(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230905BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20230905BHJP
【ＦＩ】
A63F5/04 601B
A63F5/04 601C
A63F5/04 699
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
【請求項の数】
2
(21)【出願番号】P 2020001660
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021108827
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】寺内 貴則
(72)【発明者】
【氏名】矢野 卓
【審査官】木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特許第６６６７７６８（ＪＰ，Ｂ１）
【文献】特開２０１２－０７０８０６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１５－１８１７６４（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００５－１９８８１９（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００２－０１１２３０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１２－０５５４０８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０００－１６７２０２（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ａ６３Ｆ ５／０４
Ａ６３Ｆ ７／０２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御基板と、前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に実装される前記電子素子の高さは、前記制御基板から前記ＣＰＵ本体の下側にできる隙間領域の高さよりも低い、ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
制御基板と、前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ケース本体は、前記制御基板における前記ＣＰＵが実装される実装面を覆う対向部を備え、
前記対向部は、前記ケース本体が前記保持位置にあるときには前記実装面と略平行である一般部と、前記一般部に対して傾斜または垂直となる傾斜板を有する特定部と、を備え、
前記特定部は前記制御基板側に窪んだ凹状に形成されており、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、前記傾斜板と前記設置面との配置は、前記一般部と前記設置面との配置に比べて平行に近くなり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に対向する前記ケース本体の貼付制限領域には前記非透明部が配置されず、
前記非透明部は、前記ケース本体の外側に貼り付けられるシールである、ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電子基板を収容する遊技機用基板ケースを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機において、不正行為が行われるとの問題があることから、遊技機において不正行為を防ぐために様々な対策がなされている。一般的に遊技機は、遊技の進行に係る遊技動作を制御するための制御基板を備え、この制御基板には、ＣＰＵやＲＯＭ等の半導体素子を含んで構成された電子回路が設けられている。不正行為の一例として、この制御基板に不正チップ等を仕込むことが行われる。制御基板に不正チップ等を仕込むことにより、遊技機の遊技状態を不正行為者にとって有利となるように誘導することが可能となる。具体的には、制御基板に取り付けられたＲＯＭ等のチップを不正チップに交換したり、制御基板に新たに不正チップを追加したりすることにより、遊技機に対して特定の操作を行うことで有利な遊技状態に移行するように、遊技機が改造される。不正行為者は、改造された遊技機において特定の操作を行うことにより、有利な遊技状態を継続させることができる。
【0003】
このような不正行為が行われたことを容易に発見できるように、様々な遊技機が提案されている。例えば、不正チップが仕込まれたことを、基板ケースの外側から視認できるように、基板ケースを透明材料で形成された遊技機が提案されている。この遊技機によれば、基板ケースの外側から基板ケース内を視認することが可能であり、不正チップが仕込まれたことを容易に認識できる。
【0004】
しかし、制御ＩＣの中には、回路が形成された本体部と、制御基板の実装面との間に隙間が形成されているものがあり、その隙間に不正チップが配置される場合がある。このように、制御ＩＣの下側に不正チップが隠れるように配置された場合は、一見では不正チップの存在が分かりにくく、不正行為の早期発見が困難になる。また、このような不正行為がなされた場合に、不正チップを発見するには、基板ケース越しに制御ＩＣの下側を覗くように確認することが必要であるが、一般的に基板ケースは遊技筐体の背板に取り付けられており容易に取りはずすことができないため、制御ＩＣの設置場所によっては、制御ＩＣの下側を視認することが困難であり、不正チップを発見しにくいとの問題があった。
【0005】
ここで、例えば、特許文献１に記載されているように、基板ケースが遊技機筐体の背板に対して回動可能に取り付けられている遊技機がある。このように特許文献１に記載された遊技機であれば、基板ケースが背板に対して回動することから、基板ケースの姿勢を変化させることが可能であり、基板ケースを様々な角度から視認できることから、基板ケースが背板に固定されている場合に比べて、制御ＩＣの下側に不正チップが設置されていたとしても、発見しやすいといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開２０１４－５７６７４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、一般的に基板ケースは封印されて開放が困難であることから、不正チップが設置されているか否かを検査する場合は、基板ケースの外側から目視により行われることとなる。このように基板ケースの外側からの目視による検査は、上述したように基板ケースが透明材料により形成されることから可能となるが、基板ケース全体においてすべてを透明とすることは困難といえる。
【0008】
例えば、基板ケースには開放が困難となるような封印部材が設けられることが一般的である。封印部材は基板ケースの開放を困難とするものであることから、構造が複雑であり透明とすることは困難であるといえる。また、基板に形成される電子部品等についても透明ではない。このように、基板ケースには、これら透明ではない部品が含まれる。そのため、特許文献１に記載された遊技機のように、基板ケースが遊技機筐体の背板に対して回動可能に取り付けられている場合でも、透明ではない部品によって不正チップの視認が妨げられる可能性があり、不正チップの設置場所によっては発見が困難であるとの問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御基板に取り付けられた不正チップを発見しやすい遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る遊技機は、
制御基板と、
前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に実装される前記電子素子の高さは、前記制御基板から前記ＣＰＵ本体の下側にできる隙間領域の高さよりも低い、ことを特徴とする。
制御基板と、
前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に実装される前記電子素子の高さは、前記制御基板から前記ＣＰＵ本体の下側にできる隙間領域の高さよりも低い、ことを特徴とする。
【0011】
このように、上記遊技機によれば、作業者は、回動範囲である保持位置及び展開位置の間でケース本体を回動させながら、ケース本体内における制御基板からＣＰＵ本体の下側にできる隙間領域を、設置面と対向する側から視覚により確認しようとした際に、電子素子が隙間領域に重なりにくく、隙間領域に不正チップが設置されていた場合は容易に発見することができる。つまり、電子素子により隙間領域が覆われて視認不能となりにくい。また、不正チップを隙間領域に設置するといった不正行為の抑制も可能となる。
【0012】
本発明の一態様に係る遊技機は、
制御基板と、
前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ケース本体は、前記制御基板における前記ＣＰＵが実装される実装面を覆う対向部を備え、
前記対向部は、前記ケース本体が前記保持位置にあるときには前記実装面と略平行である一般部と、前記一般部に対して傾斜または垂直となる傾斜板を有する特定部と、を備え、
前記特定部は前記制御基板側に窪んだ凹状に形成されており、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、前記傾斜板と前記設置面との配置は、前記一般部と前記設置面との配置に比べて平行に近くなり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に対向する前記ケース本体の貼付制限領域（実施形態の第２カバー制限領域）には前記非透明部が配置されず、
前記非透明部は、前記ケース本体の外側に貼り付けられるシールである、ことを特徴とする。
制御基板と、
前記制御基板に実装され、遊技の進行に関する制御を行うＣＰＵと、
前記制御基板において前記ＣＰＵが実装されている実装面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記ケース本体は、前記制御基板における前記ＣＰＵが実装される実装面を覆う対向部を備え、
前記対向部は、前記ケース本体が前記保持位置にあるときには前記実装面と略平行である一般部と、前記一般部に対して傾斜または垂直となる傾斜板を有する特定部と、を備え、
前記特定部は前記制御基板側に窪んだ凹状に形成されており、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、前記傾斜板と前記設置面との配置は、前記一般部と前記設置面との配置に比べて平行に近くなり、
前記ＣＰＵの実装されている実装面は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面であり、
前記ＣＰＵは、ＣＰＵ本体と、接続端子を有し、前記実装面に当該接続端子が前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列実装され、
前記制御基板において、前記ＣＰＵ本体の前記回動軸とは反対側の端部から当該反対側となる領域であり、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により挟まれた領域である基板制限領域に対向する前記ケース本体の貼付制限領域（実施形態の第２カバー制限領域）には前記非透明部が配置されず、
前記非透明部は、前記ケース本体の外側に貼り付けられるシールである、ことを特徴とする。
【0013】
このように、上記遊技機によれば、作業者は、回動範囲である保持位置及び展開位置の間でケース本体を回動させながら、ケース本体内における制御基板とＣＰＵ本体との間の隙間領域を、設置面と対向する側から視覚により確認しようとした際に、ケース本体がシールを有しているにもかかわらず、シールが隙間領域に重なりにくく、隙間領域に不正チップが設置されていた場合は容易に発見することができる。また、不正チップを隙間領域に設置するといった不正行為の抑制も可能となる。さらに、シールが配置されない領域が比較的少ないことから、設計の自由度は低下しにくい。
【0014】
また、上記遊技機によれば、作業者が、ケース本体を展開位置側に回動させて、設置面と対向する側から、傾斜板を介して隙間領域を視覚により確認する際における、ケース本体内における制御基板と素子本体部との間の隙間領域の視認性が向上する。ここで、ケース本体が保持位置にあるときには実装面と略平行である一般部は、ケース本体が保持位置から展開位置側に回動されることにより、設置面に対して平行から離れていくこととなり、隙間領域からの光は一般部に対して９０度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、ケース本体が保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板は設置面に対して平行に近づくこととなり、隙間領域からの光は傾斜板に対して９０度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域からの光は傾斜板により屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域の視認性が向上する。さらに、傾斜板を有する特定部が制御基板側に窪んだ凹状に形成されていることから、ケース本体が占めるスペースが増加することがない。また、非透明部が配置されない領域が比較的少ないことから、設計の自由度は低下しにくい。
【0015】
本発明のさらに他の一態様に係る遊技機は、
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所を前記ケース本体に投影した第１領域において、該第１領域の少なくとも一部である特例領域には前記非透明部が配置され、
前記ケース本体が保持位置にあるときに、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記制御基板と前記素子本体部との間の隙間領域が前記非透明部により覆われていて、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記非透明部が前記隙間領域に対して前記回動軸側に位置する配置となる、ことを特徴とする。
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所を前記ケース本体に投影した第１領域において、該第１領域の少なくとも一部である特例領域には前記非透明部が配置され、
前記ケース本体が保持位置にあるときに、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記制御基板と前記素子本体部との間の隙間領域が前記非透明部により覆われていて、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記非透明部が前記隙間領域に対して前記回動軸側に位置する配置となる、ことを特徴とする。
【0016】
