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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/12 321K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022112534
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2021062766の分割
【原出願日】2016-12-27
(65)【公開番号】P2022140494
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 宣嘉
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-197471(JP,A)
【文献】特開2011-002963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された商品情報に応じた取引を保留する保留手段と、
前記保留手段により保留された取引を操作に応じて再開させる再開手段と、
前記操作が行われた際に、前記保留手段により保留された取引とは異なる取引が既に生成されていた場合には、前記再開手段による前記保留された取引の再開を禁止させる禁止手段と
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記再開手段により再開された取引において商品情報を追加するように取得可能とされる
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記禁止手段は、前記操作に応じて保留された取引を前記再開手段が再開させる前に前記取得手段により商品情報が取得されていた場合に、前記再開手段による取引の再開を禁止する
請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
商品情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された商品情報に応じた取引を保留する保留手段、
前記保留手段により保留された取引を操作に応じて再開させる再開手段、
前記操作が行われた際に、前記保留手段により保留された取引とは異なる取引が既に生成されていた場合には、前記再開手段による前記保留された取引の再開を禁止させる禁止手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
商品販売データ処理装置におけるデータ処理方法であって、
商品情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された商品情報に応じた取引を保留する保留ステップと、
前記保留ステップにより保留された取引を操作に応じて再開させる再開ステップと、
前記操作が行われた際に、前記保留ステップにより保留された取引とは異なる取引が既に生成されていた場合には、前記再開ステップによる前記保留された取引の再開を禁止させる禁止ステップと
を備えるデータ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
「前捌き」と呼ばれる運用に対応したPOSシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
前捌きでは、商品登録用の端末装置を使用して事前に顧客の買上商品の登録が行われ、商品登録結果を示す商品登録情報とコード情報とが対応付けられて上位装置に転送される。また、商品登録に応じて、コード情報を示すラベルやカードなどの媒体が顧客側に渡される。POSレジスタを操作する店員は、媒体からコード情報を読み取らせる操作を行って、POSレジスタに上位装置から読み取ったコード情報に対応付けられた商品登録情報を取得させ、取得された商品登録情報に基づく精算処理を実行させる。
このような前捌きの導入により、事前に顧客ごとの商品登録を済ませておくことができる。これにより、POSレジスタにより取引ごとに商品登録と精算処理とを行う場合と比較して、単位時間あたりに会計を済ませることのできる顧客の数を増やして会計を効率よく進めていくことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-82249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような前捌きの運用のもとで、POSレジスタにて一取引に応じた商品登録を行っている際に、媒体に記録された情報の入力に基づく商品登録情報の取得のほかに、不要な商品の登録内容が追加されてしまうといったエラーが生じる場合がある。また、前捌きが行われずに、顧客ごとに順番にPOSレジスタにて商品の登録が行われる場合であっても、一取引において代金算出の対象とすべき商品登録に加えて、不要な商品の登録内容が追加されてしまうといったエラーが生じる場合もある。
上記のようなエラーが発生した場合、代金算出の対象とすべき本来の登録情報に応じた代金が算出されるべきであるのに、さらに不要な商品の登録情報に対応する価格が含まれた誤った代金が算出されてしまう。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みて為されたもので、商品販売データ処理装置での商品登録に際して取得された1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めるべきでない状況となったことが看過されたまま精算処理が行われてしまうことの防止を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、商品の登録に関連する商品登録関連処理を行う商品登録関連処理手段と、前記商品登録関連処理が行われている際に所定の状況となったことに応じて、前記商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする取引制御手段とを備える商品販売データ処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、商品の登録に関連する商品登録関連処理を行う商品登録関連処理手段、前記商品登録関連処理が行われている際に所定の状況となったことに応じて、前記商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする取引制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品販売データ処理装置での商品登録に際して取得された1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めるべきでない状況となったことが看過されたまま精算処理が行われてしまうことの防止が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態におけるPOSレジスタの外観例を示す正面図及び側面図である。
図3】第1実施形態におけるPOSレジスタの外観例を示す斜視図である。
図4】第1実施形態におけるPOSレジスタの構成例を示す図である。
図5】第1実施形態における精算カードの一例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるカード番号対応商品登録情報の内容例を示す図である。
図7】第1実施形態における商品登録画面の一例を示す図である。
図8】第1実施形態における精算カードのカード番号としての数値を置数により入力する場合に対応する操作画面の一例を示す図である。
図9】前捌きに対応する会計を行う場合において、商品登録に関して生じるエラーの具体的な一事例を説明する図である。
図10】第1実施形態におけるエラー報知の一態様例を示す図である。
図11】第1実施形態におけるエラー報知の他の態様例を示す図である。
図12】第1実施形態におけるPOSレジスタが一取引に対応する商品登録処理のもとで精算カードのバーコードの読み取りに応じて実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態におけるエラー報知の一態様例を示す図である。
図14】第2実施形態において、精算カードのバーコードの読み取りに応じた新たな取引の生成が行われた場合の商品登録画面の一態様例を示す図である。
図15】第2実施形態におけるPOSレジスタが一取引に対応する商品登録処理のもとで精算カードのバーコードの読み取りに応じて実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図16】本実施形態の第1変形例としての取引中断レシートの一態様例を示す図である。
