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特許7343239残量消尽が可能なスティック型化粧品容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】残量消尽が可能なスティック型化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20230905BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
A45D40/00 D
A45D40/04 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022544117
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2020003013
(87)【国際公開番号】W WO2021149865
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0007550
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0025008
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521284668
【氏名又は名称】シーティーケイ コスメティックス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CTK COSMETICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】234,Hyoryeong-ro,Seocho-gu Seoul 06709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、イン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】オム、イン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ギョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン ウィ
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-136916(JP,U)
【文献】国際公開第2015/189507(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205106740(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00-40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
残量消尽が可能なスティック型化粧品容器であって、
化粧料の昇下降を制御するためのハンドルと、
前記ハンドルのハンドル外端部とハンドル内端部との間に結合され、内側に第1中空部が設けられる内容器と、
前記内容器と前記ハンドル内端部との間に配置された円筒状の内側部材と、
前記ハンドル内端部に形成されたねじ山部に沿って、前記内容器の内側において昇下降可能なホルダーと、
前記内容器を覆うための外容器と、を含み、
前記ホルダーは、第1インナーホルダー及び第2インナーホルダーを備え、前記第1インナーホルダーと前記第2インナーホルダーの内側に設けられる第2中空部に化粧料の残量が収容可能であり、
前記第1インナーホルダーは、前記第1中空部内の化粧料が消尽された場合、前記第2インナーホルダー内において上昇し、前記第2中空部内の化粧料の残量が外側に露出され
また、前記第1インナーホルダーの上端の外側に第1インナーホルダー外側突出部が設けられ、前記第2インナーホルダーの下端の内側に第2インナーホルダー内側凹部が設けられ、前記第1インナーホルダー外側突出部と前記第2インナーホルダー内側凹部が互いに係合され、
前記第1インナーホルダーの前記上端と前記第1インナーホルダーの下端との間に位置する前記第1インナーホルダーの中間部に、第1インナーホルダー中間突出部が設けられ、前記内側部材の上端には、内側部材上面部が設けられ、前記内側部材上面部は、前記第1インナーホルダー中間突出部と当接するストッパであり、前記第1インナーホルダーの前記下端の外面には、第1インナーホルダー下面凸部が外周方向に設けられることを特徴とする、スティック型化粧品容器。
【請求項2】
前記第2インナーホルダーが、前記第2インナーホルダーの上側に設けられた第2インナーホルダー上端部を備え、前記第2インナーホルダー上端部が、傾斜部またはアンダーカットで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスティック型化粧品容器。
【請求項3】
外力により、前記第1インナーホルダー中間突出部が前記内側部材上面部を通過するとき、前記第1インナーホルダー外側突出部が前記第2インナーホルダー内側凹部から解除され、前記第1インナーホルダーが前記第2インナーホルダーに対して上昇移動することを特徴とする、請求項1に記載のスティック型化粧品容器。
【請求項4】
前記内容器の上端に位置する内容器上側部が、内容器上側突出部を備え、前記内容器上側突出部は、前記第2インナーホルダーの上側に設けられた第2インナーホルダー上端部と当接するストッパとなることを特徴とする、請求項1に記載のスティック型化粧品容器。
【請求項5】
