(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】ウェブ解析・コールトラッキング統合方法およびそれに用いられるシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20230905BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2019093385
(22)【出願日】2019-05-17
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】517286526
【氏名又は名称】藤本 勝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】藤本 勝幸
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-139931(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0040786(US,A1)
【文献】特開2016-062481(JP,A)
【文献】特開2013-130955(JP,A)
【文献】特開2017-169129(JP,A)
【文献】特開2017-037421(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0124290(US,A1)
【文献】特開2003-296503(JP,A)
【文献】特開2019-068229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーが、
消費者の情報処理端末装置の表示手段に表示されて前記消費者に閲覧されるように設定されているインターネットの所定のウェブページ内または広告枠内に、そのオーナーへの情報要求のための番号情報の表示欄を設定するステップと、
記ウェブページまたは前記広告枠のオーナーによって、前記情報要求のための番号情報としても兼用される計測用番号情報を、予め複数本分用意するステップと、
記所定のウェブページまたは広告枠に係る消費者の行動履歴を分析するウェブ解析用のリファラ情報を設定するステップと、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップと、
記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、その時刻の情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置または広告媒体の種類の情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠に含まれているリファラ情報の情報とを、1つに纏めて、コールデータとして記憶するステップと、
記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップと、
を有し、
前記サーバが、
前記記憶されたコールデータを用い、前記コールデータに合致する前記消費者に係るウェブ解析データと前記コールトラッキングによって得られたコールトラッキングデータとを、前記計測用番号情報と前記時刻の情報を用いて、紐付けて、前記消費者の前記ウェブおよび電話における行動履歴の一貫した解析を可能とするデータを形成するステップを有す
る、
ウェブ・コールトラッキング統合方法。
【請求項2】
請求項1記載のウェブ・コールトラッキング統合方法において、
前記サーバーが、
前記インターネットの所定のウェブページ内または広告枠内に前記オーナーへの情報要求のための番号情報の表示欄を設定するステップの代わりに、前記インターネットの所定のウェブページ内または広告枠内に前記オーナーへの情報要求のための番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンを設定するステップと、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップの代わりに、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップと、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップの代わりに、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップと、
を有するウェブ・コールトラッキング統合方法。
【請求項3】
請求項1又は2のうちいずれかに記載のウェブ・コールトラッキング統合方法において、
前記所定のウェブページまたは広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置の種類、または、前記情報要求の際に閲覧された印刷媒体を含む広告媒体の種類ごとに、異なった種類の番号情報を、前記計測用番号情報として、予め用意しておく
ウェブ・コールトラッキング統合方法。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれかに記載のウェブ・コールトラッキング統合方法において、
前記コールデータは、前記消費者が前記情報要求の際に使用した前記消費者自身の所有する番号情報である発信者番号情報、前記情報要求に係る通話時間の情報のうち、すくなくとも1種類の情報を、さらに含む
ウェブ・コールトラッキング統合方法。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれかに記載のウェブ・コールトラッキング統合方法を実施するために用いられるシステムであって、
予め複数本分用意された前記計測用番号情報を記憶する記憶手段と、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、または、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたとき、前記複数本の計測用番号情報のうちからそのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを前記所定のウェブページまたは広告枠の番号情報欄に表示するべく読み出す計測用番号情報読出手段と、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したときの、時刻の情報と、そのときウェブサーバーから取得可能な前記所定のウェブページまたは広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置の種類またはそれ以外の広告媒体の種類の情報と、上述のウェブページまたは広告枠に含まれているリファラ情報とを、1つに纏めて、コールデータとして記憶するコールデータ記憶手段3と、
前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、または、前記消費者が前記番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動する、コールトラッキング発動手段と、
