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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】画像処理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/10 20230101AFI20230905BHJP
   G06T 3/40 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
H04N25/10
G06T3/40 705
【請求項の数】 28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019050949
(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公開番号】P2019186916
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】1805465.0
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500395107
【氏名又は名称】アーム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】タラガラ, ドミドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ハンウェル, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チェスノコフ, ヴァチェスラフ
(72)【発明者】
【氏名】コルニエンコ, アレクセイ
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-089355(JP,A)
【文献】特開2012-244633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
G06T 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データを受信するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを表す前記画像データの一部を処理して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定する、処理するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの値に基づく第1のデータを取得するステップと、
前記第1のデータに基づいて、前記第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの値及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの値に基づく第2のデータを取得するステップと、
前記第2のデータを処理して、前記第1のピクセルの前記第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データを生成する、処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の画像領域内で、前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別するステップと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルとして使用するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の画像領域内で、前記第1のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルとして使用するステップと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルとして使用するステップと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデータが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの強度値を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のデータを取得するステップが、前記第1のデータに基づくルックアップテーブルから前記第2のデータを取得することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のデータが、前記第1の画像領域に関する第1のパラメータの第1のパラメータ値を表し、前記第1のパラメータが前記第2のカラーチャネルに関連付けられており、
前記ルックアップテーブルが、前記第2の画像領域に関する前記第1のパラメータの第1のパラメータ値のセットのうちの各第1のパラメータ値に対応する複数のエントリを含んでおり、
前記ルックアップテーブルから前記第2のデータを取得するステップが、
前記第1のパラメータ値に最も近い値を有する前記第1のパラメータ値のセットのうちの1つに対応する、前記複数のエントリのうちの1つのエントリを識別することと、
前記第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータの第2のパラメータ値を識別することであって、前記第2のパラメータ値が、前記第1のパラメータ値のセットのうちの前記1つに関連付けられ、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値に基づいている、ことと、
前記第2のパラメータ値を前記第2のデータとして取得することと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のパラメータ値が、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の比率を表す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の画像領域に関して、
前記第2の画像領域内の前記第1のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値であって、前記第1のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルが、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む、各値と、
前記第2の画像領域内の前記第2のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値であって、前記第2のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む、各値と、
に基づいて、前記ルックアップテーブルを生成するステップを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルの各ピクセルが、それぞれ飽和していないピクセルであり、
前記第2のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルの各ピクセルが、それぞれ飽和していないピクセルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のデータが、前記第1の画像領域に関する第1のパラメータの第1のパラメータ値を表し、前記第1のパラメータが前記第2のカラーチャネルに関連付けられており、
前記ルックアップテーブルが、前記第2の画像領域に関する前記第1のパラメータの第1のパラメータ値のセットのうちの各第1のパラメータ値に対応する複数のエントリを含んでおり、
前記ルックアップテーブルを生成するステップが、
前記第2の画像領域に関して、複数のビンを含むヒストグラムを生成することであって、各ビンが、第1のパラメータ値の各範囲に関連付けられる、ことと、
前記複数のビンのサブセットを選択することであって、前記複数のビンの前記サブセットの各々が、前記複数のエントリの各エントリに対応する、ことと、
前記複数のビンの前記サブセットごとに、前記第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータの対応する第2のパラメータ値を、前記複数のビンの前記サブセットの各ビンに対応する各エントリの一部として格納することと、
を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のビンの各ビンが各カウントを含んでおり、
前記複数のビンの前記サブセットを選択することが、
前記複数のビンのうちの残りの各ビンの各カウントよりも大きい各カウントをそれぞれ有する、前記複数のビンのうちのn個を識別することであって、nが整数である、ことと、
前記複数のビンのうちの前記n個を、前記複数のビンの前記サブセットとして選択することと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のデータが、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の比率を表す、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のデータを取得するステップが、
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値に基づき、第3のカラーチャネルに関連付けられた第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値にさらに基づく前記第1のデータを取得することを含んでおり、
前記第1の画像領域が、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のデータが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値との間の第1の比率を表す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のデータが、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の第2の比率、又は
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値との間の第3の比率
のうちの少なくとも1つを表す、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルを含む追加の画像領域に関して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルの各値に基づく追加のデータを取得するステップを含んでおり、
前記第2のデータを処理するステップが、前記第2のデータを前記追加のデータと共に処理して前記出力データを生成することを含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の画像領域が、既定のサイズの既定の画像領域であり、前記追加の画像領域が、前記第2の画像領域内にあって、前記第2の画像領域よりも小さい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のデータを取得するステップが、前記第2のデータをルックアップテーブルから取得することを含んでおり、
前記追加のデータを取得するステップが、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに最も近い前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルに関して、及び
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに最も近い前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルに関して、
前記追加のデータを取得することを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記追加のデータを取得するステップが、
前記追加の画像領域内で、前記第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルを識別することと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの飽和していないピクセルを前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルとして使用することと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルとして使用することと、
を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のデータを処理するステップが、
前記第2の画像領域に関する第2のパラメータの第2のパラメータ値、及び
前記追加の画像領域に関する前記第2のパラメータの第2のパラメータ値
の加重和を実行することを含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記出力データの生成後に前記画像の前記少なくとも一部に対してデモザイク処理を実行するステップを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記推定値が前記第1のピクセルの飽和値よりも大きい、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のピクセルのセット、前記第2のピクセルのセット、及び前記第3のピクセルのセットがベイヤーパターンで配置される、請求項13又は請求項13に従属する請求項14~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに隣接する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和していないピクセルであると決定するステップと、
前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが、飽和したピクセルであると決定するステップであって、前記第1の画像領域が前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、ステップと、
