(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】異物検出装置
(51)【国際特許分類】
G01V 3/10 20060101AFI20230905BHJP
G01V 3/11 20060101ALI20230905BHJP
G01N 27/83 20060101ALI20230905BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
G01V3/10 G
G01V3/11 C
G01N27/83
B65H7/02
(21)【出願番号】P 2019238147
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】橋上 護
(72)【発明者】
【氏名】久保 天外
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191127(JP,A)
【文献】特開2011-247709(JP,A)
【文献】特開2014-092365(JP,A)
【文献】特開2005-351804(JP,A)
【文献】特開2018-063229(JP,A)
【文献】特開2005-337996(JP,A)
【文献】特開2009-166952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G01N27/72-27/9093
B65H 7/00- 7/20
43/00-43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されている対象物に含まれる金属異物を磁化させる1または複数の磁石と、
前記磁石に対して搬送方向の下流側に配置されており、前記金属異物の磁気を検出す
る複数のMIセンサと、を備え
、
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数のMIセンサは、前記幅方向に配列された状態で、前記対象物に対して前記厚さ方向に対向する位置に設けられ、
前記複数のMIセンサは、前記幅方向において互いに離間して配列され、
前記複数のMIセンサのうち前記幅方向における前記対象物の両端部において前記厚さ方向に対向する複数のMIセンサを複数の端部MIセンサとし、前記幅方向における前記対象物の中央部において前記厚さ方向に対向する複数のMIセンサを中央MIセンサとすると、
前記幅方向に隣り合う端部MIセンサの間の距離は、前記中央MIセンサと前記幅方向において前記中央MIセンサに最も近い前記端部MIセンサとの間の距離よりも小さい
異物検出装置。
【請求項2】
前記複数のMIセンサは、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
請求項
1に記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記幅方向に隣り合うMIセンサは、前記搬送方向において互いにずれて配置されている
請求項
1または2に記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記幅方向において配列された複数のMIセンサの列が、前記搬送方向において互いに異なる位置に複数設けられており、
前記搬送方向から視て、前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、少なくとも一部が重なっている
請求項
1または2に記載の異物検出装置。
【請求項5】
前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、前記搬送方向に隣接して配置されている
請求項
4に記載の異物検出装置。
【請求項6】
前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、前記搬送方向に離間して配置されている
請求項
4に記載の異物検出装置。
【請求項7】
前記複数のMIセンサは、前記厚さ方向において前記対象物の一方側に配置されるMIセンサ群である第1MIセンサ群と、前記厚さ方向において前記対象物の他方側に配置されるMIセンサ群である第2MIセンサ群と、を有している
請求項
1に記載の異物検出装置。
【請求項8】
前記第1MIセンサ群および前記第2MIセンサ群はそれぞれ、複数のMIセンサが前記幅方向において互いに離間して配列するように構成されており、
前記厚さ方向から視て、前記第1MIセンサ群の複数のMIセンサと、前記第2MIセンサ群の複数のMIセンサとは重なっていない
請求項
7に記載の異物検出装置。
【請求項9】
前記厚さ方向から視て、前記第1MIセンサ群を構成する複数のMIセンサと、前記第2MIセンサ群を構成する複数のMIセンサとは、前記搬送方向および前記幅方向の少なくとも一方において隣り合うように配置されている
請求項
8に記載の異物検出装置。
【請求項10】
前記対象物は、シート状に形成されており
、
前記磁石は、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項11】
前記対象物は、シート状に形成されており
、
前記複数の磁石は、前記幅方向において互いに隣接している
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項12】
前記対象物は、シート状に形成されており
、
前記複数の磁石は、前記幅方向において互いに離間している
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項13】
前記複数の磁石は、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
請求項
11または
12に記載の異物検出装置。
【請求項14】
前記複数の磁石のうち前記幅方向における前記対象物の両端部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を複数の端部磁石とし、前記幅方向における前記対象物の中央部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を中央磁石とすると、
前記幅方向に隣り合う端部磁石の間の距離は、前記中央磁石と前記幅方向において前記中央磁石に最も近い前記端部磁石との間の距離よりも小さい
請求項
12に記載の異物検出装置。
【請求項15】
前記対象物は、シート状に形成されており
、
前記複数の磁石は、少なくとも前記幅方向における前記対象物の両端部に対して前記厚さ方向に対向するように前記幅方向において配列されている
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項16】
前記複数の磁石は、前記搬送方向において異なる位置に配置されている
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項17】
前記対象物は、シート状に形成されており
、
前記複数の磁石は、前記幅方向において配列された複数の磁石の列を複数有しており、
前記複数の磁石の列は、前記搬送方向において異なる位置に設けられている
請求項1~
9のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項18】
前記複数の磁石において前記搬送方向に隣り合う磁石同士は、前記搬送方向に隣接して配置されている
