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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】食品用包装材及び包装材原反の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/32 20060101AFI20230905BHJP
   B65D 65/34 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
B65D65/32
B65D65/34
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019088788
(22)【出願日】2019-05-09
(65)【公開番号】P2020183265
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-188196(JP,A)
【文献】特開2010-105671(JP,A)
【文献】登録実用新案第3072028(JP,U)
【文献】実開昭60-096271(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/32
B65D 65/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを用いて構成される食品用包装材であって、
シートは、
シートの流れ方向である第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って4辺を有する矩形状であり、
第2方向において所定間隔を有して離間する1対の切込線の形成により形成される1対の遊離片であって、それぞれが曲げると開いて開口を形成する1対の遊離片と、
シートの内面であって、1対の遊離片に跨って第2方向に沿って配置される開封用条体と、
シートの内面にシートの第1方向における一方の辺から他方の辺にかけて第1方向に沿って配置され、シートの内面側から各切込線及び各遊離片を覆って封止する1対の封止材とを備え、
開封用条体の各端部は、各切込線からシートの外面側に突出して開封用の摘み片となる
食品用包装材。
【請求項2】
シートを用いて構成される食品用包装材であって、
シートは、
シートの流れ方向である第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って4辺を有する矩形状であり、
第2方向において所定間隔を有して離間する1対の開口と、
シートの内面であって、1対の開口に跨って第2方向に沿って配置される開封用条体と、
シートの内面にシートの第1方向における一方の辺から他方の辺にかけて第1方向に沿って配置され、シートの内面側から各開口を覆って封止する1対の封止材とを備え、
開封用条体の各端部は、各開口からシートの外面側に突出して開封用の摘み片となる
食品用包装材。
【請求項3】
シートと、シートへの1対の切込線の形成により形成され、それぞれが曲げると開いて開口を形成する1対の遊離片と、シートの内面であって、1対の遊離片に跨って配置される開封用条体と、シートの内面に配置され、シートの内面側から各切込線及び各遊離片を覆って封止する封止材とを備える包装材が連続する包装材原反の製造方法であって、
シート原反に、1対の切込線を形成する工程と、
シート原反の内面に、開封用条体の各端部よりも内側の部分が各遊離片上に重なるようにして開封用条体を配置するとともに、1対の遊離片間の所定範囲で開封用条体を接合する工程と、
各遊離片に向けて外力を加えることにより、開封用条体の各端部を、各遊離片が形成する開口を介してシート原反の外面側に移動させ、各切込線からシート原反の外面側に突出させて、それぞれを開封用の摘み片とする工程と、
シート原反の内面に、各切込線及び各遊離片を覆うように封止材を配置して接合する工程とを備える
包装材原反の製造方法。
【請求項4】
シートと、シートに形成される1対の開口と、シートの内面であって、1対の開口に跨って配置される開封用条体と、シートの内面に配置され、シートの内面側から各開口を覆って封止する封止材とを備える包装材が連続する包装材原反の製造方法であって、
シート原反に1対の開口を形成する工程と、
シート原反の内面に、開封用条体の各端部よりも内側の部分が各開口上に重なるようにして開封用条体を配置するとともに、1対の開口間の所定範囲で開封用条体を接合する工程と、
各開口に向けて外力を加えることにより、開封用条体の各端部を、各開口を介してシート原反の外面側に移動させ、各開口からシート原反の外面側に突出させて、それぞれを開封用の摘み片とする工程と、
シート原反の内面に、各開口を覆うように封止材を配置して接合する工程とを備える
包装材原反の製造方法。
【請求項5】
各切込線は、両端点が他方の切込線に向かう形状を有し、
これにより、各遊離片は、各切込線の両端点間を固定端とし、その反対側である一端縁側を自由端とする形状を有する
請求項1に記載の食品用包装材。
【請求項6】
各封止材は、両側部にてシートに接合される帯状シートである
請求項1、請求項2又は請求項5に記載の食品用包装材。
【請求項7】
開封用条体の各端部は、帯状シートの両側部の接合部間の非接合領域に位置する
