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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】エンジン用のカバー部材
(51)【国際特許分類】
   F02F 7/00 20060101AFI20230905BHJP
   F02B 77/13 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
F02F7/00 P
F02F7/00 G
F02F7/00 302C
F02B77/13 D
F02B77/13 F
F02B77/13 T
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019188860
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021063475
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000151209
【氏名又は名称】マーレジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】太田 勝久
(72)【発明者】
【氏名】大山 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大蔵
【審査官】二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-280692(JP,A)
【文献】特開2018-080590(JP,A)
【文献】特開平07-064564(JP,A)
【文献】実開昭59-102949(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 1/00- 1/42
F02F 7/00
F02B 61/00-79/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンのボンネットの側の少なくとも一部を覆う第1壁部と、
前記第1壁部に対して前記ボンネットの側に所定の間隔をあけて配置され、前記第1壁部との間に容積室を形成する第2壁部と、
を備え、
前記第2壁部には、前記容積室から前記第2壁部と前記ボンネットとの間のエンジンルーム内の空間に対向して開口する複数の貫通孔が形成されており、
前記第2壁部は、前記第1壁部と対向する対向部と、前記第1壁部から突出する側部と、を有し、前記容積室は、前記第1壁部と、前記対向部と、前記側部と、により囲われて形成されており、
前記複数の貫通孔は、少なくとも前記側部に形成されていることを特徴とするエンジン用のカバー部材。
【請求項2】
前記第1壁部及び前記第2壁部が結合されて一体となっていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン用のカバー部材。
【請求項3】
ヘッドカバーであることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン用のカバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンルームの騒音低減装置を備えた、シリンダヘッドカバー、フロントカバー、オイルパン等のエンジン用のカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車室内の快適さ向上を目的とした車室内の静穏性及びエンジンの高出力化という相容れない課題を解決する技術に対する需要が高まっている。例えば、車室にはインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネル内に、弾性体である発泡性ウレタン樹脂を用いた吸音材を設けることにより、エンジンから発生する騒音が車室内に侵入することを大幅に抑えることができる吸音構造が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-34761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発泡性ウレタン樹脂を用いた騒音低減技術は、エンジンルーム内においても適用することができる。従来、エンジンルーム内には定在波が発生することが知られている。定在波は、例えば、エンジンルーム内においてエンジン本体と、エンジンルームの壁面との間の空間で騒音として発生する。
【0005】
発泡性ウレタン樹脂をエンジンルーム内に配置することにより、発生した騒音の低減を図ることが考慮された。しかしながら、発泡性ウレタン樹脂を用いることにより、部品点数が増加し、コストも増え、さらに、車両の重量が増大し燃費が低下することになる。
【0006】