請求項
17に記載の異物検出装置。
【請求項19】
前記複数の磁石において前記搬送方向に隣り合う磁石同士は、前記搬送方向に離間して配置されている
請求項
17に記載の異物検出装置。
【請求項20】
前記異物検出装置は、印刷装置に設けられるものであって、
前記印刷装置は、前記対象物として用紙が載置されるトレイと、前記トレイに載置された用紙を搬送する搬送部と、を備えており、
前記搬送部は、前記搬送方向に沿って配置された複数の搬送ローラを有しており、
前記磁石および前記MIセンサは、前記複数の搬送ローラのうち第1搬送ローラと、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置された第2搬送ローラとの間に配置されている
請求項1~
19のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項21】
搬送されている対象物に含まれる金属異物を磁化させる1または複数の磁石と、
前記磁石に対して搬送方向の下流側に配置されており、前記金属異物の磁気を検出する複数のMIセンサと、を備え、
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数のMIセンサは、前記幅方向に配列された状態で、前記対象物に対して前記厚さ方向に対向する位置に設けられ、
前記複数のMIセンサは、前記厚さ方向において前記対象物の一方側に配置されるMIセンサ群である第1MIセンサ群と、前記厚さ方向において前記対象物の他方側に配置されるMIセンサ群である第2MIセンサ群と、を有し、
前記第1MIセンサ群および前記第2MIセンサ群はそれぞれ、複数のMIセンサが前記幅方向において互いに離間して配列するように構成されており、
前記厚さ方向から視て、前記第1MIセンサ群の複数のMIセンサと、前記第2MIセンサ群の複数のMIセンサとは重なっていない
異物検出装置。
【請求項22】
搬送されている対象物に含まれる金属異物を磁化させる複数の磁石と、
前記磁石に対して搬送方向の下流側に配置されており、前記金属異物の磁気を検出する1または複数のMIセンサと、を備え、
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数の磁石は、前記幅方向において互いに離間し、
前記複数の磁石のうち前記幅方向における前記対象物の両端部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を複数の端部磁石とし、前記幅方向における前記対象物の中央部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を中央磁石とすると、
前記幅方向に隣り合う端部磁石の間の距離は、前記中央磁石と前記幅方向において前記中央磁石に最も近い前記端部磁石との間の距離よりも小さい
異物検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記異物検出装置の一例として、磁気センサによってクリップ等の金属異物を検出する構成が知られている。たとえば特許文献1の通帳印字装置では、金属異物を含む用紙を搬送することによって生じる不具合を回避するため、通帳に印字を行う印字ヘッドよりも搬送方向の上流側に磁気センサを設けることによって、金属異物を検出した場合に通帳に印字を行う前に通帳を排出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クリップ等の金属異物の磁力は小さいため、磁気センサが金属異物を精度よく検出できないおそれがある。
本開示の目的は、金属異物を精度よく検出できる異物検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する異物検出装置は、搬送されている対象物に含まれる金属異物を磁化させる1または複数の磁石と、前記磁石に対して搬送方向の下流側に配置されており、前記金属異物の磁気を検出する1または複数のMIセンサと、を備える。
【0006】
この構成によれば、磁石が対象物に含まれる金属異物に磁気を与えることによって、対象物に金属異物が含まれる場合にはその金属異物の磁力が大きくなる。したがって、磁化された金属異物をMIセンサによって精度よく検出できる。
【発明の効果】
【0007】
上記異物検出装置によれば、金属異物を精度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の異物検出装置を備える印刷装置の概略構成図。
【
図3】異物検出装置の検出動作を説明するための図であり、用紙が磁石を通過する状態における異物検出装置の平面図。
【
図4】異物検出装置の検出動作を説明するための図であり、用紙がMIセンサを通過する状態における異物検出装置の平面図。
【
図5】異物検出装置の金属異物を検出する動作の処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図6】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図9】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図10】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図11】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図12】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図13】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図14】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図15】変更例の異物検出装置について、複数のMIセンサの平面図。
【
図16】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の平面図。
【
図17】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の平面図。
【
図18】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の側面図。
【
図19】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の平面図。
【
図20】変更例の異物検出装置について、複数の磁石と用紙との関係を示す概略構成図。
【
図21】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の平面図。
【
図22】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の平面図。
【
図23】変更例の異物検出装置について、複数の磁石の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、異物検出装置について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0010】
[実施形態]
図1~
図4を参照して、本実施形態の異物検出装置について説明する。