を有するウェブ・コールトラッキング統合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェブ(Web)における消費者の行動履歴の情報と電話での消費者の行動履歴の情報とを統合し、それらを一貫した最終的なCV(Conversion)等の計測・解析を可能にするウェブ・コールトラッキング統合方法、およびその方法の実施のために用いられるウェブ解析・コールトラッキング統合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アフィリエイト・ウェブサイト・パフォーマンスのコンピュータ・ベース解析、つまり従来のウェブコンテンツ管理および消費者行動履歴解析等のための技術が提案されている。
例えばGoogle Analytics(登録商標)などのウェブ(Web)解析ツールの普及により、いわゆるウェブ広告におけるCV解析等の効果測定は日々発展してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、消費者(いわゆるオーディエンス)がウェブ広告を見て、それへの反響としてウェブ上の連絡欄やメール等を経由して広告主(企業、店舗等)に問合せをした場合の効果測定結果と、PC(Personal Computer)においてウェブ上に掲げられていた電話番号を見た後、固定電話機もしくは携帯電話機またはスマートフォン(Smart Phone:以下、SPと略称する)によって広告主に問合せをした場合の効果測定結果とが、大幅に相違するようになってきた。
特に、緊急性の高いサービスや、例えば冠婚葬祭業、エステ・美容業、酒販業、旅行代理店のような業種の場合、消費者は、相談したいことや質したい疑問点があることが多く、それへの回答を今すぐに欲しがる傾向にあるので、それらの質問や現時点での予約受付の可否などを質すために、消費者が電話での問合せをする場合が多い。
従って、上述のような広告主やウェブページオーナーの場合には特に、例えばウェブサイトの右上やその他目に付きやすい位置に、消費者の眼に目立ちやすいように電話番号を提示してあるので、それを消費者が見て、直ちに自分のSPや携帯電話または固定電話を手に取って、PC画面等に提示されている電話番号に電話をかける。
このため、ウェブ解析の視点からすれば、消費者はただ一瞬だけウェブサイトを訪れてその広告を見ただけで、すぐにそのサイトから出で行った(所謂流出した)ものと評価(解析)されてしまうこととなる。
けれども、実際には、そのサイトから出て行った直後から、その消費者は電話での購買行動を開始しているのであるが、その履歴はウェブ解析には反映されない。
このため、ウェブ解析によるCV計測結果等の解析データが、実際の消費者の最終的なCV結果とは大幅に相違することとなっていた。
また同様の理由で、ウェブ解析によるCV計測結果等の解析データと、コールトラッキングによるCV計測結果等の解析データとが、大幅に相違することとなっていた。具体的には、例えば2~3倍もの差異が生じることは普通である、といった報告もある。
しかも、スマートフォン(SP)の急激な普及により、消費者は、PCでウェブ広告を見てから、使用するデバイスを電話機やSPに持ち替えて、電話で広告主に問合せやCVを行なう、という流れがますます増加している。
このため、上述の相違は今後もさらに大きなものとなることが、確実に予想される。
【0005】
また、従来のコールトラッキング方法においては、例えば、各検索ブラウザまたはウェブ媒体毎に、またキーワード毎に、また消費者の使用する情報処理端末装置や通信装置の種類毎に、コールトラッキング用電話番号(つまり電話CV計測用電話番号など)を予め固定的に設定したものを多数本分用意しておき、電話の架電があると、そのときの検索ブラウザおよびキーワードの組み合わせに合致するコールトラッキング用電話番号がその後のコールトラッキングに所謂インデックス的情報として用いられるように設定されていた。
ところが、上述のような従来の方法の場合、インターネット広告で運用型広告が大半を占めるようになってきた現在では、予め用意すべきコールトラッキング用電話番号の本数は、例えば10000本のような莫大な本数分が必要になってしまう。
なぜなら、例えば、想定される検索ブラウザの数が10種類あり、かつキーワードが100種類あり、かつ消費者の使用が想定される情報処理端末装置の種類が10種類あったとすると、それだけでも組み合わせの数は、10×100×10=10000となるのであり、しかも、実際に使用されるキーワードは、さらに多数種類となることが想定されるからである。
而して上述の10000本以上のような極めて多数のコールトラッキング用電話番号を1人のオーナーや企業が用意することは現実的ではなく、実際上、極めて困難ないし不可能である。
【0006】
本発明は、上述のような従来の技術が抱えていた幾つかの課題を解決して、ウェブにおける消費者の行動履歴の情報やそれに基づく所謂ウェブ解析データと、電話での消費者の行動履歴の情報やそれに基づく所謂コールトラッキングデータとを統合(紐付け)し、その一連の流れを通して一貫した真のCV(Conversion)の計測等を可能にする、ウェブ・コールトラッキング統合方法およびその実施のために用いられるウェブ・コールトラッキング統合システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明のウェブ・コールトラッキング統合方法は、消費者の情報処理端末装置の表示手段に表示されて前記消費者に閲覧されるように設定されているインターネットの所定のウェブページ内または広告枠内にそのオーナーまたは広告主(以下、これらを纏めて「オーナー」とも記載する)への情報要求のための番号情報の表示欄を設定するステップと、前記所定のウェブページまたは広告枠のオーナーによって、前記情報要求のための番号情報としても兼用される計測用番号情報を、予め複数本分用意するステップと、前記所定のウェブページまたは広告枠に係る消費者の行動履歴を分析するウェブ解析用のキーワードを設定するステップと、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップと、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、その時刻の情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置または広告媒体の種類の情報と、前記所定のウェブページまたは広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータとして記憶するステップと、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップと、を有する。
