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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】組立て式トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20230905BHJP
   A47K 13/02 20060101ALN20230905BHJP
【FI】
A47K11/04
A47K13/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019210901
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021078975
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519417067
【氏名又は名称】地村 健太郎
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169188
【弁理士】
【氏名又は名称】寺岡 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】北原 聖司
(72)【発明者】
【氏名】地村 健太郎
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-013523(JP,A)
【文献】特開2003-019087(JP,A)
【文献】特開2017-144010(JP,A)
【文献】特開2004-242975(JP,A)
【文献】特開2014-233460(JP,A)
【文献】特表2011-520491(JP,A)
【文献】実公昭50-020936(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部がその中央部に開口部を有する便座である組立て式トイレであって、
前記便座を四角形の板状体とし、
前記板状体の4つの隅のうち3隅または4隅に、前記開口部に対して前記3隅または前記4隅のそれぞれを隆起させる傾斜面を備えた隆起部を有する組立て式トイレ。
【請求項2】
請求項1に記載の組立て式トイレにおいて、
前記3隅または前記4隅の前記隆起部の頂部は同一平面にある組立て式トイレ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組立て式トイレにおいて、
前記四角形の板状体の3隅に前記隆起部を有し、残りの1隅には、前記隆起部よりも低く隆起させた小型隆起部を有する組立て式トイレ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の組立て式トイレにおいて、
前記隆起部は、仙骨の部分を受ける形状である組立て式トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立て式トイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地震等の自然災害発生時に、被災地向けの簡易トイレについての技術が検討されてきた。たとえば、特許文献1等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-13523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された簡易トイレは、いわゆる洋式のトイレである。洋式のトイレといえば便座に座るタイプのものである。この簡易トイレは、両足を閉じて使用することが自然な組立て式トイレであり、ある程度快適に使用できるものである。しかし、人間は、「より快適なもの」を求めるだろう。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、より快適な組立て式トイレを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上部がその中央部に開口部を有する便座である組立て式トイレであって、便座を四角形の板状体とし、板状体の4つの隅のうち3隅または4隅に、開口部に対して3隅または4隅のそれぞれを隆起させる傾斜面を備えた隆起部と、を有する組立て式トイレ。
【0007】
ここで、3隅または4隅の隆起部の頂部は同一平面にあっても良い。
【0008】
また、四角形の板状体の3隅に隆起部を有し、残りの1隅には、隆起部よりも低く隆起させた小型隆起部を有しても良い。
【0009】
また、隆起部は、仙骨の部分を受ける形状であっても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、より快適な組立て式トイレを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの斜視図である。
図2】容器の組立ての様子を示す図である。
図3】便座と筒状の容器と、底面パッドとを組立てる様子を示す図である。
図4】本発明の実施の形態の変形例に係る底面パッドと、それに設置する補助パッドを示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る蓋付きの組立て式トイレの斜視図である。
図6】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの正面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの背面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの平面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの底面図である。
図10】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの右側面図である。
