(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】酸化安定性多価不飽和脂肪酸を含有する油
(51)【国際特許分類】
C11C 3/00 20060101AFI20230905BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230905BHJP
C09K 15/06 20060101ALI20230905BHJP
A23D 9/013 20060101ALI20230905BHJP
A23D 9/007 20060101ALN20230905BHJP
【FI】
C11C3/00
C11B9/00 A
C09K15/06
A23D9/013
A23D9/007
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011159
(22)【出願日】2022-01-27
(62)【分割の表示】P 2019147932の分割
【原出願日】2012-11-01
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2011-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ステファンスキー, マイケル, レン
(72)【発明者】
【氏名】クロフォード, クリスティン シェイラ
(72)【発明者】
【氏名】シュジュン, タン
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-140178(JP,A)
【文献】特開平08-275728(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0092617(US,A1)
【文献】特開2006-193713(JP,A)
【文献】特表2010-526896(JP,A)
【文献】FRANKEL, E. N. et al.,Oxidative Stability of Fish and Algae Oils Containing Long-Chain Polysatulated Fatty Acids in Bulk and in Oil-in-Water Emulsions,J. Agric. Food. Chem.,(2002), vol.50,pp.2094-2099,DOI:10.1021/jf0111458 CCC: $22.00
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 1/00-15/00
C11C 1/00- 5/02
A23D 7/00- 9/06
A61K 9/00-47/69
C12P 1/00-41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸;
(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤
;
(iii)ローズマリー抽出物;および
(
iv)1000ppm未満のレシチン
を含み、
前記少なくとも1つの第1の抗酸化剤がトコフェロールであり、
900ppm~3400ppmのトコフェロールを含み、
アスコルビン酸誘導体から選択される第2の抗酸化剤を本質的に含まない、油。
【請求項2】
前記油が、150ppm未満のレシチンを含
む、請求項1に記載の油。
【請求項3】
前記油が、30ppb未満の鉄を含
む、請求項1又は2に記載の油。
【請求項4】
(i)少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸;
(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤
;
(iii)ローズマリー抽出物;および
(
iv)30ppb未満の鉄
を
含み、任意選択的に、少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸を含み、
前記少なくとも1つの第1の抗酸化剤がトコフェロールであり、
900ppm~3400ppmのトコフェロールを含む、油。
【請求項5】
前記油が、1000ppm未満のレシチンを含
む、請求項4に記載の油。
【請求項6】
前記油が、アスコルビン酸誘導体から選択される第2の抗酸化剤を本質的に含まない、請求項4または5に記載の油。
【請求項7】
前記第2の抗酸化剤が、パルミチン酸アスコルビルである
、請求項1~3および6のいずれか一項に記載の油。
【請求項8】
前記油が、
追加的な着香剤をさらに含
む、請求項1~7のいずれか一項に記載の油。
【請求項9】
前記油が、アスコルビン酸誘導体から選択される第2の抗酸化剤を含まない
、請求項1~
8のいずれか一項に記載の油。
【請求項10】
前記油が、1.5未満の魚臭感覚値を有する、請求項1~
9のいずれか一項に記載の油。
【請求項11】
前記油が、2.5未満の魚臭芳香物質感覚値を有する
、請求項1~
10のいずれか一項に記載の油。
【請求項12】
前記油が、5未満のPOVを有する
、請求項1~
11のいずれか一項に記載の油。
【請求項13】
前記油が、20未満のAnVを有する
、請求項1~
12のいずれか一項に記載の油。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の抗酸化剤が、添加トコフェロール、緑茶抽出物、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1~
13のいずれか一項に記載の油。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1の抗酸化剤が、混合トコフェロールである
、請求項1~
14のいずれか一項に記載の油。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1の抗酸化剤が、
添加トコフェロールである
、請求項1~
15のいずれか一項に記載の油。
【請求項17】
前記油が有機油である
、請求項1~
16のいずれか一項に記載の油。
【請求項18】
前記油が天然油である
、請求項1~
17のいずれか一項に記載の油。
【請求項19】
前記油および/または前記少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、少なくとも1種の微細藻類、魚、植物、種子、またはそれらの組み合わせから得られる
、請求項1~
18のいずれか一項に記載の油。
【請求項20】
前記微細藻類が、ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)である
、請求項
19に記載の油。
【請求項21】
前記微細藻類が、スラウストキトリウム属(Thraustochytrium)種、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種、およびそれらの組み合わせから選択される
、請求項
19に記載の油。
【請求項22】
前記少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、植物から得られる
、請求項1~
21のいずれか一項に記載の油。
【請求項23】
前記少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、魚から得られる
、請求項1~
22のいずれか一項に記載の油。
【請求項24】
請求項1~
23のいずれか一項に記載の油と、少なくとも1つのさらなる油とを
含む、最終油。
【請求項25】
前記さらなる油が、植物油から選択される
、請求項
24に記載の最終油。
【請求項26】
前記油が食用油である
、請求項1~
25のいずれか一項に記載の油。
【請求項27】
前記少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、DHA、EPA、DPA n-3、およびそれらの混合物から選択される
、請求項1~
26のいずれか一項に記載の油。
【請求項28】
前記少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、DPA n-6およびARAから選択される
、請求項1~
27のいずれか一項に記載の油。
【請求項29】
請求項1~
28のいずれか一項に記載の油を含
む、食品。
【請求項30】
前記油が、少なくとも35重量%のDHAを含
み、前記油が、80重量%未満のDHAを含
む、請求項1~
29のいずれか一項に記載の油。
【請求項31】
前記油が、少なくとも35重量%のDHA+EPAを含
み、前記油が、80重量%未満のDHA+EPAを含
む、請求項1~
30のいずれか一項に記載の油。
【請求項32】
前記油が、19未満のランシマット値を有する
、請求項1~
31のいずれか一項に記載の油。
【請求項33】
前記油が、0~3ヶ月間、1.5未満の魚臭値を有する
、請求項1~
32のいずれか一項に記載の油。
【請求項34】
前記油が、0~3ヶ月間、2.5未満の魚臭物質値を有する
、請求項1~
33のいずれか一項に記載の油。
【請求項35】
前記油が、10ppm未満のレシチンを含
む、請求項1~
34のいずれか一項に記載の油。
【請求項36】
前記油が、1000ppm~3000ppmの範囲の量でトコフェロールを含
む、請求項1~
35のいずれか一項に記載の油。
【請求項37】
前記油が、300ppm~1000ppmの範囲の量で添加トコフェロールを含
む、請求項1~
36のいずれか一項に記載の油。
【請求項38】
前記油が、1500ppm~5000ppmの範囲の量でローズマリー抽出物を含
む、請求項1~
37のいずれか一項に記載の油。
【請求項39】
前記1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸が、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、アラキドン酸(「ARA」)、ω-3ドコサペンタエン酸(「DPA n-3」)、および/またはω-6ドコサペンタエン酸(「DPA n-6」)を含む
、請求項1~
38のいずれか一項に記載の油。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[1]本発明は、少なくとも4個の二重結合を有する、1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸を含んでなる油に関する。
【0002】
[2][関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許法第119条(e)の定めにより、2011年11月1日に出願された米国仮特許出願第61/554,291号明細書の優先権を主張する。
【0003】
[3]多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含有する油は、貯蔵中に酸化して酸敗することもある。これは、油中の不快な風味と臭気、およびそのような油が組み込まれた製品をもたらす。4個以上のC-C二重結合があるPUFAは、より少ない二重結合があるPUFAと比べて、酸化安定性が低いこともある。さらに鉄などの金属の存在が、PUFA含有油の酸化速度を増大させることもある。
【0004】
[4]当業者は、レシチンと組み合わせてパルミチン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸誘導体を組み込むことをはじめとする、様々な手段を用いて、PUFA含有油の酸化を低下させることを試みている。しかしより酸化的に安定したPUFA含有油に対する必要性が、残されている。
【0005】
[5]今や、パルミチン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸誘導体をレシチンと組み合わせることは、4個以上の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのPUFAを30%含んでなる油の酸化を増大させることが、発見された。それに応じて、以下の非限定的な本発明の実施形態が提供される。本明細書に記載される実施形態を適切に組み合わせて、またはさらに分割して、追加的な実施形態を含んでなる、それからなる、またはそれから本質的になる、適切な下位組み合わせをもたらしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施例7a、7b、7c、8e、および8fによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【
図2】
図2は、実施例7a、7d、7e、および8bによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【
図3】
図3は、実施例7a、7f、7g、および8cによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【
図4】
図4は、実施例7a、7h、7i、および7jによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【
図5】
図5は、実施例7a、7c、7k、および8aによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【
図6】