図1に示すように、異物検出装置50は、シート状に形成された対象物である用紙Pに含まれる金属異物を検出するものであり、本実施形態では用紙Pを印刷する印刷装置1に設けられている。用紙Pの金属異物としては、ホチキス(登録商標)針(ステープラー)やクリップ等の磁化可能な金属部品が挙げられる。
【0011】
印刷装置1は、1枚または複数枚の用紙Pが載置されるトレイ10と、トレイ10から1枚ずつ搬送される用紙Pを支持する支持台20と、支持台20に支持された用紙Pに印刷を行う印刷部30と、トレイ10から用紙Pを1枚ずつ支持台20上に搬送する搬送部40と、を備えている。複数枚の用紙Pが載置されるとは、用紙Pが積層されているといえる。印刷部30は、たとえば支持台20上を通過する1枚の用紙Pにインクを吐出することによって用紙Pに印刷を行う。
図1に示すとおり、搬送部40は、複数の搬送ローラ41を備えている。これら搬送ローラ41によって、トレイ10のいずれかの最上位の用紙Pを支持台20に向けて搬送し、支持台20上を通過した用紙Pを排紙する。なお、本実施形態では、上述のとおり、印刷装置1はインクジェット式プリンタであったが、これに限られない。たとえば熱転写プリンタ、レーザプリンタ等の他の印刷方式のプリンタであってもよい。
【0012】
以降の説明において、便宜上、複数の搬送ローラ41のうち用紙Pの搬送方向(以下、単に「搬送方向Y」という)における所定の搬送ローラ41を第1搬送ローラ41Aとし、搬送方向Yにおける第1搬送ローラ41Aよりも下流側にある搬送ローラ41を第2搬送ローラ41Bとする。搬送方向Yの下流側とは、搬送方向においてトレイ10から遠い側をいう。第1搬送ローラ41Aと第2搬送ローラ41Bとは、搬送方向Yに離間している。
【0013】
図示された例においては、第1搬送ローラ41Aは、複数の搬送ローラ41のうち搬送方向Yにおいて最も上流側、すなわち複数の搬送ローラ41のうち搬送方向Yにおいて最もトレイ10に近い側に設けられている。第2搬送ローラ41Bは、複数の搬送ローラ41のうち搬送方向Yにおいて第1搬送ローラ41Aと隣り合う位置に設けられている。すなわち第2搬送ローラ41Bは、複数の搬送ローラ41のうち搬送方向Yにおいて2番目に上流側に設けられている。
【0014】
トレイ10は、たとえば上方が開口した略箱状に形成されており、印刷装置1から水平方向に引き出すことによって開閉可能に構成されている。トレイ10は、たとえば非磁性体からなり、本実施形態では樹脂材料からなる。トレイ10は、複数枚の用紙Pを積層した状態で収容可能なように構成されている。トレイ10は、用紙Pを支持する底壁11と、底壁11の外周部から立ち上がる側壁12とを備えている。側壁12は、用紙Pを取り囲むように設けられており、搬送部40によらない用紙Pの移動を規制している。底壁11には、複数枚の用紙Pが積層されている。また、底壁11には、1枚の用紙Pが載置される場合もあり得る。
【0015】
用紙Pの積層方向から視た底壁11の形状は、矩形状である。側壁12は、底壁11の四辺のそれぞれに設けられている。側壁12は、用紙Pと近接するように設けられている。これにより、側壁12は、用紙Pの積層方向と直交する方向における用紙Pの移動を規制している。
【0016】
図1に示すように、異物検出装置50は、搬送方向Yにおいて第1搬送ローラ41Aと第2搬送ローラ41Bとの間に配置されている。
図2に示すように、異物検出装置50はそれぞれ、磁界を生成している磁石51と、磁気に応じた出力信号を出力する複数のMI(Magneto Impedance)センサ52と、を備えている。換言すれば、磁石51および複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて第1搬送ローラ41Aと第2搬送ローラ41Bとの間に配置されている。
【0017】
本実施形態では、磁石51は、搬送方向Yにおいて第1搬送ローラ41Aよりも下流側かつ第1搬送ローラ41Aの直近に配置されている。磁石51は、永久磁石であり、たとえばネオジウム磁石が用いられる。なお、磁石51として、フェライト磁石等の他の磁石が用いられてもよい。また、磁石51は、永久磁石に限られず、電磁石であってもよい。
【0018】
磁石51は、用紙Pの厚さ方向(以下、単に「厚さ方向Z」という)から視て、厚さ方向Zと搬送方向Yと直交する用紙Pの幅方向(以下、単に「幅方向X」という)の一端部から他端部までにわたって設けられている。本実施形態では、
図2に示すとおり、磁石51は、幅方向Xに延びている。幅方向Xにおける磁石51の長さは、用紙Pの幅方向Xの長さよりも長い。これにより、磁石51は、用紙Pの幅方向Xの全体にわたり磁界が生成されるように構成されている。
【0019】
複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて磁石51よりも下流側に配置されている。複数のMIセンサ52はそれぞれ、制御部(図示略)と電気的に接続されており、出力信号を制御部に出力する。
【0020】
制御部は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、たとえばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。制御部は、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、たとえば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部は、複数のMIセンサ52の出力信号に基づいて用紙Pの金属異物の有無を判定する。たとえば制御部は、MIセンサ52の出力値(出力信号の大きさ)が閾値以上となるMIセンサ52が存在する場合、搬送された用紙Pに金属異物が含まれていると判定する。このように、異物検出装置50は、制御部を備えるともいえる。
【0021】
本実施形態では、複数のMIセンサ52はそれぞれ、たとえば3方向の磁気を感知するための3つのMIセンサと、3つのMIセンサの制御用ICとをパッケージに集積化したMIセンサが用いられる。このMIセンサは、I2C(Inter-Integrated Circuit)によって制御部と通信可能に接続されている。
図2に示すように、厚さ方向Zから視た各MIセンサ52の形状は、矩形状(本実施形態では正方形)である。
【0022】
複数のMIセンサ52はそれぞれ、平板状の基板(図示略)に実装されている。本実施形態では、複数のMIセンサ52は表面実装型のパッケージであり、基板に表面実装されている。複数のMIセンサ52はそれぞれ、基板に形成された配線パターンを介して制御部に電気的に接続されている。なお、制御部は、基板に実装されていてもよいし、異物検出装置50の外部に設けられた配線基板(図示略)に実装されていてもよい。
【0023】
図2に示すように、複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて揃った状態で幅方向Xにおいて配列されている。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて互いに隣接して配列されている。換言すると、複数のMIセンサ52は、幅方向Xに隙間なく一列に並べられている。複数のMIセンサ52のうち幅方向Xの両端部のMIセンサ52の一部は、用紙Pよりも幅方向Xの外側に位置している。このように、複数のMIセンサ52は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。これにより、複数のMIセンサ52は、用紙Pの幅方向Xの全体にわたり厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。