(2) 好適には、上述のウェブ・コールトラッキング統合方法において、前記インターネットの所定のウェブページ内または広告枠内に前記オーナーへの情報要求のための番号情報の表示欄を設定するステップの代わりに、前記インターネットの所定のウェブページ内または広告枠内に前記オーナーへの情報要求のための番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンを設定するステップと、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップの代わりに、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたとき、前記番号情報の表示欄に、前記予め複数本分用意された計測用番号情報のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップと、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップの代わりに、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動するステップと、を有する。
(3) また、好適には、上述のウェブ・コールトラッキング統合方法において、前記記憶されたコールデータを用い、前記コールデータに合致する前記消費者に係るウェブ解析データと前記コールトラッキングによって得られたコールトラッキングデータとを紐付けて、前記消費者の前記ウェブおよび電話における行動履歴の一貫した解析を可能とするデータを形成するステップを有するようにする。
(4) また、好適には、前記所定のウェブページまたは広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置の種類、または、前記情報要求の際に閲覧された印刷媒体を含む広告媒体の種類ごとに、異なった種類の番号情報を、前記計測用番号情報として、予め用意しておくようにしてもよい。
(5) また、好適には、上述のウェブ・コールトラッキング統合方法において、前記コールデータは、前記消費者が前記情報要求の際に使用した前記消費者自身の所有する番号情報である発信者番号情報、前記情報要求に係る通話時間の情報のうち、すくなくとも1種類の情報を、さらに含むようにしてもよい。
(6) 本発明のウェブ・コールトラッキング統合システムは、ウェブ・コールトラッキング統合方法を実施するために用いられるシステムであって、予め複数本分用意された前記計測用番号情報を記憶する記憶手段と、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、または、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたとき、前記複数本の計測用番号情報のうちからそのとき利用可能な1つの計測用番号情報を選択し、それを前記所定のウェブページまたは広告枠の番号情報欄に表示するべく読み出す計測用番号情報読出手段と、前記消費者が前記所定のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、または、前記消費者が番号情報の表示要求ボタンまたは電話開始ボタンをクリックしたときから、前記消費者に係るコールトラッキングを発動する、コールトラッキング発動手段と、を有する。
(7) 本発明のウェブ・コールトラッキング統合方法は、消費者の情報処理端末装置の表示手段に表示された前記消費者に閲覧されるように設定されているインターネットの所定の閲覧ウェブページ情報、並びに、閲覧ウェブページへ消費者が移行してくる前の前ウェブページから取得されるリファラ情報を取得し、前記閲覧ウェブページへ消費者が移行時又はその後に、複数の電話情報から1つを割り当て、 前記閲覧ウェブページ情報、リファラ情報、割り当てた電話情報、及び、割り当てた時間の第1時間情報を第1コールトラッキング情報として記憶するステップと、消費者から電話があった際に、少なくとも、その電話のあった第2電話情報と、電話のあった時間の第2時間情報と、を第2コールトラッキング情報として記憶するステップと、前記第1コールトラッキング情報と、前記第2コールトラッキング情報とを、統合するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明はウェブ(Web)における消費者の行動履歴の情報等とコール(電話)トラッキングとを統合可能とすることで、消費者のウェブにおける検索~LP(Landing Page)選択~ページ閲覧と情報要求(問合せ、質問等)~CV(契約、発注、予約等)との一連の行動履歴等を、統合して把握・解析することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合方法の主要な流れをフロー図の形で示す説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合システムの主要部の構成を模式的に示す説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合システムの主要部の構成を、本発明の一実施形態に係る方法の流れにおいて、模式化して示した説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法をポータルサイトの分析に用いた、より具体的な適用例を、主に消費者の視点から見た流れとして示した説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法をSPに適用した場合の1例を模式化して示した説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法によって提供されるコールデータを用いてCRMから情報の流れを遡上するようにして、消費者のウェブから電話連絡(架電)までのデータを一連のデータとして紐付け、ウェブから電話問合せまでの一貫したキーワード分析や回遊経路分析等を行なう場合の1例を、模式化して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合方法(以下、簡潔化して「本方法」または「この方法」とも記述する)の主要な流れを模式的に示す説明図である。
【0011】
この方法は、次のとおりのステップを、主要な流れとして含んで構成されている。
(1) 消費者40の情報処理端末装置(例えばPC、SP、その他各種のモバイル等)400における、例えば液晶表示パネルのような表示手段401に表示されて消費者40に閲覧されるように設定されている、インターネットの所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)内または広告枠内に、そのオーナーまたは広告主(以下、これらを纏めて「オーナー」とも記載する:図示省略)への電話連絡のための電話番号表示欄101を設定するステップ(S1)。
