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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】液体供給システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20230905BHJP
   B65D 25/48 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
B41J2/175 131
B41J2/175 113
B41J2/175 141
B65D25/48 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022186096
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2018241375の分割
【原出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2023016862
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓也
(72)【発明者】
【氏名】刑部 吉記
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-65251(JP,A)
【文献】特開平7-181825(JP,A)
【文献】米国特許第5920333(US,A)
【文献】国際公開第99/4979(WO,A1)
【文献】特開2017-205895(JP,A)
【文献】特開2017-65084(JP,A)
【文献】特開2015-112842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B65D 25/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ンクと
1管部と、
第2管部と、
ガイド部と、
液体ボトルと、を備え、
上記タンクは、
液体を貯留する貯留室を定める筐体と、
上記筐体形成さ、上記貯留室大気とを連通する大気連通口を有する大気連通部と、を備え、
上記第1管部は、上記貯留室の内部に位置する内端と、上記貯留室の外部に位置する外端と、を有し、上記内端は開放端であり、且つ上記大気連通部の一部よりも下方に位置し、上記外端は上記貯留室上記タンクの外部とを連通する開放端であり
上記第2管部は、上記貯留室を上記タンクの外部連通
上記ガイド部は、所定方向に延び、上記所定方向から視て上記第1管部及び上記第2管部を囲み、第1係合部が形成された内周面を有し
上記液体ボトルは、
上記液体を貯留する内部空間を定める外壁と
ガイド接続可能であり、上記内部空間と上記外壁の外部とを連通し、上記第1係合部に係合可能な第2係合部が形成された外周面を有する接続部と、を備え、
上記接続部の上記ガイド部への接続過程において、上記第1係合部は、上記所定方向に移動するように上記第2係合部を案内する液体供給システム。
【請求項2】
上記ガイド部は、上記タンクに設けられている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項3】
上記接続部の上記ガイド部への接続過程における上記液体ボトルの回転の結果として、上記接続部を上記ガイド部に固定する固定部をさらに備えた請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項4】
上記固定部は、
上記ガイド部の上記内周面に形成された第1ネジ部と、
上記接続部の上記外周面に形成され、且つ上記第1ネジ部に螺合可能な第2ネジ部と、を備えた請求項3に記載の液体供給システム。
【請求項5】
上記第1管部及び上記第2管部は、水平方向成分を有する方向に沿って延びている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項6】
上記第1管部及び上記第2管部は、鉛直方向成分を有する方向に沿って延びている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項7】
上記第1管部及び上記第2管部は、一体に構成されている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項8】
上記ガイド部の上記内周面に形成された第1ネジ部と、
上記接続部の上記外周面に形成され、且つ上記第1ネジ部に螺合可能な第2ネジ部と、をさらに備え、
上記液体ボトルは、上記内部空間と外部との連通を遮断する閉状態と、上記内部空間と外部とを連通する開状態とに状態変化可能なバルブをさらに備え、
上記接続部の上記ガイド部への接続過程において、上記第1ネジ部及び上記第2ネジ部の螺合開始後に、上記バルブは上記タンクと当接して上記閉状態から上記開状態へ状態変化する請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項9】
上記接続部の上記ガイド部からの脱抜過程において、上記バルブが上記タンクから離間した後に、上記第1ネジ部及び上記第2ネジ部の螺合が解除される請求項に記載の液体供給システム。
【請求項10】
上記第1係合部は、上記タンクの外部に露出された露出位置にある請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項11】
上記タンク、上記ガイド部、及び上記液体ボトルは、複数設けられており、
上記ガイド部の上記第1係合部と対応する上記液体ボトルの上記第2係合部との位置関係は、上記複数のガイド部及び上記複数の液体ボトルにおいて互いに異なり、上記ガイド部の上記第1係合部は、対応する上記液体ボトルの上記接続部の動きを案内して、対応する上記液体ボトルの上記第2係合部の係合を許容し、対応しない上記液体ボトルの上記第2係合部の係合を許容しない請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項12】
上記第1係合部は、凸部または凹部の一方で構成されており、
上記第2係合部は、上記凸部または上記凹部の他方で構成されている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項13】
上記タンクと上記ガイド部とは、一体に構成されている請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項14】
上記第2管部は、上記貯留室の内部に位置する内端と、上記貯留室の外部に位置する外端と、を有し、上記内端は開放端であり、且つ上記大気連通部の一部よりも下方に位置し、上記外端は上記貯留室と上記タンクの外部とを連通する開放端である請求項1に記載の液体供給システム。
【請求項15】
上記液体ボトルの上記接続部に着脱可能なボトルキャップをさらに備え、
上記液体ボトルは、上記接続部の上記外周面に形成される第2ネジ部を有しており、
上記ボトルキャップは、その内周面に、上記第2ネジ部と螺合可能な第4ネジ部を有している請求項1に記載の液体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が貯留される液体ボトルと、液体ボトルが接続されるタンクとを備える液体供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクに貯留された液体が消費される度に、タンクに接続されたカートリッジから液体を逐次タンクへ供給することによって、タンクに貯留された液体の液面を一定に保つことができる構成として、いわゆるチキンフィード方式でカートリッジからタンクへ液体が供給される液体供給システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、タンク内の液体が消費されると、タンクの注入口から液体を補充可能な液体供給システムが知られている(特許文献2参照)。このような液体供給システムでは、例えば、注入口に液体ボトルが挿入されることによって、液体ボトルに貯留された液体がタンクに補充される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-205528号公報
【文献】特開2012-20495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タンクの注入口に液体ボトルが挿入される液体供給システムにおいて、特許文献1に開示された液体供給システムのようなチキンフィード方式が採用される場合、液体ボトル内の液体のタンクへの供給過程において、作業者が液体ボトルを把持しなくてもよい液体供給システムが求められる。
【0006】
また、液体ボトルが対応するタンク(液体ボトルと同色・同種類の液体が貯留されたタンク)以外のタンクの注入口に誤って挿入されることを確実に防止できる液体供給システムが求められる。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体ボトルが把持されることなく液体ボトルからタンクへ液体を供給可能であって、且つ液体ボトルの誤装着を防止することができる液体供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る液体供給システムは、液体を貯留する貯留室を有するタンクと、上記タンクに接続される液体ボトルと、筒部と、第1管部と、第2管部と、を備える。上記タンクは、筐体と、上記筐体に設けられ、大気連通口を介して上記貯留室を大気に連通させる大気連通部と、を備える。上記第1管部は、上記貯留室内に配置される一端が上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置し、他端が上記貯留室外に位置するとともに、上記貯留室を上記タンクの外部に連通させる開口を備える。上記第2管部は、上記貯留室内に配置される一端が上記大気連通部の少なくとも一部よりも下方に位置し、他端が上記貯留室外に位置するとともに、上記貯留室を上記タンクの外部に連通させる開口を備える。上記筒部は、所定方向に延設されており、その中心軸線と直交する断面において、上記第1管部及び上記第2管部が最外形の内側に位置するように配置されている。上記液体ボトルは、液体を貯留する内部空間を区画する外壁と、上記内部空間及び上記液体ボトルの外部を連通すると共に、上記筒部と接続可能な外筒と、を備える。上記筒部は、その周面に、螺合可能に構成された第1ネジ部と、上記外筒に対して相対的に案内される第1係合部と、を有している。上記外筒は、その周面に、上記第1ネジ部と螺合可能な第2ネジ部と、上記第1係合部に対して相対的に案内される第2係合部と、を有している。上記外筒の上記筒部への接続過程において、上記タンクの上記第1係合部は、上記液体ボトルの上記第2係合部を上記外筒及び上記中心軸線方向へ案内する。