求項6に記載の食品用包装材。
【請求項8】
各封止材は、シートの第2方向における一方又は他方の辺から第2方向に突出するようにシートに接合される幅広の帯状シートである
請求項1、請求項2又は請求項5に記載の食品用包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用包装材及び包装材原反の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーキ等の洋菓子、パン、サンドイッチ、ハンバーガー等の食品は、図18(a)に示す如く、食品を包装可能に面状に形成された包装材1’を用い、ピロー包装するのが一般的である(特許文献1)。
【0003】
かかる包装材1’において、シート2’の内面には、カットテープ等の開封用条体6’が接合される。また、シート2’の所定箇所には、開封用条体6’を切断するようにたとえばU字状の切込線30’が形成されるとともに、シート2’の外面から切込線30’を覆うようにラベル31’が貼着される。
【0004】
包装材1’により包装された食品Fを食する際には、図18(b)に示す如く、ラベル31’を摘んで引く。そうすると、開封用条体6’が引っ張られてシート2’に分断開放部が形成され、この分断開放部から食品Fを露出させることができる。
【0005】
しかしながら、包装材1’の製造装置の精度等(接合条件のバラツキ等)の影響により、シート2’と開封用条体6’が十分に接合されない場合がある。そのような包装材1’においては、開封時にラベル31’を引く際、ラベル31’ないしそれに続くシート2’の部分が開封用条体6’から剥離してシート2’だけが引っ張られて、適切に開封することができないという問題が生じ得る。
【0006】
これらの問題を解決する観点からいえば、特許文献2に記載された包装材は、開封用条体の端部がシートの外面側に突出し、この端部を摘んで開封するものであり、開封用条体を直接引っ張って開封するため、適切かつ確実に開封することができるという点で、上記従来の包装材1’よりも優れているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開昭60-96271号のマイクロフィルム
【文献】登録実用新案第3072028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載された包装材は、シートにどのような加工を施して開封用条体の端部をシートの外面側に突出させることができるようにしているのか、そして、どのような方法で開封用条体の端部をシートの外面側に突出させるのかが不明である。そのため、大量に消費される包装材を量産することは不可能である。
【0009】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、開封用条体の端部が突出して開封用の摘み片となる開封手段を備えるものであって、量産性に優れた食品用包装材及び包装材原反の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る食品用包装材は、
シートを用いて構成される食品用包装材であって、
シートは、
シートの流れ方向である第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って4辺を有する矩形状であり、
第2方向において所定間隔を有して離間する1対の切込線の形成により形成される1対の遊離片であって、それぞれが曲げると開いて開口を形成する1対の遊離片と、
シートの内面であって、1対の遊離片に跨って第2方向に沿って配置される開封用条体と、
シートの内面にシートの第1方向における一方の辺から他方の辺にかけて第1方向に沿って配置され、シートの内面側から各切込線及び各遊離片を覆って封止する1対の封止材とを備え、
開封用条体の各端部は、各切込線からシートの外面側に突出して開封用の摘み片となる
食品用包装材である。
【0011】
また、別の本発明に係る食品用包装材は、
シートを用いて構成される食品用包装材であって、
シートは、
シートの流れ方向である第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って4辺を有する矩形状であり、
第2方向において所定間隔を有して離間する1対の開口と、
シートの内面であって、1対の開口に跨って第2方向に沿って配置される開封用条体と、
シートの内面にシートの第1方向における一方の辺から他方の辺にかけて第1方向に沿って配置され、シートの内面側から各開口を覆って封止する1対の封止材とを備え、
開封用条体の各端部は、各開口からシートの外面側に突出して開封用の摘み片となる
食品用包装材である。
【0012】
また、本発明に係る包装材原反の製造方法は、
シートと、シートへの1対の切込線の形成により形成され、それぞれが曲げると開いて開口を形成する1対の遊離片と、シートの内面であって、1対の遊離片に跨って配置される開封用条体と、シートの内面に配置され、シートの内面側から各切込線及び各遊離片を覆って封止する封止材とを備える包装材が連続する包装材原反の製造方法であって、
シート原反に、1対の切込線を形成する工程と、
シート原反の内面に、開封用条体の各端部よりも内側の部分が各遊離片上に重なるようにして開封用条体を配置するとともに、1対の遊離片間の所定範囲で開封用条体を接合する工程と、
