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特許7343219ドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置
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  • 特許-ドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】ドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置
(51)【国際特許分類】
   B24C 9/00 20060101AFI20230905BHJP
   B24C 7/00 20060101ALI20230905BHJP
   B24C 11/00 20060101ALI20230905BHJP
   B24C 5/04 20060101ALI20230905BHJP
   B08B 7/02 20060101ALI20230905BHJP
   B08B 5/00 20060101ALI20230905BHJP
   B24C 1/00 20060101ALN20230905BHJP
【FI】
B24C9/00 A
B24C7/00 D
B24C11/00 E
B24C5/04 A
B08B7/02
B08B5/00 A
B24C1/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021558607
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 SK2020050005
(87)【国際公開番号】W WO2020204841
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】PP50017-2019
(32)【優先日】2019-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SK
(73)【特許権者】
【識別番号】515307685
【氏名又は名称】アイシーエス アイシーイー クリーニング システムズ エス.アール.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガブリシュ、ペテル
(72)【発明者】
【氏名】クビス、イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】バカラ、ルドヴィット
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0139853(US,A1)
【文献】特表2018-528868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 9/00
B24C 7/00
B24C 11/00
B24C 5/04
B08B 7/02
B08B 5/00
B24C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイスの供給部を含む、ドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置であって、ドライアイス粒状物のサイズを縮小するための前記装置は、粒状物を通過させるための一組のオリフィスを有するダイと、前記粒状物をこのダイに押し込むための粒状物押し通し部材と、を含み、前記ダイ(2)が、前記ダイ(2)に向かって本体(1)の内側に傾斜している少なくとも1つの傾斜面(11)を有する前記本体(1)内に配置されており前記ダイ(2)の下方には、ドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための前記装置への縮小された前記粒状物のための出口開口部(13)があり、前記本体(1)が、ドライアイス粒子をドライアイス洗浄装置内の前記ガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイス粒状物の供給部に接続可能であり、前記ダイ(2)の上方には、粒状物押し通し部材(3、31、32)が、供給されるドライアイス粒状物の寸法よりも小さい前記ダイ(2)の表面から離れて移動可能に取り付けられており、前記ダイ(2)の前記オリフィス(21)の最大横方向寸法が、供給される前記粒状物の最大寸法よりも小さく、前記押し通し部材(3、31、32)が、前記ダイ(2)に面する少なくとも1つの表面(313、322)を含み、この表面(313、322)が前記ダイ(2)表面と鋭角を形成し、前記押し通し部材(3、31、32)の側面にある前記ダイ(2)は、前記オリフィス(21)の縁部に凹部が設けられている、または前記オリフィス(21)の前記縁部が形状修正されていることにより、前記押し通し部材(3、31、32)の前記表面(313、322)の粗さに対する前記ダイ(2)の前記表面の粗さを増加させている、置。