また、ウレタン等の発泡体を使用した消音では、消音周波数のコントロールが困難であり、特に低周波の消音が難しい。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の重量を抑制しつつ、エンジンルーム内の定在波を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るエンジン用のカバー部材は、車両のエンジンの少なくとも一部を覆う第1壁部と、前記第1壁部に対してエンジンルームの側に所定の間隔をあけて配置され、前記第1壁部との間に容積室を形成する第2壁部と、を備え、前記第2壁部には、前記容積室から前記エンジンルーム内の空間に対向して開口する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。この態様によれば、エンジン用のカバー部材に空間を用いた消音機能を持たせることができ、車両の軽量化に貢献することができる。
【0009】
また、前記第1壁部及び前記第2壁部が結合されて一体となっていてもよい。この態様によれば、消音機能がインテグレートされたカバー部材を得ることができる。
【0010】
また、前記容積室を仕切って複数の容積室を形成する仕切壁をさらに備えていてもよい。この態様によれば、容積室を複数の容積室に仕切ることができると共に、第2壁部に対する耐振強度を高めることができる。
【0011】
また、前記複数の容積室には、それぞれ異なる数の前記貫通孔が通じていてもよい。この態様によれば、1つのエンジンカバー部材により異なる周波数の騒音に対して消音効果を発揮することができる。
【0012】
また、ヘッドカバー、フロントカバー及びオイルパンの少なくとも1つであってもよい。この態様によれば、エンジンカバー部材の種々の箇所に取り付けることができ高い汎用性を発揮することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両の重量を抑制しつつ、エンジンルーム内の定在波を抑制することができ、低周波を含んだ多様な周波数の定在波の消音をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のカバー部材(ヘッドカバー)の配置を示すエンジンルームの概略図である。
図2】エンジンの構成を示す概略図である。
図3】ヘッドカバーの構成を説明するためのエンジンの概略的な断面図である。
図4】本発明のカバー部材(ヘッドカバー)及びカバー部材の騒音低減装置の斜視図である。
図5】実施例1~3に係る騒音低減装置の消音効果を示すグラフである。
図6】変形例1に係る騒音低減装置を示す概略図である。
図7】変形例2に係る騒音低減装置を示す概略図である。
図8】変形例3に係る騒音低減装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、エンジン100を備えた車両のエンジンルームER内の概略図である。本実施の形態では、騒音低減装置を備えるカバー部材は、ヘッドカバー10であり、エンジン100上に載置され、車両のエンジンルームERにおける、エンジン100とボンネットBCとの間の空間に存在する定在波を主に低減する。
【0017】
図2は、エンジン100の構成を示す概略図である。エンジン100は、シリンダブロック120、シリンダヘッド110、ヘッドカバー10、フロントカバー20、オイルパン30から概略構成されている。このうち、ヘッドカバー10、フロントカバー20、オイルパン30は、例えば樹脂でできており、これらをカバー部材と称する。本発明に係る騒音低減装置40は、ヘッドカバー10に一体に設けられている。
【0018】
図3は、騒音低減装置40を備えるヘッドカバー10の構成を説明するためのエンジン100の概略的な断面図である。ヘッドカバー10は、エンジンルームER内においてボンネットBCに面するエンジン100の側に位置している。ヘッドカバー10は、開口部が下方のシリンダヘッド110に向くように、シリンダヘッド110の上方に配置される。ヘッドカバー10は、エンジン100のシリンダヘッド110の上面を覆う。ヘッドカバー10は、ボルトなどの締結具によってシリンダヘッド110に取り付けられる。
【0019】
フロントカバー20は、エンジンルームER内において車両の前方を向くエンジン100の側に位置している。フロントカバー20は、開口部が、例えば、カムシャフトによる駆動系に向くようにシリンダヘッド110及びシリンダブロック120の前端に取り付けられている。フロントカバー20は、ボルトなどの締結具によってシリンダヘッド110及びシリンダブロック120に取り付けられている。
【0020】
オイルパン30は、エンジンルームER内において、シリンダブロック120のヘッドカバー10とは反対側に設けられているオイル受けカバーである。オイルパン30は、エンジン100においてオイルを使用する機器からのオイルが溜められる。
【0021】
ヘッドカバー10は、シリンダヘッド110を覆っているとともに、オイルミストセパレータ等を備えるが、図ではそれらを省略して概略的に示している。このヘッドカバー10には騒音低減装置40が設けられている。
