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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】ポリスチレン化合物
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/06 20060101AFI20230905BHJP
   C08F 212/08 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
C08F220/06
C08F212/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019113753
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020204004
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100211018
【弁理士】
【氏名又は名称】財部 俊正
(72)【発明者】
【氏名】大越 将司
(72)【発明者】
【氏名】飯島 みな美
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 弘行
(72)【発明者】
【氏名】松田 和也
(72)【発明者】
【氏名】亀山 敦
【審査官】前田 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-215370(JP,A)
【文献】特開2016-133575(JP,A)
【文献】特開昭61-014208(JP,A)
【文献】特開2009-161885(JP,A)
【文献】特開平02-240113(JP,A)
【文献】特開2018-203837(JP,A)
【文献】特表2002-521507(JP,A)
【文献】特表2002-504598(JP,A)
【文献】特開2015-047747(JP,A)
【文献】特開2008-065304(JP,A)
【文献】特開2017-171909(JP,A)
【文献】特開2019-063785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 220/06
C08F 212/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される第1の構成単位と、カルボキシル基を有する第2の構成単位と、下記式(6)で表される末端構造と、を有するポリスチレン化合物であって、
前記第2の構成単位は、下記式(4)で表される構成単位であり、
前記ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準とする前記第2の構成単位の含有割合が、50mol%以上80mol%以下であり、
前記第1の構成単位と前記第2の構成単位との合計に占める、前記第2の構成単位の割合が50~80mol%であり、
前記第2の構成単位が有するカルボキシル基を除き、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む官能基を有しない、ポリスチレン化合物(ただし、前記第1の構成単位として、下記式(1)中のRがメチル基であるものを有する場合を除く。)。
【化1】
[式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【化2】
[式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【化3】
[式(6)中、*は結合手を示す。]
【請求項2】
数平均分子量が10,000以上500,000以下である、請求項1に記載のポリスチレン化合物。
【請求項3】
前記第1の構成単位及び前記第2の構成単位とは異なる第3の構成単位を有しないか、又は、前記ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準とする前記第3の構成単位の含有割合が10mol%以下である、請求項1又は2に記載のポリスチレン化合物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリスチレン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリスチレン等のスチレン由来の構成単位を含む化合物(以下、「ポリスチレン化合物」という)は、透明性が高く、軽量であり、成形性、電気特性、耐候性、耐薬品性等に優れるため、種々の製造方法により様々な用途に用いられる。例えば、家庭用電気器具、事務機器、家庭用品、包装用品、玩具、家具、合成紙その他産業資材等の材料として幅広く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、新規なポリスチレン化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的に、耐熱性を表す指標の一つとしてガラス転移点(Tg)が挙げられる。多成分の共重合体のTgは、各成分の単独重合体のTgと、共重合体における各成分の重量割合W(単位:重量%)とを算出し、FOXの式(理論式)を用いて簡便に予測することができる。例えば、2成分の共重合体におけるFOXの式は、下記式で表される。
【数1】

[式中、Tgは2成分の共重合体のガラス転移温度を示し、Tg及びTgは、それぞれ第1成分の単独重合体のガラス転移温度及び第2成分の単独重合体のガラス転移温度を示し、W及びWは、それぞれ第1成分の重量割合及び第2成分の重量割合を示す。]
【0005】
一方、本発明者らの検討の結果、カルボキシル基を有する構成単位を特定の割合で含むポリスチレン化合物において、FOXの式から予測されるTgよりも十分に高いTgを有するポリスチレン化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明の一側面は、下記式(1)で表される第1の構成単位と、カルボキシル基を有する第2の構成単位と、を有し、第1の構成単位と第2の構成単位との合計に占める、第2の構成単位の割合が20~80mol%である、ポリスチレン化合物に関する。