このように、上記遊技機によれば、ケース本体が透明部よりも透光性の低い非透明部を有し、この非透明部は、回路素子において回動軸とは反対側の端部から、接続端子の各列に沿って回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所をケース本体に投影した第１領域において、この第１領域の少なくとも一部である特例領域には非透明部が配置されている。また、ケース本体が保持位置にあるときに作業者が設置面と対向する側からケース本体を見た場合には制御基板と素子本体部との間の隙間領域が非透明部により覆われることとなる。また、ケース本体が保持位置から展開位置側に回動されることにより、作業者が設置面と対向する側からケース本体を見た場合に、非透明部が隙間領域に対して回動軸側に位置する配置となる。つまり、ケース本体が保持位置にある場合は、作業者が設置面と対向する側からケース本体を見ると、隙間領域が非透明部により阻害されて視認しにくいのに対して、ケース本体が保持位置から展開位置側へと回動されることにより、作業者から見て、非透明部が隙間領域に対して回動軸側に位置するような配置となり、ケース本体が保持位置にある場合に比べて視認しやすくなる。これにより、ケース本体が保持位置にあるときには、隙間領域に不正チップが設置されていても発見が困難であるが、ケース本体を回動させることにより隙間領域に不正チップが設置されていた場合でも容易に発見することができる。また、不正チップを隙間領域に設置するといった不正行為の抑制も可能となる。なお、作業者がケース本体を見る場合は、設置面と対向する側からケース本体を見る場合だけでなく、回動軸の位置する側あるいは回動軸が位置する側の反対側等の、設置面と対向する側から傾いた方向からケース本体を見る場合も含まれることとすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態１に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態１に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態１に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態１に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態１に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態１に係るケース支持部と基板ケース本体との構成を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの電子基板の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図12】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置から回動した位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図13】本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの展開位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図14】本発明の実施形態２に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図15】本発明の実施形態２に係る遊技機用基板ケースの展開位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図16】本発明の実施形態３に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施形態４に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【図19】本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。
【図20】本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。
【図21】本発明の実施形態５に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。
【図23】本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
【図25】本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。
【図26】本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。
【図27】本発明の実施形態６に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。
【図29】本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
【図30】本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。
【図31】本発明のさらに他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の遊技機の実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施形態に係る遊技機として回胴式遊技機を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の他の遊技機であってもかまわない。
【0019】
また、以下に示す本発明に係る実施形態の説明に用いる図面においてｘ軸、ｙ軸及びｚ軸を示している場合がある。これらの図面において、ｘ軸は遊技機における左右方向を示し、ｙ軸は遊技機における前後方向を示し、ｚ軸は遊技機における上下方向を示している。具体的には、ｘ軸方向正側を遊技機の正面に向かって「右」側、ｘ軸方向負側を遊技機の正面に向かって「左」側、ｙ軸方向正側を遊技機の「後」側、ｙ軸方向負側を遊技機の「前」側、ｚ軸方向正側を遊技機の「上」側、ｚ軸方向負側を遊技機の「下」側とする。
【0020】
（実施形態１）
本発明の実施形態１に係る遊技機について図面を用いて説明する。図１は、本発明の実施形態１に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。また、図２は、本発明の実施形態１に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。なお、本実施形態に係る遊技機は回胴式の遊技機である。
本発明の実施形態１に係る遊技機について図面を用いて説明する。図１は、本発明の実施形態１に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。また、図２は、本発明の実施形態１に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。なお、本実施形態に係る遊技機は回胴式の遊技機である。
【0021】
図１に示すように、遊技機１０は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口１１と、メダルを払い出すためのメダル払出口１２と、その外周面に図柄が描かれた３本のリール１３、１４、１５と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ１６と、照明演出を行うための発光ランプ（図示省略）と、音声演出を行うためのスピ－カー１７等を備えたものとなっており、操作部として、１遊技当たりの最大枚数（通常３枚）のメダルをベットするためのマックスベットボタン１８と、ベットするメダルを１枚ずつ増加するためのシングルベットボタン１９と、リール１３、１４、１５の回転を開始するためのスタートレバー２０と、リール１３、１４、１５の回転をそれぞれ停止するための３個のストップボタン２１、２２、２３と、演出を切り替えるためのチャンスボタン２４と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン２５等を有するものとなっている。
【0022】
この遊技機１０は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー２０が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール１３、１４、１５が一斉に回転を開始し、ストップボタン２１、２２、２３がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン２１、２２、２３に対応するリール１３、１４、１５の回転が停止し、すべてのリール１３、１４、１５が停止したときにリール窓１０ｂ１の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合（入賞した場合）は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット３６（図２を参照）から送出されたメダルがメダル払出口１２を通じて払い出されるようになっている。つまり、上限値を超えてメダルを投入することができない。一方、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は、メダル投入口１１にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合にメダルのクレジット枚数が増加するようになっている。
【0023】
図２に示すように、遊技機１０は、前方が開放された箱状である筺体本体（遊技機筐体）１０ａと、筺体本体１０ａの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉１０ｂとで構成された遊技機筺体の内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施形態において、遊技機筺体の内部には、メイン制御基板ユニットである遊技機用基板ケース１００、サブ制御基板ユニット３１、液晶ユニット３２、電源ユニット３３、コネクタユニット３４、リールユニット３５及びホッパーユニット３６等が納められている。
【0024】
遊技機用基板ケース１００は基板ケース本体を備え、この基板ケース本体内に役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板（メイン制御基板）が収容されている。サブ制御基板ユニット３１は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板（サブ制御基板）を備えている。液晶ユニット３２は、液晶ディスプレイ１６（図１を参照）に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板（映像基板）を備えている。電源ユニット３３は、遊技機１０における各機器に電力を供給する電子基板（電源基板）を備えている。コネクタユニット３４は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板（仲介基板）を備えている。リールユニット３５は、リール１３、１４、１５の回転をそれぞれ独立して制御する電子基板（リール制御基板）を備えている。ホッパーユニット３６は、メダル投入口１１（図１を参照）に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット（遊技機用基板ケース１００）からの信号に基づいてメダル払出口１２（図１を参照）へメダルを送出する制御を行う電子基板（ホッパー制御基板）を備えている。
【0025】
これらのユニットに備えられた各種電子基板は、不正アクセスの対象となる。例えば、遊技機用基板ケース１００に備えられたメイン制御基板には、遊技機１０における基本的な遊技動作を制御するためのプログラムが記録された記憶装置（ＲＯＭ）が搭載されている。この記憶装置を、例えば偽造された偽造記憶装置に交換することによって遊技動作が変更されるとの不正行為が行われることがある。例えば、遊技中に特定の操作を行うと必ず大当たりになるように遊技機１０が動作するように、遊技機１０を不正に制御することが行われている。このため、遊技機１０等の遊技機においては、メイン制御基板を、基板ケースの内部に収容して封止している。これにより、記憶装置を偽造記憶装置に交換することを抑制することができる。また、遊技機１０において、これらの電子基板を透明な基板ケースの内部に収容して、封止する構造としている。
【0026】
本実施形態に係る遊技機用基板ケース１００は、特に、メイン制御基板を収容するものであるが、メイン制御基板以外の基板を収容するものとしてもよい。つまり、本実施形態に係る遊技機用基板ケース１００は、メイン制御基板を収容するもの以外のユニットである、サブ制御基板ユニット３１、液晶ユニット３２、電源ユニット３３、コネクタユニット３４、リールユニット３５及びホッパーユニット３６等においても採用することができる。また、基板ケース本体は、筐体の背板１０ｃや、筺体本体１０ａの側板、前扉１０ｂ等に対して回動可能な状態で取り付けられている。これにより、基板ケースの正面及び背面が外部に露呈可能な構造とされることから、基板ケースの正面側からだけでなく背面側からも、基板ケースへの不正アクセスの有無を容易に確認することができる。
【0027】
本実施形態１に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図３は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図４は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。
【0028】
なお、以下においては、遊技機用基板ケース１００（図２を参照）の電子基板（メイン制御基板）について説明するが、メイン制御基板以外の電子基板を封止する基板ケースの構造についても同様の構成としてもよい。例えば、サブ制御基板ユニット３１の電子基板（サブ制御基板）や液晶ユニット３２の電子基板（映像基板）等を収納する基板ケースの構造についても、同様の構造を採用することが可能である。
【0029】
図３に示すように、遊技機用基板ケース１００は、基板ケース本体１４０及びケース支持部１１０を備えている。基板ケース本体１４０は、ケース支持部１１０と２つの蝶番１１２を介して連結されている。したがって、蝶番１１２により、ケース支持部１１０に対して基板ケース本体１４０は回動することが可能である。なお、この回動における回転軸１２８は蝶番１１２の回転軸と同一である。また、ケース支持部１１０は背板１０ｃの内側の面である設置面３７に設置されて固定されている。このため、基板ケース本体１４０は設置面３７に対して回動可能である。
【0030】
また、基板ケース本体１４０の前側には検査シール（非透明部）１３１が貼り付けられている。検査シール１３１は、検査が完了し基板ケース本体１４０に貼り付けられるものであり、基板ケース本体１４０が検査を終えられたものであり、不良品でないことを証明するものである。検査シール１３１には、作業者に対して指示を与えるための指示部１３４が形成されている。詳細は後述するが、検査シール１３１は、基板ケース本体１４０内に収容された電子基板（制御基板）１４３に設置されたメインＣＰＵ（回路素子）１６０を覆うように基板ケース本体１４０の表側に貼り付けられている。
【0031】
また、基板ケース本体１４０の上部に設けられたカシメピン挿入部１４９にはカシメピン（非透明部、封印部）１４４が挿入されている。詳細は後述するが、基板ケース本体１４０はベース部１４１（図４を参照）及びカバー部１４２を組み合わせることにより構成されており、カシメピン１４４が挿入されることによりベース部１４１及びカバー部１４２が分離困難となる。
【0032】
基板ケース本体１４０は取付板１１１を備えており、詳細は後述するが、取付板１１１に蝶番１１２が取り付けられることにより、基板ケース本体１４０及びケース支持部１１０が連結される。取付板１１１には蝶番１１２との取付け部分が露呈しないように蝶番１１２の一部を覆うように封印カバー（非透明部）１２３が設置され、さらに封印カバー１２３をはずすことが困難となるように封印キャップ（非透明部）１２４が取り付けられている。
【0033】
ケース支持部１１０には、取付板１１１と同様に封印カバー１１３及び封印キャップ１１４が設置されている。詳細は後述するが、ケース支持部１１０には蝶番１１２が取り付けられ、取付板１１１及びケース支持部１１０に蝶番１１２が取り付けられることにより、上述したように基板ケース本体１４０及びケース支持部１１０が連結される。取付板１１１と同様に、ケース支持部１１０には蝶番１１２との取付け部分が露呈しないように蝶番１１２の一部を覆うように封印カバー１１３が設置され、さらに封印カバー１１３をはずすことが困難となるように封印キャップ１１４が取り付けられている。
【0034】
基板ケース本体１４０は、内部に収容される電子基板１４３等に不正な改造等が施されたことを外部から目視できるように、透明な樹脂によって形成されており、比較的透明度が高い透明部を有している。例えば、基板ケース本体１１０は、ＡＢＳ樹脂（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂）やＰＣ（ポリカーボネート）といった熱可塑性樹脂により構成されることとすればよい。また、基板ケース本体１１０を不正に開封しようとした際には基板ケース本体１１０に開封の痕跡が残る可能性があるが、基板ケース本体１１０を透明な樹脂によって形成することによりこのような痕跡も目視により容易に確認できる。
【0035】
なお、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４及び検査シール１３１等は、ケース支持部１１０に比べて透明度が低くてもよく、これらは非透明部である。封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４は、例えば、ＰＰ（ポリプロピレン）等によって構成されることとすればよい。また、検査シール１３１は、文字等が記載されていることから、ケース支持部１１０に比べて透明度が低い。