【0022】
ヘッドカバー10は、車両のエンジンを覆うヘッドカバー本体となる第1壁部41と、第1壁部41に対してエンジンルームERの側に所定の間隔をあけて配置され、第1壁部41との間に容積室Sを形成する第2壁部43と、を備える。第2壁部43には、容積室SからエンジンルームER内の空間に対向して開口する複数の貫通孔45が形成されている。以下、ヘッドカバー10の構成について具体的に説明する。
【0023】
図4は、ヘッドカバー10の斜視図であり、ヘッドカバー10を一部断面にして示す。ヘッドカバー10は、ポリアミド等の樹脂からなり、騒音低減装置40を備えている。騒音低減装置40は、ヘッドカバー10に一体となっている。騒音低減装置40は、ヘッドカバー10の一部とみなすことができる。第1壁部41は、ヘッドカバー10において、シリンダヘッド110を上方で密閉して覆っている。第1壁部41は、平面視において略矩形の外形を有する。第1壁部41は、側面から見た断面形状が略U字状である。
【0024】
第2壁部43は、第1壁部41をエンジンルームERの側となる外側から少なくとも部分的に覆っている。本実施の形態においては、第2壁部43は、第1壁部41の一部を覆っているが、第1壁部41を全体的に覆っていてもよい。第1壁部41は、第2壁部43に振動溶着等により結合されて一体となっている。第2壁部43は、側部43aと、対向部43bとを有する。側部43aは、車両のエンジンルームERを臨む第1壁部41の外面41aからエンジンルームER内に向かって突出している。側部43aの一端は、第1壁部41に一体に結合されている。
【0025】
対向部43bは、側部43aの他端に設けられている。対向部43bは、第1壁部41の外面41aに対向している。対向部43bは、第1壁部41に対して側部43aの高さ分だけ離間されている。第1壁部41の外面41aと、側部43aと、対向部43bとによって容積室Sが画定されている。第2壁部は、対向部43bにおいて複数の貫通孔45を有する。貫通孔45を介して容積室SとエンジンルームERとは互いに連通している。
【0026】
騒音低減装置40は、さらに仕切リブ(仕切壁)50を備える。仕切リブ50は、容積室Sを仕切って複数の容積室S1,S2,S3,S4を形成する。仕切リブ50は、対向部43bの内面43cから第1壁部41の外面41aに向かって延びており、第1壁部41の外面41aに振動溶着等により結合されている。仕切リブ50は、平面視において十字状に形成されている。仕切リブ50は、容積室Sを4つの容積室S1,S2,S3,S4に略等分に区画している。
【0027】
各容積室S1,S2,S3,S4には、それぞれ同径で同じ数の貫通孔45が通じている。つまり、貫通孔45は、各容積室S1,S2,S3,S4に対向する対向部43bの部分にそれぞれ同じ数だけ形成されている。
【0028】
以上のような構成を有する騒音低減装置40は、ヘルムホルツ構造を有している。ヘルムホルツ構造は、第1壁部41と、貫通孔45を有する第2壁部43と、両壁部41,43とによって画定された容積室Sとによって構成されている。なお、この例では容積室Sの断面形状は長方形となっているが、種々の形状が可能である。例えば、容積室Sの断面形状が台形や三角形になるように設計して、第2壁部43が第1壁部41に対して所定の傾斜角を持って配置されるようにして、エンジンルームERの空間への第2壁部43の対向角度や容積室Sの容積を適宜変えることが可能である。
【0029】
容積室S(S1,S2,S3,S4)は、ヘルムホルツの共鳴の原理によって、エンジンルームERから空気を伝播する音を抑制する。エンジンルームER内の定在波により外圧(騒音)がヘッドカバー10に作用すると、貫通孔45を通じて容積室S1~S4内に空気が侵入しようとする。容積室S1~S4内にある空気は、エンジンルームER内から貫通孔45を通じて容積室S1~S4内に侵入してくる空気を押し出そうとする。空気が容積室S1~S4からエンジンルームER内に侵出することにより、侵出した空気分だけ容積室S1~S4内に負圧が発生する。発生した負圧により、エンジンルームER内の空気を容積室S1~S4内に戻す力が発生する。
【0030】
上記現象が、各貫通孔45において発生している。各貫通孔45における空気の侵入、侵出の繰り返しにより貫通孔45に空気が接触して摩擦が生じ、音響エネルギーが騒音低減装置40により消費される。
【0031】
ここで、貫通孔45の個数と音圧レベル[dB]との関係について、本発明に係る騒音低減装置の複数の実施例1~3に基づいて説明する。図5は、実施例に係る騒音低減装置の消音効果を示すグラフである。
【0032】
実施例1~3及び比較例の仕様は以下の通りである。
<実施例1>
容積室の総容積:32cc
容積室の区画数:4つ
各区画における貫通孔の個数:9個
孔の径:φ4mm
【0033】
<実施例2>
容積室の総容積:32cc
容積室の区画数:4つ
各区画における貫通孔の個数:13個
孔の径:φ4mm
【0034】
<実施例3>