各遊離片に向けて外力を加えることにより、開封用条体の各端部を、各遊離片が形成する開口を介してシート原反の外面側に移動させ、各切込線からシート原反の外面側に突出させて、それぞれを開封用の摘み片とする工程と、
シート原反の内面に、各切込線及び各遊離片を覆うように封止材を配置して接合する工程とを備える。
【0013】
また、別の本発明に係る包装材原反の製造方法は、
シートと、シートに形成される1対の開口と、シートの内面であって、1対の開口に跨って配置される開封用条体と、シートの内面に配置され、シートの内面側から各開口を覆って封止する封止材とを備える包装材が連続する包装材原反の製造方法であって、
シート原反に1対の開口を形成する工程と、
シート原反の内面に、開封用条体の各端部よりも内側の部分が各開口上に重なるようにして開封用条体を配置するとともに、1対の開口間の所定範囲で開封用条体を接合する工程と、
各開口に向けて外力を加えることにより、開封用条体の各端部を、各開口を介してシート原反の外面側に移動させ、各開口からシート原反の外面側に突出させて、それぞれを開封用の摘み片とする工程と、
シート原反の内面に、各開口を覆うように封止材を配置して接合する工程とを備える。
【0014】
ここで、本発明に係る食品用包装材は、
各切込線は、両端点が他方の切込線に向かう形状を有し、
これにより、各遊離片は、各切込線の両端点間を固定端とし、その反対側である一端縁側を自由端とする形状を有する
との構成を採用することができる。
【0015】
また、本発明に係る食品用包装材は、
各封止材は、両側部にてシートに接合される帯状シートである
との構成を採用することができる。
【0016】
また、この場合、本発明に係る食品用包装材は、
開封用条体の各端部は、帯状シートの両側部の接合部間の非接合領域に位置する
との構成を採用することができる。
【0017】
また、本発明に係る食品用包装材は、
各封止材は、シートの第2方向における一方又は他方の辺から第2方向に突出するようにシートに接合される幅広の帯状シートである
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の如く、本発明に係る食品用包装材及び包装材原反の製造方法によれば、簡潔な構成及び簡潔な方法にして、優れた量産性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る包装材原反を外面側から見た平面図である。
図2図2は、同包装材原反を内面側から見た平面図である。
図3図3(a)は、図1のA-A線断面図であり、図3(b)は、図1のB-B線断面図であり、図3(c)は、図1のC部拡大図である。
図4図4(a)は、同包装材原反における包装材により包装された包装体の正面斜視図であり、図4(b)は、同包装体の背面斜視図である。
図5図5は、同包装体を開封する様子の斜視図である。
図6図6は、同包装材原反の製造工程の説明図であって、シート本体原反に切込線を形成する工程の説明図である。
図7図7は、同包装材原反の製造工程の説明図であって、シート本体原反に開封用条体を配置、接合する工程の説明図である。
図8図8は、図7の工程を実施する装置構成の説明図である。
図9図9は、同包装材原反の製造工程の説明図であって、開封用条体の端部を切込線からシート本体原反の反対面側に突出させる工程の説明図である。
図10図10は、図9の反対面側から見た説明図である。
図11図11は、図9の工程を実施する装置構成の説明図である。
図12図12は、図9の工程を実施する別の装置構成の説明図である。
図13図13は、同包装材原反の製造工程の説明図であって、シート本体原反に帯状シート原反を配置、接合する工程の説明図である。
図14図14(a)ないし(h)は、それぞれ別の実施形態に係る包装材(包装材原反)の要部拡大図である。
図15図15(a)は、他の実施形態に係る包装材(包装材原反)を外面側から見た平面図であり、図15(b)は、図15(a)のA-A線断面図であり、図15(c)は、図15(a)のB-B線断面図である。
図16図16(a)は、別の実施形態に係る包装材(包装材原反)を外面側から見た平面図であり、図16(b)は、図16(a)のA-A線断面図であり、図16(c)は、図16(a)のB-B線断面図である。
図17図17(a)は、他の実施形態に係る包装体の断面図であり、図17(b)は、別の実施形態に係る包装体の断面図である。
図18図18(a)は、従来の包装材により包装された包装体の斜視図であり、図18(b)は、同包装体を開封する様子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態として、ピロー包装用の包装材及びピロー包装体について、図1ないし図13を参酌して説明する。なお、ピロー包装用の包装材とは、ピロー包装に用いられる包装材原反から1つ単位に切断されて分離され、枚葉状にされたものをいう。
【0021】