【0036】
上述したように、基板ケース本体１４０は、背板１０ｃの設置面３７に対して回動可能である。図４に示すように、設置面３７に対して略９０度の角度となるまで回動可能である。なお、図４に示すように、基板ケース本体１４０において、設置面３７に対して略９０度の角度となる位置を展開位置という。また、図３に示すように、基板ケース本体１４０が設置面３７に対して対向し、設置面３７と略平行である位置を保持位置という。
【0037】
遊技機１０において、普段は基板ケース本体１４０が保持位置にあるが、前扉１０ｂを開けて基板ケース本体１４０を検査する際等においては、基板ケース本体１４０を展開位置側へと回動させて行われる。基板ケース本体１４０が保持位置にある場合は、基板ケース本体１４０の裏面は背板１０ｃに近接しており、作業者は、基板ケース本体１４０の裏面側を確認することが困難であるが、基板ケース本体１４０を回動させて展開位置とすることにより、基板ケース本体１４０の裏面側が露呈することとなり、作業者が容易に確認することができる。そのため、基板ケース本体１４０の裏面を破損させる等して不正行為が行われていても容易に発見することができる。なお、作業者は、基板ケース本体１４０を展開位置まで回動させなくてもよく、基板ケース本体１４０の裏面側が露呈して基板ケース本体１４０の裏面側を確認できる程度に回動させればよい。
【0038】
このように、遊技機用基板ケース１００によれば、背板１０ｃに設置したままで、ベース部１４１及びカバー部１４２に分離させることなく、基板ケース本体１４０を検査することが可能である。なお、基板ケース本体１４０は上述したように比較的透明度が高いため、基板ケース本体１４０の外部から基板ケース本体１４０の内部に収容された電子基板１４３等を目視することが可能である。
【0039】
次に、基板ケース本体１４０の構成について、図面を用いて説明する。図５は、本発明の実施形態１に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。図６は、本発明の実施形態１に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す分解斜視図である。また、図７は、本発明の実施形態１に係る基板ケース本体におけるカシメ部分の構成を示す断面図である。
【0040】
図５に示すように、基板ケース本体１４０は、内部に電子基板１４３を収容し、ベース部１４１及びカバー部１４２が組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。つまり、基板ケース本体１４０は、電子基板１４３の両主面を、それぞれベース部１４１及びカバー部１４２で覆うようにして構成されている。カバー部１４２及び電子基板１４３は、ネジ１４８ｂによりネジ止めされて固定される。また、カバー部１４２、電子基板１４３及びベース部１４１はネジ１４８ａによりネジ止めされて固定される。また、上述したように、基板ケース本体１４０は、内部に収容される電子基板１４３等に不正な改造等が施されたことを外部から目視できるように、透明な樹脂によって形成されている。つまり、ベース部１４１及びカバー部１４２は、上述の透明な樹脂によって形成されている。
【0041】
電子基板１４３には、メインＣＰＵ１６０、電子素子１６５、比率表示器１６６、電子部品１６７及びコネクタ１４５ａ～１４５ｃが設置されている。メインＣＰＵ１６０は遊技機１０における遊技の進行に関する制御を行うものであり、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行うためのデータが格納されているＲＯＭを内部に搭載している。電子素子１６５はメインＣＰＵ１６０以外に電子基板１４３に実装されている抵抗やコンデンサ等の素子である。コネクタ１４５ａ～１４５ｃは、電子基板１４３の外部と電気信号を送信するためのものである。また、比率表示器１６６は、４個の表示部品により構成されており、所定期間における役物払出枚数の総払出枚数に対する百分率や、連続役物払出枚数の総払出枚数に対する百分率や、ＡＴ役（押し順役）による払出枚数の総払出枚数に対する百分率等を表示する。具体的には、比率表示器１６６は、７セグメントＬＥＤを有しており、この７セグメントＬＥＤが点灯することにより上記表示を行う。なお、このような比率表示器１６６は、遊技が行われている間だけでなく、遊技が行われていない時も表示を行っていることが一般的である。
【0042】
また、電子部品１６７は、例えば集積回路等である。ここで、詳細は後述するが、電子基板１４３は基板制限領域１３３を有し、基板制限領域１３３に非透明部である電子素子１６５が形成される場合は、その電子素子１６５の高さはメインＣＰＵ１６０及び電子基板１４３間の隙間領域１６４（図９を参照）の高さよりも低いものに限られている。これにより、基板ケース本体１４０の外部から目視により、隙間領域１６４に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。つまり、基板制限領域１３３は、隙間領域１６４よりも高い電子素子等の非透明部が設置されると、外部から隙間領域１６４を視認することが困難な領域である。なお、基板制限領域１３３以外の領域に設置される比率表示器１６６及び電子部品１６７等の非透明部は、隙間領域１６４よりも高い場合であっても、外部から隙間領域１６４を視認することが困難ということはない。
【0043】
上述したように、比率表示器１６６は、遊技が行われていない時も表示を行っていることから、不正行為が行われていないか否かについて確認作業を行う際おいても、比率表示器１６６の７セグメントＬＥＤは点灯している。この７セグメントＬＥＤが点灯していることから、その光は基板ケース本体１４０に入射されて、基板ケース本体１４０を透過して外部に照射される。例えば、基板ケース本体１４０の外部から目視により、隙間領域１６４に不正チップ等が設置されているか否かを確認する際に、この７セグメントＬＥＤからの光が基板ケース本体１４０に照射される位置によっては、隙間領域１６４の確認が困難となる場合がある。したがって、比率表示器１６６の配置箇所は、基板ケース本体１４０の外部から隙間領域１６４を視認する際に、比率表示器１６６からの光により隙間領域１６４を視認することが困難とならない箇所とすることが好ましい。そのため、仮に、比率表示器１６６の高さが隙間領域１６４よりも低い場合であったとしても、基板制限領域１３３に比率表示器１６６が配置されないことが好ましい。
【0044】
また、図示は省略しているが、電子基板１４３上においてメインＣＰＵ１６０が設置されている面には、モニタＬＥＤも配置されている。このモニタＬＥＤは、遊技機１０のスイッチ（ボタン）やセンサー等の状態を示すものであり、複数のＬＥＤから構成されている。これら複数のＬＥＤのそれぞれは、遊技機１０における各スイッチ（ボタン）やセンサー等に対応しており、これらの状態に応じて点灯する。例えば、スタートレバー２０が操作されると、モニタＬＥＤにおけるスタートレバー２０に対応するＬＥＤが点灯し、ストップボタン２１、２２、２３が操作されると、ストップボタン２１、２２、２３に対応する３つのＬＥＤがそれぞれ点灯する。なお、これらの操作が終わると、ＬＥＤは再び消灯する。これにより、遊技機１０におけるスイッチ（ボタン）やセンサー等の動作状態を認識できる。
【0045】
上述したように、モニタＬＥＤは遊技機１０におけるスイッチ（ボタン）やセンサー等の動作状態を認識するためのものであり、遊技機１０が遊技されていない場合は、通常、点灯することはない。したがって、比率表示器１６６とは異なり、不正行為が行われていないか否かについて確認作業を行う際には点灯していない。そのため、この確認作業時に、モニタＬＥＤからの光により隙間領域１６４を視認することが困難とはなりにくい。したがって、モニタＬＥＤの高さが隙間領域１６４よりも低い場合は、基板制限領域１３３に配置されていてもかまわない。つまり、高さが隙間領域１６４よりも低いモニタＬＥＤが、基板制限領域１３３に配置されている場合でも、基板ケース本体１４０の外部から目視により隙間領域１６４を視認することが困難ということはなく、隙間領域１６４に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。
【0046】
カバー部１４２には、電子基板１４３に形成されたコネクタ１４５ａ～１４５ｃを外部に露出するためのコネクタ孔１４６ａ～１４６ｃが形成されている。コネクタ孔１４６ａ～１４６ｃからコネクタ１４５ａ～１４５ｃが露出することにより、外部から電気信号を送受信するための電線等とコネクタ１４５ａ～１４５ｃとを連結することができる。また、カバー部１４２の前側の表面には検査シール１３１が貼り付けられている。詳細は後述するが、基板ケース本体１４０は第１カバー制限領域（第１領域）１３２ａを有し、第１カバー制限領域１３２ａに非透明部である検査シール１３１が貼り付けられることはない。また、第１カバー制限領域１３２ａにおいて非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等が設置されることもない。これにより、基板ケース本体１４０の外部から目視により、隙間領域１６４に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。つまり、第１カバー制限領域１３２ａは、非透明部が設置されると、外部から隙間領域１６４を視認することが困難な領域である。
【0047】
また、ベース部１４１はカシメピン挿入部１４９を有し、ベース部１４１及びカバー部１４２が組み合わされて結合した後に、カシメピン１４４がカシメピン挿入部１４９に挿入される。図６に示すように、カバー部１４２には貫通孔であるカシメピン係合部１５０が設けられている。また、カシメピン挿入部１４９にも貫通孔が設けられている。ベース部１４１及びカバー部１４２が結合された際に、カシメピン係合部１５０はカシメピン挿入部１４９の下方に位置することとなる。そして、ベース部１４１及びカバー部１４２が結合された状態で、上方からカシメピン挿入部１４９の貫通孔にカシメピン１４４が挿入され、続いてカシメピン１４４がカシメピン係合部１５０の貫通孔に挿入されることとなる。カシメピン１４４の先端には矢じり部１４４ａが形成されており、カシメピン１４４がカシメピン係合部１５０に挿入されると、矢じり部１４４ａがカシメピン係合部１５０に引っ掛かってカシメピン１４４を抜くことが困難となる。
【0048】
図７に示すように、矢じり部１４４ａは下方に向かって徐々に狭まっていき、上方に向かって徐々に広がっていく形状である。矢じり部１４４ａがカシメピン係合部１５０の貫通孔は矢じり部１４４ａの上端よりも狭いが、矢じり部１４４ａがカシメピン係合部１５０に挿入された際に、カシメピン係合部１５０の貫通孔に規制されて矢じり部１４４ａが撓み、矢じり部１４４ａの上端が狭まることとなり、カシメピン係合部１５０を貫通する。そして、矢じり部１４４ａがカシメピン係合部１５０を貫通すると矢じり部１４４ａは再び元のように広がることから、矢じり部１４４ａの上端がカシメピン係合部１５０に引っ掛かることとなり、カシメピン１４４をカシメピン係合部１５０から抜くことが困難となる。このように、カシメピン１４４がカシメピン挿入部１４９及びカシメピン係合部１５０を貫通することで、ベース部１４１及びカバー部１４２を分離することが困難となる。つまり、ベース部１４１及びカバー部１４２を分離するためには、カシメピン１４４をカシメピン挿入部１４９及びカシメピン係合部１５０から抜く必要があるが、上述したようにカシメピン１４４を抜くことが困難であることから、ベース部１４１及びカバー部１４２を分離することが困難となる。したがって、不正行為を行うために、ベース部１４１及びカバー部１４２を分離させようとする場合は、カシメピン１４４、ベース部１４１及びカバー部１４２の少なくともいずれかを破壊することとなり、不正行為が行われたことを容易に認識することができる。
【0049】
なお、カシメピン１４４、カシメピン挿入部１４９及びカシメピン係合部１５０のそれぞれは、２つずつ形成されているが、ベース部１４１及びカバー部１４２を結合する際は、これらのうちいずれか一方のみを用いることとすればよい。それにより、カシメピン１４４によりベース部１４１及びカバー部１４２を分離困難とすることは、２回行うことが可能である。例えば、ベース部１４１及びカバー部１４２を結合して、カシメピン挿入部１４９及びカシメピン係合部１５０にカシメピン１４４を挿入した後に、検査等により正当にベース部１４１及びカバー部１４２を分離する際は、カシメピン挿入部１４９及びカシメピン係合部１５０に挿入されている一方のカシメピン１４４を切断することにより、ベース部１４１及びカバー部１４２を容易に分離することができる。検査等が終わった後に、残っている他方のカシメピン１４４を用いてベース部１４１及びカバー部１４２を再び、分離困難とすればよい。
【0050】
次に、基板ケース本体１４０とケース支持部１１０との連結構造及びこれらの背板１０ｃへの設置構造について、図面を用いて説明する。図８は、本発明の実施形態１に係るケース支持部と基板ケース本体との構成を示す分解斜視図である。
【0051】
図８に示すように、ケース支持部１１０には、取付ネジ１１６によって背板１０ｃの設置面３７にネジ止めされるための２つの貫通孔１２６が形成されている。また、ケース支持部１１０には、封印カバー１１３を取り付けるためのネジ穴１１９が形成されている。また、ケース支持部１１０には、２つの蝶番１１２を取り付けるためのネジ穴１２５ａ、１２５ｂが形成されている。
【0052】
基板ケース本体１４０の取付板１１１には、封印カバー１２３を取り付けるためのネジ穴１２９が形成されている。また、取付板１１１には、２つの蝶番１１２を取り付けるためのネジ穴１２５ｃ、１２５ｄが形成されている。
【0053】
基板ケース本体１４０とケース支持部１１０とを連結するには、まず、ケース支持部１１０を設置面３７に設置する。貫通孔１２６を通すことにより、基板ケース本体１４０を貫通して取付ネジ１１６を設置面３７にネジ止めする。これにより、ケース支持部１１０が設置面３７に固定される。取付ネジ１１６が貫通している貫通孔１２６を覆うように蝶番１１２を配置し、蝶番用ネジ１１５ａ、１１５ｂを蝶番１１２の孔１２２ａ、１２２ｂに通してネジ穴１２５ａ、１２５ｂに螺合させる。これにより、取付ネジ１１６が蝶番１１２に覆われて外部に露呈しないことから、蝶番１１２を基板ケース本体１４０からはずさなければ取付ネジ１１６をはずすことが困難となる。
【0054】
ケース支持部１１０に蝶番１１２を取り付けた状態で、蝶番用ネジ１１５ａ、１１５ｂを覆うように封印カバー１１３をケース支持部１１０に設置し、封印カバー用ネジ１１７を封印カバー１１３に貫通させてネジ穴１１９に螺合させる。これにより、封印カバー１１３がケース支持部１１０に固定される。さらに、封印カバー用ネジ１１７を覆うように封印カバー１１３に形成されたキャップ穴１１４ａに封印キャップ１１４を埋め込むように嵌める。封印キャップ１１４はキャップ穴１１４ａに埋め込まれるように嵌まることにより、封印カバー１１３からはずすことが困難となる。封印カバー用ネジ１１７は封印キャップ１１４に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー用ネジ１１７をはずすことも困難となる。そのため、封印カバー１１３をケース支持部１１０からはずすことも困難である。蝶番用ネジ１１５ａ、１１５ｂは封印カバー１１３に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー１１３をはずさなければ、蝶番１１２をケース支持部１１０からはずすことは困難である。
【0055】
蝶番１１２は、取付板１１１にも取り付けられる。具体的には、蝶番用ネジ１１５ｃ、１１５ｄを蝶番１１２の孔１２２ｃ、１２２ｄに通してネジ穴１２５ｃ、１２５ｄに螺合させる。そして、取付板１１１に蝶番１１２を取り付けた状態で、蝶番用ネジ１１５ｃ、１１５ｄを覆うように封印カバー１２３を取付板１１１に設置し、封印カバー用ネジ１２７を封印カバー１２３に貫通させてネジ穴１２９に螺合させる。これにより、封印カバー１２３が取付板１１１に固定される。さらに、封印カバー用ネジ１２７を覆うように封印カバー１２３に形成されたキャップ穴１２４ａに封印キャップ１２４を埋め込むように嵌める。封印キャップ１１４はキャップ穴１１４ａに埋め込まれるように嵌まることにより、封印カバー１２３からはずすことが困難となる。封印カバー用ネジ１２７は封印キャップ１２４に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー用ネジ１２７をはずすことも困難となる。そのため、封印カバー１１３をケース支持部１１０からはずすことも困難である。蝶番用ネジ１１５ｃ、１１５ｄは封印カバー１２３に覆われて外部に露呈していないことから、封印カバー１２３をはずさなければ、蝶番１１２を取付板１１１からはずすことは困難である。
