(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】プロセスプラントに関連付けられたフィールドデバイスコミッショニング情報を評価及び提示する技術
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018185820
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-28
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】マルコス エー.ヴイ. ペルソ
(72)【発明者】
【氏名】スコット エヌ. ホーケネス
(72)【発明者】
【氏名】チャン シャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エイチ. ピレ
(72)【発明者】
【氏名】ポール ハート
(72)【発明者】
【氏名】ギー ホン
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-164775(JP,A)
【文献】特開2015-043201(JP,A)
【文献】特表2008-503797(JP,A)
【文献】特開2012-084162(JP,A)
【文献】特開2016-081415(JP,A)
【文献】特表2010-539596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0250180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするコンピュータ実装方法であって、前記デバイスのセットのうちの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するように前記プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続され、前記方法が、
コンピューティングデバイスにおいて前記デバイスのセットのうちの各々について、前記それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを取得することと、
前記デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることと、
前記コンピューティングデバイスによって前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのコミッショニング状態データと前記それぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、
ユーザインターフェースに、(i)前記デバイスのセットのそれぞれの監視状態を指示する監視セクション、(ii)前記デバイスのセットのそれぞれの較正予定状態を指示する較正セクション、および(iii)前記デバイスのセットのそれぞれの構成状態を指示する構成セクションを同時に指示させることと、
前記構成セクションの選択を検出した後に、前記ユーザインターフェースに、(i)前記コミッショニング状態データのセットと前記定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の前記差異のセット、(ii)前記デバイスのセットのデバイスについて、前記デバイスの前記コミッショニング状態データに一致するように前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータを修正する第1オプション、(iii)前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータに従うように前記デバイスを構成する第2オプションを指示させることと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースを介して、前記デバイスのセットのうちの1つの選択を受信することと、
前記ユーザインターフェースに、視覚的に特有の様式で、前記デバイスのセットのうちの前記1つに関連付けられた前記差異を指示させることと、をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスにおいて前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのデバイスの前記コミッショニング状態データを取得することが、
前記ユーザインターフェースから、前記コミッショニング状態データの要求を受信することと、
前記要求を受信することに応答して、前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのデバイスの前記コミッショニング状態データを検索することと、を含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記コミッショニング状態データが、前記それぞれのデバイスの現在の構成を含み、前記定義されたコミッショニングパラメータが、前記それぞれのデバイスに所望の構成を含み、前記差異を判定することが、
前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれの現在の構成と前記それぞれの所望の構成との間の前記差異を判定することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのコミッショニング状態データと前記それぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の前記差異を判定することが、
(i)前記デバイスのセットのうちの一部が前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致することと、(ii)前記デバイスのセットのうちの残りの一部が前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないことと、を判定することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースに前記差異のセットを指示させることが、
前記ユーザインターフェースに、(i)前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちの前記それぞれの一部と一致する前記デバイスのセットのうちの前記一部と、(ii)前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちの前記それぞれの残りの一部と一致しない前記デバイスのセットのうちの前記残りの一部と、を指示させることを含む、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするための前記プロセスプラント内のシステムであって、
プロセスのセットを制御するように前記プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されているデバイスのセットと、
コンテンツを提示するためのユーザインターフェースと、
前記デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットを記憶するメモリと、
通信ユニットと、
前記デバイスのセット、前記ユーザインターフェース、前記メモリ及び前記通信ユニットと交信し、かつ
前記通信ユニットを介して前記デバイスのセットの各々から、前記それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信し、
前記メモリから、前記デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた前記定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスし、
前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのコミッショニング状態データと前記それぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定し、
前記ユーザインターフェースに、(i)前記デバイスのセットのそれぞれの監視状態を指示する監視セクション、(ii)前記デバイスのセットのそれぞれの較正予定状態を指示する較正セクション、および(iii)前記デバイスのセットのそれぞれの構成状態を
指示する構成セクションを同時に指示させ、
前記構成セクションの選択を検出した後に、前記ユーザインターフェースに(i)前記コミッショニング状態データのセットと前記定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の前記差異のセット、(ii)前記デバイスのセットのデバイスについて、前記デバイスの前記コミッショニング状態データに一致するように前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータを修正する第1オプション、(iii)前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータに従うように前記デバイスを構成する第2オプションを指示させる、ように構成されている、プロセッサと、を備えるシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、
前記ユーザインターフェースを介して、ユーザによる前記デバイスのセットのうちの少なくとも1つの前記コミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にするように、さらに構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースが、
前記デバイスのセットのうちの1つの選択を受信し、
視覚的に特有の様式で、前記デバイスのセットのうちの1つに関連付けられた前記差異を指示する、ように構成されている、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コミッショニング状態データが、前記それぞれのデバイスの現在の構成を含み、前記定義されたコミッショニングパラメータが、前記それぞれのデバイスに所望の構成を含み、前記差異を判定するために、前記プロセッサは、
前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれの現在の構成と前記それぞれの所望の構成との間の前記差異を判定するように構成されている、請求項7から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのコミッショニング状態データと前記それぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の前記差異を判定するために、前記プロセッサは、
(i)前記デバイスのセットのうちの一部が前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致することと、(ii)前記デバイスのセットのうちの残りの一部が前記定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないこと、を判定するように構成されている、請求項7から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータを管理するための電子デバイスであって、
コンテンツを提示するためのユーザインターフェースと、
プロセスのセットを制御するように前記プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されているデバイスのセットに通信可能に接続されているコンピューティングデバイスと交信するトランシーバと、
コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリと、
前記ユーザインターフェース、前記トランシーバ及び前記メモリと交信し、かつ前記プロセッサに、
前記ユーザインターフェースを介して、前記デバイスのセットのうちのデバイスの選択を受信すること、
前記トランシーバを介して前記デバイスのセットのうちの前記デバイスから、前記デバイスのコミッショニング状態データを検索することであって、前記コミッショニング状態データが、前記デバイスの現在の構成を指示する、検索すること、
前記デバイスに関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータにアクセスす
ること、
前記コミッショニング状態データと前記定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定すること、及び
前記ユーザインターフェースに、(i)前記デバイスのセットのそれぞれの監視状態を指示する監視セクション、(ii)前記デバイスのセットのそれぞれの較正予定状態を指示する較正セクション、および(iii)前記デバイスのセットのそれぞれの構成状態を指示する構成セクションを同時に指示させることと、
前記構成セクションの選択を検出した後に、前記ユーザインターフェースに、(i)前記コミッショニング状態データと前記定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異、(ii)前記デバイスのセットの少なくとも1つについて、前記コミッショニング状態データに一致するように前記定義されたコミッショニングパラメータを修正する第1オプション、(iii)前記定義されたコミッショニングパラメータに従うように前記デバイスのセットの少なくとも1つを構成する第2オプションを指示させること、を行わせる、前記コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、プロセッサと、を備える、電子デバイス。
【請求項13】
前記コミッショニング状態データが、前記デバイスの現在の構成を含み、前記定義されたコミッショニングパラメータが、前記デバイスに所望の構成を含み、前記差異を判定するために、前記プロセッサは、
前記現在の構成と前記所望の構成との間の前記差異を判定するように構成されている、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記プロセッサに、
前記ユーザインターフェースを介して、前記第1オプションの選択を受信することと、
前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータを前記デバイスの前記コミッショニング状態データに一致するように修正させることと、をさらに行わせる前記コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記プロセッサに、
前記ユーザインターフェースを介して、前記第2オプションの選択を受信することと、
前記デバイスに、前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータに従うように構成されるようにさせることと、をさらに行わせる前記コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項16】
プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータを提示する電子デバイス内のコンピュータ実装方法であって、前記デバイスのセットのうちの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するように前記プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続され、前記方法が、
コントローラから前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信することと、
前記デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることと、
プロセッサによって、前記デバイスのセットの各々について、前記それぞれのコミッショニング状態データと前記それぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、