【0024】
異物検出装置50による用紙Pに含まれる金属異物の検出動作について説明する。この検出動作は、たとえばトレイ10から用紙Pが搬送されるときに実行される。
図3に示すように、搬送される1枚の用紙Pが磁石51を通過する場合に用紙Pが磁石51の磁界を横切ることによって、用紙Pに金属異物FMが含まれている場合、その金属異物FMが磁化される。すなわち磁石51によって金属異物FMに磁気が付与される。
【0025】
そして
図4に示すように、1枚の用紙Pが複数のMIセンサ52を通過する場合、MIセンサ52は、金属異物FMの磁気を検出する。すなわち複数のMIセンサ52は、金属異物FMの磁気に応じた出力信号を異物検出装置50の制御部に出力する。制御部は、MIセンサ52の出力信号に基づいて1枚の用紙Pの金属異物FMの有無を判定する。具体的には、
図5に示すように、制御部は、ステップS1において各MIセンサ52の出力値を取得し、ステップS2において複数のMIセンサ52のうち出力値が閾値以上のMIセンサ52が存在するか否かを判定する。制御部は、出力値が閾値以上のMIセンサ52が存在する場合(ステップS2:YES)、ステップS3において金属異物FMが有ると判定し、処理を終了する。また制御部は、出力値が閾値以上のMIセンサ52が存在しない場合(ステップS2:NO)、ステップS4において金属異物FMが無いと判定し、処理を終了する。
【0026】
本実施形態の作用について説明する。
たとえば金属異物FMの磁力が小さい場合、MIセンサ52が金属異物FMを検出したとしてもその出力値が小さい。このため、MIセンサ52による金属異物FMの磁気に応じた出力信号であっても、MIセンサ52の検出誤差等によって金属異物FMが存在しないと制御部が判定してしまうおそれがある。
【0027】
この点に鑑みて、本実施形態では、異物検出装置50は、磁石51が生成する磁界によって、用紙Pにホチキス針やクリップ等の金属異物FMが存在する場合、1枚の用紙Pが磁石51の磁界を通過するときに金属異物FMに磁気を与える。これにより、金属異物FMの磁力が大きくなる。そして複数のMIセンサ52が磁力の大きい金属異物FMに応じた出力信号を制御部に出力する。すなわち、金属異物FMを検出したMIセンサ52の出力値が大きくなる。このため、MIセンサ52の検出誤差等によって金属異物FMを検出できないおそれを低減できる。
【0028】
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)異物検出装置50は、搬送されている1枚の用紙Pに含まれる金属異物FMを磁化させる磁石51と、磁石51に対して搬送方向の下流側に配置されており、金属異物FMの磁気を検出する複数のMIセンサ52と、を備える。この構成によれば、金属異物FMが磁化されているため、金属異物FMを検出したMIセンサ52の出力信号が大きくなり、用紙Pに含まれる金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0029】
また、金属異物FMの磁気を検出する磁気センサとして、MIセンサが用いられている。MIセンサは、ホール素子およびMR(Magneto Resistance)センサ等の他の磁気センサよりも磁気の感度が高い。このため、磁気センサとしてホール素子またはMRセンサを用いる構成と比較して、用紙Pに含まれる金属異物FMを精度よく検出することができる。
【0030】
(2)複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて互いに隣接して配列されている。この構成によれば、幅方向XにおいてMIセンサ52が用紙Pに含まれる金属異物FMを検出できない範囲がなくなるため、幅方向Xにおいて隣り合うMIセンサ52の間において金属異物FMの検出漏れの発生を抑制できる。したがって、複数のMIセンサ52によって用紙Pに含まれる金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0031】
(3)複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて配列されている。この構成によれば、搬送方向Yにおける異物検出装置50の小型化を図ることができる。
【0032】
(4)複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。この構成によれば、用紙Pの幅方向Xの全体にわたり、用紙Pに含まれる金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0033】
(5)磁石51は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。この構成によれば、用紙Pの幅方向Xの全体にわたって磁界が生成されるため、用紙Pに含まれる金属異物FMに磁気を付与しやすくなる。
【0034】
(6)磁石51および複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて第1搬送ローラ41Aと第2搬送ローラ41Bとの間に配置されている。この構成によれば、用紙Pが第2搬送ローラ41Bに搬送される前に用紙Pに含まれる金属異物FMを検出できる。したがって、金属異物FMを検出したときに用紙Pの搬送を停止した場合、用紙Pは第1搬送ローラ41Aのみに挟み込まれている。これにより、用紙Pを外部に取り出しやすくなる。
【0035】
特に、磁石51および複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいてトレイ10に近い第1搬送ローラ41Aと第2搬送ローラ41Bとの間に配置されている。この構成によれば、搬送方向Yの上流側において用紙Pに含まれる金属異物FMを検出することができるため、用紙Pに含まれる金属異物FMを検出した場合には用紙Pを外部に取り出しやすくなる。
【0036】
[変更例]
上記実施形態は本開示に関する異物検出装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する異物検出装置は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。また、以下の各変更例は、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。以下の各変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
・上記実施形態において、複数のMIセンサ52の配列態様は任意に変更可能である。たとえば
図6に示すように、幅方向Xに隣り合うMIセンサ52が搬送方向Yにおいて互いにずれるように配置されてもよい。図示された例においては搬送方向YにおいてMIセンサ52の1個分だけずれるように、幅方向Xに隣り合うMIセンサ52が配置されているが、これに限られない。幅方向Xに隣り合うMIセンサ52における搬送方向Yのずれ量は、MIセンサ52の1個分よりも小さくてもよいし、MIセンサ52の1個分よりも大きくてもよい。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。