【0056】
基板ケース本体１４０とケース支持部１１０との連結構造及びこれらの背板１０ｃ（設置面３７）への設置構造は、上述した構造であることから、基板ケース本体１４０を遊技機１０から取りはずしたり、ケース支持部１１０を含む遊技機用基板ケース１００ごと遊技機１０から取りはずしたり、する行為は困難である。したがって、不正行為者が基板ケース本体１４０を遊技機１０から取りはずして、不正な基板ケース本体に取り替えることや、ケース支持部１１０を含む遊技機用基板ケース１００ごと遊技機１０から取りはずして不正に遊技機用基板ケースに取り替えることも困難である。
【0057】
不正行為を行うために基板ケース本体１４０とケース支持部１１０とを分離するには、蝶番用ネジ１１５ａ、１１５ｂ及び蝶番用ネジ１１５ｃ、１１５ｄのいずれかをはずして蝶番１１２をはずすことが必要である。また、蝶番用ネジ１１５ａ、１１５ｂ及び蝶番用ネジ１１５ｃ、１１５ｄをはずすためには、それぞれ封印カバー１１３及び封印カバー１２３をはずす必要がある。また、封印カバー１１３及び封印カバー１２３をはずすために封印キャップ１１４及び封印キャップ１２４をはずすには、封印キャップ１１４または封印カバー１１３を破壊する、及び、封印キャップ１２４または封印カバー１２３を破壊することとなるため、このような行為を行ったことを容易に認識できる。つまり、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
【0058】
また、不正行為を行うためにケース支持部１１０を設置面３７から取りはずす場合は、取付ネジ１１６をはずす必要があるが、そのためには蝶番１１２をケース支持部１１０から取りはずす必要がある。しかし、上述したように、封印キャップ１１４または封印カバー１１３を破壊せずに蝶番１１２をケース支持部１１０から取りはずすことは困難であり、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
【0059】
次に、電子基板１４３におけるメインＣＰＵ１６０の配置等について、図面を用いて説明する。図９は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの電子基板の構成を示す斜視図である。
【0060】
図９に示すように、メインＣＰＵ１６０は、回路が形成されているＣＰＵ本体（素子本体部）１６１及びＣＰＵ本体１６１から伸びる複数の接続端子１６２を備えている。電子基板１４３上にはソケット１６３が設置されており、ソケット１６３に接続端子１６２が刺さることにより、メインＣＰＵ１６０が電子基板１４３上の配線等と電気的に接続される。ここで、メインＣＰＵ１６０は、電子基板１４３において基板ケース本体１４０が保持位置にある場合に設置面３７と対向する面とは、反対側の面に配置（実装）されている。つまり、基板ケース本体１４０が保持位置にある場合に、電子基板１４３の前側にメインＣＰＵ１６０が配置される。
【0061】
ＣＰＵ本体１６１は略直方体であり、基板ケース本体１４０が保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形である。この長方形の長手方向の２つの辺のそれぞれに沿って複数の接続端子１６２が形成されている。これら接続端子１６２が沿って形成される２つの辺は互いに略平行であり、いずれも回転軸１２８に対して垂直である。ここで、ＣＰＵ本体１６１において回転軸１２８側とは反対側の端部１６１ａから、接続端子１６２が沿って形成される２つの辺を回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を電子基板１４３に投影した領域が基板制限領域１３３である。
【0062】
上述したように、基板制限領域１３３に非透明部である電子素子１６５が形成される場合は、その電子素子１６５の高さはメインＣＰＵ１６０及び電子基板１４３間の隙間領域１６４の高さよりも低いものに限られている。ここで、高さとは、ｙ軸に沿った長さをいう。また、隙間領域１６４は、ＣＰＵ本体１６１と電子基板１４３との間に形成された領域である。なお、本実施形態１において、メインＣＰＵ１６０はソケット１６３を介して電子基板１４３に配置されていることから、隙間領域１６４は、ＣＰＵ本体１６１及びソケット１６３間の領域である隙間領域１６４ａと、電子基板１４３及びソケット１６３間の領域である隙間領域１６４ｂと、を含んでいる。ここで、隙間領域１６４の高さｈｃは、ＣＰＵ本体１６１及び電子基板１４３間の距離である。基板制限領域１３３内に設置されている電子素子１６５の高さｈｄは、この高さｈｃよりも低くなければならない。これにより、ＣＰＵ本体１６１及び電子基板１４３間の領域である隙間領域１６４に不正チップ等を配置する不正行為が行われた場合であっても、作業者が基板ケース本体１４０の外部から電子素子１６５に邪魔されずに目視により隙間領域１６４を確認することができ、不正行為の発見が容易である。なお、電子基板１４３上において、基板制限領域１３３以外の領域に電子素子等の非透明部が配置されていてもよく、この場合の電子素子等は高さに制限があるわけではない。具体的には、比率表示器１６６及び電子部品１６７等の高さは、隙間領域１６４の高さｈｃよりも高いが、基板制限領域１３３以外の領域に配置されていることから、作業者は、基板ケース本体１４０の外部から目視により隙間領域１６４を確認することができる。また、基板制限領域１３３に電子素子１６５等が設置されていなければ、隙間領域１６４をより確実に視認することができることから、より好ましい。また、作業者が基板ケース本体１４０の外部から電子素子１６５に邪魔されずに目視により隙間領域１６４ｂをより確実に確認するには、電子素子１６５の高さｈｄは、隙間領域１６４ｂの高さｈｓよりも低いことがより好ましい。なお、隙間領域１６４ｂの高さｈｓは、電子基板１４３及びソケット１６３間の距離である。
【0063】
次に、設置面３７に対して基板ケース本体１４０を回動させることにより、不正行為が行われていないか否かを検査する動作について、図面を用いて説明する。図１０は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。また、図１１は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図３のＡ－Ａ矢視断面図である。また、図１２は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの保持位置から回動した位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。図１３は、本発明の実施形態１に係る遊技機用基板ケースの展開位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【0064】
図１０に示すように、基板ケース本体１４０が保持位置にある状態において、前側（筺体本体１０ａの正面側）から基板ケース本体１４０を見た場合は、検査シール１３１がメインＣＰＵ１６０を覆うように配置されている。ただし、非透明部である検査シール１３１は第１カバー制限領域１３２ａに設置されることはない。ここで、第１カバー制限領域１３２ａは、基板ケース本体１４０の一部分である。具体的には、基板ケース本体１４０が保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１において、複数の接続端子１６２のそれぞれの列に沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を基板ケース本体１４０に投影した領域が第１カバー制限領域１３２ａである。
【0065】
具体的には、図１１に示すように、第１カバー制限領域１３２ａは、接続端子１６２（図９を参照）のそれぞれの列に沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線を基準として、この基準位置（第１基準線Ｌ１）よりも保持位置における前側（ｙ軸方向負側）における基板ケース本体１４０に位置している。ここで、第１基準線Ｌ１は、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂ（ＣＰＵ本体１６１における電子基板１４３側の面）の位置であるともいえる。また、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂは、ＣＰＵ本体１６１における設置面３７側の面である。なお、この基準位置を、電子基板１４３の保持位置における前側（ｙ軸方向負側）の面（実装面）の位置である第２基準線Ｌ２としてもよい。ただし、本実施形態１に係る基板ケース本体１４０において、上記基準位置を、第１基準線Ｌ１とした場合及び第２基準線Ｌ２とした場合のいずれにおいても、基板ケース本体１４０における保持位置における前側（ｙ軸方向負側）の面に配置される第１カバー制限領域１３２ａは同じ領域である。また、上記基準位置を、第１基準線Ｌ１及び第２基準線Ｌ２の間におけるいずれかの位置としてもよい。なお、第１カバー制限領域１３２ａについては、実施形態３においてもさらに詳細に説明する。
【0066】
また、図４に示すように、第１カバー制限領域１３２ａは、さらに、基板ケース本体１４０において回転軸１２８側とは反対側の基板ケース本体１４０の側面にも形成されている。具体的には、図３に示すように、基板ケース本体１４０が保持位置にある状態において、右側の側面にも第１カバー制限領域１３２ａが形成されている。この第１カバー制限領域１３２ａは、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側に形成された第１カバー制限領域１３２ａと連続して後側（ｙ軸正方向）へと伸びるように形成されている。基板ケース本体１４０の右側側面に形成されているこの第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側の面から、電子基板１４３における実装面の位置まで伸びている。つまり、保持位置にある状態の基板ケース本体１４０の右側側面に配置されている第１カバー制限領域１３２ａは、カバー部１４２の前側の面から第２基準線Ｌ２の位置まで伸びている。
【0067】
なお、保持位置にある基板ケース本体１４０の右側側面に形成されている第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側の面から、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂの位置まで伸びていることとしてもよい。つまり、保持位置にある状態の基板ケース本体１４０の右側側面に形成されている第１カバー制限領域１３２ａは、カバー部１４２の前側の面から第１基準線Ｌ１の位置まで伸びていることとしてもよい。また、第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側の面から、第１基準線Ｌ１及び第２基準線Ｌ２の間におけるいずれかの位置まで伸びていることとしてもよい。上述したように、第１カバー制限領域１３２ａには、非透明部である検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等が設置されることがない。これにより、基板ケース本体１４０の外部から目視により、隙間領域１６４に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。
【0068】
なお、保持位置にある基板ケース本体１４０の右側側面に形成されている上記第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側の面から、電子基板１４３の位置よりも隙間領域１６４ｂ（図９を参照）の高さｈｓ分の距離だけ手前側まで伸びていることとしてもよい。つまり、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、電子基板１４３から高さｈｓ分の距離以上前側に離間する位置に第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとしてもよい。
【0069】
また、保持位置にある基板ケース本体１４０の右側側面に形成されている上記第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、基板ケース本体１４０（カバー部１４２）の前側の面から、電子基板１４３の位置よりも隙間領域１６４（図９を参照）の高さｈｃ分の距離だけ手前側まで伸びていることとしてもよい。つまり、保持位置にある基板ケース本体１４０を右側から見た場合において、電子基板１４３から高さｈｃ分の距離以上前側に離間する位置に第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとしてもよい。また、第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０の右側側面に形成されず、カバー部１４２の前側の面にのみ形成されることとしてもよい。
【0070】
なお、基板ケース本体１４０が保持位置にある状態では、前側から基板ケース本体１４０を見た場合はカバー部１４２が透明であることから、外部から電子基板１４３を目視することは可能であるが、検査シール１３１がメインＣＰＵ１６０を覆うように配置されていることからメインＣＰＵ１６０を目視することは困難である。ここで、指示部１３４には、例えば、「ケースを回動させて、検査シールの裏側に設置されたチップと基板との間を探すこと」といった内容の記載がなされている。これにより、作業者は、目視することを忘れやすい隙間領域１６４においても確実に目視することとなる。基板ケース本体１４０が保持位置にある状態において作業者は、隙間領域１６４等は目視が困難であるが、基板ケース本体１４０内において目視が可能な箇所については、不正チップ等が設置されていないか確認すればよい。また、このような指示部１３４が形成された検査シール１３１を、メインＣＰＵ１６０を覆うようにカバー部１４２に貼り付けることにより、不正チップ等が設置されていないかを調べるために目視すべき箇所を、作業者に明確に指示することができる。このように、指示部１３４により、作業者は、目視すべき箇所や対象を容易に理解することができる。
【0071】
基板ケース本体１４０を保持位置から展開位置側に回動させることにより、基板ケース本体１４０が設置面３７に対向している状態から、設置面３７に対して角度を有する状態となる。これにより、図１２に示すように、作業者は前側から基板ケース本体１４０を外部から目視することにより、隙間領域１６４についても視認可能となる。この際、検査シール１３１は第１カバー制限領域１３２ａに貼り付けられていないことから、検査シール１３１により隙間領域１６４の視認が困難になることはない。また、検査シール１３１以外の非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等についても第１カバー制限領域１３２ａに配置されていないことから、隙間領域１６４の視認が困難になることはない。また、基板制限領域１３３に設置された電子素子１６５についても高さｈｄが、隙間領域１６４の高さｈｃよりも低いことから、隙間領域１６４の視認は可能である。また、作業者は前側から基板ケース本体１４０を目視するだけでなく、例えば、基板ケース本体１４０の右側から目視する等することにより、より確実に隙間領域１６４に不正チップ等が設置されていないかを視認することができる。
【0072】
また、図１３に示すように、基板ケース本体１４０を展開位置まで回動することで、前側から基板ケース本体１４０を目視することにより、基板ケース本体１４０の側面側から基板ケース本体１４０内を目視できることから、より確実に電子基板１４３上に不正チップ等が設置されていないかを視認することができる。なお、比率表示器１６６及び電子部品１６７により、隙間領域１６４の目視が邪魔されることはない。また、基板ケース本体１４０が展開位置にある状態であれば、ベース部１４１側から電子基板１４３を目視することも容易であり、電子基板１４３においてメインＣＰＵ１６０等が設置されている側とは反対側の面上においても容易に視認できる。また、ベース部１４１が破損されていないかについても容易に視認できる。
【0073】