前記決定するステップに基づいて、前記第1のデータを使用して前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの強度値を表す、使用するステップと、
を含む、請求項13又は請求項13に従属する請求項14~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和していないピクセルであると決定するステップと、
前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが、飽和していないピクセルであると決定するステップであって、前記第1の画像領域が前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、ステップと、
前記決定するステップに基づいて、前記第1のデータを使用して、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値との間の第1の比率を表す、使用するステップと、
を含む、請求項13又は請求項13に従属する請求項14~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ストレージであって、
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データと、
前記第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値に基づく第1のデータと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値及び前記第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値に基づく第2のデータと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの前記第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データと、
を格納するための、ストレージと、
飽和補正システムであって、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを表す前記画像データの一部を処理して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定することと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、前記第1のデータを取得することと、
前記第1のデータに基づいて、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、前記第2のデータを取得することと、
前記第2のデータを処理して前記出力データを生成することと、
を実行するよう機能する飽和補正システムと、
を備えている、画像処理システム。
【請求項28】
前記画像の前記少なくとも一部を表す出力画像データに対してデモザイク処理を実行するように調整されたデモザイク処理システムを備えており、前記出力画像データが前記出力データを含む、請求項27に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1]本発明は、画像データを処理するための方法及び装置に関連している。
【背景】
【0002】
[2]画像センサは、通常、人間の視覚系によって知覚できるダイナミックレンジよりも小さいダイナミックレンジを有する情景の画像を捕捉することができ、このダイナミックレンジは、例えば、画像内の最も明るいピクセルのピクセル強度と、最も暗いピクセルのピクセル強度の間の比率である。例えば、人間の目は、55dB(デシベル)を超えるダイナミックレンジを知覚することができ、一方、画像センサは、35dB~45dBの範囲内のダイナミックレンジを有することがある。したがって、動きを伴う屋外の情景又は明るい光が存在する夜間の情景などの、高ダイナミックレンジの情景の画像の品質は、リアルタイムでの人間によるそのような情景の知覚と比較して、画像センサによって捕捉された画像では、低下することがある。
【概要】
【0003】
[3]第1の態様によれば、
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データを受信するステップと、
第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを表す画像データの一部を処理して、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定する、処理するステップと、
第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値に基づく第1のデータを取得するステップと、
第1のデータに基づいて、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値に基づく第2のデータを取得するステップと、
第2のデータを処理して、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データを生成する、処理するステップと、
を含む方法が提供されている。
【0004】
[4]画像センサは、通常、強度の制限範囲内の光を検出することができ、この制限範囲は、例えば、明度の制限範囲に対応してもよい。この範囲は、画像センサのダイナミックレンジに対応すると考えられてもよい。画像センサが検出できる最大強度を超える強度値は、同じ最大値に設定される。この設定は、クリッピングと呼ばれることがある。例えば、画像センサは、相対的に長い露光を使用して情景の画像を捕捉し、情景の暗い部分における詳細を捕捉するように、調整されてもよい。しかし、このアプローチでは、情景の明るい部分に対応する画像センサのセンサピクセルが飽和することがある。例えば、情景のこれらの部分の明度が、(例えば、画像センサによって画像に導入される不必要なアーチファクトを補正するための、白バランス補正やレンズシェーディング補正などの、情景を表す画像データの初期処理後に)センサピクセルによって記録できる最大明度を超えることがある。そのような場合、飽和したピクセルのピクセル強度値がクリップされ、情景の明るい部分の詳細が減少することがある。したがって、本明細書の実施例では、飽和は、色(例えば、明るさに比例するエリアの彩度)との関連における飽和ではなく、既定の最大値を超えたピクセル値の飽和を指している。
【0005】
[5]実施例による方法は、飽和したピクセルのより正確な推定値の決定を可能にする。この推定値は、既定の最大強度値であってもよい、クリッピング後の飽和したピクセルの強度値などの、飽和したピクセルの飽和値よりも大きくなることがある。このようにして、画像データのダイナミックレンジを拡張することができ、画像の(例えば、飽和したピクセルに対応する)明るい部分の詳細を改善できる。
【0006】
[6]第2の態様によれば、
ストレージであって、
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データと、
第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値に基づく第1のデータと、
第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値に基づく第2のデータと、
第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データと、
を格納するための、ストレージと、
飽和補正システムであって、
第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを表す画像データの一部を処理して、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定することと、
第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、第1のデータを取得することと、
第1のデータに基づいて、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、第2のデータを取得することと、
第2のデータを処理して出力データを生成することと、を実行するよう機能する飽和補正システムと
を備えている、画像処理システムが提供されている。
【0007】
[7]飽和補正システムは、ハードウェア又はソフトウェア、或いはハードウェア又はソフトウェアの組み合わせにおいて実装されてもよい。例えば、飽和補正システムは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ可読命令のセットとして実装されてもよく、これらのコンピュータ可読命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに、飽和補正システムの方法を実行させる。
【0008】
[8]添付の図面を単に例として参照して行われる以下の説明から、その他の特徴が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例に従って画像データを処理する方法を概略的に示す図である。
図2図2は、図1の方法において使用するためのデータを収集する例示的な方法を説明するフロー図である。
図3図3は、画像のブロックをサブブロックに分割する例を概略的に示す図である。
図4図4は、図3のブロックなどの画像のブロックから取得できる、例示的なヒストグラムを示す図である。
図5図5は、画像の飽和したブロックのデータを収集する例示的な方法を概略的に示す図である。
図6図6は、第1の画像領域の1つのピクセルが飽和している実施例に従って、出力データの生成を概略的に示す図である。
図7図7は、第1の画像領域の1つのピクセルが飽和している実施例に従って、少なくとも2つのパラメータ値に重み付けする例を概略的に示す図である。
図8図8は、第1の画像領域の2つのピクセルが飽和している実施例に従って、出力データの生成を概略的に示す図である。
図9図9は、第1の画像領域の2つのピクセルが飽和している実施例に従って、少なくとも2つのパラメータ値に重み付けする例を概略的に示す図である。
図10図10は、実施例に従って画像処理システムの構成要素を概略的に示す図である。
【詳細な説明】
【0010】
[10]各図を参照して、以下の説明から、実施例によるシステム及び方法の詳細が明らかになる。この説明では、説明の目的で、特定の実施例の多数の具体的な詳細が示される。本明細書における「実施例」又は類似の言葉への参照は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくともその1つの実施例には含まれるが、他の実施例には必ずしも含まれないことを意味している。実施例の基礎になる概念の説明及び理解を簡単にするために、特定の特徴が省略され、及び/又は必然的に簡略化されて、特定の実施例が概略的に説明されることに、さらに注意するべきである。
【0011】
[11]図1は、実施例に従って画像データを処理する方法を概略的に示している。画像データは、画像の少なくとも一部を表し、画像センサ100を使用して捕捉される。画像センサは、通常、センサピクセルのアレイを含み、画像を捕捉するための任意の適切な光センサであってもよい。例えば、標準的なセンサピクセルは、入射光を電子信号又はデータに変換できる光ダイオードなどの、受光素子を含む。センサピクセルは、例えば、電荷結合素子(CCD:charge-coupled device)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide-semiconductor)であってもよい。通常、露光は、画像センサの各センサピクセルによって光が捕捉される期間、及び/又は増幅器によって、各センサピクセルによって生成された電気信号に適用される利得を設定する。したがって、入射光に対する画像センサの感度は、通常、露光によって決定される。図1の実施例では、画像センサ100は、1回の露光を使用して画像データを捕捉するように調整される。例えば、同じ期間の間、又は互いに同じ長さの期間の間、画像センサ100のすべてのセンサピクセルが光を捕捉してもよい。しかし、他の実施例では、本明細書に記載された実施例で使用するための画像センサは、少なくとも2回の異なる露光でセンサピクセルを使用して画像データを捕捉するように調整される、多重露光画像センサであってもよい。
【0012】
[12]例えば、画像データは、画像センサ100によって捕捉された光の少なくとも1つの特性を表す。例えば、画像データは、各センサピクセルによって捕捉された光の強度を表してもよく、この光の強度は、センサピクセルによって捕捉された光子の数に比例してもよい。この強度は、例えば、絶対強度ではなく、単位面積当たりの光の強度の測定値である、捕捉された光の輝度を表してもよい。他の実施例では、画像データは、輝度の知覚に対応すると考えられてもよく、輝度に比例しても比例しなくてもよい、捕捉された光の明度を表してもよい。一般に、画像データは、画像データによって表される画像の見た目を表すために使用されてもよい、任意の測光量又は特性を表してもよい。画像データは、未加工画像形式などの、任意の適切な形式であってもよい。例えば、未加工画像データをファイルに保存せずに、画像データが、フレームバッファに保存されるか、又は保存されずに、画像センサからストリーミングされてもよい。ただし、そのような場合、未加工画像データの処理後に取得された画像データがファイルに保存されてもよい。
【0013】
[13]図1などの実施例では、画像センサ100は、カラーフィルタ素子のパターンを含むカラーフィルタアレイを含む。カラーフィルタ素子は、画像センサ100のセンサピクセルのアレイの各センサピクセルに対応する。例えば、カラーフィルタアレイは、モザイクパターン又は繰返しパターンを形成すると考えられてもよい。通常、カラーフィルタ素子は、特定の色の光が、対応するセンサピクセルに向かって通過することを可能にする。このようにして、カラーフィルタアレイは、センサピクセルのアレイのうちの異なるセンサピクセルが、入射光の異なる色を受信できるように、フルカラー画像の捕捉を可能にする。標準的な光センサは、入射光の波長に対して感受性がないため、カラーフィルタアレイがなければ、標準的なセンサピクセルは、検出された光から色情報を提供することができない。しかし、カラーフィルタアレイを使用して、入射光を、異なる色に対応する異なる波長範囲に分割することによって、それらの異なる波長範囲内の光の強度を確定することができ、この色情報を決定できる。