【0038】
・上記実施形態において、厚さ方向Zにおいて、用紙Pに対して磁石51と複数のMIセンサ52とが同じ側に配置されていたが、これに限られない。
図7に示すように、厚さ方向Zにおいて、用紙Pに対して一方側に磁石51が配置され、用紙Pに対して他方側に複数のMIセンサ52が配置されてもよい。なお、用紙Pに対する磁石51および複数のMIセンサ52の位置関係は、
図7と逆の関係であってもよい。
【0039】
・上記実施形態において、
図8に示すように、厚さ方向Zにおいて、複数のMIセンサ52が用紙Pの両側に配置されてもよい。複数のMIセンサ52は、厚さ方向Zにおいて用紙Pの一方側に配置されたMIセンサ群である第1MIセンサ群と、厚さ方向Zにおいて用紙Pの他方側に配置されたMIセンサ群である第2MIセンサ群と、を有しているともいえる。図示された例においては、第1MIセンサ群を構成する複数のMIセンサ52Aと、第2MIセンサ群を構成する複数のMIセンサ52Bとは、厚さ方向Zから視て重なっている。
【0040】
なお、複数のMIセンサ52A,52Bの配列態様は任意に変更可能である。複数のMIセンサ52Aと複数のMIセンサ52Bとが厚さ方向Zから視て重ならないように各MIセンサ52A,52Bが配置されてもよい。
【0041】
たとえば、
図9に示すように、複数のMIセンサ52Aが幅方向Xにおいて互いに離間して配列され、複数のMIセンサ52Bが幅方向Xにおいて互いに離間して配列されており、厚さ方向Zから視てMIセンサ52A,52Bが幅方向Xにおいて交互に配置されている。この場合、厚さ方向Zから視てMIセンサ52A,52Bは、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。ここで、厚さ方向Zから視てMIセンサ52A,52Bは、幅方向Xに沿って一列に配列されるのではなく、
図10に示すように、厚さ方向Zから視てMIセンサ52A,52Bが搬送方向Yにおいて互いにずれて配置されてもよい。
図9および
図10においては、複数のMIセンサ52A,52Bの両方で、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。
図9および
図10においては、複数のMIセンサ52A、52Bの両方で、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向している。
【0042】
・上記実施形態では、複数のMIセンサ52が幅方向Xにおいて隣接して配列されていたが、これに限られない。たとえば、
図11に示すように、複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されてもよい。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。図示された例においては、複数のMIセンサ52は、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。
【0043】
このような幅方向Xにおいて互いに離間して配列される複数のMIセンサ52の配列態様は任意に変更可能である。たとえば複数のMIセンサ52のうち幅方向Xの両端部において厚さ方向Zに対向する複数のMIセンサ52を複数の端部MIセンサ52Eとし、用紙Pの幅方向Xの中央部において厚さ方向Zに対向するMIセンサ52を中央MIセンサ52Cとする。この場合、
図12に示すように、幅方向Xに隣り合う端部MIセンサ52Eの間の距離D1は、幅方向Xにおいて中央MIセンサ52Cに最も近い端部MIセンサ52Eと中央MIセンサ52Cとの間の距離D2よりも小さい。このように、複数のMIセンサ52は、用紙Pの幅方向Xの中央部と厚さ方向Zに対向する位置よりも用紙Pの幅方向Xの両端部と厚さ方向Zに対向する位置に密集して配置されている。
【0044】
ところで、用紙Pに含まれる金属異物FMは、ホチキス針やクリップであり、主に用紙Pの外周部に取り付けられる。このため、金属異物FMは、用紙Pの幅方向Xおよび搬送方向Yの中央部よりも用紙Pの外周部に存在しやすくなる。
【0045】
この点に鑑みて、
図12に示す変更例の構成によれば、用紙Pのうち金属異物が存在しやすい用紙Pの幅方向Xの両端部における金属異物FMの検出精度を高めることができる。したがって、用紙Pに含まれる金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0046】
・上記実施形態において、
図13に示すように、異物検出装置50は、用紙Pの幅方向Xの両端部のそれぞれと厚さ方向Zに対向するように2個のMIセンサ52を備えていてもよい。換言すると、用紙Pの幅方向Xの中央部と厚さ方向Zに対向する位置には、MIセンサ52が配置されていない。この構成によれば、MIセンサ52の個数を減らすことによって、異物検出装置50のコストを低減できる。また、2個のMIセンサ52によって用紙Pのうち金属異物FMが存在しやすい用紙Pの幅方向Xの両端部における金属異物FMを検出できるため、用紙Pに含まれる金属異物FMを検出しないまま用紙Pが搬送される確率が高くなることを抑制できる。
【0047】
・
図6の変更例のように、複数のMIセンサ52の配置構成として、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて配列される複数のMIセンサ52の列を、搬送方向Yにおいて異なる位置に2列設けられる構成として、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xに配列される複数のMIセンサ52のピッチは任意に変更可能である。たとえば複数のMIセンサ52の配置構成を
図14および
図15のように変更できる。なお、
図14および
図15において、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて配列される複数のMIセンサ52の列のうち搬送方向Yの上流側の列を構成する複数のMIセンサ52を「複数のMIセンサ52U」とし、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で搬送方向Yの下流側の列を構成する複数のMIセンサ52を「複数のMIセンサ52L」とする。
【0048】
図14に示すように、複数のMIセンサ52Uは、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。複数のMIセンサ52Lは、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。複数のMIセンサ52Uおよび複数のMIセンサ52Lは、幅方向Xの一方側から他方側に向けて交互に配置されている。複数のMIセンサ52Uの幅方向Xのピッチおよび複数のMIセンサ52Lの幅方向Xのピッチはそれぞれ、MIセンサ52の幅方向Xの寸法よりも小さい。このため、搬送方向Yから視て、MIセンサ52Uの一部とMIセンサ52Lの一部とが重なっている。なお、図示された例においては、複数のMIセンサ52Uの幅方向Xのピッチおよび複数のMIセンサ52Lの幅方向Xのピッチは互いに等しい。
【0049】
図14に示すように、複数のMIセンサ52Uと複数のMIセンサ52Lとは、搬送方向Yにおいて隣接して配置されている。なお、