【0009】
本構成によれば、液体ボトルからタンクへ液体を供給するとき、液体ボトルの外筒と筒部とが接続される。このとき、外筒の第2ネジ部と筒部の第1ネジ部とが螺合している。これにより、液体ボトルが筒部に固定された状態となる。そのため、液体ボトルが把持されることなく、液体ボトルからタンクへ液体を供給することができる。
【0010】
また、本構成によれば、筒部毎に第1係合部の構成を変え、液体ボトル毎に第2係合部の構成を変えることによって、液体ボトルの筒部への誤接続を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る液体供給システムよれば、液体ボトルが把持されることなく液体ボトルからタンクへ液体を供給可能であって、液体ボトルの誤装着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー70が閉位置にある状態、(B)はカバー70が開位置にある状態を示す。
図2図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、キャリッジ23とプラテン42とガイドレール43、44とインクタンク100との配置を示す平面図である。
図4図4は、インクタンク100の斜視図である。
図5図5は、インクタンク100Mの斜視図である。
図6図6は、インクタンク100Mの縦断面図である。
図7図7は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mの第1筒部161及び第2筒部162を延出方向6に沿って先端から基端へ向けて視た図である。
図8図8は、液体ボトル80Mの斜視図である。
図9図9は、液体ボトル80Mの外筒91を軸方向に沿って先端から基端へ向けて視た図である。
図10図10は、液体ボトル80M及びインクタンク100Mの第2筒部162周辺の縦断面図であり、外筒91が第2筒部162に挿入されていない状態を示す。
図11図11は、液体ボトル80M及びインクタンク100Mの第2筒部162周辺の縦断面図であり、外筒91が第2筒部162に挿入され且つ凸部93が凹部72に案内されている状態を示す。
図12図12は、液体ボトル80M及びインクタンク100Mの第2筒部162周辺の縦断面図であり、外筒91が第2筒部162に挿入され且つ雄ネジ92及び雌ネジ71が螺合されつつある状態を示す。
図13図13は、液体ボトル80M及びインクタンク100Mの第2筒部162周辺の縦断面図であり、接続状態を示す。
図14図14は、タンクキャップ130の斜視図である。
図15図15は、ボトルキャップ140の斜視図である。
図16図16は、液体ボトル80及びボトルキャップ140の斜視図である。
図17図17は、変形例1における液体ボトル80の斜視図である。
図18図18は、変形例1におけるインクタンク100の斜視図である。
図19図19は、変形例2における液体ボトル80の外筒91周辺及びインクタンク100の第2筒部162周辺の縦断面図であり、(A)は、外筒91が第2筒部162に挿入されていない状態を示し、(B)は、外筒91の第1外筒171が第1空間163に挿入された状態を示す。
図20図20は、変形例2における液体ボトル80の外筒91周辺及びインクタンク100の第2筒部162周辺の縦断面図であり、(A)は、外筒91の第2外筒172が第2空間164に挿入された状態を示し、(B)は、接続状態を示す。
図21図21は、変形例における液体ボトル80及びインクタンク100の第2筒部162周辺の縦断面図であり、接続状態を示す。
図22図22は、変形例におけるインクタンク100の斜視図である。
図23図23(A)は、変形例における液体ボトル80の斜視図であり、図23(B)は、変形例における液体ボトル80の外筒91を軸方向に沿って先端から基端へ向けて視た図である。
図24図24は、変形例における液体ボトル80及びインクタンク100の斜視図である。
図25図25は、変形例におけるインクタンク100の第1筒部161、筒部123、筒部124を延出方向6に沿って先端から基端へ向けて視た図である。
図26図26は、保持部材180の斜視図である。
図27図27は、図26のA-A断面を示す断面図である。
図28図28は、タンク103が保持された状態における図26のA-A断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。さらに、複合機10及び複合機10に据え付けられたインクタンク100が使用可能に水平面に設置された使用姿勢(図1図2参照)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13(図1参照)が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前方から後方に見て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は、互いに直交する。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
【0014】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(液体供給システムの一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、前壁14Aに開口13が形成された筐体14を有している。
【0015】
図2に示されるように、筐体14の内部に、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、インクタンク100(タンクの一例)とが配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0016】
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って複合機10に対して挿入及び脱抜される。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。図1及び図2に示されるように、排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に位置している。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって記録部24とプラテン42との間から排出された用紙12を支持する。
【0017】
[給送部15]
図2に示される給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。給送アーム26は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
【0018】
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部から後方へ延び、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間における搬送経路65は、図3に示されるように、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65内における用紙12の搬送向き29は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0019】
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、搬送経路65に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
【0020】
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、搬送経路65における搬送ローラ部54より搬送向き29の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータに駆動されて回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて、搬送向き29に搬送される。
【0021】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。
【0022】
図3に示されるように、キャリッジ23は、ガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、前後方向8に互いに離間して配置されている。ガイドレール43、44の各々は、左右方向9に延設されている。ガイドレール43、44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ23は、キャリッジモータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路65より右方及び左方にまで及ぶ。
【0023】
キャリッジ23からは、インクチューブ32とフレキシブルフラットケーブル33とが延出されている。
【0024】
インクチューブ32は、インクタンク100及び記録ヘッド39を接続するものである。インクチューブ32は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100M(これらを総称して、「インクタンク100」と表示することがある。)に貯留されたインク(液体の一例)を記録ヘッド39に供給する。詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32B、32Y、32C、32M(これらを総称して、「インクチューブ32」と表記することがある。)が、それぞれインクタンク100B、100Y、100C、100Mから延出され、これらが束ねられた状態でキャリッジ23と接続されている。
【0025】