【0014】
[14]色は任意の範囲の波長の光を指してもよいことが、理解されるべきである。それでも、例えば、カラーフィルタ素子は可視スペクトル内の特定の波長(すべての波長又は実質的にすべての波長など)が下層のセンサピクセルに透過されることを可能にするという意味において、透明又は白色のカラーフィルタ素子が、カラーフィルタ素子であると考えられてもよい。他の実施例では、カラーフィルタ素子の一部又は全部が白色以外のカラーフィルタ素子であってもよい。
【0015】
[15]カラーフィルタ素子のパターンは、カラーフィルタ素子の繰り返しグループで形成されてもよい。カラーフィルタ素子のグループは、例えば、1つの赤色フィルタ素子、1つの青色フィルタ素子、及び2つの緑色フィルタ素子を含んでもよい。したがって、カラーフィルタアレイは、ベイヤーパターンに対応してもよいが、他の実施例では、他のグループが可能である。各グループは、適切な品質のフルカラー画像を取得するために必要なセンサピクセルと一致してもよい。
【0016】
[16]図1による実施例において画像センサ100によって取得される画像は、第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む。したがって、第1のピクセルのセットは、第1のカラーチャネルのカラーフィルタ素子に対応する第1のセンサピクセルのセットによって捕捉されてもよく、第2のピクセルのセットは、第2のカラーチャネルのカラーフィルタ素子に対応する第2のセンサピクセルのセットによって捕捉されてもよい。第1のカラーチャネルは、赤色、緑色、又は青色のうちの1つであってもよく、第2のカラーチャネルは、赤色、緑色、又は青色のうちの異なる1つであってもよい(ただしこれは、限定するよう意図されていない)。さらに別の実施例では、画像センサ100によって取得される画像は、第3のカラーチャネルに関連付けられた第3のピクセルのセットを含んでもよい(第3のカラーチャネルは、第1及び第2のカラーチャネルと異なる赤色、緑色、又は青色のうちの異なる1つなど、第1及び第2のカラーチャネルと異なっていてもよい)。そのような場合、第3のピクセルのセットは、第3のカラーチャネルのカラーフィルタ素子に対応する第3のセンサピクセルのセットによって捕捉されてもよい。第1、第2、及び第3のピクセルのセットの実施例が、図3、6、及び8を参照して、下でさらに説明される。
【0017】
[17]再び図1を参照すると、図1の方法は、データ収集プロセス102を使用してセンサ100によって取得された画像データを処理して、飽和補正で使用するためのデータを取得する(例えば、飽和したピクセルの推定値を取得する)ことを含む。このデータは、本明細書では第2のデータと呼ばれてもよく、図2~5を参照して下で詳細に説明される。
【0018】
[18]図1の方法では、データ収集プロセス102の後に、飽和補正プロセス104が実行される。これについては、図6~9を参照して下でさらに説明される。
【0019】
[19]再正規化プロセス106は、下でさらに説明されているように、飽和補正プロセス104を介して取得された出力画像データを、既定の範囲に対して再正規化するために実行される。
【0020】
[20]その後、デモザイク処理108が実行されて、正規化された出力画像データからフルカラー画像を再構築する。例えば、再正規化された出力画像データは、ピクセル位置ごとに1つのみのカラーチャネルの強度値を含み、一方、デモザイク処理108は、複数の異なるカラーチャネルのうちの各カラーチャネルの強度値を、ピクセル位置ごとに取得できるようにする。例えば、上で説明されたように、標準的な画像センサはセンサピクセルを含んでおり、各センサピクセルは、特定の色のカラーフィルタ素子で覆われている。したがって、通常は、画像センサから出力される各ピクセルも、デモザイク処理108の前に、1つのみのカラーチャネルの強度値を含む。例えば、デモザイク処理108は、(本明細書では、同じピクセルのセットに属していると説明される)同じカラーチャネルの隣接するピクセル間を補間して、例えば異なるピクセルのセットのうちの、異なるカラーチャネルのピクセルに対応する位置などの、それらの隣接するピクセル間の位置の値を取得することを含む。この処理は、各ピクセル位置でカラーチャネルごとに強度値を取得するために、カラーチャネルごとに実行されてもよい。
【0021】
[21]最後に、処理された画像データがディスプレイ110に出力される。
【0022】
[22]図1の方法が単なる例であること、及び簡潔にするために、一部の要素が省略されているか、又は簡略化されていることがあることが、理解されるべきである。例えば、飽和補正プロセス104の前に、画像の品質を改善するために、画像データに対してさらに処理が実行されてもよい。例えば画像は、レンズシェーディングによる悪影響を受けることがあり、レンズシェーディングは通常、画像の明度又は強度を、画像の中心から半径方向に徐々に減少させる。画像のカラーバランスも準最適になることがあり、つまり、画像の色が、画像内の捕捉された情景の色に正確に一致していないことがある。したがって、このさらに処理することは、白バランス調整又はレンズシェーディングを補正するための処理を含んでもよい。
【0023】
[23]ただし、通常は、白バランス及び/又はレンズシェーディングを補正する前に、図1のデータ収集102が実行される(ただし、一部の実施例では、データ収集102は、これらのプロセスのうちの1つ又は両方の後に実行されてもよい)。例えば、ピクセルの値(強度など)が、白バランス及び/又はレンズシェーディングの補正の後に制限されるか、又はクリップされるような値である場合、そのピクセルは、飽和していると考えられてもよい。加えて、ピクセルの値が既定の最大値にすでに制限されているか、又はクリップされている場合も、そのピクセルは、飽和していると考えられてもよい。したがって、ピクセルの値が既定の最大値以上である場合、そのピクセルは、飽和していると考えられてもよい。
【0024】
[24]再正規化プロセス106の後に、画像の品質をさらに改善するため(又は、画像を調整して望ましい視覚効果を得るため)の処理が、さらに適用されてもよい。例えば、色補正プロセス又はガンマ補正プロセスが画像データに適用されてもよい。
【0025】
[25]ここで、図1の特徴がさらに詳細に説明される。
【データ収集】
【0026】
[26]図1のデータ収集プロセス102が、図2~5でさらに説明される。
【0027】
[27]図2は、図1の方法において使用するためのデータを収集する例示的な方法を説明するフロー図である。図2の項目112で、画像センサ100によって捕捉された、画像データによって表すことができる画像がブロックに分割される。画像データによって表された画像は、画像センサ100によって捕捉された情景の全体であってもよく、或いは代わりに、情景の一部又はサブセットを表してもよい。各ブロックは、本明細書では第2の画像領域と呼ばれてもよく、既定のサイズの既定の画像領域であってもよい。例えば、画像のピクセルのアレイは、nピクセル×mピクセルのブロックに分割されてもよく、n及びmは整数である。例えば、画像は、それぞれ33ピクセル×33ピクセルを含むブロックに分割されてもよい。ただしこれは、限定するよう意図されておらず、その他の場合では、第2の画像領域は、方形以外の形状又は不規則な形状などの、その他のサイズ又は形状であってもよい。例えば、第2の画像領域は、画像のエリアを表す有意義な色特性又は色相特性を決定できるようにするための、任意の適切な形状及びサイズであってもよい。
【0028】
[28]ブロック114の例が、図3に概略的に示されている。図3のブロック114は、この例では緑色である、第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット、この例では青色である、第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセット、及びこの例では赤色である、第3のカラーチャネルに関連付けられた第3のピクセルのセットを含む。第1のピクセルのセットのピクセルは、それぞれ「G」のラベルが付けられており、第2のピクセルのセットのピクセルは、それぞれ「B」のラベルが付けられており、第3のピクセルのセットのピクセルは、それぞれ「R」のラベルが付けられている。この例では、カラーフィルタアレイのカラーフィルタ素子、及びしたがって、第1、第2、及び第3のピクセルのセットのピクセルは、一連の繰り返しグループ内に、ベイヤーパターンで配置される。ベイヤーパターン(ベイヤーフィルタモザイクと呼ばれることもある)は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタをセンサピクセルのグリッドに配置するためのカラーフィルタアレイパターンである。ベイヤーパターンは、1つの青色フィルタ素子、2つの緑色フィルタ素子、及び1つの赤色フィルタ素子の繰り返しグループを含む。したがって、ベイヤーパターンのカラーフィルタ素子を含む画像センサ100から取得された画像は、やはり(例えば、1つの青色ピクセル、2つの緑色ピクセル、及び1つの赤色ピクセルの繰り返しグループを含む)ベイヤーパターンで配置されたピクセルを含むことになる。したがって、この例では、各グループは、第1のピクセルのセットの2つのピクセル、第2のピクセルのセットの1つのピクセル、及び第3のピクセルのセットの1つのピクセルを含む。
【0029】
[29]再び図2を参照すると、データ収集プロセスは、項目116で、ブロック内のサブブロックの値を計算することをさらに含む。各サブブロックは、例えば、ピクセルの繰り返しグループのうちの1つのグループである。したがって、その場合、各サブブロックは、第1のピクセルのセットの2つのピクセル、第2のピクセルのセットの1つのピクセル、及び第3のピクセルのセットの1つのピクセルを含む、2ピクセル×2ピクセルのサブブロックである。第2のピクセルのセットのピクセル及び第3のピクセルのセットのピクセルは、第1のピクセルのセットのピクセルのうちの少なくとも1つにそれぞれ隣接してもよい。図3では、3つのサブブロックに、参照番号118a、118b、118cのラベルが付けられているが、ブロックが、図3でラベル付けされているサブブロック以外のサブブロックをさらに含んでもよいことが、理解されるべきである。サブブロックは、任意の形状又はサイズであってもよく、場合によっては、一部のサブブロックは、他のサブブロックと異なる形状及び/又はサイズであってもよい。
【0030】
[30]サブブロックに対して計算される値は、サブブロックの色相に関連している情報を表すか、又は提供してもよい、カラーチャネルのうちの少なくとも1つに関連付けられたパラメータ値、或いはサブブロックに関する別のカラーアピアランスパラメータであると考えられてもよい。したがって、これらの値は、色相統計値と呼ばれてもよい。例えば、色相は、色の見た目を表し、刺激が赤色、緑色、青色、及び黄色の刺激と類似しているか、又は異なっている程度として定義されてもよい。
【0031】
[31]実施例では、サブブロックのパラメータ値を計算することは、サブブロックのピクセルのいずれかが飽和しているかどうかを判定することを含む。どのピクセルも飽和していない場合、サブブロックの各ピクセルを使用して、例えば、第1のピクセルのセットのピクセルの(強度値などの)値、第2のピクセルのセットのピクセルの値、及び/又は第3のピクセルのセットの値に基づいて、パラメータ値を計算できる。図3の例では、パラメータは、2つの異なるカラーチャネルに対応する、2つの異なるピクセルのセット内のサブブロックのピクセルの値間の比率である(ただし、他の実施例では、他のパラメータが計算されてもよい)。したがって、パラメータ値は、これらの比率の値である。したがって、R/B、G/B、G/Rという比率の値が、緑色、青色、及び赤色のピクセルに関して計算されてもよく、「R/B」は、例えば赤色ピクセルの強度と青色ピクセルの強度の間の比率を表し、「G/B」は、例えば緑色ピクセルの強度と青色ピクセルの強度の間の比率を表し、「G/R」は、例えば緑色ピクセルの強度と赤色ピクセルの強度の間の比率を表す。これらの例では、各比率R/B、G/B、及びG/Rは、それぞれ異なるパラメータに対応する。比率R/Bは、赤色チャネル及び青色チャネルに関連付けられていると考えることができ、比率G/Bは、緑色チャネル及び青色チャネルに関連付けられていると考えることができ、比率G/Rは、緑色チャネル及び赤色チャネルに関連付けられていると考えることができる。
【0032】
[32]理解されるであろうように、図3などの例では、サブブロック118a、118b、118cは、同じピクセルのセットのうちの2つのピクセル(すなわち、同じカラーチャネルに対応する2つのピクセル)を含んでもよい。そのような場合、このカラーチャネルに対応する値を使用する比率は、さまざまな異なる方法で計算されてもよい。例えば、図3では、各サブブロック118a、118b、118cは、それぞれ第1のピクセルのセットに属する2つの緑色ピクセルを含む。この場合、G/B及びG/Rの比率は、2つのG/Bの比率及び2つのG/Rの比率(2つの緑色ピクセルのピクセルごとに1つ)を計算し、平均をとることによって計算されてもよい。代替として、G/B及びG/Rの比率は、例えば、最大(又は最小)強度値を有する緑色ピクセルを使用して、特定のサブブロックに対して計算されてもよい。
【0033】
[33]場合によっては、サブブロックが少なくとも1つの品質基準を満たすことが決定された場合に、パラメータ値が計算されてもよい。例えば、品質基準は、平均強度(mean intensity)などの、サブブロックのピクセルの平均強度(average intensity)に基づいてもよい。平均強度がしきい値強度以上である場合に、パラメータ値が計算されてもよい。そうでない場合、サブブロックは、破棄されてもよく、又はさらに処理されなくてもよい。
【0034】
[34]再び図2を参照すると、次に、項目120で、項目116で計算されたパラメータ値を使用してヒストグラムが生成されてもよい。ヒストグラムは、パラメータ値の各範囲にそれぞれ関連付けられた、複数のビンを含んでもよい。図4は、ヒストグラム122の例を示している。図4のヒストグラム122はB/Rの比率のヒストグラムであるが、他の実施例では、下でさらに説明されているように、他の比率などの他のパラメータのヒストグラムが、代替的又は追加的に生成されてもよい。ヒストグラム122の各ビンは、比率B/Rの値の異なる範囲に対応する。
【0035】
