(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】コンタクトレンズケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/04 20060101AFI20230905BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20230905BHJP
G02C 13/00 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
A45C11/04 B
G02C7/04
G02C13/00
(21)【出願番号】P 2020572375
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 US2019040832
(87)【国際公開番号】W WO2020014135
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-21
(32)【優先日】2018-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520503485
【氏名又は名称】ベルリシ インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】BERLISI INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ダリチャウ, バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ペレス, ゴンサロ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス, マルセロ
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0211925(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第2835751(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0186128(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102007001183(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/04
G02C 7/04
G02C 13/00
A61L 12/00~12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液タンクと、
前記液タンクに結合される第1のレンズアセンブリであって、
第1のレンズリザーバと、
前記レンズリザーバの上面に配置される第1の圧力ポンプと、
前記液タンクから前記第1のレンズリザーバに液を吸い込む第1の吸込ラインと、
前記第1の圧力ポンプが操作されると、前記液タンクから前記第1の吸込ラインを通じて前記第1のレンズアセンブリの前記第1のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第1の1方向弁と
を備える第1のレンズアセンブリと、
前記液タンクに結合される第2のレンズアセンブリであって、
第2のレンズリザーバと、
前記第2のレンズリザーバの上面に配置される第2の圧力ポンプと、
前記液タンクから前記第2のレンズリザーバに液を流す第2の吸込ラインと、
前記第2の圧力ポンプが操作されると、前記液タンクから前記第2の吸込ラインを通じて前記第2のレンズアセンブリの前記第2のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第2の1方向弁と
を備える第2のレンズアセンブリと
を備えるコンタクトレンズケース。
【請求項2】
前記第1のレンズアセンブリが、前記液タンクから取り外し可能でありかつ前記液タンクに再取り付け可能であるように前記液タンクに結合され、
前記第2のレンズアセンブリが、前記液タンクから取り外し可能でありかつ前記液タンクに再取り付け可能であるように前記液タンクに結合される、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項3】
前記第1の圧力ポンプが
ねじ付き部材と、
前記ねじ部材を覆うことによって前記レンズリザーバを封止する被覆成形体と
を備える、請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項4】
前記ねじ付き部材と前記被覆成形体とが単一の構成要素である、請求項3に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項5】
排気アセンブリをさらに備え、前記排気アセンブリが、
前記被覆成形体に配置され、前記被覆成形体が操作されると、空気が前記レンズリザーバから逃げることを可能にする排気口と、
閉鎖状態に操作されると、前記排気口を封止する排気口栓と、
前記排気口栓と前記被覆成形体とに接続される栓ヒンジであって、前記栓ヒンジが開放状態と前記閉鎖状態との間で前記排気口栓を切り換える、栓ヒンジと
を備える、請求項3に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項6】
排気アセンブリをさらに備え、前記排気アセンブリが、
前記被覆成形体に配置され、前記被覆成形体が操作されると、空気が前記レンズリザーバから逃げることを可能にする排気口と、
閉鎖状態に操作されると、前記排気口を封止する排気口栓であって、
前記排気口栓が前記排気アセンブリから分離可能である、排気口栓と
を備える、請求項3に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項7】
前記第1のレンズリザーバが、前記第1の吸込ラインに隣接する第1の弁流路をさらに備え、前記第1の弁流路が、前記液タンクから液を受け入れる第1の流入部をさらに備え、
前記第2のレンズリザーバが、前記第2の吸込ラインに隣接する第2の弁流路を備え、前記第2の弁流路が、前記液タンクから液を受け入れる第2の流入部をさらに備える、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項8】