図1ないし図3に示す如く、包装材原反1Xは、主としてシート2を用いて構成される。シート2は、3枚のシートが接合されて1枚のシートとなったものである。具体的には、シート2は、シート本体原反3Xと、第1方向(本実施形態においては、シート2の流れ方向(搬送方向)、図1では上下方向)と交差する第2方向(本実施形態においてはシート2の流れ方向と交差する幅方向、図1では左右方向)におけるシート本体原反3Xの一方側の所定箇所に、第1方向に沿って配置される一方の帯状シート原反4Xと、第2方向におけるシート本体3の他方側の所定箇所に、第1方向に沿って配置される他方の帯状シート原反4Xとで構成される。包装材1でいえば、シート2は、シート本体3と、一方の帯状シート4と、他方の帯状シート4の3枚のシートで構成される。
【0022】
シート2は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、内容物である食品を包むことができる大きさの矩形状ないし略矩形状を有する。
【0023】
一方の帯状シート原反4Xは、他方の帯状シート原反4Xと同じ幅に形成される。そして、一方の帯状シート原反4Xは、シート本体原反3Xの内面であって、第2方向におけるシート本体原反3Xの一端縁3aから内側に離間した箇所に、第1方向に沿って配置され、接合される。より詳しくは、一方の帯状シート原反4Xは、その第2方向における両側部(正確には、両側縁部が非接合部となるよう、両側縁よりも内側の箇所)に形成される1対の接合部40,40にて、シート本体原反3Xの一端縁3aから内側に離間した箇所に、ヒートシール、接着等により接合される。
【0024】
他方の帯状シート原反4Xは、シート本体原反3Xの内面であって、第2方向におけるシート本体原反3Xの他端縁3bから内側に離間した箇所に、第1方向に沿って配置され、接合される。より詳しくは、他方の帯状シート原反4Xは、その第2方向における両側部(正確には、両側縁部が非接合部となるよう、両側縁よりも内側の箇所)に形成される1対の接合部40,40にて、シート本体原反3Xの他端縁3bから内側に離間した箇所に、ヒートシール、接着等により接合される。
【0025】
シート本体原反3Xのうち、各帯状シート原反4Xに覆われる箇所には、切込線30が形成される。各切込線30は、両端点30a,30aが他方の切込線30に向かう形状である。これにより、切込線30を外形線とし、両端点30a,30a間を固定端とし、シート本体原反3Xの端縁側を自由端とし、固定端側にて曲げると開いて開口を形成する遊離片31が形成される。本実施形態においては、切込線30は、U字状に形成され、これにより、遊離片31は、第1方向に沿った一端縁31aと、第2方向に沿った1対の側縁31b,31bとを備え、他方の遊離片31への指向性を有する舌片となる。
【0026】
シート本体原反3Xの内面には、第2方向において間隔を有して離間、対向する1対の遊離片31,31に跨って、開封用条体6が設けられる。開封用条体6は、たとえば幅方向中央部にて長手方向に沿ってシート本体原反3Xの内面にヒートシール、接着等により接合される(接合部60)。一例として、開封用条体6は、内面(シート本体原反3Xとの対向面)にコート剤を塗布した上で、熱接着や自己粘着により、シート本体原反3Xの内面に接合される。開封用条体6は、たとえばカットテープや糸等である。本実施形態においては、開封用条体6は、幅が5mm以上、あるいは10mm以上の帯状のカットテープである。カットテープは、二軸延伸ポリエステルないしポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)等の熱溶着性を有するプラスチックシートを細くカットしたものである。
【0027】
開封用条体6の各端部6aは、シート本体原反3Xには接合されておらず、各切込線30からシート本体原反3Xの外面側に突出しており、開封用の摘み片となる。これにより、開封用条体6の端部6aを摘んで引くと、開封用条体6が引っ張られて遊離片31を開封起点として所定の幅でシート本体3を切断し、シート本体3に分断開放部が形成される。突出量は、短いと、摘まみにくく、逆に、長いと、折れやすくなり、製造装置の搬送性に支障を来す懸念がある。このため、突出量は、5mm以上、あるいは10mm以上、あるいは15mm以上であって、25mm以下、あるいは20mm以下の範囲となるように、設定される。
【0028】
図3(c)に示す如く、開封用条体6は、遊離片31にも接合されて遊離片31と一体化されるものの、遊離片31の一端縁31aまでは接合されない。このため、接合部60の各端縁60aと各遊離片31の一端縁31aとの間には、幅G1の非接合部が介在する。非接合部を設けなかったり、幅G1が小さいと、包装材1の製造装置の精度等(シート原反の蛇行等)の影響により、接合が切込線30を踏み越えてなされる懸念があり、この場合、開封用条体6の端部6aがロックして、端部6aを切込線30からシート本体原反3Xの外面側に突出させることができなくなる。逆に、幅G1が大きいと、遊離片31を摘むことができるようになるため、ここを摘んで開封しようとする誤開封操作(この場合、開封用条体6が使われず、シート本体3だけが引っ張られるため、適切に開封することはほぼ不可能である。)がなされる懸念がある。このため、非接合部の幅G1は、製造誤差に対する振れ幅として、1.0mm以上、あるいは1.5mm以上であって、5mm以下、あるいは3mm以下、あるいは2mm以下の範囲となるように、設定される。
【0029】