【請求項2】
前記ダイ(2)の前記オリフィス(21)が、前記オリフィス(21)の前記縁部の前記凹部(211)または前記形状修正から広がっている、ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記押し通し部材(3)が、前記ダイ(2)に面し、前記ダイ(2)の前記表面と鋭角を形成する少なくとも1つの表面(313)が設けられた作業部分(312)を含む直線往復運動ツール(31)である、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記作業部分(312)の端部に傾斜面(315)が設けられている、ことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記縮小された粒状物を収集するための収集チャンバ(51)を有する前記縮小された粒状物の収集器(5)が、前記出口開口部(13)に接続される、ことを特徴とする、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記押し通し部材(3)が、前記本体(1)のベースプレート(14)内に回転可能に取り付けられた回転ブレードホイール(32)であり、前記ブレードホイール(32)のブレード(321)が、前記ダイに面し、前記ダイ(2)の前記表面と鋭角を形成する表面(322)を含む、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項7】
前記ブレードホイール(32)が、前記供給された粒状物のガイド部材(34)が設けられたその本体(323)を有する、ことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ダイ(2)が、前記本体(1)の前記ベースプレート(14)内に枢動可能に取り付けられたターンテーブル(24)上に配置され、前記ターンテーブル(24)が、前記ダイ(2)と同じ円上において前記粒状物を前記出口開口部(13)へ自由に通過させる空隙または穴(25)を有し、および/または、少なくとも1つの他の前記ダイ(2)が、異なるサイズのオリフィス(21)を有することを特徴とする、請求項またはに記載の装置。
【請求項9】
静的ピン(16)が、前記本体(1)内に配置されて、前記本体(1)から前記ブレード(321)の上方の空間内に突出し、前記ブレード(321)の最高点からの前記ピン(16)の距離が、前記ブレードホイール(32)上のブレード(321)間隔よりも小さい、ことを特徴とする、請求項6、7、または8に記載の装置。
【請求項10】
ドライアイス粒子を前記ドライアイス洗浄装置内の前記ガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイス粒状物の前記供給部が、ドライアイス洗浄装置用のドライアイス容器であり、前記本体(1)が前記ドライアイス容器の底部を形成する、ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライアイス洗浄装置の分野に関する。特に、本発明は、ドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用されているドライアイス洗浄装置は、例えば、オランダ特許第1015216C2号明細書、国際公開第8600833号、米国特許第6346035号明細書、欧州特許第1637282A1号明細書、米国特許第4974592号明細書、中国特許第2801303号明細書、または国際公開第2014/182253号に記載されているような構造を有する。ドライアイス洗浄装置はドライアイス粒状物を用いて働く。粒状物、すなわちドライアイスのペレットは、この目的のために設計された別個の装置で製造され、その原理は、粒状物の必要なサイズに応じたオリフィスのサイズを有するダイを通るドライアイスの形成および押し出しに基づく。
【0003】
ドライアイス粒状物の標準的なサイズは、約3~3.5mmである。この粒状物は、ドライアイス粒状物製造業者によって最も広く使用され供給され、ドライアイス洗浄の効率、すなわち装置のノズルから加速されたドライアイスの粒子の十分な運動エネルギーを確保するために十分に高い圧力および空気流で動作する1ホースまたは2ホースシステムで使用される。言及された装置は、それらの購入価格および運用コストに反映される産業用として特徴付けることができる。産業用以外の用途、例えば個人用、いわゆるホビー用、自動車修理店などの小規模な商店、小規模な洗浄サービスなどでは、産業用機器は高価で不経済であるため、産業用範囲以外ではこのような洗浄方法はあまり普及していない。