前記第1インナーホルダーの上部面に、第1インナーホルダー上側凹部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のスティック型化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残量消尽が可能なスティック型化粧品容器に係り、さらに詳しくは、口紅、リップグロス、サンスティック等の化粧品において、化粧料の残量の全体を無駄なく使い切ることができるとともに、使用完了後に分離排出が可能なスティック型化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧品産業への関心が高まっている。これは、オンラインチャンネルのように流通網が多角化され、韓流の熱風に呼応し、中国、東南アジア等の地で韓国の化粧品ブランドの販売実績が大いに増加する現象と一脈相通じている。このような韓国の化粧品産業の浮上は、ケービューティ(K-Beauty)と命名され、主要な市場の流れの一つとして注目されている。
【0003】
化粧品技術と関連しては、天然物素材や機能性素材等を始めとした化粧品組成物またはフォーミュラの分野とともに、機能性及び使用性を改善した化粧品容器及びその製造方法の分野に対する持続的な発展が行われている。
【0004】
化粧品容器は、その内部に化粧料またはパフ等の化粧道具を収納する容器であって、その形態及び構造は、化粧品の種類ほど極めて多様である。
【0005】
化粧品容器の一つとして、スティック型化粧品容器がある。スティック型化粧品容器は、一般に、口紅、リップグロス、サンスティック等のように、固体状または半固体状の化粧料を内容器に入れ、これを外容器により保護する形態を有する化粧品容器を称する。
【0006】
このようなスティック型化粧品容器では、化粧料の相当部分が使われずに捨てられることになる。また、内容物を除去して捨てても、残量を綿棒等で掘り出すかまたは冷凍して除去しなければならないという煩わしさが発生する。
【0007】
図1を参照すると、化粧料1000が化粧料ホルダー2000内に収容されている様子が示されている。ここで、化粧料ホルダー2000の内側に位置する内容物を残量1001と言えば、このような残量は、ついに使えないようになる。
【0008】
このような問題を解決するために、いくつかの技術が提案されているが(特許文献1及び特許文献2参照)、相変わらず化粧料の残量を使い切るには構造的な困難があった。また、簡単かつ便利な構造になっており、生産性及び使用性が改善された形態の残量使用が可能なスティック型化粧品容器は、未だ開発されていないことが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】大韓民国登録特許第10-1915739号
【文献】大韓民国登録実用新案第20-0484721号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は、口紅、リップグロス、サンスティック等の化粧品において、化粧料の残量の全体を無駄なく使い切ることができるとともに、使用完了後に分離排出が可能なスティック型化粧品容器を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に制限されず、ここに言及されていないまた他の技術的課題は、下記の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題を達成するために、本発明の一実施形態は、残量消尽が可能なスティック型化粧品容器であって、化粧料の昇下降を制御するハンドルと、前記ハンドルのハンドル外端部とハンドル内端部との間に結合され、内側に第1中空部が設けられる内容器と、前記内容器と前記ハンドル内端部との間に結合され、位置が固定された内側部材と、前記ハンドル内端部に設けられたねじ山部に沿って、前記内容器の内側において昇下降可能なホルダーと、前記内容器を覆う外容器と、を含み、前記ホルダーは、第1インナーホルダー及び第2インナーホルダーを備え、前記第1インナーホルダーと前記第2インナーホルダーの内側に設けられる第2中空部に化粧料の残量が収容可能であり、前記第1中空部内の化粧料が消尽された場合、前記第1インナーホルダーを前記第2インナーホルダー内において上昇させ、前記第2中空部内の化粧料の残量が外側に露出されることを特徴とする、スティック型化粧品容器を提供する。
【0013】
本発明の実施形態において、前記第2インナーホルダーの上側に設けられた第2インナーホルダー上端部が、傾斜部またはアンダーカットで形成されてもよい。
【0014】
本発明の実施形態において、前記第1インナーホルダーの上端外側に第1インナーホルダー外側突出部が設けられ、前記第2インナーホルダーの下端内側に第2インナーホルダー内側凹部が設けられ、前記第1インナーホルダー外側突出部と前記第2インナーホルダー内側凹部が互いに係合されてもよい。
【0015】
本発明の実施形態において、前記第1インナーホルダーの中間部に第1インナーホルダー中間突出部が設けられ、前記内側部材の上端には、内側部材上面部が設けられ、前記内側部材上面部は、前記第1インナーホルダー中間突出部と当接するストッパであってもよい。
【0016】
本発明の実施形態において、外力により、前記第1インナーホルダー中間突出部が前記内側部材上面部を通過するとき、前記第1インナーホルダー外側突出部と前記第2インナーホルダー内側凹部の係合が解除され、前記第1インナーホルダーが前記第2インナーホルダーに対して上昇移動してもよい。
【0017】
本発明の実施形態において、前記内容器の上端の内容器上側部が、内容器上側突出部として設けられ、前記内容器上側突出部は、前記第2インナーホルダーの上側に設けられた第2インナーホルダー上端部と当接するストッパであってもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、前記第1インナーホルダーの上部面に、第1インナーホルダー上側凹部が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、口紅、リップグロス、サンスティック等の化粧品において、化粧料の残量の全体を無駄なく使い切ることができるとともに、使用完了後に分離排出が可能なスティック型化粧品容器を提供することができる。
【0020】
また、本発明の実施形態によれば、簡単かつ便利な構造になっており、生産性及び使用性が改善された形態の残量使用が可能なスティック型化粧品容器を提供することができる。
