(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/87 20060101AFI20230905BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230905BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20230905BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230905BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20230905BHJP
A61Q 3/02 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
A61K8/87
A61K8/42
A61Q17/04
A61Q19/00
A61Q1/02
A61Q3/02
(21)【出願番号】P 2019107611
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】宮園 圭大郎
(72)【発明者】
【氏名】松倉 範佳
(72)【発明者】
【氏名】津島 康宏
(72)【発明者】
【氏名】白井 博明
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-120510(JP,A)
【文献】特表2012-502708(JP,A)
【文献】特開2003-183134(JP,A)
【文献】特表2008-546723(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0189319(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料であって、
前記アニオン性ウレタン樹脂は、(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、並びに(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーと、(D)鎖伸長剤とを反応させて得られるアニオン性ウレタン樹脂であ
り、
前記カルボジイミド基含有化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、皮膚化粧料。
【化1】
(式(1)中、nは1~30の整数を表し、Aはポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基を表し、R
0
、R
1
は各々独立に下記一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される基を表す。)
【化2】
(式(2)中、mは4~30の整数を表し、R
2
は炭素原子数1~4のアルキル基を示し、R
3
は水素原子又はメチル基を表し、*は結合手を表す。)
【化3】
(式(3)中、R
4
は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R
5
は炭素原子数1~10のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、*は結合手を表す。)
【化4】
(式(4)中、Mはアルカリ金属を表し、R
6
は炭素原子数1~10のアルキレン基を表す。)
【化5】
(式(5)中、R
7
は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R
8
は炭素原子数1~10のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、*は結合手を表す。)
【請求項2】
前記アニオン性ウレタン樹脂の酸性基に対する前記カルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基の当量比が、0.1~1.8である、請求項1に記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
(B)ポリオールがポリテトラメチレンエーテルグリコールである、請求項1又は2に記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物の酸性基がカルボキシル基である、請求項1~3の何れか一項に記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
(D)鎖伸長剤が、脂肪族ジアミン類、ヒドラジド類、及びヒドラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~4の何れか一項に記載の皮膚化粧料。
【請求項6】
前記皮膚化粧料に含まれるアニオン性ウレタン樹脂の配合量は、該皮膚化粧料の総質量に対して、0.1質量%~55質量%である、請求項1~5の何れか一項に記載の皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水、サンスクリーン剤、リップクリーム、パックなどの、皮膚に使用される化粧料は、保湿や美白効果などの効能だけでなく、塗布時の伸びやなじみなどの触感、肌や唇などに塗付した後の密着性や耐水性など、官能性や機能性においても優れたものが望まれている。皮膚化粧料は、塗布後に皮膜を形成する材料を含有するものが多いが、その際に上記に挙げた特性を持つものが求められており、日々研究がなされている。
【0003】
特許文献1には、液体油及び固体脂を含む油性成分と、カチオン化セルロースなどのカチオン性水溶性高分子を組み合わせた水中油型乳化化粧料が提案されており、これらの化粧料は、塗布時の伸び、浸透感などが良好なものであるが、べたつき感などの官能性において課題があった。
【0004】
特許文献2には、皮膚用パック化粧料の成分として、グアガム、キサンタンガム、若しくはアクリル酸メタクリル酸アルキルの共重合体などのアクリル系ポリマーが使用されており、密着性に優れた皮膚化粧料が提案されている。しかしながら、これらの化粧料は、塗布後の化粧料由来の皮膜が硬すぎることにより、つっぱり感などの官能性について課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-286768号公報
【文献】特開2008-143839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、皮膚などに塗布する際の滑らかさ(塗布感)、並びに塗布した後のべたつき感及びつっぱり感のなさなどの官能性が良好でありながら、耐水性などの機能性においても優れた皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者等は鋭意検討し、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料が、塗布感に優れ、塗布後のべたつき感やつっぱり感がなく、耐水性にも優れたものであることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料であり、アニオン性ウレタン樹脂が、(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、並びに(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーと(D)鎖伸長剤とを反応させて得られるアニオン性ウレタン樹脂である、皮膚化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が皮膚化粧料に配合されることで、カルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基(-C=N=C-)とアニオン性ウレタン樹脂の酸性基とが反応し、皮膚化粧料中でウレタン樹脂が生成される。これにより、形成される皮膜が柔軟性かつゴム弾性を発現することで、自在に伸び縮みする性能を有し、肌や唇などに塗布した際に、皮膚への追従性に優れていることから、塗布感に優れ、塗布後のつっぱり感がなく、また、べたつき感もない、官能性に優れた皮膚化粧料を提供することができる。さらに、本発明の皮膚化粧料は、成膜性に優れているため、塗布後の皮膜の耐水性も良好であり、化粧水、サンスクリーン剤、リップクリーム、パックなどの用途の他、ネイル用化粧料にも好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の皮膚化粧料は、以下に説明するように、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料である。
【0010】
<カルボジイミド基含有化合物>
本発明の皮膚化粧料に配合されるカルボジイミド基含有化合物は、分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ含む化合物であり、例えば、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0011】
【0012】
(式(1)中、nは1~30の整数を表し、Aはポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基を表し、R0、R1は各々独立に下記一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される基を表す。)
【0013】
【0014】
(式(2)中、mは4~30の整数を表し、R2は炭素原子数1~4のアルキル基を示し、R3は水素原子又はメチル基を表し、*は結合手を表す。)