図15に示すように、複数のMIセンサ52Uと複数のMIセンサ52Lとは、搬送方向Yにおいて互いに離間して配置されてもよい。
図14および
図15においては、複数のMIセンサ52U,52Lの両方で、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。
図14および
図15においては、複数のMIセンサ52U、52Lの両方で、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向している。
【0050】
また、複数のMIセンサ52Uの幅方向Xのピッチおよび複数のMIセンサ52Lの幅方向Xのピッチは互いに異なってもよい。この場合、複数のMIセンサ52Uの個数と、複数のMIセンサ52Lの個数とが互いに異なってもよい。また、複数のMIセンサ52Uおよび複数のMIセンサ52Lの少なくとも一方は、幅方向Xにおいて隣接して配列されてもよい。換言すると、複数のMIセンサ52Uおよび複数のMIセンサ52Lの少なくとも一方は、幅方向Xにおいて隣り合うMIセンサの幅方向Xの間に隙間が形成されないように配列されてもよい。
【0051】
また、幅方向Xにおいて配列される複数のMIセンサ52の列を、搬送方向Yにおいて異なる位置に3列以上設けてもよい。この場合、搬送方向Yにおいて隣り合うMIセンサは、搬送方向Yにおいて隣接して配置されてもよいし、搬送方向Yにおいて互いに離間して配置されてもよい。
【0052】
・上記実施形態において、厚さ方向Zにおいて、磁石51が用紙Pの両側に配置されてもよい。この構成によれば、用紙Pに金属異物FMが含まれる場合、その金属異物FMの磁力がより大きくなる。したがって、用紙Pに含まれる金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0053】
・上記実施形態では、異物検出装置50は、1個の磁石51を備えていたが、これに限られず、複数の磁石51を備えてもよい。この場合、複数の磁石51は、幅方向Xにおいて配列されている。この複数の磁石51の配列態様は任意に変更可能である。たとえば、
図16に示すように、複数の磁石51は、幅方向Xにおいて互いに隣接して一列に配列されている。図示された例においては、複数の磁石51は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。図示された例においては、複数の磁石51は、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。
【0054】
またたとえば、
図17に示すように、複数の磁石51は、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されてもよい。図示された例においては、複数の磁石51は、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。なお、複数の磁石51は、搬送方向Yにおいて互いにずれた状態で幅方向Xにおいて互いに離間して配列されてもよい。図示された例においては、複数の磁石51は、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。図示された例においては、複数の磁石51は、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向するように配列されている。
【0055】
このような幅方向Xにおいて互いに離間して配列される複数の磁石51の配列態様は任意に変更可能である。たとえば複数の磁石51のうち用紙Pの幅方向Xの両端部において厚さ方向Zに対向する複数の磁石51を複数の端部磁石51Eとし、用紙Pの幅方向Xの中央部において厚さ方向Zに対向する磁石51を中央磁石51Cとする。この場合、
図18に示すように、幅方向Xに隣り合う端部磁石51Eの間の距離D3は、幅方向Xにおいて中央磁石51Cに最も近い端部磁石51Eと中央磁石51Cとの間の距離D4よりも小さい。このように、複数の磁石51は、用紙Pの幅方向Xの中央部と厚さ方向Zに対向する位置よりも用紙Pの幅方向Xの両端部と厚さ方向Zに対向する位置に密集して配置されている。
【0056】
この構成によれば、用紙Pのうち金属異物FMが存在しやすい用紙Pの幅方向Xの両端部における磁束密度を高めることができる。これにより、用紙Pに含まれる金属異物FMに磁気が付与された場合、金属異物FMの磁力が大きくなる。したがって、MIセンサ52が金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0057】
・上記実施形態において、磁石51は、用紙Pの幅方向Xの両端部が、用紙Pの幅方向Xの中央部よりも金属異物FMを磁化しやすくなるように構成されてもよい。たとえば
図19に示すように、用紙Pの幅方向Xの両端部と厚さ方向Zにおいて対向する位置には、補助磁石53が配置されている。図示された例においては、各補助磁石53は、磁石51よりも搬送方向Yの下流側に位置している。また各補助磁石53の幅方向Xの長さは、磁石51の幅方向Xの長さよりも短い。
【0058】
この構成によれば、用紙Pのうち金属異物FMが存在しやすい用紙Pの幅方向Xの両端部において磁気を付与する時間が長くなるため、用紙Pの両端部に金属異物FMが含まれる場合、金属異物FMに磁気を付与する時間が長くなる。これにより、用紙Pに含まれる金属異物FMの磁力が大きくなるため、MIセンサ52が金属異物FMを高精度に検出することができる。
【0059】
・上記実施形態において、厚さ方向Zにおいて磁石51のうち用紙Pとは反対側に磁性カバーを設けてもよい。磁性カバーは、磁石51のうち用紙Pとは厚さ方向Zの反対側への磁束漏洩を抑制するように磁性体からなる。一例では、
図20に示すように、磁性カバー60は、厚さ方向Zにおいて磁石51を用紙Pとは反対側から覆う第1カバー部61と、磁石51を幅方向Xおよび搬送方向Yから覆う第2カバー部62と、を備える。図示された例においては、磁性カバー60は、第1カバー部61と第2カバー部62とが一体に形成された単一部品である。第2カバー部62は、たとえば磁石51の全周にわたり覆っている。
【0060】
この構成によれば、磁石51が生成する磁気が用紙Pに向かいやすくなるため、用紙Pに金属異物FMが存在する場合、その金属異物FMに磁気を与えやすくなる。したがって、複数のMIセンサ52によって用紙Pの金属異物FMを精度よく検出できる。なお、磁性カバー60から第2カバー部62を省略してもよい。
【0061】
・上記実施形態および上記変更例において、厚さ方向Zから視た磁石51の形状は任意に変更可能である。一例では、厚さ方向Zから視た磁石51の形状は正方形であってもよい。また、厚さ方向Zから視た磁石51の形状は、幅方向Xが長辺方向となり、搬送方向Yが短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0062】
・上記実施形態において、複数の磁石51の配列態様は任意に変更可能である。たとえば
図21に示すように、幅方向Xに隣り合う磁石51が搬送方向Yにおいて互いにずれるように配置されてもよい。図示された例においては搬送方向Yにおいて磁石51の1個分の搬送方向Yの長さだけずれるように、幅方向Xに隣り合う磁石51が配置されているが、これに限られない。幅方向Xに隣り合う磁石51における搬送方向Yのずれ量は、磁石51の1個分の搬送方向Yの長さよりも小さくてもよいし、磁石51の1個分の搬送方向Yの長さよりも大きくてもよい。