【化1】

[式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【0007】
上記本発明の一側面のポリスチレン化合物は、FOXの式から予測されるTgよりも十分に高いTgを示す新規なポリスチレン化合物であり、スチレンの単独重合体と比較して、高い耐熱性を有する。また、安息香酸ビニルのような、カルボキシル基を有する構成単位を導入するための材料は高価であり、使用量が制限される場合があるが、本発明によれば、このような高価な材料の使用量を低減した場合であっても優れた耐熱性を有するポリスチレン化合物が得られる。すなわち、本発明の一側面のポリスチレン化合物は、安価に製造可能であり、高い耐熱性を有するポリスチレン化合物である。
【0008】
上記効果が得られる理由は、明らかではないが、ポリスチレン化合物に含まれるカルボキシル基同士が水素結合を形成すること、及び、形成される水素結合が適切な量となることで、上記効果が得られると本発明者らは推察している。
【0009】
第2の構成単位は、好ましくは、下記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種である。
【化2】

[式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rはハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、mは0以上4以下の整数を示す。mが2以上である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
【化3】

[式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【0010】
ポリスチレン化合物は、好ましくは、第2の構成単位が有するカルボキシル基を除き、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む官能基を有しない。
【0011】
ポリスチレン化合物の数平均分子量は、好ましくは、10,000以上500,000以下である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、FOXの式から予測されるTgよりも十分に高いTgを有する新規なポリスチレン化合物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実験例の重合体のTg及びFOX式から算出されるTgを示すグラフである。
図2】実験例の重合体のTg及びFOX式から算出されるTgを示すグラフである。
図3】実験例の重合体のTg及びFOX式から算出されるTgを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸、及び、それに対応するメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリロキシ」等の他の類似の表現においても同様である。また、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、数値範囲として個別に記載された上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
【0015】
<ポリスチレン化合物>
本実施形態のポリスチレン化合物は、下記式(1)で表される構成単位(第1の構成単位)と、カルボキシル基を有する構成単位(第2の構成単位)と、を有する。ポリスチレン化合物は、第1の構成単位として、一種の構成単位を有していてよく、二種以上の構成単位を有していてもよい。また、ポリスチレン化合物は、第2の構成単位として、一種の構成単位を有していてよく、二種以上の構成単位を有していてもよい。
【化4】

[式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【0016】
ポリスチレン化合物における第1の構成単位の含有割合は、スチレンの単独重合体に特有の性能(透明性、軽量性、成形性、電気特性、耐候性、耐薬品性等)が得られやすい観点、及び、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準として、20mol%以上、30mol%以上、40mol%以上又は50mol%以上であってよい。ポリスチレン化合物における第1の構成単位の含有割合は、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準として、80mol%以下、70mol%以下、60mol%以下又は50mol%以下であってよい。第1の構成単位の含有割合は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)、核磁気共鳴装置(NMR)等によって測定することができる。
【0017】
第2の構成単位は、好ましくはカルボキシル基を1つ有する構成単位であり、例えば、下記式(2)で表される構成単位である。
【化5】

[式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Xは単結合又は2価の連結基を示す。]
【0018】