【0015】
【0016】
(式(3)中、R4は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R5は炭素原子数1~10のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、*は結合手を表す。)
【0017】
【0018】
(式(4)中、Mはアルカリ金属を表し、R6は炭素原子数1~10のアルキレン基を表す。)
【0019】
【0020】
(式(5)中、R7は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、R8は炭素原子数1~10のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、*は結合手を表す。)
【0021】
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物を、ホスホレン化合物、金属カルボニル錯体化合物、及びリン酸エステル等のように、カルボジイミド化を促進する触媒の存在下に反応させた後、一般式(2)、(3)、(4)、又は(5)で表される基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。一般式(1)のAは、上記ジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基に相当する。
【0022】
上記ジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0023】
上記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0024】
上記脂環式ジイソシアネートは、シクロヘキサン環のような脂環構造に直接イソシアネート基が結合した構造を含む化合物であり、このような化合物としては、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0025】
上記芳香族ジイソシアネートは、ベンゼン環のような芳香環に直接イソシアネート基が結合した構造を含む化合物であり、このような化合物としては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
上記一般式(2)、(3)、(4)、又は(5)で表される基を有する化合物とは、一般式(2)~(5)中の結合手に水素原子が結合した化合物である。
【0027】
上記一般式(2)におけるR2、上記一般式(3)におけるR4、及び上記一般式(5)におけるR7で表される炭素原子数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(3)におけるR5、上記一般式(4)におけるR6、及び上記一般式(5)におけるR8で表される炭素原子数1~10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
【0029】
また、本発明においてカルボジイミド基含有化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、固体の状態で使用してもよく、カルボジイミド基含有化合物を水に溶解させた水溶液、若しくは乳化させたエマルションの状態で使用してもよい。一般式(2)~(5)で表される基は親水基であるため、本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物は、水への溶解性又は分散性が良好であり、他の水系材料との反応性も良好であることから、後述するアニオン性ウレタン樹脂とも容易に反応させることができる。
【0030】
上記カルボジイミド基含有化合物を、水溶液又はエマルションの状態で使用する場合、カルボジイミド基含有化合物の含有量は、水溶液又はエマルションの総質量に対して、20質量%~60質量%であることが好ましく、30質量%~50質量%であることが好ましい。
【0031】
上記カルボジイミド基含有化合物は、市販品を使用してもよく、例えば、日清紡ケミカル(株)のカルボジライトE-01、E-02、E-03A、E-05、V-02、V-02-L2、SV-02、V-04、V-10、SW-12G等が挙げられる。
【0032】
上記カルボジイミド基含有化合物は、後述するアニオン性ウレタン樹脂と反応してウレタン樹脂を生成する。この反応では、カルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基(-C=N=C-)と、アニオン性ウレタン樹脂の酸性基とが反応することから、皮膚化粧料におけるカルボジイミド基含有化合物の配合量は、後述するように、アニオン性ウレタン樹脂の配合量と、アニオン性ウレタン樹脂の酸性基に対するカルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基の当量比により規定される。
【0033】
<アニオン性ウレタン樹脂>
本発明に用いられるアニオン性ウレタン樹脂とは、カルボキシル基やスルホン酸基などの酸性基を有するウレタン樹脂である。上記の酸性基は塩基により容易に中和されることにより、カルボキシレートアニオン(CO2
-)やスルホキシレートアニオン(SO3
-)などのアニオン性基を生成することができる。なお、本発明のアニオン性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂中の酸性基が、後述する酸性基中和剤により酸性基の一部、若しくは全部がアニオン化されたもの、及び酸性基中和剤を用いずに酸性基のままでいるもの両方を包含する。
【0034】
本発明のアニオン性ウレタン樹脂は、例えば、(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、並びに(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーを水分散させ、さらに(D)鎖伸長剤をウレタンプレポリマーと反応させることにより得られる。上記(A)、(B)、(C)を反応させて得られるウレタンプレポリマーは、(A)、(B)、(C)の構造によって構造が特定されるため、このウレタンプレポリマーの構造、及びこのウレタンプレポリマーを(D)鎖伸長剤と反応させて得られるアニオン性ウレタン樹脂の構造を一般式により一義的に記載することは困難である。上記アニオン性ウレタン樹脂は、酸性基、若しくは酸性基中和剤により中和された後のアニオン性基を有することにより、上述したカルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基(-N=C=N-)と反応させることができる。
【0035】
上記(A)ポリイソシアネートとしては、上記に例示した、カルボジイミド基含有化合物を得るために使用できるジイソシアネート化合物に加え、前記ジイソシアネート化合物を、イソシアヌレート変性、又はビウレット変性させた変性物、トリフェニルメタントリイソシアネート、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等の、イソシアネート基を3つ以上有する化合物等が挙げられる。
【0036】
これらの中でも、入手が容易で耐候性が良好であり、化粧料に使用した時の触感に優れるという点で、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましく、中でも、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを使用することがより好ましい。これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
上記(B)ポリオールとしては、少なくとも水酸基を2つ有する化合物であれば、特に制限されずに使用でき、例えば、(b1)数平均分子量500~3000のポリエステルポリオール、(b2)数平均分子量500~3000のポリカーボネートジオール、(b3)数平均分子量500~3000のポリエーテルポリオール、(b4)数平均分子量500未満のポリオール等を使用することができる。
【0038】
上記(b1)数平均分子量500~3000のポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られる化合物、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られる化合物、及びこれらの共重合ポリエステル等を使用することができる。なお、「低分子量のポリオール」とは、分子量が50以上500未満のポリオールを指す。
【0039】
(b1)ポリエステルポリオールを得るために使用される低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂肪族環式構造含有ポリオール;及びビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノール型ポリオールを使用することができる。中でも、ウレタンプレポリマーの粘度と、皮膜化した時のウレタン樹脂の物性のバランスの観点から、脂肪族ポリオールを使用することが好ましい。
【0040】
(b1)ポリエステルポリオールを得るために使用されるポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸の脂肪族ポリカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸やシクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族ポリカルボン酸;オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;及びそれらの無水物、又はエステル誘導体を、単独又は2種以上併用して使用することができ、この中では、ウレタン樹脂皮膜にした時の強度と、耐溶剤性を良好にするために、芳香族ポリカルボン酸を使用することが好ましく、芳香族ジカルボン酸を使用することがより好ましい。