(2) 所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠のオーナーまたは広告主等によって、上述の電話連絡のための電話番号としても兼用される計測用電話番号100を、予め複数本分(例えば10本などのような、例えば15分間のような電話番号表示継続時間内に使用されることが想定される本数分、つまり一定時間内の同時セッションに対して電話番号が不足することのないような本数分)用意するステップ(S2)。
(3) 所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係る消費者40の行動履歴を分析するウェブ解析用のキーワードを設定するステップ(S3)。
(4) 消費者40が上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号100の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、電話番号表示欄101に、予め複数本分用意された計測用電話番号100のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用電話番号を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップ(S4)。
(5) 消費者40が上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)ジまたは広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、少なくとも、その時刻の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400または例えばテレビ広告のような広告媒体(図示省略)の種類の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータ102として記憶するステップ(S5)。
(6) 消費者40が上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたときから、その消費者40に関してのコールトラッキングを発動するステップ(S6)。
(7) 上述のステップS5で記憶され、今まで蓄積されてきた多数のコールデータ102のうちから、本システムのユーザーが所望する解析の目的に適合するコールデータ102を読み出すステップ(S7)。
【0012】
(8) 消費者40のウェブおよび電話における行動履歴の一貫した解析を可能とするべく、上述のステップS5で記憶されたコールデータ102を用い、そのコールデータ102に合致する上述の消費者40に係るウェブ解析データと、同消費者40に係るコールトラッキングによって得られたコールトラッキングデータとを、紐付けて統合するステップ(S8)。
ここで、紐づけて統合する情報の中には、閲覧ウエブページ(
図3の201、
図4のS43及びS44)のリファラ情報、前ウェブページ(
図3の201及び201、
図4のS41、S42)のリファラ情報も統合の際に含まれる。これらの情報は、閲覧ウェブページページにユーザーが閲覧したときに、同様にコールデータ記憶手段3(
図3参照)で取得・記憶可能な情報であるからである。
ここで、リファラ情報とは、リファラとは、キーワード(検索キーワード)やクリエイティブ、ターゲティング情報、広告のIDなど、分析に関わる様々な情報である。
【0013】
なお、上述のステップS5、S6は、S4と同時かその直後に実行してもよく、または、S4の後に、上述とは逆のS6、S5の順番で実行するようにしてもよい。
【0014】
また、本システムおよび方法では、従来のコールトラッキングシステムで行われていた、例えば0120-XXX-XX1のような所謂オフィシャルフリーダイヤルを通さずに消費者から架電された計測用電話番号から直接に、ウェブページのオーナーや広告主が通常使用している例えば03-3456-789Xのような受電番号へ転送することが可能である。
すなわち、フリーダイヤル料金の二重課金はされず、またオーナーや広告主が通常使用している受電環境も変更することなしに、本システムおよび方法を使用することが可能である。
【0015】
また、ステップS7でウェブ解析データとコールトラッキングによって得られたコールトラッキングデータとを、コールデータ102をあたかも媒介(仲立ち)として用いて紐付けた後、その紐付けられて時系列的にウェブから電話のCV(または未契約等)まで一貫した(つまり統合された)データを解析用データとして用いて、例えばGoogle Analytics(登録商標)のような解析システムによる解析を行なうことができる。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合システム(以下、簡潔化して「本システム」または「このシステム」とも記述する)の主要部の構成を模式的に示した説明図である。
【0017】
このシステムは、上述のウェブ・コールトラッキング統合方法を実施するために用いられる、ウェブ・コールトラッキング統合システムであって、計測用電話番号記憶手段1、計測用電話番号読出手段2、コールデータ記憶手段3、コールトラッキング発動手段4を有している。それら構成要素は、次のように機能するものであると纏めることができる。
【0018】
(1) 計測用電話番号記憶手段1は、例えば15分間のような一定の継続時間に亘って広告枠等の電話番号表示欄101に表示される計測用電話番号を、その継続時間内に通常架電されることが想定される例えば10本分のような複数本分が予め用意された、計測用電話番号100を記憶する。
【0019】
(2) 計測用電話番号読出手段2は、消費者40が自身のPCのような情報処理端末装置400を用いて、液晶表示パネル等からなる表示手段401に表示されるウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、複数本の計測用電話番号20のうちからそのとき利用可能な1つの計測用電話番号100を選択し、それを上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の電話番号表示欄101に表示するべく読み出す。
【0020】
(3) コールデータ記憶手段3は、消費者41が所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したときの、時刻の情報と、そのときウェブサーバー200等から取得可能なウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、ウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400またはそれ以外の例えば新聞やテレビのような広告媒体の種類の情報と、上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータ102として記憶する。
他方、ウェブ解析システム210は、少なくともこのときまでの消費者40のウェブにおける上述の閲覧履歴等の情報を収集し記憶する。