[35]図4のヒストグラムなどのヒストグラムは、反復的に生成されてもよい。例えば、ヒストグラム122に対応するパラメータのパラメータ値の計算後に、計算されたパラメータ値に対応するヒストグラム122のビンが識別されてもよい。次に、そのビンのカウントがインクリメントされてもよい。
【0036】
[36]実施例では、特定のサブブロックに関して、他のパラメータのパラメータ値が格納されてもよい。例えば、図4では、ヒストグラム122に格納されたパラメータはB/Rの比率である。ただし、G/B及びG/Rの比率の値が格納されてもよい。最低強度のカラーチャネル(例えば、飽和する可能性が最も低いカラーチャネル)の値などの、他のパラメータの値が格納されてもよい。格納される各値は、当該のサブブロックのパラメータ値に対応するヒストグラム122のビンに関連付けられてもよい。サブブロックが、ヒストグラム122の第10のビンに対応するB/Rの比率を有することが識別された場合、第10のビンのカウントをインクリメントし、G/B及びG/Rの比率を累算し、最低強度のカラーチャネルの値(この場合は、強度値)を累算するように、ヒストグラム122が更新されてもよい。これは、例えば次のように要約されてもよい。
BR(10,:)=QBR(10,:)+[1 G/R G/B B]
ここで、青色が最低強度のカラーチャネルであり、QBR(10,:)は第10のビンに関連付けられたヒストグラムのエントリを表す。
【0037】
[37]この手順が、すべてのピクセルが飽和していないブロック114のサブブロックごとに繰り返されて、特定のパラメータ(この場合は、B/Rの比率)のカウント数の分布を取得してもよい。このようにして、B/Rの比率値の特定の範囲に関連付けられた他のパラメータ値の合計が取得されてもよい。これによって、その後、下でさらに説明されているように、例えば飽和補正のために、B/Rの比率値のこの範囲に関連付けられたパラメータ値を取得することが可能になる。
【0038】
[38]実施例では、飽和補正の柔軟性を実現するために、複数の異なるパラメータごとに、別々のヒストグラムが格納されてもよい。例えば、画像が3つのカラーチャネルを含む場合、B/Rの比率のビンで表されるヒストグラム、G/Rの比率のビンで表されるヒストグラム、及びG/Bの比率のビンで表されるヒストグラムという3つのヒストグラムが作成されてもよい。例えば、特定のサブブロックが、ヒストグラム122の第10のビンに対応するB/Rの比率を有する場合、前述したように、第10のビンのカウントをインクリメントし、G/B及びG/Rの比率を累算し、サブブロックの最低強度のカラーチャネルの値(この場合は、強度値)を累算するように、ヒストグラム122が更新されてもよい。ただし、その同じサブブロックに関して、G/Bの比率の第2のヒストグラムが、G/Bの比率に対応する第2のヒストグラムのビンを識別し、このビンのカウントをインクリメントし、サブブロックのR/B及びG/Rの比率を累算し、最低強度のカラーチャネルの値を累算することによって、更新されてもよい。同様に、G/Rの比率の第3のヒストグラムが、サブブロックのG/Rの比率に対応する第3のヒストグラムのビンを識別し、このビンのカウントをインクリメントし、サブブロックのR/B及びG/Bの比率を累算し、最低強度のカラーチャネルの値を累算することによって、更新されてもよい。
【0039】
[39]ブロック114のサブブロックを処理して1つ又は複数のヒストグラムを生成した後に、ヒストグラムに格納されたデータの量が相対的に大きくなることがある。ストレージ要件を減らすために、図2の方法は、項目124で、ヒストグラム(図4のヒストグラム122など)の複数のビンのサブセットを選択して格納することをさらに含む。複数のビンのサブセットを選択することは、複数のビンのうちの残りの各ビンの各カウントよりも大きい各カウントをそれぞれ有する、複数のビンのうちのn個を識別し、それらのn個のビンをサブセットとして選択することを含んでもよい(nは整数である)。したがって、この選択することは、最高の各カウントを有するn個のビンなどの、ヒストグラム122の最も量の多いn個のビンを識別することを含んでもよい。サブセット内のビンの数は、本明細書に記載された方法を実装するために画像処理システムの一部として使用できるストレージによって決まってもよい。一例として、最高の5つのカウントを有する5つのビンが格納されてもよいが、他の実施例では、その他の数のビンが格納されてもよい。
【0040】
[40]ビンのサブセットのカウントは、通常、ヒストグラムのそのビンに対応する他のパラメータの値と共に格納される。例えば、B/Rの比率のヒストグラムの第10のビンが、格納されるビンのサブセット内にあると識別された場合、B/Rの比率のヒストグラムの第10のビンに関連付けられた、G/B及びG/Rの比率の累算値並びに青色チャネルのピクセルの強度の累算値が、格納されてもよい。ただし、実施例では、累算値ではなく、G/B及びG/Rの比率の平均値並びに最低強度のカラーチャネルの平均強度が格納される。
【0041】
[41]一例として、B/Rの比率によって格納されるエントリの最高のカウントを有する5つのビンを表すビンm、m+1、m+2、m+3、m+4、m+4(m、m+1、m+2、m+3、m+4、m+4は、必ずしも連続するビンでなくてもよく、ビン番号で順序付けられなくてもよい)の場合、ルックアップテーブルに、次のデータが入力されてもよい。
【表1】

ここで、
【数1】

は、第mのビンに含まれるB/Rの比率値を有するサブブロックのG/Bの比率の平均値を表し、
【数2】

は、第mのビンに含まれるB/Rの比率値を有するサブブロックのG/Rの比率の平均値を表し、
【数3】

は、第mのビンに含まれるB/Rの比率値を有するサブブロックのBの平均値を表す。
【0042】
[42]G/B及びG/Rの比率に関して、同様のルックアップテーブルが生成されてもよい。G/Bの比率に対応するルックアップテーブルの場合、G/B及びG/Rの比率の平均値の代わりに、B/R及びG/Rの比率の平均値が格納されてもよい。同様に、G/Rの比率に対応するルックアップテーブルの場合、G/B及びG/Rの比率の平均値の代わりに、B/R及びG/Bの比率の平均値が格納されてもよい。
【0043】
[43]複数の異なる各パラメータに対応するヒストグラムなどの、複数のヒストグラムが生成される実施例では、ストレージ要件をさらに減らすように、ビンのサブセットが、各ヒストグラムから格納のために選択されてもよい。
【0044】
[44]上で説明されたように、格納のために選択された値は、ルックアップテーブル又は特定の値の取得を可能にするその他のデータ形式で格納されてもよい。このようにして、その後、下で説明されているように、飽和補正プロセスの一部として、それらの値が取得されてもよい。
【0045】
[45]上で説明された例では、サブブロックのどのピクセルも飽和していない。そのため、サブブロックの各ピクセルを使用してパラメータ値を計算することができる。しかし、場合によっては、サブブロックのピクセルのうちの少なくとも1つが飽和していることがある。そのような場合、飽和したピクセルが関連付けられたカラーチャネルに関連付けられたパラメータは、画像センサによって測定可能な最大強度値を超える強度値を有する飽和したピクセルに起因して、それらのパラメータの値が制限される可能性が高いため、サブブロックの色相に関する限定的な情報を提供することがある。このことを考慮して、代わりに方法は、サブブロックの飽和していないいずれかのピクセル間の比率を計算することを含んでもよい。
【0046】
[46]例えば、サブブロックの2つの緑色ピクセルが両方とも飽和している場合、B/Rの比率が計算されてもよく、最低強度のカラーチャネルが青色チャネル又は赤色チャネルである場合、最低強度のカラーチャネルの値が計算されてもよい。G/B及びG/Rの比率の計算は省略されてもよく、G/B及びG/Rのヒストグラムは更新されなくてもよい。その場合、B/Rの比率のヒストグラムは、計算されたB/Rの比率が存在するビンのカウントをインクリメントし、このビンに関連付けられたB値を累算するように、更新されてもよい。B/Rの比率のヒストグラムのこのビンに関連付けられたG/B及びG/Rの比率は、インクリメントされなくてもよい(又は、0の値でインクリメントされてもよい)。
【0047】
[47]さらに別の実施例では、サブブロックのカラーチャネルのうちの2つが飽和していることがある。そのような場合、2つの異なるカラーチャネルの値間の比率は、値のうちの少なくとも1つが飽和した値であるため、限定的な情報を提供することがある。そのような場合、代わりに、ブロックのサブブロックの飽和していないピクセルの強度のヒストグラムが生成されてもよい。例えば、カラーチャネルごとに、別々の強度のヒストグラムが生成されてもよい。そのような場合、前述したように、ルックアップテーブルが生成されてもよいが、例えばカラーチャネルごとに、比率値ではなく、ヒストグラムの最高の平均強度値を有するn個のビンの平均強度値を格納する(又は、それらのn個のビンのゼロ以外の値を有する平均強度値に加えて、比率値のヌル又は0の値を格納することによる)。
【0048】
[48]飽和していないピクセルを使用できるパラメータの値を取得することによって、ブロックから取得される色相情報が増やされてもよい。
【0049】
[49]場合によっては、サブブロックは、飽和していないピクセルを含んでいないことがある。そのような場合、そのサブブロックに関する情報は格納されなくてもよい。代替として、飽和したサブブロックと呼ばれることがあるそれらのサブブロックに関して、異なるパラメータが格納されてもよい。例えば、そのようなサブブロックに関して、カラーチャネル(又は、カラーチャネルのサブセット)ごとの平均強度値が格納されてもよい。そのようなサブブロックに関して、カラーチャネル又はカラーチャネルのサブセットごとの強度値のヒストグラムが生成されてもよい。このヒストグラムのビンのすべて又はサブセットが格納され、その後、使用されてもよい。
【0050】
[50]ブロックが、少なくとも1つの飽和していないピクセルを含む少なくとも1つのサブブロックを含む実施例では、前述したように、データが収集されてもよい。ただし、他の実施例では、すべてのサブブロックが飽和したサブブロックであってもよい。これは、ブロックが情景の特に明るい部分に対応する場合であってもよい。そのような場合、そのブロックのデータは、他のブロックなどの、画像の他の領域に基づいて取得されてもよい。図5は、その例を示している。
【0051】
[51]図5で、ブロック126は、飽和していないサブブロックを含んでいない飽和したブロックである。言い換えると、ブロック126のピクセルのすべてが飽和したピクセルである。ブロック126の色相を表すデータを取得するために、図5による方法は、ブロック126の隣接するブロック128のデータを処理して、隣接するブロック128が色相においてブロック126に十分類似しているかどうかを判定することを含んでもよい。例えば、隣接するブロック128のうちの隣接するブロックのデータは、カラーチャネルの一部又は全部に関する、隣接するブロックの平均強度を表すデータであってもよい。このデータは、ブロック126の対応するカラーチャネルの平均強度と比較されてもよい。その後、ブロック126に最も類似する強度値を有する隣接するブロックのデータが、ブロック126を表すデータとして使用されてもよい。これは、例えば、ブロック126の特定のカラーチャネルの平均強度と、隣接するブロックの特定のカラーチャネルの平均強度との間の差が、しきい値差以下であり、ブロック126及び隣接するブロックが、画像の類似する色相のエリアを表すことを示唆している場合であってもよい。そうでない場合、隣接するブロック128のうちの1つだけブロック126から離れたブロック130などの、増加したブロックのデータが処理されて、それらのブロック130のいずれかが、それらのブロック130のデータをブロック126の失われたデータの代わりに使用できるほど、色相においてブロック126に十分類似しているかどうかを識別してもよい。このプロセスは、ブロック126を表すのに適したデータが識別されるまで、又は検索領域のサイズが既定のサイズ以上になるまで、検索領域を徐々に増やして、増大されてもよい。検索領域のサイズが既定のサイズ(ブロック126に局在していると考えることができなくなり、したがってブロック126の色相を正確に表している可能性が低いサイズなど)以上になった場合は、ブロック126を表すために、デフォルトのデータが使用されてもよい。例えば、デフォルトのデータは、画像の灰色又は白色の領域に対応するパラメータ値を表してもよい。
[飽和補正-飽和した1つのピクセル]
【0052】
[52]画像のブロックのデータを取得した後に、例えば図2~5を参照して説明されたように、飽和補正プロセスが実行されてもよい。第1の画像領域の1つのピクセルが飽和している実施例に関して、図6及び7を参照して、飽和補正プロセスの例が説明される。
【0053】
[53]図6は、図3に示された画像のブロック114を示しており、図2~5で説明されたように、このブロック114からデータが収集された。ブロック114は、飽和したピクセルである、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132を含む。例えば、ブロック114を表すか、又は(ブロック114を含む)複数のブロックを表す画像データなどの、画像の少なくとも一部を表す画像データが、飽和補正プロセスの一部として処理されてもよい。第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132を表す画像データの一部が処理されて、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132が飽和したピクセルであると決定してもよい。この処理は、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132の強度値を最大強度値と比較することを含んでもよく、強度が、画像センサが検出できる最大強度を超えた場合、強度値がこの最大強度値に設定されるか、又は限定されてもよい。他のピクセルを表す画像データの他の部分の処理が実行されて、ブロック114の飽和しているピクセルを識別してもよい。この処理は、異なる各カラーチャネルに関連付けられたピクセルに対して、別々に実行されてもよい。例えば、画像データが処理されて、第1、第2、及び第3のピクセルのセットのうちの飽和しているピクセルを識別してもよい。
【0054】