【0041】
上記(b2)数平均分子量500~3000のポリカーボネートジオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、後述するポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。上記炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート等を使用することできる。
【0042】
(b2)ポリカーボネートジオールを得るために使用されるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,3 -プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’-ビフェノール等の低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
【0043】
上記(b3)数平均分子量500~3000のポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものや、環状エーテル化合物を開環重合させたものを使用することができる。
【0044】
(b3)ポリエーテルポリオールを得るために使用される開始剤としては、例えば水、エチレングリコ-ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロ-ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオ-ル、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、サッカロース、エチレンジアミン、N-エチルジエチレントリアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノブタン、1,3-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、燐酸、酸性リン酸エステル等を使用することができる。
【0045】
(b3)ポリエーテルポリオールを得るために使用されるアルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0046】
(b3)ポリエーテルポリオールを得るために使用される環状エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4-ジオキサンなどが挙げられる。
【0047】
上記(b4)数平均分子量500未満のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、3,5-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等の脂肪族ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上のポリオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂肪族環式構造含有ポリオール;及びビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノール型ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂皮膜の物性を向上させるという点で、脂肪族ジオール、3価以上のポリオール、ビスフェノール型ポリオールを使用することが好ましく、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用することがより好ましい。
【0048】
本発明で用いるポリオールは、上述のポリオール(b1)、(b2)、(b3)、(b4)の何れであってもよい。上記(B)ポリオール成分として上記ポリオール(b1)、(b2)、(b3)、(b4)を単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記に挙げた(B)ポリオールの中では、入手が容易で、皮膚化粧料にアニオン性ウレタン樹脂を配合した時の塗布時の触感に優れるという点で、(b3)ポリエーテルポリオールを使用することが好ましく、テトラヒドロフランを開環重合させたポリテトラメチレンエーテルグリコールがより好ましい。
【0050】
上記(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物は、カルボキシル基及びスルホン酸基等の酸性基と2以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸、1,4-ブタンジオール-2-スルホン酸等が挙げられる。これらの中では、安価に入手が可能であるという点で、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸が好ましい。
【0051】
上記ウレタンプレポリマーの製造では、(A)~(C)成分に加え、必要に応じて架橋剤も併用してよい。そのような架橋剤としては、例えば、メラミン、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、メラミン樹脂等を使用することができる。本発明で使用する架橋剤としては、ポリウレタンへの分散性が優れ安価なメラミンが好ましい。
【0052】
上記ウレタンプレポリマーを製造する方法としては、例えば、(A)ポリイソシアネート、(B)ポリオール、並びに(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物を、必要に応じて触媒、溶媒を用いて、60℃~150℃の範囲で、1時間~10時間反応させることによって得ることができる。
【0053】
上記ウレタンプレポリマーの製造の際に、任意に使用される触媒としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N'',N''-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N'',N''-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N-ジメチルラウリルアミン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2-エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類等の第4級アンモニウム塩;スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等の有機金属触媒類を挙げることができる。
【0054】
上記ウレタンプレポリマーの製造の際に、任意に使用される溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン等が挙げられる。沸点100℃以下の溶媒を使用する場合には、本発明のアニオン性ウレタン樹脂を合成した後、その溶媒を減圧留去等によって除去することが好ましい。溶媒の使用量は特に制限されないが、好ましくはウレタンプレポリマーの原料の全量100質量部に対して3質量部~200質量部である。
【0055】
(A)~(C)成分、及び任意に使用される架橋剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造する際には、(A)ポリイソシアネートの全イソシアネート基当量(NCO)と、(B)成分及び(C)成分に含まれる活性水素当量(以下、活性Hとする。なお、上記任意で添加される架橋剤を使用する場合は、その活性水素当量を加えた当量のことを指す、以下同じ)の比により、得られるウレタンプレポリマーの末端構造が異なる。NCO/活性Hが1.0未満の場合には、末端基が活性水素由来の基、すなわち、水酸基やアミノ基などが末端基となるウレタンプレポリマーが得られる。NCO/活性Hが1.0より大きい場合には、末端基がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーが得られる。末端がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーは、水に分散させた後、鎖伸長剤により分子量を伸ばすことができる。よって、鎖伸長剤と反応させるためには、NCO/活性Hの値を1よりも大きくする必要がある。
【0056】
ただし、NCO/活性Hが1.0よりも大きく1.05未満の場合には比較的高分子量のウレタンプレポリマーが得られ、このような高分子量のウレタンプレポリマーは水への分散性が劣る傾向がある。この場合、最終的に得られるアニオン性ポリウレタン樹脂の保存安定性が悪くなる恐れがある。また、NCO/活性Hが2.5を超える場合には生成物が高濃度のイソシアネート基を含むために、得られたプレポリマーの水分散時にイソシアネート基と水とが反応することによって二酸化炭素が発生して急激な発泡などの製造時の問題を引き起こす恐れがある。
【0057】
本発明に用いられるアニオン性ウレタン樹脂においては、触感などの使用性や製造性などのバランスの観点から、ウレタンプレポリマーを製造する際の、上記NCO/活性Hは、1.05~1.9であることが好ましく、1.1~1.7であることがより好ましい。
