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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
H01H13/14 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019232335
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021099980
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】福岡 誠也
(72)【発明者】
【氏名】富田 悟
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-197061(JP,A)
【文献】特開2019-140000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が押圧操作される操作部と、当該操作部の裏面側から当該操作部が押圧される方向に延びる所定長さのレール部と、を有するスイッチ本体と、
前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする所定長さのガイド部を有し、前記スイッチ本体を支持するスイッチ用ケースと、を備え、
前記ガイド部の一端が、前記レール部の先端付近に位置するよう構成され、
前記レール部の先端付近の部位と、前記ガイド部の一端付近の部位と、の少なくとも一方が、延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されており、
前記スイッチ本体は、前記レール部に沿って形成された壁面を有しており、
前記レール部は、一部が前記スイッチ本体に形成された壁面に連結しており、先端付近の部位が前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記レール部の先端付近の部位と前記ガイド部の一端付近の部位との少なくとも一方が、自由端にて形成されている、
スイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記ガイド部に沿って形成された壁面を有しており、
前記ガイド部は、一部が前記スイッチ用ケースに形成された壁面に連結しており、一端付近の部位が前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項4】
表面が押圧操作される操作部と、当該操作部の裏面側から当該操作部が押圧される方向に延びる所定長さのレール部と、を有するスイッチ本体と、
前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする所定長さのガイド部を有し、前記スイッチ本体を支持するスイッチ用ケースと、を備え、
前記ガイド部の一端が、前記レール部の先端付近に位置するよう構成され、
前記レール部の先端付近の部位と、前記ガイド部の一端付近の部位と、の少なくとも一方が、延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されており、
前記ガイド部は、一端付近に前記レール部に対向する方向に突出するガイド部側突出部を有する、
又は、
前記レール部は、先端付近に前記ガイド部に対向する方向に突出するレール部側突出部を有する、
スイッチ装置。
【請求項5】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記ガイド部の前記ガイド部側突出部は、当該ガイド部の弾性変形する部位における一端側に位置して形成されている、
又は、
前記レール部の前記レール部側突出部は、当該レール部の弾性変形する部位における先端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項6】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記ガイド部に沿って形成された壁面を有しており、
前記ガイド部は、一部が前記スイッチ用ケースに形成された壁面に連結しており、一端付近の部位が前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成され、
前記ガイド部側突出部は、前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成されている前記ガイド部の一端付近の部位における一端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項7】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ本体は、前記レール部に沿って形成された壁面を有しており、
前記レール部は、一部が前記スイッチ本体に形成された壁面に連結しており、先端付近の部位が前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成され、
前記レール部側突出部は、前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成されている前記レール部の先端付近の部位における先端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれかに記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする第2のガイド部を備え、