図17】本実施形態の第1変形例としての精算カードの一態様例を示す図である。
図18】本実施形態の第4変形例におけるPOSレジスタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態におけるPOS(Point Of Sales)システムの構成例を示している。同図のPOSシステムは、店舗において設置される2台のPOSレジスタ100(商品販売データ処理装置の一例)と1台のストアコントローラ200と、2台のハンディターミナル300と、商品登録情報管理装置400と、中継装置500とを備える。
同図のPOSレジスタ100と、ストアコントローラ200と、ハンディターミナル300と、中継装置500とは、例えば有線または無線によるLAN(Local Area Network)を経由して通信可能に接続される。
【0011】
POSレジスタ100は、店舗の売り場にて配置され、顧客により購入される商品についての会計処理を店員の操作に応じて行う。ここでの会計処理は、顧客の買上商品を精算対象として登録する商品の商品登録処理と、商品登録処理により登録された商品についての精算を行う精算処理とを含む。
【0012】
また、本実施形態のPOSレジスタ100は、後述の前捌きと呼ばれる会計の態様に対応して、商品登録処理として、精算カード(媒体の一例)から読み取ったバーコードに基づいて取得した商品登録情報を、現取引に対応する商品登録処理における商品登録結果として取り込むことができる。
【0013】
ストアコントローラ200は、店舗にてPOSシステムを管理する上位の情報処理装置である。ストアコントローラ200は、例えば店舗におけるバックヤードなどに設置される。
ストアコントローラ200は、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ200は、POSレジスタ100に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
ストアコントローラ200は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、CD-ROM等の媒体)から取得し、POSレジスタ100に適宜送信する。
【0014】
ハンディターミナル300は、後述の前捌きに対応する商品登録に際して店員が使用する携帯端末装置である。ハンディターミナル300は、顧客の買上商品を精算対象として登録する商品の商品登録処理を店員の操作に応じて行う。ハンディターミナル300は、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線通信により中継装置500と接続されている。
【0015】
中継装置500は、ハンディターミナル300が対応する無線通信網と、POSレジスタ100、ストアコントローラ200、ハンディターミナル300、及び中継装置500が接続される通信網とを中継するゲートウェイとしての機能を有する。
【0016】
ハンディターミナル300は、一取引に対応する商品登録処理の完了に応じて、商品登録処理による商品の登録結果を示す商品登録情報に、精算カードのカード番号を対応付け、中継装置500経由で商品登録情報管理装置400に送信する。
【0017】
商品登録情報管理装置400は、ハンディターミナル300から送信された商品登録情報を記憶する。商品登録情報管理装置400は、POSレジスタ100から商品登録情報要求が受信されたことに応じて、記憶されている商品登録情報のうちから、受信された商品登録情報要求が指定するカード番号に対応付けられた商品登録情報を、POSレジスタ100に対して送信する。
【0018】
なお、同図に示したPOSシステムの構成は一例である。例えば、POSシステムの構成として、店舗において備えられるPOSレジスタ100の数は特に限定されない。また、POSシステムの構成として、ストアコントローラ200を含まない構成としてもよい。なお、POSシステムについて、ストアコントローラ200を含まない構成とする場合には、POSレジスタ100にストアコントローラ200としての機能を兼用させてもよい。
【0019】
また、本実施形態においては、ハンディターミナル300の数も特に限定されない。また、ストアコントローラ200に商品登録情報管理装置400としての機能を兼用させてもよい。
【0020】
図2及び図3は、本実施形態におけるPOSレジスタ100の外観例を示している。図2(a)はPOSレジスタ100を操作する店員(オペレータ)側(前方)から本実施形態のPOSレジスタ100をみた正面図であり、図2(b)はPOSレジスタ100の側面図である。また、図3は、POSレジスタ100を右前方からみた斜視図である。
【0021】
同図のPOSレジスタ100は、タッチパネル付表示部104、キー操作部105、顧客用表示部106、自動釣銭機107、スキャナ部108、印字部109、カードリーダ110、及びドロア120を備える。
【0022】
タッチパネル付表示部104は、タッチパネル104aを備えた店員用の表示装置である。タッチパネル付表示部104においては、商品登録処理や精算処理に応じた商品登録画面などが表示される。また、店員は、タッチパネル104aに対して商品登録、会計などに関する所定の操作を行うことができる。
【0023】
キー操作部105は、商品登録処理時において数量、会計処理時において顧客から受け取った預金の金額の入力を行うための数字キー、会計を締めるための締めキー等の操作キーが設けられたキーボードである。
【0024】
顧客用表示部106は、顧客に対して買上対象の商品の商品名や価格を通知するための表示装置である。
自動釣銭機107は、顧客に支払うべき釣銭のうち、少なくとも貨幣を釣銭排出口107aに排出するための釣銭機であり、顧客から預かった預金のうち少なくとも貨幣を投入するための預金投入口107bを備える。
【0025】
スキャナ部108(検出手段の一例)は、買上対象の商品や品券に付されたコード情報(例えば、バーコード等)、または、商品カタログや商品注文シートに表記されたコード情報を読み取る。
なお、スキャナ部108は、バーコードのほか、例えば二次元コードを読み取るようにされてもよい。
【0026】
印字部109は、用紙に印字を行うことで、買上対象の商品の明細書であるレシート等を発行する。なお、以降の説明にあたり、印字と印刷とは同義で用いる。
【0027】
ドロア120は、顧客から受け取った紙幣及び貨幣を収納する収納部であり、キー操作部105の操作に応じて図2(b)の矢印Aの方向に引き出されるようになっている。
【0028】
カードリーダ110は、例えばIC(Integrated Circuit)カードに対応するリーダライタである。カードリーダ110が対応するICカードとの通信方式は、接触型と非接触型とのいずれであってもよい。また、カードリーダ110は、磁気カードに磁気記録された情報の読み取りや、磁気カードへの情報の書き込みが可能なように構成されていてもよい。
本実施形態のカードリーダ110が読み取り(及び書き込み)対象とするカード(ICカードあるいは磁気カード)は、プリペイドカードである。プリペイドカードは、予め電子マネーのチャージ(入金)が行われたうえで、プリペイドカードに入金された金額(チャージ残高:有価額の一例)から支払いのための代金が差し引かれるようにして使用される。
なお、カードリーダ110は、プリペイドカードの他に、会員カードやクレジットカードなどに対応して情報の読み取りが可能なようにされてよい。
また、同図のカードリーダ110は、POSレジスタ100の本体に取り付けられて店員が操作するようにされている。しかしながら、カードリーダ110は、例えばPOSレジスタ100とは別体とされて、POSレジスタ100と有線または無線により通信が可能なように接続されてもよい。この場合、カードリーダ110によりプリペイドカードを読み取らせる操作を顧客に行ってもらうようにすることができる。
【0029】
図4は、POSレジスタ100の構成例を示すブロック図である。同図において、図2に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付してその説明を省略する。
同図に示すように、POSレジスタ100は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶部102、RAM(Random Access Memory)113、タッチパネル付表示部104、キー操作部105、顧客用表示部106、自動釣銭機107、スキャナ部108、印字部109、カードリーダ110、通信部111及びドロア120を備える。これらの各部位は、内部バス及び通信線を介してそれぞれ接続されている。
【0030】
通信部111は、例えばPOSレジスタ100の上位装置であるストアコントローラ200などとの間で通信を行う。