[54]図6では、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132は、第1の画像領域134内にある。図6の第1の画像領域134は、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136も含む。この実施例では、第1の画像領域134は、第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル138も含む。しかし、他の実施例では、第1の画像領域134は、第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル138を含まなくてもよい。同様に、図6では、第1の画像領域134が第2及び第3のピクセルのセットのうちの追加の第1のピクセル136’、138’を含むが、他の実施例では、第1の画像領域134は、それらの追加のピクセルを含まなくてもよい。第1の画像領域134は、第1のピクセル132を囲んでいるか、又は含む画像領域であると考えられてもよい。したがって、第1の画像領域134は、第1のピクセル132に局在しており、したがって、第1のピクセル132の近隣の領域又は近接している領域内の色相を表している、画像のエリア又は領域であると考えられてもよい。第1の画像領域134は、別のピクセルが介在せずに、第1のピクセル132に隣接するか、又は第1のピクセル132の隣にある、少なくとも1つのピクセルを含んでもよい。例えば、第1のピクセル132は、繰返しパターンのグループ(2ピクセル×2ピクセルのベイヤーグループなど)のうちのグループに属しており、第1の画像領域134は、第1のピクセル132を含むグループの少なくとも1つのピクセルを含んでもよい。
【0055】
[55]実施例では、第1の画像領域134内の飽和したピクセルの数が決定される。第1のピクセル132の飽和を補正するために適用される処理は、第1の画像領域134内の飽和したピクセルの数によって決まってもよい。
【0056】
[56]図6の実施例では、第1のピクセル132は、第1の画像領域134内の唯一の飽和したピクセルであり、第1の画像領域134の他のピクセル136、138、136’、138’は飽和していない。したがって、第1の画像領域134は、単一のカラーチャネル(緑色チャネル)がクリップされるか、又は飽和している領域であると考えられてもよい。
【0057】
[57]次に、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136の値に基づく第1のデータが取得されてもよい。図6の実施例では、第2のピクセルのセット及び第3のピクセルのセットの両方の第1のピクセル136、138が飽和していないため、第1のデータは、第2のピクセルのセット及び第3のピクセルのセットの両方の第1のピクセル136、138の値に基づく。ただし、他の実施例(後で説明される)では、第1のデータは、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136の値のみに基づいてもよい。
【0058】
[58]そのような方法は、第1の画像領域134内で、第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別し、第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136として使用することを含んでもよい。例えば、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136及び追加の第1のピクセル136’が、両方とも飽和していないと識別された場合、それらのピクセルのいずれかが第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136として使用されてもよい。しかし、それらのピクセルのうちの1つが飽和しておらず、他のもう1つのピクセルが飽和している場合、それらのピクセルのうちの飽和していないピクセルが第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルとして選択されてもよい。
【0059】
[59]例えば、第1のデータは、第1の画像領域134の第1のパラメータの第1のパラメータ値を表してもよく、第2のカラーチャネルに関連付けられてもよい。第1のピクセル134が第1の画像領域134内の唯一の飽和したピクセルである実施例では、第1のパラメータは、例えば、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル136の値と第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル138の値の間の第1の比率(B/Rと表されてもよい)である。ただし、他の実施例では、第1の画像領域134の色相を表す他のパラメータなどの、その他の第1のパラメータが可能である。第1のパラメータとしての第1の比率の使用は、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルが飽和していないピクセルであることの決定に基づいてもよい。他の実施例では、第1のパラメータは、第1の画像領域134の異なる特性を表してもよい。
【0060】
[60]上で説明されたように、図6の実施例では、第1のピクセル136、138、136’、138’はすべて飽和していないピクセルである。したがって、第1の画像領域134の第1の比率を計算する可能な方法は、複数存在する。例えば、第1の比率は、第2のセットの第1のピクセル136の強度値と第3のセットの第1のピクセル138の強度値との間の比率、第2のセットの第1のピクセル136の強度値と第3のセットの追加の第1のピクセル138’の強度値との間の比率、第2のセットの追加の第1のピクセル136’の強度値と第3のセットの第1のピクセル138の強度値との間の比率、第2のセットの追加の第1のピクセル136’の強度値と第3のセットの追加の第1のピクセル138’の強度値との間の比率、第2のセットの第1のピクセル136及び追加の第1のピクセル136’の強度値の合計と第3のセットの第1のピクセル138及び追加の第1のピクセル138’の強度値の合計との間の比率、又はこれらの比率のいずれかの間の平均として、計算されてもよい。実施例では、ピクセルの可能な対(1つのピクセルが第2のセットに属し、もう1つのピクセルが第3のセットに属する)ごとに、強度値の合計が計算され、第1の比率が、最大の合計値を有するピクセルの対に関する、第2のセットのピクセルの強度値と第3のセットのピクセルの強度値との間の比率として選択される。
【0061】
[61]第1のデータに基づいて、第2の画像領域に関して、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値に基づく第2のデータが取得されてもよい。第2の画像領域は、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルを含む。図6の実施例では、第2の画像領域はブロック114に対応し、第2のデータは、ブロック114を表す、あらかじめ収集されたデータに基づく。ブロック114を表すデータは、図2~5を参照して前述されたように、収集されてもよい。このデータは、上で説明されたように、ルックアップテーブルに格納されてもよい。
【0062】
[62]そのような実施例では、第2のデータは、第1のデータに基づいてルックアップテーブルから取得されてもよい。例えば、第1のデータは第1の比率(図6の実施例では、第1の画像領域134のB/Rの比率)を表し、第1の比率に対応するエントリを識別するために、ルックアップテーブルが検索されてもよい。例えば、ルックアップテーブルは、第2の画像領域114に関する第1のパラメータの第1のパラメータ値のセットのうちの各第1のパラメータ値に対応するエントリを含んでもよい(例えば、第1のパラメータは第1の比率である)。言い換えると、ルックアップテーブルは、第2の画像領域114の各ピクセルの値に基づくなど、第2の画像領域114に基づいて作成されていてもよい。例えば、ルックアップテーブルの各エントリは、各エントリが第1の比率の値の特定の範囲に対応するように、第1の比率のヒストグラムのビンと一致してもよい。第2のデータは、第1のデータによって表された第1のパラメータ値に最も近い値を有する第1のパラメータ値のセットのうちの1つに対応する、ルックアップテーブルのエントリを識別することによって、ルックアップテーブルから取得されてもよい。
【0063】
[63]上で説明されたように、ルックアップテーブルは、第2の画像領域に関して、複数のビンを含むヒストグラムを生成することによって、生成されていてもよく、それらの各ビンは、第1のパラメータ値の各範囲に関連付けられる。複数のエントリの各エントリにそれぞれ対応している、複数のビンのサブセットが、ヒストグラムから選択されてもよい。複数のビンのサブセットごとに、第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータの対応する第2のパラメータ値が、複数のビンのサブセットの各ビンに対応する各エントリの一部として格納されてもよい。したがって、ルックアップテーブルは、値の可能性のあるすべての範囲ではなく、第1のパラメータの値の範囲のサブセットを含んでもよい。例えば、ルックアップテーブルは、第1のパラメータの値の第1の範囲に対応する第1のエントリ、及び値の第1の範囲と値の第2の範囲の間にギャップがあるなど、値の第1の範囲と不連続である、第1のパラメータの値の第2の範囲に対応する第2のエントリを含んでもよい。第1の画像領域134の第1の比率が、値の第1の範囲と値の第2の範囲の間のギャップにある値を有している場合、例えば、第1の比率の値が、値の第1の範囲又は値の第2の範囲のどちらに近いかに応じて、第1のエントリ又は第2のエントリのいずれかが取得されてもよい。ただし、他の実施例では、第1の比率は、第1の範囲内又は第2の範囲内にあってもよい。そのような場合、第1のエントリ又は第2のエントリが、それぞれ取得されてもよい。
【0064】
[64]第1の比率は、飽和している第1のピクセル132を囲んでいるか、又は隣接している局所的エリアの色相特性を表していると考えられてもよい。したがって、第1の画像領域134に関する第1の比率の値に類似する第1のパラメータ値を含むルックアップテーブルからのデータは、第1の画像領域134に類似する色相特性を有する画像部分を表してもよい。これによって、飽和補正プロセスの精度を改善することができる。
【0065】
[65]実施例のルックアップテーブルは、第1の比率(実施例では、第1のパラメータに対応すると考えられてもよい)の値の範囲に対応するエントリを含む。この実施例では、第1の比率はB/Rである。しかし、実施例におけるルックアップテーブルは、各B/Rのエントリ(ルックアップテーブルの基になるヒストグラムの各ビンに対応する)に関連付けられた他の値も含む。例えば、ルックアップテーブルは、前述したG/B又はG/Rの比率などの、第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータを含んでもよい。そのような場合、第2のパラメータの第2のパラメータ値は、ルックアップテーブルから第2のデータとして取得されてもよい。例えば、第2のパラメータ値は、第1のパラメータ値のセットのうちの1つに関連付けられてもよく、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値、及び第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセル又は第3のピクセルのセットのうちの第2のピクセルのうちの少なくとも1つの値に基づいてもよい。例えば、第2のパラメータ値は、第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値と第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値との間の比率(G/Bの比率などであり、第2の比率と呼ばれてもよい)、又は第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値と第3のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値との間の比率(G/Rの比率などであり、第3の比率と呼ばれてもよい)を表してもよい。
【0066】
[66]理解されるであろうように、G/B及びG/Rの比率は、第1の画像領域134に関して計算されたB/Rの比率に最も近いルックアップテーブルの値の範囲内に含まれるB/Rの比率を有するブロック114のサブブロックの、平均比率であってもよい。したがって、第1、第2、及び第3のピクセルのセットのうちの第2のピクセルは、G/B及び/又はG/Rの比率を取得するために使用されたこれらのサブブロックのうちのいずれかのピクセルであってもよい。
【0067】
[67]前述したように、ルックアップテーブルは、第2の画像領域内の第1のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値、及び第2の画像領域内の第2のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値に基づいて、第2の画像領域(ブロック114など)に関して生成されてもよい。第1及び/又は第2のピクセルのセットのうちの複数のピクセルの各ピクセルは、それぞれ飽和していないピクセルであってもよい。例えば、G/B及び/又はG/Rの比率は、飽和したピクセルを含んでいない1つ又は複数の飽和していないサブブロックに関して取得されてもよい。したがって、方法は、第2の画像領域内で、第1のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別することと、第1のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルとして使用することと、第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルとして使用することとを含んでもよい。
【0068】
[68]第2のデータを取得した後に、第2のデータが処理されて、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132の第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データを生成してもよい。したがって、推定値は、第1のピクセル132を含むブロック114の色相特性を表すことができるルックアップテーブルから取得された第2のデータに基づいて取得されてもよい。このようにして、このような方法は、画像の飽和していないエリア(この実施例では、ブロック114に対応する第2の画像領域の飽和していないピクセル)の色相間の相関関係を利用して、飽和したピクセルである第1のピクセル132の値を外挿してもよい。例えば、第2のデータは、第2の画像領域の色相特性の統計的測定値を表す。したがって、画像センサ100のダイナミックレンジを超えて、画像のダイナミックレンジを拡張することができる。