【0063】
・
図21に示す変更例のように、複数の磁石51の配置構成として、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて配列される複数の磁石51の列を、搬送方向Yにおいて異なる位置に2列設けられる構成として、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xに配列される複数の磁石51のピッチは任意に変更可能である。たとえば複数の磁石51の配置構成を
図22および
図23のように変更できる。なお、
図22および
図23において、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で幅方向Xにおいて配列される複数の磁石51の列のうち搬送方向Yの上流側の列を構成する複数の磁石51を「複数の磁石51U」とし、搬送方向Yにおいて互いに揃った状態で搬送方向Yの下流側の列を構成する複数の磁石51を「複数の磁石51L」とする。
【0064】
図22に示すように、複数の磁石51Uは、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。複数の磁石51Lは、幅方向Xにおいて互いに離間して配列されている。複数の磁石51Uおよび複数の磁石51Lは、幅方向Xの一方側から他方側に向けて交互に配置されている。複数の磁石51Uの幅方向Xのピッチおよび複数の磁石51Lの幅方向Xのピッチはそれぞれ、磁石51の幅方向Xの寸法よりも小さい。このため、搬送方向Yから視て、磁石51Uの一部と磁石51Lの一部とが重なっている。なお、図示された例においては、複数の磁石51Uの幅方向Xのピッチおよび複数の磁石51Lの幅方向Xのピッチは互いに等しい。
【0065】
図22に示すように、複数の磁石51Uと複数の磁石51Lとは、搬送方向Yにおいて隣接して配置されている。なお、
図23において、複数の磁石51Uと複数の磁石51Lとは、搬送方向Yにおいて互いに離間して配置されてもよい。
図22および
図23においては、複数の磁石51U,51Lの両方で、厚さ方向Zから視て、用紙Pの幅方向Xの一端部から他端部までにわたって設けられている。
図22および
図23においては、複数の磁石51U、51Lの両方で、幅方向Xにおいて用紙Pの全体にわたり、用紙Pと厚さ方向Zにおいて対向している。
【0066】
また、複数の磁石51Uの幅方向Xのピッチおよび複数の磁石51Lの幅方向Xのピッチは互いに異なってもよい。この場合、複数の磁石51Uの個数と、複数の磁石51Lの個数とが互いに異なってもよい。また、複数の磁石51Uおよび複数の磁石51Lの少なくとも一方は、幅方向Xにおいて隣接して配列されてもよい。換言すると、複数の磁石51Uおよび複数の磁石51Lの少なくとも一方は、幅方向Xにおいて隣り合う磁石の幅方向Xの間に隙間が形成されないように配列されてもよい。
【0067】
また、幅方向Xにおいて配列される複数の磁石51の列を、搬送方向Yにおいて異なる位置に3列以上設けてもよい。この場合、搬送方向Yにおいて隣り合う磁石は、搬送方向Yにおいて隣接して配置されてもよいし、搬送方向Yにおいて互いに離間して配置されてもよい。
【0068】
・上記実施形態において、
図2に示す磁石51が搬送方向Yにおいて異なる位置に複数配置されてもよい。この場合、搬送方向Yにおいて隣り合う磁石51同士は、搬送方向Yに隣接して配置されてもよいし、搬送方向Yに離間して配置されてもよい。
【0069】
・上記実施形態および変更例において、磁石51は、用紙Pの幅方向Xの一部において、厚さ方向Zに対向するように配置された構成であってもよい。一例では、磁石51の幅方向Xの長さは、用紙Pの幅方向Xの長さよりも短い。
【0070】
・上記変更例において、複数の磁石51は、用紙Pの幅方向Xの一部において、厚さ方向Zに対向するように配置された構成であってもよい。
・上記実施形態および変更例において、複数のMIセンサ52は、用紙Pの幅方向Xの一部において、厚さ方向Zに対向するように配置された構成であってもよい。
【0071】
・上記実施形態において、厚さ方向Zから視た複数のMIセンサ52と用紙Pとの位置関係は任意に変更可能である。一例では、厚さ方向Zから視て、複数のMIセンサ52の一部が用紙Pと重ならない位置に配置されてもよい。
【0072】
・上記変更例において、厚さ方向Zから視た複数の磁石51と用紙Pとの位置関係は任意に変更可能である。一例では、厚さ方向Zから視て、複数の磁石51のうち一部の磁石51が用紙Pと重ならない位置に配置されてもよい。
【0073】
・上記実施形態において、厚さ方向Zから視た用紙Pの形状は任意に変更可能である。一例では、厚さ方向Zから視た用紙Pの形状は、正方形、円形、楕円形等であってもよい。このように、厚さ方向Zから視た対象物の形状は任意である。
【0074】
・上記実施形態では、トレイ10から支持台20および印刷部30までの搬送経路の途中に異物検出装置50が設けられたが、これに限られず、たとえば
図24に示すように、画像読取装置70に異物検出装置50が設けられてもよい。より詳細には、画像読取装置70は、用紙Pを載置するトレイ71と、トレイ71に載置された用紙Pを搬送する搬送部40Sと、搬送された用紙Pの情報を読み取る読取部72と、を備えている。
【0075】
トレイ71は、1枚または複数枚の用紙Pが載置可能に構成されている。複数枚の用紙Pが載置されているとは、用紙Pが積層されているといえる。
搬送部40Sは、トレイ71に載置されている1枚または複数枚の用紙Pを1枚ずつ搬送するものである。搬送部40Sは、第1搬送ローラ41SAと、搬送部40Sの搬送方向YSにおいて第1搬送ローラ41SAよりも下流側に配置された第2搬送ローラ41SBと、を有している。図示された例においては、第1搬送ローラ41SAは、搬送方向YSにおいてトレイ10よりも下流側においてトレイ10と隣り合うように配置されている。第2搬送ローラ41SBは、搬送方向YSにおいて読取部72よりも上流側に配置されている。
【0076】
読取部72は、たとえば光学式反射型イメージセンサを有している。このイメージセンサは、搬送された用紙Pに光を照射する発光ダイオードと、用紙Pからの反射光を受光する受光ダイオードと、を有している。
【0077】
異物検出装置50は、搬送方向YSにおいて第1搬送ローラ41SAと第2搬送ローラ41SBとの間に配置されている。搬送方向YSにおいて異物検出装置50の磁石51は、MIセンサ52よりも上流側に配置されている。この異物検出装置50の構成は、上記実施形態および上記各変更例の構成のいずれかであってもよい。異物検出装置50は、トレイ71に載置された用紙Pが搬送部40Sによって搬送されるとき、その用紙Pに含まれる金属異物FMの有無を判定する。
【0078】
・上記実施形態では、異物検出装置50は印刷装置1に適用されたがこれに限られない。たとえば、異物検出装置50は、シュレッダーに適用してもよい。また、異物検出装置50は、用紙P以外の対象物の金属異物FMを検出してもよい。用紙P以外の対象物としては、シート状の樹脂板や海苔が挙げられる。要するに、異物検出装置50は、搬送可能な対象物に対して金属異物FMを検出するものであればよい。
<付記>
[付記1]
搬送されている対象物に含まれる金属異物を磁化させる1または複数の磁石と、