【0031】
CPU101は、プログラムを実行することにより、POSレジスタ100における各種の処理を実行する。CPU101の処理によってPOSレジスタ100としての各種機能が実現される。
【0032】
記憶部102は、CPU101が利用する各種データを記憶する補助記憶装置である。記憶部102は、例えば、CPU101に実行させるプログラムやタッチパネル付表示部104に表示させる画像データ等を記憶する。
【0033】
RAM103は、記憶部102から読み出されたプログラムやワークエリアのデータが展開される主記憶装置である。また、RAM103には、例えばストアコントローラ200から取り込んだ商品に関する情報等が記憶される。
【0034】
ここで、本実施形態のPOSシステムにおいて行われる前捌きの会計の流れについて説明する。前捌きに際しては、ハンディターミナル300を使用する登録担当の店員が店舗に配備される。ハンディターミナル300を携帯した登録担当の店員は、予め複数枚の精算カードを所持しておく。
図5は、精算カードの一例を示している。同図の精算カードには、精算カードごとに一意となるように1つのカード番号(識別情報)が割り当てられている。精算カードには、割り当てられたカード番号を数字により示すカード番号数列NMが示されている。また、精算カードには、カード番号数列NMにより示されるカード番号の数列をコード化したバーコードBCが示されている。
【0035】
登録担当の店員は、POSレジスタ100で会計を受けるために順番待ちしている顧客ごとに、例えば待ちの順番に従って、ハンディターミナル300を操作して顧客の買上商品の商品登録操作を行う。
ハンディターミナル300は、商品に貼り付けられたバーコードを読み取り可能なスキャナと、置数の操作による数値の入力などが可能な操作部を備えている。ハンディターミナル300は、バーコードを読み取ると、読み取ったバーコードに対応する商品情報をストアコントローラ200が記憶する商品マスタから取得し、取得した商品情報を利用して商品登録処理を行うことができる。なお、ハンディターミナル300がストアコントローラ200から取得した商品マスタを記憶しておき、記憶された商品マスタを商品登録処理に用いるようにしてよい。また、1の種別の商品を複数登録する際には、店員は、商品数を置数の操作により入力する。ハンディターミナル300は、この場合、入力された商品数の商品を登録する。
【0036】
また、登録担当の店員は、1の顧客に対応する商品登録が開始されてから終了されるまでの或る段階において、1つの精算カードのバーコードをハンディターミナル300に読み取らせる操作を行う。登録担当の店員は、ハンディターミナル300によりバーコードを読み取らせた精算カードを、対応の顧客に手渡す。この際、登録担当の店員は、必要に応じて、顧客に対し、POSレジスタ100で精算の際に、POSレジスタ100を操作する店員に精算カードを渡してもらうように伝える。
【0037】
ハンディターミナル300は、一取引に対応する商品登録処理の完了に応じて、商品登録処理の結果が反映された商品登録情報に、該当の取引に対応させて読み取った精算カードのバーコードが示すカード番号を対応付けたカード番号対応商品登録情報を商品登録情報管理装置400に送信する。商品登録情報管理装置400は、ハンディターミナル300から送信されたカード番号対応商品登録情報を記憶する。
【0038】
図6は、商品登録情報管理装置400が記憶するカード番号対応商品登録情報の内容例を示している。同図に示される1行(1レコード)が1の顧客に対応するカード番号対応商品登録情報である。1つのカード番号対応商品登録情報は、1つのカード番号と1つの商品登録情報とが対応付けられた情報である。
【0039】
精算カードを受け取った顧客は、会計における商品登録から精算までのうち、商品登録までを終えていることになる。精算カードを受け取った顧客は、POSレジスタ100にて会計を受ける順番に至ると、POSレジスタ100を操作する店員に精算カードを渡す。
精算カードを受け取った店員は、精算カードにて示されているバーコードをスキャナ部108に読み取らせる操作を行う。POSレジスタ100は、精算カードのバーコードがスキャナ部108により読み取られたことに応じて、商品登録情報管理装置400に対して商品登録情報要求を送信することができる。商品登録情報要求は、スキャナ部108により読み取られた精算カードのバーコードが示すカード番号を指定して商品登録情報を要求するコマンドである。
【0040】
商品登録情報要求を受信した商品登録情報管理装置400は、自己が記憶するカード番号対応商品登録情報のうちから、受信された商品登録情報要求により指定されるカード番号を含むカード番号対応商品登録情報を検索する。商品登録情報管理装置400は、検索されたカード番号対応商品登録情報に含まれる商品登録情報を、商品登録情報要求の送信元のPOSレジスタ100に送信する。
【0041】
商品登録情報管理装置400から送信された商品登録情報を受信したPOSレジスタ100は、商品登録処理として、受信された商品登録情報を、現取引における商品登録処理結果として取り込むことができる。
【0042】
図7は、上記のように現取引における最初の商品登録処理として、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報を商品登録処理結果として取り込んだ段階で表示される商品登録画面の一例を示している。商品登録画面は、店員の商品登録操作のためにタッチパネル付表示部104に表示される操作画面である。
同図の商品登録画面はタブTAB1に対応するシートとして表示されている。この場合のタブTAB1は、現在において会計処理の対象となっている1つの取引(現取引)に対応する。
【0043】
同図の商品登録画面においては、ボタンエリアAR1、登録項目エリアAR2、登録確認エリアAR3、及び小計エリアAR4が配置されている。
ボタンエリアAR1は、商品の品目ごとに対応付けられたボタンや、所定の操作モードを指定するボタンなどが配置される領域である。
また、本実施形態のボタンエリアAR1においては、精算カード読取ボタンBT1が配置されている。店員は、顧客から受け取った精算カードのバーコードを読み取る際には、まず、精算カード読取ボタンBT1を操作して、精算カードのバーコードの読み取りを行うことの宣言を行ったうえで、スキャナ部108により精算カードのバーコードを読み取らせるように操作を行う。
【0044】
登録項目エリアAR2は、一取引に対応するこれまでの商品登録処理によって登録された商品の項目がリスト形式で表示される領域である。
この場合の登録項目エリアAR2には、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報を商品登録処理結果として取り込んだ結果が反映される。つまり、同図の登録項目エリアAR2においては、「商品1」との商品名であって税抜価格が100円の商品が1つと、「商品2」との商品名であって税抜価格が600円の商品が3つとの計4つの商品が登録された例が示されている。この登録項目エリアAR2の表示は、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報が、1つの「商品1」と、3つの「商品2」との4つが登録された内容をであったことを反映している。このように、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報は、現取引における商品登録処理の結果として反映されるようになっている。
【0045】
登録確認エリアAR3は、店員がPOSレジスタ100に対する操作によって商品種別単位で商品を登録した場合に、登録された商品の情報が確認のために表示される領域である。
同図の場合には、商品種別単位による商品の登録操作ではなく、精算カードのバーコードの読み取りに応じて商品登録情報管理装置400から商品登録情報を取得したことにより商品登録が行われていることから、登録確認エリアAR3は特に表示が行われていない状態となっている。
【0046】
小計エリアAR4は、一取引において登録された商品の小計に関する情報が表示される領域である。同図においては、登録された商品の小計に関する情報として、登録された商品の個数と、登録された全ての商品についての税抜の合計金額とが表示される。
具体的に、同図の例では、4つの商品が登録されており、その税抜の合計金額が700円であることが示されている。なお、小計エリアAR4において税込の合計金額が示されるようにしてもよい。
【0047】
なお、例えば精算カードが汚れていたりするなどして精算カードのバーコードの読み取りができない場合、店員は、POSレジスタ100に対して精算カードのカード番号としての数値を入力する置数の操作を行うことで、カード番号を入力することが可能である。