式(2)で表される構成単位において、R及びRの一方がメチル基である場合、他方は水素原子であることが好ましい。Xで示される2価の連結基は、例えば、置換又は非置換の2価の炭化水素基である。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってよく、芳香族炭化水素基であってもよい。炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、炭化水素基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。Xは、カルボキシル基を含まず、好ましくは、ヒドロキシ基及びカルボニル基を含まない。Xは、より好ましくは、単結合であるか、又は、置換又は非置換の2価の芳香族炭化水素基である。ポリスチレン化合物において、複数のRは同一であっても異なっていてもよく、複数のRは同一であっても異なっていてもよく、複数のXは同一であっても異なっていてもよい。
【0019】
式(2)で表される構成単位は、好ましくは、下記式(3)で表される構成単位又は下記式(4)で表される構成単位である。換言すれば、第2の構成単位は、好ましくは、下記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種である。この場合、耐熱性の向上効果がより十分に得られる。
【化6】

[式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rはハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、mは0以上4以下の整数を示す。mが2以上である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
【化7】

[式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
【0020】
式(3)におけるRとしては、例えば、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アミノ基又はニトロ基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)が挙げられる。アルキル基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は例えば、1~6である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。アリール基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。アリール基の炭素数は例えば6~10である。アリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。式(3)において、mは0であることが好ましい。
【0021】
ポリスチレン化合物における第2の構成単位の含有割合は、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準として、20mol%以上、30mol%以上、40mol%以上又は50mol%以上であってよい。ポリスチレン化合物における第2の構成単位の含有割合は、より安価に製造できる観点、及び、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準として、80mol%以下、70mol%以下、60mol%以下又は50mol%以下であってよい。第2の構成単位の含有割合は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)、核磁気共鳴装置(NMR)等によって測定することができる。
【0022】
本実施形態のポリスチレン化合物において、第1の構成単位と第2の構成単位との合計に占める、第2の構成単位の割合は20~80mol%である。上記割合が20~80mol%であることで、ポリスチレン化合物はFOX式から予測されるTgよりも十分に高いTgを示す。すなわち、Tgの実測値(Tg実測)とFOX式から予測されるTg(TgFOX)との差(ΔTg:Tg実測-TgFOX)が大きい。
【0023】
第1の構成単位と第2の構成単位との合計に占める、第2の構成単位の割合は、ΔTgがより大きくなり、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、70mol%以下、60mol%以下又は50mol%以下であってもよい。上記第2の構成単位の割合は、ΔTgがより大きくなり、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、30mol%以上であってもよい。これらの観点から、上記第2の構成単位の割合は、例えば、20~70mol%、20~60mol%、20~50mol%、30~80mol%、30~70mol%、30~60mol%又は30~50mol%であってよい。上記第2の構成単位の割合は、Tg実測がより大きくなり、より優れた耐熱性が得られる観点から、30mol%以上、40mol%以上又は50mol%以上であってもよい。
【0024】
ポリスチレン化合物は、第1の構成単位及び第2の構成単位とは異なる第3の構成単位を更に有していてよい。ポリスチレン化合物は、第3の構成単位として、一種の構成単位を有していてよく、二種以上の構成単位を有していてもよい。第3の構成単位としては、例えば、下記式(5)で表される構成単位が挙げられる。
【化8】

[式(5)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Rはハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子からなる群より選択される少なくとも一種を含む置換基(但し、カルボキシル基を含む基を除く)を示し、nは0以上4以下の整数を示す。nが2以上である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
【0025】
式(5)におけるRの具体例は、式(3)におけるRの具体例と同じである。
【0026】