また、開封用条体6の端部6aは、帯状シート原反4Xの1対の接合部40,40間の非接合領域に位置する長さとなっている。仮に、開封用条体6の端部6aが接合部40を超える長さであるとすると、接合部40を形成する際、開封用条体6の端部6aまでがシート本体3に接合されてしまい、ロックして、開封用の摘み片として機能し得なくなるからである。
【0030】
開封用条体6の幅は、遊離片31の固定端の幅(切込線30の両端点30a,30a間の間隔)よりも小さい。このため、開封用条体6の各側縁6bと遊離片31の各側縁31bないし切込線30の各端点30aとの間には、幅G2の間隙部が介在する。間隙部を設けなかったり、幅G2が小さいと、開封用条体6の端部6aが切込線30に引っ掛かって端部6aを切込線30からシート本体原反3Xの外面に突出させることができなくなったり、包装材1の製造装置の精度等(接合位置ずれ等)の影響により、開封用条体6が切込線30に引っ掛かってしわが寄り、製品不良となる懸念がある。このため、間隙部の幅G2は、製造誤差に対する振れ幅として、1.0mm以上、あるいは1.5mm以上となるように、設定される。
【0031】
かかる包装材1を用いて食品を包装した包装体(ピロー包装体)7は、図4に示す如く、1枚のシート2の端縁部同士が接合されて背貼り部70を有する筒状であり、一端部側の開口縁部71及び他端部側の開口縁部71がそれぞれ接合部72により封止されて構成される。一方の側縁部(上縁部)73は、接合部ではなく、シート2の折返し部74である。他方の側縁部(下縁部)75も、接合部ではなく、シート2の折返し部76であるが、ガゼット(底ガゼット)76aが設けられる。ただし、ガゼット76aを設けないようにしてもよい。あるいは、上縁部73の折返し部74にもガゼットを設けるようにしてもよい。これにより、包装体7は、端縁部同士が接合されて背貼り部70を有する筒状であり、外縁部71,71,73,75が接合部72又は折返し部74,76により封止された1枚のシートで構成され、内部に食品Fが収容された袋体である。なお、本実施形態においては、背貼り部70は、1枚のシート2の端縁部同士をヒートシールすることにより形成され、接合部72は、筒状の開口縁部71をヒートシールすることにより形成される。また、ピロー包装時、包装材原反1Xは、第2方向に曲げて筒状にされるので、背貼り部70は、第1方向に沿って形成され、かつ、開封用条体6(すなわち開封方向)と背貼り部70は、交差する配置関係となる。
【0032】
食品Fを食する際には、図5に示す如く、突出している開封用条体6のいずれかの端部6aを摘んで引く。そうすると、開封用条体6が引っ張られてシート2(シート本体3)に分断開放部が形成され、この分断開放部から食品Fを露出させることができる。なお、包装体7において、開封用条体6の各端部6aは、筒状になって円弧面となっているシート2の外面から浮いて離間しているため、摘まみやすくなっている。あるいは、開封用状態6の端部6aが位置する辺りのシート2を反らせることで、開封用条体6の端部6aは、シート2の外面から十分に離間するため、さらに摘まみやすくなる。このため、開封操作を円滑に行うことができる。
【0033】
本実施形態に係る包装材1及び包装材原反1Xは、以上の構成からなり、次に、本実施形態に係る包装材原反の製造方法について説明する。
【0034】
図6ないし図12に示す、製造工程は、大きく分けると、開封用条体6の各端部6aがシート本体3の外面側に突出して開封用の摘み片となる開封手段を備えるシート本体原反3Xを完成させる工程と、図13に示す、シート本体原反3Xに1対の帯状シート原反4X,4Xを接合して包装材原反1Xを完成させる工程とを備える。
【0035】
シート本体原反3Xを完成させる工程は、i)図6に示す、シート本体原反3Xに1対の切込線30,30を形成する工程、より詳しくは、シート本体原反3Xに、各切込線30を形成するとともに、各切込線30の形成により、曲げると開いて開口を形成する1対の遊離片31,31を形成する工程(第1工程)、ii)図7及び図8に示す、シート本体原反3Xの内面に、開封用条体6の各端部6aよりも内側の部分が各遊離片31上に重なるようにして開封用条体6を配置するとともに、1対の遊離片31,31間の所定範囲で開封用条体6を接合する工程(第2工程)、iii)図9ないし図12に示す、各遊離片31に向けて外力を加えることにより、より詳しくは、各遊離片31における開封用条体6の部分に向けて外力を加えることにより、開封用条体6の各端部6aを、各遊離片31が形成する開口を介してシート本体原反3Xの反対面(外面)側に移動させ(押し出し)、開封用条体6の各端部6aを、各切込線30からシート本体原反3Xの反対面側に突出させる工程(第3工程)、からなる。
【0036】
第1の工程では、シート本体原反3Xが間欠的に搬送され、搬送経路上に配置された切込機構(図示せず)がシート本体原反3Xの間欠搬送に同期して作動することにより、図6に示す如く、1対の切込線30,30が形成される。
【0037】
切込機構は、一例として、受けローラと工具とを備え、工具を受けローラに往復動させ、工具の表面に設けられたノッチ刃を受けローラに当接させることにより、シート本体原反3Xに切込線30を形成する構成となっている。ただし、切込機構は、かかる構成に限定されるものではなく、要は、シート本体原反3Xに切込線30を形成することができるものであれば、他の構成からなる機構であってもよい。
