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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/54 20060101AFI20230905BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
E06B9/54
E06B9/58 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020038505
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021139184
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390035976
【氏名又は名称】株式会社メタコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】岡地 康文
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏明
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-79785(JP,A)
【文献】特開2002-97875(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2407628(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52-9/54
E06B 9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開及び収納が自在なスクリーンと、このスクリーンの展開及び収納方向を直交する3軸の内のX軸方向として、少なくとも一方がX軸方向にスライド自在とされてX軸方向に対向して配置される、Z軸方向に長手で中空な、スクリーンのX軸方向一端が固定された第1框及びスクリーンのX軸方向他端が固定された第2框からなる一対の框と、スライド自在な框がX軸方向一方にスライドされる時、スライド自在な框の内部からX軸方向他方に引き出され、且つスライド自在な框がX軸方向他方にスライドされる時、スライド自在な框の内部に収納されると共に、一端に自由端を有し、スライド自在な框の内部から引き出された部分が、一対の框のZ軸方向一端部の間及びZ軸方向他端部の間の夫々でX軸方向に直線状にのびる第1ガイド及び第2ガイドと、スライド自在な框の内部に設けられ、第1ガイド及び第2ガイドの自由端を連結する張力部材とを備えたスクリーン装置であって、
第1ガイドが、複数の第1ガイドユニットの連結によって形成され、各第1ガイドユニットは、第1ガイドがスライド自在な框の内部から引き出される時、Y軸方向に対向して配置される一対の側壁と、両側壁を連結する底壁とを備え、第1ガイドでは、隣接する2つの第1ガイドユニットの内、一方の第1ガイドユニットが他方の第1ガイドユニットに枢支され、この枢支によって、第1ガイドが、X軸方向の直線性を維持する一方、Z軸方向他方に屈曲し、第1ガイドのスライド自在な框の内部から引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に、展開するスクリーンのZ軸方向一端部が挿入されるものにおいて、
スライド自在な框から引き出された第1ガイドのZ軸方向一端部に相当する、各第1ガイドユニットの両側壁の部分におけるX軸方向一端部に、両側壁の対向方向外方に向かう一対のピンが設けられると共に、X軸方向他端部に一対の開孔が開設され、隣接する2つの第1ガイドユニットが、一方の第1ガイドユニットの各開孔に他方の第1ガイドユニットの各ピンを遊嵌させることによって連結され、両ピンが枢軸を形成し、
各第1ガイドユニットの両側壁における対向方向内側の部分にレール部が設けられ、このレール部は、各第1ガイドユニットの枢軸の中心を第1ガイドユニットの連結方向に結ぶ仮想線を含む面内でその仮想線に沿ってのび、レール部よりも底壁からZ軸方向他方に離れた両側壁の端縁部に、両側壁の対向方向内方に突出する支持片が設けられ、
各第1ガイドユニットの枢動方向に屈曲自在で長尺な基部に、多数本の針状部が間隔を存して取り付けられたスクリーン抜止部材が、各第1ガイドユニットの両側壁の対向方向内側に取外し自在に装着され、スクリーン抜止部材の装着状態では、基部が、各第1ガイドユニットの各レール部と各支持片との間で支持されると共に、全ての針状部が、各第1ガイドユニットの両側壁の対向方向内方に突出し、
スライド自在な框のX軸方向一方のスライドに伴ってX軸方向他方に第1ガイドが引き出される時、各スクリーン抜止部材の針状部が、第1ガイドの引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に挿入されるスクリーンのZ軸方向一端部に突き刺さって、スクリーンが、第1ガイドの引き出された部分から抜外れ不能とされる一方、スライド自在な框のX軸方向他方のスライドに伴ってスライド自在な框の内部に第1ガイドが収納される時、各スクリーン抜止部材の針状部がスクリーンのZ軸方向一端部分から抜け外れることを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