図11】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの左側面図である。
図12】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの上方から見た斜視図である。
図13】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの下方から見た斜視図である。
図14】本発明の実施の形態に係る便座の正面図である。
図15】本発明の実施の形態に係る便座の背面図である。
図16】本発明の実施の形態に係る便座の平面図である。
図17】本発明の実施の形態に係る便座の底面図である。
図18】本発明の実施の形態に係る便座の右側面図である。
図19】本発明の実施の形態に係る便座の左側面図である。
図20】本発明の実施の形態に係る便座の上方から見た斜視図である。
図21】本発明の実施の形態に係る便座の下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る組立て式トイレについて、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの斜視図である。本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、上部が開口部2を有する便座3であり、便座3よりも下部が底面パッド4を有する筒状の容器5である。そして、便座3が四角形の板状体からなっている。そして、開口部2は、四角形の対角線に沿って開口している。これらの構成部材である便座3、底面パッド4および筒状の容器5は、板状の同一の発泡スチロールを組み立てて形成している。
【0014】
なお、便座3の開口部2の周縁6(全周域)が、便座3を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座3の開口部2の周縁6は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。そのため、便座3の開口部2の周縁6は、その他の部分よりも若干凹みがあり、周縁6がテーパー状となっている。
【0015】
図2は、容器5の組立ての様子を示す図である。図2(A)(B)は、4枚の外形が4角形の板7,8,9,10を示している。板7,8,9,10は、対向する2つの辺に嵌め合わせ用の凹凸を有している。また、板7,8,9,10は、それぞれ同一形状をしている。
【0016】
板7,8を例に嵌め合わせの様子を説明する。板7の辺7aと板8の辺8aとは同一形状をしている。板7の辺7bと板8の辺8bとは同一形状をしている。辺7bの凸部7b1,7b1は、根元よりも先端の方が幅広のテーパー状である。その形状とほぼ完全に適合するのが、辺8aの凹部8a1,8a1である。このような辺の形状の同一および適合関係は、図2(B)に示す板9と板10も同様である。
【0017】
図2(C)に示すように、板8を板7に向かって方向Aに沿って近づけると、凸部7b1,7b1と凹部8a1,8a1とがほぼ完全に適合し、板7,8が嵌め合わせられる。板7,8が図2(C)に示すように嵌め合わせられると、方向Aに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは可能だが、方向Bに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは、根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって困難である。
【0018】
このような嵌め合わせは、図2(D)に示す板9,10についても同様に可能であり、図2(E)に示すように板7,8,9,10相互に可能である。以上が図2(E)に示す筒状の容器5の組立方法である。
【0019】
すなわち、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。なおもう一方は、前述の、方向Aに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは可能であることと同様に、嵌め合わせを解くことは可能である。
【0020】
また、図2に示すように、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。
【0021】
また、図2に示すように、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。
【0022】
また、図3は、便座3と筒状の容器5と、底面パッド4とを組立てる様子を示す組み立て式トイレ1の分解斜視図である。便座3の裏側面には、筒状の容器5の上端の四角形とほぼ完全に適合する四角形の溝が形成されており、その溝が筒状の容器5の上端の四角形に嵌め合わせられる。
【0023】
また、筒状の容器5の下端の正方形と底面パッド4も、底面パッド4にほぼ完全に適合する四角形の溝41が形成されており、その溝が筒状の容器5の上端の四角形に嵌め合わせられる。溝41は、外側凸部42と内側凸部43の谷間として形成されている。
【0024】
図4(A)は、底面パッド4と補助パッド40の分解斜視図であり、図4(B)は、底面パッド42に補助パッド40が設置されている図である。
【0025】
補助パッド40は、発泡スチロールの2枚の板を使って十字状の板材としたものである。底面パッド42は、筒状の容器5の下端がはまり込む溝より内側に補助パッド40の下端(十字状)がはまり込む溝44がある以外は底面パッド4とほぼ同一である。そのため、筒状の容器5を底面パッド42に嵌め込むと共に補助パッド40を底面パッド42に嵌め込むことは可能である。
【0026】
補助パッド40は、仮に小さなレジ袋を筒状の容器5の中に開口部を上に向けて設置する際に高さが足りず、たとえば筒状の容器5の溝30に排泄物の重量がかかってしまい、非常に不安定なものになってしまうのを防ぐまたは抑制するためのものである。すなわち、補助パッド40は、レジ袋等を底上げして使うため等のためのものである。