図6は、混合トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、およびレシチンを含有する油(実施例7b)と対比した、レシチンを実質的に含まない油中に含有される鉄の濃度(PPB)を描写するグラフである(実施例7a、7c、7h、8a~c、および8f)。
【
図7】
図7は、実施例7a、8d、および7mによる油の魚臭感覚値を経時的に描写するグラフである。
【0007】
[13]本明細書で開示されるのは、(i)少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも30重量%の1つまたは複数の(one ore more)多価不飽和脂肪酸;(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および(iii)約1000ppm未満のレシチンを含んでなる油である。
【0008】
[14]本明細書で開示されるのは、(i)少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸;(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および(iii)アスコルビン酸誘導体から選択される約750ppm未満の第2の抗酸化剤を含んでなる油である。
【0009】
[15]本明細書で開示されるのは、(i)少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸;(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および(iii)約30ppb未満の鉄を含んでなる油である。任意選択的に油は、少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸を含んでなる。
【0010】
[16]本明細書で開示されるのは、(i)少なくとも4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも約30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸;(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および(iii)酸化安定性を改善する手段を含んでなる油であり、前記油は1.5未満の魚臭を有する。
【0011】
[17]本明細書の用法では、少なくとも4個の二重結合を有する、1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸の重量%は、油中の全脂肪酸の総重量に対して表される。
【0012】
[18]本明細書の用法では、油中に存在する、1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸の重量%は、少なくとも4個の二重結合を有する全多価不飽和脂肪酸の合計の重量百分率を指す。
【0013】
[19]本明細書の用法では、特定の脂肪酸、または特定の脂肪酸の任意の組み合わせの重量%は、油中の総脂肪総重量に対して表される。
【0014】
[20]レシチンについて記述するのに使用される場合、「本質的に含まない」という用語は、約150ppm、約15ppm、約10ppm、約5ppm、約1ppm、および約0ppm以下を意味する。
【0015】
[21]アスコルビン酸誘導体について記述するのに使用される場合、「本質的に含まない」という用語は、約3ppm、約2.5ppm、約2ppm、約1.5ppm、約1ppm、約0.5ppm、約0以下を意味する。
【0016】
[22]「含まない」という用語は、レシチンまたはアスコルビン酸誘導体について記述するのに使用される場合、検出可能な量が存在しないことを意味する。
【0017】
[23]「レシチン」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、ヒマワリレシチン、大豆レシチン、卵レシチン、およびそれらの混合物を含む。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約1200ppm未満のレシチン、約1000ppm未満のレシチン、750ppm未満のレシチン、約500ppm未満レシチン、約250ppm未満のレシチン、または約200ppm未満のレシチンを含んでなる。一実施形態では、本明細書に記載される油は、レシチンを含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、レシチンを本質的に含まない。
【0018】
[24]別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約30ppb未満、より特には、約25ppb、20ppb、15ppb、10ppb、5ppb、1ppb、0.5ppb、または0.2ppb以下の鉄含量を有する。別の実施形態では、鉄含量は0ppbである。
【0019】
[25]「抗酸化剤」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、緑茶抽出物、および/またはその混合物を含む。
【0020】
[26]一実施形態では、抗酸化剤は、トコフェロール、緑茶抽出物、および/またはその混合物から選択される、第1の抗酸化剤である。別の実施形態では、抗酸化剤は、アスコルビン酸誘導体から選択される、第2の抗酸化剤である。
【0021】
[27]「アスコルビン酸誘導体」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、および/またはその混合物を含む。一実施形態では、アスコルビン酸誘導体は、パルミチン酸アスコルビル(ascorbyl pamitate)である。
【0022】
[28]さらなる実施形態では、アスコルビン酸誘導体は、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約250ppm、約0ppm~約300ppm、約0ppm~約400ppm、約0ppm~約750ppm、約50ppm~約250ppm、約50ppm~約300ppm、約50ppm~約400ppm、約50ppm~約750ppm、約250ppm~約750ppm、約250ppm~400ppm、約250ppm~約300ppm、約300ppm~約400ppmの範囲の量で、本明細書に記載される油中に存在する。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約750ppm未満のアスコルビン酸誘導体、約400ppm未満のアスコルビン酸誘導体、約300ppm未満のアスコルビン酸誘導体、約250ppm未満のアスコルビン酸誘導体、または約50ppm未満のアスコルビン酸誘導体を含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、アスコルビン酸誘導体を本質的に含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、パルミチン酸アスコルビルを本質的に含まない。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約250ppmのアスコルビン酸誘導体を含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、アスコルビン酸誘導体を含まない。さらなる実施形態では、油は、パルミチン酸アスコルビルを含まない。
【0023】
[29]一実施形態では、本明細書に記載される油は、アスコルビン酸誘導体を本質的に含まず、レシチンを本質的に含まない。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、パルミチン酸アスコルビルを本質的に含まず、レシチンを本質的に含まない。別の実施形態では、油は、アスコルビン酸誘導体を含まず、レシチンを含まない。さらに別の実施形態では、油は、パルミチン酸アスコルビルを含まず、レシチンを含まない。
【0024】
[30]さらに別の実施形態では、少なくとも1つの第1の抗酸化剤はトコフェロールである。別の実施形態では、少なくとも1つの第1の抗酸化剤は添加トコフェロールである。なおもさらなる実施形態では、少なくとも1つの第1の抗酸化剤は混合トコフェロールである。別の実施形態では、少なくとも1つの第1の抗酸化剤は、dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、およびδ-トコトリエノール、またはその混合物である。
【0025】
[31]別の実施形態では、「トコフェロール」という用語は、dl-α-トコフェロール(すなわち合成トコフェロール)、d-α-トコフェロール(すなわち天然トコフェロール)、β-、γ-、およびδ-トコフェロールdl-α-トコフェロール、およびα-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、およびδ-トコトリエノールをはじめとするが、これに限定されるものではない、トコフェロールのあらゆる異性体(またはその混合物)を意味する。
【0026】
[32]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約900ppm~約3400ppm、約900ppm~約2400ppm、約900ppm~約2000ppm、約900ppm~約1700ppm、約900ppm~約1400ppm、約1400ppm~約3400ppm、約1400ppm~約2400ppm、約1400ppm~約2000ppm、約1400ppm~約1700ppm、約1700ppm~約3400ppm、約1700ppm~約2400ppm、約1700ppm~約2000ppm、約2000ppm~約3400ppm、約2000ppm~約2400ppm、または約2400ppm~約3400ppmの範囲の量でトコフェロールを含んでなってもよい。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約3400ppm未満のトコフェロール、約2400ppm未満のトコフェロール、約2000ppm未満のトコフェロール、約1700ppm未満のトコフェロール、約1400ppm未満のトコフェロール、または約900ppm未満のトコフェロールを含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、少なくとも約900ppmのトコフェロール、少なくとも約1400ppmのトコフェロール、少なくとも約1700ppmのトコフェロール、少なくとも約2000ppmのトコフェロール、少なくとも約2400ppmのトコフェロール、または少なくとも約3400ppmのトコフェロールを含んでなる。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約1400ppmのトコフェロール、約1700ppmのトコフェロール、または約2400ppmのトコフェロールを含んでなる。
【0027】
[33]「添加トコフェロール」という用語が本明細書で使用される場合、本明細書に記載される油に添加された、トコフェロールの異性体および誘導体を含む。添加トコフェロールとしては、例えば、α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、D-α-トコフェロール、D-β-トコフェロール、D-γ-トコフェロール、D-β-トコフェロール、および/またはその混合物が挙げられる。
【0028】
[34]さらなる実施形態では、本明細書に記載される油(the the oil)は、約0ppm~約2500ppm、約0ppm~約1500ppm、約0ppm~約900ppm、約0ppm~約800ppm、約0ppm~約500ppm、約50ppm~約5000ppm、約500ppm~約3500ppm、約500ppm~約2500ppm、約500ppm~約1500ppm、約500ppm~約900ppm、約500ppm~約800ppm、約300ppm~約700ppm、約800ppm~約2500ppm、約800ppm~約1500ppm、約800ppm~約900ppm、約900ppm~約2500ppm、約900ppm~約1500ppm、または約1500ppm~約2500ppmの範囲の添加トコフェロールを含んでなってもよい。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約2500ppm未満の添加トコフェロール、約1500ppm未満の添加トコフェロール、約900ppm未満の添加トコフェロール、約800ppm未満の添加トコフェロール、または約500ppm未満の添加トコフェロールを含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約500ppmの添加トコフェロール、約800ppmの添加トコフェロール、または約1500ppmの添加トコフェロールを含んでなる。
【0029】
[35]一実施形態では、トコフェロールは、α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、D-α-トコフェロール、D-β-トコフェロール、D-γ-トコフェロール、D-β-トコフェロール、および/またはその混合物から選択される。
【0030】
[36]「混合トコフェロール」という用語が、本明細書で使用される場合、例えば、dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、D-α-トコフェロール、D-β-トコフェロール、D-γ-トコフェロール、およびD-δ-トコフェロールの混合物をはじめとする、添加トコフェロールの異性体および誘導体の混合物を含む。
