載姿勢となっており、突出側の第1フック31及び第2フック32は退避姿勢となっている。また、第2引退制御を実行する場合は、第1フック31及び第2フック32は退避姿勢となっている。
【0042】
第1起立制御では、制御部Hは、第1移載姿勢Po3から第1退避姿勢Po1への第1フック31の姿勢変更と第2移載姿勢Po6から第2退避姿勢Po4への第2フック32の姿勢変更とを同時期に行うように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。本実施形態の第1起立制御では、第1フック31の揺動速度と第2フック32の揺動速度とは同じ速度となっており、図13から図15に示す動きとは逆の動きとなるように、制御部Hは、第1フック31の第1移載姿勢Po3からの姿勢変更と第2フック32の第2移載姿勢Po6からの姿勢変更とを同時に開始し、第1フック31の第1退避姿勢Po1への姿勢変更と第2フック32の第2退避姿勢Po4への姿勢変更とを同時に終了するように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。従って、第1起立制御において、第1フック31が第1中間姿勢Po2となっている状態では、第2フック32は第2中間姿勢Po5となっている。
【0043】
第2起立姿勢では、制御部Hは、第1移載姿勢Po3から第1退避姿勢Po1への第1フック31の姿勢変更と、第2移載姿勢Po6から第2退避姿勢Po4への第2フック32の姿勢変更とを、時期をずらして行うように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。本実施形態の第2起立制御では、第2起立制御における第1フック31の揺動速度と第2フック32の揺動速度とは同じ速度となっており、図19から図22に示す動きとは逆の動きとなるように、制御部Hは、第2フック32が第2移載姿勢Po6からの姿勢変更を開始してから設定時間経過後に、第1フック31が第1移載姿勢Po3からの姿勢変更を開始するように、第1揺動用モータM2及び第2揺動用モータM3を制御する。従って、第2起立制御において、第1フック31が第1中間姿勢Po2となっている状態では、第2フック32は第2中間姿勢Po5となっておらず、第2フック32が第2中間姿勢Po5となっている状態では、第1フック31は第1中間姿勢Po2となっていない。
【0044】
このように、制御部Hは、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔が第1間隔D1の場合(対象物品WTが幅狭物品WSである場合)は、第1退避姿勢Po1と第1移載姿勢Po3との間の第1フック31の姿勢変更と第2退避姿勢Po4と第2移載姿勢Po6との間の第2フック32の姿勢変更とを時期をずらして行い、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔が第2間隔D2の場合(対象物品WTが幅広物品WLである場合)は、第1退避姿勢Po1と第1移載姿勢Po3との間の第1フック31の姿勢変更と第2退避姿勢Po4と第2移載姿勢Po6との間の第2フック32の姿勢変更とを同時期に行う。
【0045】
そして、制御部Hは、対象箇所Tから移載装置7に物品Wを受け取る場合に、退避間隔D4(第3間隔)の状態で第1出退部21及び第2出退部22を突出させる第1突出制御(突出制御)と、第1出退部21と第2出退部22との間隔を退避間隔D4から移載間隔D3(対象物品WTが幅狭物品WSの場合は第1間隔D1)に変化させる接近制御と、移載間隔D3の状態で第1出退部21及び第2出退部22を引退させる第1引退制御(引退制御)と、第1接近制御の後で且つ第1引退制御の前に第1フック31の姿勢を第1退避姿勢Po1から第1移載姿勢Po3に変化させると共に第2フック32の姿勢を第2退避姿勢Po4から第2移載姿勢Po6に変化させる第2転倒制御(姿勢変更制御)と、を実
行する。
【0046】
次に、図7から図9に示すフローチャートに基づいて移載制御を説明する。
制御部Hは、移載制御を実行する場合において、対象物品WTを対象箇所Tから移載装置7に移載する第1移載を行う場合(S1:Y)は、第1移載制御を実行(S2)し、対象物品WTを移載装置7から対象箇所Tに移載する第2移載を行う場合(S1:N)は、第2移載制御を実行する(S3)。
【0047】
そして、制御部Hは、第1移載制御を実行する場合において、対象物品WTが幅広物品WLである場合(S13:Y)は、第1突出制御(S11)、接近制御(S12)、第1転倒制御(S14)、第1引退制御(S15)を記載順に実行して、幅広物品WLである対象物品WTを対象箇所Tから移載装置7に移載する。また、制御部Hは、第1移載制御を実行する場合において、対象物品WTが幅狭物品WSである場合(S13:N)は、第1突出制御(S11)、接近制御(S12)、第2転倒制御(S16)、第1引退制御(S15)を記載順に実行して、幅狭物品WSである対象物品WTを対象箇所Tから移載装置7に移載する。
【0048】