【0027】
さて、図1および図3に示す便座3の形状の詳細について説明する。まず、その中央部に開口部2を有する便座3の、便座が四角形の板状体をなしている。その四角形の板状体の3隅の3A,3B,3Cは、開口部2から3隅3A,3B,3Cの重力方向の逆に向かう傾斜面を隆起させた隆起部3A1,3B1,3C1を有する。「重力方向の逆に向かう傾斜面」は、重力方向の逆方向であるが、厳密に重力方向の一直線上になくてもよく、重力方向の逆方向にある傾斜面であれば良いということである。周縁6の外側または内側から3隅の3A,3B,3Cに向かうに従い隆起する隆起部3A1,3B1,3C1となっている。なお、開口部2は隅3Dから隅3Bに沿った長穴である。使用者は、通常後述する薄板部31,34に大腿部を載せ便座2に座り、組立て式トイレ1を使用する。
【0028】
3隅の3A,3B,3Cの端部に近づくと、隆起部3A1,3B1,3C1の隆起が収まり、端部または頂部である平坦部3A2,3B2,3C2となる。なお、平坦部3A2,3B2,3C2の高さは、各隅の隆起高さを示し、3つの隅の隆起高さは、同一(頂部は同一平面である)である。なお残った隅3Dも若干隆起しているが、その小型隆起部3D1の高さは、隆起部3A1,3B1,3C1の隆起高さの約1/2である。
【0029】
隆起部3A1,3B1,3C1および小型隆起部3D1の間の薄板部31,32,33,34は、板厚が薄くなっている。また、隆起部3A1,3C1は、その裏側に補強部3A3,3C3が設けられている。補強部3A3,3C3は、発泡スチロールの厚みを局部的に厚くしたものである。また隆起部3B1の開口部2の壁には、その壁を局部的に広げる凹部3B4が設けられている。
【0030】
(本発明の実施の形態によって得られる主な効果)
本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、便座3の外形である四角形の板状体の3隅の3A,3B,3Cは、開口部2からそれぞれの3隅3A,3B,3Cから重力方向の逆に向かう傾斜面を形成することで隆起させた隆起部3A1,3B1,3C1を有している。隆起部3A1,3B1,3C1に、組立て式トイレの使用者の体を添わせ、上半身の体重を、隆起部3A1,3B1,3C1にかけることができ、より快適に使用できる組立て式トイレを提供することができる。つまり、組立て式トイレ1は、臀部への荷重を減らすため、大腿部でも荷重を支える形状とした。
【0031】
また、便座3は、発泡スチロール製である。そのため、外気温度が低くても、便座3に肌をくっつける際には、それ程冷たさを感じない。また、便座3、底面パッド4および筒状の容器5は、発泡スチロール製であるため、組立て式トイレ1を軽く、持ち運びしやすいものとすることができる。
【0032】
また、便座3の開口部2の周縁6が、便座3を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座3の開口部2の周縁6は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。
【0033】
また、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。このことにより、底面パッド4等で筒状の容器5の下端を固定すれば、筒状の容器5は、外力によっても四角柱の筒状の形状を維持できやすいものとなる。
【0034】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。そのため、マークを目印に組立作業を円滑に行うことができる。このことによって組立て式トイレ1の組立が容易になる。
【0035】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。このことによって、組立ての際に方向マーク14を筒状の容器5の内側に同じ方向にすれば良いとの導きをすることができる。このことによって組立て式トイレ1の組立が容易になる。
【0036】
また、隆起部3A1,3B1,3C1の頂部は同一平面にある。そのことによって、組立て式トイレ1の、組立前の各部品の収納性が良好になり易い。
【0037】
また、小型隆起部3D1の高さは、隆起部3A1,3B1,3C1の隆起高さよりも低くしている。具体的には、約1/2の高さとしている。このことより、座る際の動作の邪魔にならず。また、小型隆起部3D1が邪魔にならないので、より強い力で踏ん張れると考えられる。
【0038】
また隆起部3B1は、人体の腰の部分、具体的には仙骨の部分を受けるのに適した傾斜面としている。このため、人が腰掛けたときに後方への荷重を受けることができ、多少ではあるが、背もたれとしての機能を有する。また、凹部3B4を形成したことで、人が腰かけたときに尾&#39606;骨の部分が開口部2の周縁6に当たるのを避けることができ、快適に腰掛けることができる。
【0039】
また、補強部3A3,3C3は、人が腰かけたときに便座3の中で最も荷重のかかる位置に設けている。これによって頑丈な組立て式トイレ1を提供することができる。
【0040】
また、隆起部3A1,3B1,3C1は、臀部乃至大腿部を側方からホールドするため、安定して腰掛けることができる。また、隆起部3B1を過剰にのばさず、平坦部3B2の形状とすることで、隆起部3B1に過剰な寄りかかりの力がかかることがない。
【0041】
また、組立て式トイレ1は、開口部2が便座3の外形である四角形の対角線に沿って開口している。そのため、四角形の角を両足で挟んで便座3に座るのが自然であるため、両足を閉じて使用することが自然な組立て式トイレ1を提供することができる。
【0042】
(他の形態)
上述した本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施が可能である。
【0043】
本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、上部が開口部2を有する便座3であり、便座3よりも下部が底面パッド4を有する筒状の容器5である。しかし、これらの部材の中で底面パッド4は、必須の構成部材ではないため省略することができる。