【0058】
上記のようにして得られたウレタンプレポリマーを、例えば水等の溶媒に分散させて分散液とする。この溶媒としては、水、又は乳化剤等の添加剤を含む、水を主成分とする溶媒が好ましい。
【0059】
上記ウレタンプレポリマーを水に分散させる方法としては、特に制限されないが、例えば、プレポリマーミキシング法、転相法などが挙げられる。
【0060】
上記プレポリマーミキシング法とは、水中にウレタンプレポリマーを、例えば10℃~50℃で、徐々に添加して、例えばホモミキサーやディスパーなどの装置を用いて分散させる方法である。この時、ウレタンプレポリマー、又は水に予め酸性基中和剤及び/又は乳化剤を添加すると効率よく分散させることができる。
【0061】
上記転相法とは、ウレタンプレポリマーに酸性基中和剤及び/又は乳化剤を添加し、さらに水を投入し、必要に応じてホモミキサーやディスパーなどの手段を用いて撹拌し、ウレタンプレポリマーの水分散液を得る。なお、ウレタンプレポリマーに投入する水に、酸性基中和剤及び/又は乳化剤を含ませておいてもよい。
【0062】
上記水分散させるために使用される酸性基中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン類;N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N,N-ジプロピルエタノールアミン、1-ジメチルアミノ-2-メチル-2-プロパノール等のN,N-ジアルキルアルカノールアミン類、N-アルキル-N,N-ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類の3級アミン化合物;アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の塩基性化合物を使用することができる。これらの化合物を単独で用いることもでき、これらの化合物の2種以上を併用することもできる。
【0063】
これらの酸性基中和剤の中では、水への分散が容易に行えることから、トリエチルアミンが特に好ましい。
【0064】
上記酸性基中和剤を用いる場合の使用量としては、水への分散性とpHのバランスの観点から、酸性基1当量に対して好ましくは0.5当量~2.0当量であり、より好ましくは0.8当量~1.5当量である。
【0065】
上記水分散させるために使用される乳化剤としては、公知の界面活性剤を使用することができる。例えば、界面活性剤として一般的なアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、第四級アミン塩及びピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、硫酸エステル型及びスルホン酸型等の両性界面活性剤等を使用することができる。
【0066】
上記アニオン性界面活性剤として、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート類、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート及びアンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等のポリオキシエチレンエーテルサルフェート類;ナトリウムスルホリシノレート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホン酸塩類;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩類;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート類を使用することができる。さらに、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩、ポリオキシエチレンエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルアミノ酸塩、及びN-アシルメチルタウリン塩等も使用することができる。
【0067】
上記ノニオン性界面活性剤として、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート(セスキオレイン酸ソルビタン)等の多価アルコールの脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を使用することができる。さらに炭素数1~18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキレングリコール及び/又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等も使用することができる。
【0068】
上記ノニオン性界面活性剤を構成する炭素数1~18のアルコールは例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ノルマルパラフィンを酸化することによって得られる2級アルコール等である。
【0069】
上記アルキルフェノールは、例えば、フェノール、メチルフェノール、2,4-ジ第3ブチルフェノール、2,5-ジ第3ブチルフェノール、3,5-ジ第3ブチルフェノール、4-(1,3-テトラメチルブチル)フェノール、4-イソオクチルフェノール、4-ノニルフェノール、4-第3オクチルフェノール、4-ドデシルフェノール、2-(3,5-ジメチルヘプチル)フェノール、4-(3,5-ジメチルヘプチル)フェノール、ナフトール、ビスフェノールA、及びビスフェノールF等である。
【0070】
上記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオール等である。
【0071】
上記アルキレンジアミンは、例えば、先に説明したアルキレングリコールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換された化合物である。上記エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物としては、ランダム付加物とブロック付加物のいずれも使用することができる。
【0072】
上記カチオン性界面活性剤として例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムブロマイド及びイミダゾリニウムラウレート等を使用することができる。
【0073】
上記両性界面活性剤として例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタイン、ヒドロキシプロピルリン酸の金属塩等のベタイン型両性界面活性剤、β-ラウリルアミノプロピオン酸の金属塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤及びスルホン酸型両性界面活性剤を使用することができる。
【0074】
上記乳化剤の中では、入手が容易で安価であり、水への分散性が良好であるという点で、ノニオン性界面活性剤が好ましく、炭素数12~14の2級アルコールのエチレンオキサイド付加物であることがより好ましい。これらの乳化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0075】
上記ウレタンプレポリマーを水に分散させた後、反応させる(D)鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエーテルジアミン類;ピペラジン、2-メチルピペラジンメンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、アミノエチルアミノエタノール、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類;m-キシレンジアミン、α-(m/p-アミノフェニル)エチルアミン、トリレンジアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ジアミン類等のポリアミン;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、1,6-ヘキサメチレンビス(N,N-ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’-テトラメチル-4,4’-(メチレン-ジ-パラ-フェニレン)ジセミカルバジド等のヒドラジド類;及びヒドラジン等が挙げられる。
【0076】
これらの化合物の中では、水中におけるイソシアネートとの反応が良好であるため、脂肪族ジアミン類、ヒドラジド類、ヒドラジンが好ましく、エチレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。これらの鎖伸長剤は、単独を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0077】
(D)鎖伸長剤の使用量は、アニオン性ウレタン樹脂の塗膜の物性等の観点から、鎖伸長反応前のウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基の1当量に対する、鎖伸長剤のイソシアネート反応基の当量比が0.1~1.0の範囲となる量であることが好ましい。
【0078】
以上のようにして、アニオン性ウレタン樹脂が製造される。上述したように、ウレタンプレポリマーを水に分散させてアニオン性ウレタン樹脂を製造した場合の、アニオン性ウレタン樹脂水分散液中のアニオン性ウレタン樹脂の含有量は、製造の容易性の観点から、20質量%~70質量%が好ましく、皮膚化粧料への配合のし易さの観点から、40質量%~60質量%がより好ましい。