また、制御部Hは、第2移載制御を実行する場合において、対象物品WTが幅広物品WLである場合(S22:Y)は、第2突出制御(S21)、第1起立制御(S23)、離間制御(S24)、第2引退制御(S25)を記載順に実行して、幅広物品WLである対象物品WTを移載装置7から対象箇所Tに移載する。また、制御部Hは、第2移載制御を実行する場合において、対象物品WTが幅狭物品WSである場合(S22:N)は、第2突出制御(S21)、第2起立制御(S26)、離間制御(S24)、第2引退制御(S25)を記載順に実行して、幅狭物品WSである対象物品WTを移載装置7から対象箇所Tに移載する。
【0049】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送装置のその他の実施形態について説明する。
【0050】
(1)上記の実施形態では、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔が第1間隔D1の場合は、第1フック31の姿勢変更と第2フック32の姿勢変更とを時期をずらして行い、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔が第2間隔D2の場合は、第1フック31の姿勢変更と第2フック32の姿勢変更とを同時期に行う構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1アーム27Aと第2アーム27Bとの間隔に関わらず、第1退避姿勢Po1と第1移載姿勢Po3との間の第1フック31の姿勢変更と第2退避姿勢Po4と第2移載姿勢Po6との間の第2フック32の姿勢変更とを時期をずらして行う構成としてもよい。
【0051】
(2)上記の実施形態では、第1退避姿勢Po1を、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部より高くなる姿勢とし、第1移載姿勢Po3を、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部よりも低くなる姿勢とする構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1退避姿勢Po1を、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部より低くなる姿勢とし、第1移載姿勢Po3を、第1フック31の第1方向第2側X2の端部が第1方向第1側X1の端部よりも高くなる姿勢とする構成でもよい。
【0052】
(3)上記の実施形態では、第2退避姿勢Po4を、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部より高くなる姿勢とし、第2移載姿勢Po6を、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部よりも低くなる姿勢とする構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第
2退避姿勢Po4を、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部より低くなる姿勢とし、第2移載姿勢Po6を、第2フック32の第1方向第1側X1の端部が第1方向第2側X2の端部よりも高くなる姿勢とする構成でもよい。このような場合において、第1退避姿勢Po1と第2退避姿勢Po4とが上下方向Zの同じ側とされていてもよいし、上下方向Zの反対側とされていてもよい。
【0053】
(4)上記の実施形態では、第1軸心P1及び第2軸心P2が、支持部23に支持されている低物品WMの上端より上方側に配置された構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1軸心P1及び第2軸心P2の一方又は双方が、支持部23に支持されている低物品WMの上端より下方側に配置された構成であってもよい。
【0054】
(5)上記の実施形態では、物品搬送装置を、昇降体8を備えず、規定高さの経路を走行する物品搬送車1とする例を説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、物品搬送装置をスタッカークレーンとして、スタッカークレーンの昇降部に移載装置7を支持した構成としてもよい。
【0055】
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0056】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送装置の概要について説明する。
【0057】
物品搬送装置は、移載方向に沿って物品を移動させる移載装置と、前記移載装置を搬送経路に沿って移動させる移動装置と、を備え、
