(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】気液溶解装置
(51)【国際特許分類】
B01F 21/00 20220101AFI20230905BHJP
C02F 3/20 20230101ALI20230905BHJP
C02F 3/22 20230101ALI20230905BHJP
B01F 23/23 20220101ALI20230905BHJP
B01F 25/21 20220101ALI20230905BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
B01F21/00
C02F3/20 A
C02F3/22 C
B01F23/23
B01F25/21
A01K63/04 C
(21)【出願番号】P 2020098101
(22)【出願日】2020-06-05
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】500500446
【氏名又は名称】松江土建株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301031392
【氏名又は名称】国立研究開発法人土木研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100116861
【氏名又は名称】田邊 義博
(72)【発明者】
【氏名】古島 剛
(72)【発明者】
【氏名】和田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】戸島 邦哲
(72)【発明者】
【氏名】別所 大
(72)【発明者】
【氏名】曽田 紀子
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/077503(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/075365(WO,A1)
【文献】特開2011-235200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00 - 25/90
C02F 3/14 - 3/26
C02F 7/00
A01K 63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面下又は陸上に配置し、水の溶存酸素濃度を高める気液溶解装置であって、
下部に気液混相流体を逃がす逃がし孔が設けてあり軸が鉛直となるように配向された円筒体と、円筒体上部に接合した略半球であるドーム体と、を有する気液溶解室と、
気液溶解室に貫入し軸中心からドーム体の天頂に向けて気液混相流体を噴出させるノズル体と、
ノズル体に、酸素または空気と、配置先の水と、を供給する供給部と、
を具備し、
円筒体内周に水平に突き出して一周する円環部が形成され、
ノズル体と円環部を、ノズル体先端と円環部の突出端とを結ぶ仰角が60°~30°である位置関係としたことを特徴とする気液溶解装置。
【請求項2】
円筒体の内半径に対する円環部の突出高さの比を2/100~6/100としたことを特徴とする請求項1に記載の気液溶解装置。
【請求項3】
気液溶解室を収容し、逃がし孔からの気液混相流体を貯留して液体を気体から分離する気液分離室と、
気液分離室で分離された気体を脱気する脱気部と、
気液分離室で分離された気体溶存濃度を高めた液体を排出する排出部と、
を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の気液溶解装置。
【請求項4】
ノズル体先端位置を気液溶解室の軸中心に沿って可変としたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の気液溶解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配置水域の溶存酸素濃度を上昇させる気液溶解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内湾や河川下流といった海水や汽水域の底層、または、ダムや湖沼といった淡水域の底層には、陸上から流入する生活廃水や農耕廃水に起因した有機物、または、この有機物を栄養源として増殖した水生植物やプランクトンの遺骸が堆積している。これらの有機物や堆積物は、底層水中の酸素を消費しながら分解しているため、底層には貧酸素化した水域が発生する。
【0003】
貧酸素化した水域とは、酸素の溶存濃度(DO値)が3mg/l以下の領域をいい、これは水面付近の10mg/lより遙かに低い値である。特に、貧酸素化した水域は、新たに流入する有機物がさらに堆積していくため、水質悪化の悪循環に陥る。
【0004】
底層の貧酸素化は、水質環境に様々な悪影響を及ぼすことが知られている。例えば、底層が貧酸素な状態であると底生生物が死滅してしまう場合がある。また、底層が貧酸素化すると、還元雰囲気となり、周辺岩石やヘドロから金属が溶出し水質の悪化を招く場合もある。
【0005】