【0079】
また、アニオン性ウレタン樹脂の酸価は、特に制限されないが、3mgKOH/g~100mgKOH/gであることが好ましく、樹脂特性や製造の容易さの点から5mgKOH/g~70mgKOH/gであることより好ましい。皮膜の柔軟性を重視する場合は5mgKOH/g~10mgKOH/gであることが好ましい。
【0080】
ここで、カルボジイミド基含有化合物についての説明でも述べたように、上記アニオン性ウレタン樹脂は、カルボジイミド基含有化合物と反応して、ウレタン樹脂を生成する。具体的には、カルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基(-C=N=C-)と、アニオン性ウレタン樹脂の酸性基とが反応し、例えば、酸性基がカルボキシル基である場合には、下記式(I)のように反応して、皮膚化粧料中でウレタン樹脂が生成される。
【0081】
【0082】
ここで、アニオン性ウレタン樹脂の酸性基に対するカルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基(-C=N=C-)の当量比は、皮膚化粧料の耐水性や触感等の性能を向上させる観点から、0.1~1.8が好ましく、0.3~1.5がより好ましく、0.5~1.2が更に好ましい。上述したようにアニオン性ウレタン樹脂水分散液を製造する場合、アニオン性ウレタン樹脂のカルボキシル基当量は、理論上(C)酸性基及び2以上の水酸基を有する化合物のモル数と、分散液中の固形分率から求めることができる。
【0083】
上述したようなウレタン樹脂の生成により、上記カルボジイミド基含有化合物及び上記アニオン性ウレタン樹脂が配合された皮膚化粧料を皮膚などに塗布した後に形成される皮膜が柔軟性かつゴム弾性を発現し、自在に伸び縮みする性能を有することで、優れた皮膚への追従性を奏する。このため、塗布感に優れ、塗布後のつっぱり感がなく、また、べたつき感のない官能性に優れた皮膚化粧料を得ることができる。また、この皮膚化粧料は、成膜性にも優れているため、塗布後の皮膜は優れた耐水性を示す。
【0084】
本発明の皮膚化粧料におけるアニオン性ウレタン樹脂の配合量は、上記当量比の範囲を満たす範囲で、皮膚化粧料の耐水性や触感等の性能を向上させる観点から、皮膚化粧料の総質量に対して、0.1質量%~55質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。ただし、水性ネイル液などのネイル用化粧料に適用する場合は、厚く塗布したり、皮膜の強度が求められたりするという観点から、高濃度のアニオン性ウレタン樹脂を配合することが好適であり、具体的には、ネイル用化粧料中のアニオン性ウレタン樹脂は10質量%~55質量%であることが好ましく、40質量%~55質量%であることがより好ましい。
【0085】
本発明の皮膚化粧料は、上記に挙げた、カルボジイミド基含有化合物及びアニオン性ウレタン樹脂以外の成分として、溶剤が配合されてもよい。溶剤としては、例えば、水(イオン交換水等)、エタノール等が挙げられる。
【0086】
また、本発明の皮膚化粧料は、一般的に化粧料に使用される油相成分が配合されてもよい。そのような油相成分としては、例えば、油脂、ロウ、炭化水素油、エステル油、フッ素系油、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール等を挙げることができる。
【0087】
油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、米胚芽油、小麦胚芽油、ボラージ油、月見草油等が挙げられる。
【0088】
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0089】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリイソブタン、水添ポリブタジエン、ミネラルオイル等が挙げられる。
【0090】
エステル油としては、例えば、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類等が挙げられ、具体的には、アジピン酸ジイソブチル、イソステアリン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジステアリル、カプリン酸グリセリル等が挙げられる。
【0091】
フッ素系油としては、例えば、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0092】
シリコーン油としては、液状、ゲル状、膨潤性のシリコーン化合物であれば特に限定されず、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ジメチコンクロスポリマ―等が挙げられる。より具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、カプリリルメチコン、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー等が挙げられる。
【0093】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0094】
高級アルコールとしては、炭素数が8~30の炭化水素基(直鎖若しくは分岐鎖状で、飽和若しくは不飽和)を持つ1価のアルコールが挙げられる。より具体的には、例えば、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、キミルアルコール、デシルテトラアルコール、ヘキシルデカノール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール、セリルアルコール等が挙げられる。
【0095】
上記に挙げた油相成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。皮膚化粧料の具体的な用途によって、任意に使い分けることが好ましい。例えば、日焼け止めクリームでは、炭化水素油、シリコーン油を用いることが好ましく、ボディクリームではエステル油、植物油、固形又はペースト状のシア脂やワセリンを用いることが好ましく、メイク処方ではエステル油、シリコーン油、融点の高い固形又はペースト状のオイルを用いることが好ましい。
【0096】
本発明の皮膚化粧料は、目的に応じて化粧料に一般的に使用されるその他の任意成分を配合することができる。化粧料に一般的に使用される任意成分としては、例えば、抗菌防腐剤、界面活性剤、粉末成分、保湿剤、水溶性高分子化合物、会合性ウレタン、金属イオン封鎖剤、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸及びその誘導体、有機アミン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分、血行促進剤、消炎剤、賦活剤、抗脂漏剤、抗炎症剤及びその他の配合可能成分が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を任意に配合することができる。
【0097】
上記抗菌防腐剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、クロルフェネシン、エチルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、カプリリルグリコール、レゾルシン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ピロクトンオラミン、ヒノキチオール、ビタミンB6塩酸塩(塩酸ピリドキシン)、フェノール、塩化リゾチーム、塩化セチルピリジニウム(CPC)等が挙げられる。
【0098】
上記界面活性剤としては、例えば、上記ウレタンプレポリマーを水に分散させる際に例示されたものを使用することができる。
【0099】
上記粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0100】
上記保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール(1,3-ブチレングリコール)、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ヘキシルグリセリン、シクロヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0101】
上記水溶性高分子化合物としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0102】
上記会合性ウレタンとは、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示すものウレタンのことである。そのようなウレタンとしては、例えば、(PEG-240/デシルテトラセデス-20/HDI)コポリマー、ポリウレタン-59、特許第4584400号に記載の疎水変性ポリエーテルウレタン、特許第6159738号に記載のウレタン型ポリマー等が挙げられる。
【0103】
上記金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0104】
上記単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等)、六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-プシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0105】