【0048】
図8は、精算カードのカード番号としての数値を置数により入力する場合に対応する操作画面の一例を示している。精算カードのカード番号としての数値を置数により入力するにあたり、店員は、所定操作によって、同図のようにカード番号入力ウィンドウWD1を表示させる。店員は、カード番号入力ウィンドウWD1に対して、例えばキー操作部105に含まれる数字キーなどを操作することによってカード番号を入力することができる。店員がカード番号を入力したうえで、カード番号入力ウィンドウWD1に配置された入力ボタンBT2を操作することにより、入力されたカード番号が確定される。
POSレジスタ100は、確定されたカード番号を指定して商品登録情報を要求する商品登録情報要求を商品登録情報管理装置400に送信して、商品登録情報を取得する。POSレジスタ100は、図7と同様に、取得された商品登録情報の内容が現取引の商品登録処理の結果として反映された商品登録画面を表示させることができる。
【0049】
図7のように、精算カードのバーコードの読み込みに応じて得られた商品登録情報に基づく商品登録処理結果が示された商品登録画面が表示された後、特に顧客から追加の商品の登録の申し出がなければ、店員は、POSレジスタ100に対して小計操作を行って商品登録処理を終了させる。この場合には、精算カードのバーコードの読み込みに応じて得られた商品登録情報が示す商品に対応する代金(合計金額)が算出され、店員は、この代金についての精算処理をPOSレジスタ100に実行させる。
一方、顧客から追加の商品の登録の申し出があった場合には、店員は、図7の表示の状態から、さらに追加の商品を登録する操作を行うことができる。そして、店員は、追加の商品の登録が完了したことに応じて小計操作を行うようにすればよい。この場合には、精算カードの読み込みに応じて得られた商品登録情報が示す商品と、追加で登録された商品とを含む代金が算出される。店員は、この代金についての精算処理をPOSレジスタ100に実行させる。
【0050】
このような前捌きが行われることで、POSレジスタ100で会計を受けるために順番待ちをして並んでいる顧客ごとの商品登録を、POSレジスタ100で会計を受ける順番が来る前に済ませておくことができる。これにより、POSレジスタにより取引ごとに商品登録と精算処理とをともに行う場合と比較して、単位時間あたりに会計を済ませることのできる顧客の数を増やして、多数の顧客の会計を効率よく進めていくことができる。
【0051】
前述のように、前捌きによりハンディターミナル300で事前に商品登録処理を受けた顧客は、その後において購入したい商品のあることに気付いたような場合、POSレジスタ100にて会計を受ける際に、事前に登録済みの商品と合わせて追加の商品についても精算することができる。
【0052】
しかしながら、前捌きに対応する会計が行われる場合において、商品登録に関してエラーが生じる場合がある。このように生じるエラーについての具体的な一事例について、図9を参照して説明する。
同図においては、1つのPOSレジスタ100に対応して行われている会計の様子の一例を、平面方向から見た状態が示されている。同図に示されるように、POSレジスタ100は、テーブルTBLの中間あたりに配置されている。
【0053】
同図において、POSレジスタ100を操作する店員T1は、顧客C1からカゴKG1を受け取って、POSレジスタ100を操作して、カゴKG1に容れられている商品の登録を行っている。つまり、現在は、顧客C1が会計を受ける順番となっている。店員から見て顧客C1の右側には、顧客C1の次に会計を受けるために待っている顧客C2がいる。つまり、この場合において、POSレジスタ100により会計を受けるために待っている顧客の列の進行方向は、同図の矢印J1によって示される。
【0054】
顧客C1は、会計を受ける際に、店員T1から見て、テーブルTBLにおいてPOSレジスタ100よりも右側の場所にカゴKG1を置く。店員T1は、通常であれば、テーブルTBLにおいてPOSレジスタ100よりも左側の場所に空のカゴを置いたうえで、カゴKG1に容れられている商品を取り出してPOSレジスタ100に登録させる操作を終えるごとに、登録した商品を左側の空きのカゴに移していくようにする。
しかしながら、例えば顧客C1の前に精算を済ませた先客が手間取っていたために、カゴKG1の商品の登録を行っているときに、テーブルTBLの左側にまだ先客のカゴが置かれたままとなっていた。この場合、店員T1は、顧客C1に対応させて空きのカゴをテーブルTBLの左側に置けない。そこで、店員T1は、カゴKG1に容れられている商品を取り出して登録しながら、登録の済んだ商品をもう一度カゴKG1に戻すように商品登録の操作を進めた。
【0055】
店員T1は、カゴKG1に容れられている商品について登録を行った。この場合、店員T1は、登録が完了した商品の入ったカゴKG1を、顧客C1に受け取ってもらうため、同図の矢印J2により示すように、テーブルTBLにおいてPOSレジスタ100の右側から左側に移動させる。
しかし、このように移動させた際に、カゴKG1がPOSレジスタ100の前を通過する際、カゴKG1に入っていた或る1つの商品に貼り付けられたバーコードがスキャナ部108により読み込まれてしまった。この場合、POSレジスタ100は、カゴKG1に入っていた商品のバーコードの読み取りに応じて、顧客C1の次に対応する取引についての会計処理を開始することになる。
【0056】
しかし、店員T1は、上記のようにカゴKG1に入っていた1つの商品のバーコードが読み取られて会計処理が開始されてしまったことに気付かずに、次の顧客C2に対応する会計に移ってしまった。顧客C2は、前捌きにより事前にハンディターミナル300による商品登録を受けていたため、自分の買上商品を容れたカゴKG2とともに、精算カードCDを持参している。顧客C1の次に会計を受ける番となった顧客C2は、精算カードCDを店員T1に渡す。
精算カードCDを受け取った店員T1は、前述のように商品登録画面にて配置される精算カード読取ボタンBT1を操作して、精算カードのバーコードの読み取りを行うことの宣言を行ったうえで、スキャナ部108により精算カードのバーコードを読み取らせる操作を行う。
【0057】
上記の場合、先に行われた商品種別単位での商品登録処理によって得られた商品の情報(1番目の登録情報の一例)と、次に行われた精算カードのカード番号に基づいて得られた商品登録情報(2番目の登録情報の一例)として示される商品の情報とが、同じ一取引において登録された商品の情報としてまとめられてしまう。即ち、このような商品登録処理の結果、顧客C2に対応する取引の小計結果に顧客C2の買上商品でない商品が含まれてしまうというエラーが生じてしまうことになる。このようなエラーは、看過されることなく店員T1が気付くことができるようにすることが望まれる。
【0058】
ここで、前捌きとしてハンディターミナル300による商品登録を受けて精算カードを受け取った顧客は、POSレジスタ100にて会計を受けるにあたって、まず精算カードを店員に渡すことが想定される。つまり、顧客は、精算カードを受け取った後において、購入する商品を追加した場合であっても、まず、店員に精算カードを渡したうえで、追加の商品を店員に手渡すということが通常は行われる。また、前捌きによる商品登録を事前に受けた際に追加の商品がある場合には、店員に対してまず精算カードを提示し、その後に追加の商品を提示してもらうように、店舗から顧客に周知させることもできる。
【0059】
そこで、本実施形態のPOSレジスタ100は、商品登録処理に際して以下の判定を行う。つまり、POSレジスタ100は、今回行われた精算カード情報入力(精算カードに記録された情報の入力の一例)が、一取引における最初の商品登録処理のもとで行われたものであるか否かについて判定する。ここでの精算カード情報入力とは、精算カードからのバーコードの読み取りによるカード番号の入力、あるいは置数操作によるカード番号の入力をいう。
【0060】
精算カード情報入力が一取引における最初の商品登録処理のもとで行われたものである場合、POSレジスタ100は、精算カード情報入力に基づいて商品登録情報管理装置400から取得された商品登録情報を利用して以降の会計処理を継続する。
【0061】
一方、精算カード情報入力が一取引における最初の商品登録処理のもとで行われたものでなかった場合、つまり、POSレジスタ100にて商品種別単位での商品登録処理が行われた後に、精算カード情報入力が行われた場合には、以下のようになる、つまり、POSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得を禁止する。具体的には、POSレジスタ100は、精算カード情報入力により得られた精算カードのカード番号を指定して商品登録情報を商品登録情報管理装置400から取得するための処理を行わない。