前記第1の弁流路及び前記第2の弁流路の各々が第1の直径を有し、
前記第1の流入部及び前記第2の流入部の各々が第2の直径を有し、
前記第1の直径が前記第2の直径を超える、
請求項7に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項9】
前記第1のレンズアセンブリが、前記第1の圧力ポンプが操作されると、空気を前記第1のレンズリザーバの内部空間から排気する第1の排気部をさらに備え、
前記第2のレンズアセンブリが、前記第1の圧力ポンプが操作されると、空気を前記第2のレンズリザーバの内部空間から排気する第2の排気部をさらに備える、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項10】
前記第1の排気部が、前記第1の排気部に空気が再び入るのを防止する第1の排気弁をさらに備え、
前記第2の排気部が、前記第2の排気部に空気が再び入るのを防止する第2の排気弁をさらに備える、
請求項9に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項11】
前記第1の吸込ラインが、第1の弁流路を通じて前記第1のレンズリザーバに液を供給する流入流路の第1のセットを備え、
前記第2の吸込ラインが、第2の弁流路を通じて前記第2のレンズリザーバに液を供給する流入流路の第2のセットを備える、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項12】
前記第1の圧力ポンプと前記第2の圧力ポンプとが、前記液タンクから液を引き出すために互いに独立している、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項13】
前記第1の吸込ラインが前記第1のレンズリザーバから前記液タンクの底面まで延び、
前記第2の吸込ラインが前記第2のレンズリザーバから前記液タンクの底面まで延びる、
請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項14】
液タンクと、
前記液タンクに取り外し可能に結合可能である第1のレンズアセンブリであって、
第1のレンズリザーバと、
前記レンズリザーバの上面に配置される第1の圧力ポンプと、
前記液タンクから前記第1のレンズリザーバに液を吸い込む第1の吸込ラインと、
前記第1の圧力ポンプが操作されると、前記液タンクから前記第1の吸込ラインを通じて前記第1のレンズアセンブリの前記第1のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第1の1方向弁と
を備える第1のレンズアセンブリと、
前記液タンクに取り外し可能に結合可能である第2のレンズアセンブリであって、
第2のレンズリザーバと、
前記第2のレンズリザーバの上面に配置される第2の圧力ポンプと、
前記液タンクから前記第2のレンズリザーバに液を流す第2の吸込ラインと、
前記第2の圧力ポンプが操作されると、前記液タンクから前記第2の吸込ラインを通じて前記第2のレンズアセンブリの前記第2のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第2の1方向弁と
を備える第2のレンズアセンブリと
を備えるモジュール式コンタクトレンズケース。
【請求項15】
前記コンタクトレンズケースの少なくとも一部を包み込む取り外し可能な外部ケースをさらに備え、前記取り外し可能な外部ケースが、前記取り外し可能な外部ケースの内側部分に配置される収納室を備える、請求項14に記載のモジュール式コンタクトレンズケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な態様は、概してコンタクトレンズケースに関し、特にモジュール式コンタクトレンズケースに関する。
【背景技術】
【0002】
老眼、遠視及び乱視などの様々な視覚上の眼球欠陥を補償するために数百万人がコンタクトレンズを着用している。この点について、コンタクトレンズの使用者の大多数が当該コンタクトレンズを自身の眼から定期的に外さなければならず、この場合、たとえば殺菌のために、外されたコンタクトレンズを、所定の溶液が入れられたコンタクトレンズケースに一時的に入れる必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様に係れば、コンタクトレンズケースが開示される。コンタクトレンズケースは、液タンクと、液タンクに結合される第1のレンズアセンブリと、同様に液タンクに結合される第2のレンズアセンブリとを含む。第1のレンズアセンブリは、第1のレンズリザーバと、レンズリザーバの上面に配置される第1の圧力ポンプとを有する。これに加えて、第1のレンズアセンブリは、液タンクから第1のレンズリザーバに液を吸い込む第1の吸込ラインと、第1の圧力ポンプが操作されると、液タンクから第1の吸込ラインを通じて第1のレンズアセンブリの第1のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第1の1方向弁とを有する。
【0004】
第1のレンズアセンブリと同様に、第2のレンズアセンブリは、第2のレンズリザーバと、第2のレンズリザーバの上面に配置される第2の圧力ポンプとを含む。これに加えて、第2のレンズアセンブリは、液タンクから第1のレンズリザーバに液を流す第2の吸込ラインと、第2の圧力ポンプが操作されると、液タンクから第2の吸込ラインを通じて第2のレンズアセンブリの第2のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第2の1方向弁とを含む。
【0005】
本開示のさらに別の態様に係れば、モジュール式コンタクトレンズケースは、液タンクと、液タンクに取り外し可能に結合可能である第1のレンズアセンブリと、液タンクに取り外し可能に結合可能である第2のレンズアセンブリとを有する。たとえば、第1のレンズアセンブリを液タンクに対してねじを用いて着脱してもよい。同様に、第2のレンズアセンブリも液タンクに対してねじを用いて着脱してもよい。上記で説明されているのと同様に、第1のレンズアセンブリは、第1のレンズリザーバと、レンズリザーバの上面に配置される第1の圧力ポンプとを含む。第1のレンズアセンブリは、液タンクから第1のレンズリザーバに液を吸い込む第1の吸込ラインと、第1の圧力ポンプが操作されると、液タンクから第1の吸込ラインを通じて第1のレンズアセンブリの第1のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第1の1方向弁も含む。