上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、その反対側を幅方向第2側として、前記移載装置は、前記移載方向に沿って出退可能な第1出退部と、前記移載方向に沿って出退可能で且つ前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に間隔を空けた状態で設置された第2出退部と、物品を支持する支持部と、間隔変更部と、制御部と、を備え、前記第1出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第1アームと、前記第1アームに支持されて前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動する第1フックと、を備え、前記第2出退部は、前記移載方向に沿って出退移動する第2アームと、前記第2アームに支持されて前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動する第2フックと、を備え、前記第1フックは、前記第1軸心周りの揺動により、第1退避姿勢と、第1中間姿勢と、前記第1退避姿勢よりも前記第1アームに対する前記幅方向第2側への突出量が大きい第1移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、前記第1中間姿勢は、前記第1フックの揺動軌跡の中で前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間に位置し、前記第1アームに対して最も前記幅方向第2側に突出した状態となる前記第1フックの姿勢であり、前記第2フックは、前記第2軸心周りの揺動により、第2退避姿勢と、第2中間姿勢と、前記第2退避姿勢よりも前記第2アームに対する前記幅方向第1側への突出量が大きい第2移載姿勢と、に姿勢変更可能であり、前記第2中間姿勢は、前記第2フックの揺動軌跡の中で前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間に位置し、前記第2アームに対して最も前記幅方向第1側に突出した状態となる前記第2フックの姿勢であり、前記第1中間姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1中間突出量とし、前記第1移載姿勢における前記第1フックが前記第1アームに対して前記幅方向第2側に突出する量を第1移載突出量とし、前記第2中間姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記幅方向第1側に突出する量を第2中間突出量とし、前記第2移載姿勢における前記第2フックが前記第2アームに対して前記
幅方向第1側に突出する量を第2移載突出量とし、前記間隔変更部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔を、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より狭く且つ前記第1移載突出量と前記第2移載突出量との合計より広い第1間隔に変更可能に構成され、前記制御部は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と、前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを、時期をずらして行う。
【0058】
本構成によれば、第1出退部と第2出退部との幅方向の間隔を間隔変更部によって変更することで、これらの幅方向の間隔を、物品の幅方向の大きさに対応する間隔とすることができる。そして、第1出退部と第2出退部との間隔を物品の幅方向の大きさに対応する間隔とした状態で、第1出退部及び第2出退部を移載方向に沿って出退移動させることで、第1出退部と第2出退部との間にある物品を支持部と対象箇所との間で移載することができる。
【0059】
この場合において、間隔変更部は、第1アームと第2アームとの間隔を、第1中間突出量と第2中間突出量との合計より狭い第1間隔に変更可能となっている。そして、第1アームと第2アームとの間隔を第1間隔としたとしても、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを時期とをずらして行うことで、第1フックと第2フックとの干渉を適切に回避することができる。そのため、第1フックと第2フックとの干渉を回避しつつ、第1移載姿勢の第1フックと第2移載姿勢の第2フックとの幅方向の間隔を狭くすることが可能となっている。
【0060】
ここで、前記間隔変更部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔を、前記第1間隔に加えて、前記第1中間突出量と前記第2中間突出量との合計より広い第2間隔にも変更可能に構成され、前記制御部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔が前記第1間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行い、前記第1出退部と前記第2出退部との間隔が前記第2間隔の場合は、前記第1退避姿勢と前記第1移載姿勢との間の前記第1フックの姿勢変更と前記第2退避姿勢と前記第2移載姿勢との間の前記第2フックの姿勢変更とを同時期に行うと好適である。
【0061】