前記第2のガイド部は、前記レール部に対する前記ガイド部側とは反対側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれかに記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記レール部に対する前記ガイド部側とは反対側に、前記レール部の延在方向に沿って形成された他の前記ガイド部をさらに備えた、
スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧操作式のスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作部を押圧操作することで、所定の機能のオン/オフを切り替えることができる押圧操作式のスイッチ装置がある。このような押圧操作式のスイッチ装置は、操作部を押圧操作した際に、当該操作部を押圧方向に沿って往復移動させる移動機構を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているスイッチ装置は、移動機構として、操作部から押圧方向に延びる棒状部と、基板部側に装備され棒状部を摺動可能に嵌合したガイド部と、を備えている。そして、棒状部がガイド部の間を押圧方向に沿って摺動することで、操作部が押圧方向に沿って往復移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-101608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように棒状部がガイド部の間に嵌合された機構では、温度変化により部材が収縮あるいは膨張することによって、棒状部の摺動動作の妨げとなることが生じうる。その結果、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じうる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、押圧操作することができない場合が生じうる、ことを解決することができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態であるスイッチ装置は、
表面が押圧操作される操作部と、当該操作部の裏面側から当該操作部が押圧される方向に延びる所定長さのレール部と、を有するスイッチ本体と、
前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする所定長さのガイド部を有し、前記スイッチ本体を支持するスイッチ用ケースと、を備え、
前記ガイド部の一端が、前記レール部の先端付近に位置するよう構成され、
前記レール部の先端付近の部位と、前記ガイド部の一端付近の部位と、の少なくとも一方が、延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、押圧操作することができない場合が生じうることを解決することができるスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1におけるスイッチ装置の全体構成を示す図である。
図2図1に開示したスイッチ装置の一部の構成を拡大した拡大図である。
図3図1に開示したスイッチ装置が押圧操作されたときの様子を示す図である。
図4図3に開示した押圧操作されたときのスイッチ装置の一部の構成を拡大した拡大図である。
図5図1に開示したスイッチ装置の一部の構成の変形例を示す図である。
図6】本発明の実施形態2におけるスイッチ装置の一部の構成を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図2は、スイッチ装置の構成を説明するための図であり、図3乃至図4は、スイッチ装置の動作を説明するための図である。また、図5は、スイッチ装置の構成の変形例を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本実施形態におけるスイッチ装置は、例えば、自動車や自動二輪車に装備され、所定の機能のオン/オフの切り替え操作を行うためのものである。特に、本実施形態におけるスイッチ装置は、操作者が操作面を押圧操作することができるよう構成されている。但し、本発明におけるスイッチ装置は、必ずしも自動車や自動二輪車に装備されるものに限定されず、いかなる設備に装備されるスイッチ装置にも適用可能である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態におけるスイッチ装置は、操作者が押圧操作する操作部11が形成されたスイッチ本体10と、当該スイッチ本体10を支持するスイッチ用ケース20と、を備えている。なお、図1では、スイッチ本体10とスイッチ用ケース20との構成を区別できるよう、スイッチ本体10を斜線にて図示している。また、スイッチ装置は、スイッチ本体10が押圧されることによってスイッチ用ケース20に対して押圧方向に沿って移動させる移動機構を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0013】
スイッチ本体10は、図1における上側に位置する表面に操作部11を有しており、かかる操作部11が操作者によって押圧操作される。つまり、図1の例では、スイッチ本体10は、操作者によって上面が押圧方向(図1の下側方向)に押圧操作されることにより、スイッチ本体10自体が押圧方向に移動するよう構成されている。そして、スイッチ本体10は、操作部11の裏面側から、当該操作部11が押圧される方向(延在方向)に延びる所定長さのレール部12を備えており、移動機構として機能する。例えば、レール部12は、所定の断面形状の柱状に形成されている。なお、レール部は操作部11の裏面側に配置された壁面に設けられてもよい。また、図1では、レール部12を1つしか図示していないが、複数のレール部12が設けられていてもよい。なお、スイッチ本体10のその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0014】