なお、このウェブ解析システム210の機能・動作それ自体については、一般的なもので構わないので(なぜなら、そのような一般的なウェブ解析システム自体に対して、本システムは簡便に協働可能であるから)、それについての詳細な説明は省略する。
【0021】
(4) コールトラッキング発動手段4は、消費者40が所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたときから、その消費者40に係るコールトラッキングの発動を行なう。より具体的には、このコールトラッキング発動手段4が実質的にシステム制御手段として機能して、コールトラッキングシステム310によるコールトラッキング機能を発動させる。
【0022】
(5) コールデータ読出手段5は、上述のコールデータ記憶手段3に記憶されているコールデータ102のうちから、例えば本システムの契約者である広告主からの要請等により、その広告主の所望するコールデータ102を読み出す。
【0023】
(6) コールトラッキングデータ・ウェブ解析データ統合手段5は、コールデータ読出手段5によって読み出され、送られて来たコールデータ102を媒介として用いて、コールトラッキングデータ311とウェブ解析データ211とを紐付けて、それらを統合したデータに纏めて解析(分析)することができるようにする。
そして、その統合されたデータを、例えばCRM分析システム500等に送り、そこでウェブから電話連絡まで一貫したCRM分析・ウェブ解析等を実行させるようにすることができる。
【0024】
なお、本システムは、最も狭い構成として、その主要部10のみを有し、それ以外のウェブサーバー200、ウェブ解析システム210、コールトラッキングシステム310の各部位は全て外部のシステムを利用もしくは連携するものとすることも可能であるが、それのみには限定されない。
その他にも、例えば、ウェブサーバー200、ウェブ解析システム210、コールトラッキングシステム310という各部位のうちの、少なくともいずれか1つ乃至それら全てを、本システムの構成要素の一部分として含むようにしてもよい。
そのようにすることにより、上述の各部位と本システムの主要部との間でのデータのやり取りをさらに円滑で確実なものとすることができる。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態に係るウェブ・コールトラッキング統合システムの主要部の構成を、上述の本方法の流れにおいて模式化して示した説明図である。
【0026】
この
図3では、消費者40が「電話計測」というキーワードで検索を開始した場合を示している。
消費者40は、自分の所望する条件に適合する電話計測システムの購入を企てるに当たり、Gxxgleという検索エンジンのポータルサイトのページ202(前ウェブページ)にアクセスするなどして「電話計測」というキーワードでの検索を行なう。
【0027】
Gxxgleによる検索の結果ヒットした幾つかのウェブ広告サイトのリスト203(前ウェブページ)が表示される。
消費者40は、リストアップされているサイトのうちの「Call Data Bank」というL社の広告サイトを選択しクリックする。
そして、そのL社のウェブサイトの広告ページが表示されるが、その際、本システム10の計測用電話番号記憶手段1に記憶されている複数の計測用電話番号100のうちの、そのとき架電に使用されていない、従ってそのとき使用可能なもののうちから、ランダムに1つの計測用電話番号(例えば0120-XXX-XX1)が、計測用電話番号読出手段2によって選択されて、画面右下に設定されている電話番号表示欄101に表示される。
その計測用電話番号(例えば0120-XXX-XX1)の表示は、例えば15分間のような、予め定めておいた、後のウェブ解析データとコールトラッキングデータとの統合の際に有利に機能するような必要十分な長さの継続時間に設定することが望ましい。
【0028】
それと同時に、またはそれより所定時間の後に、そのときL社の広告サイト、つまり「所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠」を構成するためのデータを送信している例えばウェブサーバー200などから、そのL社の広告サイトのウェブページに埋め込まれたタグ(例えばJava Script tag:登録商標)等のリファラーによるキックバックデータ等に基づきそのウェブページ201(閲覧ウェブページ)内から抽出されるキーワード、それを閲覧している消費者40のID、そのとき消費者40が使用中の例えばPCのようなデバイスの種類、例えばGoogle(登録商標)のようなウェブ媒体またはブラウザの種類などの情報が、そのときの日時および時刻の情報と共に所謂1ログの形に一纏めにされ、コールデータとして本システム10のコールデータ記憶手段3に記憶(蓄積)される。
【0029】
続いて、消費者40は、上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)の電話番号表示欄101に表示された計測用電話番号100である0120-XXX-XX1を見て、例えば自分の所有する固定電話の受話器402を取り、その電話番号0120-XXX-XX1に電話をかける。
その際、電話番号0120-XXX-XX1は、オーナー(広告主)が普段使用している、例えば03-6710-0XYXのような電話番号に自動的に転換されて、そのオーナー(広告主)サイド300の例えばCTI(Computer Telephony Integration)システム301等へ架電される。
そして、その後の消費者40からの電話の内容や最終的なCV結果等を、コールトラッキングシステム310が把握・記憶する。
【0030】
上述のようにして、1人の消費者40のウェブにおける閲覧履歴等の行動履歴がウェブ解析システムに記憶され、同消費者40の電話における問合せや最終的なCV等の行動履歴がコールトラッキングシステムに記憶され、かつ、その消費者40がウェブの閲覧から電話での問い合わせに移行した時刻(移行したと推定される時刻を含む)の情報や、そのときのウェブ媒体の情報等を担持してなるコールデータが本システム10のコールデータ記憶手段3に記憶される。
【0031】
その後、例えば上述のL社のようなウェブ広告のオーナー(広告主)が自分の会社のウェブ広告の効果測定を実施したい場合には、まず、本システム10のコールデータ記憶手段3に記憶され蓄積されている多数のコールデータ102のうちから、L社のIDを検索キーとして用いて、L社のウェブサイトに関係するコールデータ102のみを選択して読み出す。
【0032】
そして、そのコールデータ102を仲介として用いるべく、ウェブ解析システム210に記憶されている多数のデータのうちから、コールデータ102に含まれているコールデータ102に含まれている計測用電話番号100すなわち「0120-XXX-XX1」、日時・時間の情報すなわち「2019年2月7日の17時35分から17時49分」、および、媒体の情報すなわち「検索エンジンGxxgleによる検索」という情報に適合する情報を担持しているウェブ解析データ211を選択して読み出す。