前記各第1ガイドユニットの前記両側壁には、前記スライド自在な框の内部から引き出されてX軸方向にのびる前記第1ガイドの引き出された前記部分と同一方向にのび、対向方向内方に凹んだ凹部が設けられ、スライド自在な框のZ軸方向一端部には、所定の曲率で湾曲する湾曲突起が、Y軸方向に対向する一対の内側面に設けられ、各第1ガイドユニットの各凹部内に各湾曲突起が挿入されることによって、第1ガイドのスライド自在な框の内部への収納及び引出しがガイドされることを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン、ブラインド等の遮光及び調光手段や網戸、間仕切り等に適用されるスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスクリーン装置は、一般に、展開及び収納が自在なスクリーンと、このスクリーンの展開及び収納方向を直交する3軸の内のX軸方向として、少なくとも一方がX軸方向にスライド自在とされてX軸方向に対向して配置される、Z軸方向に長手で中空な、スクリーンのX軸方向一端が固定された第1框及びスクリーンのX軸方向他端が固定された第2框からなる一対の框と、スライド自在な框がX軸方向一方にスライドされる時、スライド自在な框の内部からX軸方向他方に引き出され、且つスライド自在な框がX軸方向他方にスライドされる時、スライド自在な框の内部に収納されると共に、一端に自由端を有し、スライド自在な框の内部から引き出された部分が、一対の框のZ軸方向一端部の間及びZ軸方向他端部の間の夫々でX軸方向に直線状にのびる第1ガイド及び第2ガイドと、スライド自在な框の内部に設けられ、第1ガイド及び第2ガイドの自由端を連結する張力部材とを備える。
【0003】
また、上記スクリーン装置の中には、第1ガイドが、複数の第1ガイドユニットの連結によって形成され、各第1ガイドユニットは、第1ガイドがスライド自在な框の内部から引き出される時、Y軸方向に対向して配置される一対の側壁と、両側壁を連結する底壁とを備え、第1ガイドでは、隣接する2つの第1ガイドユニットの内、一方の第1ガイドユニットが他方の第1ガイドユニットに枢支され、この枢支によって、第1ガイドが、X軸方向の直線性を維持する一方、Z軸方向他方に屈曲し、第1ガイドのスライド自在な框の内部から引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に、展開するスクリーンのZ軸方向一端部が挿入されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載のスクリーン装置では、スライド自在な框から引き出された第1ガイドのZ軸方向一端部に相当する、各第1ガイドユニットの両側壁の部分におけるX軸方向一端部に、両側壁の対向方向内方に向かう一対のピンが設けられ、X軸方向他端部に一対の開孔が開設され、2つの第1ガイドユニットが、一方の第1ガイドユニットの各開孔に他方の第1ガイドユニットの各ピンを遊嵌させることによって連結され、両ピンが枢軸を形成する。
【0005】
また、特許文献1記載のスクリーン装置では、各第1ガイドユニットの両側壁における上記各ピンが設けられた側の部分に、剛性突起が両側壁の対向方向内方に突設されている。この剛性突起は、第1ガイドでは、各第1ガイドユニットの枢軸の中心を第1ガイドユニットの連結方向に結ぶ仮想線を含む面内でその仮想線に沿ってのびている。そして、上記剛性突起は、スライド自在な框のX軸方向一方のスライドに伴ってX軸方向他方に第1ガイドが引き出される時、第1ガイドの引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に挿入されるスクリーンのZ軸方向他端部に突き刺さって、展開したスクリーンが風圧等の外力を受けても、スクリーンのZ軸方向一端部が第1ガイドの引き出された部分から抜け外れないように保持する。
【0006】
しかし、剛性突起ではあるものの、各第1ガイドユニットは、一般に、樹脂製の一体成形品であり、スクリーンの展開及び収納に伴って、スクリーンのZ軸方向一端部に突き刺さりと抜け外れを繰り返すため、剛性突起には、折れ曲がって変形したり、折れて欠損したりする等の問題がある。また、スクリーンの種類は、一般に、スクリーン装置の用途や設置場所等によって変更される。従って、上記各第1ガイドユニットの成形材料がスクリーンよりも強度が高い場合、上記剛性突起が突き刺さる時、スクリーンのZ軸方向一端部を破損する虞がある。このスクリーンの破損を防止するためには、特許文献1記載のスクリーン装置の場合、第1ガイドユニットをスクリーンの種類に対応した材料を用いて複数種作製しておく必要がある。