ポリスチレン化合物における第3の構成単位の含有割合は、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物に含まれる構成単位全量を基準として、10mol%以下、5mol%以下又は1mol%以下であってよい。ポリスチレン化合物は、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、第3の構成単位を有しないことが好ましい。
【0027】
ポリスチレン化合物は、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、第2の構成単位が有するカルボキシル基を除き、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む官能基を有しないことが好ましい。すなわち、本実施形態のポリスチレン化合物が有する、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む官能基は、第2の構成単位が有するカルボキシル基のみであることが好ましい。
【0028】
ポリスチレン化合物の末端に位置する構成単位は、後述する重合開始剤又は連鎖移動剤由来の基を有していてよい。すなわち、ポリスチレン化合物は、その末端に、重合開始剤又は連鎖移動剤由来の部分構造を有していてよい。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを用い、ポリスチレン化合物の末端に位置する構成単位が第1の構成単位である場合、ポリスチレン化合物は下記式(6)で表される末端構造を有していてよい。
【化9】

[式(6)中、*は結合手を示す。]
【0029】
ポリスチレン化合物における、第1の構成単位、第2の構成単位及び第3の構成単位の配列は、特に限定されないが、耐熱性の向上効果がより十分に得られる観点から、ポリスチレン化合物はランダム共重合体であることが好ましい。ポリスチレン化合物は、第1の構成単位の繰り返しによって構成されるブロック構造を有していてよく、第2の構成単位の繰り返しによって構成されるブロック構造を有していてもよく、第3の構成単位の繰り返しによって構成されるブロック構造を有していてもよい。
【0030】
ポリスチレン化合物の数平均分子量(Mn)は、耐熱性及び成形性向上の観点から、好ましくは10,000以上であり、15,000以上又は20,000以上であってもよい。数平均分子量(Mn)は、成形性向上の観点から、好ましくは500,000以下であり、250,000以下又は100,000以下であってもよい。数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定できる。
【0031】
以上説明した本実施形態のポリスチレン化合物は、耐熱性が求められる用途において広く用いることができる。
【0032】
<ポリスチレン化合物の製造方法>
本実施形態のポリスチレン化合物は、例えば、スチレン(第1の化合物)と、エチレン性不飽和結合を有する基(以下、「エチレン性不飽和基」という)及びカルボキシル基を有する第2の化合物と、場合により、エチレン性不飽和基を有する第3の化合物(但し、第1の化合物及び第2の化合物を除く)とを含むモノマー成分を、公知の手法により重合させることで得られる。この場合、ポリスチレン化合物における第1の構成単位は第1の化合物由来の構成単位であり、第2の構成単位は第2の化合物由来の構成単位であり、第3の構成単位は第3の化合物由来の構成単位である。重合の形式は、例えば、ラジカル重合であってよい。
【0033】
第2の化合物におけるエチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。第2の化合物の具体例としては、4-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、2-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、5-メチル-2-(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、2-(メタ)アクリロキシエチルシュウ酸、2-(メタ)アクリロキシプロピルシュウ酸、クロトン酸、ソルビン酸等が挙げられる。これらの中でも、4-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、2-ビニル安息香酸及び(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。これらの化合物は、単独で用いることができ、二種以上を併用することもできる。
【0034】
第3の化合物におけるエチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。第3の化合物としては、例えば、p-メチルスチレン;o-メチルスチレン;m-メチルスチレン;2,4-ジメチルスチレン;2,5-ジメチルスチレン;3,4-ジメチルスチレン;3,5-ジメチルスチレン;p-ターシャリーブチルスチレン等のアルキルスチレン、p-クロロスチレン;m-クロロスチレン;o-クロロスチレン;p-ブロモスチレン;m-ブロモスチレン;o-ブロモスチレン;p-フルオロスチレン;m-フルオロスチレン;o-フルオロスチレン;o-メチル-p-フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン、4-ビニルビフェニル;3-ビニルビフェニル;2-ビニルビフェニル等のビニルビフェニル類、1-(4-ビニルフェニル)-ナフタレン;2-(4-ビニルフェニル)-ナフタレン;1-(3-ビニルフェニル)-ナフタレン;2-(3-ビニルフェニル)-ナフタレン;1-(2-ビニルフェニル)-ナフタレン;2-(2-ビニルフェニル)ナフタレン等のビニルフェニルナフタレン類、1-(4-ビニルフェニル)-アントラセン;2-(4-ビニルフェニル)-アントラセン;9-(4-ビニルフェニル)-アントラセン;1-(3-ビニルフェニル)-アントラセン;2-(3-ビニルフェニル)-アントラセン;9-(3-ビニルフェニル)-アントラセン;1-(2-ビニルフェニル)-アントラセン;2-(2-