このように、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００によれば、容易に基板ケース本体１４０全体を目視により確認できるうえ、基板ケース本体１４０の内部においても容易に目視により確認できることから、基板ケース本体１４０を破損して行われる不正行為だけでなく、基板ケース本体１４０を破損させずに電子基板１４３に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0074】
以上、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００について説明した。本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００によれば、基板ケース本体１４０の第１カバー制限領域１３２ａに検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等を設置しないことにより、基板ケース本体１４０の外部から目視により電子基板１４３上に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。また、電子基板１４３の基板制限領域１３３に設置された電子素子１６５の高さｈｄを、隙間領域１６４の高さｈｃよりも低くすることにより、電子基板１４３上の隙間領域１６４等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部１４１及びカバー部１４２を分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0075】
（実施形態２）
本実施形態２に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、遊技機用基板ケースに貼り付けられている検査シール１３１の位置が、本実施形態１に係る遊技機１０と異なる。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態２に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、遊技機用基板ケースに貼り付けられている検査シール１３１の位置が、本実施形態１に係る遊技機１０と異なる。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
本実施形態２に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図１４は、本発明の実施形態２に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。また、図１５は、本発明の実施形態２に係る遊技機用基板ケースの展開位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【0077】
図１４に示すように、本実施形態２に係る遊技機用基板ケース１００ａは、ケース支持部１１０と基板ケース本体１４０ａとが蝶番１１２により連結されて構成されている。基板ケース本体１４０ａは、本実施形態１に係るカバー部１４２とは異なる位置に検査シール１３１が貼り付けられているカバー部１４２ａを有する点で、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００とは異なる。
【0078】
遊技機用基板ケース１００ａにおいて、基板ケース本体１４０ａの前側には検査シール（非透明部）１３１が貼り付けられている。この検査シール１３１は、基板ケース本体１４０ａ内に収容された電子基板（制御基板）１４３に設置されたメインＣＰＵ（回路素子）１６０を覆うように基板ケース本体１４０ａの表側に貼り付けられている。具体的には、カバー部１４２ａの前側の面には検査シール１３１が貼り付けられている。ここで、詳細は後述するが、基板ケース本体１４０ａにおける第１カバー制限領域１３２ａの少なくとも一部である特例領域１３５は、第１カバー制限領域１３２ａであるにもかかわらず非透明部である検査シール１３１が貼り付けられてもよい。また、第１カバー制限領域１３２ａの少なくとも一部である特例領域１３５には、非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等が設置されてもよい。これにより、遊技機用基板ケース１００ａにおいて、検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等の非透明部を配置可能な領域が増加することとなり、設計の自由度が向上する。なお、このように、第１カバー制限領域１３２ａにおいて、非透明部を配置することが可能である特例領域１３５が設けられていることから、非透明部を配置する自由度が増加する。また、詳細は後述するが、特例領域１３５に非透明部を配置しても、基板ケース本体１４０ａの外部から目視により、隙間領域１６４（図９を参照）に不正チップ等を設置するといった不正行為を容易に発見することができる。
【0079】
図１４に示すように、基板ケース本体１４０ａが保持位置にある状態において、前側（筺体本体１０ａの正面側）から基板ケース本体１４０ａを見た場合は、検査シール１３１がメインＣＰＵ１６０を覆うように配置されている。また、隙間領域１６４も検査シール１３１により覆われている。特に、非透明部である検査シール１３１は、第１カバー制限領域１３２ａの一部である特例領域１３５上に配置されている。ここで、第１カバー制限領域１３２ａは、基板ケース本体１４０ａが保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１（図９を参照）において、複数の接続端子１６２（図９を参照）が沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａ（図９を参照）から回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所をカバー部１４２ａに投影した領域である。検査シール１３１は、カバー部１４２ａにおいて前側から見た場合にメインＣＰＵ１６０の端部１６１ａを覆うように配置されており、第１カバー制限領域１３２ａの左端の一部にかかってカバー部１４２ａに貼り付けられている。
【0080】
なお、上述したように、第１カバー制限領域１３２ａにおいて検査シール１３１が貼り付けられている領域が特例領域１３５である。このように、検査シール１３１が貼り付けられていることから、作業者が、基板ケース本体１４０ａが保持位置にある状態で前側からｙ軸に沿って基板ケース本体１４０ａを見た場合だけでなく、ｙ軸に対して左右に傾いた方向から基板ケース本体１４０ａを見た場合でも、隙間領域１６４が検査シール１３１に覆われており、作業者が視認することは困難である。特に、回転軸１２８とは逆方向側（右側）から基板ケース本体１４０ａを見た場合でも、隙間領域１６４を視認することは困難である。
【0081】
図１４に示す状態が基板ケース本体１４０ａの保持位置であり、さらに、図１５に示すように、この保持位置から基板ケース本体１４０ａを回動させて設置面３７に対して略９０度の角度とされる状態が展開位置である。ここで、基板ケース本体１４０ａを保持位置から展開位置側に回動させることにより、基板ケース本体１４０ａが設置面３７に対向している状態から、設置面３７に対して角度を有する状態となる。これにより、作業者が設置面３７と対向する側（前側）から基板ケース本体１４０ａを見た場合に、特例領域１３５に配置されている検査シール１３１が、隙間領域１６４に対して回転軸１２８側である左側に位置する配置となる。これにより、作業者は前側から基板ケース本体１４０ａを外部から目視することにより、隙間領域１６４についても視認可能となる。
【0082】
このように、特例領域１３５は、第１カバー制限領域１３２ａの少なくとも一部であって、非透明部である検査シール１３１が設置されている場合に、基板ケース本体１４０ａが保持位置にある状態で前側から基板ケース本体１４０ａを見た場合には、隙間領域１６４が検査シール１３１により覆われており、隙間領域１６４を視認することは困難であるが、基板ケース本体１４０ａを保持位置から展開位置側に回動させることにより、前側から基板ケース本体１４０ａを見た場合には、検査シール１３１が隙間領域１６４に対して回転軸１２８側である左側に位置する配置となり、作業者が隙間領域１６４についても視認可能となるような領域である。
【0083】
このように、検査シール１３１が特例領域１３５に貼り付けられている場合に、検査シール１３１により隙間領域１６４の視認が困難になることはない。また、検査シール１３１以外の非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４、カシメピン１４４等が特例領域１３５に配置されていたとしても、隙間領域１６４の視認が困難になることはない。
【0084】
特例領域１３５は、図１４において示した位置だけでなく、上記条件を満たす領域であればよい。例えば、図１４において、第１カバー制限領域１３２ａにおける特例領域１３５をさらに右側の領域まで広げてもかまわない。つまり、検査シール１３１をさらに右側に貼り付けることとしてもよく、例えば、基板ケース本体１４０ａの右端まで広げてもかまわない。また、特例領域１３５が第１カバー制限領域１３２ａの左端を含まないこととしてもよい。また、第１カバー制限領域１３２ａおいて特例領域１３５が連続していなくてもよい。つまり、第１カバー制限領域１３２ａにおいて、複数の特例領域１３５が存在してもよい。
【0085】
上述したように、第１カバー制限領域１３２ａの少なくとも一部である特例領域１３５に非透明部である検査シール１３１が設置されており、基板ケース本体１４０ａが保持位置にある場合には検査シール１３１が隙間領域１６４を覆っており、作業者が前側から基板ケース本体１４０ａを見た場合に隙間領域１６４を視認することが困難であるが、基板ケース本体１４０ａを展開位置側に回動させることにより、作業者が前側から基板ケース本体１４０ａを見た場合に、検査シール１３１が隙間領域１６４に対して回転軸１２８側に位置する配置となり、隙間領域内１６４を視認可能となる。なお、作業者が前側から基板ケース本体１４０ａを見た場合としたが、作業者がｙ軸に沿って基板ケース本体１４０ａを見た場合だけでなく、ｙ軸に対して左右に傾いた方向から基板ケース本体１４０ａを見た場合も含まれることとすることが好ましい。
【0086】
このように、本実施形態２に係る遊技機用基板ケース１００ａによれば、容易に基板ケース本体１４０ａ全体を目視により確認できるうえ、基板ケース本体１４０ａの内部においても容易に目視により確認できることから、基板ケース本体１４０ａを破損して行われる不正行為だけでなく、基板ケース本体１４０ａを破損させずに電子基板１４３に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態２に係る遊技機用基板ケース１００ａによれば、第１カバー制限領域１３２ａの少なくとも一部の領域である特例領域１３５に、検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部を設置してもよいことから、設計の自由度が増す。
【0088】
（実施形態３）
本実施形態３に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態３に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のベース部１４１にフランジ部が設けられ、このフランジ部に管理シールが貼り付けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態３に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態３に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のベース部１４１にフランジ部が設けられ、このフランジ部に管理シールが貼り付けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0089】
本実施形態３に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図１６は、本発明の実施形態３に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図１７は、本発明の実施形態３に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図１６のＢ－Ｂ矢視断面図である。
【0090】
図１６に示すように、本実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂは、ケース支持部１１０と基板ケース本体１４０ｂとが蝶番１１２により連結されて構成されている。基板ケース本体１４０ｂは、本実施形態１に係るベース部１４１とは異なるベース部１４１ａを有する点で、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００とは異なる。なお、詳細は後述するが、ベース部１４１ａには、外側に突出するように板状であるフランジ部１５１が設けられている。フランジ部１５１には遊技機１０のそれぞれを管理するための管理シール（非透明部）１３１ａが貼り付けられている。なお、ベース部１４１ａは透明な樹脂から形成されていることから、ベース部１４１ａの一部であるフランジ部１５１も透明な樹脂から形成されている。なお、基板ケース本体１４０ｂがベース部１４１ａを備えることから、基板ケース本体１４０ｂは、フランジ部１５１を備えている。また、管理シール１３１ａは個々の遊技機１０を管理するためのものであり、遊技機１０における所定の番号等（管理番号や識別コード等）が記載されており、非透明部である。なお、管理シール１３１ａに記載されているのは、上記所定の番号に限定されるわけではなく、これら以外の番号や、文言等が記載されていることとしてもよい。
【0091】
フランジ部１５１は、基板ケース本体１４０ｂにおいて取付板１１１が設置された側とは反対側の端部に設けられている。特に、図１７に示すように、フランジ部１５１は、前後方向において、電子基板１４３と略同じ位置に配置されている。このように、フランジ部１５１はカバー部１４２の前側の面よりも後側（ｙ軸方向正側）に配置されている。また、フランジ部１５１はメインＣＰＵ１６０の前側の面よりも後側に配置されている。また、フランジ部１５１は、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂ（ＣＰＵ本体１６１における電子基板１４３側の面）よりも後側（電子基板１４３側）に配置されている。
【0092】
ここで、第１カバー制限領域１３２ａについて説明する。なお、第１カバー制限領域１３２ａについては実施形態１において説明したが、以下にさらに詳細に説明する。保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの前側の面に形成されている第１カバー制限領域１３２ａにおいて、基板ケース本体１４０ｂが保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１において、複数の接続端子１６２のそれぞれの列に沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を、基板ケース本体１４０ｂのうち、実装面（電子基板１４３）に対して略垂直方向（基板ケース本体１４０ｂが保持位置にある場合にｙ軸に沿った方向）にＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂよりも実装面（電子基板１４３）から離間する位置に配置された部分に投影した領域とする。つまり、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの前側の面において、電子基板１４３から隙間領域１６４（図９を参照）の高さｈｃ分の距離以上前側に離間した位置にのみ第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとする。つまり、第１カバー制限領域１３２ａは、基板ケース本体１４０ｂのうち、実装面（電子基板１４３）に対して略垂直方向にＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りである箇所には形成されない。
【0093】
