(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】基地局装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/00 20130101AFI20230905BHJP
H04W 92/12 20090101ALI20230905BHJP
【FI】
H04B10/00
H04W92/12
(21)【出願番号】P 2021086846
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】新井 隆宏
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/096020(WO,A1)
【文献】特開2007-96640(JP,A)
【文献】特表2014-525206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00
H04B 10/07
H04W 92/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置であって、
前記基地局装置と前記上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得する回線情報取得部と、
前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得する種別情報取得部と、
前記回線設定情報と前記種別情報とを照合する種別情報照合部と、
前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする、光モジュール制御部と、
を備える、
基地局装置。
【請求項2】
前記光モジュールの品名情報を取得する品名情報取得部と、
予め登録された、動作保証されている光モジュールの登録品名情報と前記品名情報とを照合する品名情報照合部と、
をさらに備え、
前記光モジュール制御部は、前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合において、前記品名情報と前記登録品名情報とが一致しない場合、前記光モジュールの光送受信をONとするとともに、エラー通知を行う、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記光モジュールを監視する光モジュール監視部をさらに備え、
前記回線設定情報と前記種別情報とが不一致である場合、
前記光モジュール制御部は、前記光モジュールの光送受信をOFFとし、
前記光モジュール監視部は、アラーム通知を行う、
請求項1又は2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記光モジュール監視部は、前記光モジュールの挿抜を監視し、前記光モジュールが未実装である場合にアラーム通知を行う、
請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記回線設定情報と前記種別情報とが不一致である場合、前記基地局装置は回線設定を変更する、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項6】
基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置において、前記基地局装置と前記上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得し、
前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得し、
前記回線設定情報と前記種別情報とを照合し、
前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする、
基地局装置の制御方法。
【請求項7】
基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置において、
基地局装置と上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得する処理と、
前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得する処理と、
前記回線設定情報と前記種別情報とを照合する処理と、
前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする処理と、
をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、抜き差し可能な光モジュールを実装する光伝送装置が開示されている。この光伝送装置は、複数の光モジュールの光モジュール情報とその装置保証範囲のランクを保持する認証ランクテーブルを有している。光伝送装置に光モジュールが実装されたとき、その光モジュールが保持する光モジュール情報に基づき、認証ランクテーブルを参照して、実装された光モジュールの装置保証範囲のランク付けを行い、運用の可否を判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信方式として、かつて3G基地局などではATM(Asynchronous Transfer Mode)方式が主流だったが、近年の4G基地局ではEthernet(登録商標)方式が主流となってきており、今後5G基地局においても同様のことが言える。ATM方式、Ethernet方式のいずれにも、物理インターフェース(以下、I/Fとする)には光I/FやメタルI/Fがある。
【0005】
これらの転送速度は異なっており、また、デバイスなどの物理規格も異なっていたため、基地局装置に実装されるパッケージ(以下、カードとする)もI/Fごとに別々に開発されてきた。このため、基地局装置とその上位装置をつなぐI/Fが変わるたびに、基地局装置においてカードを交換する必要があった。また、複数のカードを開発するため、開発コストや運用コスト、カード管理なども必要であった。
【0006】
第4世代移動通信システム以降、基地局装置とその上位装置をつなぐ伝送路(以下、バックホールとする)のI/Fは光I/Fが主流となっている。今後、第5世代移動通信システムに向けて、Ethernetの転送速度は、10Gbps、25Gbpsが主流になると考えられる。しかし、転送速度が異なると、各転送速度の光I/Fごとにカードを開発する必要が生じる。