【0004】
産業用途よりも少ない場合、ドライアイス洗浄装置が製造されるが、ドライアイス洗浄装置は、通常、2ホースシステムを使用して、より低い出力または流量で動作する。3~3.5mmの粒状物がこれらの装置に使用される場合、提供される出力は、洗浄を効率的にするための運動エネルギーを生成するのに十分ではない。次いで、1.5mm未満のより小さいサイズの粒状物をこれらの用途に使用する。粒状物の製造者は、より小さなサイズの粒状物を供給することもできるが、製造者から購入される量がより少ないため、このような粒状物は、供給される標準サイズの粒状物よりもはるかに高価であり、したがって、より低い出力を有する装置の動作は非常に高価になる。
【0005】
本発明の目的は、ドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置を提供することであり、これにより、特に出力の低い装置は、より小さいサイズの粒状物の別個の調製を必要とせずに、3~3.5mmのサイズを有する標準的に製造されたドライアイス粒状物を使用することが可能になり、サイズ調整は、その動作中にドライアイス洗浄装置内で直接行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】オランダ特許第1015216C2号明細書
【文献】国際公開第8600833号
【文献】米国特許第6346035号明細書
【文献】欧州特許第1637282A1号明細書
【文献】米国特許第4974592号明細書
【文献】中国特許第2801303号明細書
【文献】国際公開第2014/182253号
【発明の概要】
【0007】
この目的は、ドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイスの供給を含むドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置によって達成され、ドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置は、粒状物を通過させるための一組のオリフィスを有するダイと、このダイに粒状物を押し込むための粒状物押し通し部材と、を含む。装置は、ダイが、ダイに向かって本体の内側に傾斜している少なくとも1つの傾斜面を有する本体内に配置されることを特徴とし、本体は、ドライアイス粒子をドライアイス洗浄装置内のガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイス粒状物の供給部に接続可能である。粒状物押し通し部材が、ダイの上方に移動可能に取り付けられ、押し通し部材は、ダイ表面と鋭角を形成する少なくとも1つの表面を含む。押し通し部材の側面のダイオリフィスには、押し通し部材の表面の粗さに対してダイ表面の粗さを増加させる、オリフィスの縁部の凹部または形状修正が設けられる。押し通し部材は、供給された粒状物の寸法よりも小さい距離でダイの表面の上方に配置され、ダイオリフィスの最大横方向寸法は、供給された粒状物の最大寸法よりも小さい。ダイの下方には、ドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置への縮小された粒状物のための出口開口部がある。
【0008】
好ましくは、ダイオリフィスは、オリフィスの縁部の凹部または形状修正から広がっている。
【0009】
好ましくは、押し通し部材は、ダイに面する少なくとも1つの表面が設けられ、かつダイ表面と鋭角を形成する、その作業部分を有する直線往復運動ツールである。
【0010】
好ましくは、ツールの作業部分は、その端部において傾斜面によって提供される。この傾斜面は、ツールの前での粒状物の詰まりを防止する。
【0011】
好ましくは、縮小された粒状物の収集器が、出口開口部に接続され、縮小された粒状物を収集するための収集チャンバが設けられている。収集チャンバは、2ホースドライアイス洗浄装置内の粒状物を引き出すのに役立つ。
【0012】
好ましくは、押し通し部材は、本体ベースプレート内に回転可能に取り付けられた回転ブレードホイールであり、ブレードホイールのブレードは、ダイに面し、ダイ表面と鋭角を形成する表面を含む。
【0013】
好ましくは、ブレードホイールは、供給された粒状物のガイド部材が設けられた本体を有する。
【0014】
好ましくは、ダイは、本体のベースプレートに収容されたターンテーブル上に配置され、ターンテーブルは、ダイと同じ円上にある開口部の形態のダイ不活性化部、および/または異なるサイズのオリフィスを有する少なくとも1つの他のダイをさらに含む。