フレキシブルフラットケーブル33は、制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。制御基板に、複合機10の動作を制御するコントローラ(不図示)が実装されている。フレキシブルフラットケーブル33は、コントローラから出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
【0026】
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッド39の下面に、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。また、これにより、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに貯留されたインクが消費される。
【0027】
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路65における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路65を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下方から支持する。
【0028】
[カバー70]
図1(B)に示されるように、筐体14の前壁14Aの右部に、開口22が形成されている。図1(A)に示されるように、カバー70が、筐体14に、開口22を覆うようにして取り付けられている。カバー70は、開口22を閉塞する閉位置(図1(A)に示される位置)と、開口22を開放する開位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。図1(A)に示されるように、カバー70が閉位置のとき、インクタンク100の第2筒部162(図1(B)及び図4参照)は、外部から閉塞されている。図1(B)に示されるように、カバー70が開位置のとき、インクタンク100の第2筒部162は、外部に露出されている。図1(A)に示されるように、カバー70には、開口97が形成されている。筐体14の内部のうち開口22の後方に位置する部分には、空間が拡がっている。この空間に、インクタンク100が配置される。なお、カバー70の有無は任意である。
【0029】
[インクタンク100]
図4に示されるインクタンク100は、プリンタ部11に設けられている。インクタンク100は、プリンタ部11が備える記録部24にインクを供給するものである。インクタンク100は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mを備える。
【0030】
各インクタンク100には、異なる色のインクが貯留される。具体的には、ブラックインクがインクタンク100Bに貯留され、イエローインクがインクタンク100Yに貯留され、シアンインクがインクタンク100Cに貯留され、マゼンタインクがインクタンク100Mに貯留される。但し、インクタンク100の数及びインクの色は上記の例に限定されない。
【0031】
インクタンク100B、100Y、100C、100Mの各々の構成は、インクタンク100Bの左右方向9の長さが、他の3つのインクタンク100Y、100C、100Mの各々の左右方向9の長さよりも長いことを除いて、概ね同じ構成である。よって、以下では、インクタンク100Mの構成が説明され、他のインクタンク100B、100Y、100Cの構成の説明は省略される。インクタンク100B、100Y、100C、100Mの各々の第2筒部162は、互いに異なる構成を備えているが、当該構成については後述される。
【0032】
図5に示されるように、インクタンク100Mは、前壁101、後壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108で構成されたフレーム(筐体の一例)を備えている。前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105は、樹脂で構成されている。右壁107及び左壁108は、フィルムで構成されている。右壁107としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の右端に形成された開口に貼り付けられている。左壁108としてのフィルムは、前壁101、後壁110、上壁104、及び下壁105の左端に形成された開口に貼り付けられている。上記樹脂及び上記フィルムによってインクタンク100Mの外形を形成する筐体が構成されている。また、当該筐体の前壁101、後壁110、上壁104、下壁105、右壁107、及び左壁108によって、インク室111(図6参照、貯留室の一例)が区画される。
【0033】
なお、フレームの各壁が樹脂であるかフィルムであるかは、上記に限らない。例えば、後壁110のみがフィルムで、その他の壁が樹脂であってもよい。また、例えば、右壁107の一部が樹脂で、右壁107の残りの部分がフィルムであってもよい。更には、左壁108の一部が樹脂で、左壁108の残りの部分がフィルムであってもよい。
【0034】
フレームの樹脂の部分は、インク室111内のインクがインクタンク100の外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂で一体形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。フレームの樹脂の部分は、例えば、樹脂材料の射出成形により一体成形されている。
【0035】
図1に示されるように、前壁101は、カバー70の開口97及び筐体14の開口22を介して、複合機10の外部に露出している。前壁101は、複合機10の前方から視認可能である。作業者は、インク室111に貯留されたインクの残量を、前壁101を介して複合機10の前方から確認可能である。
【0036】
図5及び図6に示されるように、前壁101は、立壁102と傾斜壁106とで構成されている。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁106は、立壁102の上端及び上壁104の前端を繋ぐ壁である。傾斜壁106は、上下方向7及び前後方向8に対して傾斜している。
【0037】
インクタンク100Mは、大気連通孔113(大気連通部、大気連通口の一例)を備えている。本実施形態において、大気連通孔113は、上壁104に形成されているが、上壁104以外の壁に形成されていてもよい。大気連通孔113は、インクタンク100Mの外部の大気とインク室111とを連通する孔である。なお、大気連通孔113とインク室111とは、図6に示されるように直接連通されていてもよいし、空気が通過する大気流路を介して連通されていてもよい。インク室111から大気連通孔113に至る大気流路のどこかに、半透膜(不図示)が設けられていてもよい。半透膜は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜である。この構成の場合、大気連通孔113、大気流路、及び半透膜が大気連通部に相当し、大気連通孔113が大気連通口に相当する。
【0038】
図6に示されるように、インクタンク100Mは、インク室111に貯留されたインクが流出する流出口115を備えている。流出口115は、後壁110に形成された開口である。流出口115には、インクチューブ32が接続されている。図3に示されるように、インク室111に貯留されたインクは、流出口115及びインクチューブ32を介して記録ヘッド39に供給される。なお、図6では、流出口115は後壁110に形成されているが、流出口115は後壁110以外、例えば下壁105に形成されていてもよい。
【0039】
[第1筒部161]
図5に示されるように、インクタンク100Mは、第1筒部161を備えている。第1筒部161は、インクタンク100Mと一体に構成されている。なお、貫通孔109に対する挿入位置を決定するために、第1筒部161には、その外周壁から突出するフランジが設けられていてもよい。
【0040】
図6に示されるように、第1筒部161のうち、インクタンク100Mの外部に位置する部分は、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜め上向きに突出している。なお、後述する第2筒部162は、この実施形態においては、外面106Aにおける第1筒部161の周囲から前方且つ上方へ向けて斜め上向きに突出している。
【0041】
つまり、第1筒部161及び第2筒部162は、前後方向8(水平方向)及び上下方向7(鉛直方向)と交差する延出方向6に沿って延びている。換言すると、第1筒部161及び第2筒部162は、水平方向成分及び鉛直方向成分を有する方向に沿って延びている。延出方向6は、第1筒部161及び第2筒部162の軸方向に沿った方向である。本実施形態では、第1筒部161及び第2筒部162は、水平方向に対してほぼ45度に傾斜した方向へ延びている。第1筒部161及び第2筒部162に、液体ボトル80の外筒91が接続される(図13参照)。これにより、液体ボトル80に貯留されたインクが、インク室111に注入される。
【0042】
第1筒部161のうち、インクタンク100Mの外部に位置する部分は、概ね円筒形状である。なお、第1筒部161は、筒形状であれば、円筒形状に限らず、例えば四角筒形状等の多角筒形状であってもよい。
【0043】
第1筒部161のうち、インクタンク100Mの内部(インク室111)に位置する部分は、傾斜壁106の内面106Bから下方へ延びている。第1筒部161のうち、インクタンク100Mの内部に位置する部分を構成する外周壁103の前部103Aは、外周壁103の後部103Bよりも下方まで延びている。
【0044】
第1筒部161は、その内部空間に、隔壁117を備えている。隔壁117は、第1筒部161の内部空間を2つの空間に分けている。2つの空間の一方は、気体流路121である。2つの空間の他方は、液体流路122である。
【0045】
気体流路121は、外周壁103の後部103Bと隔壁117とで囲まれた空間である。第1筒部161のうちの外周壁103の後部103Bと隔壁117とが、第1管部の一例である。気体流路121の一端には開口121Aが形成されており、気体流路121の他端には開口121Bが形成されている。
【0046】
液体流路122は、外周壁103の前部103Aと隔壁117とで囲まれた空間である。第1筒部161のうちの外周壁103の前部103Aと隔壁117とが、第2管部の一例である。液体流路122の一端には開口122Aが形成されており、液体流路122の他端には開口122Bが形成されている。液体流路122は、気体流路121の下側に形成されている。