【0031】
[37]一実施形態では、混合トコフェロールは、D-α-トコフェロール、D-β-トコフェロール、D-γ-トコフェロール、およびD-δ-トコフェロールの混合物である。別の実施形態では、混合トコフェロールは、約9~約20%のD-α-トコフェロール、約1~約4%のD-β-トコフェロール、約50~約65%のD-γ-トコフェロール、および約20~約35%のD-δ-トコフェロールの混合物である。さらに別の実施形態では、混合トコフェロールは、天然混合トコフェロールである。
【0032】
[38]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約900ppm~約3400ppm、約900ppm~約2400ppm、約900ppm~約2000ppm、約900ppm~約1700ppm、約900ppm~約1400ppm、約1400ppm~約3400ppm、約1400ppm~約2400ppm、約1400ppm~約2000ppm、約1400ppm~約1700ppm、約1700ppm~約3400ppm、約1700ppm~約2400ppm、約1700ppm~約2000ppm、約2000ppm~約3400ppm、約2000ppm~約2400ppm、または約2400ppm~約3400ppmの範囲の量で混合トコフェロールを含んでなる。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約3400ppm未満の混合トコフェロール、約2400ppm未満の混合トコフェロール、約2000ppm未満の混合トコフェロール、約1700ppm未満の混合トコフェロール、約1400ppm未満の混合トコフェロール、または約900ppm未満の混合トコフェロールを含んでなる。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約1400ppmの混合トコフェロール、約1700ppmの混合トコフェロール、または約2400ppmの混合トコフェロールを含んでなる。
【0033】
[39]本明細書に記載される油は、例えば発酵中に微生物が産生するトコトリエノールの形態である、天然トコフェロールをさらに含有してもよく、これは究極的に粗製油中に含有される。粗製油中に含有される天然トコフェロールの量は、例えば約25ppm~約500ppmのトコトリエノールの範囲に及び得る。
【0034】
[40]「緑茶抽出物」という用語は、例えばポリフェノール化合物(すなわちカテキン)を含有する緑茶抽出物を含む。緑茶抽出物中に存在し得るポリフェノール化合物の例としては、没食子酸エピガロカテキン25(EGCG)、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピカテキン(ECG)、エピカテキン(EC)、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、緑茶抽出物は、あらゆるキャリアを除いた緑茶抽出物の重量基準で、約1%~約90%、約5%~約85%、約10%~約80%、約15%~約75%、約20%~約70%、約25%~約65%、約30%~約60%、約35%~約55%、または約40%~約50%の量で、少なくとも1つのポリフェノール化合物を含有する。
【0035】
[41]「着香剤」という用語は、例えばローズマリー抽出物およびバニラを含む。ローズマリー抽出物は、例えばローズマリー(Rosmarinus officinalis)から抽出されてもよい。ローズマリー抽出物は、例えば有機であってもよい。ローズマリー抽出物は、シソ(Perilla)科に属するローズマリー葉を乾燥して、乾燥葉を粉砕し、結果として得られた微粉砕材料を水、熱水、ヘキサン、エタノール、アセトン、酢酸エチル、またはこれらのいずれかの溶媒の混合物で抽出して得てもよい。ローズマリー抽出物中に見られる成分の例としては、コーヒー酸、カルノソール、カルノシン酸、メトキシカルノシン酸、ロスマリン酸、ロスマノール、ロスマリジフェノール、ロスマリジキノン、および/またはその混合物が挙げられる。多数のローズマリー抽出物もまた市販され、任意の1つまたは複数を本発明で使用し得る。適切なローズマリー抽出物は、例えば米国ミシガン州カラマズー(Kalamazoo,MI,USA)のKalsecからHerbalox(登録商標)の商品名の下に;スロベニア国マルコフツィ(Markovci,Slovenia)のVitivaからInolens(登録商標)の商品名の下に;フランス国アヴィニョン(Avignon,France)のNaturexからStabileEnhance(登録商標)の商品名の下に;およびカナダ国オンタリオ(Ontario,Canada)のEcom Food Industries Corporationから製品コードNR3401の下に、市販される。
【0036】
[42]一実施形態では、着香剤はローズマリー抽出物である。別の実施形態では、ローズマリー抽出物は、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)から抽出される。
【0037】
[43]さらに別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約0ppm~約5000ppm、約0ppm~約3500ppm、約0ppm~約3000ppm、約0ppm~約2000ppm、約0ppm~約750ppm、約0ppm~約500ppm、約50ppm~約5000ppm、50ppm~約7,500ppm、約50ppm~約10,000ppm、約500ppm~約5000ppm、約500ppm~約4000ppm、約500~約3500ppm、約500ppm~約3000ppm、約500ppm~約2000ppm、約500ppm~約750ppm、約750ppm~約5000ppm、約750ppm~約3500ppm、約750ppm~約3000ppm、約750ppm~約2000ppm、約2000ppm~約5000ppm、約2000ppm~約3500ppm、約2000ppm~3000ppm、約3000ppm~約3500ppm、約3500ppm~約5000ppmの範囲の量でローズマリー抽出物を含んでなってもよい。なおも別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppm未満のローズマリー抽出物、約3500ppm未満のローズマリー抽出物、約3000ppm未満のローズマリー抽出物、約200ppm未満のローズマリー抽出物、約750ppm未満のローズマリー抽出物、または約500ppm未満のローズマリー抽出物を含んでなる。なおもさらに別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppmのローズマリー抽出物、約3500ppmのローズマリー抽出物、約3000ppmのローズマリー抽出物、または約2000ppmのローズマリー抽出物を含んでなる。
【0038】
[44]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約3000ppmのローズマリー抽出物、約1700の混合トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを本質的に含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約3000ppmのローズマリー抽出物、約800ppmの添加トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを本質的に含まない。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約3500ppmのローズマリー抽出物および約1400ppmの混合トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを本質的に含まない。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約3500ppmのローズマリー抽出物および約500ppmの添加トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを本質的に含まない。なおもまたさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約2000ppmのローズマリー抽出物および約2400ppmの混合トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを本質的に含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約2000ppmのローズマリー抽出物および約1500ppmの添加トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを本質的に含まない。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppmのローズマリー抽出物、約1700の混合トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを本質的に含まない。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppmのローズマリー抽出物、約800ppmの添加トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを本質的に含まない。
【0039】
[45]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約3000ppmのローズマリー抽出物、約1700の混合トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約3000ppmのローズマリー抽出物、約800ppmの添加トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを含まない。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約3500ppmのローズマリー抽出物および約1400ppmの混合トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを含まない。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約3500ppmのローズマリー抽出物および約500ppmの添加トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを含まない。なおもまたさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約2000ppmのローズマリー抽出物および約2400ppmの混合トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを含まない。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約2000ppmのローズマリー抽出物および約1500ppmの添加トコフェロールを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンおよびパルミチン酸アスコルビルを含まない。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppmのローズマリー抽出物、約1700の混合トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを含まない。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約5000ppmのローズマリー抽出物、約800ppmの添加トコフェロール、および約250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含んでなってもよいが、ただし油はレシチンを含まない。
【0040】
[46]一実施形態は、油中の脂肪酸含量の少なくとも約30%重量の少なくとも4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸;少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および酸化安定性を改善する手段を含んでなる油を対象とする。
【0041】
[47]p-アニシジン値(p-AV)は、AOCS公定法Cd 18-90に従って判定される。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約40未満;約30未満;または約20未満のp-AVを有する。
【0042】
[48]過酸化物価(PV)は、AOCS公定法Cd 8-53に従って判定される。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約20meq/kg未満;約10meq/kg未満;または約5meq/kg未満のPVを有する。
【0043】