ユーザインターフェースにおいて、(i)前記デバイスのセットのそれぞれの監視状態を指示する監視セクション、(ii)前記デバイスのセットのそれぞれの較正予定状態を指示する較正セクション、および(iii)前記デバイスのセットのそれぞれの構成状態を指示する構成セクションを同時に提示することと、
前記構成セクションの選択を検出した後に、前記ユーザインターフェースにおいて、(i)前記コミッショニング状態データのセットと前記定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の前記差異のセットのうちの少なくともいくつかを指示するセクションのセット、(ii)前記デバイスのセットのデバイスについて、前記デバイスの前記コミッショニング状態データに一致するように前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータを修正する第1オプション、(iii)前記デバイスの前記定義されたコミッショニングパラメータに従うように前記デバイスを構成する第2オプションを提示することと、
前記ユーザインターフェースを介して、前記セクションのセットのうちのセクションの選択を受信することと、
前記ユーザインターフェースにおいて、前記差異のセットのうちの一部に関連付けられ、前記セクションのセットのうちの前記セクションに対応する、情報を提示することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースにおいて、前記差異のセットのうちの前記一部に関連付けられた前記情報を提示することが、
前記ユーザインターフェースにおいて、前記差異のセットのうちの前記一部に関連付けられた前記情報を指示する少なくとも1つのグラフを提示することを含む、請求項
16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記ユーザインターフェースにおいて、前記差異のセットのうちの前記一部に関連付けられた前記情報を提示することが、
前記ユーザインターフェースにおいて、前記定義されたコミッショニングパラメータとは異なるコミッショニング状態データを有する前記デバイスのセットのうちの一部のリストを提示することを含む、請求項
16に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「FIELD DEVICE INTERACTIONS」と題され、2013年9月4日に出願された米国仮特許出願第61/873,390号の利益を主張する、「BULK FIELD DEVICE OPERATIONS」と題され、2014年9月4日に出願された米国出願第14/477,266号の利益及び優先権を主張する一部継続出願であり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、プロセスプラント及びプロセス制御システムに関し、より詳細には、プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットのコミッショニング状態を判定及び評価することに関する。
【背景技術】
【0003】
物理的物質または生産物を製造、精製、変形、生成、または生産するための、化学、石油、工業、または他のプロセスプラントにおいて使用されるもの等の分散型プロセス制御システムは、典型的には、アナログバス、デジタルバス、またはアナログ/デジタル結合バスを介して、あるいは無線通信リンクまたはネットワークを介して、1つ以上のフィールドデバイスと通信可能に連結される、1つ以上のプロセスコントローラを含む生産物。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、及びトランスミッタ(例えば、温度センサ、圧力センサ、レベルセンサ、及び流量センサ)である場合があるフィールドデバイスは、プロセス環境内に位置付けられ、概して、バルブの開放または閉鎖、温度もしくは圧力等のプロセスパラメータ及び/または環境パラメータの測定等の物理的またはプロセス制御機能を実行して、プロセスプラントまたはシステム内で実行中の1つ以上のプロセスを制御する。周知のFieldbusプロトコルに準拠するフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスは、制御計算、アラーム機能、及びコントローラ内で一般に実装される他の制御機能もまた実行し得る。プロセスコントローラは、これもまた典型的にはプラント環境内に位置付けられるが、フィールドデバイスによって行われるプロセス測定を指示する信号及び/またはフィールドデバイスに関する他の情報を受信し、例えば、プロセス制御判断を行い、受信した情報に基づき制御信号を生成し、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイス等の、フィールドデバイスで実行される制御モジュールまたはブロックと連携する、異なる制御モジュールを実行するコントローラアプリケーションを実行する。コントローラ内の制御モジュールは、通信ラインまたはリンクを経由して、フィールドデバイスに制御信号を送信し、それによって、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部分の動作を制御し、プラントまたはシステム内部で稼働または実行している1つ以上の工業プロセスの少なくとも一部分を、例えば、制御する。例えば、コントローラ及びフィールドデバイスは、プロセスプラントまたはシステムによって制御されているプロセスの少なくとも一部分を制御する。I/Oデバイスは、これもまた典型的にはプラント環境内に位置付けられ、典型的にはコントローラと1つ以上のフィールドデバイスとの間に配設され、それらの間の通信を、例えば、電気信号をデジタル値に変換することによって可能にし、逆の場合も同様である。本明細書で利用されるように、フィールドデバイス及びコントローラは、概して、「プロセス制御デバイス」と呼ばれる。
【0004】
フィールドデバイス及びコントローラからの情報は、制御室もしくはより厳しいプラント環境からは離れた他の場所に典型的には位置付けられる、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、データ履歴、レポー
トジェネレータ、集中データベース、または他の集中管理コンピューティングデバイス等の、1つ以上の他のハードウェアデバイスに対して、通常、データハイウェイまたは通信ネットワークを経由して利用可能にされる。これらのハードウェアデバイスの各々は、典型的には、プロセスプラントにわたって、またはプロセスプラントの一部分にわたって集中化される。これらのハードウェアデバイスは、例えば、オペレータが、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラもしくはフィールドデバイス内の制御モジュールのオペレーションの修正、プロセスの現在の状態の閲覧、フィールドデバイス及びコントローラによって生成されたアラームの閲覧、担当者の訓練もしくはプロセス制御ソフトウェアの試験を目的としたプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの保守及び更新等の、プロセスの制御及び/またはプロセスプラントの動作に関する機能を実行することを可能にし得るアプリケーションを実行する。ハードウェアデバイスによりデータハイウェイを利用して、コントローラ及びフィールドデバイスは、有線通信パス、無線通信パス、または有線もしくは無線通信パスの組み合わせを含むことができる。
【0005】
例として、Emerson Process Managementによって販売されている、DeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の多様な場所に位置付けられている異なるデバイス内に記憶され、それら異なるデバイスによって実行される複数のアプリケーションを含む。1つ以上のワークステーションまたはコンピューティングデバイス内に備わる、構成アプリケーションは、ユーザによる、プロセス制御モジュールの作成または変更、及びデータハイウェイを経由した、これらのプロセス制御モジュールの、専用分散型コントローラへのダウンロードを可能にする。典型的には、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成され、これらの機能ブロックは、それに対する入力に基づき制御スキーム内で機能を実行し、出力を制御スキーム内の他の機能ブロックに提供するオブジェクト指向プログラミングプロトコル内のオブジェクトである。また、構成アプリケーションは、データをオペレータに対して表示するため、かつオペレータによるプロセス制御ルーチン内の設定点等の設定の変更を可能にするために閲覧アプリケーションが使用するオペレータインターフェースを、構成設計者が作成または変更することを可能にし得る。各専用コントローラ、及び一部の場合においては、1つ以上のフィールドデバイスは、実際のプロセス制御機能を実装するために、それらに割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを実行するそれぞれのコントローラアプリケーションを記憶及び実行する。閲覧アプリケーションは、1つ以上のオペレータワークステーション(またはオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信可能に接続された1つ以上のリモートコンピューティングデバイス)上で実行され得、この閲覧アプリケーションは、コントローラアプリケーションからデータハイウェイを経由してデータを受信し、ユーザインターフェースを使用してこのデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザに表示して、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビュー等のいくつかの異なるビューのうちのいずれかを提供し得る。データ履歴アプリケーションが、典型的には、データハイウェイにわたって提供されたデータの一部または全部を収集及び記憶するデータ履歴デバイスに記憶され、それによって実行される一方で、構成データベースアプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン構成及びそれと関連付けられたデータを記憶するために、データハイウェイに取り付られた、さらに離れたコンピュータで実行され得る。代わりに、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに位置付けられてよい。
【0006】
概して、プロセスプラントまたはシステムのコミッショニングは、プラントまたはシステムの種々の構成要素を、システムまたはプラントが意図されたように動作することができる点まで導くことを包含する。コミッショニングは、込み入った複雑なプロセスである。例えば、コミッショニングは、とりわけ、いくつか例を挙げると、設置されたプロセス制御デバイス(フィールドデバイス等)及びその接続の識別情報を確認すること、プロセス制御システムまたはプラント内部のプロセス制御デバイスを一意に識別するタグを判定
し提供すること、パラメータの初期値、限界点等を設定するかまたは構成すること、デバイスに提供された信号を操作することによって、デバイスの設置の正当性を検証すること、プラント内部に実装されるデバイスの実際の物理的接続を指示するためのアズビルトI/Oリストを生成すること等の処置または作業を含み得る。いくつかのコミッショニングタスクについては、ユーザは、コミッショニングツール(例えば、手持ち式または携帯用コンピューティングデバイス)を、目標のプロセス制御デバイスまたはループでローカルに利用し得る。いくつかのコミッショニングタスクは、プロセス制御システムのオペレータインターフェースで、例えば、プロセスプラントのバックエンド環境内に含まれるオペレータワークステーションのオペレータインターフェースで実行されてよい。
【0007】
典型的に、プロセスプラントのコミッショニングは、プロセスプラントのフィールド環境内で設置され、セットアップされ、及び相互接続される物理的デバイス、接続、配線等を必要とする。プラントのバックエンド環境において(例えば、典型的には制御室内またはプラントのより過酷なフィールド環境から離れた他の位置に配置されたオペレータワークステーション、パーソナルコンピュータまたはコンピューティングデバイス、集中データベース、構成ツール等の集中管理コンピューティングデバイスにおいて)、種々のデバイス、それらの構成、及びそれらの相互接続を特に識別及び/または指定するデータが、統合されるか、検証されるかまたはコミッショニングされて、記憶される。このように、物理的ハードウェアが設置され構成された後、識別情報、論理命令、及び他の命令及び/またはデータが、フィールド環境内に配設された種々のデバイスにダウンロードされるか、さもなければ提供され、それによって、種々のデバイスが他のデバイスと通信することが可能であるようにされる。
【0008】
典型的には、プロセスプラントの構成要素は、所望のパラメータまたは仕様のセットに従ってコミッショニングされ、コミッショナによって開発された1つ以上の文書及び/またはツールによって特定され得る。構成要素は、プロセスプラント動作中のシステム構成、保守、及び管理活動を含む、プロセスプラント内の他の管理機能にも使用されるシステムインターフェース及びユーティリティを使用してコミッショニングされる。しかし、コミッショニング従業員は、システムのインターフェース及びユーティリティの使用に限られている場合が多く、これにより、コミッショニング従業員に作業の遅延、矛盾、エラーを招き、制御システム及びフィールドデバイスとの相互作用がない、限定された独自のツール及びユーティリティを実装することを招くことが多い。これらのプロセスは時間がかかり、矛盾及び間違いが起こりやすく、フィールドデバイスが適切にコミッションされているかどうかを効率的かつ効果的に判定することができない。
【0009】
したがって、フィールドデバイスの最新のコミッショニング状態を検索し、フィールドデバイスのコミッショニング状態と意図されたコミッショニングパラメータとの間の相違を効率的かつ効果的に提示するためのシステム及び方法のための機会がある。
【発明の概要】
【0010】
コミッショニングのための技術、システム、装置、構成要素、デバイス及び方法は、本明細書において開示される。そのような技術、システム、装置、構成要素、デバイス、及び方法は、工業プロセス制御システム、環境、及び/またはプラントに対して適用することができ、これらは本明細書においては交換可能に、「工業制御」、「プロセス制御」、もしくは「プロセス」システム、環境、及び/またはプラントとも呼ばれる。典型的には、そのようなシステム及びプラントは、分散型の様式で、物理的物質または生産物を製造、精製、変形、生成、または生産するように動作する、1つ以上のプロセスの制御を提供する。
【0011】
プロセス制御システム及び/またはプラントのコミッショニングは、コミッショニング
プロセスの少なくともいくつかがローカルに、自動的に及び/または分散的に実行されることを可能にする種々の技術、システム、装置、構成要素及び/または方法を含み、その結果、プロセスプラントのデバイス及び/または他の部分が、全体としてプラントまたはシステムに組み入れられるかまたは統合される前に、デバイスの電源がオンにされる前に、部分的または全体的にコミッショニングされ得る。コミッショニングは、例えば、プロセス制御システムの種々の部分が、プロセスプラントの常駐位置または現場で一つにまとめられ統合される前に、異なる地理的位置で(例えば、異なる「モッドヤード」で)構築され、少なくとも部分的にコミッショニングされることを可能にする。結果として、コミッショニングは、並列コミッショニング活動及びアクションを取ることを可能にする。
【0012】
プロセスプラントは、ベースラインまたは定義されたパラメータのセットに従ってコミッショニングされてよく、ベースラインまたは定義されたパラメータのセットは、プロセスプラント内の各フィールドデバイスをどのようにコミッショニングすべきかを特定する。しかしながら、動作中、フィールドデバイスは、それぞれのパラメータに従ってコミッショニングされないことがあり、これによりエラー状態及び警報をもたらす可能性があり、かつ/または追加の修理及び保守を必要とする可能性がある。
【0013】