【0021】
本発明の効果は、上述した効果に制限されず、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】スティック型化粧品容器において、化粧料の残量が捨てられる様子を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態によるスティック型化粧品容器の最初動作状態(不使用状態)を示す断面図である。
図3図2のスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図である。
図4】本発明の他の実施形態によるスティック型化粧品容器の最初動作状態を示す断面図である。
図5図4のスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図である。
図6図4のスティック型化粧品容器の通常動作状態(使用状態)を示す断面図である。
図7図6のスティック型化粧品容器の詳細断面図である。
図8図4のスティック型化粧品容器の最後使用状態(残量使用状態)を示す断面図である。
図9図8のスティック型化粧品容器の詳細断面図である。
図10】充填方式によるスティック型化粧品容器の他の実施形態を示す図である。
図11】化粧料を含んでスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明を説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で実現されてもよく、したがって、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分を省略し、明細書の全体において、類似した部分に対しては、類似した図面符号をつけている
【0024】
明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているというのは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0025】
本発明において用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈からみて、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。本説明において、「含む」または「備える」のような用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組合せの存在を指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特性、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組合せの存在または付加可能性を排除して理解されてはならない。
【0026】
以下、添付された図面を参考して、本発明の実施形態について詳述する。
【0027】
図2は、本発明の実施形態によるスティック型化粧品容器の最初動作状態(不使用状態)を示す断面図であり、図3は、図2のスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図である。
【0028】
また、図4は、本発明の他の実施形態によるスティック型化粧品容器の最初動作状態を示す断面図であり、図5は、図4のスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図であり、図6は、図4のスティック型化粧品容器の通常動作状態(使用状態)を示す断面図であり、図7は、図6のスティック型化粧品容器の詳細断面図であり、図8は、図4のスティック型化粧品容器の最後使用状態(残量使用状態)を示す断面図であり、図9は、図8のスティック型化粧品容器の詳細断面図である。
【0029】
ここで、図5の(a)は、図4に対応し、図5の(b)は、図6及び図7に対応し、図5の(c)は、図8及び図9にそれぞれ対応する。また、図3の(a)、(b)、(c)は、それぞれ図5の(a)、(b)、(c)と同じ作動過程を示す。
【0030】
一方、本発明の一実施形態(図2参照)によるスティック型化粧品容器1とは異なる実施形態(図4参照)によるスティック型化粧品容器1では、内容器上側部21の形状、第1インナーホルダー41の上部面の形状、及び第2インナーホルダー42の上側部の形状を除いては、その機能や構成が同じであるかまたは類似する。したがって、以下、実施形態を区別することなく、本発明によるスティック型化粧品容器1の構成及び作動過程について説明し、実施形態によって異なる部分については、別途に説明する。
【0031】
図示のように、本発明の実施形態によるスティック型化粧品容器1は、化粧料の残量消尽が可能な容器である。
【0032】
スティック型化粧品容器1は、化粧料の昇下降を制御するハンドル10と、ハンドル10のハンドル外端部11とハンドル内端部12との間に結合され、内側に第1中空部23が設けられる内容器20と、内容器20とハンドル内端部12との間に結合され、位置が固定された内側部材30と、ハンドル内端部12に設けられたねじ山部13に沿って、内容器20の内側において昇下降可能なホルダー40と、内容器20を覆う外容器50と、を含んでもよい。
【0033】
ここで、ホルダー40は、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42を備え、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42の内側に設けられる第2中空部43に化粧料の残量が収容可能であってもよい。
【0034】
第1中空部23内の化粧料が消尽された場合、第1インナーホルダー41を第2インナーホルダー42内において上昇させ、第2中空部43内の化粧料の残量が外側に露出される。
【0035】