【0062】
また、POSレジスタ100は、上記のように精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得を禁止する際には、今回の精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得がエラーとなって実行不可であることのエラー報知を行う。このようなエラー報知は、タッチパネル付表示部104に対する表示により店員に向けて行われる。
【0063】
図10は、タッチパネル付表示部104にて行われるエラー報知の一態様例を示している。同図においては、商品登録画面に対してエラー報知ウィンドウWD2が配置される。エラー報知ウィンドウWD2においては、現取引において、精算カードのバーコードの読み取りの操作を行う前に商品種別単位での商品登録が行われているため、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得がエラーとなったことを店員に報知するメッセージが表示されている。また、エラー報知ウィンドウWD2においては、エラーに対応した操作として、精算カードのバーコードの読み取りの操作を行う前の商品種別単位での商品登録処理の結果について、締め処理と取り消し処理とのいずれかに応じた操作を行ってもらうことを店員に案内するメッセージも表示されている。
【0064】
図11は、タッチパネル付表示部104にて行われるエラー報知の他の態様例を示している。同図の場合には、エラー報知ウィンドウWD2に代えて、エラー報知エリアAR5において、エラー報知のメッセージを表示させた態様が示されている。
【0065】
図12のフローチャートを参照して、POSレジスタ100が一取引に対応する商品登録処理のもとで精算カードのバーコードの読み取りに応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:POSレジスタ100は、一取引に対応する商品登録処理にあたり、精算カード情報入力が行われるのを待機している。精算カード情報入力は、前述のように、精算カードのバーコードの読み取りがスキャナ部108により行われたことに応じたカード番号の入力、あるいは置数の操作に応じた精算カードのカード番号の入力である。
【0066】
ステップS102:精算カード情報入力が行われると、POSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力が、現取引での最初の商品登録処理のもとで行われたものであるか否かについて判定する。
ステップS103:精算カード情報入力に先立って既に商品種別単位での商品登録処理が行われていれば、ステップS102にて、今回の精算カード情報入力が現取引での最初の商品登録処理のもとで行われたものでないと判定される。この場合、POSレジスタ100は、図10あるいは図11での説明のように、エラー報知を行う。この場合、精算カード情報入力に基づく商品登録情報管理装置400からの商品登録情報の取得は禁止となって実行されない。
【0067】
ステップS104:一方、ステップS102にて、今回の精算カード情報入力が現取引での最初の商品登録処理のもとで行われたものであると判定された場合、今回の精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得が許可される。
そこで、この場合のPOSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力により得られたカード番号に対応付けられた商品登録情報を商品登録情報管理装置400から取得する。この場合のPOSレジスタ100は、商品登録情報管理装置400から取得された商品登録情報を商品登録処理の結果として反映させる。
これにより、図7に示したように、商品登録情報管理装置400から取得された商品登録情報に含まれる商品が登録済みとされた商品登録画面がタッチパネル付表示部104にて表示される。この場合には、追加の商品の登録も可能とされたうえで、以降の会計処理が継続される。
【0068】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。先の第1実施形態においては、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得についてエラーが発生した場合、以降の現取引に対応する処理は、先に商品種別単位で登録された商品についての締め処理、あるいは現取引の取り消し処理のいずれかとされていた。つまり、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得については禁止されたままである。
しかしながら、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得についてエラーが発生した場合、エラーの発生した態様によっては、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得の禁止を解除し、取得された商品登録情報を取引における商品登録処理の結果として反映したほうがよい場合がある。
【0069】
一例として、例えば顧客が先に追加の商品を店員に渡した後に精算カードを渡してしまったような場合、店員は、先に追加の商品を登録した後に誤って精算カード情報入力まで行ってしまうような状況が起こり得る。この場合には、一旦禁止された精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得を解除して、先に登録された追加の商品と、精算カードのバーコードの読み取りに基づいて得られた商品登録情報の商品とを、同じ取引の商品登録処理結果として統合させたほうが会計を効率よく進めていくことができる。
なお、以降の説明において、このような商品登録処理結果の統合について「登録商品統合」ともいう。
【0070】
また、先に商品種別単位で登録された商品と、次に行われた精算カード情報入力に基づいて取得される商品登録情報とがそれぞれ別の顧客に対応しているため両者を統合すべきでない場合においては、以下のようにしてもよい。
つまり、POSレジスタ100は、この場合にも、一旦禁止された精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得の禁止を解除し、商品登録情報管理装置400から商品登録情報を取得する。そして、POSレジスタ100は、取得された商品登録情報が反映された新たな取引を生成する。
この場合、POSレジスタ100は、例えば先に商品種別単位で登録された商品に対応する会計処理を実行させているときには、取得された商品登録情報が反映された新たな取引を保留にしておく。そして、POSレジスタ100は、店員の操作に応じて、保留されていた新たな取引を現取引として呼び出せばよい。これにより、精算カード情報入力を再び行うことなく、一旦は無効とされた精算カード情報入力により入力されたカード番号に応じた商品登録情報に対応する会計処理に移行することができる。
なお、以降の説明において、このような精算カード情報入力に基づいて取得された商品登録情報に対応する新規取引の生成について、「新規取引生成」ともいう。
【0071】
また、商品種別単位による商品の登録の次に行われた精算カード情報入力が、本来は不要であるような場合がある。例えば、先客が使用した精算カードがPOSレジスタ100の近傍に放置されていたために現取引においてそのバーコードが読み取られてしまったような場合である。このような場合、今回の精算カード情報入力に対応する商品登録情報は不要である。そこで、この場合には、精算カード情報入力に対応する商品登録情報は取得しないようにして、先に行われた商品種別単位による商品の登録のみを現取引に含めて引き続き会計処理が継続できようにすることが好ましい。
なお、以降の説明において、このような精算カード情報入力に基づく商品登録情報を反映させずに現取引を継続させることについて、「現取引継続」ともいう。
【0072】
そこで、本実施形態においては、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得についてエラーであることが判定された場合、一旦は禁止するが、禁止の状態のもとで、店員の操作に応じて、登録商品統合、新規取引生成、または「現取引継続」を選択できるようにする。
POSレジスタ100は、登録商品統合が選択されれば商品登録情報の取得の禁止を解除したうえで、登録商品統合に対応する処理を実行する。POSレジスタ100は、新規取引生成が選択されれば、商品登録情報の取得の禁止を解除したうえで、新規取引生成に対応する処理を実行する。POSレジスタ100は、現取引継続が選択されれば、商品登録情報の取得の禁止を解除することなく、現取引を継続させて会計処理を実行する。