本開示の技術の一実施形態は、プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするコンピュータ実装方法であり、デバイスのセットの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続される。方法は、コンピューティングデバイスにおいてデバイスのセットの各々について、それぞれのデバイスの状態データをコミッショニングし、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることを含み得る。方法は、コンピューティングデバイスによってデバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、ユーザインターフェースに、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットを指示させることと、をさらに含む。
【0014】
これらの技術の別の実施形態は、プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするためのプロセスプラント内のシステムである。システムは、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されたデバイスのセットと、コンテンツを提示するためのユーザインターフェースと、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットを記憶するメモリと、通信ユニット、デバイスのセット、ユーザインターフェース、メモリ及び通信ユニットと交信するプロセッサとを含み得る。プロセッサは、通信ユニットを介してデバイスのセットの各々から、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信し、メモリから、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスし、デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定し、ユーザインターフェースに、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットを指示させる、ように構成され得る。
【0015】
これらの技術のさらなる実施形態は、プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータを管理するための電子デバイスである。電子デバイスは、コンテンツを提示するためのユーザインターフェースと、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されたデバイスのセットと交信するトランシーバと、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリと、ユーザインターフェース、トランシーバ及びメモリと交信するプロセッサと、を備える。プロセッサは、プロ
セッサに、ユーザインターフェースを介して、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの選択を受信することと、トランシーバを介してデバイスのセットのうちの1つから、デバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データを検索することであって、コミッショニング状態データが、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの現在の構成を指示する、検索することと、デバイスのセットのうちの少なくとも1つに関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータにアクセスすることと、コミッショニング状態データと定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、ユーザインターフェースに、コミッショニング状態データと定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を指示させることと、を行わせる、コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成され得る。
【0016】
これらの技術の追加の実施形態は、プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータを提示する電子デバイス内のコンピュータ実装方法であり、デバイスのセットのうちの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続され得る。方法は、コントローラからデバイスのセットの各々について、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信することと、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることと、プロセッサによってデバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、ユーザインターフェースにおいて、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットのうち少なくともいくつかを指示するセクションのセットを提示することと、ユーザインターフェースを介して、セクションのセットのうちのセクションの選択を受信することと、ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられ、セクションのセットのうちのセクションに対応する、情報を提示することと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書に記載されたコミッショニング技術を利用することによって、その少なくとも一部がコミッショニングされ得るプロセスプラント及び構成要素の一例を示すブロック図を描画する。
【
図2】プロセスプラントのコミッショニングに関連するデータ及びパラメータを取得、記憶、及び分析するように構成されたデバイスのブロック図を示す。
【
図3】プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータの取得及びコミッショニングデータのベースラインパラメータとの比較に関連付けられた信号図を示す。
【
図4A】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4B】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4C】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4D】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4E】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4F】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4G】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4H】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4I】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図4J】コミッショニングデータの提示及びベースラインパラメータとの比較に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。
【
図5】プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスする例示的な方法のフロー図である。
【0018】
【
図6】プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータを提示する例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
プロセスプラントは、プラントのシステム及び構成要素が所有者または顧客の運用要件に従って設計、試験、設置、動作及び維持されることを確実にし、これにより、プロセスプラントの実施可能性、パフォーマンス、信頼性、安全性及び情報のトレーサビリティを保証するようにコミッショニングされる。
【0020】
プロセスプラントをコミッショニングすることは、パラメータのセットによるフィールドデバイスの構成を含んでよく、これは、デフォルトパラメータであってよく、またはプロセスプラントの管理者によって修正可能であってよい。特定の態様では、フィールドデバイスは、構成テンプレートまたは同様の技術、例えば前述した米国特許出願第14/477,266号で開示されているものを使用してバルクで構成され得る。フィールドデバイスが構成される前、同時、または後に、プロセス制御システムは、設置されたプロセス制御デバイス(フィールドデバイス等)及びその接続の識別確認を含み、プロセス制御システムまたはプラント内のプロセス制御デバイスを一意に識別するタグを判定及び提供し、デバイスに提供された信号を操作することによってデバイス設置の正当性を検証し、プラント内に実装されたデバイスの実際の物理的接続を指示するためのアズビルドI/Oリストを生成する、追加のコミッショニング動作を促し得る。
【0021】
一般に、テンプレート、要件文書等は、プロセスプラントのフィールドデバイスをどのようにコミッショニングすべきかを特定する定義されたコミッショニングパラメータのセットを含み得る。加えて、フィールドデバイスの実際のコミッショニング状態(state)、状態(status)または状態(condition)は、フィールドデバイスのコミッショニング状態データに組み込まれ得る。本明細書に記載されるシステム及び方法は、フィールドデバイスに関連付けられたコミッショニング状態データを取得し、そのコミッショニング状態データを定義されたコミッショニングパラメータのセットと比較して、(i)存在する場合、どのフィールドデバイスが定義されたパラメータに従ってコミッショニングされていないか、及び(ii)判定されたフィールドデバイスが定義されたパラメータからどれくらい逸脱しているか、を判定する。
【0022】
システム及び方法は、判定されたフィールドデバイス及びそれらが定義されたパラメータからどれくらい逸脱しているかを指示し得るインターフェースのセットをさらに生成し得る。プロセスプラントに関連付けられたユーザまたは管理者は、インターフェースのセットにアクセスして、情報をレビューし、選択を行い、かつ特定の機能を開始し得る。特に、ユーザまたは管理者は、定義されたパラメータ(複数可)を修正することを選択し得、フィールドデバイスを再構成または再コミッショニングしてそれぞれの定義されたパラメータ(複数可)に一致させることを選択してよく、かつ/または他の機能を開始し得る。一般に、「プロセス制御デバイス」、「制御デバイス」または「フィールドデバイス」は、制御デバイス、安全デバイス、監視デバイス等を含む、それらに関連付けられた機能を開始、実装及び/または管理するように構成され得る、プラント環境内の任意のデバイ
スであってよい。
【0023】
したがって、本システム及び方法は、多数の利益をもたらす。特に、システム及び方法は、プロセス制御システムと効果的かつ効率的に統合されて、適切にコミッショニングされていないフィールドデバイスを識別し、コミッショニングの相違を詳細に示すインターフェースのセットを表示させる。したがって、プロセスプラントの管理者は、どのフィールドデバイスが定義されたパラメータから逸脱しているかを効率的かつ効果的に測定し得る。システム及び方法はさらに、管理者に、フィールドデバイスのコミッショニングに関連する是正処置及び/または他の機能を開始することを可能にし得る。さらなる利点が想定されることを理解されたい。
【0024】
図1は、コミッショニングされたプロセスプラント、プロセス制御システムまたはプロセス制御環境5の一例のブロック図であり、その少なくとも一部は種々の技術に従ってコミッショニングされている。プロセスプラント5は、フィールドデバイスによって行われたプロセス測定値を指示する信号を受信し、この情報を処理して制御ルーチンを実装し、有線または無線プロセス制御通信リンクまたはネットワークを経由して他のフィールドデバイスに送信されて、プラント5内のプロセスの動作を制御する制御信号を生成し得る1つ以上のプロセスコントローラを含む。典型的には、少なくとも1つのフィールドデバイスが物理的機能を実行して(例えば、バルブの開放または閉鎖、温度の増加または減少等)、プロセスの動作を制御し、いくつかの種類のフィールドデバイスが、I/Oデバイスを用いることでコントローラと通信する。プロセスコントローラ、フィールドデバイス及びI/Oデバイスは、有線または無線であってよく、任意の数及び組み合わせの有線及び無線プロセスコントローラ、フィールドデバイス及びI/Oデバイスが、プロセスプラント環境またはシステム5内に含まれてよい。
【0025】
例えば、
図1は、プロセスコントローラ11を示し、このプロセスコントローラは、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して、有線フィールドデバイス15~22と通信可能に接続され、無線ゲートウェイ35及びプロセス制御データハイウェイまたはバックボーン10(1つ以上の有線及び/または無線通信リンクを含んでもよく、例えばEthernetプロトコル等の、任意の所望の、または好適な、または通信プロトコルを使用して実装され得る)を介して、無線フィールドデバイス40~46と通信可能に接続される。ある実施形態において、コントローラ11は、1つ以上の通信プロトコル、例えば、Wi-Fiまたは他のIEEE 802.11に準拠する無線ローカルエリアネットワークプロトコル、移動体通信プロトコル(例えば、WiMAX、LTE、もしくは他のITU-R対応プロトコル)、Bluetooth(登録商標)、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、Profibus、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus等をサポートする、任意の数の他の有線または無線通信リンクの使用等によって、バックボーン10以外の1つ以上の通信ネットワークを使用して無線ゲートウェイ35と通信可能に接続される。
【0026】
コントローラ11は、例として、Emerson Process Managementによって販売されている、DeltaV(
商標)コントローラであり得るが、フィールドデバイス15~22及び40~46のうちの少なくともいくつかを使用して、バッチプロセスまたは連続プロセスを実装するように動作してよい。ある実施形態においては、プロセス制御データハイウェイ10に対して通信可能に接続されるのに加えて、コントローラ11はまた、例えば標準的な4~20mAデバイス、I/Oカード26、28、及び/またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の任意のスマート通信プロトコルと関連付けられた、任意の所望のハードウェア及びソフトウェアを使用して、フィールドデバイス15~22及び40~46のうちの少なくともいくつかとも
通信可能に接続される。
図1において、コントローラ11、フィールドデバイス15~22及びI/Oカード26、28は、有線デバイスであり、フィールドデバイス40~46は、無線フィールドデバイスである。当然ながら、有線フィールドデバイス15~22及び無線フィールドデバイス40~46は、任意の他の所望の規格(複数可)またはプロトコル、例えば今後開発される任意の規格またはプロトコルを含む任意の有線または無線プロトコルに適合することができる。
【0027】