【0007】
特許文献1では、抜き差し可能な光モジュールが実装されたとき、その光モジュールが保持する光モジュール情報に基づき、運用の可否を判断している。しかしながら、特許文献1は、基地局装置におけるカード交換の必要性については言及していない。
【0008】
本開示の目的は、上述した問題を鑑み、基地局装置においてカード交換することなく、基地局装置の光I/Fを切り替えることが可能な、基地局装置、制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る基地局装置は、基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置であって、前記基地局装置と前記上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得する回線情報取得部と、前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得する種別情報取得部と、前記回線設定情報と前記種別情報とを照合する種別情報照合部と、前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする、光モジュール制御部と、を備えるものである。
【0010】
一態様に係る制御方法は、基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置において、前記基地局装置と前記上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得し、前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得し、前記回線設定情報と前記種別情報とを照合し、前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする。
【0011】
一態様に係るプログラムは、基地局装置と上位装置間の伝送路に適合する光インターフェースを実現するネットワークカードを備えた基地局装置において、基地局装置と上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得する処理と、前記基地局装置に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得する処理と、前記回線設定情報と前記種別情報とを照合する処理と、前記回線設定情報と前記種別情報とが一致する場合、前記光モジュールの光送受信をONとする処理と、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
実施形態によれば、基地局装置においてカード交換することなく、基地局装置の光I/Fを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態にかかる基地局装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例にかかる基地局装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2のカード処理部の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施例にかかる制御方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明は適宜省略される。
【0015】
実施形態に係る基地局装置は、該基地局装置とこれに接続される上位装置と間の伝送路(バックホール)に適合する光インターフェース(I/F)を実現するネットワークカードを備えている。第4世代移動通信システム以降、バックホールのI/Fは光I/Fが主流となっている。また、第5世代移動通信システムに向けてEthernetの転送速度は、10Gbps、25Gbpsが主流になると考えられる。
【0016】
10GbE(Giga bit Ethernet)規格のSFP(small form factor pluggable)+光モジュールや、25GbE規格のSFP28光モジュールが市販されている。これらの光モジュールは、ネットワークカードのポートに挿抜可能に構成され、基地局装置の光I/Fを実現する。
【0017】
SFP+光モジュールとSFP28光モジュールはコネクタ形状が共通であり、嵌合互換性を有している。また、これらの光モジュールのコントローラ側(L2SWやPHYデバイス)との信号線も共通である。そこで、本発明者は、光モジュール換装することで、カード交換をすることなく、光I/Fの切り替えを可能にする技術を考案した。
【0018】
図1は、実施形態に係る基地局装置10の構成を示すブロック図である。基地局装置10は、回線情報取得部11、種別情報取得部12、種別情報照合部13、光モジュール制御部14を備える。回線情報取得部11は、基地局装置10とその上位装置間の光インターフェースの設定に関する回線設定情報を取得する。
【0019】
種別情報取得部12は、基地局装置10に実装された、挿抜可能な光モジュールの種別情報を取得する。種別情報照合部13は、取得した回線設定情報と種別情報とを照合する。光モジュール制御部14は、回線設定情報と種別情報とが一致する場合、光モジュールの光送受信をONとする。これにより、カード交換を行わずに、基地局装置10に実装された光モジュールにより、その上位装置との間の光インターフェースを実現することが可能となる。
【0020】
次に、具体的な実施例に係る基地局装置10について説明する。
図2は、実施例にかかる基地局装置10の構成を示すブロック図である。
図3は、
図2のカード処理部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、基地局装置10は、カード処理部20を含む。
図2に示す例では、基地局装置10には、挿抜可能な2つの第1光モジュール31、第2光モジュール32が実装されている。
【0021】
第1光モジュール31、第2光モジュール32としては、例えば、IEEE802.3に規定される10GBASE-SR、10GBASE-LR等の10GbE規格のSPF+光モジュール、25GBASE-SR、25GBASE-LR等の25GbE規格のSPF28光モジュールがあげられる。なお、ここでは、基地局装置10には、2つの光モジュールが実装されているが、実装される光モジュールの個数は限定されない。