【0073】
図13は、本実施形態におけるエラー報知の一態様例を示している。本実施形態においては、精算カード情報入力に基づく商品登録情報の取得についてエラーであることが判定されると、同図に示されるように商品登録画面に対してエラー報知ウィンドウWD3が配置される。同図のエラー報知ウィンドウWD3においては、統合ボタンBT11、新規取引生成BT12、及び現取引継続ボタンBT13が配置される。
【0074】
統合ボタンBT11は、店員が登録商品統合を指示する場合に操作されるボタンである。新規取引生成BT12は、店員が新規取引生成を指示する場合に操作されるボタンである。現取引継続ボタンBT13は、店員が、先だって行われた精算カード情報入力に基づく登録商品情報については取得しない(破棄する、あるいは取り消す)ことを指示する場合に操作されるボタンである。
【0075】
統合ボタンBT11が操作された場合、前述のように、POSレジスタ100は、先に商品種別単位で登録された商品と、精算カードのバーコードの読み取りに応じて商品登録情報管理装置400から取得された商品登録情報とを統合して、現取引の商品登録処理の結果とする。この結果、図示は省略するが、タッチパネル付表示部104に表示される商品登録画面は、先に商品種別単位で登録された商品と、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報が示す商品とが登録された結果を示す。
【0076】
また、新規取引生成BT12が操作された場合、前述のように、POSレジスタ100は、精算カードのバーコードの読み取りに応じて商品登録情報管理装置400から取得された商品登録情報が反映された新たな取引を生成する。この結果、タッチパネル付表示部104に表示される商品登録画面においては、現取引に対応するシートに加えて、新たに生成された取引に対応するシートが新たに設けられる。
つまり、図14に示すように、商品登録画面において、現取引に対応する同図のタブTAB1に加えて、さらに、もう1つのタブTAB2が新たに配置される。タブTAB2は、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報が反映された新たな取引に対応する。
また、同図においては、タブTAB2をタッチする操作を行って、新たに生成された取引の商品登録画面をアクティブとした状態が示されている。同図の商品登録画面によれば、精算カードのバーコードの読み取りに応じて取得された商品登録情報には、「商品2」と「商品3」とが各1つずつ、計2つの商品が登録されていたことが示されている。
【0077】
図15のフローチャートを参照して、本実施形態のPOSレジスタ100が、一取引に対応する商品登録処理のもとで精算カードのバーコードの読み取りに応じて実行する処理手順例について説明する。同図において、図12と同様の処理となるステップ(ステップS101~S104)については、同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
ステップS103A:ステップS101にて精算カードのバーコードの読み取りが行われたことが判定され、さらにステップS102にて商品種別単位での商品登録処理が既に行われていた場合、POSレジスタ100は、以下の処理を実行する。つまり、POSレジスタ100は、図13のエラー報知ウィンドウWD3を表示する。
【0079】
ステップS105:図13に示したように、エラー報知ウィンドウWD3には統合ボタンBT11、新規取引生成BT12、及び現取引継続ボタンBT13が配置されている。店員は、今回のエラーが発生した原因、状況に応じて、登録商品統合と、新規取引生成と、現取引継続とのいずれが適切であるのかを判断する。店員は、判断に応じて、統合ボタンBT11、新規取引生成BT12、及び現取引継続ボタンBT13のうちからいずれか1つを操作する。
POSレジスタ100は、ステップS103Aによりエラー報知ウィンドウWD3を表示させた状態のもと、登録商品統合と、新規取引生成と、現取引継続とのいずれの処理が指示されたのかを判定する。つまり、POSレジスタ100は、統合ボタンBT11、新規取引生成BT12、及び現取引継続ボタンBT13のうちのいずれが操作されたのかについて判定する。エラー報知ウィンドウWD3は、統合ボタンBT11、新規取引生成BT12、及び現取引継続ボタンBT13のうちのいずれかが操作されることに応じて消去される。
【0080】
ステップS106:統合ボタンBT11が操作されて登録商品統合が指示された場合、POSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力により入力されたカード番号に対応付けられた商品登録情報を商品登録情報管理装置400から取得する。
ステップS107:POSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力が行われる前において既に行われた商品種別単位での商品登録処理により登録された商品と、ステップS106により取得された商品登録情報が示す商品とを、現取引の商品登録処理の結果として統合する。
【0081】
ステップS108:新規取引生成BT12が操作されて新規取引生成が指示された場合、POSレジスタ100は、今回の精算カード情報入力により入力されたカード番号に対応付けられた商品登録情報を商品登録情報管理装置400から取得する。
ステップS109:POSレジスタ100は、ステップS108により取得された商品登録情報の内容が商品登録処理の結果として反映された取引を新規に生成する。
【0082】
また、現取引継続ボタンBT13が操作されて現取引継続が指示された場合、ステップS106、S107による処理あるいはステップS108、S109による処理をスキップする。この場合、今回の精算カード情報入力に基づいて取得される商品登録情報に対応する統合も新規取引生成も行われることなく、精算カード情報入力が行われる前の状態から現取引が継続される。
【0083】
なお、新規取引生成にあたり、精算カード情報入力の前に行われた商品種別単位での商品の登録が誤って行われたものである場合には、この商品種別単位での商品の登録処理の結果が反映された現取引は不要となる。そこで、POSレジスタ100は、新規取引生成を指示する操作が行われた場合には、さらに現取引を取り消すか否かの選択が行われる現取引処置選択画面を表示してもよい。
POSレジスタ100は、現取引処置選択画面に対して現取引を取り消さないことを選択する操作が行われた場合には、精算カード情報入力前の状態の現取引をそのまま残したうえで、新規取引を生成する。一方、POSレジスタ100は、現取引処置選択画面に対して現取引を取り消すことを選択する操作が行われた場合には、現取引を取り消したうえで、新規取引を生成する。
【0084】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0085】
[第1変形例]
POSレジスタ100にて商品登録を受けていた顧客が、商品登録が完了する前に、例えば買い忘れた商品のあることを思い出したなどの理由で、取引の中止を申し出る場合がある。このような場合に対応して、POSレジスタ100は、これまでの商品の登録を取り消すのではなく、保留してもよい。
商品の登録の保留にあたっては、これまでの商品登録処理の結果を示す商品登録情報を、例えば取引番号と対応付けて商品登録情報管理装置400に記憶させておけばよい。そのうえで、POSレジスタ100は、図16に示す取引中断レシート(媒体の一例)を発行する。同図の取引中断レシートには、中断された取引の取引番号(媒体に記録された情報の一例)をコード化したバーコードBC1が印刷されている。店員は、発行された取引中断レシートを、取引の中止を申し出た顧客に渡す。
【0086】
顧客は、例えば追加の商品を取ってPOSレジスタ100に戻ってくると、取引中断レシートと、追加の商品とを店員に渡す。店員は、まず、取引中断レシートのバーコードBC1をスキャナ部108により読み取らせる。POSレジスタ100は、読み取られたバーコードBC1から取引番号を取得し、取得された取引番号に対応する商品登録情報を商品登録情報管理装置400から取得する。POSレジスタ100は、取得された商品登録情報が商品登録処理の結果として反映された取引を生成する。店員は、生成された取引に対して、さらに顧客が追加してきた商品を登録したうえで小計を行い、POSレジスタ100に精算処理を実行させることができる。
【0087】
このように取引中断レシートのバーコードの読み取りによって商品登録情報を取得するにあたっても、その前において何らかの原因で商品種別単位での商品の登録が行われてしまう可能性がある。このような状況となった場合にも、取引中断レシートのバーコードの読み取りによって取得された商品登録情報により再開させた取引において、無関係な商品の登録内容が含まれてしまう。