このような貧酸素状態を解消するため、本出願人による再表2005/075365「気液溶解装置」(文献1)、特開2007-075749「気液溶解装置」(文献2)、特開2011-101867「気液溶解装置」(文献3)に開示される技術が知られている。これらの装置によれば、貧酸素化した水域の溶存酸素濃度を著しく高めることができる。
【0006】
ここで、文献2および文献3に開示される技術は、文献1に開示される技術を基本技術として改良されたものであるが、気液混相流体を還流ないし攪拌する構造が複雑となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】再表2005/075365
【文献】特開2007-075749
【文献】特開2011-101867
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡便な構造で重畳的な気液混相流体の攪拌を実現し、配置水域の溶存酸素濃度を高めることのできる気液溶解装置を提供することを目的とする。
文献2および文献3との比較でいえば、従来技術は、ノズルからの付勢により気液混相流体を引き込んで重畳的な攪拌を実現するところ、本発明では、簡素な構成によりノズルから気液混相流体を押し込んで重畳的な攪拌を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の気液溶解装置は、水面下又は陸上に配置し、水の溶存酸素濃度を高める気液溶解装置であって、下部に気液混相流体を逃がす逃がし孔が設けてあり軸が鉛直となるように配向された円筒体と、円筒体上部に接合した略半球であるドーム体と、を有する気液溶解室と、気液溶解室に貫入し軸中心からドーム体の天頂に向けて気液混相流体を噴出させるノズル体と、ノズル体に、酸素または空気と、配置先の水と、を供給する供給部と、を具備し、円筒体内周に水平に突き出して一周する円環部が形成され、ノズル体と円環部を、ノズル体先端と円環部の突出端とを結ぶ仰角が60°~30°である位置関係としたことを特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項1は、円筒側周に沿って下方に向かう気液混相流体を円環部により軸中心に向かう斜め下方の流れに変え、これをノズル体で再度ドーム体側へ押し込み、重畳的な自己攪拌による微細気泡の生成および水との接触機会の富化を実現し、簡便な構造ながらも溶存酸素濃度の向上を図ることが可能となる。
【0011】
逃がし孔は、円筒体下方から気液混相流体が流出するのであれば態様は特に限定されない。すなわち、有底円筒の下方側周に軸対称に丸孔を開ける態様や、有底円筒底面に軸対称に孔を開けた態様の他、極端には、底なしとして円筒体下端自体、下端全体を逃がし孔としてもよい。孔の形状も特に限定されない。
なお、気液溶解装置を陸上に設置する場合などは、逃がし孔から流出する、溶存酸素濃度の高められた気液混相流体を、適宜送出先に送出する。たとえば、湖畔や港湾、陸上養魚場の場合はそれぞれホース等で湖畔、港湾、養魚プールから取水し、逃がし孔にもホース等を接続し、湖畔、港湾、養魚プールへ送水する様にする。
略半球とは広義であり、球の中心を通るように切り出した半球だけでなく、半径に垂直に切り出した球面の一部であってもよい。回転楕円体の一部や紡錘形も含まれる。
ノズル体の貫入は円筒の側面側からであることを妨げない。要は最終的にノズル体の噴出口が軸中心にあり、噴出方向が天頂方向であればよい。また、ノズル体による気液混相流体の形成および噴出は、ノズルの先端を先細りとすることにより構造的になしてもよく、供給部からの付勢によりなしてもよい。
供給部がノズル体に供給する水は、装置の配置先の領域の水である。装置直近から取り込むようにしてもよいし、別途チューブ等により所望の場所から吸い込むようにしてもよい。一方、供給部がノズル体に供給する空気は、設置場所の水面上から適宜取り込むもしくは送り込むようにすればよい。また、酸素ボンベから酸素を供給するようにしてもよい。
円環部の断面形状は特に限定されない。凸条を溶接して合着させる態様の他、ドーム体を円筒体に溶接する際の盛り上がったもしくは盛り上げられた溶接痕であってもよい。要は側周にそって下降してくる混相流体を邪魔して、流れを内向き(斜め下方)にする作用のあるものが円環部である。なお、円環が概念できれば、所々が断絶していてもよいものとする。
ノズル体先端と円環部とは、円環部の方が鉛直上方にあり、仰角はノズル体先端にて水平方向から見上げる角度である。60°~30°の範囲であれば、下降してきた気液混相流体が軸中心に集まり、ノズルによって再度ドーム体側に押し込むことができる。
【0012】
請求項2に記載の気液溶解装置は、請求項1に記載の気液溶解装置において、円筒体の内半径に対する円環部の突出高さの比を2/100~6/100としたことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項2にかかる発明は、わずかな盛り上がりないし突き出しという簡素簡便な構造により溶存酸素濃度の向上を実現する。
【0014】