[49]ランシマット値は、気流を10L/時間に設定して90℃で操作される、ランシマット装置を使用する、油安定性の標準試験法によって判定される(AOCS Cd 12b-92)。一実施形態では、本明細書に記載される油は、適切な貯蔵時に、約3以下から約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19のランシマット値を有する。一実施形態では、ランシマット値は、約3ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、または8ヶ月間の適切な貯蔵後に判定される。理解にある当業者は(A person of skill in the understand)は、本明細書に記載される油が、どのような条件で貯蔵されるのかを理解するであろう。一実施形態では、本明細書に記載される油は、真空包装されて次にN2下で熱融着されるナイロン/ホイル/PE低密度ポリエチレンバッグ(Heritage Packaging)内、またはエポキシフェノールで被覆されたアルミニウム容器(Elemental Container Inc.)内で、室温(25℃)において貯蔵される。
【0044】
[50]磯/魚臭(嗅覚)および磯/魚臭物質(味覚)感覚値は、Sensory Evaluation Techniques,Meilgaard et al,CRC Press;第4版(2006年12月13日)に記載される方法に従って判定された。8~18人の熟練した人々からなるパネルが、サンプルを味わう(または匂いを嗅ぐ)。パネルの各個人が、サンプルの値を判定する。その後、全ての値は算術平均であり(all the values are averages arithmetically)、結果の端数を切り上げまたは切り捨てる。≧1.5の魚臭/磯香および≧2.5の魚臭/磯香物質の値は、一般集団によって知覚可能であることが予期される。
【0045】
[51]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、または約9ヶ月間の適切な貯蔵後に、1.5未満の魚臭感覚値を有する。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、0~3ヶ月間、0~4ヶ月間、0~5ヶ月間、0~6ヶ月間、0~7ヶ月間、0~8ヶ月間、または0~9ヶ月間から選択される期間で、1.5未満の魚臭値を有する。一実施形態では、適切な貯蔵は、真空包装されて次にN2下で熱融着されるナイロン/ホイル/PE低密度ポリエチレンバッグ内、またはエポキシフェノールで被覆されたアルミニウム容器内で、室温(25℃)において実施される。
【0046】
[52]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、または約9ヶ月間の適切な貯蔵後に、2.5未満の魚臭物質感覚値を有する。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、0~3ヶ月間、0~4ヶ月間、0~5ヶ月間、0~6ヶ月間、0~7ヶ月間、0~8ヶ月間、または0~9ヶ月間から選択される期間で、1.5未満の魚臭値を有する。一実施形態では、適切な貯蔵は、真空包装されて次にN2下で熱融着されるナイロン/ホイル/PE低密度ポリエチレンバッグ内、またはエポキシフェノールで被覆されたアルミニウム容器内で、室温(25℃)において実施される。
【0047】
[53]一実施形態では、4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAは、ドコサヘキサエン酸(docasoahexaenoic acid)(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、アラキドン酸(「ARA」)、ω-3ドコサペンタエン酸(「DPA n-3」)、およびω-6ドコサペンタエン酸(「DPA n-6」)から選択される。いくつかの実施形態では、油はω-3PUFAを含んでなる。さらなる実施形態では、ω-3PUFAは、DHA、EPA、DPA n-3、およびそれらの混合物から選択される。
【0048】
[54]いくつかの実施形態では、油は、油の全脂肪酸含量の重量%として表される、以下の脂肪酸(またはそのエステル)の少なくとも1つによって特徴付けられる。本明細書に記載される実施形態は、約3%以下の他の脂肪酸またはそのエステルをさらに含んでなってもよい。
【0049】
[55]一実施形態では、本明細書に記載される油は、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、または少なくとも約50重量%の少なくとも4個の二重結合を有する、1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸を含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約30重量%~約60重量%、約30重量%~約50重量%、約30重量%~約40重量%、約40重量%~約60重量%、または約40重量%~約50重量%の少なくとも4個の二重結合を有する、1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸を含んでなる。
【0050】
[56]一実施形態では、本明細書に記載される油は、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、または少なくとも約50重量%のDHAを含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約30重量%~約60重量%、約30重量%~約50重量%、約30重量%~約40重量%、約40重量%~約60重量%、または約40重量%~約50重量%のDHAを含んでなる。
【0051】
[57]一実施形態では、本明細書に記載される油は、少なくとも約35重量%のDHA+EPA、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%のDHA+EPAを含んでなり、前記油は、約80重量%未満、約70重量%未満、または約60重量%未満のDHA+EPAを含んでなる。
【0052】
[58]一実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、または少なくとも約50%の少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約60%、または約40%~約50%の少なくとも4個の二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含んでなる。
【0053】
[59]一実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、または少なくとも約50%のDHAを含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、約30%~約60%、約30%~約50%、約30%~約40%、約40%~約60%、または約40%~約50%のDHAを含んでなる。
【0054】
[60]別の実施形態では、油は、全脂肪酸の重量基準で、約80%未満、約70%未満、または約60%未満の4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAを含んでなる。
【0055】
[61]DHAのおよびEPAの効力は、AOCS公定法Ce 1b-89に従って判定される。一実施形態では、本明細書に記載される油は、約200mgのDHA/g油、約300mgのDHA/g油、約350mgDHA/g油、約400mgのDHA/g油、または約500mgのDHA/g油を含んでなる。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、約120mgのEPA/g油または約130mgのEPA/g油を含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約200mgのDHA/g油~約600mgのDHA/g油、約200mgのDHA/g油~約500mgのDHA/g油、約200mgのDHA/g油~約400mgのDHA/g油、約300mgのDHA/g油~約600mgのDHA/g油、約300mgのDHA/g油~約500mgのDHA/g油、または約300mgのDHA/g油~約400mgのDHA/g油を含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約100mgのEPA/g油~約250mgのEPA/g油を含んでなる。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約400mgのDHA+EPA/g油または約500mgのDHA+EPA/g油を含んでなる。
【0056】
[62]一実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、約2%以下のARAを含んでなってもよい。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、約3%以下のEPAを含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で、約18%以下または約12%~約18%のDPA n-6を含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、油の全脂肪酸含量の重量基準で約10%以下の他の脂肪酸を含んでなってもよい。
【0057】
[63]いくつかの実施形態では、油はEPAを実質的に含まない。本明細書の用法では、「EPAを実質的に含まない」という用語は、油の全脂肪酸含量の重量基準でEPAが約3%未満である油を指してもよい。いくつかの実施形態では、油は、油の全脂肪酸含量の約2重量%未満のEPA、油の全脂肪酸含量の約1重量%未満のEPA、油の全脂肪酸含量の約0.5重量%未満のEPA、油の全脂肪酸含量の約0.2重量%未満のEPA、または油の全脂肪酸含量の約0.01重量%未満のEPAを含んでなる。いくつかの実施形態では、油は、当該技術分野で公知の技術を使用して検出可能な量のEPAを有しない。いくつかの実施形態では、油はEPAを有しない。
【0058】
[64]いくつかの実施形態では、油はまた、ARAを実質的に含まないことができる。いくつかの実施形態では、ARAは、油の全脂肪酸含量の重量基準で約3%未満である。いくつかの実施形態では、ARAは、油の全脂肪酸含量の約2重量%未満、油の全脂肪酸含量の約1重量%未満、油の全脂肪酸含量の約0.5重量%未満、油の全脂肪酸含量の約0.2重量%未満、または油の全脂肪酸含量の約0.01重量%未満を構成する。いくつかの実施形態では、油は、検出可能な量のARAを有しない。
【0059】
[65]一実施形態では、本明細書に記載される油は、約2重量%以下のARAを含んでなってもよい。さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約3重量%以下のEPAを含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約18重量%以下または約12重量%~約18重量%のDPA n-6を含んでなる。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、約10重量%以下のその他の脂肪酸を含んでなってもよい。
【0060】
[66]いくつかの実施形態では、油はEPAを実質的に含まない。本明細書の用法では、「EPAを実質的に含まない」という用語は、その中でEPAが約3重量%未満である油を指してもよい。いくつかの実施形態では、油は、約2重量%未満のEPA、約1重量%未満のEPA、約0.5重量%未満のEPA、約0.2重量%未満のEPA、または約0.01重量%未満のEPAを含んでなる。いくつかの実施形態では、油は、当該技術分野で公知の技術を使用して検出可能な量のEPAを有しない。いくつかの実施形態では、油はEPAを有しない。
【0061】
[67]いくつかの実施形態では、油はまた、ARAを実質的に含まないことができる。いくつかの実施形態では、油は、約3重量%未満のARAを含んでなる。いくつかの実施形態では、油は、2重量%未満のARA、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.01重量%未満のARAを含んでなる。いくつかの実施形態では、油は、検出可能な量のARAを有しない。
【0062】
[68]本明細書に記載される油は、このような油が必要とされるあらゆる用途で使用し得る。油は、例えば、食品(飲料および健康補助食品をはじめとする)、動物飼料、および/またはパーソナルケア製品で使用し得る。これらの製品は、例えば、液体、乳剤、ゲル、および/または固体などのあらゆる形態であり得る。これらの製品は、即時使用可能(即時摂取可能)な製品、および(例えば希釈、溶解、加熱などによって)さらに加工しなくてはならない製品であり得る。一実施形態では、本明細書で開示される油は、食用油である。別の実施形態では、本明細書で開示される油は、食品で使用される食用油である。例示的な食品としては、栄養バー、健康補助食品、グラノーラバー、ベイクド製品(例えばパン、ロール、クッキー、クラッカー、フルーツパイ、またはケーキ)、パスタ、薬味、サラダドレッシング、スープミックス、スナック食品、加工果汁、ソース、グレイビー、シロップ、飲料、乾燥飲料粉末、およびジャムまたはジェリーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0063】