上記オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0106】
上記多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0107】
上記アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0108】
上記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0109】
上記pH調整剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0110】
上記ビタミン類としては、例えば、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンF及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB誘導体等が挙げられるが、これらに限らない。具体的には、γ-トコフェロール、アスコルビン酸ステアリル、ジパルミチン酸アスコビル、ニコチン酸トコフェロール、メナジオン、デヒドロコレステロール、エルゴカルシフェロール、ジカプリル酸ピリドキシン、テトラ-ヘキシルデカン酸アスコビル(VCIP)、レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール誘導体、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、パンテノール、リノール酸トコフェロール、リノール酸イソプロピル、リノレン酸、パルミチン酸ピリドキシン、ビタミンA、β-カロチン、ジパルミチン酸ピリドキシン、フィロキノン、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0111】
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸水素塩、チオタウリン、ヒポタウリン、チオグリセロール、チオ尿素、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、没食子酸プロピル、没食子酸誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸リン酸エステル等)、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、p-t-ブチルフェノール、フィチン酸、L-システイン塩酸塩等が挙げられる。
【0112】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ホルムアミジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0113】
上記安息香酸系紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、N,N-ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸アミルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸オクチルエステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等が挙げられる。
【0114】
上記サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等が挙げられる。
【0115】
上記桂皮酸系紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシルα-シアノ-β-フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0116】
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン、5,5'-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等が挙げられる。
【0117】
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-第三オクチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス(4-第三オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三オクチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0118】
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルへキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシロキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-C12~C13混合アルコキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-アセチルオキシエトキシ)フェニル〕-4,6-ビスフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシ-3-アリルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-3-メチル-4-ヘキシロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0119】
上記ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0120】
上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。オキザニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2-エチル-2'-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4'-ドデシルオキザニリド等が挙げられる。ホルムアミジン系紫外線吸収剤としては、例えば、N,N'-ジフェニル-N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)ホルムアミジン、N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-メチル-N-フェニルホルムアミジン、N,N'-ビス(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-(2'-メトキシフェニル)-N-メチルホルムアミジン、N-(4-n-ブトキシカルボニルフェニル)-N'-(4'-エチルカルボニル)-N-メチルホルムアミジン等が挙げられる。
【0121】
上記その他の紫外線吸収剤としては、例えば、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、4-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン、ルチン誘導体、オリザノール、オリザノール誘導体が挙げられる。
【0122】
上記香料としては、例えば、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられる。具体的には、天然系香料としては、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エストラゴンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オリガナムオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、キュベバオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サンダルウッドオイル、シソオイル、シダーウッドオイル、シトロネラオイル、ジャスミンオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、ジュネアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スターアニスオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スパイクラベンダーオイル、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タンジェリンオイル、チュベローズアブソリュート、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トンカビーンオイル、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、パインニードルオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒノキオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブッチュオイル、ベイオイル、ベチバーオイル、ペッパーオイル、ペパーミントアブソリュート、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ホウショウオイル、マージョラムオイル、マンダリンオイル、ミカンオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル等が挙げられる。