ここで、図１７に示すように、基板ケース本体１４０ｂの一部であるフランジ部１５１は、電子基板１４３に対して略垂直方向にＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りに配置されている。つまり、フランジ部１５１は、実装面（電子基板１４３）に対して略垂直方向（基板ケース本体１４０ｂが保持位置にある場合にｙ軸に沿った方向）にＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂよりも実装面から離間する位置に配置された部分には該当しない。つまり、フランジ部１５１は、第１基準線Ｌ１（基準位置）よりも、保持位置における前側（ｙ軸方向負側）には形成されていない。したがって、フランジ部１５１上に第１カバー制限領域１３２ａが形成されることはない。
【0094】
また、基準位置を、第２基準線Ｌ２としてもよい。なお、保持位置において、フランジ部１５１の前側の面は、前後方向において、電子基板１４３と略同じ位置に配置されている。つまり、フランジ部１５１における前側の面は第２基準線Ｌ２と同一となる。したがって、フランジ部１５１において第１カバー制限領域１３２ａが形成されることはない。ただし、保持位置において、基準位置が第２基準線Ｌ２である場合に、フランジ部１５１がＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂよりも後側（電子基板１４３側）であっても、電子基板１４３よりも前側（ＣＰＵ本体１６１側）に配置されている場合は、フランジ部１５１上に第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとなり、第１カバー制限領域１３２ａ上に非透明部を配置する際は、第１カバー制限領域１３２ａを避けて配置することとなる。
【0095】
なお、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの右側側面に形成されている第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂを右側から見た場合において、基板ケース本体１４０ｂ（カバー部１４２）の前側の面から、フランジ部１５１の前側の位置（電子基板１４３における実装面の位置）まで伸びている。つまり、第２基準線Ｌ２まで伸びている。なお、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの右側側面に形成されている第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂを右側から見た場合において、基板ケース本体１４０ｂ（カバー部１４２）の前側の面から、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂの位置まで伸びていることとしてもよい。つまり、第１カバー制限領域１３２ａは、カバー部１４２の前側の面から第１基準線Ｌ１の位置まで伸びていることとしてもよい。
【0096】
第１カバー制限領域１３２ａは非透明部が配置されない領域であるが、フランジ部１５１には第１カバー制限領域１３２ａが形成されないことから、非透明部が配置されてもかまわない。ここで、フランジ部１５１には、非透明部である検査シール１３１が貼り付けられている。なお、フランジ部１５１には、検査シール１３１以外に封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部が設置されていてもよい。
【0097】
管理シール１３１ａが貼り付けられたフランジ部１５１のように、基板ケース本体１４０ｂの一部分であって、基板ケース本体１４０ｂが保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１において、複数の接続端子１６２が沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を基板ケース本体１４０ｂに投影した領域であっても、実装面（電子基板１４３）に対して略垂直方向においてＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りに位置する箇所に、非透明部が配置されていたとしても、基板ケース本体１４０ｂの外側から電子基板１４３上の隙間領域１６４を視認する場合に、非透明部が邪魔になることがない。このため、第１カバー制限領域１３２ａに非透明部が配置されていなければ、例えばフランジ部１５１等のような第１カバー制限領域１３２ａに非透明部が配置されていたとしても、基板ケース本体１４０ｂの外側から電子基板１４３上の隙間領域１６４等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部１４１ａ及びカバー部１４２を分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0098】
このように、本実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂによれば、容易に基板ケース本体１４０ｂ全体を目視により確認できるうえ、基板ケース本体１４０ｂの内部においても容易に目視により確認できることから、基板ケース本体１４０ｂを破損して行われる不正行為だけでなく、基板ケース本体１４０ｂを破損させずに電子基板１４３に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂによれば、フランジ部１５１のように電子基板１４３に対して略垂直方向にメインＣＰＵ１６０よりも実装面寄りに配置されている部材は第１カバー制限領域１３２ａが形成されないことから、このような部材には、管理シール１３１ａ、検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部を設置してもよいことから、設計の自由度が増す。
【0100】
なお、本実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂにおいて、第１カバー制限領域１３２ａは、基板ケース本体１４０ｂのうち、実装面（電子基板１４３）に対して略垂直方向にＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りである箇所には形成されないとした。つまり、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの前側の面において、電子基板１４３から隙間領域１６４の高さｈｃ分の距離以上前側に離間した位置にのみ第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとした。しかし、この構成に限定されるわけではない。例えば、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの前側の面において、電子基板１４３から隙間領域１６４の高さｈｓ分の距離以上前側に離間した位置にのみ第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとしてもよい。また、保持位置にある基板ケース本体１４０ｂの前側の面において、電子基板１４３よりも前側に存在する位置にのみ第１カバー制限領域１３２ａが形成されることとしてもよい。
【0101】
（実施形態４）
本実施形態４に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なり、カバー制限領域も本実施形態１の第１カバー制限領域１３２ａとは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態４に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００の基板ケース本体１４０が横方向に伸びた形状となっている。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態４に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なり、カバー制限領域も本実施形態１の第１カバー制限領域１３２ａとは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態４に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００の基板ケース本体１４０が横方向に伸びた形状となっている。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0102】
本実施形態４に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図１８は、本発明の実施形態４に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。
【0103】
図１８に示すように、本実施形態４に係る遊技機用基板ケース１００ｃは、ケース支持部１１０と基板ケース本体１４０ｃとが蝶番１１２により連結されて構成されている。基板ケース本体１４０ｃは、本実施形態１に係る基板ケース本体１４０に比べて左右方向（基板ケース本体１４０ｃが保持位置にある場合にｘ軸に沿った方向）の長さが長くなった形状であり、この点において本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００とは異なる。なお、基板ケース本体１４０ｃを構成する、ベース部１４１ｂ及びカバー部１４２ｂについても、基板ケース本体１４０ｃと同様に、左右方向の長さが長くなる。ただし、基板ケース本体１４０ｃ内における電子基板１４３等の形状は、本実施形態１と変わらない。そのため、保持位置における基板ケース本体１４０ｃを前側（筺体本体１０ａの正面側）から見た場合に、基板ケース本体１４０ｃ内において、電子基板１４３が存在しない空間である基板外領域Ｒが形成されている。
【0104】
基板ケース本体１４０ｃにおいて基板外領域Ｒに対応する前側の面には管理シール１３１ａが貼り付けられている。このように、管理シール１３１ａが基板外領域Ｒの外側面に貼り付けられるだけでなく、例えば、基板外領域Ｒに封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部が設置されていてもよい。また、管理シール１３１ａの代わりに検査シール１３１が貼り付けられていてもよい。
【0105】
ここで、本実施形態４の第２カバー制限領域（第２領域）１３２ｂは、基板ケース本体１４０ｃの一部分であって、基板ケース本体１４０ｃが保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１において、複数の接続端子１６２が沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を、基板ケース本体１４０ｃのうち、基板外領域Ｒの該当する領域を除いた領域である。言い換えると、本実施形態４の第２カバー制限領域１３２ｂは、基板ケース本体１４０ｃの一部分であって、基板ケース本体１４０ｃが保持位置にある状態で前側から見た場合に略長方形であるＣＰＵ本体１６１において、複数の接続端子１６２が沿っている２つの長手方向の辺を端部１６１ａから回転軸１２８とは反対方向に伸ばした線により囲まれた箇所を、基板ケース本体１４０ｃに投影した領域と、電子基板１４３をメインＣＰＵ１６０が実装される面側の基板ケース本体１４０ｃに投影した領域と、が重複した領域である。
【0106】
特に、図１８に示すように、基板ケース本体１４０ｃが保持位置にある状態において、前側（筺体本体１０ａの正面側）から基板ケース本体１４０ｃを見た場合に、第２カバー制限領域１３２ｂの右端は電子基板１４３の一辺２４３までとなっており、一辺２４３よりも右側である基板外領域Ｒには第２カバー制限領域１３２ｂは形成されない。したがって、基板ケース本体１４０ｃが保持位置にある場合の右側面には、第２カバー制限領域１３２ｂは形成されていない。
【0107】
このように、基板ケース本体１４０ｃにおいて基板外領域Ｒに対応する前側の面には、第２カバー制限領域１３２ｂが形成されていないため、この箇所に非透明部である管理シール１３１ａが貼り付けられていてもかまわない。また、基板ケース本体１４０ｃにおいて基板外領域Ｒに対応する前側の面には第２カバー制限領域１３２ｂが形成されていないことから、この箇所に検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部が設置されていてもよい。
【0108】
基板ケース本体１４０ｃにおいて基板外領域Ｒに対応する前側の面に、非透明部が配置されていたとしても、基板ケース本体１４０ｃの外側から電子基板１４３上の隙間領域１６４を視認する場合に、非透明部が邪魔になりにくい。このため、第２カバー制限領域１３２ｂに非透明部が配置されていなければ、基板ケース本体１４０ｃの外側から電子基板１４３上の隙間領域１６４等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部１４１ｂ及びカバー部１４２ｂを分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0109】
また、基板外領域Ｒには空間が存在しており、この空間は電子基板１４３から離間している。したがって、基板外領域Ｒの空間に非透明部が配置されていたとしても、基板ケース本体１４０ｃの外側から電子基板１４３上の隙間領域１６４を視認する場合に、非透明部が邪魔になりにくい。そのため、この空間に封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等が配置されることとしてもよい。これにより、設計の自由度が高くなる。
【0110】
このように、本実施形態４に係る遊技機用基板ケース１００ｃによれば、容易に基板ケース本体１４０ｃ全体を目視により確認できるうえ、基板ケース本体１４０ｃの内部においても容易に目視により確認できることから、基板ケース本体１４０ｃを破損して行われる不正行為だけでなく、基板ケース本体１４０ｃを破損させずに電子基板１４３に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態４に係る遊技機用基板ケース１００ｃによれば、基板ケース本体１４０ｃにおいて基板外領域Ｒに対応する前側の面には第２カバー制限領域１３２ｂが形成されないことから、この箇所に、管理シール１３１ａ、検査シール１３１、封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等の非透明部を設置してもよいことから、設計の自由度が増す。
【0112】
（実施形態５）
本実施形態５に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態５に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のカバー部１４２に視認用凹部（特定部）２１０（図１９を参照）が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態５に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態５に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のカバー部１４２に視認用凹部（特定部）２１０（図１９を参照）が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0113】
本実施形態５に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図１９は、本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図２０は、本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。また、図２１は、本発明の実施形態５に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。また、図２２は、本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図１９のＣ－Ｃ矢視断面図である。また、図２３は、本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
【0114】