【0069】
[69]図6の実施例などの他の実施例では、方法は、少なくとも1つの追加の画像領域に関する追加のデータを取得することをさらに含んでもよい。図6では、追加のデータは、4つの追加の画像領域140a、140b、140c、140d(まとめて、参照番号140を使用して参照される)に関して取得される。ただし他の実施例では、追加のデータは、4つより多い又は少ない画像領域に関して取得されてもよい。さらに、図6では4つの追加の画像領域140a、140b、140c、140dが互いに隣接していないが、他の実施例では、追加の画像領域のうちの少なくとも一部が互いに隣接してもよく、したがって、連続する画像領域を形成してもよい。追加の画像領域は、通常、第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルを含み、第3のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルを含んでもよい。例えば、追加のデータは、ピクセルの追加のセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルの各値に基づき、第3のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルの各値に基づいてもよい。
【0070】
[70]追加のデータが取得される追加の画像領域は、第2のデータの基になる第2の画像領域より小さくてもよい。例えば、第2のデータは、第1のピクセル132を含むより大きい画像部分のより一般的な色相特性を表すと考えられてもよく、一方、(追加の画像領域に基づく)追加のデータは、第1のピクセル132により局在するより小さい画像部分のより局在的な色相特性を表してもよい。例えば、第2の画像領域は、既定のサイズの既定の画像領域(図6のブロック114など)であってもよく、一方、追加の画像領域は、固定されたサイズも既定のサイズも有さなくてもよいが、それでも、第2の画像領域より小さくてもよい。追加の画像領域は、第2の画像領域内にあってもよく、したがって、第2の画像領域の下位部分を表してもよい。出力データにおいて、画像内のより短い距離尺度及びより長い距離尺度の両方で色相特性を考慮するように、第2のデータが追加のデータと共に処理されて、出力データを生成してもよい。したがって、第2のデータは、画像のブロックを表す収集された統計値を表すと考えられてもよく、追加のデータは、局所的統計値を表すと考えられてもよい。
【0071】
[71]第2のデータは、前述したように、ルックアップテーブルから取得されてもよい。追加のデータは、ルックアップテーブル(第2の画像領域より小さい画像領域に関するルックアップテーブルなど)から取得されてもよい。ただし、図6の実施例などの実施例では、追加のデータは、ルックアップテーブルからではなく、画像データから取得されてもよい。
【0072】
[72]追加のデータは、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132に最も近い第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルに関して、及び第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132に最も近い第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルに関して、取得されてもよい。言い換えると、追加のデータは、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132に最も近いか、又は隣接するピクセル、或いは第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132から既定の距離内にあるピクセルに関して、取得されてもよい。図6の実施例では、追加の画像領域140a、140b、140c、140dはそれぞれ、4つのピクセルのグループに対応し、図6のブロック114は4つのピクセルの繰り返しグループを含む。例えば、追加の画像領域はそれぞれ、図3に示されたサブブロック118a、118b、118cなどのサブブロックであってもよい。図6からわかるように、追加の画像領域140a、140b、140c、140dはそれぞれ、第1のピクセルのグループの第1のピクセル132を含む4つのピクセルのグループに隣接している。
【0073】
[73]追加のデータを取得するために、方法は、追加の画像領域内で、第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセル及び第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルを識別することを含んでもよい。第1及び第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルが、第1及び第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルとしてそれぞれ使用されてもよい。同様に、方法は、追加の画像領域内で、第3のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルを識別すること、及び第3のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルを使用することを含んでもよい。例えば、図6では、第1のピクセル132を含むピクセルのグループに隣接する4つのピクセルの4つの他のグループが存在している。ただし、この実施例では、これらの他の各グループは、第1のピクセルのセットのうちの飽和したピクセル及び/又は第2のピクセルのセットのうちの飽和したピクセルを含む。したがって、この実施例では、これらの他のグループは追加のデータの計算に使用されない。
【0074】
[74]追加の画像領域140に関して、第1のパラメータの第1のパラメータ値(例えば、前述したように、第2のデータをルックアップテーブルから取得するために使用される)が計算されてもよい。例えば、第1のパラメータがB/Rの比率である場合、B/Rの比率の値が、図6の追加の画像領域140ごとに計算されてもよい(この場合、追加の画像領域140のどのピクセルも飽和していないことが決定されているため)。追加の画像領域140に関して、第2のパラメータ(例えば、G/Bの比率又はG/Rの比率)の第2のパラメータ値が計算されてもよい。このような実施例では、第2のデータは、第2の画像領域(図6の実施例では、ブロック114)に関する第2のパラメータの第2のパラメータ値を表してもよく、追加のデータは、追加の画像領域(図6の追加の画像領域140のうちの1つなど)に関する第2のパラメータの第2のパラメータ値を表してもよい。第2のデータを追加のデータと共に処理して出力データを生成することは、第2の画像領域及び追加の画像領域に関して、第2のパラメータ値の加重和を実行することを含んでもよい。このようにして、収集された統計値は、局所的統計値とマージされてもよい。これが、図7に概略的に示されている。
【0075】
[75]図7は、第1のパラメータ(この例では、第1の比率B/R)の値による加重関数142の例示的な変化を示している。y軸144は加重関数142の値を示し、x軸146はB/Rの比率の値を示す。加重関数142は、第1のデータ148によって表されるB/R値で最大値(1)を取り、この実施例では、第1のデータ148は、図6の第1の画像領域134に関して計算された第1の比率(B/R)である。このB/R値は、B/Ractualとして参照されてもよい。また、第2のデータ150に対応するB/R値が図7に示されており、前述したように、第2のデータ150をルックアップテーブルから取得できるため、第2のデータ150に対応するB/R値は、B/Rlookupとして参照されてもよい。例えば、B/Rlookupは、B/Ractualに最も近いルックアップテーブルのB/R値である。同様に、追加のデータ152a、152b、152c、152dの第4のセットのそれぞれによって表されたB/R値も、図7に示されており、B/Radjacentとして参照されてもよい。したがって、B/Radjacentは、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132を含むピクセルのグループに隣接するピクセルのグループのB/R値を表す。図7に示されているB/R値ごとに、各加重値が取得されてもよい。
【0076】
[76]その後、ルックアップテーブルから取得された第1のパラメータ値に対応するサブブロック(又は画像領域)の第2のパラメータ値が、追加の画像領域ごとに取得されてもよい。次に、これらの第2のパラメータ値の加重和が実行されて、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル132の推定値を取得してもよい。例えば、加重和Sが次のように実行されてもよい。
【数4】

ここで、wは加重関数142から取得された重みを表し、下付き文字「adjacent1」、「adjacent2」、「adjacent3」、「adjacent4」は、これらの下付き文字が付けられた値が追加の画像領域140a、140b、140c、140dそれぞれに基づいて(例えば、追加のデータから)取得されたことを示し、下付き文字「lookup」は、この下付き文字が付けられた値が第2の画像領域に基づいて(例えば、第2のデータから)取得されたことを示している。この実施例では、加重和Sの式の右辺が、例えば重みの合計値で割ることによって、正規化されてもよいことが、理解されるべきである。
【0077】
[77]同様の加重和Sが、G/BではなくG/Rに基づいて、異なる第2のパラメータに関して、例えば次のように取得されてもよい。
【数5】
【0078】
[78]加重和Sの式に関しては、加重和Sの式の右辺が、例えば重みの合計値で割ることによって、正規化されてもよいことが、理解されるべきである。
【0079】
[79]このようにして、G/Bの比率に基づく加重和及びG/Rの比率に基づく加重和という、2つの異なる加重和の値が取得されてもよい(ただし、場合によっては、これらの加重和のうちの1つのみが計算されてもよい)。これらの加重和の値は、第1の画像領域134に関する第2のパラメータ値の推定値に対応すると考えられてもよい。このことから、第1のピクセル132の推定値は、(第1の画像領域134内の)第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び/又は第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルに基づいて取得されてもよい。
【0080】
[80]例えば、加重和Sに基づいて、第1のピクセル132の強度値の第1の推定値Gが次のように取得されてもよい。
=S
ここで、Bは、第1の画像領域134内の第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの強度値を表す(第1のピクセル136又は追加の第1のピクセル136’、或いはこれらのピクセルの両方の平均強度値など)。
【0081】
[81]同様に、第1のピクセル132の強度値の第2の推定値Gが、加重和Sから次のように取得されてもよい。
=S
ここで、Rは、第1の画像領域134内の第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの強度値を表す(第1のピクセル138又は追加の第1のピクセル138’、或いはこれらのピクセルの両方の平均強度値など)。
【0082】
[82]最後に、第1のピクセル132の推定値は、G又はG或いはG及びGの組み合わせ(平均値など)のうちの最大値として選択されてもよい。第1のピクセル132の推定値は、出力データによって表されてもよい。最初に受信された画像データは、更新された画像が飽和補正後の画像を表すように、出力データに基づいて更新されてもよい。
【0083】
[83]飽和補正プロセスは、画像の飽和したピクセルのそれぞれ又はサブセットに対して実行されてもよい。その後、さらに処理が画像に適用されてもよい。例えば、このようにして飽和を補正した後に、再正規化プロセス106が画像に適用されてもよい。
【0084】
[84]第1のピクセル132の推定値は、第1のピクセル132の飽和値より大きくてもよく、例えば既定の最大値に制限されてもよい。したがって、これによって、更新された画像データによって表される強度値の範囲が、その後の画像処理動作が許容するように調整されている既定の範囲を超えて、増えることがある。例えば、追加の画像処理動作は、ピクセルの強度値が0~1の範囲内であるという仮定に基づくことがある。しかし、第1のピクセル132の推定値は、1より大きい強度値を有してもよい。
【0085】
[85]そのような場合、再正規化プロセス106が実行され、強度値の許容範囲内になるように推定値の大きさを変更してもよい。例えば、飽和補正プロセスが画像に適用された後に、画像の強度の範囲が0~xになるように、最大強度値がx(xは1より大きい)である場合、再正規化プロセスは、再正規化後の再正規化済み画像の強度の範囲が0~1になるように、マッピング関数を画像のピクセルの強度値に適用することを含んでもよい。
【0086】
[86]その後の画像処理が、画像の強度値が既定の範囲内にあることを必要としない実施例、又は飽和補正後の強度値が許容範囲内又は既定の範囲内にある実施例などの、他の実施例では、再正規化プロセス106は省略されてもよい。
[飽和補正-飽和した2つのピクセル]
【0087】
[87]上で説明されたように、場合によっては、第1の画像領域の2つ以上のピクセルが飽和したピクセルであることがある。そのような場合、比率とは異なるパラメータが、第1及び第2のパラメータとして使用されてもよい。次に、そのような実施例が、図8及び9を参照して説明される。図6及び7の対応する特徴に類似する図8及び9の特徴は、同じ参照番号を100だけ増やした参照番号を使用してラベル付けされ、対応する説明が選択されて適用される。
【0088】