その結果として第1ガイドも複数種になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州公開特許第2333229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、スクリーンの展開及び収納の繰返しによっても、第1ガイドに挿入される側のスクリーンのZ軸方向一端部の破損を抑制することができると共に、スクリーンの種類に関わらず1種類の第1ガイドユニットだけで第1ガイドを形成することができるスクリーン装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、展開及び収納が自在なスクリーンと、このスクリーンの展開及び収納方向を直交する3軸の内のX軸方向として、少なくとも一方がX軸方向にスライド自在とされてX軸方向に対向して配置される、Z軸方向に長手で中空な、スクリーンのX軸方向一端が固定された第1框及びスクリーンのX軸方向他端が固定された第2框からなる一対の框と、スライド自在な框がX軸方向一方にスライドされる時、スライド自在な框の内部からX軸方向他方に引き出され、且つスライド自在な框がX軸方向他方にスライドされる時、スライド自在な框の内部に収納されると共に、一端に自由端を有し、スライド自在な框の内部から引き出された部分が、一対の框のZ軸方向一端部の間及びZ軸方向他端部の間の夫々でX軸方向に直線状にのびる第1ガイド及び第2ガイドと、スライド自在な框の内部に設けられ、第1ガイド及び第2ガイドの自由端を連結する張力部材とを備えたスクリーン装置であって、第1ガイドが、複数の第1ガイドユニットの連結によって形成され、各第1ガイドユニットは、第1ガイドがスライド自在な框の内部から引き出される時、Y軸方向に対向して配置される一対の側壁と、両側壁を連結する底壁とを備え、第1ガイドでは、隣接する2つの第1ガイドユニットの内、一方の第1ガイドユニットが他方の第1ガイドユニットに枢支され、この枢支によって、第1ガイドが、X軸方向の直線性を維持する一方、Z軸方向他方に屈曲し、第1ガイドのスライド自在な框の内部から引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に、展開するスクリーンのZ軸方向一端部が挿入されるものにおいて、スライド自在な框から引き出された第1ガイドのZ軸方向一端部に相当する、各第1ガイドユニットの両側壁の部分におけるX軸方向一端部に、両側壁の対向方向外方に向かう一対のピンが設けられると共に、X軸方向他端部に一対の開孔が開設され、隣接する2つの第1ガイドユニットが、一方の第1ガイドユニットの各開孔に他方の第1ガイドユニットの各ピンを遊嵌させることによって連結され、両ピンが枢軸を形成し、各第1ガイドユニットの両側壁における対向方向内側の部分にレール部が設けられ、このレール部は、各第1ガイドユニットの枢軸の中心を第1ガイドユニットの連結方向に結ぶ仮想線を含む面内でその仮想線に沿ってのび、レール部よりも底壁からZ軸方向他方に離れた両側壁の端縁部に、両側壁の対向方向内方に突出する支持片が設けられ、各第1ガイドユニットの枢動方向に屈曲自在で長尺な基部に、多数本の針状部が間隔を存して取り付けられたスクリーン抜止部材が、各第1ガイドユニットの両側壁の対向方向内側に取外し自在に装着され、スクリーン抜止部材の装着状態では、基部が、各第1ガイドユニットの各レール部と各支持片との間で支持されると共に、全ての針状部が、各第1ガイドユニットの両側壁の対向方向内方に突出し、スライド自在な框のX軸方向一方のスライドに伴ってX軸方向他方に第1ガイドが引き出される時、各スクリーン抜止部材の針状部が、第1ガイドの引き出された部分における各第1ガイドユニットの両側壁の間に挿入されるスクリーンのZ軸方向一端部に突き刺さって、スクリーンが、第1ガイドの引き出された部分から抜外れ不能とされる一方、スライド自在な框のX軸方向他方のスライドに伴ってスライド自在な框の内部に第1ガイドが収納される時、各スクリーン抜止部材の針状部がスクリーンのZ軸方向一端部分から抜け外れることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、スクリーンの種類に対応する多数本の針状部が基部に取り付けられた複数種のスクリーン抜止部材を予め用意しておくことができる。そして、それらの中から適宜な1つを選択して第1ガイドの各第1ガイドユニットの両側壁の対向方向内側の部分に装着することができ、スクリーンの展開及び収納の繰返しによっても、第1ガイドを形成する第1ガイドユニットの両側壁の間に挿入されるスクリーンのZ軸方向一端部の破損を抑制することができる。また、スクリーンの種類毎に第1ガイドユニットを作製する必要がなく、1種類の第1ガイドユニットだけで第1ガイドを形成することができる。
【0011】
本発明において、上記各第1ガイドユニットの上記両側壁には、上記スライド自在な框の内部から引き出されてX軸方向にのびる上記第1ガイドの引き出された上記部分と同一方向にのび、対向方向内方に凹んだ凹部が設けられ、スライド自在な框のZ軸方向一端部には、所定の曲率で湾曲する湾曲突起が、Y軸方向に対向する一対の内側面に設けられ、各第1ガイドユニットの各凹部内に各湾曲突起が挿入されることによって、第1ガイドのスライド自在な框の内部への収納及び引出しがガイドされることが望ましい。これによれば、第1ガイドを、スライド自在な框の内部でZ軸方向他方に向かうようにスムーズに屈曲させることができると共に、スライド自在な框の内部でX軸方向他方に向けて元に戻すことができる。従って、第1ガイドのスライド自在な框の内部へのスムーズな収納及び引出しが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のスクリーン装置の一実施形態を示す一部切欠断面図。