図１９に示すように、本実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄは、ケース支持部１１０と基板ケース本体１４０ｄとが蝶番１１２により連結されて構成されている。基板ケース本体１４０ｄは、本実施形態１に係るカバー部１４２とは異なるカバー部（対向部）１４２ｃを有する点で、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００とは異なる。なお、後述するが、基板ケース本体１４０ｄ内に収容される電子基板（制御基板）１４３ａ（図２１を参照）についても、電子素子１６５を備えていない点で、本実施形態１に係る電子基板１４３とは異なる。また、カバー部１４２ｃには視認用凹部２１０が形成され、検査シール１３１の位置が基板ケース本体１４０ｄ内に収容された電子基板１４３ａに設置されたメインＣＰＵ１６０を覆う位置ではない点が、本実施形態１に係るカバー部１４２とは異なる。
【0115】
カバー部１４２ｃに形成された視認用凹部２１０は、電子基板１４３ａ側に突出するように形成された凹部である。また、カバー部１４２ｃにおいて視認用凹部２１０の周りのカバー部１４２ｃの主要面（一般部）２３０は電子基板１４３ａに対向するように配置されている。傾斜板２１１、第１内壁２１２、第２内壁２１３、第３内壁２１４及び第４内壁２１５を有している。傾斜板２１１は第１内壁２１２、第２内壁２１３及び第４内壁２１５と連続しており、第１内壁２１２及び第２内壁２１３は互いに対向配置とされる。また、第４内壁２１５は電子基板１４３ａに近接して、互いに対向配置とされる。第３内壁２１４は第４内壁２１５、第１内壁２１２及び第２内壁２１３と連続している。また、傾斜板２１１は主要面２３０に対して傾斜している。
【0116】
また、図１９に示す状態が基板ケース本体１４０ｄの保持位置であり、図２０に示すように、保持位置から基板ケース本体１４０ｄを回動させて設置面３７に対して略９０度とされる状態が、展開位置である。ここで、基板ケース本体１４０ｄが保持位置から展開位置側に回動されることにともない、傾斜板２１１と設置面３７との配置は、主要面２３０と設置面３７との配置に比べて平行に近くなる。
【0117】
図２１に示すように、基板ケース本体１４０ｄは、内部に電子基板１４３ａを収容し、ベース部１４１及びカバー部１４２ｃが組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。ここで、電子基板１４３ａにおいて基板制限領域１３３には電子素子等の非透明部は設置されていない。また、検査シール１３１は第１カバー制限領域１３２ａ以外に配置されている。また、第１カバー制限領域１３２ａには検査シール１３１以外の非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等が設置されていない。ここで、検査シール１３１の指示部１３４には、例えば、不正行為が行われているか否かを検査する作業者が検査の際に注意すべき事項等を記載しておくことが好ましい。
【0118】
なお、図２２に示すように、基板ケース本体１４０ｄにおいて基準位置は第２基準線Ｌ２である。なお、第２基準線Ｌ２は、保持位置における電子基板１４３ａの前側（ｙ軸方向負側）の面（実装面）の位置である。ここで、視認用凹部２１０は、基板ケース本体１４０ｄが保持位置にある場合に電子基板１４３ａよりも前側（ＣＰＵ本体１６１側）に配置されている。つまり、視認用凹部２１０は、第２基準線Ｌ２よりも前側（ＣＰＵ本体１６１側）に配置されていることから、視認用凹部２１０においても途切れることなく第１カバー制限領域１３２ａが形成されている。また、保持位置にある基板ケース本体１４０ｄの右側側面に配置されている第１カバー制限領域１３２ａは、保持位置にある基板ケース本体１４０ｄを右側から見た場合において、基板ケース本体１４０ｄ（カバー部１４２ｃ）の前側の面から、電子基板１４３ａにおける実装面の位置まで伸びている。つまり、第２基準線Ｌ２まで伸びている。
【0119】
遊技機用基板ケース１００ｄにおいて、傾斜板２１１は回転軸１２８に略平行であって、かつ、電子基板１４３ａに対して略垂直であることが好ましい。これにより、作業者は基板ケース本体１４０ｄの外部から傾斜板２１１を介して隙間領域１６４を目視することが可能となる。なお、傾斜板２１１の配置はこれに限定されるわけでなく、作業者が基板ケース本体１４０ｄの外部から傾斜板２１１を介して隙間領域１６４を目視可能であるように配置されればよく、電子基板１４３ａに対して略垂直でなくてもよい。
【0120】
また、図２２に示すように、作業者の視線は、方向２３２となることから、例えば、基板ケース本体１４０ｄが保持位置にある場合であっても、作業者は右側から覗きこむようにすれば、隙間領域１６４を目視することができる。なお、方向２３２は傾斜板２１１に対して垂直に近い方が屈折や散乱の影響を受けにくく、隙間領域１６４をより確実に視認することができる。また、図２３に示すように、基板ケース本体１４０ｄを保持位置から回動させることにより、作業者は略前側（遊技機１０の正面側）から容易に傾斜板２１１を介して隙間領域１６４を視認することができる。
【0121】
ここで、基板ケース本体１４０ｄが保持位置にある場合は、電子基板１４３ａの主面と略平行である主要面２３０は、基板ケース本体１４０ｄが保持位置から展開位置側に回動されることにより、設置面３７に対して平行な状態から離れていくこととなり、隙間領域１６４からの光は主要面２３０に対して９０度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、基板ケース本体１４０ｄが保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板２１１は設置面３７に対して平行な状態へと近づくこととなり、隙間領域１６４からの光は傾斜板２１１に対して９０度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域１６４からの光は傾斜板２１１により屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域１６４の視認性が向上する。つまり、基板ケース本体１４０ｄが保持位置から展開位置に近づくにしたがい、作業者は右側から覗きこむようにせずとも、略前側（遊技機１０の正面側）から目視することにより、傾斜板２１１を介して隙間領域１６４を視認することができる。
【0122】
このように、本実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄによれば、傾斜板２１１を介して容易に基板ケース本体１４０ｄ内の隙間領域１６４を目視により確認できる。そのため、基板ケース本体１４０ｄを破損させずに隙間領域１６４に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0123】
なお、基準位置が第２基準線Ｌ２である構成について上述したが、例えば、基準位置が第１基準線Ｌ１であることとしてもよい。なお、第１基準線Ｌ１は、ＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂ（ＣＰＵ本体１６１における電子基板１４３ａ側の面）の位置である。ここで、図２４は、本発明の実施形態５に係る遊技機用基板ケースの他の構成を示す図であり、図１９のＣ－Ｃ矢視断面図である。図２４に示すように、基準位置を第１基準線Ｌ１とすると、視認用凹部２１０の一部において、第１カバー制限領域１３２ａが形成されない箇所が存在する。具体的には、基板ケース本体１４０ｄにおいて、第１基準線Ｌ１と視認用凹部２１０の外側とが交わる箇所で挟まれる領域である非制限領域Ｒｎについては第１カバー制限領域１３２ａが形成されない。
【0124】
つまり、基板ケース本体１４０ｄにおいて、視認用凹部２１０における非制限領域Ｒｎは、電子基板１４３ａに対して略垂直方向にＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りに配置されている。つまり、視認用凹部２１０における非制限領域Ｒｎは、実装面（電子基板１４３ａ）に対して略垂直方向（基板ケース本体１４０ｄが保持位置にある場合にｙ軸に沿った方向）にＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂよりも実装面から離間する位置には配置されておらず、電子基板１４３ａに対して略垂直方向にＣＰＵ本体１６１よりも実装面寄りに配置されている。つまり、非制限領域Ｒｎは、実装面（電子基板１４３ａ）に対して略垂直方向（基板ケース本体１４０ｂが保持位置にある場合にｙ軸に沿った方向）にＣＰＵ本体１６１の底面１６１ｂよりも実装面から離間する位置に配置された部分には該当しない。したがって、視認用凹部２１０における非制限領域Ｒｎは、第１基準線Ｌ１（基準位置）よりも、保持位置における前側（ｙ軸方向負側）には配置されていない。このため、準位置が第１基準線Ｌ１である場合は、視認用凹部２１０における非制限領域Ｒｎ上には、第１カバー制限領域１３２ａが形成されない。
【0125】
以上、本実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄについて説明した。本実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄによれば、カバー部１４２ｃに視認用凹部２１０が設けられていることにより、傾斜板２１１を介して基板ケース本体１４０ｄの外側から電子基板１４３ａ上の隙間領域１６４等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。このため、ベース部１４１及びカバー部１４２ｃを分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0126】
（実施形態６）
本実施形態６に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態６に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のカバー部１４２に視認用凹部（特定部）２１０ａ（図２５を参照）が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態６に係る遊技機は、遊技機用基板ケースの構成が本実施形態１に係る遊技機１０の遊技機用基板ケース１００とは異なるが、それ以外は同一である。特に、本実施形態６に係る遊技機用基板ケースは、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００のカバー部１４２に視認用凹部（特定部）２１０ａ（図２５を参照）が設けられた構成である。以下の説明においては、実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００と同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0127】
本実施形態６に係る遊技機用基板ケースの概略構造について、図面を用いて説明する。図２５は、本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。また、図２６は、本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースの展開位置における外観構成を示す斜視図である。また、図２７は、本発明の実施形態６に係る基板ケース本体の構成を示す分解斜視図である。また、図２８は、本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースの構成を示す図であり、図２５のＤ－Ｄ矢視断面図である。また、図２９は、本発明の実施形態６に係る遊技機用基板ケースにおいて基板ケース本体が保持位置から回動した位置での断面図である。
【0128】
図２５に示すように、本実施形態６に係る遊技機用基板ケース１００ｅは、ケース支持部１１０と基板ケース本体１４０ｅとが蝶番１１２により連結されて構成されている。基板ケース本体１４０ｅは、本実施形態１に係るカバー部１４２とは異なりカバー部（対向部）１４２ｄを有する点で、本実施形態１に係る遊技機用基板ケース１００とは異なる。なお、後述するが、基板ケース本体１４０ｅ内に収容される電子基板（制御基板）１４３ｂ（図２７を参照）についても、電子素子１６５を備えていない点及び後述する視認用凹部２１０ａが貫通するための凹部用貫通孔２３１が形成されている点で、本実施形態１に係る電子基板１４３とは異なる。また、カバー部１４２ｄには視認用凹部２１０ａが形成され、検査シール１３１の位置が基板ケース本体１４０ｅ内に収容された電子基板１４３ｂに設置されたメインＣＰＵ１６０を覆う位置ではない点が、本実施形態１に係るカバー部１４２とは異なる。
【0129】
カバー部１４２ｄに形成された視認用凹部２１０ａは、電子基板１４３ｂを貫通してベース部１４１側に突出するように形成された凹部である。また、カバー部１４２ｄにおいて視認用凹部２１０ａの周りのカバー部１４２ｄの主要面（一般部）２３０ａは電子基板１４３ｂに対向するように配置されている。傾斜板２１１ａ、第１内壁２１２ａ、第２内壁２１３ａ、第３内壁２１４ａ及び第４内壁２１５ａを有している。傾斜板２１１ａは第１内壁２１２ａ、第２内壁２１３ａ及び第４内壁２１５ａと連続しており、第１内壁２１２ａ及び第２内壁２１３ａは互いに対向配置とされる。また、第４内壁２１５ａは電子基板１４３ｂに近接して、互いに対向配置とされる。第３内壁２１４ａは第４内壁２１５ａ、第１内壁２１２ａ及び第２内壁２１３ａと連続している。また、傾斜板２１１ａは主要面２３０ａに対して傾斜している。
【0130】
また、図２５に示す状態が基板ケース本体１４０ｅの保持位置であり、図２６に示すように、保持位置から基板ケース本体１４０ｅを回動させて設置面３７に対して略９０度とされる状態が、展開位置である。ここで、基板ケース本体１４０ｅ保持位置から展開位置側に回動されることにともない、傾斜板２１１ａと設置面３７との配置は、主要面２３０ａと設置面３７との配置に比べて平行に近くなる。
【0131】
図２７に示すように、基板ケース本体１４０ｅは、内部に電子基板１４３ｂを収容し、ベース部１４１及びカバー部１４２ｄが組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。ここで、電子基板１４３ｂにおいて基板制限領域１３３には電子素子等の非透明部は設置されていない。また、検査シール１３１は第１カバー制限領域１３２ａ以外に配置されている。また、第１カバー制限領域１３２ａには検査シール１３１以外の非透明部である封印カバー１１３、１２３、封印キャップ１１４、１２４及びカシメピン１４４等が設置されることはない。ここで、検査シール１３１の指示部１３４には、例えば、不正行為が行われているか否かを検査する作業者が検査の際に注意すべき事項等を記載しておくことが好ましい。
【0132】
また、電子基板１４３ｂには凹部用貫通孔２３１が形成されており、ベース部１４１及びカバー部１４２ｄが組み合わされて結合する際に、凹部用貫通孔２３１に視認用凹部２１０ａが嵌まり込むこととなる。これにより、傾斜板２１１も電子基板１４３ｂを貫通して配置されることとなる。なお、この視認用凹部２１０ａにおいて、電子基板１４３のメインＣＰＵ１６０の実装面より奥側（凹部用貫通孔２３１に嵌まり込んでいる個所）には、第１カバー制限領域１３２ａは形成されていない。
【0133】
遊技機用基板ケース１００ｅにおいて、傾斜板２１１ａは回転軸１２８に略平行であって、かつ、電子基板１４３ｂに対して略垂直であることが好ましい。これにより、作業者は基板ケース本体１４０ｅの外部から傾斜板２１１ａを介して隙間領域１６４を目視することが可能となる。なお、傾斜板２１１ａの配置はこれに限定されるわけでなく、作業者が基板ケース本体１４０ｅの外部から傾斜板２１１ａを介して隙間領域１６４を目視可能であるように配置されればよい。
【0134】
また、図２８に示すように、作業者の視線は、方向２３２となることから、例えば、基板ケース本体１４０ｅが保持位置にある場合であっても、作業者は右側から覗きこむようにすれば、隙間領域１６４を目視することができる。なお、方向２３２は傾斜板２１１ａに対して垂直に近い方が屈折や散乱の影響を受けにくく、隙間領域１６４をより確実に視認することができる。また、図２９に示すように、基板ケース本体１４０ｅを保持位置から回動させることにより、作業者は略前側（遊技機１０の正面側）から容易に傾斜板２１１を介して隙間領域１６４を視認することができる。
【0135】
また、傾斜板２１１ａは電子基板１４３ｂを貫通していることから、電子基板１４３ｂの両主面近傍についても傾斜板２１１ａを介して視認することが可能である。したがって、隙間領域１６４において電子基板１４３ｂの近傍についても視認性が高く、不正行為を容易に発見することができる。
【0136】