【0123】
また、合成香料としては、アンブレッドリド、アルデヒドC6~C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、アセチルオイゲノール、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、γ-ウンデカラクトン、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、エチルワニリン、2-エチルヘキサノール、オウランチオール、10-オキサヘキサデカノリド、11-オキサヘキサデカノリド、12-オキサヘキサデカノリド、オキサヘキサデセン-2-オン、オイゲノール、オリボン、オキシフェニロン、ガラクソリド、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、β-カリオフィレン、キャロン、クマリン、p-クレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、シンナミルアセテート、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ターピネオール、ターピニルアセテート、チモール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、ネリルアセテート、ネロール、ネオベルガメート、γ-ノナラクトンノピルアルコール、ノピルアセテート、バクダノール、ハイドロトロピックアルコール、α-ピネン、β-ピネン、ヒドロキシシトロネラール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ブチルブチレート、p-t-ブチルシクロヘキサノール、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルエチルアセテート、ペンタリッド、ベルドックス、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis-3-ヘキセノール、cis-3-ヘキセニールアセテート、cis-3-ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ボルニルアセテート、ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミルセン、ミラックアルデヒド、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM-11、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、ムスクケトン、ムスクチベチン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α-メチルイオノン、β-メチルイオノン、γ-メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、14-メチル-ヘキサデセノリド、14-メチル-ヘキサデカノリド、メチルナフチルケトン、メチルフェニルアセテート、ヤラヤラ、δ-C6~C13ラクトン、ライムオキサイド、γ-C6~C13ラクトン、ラズベリーケトン、リモネン、リグストラール、リリアール、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ワニリンなどが挙げられる。
【0124】
上記美容成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、ダマスクバラ抽出物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス抽出物、アルカンジェリシア・フラバ抽出物、キウイ抽出物、カミツレ抽出物、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米醗酵エキス、リノール酸及びその誘導体若しくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t-シクロアミノ酸誘導体、アラントイン、アルブチン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ抽出物、未成熟のモモ抽出物等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0125】
その他の配合可能成分としては、例えば、血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)、その他各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0126】
本発明の皮膚化粧料の剤型としては、特に制限はなく、例えば、液状、ジェル状、シャーベット状、乳液状、クリーム状、軟膏状、固形練り状、ペースト状、固形状、粉体状等などが挙げられる。特に、乳液状又はクリーム状といった乳化物であることが好ましく、乳化型としては、例えば油中水型、水中油型、油-水-油型、水-油-水型等が挙げられる。本発明の皮膚化粧料においては、塗布時の触感の観点から、水中油型の乳化物であることが好ましい。本発明の皮膚化粧料が水中油型の乳化物である場合においては、塗布時の触感の観点から、皮膚化粧料中の油相成分が3質量%~30質量%であることが好ましく、5質量%~15質量%であることがより好ましい。
【0127】
本発明の皮膚化粧料の用途は、皮膚に適用される用途であれば特に限定されず、化粧水、美容液、乳液、クレンジング料、リップクリーム、パック等のスキンケア化粧料、液状ファンデーション、化粧下地、口紅等のメイクアップ化粧料、日焼け止め液、日焼け止めクリーム等の日焼け止め化粧料、ネイル用化粧料が挙げられる。
【0128】
また、本発明の皮膚化粧料の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができ、例えば、乳化組成物を製造する場合には、水に可溶する成分を含む水相と、油相成分を含む油相をそれぞれ調製し、必要に応じ加温した状態で水相と油相を混合したのち乳化機で乳化し、その後室温まで冷却する方法が挙げられる。またこのとき、水相及び油相それぞれの調製方法も公知の方法を用いることができ、また、カルボジイミド基含有化合物、アニオン性ウレタン樹脂、及びその他各成分の配合方法も制限されない。
【実施例】
【0129】
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。なお、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
【0130】
実施例及び比較例において使用された原料の略称は以下の通りである。
【0131】
[アニオン性ウレタン樹脂及びノニオン性ウレタン樹脂の製造に用いた原料]
PTMG1000:数平均分子量が1000のポリテトラエチレンエーテルグリコール、三菱ケミカル(株)製
H-MDI:4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
DMPA:2,2-ジメチロールプロピオン酸
ソフタノール150:炭素原子数12~14の直鎖アルキル鎖中の2級アルコールのエチレンオキサイド付加物、(株)日本触媒製
ソフタノール300:炭素原子数12~14の直鎖アルキル鎖中の2級アルコールのエチレンオキサイド付加物、(株)日本触媒製
EDA:エチレンジアミン
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
アデカカーポールDL-80:ポリプロピレングリコール、(株)ADEKA製
IPDI:イソホロンジイソシアネート
Y9-10:数平均分子量1000のポリエステルポリオール、(株)ADEKA製
P-1000:数平均分子量1000のポリプロピレングリコール、(株)ADEKA製
MPEG1000:数平均分子量1000のメトキシポリエチレングリコール、東邦化学工業(株)製
スミジュールN3300:イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート、住化バイエルウレタン(株)製
【0132】
[皮膚化粧料の製造に用いた原料]
アデカノールGT-730:(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、1,4-ブタンジオール、水の混合物、(株)ADEKA製
ポリソルベート60:ソルビトールと無水ソルビトールのモノステアリン酸エステルにエチレンオキサイドを20モル付加させた化合物
BEMT:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
DHHB:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
アデカノールGT-930:ポリウレタン-59、1,4-ブタンジオール、水の混合物、(株)ADEKA製
ステアリン酸PEG-40:ステアリン酸のエチレンオキサイド付加物
カルボジライトV-02:水溶性カルボジイミド化合物、有効成分40%、カルボジイミド基当量590g/eq.、日清紡ケミカル(株)製
DAITOSOL 3000SLPN-PEI:アクリル酸アルキル共重合エマルション、大東化成工業(株)製
ビニゾール1086WP:アクリル酸アルキル共重合エマルション、大同化成工業(株)製