[88]図8は、飽和したピクセルである、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル232を含む第1の画像領域234を示している。第1の画像領域234は、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び追加の第1のピクセル236、236’、並びに第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び追加の第1のピクセル238、238’も含む。
【0089】
[89]図8の実施例では、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル236が飽和していないピクセルであり、第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び追加の第1のピクセル238、238’が飽和したピクセルであることが決定される。言い換えると、第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセル232を含む局所的領域を表す第1の画像領域234は、1つのカラーチャネル(第2のカラーチャネル)の飽和していないピクセルのみを含む。
【0090】
[90]この実施例では、この決定に基づいて、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの強度値と第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの強度値との間の第1の比率ではなく、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル236の強度値を表すために、第1のデータが使用される。言い換えると、これらの実施例では、第1のパラメータは、第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセル236の強度値であってもよく、第1のデータによって表されてもよい。図6を参照して上で説明されたように、第1のピクセル236又は追加の第1のピクセル236’の強度値、或いは第1のピクセル236と追加の第1のピクセル236’の組み合わせ(平均値など)が、第1のパラメータの第1のパラメータ値として使用されてもよい。
【0091】
[91]第1の比率の値ではなく、第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの第1のピクセル236に基づく強度値を第1のパラメータ値として使用すること以外は、第1のピクセル232の推定値の計算は、図6及び7を参照して前述した方法に類似していてもよい。
【0092】
[92]例えば、第1のパラメータの第1のパラメータ値に関連付けられた第2のデータ(この場合、第1の画像領域234に関する強度値を有する)は、前述したように、ルックアップテーブルから取得されてもよい。同様に、少なくとも1つの追加の画像領域(この実施例では、4つの追加の画像領域240a、230b、240c、240d)に関する追加のデータが、画像データから取得されてもよい。第1の画像領域234は、唯一の飽和していないか、又はクリップされていないカラーチャネル(この場合、第2のカラーチャネル)を含んでもよいが、他の画像領域は、2つ以上の飽和していないか、又はクリップされていないカラーチャネルを含んでもよいことが、理解されるべきである。例えば、追加の画像領域240a、230b、240c、240dそれぞれのすべて(又は2つ以上)のピクセルは、飽和していないピクセルであってもよい。同様に、ルックアップテーブルから取得される第2のデータは、2つ以上のカラーチャネルの飽和していないピクセルに基づいてもよい。このようにして、これらの他の画像領域に関して、カラーチャネルのうちの2つの間(第1のカラーチャネルと、第2及び第3のカラーチャネルのうちの1つ又は両方との間など)の比率を取得することができてもよい。このようにして、第1のピクセル232の推定値は、追加の画像領域及び/又は第2の画像領域内などの、第1の画像領域234内で使用可能なカラーチャネルより多くのカラーチャネルにおける色情報に基づいてもよい。
【0093】
[93]第2のデータ及び追加のデータは、図7で示された第2のデータ及び追加のデータの重み付けに類似する方法で、重み付けされてもよい。第2のデータ及び追加のデータの重み付けが、図9に概略的に示されている。この場合、第1のパラメータは、第2のカラーチャネルの強度値(この場合、青色チャネルの強度値)を表し、第2のパラメータの取得された値に適用される重み付けは、B/Rの比率値ではなく、特定のサブブロック又は画像領域に関する第2のカラーチャネルの強度値によって決まる。
【0094】
[94]例えば、加重和Sが次のように実行されてもよい。
【数6】

上で説明されたように、加重和Sの式の右辺が、例えば重みの合計値で割ることによって、正規化されてもよいことが、理解されるべきである。
【0095】
[95]この場合、第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセル及び追加の第1のピクセル238、238’がこの実施例では両方とも飽和しているため、第2の加重和Sは計算されなくてもよい。したがって、この実施例では、第1のピクセル232の強度の推定値Gは、次のように取得されてもよい。
=S
ここで、Bは、第1の画像領域234内の第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの強度値を表す(第1のピクセル236又は追加の第1のピクセル236’、或いはこれらのピクセルの両方の平均強度値など)。第1のピクセル132の推定値は、出力データによって表されてもよい。最初に受信された画像データは、更新された画像が飽和補正後の画像を表すように、出力データに基づいて更新されてもよい。
【0096】
[96]その後、前述したように、再正規化などの追加の処理が、更新された画像に適用されてもよい。
[飽和補正-飽和した3つのピクセル]
【0097】
[97]さらに別の実施例では、第1の画像領域の3つのカラーチャネルすべてのピクセルが飽和していることがある。そのような場合、これらのピクセルの値は、これらのピクセルの飽和値より大きくてもよい、既定の最大値に設定されてもよい。その後、これらのピクセルに対して、前述した再正規化プロセスなどの再正規化プロセスが実行されて、再正規化された画像の強度の範囲を、0~xから0~1にマッピングしてもよい。そのような場合、画像の明るい部分は、多くの場合、画像のそのような部分の色がどうなるべきかについて確実に推定できないため、通常は、明るいままである。
画像処理システム
【0098】
[98]本明細書に記載された実施例は、図10に概略的に示された画像処理システムなどの画像処理システム156を使用して、実装されてもよい。
【0099】
[99]図10の画像処理システム156は、前述した画像センサなどの画像センサ158を含む。画像センサ158で受信された光は、画像データに変換される。画像データは画像信号プロセッサ160に転送され、画像信号プロセッサ160は、通常、出力画像の少なくとも一部を表す出力画像データを生成するように構成されている。出力画像データは、エンコーダ162を介してエンコードされてから、例えば格納又は追加処理のために、他の構成要素(図10に示されていない)に転送されてもよい。画像信号プロセッサ160は、通常、画像データに対してさまざまな処理を実行して出力画像データを生成するように構成された、複数のモジュール又はユニットを含む。図10の画像信号プロセッサ160などの画像信号プロセッサは、マイクロプロセッサ、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、個別のゲート又はトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、或いは本明細書に記載された機能を実行するように設計された、これらの任意の適切な組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意のその他のそのような構成の組み合わせなどの、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてもよい。
【0100】
[100]図10の実施例における画像信号プロセッサ160は、本明細書に記載された飽和補正プロセスなどの飽和補正プロセスを実行するように調整されており、したがって、飽和補正システム164を含むと考えられてもよい。飽和補正システム164において使用するためのデータ、又は飽和補正システム164の一部として生成されたデータが、画像処理システム156のストレージ166に格納されてもよい。ストレージ166は、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)などの揮発性メモリ、及び読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)などの不揮発性メモリ、又はフラッシュメモリなどの半導体ドライブ(SSD:solid state drive)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。ストレージ16は、例えば、画像信号プロセッサ160によって相対的に高速にアクセスできるオンチップメモリ又はバッファである。ただし他の実施例では、ストレージ166は、例えば磁気媒体、光媒体、又はテープ媒体、コンパクトディスク(CD:compact disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、或いはその他のデータストレージ媒体などのストレージ媒体をさらに含んでもよい。ストレージ166は、画像処理システム156から取り外し可能であるか、又は取り外し不能である。図10のストレージ166は、ストレージ166と画像信号プロセッサ160の間でデータを転送できるように、画像信号プロセッサ160に通信によって結合される。例えば、ストレージ166は、画像の少なくとも一部を表す画像データ(デモザイク処理前の画像データなど)、前述した第1のデータ、前述した第2のデータ、前述した追加のデータ、前述した出力データ、及び前述した更新された画像データを格納してもよい。
【0101】
[101]画像信号プロセッサ160は、画像データ(飽和補正プロセス後の更新された画像データなど)がエンコーダ162によってエンコードされる前に、画像データをデモザイク処理するためのデモザイク処理システム168を含んでもよい。
【0102】
[102]図10の画像処理システム156は、画像センサ158の特徴又は特性を制御するためのコントローラ170も含む。コントローラ170は、ハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含んでもよい。例えば、コントローラ170は、コントローラ170の動作を制御するためのソフトウェアを含むファームウェア172を含んでもよい。ファームウェア172は、コントローラ170の不揮発性メモリ又は(コントローラ170がアクセスできる)ストレージ166に格納されてもよい。図10のコントローラ170は、自動画像強調システム174も含んでおり、自動画像強調システム174は、例えば、画像品質を改善するために画像処理システム156に対して調整を行う必要があるかどうかを判定する処理を実行するように構成される。例えば、自動画像強調システム174は、自動露光モジュール、自動白バランスモジュール、及び/又は自動焦点モジュールを含んでもよい。コントローラ170は、画像センサ158の動作を制御するためのドライバ176も含む。
【0103】
[103]統計値収集プロセスと呼ばれることがあるデータ収集プロセスが、コントローラ170又は画像信号プロセッサ160のハードウェアなどのハードウェアを使用して、実行されてもよい。飽和したブロックを表すデータを他の飽和していないブロックから取得するために、例えば図5を参照して説明されたような統計値の内挿が、例えばコントローラ170のファームウェア172又は画像信号プロセッサ160に関連付けられたファームウェアなどのファームウェアを使用して、実行されてもよい。飽和補正システム164及びデモザイク処理システム168は通常、ソフトウェアにおいて実装されるが、代わりにハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせにおいて実装されてもよい。同様に、データ収集プロセス及び統計値の内挿は、代わりにソフトウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実行されてもよい。
【0104】
[104]上記の実施例は、例示的な実施例として理解されるべきである。その他の実施例が想定される。
【0105】
[105]いずれか1つの実施例に関して説明された任意の特徴が、単独で、又は説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、任意の他の実施例、又は任意の他の実施例の任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよいことが、理解されるべきである。さらに、前述されていない同等のもの及び変更が、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく採用されてもよい。
[発明の項目]
[項目1]
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データを受信するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを表す前記画像データの一部を処理して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定する、処理するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの値に基づく第1のデータを取得するステップと、
前記第1のデータに基づいて、前記第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの値及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの値に基づく第2のデータを取得するステップと、
前記第2のデータを処理して、前記第1のピクセルの前記第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データを生成する、処理するステップと、
を含む、方法。
[項目2]