容積室の総容積:32cc
容積室の区画数:4つ
各区画における貫通孔の個数:25個
孔の径:φ4mm
【0035】
<比較例1>
容積室の総容積:32cc
容積室の区画数:4つ
各区画における貫通孔の個数:0個
【0036】
上記の仕様を有する実施例1~3及び比較例の対向部43bに対して、所定の間隔をあけた位置から騒音を周波数1000~3000Hzに変化させながら入力した。音圧レベルは、対向部43bと騒音源との間で測定した。
【0037】
比較例においては、騒音の周波数1000~3000Hzに対して音圧レベルは周期的に変化して、周期的にピーク値が測定されるだけであった。これに対して、実施例1の仕様を有する騒音低減装置40によれば、1500Hz前後の周波数において音圧レベルが急激に下がった。また、実施例2の仕様を有する騒音低減装置40によれば、1700Hzの周波数を超えた辺りで音圧レベルが急激に下がった。また、実施例3の仕様を有する騒音低減装置40によれば、2000Hzを超えた辺りで音圧レベルが急激に下がった。
【0038】
実施例1~3においては、特定の周波数において音圧レベルが減じられていることがわかった。つまり、貫通孔45の数を変えることにより、異なる周波数の騒音に対して消音効果が発揮されていることがわかった。
【0039】
また、騒音低減装置40は、ヘッドカバー10とボンネットBCとの間で定在波が発生する空間(容積)を少なくとも部分的に埋めるので、定在波の発生を抑制することができる。騒音低減装置40は、ヘルムホルツの共鳴の原理を利用した機構であり、音の減衰効果をエンジンルームER内において適切に発揮することができる。
【0040】
また、騒音低減装置40は、仕切リブ50が側部43a及び対向部43bに結合しているので、第2壁部43全体が振動することを効果的に抑制することができ、第2壁部43の振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、上記の実施の形態においては、騒音低減装置40は、ヘッドカバー10に一体に設けられていたが、ヘッドカバー10、フロントカバー20及びオイルパン30のどれにも設けることができ、定在波の発生位置に合わせて1個でも複数個でも設けることができる。
【0042】
図6は、変形例1に係る騒音低減装置40Aを示す概略図である。上記の実施の形態では、仕切リブ50によって4つに仕切られた容積室S1,S2,S3,S4に対向する対向部43bの部分にはそれぞれ同じ数の貫通孔45が設けられていたが、騒音低減装置40Aでは、それぞれ異なる数の貫通孔45を設けている。
【0043】
騒音低減装置40Aにより、複数の消音周波数を1つの騒音低減装置40Aに設定することができる。これにより、より広い帯域(広帯域)の周波数の騒音を効果的に消音することができる。
【0044】
図7は、変形例2に係る騒音低減装置40Bを示す概略図である。上記実施の形態において、仕切リブ50の形状は、平面視において十字状に形成されていたが、対象とする消音周波数及びレイアウトに基づいて仕切リブの形状は適宜変更してもよい。騒音低減装置40Bでは、仕切りリブ50は、平面視においてT字状に形成されている。この場合、容積室Sは、略同じ容積を有する2つの容積室S1,S2と、2つの容積室S1,S2を合わせた容積と略同じ容積を有する1つの容積室S5に仕切られる。騒音低減装置40Bにより、消音周波数を調整するために容積室Sの容積を調整することができる。
【0045】
図8は、変形例3に係る騒音低減装置40Cを示す概略図である。上記の実施の形態において、騒音低減装置40は、仕切リブ50を有していたが、騒音低減装置40Cのように、容積室Sは分割されていなくてもよい。
【0046】
上記の変形例1~3のいずれの騒音低減装置40A,40B,40Cを備えたヘッドカバー10においても、上記実施の形態に係る騒音低減装置40を備えたヘッドカバー10の場合と同様に、騒音低減効果を奏することができる。
【0047】
また、上記の実施の形態において、貫通孔45は第2壁部43において対向部43bに形成されていたが、側部43a及び対向部43bの少なくとも一方に形成されていてもよい。
【0048】
また、上記の実施の形態において、第2壁部43は、第1壁部41と、振動溶着等により結合されて一体に形成されていたが、第1壁部41と第2壁部43とを別体に形成してもよい。この場合、別体の装置として騒音低減装置40を既存のカバー部材に対して例えばスナップフィット等の接続手段を用いて簡単に後付けすることができる。
【符号の説明】
【0049】
10 ヘッドカバー、20 フロントカバー、30 オイルパン、40 騒音低減装置、41 第1壁部、41a 外面、43 第2壁部、43a 側部、43b 対向部、45 貫通孔、50 仕切壁、100 エンジン、110 シリンダヘッド、120 シリンダブロック、ER エンジンルーム、S 容積室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8