【0015】
好ましくは、静的ピンが、本体内に配置されて、本体からブレードの上方の空間内に突出し、ブレードの最高点からのピンの距離が、ブレードホイール上のブレード間隔よりも小さい。
【0016】
好ましくは、ドライアイス洗浄装置内でドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置へのドライアイス粒状物の供給部は、ドライアイス洗浄装置用のドライアイス容器であり、本発明による装置の本体はドライアイス容器の底部を形成する。
【0017】
本発明は、添付の図面を参照して実施形態の例の説明においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による装置および粒状物の直線往復押し通し部材を有するその部品の分解斜視図である。
図2図1の装置およびその部品の斜視断面分解図である。
図3】粒状物の直線往復押し通し部材を有する本発明による装置の側断面図である。
図4】本発明による装置および回転粒状物押し通し部材を有するその部品の分解斜視図である。
図5】回転粒状物押し通し部材を有する本発明による装置の側断面図である。
図6】ダイを有する図5の装置の一部の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明によるドライアイス洗浄装置用のドライアイス粒状物のサイズを縮小するための装置は、図面に示す実施形態の2つの特定の例によってさらに詳細に説明される。図面は、本発明による装置およびその部品を示す。図面は、ドライアイス洗浄装置全体を示していないが、それは、ドライアイス容器によって通常実現されるドライアイス粒状物の供給部と、ドライアイス粒子と圧縮空気源に接続可能なガス状媒体の流れとを混合するための装置と、空気とドライアイス粒子との混合物を作業ノズルに供給するためのホースシステムと、を通常含み、作業ノズルから、動作中に空気とドライアイスとの混合物が洗浄される対象物にブラストされる。ドライアイス洗浄装置におけるこの装置の位置は、本発明による装置の説明から明らかであるため、これらの装置およびそれらの構造は公知であり、それらをより詳細に説明または例示する必要はない。
【0020】
以下に説明する本発明による装置の実施形態の2つの例のうちの一方は、粒状物押し通し部材3の直線運動、往復運動を有する装置を表し、他方は、押し通し部材3の回転運動を有する装置を表す。
【0021】
押し通し部材3の直線運動を伴う、実施形態の一例による本発明による装置を図1図2および図3に示す。装置は、本体1の内側に傾斜する傾斜面11を有する本体1を含む。一般に、本体1は、ドライアイス洗浄装置内のドライアイス粒状物の供給部に接続可能に設計されている。実施形態のこの例では、本体1はドライアイス容器に接続可能であり、ドライアイス容器の底部を形成する。この本体1は、ドライアイス容器の一体部品として形成することもできる。したがって、この例では、粒状物の供給は、従来のドライアイス容器によって提供され、そこから粒状物は、ドライアイス粒子を空気流と混合するための装置に重力によって供給される。
【0022】
本体1において、傾斜面11の下方に、一組のオリフィス21を有するダイ2が配置される。ダイ2は、この例では円筒面の一部として形成される。特に、ダイ2は、傾斜面11に向かって開いている中空円筒体22によって形成され、それにより、円筒面の一部の形状のダイ2を形成する。この円筒体22の端部221は、中空円筒の完全な形状のままであり、本体1の空洞12内にダイ2を配置するための手段を形成する。一方の端部221において、本体22は、押し通し部材3を通過させるために開いており、他方の端部221において、本体22は、押し通し部材3によって粒状物をダイ2から押し出すのを回避するために閉じている。次いで、閉じた端部221は、好ましくは、例えば本体1を通って円筒体22の閉じた端部221に入るロックねじ23の形態で、ダイ2を本体1に対して固定するための手段によって設けられる。本体1は、縮小された粒状物用の出口開口部13によって提供されるダイ2のオリフィス21の下にある。
【0023】
その詳細が図6に示されているダイ2のオリフィス21は、粒状物の供給側、すなわち押し通し部材3の側にあり、凹部211、または粒状物の供給側、すなわちダイ2内に向かう方向のオリフィス21の縁部の他の形状修正によって設けられる。そのような形状修正は、装置の効率的な動作に必要なダイ2の分節および粗さを提供する。次いで、凹部211から、オリフィス21は、同じ直径で続くか、または好ましくは広がり、この例ではダイ2から外側に向かって円錐状に広がる。オリフィス21のサイズをダイ2から外側に拡大することにより、縮小された粒状物がダイ2を通過することが容易になる。図6は、実施形態の第2の例に関するものであり、これについてさらに説明するが、この例では、オリフィス21自体の実施形態の詳細な説明のためにのみ使用され、この場合、両方の例について同一である。