また他方で、上述のコールデータ102を仲介として用いるべく、コールトラッキングシステム310に記憶されている多数のデータのうちから、コールデータ102に含まれている計測用電話番号100すなわち「0120-XXX-XX1」、日時・時間の情報すなわち「2019年2月7日の17時35分から17時49分」、および、媒体の情報すなわち「検索エンジンGxxgleによる検索」という情報に適合する情報を担持しているコールトラッキングデータ311を選択して読み出す。
【0033】
そして、それらは両方とも同じ1つのコールデータ102に適合する計測用電話番号、時刻等の情報を含んでいるデータであるから、その1つのコールデータ102を仲介として、高い信頼度を以て誤りなく、同じ1人の消費者40によるウェブから電話CVまでの一貫した解析データとして、互いに紐付けることができる。
【0034】
このように、コールデータ102を仲介として、1人の消費者40に係るウェブ解析データ211とコールトラッキングデータ311とを統合することが可能となる。
そして、その統合されたデータ501は、例えばCRMシステム500によって正確な解析が行なわれ、より実体に則した、消費者行動分析、ウェブ広告の効果測定、電話CVの効果測定、および、ウェブから電話CVまでの一貫した、正確な効果測定等を実現することが可能となる。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法をポータルサイトの分析に用いた、より具体的な適用例を、主に消費者の視点から見た一連の流れとして示す説明図である。
【0036】
消費者40は、例えば自身の所有するPCのような情報処理端末装置400を用い、プロバイダ(媒体)またはポータルサイトの検索エンジン等によって(
図4の1例ではGxxgleを使用)、その検索のためのキーワード241を「東京*港区*2LDK」とする検索を行なう(ステップS41)。
【0037】
その検索要求に対応して、検索エンジンGxxgleが検索を行い、その結果のリスト242をPCの画面に提示すると、消費者400は、そのリスト242のうちから自身の関心を惹いたウェブページを選択する(ステップS42)。
図4に示した一例の場合には、「ABC不動産ポータル」243が選択されて、そのフロントページ244が表示される(ステップS43)。
【0038】
このようにして消費者40は、「ABC不動産ポータル」243のフロントページ244に辿り着き、引き続いてその「ABC不動産ポータル」243の所定のウェブページ245を開く。この所定のウェブページ245が、
図4に示した1例ではLP(Landing Page)となる。
そして、消費者40は、その所定のウェブページ245に表示されている賃貸不動産の広告内容に関心を抱くと、そのウェブページ245の所定位置に表示されている、電話番号表示要求のためのボタン103をクリックする(ステップS44)。
【0039】
そのボタン103のクリックに対応して、計測用電話番号100として「0120-XXX-XXX」という所謂ダイヤルフリーの電話番号が、同ウェブページ245の所定位置、例えばクリックされるまでは「電話」というボタン103が表示されていた位置に、例えば5分間や20分間のような所定の時間に亘って継続して表示される(ステップS45)。
【0040】
続いて、消費者40が「ABC不動産」に電話で問合せや注文をしたいと考えた場合には、そのとき表示されているウェブページ245の電話番号表示欄101に表示されているフリーダイヤルの電話番号「0120-XXX-XXX」でもある計測用電話番号100に架電する(ステップS46)。
【0041】
消費者40から計測用電話番号「0120-XXX-XXX」による架電が行なわれると、そのとき表示されているコールデータ102が、本システム10のコールデータ記憶手段3に記憶される。
この
図4の1例では、コールデータ102として、時刻、発信者電話番号、通話時間、使用したデバイスの種類、媒体名、キーワード、キャンペーン情報、エリア、の各情報が、そのとき選択されて使用された計測用電話番号100と一纏めにして記憶される。
【0042】
そして、そのコールデータ102は、既に説明したとおり、コールトラッキングシステム310によるコールトラッキングデータ311とウェブ解析システム210によるウェブ解析データ211とを紐付けて両者を統合するために用いられることとなる。
【0043】
なお、
図4に基づく上述の説明では、ウェブページ245をコールトラッキングが開始(発動)される所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)とするべく、ウェブページ245に電話番号表示要求のためのボタン103を設定しているが、このボタン103は、その他のページにも設定可能である。
例えば、ABC不動産ポータルのフロントページ244に配置して、そのフロントページ244を本システムにおける上述の「所定のウェブページ」201とすることもできる。
あるいはその他のページ、例えば検索結果のリスト242のページや、検索用のキーワード241の入力ページ等に広告枠(図示省略)を表示するものとし、その表示枠内にボタン103を表示するようにしてもよい。
このように、電話番号表示要求のためのボタン103を設置した所望のウェブページ、または、計測用電話番号100の電話番号表示欄101を設置した所望のウェブページを、コールトラッキングの発動ポイントとして、任意に設定することができる。
すなわち、本方法および本システムでは、任意のウェブページからコールトラッキングを発動することが可能であり、しかもその設定は、電話番号表示要求のためのボタン103または電話番号表示欄101を設置するページを設定または変更するだけで、極めて簡便に設定または変更することができるのである。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法をSPに適用した場合の1例を模式化して示した説明図である。
【0045】
この
図5に示した1例では、検索のキーワードとして「電話計測」を用い、それに応答して「Call Data Bank」がリストアップされ、消費者40がそれを選択して電話をかけた場合を示している。
広告ポータルにおける消費者40による検索によって、SP410の画面411に、検索結果のリスト412が表示される。
消費者40は、そのうちの「Call Data Bank」を選択するべく、その表示部分をタップする。
【0046】
すると、そのタップに応答して、LP413が表示される。そのLP413には、「お電話は下のボタンで!」というような、電話問い合わせへの導線が提示されている。その「ボタン」とは、電話番号表示要求ボタン兼用の電話開始ボタン111(以下、「電話開始ボタン111」と略称する)である。
消費者40は、それに導かれて、電話開始ボタン111をタップする。
そのタップに応答して、計測用電話番号100として、0120-XXX-XXXが表示される。