【0006】
同様に、第2のレンズアセンブリも、第2のレンズリザーバと、第2のレンズリザーバの上面に配置される第2の圧力ポンプとを有する。第2のレンズアセンブリは、液タンクから第1のレンズリザーバに液を流す第2の吸込ラインと、第2の圧力ポンプが操作されると、液タンクから第2の吸込ラインを通じて第2のレンズアセンブリの第2のレンズリザーバ内に液が移動することを可能にする第2の1方向弁とをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本開示の様々な態様に係るコンタクトレンズケースの実施形態の斜視図である。
【
図1C】本開示の様々な態様に係る、
図1Bの線A‐Aに沿って切断した、
図1A及び
図1Bのコンタクトレンズケースの縦断面図である。
【
図1D】分解されているレンズアセンブリの斜視図である。
【
図2A】本開示の様々な態様に係るコンタクトレンズケースの特定の実施形態内の液の流れの図である。
【
図2B】本開示の様々な態様に係る
図2Aのコンタクトレンズケースの特定の実施形態内の液の流れのさらに別の図である。
【
図2C】本開示の様々な態様に係るポンプ流路を含む圧力ポンプの部分の図である。
【
図2D】本開示の様々な態様に係るリザーバ流路を含むレンズリザーバの図である。
【
図3】本開示の様々な態様に係る液タンクの実施形態である。
【
図4】本開示の様々な態様に係る圧力ポンプの実施形態である。
【
図5A】本開示の様々な態様に係る圧力ポンプの別の実施形態である。
【
図5B】本開示の様々な態様に係る
図5Aの実施形態の上から見た図である。
【
図6】本開示の様々な態様に係る吸込ラインの実施形態である。
【
図7A】本開示の様々な態様に係る第1の方向の液の流れを示す1方向弁の実施形態である。
【
図7B】本開示の様々な態様に係る第2の方向の液の流れを示す
図6Aの1方向弁の実施形態である。
【
図8】本開示の様々な態様に係るコンタクトレンズケースの実施形態の斜視図である。
【
図9】本開示の様々な態様に係る外部ケースの斜視図である。
【
図10】本開示の様々な態様に係る
図9の外部ケースの下側である。
【
図11】本開示の様々な態様に係るコンタクトレンズケースの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の様々な態様は概してコンタクトレンズケースの改善を対象とし、特に自宅で用い、かつ/又は移動の際に用いるコンタクトレンズケースの改善を対象とする。一般的に、移動中のコンタクトレンズの使用者は、コンタクトレンズケースと、コンタクトレンズを使用していないときにコンタクトレンズを保存して殺菌するために携行するコンタクトレンズ溶液の別体の容器とを手許においておく。コンタクトケースの方の使用頻度は、使用者が持っているコンタクトレンズの種類(たとえば、日毎レンズ、週毎レンズなど)によって異なる場合がある。コンタクトレンズケースか溶液かのいずれを紛失してもコンタクトレンズの使用者にとって大変不便である場合がある。
【0009】
したがって、本開示の態様は、コンタクトレンズケースとそれに対応するコンタクト溶液とをまとめておくコンタクトレンズケースに関する。さらに、本開示の態様では、コンタクトレンズケースをモジュール化することを可能にしたり、構成要素の交換を可能にしたりすることができ、したがって、コンタクトレンズケースの全寿命を延長することが期待される。コンタクトレンズケースと溶液とを対にすることによって、使用者はコンタクトをそれに対応するコンタクトレンズケースに保存するための溶液を入手することができないときに、コンタクトレンズ溶液の代用物になる水やその他意図しない溶液を用いることに頼らなくて済む。
【0010】
本開示の態様では、自宅か移動中かのいずれかでのコンタクトのより衛生的な手入れの仕方を実現するコンタクトレンズケースを提供する。不適切な使用により使用者は眼の感染症にかかる場合があり、コンタクトの使用者の一定の割合がコンタクトの適切な手入れ方法をとっていない可能性が高い。したがって、本出願で説明されているコンタクトレンズケースを、眼の感染の可能性を下げるのに利用することができる。
【0011】
コンタクトレンズケース
以下、図面、特に
図1Aを参照して、本開示の態様に係るコンタクトレンズケース100の例が示されている。コンタクトレンズケース100は、液タンク102と、液タンク102に接続される第1のレンズアセンブリ104aと、同様に液タンク102に接続される第2のレンズアセンブリ104bとを備える。液タンク102は液(たとえば、コンタクトレンズ溶液、水など)を保存するのに用いられる。第1のレンズアセンブリ104aは、第1のコンタクトレンズ(図示せず)を一時的に保存するのに用いられる。同様に、第2のレンズアセンブリ104bは、第2のコンタクトレンズ(図示せず)を一時的に保存するのに用いられる。この点について、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズとの双方を収容してもよい。
【0012】
本出願においてより詳細に説明されているが、手動で操作されると、液タンク102は液タンク102に保存されている液のうちの適切な量を、第1のレンズアセンブリ104a、第2のレンズアセンブリ104b又は両方に供給する。
【0013】
様々な実施形態では、第1のレンズアセンブリ104a及び第2のレンズアセンブリ104bを液タンク102から取り外すことができる。他の実施形態では、第1のレンズアセンブリ104a及び第2のレンズアセンブリ104bを液タンク102と一体的に製造して、液タンク102に固定結合する。あるいは、これとは別の構成が用いられ、第1のレンズアセンブリ104a及び第2のレンズアセンブリ104bは、液タンク102から使用者によって取り外し可能であることを意図しないものである。