【0024】
ダイ2の上方には、粒状物の押し通し部材3が移動可能に取り付けられており、粒状物をダイ2のオリフィス21に押し込むように設計されている。押し通し部材3は、この実施形態の例では、シャンク311および作業部分312を有する直線往復運動ツール31として形成され、この例ではダイ2の円筒面に対応する円筒形状である。シャンク311は、本体1内の軸受4内に配置され、好ましくはドライアイス洗浄装置の空気圧システムであり得る直線往復運動源(図示せず)に接続される。この例では、作業部分312は、ダイ2に面する2つの隣接する押し通し面313を含み、その各々はダイ2の表面と鋭角を形成する。作業部分312の表面313は、ダイ2の表面の円筒形状に対応し、したがって、この場合、それらのより狭い部分によって接続された一対の切頭円錐を形成し、一方、ドライアイス容器からの粒状物が作業部分312の表面313とダイ2の表面との間の空間を満たすことを可能にする作業部分312のテーパ314を形成する。作業部分312には、好ましくは、作業部分312のこの端部から実質的にくさびを形成する傾斜面315が端部に設けられる。作業部分312の円筒面は、容器からの粒状物の供給側の片側に平坦化され、すなわち、押し通し部材3の作業部分312の本体は、空間へのより良好な入口を確保するために、その上側部分に示す例では、ダイ2から離れた部分に平坦化される。表面313とダイ2の表面との間。
【0025】
押し通し部材3のダイ2からの距離、すなわちこの例では作業部分312の最外周面およびダイ2の隣接面の距離は、供給されるドライアイスの粒状物の最大寸法よりも小さい。また、オリフィス21の最大横方向サイズ、この例ではオリフィス21の最大直径は、供給される粒状物の最大寸法よりも小さい。
【0026】
ダイ2の下方で、この実施形態の例では、縮小された粒状物の収集器5が本体1に接続されることが好ましい。収集器5は、図に示す実施形態のこの例では、収集チャンバ51を含み、そこから粒状物が収集チャネル52を通ってドライアイス洗浄装置のドライアイス粒子とガス状媒体の流れとを混合するための装置に向かって導かれる。
【0027】
以上説明した実施形態の一例による装置は、以下のように動作する。
【0028】
ドライアイス粒状物の供給部からの、すなわち通常はドライアイス容器からの粒状物は、重力によって、傾斜面11によってダイ2に向かって移動している。押し通し部材3は、ダイ2の上方を直線往復運動、すなわち直線往復運動ツール31で移動している。一対の切頭円錐面313によって形成されたツール31の作業部分312内のテーパ314を介して、粒状物は、表面313と、実質的にくさび形状を有するダイ2の表面との間の空間に入る。ツール31が一方向に通過しているとき、粒状物は移動され、一方の表面313の作用によってダイ2に押し付けられる。ダイ2のオリフィス21上の凹部211、またはオリフィス21の縁部の形状修正により、ダイ2の表面は十分に粗面であり、表面313の粗さよりも高い粗さを有し、それにより、粒状物が砕かれている間、すなわち、そのサイズが縮小され、縮小された粒状物がダイ2の下から落下する間、粒状物がダイ2の表面によって捕捉され、ツール31の動きによってオリフィス21内に押し込まれる。ツール31が第2の往復方向に移動しているとき、粒状物は同様に移動し、第2の表面313の作用によってダイ2に押し付けられる。これにより、ツール31の往復運動の両方向における装置の動作サイクルが保証される。当然ながら、ツール31上の単一の表面313を考慮することも可能であるが、これは明らかに、作業運動がツール31の移動の一方向のみになるため、装置の効率を低下させる。
【0029】
ダイ2のオリフィス21は、そのサイズによって、通過する粒状物のサイズに対する制限をもたらす。装置が適切に機能するために、その実施形態におけるダイ2は、押し通し部材3の作業面、この例ではツール31の作業部分312の表面313と比較して、著しく分節され粗面化された表面を呈することが必要である。ダイ2のオリフィス21の形状および作用する力は、粒状物がペレットに戻る形成を防止する。処理された粒状物は、脆性を特徴とし、力が加えられると、より小さな粒子に分解する。この場合、押し通しの生成物は、異なるサイズおよび形状の粒子であるが、ダイ2によって規定されるサイズ制限を満たす。
【0030】