ビニルフェニル)-アントラセン;9-(2-ビニルフェニル)-アントラセン等のビニルフェニルアントラセン類、1-(4-ビニルフェニル)-フェナントレン;2-(4-ビニルフェニル)-フェナントレン;3-(4-ビニルフェニル)-フェナントレン;4-(4-ビニルフェニル)-フェナントレン;9-(4-ビニルフェニル)-フェナントレン;1-(3-ビニルフェニル)-フェナントレン;2-(3-ビニルフェニル)-フェナントレン;3-(3-ビニルフェニル)-フェナントレン;4-(3-ビニルフェニル)-フェナントレン;9-(3-ビニルフェニル)-フェナントレン;1-(2-ビニルフェニル)-フェナントレン;2-(2-ビニルフェニル)-フェナントレン;3-(2-ビニルフェニル)-フェナントレン;4-(2-ビニルフェニル)-フェナントレン;9-(2-ビニルフェニル)-フェナントレン等のビニルフェニルフェナントレン類、1-(4-ビニルフェニル)-ピレン;2-(4-ビニルフェニル)-ピレン;1-(3-ビニルフェニル)-ピレン;2-(3-ビニルフェニル)-ピレン;1-(2-ビニルフェニル)-ピレン;2-(2-ビニルフェニル)-ピレン等のビニルフェニルピレン類、4-ビニル-p-ターフェニル;4-ビニル-m-ターフェニル;4-ビニル-o-ターフェニル;3-ビニル-p-ターフェニル;3-ビニル-m-ターフェニル;3-ビニル-o-ターフェニル;2-ビニル-p-ターフェニル;2-ビニル-m-ターフェニル;2-ビニル-o-ターフェニル等のビニルターフェニル類、4-(4-ビニルフェニル)-p-ターフェニル等のビニルフェニルターフェニル類、4-ビニル-4’-メチルビフェニル;4-ビニル-3’-メチルビフェニル;4-ビニル-2’-メチルビフェニル;2-メチル-4-ビニルビフェニル;3-メチル-4-ビニルビフェニル等のビニルアルキルビフェニル類、4-ビニル-4’-フルオロビフェニル;4-ビニル-3’-フルオロビフェニル;4-ビニル-2’-フルオロビフェニル;4-ビニル-2-フルオロビフェニル;4-ビニル-3-フルオロビフェニル;4-ビニル-4’-クロロビフェニル;4-ビニル-3’-クロロビフェニル;4-ビニル-2’-クロロビフェニル;4-ビニル-2-クロロビフェニル;4-ビニル-3-クロロビフェニル;4-ビニル-4’-ブロモビフェニル;4-ビニル-3’-ブロモビフェニル;4-ビニル-2’-ブロモビフェニル;4-ビニル-2-ブロモビフェニル;4-ビニル-3-ブロモビフェニル等のハロゲン化ビニルビフェニル類、4-ビニル-4’-トリメチルシリルビフェニル等のトリアルキルシリルビニルビフェニル類、4-ビニル-4’-トリメチルスタンニルビフェニル;4-ビニル-4’-トリブチルスタンニルビフェニルなどのトリアルキルスタンニルビニルビフェニル類、4-ビニル-4’-トリメチルシリルメチルビフェニル等のトリアルキルシリルメチルビニルビフェニル類、4-ビニル-4’-トリメチルスタンニルメチルビフェニル;4-ビニル-4’-トリブチルスタンニルメチルビフェニル等のトリアルキルスタンニルメチルビニルビフェニル類、p-クロロエチルスチレン;m-クロロエチルスチレン;o-クロロエチルスチレンなどのハロゲン置換アルキルスチレン、p-トリメチルシリルスチレン;m-トリメチルシリルスチレン;o-トリメチルシリルスチレン;p-トリエチルシリルスチレン;m-トリエチルシリルスチレン;o-トリエチルシリルスチレン;p-ジメチルターシャリ-ブチルシリルスチレン等のアルキルシリルスチレン類、p-ジメチルフェニルシリルスチレン;p-メチルジフェニルシリルスチレン;p-トリフェニルシリルスチレン等のフェニル基含有シリルスチレン類、p-ジメチルクロロシリルスチレン;p-メチルジクロロシリルスチレン;p-トリクロロシリルスチレン;p-ジメチルブロモシリルスチレン;p-ジメチルヨードシリルスチレン等のハロゲン含有シリルスチレン類、p-(p-トリメチルシリル)ジメチルシリルスチレン等のシリル基含有シリルスチレン類などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、二種以上の混合物として用いてもよい。
【0035】
第1の化合物の配合量、第2の化合物の配合量及び第3の化合物の配合量は、ポリスチレン化合物における第1の構成単位の含有割合、第2の構成単位の含有割合及び第3の構成単位の含有割合がそれぞれ上述した範囲となるように調整してよい。
【0036】
モノマー成分を重合させる工程では、重合開始剤を用いてよい。重合開始剤は、公知の重合開始剤であってよく、例えば公知のラジカル重合開始剤であってよい。重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’―アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、4,4’―アゾビス(4-シアノプロピオン酸)、(2RS,2’RS)-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物のラジカル重合開始剤;過酸化ベンゾイル等の過酸化物のラジカル重合開始剤などが挙げられる。
【0037】
モノマー成分を重合させる工程では、連鎖移動剤を用いてもよい。ポリスチレン化合物は、リビングラジカル重合反応によって合成してよい。連鎖移動剤としては、2-シアノ-2-ベンゾジチオエート、4-シアノ-4-(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2-シアノ-2-プロピルドデシルトリチオカルボネート、4-シアノ-4-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカルボネート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、クミルジチオベンゾエート、[1-(O-エチルザンチル)エチル]ベンゼン等のジチオエステル化合物などが好ましく用いられる。
【0038】