【0014】
取り外し可能なレンズアセンブリ(たとえば、104a及び104b)の効果の1つは、液タンク102からレンズアセンブリ104a及び104bを取り外す機能を持つことにより、破損したり機能不全に陥ったりした構成要素を使用者が外して交換することができることである。
【0015】
たとえば、コンタクトレンズケースが背負い袋に入れられており、背負い袋がつぶれて、レンズアセンブリのより多くの構成要素の1つが損傷する場合、使用者はレンズケース全体を取り替えなくて済み、損傷した構成要素を簡単に外して交換することができる。
【0016】
構成要素を取り外して交換可能であるので、使用者が自身のコンタクトレンズケースを各人に合わせてカスタマイズすることもできる。たとえば、使用者は標準品の圧力ポンプを、スポーツチームのロゴが入った圧力ポンプに交換することができる。これの代わりに、使用者は特定の環境に対応するように構成要素を外して交換してもよい。たとえば、使用者が特に厳しい環境に出向こうと考えている場合には、使用者は標準品の液タンクを外して、より耐久性があり頑丈に設計された液タンクに交換してもよい。
【0017】
さらに、いくつかの実施形態では、たとえばコンタクトレンズケース100を繰り返し使用することを実現するように、液タンク102に再充填可能であることが意図されている。他の実施形態では、たとえば、液タンク102内の液を使用し終わった後に使用者が液タンク102に再充填するのを妨げることによって、使用回数を限定するようにコンタクトレンズケース100を設計することができる。
【0018】
図1Bは、説明を明確にするための
図1Aのコンタクトレンズケース100の上面図を示し、コンタクトレンズケース100を2等分する断面線A‐Aが液タンク102の長手方向に延びている。
【0019】
図1Cは、
図1Bの線A‐Aに沿って切断した
図1Aのコンタクトレンズケース100の縦断面図を示す。図示されているように、液タンク102は、第1のレンズアセンブリ104a、第2のレンズアセンブリ104b又は両方に供給することができる共用の液を保存するのに用いることができるリザーバを形成する。液タンク102には特別な材料は必要ないが、ポリマ(たとえば、樹脂、プラスチック、有機材料など)、セラミック、ゴムや金属などの剛性の高い材料を利用することが好ましい場合がある。剛性の高い材料を用いることで、移動(たとえば飛行機の高度の変化)中の液タンク102の堅さをともなう構造健全性が可能になる場合がある。
【0020】
図示実施形態では、第1のレンズアセンブリ104aは、第1のレンズリザーバ106aと、レンズリザーバ106aの上面に配置される第1の圧力ポンプ108aとを備える。第1のレンズアセンブリ104aは、液タンク102から第1のレンズリザーバ106aに液を吸い込む第1の吸込ライン110aと、第1の圧力ポンプ106aが操作されると、液タンク102から第1の吸込ライン110aを通じて第1のレンズアセンブリ104aの第1のレンズリザーバ106a内に液が移動することを可能にする第1の1方向弁112aも備える。
【0021】
同様に、第2のレンズアセンブリ104bは、第2のレンズリザーバ106bと、レンズリザーバ106bの上面に配置される第2の圧力ポンプ108bとを備える。第2のレンズアセンブリ104bは、液タンク102から第2のレンズリザーバ106bに液を吸い込む第2の吸込ライン110bと、第2の圧力ポンプ108bが操作されると、液タンク102から第2の吸込ライン110bを通じて第2のレンズアセンブリ104bの第2のレンズリザーバ106b内に液が移動することを可能にする第2の1方向弁112bも備える。
【0022】
液タンク102、第1のレンズリザーバ106a、第2のレンズリザーバ106b又はこれらの組合せの空間的特性(たとえば、形状、容量など)を必要に応じてカスタマイズすることができる。たとえば、使用者が長期間移動中になる可能性がある(たとえば、14~30日間)コンタクトケース100の実施形態では、1~14日間しか使用しないことを意図している実施形態と比較して、液タンク102の容量は比較的多くてもよい。
【0023】
他の実施形態では、第1の圧力ポンプ108aの操作によって液タンク102から第1の吸込ライン110aを通じて第1のレンズアセンブリ104aの第1のレンズリザーバ106aに液が移動しさえするのであれば、第1の圧力ポンプ108aを他の位置及び/又は向きに配置することができる。同様に、第2の圧力ポンプ108bの動作によって液タンク102から第2の吸込ライン110bを通じて第2のレンズアセンブリ104bの第2のレンズリザーバ106bに液が移動しさえするのであれば、第2の圧力ポンプ108bを他の位置及び/又は向きに配置することができる。様々な実施形態では、第1の圧力ポンプ108a及び第2の圧力ポンプ108bの各々が可撓性の膜を備える。
【0024】
上記で特に説明されているように、第1のレンズアセンブリ104aは、第1の圧力ポンプ108aの動作の際に液タンク102から第1のレンズリザーバ106aに液を吸い込む第1の吸込ライン110aを備える。図示実施形態では、第1の吸込ライン110aと第1のレンズリザーバ106aとの間に第1の1方向弁112aが位置しており、第1の1方向弁112aは、液が液タンク102から第1のレンズリザーバ106aに1方向にだけ移動することを可能にするように構成されている。
【0025】
同様に、第2のレンズアセンブリ104bは、第2の圧力ポンプ108bの動作の際に液タンク102から第2のレンズリザーバ106bに液を吸い込む第2の吸込ライン110bを備える。したがって、図示実施形態では、第2の吸込ライン110bと第2のレンズリザーバ106bとの間に第2の1方向弁112bが位置しており、第2の1方向弁112bは、液が液タンク102から第2のレンズリザーバ106bに1方向にだけ移動することを可能にするように構成されている。
【0026】
様々な実施形態では、第1のレンズリザーバ106aは、第1の吸込ライン110aに隣接する第1の弁流路114aをさらに備え、この第1の弁流路114aは、液タンク102から液を受け入れる第1の流入部116aをさらに備える。このような実施形態では、第1の弁流路114aは第1の直径を有し、第1の流入部は第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径を超える。このような構成の効果は、小径の第1の流入部116aがあることにより、第1の圧力ポンプ108aが操作されると、大きい圧力差が可能になることである。