図1のプロセスコントローラ11は、1つ以上のプロセス制御ルーチン38(例えば、メモリ32内に記憶されている)を実装または監督するプロセッサ30を含む。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~22及び40~46、ならびにコントローラ11と通信可能に接続されている他のプロセス制御デバイスと通信するように構成される。本明細書に記載される任意の制御ルーチンまたはモジュールは、そのように所望される場合は、その一部を異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装または実行させてもよいことに留意されたい。同様に、プロセス制御システム5内で実装される本明細書に記載の制御ルーチンまたはモジュール38は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等を含む任意の形態を取ってよい。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダー論理、シーケンシャルファンクションチャート、ファンクションロックダイアグラム、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムを使用したもの等の任意の所望のソフトウェアフォーマットにおいて実装されてもよい。制御ルーチン38は、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読み取り専用メモリ(ROM)等の任意の所望の種類のメモリ32に記憶され得る。同様に、制御ルーチン38は、例えば1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードされてもよい。したがって、コントローラ11は、任意の所望の様式で制御ストラテジまたは制御ルーチンを実装するように構成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、コントローラ11は、一般的に機能ブロックと呼ばれるものを使用して制御ストラテジを実装し、各機能ブロックは、全体的な制御ルーチンのオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他のファンクションブロックと共に動作して、プロセス制御システム5内でプロセス制御ループを実装する。制御ベースのファンクションブロックは、典型的には、トランスミッタ、センサまたは他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連付けられた入力機能、PID、ファジー論理等の制御を行う制御ルーチンに関連付けられた制御機能、またはバルブ等のいくつかのデバイスの動作を、プロセス制御システム5内のいくつかの物理的機能を実行するように制御する出力機能のうちの1つを実行する。無論、ハイブリッド及び他の種類の機能ブロックが存在する。機能ブロックはコントローラ11内に記憶され、それによって実行されてもよく、これは典型的には、これらの機能ブロックが標準的な4~20mAデバイス及びHART(登録商標)デバイス等のいくつかの種類のスマートフィールドデバイス用に使用されるかあるいはそれと関連するときに成り立ち、あるいは機能ブロックは、フィールドデバイスそのものの内部に記憶され、それによって実装されてもよく、これはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusデバイスの場合に成り立ち得る。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装し得、機能ブロックのうちの1つ以上を実行することで実行され得る、1つ以上の制御ルーチン38を含んでもよい。
【0029】
有線フィールドデバイス15~22は、センサ、バルブ、トランスミッタ、ポジショナ等の任意の種類のデバイスであってよく、一方でI/Oカード26及び28は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに適合する任意のタイプのI/Oデバイスであってもよい。
図1では、フィールドデバイス15~18は、アナログ回線またはアナログデジタル結合回線を通じてI/Oカード26(本明細書では「非スマート」または「ダム」
デバイスとも呼ばれる)と通信する、標準的な4~20mAデバイスまたはHART(登録商標)デバイスであり、一方で、フィールドデバイス19~22は、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus通信プロトコルを使用して、デジタルバスを通じてI/Oカード28と通信する、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイス等のスマートデバイスである。しかし、いくつかの実施形態では、有線フィールドデバイス15、16及び18~21のうちの少なくともいくつかならびに/またはI/Oカード26、28のうちの少なくともいくつかは、加えてまたは代わりに、プロセス制御データハイウェイ10を使用して、及び/または他の好適な制御システムプロトコル(例えば、プロフィスバス、DeviceNet、Foundation Fieldbus、ControlNet、Modbus、HART等)を使用することによって、コントローラ11と通信し得る。
【0030】
図1では、無線フィールドデバイス40~46は、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の無線プロトコルを使用して、無線プロセス制御通信ネットワーク70を介して通信する。そのような無線フィールドデバイス40~46は、(例えば、無線プロトコルまたは別の無線プロトコルを使用して)無線通信するようにも構成される無線ネットワーク70の1つ以上の他のデバイスまたはノードと直接通信し得る。無線で通信するようには構成されていない1つ以上の他のノードと通信するために、無線フィールドデバイス40~46は、プロセス制御データハイウェイ10または別のプロセス制御通信ネットワークに接続される無線ゲートウェイ35を利用してよい。無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の種々の無線デバイス40~58へのアクセスを提供する。特に、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40~58、有線デバイス11~28、及び/またはプロセス制御プラント5の他のノードまたはデバイス間の通信可能な結合を提供する。例えば、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御データハイウェイ10を使用することによって、及び/またはプロセスプラント5の1つ以上の他の通信ネットワークを使用することによって、通信可能な結合を提供する。
【0031】
有線フィールドデバイス15~22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46は、プロセスプラント5内で、物理的制御機能、例えば、バルブの開放もしくは閉鎖、またはプロセスパラメータの測定値の取得を実行する。しかしながら、無線フィールドデバイス40~46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成されている。このように、無線フィールドデバイス40~46、無線ゲートウェイ35、及び無線ネットワーク70の他の無線ノード52~58は、無線通信パケットの生産者でありコンシューマである。
【0032】
プロセスプラント5のいくつかの構成では、無線ネットワーク70は、非無線デバイスを含む。例えば、
図1では、
図1のフィールドデバイス48は、従来の4-20mAデバイスであり、フィールドデバイス50は、有線HART(登録商標)デバイスである。ネットワーク70内で通信するために、フィールドデバイス48及び50は、無線アダプタ52a、52bを介して無線通信ネットワーク70に接続される。無線アダプタ52a、52bは、WirelessHART等の無線プロトコルをサポートし、かつFoundation(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNet等の1つ以上の他の通信プロトコルもサポートし得る。加えて、いくつかの構成では、無線ネットワーク70は、無線ゲートウェイ35と有線通信する独立した物理デバイスであり得るか、または一体型デバイスとして無線ゲートウェイ35内に提供され得る、1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含む。また、無線ネットワーク70はまた、無線通信ネットワーク70内の1つの無線デバイスから別の無線デバイスにパケットを転送するための1つ以上のルータ58を含み得る。
図1では、無線デバイス40~46及び52~58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60を経由して、及び/またはプロセス制御データハイウェイ10を介して、互いに、及び無線ゲートウェイ35と通
信する。
【0033】
図1では、プロセス制御システム5は、データハイウェイに通信可能に接続された1つまたはオペレータのワークステーション71を含む。オペレータワークステーション71を介して、オペレータは、プロセスプラント5のリアルタイム動作の閲覧及び監視に加えて、必要であり得る任意の診断、是正、保守、及び/または他の処置を取り得る。オペレータワークステーション71のうちの少なくともいくつかは、プラント5内またはその近くのさまざまな防護領域内に位置付けられてよく、いくつかの状況では、オペレータワークステーション71のうちの少なくともいくつかは、遠隔に位置付けられるが、それにもかかわらずプラント5と通信可能に接続されてよい。オペレータワークステーション71は、有線または無線コンピューティングデバイスであり得る。
【0034】
プロセス制御システム5は、本明細書で説明される特定の機能を容易にするように構成された資産管理システム68を含む。資産管理システム68は、プロセスコントローラ11及び/または無線ゲートウェイ35等を介して、フィールドデバイス15~22及び40~46の一部または全部と交信かつ通信し得る。実施形態によれば、資産管理システム68は、フィールドデバイス15~22及び40~46に関連付けられたコミッショニングデータを、フィールドデバイス15~22及び40~46から要求及び検索し得る。
【0035】
資産管理システム68は、概して、1つ以上のワークステーション(オペレータワークステーション(複数可)71等)上で実行される、ユーザによるプロセス制御システム5のフィールドデバイス15~22及び40~46に関連付けられたコミッショニングデータのレビューを可能にする、1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含んでよい。このような相互作用は、診断、保守、構成、評価等を含み得る。ワークステーション(複数可)は、ローカルに実行される1つ以上の資産管理システムアプリケーションを有し得るが、ユーザは、データ通信ネットワークを介して資産管理システム68と遠隔で交信し得る。したがって、ワークステーション(複数可)に位置付けられているユーザは、ユーザの物理的位置にかかわらず、プロセス制御システム5に関連する種々の機能を容易にするために、資産管理システム68と相互作用し得る。
【0036】
例示的なプロセス制御システム5は、構成アプリケーション72a及び構成データベース72bを含むものとしてさらに示され、それら各々は、データハイウェイ10にも通信可能に接続される。構成アプリケーション72aの種々のインスタンスは、ユーザによるプロセス制御モジュールの作成または変更、及びこれらのモジュールを、データハイウェイ10を介して、コントローラ11へのダウンロードを可能にするため、ならびにオペレータがプロセス制御ルーチン内でデータを閲覧し、データ設定を変更することができることを介して、ユーザによるオペレータインターフェースの作成または変更を可能にするために、1つ以上のコンピューティングデバイス(図示せず)を実行してよい。構成データベース72bは、作成された(例えば、構成された)モジュール及び/またはオペレータインターフェースを記憶する。加えて、構成データベース72bは、フィールドデバイス15~22、40~46のうちのいずれかに関連付けられた定義されたまたはベースラインのコミッショニングパラメータのセットを記憶する。概して、構成アプリケーション72a及び構成データベース72bは、構成アプリケーション72aのうちの複数のインスタンスが、プロセス制御システム5内で同時に実行され得るにもかかわらず、集中化され、プロセス制御システム5に対して単一の論理的外観を有してよく、構成データベース72bは、複数のデータ記憶デバイスにまたがって実装され得る。したがって、構成アプリケーション72a、構成データベース72b、及びそれに対するユーザインターフェース(図示せず)は、制御及び/または表示モジュール用の構成または開発システム72を含む。典型的には、構成システム72のユーザインターフェースは、プラント5がリアルタイムで動作しているかどうかにかかわらず、構成及び開発エンジニアによって利用される
ので、構成システム72のユーザインターフェースは、オペレータワークステーション71とは異なるが、必ずしもそうである必要はないオペレータワークステーション71は、プロセスプラント5のリアルタイム動作中にオペレータによって利用される。
【0037】
また、例示のプロセス制御システム5は、データ履歴アプリケーション73a及びデータ履歴データベース73bを含み、それら各々がまた、データハイウェイ10に通信可能に接続される。データ履歴アプリケーション73aは、データハイウェイ10をわたって提供されたデータのいくつかまたはすべてを収集し、長期にわたる記憶のために、データを履歴化するか、または履歴データベース73b内に記憶するように動作する。構成アプリケーション72a及び構成データベース72bと同様に、データ履歴アプリケーション73a及び履歴データベース73bは、データ履歴アプリケーション73aのうちの複数のインスタンスが、プロセス制御システム5内で同時に実行され得るにも関わらず、集中化され、プロセス制御システム5に対して単一の論理的外観を有してよく、データ履歴73bは、複数の物理的データ記憶デバイスにまたがって実装されてよい。
【0038】
いくつかの構成では、プロセス制御システム5は、他の無線プロトコル、例えばWi-Fiまたは他のIEEE802.11準拠の無線ローカルエリアネットワークプロトコル、モバイル通信プロトコル、例えばWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)または他のITU-R(国際電気通信連合無線通信部門(International Telecommunication Union Radio Communication Sector))互換性プロトコル、短波無線通信、例えば近距離無線通信(NFC)及びBluetooth、または他の無線通信プロトコルを使用して、他のデバイスと通信する1つ以上の他の無線アクセスポイント74を含む。典型的には、そのような無線アクセスポイント74は、無線ネットワーク70とは異なり、かつ無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルをサポートする、それぞれの無線プロセス制御通信ネットワークを経由して、手持ち式または他の携帯用コンピューティングデバイス(例えば、ユーザインターフェースデバイス75)による通信を可能にする。例えば、無線または携帯用ユーザインターフェースデバイス75は、プロセスプラント5内のオペレータ(例えば、オペレータワークステーション71のうちの1つのインスタンス)によって利用される、モバイルワークステーションまたは診断試験機器であってよい。いくつかのシナリオでは、携帯用コンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、I/Oデバイス26、28または無線デバイス35、40~58)もまた、アクセスポイント74によってサポートされる無線プロトコルを使用して通信する。
【0039】
例示的なプロセス制御システム5はまた、プロセスプラント5のプロセス制御デバイスをコミッショニングするためにフィールド環境122で使用される1つ以上のコミッショニングツール135a、135bを含み得る。コミッショニングツール135a、135bの例は、Emerson Process Managementによって販売されているAMS Trex(商標)デバイスコミュニケータである。実施形態では、コミッショニングツール135a、135bは、資産管理システム68とデータを自動的に同期させ得る。コミッショニングツール135a、135bは、ラップトップコンピュータ、タブレットまたは手持ち式スマートデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス等の携帯用コンピューティングデバイスであってよい。コミッショニングツール135aは、非スマートフィールドデバイス15~18、スマートフィールドデバイス19~22及び/またはプロセスプラント5のフィールド環境122に配設された他のデバイスをコミッショニングするために使用され得る。非スマートフィールドデバイス15~18をコミッショニングするために、コミッショニングツール135aは、I/Oカード26または非スマートフィールドデバイス15~18に接続された任意の他の適切な構成要素を介し