【0022】
カード処理部20は、基地局装置10において動作する、図示しないカードの処理を行う。カード処理部20は、光モジュール監視・制御部21を含む。光モジュール監視・制御部21は、例えば、IC2バスにより第1光モジュール31、第2光モジュール32に接続されている。なお、ここでは図示していないが、基地局装置10は、カード処理部20を制御する、I2CバスのマスタとなるCPUなどを含む。また、第1光モジュール31、第2光モジュール32と実際に通信を行うデバイスとして、例えばL2SWやPHYデバイスがある。
【0023】
図3に示すように、光モジュール監視・制御部21は、
図1において説明した、回線情報取得部11、種別情報取得部12、種別情報照合部13、光モジュール制御部14に加えて、品名情報取得部15、品名情報照合部16、光モジュール監視部17をさらに備える。
【0024】
基地局装置10は、以下の(1)~(4)の場合に、光I/Fの切り替えを実施する。
(1)上位装置との物理I/Fの物理レートが変更された場合(例えば、転送速度が10Gbpsから25Gbpsに変更となった場合)
(2)上位装置との物理I/Fの物理レートは変更されないが、Rangeタイプが変更された場合(例えば、10GBASE-SRから10GBASE-LRに変更となった場合や、25GBASE-SRから25GBASE-LRに変更となった場合)
(3)光モジュールの交換を行った場合
(4)光モジュールの挿抜を行った場合
【0025】
以下の説明では、基地局装置のバックホールの回線設定情報(物理レート等)が変更されたときに、光モジュールの換装を行うことで、基地局装置の光I/Fを切り替える例について説明する。通常、基地局装置10には、バックホールの回線設定情報と一致する種別の光モジュールが実装される。このとき、以下のように、光モジュールの種別を確認して、基地局装置10の運用を開始する。
【0026】
回線情報取得部11は、基地局装置のバックホールの回線設定情報(転送レート等)を取得する。この回線設定情報は、例えば、基地局装置10内の図示しない不揮発メモリに保存されている。回線情報取得部11は、不揮発メモリから、バックホールの伝送路を10Gbpsで使用するのか、25Gbpsで使用するかなどの回線設定情報を取得する。
【0027】
種別情報取得部12は、例えば、光モジュール内のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)に格納された光モジュールの種別情報を、I2Cバス経由で読み出す。種別情報には、光モジュールが、10GbEをサポートするものであるか又は25GbEをサポートするものか、SR品かLR品かなどが含まれる。
【0028】
種別情報照合部13は、回線設定情報と光モジュールの種別情報とを照合する。回線設定情報と種別情報とが一致している場合、コントローラ側(L2SWやPHYデバイス)との通信が可能である。したがって、光モジュール制御部14は、光モジュールからの光送信をONとすることができる。なお、回線設定情報と種別情報とが不一致である場合は通信できないため、光モジュールからの光送信をOFFとする。
【0029】
品名情報取得部15は、例えば、光モジュール内のEEPROMに格納された、第1光モジュール31、第2光モジュール32の品名情報を取得する。基地局装置10では、例えば不揮発メモリに、予め動作保証された光モジュールの品名(登録品名情報)が登録されている。品名情報照合部16は、不揮発メモリから登録品名情報を読み出し、これを取得された品名情報と照合する。
【0030】
光モジュール制御部14は、回線設定情報と種別情報とが一致する場合において、さらに、品名情報と登録品名情報とが一致する場合、光モジュールからの光送信をONとすることができる。なお、品名情報と登録品名情報とが一致しない場合、動作保証はされていないものの、通信自体は行える可能性がある。この場合、光モジュール制御部14は、光モジュールの光送受信をONとし、品名異常と判断する。
【0031】
光モジュール監視部17は、実装された光モジュールで通信ができるか否か、品名異常があるか否か、光モジュールの挿抜を監視する。上述のように、回線設定情報と種別情報とが不一致である場合には通信ができないため、光モジュール監視部17はアラーム通知を行うことができる。また、光モジュール監視部17は、回線設定情報と種別情報とが一致する場合において、品名情報と登録品名情報とが一致しない場合は品名異常であるため、エラー通知を行うことができる。また、光モジュールが未実装である場合には通信ができないため、アラーム通知を行うことができる。なお、アラーム通知とエラー通知とは、報知表示や報知音が異なるものとすることができる。
【0032】
ここで、
図4を参照して、実施形態に係る基地局装置10の制御方法について説明する。
図4は、実施形態に係る基地局装置10の制御方法を説明するフロー図である。
図4に示すように、まず、基地局装置10に光モジュールが実装されているか否かが判断される(ステップS10)。光モジュール監視部17は、第1光モジュール31、第2光モジュール32の実装/未実装を示す、実装検出信号が入力される。
【0033】
光モジュールが実装されていない場合(ステップS10NO)、光モジュール監視部17はアラーム通知を行い(ステップS18)、光モジュール制御部14は光モジュールの光送信をOFFとする。なお、ステップS18とステップS19の処理は、同時に実行され得る。
【0034】
光モジュールが実装されている場合(ステップS10YES)、回線情報取得部11は、実装された光モジュールを光I/Fとして使用できるかを判断するための、回線設定情報を取得する。次に、種別情報取得部12は、I2Cバス経由で、第1光モジュール31、第2光モジュール32から種別情報を取得する(ステップS12)。
【0035】
そして、種別情報照合部13は、回線情報取得部11で取得した回線設定情報と種別情報取得部12で取得した種別情報とを照合する(ステップS13)。回線設定情報と種別情報とが一致していない場合(ステップS13NO)、基地局装置10を運用することができないため、光モジュール監視部17は、アラーム通知を行うとともに(ステップS18)、光モジュール制御部14は光モジュールの光送信をOFFとする。
【0036】