また、スイッチ用ケース20は、上述したスイッチ本体10を裏面側から支持し、当該スイッチ本体10が押圧方向に沿って往復移動するよう支持する。具体的に、スイッチ用ケース20は、上述したスイッチ本体10の裏面側から延びるレール部12の延在方向に沿って形成された、所定長さのガイド部22を備えており、移動機構として機能する。例えば、ガイド部22は、所定の断面形状の柱状に形成されており、図1に示すように、レール部12と所定の距離だけ離れて隣接した状態で配置される。このとき、ガイド部22の長さは、スイッチ本体10の操作面とは反対側に位置する当該ガイド部22の一端が、レール部12の先端付近に位置するよう形成されている。このようにガイド部22はレール部12に隣接していることで、スイッチ本体10の押圧方向に沿った往復移動をガイドするよう機能する。なお、図1の丸印で囲ったガイド部22の一端付近、及び、レール部12の先端付近の構成の拡大図を図2に示す。
【0015】
ここで、さらにスイッチ用ケース20のガイド部22の構成について詳述する。スイッチ用ケース20は、スイッチ本体10の押圧方向に沿った平面を有し、ガイド部22に沿って形成された壁面21を内部に有している。そして、ガイド部22は、延在方向に沿ってその大部分が壁面21に連結しており、当該壁面21から垂直方向に突出するよう形成されている。このとき、ガイド部22は、図2のA-A線断面図に示すように、スイッチ本体10の操作部11側の一部が壁面21に連結している。一方、ガイド部22のスイッチ本体10の操作部11側とは反対側の一端付近の部位は、図2のA-A線断面図の符号21aに示すように、壁面21から離間して形成されている。このため、ガイド部22の一端付近の部位は、自由端にて形成されている。なお、図2のA-A線断面図では、レール部12の位置を2点鎖線にて示している。
【0016】
ここで、ガイド部22は、プラスチックなどの所定の強度を有しつつ弾性変形可能な弾性部材で形成されている。そして、上述したように、ガイド部22の一端付近の部位は壁面21から離間して自由端にて形成されているため、かかる一端付近の部位がガイド部22の延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されていることとなる。つまり、ガイド部22の一端付近の部位は、図2の円弧状矢印に示すように、壁面21にて形成される平面と平行な面に沿って揺動可能となる。
【0017】
また、ガイド部22は、図2に示すように、一端付近に、レール部12に対向する方向に突出するガイド部側突出部22aを有する。このとき、ガイド部側突出部22aは、ガイド部22の弾性変形する部位、つまり、壁面21から離間している部位のさらに一端側に位置して形成されている。なお、ガイド部側突出部22aの突出端であるレール部12に対向する部位は、所定の領域を有する平面状に形成されているが、凸状などのいかなる形状であってもよい。
【0018】
なお、スイッチ用ケース20は、スイッチ用ケース20自体の外周に位置する外壁23(第2のガイド部)を有している。そして、外壁23は、スイッチ本体10の押圧方向つまりレール部12の延在方向に沿った平面からなる内面を有しており、図1及び図2に示すように、当該内面がレール部12に隣接している。つまり、外壁23の内面は、レール部12に対するガイド部22側とは反対側に位置していることとなり、外壁23の内面とガイド部22とは、レール部12を挟むよう配置されている。このため、外壁23の内面も、ガイド部22と同様に、レール部12の押圧方向に沿った移動をガイドする第2のガイド部として機能する。なお、本発明においては、第2のガイド部とは異なる部位であって、上述したガイド部と略同等のガイド機能を有する部位を第2のガイド部とする。
【0019】
なお、スイッチ用ケース20は、移動機構として、操作部11が押圧操作されることでスイッチ用ケース20側に移動されたスイッチ本体10を、元の位置に押し戻すための構成を有する。但し、本実施形態では、かかる構成の詳細な説明は省略する。
【0020】
[動作]
次に、上述した構成のスイッチ装置の操作時における動作を、主に図3乃至図4を参照して説明する。まず、図1の状態にあるスイッチ装置に対して、操作者が操作部11を押圧操作すると、図3に示すように、スイッチ本体10自体が押圧方向つまりスイッチ用ケース20側に移動する。このとき、スイッチ本体10のレール部12は、外壁23の内面とガイド部22とにより挟まれて配置されているため、外壁23の内面とガイド部22とにより押圧方向(図3の矢印Y1方向)への移動がガイドされる。
【0021】
一方で、レール部12の押圧方向への移動により、当該レール部12の先端が、外壁23の内面やガイド部22の一端付近に当接することがある。特に、温度変化によってレール部12やガイド部22などの部材が収縮あるいは膨張したり、変形した場合には、さらにレール部12の先端と外壁23の内面やガイド部22の一端付近との当接が生じやすくなる。
【0022】