【0027】
同様に、様々な実施形態では、第2のレンズリザーバ106bは、第2の吸込ライン110bに隣接する第2の弁流路114bをさらに備え、この第2の弁流路114bは、液タンク102から液を受け入れる第2の流入部116bをさらに備える。このような実施形態では、第2の弁流路114bの直径は第2の流入部の直径を超える。
【0028】
さらなる実施形態では、第1のレンズリザーバ106aから液タンク102の底面118まで吸込ライン110aが延びており、これにより、別の接触箇所があることによって第1のレンズリザーバ106aと第1のレンズアセンブリ104a全体とに優れた安定性を提供することができる。この点について、他の実施形態では、第1の吸込ライン110aを液タンク102の底面118に常時付着させることができる。このような実施形態では、第1のレンズリザーバ106aが吸込ライン110a内まで落とし込まれている(すなわち、吸込ライン内までしつらえられている)ので、第1のレンズリザーバ106aがさらに確実に固定される。この種の構成の別の効果は、大気圧すなわち周囲の圧力が激しく変化する際に液タンク102が変形するのを第1の吸込ライン110aが妨げることができることである。
【0029】
同様に、第2のレンズリザーバ106bから液タンク102の底面118まで吸込ライン110bが延びることが可能である。この点について、他の実施形態では、第2の吸込ライン110bを液タンク102の底面118に常時付着させることができる。このような実施形態では、第2のレンズリザーバ106bが吸込ライン110b内まで落とし込まれている(すなわち、吸込ライン内までしつらえられている)ので、第2のレンズリザーバ106bがさらに確実に固定される。
【0030】
図1Cに図示されている実施形態の効果の1つは、各圧力ポンプ(108a及び108bそれぞれ)が互いに独立していることである。これにより、コンタクトケース100の使用者は、液タンク102から各リザーバ106a,106bに引き出される液の量を独立制御することができる。
【0031】
本出願で特に説明されているように、様々な実施形態では、
図1Dに図示されているように第1のレンズアセンブリ104a及び第2のレンズアセンブリ104bを液タンク102から選択的に取り外すことができる。
【0032】
図1Dにはレンズアセンブリ104aの例が開示されている。図中、圧力ポンプ108aが第1のレンズリザーバ106aから取り外されており、また、第1のレンズリザーバ106aは液タンク(図示せず)から取り外されている。
図1Dには、コンタクトレンズケース100のそれ以外の部分に加えて、レンズアセンブリ104aの様々な部分が互いに結合することを可能にする様々なねじT1,T2及びT3も示されている。
【0033】
たとえば、
図1D中、第1の圧力ポンプ108aのねじT1は第1のレンズリザーバのねじT2に螺合される。さらに、ねじT3は液タンクに配置されているねじ(図示せず)に螺合される。この構成は例としての構成にすぎず、可能な結合構成という点でまったく限定を課すものではない。たとえば、様々な実施形態では、他のねじを付加したり、ねじの幾何学的構成を変更したり、異なる締結方法を用いたりしてもよい。
【0034】
さらに、第1の圧力ポンプ108a及び/又は第1のレンズリザーバは、使用者が必要に応じて第1の圧力ポンプ108a及び/又は第1のレンズリザーバをより容易につかんでひねることを可能にする溝部材G1及びG2をそれぞれさらに備えてもよい。この構成は例としての構成にすぎず、可能な結合構成という点でまったく限定を課すものではない。
【0035】
別の効果は、コンタクトレンズケース100を使い捨てケースとして製造することができることである。組立て時に液タンク102にコンタクトレンズ溶液を充填してもよい。このような構成では、第1のレンズアセンブリ104a及び第2のレンズアセンブリ104bが液タンク102に常時固定される(たとえば、レンズアセンブリが液タンクにねじ込まれてねじ緩み止めが用いられる)。固定/使い捨てケースを用いることにより、構成要素間の密着取付けを可能にすることができるので、液漏れの可能性を下げることができる。
【0036】
他の構成も可能である。たとえば、コンタクトレンズケースが単一のレンズアセンブリのみを備えてもよい。別の実施形態では、液タンク102の第1の区域が第1のレンズアセンブリ104aを担い、液タンク102の第2の区域が第2のレンズアセンブリ104bを担うような分割部(図示せず)を液タンク102が含む。
【0037】
液及び空気の流れ
図2A~
図2Dは、圧力ポンプが操作および解放されるときにコンタクトケース200内の液及び空気の流れを制御する複数の機構、配置及び構成を示し、これらを実施する仕方の例をいくつでも挙げて、これらをその仕方で実施することができる。コンタクトケース200の構成要素は、
図2A~
図2Dの参照番号が100だけ大きい点を除いて、コンタクトケース100の構成要素に類似している。さらに、
図2A~
図2Dに関するすべての実施形態及び開示には、本明細書の別の箇所で開示されている様々なプロセス、定義及び実施形態を組み込むことができ、また、これらに関して説明されている構成要素の任意の組合せに、
図2A~
図2Dに関するすべての実施形態及び開示を組み込むことができる。この点について、開示されている一切の構成要素に組み込む必要があるということではない。
【0038】
以下、主に
図2A及び
図2Bを参照して、圧力ポンプ(たとえば208a又は208b)を操作する(大きく黒い下向きの矢印によって示されているように操作する)と、対応するレンズリザーバ(たとえば206a又は206b)内から空気230が正圧によって対応するレンズリザーバから強制的に出される。一例として、第2の圧力ポンプ208bを操作すると、本願においてより詳細に説明される排気部232を介して空気230が第2のレンズリザーバ206bの内部空間から排気される。
図2Aには排気部232が1つしか示されていないが、多数の実施形態で、第1の圧力ポンプ208aに配置される第2の排気部がコンタクトレンズケース200によって実施される。