て、無線リンク76aを経由して(例えば、RFID、NFC等を介して)通信し得る。このようにして、コミッショニングツール135aは、非スマートフィールドデバイス15~18のコミッショニングデータ(例えば、デバイスタグ)を対応するI/Oカード26またはI/Oカード26に電気的に接続された電子マーシャリング構成要素に転送し得る(より詳細に後述するように)。スマートフィールドデバイス19~22をコミッショニングするために、コミッショニングツール135bは、スマートフィールドデバイス19~22と直接的に無線リンク76bを経由して通信し得る。このようにして、コミッショニングツール135bは、コミッショニングデータ(例えば、デバイスタグ)をスマートフィールドデバイス19~22に直接転送し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、プロセス制御デバイスは、例えば工場にある間に予め構成されていてもよく、そのように、設置またはコミッショニングされる前にデフォルトのコミッショニングデータが記憶される。他の実施形態では、プロセス制御デバイスは、その中に記憶されたいかなるコミッショニングデータもなしで工場から到着し得る。例えば、I/Oデバイスが非スマートフィールドデバイスに通信可能に接続されている場合、I/Oデバイスは、コミッショニングツール135がコミッショニングデータをI/Oデバイスに転送するまで、非スマートフィールドデバイスのためのコミッショニングデータを記憶しない。
【0041】
図1は有限数のフィールドデバイス15~22及び40~46、無線ゲートウェイ35、無線アダプタ52、アクセスポイント55、ルータ58、ならびに例示のプロセスプラント5内に含まれるプロセス制御通信ネットワーク70と共に単一の無線コントローラ11を示すのみであるが、これは例示的かつ非限定的実施形態であるに過ぎないことが留意される。任意の数のコントローラ11がプロセス制御プラントまたはシステム5内に含まれてもよく、コントローラ11のうちのいずれが、任意の数の有線または無線デバイス及びネットワーク15~22、40~46、35、52、55、58、及び70と通信して、プラント5内でのプロセスを制御してもよい。
【0042】
さらに、
図1のプロセスプラントまたは制御システム5は、フィールド環境122(例えば、「プロセスプラントフロア122」)と、データハイウェイ10によって通信可能に接続されるバックエンド環境125とを含むことが留意される。
図1に示されるように、フィールド環境122は、その中に配設、設置及び相互接続され、稼働中にプロセスを制御するように動作する物理的構成要素(例えば、プロセス制御デバイス、ネットワーク、ネットワーク要素等)を含む。例えば、コントローラ11、I/Oカード26、28、フィールドデバイス15~22、及び他のデバイス及びネットワーク構成要素40~46、35、52、55、58及び70は、位置付けられるか、配設されるか、さもなければプロセスプラント5のフィールド環境122に含まれる。概して言えば、プロセスプラント5のフィールド環境122においては、その中に配設された物理的構成要素を使用して原料が受け取られて処理され、1つ以上の製品を生成する。
【0043】
プロセスプラント5のバックエンド環境125は、過酷な状況及びフィールド環境122の材料から遮蔽され及び/または保護されたコンピューティングデバイス、オペレータワークステーション、データベースまたはデータバンク等の種々の構成要素を含む。
図1を参照すると、バックエンド環境125は、例えばオペレータワークステーション71、モジュール及び他の実行可能モジュールを制御するための構成または開発システム72、データ履歴システム73、及び/またはプロセスプラント5のランタイム動作をサポートする他の集中管理システム、コンピューティングデバイス、及び/または機能性を含む。いくつかの構成では、プロセスプラント5のバックエンド環境125に含まれる種々のコンピューティングデバイス、データベース、及び他の構成要素及び器機は、異なる物理的位置に物理的に位置付けられ得、そのうちのいくつかは、プロセスプラント5に対してロ
ーカルであってもよく、そのうちいくつかはリモートであってもよい。
【0044】
本明細書で説明されるように、構成データベース(複数可)72bは、プロセスプラント5のバックエンド環境125に配設され、コミッショニングの目的で使用されてよい。構成データベース(複数可)72bは、とりわけ、プロセスプラントフロアまたはフィールド環境122において実装されるように計画されているか、または実装が望まれる種々のデバイスまたは構成要素及びそれらの相互接続を特に識別及び/またはアドレス指定するデータ及び他の情報を記憶し得る。このコミッショニングデータのいくつかは、その中のデバイス及びループのコミッショニングに使用するために、フィールド環境122内の構成要素に提供されてよく、このデータのいくつかは、バックエンド環境125において、例えばプロセスプラント5の稼働中にフィールド環境122と連携して動作する設計、開発及び制御モジュール及び/またはオペレータインターフェースモジュールの準備のために利用され得る。
【0045】
図2は、プロセスプラントのコミッショニングに関連するデータ及びパラメータを取得、記憶及び分析するように特に構成された例示的なデバイス212(本明細書ではシステムまたは装置212とも呼ばれる)の簡略ブロック図を示す。いくつかの状況では、デバイス212は、フィールドデバイス及び他のプロセス要素をコミッショニングするために利用され得る。デバイス212は、いくつか例を挙げると、コンピュータまたはコンピューティングデバイスであってよく、または、デバイス212は、本開示の技術、方法、及びシステムをサポートするように特に構成されている別のシステム、装置またはデバイスであってよく、これらに限られないが、携帯電話、スマートフォン、タブレットまたは他の無線デバイス、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレーヤ、アプライアンスを含む。デバイス212は、
図1に関して説明されたように、プロセスプラント5の構成要素(例えば、オペレータワークステーション(複数可)71、構成アプリケーション(複数可)72a、ユーザインターフェースデバイス75等)の1つ以上に組み込まれ得る。しかしながら、説明を容易にするためであって限定するためではなく、本明細書ではデバイス212はコンピューティングデバイス212と呼ばれる。
【0046】
例示的なコンピューティングデバイス212は、コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサ215、コンピュータ実行可能命令に関連するデータを永久に記憶するためのプログラムメモリ218、コンピュータ実行可能命令に関連するデータを一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)220及び入出力(I/O)回路222を含み、これらはすべて、アドレス/データバス225を介して相互接続され得る。いくつかの構成では、プロセッサ215は、共処理能力(例えば、量子、セル、化学、フォトニック、バイオケミカル、生物処理技術及び/または他の適切な共処理技術)を有するマルチコアプロセッサまたはプロセッサである。いくつかの構成では、メモリ218及び/またはRAM220は、ソリッドステートドライブメモリ、フラッシュメモリ、半導体メモリ、光学メモリ、分子メモリ、生物学的メモリまたは任意の他の適切な高密度メモリ技術等の高密度メモリ技術を使用して実装される。例示的な構成では、コンピューティングデバイス212は、マルチコアプロセッサ及び/または高密度メモリ技術を含む。
【0047】
図2には1つのプロセッサ215しか示されていないが、コンピューティングデバイス212は、複数のプロセッサ215を含み得ることが理解されるべきである。同様に、コンピューティングデバイス212のメモリは、複数のRAM(ランダムアクセスメモリ)220及び/または複数のプログラムメモリ218を含み得る。RAM220(複数可)及び/またはプログラムメモリ218は、例えば、1つ以上の半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気的に読み取り可能なメモリ、光学的に読み取り可能なメモリ、生物学的メモリ及び/または他の有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実装され得る。加えて、I/O回路222は単一のブロックとして示されているが、I/O回路
222はいくつかの異なる種類のI/O回路を含み得ることが理解されるべきである。例えば、第1のI/O回路は、デバイス212の表示デバイス228に対応してよく、第1または第2のI/O回路は、デバイス212のユーザインターフェース230に対応してよい。ユーザインターフェース230は、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、音声起動デバイス及び/または任意の他の既知のユーザインターフェースデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス228及びユーザインターフェース230は、単一の物理的デバイス、例えばタッチスクリーンに共同で組み込まれてよい。加えてまたは代わりに、ディスプレイデバイス228及び/またはユーザインターフェース230は、コンピューティングデバイス212とは別々のデバイスに組み込まれてよい。例えば、コンピューティングデバイス212は、オペレータワークステーション71内に実装されてよく、ディスプレイデバイス228及び/またはユーザインターフェース230は、ユーザインターフェースデバイス75内に実装されてよい。
【0048】
コンピューティングデバイス212は、1つ以上のネットワークまたは通信インターフェース232を含み、1つ以上のそれぞれの通信またはデータネットワークへの1つ以上のそれぞれのリンク235を介してアクセスされる。通信インターフェース232は、1つ以上のプロセス制御に特有の通信及び/またはデータネットワークへのインターフェース、例えば、Fieldbus、Profibus、HART、4-20mAループ、WirelessHART、プロセス制御ビッグデータ等を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス212は、プロセス制御ビッグデータネットワークへのインターフェースを含む。加えてにまたは代わりに、通信インターフェース232は、汎用通信及び/またはデータネットワーク、例えば、Ethernet、NFC、RFID、Wi-Fi等に対する1つまたは複数のインターフェースを含み得る。通信またはデータネットワークへのリンク235は、メモリアクセス機能であってよく、かつ/またはリンク235は、有線、無線または多段接続であってよい。多くのタイプのインターフェース232及びリンク235は、ネットワーキングの分野で知られており、コンピューティングデバイス212と共に使用され得る。
【0049】
コンピューティングデバイス212は、その上に記憶された特定のコンピュータ実行可能命令240の1つ以上のセットを含み、そのように、コンピューティングデバイス212は、その上に記憶された特定の1つ以上の命令240のセットの少なくとも一部によって特に構成されている。本明細書で使用される場合、用語「コンピュータ実行可能命令(computer-executable instructions)」、「コンピュータ実行可能命令(computer executable instructions)」及び「命令」は互換的に使用される。
図2に示されるように、命令240は、メモリ218に記憶され、プロセッサ215によって実行可能であり、本明細書で説明される方法及び/または技術の任意の一部または全部を実行する。1つ以上の命令240のセットは、1つ以上のエンジン、ルーチン、アプリケーションまたはプログラムを含み得る。アプリケーション248のセットは、1つ以上の命令240のセットの一部として含まれ得る。いくつかの実施形態では、アプリケーション248のセットは、資産管理システム68に関連付けられてよく、本明細書でさらに説明されるように、フィールドデバイスのコミッショニングデータを取得及び分析し、コミッショニングデータデータを記憶されたパラメータと比較し、ディスプレイデバイス228及び/またはユーザインターフェース230を介して提示する情報を判定するように構成されたコミッショニング分析アプリケーション252を含み得る。アプリケーション248のセットは、他のアプリケーション254のセットを含み得る。
【0050】
もちろん、
図2には示されていないが、コンピューティングデバイス212は、加えてまたは代わりに、他の命令240のセット及び/または他の要素または構成要素を含み得る。
【0051】
図3は、プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスすること及び分析することに関連付けられた信号
図300を描画する。信号
図300は、プロセス制御デバイス310のセット、データベースまたはメモリ312、コンピュータプロセッサ314及びディスプレイデバイスまたはユーザインターフェース316を含む。一実装形態では、メモリ312、プロセッサ314及びユーザインターフェース316のうちの1つ以上は、単一の電子デバイス318に組み込まれよく、または別個のデバイスまたは構成要素内に組み込まれた別々の構成要素であってよい。プロセス制御デバイス310のセット、メモリ312、プロセッサ314及びユーザインターフェース316は、本明細書で説明されるように、種々の有線または無線インターフェースを介して互いに通信し得る。
【0052】
電子デバイス318は、
図1に関して説明されたようなオペレータワークステーション(複数可)71のうちの1つ等のワークステーションであってよく、ワークステーションは、
図1に関して説明されたような、資産管理システム68に関連付けられたソフトウェアアプリケーション(複数可)をサポート及び実行してよく、ソフトウェアアプリケーション(複数可)は、ユーザインターフェース316によって表示され得るインターフェースのセットを関連付けている。
【0053】
信号
図300は、プロセッサ314が任意選択的にユーザインターフェース316から、プロセス制御デバイス310のセットのうちの少なくとも1つに関連付けられたデータをコミッショニングするための要求を受信する(320)ときに開始し得る。実施形態では、ユーザインターフェース316のユーザは、要求を開始してよく、プロセス制御デバイス310のセット及びそれに関連する情報を指示するディスプレイを介して、プロセス制御デバイス310のセットのうちの少なくとも1つを選択してよい。例えば、ユーザは、プロセスプラント内のボイラに関連付けられたプロセス制御デバイスのセットのコミッショニングデータを要求し得る。
【0054】
プロセッサ314は、任意選択的に特定されたプロセス制御デバイス(複数可)310に、データをコミッショニングするための要求を送信し得る(322)。要求は、(320)で受信した要求に対応してよく、または別々の要求であってよく、要求が少なくとも1つ(または全て)のプロセス制御デバイス(複数可)310を特定し得る。概して、要求は、例えば、デバイス情報、デバイス健全性、構成データ、接続性状態、コミッショニング状態及び/またはその他のもの等のコミッショニングデータの1つ以上の部分を指示し得る。特定の実施形態では、プロセッサ314は、自動的に、例えば定期的な間隔(例えば、1回/分、1回/時間等)で、またはトリガ(例えば、ユーザからの要求、更新されたコミッショニングデータの存在等)に応答して、要求を送信し得る。
【0055】