さらに具体的に説明すると、ハンドル10は、外側のハンドル外端部11及び内側のハンドル内端部12を備えてもよい。ハンドル内端部12には、ねじ山部13が設けられ、後述するハンドル10が回転動作すると、ねじ山部13によりホルダー40が内容器20内において上昇及び下降することができる。
【0036】
内容器20は、円筒状部材であって、内容器20の下端に設けられた内容器下端部22が、ハンドル外端部11とハンドル内端部12との間で相手回動可能な状態で挿入結合されてもよい。内容器20の上側には、内容器上側部21が設けられてもよい。
【0037】
内容器20の内側には、第1中空部23が設けられ、この第1中空部は、ホルダー40に固定された固体状または半固体状の化粧料が保管される空間であるとともに、ホルダー40が上昇及び下降する空間の役割を果たす。
【0038】
内容器20の内側の中央部には、段付き部24が設けられてもよい。この段付き部24が設けられた部位の上部側に第2インナーホルダー42の上端が位置し、このような第2インナーホルダー43の上端位置は、ストローク(stroke)により変更可能である。一方、第2インナーホルダー43の下端半径方向の外側に突出部が設けられてもよく、第2インナーホルダー43が上端最大ストロークである場合、すなわち、後述する図3の(b)の通常動作状態(使用状態)、及び図3の(c)の最後使用状態(残量使用状態)である場合、第2インナーホルダー43の下端の突出部が内容器20の段付き部24に係合されてもよい。
【0039】
内側部材30は、円筒状部材であって、内容器20とハンドル内端部12との間に結合され、位置が固定されてもよい。内側部材30の上側には、フランジ形態として、内側部材上面部31が設けられ、内側部材30の下側には、外周方向の外側に突出形成される内側部材下側突出部32が設けられてもよい。
【0040】
ホルダー40は、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42を備えてもよい。
【0041】
第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42は、通常の使用状態、すなわち最初動作状態である不使用状態(施錠状態)と通常動作状態(使用状態)では、一つの部材のように動作することができる。
【0042】
以降、化粧料が消尽された場合、すなわち、第1中空部23内の化粧料が消尽された場合、使用者が、外力により、第1インナーホルダー41を第2インナーホルダー42内において上昇させ、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42の内側に設けられた第2中空部43内の化粧料の残量を外側に露出させることができる。
【0043】
第1インナーホルダー41の上端外側には、第1インナーホルダー外側突出部410が設けられてもよい。また、第1インナーホルダー41の中間部には、第1インナーホルダー中間突出部412が設けられ、第1インナーホルダー41の下端には、外周方向の外側に第1インナーホルダー下側突出部413が設けられてもよい。
【0044】
第2インナーホルダー42の上側には、第2インナーホルダー上端部420が設けられてもよく、この第2インナーホルダー上端部420は、傾斜部またはアンダーカットで形成されてもよい。第2インナーホルダー上端部420は、ホルダー40が上昇する場合、内容器上側部21が当接するようになる。
【0045】
第2インナーホルダー42の下部内側に第2インナーホルダー内側凹部421が設けられてもよい。
【0046】
このため、第1インナーホルダー外側突出部410と第2インナーホルダー内側凹部421が互いに係合されてもよい。このような実施形態とは異なり、第1インナーホルダー41に凹部が設けられ、第2インナーホルダー42に突出部が設けられて、このような凹部・突出部の構造が互いに係合されてもよい。
【0047】
上述のように、第1インナーホルダー41の中間部に第1インナーホルダー中間突出部412が設けられ、内側部材30の上端に内側部材上面部31が設けられてもよい。内側部材上面部31は、第1インナーホルダー中間突出部412と当接するストッパであってもよい(図6及び図7参照)。
【0048】
外力により、第1インナーホルダー中間突出部412が内側部材上面部31を通過するとき、第1インナーホルダー外側突出部410と第2インナーホルダー内側凹部421の係合が解除されて、第1インナーホルダー41が第2インナーホルダー42に対して上昇移動することができる(図8及び図9参照)。これにより、第2中空部43内にあった化粧料が外側に露出される。
【0049】
一方、このように、第1インナーホルダー41が第2インナーホルダー42に対して上昇移動する場合であっても、第1インナーホルダー下側突出部413がストッパの役割をする内側部材上面部31に引っ掛かり、ある限度以上で、第1インナーホルダー41が第2インナーホルダー42に対して上昇移動することが防止される。
【0050】
また、第2インナーホルダー41の内側にリブが設けられ、このリブをガイドとして、第1インナーホルダー41が第2インナーホルダー41に対して相手移動してもよい。このため、第1インナーホルダー42に切開部が設けられてもよい。このようなレールガイド方式の上昇及び下降動作も可能である。
【0051】
本発明によるスティック型化粧品容器1の使用過程をみると、次のとおりである。まず、最初動作状態(不使用状態)では、ハンドル10の外側に外容器50が覆われており、ホルダー40は、下端に位置している(図3の(a)及び図5の(a)参照)。この状態では、第1インナーホルダー41及び第2インナーホルダー42が内側部材30の内側部材上面部31と当接する。
【0052】
以降、通常動作状態(使用状態)では、使用者が、まず、外容器50を除去した後、ハンドル10を操作して、ホルダー40を上昇させることにより、ホルダー40に収容された化粧料(口紅等)を内容器20の外に露出させるようになる。このように露出した化粧料を用いて化粧することができる(図3の(b)及び図5の(b)参照)。化粧を終えると、使用者は、ハンドル10を操作して、ホルダー40を下降させ、以降、外容器50をハンドル10の外側に結合させる。これにより、さらに、最初動作状態(不使用状態)に戻るようになる。