【0038】
第2の工程では、シート本体原反3Xが間欠的に搬送され、図7及び図8に示す如く、搬送経路上に配置された切断・搬送・接合機構100,101がシート本体原反3Xの間欠搬送に同期して作動することにより、開封用条体6が開封用条体原反6Xから分離され、搬送されてシート本体原反3Xの内面に配置され、接合(接合部60)される。
【0039】
切断機構100は、一例として、1対の切断刃を備え、ロール体からシート本体原反3Xの搬送方向に沿って繰り出された開封用条体原反6Xを所定幅で切断して開封用条体6を形成する構成となっている。ただし、切断機構は、かかる構成に限定されるものではなく、要は、所定幅の開封用条体6を形成することができるものであれば、他の構成からなる機構であってもよい。
【0040】
搬送・接合機構101は、一例として、開封用条体6をたとえば長手方向に沿って吸引することにより保持し、開封用条体6を切断位置からシート本体原反3Xへの配置位置へと搬送する保持バー102と、開封用条体6のシート本体原反3Xへの配置位置において、シート本体原反3Xの反対面側に配置されるたとえばヒートシールバーからなる接合バー103とを備え、切断により形成された開封用条体6を、保持バー102で保持し、保持バー102の移動(図8の例では、昇降)により搬送してシート本体原反3Xの内面に配置し、しかる後、保持バー102と接合バー103とでシート本体原反3X及びこの内面に配置された開封用条体6を挟んでヒートシールすることにより接合部60を形成する構成となっている。
【0041】
ここで、接合バー103は、各端側にて、保持バー102よりも短くなっている。このため、保持バー102で保持されるが、接合バー103との間に挟まれない開封用条体6の部分は、シート本体原反3Xに接合されず、各端部6a及び各端部6aに隣接する各非接合部となる。
【0042】
ただし、搬送・接合機構は、これらの構成に限定されるものではなく、要は、開封用条体6を、各端部6a及び各端部6aに隣接する各非接合部を残しつつ、シート本体原反3Xの内面に接合することができるもの、すなわち、遊離片31,31間の開封用条体6の所定範囲で開封用条体6をシート本体原反3Xの内面に接合することができるものであれば、他の構成からなる機構であってもよい。
【0043】
第3の工程では、シート本体原反3Xが間欠的に搬送され、図9ないし図12図10は、図9の搬送工程を反対面側から見た図)に示す如く、搬送経路上に配置された外力付加機構104,105がシート本体原反3Xの間欠搬送に同期して作動することにより、開封用条体6の各端部6aがシート本体原反3Xの反対面側に押し出される。
【0044】
外力付加機構は、一例として、エアノズル104(図11)を備え、各遊離片31及び各遊離片31における開封用条体6の部分に向けてエアを吹き付けることにより、各遊離片31を曲げて開口を形成し、この開口を介して開封用条体6の各端部6aをシート本体原反3Xの反対面側に移動させる構成となっている。あるいは、外力付加手段は、一例として、昇降動作するロッド105(図12)を備え、各遊離片31及び各遊離片31における開封用条体6の部分にロッド105の先端を当て、さらにロッド105を押し込むことにより、各遊離片31を曲げて開口を形成し、この開口を介して開封用条体6の各端部6aをシート本体原反3Xの反対面側に移動させる構成となっている。
【0045】
ただし、外力付加機構は、これらの構成に限定されるものではなく、要は、開封用条体6の各端部6aをシート本体原反3Xの反対面側に移動させることができるものであれば、他の構成からなる機構であってもよい。たとえば、シート本体原反3Xの反対面側に、吸引ないし吸着機構を配置し、反対面側から各遊離片31を吸引ないし吸着して、開封用条体6の各端部6aをシート本体原反3Xの反対面側に移動させるようにしてもよい。
【0046】
シート本体原反3Xは、以上のようにして完成され、引き続き搬送されて、次に、包装材原反を完成させる工程に移行する。
【0047】
包装材原反を完成させる工程は、たとえば特許文献1に記載されたとおりであり、従来から用いられている方法であるため、ここでは、多くを説明しない。同工程は、図13に示す如く、搬送されるシート本体原反3Xに対し、1対の帯状シート原反4X,4Xを供給し、1対の帯状シート原反4X,4Xをそれぞれシート本体原反3Xの内面の所定箇所に重ね合わせ、しかる後、ヒートシールすることにより各1対の接合部40,40を形成して、シート本体原反3X及び1対の帯状シート原反4X,4Xを一体化し、包装材原反1Xが完成する。なお、1対の帯状シート原反4X,4Xは、特許文献1に記載されたとおり、シート本体原反3Xの両側部を切断したものであってもよいし、あるいは、シート本体原反3Xとは別に用意されたものであってもよい。
【0048】
包装材原反1Xは、以上のようにして製造される。そして、一旦ロール状に巻回された後、ピロー包装を行う自動包装機にロールがセットされる。あるいは、引き続き搬送されて、ピロー包装を行う工程に移行する。いずれの場合でも、包装材原反1Xは、ピロー包装後、1つ単位に切断されて分離され、これにより、食品Fは、枚葉状の包装材1を用いて包装された格好となる。
【0049】