【0047】
開口121A、122Aは、インク室111内に位置している。開口121Aは、インク室111における外周壁103の後部103Bにおいて下方へ開口している。開口122Aは、インク室111における外周壁103の前部103Aにおいて下方へ開口している。つまり、開口121Aは、開口122Aより上方に位置している。開口121A、122Aは、大気連通孔113より下方に位置している。
【0048】
なお、大気連通部が大気連通孔113と大気流路とで構成されている場合、開口121A、122Aは、大気連通部の少なくとも一部より下方に位置していればよい。
【0049】
開口121B、122Bは、インク室111外に位置している。開口121Bは、インク室111を気体流路121を介してインクタンク100Mの外部に連通させる。開口122Bは、インク室111を液体流路122を介してインクタンク100Mの外部に連通させる。開口121Bは、開口122Bより上方且つ後方に位置している。
【0050】
なお、気体流路121及び液体流路122が延びる方向は、図6に示された方向に限らない。例えば、気体流路121及び液体流路122は、その全体が上下方向7に沿って延びていてもよい。この場合、第1筒部161及び第2筒部162は、上壁104に設けられており、上下方向7に沿って延びている。
【0051】
[第2筒部162]
図5に示されるように、インクタンク100Mは、第2筒部162(筒部の一例)を備えている。第2筒部162は、インクタンク100Mと一体に構成されている。
【0052】
図5及び図6に示されるように、第2筒部162は、外面106Aにおける第1筒部161の周囲から前方且つ上方へ向けて斜め上向きに突出している。第2筒部162は、第1筒部161における外面106Aから斜め上向きに突出した部分を囲んでいる。つまり、図7に示されるように、第2筒部162は、延出方向6に沿った視線において第1筒部161を囲んでいる。換言すると、図6に示されるように、第2筒部162は、中心軸線162B(第1筒部161及び第2筒部162の中心を通り、且つ第1筒部161及び第2筒部162の軸方向に延びる仮想線)と直交する断面162Cにおいて、第2筒部162の最外形である第2筒部162の外周面162Dの内側に配置されている。図5に示されるように、第2筒部162は、概ね円筒形状である。第2筒部162は、第1筒部161よりも大きく外面106Aから突出している。
【0053】
第2筒部162は、その内周面162A(周面の一例)に、雌ネジ71(第1ネジ部の一例)と、凹部72(第1係合部の一例)と、凸部73(規制部の一例)とを備えている。
【0054】
雌ネジ71は、内周面162Aから突出し且つ螺旋状に延びたネジ山74によって形成されており、螺旋状に延びた溝である。
【0055】
凹部72は、ネジ山74に形成されている。図5に示されるように、凹部72は、露出位置にある。露出位置とは、作業者がインクタンク100Mの外部から視認可能な位置である。つまり、作業者はインクタンク100Mの外部から凹部72を視認することができる。具体的には、凹部72は、内周面162Aのうち、第2筒部162の先端部に形成されている。なお、凹部72は、第2筒部162の先端部以外(例えば基端部)に形成されていてもよいし、ネジ山74とは別部分に形成されていてもよいし、ネジ山74と当該別部分の双方に形成されていてもよいし、インクタンク100Mの外部から視認不可能な位置に形成されていてもよい。
【0056】
図5及び図6に示されるように、ネジ山74は、凹部72によって複数に分断されている。凹部72は、ネジ山74の延出方向6の一端(延出方向6における第2筒部162の先端側の端)からネジ山74の延出方向6の他端(延出方向6における第2筒部162の基端側の端)に向かって延出方向6に沿って設けられている。図6に示されるように、ネジ山74が延出方向6において第1ネジ山74A及び第2ネジ山74Bの2周で構成されている場合、凹部72は、第1ネジ山74Aに形成された第1凹部72Aと、第2ネジ山74Bに形成された第2凹部72Bとで構成される。第1凹部72A及び第2凹部72Bは、延出方向6に沿って並んで形成されている。
【0057】
図7に示されるように、凹部72は、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに2つずつ形成されている。2つの凹部72の位置関係は、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mで異なっている。図7に示される構成の場合、2つの凹部72間の角度θ1は、インクタンク100Bにおいて45度、インクタンク100Yにおいて180度、インクタンク100Cにおいて135度、インクタンク100Mにおいて90度である。もちろん、角度θ1は、前述した値に限らない。
【0058】
なお、凹部72の数は、3つ以上であってもよい。また、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに形成される凹部72の数は、互いに異なっていてもよい。また、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mに形成された各凹部72の大きさや形状は、互いに異なっていてもよい。
【0059】
図5に示されるように、凸部73は、ネジ山74の両端のうち、第2筒部162の基端側の端(以下、ネジ山74の基端と称する。)の隣りに設けられている。凸部73は、ネジ山74の基端よりも第1筒部161側(第2筒部162の基端側)へ延びている。第2筒部162の径方向(第2筒部162の軸方向及び内周面162Aと直交する方向)における凸部73の突出長は、当該径方向におけるネジ山74及び後述する雄ネジ92の突出長以下である。凸部73は、第2筒部162の周方向(内周面162Aに沿った方向)において、凹部72と略同位置にある。詳細には、凸部73の面73Aと、凹部72を形成するネジ山74の面75とは、延出方向6に沿った同一仮想面上にある。面73Aは、第2筒部162の周方向において、凸部73におけるネジ山74の基端とは反対側の面である。
【0060】
なお、凸部73の形状は、図5に示されるような形状に限らない。例えば、凸部73の面73Aは、延出方向6において第2筒部162の先端へ向かうにしたがって、第2筒部162の周方向においてネジ山74の基端へ向かうように、延出方向6に対して傾斜していてもよい。また、第2筒部162は、凸部73を備えていなくてもよい。
【0061】
[液体ボトル80]
図8に示される液体ボトル80は、インクタンク100に接続されるものであり、概ね円筒形状である。液体ボトル80は、図10図13に示されるように、内部空間84を有しており、内部空間84にインクが貯留される容器である。
【0062】
液体ボトル80は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応して液体ボトル80B、80Y、80C、80M(これらを総称して、「液体ボトル80」と表示することがある。)が設けられている。液体ボトル80B、80Y、80C、80Mの各々に、対応したインクタンク100と同色のインクが貯留されている。つまり、インクタンク100Bに対応した液体ボトル80B(図9(D)参照)の内部空間には、ブラックインクが貯留されており、インクタンク100Yに対応した液体ボトル80Y(図9(C)参照)の内部空間には、イエローインクが貯留されており、インクタンク100Cに対応した液体ボトル80C(図9(B)参照)の内部空間には、シアンインクが貯留されており、インクタンク100Mに対応した液体ボトル80M(図9(A)参照)の内部空間には、マゼンタインクが貯留されている。
【0063】
本実施形態において、貯留されたインクの色にかかわらず、液体ボトル80B、80Y、80C、80Mは概ね同じ構成である。よって、以下では、液体ボトル80Mの構成が説明され、液体ボトル80B、80Y、80Cの構成の説明は省略される。液体ボトル80B、80Y、80C、80Mの外筒91は、互いに異なる構成であるが、当該構成については後述される。なお、液体ボトル80は、貯留されているインクの色に応じて、異なる構成(例えば外観形状が異なる、インク色を示すラベルが異なる、液体ボトル80やボトルキャップ140のうち、少なくとも一部分の着色がインク色によって異なる等。)であってもよい。
【0064】
液体ボトル80Mは、外壁81と外筒91とによって構成されている。
【0065】
外壁81は、液体ボトル80の内部空間84を区画している。外壁81は、本体部82と、テーパ部83とを備えている。本体部82は、円筒形状である。テーパ部83は、円錐台形状である。テーパ部83は、液体ボトル80の軸方向151(換言すると本体部82の長手方向、図10参照)の一端から他端へ向かうにしたがって縮径しつつ延びている。
【0066】
外筒91は、円筒形状である。外筒91は、テーパ部83における先端部(テーパ部83における本体部82と反対側の端部)から軸方向151(図10参照)に沿って突出している。外筒91の先端(外筒91におけるテーパ部83と反対側の端)は、液体ボトル80の外部に開口した供給口85を有している。液体ボトル80の内部空間は、供給口85を通じて液体ボトル80の外部と連通可能である。後述するように、外筒91は、インクタンク100Mの第1筒部161及び第2筒部162と接続可能である。
【0067】
ゴムなどの弾性部材で構成されたシール79(バルブの一例)が、外筒91の先端面91B(図13参照)に貼付されている。供給口85は、シール79によって閉塞されている。シール79には十字形状などの切り込みが入れられている。シール79は、外部から力が作用していない状態において、閉状態である。閉状態のシール79は、切り込みが十字形状に維持されることによって、液体ボトル80の内部空間と外部との連通を遮断している。一方、シール79は、外部から力が作用した状態(シール79に第1筒部161が当接した状態)において、開状態となり得る。開状態のシール79は、外部からシール79に力が作用すること(シール79が第1筒部161に押されること)によって切り込みの周囲が捲れることにより、液体ボトル80の内部空間と外部とを連通する。
【0068】