しかしながら、本実施形態におけるスイッチ装置では、ガイド部22の一端付近が自由端であり、弾性変形するよう構成されているため、レール部12の当接による摩擦の発生を抑制することができる。例えば、図3の丸印箇所の拡大図である図4に示すように、レール部12の先端がガイド部22の一端付近に当接したとしても、矢印Y2に示すように、ガイド部22の一端付近がレール部12側とは反対方向に移動するよう弾性変形するため、レール部12とガイド部22との相互間の接触による圧力を軽減し、摩擦の発生を抑制することができる。また、従来であれば、押圧方向に沿って延在しているだけのガイド部およびレール部が、その延在方向の広い範囲にわたって摺動していた。これに対して、ガイド部22の一端付近にはガイド部側突出部22aが形成されているため、レール部12との当接面積も減少させることができ、さらに摩擦の発生を抑制できる。その結果、レール部12の押圧方向への移動によるガイド部22との摺動動作が円滑に行われ、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0023】
[変形例]
なお、上記では、レール部12を外壁23の内面とガイド部22とで挟んで、当該レール部12の移動をガイドする構成を例示したが、レール部12を2つのガイド部22で挟んでガイドしてもよい。例えば、図5に示すように、レール部12に対する上述したガイド部22側とは反対側に、当該レール部12の長さ方向に沿って形成された他のガイド部22’を設けることで、2つのガイド部22,22’でレール部12を挟むよう配置してもよい。このとき、他のガイド部22’の一端付近は、上述同様に、壁面21から離間して自由端を形成しており、レール部12の延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されている。また、他のガイド部22’の一端付近には、弾性変形する部位のさらに一端側に、レール部12に対向する方向に突出するガイド部側突出部22a’が形成されている。なお、本発明においては、レール部を中心として線対称にガイド部を設けた場合は、一方をガイド部、他方を他のガイド部とする。
【0024】
このように、レール部12を2つのガイド部22,22’で挟んで配置することで、ガイド部22,22’に対するレール部12の当接による摩擦の発生をより有効に抑制することができる。その結果、レール部12の押圧方向への移動によるガイド部22,22’との摺動動作がより円滑に行われることとなり、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることをさらに抑制することができる。
【0025】
なお、上記では、ガイド部22の一端付近が壁面21から離間して自由端を形成している場合を例示しているが、ガイド部22の一端付近は必ずしも自由端に形成されていることに限定されない。ガイド部22の一端付近は自由端に形成されていない場合であっても、少なくとも一端付近が弾性部材にて形成されていて、ガイド部22の延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されていればよい。
【0026】
また、上述したガイド部側突出部22aは、必ずしもガイド部22の一端付近に形成されていることに限定されず、ガイド部22の弾性変形可能な部位のいかなる箇所に形成されていてもよい。
【0027】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図6を参照して説明する。図6は、スイッチ装置の一部の構成を拡大した拡大図である。
【0028】
本実施形態におけるスイッチ装置は、実施形態1と同様に、押圧操作される操作部を有するスイッチ本体と、当該スイッチ本体を支持するスイッチ用ケースと、を備える。また、実施形態1と同様に、スイッチ本体は、操作部の裏面側から延びるレール部112を備え、スイッチ用ケースは、レール部112の押圧方向に沿った移動をガイドするガイド部122を備える。但し、本実施形態では、レール部112とガイド部122との構成が実施形態1とは異なる。以下、主に、実施形態1とは異なる構成について説明する。
【0029】
まず、本実施形態におけるガイド部122は、実施形態1で説明したガイド部22とほぼ同様に、スイッチ用ケースに形成された壁面21に連結している。但し、本実施形態におけるガイド部122は、一端付近も壁面21に連結されており、自由端にて形成されておらず、弾性変形するよう形成されていない。
【0030】
そして、本実施形態におけるスイッチ本体は、当該スイッチ本体の押圧方向に沿った平面を有し、レール部112に沿って形成された壁面113を有している。具体的に、スイッチ本体の壁面113は、図6の左図では、レール部112及びガイド部122の上方を覆うよう、つまり、図6の紙面に対向するよう配置されるため、2点鎖線で示している。そして、レール部112は、スイッチ本体に形成された壁面113に連結しており、当該壁面113から垂直方向に突出するよう形成されている。このとき、レール部112は、図6のB-B線断面図に示すように、スイッチ本体の操作部側の一部が壁面113に連結している。一方、レール部112のスイッチ本体の操作部側とは反対側の先端付近の部位は、図6のB-B線断面図の符号113aに示すように、壁面113から離間して形成されている。このため、レール部112の先端付近の部位は、自由端にて形成されている。なお、図6のB-B線断面図では、ガイド部122の位置を2点鎖線にて示している。
【0031】
ここで、レール部112は、プラスチックなどの所定の強度を有しつつ弾性変形可能な弾性部材で形成されている。そして、上述したように、レール部112の先端付近の部位は壁面113から離間して自由端にて形成されているため、かかる先端付近の部位がレール部112の延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されていることとなる。つまり、レール部112の先端付近の部位は、図6の円弧状矢印に示すように、壁面113にて形成される平面と平行な面に沿って揺動可能となる。