そしてそのとき、コールデータ102が形成され、またそれと共に、コールトラッキングが発動(開始)される。
【0047】
上述のように、SP410の場合には、所定のウェブページに電話開始ボタン111を設定しておけば、その電話開始ボタン111を消費者40がタップした時点からコールトラッキングを発動できる。
これにより、消費者40が実際に電話を店舗や広告主サイドにかけた場合にのみ、コールトラッキングを行い、電話をかけなかった場合に結局無駄になってしまうようなコールトラッキングは行わなくて済むようになる。
すなわち、例えばPCの画面に計測用電話番号を表示しても、結局のところ消費者40がその電話番号に架電しなかった場合には、その後のコールトラッキングは実質的に全く無駄になってしまう場合があったが、本実施形態に係るシステムおよび方法に係る上述のような電話開始ボタン111または電話番号表示要求ボタンを所定のウェブページに設定することにより、そのウェブページを消費者40が訪れて、実際に電話をかけた場合にのみ、コールトラッキングを発動することが可能となるのである。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法によって提供されるコールデータを用い、上述のデータの流れをあたかも遡上(逆流)するようにして、コールトラッキングデータとウェブ解析データとを紐付け両者を統合するようにした場合の一連の流れを模式的に示す説明図である。
【0049】
すなわち、
図1-
図5では、消費者40のウェブから電話連絡(架電)までの、ウェブにおけるキーワード分析・回遊経路分析等の、コールトラッキングから見て所謂流入データを、コールトラッキングデータと紐付けて統合し、それをCRMシステム500等に投入して総合的な解析・分析を行なうという、矢線V61を付して示した流れについて説明した。
而してこの
図6に示した流れでは、CRMシステム500等を介して、今度は流れを上述とは逆向きに、コールトラッキングデータを、ウェブ解析データと紐付けて統合し、それをウェブ解析システムに掛けて解析を行なうという、矢線V62、V63を付して示した流れとなっている。
このような紐付け方(統合の仕方の態様)も、本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法によれば可能である。
【0050】
さらには、この
図6に示した1例では、消費者40のウェブから電話連絡(架電)までの、ウェブにおけるキーワード分析・回遊経路分析等の、コールトラッキングから見て所謂流入データを、コールトラッキングデータと紐付けて統合し、それをCRMシステム500等に投入して総合的な解析・分析を行なうという、矢線V61を付して示した流れと、それに続き、そのCRMシステム500等を介して、今度は流れを逆向きに、コールトラッキングデータを、ウェブ解析データと紐付けて統合し、それをウェブ解析システムに掛けて解析を行なうという、矢線V62、V63を付して示した流れとを、繋げて一連のサイクル的な流れとし、そのサイクルの回転を多数件のコールデータで繰り返すようにしている。このようにして得られた多数の解析データの蓄積により、CRMシステムによる解析・分析よりも飛躍的に信頼性の高い正確なCRM分析や、ウェブ解析、コールトラッキング、電話CV解析等を実現することが可能となる。
【0051】
なお、図示は省略するが、消費者40からの電話連絡の際に閲覧された、例えば新聞やテレビにおける広告のような、印刷媒体を含む広告媒体の種類ごとに、異なった種類の電話番号を、計測用電話番号として予め用意しておき、それをコールデータ102の計測用電話番号として用いるようにすることなども可能である。
このようにすることにより、ウェブ広告以外の広告媒体等からの流入データなども、その広告媒体に掲載されていた計測用電話番号を媒介として用いて、コールトラッキングデータと紐付けて統合することが可能となる。
【0052】
<実施形態の構成及び効果>
本発明の一実施形態に係るシステムおよび方法によれば、以上説明したような構成を有するようにしたので、次に纏めた如く極めて有用でありまた顕著な効果が奏されることとなる。
【0053】
(1) 本発明の一実施形態に係る方法は、消費者40の情報処理端末装置(例えばPC、SP、その他各種のモバイル等)400における、例えば液晶表示パネルのような表示手段401に表示されて消費者40に閲覧されるように設定されている、インターネットの所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)内または広告枠内に、そのオーナーまたは広告主への電話連絡のための電話番号表示欄101を設定するステップ(S1)と、ウェブページまたは広告枠のオーナーまたは広告主等によって、上述の電話連絡のための電話番号としても兼用される計測用電話番号100を、予め複数本分用意するステップ(S2)と、所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係る消費者の行動履歴を分析するウェブ解析用のキーワードを設定するステップ(S3)と、消費者が上述のウェブページまたは広告枠を閲覧したとき、または、消費者が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、電話番号表示欄101に、予め複数本分用意された計測用電話番号100のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用電話番号100を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップ(S4)と、消費者40が上述の所定のウェブページ100または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、その時刻の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400または広告媒体の種類の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータ102として記憶するステップ(S5)と、消費者40が上述のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたときから、その消費者40に関してのコールトラッキングを発動するステップ(S6)と、消費者40のウェブおよび電話における行動履歴の一貫した解析を可能とするべく、上述のステップS5で記憶されたコールデータ102を読み出すステップ(S7)と、その読み出されたコールデータ102に合致する上述の消費者40に係るウェブ解析データとコールトラッキングによって得られたコールトラッキングデータとを紐付けるステップ(S8)とを有する。
【0054】