なお、シール79の貼付位置は、先端面91Bに限らず、例えば外筒91の内部空間84における先端面91Bよりも奥側(基端側)に貼付されていてもよい。
【0069】
また、供給口85を開閉する構成は、上述したシール79に限らない。例えば、外筒91の先端面91Bに、ダックビル型のバルブが設けられていてもよい。また、例えば、液体ボトル80は、内部空間に移動可能なバルブを備えていてもよい。当該バルブは、外部から力が作用していない状態においてバネなどに付勢されることによって、内側から外筒91の供給口85を形成する面に密着し、供給口85を内部から押さえて閉塞している。このとき、当該バルブは閉状態である。一方、当該バルブは、外部から液体ボトル80の内部空間に進入してきた第1筒部161に押されることによって、当該バネなどの付勢力に抗して移動して外筒91の供給口85を形成する面から離間する。これにより、供給口85が開放される。このとき、当該バルブは開状態である。
【0070】
外筒91は、その外周面91A(周面の一例)に、雄ネジ92(第2ネジ部の一例)と、凸部93(第2係合部の一例)とを備えている。
【0071】
雄ネジ92は、外周面91Aから突出し且つ螺旋状に延びたネジ山で構成されている。外筒91の外径とインクタンク100Mの第2筒部162の内径とは略同一であり、雄ネジ92は第2筒部162の雌ネジ71と螺合可能である。
【0072】
凸部93は、外筒91の先端部に位置する。凸部93は、雄ネジ92よりも外筒91の先端側に位置する。外筒91の径方向(軸方向151(図10参照)及び外周面91Aと直交する方向)における凸部93の突出長は、当該径方向における雄ネジ92のネジ山の突出長以下である。
【0073】
液体ボトル80Mの凸部93は、インクタンク100Mの凹部72に対応した位置及び形状に形成されている。同様に、液体ボトル80Bの凸部93は、インクタンク100Bの凹部72に対応した位置及び形状に形成されており、液体ボトル80Yの凸部93は、インクタンク100Yの凹部72に対応した位置及び形状に形成されており、液体ボトル80Cの凸部93は、インクタンク100Cの凹部72に対応した位置及び形状に形成されている。つまり、本実施形態では、図9に示されるように、凸部93は、各液体ボトル80B、80Y、80C、80Mに2つずつ形成されている。そして、2つの凸部93の位置関係は、各液体ボトル80B、80Y、80C、80Mで異なっており、2つの凹部72間の角度θ2は、液体ボトル80Bにおいて45度(図9(D)参照)、液体ボトル80Yにおいて180度(図9(C)参照)、液体ボトル80Cにおいて135度(図9(B)参照)、液体ボトル80Mにおいて90度(図9(A)参照)である。
【0074】
なお、角度θ2の値、凸部93の形状は、インクタンク100の凹部72に対応した数や形状となるため、上述した値、形状に限らない。また、凸部93の数は、複数であることを条件として、上述した数に限らない。
【0075】
[液体ボトル80及びインクタンク100の接続]
液体ボトル80は、対応するインクタンク100に接続される。つまり、液体ボトル80Bはインクタンク100Bに接続され、液体ボトル80Yはインクタンク100Yに接続され、液体ボトル80Cはインクタンク100Cに接続され、液体ボトル80Mはインクタンク100Mに接続される。以下、液体ボトル80Mがインクタンク100Mに接続される過程が説明される。
【0076】
図10に示されるように、液体ボトル80Mは、インクタンク100Mへの接続に際して、外筒91の供給口85と第1筒部161及び第2筒部162とが延出方向6に対向する姿勢を維持しつつ、延出方向6に沿って第1筒部161及び第2筒部162に近づけられる。なお、液体ボトル80Mのインクタンク100Mへの接続過程において(図10図13に示される状態において)、外筒91の軸方向(液体ボトル80Mの軸方向151)は、第1筒部161及び第2筒部162の軸方向と一致する。つまり、外筒91の軸方向(液体ボトル80の軸方向151)は、延出方向6と一致する。
【0077】
図11に示されるように、外筒91が延出方向6に沿って第2筒部162へ挿入されると、凸部93が第2筒部162の凹部72へ進入する。ここで、上述したように、液体ボトル80Mの凸部93は、インクタンク100Mの凹部72に対応した位置及び形状に形成されている。そのため、液体ボトル80Mの凸部93は、インクタンク100Mの凹部72へ進入し、インクタンク100Mの凹部72に対して相対的に延出方向6へ、つまり中心軸線162B方向へ案内される。換言すれば、作業者は液体ボトル80Mの2つの凸部93が第2筒部162の2つの凹部72に進入するように液体ボトル80Mを把持し、液体ボトル80Mの外筒91を第2筒部162に挿入するのである。ここで、中心軸線162B方向へとは、中心軸線162B成分に移動することを含む。図11に示される状態では、雄ネジ92は第2筒部162の外部に位置しているため、雄ネジ92及び雌ネジ71は螺合していない。
【0078】
同様に、液体ボトル80Bがインクタンク100Bに接続されようとした場合、インクタンク100Bの凹部72は、液体ボトル80Bの凸部93の延出方向6への案内を許容する。また、液体ボトル80Yがインクタンク100Yに接続されようとした場合、インクタンク100Yの凹部72は、液体ボトル80Yの凸部93の延出方向6への案内を許容する。また、液体ボトル80Cがインクタンク100Cに接続されようとした場合、インクタンク100Cの凹部72は、液体ボトル80Cの凸部93の延出方向6への案内を許容する。
【0079】
一方、仮に、液体ボトル80Mがインクタンク100M以外(インクタンク100B、100Y、100C)に接続されようとした場合、インクタンク100B、100Y、100Cの凹部72は、液体ボトル80Mの凸部93の延出方向6への案内を許容しない。それは以下の理由による。インクタンク100B、100Y、100Cに形成された凹部72の位置関係は、液体ボトル80Mの凸部93の位置関係と異なる。そのため、液体ボトル80Mの外筒91が延出方向6に沿って第2筒部162へ挿入されようとする際、液体ボトル80Mの凸部93は、インクタンク100B、100Y、100Cのネジ山74に当接してしまう。これにより、液体ボトル80Mの外筒91の第2筒部162への挿入が阻害される。
【0080】
同様に、液体ボトル80Bがインクタンク100B以外(インクタンク100M、100Y、100C)に接続されようとした場合、インクタンク100M、100Y、100Cの凹部72は、液体ボトル80Bの凸部93の延出方向6への案内を許容しない。また、液体ボトル80Yがインクタンク100Y以外(インクタンク100B、100M、100C)に接続されようとした場合、インクタンク100B、100M、100Cの凹部72は、液体ボトル80Yの凸部93の延出方向6への案内を許容しない。また、液体ボトル80Cがインクタンク100C以外(インクタンク100B、100Y、100M)に接続されようとした場合、インクタンク100B、100Y、100Mの凹部72は、液体ボトル80Cの凸部93の延出方向6への案内を許容しない。
【0081】
なお、複合機10が1つのインクタンク100のみを備えているとき、所定の液体ボトル80が当該1つのインクタンク100に接続されようとした場合、当該1つのインクタンク100の凹部72は、所定の液体ボトル80の凸部93延出方向6への案内を許容する。一方、所定の液体ボトル80が当該1つのインクタンク100以外のインクタンク100(例えば、当該複合機10以外に備えられ、第2筒部162の凹部72の構造の異なるインクタンク100(以下、その他のインクタンク100と記す。))に接続されようとした場合、その他のインクタンク100の凹部72は、所定の液体ボトル80の凸部93の延出方向6への案内を許容しない。
【0082】
外筒91が図11に示される状態よりも第2筒部162へ更に挿入されると、凸部93が、凹部72を通過する。そして、図12に示されるように、凸部93は、延出方向6における凹部72よりも第2筒部162の基端側(換言すると、延出方向6における雌ネジ71と第1筒部161の間)に位置する。また、雄ネジ92が、雌ネジ71と螺合する。つまり、本実施形態では、外筒91の第2筒部162への接続過程において、凹部72による凸部93の案内後に、雄ネジ92及び雌ネジ71は螺合開始する。
【0083】
作業者が液体ボトル80を回転させることで雄ネジ92及び雌ネジ71が更に螺合していくと、すなわち、外筒91が図12に示される状態よりも第2筒部162へ更に挿入されると、図13に示されるように、外筒91のシール79に、第1筒部161が当接する。第1筒部161は、シール79を押す。これにより、シール79の切り込みの周囲が捲れて開状態となる。つまり、外筒91の第2筒部162への接続過程において、雄ネジ92及び雌ネジ71の螺合開始後に、シール79は第1筒部161と当接して閉状態から開状態へ状態変化する。
【0084】
シール79が開状態となることにより、供給口85が開放される。第1筒部161は、開放された供給口85を通じて、外筒91の内部へ進入する。これにより、液体ボトル80Mの内部空間が、開口121B、122Bを介して、インクタンク100Mのインク室111と連通する。図13に示される状態が、液体ボトル80M及びインクタンク100Mの接続状態である。なお、接続状態において、外筒91の先端面91B(シール79が添付された面)は、インクタンク100Mの外面106Aと当接している。
【0085】
液体ボトル80Mがインクタンク100Mから脱抜される過程において、つまり外筒91と第2筒部162との接続が解除される過程において、液体ボトル80Mは、反時計回りに回転される。これにより、液体ボトル80Mは、雄ネジ92及び雌ネジ71の螺合が解除されつつ、インクタンク100Mから引き出される向きに移動する。当該移動によって、最初に、シール79が第1筒部161から離間する。これにより、シール79の切り込みの周囲の捲れた状態が是正されて閉状態となる。その後、雄ネジ92及び雌ネジ71の螺合が解除される。
【0086】
雄ネジ92及び雌ネジ71の螺合が解除された後、凸部93が延出方向6における第2筒部162の基端側からネジ山74に当接することによって、液体ボトル80Mのインクタンク100Mからの脱抜が阻害される。このとき、液体ボトル80は、第2筒部162から引き出される向きへの力が作用されつつ、反時計回りに回転される。これにより、凸部93は、ネジ山74に案内されつつ第2筒部162の周方向に沿って移動する。