ここで、基板ケース本体１４０ｅが保持位置にある場合は、電子基板１４３ｂの主面と略平行である主要面２３０ａは、基板ケース本体１４０ｅが保持位置から展開位置側に回動されることにより、に設置面３７に対して平行な状態から離れていくこととなり、隙間領域１６４からの光は主要面２３０ａに対して９０度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、基板ケース本体１４０ｅが保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板２１１ａは設置面３７に対して平行な状態へと近づくこととなり、隙間領域１６４からの光は傾斜板２１１ａに対して９０度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域１６４からの光は傾斜板２１１ａにより屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域１６４の視認性が向上する。
【0137】
このように、本実施形態６に係る遊技機用基板ケース１００ｅによれば、傾斜板２１１ａを介して容易に基板ケース本体１４０ｅ内の隙間領域１６４を目視により確認できる。さらに、傾斜板２１１ａが電子基板１４３ｂを貫通して配置されていることから、電子基板１４３ｂの主面の近傍においても、傾斜板２１１ａを介して目視が可能である。そのため、基板ケース本体１４０ｅを破損させずに隙間領域１６４に不正チップ等を設置するような不正行為についても容易に発見できる。また、このように、不正行為を容易に発見できることから、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0138】
以上、本実施形態６に係る遊技機用基板ケース１００ｅについて説明した。本実施形態６に係る遊技機用基板ケース１００ｅによれば、カバー部１４２ｄに視認用凹部２１０ａが設けられていることにより、傾斜板２１１ａを介して基板ケース本体１００ｅの外側から電子基板１４３ｂ上の隙間領域１６４等に設けられた不正チップ等を容易に発見することができる。また、傾斜板２１１ａが電子基板１４３ｂを貫通して配置されていることから、電子基板１４３ｂの主面の近傍においても、傾斜板２１１ａを介して目視が可能である。このため、ベース部１４１及びカバー部１４２ｄを分離することなく、不正行為を容易に発見することができ、不正行為が行われることも抑制することができる。
【0139】
以上、実施形態１～６に係る遊技機用基板ケース１００、１００ａ、１００ｂ、１００ｃ、１００ｄ、１００ｅについて説明したが、本発明に係る遊技機用基板ケースは、これらの構成に限定されるわけではなく、これら以外の構成を有することとしてもよい。例えば、実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂ（図１６を参照）において、実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄにおける視認用凹部２１０（図１９を参照）が形成されることとしてもよい。具体的には、図３０に示すような構成とすればよい。なお、この構成では、電子基板１４３は電子素子１６５を備えていない。ここで、図３０は、本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの保持位置における外観構成を示す斜視図である。なお、遊技機用基板ケース１００ｂ及び遊技機用基板ケース１００ｄと同一の部材については同一の符号を付している。
【0140】
また、例えば、実施形態４に係る遊技機用基板ケース１００ｃ（図１８を参照）において、実施形態５に係る遊技機用基板ケース１００ｄにおける視認用凹部２１０（図１９を参照）が形成されることとしてもよい。具体的には、図３１に示すような構成とすればよい。なお、この構成では、電子基板１４３は電子素子１６５を備えていない。ここで、図３１は、本発明のさらに他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの保持位置において遊技機の正面から見た状態を示す図である。なお、遊技機用基板ケース１００ｃ及び遊技機用基板ケース１００ｄと同一の部材については同一の符号を付している。
【0141】
これらと同様に、実施形態３に係る遊技機用基板ケース１００ｂ（図１６を参照）及び実施形態４に係る遊技機用基板ケース１００ｃ（図１８を参照）において、実施形態６に係る遊技機用基板ケース１００ｅにおける視認用凹部２１０ａ（図２５を参照）が形成されることとしてもよい。また、これら以外の組合せとしてもよい。
【0142】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0143】
なお、上述した本発明の実施の形態に係る遊技機は、例えば、以下に示す特徴及び作用効果も有する。
【0144】
本発明の一態様に係る遊技機は、
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所を前記ケース本体に投影した領域には前記非透明部が配置されない、ことを特徴とする。
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部と、前記透明部よりも透光性の低い非透明部と、を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って前記回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所を前記ケース本体に投影した領域には前記非透明部が配置されない、ことを特徴とする。
【0145】
このように、上記遊技機によれば、ケース本体が透明部よりも透光性の低い非透明部を有し、この非透明部は、回路素子においてケース本体の回動軸とは反対側の端部から接続端子の各列に沿って回動軸の反対側に伸ばされた線により囲まれた箇所をケース本体に投影した領域には配置されない。これにより、作業者は、回動範囲である保持位置及び展開位置の間でケース本体を回動させながら、ケース本体内における制御基板と素子本体部との間の隙間領域を、設置面と対向する側から視覚により確認しようとした際に、ケース本体が非透明部を有しているにもかかわらず、非透明部が隙間領域に重なりにくく、隙間領域に不正チップが設置されていた場合は容易に発見することができる。また、不正チップを隙間領域に設置するといった不正行為の抑制も可能となる。
【0146】
また、上述の遊技機において、
前記ケース本体が保持位置にあるときに、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記制御基板と前記素子本体部との間の隙間領域が視認不可能である位置に前記非透明部が配置されている、こととしてもよい。
前記ケース本体が保持位置にあるときに、作業者が前記設置面と対向する側から前記ケース本体を見た場合に、前記制御基板と前記素子本体部との間の隙間領域が視認不可能である位置に前記非透明部が配置されている、こととしてもよい。
【0147】
これにより、ケース本体が保持位置にあるときには、作業者が設置面と対向する側から、隙間領域を視認することができず、隙間領域に不正チップが設置されていても発見が困難であるが、ケース本体を回動させることにより隙間領域が視認可能となり、隙間領域に不正チップが設置されていた場合でも容易に発見することができる。これにより、非透明部の配置の自由度を向上させることができ、遊技機用基板ケースの設計の自由度が増加する。
【0148】
また、上述の遊技機において、
前記非透明部に、作業者への指示が示される指示部が形成されている、こととしてもよい。
前記非透明部に、作業者への指示が示される指示部が形成されている、こととしてもよい。
【0149】
これにより、非透明部に作業者への指示が示されている指示部が形成されていることから、作業者は非透明部を見ることにより、指示内容を容易に認識できる。例えば、非透明部に、ケース本体を回動させて隙間領域を確認することを指示する記載を行ってもよく、このような構成とすることにより、作業者に隙間領域の確認を促すことができ、不正行為の見落としを防止することができる。
【0150】
また、上述の遊技機において、
前記ケース本体は、第１ケース及び第２ケースが結合されることにより構成され、
前記非透明部は、前記第１ケース及び前記第２ケースが結合された際に前記第１ケース及び前記第２ケースを分離困難とするために前記ケース本体に設けられた封印部である、こととしてもよい。
前記ケース本体は、第１ケース及び第２ケースが結合されることにより構成され、
前記非透明部は、前記第１ケース及び前記第２ケースが結合された際に前記第１ケース及び前記第２ケースを分離困難とするために前記ケース本体に設けられた封印部である、こととしてもよい。
【0151】
これにより、隙間領域の視認を封印部により妨げられることがなく、隙間領域に不正チップを設置するといった不正行為が行われても容易に発見することができる。このため、不正行為の実行の抑制もできる。なお、封印部とは、ケース本体のカシメや封印キャップ等である。
【0152】
また、上述の遊技機において、
前記非透明部は、前記ケース本体の外側に貼り付けられるシールである、こととしてもよい。
前記非透明部は、前記ケース本体の外側に貼り付けられるシールである、こととしてもよい。
【0153】
これにより、隙間領域の視認をシールにより妨げられることがなく、隙間領域に不正チップを設置するといった不正行為が行われても容易に発見することができる。このため、不正行為の実行の抑制もできる。なお、シールとは、例えばケース本体の外側に貼り付けられる検査シール等である。
【0154】
また、本発明の他の一態様に係る遊技機は、
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板において前記回路素子が実装されている面と同じ側の面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記ケース本体の回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って伸ばされた線により囲まれた箇所を前記制御基板に投影した領域に実装される前記電子素子の高さは、前記制御基板と前記素子本体部との間の領域の高さよりも低い、ことを特徴とする。
制御基板と、
回路が形成される素子本体部と、前記素子本体部及び前記制御基板を接続する複数の接続端子とを有し、前記制御基板に実装される回路素子と、
前記制御基板において前記回路素子が実装されている面と同じ側の面に実装される電子素子と、
前記制御基板を収納し、外部から内部を視認可能な透明部を有するケース本体と、
前記ケース本体が遊技機筐体内側の設置面に対して回動するように、前記ケース本体及び前記設置面を連結するケース支持部と、を有する遊技機用基板ケースを備え、
前記ケース本体は、前記設置面に対して対向配置される保持位置から展開位置まで回動可能であり、
前記回路素子は、前記ケース本体が保持位置にある状態で前記制御基板において前記設置面側とは反対側の面に実装され、
前記複数の接続端子は前記ケース本体の回動軸に対して垂直方向に沿って並んで二列配置され、
前記回路素子において前記ケース本体の回動軸とは反対側の端部から、前記接続端子の各列に沿って伸ばされた線により囲まれた箇所を前記制御基板に投影した領域に実装される前記電子素子の高さは、前記制御基板と前記素子本体部との間の領域の高さよりも低い、ことを特徴とする。
【0155】
このように、上記遊技機によれば、ケース本体が透明部を有しており、回路素子においてケース本体の回動軸とは反対側の端部から接続端子の各列に沿って伸ばされた線により囲まれた箇所を制御基板に投影した領域に実装される電子素子の高さは、制御基板と素子本体部との間の領域の高さよりも低い。これにより、作業者は、回動範囲である保持位置及び展開位置の間でケース本体を回動させながら、ケース本体内における制御基板と素子本体部との間の隙間領域を、設置面と対向する側から視覚により確認しようとした際に、電子素子が隙間領域に重なりにくく、隙間領域に不正チップが設置されていた場合は容易に発見することができる。つまり、電子素子により隙間領域が覆われて視認不能となりにくい。また、不正チップを隙間領域に設置するといった不正行為の抑制も可能となる。
【0156】
また、上述の遊技機において、
前記ケース本体は、前記制御基板における前記回路素子が実装される実装面を覆う対向部を備え、
前記対向部は、前記ケース本体が前記保持位置にあるときには前記実装面と略平行である一般部と、前記一般部に対して傾斜した傾斜板を有する特定部と、を備え、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、前記傾斜板と前記設置面との配置は、前記一般部と前記設置面との配置に比べて平行に近くなる、こととしてもよい。
前記ケース本体は、前記制御基板における前記回路素子が実装される実装面を覆う対向部を備え、
前記対向部は、前記ケース本体が前記保持位置にあるときには前記実装面と略平行である一般部と、前記一般部に対して傾斜した傾斜板を有する特定部と、を備え、
前記ケース本体が前記保持位置から前記展開位置側に回動されることにより、前記傾斜板と前記設置面との配置は、前記一般部と前記設置面との配置に比べて平行に近くなる、こととしてもよい。
【0157】
これにより、作業者が、ケース本体を展開位置側に回動させて、前記設置面と対向する側から、傾斜板を介して隙間領域を視覚により確認する際における、ケース本体内における制御基板と素子本体部との間の隙間領域の視認性が向上する。ここで、ケース本体が保持位置にあるときには実装面と略平行である一般部は、ケース本体が保持位置から展開位置側に回動されることにより、設置面に対して平行から離れていくこととなり、隙間領域からの光は一般部に対して９０度から離れた角度となって作業者の目に到達することとなる。これに対して、ケース本体が保持位置から展開位置側に回動されることにより、傾斜板は設置面に対して平行に近づくこととなり、隙間領域からの光は傾斜板に対して９０度に近づく角度となって作業者の目に到達することとなる。このため、作業者の目に到達する隙間領域からの光は傾斜板により屈折したり散乱したりすることが少なく、隙間領域の視認性が向上する。
【0158】
また、上述の遊技機において、
前記特定部は前記制御基板側に窪んだ凹状に形成されており、
前記傾斜板の前記設置面側の端部は、前記保持位置において、前記制御基板よりも前記設置面側である、こととしてもよい。
前記特定部は前記制御基板側に窪んだ凹状に形成されており、
前記傾斜板の前記設置面側の端部は、前記保持位置において、前記制御基板よりも前記設置面側である、こととしてもよい。
【0159】
これにより、傾斜板の設置面側の端部が制御基板よりも設置面側となることから、傾斜板の面積が広く、隙間領域の視認性がより向上する。
【符号の説明】
【0160】
１０ 遊技機 １０ａ 筺体本体
３７ 設置面 １１０ ケース支持部
１００、１００ａ、１００ｂ、１００ｃ、１００ｄ、１００ｅ 遊技機用基板ケース
１２３ 封印カバー １２４ 封印キャップ
１３１ 検査シール １３１ａ 管理シール
１３２ａ 第１カバー制限領域（第１領域）
１３２ｂ 第２カバー制限領域（第２領域）
１３３ 基板制限領域 １３４ 指示部
１３５ 特例領域
１４０、１４０ａ、１４０ｂ、１４０ｃ、１４０ｄ、１４０ｅ 基板ケース本体
１４２、１４２ａ、１４２ｂ、１４２ｃ、１４２ｄ カバー部
１４３、１４３ａ、１４３ｂ 電子基板 １４４ カシメピン
１５１ フランジ部 １６０ メインＣＰＵ
１６１ ＣＰＵ本体 １６１ｂ 底面
１６２ 接続端子 １６４、１６４ａ、１６４ｂ 隙間領域
１６５ 電子素子 ２１０、２１０ａ 視認用凹部
２１１、２１１ａ 傾斜板 ２３０、２３０ａ 主要面
３７ 設置面 １１０ ケース支持部
１００、１００ａ、１００ｂ、１００ｃ、１００ｄ、１００ｅ 遊技機用基板ケース
１２３ 封印カバー １２４ 封印キャップ
１３１ 検査シール １３１ａ 管理シール
１３２ａ 第１カバー制限領域（第１領域）
１３２ｂ 第２カバー制限領域（第２領域）
１３３ 基板制限領域 １３４ 指示部
１３５ 特例領域
１４０、１４０ａ、１４０ｂ、１４０ｃ、１４０ｄ、１４０ｅ 基板ケース本体
１４２、１４２ａ、１４２ｂ、１４２ｃ、１４２ｄ カバー部
１４３、１４３ａ、１４３ｂ 電子基板 １４４ カシメピン
１５１ フランジ部 １６０ メインＣＰＵ
１６１ ＣＰＵ本体 １６１ｂ 底面
１６２ 接続端子 １６４、１６４ａ、１６４ｂ 隙間領域
１６５ 電子素子 ２１０、２１０ａ 視認用凹部
２１１、２１１ａ 傾斜板 ２３０、２３０ａ 主要面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】