【0044】
また、便座2の形状について言えば、平坦部3A2平坦部3A2,3B2,3C2、小型隆起部3D1、補強部3A3,3C3、凹部3B4、薄板部31,32,33,34は、必須の構成要素ではないため省略することができる。ただし、薄板部31,34は足を載せておく意味で重要性が若干増す。また、小型隆起部3D1は、隆起部3A1,3B1,3C1と同等の隆起をしてもよい。すなわち、四角形の板状体の4隅は、開口部2からそれぞれの3隅3A,3B,3Cから重力方向の逆に向かう面を形成することで隆起させた隆起部3A1,3B1,3C1,3D1(ここでの隆起部3D1は、隆起部3A1,3B1,3C1と同等の隆起をしている)としても良い。
【0045】
また、上部がその中央部に開口部2を有する便座3である組立て式トイレであって、便座3が四角形の板状体と、四角形の板状体の3辺は、組立て式トイレの使用者に沿って隆起させた隆起部と、を有する組立て式トイレを採用しても良い。本実施の形態のように3隅の3A,3B,3Cを、隆起部3A1,3B1,3C1とするか、若しくは辺を隆起させるかの違いだけである。
【0046】
また、そのように辺を隆起させる場合であっても、隆起部を有しない辺には、組立て式トイレの使用者に沿って、辺の隆起部よりも低く隆起させた隆起部を有するようにしても良い。この場合の低く隆起させた隆起部は、小型隆起部3D1と同じ用途、すなわち、膝の股の部分で、低い隆起部を挟み、より強い力で踏ん張れることができるような用途を想定している。そのため、その隆起部の形状は辺の長さよりは、かなり短いものを想定している。
【0047】
また、容器5は高さを低くして、人間が座るときの姿勢を変えることができる。たとえば、容器5は高さを低くして、着座時に直腸と肛門が一直線 となり、排便を無理なく促す姿勢にすることができる。このため、災害時に問題となるストレスや水分摂取を控えてしまうことによる便秘などを抑制することが期待できる。そのときの具体的な容器5の高さは、20~30cmである。本発明の実施の携帯では23cmとした。
【0048】
また、便座3は、発泡スチロール製である。しかし、便座3の材質は、段ボール等を適宜選択できる。また、筒状の容器5および底面パッド4の材質も発泡スチロールであるが、段ボール等を適宜選択できる。また、便座3は、四角形の板状体からなっている。しかし、便座3は円形または楕円形の板状体とし、3隅3A,3B,3Cと同様のものを板状体の周縁に配置してもよい。さらに便座3は、四角形以外の多角形の板状体とし、3隅3A,3B,3Cと同様のものを板状体の周縁に配置してもよい。
【0049】
また、筒状の容器5は、外形が四角柱の筒状のものとしているが、外形が円柱、楕円柱、三角柱等の他の多角柱としても良い。
【0050】
仮に便座3の開口部2の周縁6の肌触りを、その他の部分とは異なるものとする場合でも、便座3が発泡スチロールの場合には、便座3の開口部2の周縁6をザラザラ感のある肌触りとし、便座3を構成する板状体のその他の部分を滑らかな肌触りとしても良い。
【0051】
また、便座3の開口部2の周縁6を、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くして、滑らかな肌触りとしているが、発泡スチロールの表面を加熱溶融等して、滑らかな肌触りとしても良い。
【0052】
また、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。組立の際などにおける便宜的な構造であるが、このような構造は採用しなくてもよい。
【0053】
たとえば、辺7bの凸部7b1,7b1は、根元よりも先端の方が幅広のテーパー状としているが、そのようなテーパー状せずに根元と先端とが等幅としても良い。
【0054】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。しかしながら、そのようなマークは必要ない。仮にマークを付するとしても半円12、円形13に限らない。また、マークの形を位置によって変えても良い。
【0055】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。しかしながら、そのような方向マーク14は必要ない。仮に方向マーク14を付するとしても方向マーク14の形および/または位置を変更できる。
【0056】
容器5は、もちろん溝30がなくてもレジ袋等を使用できるが、溝30に引っ掛ける方が簡単にレジ袋を使用できる。この例では、全ての板の上部にそれぞれ2つ、合計8つの溝30を形成しているが、対向する一対の板の上部にそれぞれ2つ等、一部の板に溝30を形成しても良い。
【0057】
補助パッド40の形状は、十字状以外のものとしても良い。それに伴い底面パッド42の形状も変えることができる。また補助パッド40の材質は、発泡スチロール以外の、たとえば段ボール等を適宜選択できる。
【0058】
なお、必要に応じて、図5に示すように、便座3を隠す蓋60を使用できる。蓋60は、本体61によって開口部2を全てまたは、一部を塞ぐ。そして、蓋60は、上面の一部をくり抜いたくり抜き部62と、そのくり抜きによって島状に形成された取っ手63を有している。蓋60の開け締めは、取っ手63を掴んで蓋60を上下させることによる。
【0059】
図6図13には、本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、斜視図を示す。図14図21には、本発明の実施の形態に係る便座の正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、斜視図を示す。
【符号の説明】
【0060】
1 組立て式トイレ
2 開口部
3 便座
3A1,3B1,3C1 隆起部
3D1 小型隆起部
5 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21