【0039】
さらに、様々な実現例では、圧力ポンプ(たとえば208a)が解放される(
図2Bにおいて実線の矢印で示されているように解放される)と、圧力ポンプ208aの解放によって生じる負圧によって液タンク202から液234が第1の吸込ライン210a及び対応する1方向弁212a(たとえば、図示されているダックビル式弁(duck bill valve)ただし、これの代わりに、ボール弁などのその他一切のタイプの弁も可能である)を通じて第1のレンズリザーバ206aに吸い込まれる。
【0040】
図2Cは圧力ポンプ(たとえば208b)の一部にある排気部232の拡大図を示す。図中、圧力ポンプを操作する(たとえば押下する)と、最終的に排気部232まで連通している流入部236を空気230が通過することが強制的になされる。複数の実施形態では、空気230を流入部236から排気部232に導くのにポンプ流路238が利用される。さらなる実施形態では、空気230が排気部232に再び入る(さらに、ポンプ流路238を通じてついにはレンズリザーバまで再び入る)のを防止するのに排気弁240(たとえば1方向弁)や同様の機構を用いてもよい。この点について、さらに多くの数の排気弁240のうちの1つなどを用いてもよい(たとえば、第1のレンズアセンブリの排気弁1つ、第2のレンズアセンブリの排気弁1つなど)。さらに別の実施形態では、外の環境からの異物混入を防止するために、ポンプ流路238内及び/又は排気部240の近傍にフィルタ(図示せず)を配置することができる。
【0041】
図2Cに示されている排気部232、流入部236及びポンプ流路238の構成は例としての構成にすぎず、必ずしも限定を課すものではない。たとえば、レンズリザーバの一部に流入部236を配置する一方で、圧力ポンプに排気部232を配置して、流入部236と排気部232とをポンプ流路238でつないでもよい。
【0042】
以下、
図2Dを参照して、コンタクトレンズケース200のさらなる実施形態では、レンズリザーバから液タンク202まで連通している(すなわち延びている)リザーバ流路242を利用してもよい。本例では、第2のレンズリザーバ206bの近傍にリザーバ流路242が配置される。リザーバ流路242が1つしか示されていないが、実施上、1つ以上のレンズリザーバに複数のリザーバ流路を用いてもよい。
【0043】
さらに、リザーバ流路242を補助するのに液流機構244を用いてもよい。液流機構244(たとえば、適切な直径のOリング)は、タンク202から液236がリザーバ流路242を介してレンズリザーバ206bに流入すること妨げる一方で、空気230がレンズリザーバ206bから液タンク202に流入することを可能にする(すなわち、1方向弁として機能する)。位置的に、レンズリザーバ206bが液タンク202に取り付けられている箇所よりも下に液流機構244を設けることができる。これにより、空気230が液タンク202とレンズリザーバ206bとの間で渡されることが可能になる。
【0044】
液タンク
図3を参照して、液タンク300の例が開示されている。液タンク300の例に関するすべての記載、説明及び実施形態を、本明細書の別の箇所(たとえば、
図1A、
図1C、
図2Aなど)で説明されている液タンクに適用してもよい。ただし、すべての記載、説明及び実施形態を適用する必要があるということではない。
【0045】
様々な実施形態では、液タンク300は、第1のレンズリザーバ及び第2のレンズリザーバ(
図1Cの参照番号106a及び106bを参照)にそれぞれ結合される2組のタンクねじ302a及び302bを備える。
図3にはねじしか示されていないが、球窩式、スナップボタン、スナップ嵌め(snap-fit)など他の締結方法を用いてもよい。
【0046】
さらに、液タンク300は、液タンク300の少なくとも一部を包み込む外部ケース304をさらに備えてもよい。外部ケース304により、液タンク300の耐久性をさらに上げることができ(たとえば、打撃、衝撃、圧力変化などを吸収するように構成される)、さらには、外観についてカスタマイズ可能である外殻を設けることができる。たとえば、使用者はスポーツチームのロゴが入ったケース304を入手することができる。ケースは、便利にするためにスーツケースや背負い袋に取り付けるためのハンドルや連結具も含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、外部ケース304は、さらなる機能をコンタクトレンズケースにもたらすように液タンク102から取り外し可能であることが可能である。
【0047】
いくつかの実施形態では、外部ケース304は、利便性を補う追加の特徴を含むことができる。たとえば、外部ケース304(又はコンタクトレンズケースのその他一切の構成要素)は、別の構造体(たとえば書類かばんや旅行用スーツケース)に取り付けることができるクリップ(図示せず)や、クリップを付加する箇所(図示せず)を含むことができる。さらに、鏡(図示せず)などのその他実用上の特徴物を設けることができる(たとえば、外面や蝶着された構成要素内に設ける)。さらに別の例として、ポケットや錠剤ケースなどを設けることができる(たとえば酵素清浄錠剤やその他コンタクトレンズアクセサリを入れる)。外部ケース304の他の特徴及び効果が本出願において開示されている。
【0048】
圧力ポンプ
図4Aを参照して、圧力ポンプ400の実施形態が開示されている。圧力ポンプ400の例に関するすべての記載、説明及び実施形態を、本明細書の別の箇所で開示されている第1の圧力ポンプ及び第2の圧力ポンプ(たとえば
図1Cの参照番号108a及び108bそれぞれを参照)に適用してもよい。ただし、すべての記載、説明及び実施形態を適用する必要があるということではない。
【0049】
様々な実施形態では、圧力ポンプ400はボタン402及びキャップ404で構成され、キャップ404は、半透明の線によって示されているようにキャップ404の内面にキャップねじ406を有する。多くの実施形態では、ボタン402の一部を陥没させてキャップ404の一部の下にする(
図2Aの圧力ポンプ108bを参照)。
【0050】
キャップねじ406は、レンズリザーバ(たとえば、
図2Aの106a及び/又は