そこで、POSレジスタ100は、取引中断レシートのバーコードの読み取りを行った際にも、その前に商品種別単位での商品の登録が行われたか否かについて判定してよい。POSレジスタ100は、商品種別単位での商品の登録が行われていたことが判定された場合に、取引中断レシートのバーコードの読み取りにより取得された商品登録情報を利用した取引の再開を禁止してよい。この際、POSレジスタ100は、店員に向けて、図10図11などの態様に準じて、取引の再開がエラーとなった旨の報知を行ってよい。
【0088】
[第2変形例]
これまでの説明において、精算カードは、図5のように、予めカード番号が割り当てられており、割り当てられたカード番号及びカード番号のバーコードが示されていた。しかしながら、本実施形態において使用される精算カードの態様は図5の例に限定されない。
そこで、本変形例としての精算カードの一態様例を図17に示す。同図の精算カードには、二次元コードDCが印刷されている。二次元コードDCは、1の顧客に対応してハンディターミナル300により商品登録処理を行った結果である商品登録情報をコード化したものである。
【0089】
同図の精算カードは、登録担当の店員がハンディターミナル300とともに携帯する小型のプリンタによって、商品登録処理が完了したことに応じて用紙に印刷される。ハンディターミナル300と小型のプリンタとは有線または無線により通信可能とされている。ハンディターミナル300は、商品登録処理が完了すると、商品登録情報を二次元コード化したうえで、同図の態様による精算カードの印刷を指示する印刷データを小型のプリンタに送信する。小型のプリンタは、受信された印刷データに基づいて用紙に印刷を行う。これにより、同図の態様による精算カードが印刷される。店員は、このように印刷された精算カードを顧客に渡す。
【0090】
同図の精算カードが渡された顧客は、自分がPOSレジスタ100にて会計を受けるときに精算カードを店員に手渡す。店員は、渡された精算カードの二次元コードDCをスキャナ部108により読み取らせる。POSレジスタ100は、読み取られた二次元コードDCから商品登録情報を取得することができる。
このような精算カードを使用する場合、精算カードには予めカード番号を割り当てる必要はない。また、POSシステムにおける上位にてハンディターミナル300の商品登録処理の結果得られた商品登録情報を記憶しておく必要がないことから、商品登録情報管理装置400を設置する必要はない。
【0091】
[第3変形例]
本実施形態のPOSシステムにおけるPOSレジスタ100の設置数は特に限定されるものではなく、1つであってもよい。POSレジスタ100の設置数が1つである場合、ハンディターミナル300により事前に商品登録を受けた顧客が会計を受けるPOSレジスタ100は1つに特定される。そこで、このようにPOSレジスタ100の設置数が1つである場合には、POSレジスタ100がハンディターミナル300から送信されるカード番号対応商品登録情報を記憶してもよい。この場合、POSレジスタ100は、精算カードのカード番号を取得すると、自己が記憶するカード番号対応商品登録情報から、取得されたカード番号に対応付けられた商品登録情報を取得する。この場合、商品登録情報管理装置400は省略することができる。
【0092】
[第4変形例]
続いて、第4変形例について説明する。本変形例は、先に図9にて説明した事例と同様の商品登録のエラーに対応可能なPOSレジスタ100としての他の構成である。
図18(a)は、本実施形態のPOSレジスタ100を示している。同図は、図9のようにテーブルTBLの上に設置されたPOSレジスタ100を側面方向から見た図である。同図のテーブルTBLの左側に店員(T1)が位置する。また、同図は、図9に示したカゴKG1が矢印J2に示す方向に沿って移動している途中で、ちょうどPOSレジスタ100の前に位置しているときの状態を示している。
同図に示される本変形例のPOSレジスタ100は、物体センサ130(検出手段の一例)をさらに備える。物体センサ130は、同図から理解されるように、店員が位置する側から見て、POSレジスタ100の手前のテーブルTBL上に位置する物体を検出するように設けられる。物体センサ130は、例えば光電センサや、超音波センサなどであればよい。同図のように、例えばカゴKG1がPOSレジスタ100の手前に位置している場合、物体センサ130は、物体のあることを検出する。
【0093】
そのうえで、本変形例のPOSレジスタ100は、商品登録処理に際して以下のように処理を実行する。
つまり、POSレジスタ100は、商品登録処理において、1つ目の商品に対応してバーコードの読み取りがスキャナ部108によって行われた(即ち、1つ目の登録情報として、商品種別単位での商品の情報が得られた)タイミングに対応して、物体センサ130により物体が検出された状態となったか否かについて判定する。
本変形例では、上記の状態となった場合には、図9の事例に該当する状況が生じたものとして扱う。つまり、図18(a)にも示されるように、店員がカゴKG1をテーブルTBL上で右から左に移動させている途中に、ちょうどカゴKG1がPOSレジスタ100の手前に位置したときに、カゴKG1に容れられている商品Aに貼り付けられたバーコードの読み取りが行われた状況であるとして扱われる。
一方、図18(b)には、店員がカゴから1つ目の商品を取り出し、商品種別単位での登録のために店員が商品Aを持ってスキャナ部108にバーコードの読み取りを行わせている状況が示されている。このような状況では、1つ目の商品に対応してバーコードの読み取りがスキャナ部108によって行われたタイミングに対応して、物体センサ130により物体は検出されない。
【0094】
ここで、本変形例では、物体センサ130によりカゴとしての物体を直接検出するようにしている。これにより、図18(a)のように物体センサ130により物体(カゴ)が検出されたタイミングで、商品種別単位での商品の情報のバーコードからの読み取りがスキャナ部108により行われた場合、POSレジスタ100は、この段階で、本来は登録されるべきでない商品の登録が行われたとのエラーが発生したと判定できる。
【0095】
そこで、本変形例のPOSレジスタ100は、以下のように商品登録についてエラーが生じた場合に対応する処理を行うことができる。
まず、POSレジスタ100は、図18(a)のような状況となったことを判定した場合において、次に2番目の登録情報として、精算カードのカード番号に基づいて得られた商品登録情報が取得された場合、例えば図10のようにエラー報知を行うようにすることができる。即ち、このような本変形例の構成によっても、図9の事例によるエラーを店員が看過してしまうことが防止される。
また、POSレジスタ100は、図18(a)のような状況となったことを判定した場合において、次に2番目の登録情報として、商品種別単位での商品登録処理により商品の情報が取得された場合にも、エラー報知を行うようにすることもできる。また、エラー報知の後に、例えば店員による操作に応じて、1番目の登録情報と2番目の登録情報とのうちのいずれか一方を取り消す処理、あるいは1番目の登録情報と2番目の登録情報とを一取引に統合する処理が行われるようにされてよい。
即ち、このような本変形例の構成によっても、図9の事例によるエラーを店員が看過してしまうことが防止される。また、エラーが発生した場合に、1番目の登録情報と2番目の登録情報とを適切に処理することもできる。
【0096】
また、本変形例では、前述のように、商品種別単位での商品の情報のバーコードからの読み取りがスキャナ部108により行われた段階で、物体センサ130により物体(カゴ)が検出されていれば、図9のエラーに対応する状況が発生したと判定できる。そこで、本変形例のPOSレジスタ100としては、上記の状況が発生したと判定したタイミングで、次の登録情報の取得が行われるのを待つことなく、今回の登録情報の取得についてエラーであるとして、その旨を報知することもできる。
【0097】
また、POSレジスタ100において、例えばスキャナ部108に代えて、撮像が可能なカメラ(検出手段の一例)が備えられてもよい。この場合、POSレジスタ100は、店員が商品に貼り付けられたバーコードをカメラにより撮像させる操作を行ったことに応じて、撮像画像からバーコードを抽出し、バーコードにより示される商品情報を取得できる。