さらに、ツール31の作業部分312の端部に、作業部分312の端部から実質的にくさびを形成する傾斜面315が設けられている場合、この配置は、ツール31の前方での粒状物の詰まりを防止する。粒状物の詰まりは、装置の適切な機能にとって望ましくない。また、この場合、ツール31の作業部分312が、例えば平坦面のみによって終端されることは排除されない。この配置も同様の機能を果たすが、ツール31が粒状物を通過するときの抵抗の増加、またはツール31の前の粒状物の望ましくない破砕も犠牲にする。しかしながら、粒状物の詰まりによる障害物の形成により、押し通し部材3の作業ストロークの短縮も起こり得る可能性が高い。
【0031】
縮小された粒状物の収集器5が接続されると、収集チャンバ51は、粒状物を引き出す間に砕かれた粒状物のためのリザーバとして機能する。処理された粒状物が引き出されない場合、チャンバ51はダイ2のオリフィス21まで充填され、オリフィス21の出口の粒状物は粒状物のさらなる崩壊を防止する。
【0032】
装置の出力は、実際には異なるサイズのドライアイス粒子の不均一な混合物であるが、装置に供給される粒状物よりも小さいサイズの縮小された粒状物である。例えば、3~3.5mmの標準的な粒状物サイズおよび2.5mmの値を有するダイ2のオリフィス21の直径では、出力粒状物は1.5mmまでの最大サイズを有する粒子を有する。上述したように、そのようなサイズの粒子は、洗浄の最良の効率が保証される場合、あまり強力でないドライアイス洗浄装置に適している。したがって、ドライアイス洗浄装置の運転コストを増加させるであろう、より高い価格の非標準サイズの特別な粒状物を供給者から購入する必要がなく、所与の装置で最良の価格の標準的な粒状物を使用するのに十分であり、本発明による装置は、所望の洗浄効率を提供しないであろう標準的な粒状物を用いてトラブルのない効率的な動作を可能にする。
【0033】
押し通し部材3の回転運動を伴う、実施形態の第2の例による本発明による装置を、図4図5および図6に示す。装置は、特に円錐面の形態で本体1の内側に傾斜する傾斜面11を有する本体1を含む。一般に、本体1は、ドライアイス洗浄装置内のドライアイス粒状物の供給部に接続可能に設計されている。実施形態のこの例では、本体1はドライアイス容器に接続可能であり、ドライアイス容器の底部を形成する。この本体1は、ドライアイス容器の一体部品として形成することもできる。したがって、この例では、粒状物の供給は、従来のドライアイス容器によって提供され、そこから粒状物は重力によって、または任意選択的に容器を通って補助的に引き出された空気に助けられて、ドライアイス粒子を空気流と混合するための装置に供給される。
【0034】
本体1において、傾斜面11の下方に、一組のオリフィス21を有するダイ2が配置される。ダイ2は、この例では平坦に形成されている。ダイ2は、本実施形態の例によれば、好ましくはターンテーブル24上に設けられる。ターンテーブル24は、本体1のベースプレート14に配置された縮小された粒状物の出口開口部13の前で、ピボット241によって本体1のベースプレート14の区画141に枢動可能に取り付けられている。ターンテーブル24の一部は、本体1の外部に突出している。ターンテーブル24はまた、好ましくは、ダイ2と同じ円上にある、ターンテーブル24上の開口部の形態のダイ不活性化部25を含む。次いで、ダイ不活性化部25は、容器からの粒状物の自由な通過を確実にする。もちろん、ダイ2をベースプレート14上に固定的に、すなわちベースプレート14の一部として配置することも可能である。そして、そのような実施形態では、ターンテーブル24は存在しない。ターンテーブル24はまた、異なるサイズのオリフィス21を有するいくつかのダイ2を含むことができ、ターンテーブル24を回転させることにより、縮小された粒状物の所望のサイズに従ってダイ2を簡単に変更することが可能である。
【0035】
実施形態の第1の例と同様に、ダイ2のオリフィス21は、その詳細が図6に示されているが、粒状物の供給側にあり、凹部211または粒状物の供給側のオリフィス21の縁部の他の形状修正によって提供される粒状物の供給側、すなわち、押し通し部材3の側にある。そのような形状修正は、装置の効率的な動作に必要なダイ2の分節および粗さを提供する。次いで、凹部211から、オリフィス21は、同じ直径またはサイズで連続するか、または好ましくは広がり、この例ではダイ2から円錐状に外側に広がる。オリフィス21のサイズをダイ2から外側に拡大することにより、縮小された粒状物がダイ2を通過することが容易になる。図6は、実施形態の第2の例に関するものであり、これについてさらに説明するが、この例では、オリフィス21自体の実施形態の詳細な説明のためにのみ使用され、この場合、両方の例について同一である。
【0036】