図2Aの106b)の対応するキャップ受けねじにねじ込まれる。いくつかの実施形態では、ボタン402は、空気が流出するのを、液をともなう可能性をなくしつつ可能にする大気キャップ408をさらに備えることができる。さらに別の実施形態では、ボタン402及びキャップ404は単一部品(すなわち構成単位を形成する部品)であったり、別の構成を用いて固定結合されたり、また別の構成を用いて一体的であったりする。
【0051】
さらに別なものとして、様々な実施形態では、圧力ポンプ400は、
図2Cに示されている排気部(参照番号232を参照)に類似する排気部410をさらに含む。
【0052】
以下、
図5Aを参照して、圧力ポンプ500の代替実施形態が開示されている。
図4に示されているボタン及びキャップの代わりに、圧力ポンプ500は、ねじ付き部材(threaded member)502と、ねじ部材(threading member)502を覆う被覆成形体(over mold)504とを備える。ねじ付き部材502は、被覆成形体504と、レンズリザーバ506(本出願で説明されているレンズリザーバに類似する)などのコンタクトレンズケースの様々な構成要素との間の接続部を実現する。
【0053】
このように構成した上で、被覆成形体504は本出願で説明されている様々な圧力ポンプ及びボタンと同様に機能する。様々な実施形態では、被覆成形体504はレンズリザーバ506にわたって完全な封止を実現する。したがって、被覆成形体504を操作する(たとえば、レンズリザーバ506の方に下方に押す)と、レンズリザーバ506内に正圧が生じる。
【0054】
複数の実現例で、被覆成形体504は排気アセンブリ508をさらに備える。様々な実施形態では、排気アセンブリ508は、排気口510、排気口栓512及び栓ヒンジ514を備える。被覆成形体504を操作すると、排気口510によって空気(
図2Aの空気230を参照)をレンズリザーバ506から逃がすことができる。
図5Aでは、排気口510に7つの孔が示されているが、実質的に任意の個数の孔(たとえば、1つの孔、2つの孔、3つの孔など)を用いてもよい。
【0055】
圧力ポンプ500が使用されていないときに、使用者は排気口510を排気口栓512によって閉鎖すなわち封鎖することができる。
図5Aに示されているように排気口栓512の状態を栓ヒンジ514によって開放状態と閉鎖状態との間で選択的に切り換えることができる。排気口栓512、栓ヒンジ514と別々に称しているが、実施上適用する際には、これらは単一の一体部品を備えてもよい。これの代わりに、排気口栓512を被覆成形体504とは別体で(すなわち分離可能に)構成することができる(すなわち、排気口栓512を被覆成形体504に接続する栓ヒンジ514がない)。
【0056】
一旦
図5Bを参照して、排気アセンブリは、空気がレンズリザーバ506から逃げることを可能にする一方で、空気がレンズリザーバ506に入る(たとえば、被覆成形体が解放されるとき)のを防止する1方向弁516をさらに備える。様々な実施形態では、1方向弁516は傘型弁(umbrella valve)である。ただし、実質的にいかなるタイプの1方向弁(本明細書で説明されているような1方向弁)でも足りる。
【0057】
吸込ライン
図6を参照して、吸込ライン600の実施形態が開示されている。吸込ライン600の例に関するすべての記載、説明及び実施形態を、本明細書の別の箇所で開示されている第1の吸込ライン及び第2の吸込ライン(それぞれ参照番号110a及び110b)に適用してもよい。ただし、すべての記載、説明及び実施形態が適用される必要があるということではない。
【0058】
様々な実施形態では、吸込ライン600は、弁流路を通じてレンズリザーバに液を供給する流入流路602a及び602bの第1のセットを備える。
図6には2つの流入流路しか示されていないが、吸込ライン600はより多数の流入流路を有してもより少数の流入流路を有してもよい。さらに、吸込ライン600は、レンズリザーバが入り込み、1方向弁を含む内部空所604を備える。
【0059】
1方向弁
図7A及び
図7Bを参照して、1方向弁700の実施形態が開示されている。1方向弁700の例に関するすべての記載、説明及び実施形態を、本出願で開示されている第1の1方向弁及び2つ目の第2の1方向弁(それぞれ参照番号112a及び112bを参照)に適用してもよい。ただし、すべての記載、説明及び実施形態が利用される必要があるということではない。明確にするために、1方向弁は実線の範囲内にある。点線の物品は、コンタクトレンズケースの様々な実施形態のそれ以外の構成要素である。
【0060】
図7Aでは、レンズアセンブリ(たとえば、
図1Cの参照番号104aを参照)のための1方向弁700としてダックビル式弁が用いられている(本出願では「ダックビル式弁」とする)。
図7Aでは、ダックビル式弁700は閉鎖構成702にある。ダックビル式弁700が閉鎖構成702にある間は、液又は空気は黒い矢印に示されているようにダックビル式弁702を通過することができない。多くの実施形態では、閉鎖構成702は、圧力ポンプが使用されていないことを表わす。
【0061】
一方で、ダックビル式弁702が開放構成704にあるとき、
図7Bに示されているように、液又は空気は黒い矢印に示されているようにダックビル式弁702を通過することができる。多くの実施形態では、開放構成704は、圧力ポンプが使用されていることを表わす。
【0062】
図7A及び
図7Bには代表的な1方向弁としてダックビル式弁702が示されているが、ボール弁、ダイアフラム弁、傾斜型ディスク弁、フラッパ式弁(flapper valve)、ねじ締め逆止弁、リフト逆止弁、インライン弁、空気圧弁、傘型弁、アスピン弁(aspin valve)、安全弁又は逃し弁、米式弁、ソレノイド弁、コック、スワール弁(swirl valve)、テスラ弁、熱膨張弁、サーモスタット式湯水混合弁(thermostatic mixing valve)、サーモスタット式ラジエータ弁(thermostatic radiator valve)、トラッププライマ(trap primer)及びバキュームブレーカ弁などの他の1方向弁や同様の機構を用いてもよい。これらの例は、例示としてのものであり、必ずしも限定を課すものではない。
【0063】
モジュール式コンタクトレンズケース