回線設定情報と種別情報とが一致している場合(ステップS13YES)、基地局装置10を運用することが可能であるため、ステップS14へと進む。ステップS14では、品名情報取得部15が、I2Cバス経由で、第1光モジュール31、第2光モジュール32から品名情報を取得する。
【0037】
そして、品名情報照合部16は、品名情報取得部15で取得した品名情報と、予め登録された、動作保証されている光モジュールの登録品名情報とを照合する(ステップS15)。取得した品名情報と登録品名情報とが一致している場合(ステップS15YES)、光モジュールの光送信をONとする(ステップS16)。これにより、基地局装置10に実装された光モジュールの動作が保証された状態で、基地局装置10の運用を開始することができる。
【0038】
取得した品名情報と登録品名情報とが一致していない場合(ステップS15NO)、動作保証はされていないものの、通信自体は行うことができる可能性があるため、光モジュール監視部17は品名異常のエラー通知を行う(ステップS17)とともに、光モジュール制御部14は光モジュールの光送信をONとする(ステップS16)。
【0039】
なお、ステップ14~S15の処理を省略して、回線設定情報と種別情報とが一致している場合に、光モジュール制御部14は光モジュールの光送信をONとすることも可能である。
【0040】
また、基地局装置10の運用開始後に、光モジュール監視部17が、光モジュールの未実装を検出した場合、光モジュール監視部17がアラーム通知をし、運用を停止することができる。そして、光モジュール監視部17が光モジュールの実装を検出した後に、再度、ステップS11の光モジュールの種別情報の取得から処理を実行することができる。
【0041】
基地局装置10の光I/Fを、例えば10GbE規格から25GbE規格に変更したい場合、基地局装置10の回線設定情報を変更し、カードのポートに対応する光モジュールを挿入することができる。実施の形態によれば、実装された光モジュール内の種別情報を読みだして、回線設定情報と同じ種別の光モジュールが実装されているかを判定することで、基地局装置10に実装されるカードを変更することなく、基地局装置10の光I/Fを切り替えることができる。
【0042】
また、基地局装置の回線設定情報と一致しない種別の光モジュールが実装されていている場合、L2SWやPHYデバイスと通信ができず、光I/Fが機能しなくなる。この場合には、光モジュールの光送信をOFFして、アラーム通知を行うことで、光モジュールの変更の必要性を報知することが可能となる。
【0043】
さらに、市販されている多数の光モジュールのうち、その基地局装置において未評価の光モジュールを実装された場合、規格が合えば一般的には通信はできるが、通信できない可能性もある。このため、実施形態では、あらかじめ登録された品名の光モジュールが実装されたかを判断している。これにより、基地局装置10で動作保証されている光モジュールが実装されていていない場合は、エラー通知を行い、基地局装置での通信が可能か否かの確認を促すことができる。
【0044】
また、基地局装置の運用中に光モジュールが抜かれて未実装となった場合にはアラーム通知を行い、再度光モジュールが実装された後に、改めて光モジュールの種別が一致するか、かつ、動作保証の対象であるかを判定することができる。このように、実施の形態では、基地局装置の起動時のみでなく、基地局装置の運用中に光モジュールを交換する際にも同様の処理を実行することができる。
【0045】
このように、基地局装置の回線設定情報の変更と、光モジュールの換装のみを行うことで、基地局装置10に実装されるカードを変更することなく、該カードの光I/Fを切り替えることができるため、開発コストや運用にかかる費用を抑制することができる。
【0046】
上記の説明では、10GbE規格のSFP+光モジュールと、25GbE規格のSFP28光モジュールについて記載したが、例えば、1GbE規格のSFP光モジュールとの換装にも同じ処理が適用できる。
【0047】
なお、上述した様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、その他の回線で構成することができる。また、本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。従って、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0048】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施例では、基地局装置のバックホールの回線設定情報が変更されたときに、光モジュールの換装を行うことで、基地局装置の光I/Fを切り替える例について説明したが、これに限定されない。
【0050】
例えば、基地局装置の回線設定を動的に変更可能であれば(すなわち、再起動することなく、L2SWやPHYデバイスの動的な変更が可能であれば)、回線設定情報と種別情報との不一致によるALM通知及び光モジュールの光送信OFFを行わず、実装した光モジュールの種別情報に応じて基地局装置の回線設定を変更することができる。
【0051】
また、上記の例では、10GbE規格の光モジュールと25GbE規格の光モジュールの換装の例について記載したが、10GBASE-SRと10GBASE-LR、25GBASE-SRと25GBASE-LRなど、同じ転送速度であるが、距離レンジの異なる光モジュールの種別も判別可能である。なお、SR品とLR品では扱う光の波長が異なる為、基地局装置がSRモードならばSRの種別の光モジュールを、LRモードならばLRの種別の光モジュールを実装し、それに応じた光ケーブルを使う必要がある。
【0052】
また、実施例では、光モジュール内のEEPROMからその種別情報、品名情報を取得しているが、その他の情報に基づいて、光I/Fの切り替えや、動作保証判断にも応用できる。共通のコネクタ、共通の信号線など共通の物理I/Fを持つ異なる種別の光モジュールの換装と基地局装置の設定変更とを行うだけで、カードの開発コストや運用にかかる費用を抑えて、基地局装置を運用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 基地局装置
11 回線情報取得部
12 種別情報取得部
13 種別情報照合部
14 光モジュール制御部
15 品名情報取得部
16 品名情報照合部
17 光モジュール監視部
20 カード処理部
21 光モジュール監視・制御部
31 第1光モジュール
32 第2光モジュール