図2図1に示すスクリーン装置の第1ガイドの一形態を示す要部斜視図。
図3】(a)は図2に示す第1ガイドの側面図、(b)は図2に示す第1ガイドの正面図。
図4】(a)は図2及び図3(a)(b)に示す第1ガイドユニットの側面図、(b)は同平面図、(c)は同底面図、(d)は同正面図。
図5】(a)は図2及び図3(a)(b)に示すスクリーン抜止部材の側面図、(b)は同正面図。
図6図2及び図3(a)(b)に示す第1ガイドが屈曲する時のスクリーン抜止部材の屈曲状態を示す要部切欠側面図。
図7図1に示す第2ガイド及び図2に示す第1ガイドの第1框の内部への収納状態を示す要部平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本実施形態のスクリーン装置SDは、展開及び収納が自在なスクリーン1を備え、例えば、窓枠、戸枠等の開口部に設置され、スクリーン1によって開口部を水平方向に開閉する。すなわち、スクリーン装置SDでは、スクリーン1の展開及び収納方向を直交する3軸であるX軸、Y軸及びZ軸の内のX軸方向として、X軸方向を水平方向(図1の左右方向)に対応させ、Z軸方向を鉛直方向(図1の上下方向)に対応させている。従って、以下では、X軸方向一方側を左、X軸方向他方側を右とし、Z軸方向一方側を上、Z軸方向他方側を下として説明する。
【0014】
スクリーン装置SDは、上記開口部を左右方向にスライド自在とされ、上下方向に長手で中空な第1框2と、第1框2と左右方向に対向して配置され、上記開口部の右端部に固定された、上下方向に長手で中空な第2框3とを備え、第1框2及び第2框3で一対の框を構成している。スクリーン1の左端は第1框2に固定され、スクリーン1の右端は第2框3に固定されている。具体的には、スクリーン1の左端は、第1框2の右端部に固定され、スクリーン1の右端は、第2框3の内部に回転自在に収納された、上下方向に長手で中空なローラーパイプ31の外周部における上下方向の一部に固定されている。スクリーン装置SDのユーザーが第1框2を左方にスライドさせる閉操作を行うと、スクリーン1はローラーパイプ31の外周部から巻き出されて上記開口部に展開し、ユーザーが閉操作を止めると、スクリーン1は、ローラーパイプ31の外周面に巻き取られて第2框3の内部に収納される。この時、第1框2は右方に自動的にスライドし、その右端が第2框3の左端に接触すると、第1框2の右方へのスライドが自動的に停止する。
【0015】
このようなスクリーン1の第2框3の内部への自動的な収納を実現するために、ローラーパイプ31の内部にコイルバネ31aが設けられている。コイルバネ31aは、第1框2が左方にスライドされて、ローラーパイプ31が第2框3の内部で正転し、スクリーン1が巻き出される時、ローラーパイプ31の回転軸の周りでねじられて、弾発力が発生して蓄積する。ユーザーが閉操作を止めると、蓄積した弾発力が解放されて、ローラーパイプ31が第2框3の内部で逆転し、スクリーン1がローラーパイプ31の外周面に巻き取られる。
【0016】
また、第1框2の左右方向へのスライドをスムーズに実現するために、スクリーン装置SDには、上記開口部の上端部に上レール4が設けられていると共に、上記開口部の下端に下レール5が設けられている。上レール4は、上下方向の断面がU字形の中空な部材であり、上レール4の内部に第1框2の上端部が挿入される。下レール5は、左右方向に長手の直線状の部材である。第1框2の下端部には不図示の車輪が設けられており、この車輪が下レール5上を回転する。こうして、第1框2の左右方向のスライドは、上レール4及び下レール5によってガイドされるため、スムーズに実現される。
【0017】
また、スクリーン装置SDは、第1框2が左方にスライドされる時、第1框2の内部から引き出され、且つ第1框2が右方にスライドされる時、第1框2の内部に収納される第1ガイド6及び第2ガイド7を備えている。第1ガイド6及び第2ガイド7は、夫々、一端に自由端61,71を有し、第1框2の内部から引き出された部分62,72が、左右方向の直線性を保持して、一対の框としての第1框2及び第2框3の下端部の間及び上端部の間の夫々で左右方向に直線状にのびる。さらに、スクリーン装置SDは、第1框2の内部に設けられ、第1ガイド6及び第2ガイド7の自由端61,71を連結する張力部材8を備えている。張力部材8は、交差することのないループを形成しているが、交差するループであってもよい。張力部材8の形状は、第1ガイド6及び第2ガイド7の自由端61,71を連結することができる限り、特に限定的ではない。例えば、張力部材8は、ループを形成しない形状のものであっても構わない。
【0018】