本開示の態様に係るモジュール式コンタクトレンズケース800の実施形態が開示されている。その他一切の図及び/又は開示に関するすべての記載、説明及び実施形態を、以下のモジュール式コンタクトレンズケース800に適用することができる。ただし、すべての記載、説明及び実施形態が利用される必要があるということではない。
【0064】
レンズアセンブリ804a及び804bが本出願で説明されているように液タンク802から明確に使用者によって取り外し可能である点を除いて、モジュール式コンタクトレンズケース800はコンタクトレンズケース100に類似している(レンズリザーバ、圧力ポンプ、吸込ライン、弁など)。モジュール式コンタクトレンズケース800の効果は、液タンク802からレンズアセンブリ804a及び804bを取り外す機能を持つことにより、破損したり機能不全に陥ったりした構成要素を使用者が外して交換することができることである。
【0065】
移動用構成要素
本出願で開示されている様々なコンタクトレンズケースが一般的にどのように携帯可能であるかを考慮した上で、本開示の態様ではコンタクトレンズケースの複数の実施形態を補う移動用構成要素も考える。明確にするために、別段記載されていない限り、以下の移動用構成要素は、本出願で説明されているすべてのコンタクトレンズケースに適用可能である。
【0066】
以下、
図9を参照して、外部ケース900の実施形態が開示されている。本実施形態では、外部ケース900はコンタクトレンズケースの一部を覆っており、コンタクトレンズケースの液タンク902を部分的に露出させている。様々な実施形態では、完全な外部ケース900がコンタクトレンズケースを包み込む。
【0067】
外部ケース900がコンタクトレンズケースに結合し得る仕方は多数ある。たとえば、コンタクトレンズケースの液タンク902は、外部ケース900によって「スナップ留め(snap)」(たとえばスナップ嵌め)がなされる張出しを有してもよい。他の実現例では、外部ケース900は、グリップ部材(
図1DのG2)など、液タンク902上に配置されるレンズアセンブリの部分にスナップ嵌めされて重なることができる。
【0068】
外部ケース900は多数の効果を奏する。たとえば、外部ケース900は、コンタクトレンズケースの構成要素(たとえばレンズアセンブリ)が損傷するのを防止する(又は軽減する)。様々な圧力ポンプ(たとえば第1の圧力ポンプ106a及び第2の圧力ポンプ206bを参照)が偶発的に操作されることも外部ケース900によって防止される。
【0069】
複数の実施形態では、外部ケース900は、外部ケース900の内側部分に配置される収納室904をさらに備える。
図10は、外部ケース900の実現例を示し、本実現例では、格納機構906(たとえば
図10に示されている引き戸)が開閉して収納室904への出し入れを容易にすることを可能にする。
【0070】
本開示の様々な態様では、使用者がコンタクトレンズケースをキーホルダリング、背負い袋、財布などに取り付けることを可能にするキーホルダリングやキーホルダチェーンストラップも提供する。複数の実施形態では、ストラップは、液タンク(
図9の液タンク902を参照)に巻きつくゴム外皮と、「ひも」部分とを備え、「ひも」部分は輪を形作って自身を貫通して(たとえば、ひも部分にある円形の孔に押し込まれるボール)、ストラップの輪を閉じる。
【0071】
一旦
図11を参照して、外部ケース(以下「ケース」)1100とともにコンタクトレンズケースの例が開示されている。その他一切の図及び開示に関するすべての記載、説明及び実施形態を本例のケース1100に適用することができる。ただし、すべての記載、説明及び実施形態が利用される必要があるということではない。
【0072】
本例では、ケース1100は、液タンク1102、第1のレンズアセンブリ1104a、第2のレンズアセンブリ1104b及び外部ケース1106を含み、外部ケース1106は対応する収納室1108を有する。本例では、外部ケース1106は第1のレンズアセンブリ1104a及び第2のレンズアセンブリ1104bに、対応するタブ部材1110a及び1110bを用いて係合される。本例では、対応するタブ部材1110a及び1110bは、
図11に示されているように第1のレンズアセンブリ1104a及び第2のレンズアセンブリ1104bの一部にスナップ嵌めされて重なる。
【0073】
これの代わりに又はこれに加えて、外部ケース1106は、保持機能を向上させるために液タンク1102などの他の構成要素に同様に係合されてもよい。
【0074】
さらに、このケース1100の例では、
図4に示されているものに類似する圧力ポンプではなく、
図5A~
図5Bに示されているものに類似する圧力ポンプ(たとえば、排気アセンブリを有する圧力ポンプ)を利用する。ただし、圧力ポンプを入れ換えて用いることができる。
【0075】
その他
本出願で用いられている用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、発明に限定を課すことを意図していない。本出願で用いられている単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書で用いられる場合の用語「備える」及び/又は「含む」が、記載されている特徴、完備物(integer)、工程、動作、要素及び/又は構成要素の存在を表わすが、1つ以上の他の特徴、完備物、工程、動作、要素、構成要素及び/又はこれらの集団の存在又は付加を除外しないことがさらに分かる。
【0076】
以下の請求項におけるすべてのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、作用及び均等物は、具体的に請求されている他の請求要素と組み合わせて機能を発揮するための任意の構造、材料又は作用を含むことが意図されている。本開示の説明は例示及び説明の目的で提示されているが、網羅的であったり、開示されている形態の発明に限定されたりすることは意図されていない。本発明の範囲及び精神から逸脱しない限りにおいて、多くの修正及び変形が当業者には明らかである。本発明の原理と実施上の適用とを最もよく説明し、企図される特定の使用に適する様々な修正を加えた様々な実施形態について本発明を当業者が理解することができるようにするために、本開示の態様を選択し説明した。