また、上述の方法に用いられるシステムは、予め複数本分用意された計測用電話番号100を記憶する計測用電話番号記憶手段1と、消費者が自身のPCのような情報処理端末装置400を用いて、その液晶表示パネル等からなる表示手段401に表示される所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、複数本の計測用電話番号100のうちからそのとき利用可能な1つの計測用電話番号100を選択し、それを上述のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の電話番号表示欄101に表示するべく読み出す計測用電話番号読出手段2と、消費者40が所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したときの、時刻の情報と、そのときウェブサーバー200等から取得可能なウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、ウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400またはそれ以外の例えば新聞やテレビのような広告媒体の種類の情報と、上述のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータ102として記憶するコールデータ記憶手段3と、消費者が所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたときから、その消費者40に係るコールトラッキングを発動し実行する、コールトラッキング発動手段4と、を少なくとも有する。
【0055】
上述した構成、そのうちでも特に、消費者40が自身の所有する例えばPCのような情報処理端末装置400で上述所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が自身の所有する例えばSP410で上述の電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、それらPCやSPの電話番号表示欄101に、予め複数本分用意された計測用電話番号100のうちから、そのとき利用可能な1つの計測用電話番号100を選択し、それを所定の継続時間に亘って表示するステップ(S4)を有するようにしたことにより、予め用意することが必要な、消費者40による電話連絡のための電話番号としても兼用される、計測用電話番号100の総本数を、従来技術に係るコールトラッキングシステムおよび方法の場合に必要となっていた、例えば1000本乃至10000本分のような膨大な本数ではなく、それよりも桁違いに少ない、例えば10本~高々100本程度(つまり従来の100分の1乃至1000分の1の)という極めて少ない本数で以て、多くの種類の流入経路(ウェブ媒体の種類、ウェブ以外の例えば新聞等のような広告媒体の種類)、使用した情報処理端末装置400の種類、例えば1000個の単語のような膨大な種類のキーワード等に基づく、極めて正確で信頼性の高いCRM分析等を実現することが可能となるという効果が奏される。
【0056】
また、特に、消費者40が上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたとき、その時刻の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に係るウェブ媒体またはブラウザの情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400または広告媒体の種類の情報と、そのときのウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠に含まれているキーワードの情報とを、1つに纏めて、コールデータ102として記憶するステップ(S5)を有するようにしたことにより、ウェブにおける消費者40の行動履歴の情報と、電話での消費者40の行動履歴の情報とを統合(紐付け)し、その一連の流れを通しての、真の電話CVの計測やROI(Return On Investment)やコールトラッキングとウェブ解析との統合的分析等が可能になるという効果が奏される。
【0057】
また、消費者40が上述の所定のウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠を閲覧したとき、または、消費者40が電話番号の表示要求ボタンまたは電話開始ボタン111をクリックしたときから、その消費者40に関してのコールトラッキングを発動するステップ(S6)を有するようにしたことにより、ウェブページ201(閲覧ウェブページ)等のオーナーまたは広告主は、コールトラッキングの発動ポイントを自由に設定(設計)することができるという効果、および、実際には消費者40が電話をしていない場合に無駄となってしまうコールトラッキングの発動を回避することができるという効果が奏される。
しかも、入稿URLを発動キーに設定しているわけではないので、自然検索からの電話問い合わせへの流入の場合でも、電話CV計測等に対応することも可能であるという効果が奏される。
【0058】
また、ウェブページ201(閲覧ウェブページ)または広告枠の閲覧の際に用いられた情報処理端末装置400の種類、または、電話連絡の際に閲覧された印刷媒体を含む広告媒体の種類ごとに、異なった種類の電話番号を、計測用電話番号100として、予め用意しておく。
このような構成としたことにより、計測用電話番号100の総本数を、従来技術に係るコールトラッキングシステムおよび方法のそれよりも極めて少ない、まさに桁違いに少ない本数としつつも、従来よりも顕著に幅広い種類の流入経路(ウェブ媒体の種類、ウェブ以外の例えば新聞等のような広告媒体の種類、使用した情報処理端末装置400や電話などの通信装置の種類など)、多様なキーワードによる分析を実現することが可能となるという効果が奏される。
【0059】
また、コールデータ102は、消費者40が電話連絡の際に使用した消費者自身の所有する電話番号である発信者電話番号、その電話連絡に係る通話時間の情報のうち、すくなくとも1種類の情報を、さらに含むようにしてもよい。
このような構成とすることにより、さらにきめの細かいコールトラッキングおよびそれに紐つけられる一連のウェブ解析等が可能となる。
【0060】
本発明における、番号情報の一例が電話番号である。
本発明における、情報要求の一例が情報要求である。
本発明における、オーナの一例がオーナーまたは広告主である。
本発明における、リファラ情報とは、キーワード(検索キーワード)やクリエイティブ、ターゲティング情報、広告のIDなど、分析に関わる様々な情報である。
【符号の説明】
【0061】
1 計測用電話番号記憶手段
2 計測用電話番号読出手段
3 コールデータ記憶手段
4 コールトラッキング発動手段
5 コールデータ読出手段
6 コールトラッキングデータ・ウェブ解析データ統合手段
10 本システムの主要部
100 計測用電話番号
101 電話番号表示欄
102 コールデータ
200 ウェブサーバー
201 所定のウェブページ(計測用電話番号または電話ボタン)
210 ウェブ解析システム
310 コールトラッキングシステム
400 情報処理端末装置
401 表示手段
402 受話器