[69]さらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、有機である。「有機」という用語は、本明細書の用法では、例えば、食品のラベルにこの用語を含めるための米国農務省(U.S.Department of Agriculture;USDA)および欧州連合(EU)が規定する標準規格を含む。EU標準規格は、例えばEC規則834/2007に記載され、米国ではUSDA標準規格は、例えば全米有機プログラム規制(National Organic Program Regulation)7 C.F.R.,Part 205に記載される。
【0064】
[70]なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、天然である。「天然」という用語は、本明細書の用法では、例えば食品ラベルにおけるこの用語の使用が、添加された着色剤、人工香味料、または合成物質を含有しない食品に付随することを含む。
【0065】
[71]4つの炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAは、例えば、魚、海洋哺乳類、および甲殻類(オキアミおよびその他のオキアミ目などの)などの水生動物;例えば、脳、肝臓、および眼球をはじめとする動物組織と、例えば、卵やミルクをはじめとする畜産物を含む、動物性原料;微細藻類;植物;および/または種子をはじめとする、種々の供給源から得られ得る。一実施形態では、油は、魚、微細藻類、植物または種子から得られる。
【0066】
[72]一実施形態では、4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAは、微細藻類から得られる。別の実施形態では、微細藻類はヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)からのものである。ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)としては、例えば以下が挙げられる。スラウストキトリウム属(Thraustochytrium)(アルジメンタレ(arudimentale)、アウレウム(aureum)、ベンチコラ(benthicola)、グロボスム(globosum)、キネイ(kinnei)、モチブム(motivum)、マルチルジメンタレ(multirudimentale)、パキデルマム(pachydermum)、プロリフェルム(proliferum)、ロゼウム(roseum)、ストリアツム(striatum)種をはじめとする);シゾキトリウム属(Schizochytrium)(アグレガツム(aggregatum)、リムナセウム(limnaceum)、マングロベイ(mangrovei)、ミヌツム(minutum)、オクトスポルム(octosporum)種をはじめとする);ウルケニア属(Ulkenia)(アメーボイデア(amoeboidea)、ケルゲレンシス(kerguelensis)、ミヌタ(minuta)、プロファンダ(profunda)、ラジアタ(radiate)、サイレンス(sailens)、サルカリアナ(sarkariana)、シゾキトロプス(schizochytrops)、ビスルゲンシス(visurgensis)、ヨーケンシス(yorkensis))をはじめとする種);オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)(Aurantiacochytrium);オブロンギキトリウム属(Oblongichytrium)、サイコイドキトリウム属(Sicyoidochytrium)(Sicyoidochytium)、パリエチキトリウム属(Parietichytrium)(Parientichytrium)、ボトリオキトリウム属(Botryochytrium)、およびそれらの組み合わせ。本発明の目的では、ウルケニア属(Ulkenia)内に記載される種は、シゾキトリウム属(Schizochytrium)のメンバーと見なされる。さらに別の実施形態では、微細藻類はスラウストキトリウム属(Thraustochytrium)種であり、なおもさらなる実施形態では、微細藻類はシゾキトリウム属(Schizochytrium)種であり、なおもさらなる実施形態では、微細藻類はスラウストキトリウム属(Thraustochytrium)種およびシゾキトリウム属(Schizochytrium)種から選択される。
【0067】
[73]別の実施形態では、4つの炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAは、例えば、培養発酵中で、または穀類(トウモロコシ、オオムギ、コムギ、イネ、モロコシ、トウジンビエ、トウモロコシ、ライムギ、およびオートムギなど);インゲンマメ;大豆;ピーマン;レタス;エンドウマメ;キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、芽キャベツ、ナタネ、およびラディッシュなどのアブラナ属(Brassica)種;ニンジン;ビーツ;ナス;ホウレンソウ;キュウリ;カボチャ;メロン;カンタロープメロン;ヒマワリ;紅花;キャノーラ;亜麻;落花生;マスタード;ナタネ;ヒヨコマメ;レンズマメ;白色クローバー;オリーブ;パーム;ルリヂサ;月見草;亜麻仁;およびタバコをはじめとする、作物植物中のいずれかで栽培された植物から得られる。
【0068】
[74]一実施形態では、本明細書に記載される油は、粗製油である。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、精製油である。なおもさらなる実施形態では、本明細書に記載される油は、最終油である。「粗製油」は、さらなる処理なしで、微生物バイオマスから抽出される油である。「精製油」は、精製、漂白、および/または脱臭の標準処理により粗製油を処理することで、得られる油である。例えば米国特許第5,130,242号明細書を参照されたい。「最終油」は、植物油とさらに混合された精製油である。いくつかの実施形態では、最終油は、中鎖トリグリセリド(MCT)、キャノーラ油、パーム油、およびヒマワリ油から選択される植物油と混合された精製油である。いくつかの実施形態では、ヒマワリ油は、高オレイン酸ヒマワリ油である。別の実施形態では、ヒマワリ油は有機である。なおも別の実施形態では、高オレイン酸ヒマワリ油は有機である。
【0069】
[75]一実施形態は、油中の脂肪酸含量の重量を基準にして少なくとも30%で少なくとも4つの二重結合を有する少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含んでなる油に、少なくとも1つの第1の抗酸化剤の有効量を添加するステップを含んでなる、油の酸化安定性を改善する方法を対象とする。
【0070】
[76]本明細書に記載される微生物油は、当業者に知られているあらゆる適切な手段によって、微細藻類から回収され得る。例えば油は、例えば国際公開第2001/053512号パンフレット、国際公開第2001/051598号パンフレット、国際公開第2001/076715号パンフレット、および国際公開第2001/076385号パンフレット;米国特許公開第2007/0004678号明細書および米国特許公開第2005/012739号明細書;および米国特許第6,399,803号明細書に記載されるものなどの技術を用いた抽出によって、回収され得る。脂質回収のためにバイオマスを酵素処理する方法は、国際公開第2003/09628号パンフレット;米国特許公開第2005/0170479号明細書;欧州特許公開第0776356第号明細書;および米国特許第5,928,696号明細書で開示される。
【0071】
[77]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される油は、以下のステップによって得られる。4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも1つのC18~22PUFAを含有する油を産生する能力がある微細藻類を発酵させることで、バイオマスを生成するステップと;バイオマスを収穫するステップと;バイオマスを噴霧乾燥するステップと;油をバイオマスから抽出するステップと;(遊離脂肪酸およびリン脂質を除去するために)油を精製するステップと;(あらゆる残留極性化合物および酸化促進剤金属を除去するために、そして脂質酸化生成物を分解するために)油を漂白するステップと;(あらゆる残留不溶性脂肪、ワックス、および固形分を除去するために)油を冷却濾過するステップと;(任意選択的に真空下で、および例えば充填されたカラム、向流水蒸気蒸留脱臭装置内で)油脱臭するステップと;抗酸化剤を油に添加するステップと;およびあらゆるそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、事前に確立された期間にわたる制御された成長後、培養物を遠心分離し、次に低温殺菌して、噴霧乾燥することで回収する。特定の実施形態では、乾燥バイオマスを窒素でフラッシュして包装後、-20℃で凍結保存する。特定の実施形態では、細胞を破壊して油と細胞破片を分離させるバッチプロセスにおいて、バイオマスをn-ヘキサンまたはイソヘキサンと混合することによって、油を乾燥バイオマスから抽出する。特定の実施形態では、次に溶媒を除去する。一実施形態では、本明細書に記載される油は、Model AGV Multivac(Multivac Sepp Haggenmueller GmbH & Co.KG)上において、真空包装されて次にN2下で熱融着される、ナイロン/ホイル/PE低密度ポリエチレンバッグ内で、室温(25℃)において貯蔵される。別の実施形態では、本明細書に記載される油は、エポキシ-フェノール被覆アルミニウム容器内で、室温(25℃)において貯蔵される。
【0072】
[78]本明細書に記載される油の最終用途次第で、油は、最終製品に、および/または最終製品の生産工程に、有用たり得るさらなる成分を含んでなり得る。このようなさらなる成分としては、例えば、着色剤、香料、増量剤、香味料、非レシチン乳化剤、安定剤、およびその他の親油性材料が挙げられる。
【0073】
[実施例]
[材料]
実施例3~15で使用されるローズマリー抽出物は、例えばカナダ国オンタリオのEcom Foods Industries Corporationから入手できる。実施例3~15で使用される高オレイン酸ヒマワリ油は、例えば商品名TriSun(登録商標)の下に、テネシー州メンフィス(Memphis,TN)のHumko oilsから入手できる。TAP 1010 Sunは、オランダ国ウォルフェガ(Wolvega,the Netherlands)のVitablendから入手できる。下の実施例で使用される大豆レシチンは、例えばイリノイ州ディケーターのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド株式会社(Archer Daniels Midland Co.(Decatur,IL))から、Yelkin(登録商標)Goldの商品名の下に入手できる。下の実施例で使用されるパルミチン酸アスコルビルは、例えばスイス国バーゼル(Basel Switzerland)のDSMニュートリショナル・プロダクツ(DSM Nutritional Products)から入手できる。
【0074】
[実施例1]
[80]少なくとも4個の炭素-炭素二重結合を有する少なくとも30%の少なくとも1つのPUFAを含有する、高品質粗製油の調製。ATCC受入番号PTA-10208(以下「PTA-10208」と称される)の下に寄託されたシゾキトリウム属(Schizochytrium)(Shizochytrium)種は、下述するように個別発酵によって培養された。典型的な培地および培養条件は、表1に記載される。
【0075】
[81]22.5℃およびpH7.0において1000ppmのCl-で、窒素供給中には20%の溶存酸素、その後は10%の溶存酸素がある、炭素(グルコース)および窒素供給される培養中で、PTA-10208は、10Lの発酵槽容積中の200時間の培養後に、95g/Lの乾燥細胞重量を生成した。脂質収率は53.7g/L;ω-3収率は37g/L;EPA収率は14.3g/L;およびDHA収率は21g/Lであった。脂肪酸含量は57重量%;EPA含量はFAMEの27.7%;DHA含量はFAMEの39.1%であった。これらの条件下では、脂質生産性は6.4g/L/日で、ω-3生産性は4.4g/L/日であり、1.7g/L/日のEPA生産性および2.5g/L/日のDHA生産性があった。
【0076】
[82]22.5℃およびpH7.5において1000ppmのCl-で、窒素供給中には20%の溶存酸素、その後は10%の溶存酸素がある、炭素(グルコース)および窒素供給される培養中で、PTA-10208は、10Lの発酵槽容積中の139時間の培養後に、56g/Lの乾燥細胞重量を生成した。脂質収率は53g/L;ω-3収率は34g/L;EPA収率は11.5g/L;およびDHA収率は22g/Lであった。脂肪酸含量は58重量%;EPA含量はFAMEの21.7%;DHA含量はFAMEの41.7%であった。これらの条件下では、脂質生産性は9.2g/L/日で、ω-3生産性は5.9g/L/日であり、2g/L/日のEPA生産性および3.8g/L/日のDHA生産性があった。
【0077】