プロセス制御デバイス(複数可)310は、コミッショニングデータをプロセッサ314に送信し得る(324)。コミッショニングデータは、(322)で受信された要求に対応してもよく、またはプロセス制御デバイス(複数可)310は、自動的に、例えば、定期的な間隔(例えば、1回/分、1回/1時間等)で、またはトリガに応答して(例えば、データの変更、更新されたコミッショニングデータの存在等により)、コミッショニングデータを送信し得る。コミッショニングデータは、例えば、デバイス情報、デバイス健全性、構成データ、接続性状態、コミッショニング状態及び/またはその他のものを含み得る。
【0056】
プロセッサ314は、任意選択的に、コミッショニングデータを検査して(325)、コミッショニングデータに含まれるデータの種類を識別し得る。特に、コミッショニングデータは、例えば、デバイス情報、構成データ、接続性状態、コミッショニング状態及び
/または他のもの等の1つ以上の部分を含み得る。プロセッサ314は、コミッショニングデータのために定義されたパラメータを検索し得る(326)。特に、プロセッサ314は、コミッショニングデータに含まれるデータの種類に従って、定義されたパラメータ(複数可)を検索し得る。例えば、コミッショニングデータがボイラに関連付けられたバルブのタイミング設定を含む場合、プロセッサ314は、バルブのタイミング設定に対応するパラメータを検索し得る。実施形態によれば、定義されたパラメータは、プロセス制御デバイス(複数可)310の所望のコミッショニング状態を表現し得る。概して、メモリ312は、プロセス制御システムに関連付けられた管理者またはユーザが、定義されたパラメータを入力、修正、更新、またはそれに追加することができる、定義されたパラメータを維持し得る。
【0057】
定義されたパラメータを受信した後、プロセッサ314は、コミッショニングデータと定義されたパラメータとの間の差異のセットを判定する(330)。例えば、定義されたパラメータは、ある特定のバルブが午前8時~午後5時の間にアクティブな接続を有していることを特定し得、コミッショニングデータが午前10時に、特定のバルブがアクティブな接続を有していないことを指示し得る。したがって、この差異は接続状態のこの相違を指示し得る。さらなる例として、定義されたパラメータは、対応する流量が5.0cc/分を超えるときに流量センサがアラームをトリガすることを特定し得、コミッショニングデータは、流量センサが対応する流量10.0cc/分を超えるときにアラームをトリガするように構成されていることを指示してよい。したがって、この差異はこの流量値の相違を指示し得る。
【0058】
プロセッサ314は、差異(複数可)の指示をユーザインターフェース316に送信し得る(332)。特に、プロセッサ314は、(330)で判定された差異(複数可)を指示する視覚的レイアウト、インターフェース、グラフィック等を生成してよく、視覚的レイアウトは、ユーザインターフェース316による表示のために構成されてよい。したがって、ユーザインターフェース316は、差異(複数可)を提示し得る(334)。したがって、ユーザは、ユーザインターフェース316にアクセスして、その差異(複数可)をレビューし、差異(複数可)に対処するために何らかのアクションが必要であるかどうかを評価し得る。実施形態によれば、ユーザインターフェース316は、差異を提示する際に、種々のテキストの、視覚的及び/またはグラフィックのコンテンツを含み得る、種々のインターフェース、グラフィック、配置等を使用してよい。これらの視覚的インターフェースの種々のものが、
図4A~
図4Jに関して説明される。
【0059】
ユーザインターフェース316は、例えば、マウスまたはキーボード等の周辺デバイスから検出されたタッチスクリーン入力または入力を介して、ユーザとの相互作用をサポートし得る。特に、ユーザインターフェース316は、特定のプロセス制御デバイス、分類、統合及び/または他の修正または相互作用等による検索を可能にし得る。実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース316に表示されない情報等の、プロセス制御デバイス(複数可)310に関連付けられた追加情報をレビューすることを選択してよい。したがって、ユーザインターフェース316は、より多くの情報が要求されたかどうかを検出してよい(336)。ユーザインターフェース316が、より多くの情報が要求されたことを検出しない場合(「NO」)、処理は終了するか、繰り返すか、または他の機能に進んでよい。
【0060】
ユーザインターフェース316が、より多くの情報が要求されたことを検出した場合(「YES」)、ユーザインターフェース316は、プロセッサ314から追加情報を検索してよい(338)。いくつかの実施形態では、プロセッサ314は、メモリ312からまたは適切なプロセス制御デバイス(複数可)310から追加情報を検索し得る。例えば、追加情報は、圧力センサによって検出される測定値のセットを含み得る。追加情報を検
索した後、ユーザインターフェース316は、ユーザによるアクセス及びレビューのために、追加情報を提示し得る(340)。
【0061】
図4A~
図4Jは、システム及び方法に関連付けられた例示的なインターフェースを示す。本明細書で説明されるような電子デバイスまたはコンピューティングデバイスのいずれか(例えば、オペレータワークステーション(複数可)71のワークステーション)等の電子デバイスは、ユーザインターフェースにインターフェースを表示し、かつ/またはユーザインターフェースを介して選択及び入力を受信するように構成され得る。さらに、インターフェースは、
図1に関して説明されたように、資産管理システム68に関連付けられたソフトウェアアプリケーション(複数可)に関連付けられ得る。概して、インターフェースは、プロセスプラント内のプロセス制御デバイス(複数可)のコミッショニング状態に関連付けられたデータ及びコンテンツを含み得る。電子デバイス上で動作するように構成されている1つ以上の専用アプリケーションは、インターフェースを表示し得、個人は、アプリケーション(複数可)にアクセスするための適切な資格情報を有し得る。
【0062】
電子デバイスは、
図3に関して説明されたように、例えばプロセス制御デバイス(複数可)310、メモリ312、及び/またはプロセッサ314等の1つ以上の構成要素から、インターフェースに含まれるコンテンツを受信し得る。インターフェースは単なる例であり、代わりのまたは追加のコンテンツが想定されていることが理解されるべきである。
【0063】
図4Aは、アプリケーションのホームまたは起動画面を表現し得るインターフェース400を示す。インターフェース400は、選択可能な部分またはセクション、すなわち、プロセスプラント内で予定され、完了されるか、または処理中の最新のコミッショニングプロジェクトを指示し得るプロジェクトセクション401と、プロセス制御デバイスの監視状態(例えば、応答しない、悪い、劣化した、不明)を指示し得る監視セクション402と、プロセス制御デバイスの較正予定状態(例えば、遅延、現在、間近、後で)を指示し得る較正セクション403と、プロセス制御デバイスの構成状態(例えば、一致しない、ベースライン化されていない、使用できない、その他)を指示し得る構成セクション404と、を含み得る。
【0064】
図4Bは、
図4Aの構成セクション404の選択を検出した後に電子デバイスが表示し得るインターフェース405を示す。インターフェース405は、プロセス制御デバイスの構成と、それがベースラインまたは定義されたパラメータとどのように比較されるかを描画する情報及びコンテンツのセットを含む。例えば、インターフェース405は、25台のプロセス制御デバイスが「不一致」(すなわち、対応する定義されたパラメータと一致しない構成を有する)であり、30台のプロセス制御デバイスが「ベースライン化されていない」(すなわち、対応する定義されたパラメータを有さない)であり、45台のプロセス制御デバイスが「利用できない」であり、800台のプロセス制御デバイスが「その他」として分類されることを指示するチャート406を含み得る。インターフェース405は、チャート406と同様の情報を描画するが、履歴折れ線グラフとして示すチャート407をさらに含み得る。個人は、インターフェース405内のコンテンツをレビューして、対応する定義されたパラメータとは不一致であるか、そうでなければベースライン化されていないか、または利用できないコミッショニングデータを有するデバイスの量及び割合を効果的かつ効率的に評価し得る。加えて、インターフェース405は、個人による描画された情報に関連付けられた追加情報のレビューを可能にする選択可能なコンテンツを含み得る。
【0065】
図4Cは、プロセス制御デバイス特有の情報を含むインターフェース410を示す。実施形態では、電子デバイスは、
図4Bのインターフェース405に描画されるように、「不一致」カテゴリのうちの1つの選択を検出した後にインターフェース410を表示し得
る。インターフェース410は、プロセス制御デバイスのリスト411と、コミッショニング状態の不一致に関連する情報とを含み得る。例えば、リスト411は、「デバイスグループ1」内に含まれ、定義されたパラメータと4時間の不一致があったデバイス「ABB MAG 50XM2000」を含む。個人は、インターフェース410をレビューして、プロセス制御デバイス(複数可)の状態を評価し、相違の修正を講じるための任意の是正措置を判定し得る。
【0066】
図4Dは、
図4Cのインターフェース410に描画されたプロセス制御デバイスのうちの1つ等の、選択されたプロセス制御デバイスに対応する情報を含み得るインターフェース415を示す。インターフェース415は、選択されたプロセス制御デバイスに関連付けられたコミッショニングデータを指示し得る情報セクション416を含み得る。実施形態では、情報セクション416は、プロセス制御デバイスのコミッショニング状態データが定義されたパラメータと一致しないことを指示し得、選択417を介して、個人によるコミッショニング状態データの及び/または定義されたパラメータのいずれかまたは全部等の追加情報へのアクセスを可能にし得る。したがって、個人は、プロセス制御デバイスの状態を評価し、相違の修正を講じるための任意の是正措置を判定するために、情報セクション416をレビューし得る。
【0067】
図4Eは、個人が
図4Dの選択417を選択した後に電子デバイスが表示し得る情報を含むインターフェース420を示す。インターフェース420は、プロセス制御デバイスにとって最新の既知の構成及びプロセス制御デバイスに割り当てられたベースライン構成を詳述するセクション421を含み、それにより個人による任意の差異の評価を可能にし得る。セクション421は、個人によって選択可能である選択のセット、すなわち、選択されると、電子デバイスに、プロセス制御デバイスのベースライン構成をプロセス制御デバイスの最新の既知の構成に設定することを促させ得る再ベースライン化選択422と、選択されると、電子デバイスに、ベースライン構成に一致するようにプロセス制御デバイスの構成に設定することを促し得る一致選択423と、選択されると、電子デバイスにセクション421を却下させ、かつ/または別のインターフェースを表示させ得る無視選択424と、を含み得る。
【0068】
図4Fは、選択されたプロセス制御デバイスに対応する情報を含み得るインターフェース425を示す。実施形態では、電子デバイスは、個人が
図4Eに描画するように再ベースライン化選択422または一致選択423のいずれかを選択した後にインターフェース425を表示し得る。
図4Fに描画するように、インターフェース425は、プロセス制御デバイスの最新の既知の構成がプロセス制御デバイスに対応するベースラインテンプレートと一致することを指示する(426)。
【0069】
図4Gは、
図4Aのプロジェクトセクション401の選択を検出した後に電子デバイスが表示し得るインターフェース430を示す。インターフェース430は、プロセスプラント内のコミッショニングプロジェクトの状態を描画する情報及びコンテンツのセットを含む(図示されているように、プロジェクトセクション401の「二重分離プロセスへの拡張」プロジェクト)。例えば、インターフェース430は、コミッショニングプロジェクトに関連付けられたプロセス制御デバイスの状態(例えば、タブ/位置、接続済み、デバイスチェック、システムチェック)を指示する種々のチャート及びグラフを含み得る。個人は、インターフェース430内のコンテンツをレビューして、コミッショニングプロジェクトの状態を効果的かつ効率的に評価し得る。加えて、インターフェース430は、個人による描画された情報に関連付けられた追加情報のレビューを可能にし得る選択可能なコンテンツを含み得る。
【0070】
図4Hは、プロセス制御デバイス特有の情報を含むインターフェース435を示す。実
施形態では、電子デバイスは、インターフェース430(または別のインターフェース)に含まれる選択を検出した後に、インターフェース435を表示し得る。インターフェース435は、「プロジェクトX」に特有のプロセス制御デバイスのリスト436と、プロセス制御デバイスに関連付けられた情報とを含む。例えば、リスト436は、「デバイスグループ1」内に含まれるデバイス「ABB MAG 50XM2000」を含む。個人は、インターフェース436をレビューして、プロセス制御デバイス(複数可)の状態を評価し、エラーを修正するための任意の是正措置を判定し得る。
【0071】
図4Iは、
図4Hのインターフェース435に描画されたプロセス制御デバイスのうちの1つ等の、選択されたプロセス制御デバイスに対応する情報を含み得るインターフェース440を示す。インターフェース440は、選択されたプロセス制御デバイスに関連付けられたコミッショニング状態情報を指示し得る情報セクション441を含み得る。したがって、個人は、情報セクション441をレビューして、プロセス制御デバイスのコミッショニング状態を評価し、エラーを修正するための任意の是正措置を判定し得る。
【0072】
図4Jは、コミッショニングプロジェクトの要約を含み得るインターフェース445を示す。特に、インターフェース445は、予定された、処理中の、及び/または完了したコミッショニングプロジェクト(
図4Aのプロジェクトセクション401に含まれるもの等)ならびにその状態(例えば、進行中、計画中、完了)を指示し得る。したがって、個人は、コミッショニングプロジェクトの状態を効率的かつ効果的に評価するためにインターフェース455をレビューし得る。
【0073】
図5は、プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットまたは単にデバイスに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスする例示的な方法500のブロック図を描画する。実施形態によれば、プロセス制御デバイスのセットの少なくともいくつかは、プロセスのセットを制御するために、プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続される。方法500は、1つ以上のプロセス制御デバイス、メモリ、ユーザインターフェース及び電子デバイスと通信し得るプロセッサまたはコントローラ(
図3に関して説明したプロセッサ314等)を有するコンピューティングデバイスによって容易にされ得る。
【0074】
方法500は、コンピューティングデバイスが、任意選択的に、ユーザインターフェースから、プロセス制御デバイスのセットに関連付けられたコミッショニング状態データの要求を受信する(ブロック505)ときに開始し得る。実施形態では、ユーザインターフェースは、コンピューティングデバイスの一部として、またはプロセスプラントに関連付けられた別の電子デバイスとして組み込まれてよい。
【0075】
コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれのプロセス制御デバイスのためのコミッショニング状態データを取得し得る(ブロック510)。実施形態では、コンピューティングデバイスは、ブロック505で要求を受信したことに応答してコミッショニング状態データを取得してよく、またはコミッショニング状態データを自動的にまたは別のトリガに応答して取得してよい。コミッショニング状態データを取得するために、コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々から直接(または間接的に)コミッショニング状態データを検索し得る。
【0076】
コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスし得る(ブロック515)。実施形態では、定義されたコミッショニングパラメータのセットはメモリに記憶されてよく、デフォルトパラメータであってよく、かつ/またはプロセスプラントに関連付けられた個人によって修正可能であってよい。概して、コミッショニング状態データは、そ