このように、本実施形態に係る、開封用条体6の各端部6aが包装材1の外面側に突出して開封用の摘み片となる開封手段を1対備える包装材1及び包装材原反1Xの製造方法によれば、簡潔な構成及び簡潔な方法にして、優れた量産性を実現することができる。
【0050】
また、この場合、開封用条体5の各端部6aが延びる方向と、各遊離片31が延びる方向とが一致しているため(両方とも同じ方向に凸となるため)、開封用条体6の各端部6aを小さい力で確実に他方の端部6a側に移動させることができる。
【0051】
また、本実施形態に係る、開封用条体6の各端部6aを突出させるための各切込線30及び各遊離片31を帯状シート4で覆って封止する包装材1によれば、開封手段に高い密封性を付与することができ、ここから異物等が内部に侵入するのを好適に防止することができ、食品衛生上優れた包装体7とすることができる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0053】
たとえば、切込線及び遊離片の形状や構造は、上記実施形態のものに限定されず、たとえば、図14に示すものであってもよい。なお、図14は、開封用条体6の一方の端部6a側の構造を示すものであるが、他方の端部6a側も同様の構造とするもの又はし得るものである。
【0054】
図14(a)に示すものは、開封用条体6の端部6aに、周辺領域から識別可能な表示部61を施したものである。通常、開封用条体6は透明であるため、その端部6aはそのままであれば目立ちにくく、場合によっては、そこが開封用の摘み片であることが商品購入者にすれば認識しづらいことも考えられる。そこで、開封用条体6の端部6aに表示部61を印刷等して施すことで、どの商品購入者であっても、容易に開封用の摘み片であることを認識することができる。
【0055】
表示部としては、そこが開封用の摘み片であることを示す情報からなる表示部61に加えて、あるいは表示部61の代わりに、図14(b)に示す、周辺領域から識別可能な単なる色彩や模様等からなる表示部62であってもよい。
【0056】
図14(c)に示すものは、π字状の切込線30、すなわち、第1方向に沿った線30bと、線30bの両端点よりも内側の位置から第2方向に沿って延びる線30c,30cとで構成される切込線30が形成されたものである。かかる構成によれば、開封用条体6の端部6aを持って第2方向に開封した後、第2方向において互いに外方に向く切込線30d,30dが形成される。このため、開封後の残りのシート本体3を左右に開いて分断開放部を大きくすることができ、食品Fを取り出しやすくすることができる。
【0057】
図14(d)に示すものは、それぞれが斜めの二本の切込線30e、30eが交差して構成されるX字状の切込線30が形成されたものである。かかる構成によっても、開封後、第2方向において互いに外方に向く切込線30f,30fが形成される。このため、開封後の残りのシート本体3を左右に開いてワイドオープンにすることができる。
【0058】
図14(e)に示すものは、H字状の切込線30、すなわち、第1方向に沿った線30gと、線30gの両端点から第2方向両方向に沿って延びる線30h,30hとで構成される切込線30が形成されたものである。かかる構成によれば、シート本体3の一端縁3a側に向かう遊離片31に加え、この遊離片31と対向するようにしてシート本体3の他端縁3b側に向かう遊離片32も形成することができる。
【0059】
図14(f)に示すものは、開封用条体6の他方の端部6a側に凸となる切込線30、すなわち、開封用条体6の端部6aが延びる方向と、遊離片32が延びる方向とが逆となるような切込線30が形成されたものである。
【0060】
また、切込線は、第1方向に沿った線や、第2方向に対して傾斜する線等の直線ないし略直線あるいは多少湾曲した線であってもよい。
【0061】
また、開封用条体6の端部6aを他方の端部6a側に移動させることを可能とするための構造として、切込線30及び遊離片31の組み合わせではなく、図14(g)に示す如く、開口33であってもよい。開口33であっても、開封用条体6の端部6aをシート本体3の反対面側に移動させるための装置及び方法は、上記したものと基本的には同じである。
【0062】
また、シート本体3と開封用条体6との接合部60は、図14(h)に示す如く、中心が一致するように形成してもよい。また、接合部は、開封用条体6の幅方向全域に形成してもよいし、あるいは、開封用条体6の幅方向両側縁部だけに形成してもよい。要は、開封用条体6がシート本体3から剥離するようなことがなければそれでよい。
【0063】
また、接合部は、第2方向に沿って連続的に形成されるものではなく、たとえば、遊離片31における箇所を含め、適宜の箇所に施したポイントシールからなるものであってもよい。
【0064】
また、切込線は、全切線ではなく、外力付加機構によって外力が加えられると、破断するものであれば、半切線(ハーフカット)やミシン目であってもよい。
【0065】
また、開封用条体は、一本物ではなく、たとえば、別体である本体部と端部とを一体に接合したものであってもよい。また、開封用条体は、直線状ではなく、曲線状等の非直線状のものであってもよい。
【0066】