[83]22.5℃およびpH7.0において1000ppmのCl-で、窒素供給中には20%の溶存酸素、その後は10%の溶存酸素がある、炭素(グルコース)および窒素供給される培養中で、PTA-10208は、2000Lの発酵槽容積中の167時間の培養後に、93.8g/Lの乾燥細胞重量を生成した。脂質収率は47.2g/L;ω-3収率は33.1g/L;EPA収率は10.5g/L;およびDHA収率は20.4g/Lであった。脂肪酸含量は50.6重量%;EPA含量はFAMEの23%;DHA含量はFAMEの42.6%であった。これらの条件下では、脂質生産性は6.8g/L/日で、ω-3生産性は4.7g/L/日であり、1.5g/L/日のEPA生産性および2.9g/L/日のDHA生産性があった。
【0078】
[84]22.5℃およびpH7.0において1000ppmのCl-で、窒素供給中には20%の溶存酸素、その後は10%の溶存酸素がある、炭素(グルコース)および窒素供給される培養中で、PTA-10208は、2000Lの発酵槽容積中の168時間の培養後に、105g/Lの乾燥細胞重量を生成した。脂質収率は46.4g/L;ω-3収率は33g/L;EPA収率は10.7g/L;およびDHA収率は20.3g/Lであった。脂肪酸含量は43.9重量%;EPA含量はFAMEの24%;DHA含量はFAMEの43.7%であった。これらの条件下では、脂質生産性は6.6g/L/日で、ω-3生産性は4.7g/L/日であり、1.5g/L/日のEPA生産性および2.9g/L/日のDHA生産性があった。
【0079】
[85]22.5℃およびpH7.0において1000ppmのCl-で、窒素供給中には20%の溶存酸素、その後は10%の溶存酸素がある、炭素(グルコース)および窒素供給される培養中で、PTA-10208は、2000Lの発酵槽容積中の168時間の培養後に、64.8g/Lの乾燥細胞重量を生成した。脂質収率は38.7g/L;ω-3収率は29.9g/L;EPA収率は8.5g/L;およびDHA収率は16.7g/Lであった。脂肪酸含量は59.6重量%;EPA含量はFAMEの23%;DHA含量はFAMEの42.3%であった。これらの条件下では、脂質生産性は5.53g/L/日で、ω-3生産性は3.8g/L/日であり、1.2g/L/日のEPA生産性および2.3g/L/日のDHA生産性があった。
【0080】
【0081】
[実施例2]
[86][PTA-10208の脂肪酸プロファイル]
実施例1に従って生産されたバイオマスの2つのサンプル(PTA-10208サンプル#1およびPTA-10208サンプル#2)は、溶媒抽出によって全粗製油含量について分析し、脂質クラスは、高速液体クロマトグラフィー/蒸発光散乱検出(HPLC/ELSD)によって判定し、トリアシルグリセロール(TAG)は、HPLC/質量分析法(HPLC/MS)によって解析して、脂肪酸(FA)プロファイルは、ガスクロマトグラフィー火炎イオン化検出(GC-FID)によって判定した。各凍結乾燥バイオマスの粗脂質含量は、ヘキサンによる溶剤研磨を使用して測定し、直接エステル交換によって生成されたFAME量(mg/g)の合計と比較して、得られた脂肪酸メチルエステル(FAME)をGC/FID分析によって定量化した。抽出された粗脂質中のFAはまた、結果として得られたFAMEをエステル交換し、GC/FID分析を使用して定量化することで、定量化された。全ての中性脂肪(NL)および遊離脂肪酸(FFA)の重量%は、ELSDと大気圧化学イオン化-MS(APCI-MS)同定とを用いる順相HPLCを使用して、抽出粗脂質中で判定された。方法は、ステロールエステル(SE)、TAG、FFAは、1,3-ジアシルグリセロール(1,3-DAG)、ステロール、1、2-ジアシルグリセロール(1,2-DAG)、およびモノアシルグリセロール(MAG)を分離および定量化した。結果は、表2および3に示される。
【0082】
[0100]TAGおよびリン脂質(PL)は、抽出された粗製油(PTA-10208サンプル#1およびPTA-10208サンプル#2)から単離された。TAGは低圧フラッシュクロマトグラフィーを使用して単離され、PLは固相抽出(SPE)を使用して単離された。各単離された留分の同一性は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって確認された。単離されたTAGおよびPL画分の脂肪酸プロファイルは、FAMEとしてGC-FIDを使用する、直接エステル交換に続いて判定された。結果は、表4に示される。
【0083】
[0101]ELSDおよびAPCI-MS同定を用いる順相HPLCを使用して、PTA-10208(PTA-10208サンプル#3)から抽出された粗製油サンプルから、個々の脂質クラスを単離した。
【0084】
[87][実験手順]
[88]粗製油抽出-粗製油は、溶媒粉砕を使用して、凍結乾燥バイオマスサンプルから抽出した。例えばおよそ3グラムのバイオマスをSwedish管内に量り入れる。3個のボールベアリングと30mLのヘキサンをSwedish管に添加して、それをネオプレン栓で密封し、振盪機に2時間入れた。結果として得られたスラリーは、ブフナー漏斗とワットマン紙濾紙を使用して濾過した。濾過した液体を収集して溶媒を真空下で除去し、残留した粗脂質量を重量測定的に判定した。
【0085】
[0102]脂肪酸分析-バイオマスサンプル、抽出された粗脂質、および単離された脂質クラスは、FAMEとして脂肪酸組成について分析した。簡単に述べると、凍結乾燥バイオマスおよび単離された脂質クラスをねじ蓋試験管内に直接量り入れる一方で、粗製油サンプルをヘキサンに溶解して、およそ2mg/mLの濃度にした。内標準を含有するトルエン、およびメタノール中の1.5N HClを各試験管に添加した。試験管をボルテックスし、次に栓をして100℃で2時間加熱した。試験管を放冷して、飽和NaCl水を添加した。試験管を再度ボルテックスし、遠心分離して層分離させた。次に有機層部分をGCバイアルに入れて、GC-FIDで分析した。ミネソタ州エリージャンのNu-Check(NuCheck,Elysian,MN)からのNu-Check-Prep GLC標準試料を使用して作成された三点検量線を使用して、FAMEを定量化した。抽出物中に存在する脂肪酸は、mg/gおよび重量%として表される。サンプル中の脂肪含量は、GC-FIDによって分析した際の内標準に対する同等の応答を仮定して、推定された。
【0086】
【0087】
[0103]固相抽出-米国パロアルトのバリアン社(Varian Inc,Palo Alto,USA)からのVac Elut装置内に入れた、スウェーデン国ウプサラのバイオタージ(Biotage,Uppsala,Sweden)からの2gのアミノプロピルカートリッジを使用して、固相抽出(SPE)によって、PL画分を粗脂質から分離した。15mlのヘキサンでカートリッジをコンディショニングして、約60mgの各サンプルを1mLのCHCl3に溶解し、カートリッジに装入した。カラムを15mLの2:1のCHCl3:イソプロピルアルコールで洗浄し、全ての中性脂肪を溶出して廃棄した。次に脂肪酸を15mlのエーテル中の2%酢酸(HOAc)で溶出して、廃棄した。PL部分を15mlの6:1メタノール:クロロホルムで溶出して収集し、窒素下で乾燥して秤量した。
【0088】
[0104]フラッシュクロマトグラフィー-フラッシュクロマトグラフィーを使用して、粗製油中に存在する脂質クラスを分離した。およそ200mgの粗製油をヘキサンに溶解して、カラム上部に注入した。クロマトグラフィーシステムは、石油エーテルと酢酸エチルから構成される、5mL/分(表6~7)または3mL/分(表8~13)の移動相と共に、ニュージャージー州ギブスタウンのEMDケミカル(EMD Chemical,Gibbstown,NJ)からのシリカゲル60を利用した。ステップ勾配を使用して、カラムから各脂質クラスを選択的に溶出した。移動相勾配は、100%石油エーテルで開始して、50%酢酸エチルで終了した。ウィスコンシン州ミドルトンのギルソン株式会社(Gilson,Inc.,Middleton,WI)からのギルソン(Gilson)FC 204大型床フラクションコレクターを使用して、画分を10mL試験管内に収集した。各試験管を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分析し、(予測される保持因子(RF)があるTLCプレート上の単一スポットによる判定で)個々の脂質クラスを含有する試験管をプールして、乾燥するまで濃縮し、計量した。次に全画分含量を重量測定的に判定した。
【0089】
[0105]TLC分析-薄層クロマトグラフィーは、シリカゲルプレート上で実施した。石油エーテル:エチルエーテル:酢酸(80:20:1)からなる溶媒系を使用してプレートを溶出し、ヨウ素蒸気を使用して視覚化した。次に各スポットのRf値と、各脂質クラスについて報告された文献値とを比較した。
【0090】
[0106]TAGおよびPL画分の分析-単離されたTAGおよびPL画分は、脂肪酸メチルエステル(FAME)として脂肪酸組成について分析した。TAG画分をヘキサンに溶解し、およそ1~2mg/mLの濃度を得た。溶液の1mLのアリコートを窒素下で乾燥するまで濃縮した。内標準を含有するトルエン、およびメタノール中の1.5N HClをそれぞれ試験管に添加した。試験管をボルテックスし、次に栓をして100℃で2時間加熱した。PL画分を含有する試験管に、内標準およびHClメタノールを直接添加して加熱した。試験管を放冷して、飽和NaCl水を添加した。試験管を再度ボルテックスし、遠心分離して層分離させた。次に有機層の部分をGCバイアルに入れて、GC-FIDで分析した。ミネソタ州エリージャンのNu-CheckからのNu-Check-Prep GLC 502B標準試料を使用して作成された三点検量線を使用して、FAMEを定量化した。抽出物中に存在する脂肪酸は、FAMEのmg/gおよび%として表される。
【0091】
[90][PTA-10208サンプル#1]
PTA-10208サンプル#1について、GC/FIDを使用して、バイオマスおよび抽出された粗脂質の脂肪酸プロファイルを判定した。28.6mgのバイオマスをFAME管内に直接量り入れて、バイオマス中のFAを原位置エステル交換する一方で、55.0mgの粗脂質を50mLメスフラスコ内に量り入れて、抽出された粗脂質のサンプルを調製し、1mLを別個のFAME管に移した。バイオマスの推定粗脂肪含量が、FIDによるGC検出を使用して、53.2%(FAMEの合計として)と判定される一方、52.0%(重量/重量)の脂質が乾燥バイオマスから抽出され、総脂質の97.8%の回収が得られた。粗脂質は、GC/FIDを使用して、91.9%脂肪酸(FAMEの合計として)と判定された。粗脂質中に含有される主要脂肪酸は、C16:0(182.5mg/g)、C20:5 n-3(186.8mg/g)、およびC22:6 n-3(423.1mg/g)であった。
【0092】
[0107]抽出された粗脂質の脂質クラスプロファイルは、55.0mgの粗脂質を50mLメスフラスコに量り入れ、アリコートをHPLC/ELSD/MS分析のためのHPLCバイアルに移し入れて、判定した。HPLC/ELSD/MS分析によると、粗脂質は、0.2%ステロールエステル(SE)、95.1%TAG、0.4%ステロール、および0.5%1,2-ジアシルグリセロール(DAG)を含有した。5%のTAG画分は、TAGピークの直後に溶出したが、認識可能な質量スペクトルを与えないピークを含んだ。
【0093】
[0108]このサンプルから単離されたTAGは、フラッシュクロマトグラフィーによる測定、粗製油のおよそ92.4%を構成した。SPE単離後、PLは重量またはTLCで検出されなかった。TAG中に含有される主要脂肪酸(>50mg/g)は、C16:0(189mg/g)、C20:5 n-3(197mg/g)、およびC22:6 n-3(441mg/g)であった。
【0094】
[91][PTA-10208サンプル#2]
PTA-10208サンプル#2について、GC/FIDを使用して、バイオマスおよび抽出された粗脂質の脂肪酸プロファイルを判定した。32.0mgのバイオマスをFAME管内に直接量り入れて、バイオマス中のFAを原位置エステル交換する一方で、60.1mgの粗脂質を50mLメスフラスコ内に量り入れて、抽出された粗脂質のサンプルを調製し、1mLを別個のFAME管に移した。バイオマスの推定粗脂肪含量が、FIDによるGC検出を使用して、52.4%(FAMEの合計として)と判定される一方、48.0%(重量/重量)の脂質が乾燥バイオマスから抽出され、総脂質の91.7%の回収が得られた。粗脂質は、GC/FIDを使用して、95.3%脂肪酸(FAMEの合計として)と判定された。粗脂質中に含有される主要脂肪酸は、C16:0(217.5mg/g)、C20:5 n-3(169.3mg/g)、およびC22:6 n-3(444.1mg/g)であった。
【0095】
[0109]抽出された粗脂質の脂質クラスプロファイルは、60.1mgの粗脂質を50mLメスフラスコに量り入れ、アリコートをHPLC/ELSD/MS分析のためのHPLCバイアルに移し入れて、判定された。HPLC/ELSD/MS分析によると、粗脂質は、0.2%SE、95.7%TAG、0.3%ステロール、および0.7%1,2-DAGを含有した。5.1%のTAG画分は、TAGピークの直後に溶出したが認識可能な質量スペクトルを与えなかったピークを含んだ。
【0096】
[0110]このサンプルからの単離TAGは、粗製油のおよそ93.9%を構成した。SPE単離後、PLは重量またはTLCで検出されなかった。TAG中に含有された主要脂肪酸(>50mg/g)は、C16:0(218mg/g)、C20:5 n-3(167mg/g)、およびC22:6 n-3(430mg/g)であった。