れぞれのプロセス制御デバイスの現在の構成を含んでよく、定義されたコミッショニングパラメータは、それぞれのプロセス制御デバイスの所望の構成を含んでよい。
【0077】
コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定し得る(ブロック520)。実施形態では、コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれの現在の構成とそれぞれの所望の構成との間の差異を判定し得る。加えてまたは代わりに、コンピューティングデバイスは、プロセス制御デバイスのセットのうちの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのそれぞれの一部に一致することと、プロセス制御デバイスのセットの残りの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのそれぞれの残りの一部と一致しないことと、を判定し得る。
【0078】
コンピューティングデバイスは、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットをユーザインターフェースに指示させ得る(ブロック525)。実施形態では、ユーザインターフェースは、コンピューティングデバイスの一部として、またはプロセスプラントに関連付けられた別の電子デバイスとして組み込まれてよい。ユーザインターフェースに差異のセットを指示させる際に、コンピューティングデバイスは、ユーザインターフェースに、定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致するプロセス制御デバイスのセットのうちの一部と、定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないプロセス制御デバイスのセットのうちの残りの一部と、を指示させる。ある実装形態では、コンピューティングデバイスは、ユーザインターフェースを介して、プロセス制御デバイスのセットのうちの1つの選択を受信してよく、したがって、ユーザインターフェースに、視覚的に特有の様式(例えば強調表示)で、プロセス制御デバイスのセットのうちの1つに関連付けられた差異を指示させる。
【0079】
コンピューティングデバイスは、任意選択的に、ユーザによるプロセス制御デバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にする(ブロック530)。実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェースを介して更新を入力し得る。したがって、コンピューティングデバイスは、その後のアクセスのために、コミッショニング状態データに対する更新を記憶させ得る。
【0080】
図6は、プロセスプラント内のプロセス制御デバイスのセットまたは単にデバイスに関連付けられたコミッショニングデータを提示する例示的な方法600のブロック図を描画する。実施形態によれば、プロセス制御デバイスのセットの少なくともいくつかは、プロセスのセットを制御するために、プロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続される。方法600は、ユーザインターフェースを有する電子デバイスによって容易にされてもよく、またはそうでなければ、電子デバイスが1つ以上のプロセス制御デバイス、メモリ及び他のコンピューティングデバイスと通信し得るユーザインターフェースと通信するように構成され得る。
【0081】
方法600は、電子デバイスが、コントローラからプロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれのプロセス制御デバイスのコミッショニング状態データを受信する(ブロック605)ときに開始し得る。実施形態では、電子デバイスは、自動的にまたはトリガに応答して、コミッショニング状態データを受信し得る。電子デバイスは、プロセス制御デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすし得る(ブロック610)。実施形態では、定義されたコミッショニングパラメータのセットはメモリに記憶されてよく、デフォルトパラメータであってよく、かつ/またはプロセスプラントに関連付けられた個人によって修正可能であってよ
い。概して、コミッショニング状態データは、それぞれのプロセス制御デバイスの現在の構成を含んでよく、定義されたコミッショニングパラメータは、それぞれのプロセス制御デバイスの所望の構成を含んでよい。
【0082】
電子デバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定し得る(ブロック615)。実施形態では、電子デバイスは、プロセス制御デバイスのセットの各々について、それぞれの現在の構成とそれぞれの所望の構成との間の差異を判定し得る。加えてまたは代わりに、電子デバイスは、プロセス制御デバイスのセットのうちの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部に一致することと、プロセス制御デバイスのセットのうちの残りの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないことと、を判定し得る。
【0083】
電子デバイスは、ユーザインターフェースにおいて、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットの少なくともいくつかを指示するセクションのセットを提示し得る(ブロック620)。実施形態において、電子デバイスは、プロジェクトセクション、監視セクション、較正セクション及び構成セクションのうちの少なくとも1つを提示し得る。
【0084】
電子デバイスは、ユーザインターフェースを介して、セクションのセットのセクションの選択を受信し得る(ブロック625)。選択を受信することに応答して、電子デバイスは、ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられ、セクションのセットのセクションに対応する情報を提示し得る(ブロック630)。実施形態では、電子デバイスは、差異のセットのうちの一部に関連付けられた情報を指示する少なくとも1つのグラフを提示し得、少なくとも1つのグラフは、差異のセットのうちの一部の履歴プログレッションを指示し得る。加えてまたは代わりに、電子デバイスは、定義されたコミッショニングパラメータとは異なるコミッショニング状態データを有するプロセス制御デバイスのセットのうちの一部のリストを提示し得る。
【0085】
電子デバイスは、任意選択的に、プロセス制御デバイスのセットのプロセス制御デバイスを再ベースライン化するオプションと、プロセス制御デバイスのベースラインに一致するオプションと、をユーザインターフェースに提示し得、対応する選択が受信されたかどうかを検出し得る(ブロック635)。電子デバイスは、プロセス制御デバイスを再ベースライン化するオプションの選択が受信された場合(「REBASELINE」)、プロセス制御デバイスのコミッショニング状態データに一致するようにプロセス制御デバイスの定義されたコミッショニングパラメータを修正するか(ブロック640)または修正させる(例えば、メモリに記憶された定義されたコミッショニングパラメータを更新する)。プロセス制御デバイスのベースラインに一致するオプションの選択が受信された場合(「MATCH」)、電子デバイスは、プロセス制御デバイスの定義されたコミッショニングパラメータに従ってプロセス制御デバイスを構成するか(ブロック645)、または構成させる。特に、電子デバイスは、適切な構成データに、その上での実装のために、プロセス制御デバイスに提供させられ得る。
【0086】
本開示に記載されている技術の実施形態は、任意の数の下記の態様を、単独でまたは組み合わせのいずれかで含んでもよい。
【0087】
1.プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするコンピュータ実装方法であって、デバイスのセットのうちの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するよ
うに通信可能に接続され、方法が、コンピューティングデバイスにおいてデバイスのセットのうちの各々について、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを取得することと、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることと、コンピューティングデバイスによってデバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することと、ユーザインターフェースに、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットを指示させることと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0088】
2.コミッショニング状態データが、それぞれのデバイスの現在の構成を含み、定義されたコミッショニングパラメータが、それぞれのデバイスに所望の構成を含み、差異を判定することが、デバイスのセットの各々について、それぞれの現在の構成とそれぞれの所望の構成との間の差異を判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【0089】
3.デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定することが、(i)デバイスのセットのうちの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致することと、(ii)デバイスのセットのうちの残りの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないこと、を判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【0090】
4.ユーザインターフェースに差異のセットを指示させることが、ユーザインターフェースに、(i)定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致するデバイスのセットのうちの一部と、(ii)定義されたコミッショニングパラメータのセットうちのそれぞれの残りの一部と一致しないデバイスのセットのうちの残りの一部と、を指示させることを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【0091】
5.ユーザによるデバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にすることをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0092】
6.ユーザによるコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にすることが、ユーザインターフェースを介して、ユーザによるコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にすることを含む、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【0093】
7.ユーザインターフェースを介して、デバイスのセットのうちの1つの選択を受信することと、ユーザインターフェースに、視覚的に特有の様式で、デバイスのセットのうちの1つに関連付けられた差異を指示させること、をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0094】
8.コンピューティングデバイスにおいてデバイスのセットの各々について、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを取得することが、ユーザインターフェースから、コミッショニング状態データの要求を受信することと、要求を受信することに応答して、デバイスのセットの各々について、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを検索することと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0095】
9.プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータにアクセスするためのプロセスプラント内のシステムであって、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されているデバイスのセットと、コン
テンツを提示するためのユーザインターフェースと、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットを記憶するメモリと、通信ユニットと、デバイスのセット、ユーザインターフェース、メモリ及び通信ユニットと交信し、かつ通信ユニットを介してデバイスのセットの各々から、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信し、メモリから、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスし、デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定し、そしてユーザインターフェースにコミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットを指示させる、ように構成されている、プロセッサと、を備えるシステム。
【0096】
10.コミッショニング状態データが、それぞれのデバイスの現在の構成を含み、定義されたコミッショニングパラメータが、それぞれのデバイスに所望の構成を含み、差異を判定するために、プロセッサは、デバイスのセットの各々について、それぞれの現在の構成とそれぞれの所望の構成との間の差異を判定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【0097】
11.デバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定するために、プロセッサは、(i)デバイスのセットのうちの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致することと、(ii)デバイスのセットのうちの残りの一部が定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの残りの一部と一致しないことと、を判定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【0098】
12.ユーザインターフェースが、(i)定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちのそれぞれの一部と一致するデバイスのセットのうちの一部と、(ii)定義されたコミッショニングパラメータのセットのうちの残りの一部と一致しないデバイスのセットのうちのそれぞれの残りの一部と、を指示する、請求項11に記載のシステム。
【0099】
13.プロセッサが、無線ネットワーク接続を介して、ユーザインターフェースと交信する、請求項9~12のいずれか一項に記載のシステム。
【0100】
14.プロセッサが、ユーザインターフェースを介して、ユーザによるデバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にするように、さらに構成されている、請求項9~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0101】
15.ユーザインターフェースが、デバイスのセットのうちの1つの選択を受信し、かつ視覚的に特有の様式で、デバイスのセットのうちの1つに関連付けられた差異を指示する、ように構成されている、請求項9~14のいずれか一項に記載のシステム。
【0102】