【0032】
また、レール部112は、図6に示すように、先端付近に、ガイド部122に対向する方向に突出するレール部側突出部112aを有する。このとき、レール部側突出部112aは、レール部112の弾性変形する部位、つまり、壁面113から離間している部位のさらに先端側に位置して形成されている。なお、レール部側突出部112aの突出端であるガイド部122に対向する部位は、所定の領域を有する平面状に形成されているが、凸状などのいかなる形状であってもよい。
【0033】
そして、上述したレール部112は、スイッチ用ケース20自体の外周に位置する外壁23(第2のガイド部)の内面に隣接している。つまり、外壁23の内面は、レール部112に対するガイド部122側とは反対側に位置していることとなり、外壁23の内面とガイド部122とは、レール部112を挟むよう配置されている。このため、外壁23の内面も、ガイド部122と同様に、レール部112の押圧方向に沿った移動をガイドするよう機能する。
【0034】
以上のように、本実施形態におけるスイッチ装置では、レール部112の先端付近が自由端であり、弾性変形するよう構成されているため、押圧操作されたときの押圧方向への移動の際に、ガイド部122に当接することによる摩擦の発生を抑制することができる。特に、レール部112の先端付近にはレール部側突出部112aが形成されているため、ガイド部122との当接面積も減少させることができ、摩擦の発生を抑制できる。その結果、レール部112の押圧方向への移動によるガイド部122との摺動動作が円滑に行われることとなり、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0035】
[変形例]
上記では、レール部112の先端付近が壁面113から離間して自由端を形成している場合を例示しているが、レール部112の先端付近は必ずしも自由端に形成されていることに限定されない。レール部112の先端付近は自由端に形成されていない場合であっても、少なくともレール部112の先端付近が弾性部材にて形成されていて、レール部112の延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されていればよい。
【0036】
また、上述したレール部側突出部112aは、必ずしもレール部112の先端付近に形成されていることに限定されず、レール部112の延在方向のいかなる箇所に形成されていてもよい。また、レール部側突出部112aは、レール部112に形成されていなくてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、ガイド部122の一端付近は弾性変形するよう構成されていないが、実施形態1で説明したように、一端付近が弾性変形するよう構成されたガイド部22を、図6で示したガイド部122に代えて配置してもよい。さらに、外壁23の位置に、実施形態1で説明したガイド部22を配置し、実施形態1で説明した2つのガイド部22の間に、本実施形態で説明したレール部112を配置してもよい。
【0038】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるスイッチ装置の構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0039】
(付記1)
表面が押圧操作される操作部と、当該操作部の裏面側から当該操作部が押圧される方向に延びる所定長さのレール部と、を有するスイッチ本体と、
前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする所定長さのガイド部を有し、前記スイッチ本体を支持するスイッチ用ケースと、を備え、
前記ガイド部の一端が、前記レール部の先端付近に位置するよう構成され、
前記レール部の先端付近の部位と、前記ガイド部の一端付近の部位と、の少なくとも一方が、延在方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されている、
スイッチ装置。
【0040】
上記構成のスイッチ装置によると、相互に隣接するガイド部の一端付近の部位とレール部の先端付近の部位のうち、少なくとも一方が押圧方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されている。このため、スイッチ本体が押圧操作されてレール部が押圧方向に移動する際に、レール部とガイド部とが当接した場合であっても、少なくとも一方が弾性変形することで相互間の接触の圧力を抑制でき、摩擦の発生を抑制することができる。その結果、レール部の押圧方向への移動によるガイド部との摺動動作が円滑となり、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0041】
(付記2)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記レール部の先端付近の部位と前記ガイド部の一端付近の部位との少なくとも一方が、自由端にて形成されている、
スイッチ装置。
【0042】
上記構成のスイッチ装置によると、レール部の先端付近の部位とガイド部の一端付近の部位との少なくとも一方が自由端であることにより、より効果的に押圧方向に対して垂直方向に弾性変形するよう構成されることとなる。このため、レール部とガイド部とが当接した場合であっても、より有効に摩擦の発生を抑制することができ、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0043】