ラジカル重合させる際のモノマー成分、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤の比率は、形成させようとするブロック構造の重合度、モノマー成分の反応性等を考慮して適宜決定すればよいが、モノマー成分:ラジカル重合開始剤:連鎖移動剤は、1000:0.5~50:10~100(mol比)が好ましく、1000:0.5:10(mol比)がより好ましい。
【実施例
【0039】
以下、本発明の内容を実験例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
【0040】
(実験例1)
[重合体1の合成]
10mL重合管に、4-ビニル安息香酸(以下、「VBA」という)を1.78g、スチレン(以下、「St」という)を0.624g、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)を29.5mg、及び、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という)を6.0mL加え、攪拌し、均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で48時間攪拌した。これにより、VBAとStとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体1(VBAとStのランダム共重合体)を得た。
【0041】
[成分分析]
核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、得られた重合体1におけるVBA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占める、VBA由来の構成単位の割合及びSt由来の構成単位の割合を求めた。結果を表1に示す。
【0042】
[分子量測定]
重合体の数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを、ポリスチレンを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、分子量分布Mn/Mwを求めた。結果を表1に示す。
【0043】
[ガラス転移温度(Tg)測定]
重合体1を密閉型アルミニウムパンに秤量し、セイコーインスツルメンツ株式会社製の示差走査熱量測定装置(DSC)(商品名:EXSTAR6000 DSC6200)を用いて、重合体1のTg(Tg実測)を測定した。また、FOXの式に基づき、重合体1のTgの理論値(TgFOX)を算出し、ΔTg(Tg実測-TgFOX)を求めた。結果を表1及び図1に示す。なお、図1の横軸は、VBA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占めるVBA由来の構成単位の割合(単位:mol%)を示し、図1の縦軸は、重合体のTg(単位:℃)を示す。
【0044】
(実験例2)
VBAの配合量を1.11gに変更し、Stの配合量を0.782gに変更し、AIBNの配合量を24.1mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体2(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体2について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0045】
(実験例3)
VBAの配合量を0.741gに変更し、Stの配合量を1.04gに変更し、AIBNの配合量を24.7mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したことたこと以外は、実験例1と同様にして、重合体3(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体3について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0046】
(実験例4)
VBAの配合量を0.667gに変更し、Stの配合量を1.09gに変更し、AIBNの配合量を24.7mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体4(VBAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体4について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0047】
(実験例5)
VBAの配合量を1.48gに変更し、AIBNの配合量を16.4mgに変更し、THFの配合量を3.3mLに変更したこと、及び、Stを用いなかったこと以外は、実験例1と同様にして、重合体5(VBAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体5について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0048】
(実験例6)
VBAを用いなかったこと、及び、Stの配合量を1.46gに変更し、AIBNの配合量を23.3mgに変更し、THFの配合量を4.7mLに変更したこと以外は、実験例1と同様にして、重合体6(Stの単独重合体)を得た。また、得られた重合体6について、実験例1と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
(実験例7)
10mL重合管に、メタクリル酸(以下、「MA」という)を0.646g、Stを0.751g、AIBNを24.9mg、及び、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という)を5.0mL加え、攪拌し均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で48時間攪拌した。これにより、MAとStとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体7(MAとStのランダム共重合体)を得た。