本構成によれば、第1アームと第2アームとの間隔が第1間隔の場合は、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行うことで、第1フックと第2フックとの干渉を回避することができる。また、第1アームと第2アームとを間隔が第2間隔の場合は、第1アームと第2アームとが干渉する可能性がないため、第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを同時期に行うことで、これらの姿勢変更の時期をずらして行う場合に比べて、第1アーム及び第2アームの姿勢変更を短時間で完了することができる。
【0062】
また、前記間隔変更部は、前記第1アームと前記第2アームとの間隔を、前記第1間隔に加えて前記第1間隔より広い第3間隔に変更可能に構成され、前記制御部は、対象箇所から前記移載装置に物品を受け取る場合に、前記第3間隔の状態で前記第1出退部及び前記第2出退部を突出させる突出制御と、前記第1出退部と前記第2出退部との間隔を前記第3間隔から前記第1間隔に変化させる接近制御と、前記第1間隔の状態で前記第1出退部及び前記第2出退部を引退させる引退制御と、前記接近制御の後で且つ前記引退制御の前に前記第1フックの姿勢を前記第1退避姿勢から前記第1移載姿勢に変化させると共に前記第2フックの姿勢を前記第2退避姿勢から前記第2移載姿勢に変化させる姿勢変更制御と、を実行すると好適である。
【0063】
本構成によれば、突出制御の後に接近制御を実行することで、突出制御を実行する場合
の第1アーム部と第2アーム部との間隔を広くできるため、突出制御を実行した場合に第1アーム部や第2アーム部が対象箇所の物品に接触することを回避し易い。そして、第1フック及び第2フックを突出させた状態で第1アーム部及び第2アーム部を引退させることで、第1フック及び第2フックを物品に接触させて当該物品を移載装置側に移動させることができる。このように、突出制御、接近制御、姿勢変更制御、及び引退制御を実行することで、物品を対象箇所から移載装置に物品を受け取ることができる。
【0064】
また、接近制御の後に姿勢変更制御を実行することで、第1フックと第2フックとを姿勢変更させる際に第1フックと第2フックとが干渉する可能性が高くなるが、上記のとおり第1フックの姿勢変更と第2フックの姿勢変更とを時期をずらして行うことで、第1フックと第2フックとの干渉を回避できる。
【0065】
また、前記第1退避姿勢は、前記第1フックの前記幅方向第2側の端部が前記幅方向第1側の端部より高くなる姿勢であり、前記第1中間姿勢は、前記第1フックが前記幅方向に沿う姿勢であり、前記第1移載姿勢は、前記第1フックの前記幅方向第2側の端部が前記幅方向第1側の端部よりも低くなる姿勢であり、前記第2退避姿勢は、前記第2フックの前記幅方向第1側の端部が前記幅方向第2側の端部より高くなる姿勢であり、前記第2中間姿勢は、前記第2フックが前記幅方向に沿う姿勢であり、前記第2移載姿勢は、前記第2フックの前記幅方向第1側の端部が前記幅方向第2側の端部よりも低くなる姿勢であると好適である。
【0066】
本構成によれば、周囲の部材の配置や大きさによって、第1フックの第1軸心や第2フックの第2軸心が比較的高い位置に配置された場合でも、第1フックの幅方向第2側の端部を第1軸心より下方側に位置させると共に、第2フックの幅方向第1側の端部を第2軸心より下方側に位置させることができる。そのため、第1移載姿勢の第1フックの先端部分及び第2移載姿勢の第2フックの先端部分を、物品における第1軸心や第2軸心より下方に位置する部分に当接させることが可能となる。
【0067】
また、前記移載装置の移載対象となる物品である対象物品のうちの最も高さが低い物品を低物品として、前記第1軸心及び前記第2軸心が、前記支持部に支持されている前記低物品の上端より上方側に配置されていても好適である。
【0068】
上記のとおり、本構成によれば、第1移載姿勢の第1フックの先端部分を第1軸心より下方側に位置させると共に、第2移載姿勢の第2フックの先端部分を第2軸心より下方側に位置させることができるため、物品の高さが低い低物品に対しても第1移載姿勢の第1フック及び第2移載姿勢の第2フックを適切に当接させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示に係る技術は、移載方向に沿って物品を移動させる移載装置と、前記移載装置を搬送経路に沿って移動させる移動装置と、を備えた物品搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:物品搬送車(物品搬送装置)
6:走行体(移動装置)
7:移載装置
21:第1出退部
22:第2出退部
23:支持部
24:間隔変更部
27A:第1アーム
27B:第2アーム
31:第1フック
32:第2フック
H:制御部
L1:第1中間突出量
L2:第1移載突出量
L3:第2中間突出量
L4:第2移載突出量
P1:第1軸心
P2:第2軸心
Po1:第1退避姿勢
Po2:第1中間姿勢
Po3:第1移載姿勢
Po4:第2退避姿勢
Po5:第2中間姿勢
Po6:第2移載姿勢
D1:第1間隔
D2:第2間隔
D4:退避間隔(第3間隔)
W:物品
WM:低物品
X:第1方向(幅方向)
X1:第1方向第1側(幅方向第1側)
X2:第1方向第2側(幅方向第2側)
Y:第2方向(移載方向)
Z:上下方向
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