(付記3)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記ガイド部に沿って形成された壁面を有しており、
前記ガイド部は、一部が前記スイッチ用ケースに形成された壁面に連結しており、一端付近の部位が前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成されている、
スイッチ装置。
【0044】
(付記4)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ本体は、前記レール部に沿って形成された壁面を有しており、
前記レール部は、一部が前記スイッチ本体に形成された壁面に連結しており、先端付近の部位が前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成されている、
スイッチ装置。
【0045】
上記構成のスイッチ装置によると、まず、レール部あるいはガイド部が壁面に連結して構成されているため、強度の向上をはかることができる。そのうえで、レール部の先端付近の部位、あるいは、ガイド部の一端付近の部位が、壁面から離間しているため、かかる部位がより効果的に弾性変形するよう構成されることとなる。このため、レール部とガイド部とが当接した場合であっても、より有効に摩擦の発生を抑制することができ、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0046】
(付記5)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記ガイド部は、一端付近に前記レール部に対向する方向に突出するガイド部側突出部を有する、
又は、
前記レール部は、先端付近に前記ガイド部に対向する方向に突出するレール部側突出部を有する、
スイッチ装置。
【0047】
(付記6)
付記5に記載のスイッチ装置であって、
前記ガイド部の前記ガイド部側突出部は、当該ガイド部の弾性変形する部位における一端側に位置して形成されている、
又は、
前記レール部の前記レール部側突出部は、当該レール部の弾性変形する部位における先端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【0048】
(付記7)
付記6に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記ガイド部に沿って形成された壁面を有しており、
前記ガイド部は、一部が前記スイッチ用ケースに形成された壁面に連結しており、一端付近の部位が前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成され、
前記ガイド部側突出部は、前記スイッチ用ケースに形成された壁面から離間して形成されている前記ガイド部の一端付近の部位における一端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【0049】
(付記8)
付記6に記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ本体は、前記レール部に沿って形成された壁面を有しており、
前記レール部は、一部が前記スイッチ本体に形成された壁面に連結しており、先端付近の部位が前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成され、
前記レール部側突出部は、前記スイッチ本体に形成された壁面から離間して形成されている前記レール部の先端付近の部位における先端側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【0050】
上記構成のスイッチ装置によると、レール部の先端付近にガイド部に対向する突出部、あるいは、ガイド部の一端付近にレール部に対向する突出部、を備えている。このため、レール部とガイド部とが当接した場合であっても、接触面積を減少させることができ、より有効に摩擦の発生を抑制することができ、スイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0051】
(付記9)
付記1乃至8のいずれかに記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記レール部の延在方向に沿って形成され、当該レール部の押圧方向に沿った移動をガイドする第2のガイド部を備え、
前記第2のガイド部は、前記レール部に対する前記ガイド部側とは反対側に位置して形成されている、
スイッチ装置。
【0052】
(付記10)
付記1乃至8のいずれかに記載のスイッチ装置であって、
前記スイッチ用ケースは、前記レール部に対する前記ガイド部側とは反対側に、前記レール部の延在方向に沿って形成された他の前記ガイド部をさらに備えた、
スイッチ装置。
【0053】
上記構成のスイッチ装置によると、レール部が2つのガイド部に挟まれてガイドされるため、より確実に押圧方向への移動をガイドすることができ、また、上述同様にスイッチ装置を押圧操作することができない場合が生じることを抑制することができる。
【0054】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 スイッチ本体
11 操作部
12 レール部
20 スイッチ用ケース
21 壁面(スイッチ用ケース側)
22,22’ ガイド部
22a,22a’ ガイド部側突出部
23 外壁
112 レール部
112a レール部側突出部
113 壁面(スイッチ本体側)
122 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6