また、上記各実施形態においては、切込線30及び遊離片31を覆って封止することで、切込線30及び遊離片31を介して異物等が包装体7の内部に侵入するのを防止するための封止材として、1対の帯状シート4,4(1対の帯状シート原反4X,4X)が設けられる。しかし、シート2の構成はこれに限定されるものではない。
【0067】
たとえば、1対の帯状シート4,4(1対の帯状シート原反4X,4X)をシート本体3(シート本体原反3X)の領域内に配置するのではなく、図15に示す如く、1対の帯状シート4,4(1対の帯状シート原反4X,4X)として、十分に幅広のものを用い、シート本体3(シート本体原反3X)の一端縁3a及び他端縁3bから各帯状シート4(帯状シート原反4X)が第2方向に突出する構成の包装材1(包装材原反1X)であってもよい。
【0068】
また、帯状シート4(帯状シート原反4X)のように端から端まで連続した長尺帯状でなく、必要最小範囲ということで、図16に示す如く、切込線30及び遊離片31を内包する大きさの被覆シート片9を用いるようにしてもよい。この場合、被覆シート片9は、切込線30及び遊離片31を囲むようにヒートシール等によりシート本体3(シート本体原反3X)の内面に接合される(接合部90)。
【0069】
また、開封用条体6の一方の端部6aから開封可能な開封手段と、開封用条体6の他方の端部6aから開封可能な開封手段の1対の開封手段について、これらは必ずしも同じ構成である必要はない。たとえば、それぞれの開封手段として、図1ないし図13に示した構成及び図14に示した構成の中から適宜別々に選択して、異なる構造の組み合わせとすることは可能である。
【0070】
また、上記実施形態においては、開封用条体6は、包装体7の正面部に配置されるものであったが、これに限定されるものではない。たとえば、図17(a)に示す如く、開封用条体6の両端部6a,6aが包装体7の背面部(背貼り部70がある側)に回り込む、さらには背貼り部70の近傍にまで延びるような開封用条体6の長さであってもよいし、同図(b)に示す如く、開封用条体6のいずれかの端部6aのみが包装体7の背面部に回り込むような開封用条体6の長さであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、開封用条体6は、第2方向に沿って配置される。このため、包装体7において、開封用条体6(すなわち開封方法)は、背貼り部70と交差する配置関係となる。しかし、開封用条体6の配置は、このような態様に限定されるものではない。たとえば、開封用条体6は、第2方向に対して斜めに配置するようにしてもよい。
【0072】
また、包装対象の食品は、包装材で包むことができる形であれば、ケーキ等の洋菓子、パン、サンドイッチ、ハンバーガー以外の食品(たとえば、饅頭等の和菓子や、おにぎり、ピラフ、チャーハン、寿司等の米飯加工食品)であってもよく、食品の種類は限定されない。
【0073】
また、包装材(包装材原反)は、上記実施形態に係るピロー包装といった特定の包装形態に用いるものに限定されず、おにぎりと海苔シートを分離した状態で包装する食品用包装材の外シートや、突き上げ包装に用いられるシートや、平袋、ガゼット袋等の一般的な袋に用いられるシート等、各種の包装形態に用いられる全てのものを対象とする。
【0074】
また、包装対象は、食品に限定されず、食品以外の被包装物であってもよい。
【0075】
また、包装材1(包装材原反1X)に用いられるシートは、単一のプラスチックシートからなるものに限定されない。たとえば紙又は紙質シート等、その他の材質のシートであってもよい。また、包装材のシート本体は、たとえば、二枚のシートを端部同士を接合して一枚のシートにしたものや、三枚のシートを順次端部同士を接合して一枚のシートにしたもののように、複数枚のシートを用いて一枚のシートに形成したものであってもよい。また、この場合、各シートの材質は異なるものであってもよい。たとえば、一部のシートには、プラスチックシートではなく、紙又は紙質シートを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…包装材、1X…包装材原反、2…シート、3…シート本体、3X…シート本体原反、3a…一端縁、3b…他端縁、30…切込線、30a…端点、30bないし30h…切込線、31…遊離片、31a…一端縁、31b…側縁、32…遊離片、33…開口、4…帯状シート、4X…帯状シート原反、40…接合部、6…開封用条体、6X…開封用条体原反、6a…端部、6b…側縁、60…接合部、60a…端縁、61…表示部、62…表示部、7…包装体、70…背貼り部、71…開口縁部、72…接合部、73…側縁部(上縁部)、74…折返し部、75…側縁部(下縁部)、76…折返し部、76a…ガゼット、8…シール又はラベル、9…被覆シート片、90…接合部、100…切断機構、101…搬送・接合機構、102…保持バー、103…接合バー、104…エアノズル(外力付加機構)、105…ロッド(外力付加機構)、F…食品、L1…開封用条体6及び遊離片31の幅方向の中心線、L2…接合部60の幅方向の中心線、G1…接合部60の一端縁60aと遊離片31の一端縁31aとの間隔(非接合部の幅)、G2…開封用条体6の側縁6bと切込線30の端点30aとの間隔(間隙部の幅)、S1…中心線L1と中心線L2とのずれ量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図18