前記第1の画像領域内で、前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別するステップと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルとして使用するステップと、
を含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第2の画像領域内で、前記第1のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していないピクセルを識別するステップと、
前記第1のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルとして使用するステップと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルとして使用するステップと、
を含む、項目1又は2に記載の方法。
[項目4]
前記第1のデータが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの強度値を表す、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記第2のデータを取得するステップが、前記第1のデータに基づくルックアップテーブルから前記第2のデータを取得することを含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記第1のデータが、前記第1の画像領域に関する第1のパラメータの第1のパラメータ値を表し、前記第1のパラメータが前記第2のカラーチャネルに関連付けられており、
前記ルックアップテーブルが、前記第2の画像領域に関する前記第1のパラメータの第1のパラメータ値のセットのうちの各第1のパラメータ値に対応する複数のエントリを含んでおり、
前記ルックアップテーブルから前記第2のデータを取得するステップが、
前記第1のパラメータ値に最も近い値を有する前記第1のパラメータ値のセットのうちの1つに対応する、前記複数のエントリのうちの1つのエントリを識別することと、
前記第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータの第2のパラメータ値を識別することであって、前記第2のパラメータ値が、前記第1のパラメータ値のセットのうちの前記1つに関連付けられ、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値に基づいている、ことと、
前記第2のパラメータ値を前記第2のデータとして取得することと、
を含む、項目5に記載の方法。
[項目7]
前記第2のパラメータ値が、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の比率を表す、項目6に記載の方法。
[項目8]
前記第2の画像領域に関して、
前記第2の画像領域内の前記第1のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値であって、前記第1のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルが、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む、各値と、
前記第2の画像領域内の前記第2のピクセルのセットのうちの複数のピクセルのピクセルごとの各値であって、前記第2のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む、各値と、
に基づいて、前記ルックアップテーブルを生成するステップを含む、項目5~7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記第1のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルの各ピクセルが、それぞれ飽和していないピクセルであり、
前記第2のピクセルのセットのうちの前記複数のピクセルの各ピクセルが、それぞれ飽和していないピクセルである、項目8に記載の方法。
[項目10]
前記第1のデータが、前記第1の画像領域に関する第1のパラメータの第1のパラメータ値を表し、前記第1のパラメータが前記第2のカラーチャネルに関連付けられており、
前記ルックアップテーブルが、前記第2の画像領域に関する前記第1のパラメータの第1のパラメータ値のセットのうちの各第1のパラメータ値に対応する複数のエントリを含んでおり、
前記ルックアップテーブルを生成するステップが、
前記第2の画像領域に関して、複数のビンを含むヒストグラムを生成することであって、各ビンが、第1のパラメータ値の各範囲に関連付けられる、ことと、
前記複数のビンのサブセットを選択することであって、前記複数のビンの前記サブセットの各々が、前記複数のエントリの各エントリに対応する、ことと、
前記複数のビンの前記サブセットごとに、前記第1のカラーチャネルに関連付けられた第2のパラメータの対応する第2のパラメータ値を、前記複数のビンの前記サブセットの各ビンに対応する各エントリの一部として格納することと、
を含む、項目8又は9に記載の方法。
[項目11]
前記複数のビンの各ビンが各カウントを含んでおり、
前記複数のビンの前記サブセットを選択することが、
前記複数のビンのうちの残りの各ビンの各カウントよりも大きい各カウントをそれぞれ有する、前記複数のビンのうちのn個を識別することであって、nが整数である、ことと、
前記複数のビンのうちの前記n個を、前記複数のビンの前記サブセットとして選択することと、
を含む、項目10に記載の方法。
[項目12]
前記第2のデータが、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の比率を表す、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記第1のデータを取得するステップが、
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値に基づき、前記第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値にさらに基づく前記第1のデータを取得することを含んでおり、
前記第1の画像領域が、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記第1のデータが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値との間の第1の比率を表す、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記第2のデータが、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の第2の比率、又は
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルの前記値との間の第3の比率
のうちの少なくとも1つを表す、項目11~14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
前記第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの追加のピクセルを含む追加の画像領域に関して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルの各値に基づく追加のデータを取得するステップを含んでおり、
前記第2のデータを処理するステップが、前記第2のデータを前記追加のデータと共に処理して前記出力データを生成することを含む、項目11~15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
前記第2の画像領域が、既定のサイズの既定の画像領域であり、前記追加の画像領域が、前記第2の画像領域内にあって、前記第2の画像領域よりも小さい、項目18に記載の方法。
[項目18]
前記第2のデータを取得するステップが、前記第2のデータをルックアップテーブルから取得することを含んでおり、
前記追加のデータを取得するステップが、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに最も近い前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルに関して、及び
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに最も近い前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルに関して、
前記追加のデータを取得することを含む、項目16又は17に記載の方法。
[項目19]
前記追加のデータを取得するステップが、
前記追加の画像領域内で、前記第1のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの少なくとも1つの飽和していないピクセルを識別することと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの飽和していないピクセルを前記第1のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルとして使用することと、
前記第2のピクセルのセットのうちの飽和していない前記ピクセルを前記第2のピクセルのセットのうちの前記少なくとも1つの追加のピクセルとして使用することと、
を含む、項目16~18のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
前記第2のデータを処理するステップが、
前記第2の画像領域に関する第2のパラメータの第2のパラメータ値、及び
前記追加の画像領域に関する前記第2のパラメータの第2のパラメータ値
の加重和を実行することを含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]
前記出力データの生成後に前記画像の前記少なくとも一部に対してデモザイク処理を実行するステップを含む、項目1~20のいずれか一項に記載の方法。
[項目22]
前記推定値が前記第1のピクセルの飽和値よりも大きい、項目1~21のいずれか一項に記載の方法。
[項目23]
前記第1のピクセルのセット、前記第2のピクセルのセット、及び前記第3のピクセルのセットがベイヤーパターンで配置される、項目1~22のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルに隣接する、項目1~23のいずれか一項に記載の方法。
[項目25]
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和していないピクセルであると決定するステップと、
前記第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルが、飽和したピクセルであると決定するステップであって、前記第1の画像領域が前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、ステップと、
前記決定するステップに基づいて、前記第1のデータを使用して前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの強度値を表す、使用するステップと、
を含む、項目1~24のいずれか一項に記載の方法。
[項目26]
前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和していないピクセルであると決定するステップと、
前記第3のピクセルのセットのうちの第1のピクセルが、飽和していないピクセルであると決定するステップであって、前記第1の画像領域が前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む、ステップと、
前記決定するステップに基づいて、前記第1のデータを使用して、前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値と、前記第3のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルの前記値との間の第1の比率を表す、使用するステップと、
を含む、項目1~24のいずれか一項に記載の方法。
[項目27]
ストレージであって、
第1のカラーチャネルに関連付けられた第1のピクセルのセット及び第2のカラーチャネルに関連付けられた第2のピクセルのセットを含む画像の少なくとも一部を表す画像データと、
前記第2のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの値に基づく第1のデータと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値及び前記第2のピクセルのセットのうちの第2のピクセルの値に基づく第2のデータと、
前記第1のピクセルのセットのうちの第1のピクセルの前記第1のカラーチャネルに関連付けられた推定値を表す出力データと、
を格納するための、ストレージと、
飽和補正システムであって、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを表す前記画像データの一部を処理して、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルが飽和したピクセルであると決定することと、
前記第1のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第1のピクセルを含む第1の画像領域に関して、前記第1のデータを取得することと、
前記第1のデータに基づいて、前記第1のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセル及び前記第2のピクセルのセットのうちの前記第2のピクセルを含む第2の画像領域に関して、前記第2のデータを取得することと、
前記第2のデータを処理して前記出力データを生成することと、
を実行するよう機能する飽和補正システムと、
を備えている、画像処理システム。
[項目28]
前記画像の前記少なくとも一部を表す出力画像データに対してデモザイク処理を実行するように調整されたデモザイク処理システムを備えており、前記出力画像データが前記出力データを含む、項目27に記載の画像処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10