16.プロセスプラントに関連付けられたコミッショニングデータを管理するための電子デバイスであって、コンテンツを提示するためのユーザインターフェースと、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続されているデバイスのセットに通信可能に接続されているコンピューティングデバイスと交信するトランシーバと、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリと、ユーザインターフェース、トランシーバ及びメモリと交信し、かつプロセッサに、ユーザインターフェースを介して、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの選択を受信すること、トランシーバを介してデバイスのセットのうちの1つから、デバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データを検索することであって、コミッショニン
グ状態データが、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの現在の構成を指示する、検索すること、デバイスのセットのうちの少なくとも1つに関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータにアクセスすること、コミッショニング状態データと定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を判定すること、及びユーザインターフェースに、コミッショニング状態データと定義されたコミッショニングパラメータとの間の差異を指示させること、を行わせる、コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、プロセッサと、を備える、電子デバイス。
【0103】
17.プロセッサが、プロセッサに、ユーザインターフェースに、(i)デバイスのセットのうちのデバイスを再ベースライン化するオプションと、(ii)デバイスのベースラインに一致するオプションと、を提示させることをさらに行わせる、コンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項16に記載の電子デバイス。
【0104】
18.プロセッサが、プロセッサに、ユーザインターフェースを介して、デバイスを再ベースライン化するオプションの選択を受信することと、デバイスの定義されたコミッショニングパラメータをデバイスのコミッショニング状態データに一致するように修正させることと、をさらに行わせるコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されている、請求項17に記載の電子デバイス。
【0105】
19.プロセッサが、プロセッサに、ユーザインターフェースを介して、デバイスのベースラインに一致するオプションの選択を受信することと、デバイスに、デバイスの定義されたコミッショニングパラメータに従うように構成されるようにさせることと、をさらに行わせるコンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項17に記載の電子デバイス。
【0106】
20.コミッショニング状態データが、それぞれのデバイスの現在の構成を含み、定義されたコミッショニングパラメータが、それぞれのデバイスに所望の構成を含み、差異を判定するために、プロセッサは、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの各々について、それぞれの現在の構成とそれぞれの所望の構成との間の差異を判定するように構成されている、請求項16~19に記載の電子デバイス。
【0107】
21.プロセッサが、プロセッサに、ユーザインターフェースを介して、ユーザによるデバイスのセットのうちの少なくとも1つのコミッショニング状態データに対する更新の入力を可能にすることを、さらに行わせるコンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項16~20のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【0108】
22.プロセッサが、プロセッサに、デバイスのセットのうちの少なくとも1つの選択を受信することに応答して、ユーザインターフェースに、視覚的に特有の様式で、デバイスのセットのうちの少なくとも1つに関連付けられた差異を指示させることをさらに行わせるコンピュータ実行可能命令のセットを実行するように構成されている、請求項16~21のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【0109】
23.プロセスプラント内のデバイスのセットに関連付けられたコミッショニングデータを提示する電子デバイス内のコンピュータ実装方法であって、デバイスのセットのうちの少なくともいくつかが、プロセスのセットを制御するようにプロセスプラント内で稼働中に動作するように通信可能に接続され、方法が、コントローラからデバイスのセットのうちの各々について、それぞれのデバイスのコミッショニング状態データを受信することと、デバイスのセットにそれぞれ関連付けられた定義されたコミッショニングパラメータのセットにアクセスすることと、プロセッサによってデバイスのセットの各々について、それぞれのコミッショニング状態データとそれぞれの定義されたコミッショニングパラメ
ータとの間の差異を判定することと、ユーザインターフェースにおいて、コミッショニング状態データのセットと定義されたコミッショニングパラメータのセットとの間の差異のセットをのうちの少なくともいくつかを指示するセクションのセットを提示することと、ユーザインターフェースを介して、セクションのセットのうちのセクションの選択を受信することと、ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられ、セクションのセットのうちのセクションに対応する、情報を提示することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0110】
24.ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの少なくともいくつかを指示するセクションのセットを提示することが、ユーザインターフェースにおいて、投影セクション、監視セクション、較正セクション及び構成セクションのうちの少なくとも1つを提示することを含む、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
【0111】
25.ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられた情報を提示することが、ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられた情報を指示する少なくとも1つのグラフを提示することを含む、請求項23または24のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0112】
26.ユーザインターフェースにおいて、少なくとも1つのグラフを提示することが、ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部の履歴プログレッションを指示する少なくとも1つのグラフを提示することを含む、請求項25に記載のコンピュータ実装方法。
【0113】
27.ユーザインターフェースにおいて、差異のセットのうちの一部に関連付けられた情報を提示することが、ユーザインターフェースにおいて、定義されたコミッショニングパラメータとは異なるコミッショニング状態データを有するデバイスのセットのうちの一部のリストを提示することを含む、請求項23または24のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0114】
28.ユーザインターフェースにおいて、(i)デバイスのセットのうちのデバイスを再ベースライン化するオプションと、(ii)デバイスのベースラインに一致するオプションと、を提示することをさらに含む、請求項23~27のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0115】
29.ユーザインターフェースを介して、デバイスを再ベースライン化するオプションの選択を受信することと、デバイスの定義されたコミッショニングパラメータをデバイスのコミッショニング状態データに一致するように修正させることと、をさらに含む、請求項28に記載のコンピュータ実装方法。
【0116】
30.ユーザインターフェースを介して、デバイスのベースラインに一致させるオプションの選択を受信することと、デバイスに、デバイスの定義されたコミッショニングパラメータに従うように構成させることと、をさらに含む請求項28に記載のコンピュータ実装方法。
【0117】
加えて、本開示の先の態様は、単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0118】
以下の追加の検討事項が、上記の考察に適用される。本明細書全体を通して、任意のデバイスまたはルーチンによって実行されるものとして記載された動作は、機械可読命令に従ってデータを操作または変換するプロセッサの動作またはプロセスを概して指す。機械
可読命令は、プロセッサに通信可能に連結されたメモリデバイス上に記憶され、それから取得され得る。換言すれば、本明細書に記載される方法は、コンピュータ可読媒体上に(すなわち、メモリデバイス上に)記憶された一連の機械実行可能命令によって具現化され得る。命令は、対応するデバイス(例えば、オペレータワークステーション、コミッショニングツール等)の1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、プロセッサに方法を実行させる。命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、及び/またはアプリケーションが、コンピュータ可読メモリ上またはコンピュータ可読媒体上に記憶または保存されるとして本明細書において言及される場合、「記憶(stored)」及び「保存(saved)」という語は、一時的信号を除外することが意図される。
【0119】
さらに、「オペレータ(operator)」、「従業員(personnel)」、「人物(person)」、「ユーザ(user)」、「技術者(technician)」、「管理者(administrator)」という用語、及び同様の他の用語が、本明細書で記載されたシステム、装置、及び方法を使用またはそれらと相互作用し得るプロセスプラント環境内の人物を記載するために使用されるが、これらの用語は、限定を意図するものではない。特定の用語が説明で使用される場合、用語は、一部において、プラント従業員が従事する従来の活動に起因して使用されるが、特定の活動に従事し得る従業員を限定することを意図しない。
【0120】
加えて、本明細書を通して、複数の事例は、単一の事例として記載された構成要素、動作、または構造を実装し得る。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として例示及び記載されたが、個々の動作のうちの1つ以上が同時に実行されてもよく、例示された順序で動作が実行される必要はない。例示的な構成内で別個の構成要素として提示された構造及び機能は、組み合わされた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一構成要素として提示された構造及び機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内にある。
【0121】
別途特に記載されない限り、例えば「処理すること(processing)」、「コンピューティングすること(computing)」、「計算すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「特定すること(identifying)」、「提示すること(presenting)」、「提示させること(causing to be presented)」、「表示させること(causing to be displayed)」、「表示すること(displaying)」等の語を使用する本明細書の考察は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、もしくはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、送信、もしくは表示する他の機械構成要素内の物理(例えば、電気、磁気、生体、もしくは光)量として表されたデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作またはプロセスを指し得る。
【0122】
ソフトウェアに実装される場合、本明細書に記載されるアプリケーション、サービス、及びエンジンはいずれも、コンピュータもしくはプロセッサのRAMもしくはROM等における磁気ディスク、レーザディスク、固体メモリデバイス、分子メモリ記憶デバイス、または他の記憶媒体等の、任意の有形の非一時的コンピュータ可読メモリに記憶され得る。本明細書に開示される例示的システムは、他の構成要素の中でも、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/またはファームウェアを含むように開示されているが、そのようなシステムは単に例示的であるに過ぎず、限定的であると見なされるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア構成要素のうちのいずれかまたは全てが、ハードウェアにのみ、ソフトウェアにのみ、あるいはハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせで、埋め込まれ得ることが企図される。したがって、当業者は、提供された例がこのようなシステムを実装する唯一の方
式ではないことを容易に理解するであろう。
【0123】
したがって、本発明は具体的な例に関して記載されてきたが、これらの例は例解的であるに過ぎず、本発明の限定であることを意図せず、変更、追加、または削除が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に対して行われ得ることが当業者には明らかであろう。
【0124】
ある用語が、本特許において、「本明細書では…を意味するように定義される(As used herein, the term ‘______’ is hereby
defined to mean...)」という文、または同様の文を使用して明確に定義されない限り、その用語の意味を、その平易または通常の意味を超えて明確にあるいは暗示的のいずれかに限定することは意図されていないことが理解されるべきであり、かつそのような用語は、本特許の任意の項においてなされた任意の言明に基づいて(特許請求の範囲の文言を除く)、範囲が限定されると解釈されるべきではない。本特許の最後で特許請求の範囲内に記載された任意の用語が単一の意味と矛盾しない様式で本特許内において言及されるという点で、それは、読み手を混乱させないために単に明瞭化のためになされ、このような特許請求の範囲の用語が、示唆またはその他の点で、その単一の意味に限定されることを意図するものではない。最後に、特許請求の範囲の要素が、任意の構造の詳説なしに、「手段(means)」という語及び機能を列記することによって定義されていない限り、いかなる特許請求の範囲の要素の範囲も、米国特許法112(f)条及び/または旧米国特許法112条第6段落の適用に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0125】
さらに、上記の文章は多くの異なる実施形態の詳細な説明を記載しているが、本特許の範囲が、本特許の最後に記載される特許請求の範囲の語によって定義されることが理解されるべきである。詳細な説明は、単に例示的なものとして解釈されるべきであり、全ての可能な実施形態を説明することは、不可能ではない場合でも非現実的であるので、全ての可能な実施形態を説明するものではない。多くの代替的実施形態が、現在の技術または本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して実装され得るが、これらは、依然として特許請求の範囲の範囲内に収まるであろう。