ダイ2の上方には、押し通し部材3が移動可能に取り付けられて、粒状物をダイ2のオリフィス21に押し込む。押し通し部材3は、この実施形態の例では、回転ブレードホイール32として形成されている。回転ブレードホイール32は、駆動シャフト33に取り付けられている。駆動シャフトは、本体1のベースプレート14を貫通して延在し、ベースプレート14内の駆動シャフト33のハウジング142内の軸受331内に配置される。駆動シャフトは、本発明による装置が配置されているドライアイス洗浄装置内でドライアイス粒子をガス状媒体の流れと混合するための装置の駆動によって駆動することができる。当然ながら、シャフト33が混合装置の駆動装置とは独立した別個の駆動装置に接続されることは排除されない。
【0037】
ブレードホイール32は、ブレード321のアレイを含む。ブレード321は、ダイ2に面する表面322を含む。表面322は、ダイ2の表面と鋭角を形成する。図示した実施形態の例による実施形態では、ブレード321は、ブレードホイール32の回転方向に鋭角でダイ2に面する平坦なブレードとして形成される。ブレード321は、粒状物の入口として働くブレード321間の隙間を形成する位置でホイール32上に等間隔に配置される。ブレード321が移動する空間は、本体1の作業円形リング15を形成する。次いで、ダイ2は、この円形リング15内に配置される。
【0038】
ダイ2のオリフィス21は、そのサイズによって、通過する粒状物のサイズに対する制限をもたらす。装置が適切に機能するために、その実施形態におけるダイ2は、押し通し部材3の作業面、この例ではブレードホイール32のブレード321の表面322と比較して、著しく分節され粗面化された表面を呈することが必要である。ダイ2のオリフィス21の形状および作用する力は、粒状物がペレットに戻る形成を防止する。処理された粒状物は、脆性を特徴とし、力が加えられると、より小さな粒子に分解する。この場合、押し通しの生成物は、異なるサイズおよび形状の粒子であるが、ダイ2によって規定されるサイズ制限を満たす。
【0039】
好ましくは、ブレードホイール32は、粒状物のガイド部材34を備えた供給された粒状物の側にある。実施形態のこの例では、ドーム形状のガイド部材34は、ブレードホイール32の本体323に接続されている。これにより、表面11と実質的に同じ機能を果たす傾斜した回転表面が形成され、すなわち、粒状物が作業円形リング15、すなわちダイ2に導かれる。
【0040】
押し通し部材3のダイ2からの距離、すなわちこの例ではブレード321の縁部およびダイ2の隣接面からの距離は、供給されるドライアイスの粒状物の最大寸法よりも小さい。また、オリフィス21の最大横方向サイズ、この例ではオリフィス21の最大直径は、供給される粒状物の最大寸法よりも小さい。
【0041】
好ましくは、静的ピン16が本体1内に配置され、静的ピンは、この実施形態の例では、本体1からブレード321の上方の空間内に突出し、その上方には一定の距離がある。ブレード321の最高点からのピン16の距離は、ブレード321の相互距離、すなわちブレード321の間隔よりも小さくなければならない。これにより、粒状物の可能性のある凝集体が供給隙間、すなわちブレード321間の隙間のサイズを超えず、作業空間に自由に入ることができることが保証される。このピン16の機能は、さらに説明するように、装置の動作中に粒状物の凝集を防止することである。
【0042】
以上説明した実施形態の一例による装置は、以下のように動作する。
【0043】
ドライアイス粒状物の供給部からの、すなわち通常はドライアイス容器からの粒状物は、傾斜面11およびガイド部材34の傾斜面のために、重力によって、または任意選択的に空気を引き込むことに助けられて、作業円形リング15に向かう方向、すなわちダイ2に向かって移動している。粒状物は、ブレード321間の隙間を通って、ダイ2に面するブレード312の表面322と、実質的にくさび形状を有するダイ2の表面とによって画定される空間に入る。ブレード321の表面322の作用によって回転ブレードホイール32が回転すると、粒状物が移動してダイ2に押し付けられる。ダイ2のオリフィス21上の凹部211、またはオリフィス21の縁部の形状修正により、ダイ2の粗さは、ブレード321の作業面の粗さよりも高い。したがって、ダイ2の表面は、粒状物がダイ2の表面によって捕捉され、ホイール32の動きによってオリフィス21内に押し込まれるのに十分に粗いが、粒状物が粉砕されている間、すなわち、そのサイズが縮小され、縮小された粒状物がダイ2の下から落下する。この粒状物は、ダイ2の下に位置するベースプレート14内の縮小された粒状物の出口開口部13を通って落下し、ドライアイス粒子を空気流と混合するための装置、ドライアイス洗浄装置に導かれる。
【0044】