【0087】
最終的に、2つの凸部93の一方が、外筒91の凸部73に当接する。これにより、凸部93の周方向に沿った移動が規制される。凸部93が凸部73に当接することによって、凸部93と第2筒部162の凹部72とが延出方向6に沿って並んだ状態となる。この状態で第2筒部162から引き出される向きへの力が液体ボトル80Mに作用されることによって、凸部93が凹部72に案内されつつ、液体ボトル80Mは、インクタンク100Mから引き出される向きに移動する。以上のようにして、液体ボトル80Mが、インクタンク100Mから脱抜される。
【0088】
以下、図13に示される接続状態における液体ボトル80Mからインクタンク100Mへのインクの供給が説明される。
【0089】
液体ボトル80Mがインクタンク100Mへ接続されて、第1筒部161の開口121B、122Bが液体ボトル80Mの内部空間84に位置すると、液体ボトル80Mの内部空間84とインク室111とが気体流路121及び液体流路122を通じて連通する。これにより、液体ボトル80の内部空間84に貯留されたインクが、開口122Bを介して液体流路122へ流入し、液体流路122の開口122Aからインク室111へ流入する。また、インクの流入に際して、インクタンク100Mのインク室111内の空気が開口121Aから気体流路121へ流入し、その空気が気体流路121の開口121Bを介して液体ボトル80の内部空間84に流入する。ここで、液体ボトル80からインクタンク100のインク室111内へ流入するインクの体積と、インクタンク100のインク室111内から液体ボトル80へ流入する空気の体積とは、ほぼ同じである。このようにして、いわゆる気液置換が行われる。
【0090】
インク室111にインクが流入することにより、インク室111のインクの液面が上昇して気体流路121の開口121Aに達すると、気体流路121とインク室111との間の空気の流通が遮断される。これにより、インク室111から液体ボトル80Mの内部空間84への空気の流入が停止される。そのため、液体ボトル80Mの内部空間84からインク室111へのインクの流入が停止される。そして、インクタンク100Mから液体ボトル80Mが取り外されると、インク室111へのインクの補充が終了する。
【0091】
[タンクキャップ130]
図14に示されるタンクキャップ130は、インクタンク100の第2筒部162に着脱されることによって(図5参照)、第1筒部161及び第2筒部162の開口121A、122Aを密封/開放するものである。
【0092】
タンクキャップ130は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mに対応して設けられている。
【0093】
図14に示されるように、タンクキャップ130は、本体131と、フランジ部132と、凸部133(第2係合部の一例)とを備えている。本体131は、概ね円筒形状である。本体131の外形は、液体ボトル80の外筒91の外形と概ね同形状である。フランジ部132は、本体131の軸方向の一端に設けられている。フランジ部132の直径は、本体131の直径より長い。把持部132Aは、フランジ部132に設けられている。把持部132Aは、タンクキャップ130が第2筒部162に装着される際に作業者によって把持される部分である。凸部133は、本体131の外周面131B(周面の一例)に設けられている。
【0094】
本体131の外周面131Bに設けられている凸部133の位置、数、及び形状は、対応するインクタンク100B、100Y、100C、100M毎に異なる。つまり、インクタンク100Bの第2筒部162に装着されるタンクキャップ130の凸部133の位置、数、及び形状は、液体ボトル80Bの外周面91Aに設けられている凸部93の位置、数、及び形状と同一である。また、インクタンク100Yの第2筒部162に装着されるタンクキャップ130の凸部133の位置、数、及び形状は、液体ボトル80Yの外周面91Aに設けられている凸部93の位置、数、及び形状と同一である。また、インクタンク100Cの第2筒部162に装着されるタンクキャップ130の凸部133の位置、数、及び形状は、液体ボトル80Cの外周面91Aに設けられている凸部93の位置、数、及び形状と同一である。また、インクタンク100Mの第2筒部162に装着されるタンクキャップ130の凸部133の位置、数、及び形状は、液体ボトル80Mの外周面91Aに設けられている凸部93の位置、数、及び形状と同一である。
【0095】
上記により、タンクキャップ130は、凸部133の凹部72による案内が許容されることによって、対応するインクタンク100の第2筒部162に装着可能である一方、凸部133の凹部72による案内が許容されないことによって、対応しないインクタンク100の第2筒部162に装着不可能である。
【0096】
タンクキャップ130が第2筒部162に装着された状態において、本体131の軸方向の他端面131Aが、第1筒部161に圧接される。これにより、第1筒部161の開口121B、122Bが液密に封止される。つまり、開口121B、122Bが密封される。一方、タンクキャップ130が第2筒部162に装着されていない状態において、開口121B、122Bは開放される。なお、通常、複合機10の使用状態においては、インクタンク100に液体ボトル80が装着されていないので、インク漏出を防止するためにも、タンクキャップ130が第2筒部162に装着されている。
【0097】
また、タンクキャップ130が第2筒部162に装着された状態において、フランジ部132の外周面132Bが、第2筒部162の内周面162Aに圧接される。これにより、第2筒部162の外部への開口が閉塞される。また、これにより、タンクキャップ130が第2筒部162から意図せず抜けることが防止されている。
【0098】
タンクキャップ130は、外周面131Bに、雌ネジ71と螺合可能な雄ネジ(第3ネジ部の一例)を備えていてもよい。当該雄ネジは、液体ボトル80の外筒91に設けられた雄ネジ92と同構成である。この場合、外筒91とタンクキャップ130との双方を、第2筒部162の雌ネジ71に螺合することができる。しかし、当該雄ネジは、雄ネジ92と異なる構成であってもよい。例えば、当該雄ネジの周回数は、雄ネジ92の周回数と異なっていてもよい。
【0099】
[ボトルキャップ140]
図15に示されるボトルキャップ140は、液体ボトル80の外筒91に着脱されることによって(図16参照)、外筒91の供給口85を密封/開放するものである。
【0100】
ボトルキャップ140は、液体ボトル80B、80Y、80C、80Mに対応して設けられている。
【0101】
図15に示されるように、ボトルキャップ140は、本体141と、雌ネジ142(第4ネジ部の一例)と、凹部143(第1係合部の一例)と、凸部144とを備えている。本体141は、概ね円筒形状である。本体141の軸方向の一端は面141Aによって閉塞されており、本体141の軸方向の他端は開放されている。雌ネジ142、凹部143、及び凸部144は、本体141の内周面141B(周面の一例)に設けられている。
【0102】
本体141の外形は、インクタンク100の第2筒部162の外形と概ね同形状である。つまり、本体141の内周面141Bは、第2筒部162の内周面162Aに対応している。
【0103】
雌ネジ142は、第2筒部162の雌ネジ71に対応しており、雌ネジ71と同構成である。凸部144は、第2筒部162の凸部73に対応しており、凸部73と同構成である。なお、雌ネジ142は、雌ネジ71と異なる構成であってもよい。例えば、雌ネジ142の周回数は、雌ネジ71の周回数と異なっていてもよい。
【0104】
本体141の内周面141Bに設けられている凹部143の位置、数、及び形状は、対応する液体ボトル80B、80Y、80C、80M毎に異なる。つまり、液体ボトル80Bの外筒91に装着されるボトルキャップ140の凹部143の位置、数、及び形状は、インクタンク100Bの第2筒部162の内周面162Aに設けられている凹部72の位置、数、及び形状と同一である。また、液体ボトル80Yの外筒91に装着されるボトルキャップ140の凹部143の位置、数、及び形状は、インクタンク100Yの第2筒部162の内周面162Aに設けられている凹部72の位置、数、及び形状と同一である。また、液体ボトル80Cの外筒91に装着されるボトルキャップ140の凹部143の位置、数、及び形状は、インクタンク100Cの第2筒部162の内周面162Aに設けられている凹部72の位置、数、及び形状と同一である。また、液体ボトル80Mの外筒91に装着されるボトルキャップ140の凹部143の位置、数、及び形状は、インクタンク100Mの第2筒部162の内周面162Aに設けられている凹部72の位置、数、及び形状と同一である。
【0105】
上記により、ボトルキャップ140は、凹部143による凸部93の案内が許容されることによって、対応する液体ボトル80の外筒91に装着可能である一方、凹部143による液体ボトル80の凸部93の案内が許容されないことによって、対応しない液体ボトル80の外筒91に装着不可能である。
【0106】
ボトルキャップ140が外筒91に装着された状態において、シール79がタンクキャップ130に覆われている。そのため、外部からシール79に力が作用してシール79が開状態となることが防止されるため、供給口85は閉じた状態に維持される。一方、ボトルキャップ140が外筒91に装着されていない状態において、シール79がタンクキャップ130に覆われていない。そのため、外部からシール79に力が作用してシール79が開状態となり得る。つまり、供給口85は開放され得る。なお、通常、液体ボトル80がインクタンク100に装着されていない状態において、インク漏出を防止するためにも、ボトルキャップ140が外筒91に装着されている。
【0107】
なお、ボトルキャップ140は、雌ネジ142及び凸部144を備えていなくてもよい。
【0108】
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、液体ボトル80からインクタンク100へインクを供給するとき、液体ボトル80の外筒91とインクタンク100の第1筒部161及び第2筒部162とが接続される。このとき、外筒91の雄ネジ92と第2筒部162の雌ネジ71とが螺合している。これにより、液体ボトル80がインクタンク100に固定された状態となる。そのため、液体ボトル80が把持されることなく、液体ボトル80からインクタンク100へインクを供給することができる。