前記磁石に対して搬送方向の下流側に配置されており、前記金属異物の磁気を検出する1または複数のMIセンサと、を備える
異物検出装置。
[付記2]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数のMIセンサは、前記幅方向に配列された状態で、前記対象物に対して前記厚さ方向に対向する位置に設けられている
付記1に記載の異物検出装置。
[付記3]
前記複数のMIセンサは、前記幅方向において互いに隣接して配列されている
付記2に記載の異物検出装置。
[付記4]
前記複数のMIセンサは、前記幅方向において互いに離間して配列されている
付記2に記載の異物検出装置。
[付記5]
前記複数のMIセンサは、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
付記3または4に記載の異物検出装置。
[付記6]
前記複数のMIセンサのうち前記幅方向における前記対象物の両端部において前記厚さ方向に対向する複数のMIセンサを複数の端部MIセンサとし、前記幅方向における前記対象物の中央部において前記厚さ方向に対向する複数のMIセンサを中央MIセンサとすると、
前記幅方向に隣り合う端部MIセンサの間の距離は、前記中央MIセンサと前記幅方向において前記中央MIセンサに最も近い前記端部MIセンサとの間の距離よりも小さい
付記4に記載の異物検出装置。
[付記7]
前記幅方向に隣り合うMIセンサは、前記搬送方向において互いにずれて配置されている
付記2~5のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記8]
前記幅方向において配列された複数のMIセンサの列が、前記搬送方向において互いに異なる位置に複数設けられており、
前記搬送方向から視て、前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、少なくとも一部が重なっている
付記2~5のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記9]
前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、前記搬送方向に隣接して配置されている
付記8に記載の異物検出装置。
[付記10]
前記搬送方向に隣り合うMIセンサ同士は、前記搬送方向に離間して配置されている
付記8に記載の異物検出装置。
[付記11]
前記複数のMIセンサは、前記厚さ方向において前記対象物の一方側に配置されるMIセンサ群である第1MIセンサ群と、前記厚さ方向において前記対象物の他方側に配置されるMIセンサ群である第2MIセンサ群と、を有している
付記2に記載の異物検出装置。
[付記12]
前記第1MIセンサ群および前記第2MIセンサ群はそれぞれ、複数のMIセンサが前記幅方向において互いに離間して配列するように構成されており、
前記厚さ方向から視て、前記第1MIセンサ群の複数のMIセンサと、前記第2MIセンサ群の複数のMIセンサとは重なっていない
付記11に記載の異物検出装置。
[付記13]
前記厚さ方向から視て、前記第1MIセンサ群を構成する複数のMIセンサと、前記第2MIセンサ群を構成する複数のMIセンサとは、前記搬送方向および前記幅方向の少なくとも一方において隣り合うように配置されている
付記12に記載の異物検出装置。
[付記14]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記磁石は、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記15]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数の磁石は、前記幅方向において互いに隣接している
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記16]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数の磁石は、前記幅方向において互いに離間している
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記17]
前記複数の磁石は、前記厚さ方向から視て、前記幅方向における前記対象物の一端部から他端部までにわたって設けられている
付記15または16に記載の異物検出装置。
[付記18]
前記複数の磁石のうち前記幅方向における前記対象物の両端部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を複数の端部磁石とし、前記幅方向における前記対象物の中央部において前記厚さ方向に対向する複数の磁石を中央磁石とすると、
前記幅方向に隣り合う端部磁石の間の距離は、前記中央磁石と前記幅方向において前記中央磁石に最も近い前記端部磁石との間の距離よりも小さい
付記16に記載の異物検出装置。
[付記19]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数の磁石は、少なくとも前記幅方向における前記対象物の両端部に対して前記厚さ方向に対向するように前記幅方向において配列されている
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記20]
前記複数の磁石は、前記搬送方向において異なる位置に配置されている
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記21]
前記対象物は、シート状に形成されており、
前記搬送方向と前記対象物の厚さ方向との双方に直交する方向を前記対象物の幅方向とすると、
前記複数の磁石は、前記幅方向において配列された複数の磁石の列を複数有しており、
前記複数の磁石の列は、前記搬送方向において異なる位置に設けられている
付記1~13のいずれか1つに記載の異物検出装置。
[付記22]
前記複数の磁石において前記搬送方向に隣り合う磁石同士は、前記搬送方向に隣接して配置されている
付記21に記載の異物検出装置。
[付記23]
前記複数の磁石において前記搬送方向に隣り合う磁石同士は、前記搬送方向に離間して配置されている
付記21に記載の異物検出装置。
[付記24]
前記異物検出装置は、印刷装置に設けられるものであって、
前記印刷装置は、前記対象物として用紙が載置されるトレイと、前記トレイに載置された用紙を搬送する搬送部と、を備えており、
前記搬送部は、前記搬送方向に沿って配置された複数の搬送ローラを有しており、
前記磁石および前記MIセンサは、前記複数の搬送ローラのうち第1搬送ローラと、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置された第2搬送ローラとの間に配置されている
付記1~23のいずれか1つに記載の異物検出装置。
【符号の説明】
【0079】
1 …印刷装置
10…トレイ
40,40S…搬送部
41…搬送ローラ
41A,41SA…第1搬送ローラ
41B,41SB…第2搬送ローラ
50…異物検出装置
51,51L,51U…磁石
51C…中央磁石
51E…端部磁石
52,52L,52U…MIセンサ
52A…第1MIセンサ群のMIセンサ
52B…第2MIセンサ群のMIセンサ
52C…中央MIセンサ
52E…端部MIセンサ
P…用紙(対象物)
FM…金属異物
X…幅方向
Y…搬送方向
Z…厚さ方向