このようにカメラによって得られる撮像画像を利用する場合、POSレジスタ100は、画像解析によって特定した撮像画像の内容に基づいて、商品登録に関してエラーとなる状況となったか否かについて判定できる。具体的には、POSレジスタ100は、例えば撮像画像からバーコードが抽出された際に、撮像画像において商品を持つ店員の手を認識できなかった場合、抽出されたバーコードに応じた商品の登録については不用意に行われたものであってエラーであるとして処理できる。また、撮像画像からバーコードが抽出された際に、撮像画像においてカゴが認識された場合、図9のエラーに対応する状況が発生したと判定できる。
【0098】
さらに、例えば図9のようにPOSレジスタ100を含むテーブルTBLに対応する範囲を俯瞰して撮像できる位置にカメラ(検出手段の一例)を設けてもよい。この場合にも、例えば、POSレジスタ100は、カメラによって得られた撮像画像に基づいて、図9に示したエラーに対応する状況となったか否かを認識できる。また、この場合には、撮像画像の内容から、例えば顧客がPOSレジスタ100の近傍にて検出されないのにもかかわらず商品登録が行われた状況であるか否かも判定できる。このような状況にあることが判定された場合にも、今回の登録情報の取得についてエラーであるとして処理できる。
このように、本変形例では、物体センサ130やカメラなどにより登録にエラーが生じたとの状況に該当する状況の判定に用いられる対象を検出し、検出結果に基づいて登録エラーの発生に対応して報知などの処理を実行できる。
【0099】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態としての一態様は、商品の登録に関連する商品登録関連処理(1つの商品ごとに対応する商品登録処理、または精算カードのバーコードの読み取りに応じた商品登録情報の取得)を行う商品登録関連処理手段と、商品登録関連処理が行われている際に所定の状況となったことに応じて、商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報(例えば、一取引に対応する商品登録情報、または1商品に対応する商品登録情報)と2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする取引制御手段とを備える商品販売データ処理装置。
上記構成によれば、商品販売データ処理装置での商品登録に際して取得された1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めるべきでない状況となったことに応じて、これらの登録情報を同じ取引に含めないようにできる。
【0100】
(2)本実施形態としての一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理装置であって、取引制御手段は、1つ目の登録情報が取得されるタイミングで、前記検出手段の検出結果に基づき前記所定の状況に該当すると判定したことに応じて、商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報と、2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする。
上記構成によれば、検出手段の検出結果に基づいて所定の状況となったことが判定可能となり、検出結果が所定の状況に該当すると判定されたことに応じて、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めないようにすることができる。
【0101】
(3)本実施形態としての一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理装置であって、商品登録関連処理手段は、一取引に対応して登録された1以上の商品について精算を行うための精算対応の登録情報を、精算対応の登録情報と対応付けられた媒体に記録された情報の入力に基づいて取得し、取引制御手段は、媒体に記録された情報の入力が1つ目の登録情報の取得に対応して行われなかったとの状況となったことに応じて、商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報と、2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする。
上記構成により、商品販売データ処理装置での商品登録に際して、例えば媒体に記録された情報の入力に基づく商品登録情報の取得のほかに不要な商品の登録内容が含められるとのエラーが看過されたまま精算処理が行われてしまうことの防止が図られる。
【0102】
(4)本実施形態としての一態様は、(1)から(3)のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置であって、取引制御手段は、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めないようにした後において、上記1つ目の登録情報と上記2つ目の登録情報とを、1つの取引に含める。
上記構成によれば、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とについて同じ取引にまとめてよいことが確認された場合には、例えば現取引を取り消したりすることなく、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを現取引のもとでの商品登録処理結果として統合し、効率的に会計を進めていくことができる。
【0103】
(5)本実施形態としての一態様は、(1)から(4)のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置であって、取引制御手段は、上記1つ目の登録情報と上記2つ目の登録情報とをそれぞれ別の取引に含めるようにして取引の設定を行う。
上記構成によれば、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引にまとめるべきでない場合に、それぞれを個別の取引として設定できる。これにより、2つ目の登録情報を破棄することなく、2つ目の登録情報を含む取引についての会計を行っていくことが可能となり、効率的に会計を進めていくことができる。
【0104】
(6)本実施形態としての一態様は、(1)から(5)のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置であって、取引制御手段は、上記1つ目の登録情報と上記2つ目の登録情報とのうちいずれか一方を取り消す。
上記構成によれば、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引にまとめるべきでなく、かつ、いずれか一方の登録情報は不要である場合に、不要である登録情報を取り消すことができる。
【0105】
(7)本実施形態としての一態様は、(1)から(6)のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置であって、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めないようにしたことを報知する報知手段をさらに備える。
上記構成によれば、報知によって、1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを同じ取引に含めるべきでない可能性が生じたことを店員に即座に気付かせることができ、店員は迅速に対応を図ることができる。
【0106】
(8)本実施形態としての一態様は、コンピュータを、商品の登録に関連する商品登録関連処理を行う商品登録関連処理手段、商品登録関連処理が行われている際に所定の状況となったことに応じて、商品登録関連処理により得られた1つ目の登録情報と2つ目の登録情報とを、同じ取引に含めないようにする取引制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0107】
なお、上述のPOSレジスタ100、ハンディターミナル300、商品登録情報管理装置400等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOSレジスタ100、ハンディターミナル300、商品登録情報管理装置400等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
100 POSレジスタ、101 CPU、102 記憶部、103 RAM、104 タッチパネル付表示部、104a タッチパネル、105 キー操作部、106 顧客用表示部、107 自動釣銭機、107a 釣銭排出口、107b 預金投入口、108 スキャナ部、109 印字部、110 カードリーダ、111 通信部、120 ドロア、200 ストアコントローラ、300 ハンディターミナル、400 商品登録情報管理装置400、500 中継装置
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