静的ピン16が本体1内に配置されると、粒状物の可能性のある凝集物がブレード312によってこの静的ピン16に対して運ばれ、これにより、それらの分解が保証され、したがってブレード312間の空間の可能性のある閉塞が防止され、ブレード312の表面322とダイ2の表面との間の空間の充填の連続性が保証される。したがって、ブレードホイール32の二次機能は、その動きによって粒状物の凝集を防止することである。したがって、容器の底部の粒状物は一定の運動をしており、使用済み粒状物は新しい粒状物で連続的に重力によって再充填され、塊状形成、すなわち粒状物の凝集体の場合、静的ピン16に対するブレード312の移動によって、これらはピン16とブレード312との間に捕捉され押しつぶされる。
【0045】
ダイ2が上記のようにターンテーブル24上に配置され、およびダイ2の不活性化部25、および/またはオリフィス21のサイズが異なる他のダイ2もこのターンテーブル24上に配置される場合、ターンテーブル24を回転させるだけで、オリフィス21のサイズが異なる別のものに対してダイ2を容易に交換することが可能であり、また、ダイ2の活性オリフィス21の数を減らすことが可能であり、またはダイ2を完全に停止させること、すなわち、粒状物のサイズを縮小するための装置を「オフ」することが可能である。これは、ターンテーブル24を回転させることによって実現することができる。ダイ2のオリフィス21の実質的にすべてがベースプレート14内の縮小された粒状物の出口開口部13の上方にある場合、装置は、縮小された粒状物の生成および粒状物の流れの最大モードで動作する。ターンテーブル24を回転させることによって、ダイ2のオリフィス21の一部のみが出口開口部13の上方にあり、オリフィス21の一部がベースプレート14によって覆われている場合、装置は、縮小された粒状物および縮小された粒状物の流れの量の縮小された生成のモードにある。ターンテーブル24を回転させることによって、ダイ不活性化部25が実際にはターンテーブル24の穴のみである出口開口部13上を移動すると、出口開口部13は実質的にドライアイス粒状物の供給部、すなわちドライアイス粒状物容器の内容物に直接接続され、したがって未加工の粒状物は、ブレード312によって開口部13に供給され、すなわち、そのサイズを変更することなく、ドライアイス容器に最初に供給または充填されたものである。
【0046】
装置の出力は、実際には異なるサイズのドライアイス粒子の不均一な混合物であるが、装置に供給される粒状物よりも小さいサイズの縮小された粒状物である。例えば、3~3.5mmの標準的な粒状物サイズおよび2.5mmの値を有するダイ2のオリフィス21の直径では、出力粒状物は1.5mmまでの最大サイズを有する粒子を有する。上述したように、そのようなサイズの粒子は、洗浄の最良の効率が保証される場合、あまり強力でないドライアイス洗浄装置に適している。したがって、ドライアイス洗浄装置の運転コストを増加させるであろう、より高い価格の非標準サイズの特別な粒状物を供給者から購入する必要がなく、所与の装置で最良の価格の標準的な粒状物を使用するのに十分であり、本発明による装置は、所望の洗浄効率を提供しないであろう標準的な粒状物を用いてトラブルのない効率的な動作を可能にする。
【0047】
図面に示す実施形態の上記の例は、本発明による装置の特定の構成実施形態を表し、例示的な例として与えられているが、本発明の概念の範囲内で他の設計変形例が可能であることは明らかである。これらの他の実施形態は、例えば、傾斜面11の形状および数、ダイ2の表面に面する表面313,322の形状および数、ダイ2のオリフィス21の形状および数、オリフィス21の縁部または凹部211の修正の形状、ガイド部材34の形状、装置の移動要素の軸受などに関することができる。また、本発明による前記装置は、3~3.5mmの具体的に言及された粒状物サイズに限定されず、押し通し部材3とダイ2との間の距離をそれぞれ調整し、入口粒状物のサイズおよび縮小された出口粒状物の必要な最大サイズに対してダイ2のオリフィス21のサイズをそれぞれ調整することによって、任意の他のサイズの粒状物を縮小するために装置を使用できることは明らかである。
【0048】
実施形態の上記の例における粒状物の供給は、ドライアイス粒状物の最も一般的で最も好ましい重力供給のために、ドライアイス粒状物容器によって提供される。しかしながら、供給が、例えば装置内への粒状物の強制的な移動を伴う供給管によって、他の形態で提供されてもよいことは排除されない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明による装置は、例えば直線往復押し通し要素3を備えた構成が使用可能な2ホースシステムの一部として、また、例えば回転押し通し部材3を備えた構成が使用可能な1ホースシステムの一部として、公知のタイプのドライアイス洗浄装置に円滑に使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6