【0097】
[92][PTA-10208サンプル#3]
HPLC/ELSD/MSを使用して、ATCC受入番号PTA-10208の下で寄託された微生物からの粗製油サンプル(サンプルPTA-10208#3)を分析した。ステロールエステル(SE)画分が0.32%を構成し、TAG画分が96.13%を構成し、1,3-ジアシルグリセロール(DAG)画分が0.22%を構成し、1,2-DAG画分が0.78%を構成し、ステロール画分が0.93%を構成する、合計98.38%の脂質が回収された。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
[実施例3]
[0111]粗製油は、実施例1および2に記載される手順に従って得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、高オレイン酸ヒマワリ油(「HOSO」)とさらに混合して、合わせたDHA+EPA含量が少なくとも約400mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表13に記載される。
【0102】
【0103】
油中に含有されるその他の成分は、1200ppmのヒマワリレシチン;2000ppmのローズマリー抽出物;2000ppmの混合トコフェロール;および300ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。2000ppmの混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1700ppmの添加されたトコフェロール(上流加工中に添加された1100ppmを含む)と、油に添加された3000ppmのTAP 1010 Sunに含有される混合トコフェロールとに由来する。TAP 1010 Sunは、300ppmのパルミチン酸アスコルビル、300ppmの混合トコフェロール、および1200ppmのヒマワリレシチンを提供した。
【0104】
[実施例4]
[0112][ヒマワリレシチン、ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
粗製油は、実施例1および2に記載される手順に従って得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、合わせたDHA+EPA含量が少なくとも約500mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表14に記載される。
【0105】
【0106】
[0113]最終油中に含有されるその他の成分は、1600ppmのヒマワリレシチン;2000ppmのローズマリー抽出物;2400ppmの混合トコフェロール;および400ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。2400ppmの混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2000ppmの添加されたトコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)と、油に添加された4000ppmのTAP 1010 Sunに含有される混合トコフェロールとに由来する。TAP 1010 Sunは、400ppmのパルミチン酸アスコルビル、400ppmの混合トコフェロール、および1600ppmのヒマワリレシチンを提供した。
【0107】
[実施例5]
[93][ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
実施例1および2に記載される手順に従って得られた粗製油。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、合わせたDHA+EPA含量が少なくとも約500mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の特性は、表14に記載される特性と同様である。
【0108】
[94]最終油中に含有されるその他の成分は、3000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる1700ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0109】
[実施例6]
[95]実施例4および5に従った最終油の効力;魚臭/磯香(嗅覚);および魚臭/磯香物質(味覚)を比較した。この比較結果は、表15に記載される。
【0110】
[96]効力は、以下のプロトコルAOCS Ce 1b-89(修正法)によって得られた。磯/魚臭(嗅覚)および磯/魚臭物質(味覚)感覚値は、Sensory Evaluation Techniques,Meilgaard et al,CRC Press;第4版(2006年12月13日)に記載される方法に従って判定された。8~18人の熟練した人々からなるパネルが、実施例4および5に従った最終油サンプルを味わい、および/または匂いを嗅いだ。パネルの各個人が、サンプルの値を判定した。その後、全ての値を算術平均して、結果の端数を切り上げまたは切り捨てた。≧1.5の魚臭/磯香および≧2.5の魚臭/磯香物質の値は、一般集団によって知覚可能であることが予期される。
【0111】
[97]実施例4a~dおよび5のそれぞれの最終油は、25mm天然ポリプラグインサート(Elemental Container Inc.、品番024PLUG)付き100gエポキシ-フェノール被覆アルミニウム容器(Elemental Container Inc.、品番MC 12532)内に包装して、25℃で貯蔵した。
【0112】
【0113】
[実施例7]
[98]粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、DHA含量が少なくとも約350mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表16に記載される。
【0114】
【0115】
[99][実施例7a]
最終油中に含有されるその他の成分は、上流加工中に添加された900ppmの混合トコフェロールを含む。混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる。
【0116】
[100][実施例7b]
最終油中に含有されるその他の成分は、上流加工中に添加された900ppmの混合トコフェロール;400ppmのパルミチン酸アスコルビル;および2800ppmの大豆レシチンを含む。混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる。
【0117】
[101][実施例7c]
最終油中に含有されるその他の成分は、上流加工中に添加された900ppmの混合トコフェロール;750ppmのパルミチン酸アスコルビル;および2800ppmの大豆レシチンを含む。混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる。
【0118】
[0114][実施例7d]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;3500ppmのローズマリー抽出物;1400ppmの混合トコフェロール;および50ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)。
【0119】
[102][実施例7e]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;3500ppmのローズマリー抽出物;1400ppmの混合トコフェロール;および750ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。例えば1400ppmの混合トコフェロールは、オランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、上流加工中に添加された900ppmを含む。
【0120】
[103][実施例7f]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;3500ppmのローズマリー抽出物;3400ppmの混合トコフェロール;および50ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)。
【0121】
[104][実施例7g]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;3500ppmのローズマリー抽出物;3400ppmの混合トコフェロール;および750ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)。
【0122】
[105][実施例7h]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および500ppmのローズマリー抽出物を含む。
【0123】
[106][実施例7i]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;500ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および50ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0124】
[107][実施例7j]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;500ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および750ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0125】
[108][実施例7k]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;500ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、3400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および50ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0126】
[109][実施例7L]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;500ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、3400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および750ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0127】
[110][実施例7m]
最終油中に含有されるその他の成分は、2800ppmの大豆レシチン;2000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および400ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0128】
[実施例8]
[111][ローズマリー抽出物および混合トコフェロールを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、DHA含量が少なくとも約350mg/g油の最終油を達成し得る。この油の特性は、表16に記載される特性と同様である。
【0129】
[112][実施例8a]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、3400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および500ppmのローズマリー抽出物を含む。表17は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0130】
【0131】
[113][実施例8b]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および3500ppmのローズマリー抽出物を含む。表18は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0132】
【0133】
[114][実施例8c]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、3400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および3500ppmのローズマリー抽出物を含む。表19は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0134】
【0135】
[実施例8d]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および2000ppmのローズマリー抽出物を含む。表20は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0136】
【0137】