【0053】
化粧料の大部分を使って、通常動作状態で化粧料が使えない場合、または化粧品容器を捨てるために部品を分離しようとする場合を最後使用状態(残量使用状態)と言える。このような最後使用状態では、ハンドル10を操作して、ホルダー40を最大限上昇させ、ここに追加的な外力を加えて、以前まで一体で動作していたホルダー40の第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42を分離するようになる。これにより、第1インナーホルダー41を第2インナーホルダー42内において上昇させ、第2中空部43内にあった化粧料の残量を外側に露出させるようになる。それで、化粧料の残量を使えるようになる(図3の(c)及び図5の(c)参照)。
【0054】
図8及び図9は、最後使用状態中でも、第1インナーホルダー41を第2インナーホルダー42内において最大限上昇させた様子を示している。
【0055】
一方、本発明の他の実施形態では(図4参照)、内容器20の上側に内容器上側部21が設けられ、この内容器上側部21は、内容器上側突出部からなってもよい。内容器上側突出部は、容器内側、すなわち、第1中空部23に向けて突出した形状であってもよい。このような内容器上側部21は、第2インナーホルダー上端部420と当接するストッパであってもよい。
【0056】
すなわち、ホルダー40が上昇する場合、第2インナーホルダー上端部420は、突出した形状の内容器上側部21が当接するようになり、このようなストッパ構造により、第2インナーホルダー42が、内容器20の外側に分離されるかまたは突出することが防止される。
【0057】
また、本発明の他の実施形態では、第1インナーホルダー42の上部面に第1インナーホルダー上側凹部411が設けられてもよい。第1インナーホルダー上側凹部411は、化粧料を固定させる役割を果たし、これに代わってまたは追加で突出部形態の部材が設けられてもよい。
【0058】
以上の説明では、スティック型化粧品容器1の構成及び効果を使用の側面で記述した。以下では、製造の側面、特に、化粧料の充填(filling)方式について、図面を参照して説明する。図10は、充填方式によるスティック型化粧品容器の他の実施形態を示す図である。
【0059】
図示のように、スティック型化粧品容器1に化粧料を充填する方式としては、化粧品容器1の上端からホルダー40内に化粧料を充填する上端充填(定立充填)方式(図10の(a)参照)、及び化粧品容器1の下端からホルダー40内に化粧料を充填する下端充填方式が挙げられる(図10の(b)参照)。
【0060】
上述した実施形態に示された構造は、上端充填及び下端充填の両方に適用され得る。また、上端充填及び下端充填方式に応じて、構造が変更されるか部品が追加されてもよい。例えば、図10の(b)に示すように、化粧料の下端充填のために、化粧品容器1の外容器50の内側上端にインナーカバー61が設けられ、ハンドル10の下端中央部に充填用ホルダー部材62が設けられてもよい。
【0061】
次に、図11は、化粧料を含んでスティック型化粧品容器の作動過程を示す概略図である。図11の(a)は、最初動作状態(不使用状態)、(b)は、通常動作状態(使用状態)、(c)は、最後使用状態(残量使用状態)をそれぞれ示している。図示のように、化粧料(f)は、第2インナーホルダー42に収容されており、化粧料(f)の量が十分な場合は、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42を一体で上昇・下降させる動作が行われ、化粧料(f)の大部分を消尽し、第2インナーホルダー42の内側にのみ残量が残るようになると、第1インナーホルダー41と第2インナーホルダー42を分離し、第2インナーホルダー42に対して第1インナーホルダー41を上昇させて、化粧料(f)の残量を外部に露出させることができる。
【0062】
以上、説明したように、本発明の実施形態によるスティック型化粧品容器1を使うことにより、化粧料の残量の全体を無駄なく使い切ることができるとともに、使用完了後に分離排出が可能になる。また、本発明の実施形態によるスティック型化粧品容器1は、簡単かつ便利な構造になっており、生産性及び使用性を改善させることができる。
【0063】
上述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的特徴を変更することなく、他の具体的な形態に変更しやすいことを理解することができるであろう。このため、上述した実施形態は、全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。例えば、単一型で説明されているそれぞれの構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に、分散したものとして説明されている構成要素も、結合された形態で実施されてもよい。
【0064】
本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲により定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解析されなければならない。
【0065】
[発明の実施形態]
発明の実施形態は、上述した発明を実施するための形態において、一緒に記述されている。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の残量消尽が可能なスティック型化粧品容器によれば、化粧料の残量の全体を無駄なく使い切ることができ、使用完了後に分離排出が可能である。また、簡単かつ便利な構造により、生産性及び使用性が改善される効果が提供される。
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