TSPL-30-D5:シリコーン骨格皮膜形成剤、信越化学工業(株)製
【0133】
[製造例1:アニオン性ウレタン樹脂(実施例用)]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、PTMG1000を406.7g、H-MDIを141.4g、DMPAを12.6g加え、100℃、3時間反応させた(NCO/活性H:1.1)。NCO%をJIS K 1603-1に準拠して測定したところ1.17%であり、反応が終了していることを確認し、ウレタンプレポリマーP-1を得た。
3Lのディスポカップに、30℃のイオン交換水を411.8g、トリエチルアミンを5.6g、ソフタノール150を20.0g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、さらにディスパーで撹拌しながら、得られたプレポリマーP-1を徐々に加え分散させた。10分間撹拌した後、EDAを3.1g、ADHを13.4g加え、30℃にて30分間反応させ、アニオン性ウレタン樹脂の水分散液A-1を得た。A-1中の理論カルボキシル基は0.0939モルであり、A-1中の理論アニオン性ウレタン樹脂は56.9%である。上記理論カルボキシル基の当量は、DMPA((C)成分)のモル数からカルボキシル基の当量を算出して求められる。以下、製造例2~4においても同様である。
【0134】
[製造例2:アニオン性ウレタン樹脂(実施例用)]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、PTMG1000を385.4g、IPDIを109.9g、DMPAを4.82g加え、100℃、3時間反応させた(NCO/活性H:1.2)。NCO%をJIS K 1603-1に準拠して測定したところ1.23%であり、反応が終了していることを確認し、ウレタンプレポリマーP-2を得た。
3Lのディスポカップに、30℃のイオン交換水を475.3g、トリエチルアミンを4.4g、ソフタノール150を10.0g、ソフタノール300を5.0g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、さらにディスパーで撹拌しながら、得られたプレポリマーP-2を徐々に加え分散させた。10分間撹拌した後、EDAを3.6g、ADHを1.5g加え、30℃にて30分間反応させ、アニオン性ウレタン樹脂の水分散液A-2を得た。A-2中の理論カルボキシル基は0.0359モルであり、A-2中の理論アニオン性ウレタン樹脂は50.5%である。
【0135】
[製造例3:鎖伸長剤を用いないアニオン性ウレタン樹脂(比較例用)]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、DL-80(PPG-17)を114.8g、IPDIを102.7g、DMPAを36.4g、メチルエチルケトンを108.8g加え、80℃、4時間反応させた(NCO/活性H:1.2)。NCO%をJIS K 1603-1に準拠して測定したところ1.75%であり、反応が終了していることを確認し、ウレタンプレポリマーP-3を得た。
3Lのディスポカップに、30℃のイオン交換水を685.0g、水酸化カリウムを17.7g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、さらにディスパーで撹拌しながら、得られたプレポリマーP-2を徐々に加え分散させた。60分間撹拌後、減圧条件下にメチルエチルケトンを脱溶剤し、アニオン性ウレタン樹脂の水分散液A-3を得た。A-3中の理論カルボキシル基は0.27モルである。
【0136】
[製造例4:鎖伸長剤を用いないアニオン性ウレタン樹脂(比較例用)]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、Y9-10を102.6g、IPDIを89.7g、DMPAを32.3g、ヘキシレングリコールを0.8g、メチルエチルケトンを96.6g加え、80℃、4時間反応させた(NCO/活性H:1.2)。NCO%をJIS K 1603-1に準拠して測定したところ1.88%であり、反応が終了していることを確認し、ウレタンプレポリマーP-4を得た。
3Lのディスポカップに、30℃のイオン交換水を1030.0g、水酸化カリウムを22.1g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、さらにディスパーで撹拌しながら、得られたプレポリマーP-4を徐々に加え分散させた。60分間撹拌後、減圧条件下にメチルエチルケトンを脱溶剤し、アニオン性ウレタン樹脂の水分散液A-4を得た。A-4中の理論カルボキシル基は0.24モルである。
【0137】
[製造例5:酸性基を有さないウレタン樹脂(比較例用)]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、P-1000を137.4g、メチルペンタンジオールを32.0g、メトキシPEG1000を61.6g、スミジュールN-3300を35.4g、H-MDIを145.5g加え、120℃、3時間反応させた(NCO/活性H:1.5)。NCO%をJIS K 1603-1に準拠して測定したところ4.23%であり、反応が終了していることを確認し、ウレタンプレポリマーP-5を得た。
3Lのディスポカップに、30℃のイオン交換水を579.6g入れ、さらにディスパーで撹拌しながら、得られたプレポリマーP-5を徐々に加え分散させた。10分間撹拌した後、EDAを7.0g、ADHを21.3g加え、30℃にて30分間反応させ、ノニオン性ウレタン樹脂の水分散液A-5を得た。A-5中の理論カルボキシル基は0モルである。
【0138】
[実施例1-1~1-4、比較例1-1~1-4:日焼け止めクリームの処方例]
表1に示す通りに、水相成分と油相成分を別々に調製した後、80℃の水相成分を80℃の油相成分に加え、ディスパーで撹拌しながら乳化させ、さらに攪拌しながら40℃まで冷却して水中油型の乳化物(日焼け止めクリーム)を得た。得られた日焼け止めクリームの評価として、塗布感、塗布後のべたつき感、塗布後のつっぱり感、耐水性(白化、摩擦)の評価を行った。各項目の評価方法は以下の通りである。なお、表1中の処方内数値の単位はgである。
【0139】
<塗布感>
得られた日焼け止めクリーム1gを手の甲に塗り伸ばした際の滑らかさを官能評価した。塗布時に引っかかる感触がない処方を○とし、引っかかる感触がある処方を×とした。
<塗布後のべたつき感>
得られた日焼け止めクリーム1gを手の甲に塗り伸ばし、25℃で3分経過した後の触感(タック)を官能評価した。タックがない処方を○とし、タックがある処方を×とした。
<塗布後のつっぱり感>
得られた日焼け止めクリーム1gを手の甲に塗り伸ばして成膜させた後、手を動かした際の皮膚への追従性を官能評価した。皮膚がつっぱる(手を動かしにくい)感触がない処方を○とした。つっぱる感触がある処方を×とした。
<耐水性(白化)>
得られた日焼け止めクリーム1gを手の甲に塗り伸ばして成膜させた後、25℃の水道水を滴下し、白化や溶解の有無を目視で確認した。外観の変化がない処方を○とし、皮膜が白化しているものや溶解しているものを×とした。
<耐水性(摩擦)>
得られた日焼け止めクリーム1gを手の甲に塗り伸ばして成膜させ、25℃の水道水を滴下した後、当該領域を指で擦り、皮膜の白化や剥がれの有無を目視で確認した。外観の変化がない処方を○とし、皮膜が白化、又は皮膚から剥がれてしまうものを×とした。
【0140】
【0141】
[実施例2-1~2-3、比較例2-1~2-5:ボディクリームの処方例]
表2に示す通りに、水相成分Bを水相成分Aに加えて80℃で混合し、そこに80℃の油相成分を加えて、ディスパーで撹拌しながら乳化させ、さらに攪拌しながら40℃まで冷却して水中油型の乳化物(ボディクリーム)を得た。得られたボディクリームの評価として、塗布後のつっぱり感、耐水性(白化)の評価を行った。各項目の評価方法は日焼け止めクリームの評価方法と同じである。なお、表2中の処方内数値の単位はgである。
【0142】
【0143】
[実施例3-1~3-3、比較例3-1~3-6:水性ネイル液の処方例]
表3に示す通りに、水相成分A、水相成分B、水相成分Cを25℃でディスパー混合し、水性ネイル液を得た。得られた水性ネイル液の評価として、塗布感、塗布後のべたつき感、ピールオフ性の評価を行った。各項目の評価方法は以下の通りである。なお、表3中の処方内数値の単位はgである。
<塗布感>
得られた適量の水性ネイル液を手の爪に塗り伸ばした際の滑らかさを官能評価した。塗布時に引っかかる感触や、塗りにくさがない処方を〇とし、引っかかる感触、又は塗りにくさがある処方を×とした。
<塗布後のべたつき感>
得られた適量の水性ネイル液を手の爪に塗り伸ばし、25℃で5分経過した後の触感(タック)を官能評価した。タックがない処方を〇とし、タックがある処方を×とした。
<ピールオフ性>
得られた適量の水性ネイル液を手の爪上で成膜させ、1時間経過後のピールオフ性(剥しやすさ)を官能評価した。皮膜を爪から剥がしやすく、また皮膜ちぎれの無い処方を○、皮膜を爪から剥がしにくい、又は皮膜がちぎれた処方を×とした。
【0144】
【0145】
表1~表3に示すように、本発明の皮膚化粧料は、日焼け止めクリーム、ボディクリーム、水性ネイルに関して、耐水性が良好であるとともに、塗布感、塗布後のつっぱり感のなさ、又はべたつき感のなさなど官能性にも優れており、何れの用途においても良好な結果となった。これに対して、本発明の皮膚化粧料に配合されるアニオン性ウレタン樹脂を含有しない比較例では、それぞれの評価の何れか、若しくは全てにおいて満足な結果を示さなかった。