[115][実施例8e]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および0ppmのローズマリー抽出物を含む。表21は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビル、レシチンまたはローズマリー抽出物を含有しない油について要約する。
【0138】
【0139】
[116][実施例8f]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、(上流加工中に添加された)900ppmの混合トコフェロール;および2000ppmのローズマリー抽出物を含む。表22は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0140】
【0141】
[117][実施例8g]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2400ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および2000ppmのローズマリー抽出物を含む。表23は、本実施例による、パルミチン酸アスコルビルまたはレシチンを含有しない油について要約する。
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
[118]ランシマット値は、気流を10L/時間に設定して90℃で操作される、ランシマット装置を使用する油安定性の標準試験法によって判定される(AOCS Cd 12b-92)。効力は、以下のプロトコルAOCS Ce 1b-89(修正法)によって得られた。磯/魚臭(嗅覚)および磯/魚臭物質(味覚)感覚値は、Sensory Evaluation Techniques,Meilgaard et al,CRC Press;第4版(2006年12月13日)に記載される方法に従って判定された。8~18人の熟練した人々からなるパネルが、実施例7a~mおよび8a~gに従った最終油サンプルサンプル(a sample a sample)を味わい、および/または匂いを嗅いだ。パネルの各個人が、サンプルの値を判定した。その後、全ての値を算術平均して、結果の端数を切り上げまたは切り捨てた。≧1.5の魚臭/磯香および≧2.5の魚臭/磯香物質の値は、一般集団によって知覚可能であることが予期される。
【0147】
[119]実施例7a~mおよび8a~gの最終油は、Model AGV Multivac(Multivac Sepp Haggenmueller GmbH & Co.KG)上で、ナイロン/ホイル/PE低密度ポリエチレンバッグ内に真空包装されて、N2下で熱融着され、25℃で貯蔵される。
【0148】
[実施例10]
[120][ヒマワリレシチン、ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、DHA含量が少なくとも約350mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表25に記載される。
【0149】
【0150】
[0115][実施例10a~10e]
最終油中に含有されるその他の成分は、1600ppmのヒマワリレシチン;2000ppmのローズマリー抽出物;2400ppmの混合トコフェロール;および400ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。2400ppmの混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2000ppmの添加されたトコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)と、油に添加された4000ppmのTAP 1010 Sunに含有される混合トコフェロールとに由来する。TAP 1010 Sunは、400ppmのパルミチン酸アスコルビル、400ppmの混合トコフェロール、および1600ppmのヒマワリレシチンを提供した。
【0151】
[実施例11]
[121][ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、DHA含量が少なくとも約400mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の特性は、表26に記載される特性と同様である。
【0152】
[122][実施例11a~b]
最終油中に含有されるその他の成分は、3000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、1700ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む);および250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0153】
[実施例12]
[123]実施例10a~eおよび11a~bに従った最終油の効力;魚臭/磯香(嗅覚);および魚臭/磯香物質(味覚)を比較した。この比較結果は、表27に記載される。
【0154】
[124]効力は、以下のプロトコルAOCS Ce 1b-89(修正法)によって得られた。磯/魚臭(嗅覚)および磯/魚臭物質(味覚)感覚値は、Sensory Evaluation Techniques,Meilgaard et al,CRC Press;第4版(2006年12月13日)に記載される方法に従って判定された。8~18人の熟練した人々からなるパネルが、実施例10a~eおよび11a~bに従った最終油サンプルを味わい、および/または匂いを嗅いだ。パネルの各個人が、サンプルの値を判定した。その後、全ての値を算術平均して、結果の端数を切り上げまたは切り捨てた。≧1.5の魚臭/磯香および≧2.5の魚臭/磯香物質の値は、一般集団によって知覚可能であることが予期される。
【0155】
[125]実施例10a~dおよび11aのそれぞれの最終油は、25mm天然ポリプラグインサート(Elemental Container Inc.、品番024PLUG)付き100gエポキシ-フェノール被覆アルミニウム容器(Elemental Container Inc.、品番MC 12532)内に包装して、25℃で貯蔵した。
【0156】
[126]実施例10eおよび11bのそれぞれの最終油は、低密度ポリエチレン(LDPE)層付き300g熱融着ナイロン-ホイルバッグ(Heritage Packagingによる製造)内に包装して、室温(25℃)で貯蔵した。
【0157】
【0158】
[実施例13]
[127][ヒマワリレシチン、ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOと混合して、DHA含量が少なくとも約400mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表28に記載される。
【0159】
【0160】
[128]最終油中に含有されるその他の成分は、2000ppmのローズマリー抽出物;2400ppmの混合トコフェロール;400ppmのパルミチン酸アスコルビル;および1600ppmのヒマワリレシチンを含む。2400ppmの混合トコフェロールは、例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる、2000ppmの添加されたトコフェロール(上流で添加された900ppmを含む)と、油に添加された4000ppmのTAP 1010 Sunに含有される混合トコフェロールとに由来する。TAP 1010 Sunは、400ppmのパルミチン酸アスコルビル、400ppmの混合トコフェロール、および1600ppmのヒマワリレシチンを提供した。
【0161】
[実施例14]
[129][ローズマリー抽出物、混合トコフェロール、およびパルミチン酸アスコルビルを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、HOSOとさらに混合して、DHA含量が少なくとも約400mg/g油の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の特性は、表28に記載される特性と同様である。
【0162】
[130][実施例14a]
最終油中に含有されるその他の成分は、2000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる1700ppmの混合トコフェロール(上流で添加された900ppmを含む);および250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0163】
[131][実施例14bおよび14c]
最終油中に含有されるその他の成分は、3000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる1700ppmの混合トコフェロール(上流で添加された900ppmを含む);および250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0164】
[132][実施例14d]
最終油中に含有されるその他の成分は、5000ppmのローズマリー抽出物;例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendからTocoblend(商標)L70の商品名の下に入手できる1700ppmの混合トコフェロール(上流で添加された900ppmを含む);および250ppmのパルミチン酸アスコルビルを含む。
【0165】
[実施例15]
[133][有機ローズマリー抽出物および混合トコフェロールを含有する最終油]
粗製油は、例えば国際公開第91/007498号パンフレット、国際公開第94/08467号パンフレット、国際公開第03/105606号パンフレット、および国際公開第2011/153246号パンフレットに記載される方法によって、シゾキトリウム属(Schizochytrium)種から得られ得る。粗製油は、精製油を得るために、精製、漂白、および脱臭によってさらに加工し得る。精製油は、例えばカリフォルニア州アーバックル(Arbuckle,California)のアダムス・ベジタブルズ・オイルズ(Adams Vegetables Oils)株式会社から入手できる有機HOSOとさらに混合して、少なくとも約400mg/g油のDHA含量の最終油を達成し得る。本実施例に従った最終油の典型的な特性は、表29に記載される。
【0166】
【0167】
[0116][実施例15a]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばスロベニア国マルコフツィのVitivaから商品名Inolens(登録商標)の下に、フランス国アヴィニョンの4 organic and Naturexから有機StabilEnhance(登録商標)OSR-4の商品名の下に入手できる、750ppmのローズマリー抽出物;および例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendから商品名Tocoblend(商標)L70の下に入手できる、1700ppmの混合トコフェロール(上流加工中に添加された900ppmを含む)を含む。
【0168】
[0117][実施例15b]
最終油中に含有されるその他の成分は、例えばスロベニア国マルコフツィのVitivaから商品名Inolens(登録商標)の下に、フランス国アヴィニョンの4 organic and Naturexから有機StabilEnhance(登録商標)OSR-4の商品名の下に入手できる、2000ppmのローズマリー抽出物;および例えばオランダ国ウォルフェガのVitablendから商品名Tocoblend(商標)L70の下に入手できる、2400ppmの混合トコフェロール(上流で添加された900ppmを含む)を含む。
【0169】
[実施例16]
[0118]実施例13、14および15に従った最終油の効力;魚臭/磯香(嗅覚);および魚臭/磯香物質(味覚)を比較した。この比較結果は、表30に記載される。
【0170】
[0119]効力は、以下のプロトコルAOCS Ce 1b-89(修正法)によって得られた。磯/魚臭(嗅覚)および磯/魚臭物質(味覚)感覚値は、Sensory Evaluation Techniques,Meilgaard et al,CRC Press;第4版(2006年12月13日)に記載される方法に従って判定された。8~18人の熟練した人々からなるパネルが、実施例13、14、および15に従った油サンプルを味わい、および/または匂いを嗅いだ。パネルの各個人が、サンプルの値を判定した。その後、全ての値を算術平均して、結果の端数を切り上げまたは切り捨てた。≧1.5の魚臭/磯香および≧2.5の魚臭/磯香物質の値は、一般集団によって知覚可能であることが予期される。
【0171】
[0120]実施例13および14a~dのそれぞれの最終油は、低密度ポリエチレン(LDPE)層付き300g熱融着ナイロン-ホイルバッグ(Heritage Packagingによる製造)内に包装して、25℃で貯蔵した。
【0172】
[0121]実施例15a~bのそれぞれの最終油は、25mm天然ポリプラグインサート(Elemental Container Inc.、品番024PLUG)付き100gエポキシ-フェノール被覆アルミニウム容器(Elemental Container Inc.、品番MC 12532)内に包装して、25℃で貯蔵した。
【0173】