請求項3に記載の気液溶解装置は、請求項1または2に記載の気液溶解装置において、気液溶解室を収容し、逃がし孔からの気液混相流体を貯留して液体を気体から分離する気液分離室と、気液分離室で分離された気体を脱気する脱気部と、気液分離室で分離された気体溶存濃度を高めた液体を排出する排出部と、を具備したことを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項3にかかる発明は、底層の巻き上げを生じさせない気液溶解装置を提供できる。
【0016】
気液分離室の形状はたとえば円筒形や回転楕円体形とすることができる。
脱気部は、気液分離室の上部にたまってくる気体を取り出すのであれば特に限定されず、たとえば、気液分離室上部に接続したチューブとすることができる。なお、脱気部で気液分離室から取り除かれた気体は、系外排出してもよいし、適宜供給部へ供給し再利用するようにしてもよい。
排出部は、気液分離室の下部にある、溶存酸素濃度の高まった、気泡のない水を排出するのであれば特に限定されない。たとえば、気液分離室を底なしに形成すれば、気液分離室下部が排出部となる。なお、別途チューブにより所望のエリアに水を送水(排水)するようにしてもよい。
【0017】
請求項4に記載の気液溶解装置は、請求項1、2または3に記載の気液溶解装置において、ノズル体先端位置を気液溶解室の軸中心に沿って可変としたことを特徴とする。
【0018】
すなわち、請求項4にかかる発明は、ノズルへの水の供給量、酸素または空気の供給量、水圧(設置深さ)、気温、水温といった様々な環境要因をともなう実際の運転時に、モニタリングしながら最適なノズル位置を見いだし、効果的に溶存酸素濃度を高めることができる。換言すれば、おかれた状況下で最大限の能力発揮ができる条件を、ノズル位置を変化させるだけで探ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡便な構造で重畳的な気液混相流体の攪拌を実現し、配置水域の溶存酸素濃度を高めることのできる気液溶解装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の気液溶解装置を湖に設置した例を示す説明図である。
【
図2】本発明の気液溶解装置の概略構成例を示した断面図である。
【
図3】本発明の気液溶解装置の気液溶解室の透過斜視図である。
【
図4】円環部を設けたことによる溶存酸素濃度の高まり、気液比を横軸として示した測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、本発明である気液溶解装置を湖に設置した例を説明する。
図1は、本発明の気液溶解装置を湖に設置した例を示す説明図である。
図2は、本発明の気液溶解装置の概略構成例を示した断面図である。
図3は、本発明の気液溶解装置の気液溶解室の透過斜視図である。
なお、図では、説明の便宜上縮尺を異ならせ、また、構成の一部を省略して描画している(たとえば、
図1では、気液溶解装置の大きさは湖に対してもっと小さい)。
【0022】
気液溶解装置1は、水の溶存酸素濃度を高める気液溶解室10と、気液溶解室10を収容する気液分離室20と、気液溶解室10内に水と空気との気液混相流体を噴出させるノズル30と、ノズル30に水と空気とを供給するポンプ40と、を基本構成にしている。
【0023】
図示したように、気液溶解装置1は、湖Aの貧酸素水域Bに設置される。全体の姿勢を保つために、本実施の形態の気液溶解装置1は、上部にうき2と、下部におもり3とを備える。このようにうき2とおもり3を備えることにより鉛直姿勢が保たれ、水面から投入するだけで簡便な装置設営が可能となる。
【0024】
気液溶解装置1の各構成を詳しく説明する。
気液溶解室10は、設置姿勢において軸を鉛直方向に向けた、縦長の円筒体11を基調としており、この円筒体11の上部には、半球のドーム12が接合されている。また、円筒体11は有底であって下部側面には複数の孔13があけられており、これらの孔13からは、後述するように、重畳的に攪拌され溶存酸素濃度の高められた気液混相流が流出する。なお、気液溶解室10は、ノズル30の貫入部分と孔13とを除いて密閉した構成である。
【0025】
ノズル30は、気液溶解室10の側面から内部に水平に進入し、中心にて曲がり軸にそって上向きに延伸している。ノズル30は、先端31に向けて内径が細くなるよう形成され、当該形状とポンプ40の圧力とにより、供給されてくる水と空気とが気液混相流体を形成しドーム12の天頂に向けて連続的に噴出する。
【0026】
円筒体11とドーム12との境には、内側に所定高さで突き出て一周する円環部14が設けられている。円環部14の断面形状は円筒体11側を下底とした台形である。
ノズル30から排出された気液混相流体は、ドーム12の天頂にあたり、曲面に沿って対称的に下降するが、この流れ、いわば円筒形の流れは円環部14により曲げられ、下に向かって先細りの円錐形の流れとなって軸中心に集まる。そして、この集まってきた流れはノズル30により再度ドーム12に押し込まれる。これにより、重畳的な攪拌および乱流が発生し、気泡の微細化、これに伴う水への接触面積の増大が生じ、かつ、水との接触機会も増大するため、速やかかつ効率的に水の溶存酸素濃度が高まる。
【0027】
ノズル30による押し込みを実現すべく、ノズル30の先端31は、円環部14より下にあり、先端31から円環部14の突出端15を見上げる角度すなわち仰角θは40°の位置関係としている。