【0109】
また、本実施形態によれば、インクタンク100Mの凹部72は、液体ボトル80Mの凸部93の案内を許容し、液体ボトル80C、80Y、80Bの凸部93の案内を許容しないように構成されている。つまり、インクタンク100の凹部72は、対応する液体ボトル80の凸部93の案内を許容する一方で、対応しない液体ボトル80の凸部93の案内を許容しないように構成されている。そのため、液体ボトル80が対応しないインクタンク100へ誤って装着されることを防止できる。
【0110】
また、本実施形態の場合、第1筒部161及び第2筒部162が斜め上向きに延びているため、液体ボトル80がインクタンク100に接続された状態において、液体ボトル80が斜めの姿勢となる。そのため、仮に、液体ボトル80がインクタンク100に固定されていない場合、作業者が液体ボトル80を把持していないと、液体ボトル80のインクタンク100との接続が解除されて、液体ボトル80がインクタンク100から落下してしまう。本実施形態では、外筒91の雄ネジ92と第2筒部162の雌ネジ71との螺合により、液体ボトル80がインクタンク100に固定されるため、前記のような液体ボトル80の落下を防止できる。
【0111】
また、本実施形態によれば、雄ネジ92及び雌ネジ71の少なくとも一部が螺合した状態で、シール79が開状態へ状態変化する。そのため、液体ボトル80がインクタンク100に固定される前に、液体ボトル80内のインクが外部へ漏出することを防止できる。
【0112】
また、本実施形態によれば、インクタンク100の凹部72の形状を視認することによって、当該インクタンク100に装着されるべき液体ボトル80を判断することができる。そのため、対応するインクタンク100と液体ボトル80とを同色に構成することなどが不要である。
【0113】
また、本実施形態によれば、第2筒部162が凸部73を備えている。そのため、外筒91及び第2筒部162の接続解除過程において、外筒91の回転が規制される位置まで外筒91を回転させるだけで、凸部93及び凹部72を軸方向に沿って並んだ状態、つまり外筒91を軸方向に沿って引っ張るだけで凸部93が凹部72に沿って案内可能である状態とすることができる。そのため、外筒91及び第2筒部162を容易に接続解除することができる。
【0114】
また、本実施形態によれば、凸部93の突出長が雄ネジ92のネジ山の突出長以下である。そのため、外筒91や第2筒部162の形状が、凸部93の存在によって複雑になることを抑制できる。また、凸部93によって、外筒91や第2筒部162が大型化することを抑制できる。
【0115】
また、本実施形態によれば、凹部72が雌ネジ71を形成するネジ山74に形成されるため、ネジ山74とは別に凹部72を設ける必要がない。これにより、外筒91や第2筒部162の形状を単純化できる。
【0116】
また、本実施形態によれば、タンクキャップ130が本来装着されるべきインクタンク100以外のインクタンク100に誤って装着されることを防止することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、タンクキャップ130が第2筒部162から意図せず外れることを防止することができる。
【0118】
また、本実施形態によれば、ボトルキャップ140が本来装着されるべき液体ボトル80以外の液体ボトル80に誤って装着されることを防止することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、ボトルキャップ140が外筒91から意図せず外れることを防止することができる。
【0120】
本構成によれば、第2筒部162とボトルキャップ140との双方を、外筒91の雄ネジ92に螺合することができる。
【0121】
[変形例1]
上記実施形態では、液体ボトル80の外筒91は、第2ネジ部としての雄ネジ92と、第2係合部としての凸部93とを備えていた。しかし、図17に示すように、外筒91は、雄ネジ92を備えていなくてもよい。この場合、凸部93が第2ネジ部及び第2係合部の双方として機能する。
【0122】
また、この場合、図18に示すように、インクタンク100の第2筒部162の凹部72は、雌ネジ71を構成するネジ山74のうち、最も第2筒部162の先端側の周のネジ山のみに設けられている。また、延出方向6において隣り合う2つのネジ山74のピッチ(間隔)は、外筒91の軸方向における凸部93の長さ以上である。
【0123】
変形例1では、液体ボトル80のインクタンク100への接続に際して、最初に、凸部93が凹部72に案内される。これにより、凸部93は、隣り合う2つのネジ山74の間に位置する。その後、液体ボトル80は、軸方向(延出方向6)周りに時計回りに回転される。これにより、凸部93は、雌ネジ71に沿って案内される。つまり、第2ネジ部としての凸部93と第1ネジ部としての雌ネジ71とが螺合される。
【0124】
なお、上記実施形態と同様に、各液体ボトル80の凸部93及び各インクタンク100の凹部72の位置関係の相違によって、各液体ボトル80は、対応するインクタンク100に装着可能である一方、対応するインクタンク100以外のインクタンク100に装着不可能である。
【0125】
変形例1によれば、凹部72がネジ山74の一部のみに形成されるため、凹部72によって外筒91や第2筒部162の形状が複雑化することを抑制できる。
【0126】
[変形例2]
上記実施形態では、液体ボトル80のインクタンク100への接続に際して、最初に、凸部93が凹部72に案内され、その後、雄ネジ92及び雌ネジ71が螺合された。しかし、液体ボトル80のインクタンク100への接続に際して、最初に、雄ネジ92及び雌ネジ71が螺合され、その後、凸部93が凹部72に案内されてもよい。
【0127】
例えば、図19及び図20に示されるように、液体ボトル80の外筒91が第1外筒171と第2外筒172とを備えていてもよい。
【0128】
第1外筒171は、液体ボトル80の外壁81と一体に構成されている。つまり、第1外筒171は、外壁81と繋がっている。第1外筒171は、その外周面171A(周面の一例)の先端部に、雄ネジ173(第2ネジ部の一例)を備えている。
【0129】
第2外筒172は、軸方向151に沿って第1外筒171に対して相対的に移動可能に、外壁81または第1外筒171によって支持されている。第2外筒172は、図19(A)に示される第1位置と、図20(B)に示される第2位置に移動可能である。第1位置の第2外筒172は、第1外筒171に収容されている。第2位置の第2外筒172は、第1外筒171から軸方向151に突出している。なお、第2外筒172を移動させるための構造は、ノック式ボールペンで採用されているような公知の構造が採用される。
【0130】
第2外筒172は、その外周面172A(周面の一例)の先端部に、凸部174(第2係合部の一例)を備えている。第2外筒172の先端には、供給口85が形成されている。供給口85は、シール79によって閉塞されている。
【0131】
変形例2において、インクタンク100の第2筒部162は、第1空間163及び第2空間164を有している。
【0132】
第1空間163は、第2空間164より第2筒部162の先端側に形成されている。第1空間163の内径は、第1外筒171の外形と略同一である。第1空間163の先端は、インクタンク100の外部に開放されている。第1空間163の基端は、第2空間164と連続している。第1空間163を構成する内周面163Aに、雌ネジ165(第1ネジ部の一例)が形成されている。
【0133】
第2空間164の内径は、第2外筒172の外形と略同一である。第2空間164の先端は、第1空間163と連通している。第2空間164の基端を構成する面164Bには、第1筒部161の先端が設けられている。これにより、第2空間164の基端は、気体流路121及び液体流路122と連通している。第2空間164を構成する内周面164Aに、軸方向に沿って延びた凹部166(第1係合部の一例)が形成されている。
【0134】
変形例2では、液体ボトル80のインクタンク100への接続に際して、最初に、上記実施形態と同様に、図19(A)に示されるように、外筒91の供給口85と第1筒部161及び第2筒部162とが延出方向6対向する姿勢を維持しつつ、延出方向6に沿って第1筒部161及び第2筒部162に近づけられる。なお、このとき、第2外筒172は第1位置に位置している。
【0135】
次に、図19(B)に示されるように、第1外筒171が第1空間163へ進入する。このとき、液体ボトル80は、軸周りに時計回りに回転される。これにより、第1外筒171の雄ネジ173は、第2筒部162の雌ネジ165と螺合する。
【0136】
次に、図20(A)に示されるように、第2外筒172が第1位置から第2位置に移動される。なお、当該移動は、作業者が液体ボトル80に設けられた操作部(不図示)を操作することによって行われる。これにより、第2外筒172が第1外筒171から突出し、第2空間164へ進入する。このとき、第2外筒172の凸部174が第2筒部162の凹部166によって延出方向6に沿って案内される。つまり、外筒91の第2筒部162への接続過程において、雄ネジ173及び雌ネジ165の螺合完了後に、第2外筒172が第1位置から第2位置へ移動されることによって凸部174が凹部166に案内される。
【0137】
第2外筒172が図20(A)に示される状態よりも更に突出されると、図20(B)に示されるように、第2外筒172のシール79に、第1筒部161が当接する。第1筒部161は、シール79を押す。これにより、シール79の切り込みの周囲が捲れて開状態となる。図20(B)に示される状態が、液体ボトル80及びインクタンク100の接続状態である。
【0138】
液体ボトル80がインクタンク100から脱抜されるとき、最初に、第2外筒172が作業者の操作によって第2位置から第1位置に移動される。このとき、第2外筒172の凸部174が第2筒部162の凹部166によって延出方向6に沿って案内される。次に、液体ボトル80は、軸回りに反時計回りに回転される。これにより、第1外筒171の雄ネジ173と、第2筒部162の雌ネジ165との螺合が解除され、液体ボトル80がインクタンク100から脱抜される。
【0139】