【0051】
得られた重合体7について、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて成分分析を行い、MA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占める、MA由来の構成単位の割合及びSt由来の構成単位の割合を求めた。また、得られた重合体7について、実験例1と同様にして分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。なお、図2の横軸は、MA由来の構成単位とSt由来の構成単位との合計に占めるMA由来の構成単位の割合(単位:mol%)を示し、図2の縦軸は、重合体のTg(単位:℃)を示す。
【0052】
(実験例8)
MAの配合量を0.861gに変更し、Stの配合量を0.522gに変更し、AIBNの配合量を24.6mgに変更し、DMFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例7と同様にして、重合体8(MAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体8について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
【0053】
(実験例9)
MAの配合量を0.259gに変更し、Stの配合量を1.25gに変更し、AIBNの配合量を25.2mgに変更し、DMFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例7と同様にして、重合体9(MAとStのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体9について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
【0054】
(実験例10)
MAの配合量を1.03gに変更し、AIBNの配合量を19.9mgに変更し、DMFの配合量を6.0mLに変更したこと、及び、Stを用いなかったこと以外は、実験例7と同様にして、重合体10(MAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体10について、実験例7と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表2及び図2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
(実験例11)
10mL重合管に、VBAを1.11g、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)を0.751g、AIBNを24.6mg、及び、THFを5.0mL加え、攪拌し、均一溶液を得た。その後、凍結脱気を4回行い、70℃で24時間攪拌した。これにより、VBAとMMAとを重合させた。得られた反応溶液を予め冷却しておいたメタノールで急冷し、反応を停止させた。クロロホルム300mLを用いて再沈殿を行い、吸引ろ過により回収した固体を減圧乾燥し、白色の粉末固体として、重合体11(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。
【0057】
得られた重合体11について、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて成分分析を行い、VBA由来の構成単位とMMA由来の構成単位との合計に占める、VBA由来の構成単位の割合及びMMA由来の構成単位の割合を求めた。また、得られた重合体11について、実験例1と同様にして分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。なお、図3の横軸は、VBA由来の構成単位とMMA由来の構成単位との合計に占めるVBA由来の構成単位の割合(単位:mol%)を示し、図3の縦軸は、重合体のTg(単位:℃)を示す。
【0058】
(実験例12)
VBAの配合量を1.48gに変更し、MMAの配合量を0.50gに変更し、AIBMの配合量を24.5mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体12(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体12について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0059】
(実験例13)
VBAの配合量を0.667gに変更し、MMAの配合量を1.05gに変更し、AIBNの配合量を24.5mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体13(VBAとMMAのランダム共重合体)を得た。また、得られた重合体13について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0060】
(実験例14)
VBAを用いなかったこと、及び、MMAの配合量を1.50gに変更し、AIBNの配合量を24.6mgに変更し、THFの配合量を5.0mLに変更したこと以外は、実験例11と同様にして、重合体14(MMAの単独重合体)を得た。また、得られた重合体14について、実験例11と同様にして、成分分析、分子量測定及びTg測定を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
表1~3及び図1~3に示すように、カルボキシル基を有する構成単位を特定の割合で含む実験例1~4及び7~9の重合体(ポリスチレン化合物)は、TgFOXよりTg実測が十分に高い値を示すことが確認された。

図1
図2
図3