また、円環部14の突き出し高さhは、円筒体11の内半径rに対してh/r=3/100としている。
この関係とすることにより、いわばわずかな突き出し(盛り上げ・盛り上がり)という簡便な構成により、効果的な溶存酸素濃度向上が実現できる。
【0028】
なお、仰角は30°≦θ≦60°の範囲が好ましい。
θ<30°であると、ノズル30の位置が高く、軸中心に向けて全周から斜めに下ってくる気液混相流体の流れが、先端31より下で合流するなど、押し込みの効率が悪くなるからである。
60°<θであると、ノズル30の位置が低く、再び円錐形に流れが広がっていくことに加え、押し込んだ(押し返した)気液混相流体部分もドーム12が遠く拡散しがちになり、こちらも効率が悪くなるからである。
【0029】
突き出し高さの比は(2/100)≦(h/r)≦(6/100)が好ましい。
(h/r)<(2/100)であると、気液混相流体を内側への曲げる量が少なく、気液混相流体のドーム12に沿った下降流を効率的にノズル30の先端31に向ける効果が小さくなるからである。
(6/100)<(h/r)であると、円環部14下にいわゆる死に水が生じ、気液溶解室10の事実上の容量減を招来するようになるからである。
【0030】
なお、円環部14は、いわば、壁面を伝い落ちてくる流れの最外殻を遮ることにより全体の流れを中心に向けるので、断面形状は特に限定されず、矩形でも三角形でもよい。円形でもよい。なお、rが位相によって変動するような円管部14であることを妨げない。
また、円環部14の位置は円筒体11とドーム12との接合部でなく、それより下の位置でもよい。
【0031】
次に、気液分離室20を説明する。気液分離室20は、気液溶解室10を収容する縦長円筒基調の容器であり、軸中心は気液溶解室10に揃えている。上部は絞り込まれ、気体放出口21となっている。下部には排水孔22が開けられている。
【0032】
また、気液分離室20中には、気液溶解室10の外側に、同様に円筒基調の隔壁体23を設けている(この軸中心も気液溶解室10に揃えている)。
隔壁体23は上部が円錐形に絞り込まれ、上部の開口端24から、気泡と溶存酸素濃度が高められた水とを流出させる。ここで、隔壁体23と気液分離室20がともに円筒形で軸対称であるため、自然と旋回流が生じ、気泡は軸中心上方に向けて集積され、そのまま気体放出口21に導かれ脱気される。一方、いわば整流により分離された水(溶存濃度の高まった水)は下降して、排水孔22から流出して湖に戻される。
このように気液分離室20は、隔壁体23と貯留作用により、効果的に気体と液体とを分離して系外排出する。
【0033】
ポンプ40は、直近の取水口41から設置場所周辺の貧酸素水域Bから水を取り込み、また、別途送気部42から送られた水上の空気を合わせてノズル30に送り込む。なお、気体放出口21で回収された気体も、ノズル30に導いて再利用してもよい。
【0034】
<実験例>
次に、本発明の実験例を説明する。ここでは、円環部14の有無による溶存酸素濃度の上昇について説明する。
気液溶解装置1は、円筒体11の内半径20cm×高さ55cm、ドーム12は半径20cmの半球であり、接合部に幅3mm×高さ3mmの概ね断面が正方形である円環部14を設けたものとした。仰角は50°とした。
【0035】
気液比を変化させた場合の溶存酸素濃度(DO値)の変化割合のグラフを
図4に示す。もともと円環がない、本出願人による文献1の気液溶解装置(比較例)も高い溶存酸素濃度を実現するが、本発明品である気液溶解装置1は、よりいっそう高いDO値として水を供給できる(取水系へ還流させることができる)ことが確認できた。
【0036】
以上説明したように、気液溶解装置1は、気液溶解室10内周に円環部14を設け、ノズル30により、気液混相流体のドーム12側への再押し込みをするだけで、重畳的な攪拌を実現し、配置水域の溶存酸素濃度を高めることが可能となる。
【0037】
なお、底層等を巻き上げてしまう可能性を特段考慮しなくてもよい使用環境下であれば、隔壁体23も含めて気液分離室20を取り払った、気液溶解室10のみの構成にて使用してもよい。
【0038】
また、ノズル30の先端31は、軸にそって位置を変えられるようにすることもできる。調整機構は特に限定されないが、適宜ワイヤー(図示せず)を介してワイヤーの押し込み、引き出しにより上下させるようにしてもよい。なお、気液溶解装置1の設置後に陸上から操作できる態様であることが好ましい。これにより、実際の運転にて溶存酸素濃度の変化をモニタリングしながら最適位置を見いだすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明を利用して、汽水湖やダム湖、または、閉鎖性海域(海水の出入りの少ない海域)を改質することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 気液溶解装置
2 うき
3 おもり
10 気液溶解室
11 円筒体
12 ドーム
13 孔
14 円環部
15 突出端
20 気液分離室
21 気体放出口
22 排水孔
23 隔壁体
24 開口端
30 ノズル
31 先端
40 ポンプ
41 取水口
42 送気部