なお、上記実施形態と同様に、各液体ボトル80の凸部93及び各インクタンク100の凹部72の位置関係の相違によって、各液体ボトル80は、対応するインクタンク100に装着可能である一方、対応するインクタンク100以外のインクタンク100に装着不可能である。
【0140】
変形例2によれば、雄ネジ173及び凸部174が異なる部材に設けられているため、雄ネジ173の形状や位置に縛られることなく、凸部174の形状や位置を決定することができる。
【0141】
[その他の変形例]
上記実施形態では、外筒91の径方向における凸部93の突出長は、当該径方向における雄ネジ92のネジ山の突出長以下であったが、図23に示されるように、当該突出長より長くてもよい。この場合、凸部93が進入する第2筒部162の凹部72の当該径方向における深さが深くなる。そこで、図24に示されるように、第2筒部162の外周面162Dの凹部72に対応する位置に、深くなった凹部72を形成するための凸部76が形成されている。
【0142】
なお、第2筒部162の径方向における凸部73の突出長は、当該径方向におけるネジ山74及び雄ネジ92の突出長以下であったが、上記の凸部93と同様に、当該突出長より長くてもよい。
【0143】
上記実施形態では、インクタンク100が第1筒部161及び第2筒部162を備えていた。しかし、このような構成に限らない。例えば、図21に示されるように、インクタンク100が第2筒部162を備えていなくてもよい。この場合、第1筒部161の外周面Aに、雄ネジ92と、凹部72とが設けられている。また、この場合、液体ボトル80の外筒91の内周面91Cに、雌ネジ71と、凸部93とが設けられている。なお、図21において、凹部72、凸部93の図示は省略されている。また、シール79は、外筒91の奥部(テーパ部83との境界部)に設けられている。なお、図21に示された状態では、本来、シール79が開状態であるが、図21では、閉状態のシール79が破線で示されている。
【0144】
図21に示される構成では、外筒91が第1筒部161に接続される。当該接続の過程において、上記実施形態と同様に、凸部93が凹部72に案内され、雄ネジ92と雌ネジ71が螺合される。そして、第1筒部161がシール79に当接することによって、シール79が開状態となり、供給口85が開放される。
【0145】
図10図13に示される実施形態では、インクタンク100が第1ネジ部として雌ネジを備え、液体ボトル80が第2ネジ部として雄ネジを備えていた。しかし、上記実施形態とは逆に、インクタンク100が第1ネジ部として雄ネジを備え、液体ボトル80が第2ネジ部として雌ネジを備えていてもよい。
【0146】
上記実施形態では、インクタンク100が第1係合部として凹部を備え、液体ボトル80が第2係合部として凸部を備えていた。しかし、上記実施形態とは逆に、インクタンク100が第1係合部として凸部を備え、液体ボトル80が第2係合部として凹部を備えていてもよい。
【0147】
上記実施形態では、第2筒部162が凸部73を備えていた。しかし、上記実施形態とは逆に、外筒91が凸部73を備えていてもよい。
【0148】
上記実施形態では、凸部や凹部の位置関係によって、外筒91及び第2筒部162の接続の可否が決定されていたが、これに限らない。
【0149】
例えば、図22に示されるように、第2筒部162の内周面に形成されたネジ山74のピッチ(延出方向6において隣り合うネジ山74の延出方向6の間隔)が、インクタンク100B、100Y、100C、100M毎に異なるように構成されていてもよい。この場合、液体ボトル80の外筒91に形成された雄ネジ92のピッチも、液体ボトル80B、80Y、80C、80M毎に異なるように構成される。
【0150】
図22に示される構成では、上記実施形態と同様に、液体ボトル80が対応するインクタンク100に接続されようとした場合に、ネジ山74によって形成された雌ネジ71と、外筒91の雄ネジ92との螺合が許容される一方、液体ボトル80が対応するインクタンク100以外のインクタンク100に接続されようとした場合に、ネジ山74によって形成された雌ネジ71と、外筒91の雄ネジ92との螺合が、ピッチの相違のために許容されない。この場合、雌ネジ71が第1係合部に相当し、雄ネジ92が第2係合部に相当する。なお、図22では、本来、第2筒部162に隠れて見えないネジ山74は、破線で示されている。
【0151】
上記実施形態では、第1筒部161及び第2筒部162は、傾斜壁106の外面106Aから前方且つ上方へ向けて斜めに突出していた。しかし、第1筒部161及び第2筒部162が設けられる位置、及び第1筒部161及び第2筒部162の突出向きは、上記実施形態の位置及び突出向きに限らない。例えば、第1筒部161及び第2筒部162は、鉛直方向に沿って延びていてもよいし、水平方向に沿って延びていてもよい。なお、第1筒部161が鉛直方向以外に延びている場合、液体流路122は気体流路121の下側に形成されている。第1筒部161が鉛直方向に延びている場合、液体流路122と気体流路121の位置関係は任意である。
【0152】
上記実施形態では、第1筒部161は、図6に示されるように、インク室111内で上下方向7に延び、インク室111の内部から外部に亘って延出方向6(中心軸線162B)に沿った方向に延びていた。しかし、第1筒部161の形状は、図6に示された形状に限らない。例えば、第1筒部161は、その全体が延出方向6に延びていてもよいし、その全体が上下方向7に延びていてもよい。
【0153】
上記実施形態では、気体流路121及び液体流路122は、共に第1筒部161に形成されていた。しかし、気体流路121及び液体流路122は、それぞれ異なる筒部に形成されていてもよい。例えば、図25に示されるように、気体流路121が筒部123に形成されており、液体流路122が筒部123とは別の筒部124に形成されていてもよい。
【0154】
上記実施形態では、第1筒部161及び第2筒部162は、インクタンク100と一体に構成されていた。しかし、第1筒部161または第2筒部162の少なくとも一方は、インクタンク100と別体に構成されていてもよい。すなわち、第1筒部161または第2筒部162の少なくとも一方は、インクタンク100に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0155】
例えば、図26及び図27に示されるような保持部材180が筐体14に固定されるように配置されており、第2筒部162が保持部材180に取り付けられていてもよい。
【0156】
保持部材180は、複数のインクタンク100を、左右方向に沿って一列に並んだ状態で保持するものである。保持部材125は、図4に示されるような左右方向9に並んだ4つのインクタンク100を一体に保持する。図28に示されるように、保持部材120は、インクタンク103を保持した状態において、インクタンク100の前部を覆っている。
【0157】
図26及び図27に示されるように、保持部材180は、開口181によって開放された箱形状の部材である。4つのインクタンク100は、開口181を通じて保持部材180の内部に装着される。保持部材125は、インクタンク100を保持した状態で、その少なくとも一部が筐体14の内部に配置される。このとき、保持部材125の姿勢は、開口181が後側となり且つ開口181が後方を向いた姿勢である。
【0158】
保持部材180は、立壁182と、傾斜壁183と、側壁184とを備える。立壁182は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁183は、立壁182の上端から上方へ向かうにしたがって後方へ向かうように延びている。
【0159】
側壁184は、立壁182及び傾斜壁183の上下左右の端から後方へ延びている。開口181は、側壁184の後端によって構成されている。
【0160】
側壁184のうち立壁182の下端から後方へ延びた壁は、インクタンク100を下方から支持する。
【0161】
立壁182には、複数の開口185が形成されている。各開口185は、左右方向9に間隔を空けて形成されている。各開口185は、4つのインクタンク100に対応している。インクタンク100の立壁102は、開口185を介して、複合機10の外部に露出している。これにより、作業者は、立壁102と開口185を介して、インクタンク100内のインク量を視認可能である。
【0162】
傾斜壁183には、第2筒部162が設けられている。図26図28に示された構成では、第2筒部162は保持部材180と一体に構成されているが、第2筒部162は保持部材180とは別体で保持部材180に着脱可能に構成されていてもよい。
【0163】
図27に示されるように、傾斜壁183における第2筒部162の基端の内側には、開口186が形成されている。図28に示されるように、保持部材120がインクタンク100を保持した状態で、インクタンク100の第1筒部161の先端部は、開口186を通じて第2筒部162の内側の空間に突出する。これにより、第1筒部161及び第2筒部162は、図6に示された上記実施形態と同様の配置となる。その結果、図26図28に示された構成においても、図13に示された上記実施形態と同様に、液体ボトル80の外筒91が第1筒部161及び第2筒部162に接続可能である。
【0164】
液体ボトル80及びインクタンク100の形状は、適宜変更できる。例えば、液体ボトル80は、テーパ部83を備えていない円筒形状であってもよいし、四角柱形状であってもよい。また、インクタンク100は、傾斜壁106を備えていない直方体形状であってもよい。
【0165】
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。
【符号の説明】
【0166】
10・・・複合機(液体供給システム)
71・・・雌ネジ(第1ネジ部)
72・・・凹部(第1係合部)
80・・・液体ボトル
81・・・外壁
84・・・内部空間
91・・・外筒
91A・・・外周面(周面)
92・・・雄ネジ(第2ネジ部)
93・・・凸部(第2係合部)
100・・・インクタンク(タンク)
111・・・インク室(貯留室)
113・・・大気連通孔(大気連通部、大気連通口)
121B・・・開口
122B・・・開口
161・・・第1筒部(第1管部、第2管部)
162・・・第2筒部(筒部)
162A・・・内周面(周面)
162B・・・中心軸線
162C・・・断面
162D・・・外周面(最外形)
図1
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