図2図3(a)(b)及び図4(a)(b)(c)(d)を参照して、第1ガイド6は、複数の第1ガイドユニット63の連結によって形成される。各第1ガイドユニット63は、図2に示すY軸方向に対向して配置される一対の側壁63aと、両側壁63a,63aを連結する底壁63bとを備え、第1ガイド6では、隣接する2つの第1ガイドユニット63,63の内、一方の第1ガイドユニット63が他方の第1ガイドユニット63に枢支される。この枢支によって、第1ガイド6は、左右方向の直線性を維持する一方、上方に屈曲する。また、第1框2の内部から引き出された第1ガイド6の上端部に相当する、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの上左端部に、両側壁63aの対向方向外方に向かう一対のピン63c,63cが設けられ、上右端部に一対の開孔63d,63dが開設されている。
【0019】
具体的には、各第1ガイドユニット63の各側壁63aには、各ピン63cの周辺部に、両側壁63a,63aの対向方向内方に窪む第1窪み部63aが形成されている。各ピン63cの長さは第1窪み部63aの窪み代と同一であり、且つ各ピン63cの外径と各開孔63dの内径とは、各ピン63cが各開孔63dに遊嵌することができるような大きさである。また、各側壁63aには、各開孔63dの周辺部が、各側壁63aの上端縁部を残して切り欠かれて第1切欠部63aが形成され、上端縁部は右方にのびる突片63eとされている。さらに、第1窪み部63aには、右下端部に、上方に隆起する山部63fが設けられている。さらにまた、各側壁63aの下端部で第1窪み部63aの下方に位置する部分には、第1窪み部63aと同一の窪み代で窪む第2窪み部63aが形成されている。そして、各第1ガイドユニット63では、底壁63bは、両側壁63a,63aの第2窪み部63aの上端部に対応する位置に配置されると共に、第2窪み部63aの左端から第1切欠部63aの左端下方までの長さを有している。
【0020】
第1ガイド6では、隣接する2つの第1ガイドユニット63,63が、一方の第1ガイドユニット63の右端部の両側壁63a,63aの対向方向内側に、他方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの左端部を挿入して、他方の第1ガイドユニット63の各ピン63cを一方の第1ガイドユニット63の各開孔63dに遊嵌させることによって連結される。この時、両ピン63c,63cが枢軸を形成する。このような連結を繰り返すことで第1ガイド6が形成される。隣接する2つの第1ガイドユニット63,63の枢動範囲は、一方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの下端部の右端と他方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの下端部の左端とが接触する位置から、一方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの各突片63eと他方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aに形成された各第1窪み部63aの各山部63fとが接触する位置までである。各第1ガイドユニット63の枢動範囲は同一であり、各第1ガイドユニット63の上記枢動範囲内での枢動によって、第1ガイド6は、図1に示すように、第1框2の内部に収納される時、第1框2の上端部に向かうように屈曲し、第1框2の内部から引き出される時、右方向に向かうように元の状態に戻る。
【0021】
なお、第1ガイド6が第1框2の内部から引き出される時、隣接する2つの第1ガイドユニットの内、枢動する一方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aに形成された各第2窪み部63aが他方の第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの対向方向内側に挿入される。このため、第1ガイド6の第1框2の内部から引き出された部分62では、各第1ユニット63の両側壁63a,63aの下端部における対向方向の外側面が面一に配置される。また、上記のように、各ピン63cの長さは、第1窪み部63aの窪み代と同一であるため、各ピン63cにおける両側壁63a,63aの対向方向外側面は、両側壁63a,63aの上端部における対向方向の外側面と面一に配置される。
【0022】
また、各第1ガイドユニット63には、両側壁63a,63aで対向方向内側の部分にレール部63gが設けられ、各レール部63gは、各第1ガイドユニット63の上記枢軸の中心を第1ガイドユニット63の連結方向に結ぶ仮想線VLを含む面内で仮想線VLに沿ってのびている。さらに、レール部63gよりも底壁63bから上方に離れた両側壁63a,63aの上端縁部には、両側壁63a,63aの対向方向内方に突出する支持片63hが設けられている。各支持片63hは、各支持片63hが設けられた側の各側壁63aの各レール部63gと上下方向に対向して配置され、各レール部63gとの間で中空な収納部63iを形成している(図4(d))。具体的には、各レール部6gは、各第1ガイドユニット63の左端から第1切欠部63aの左端下方までの長さを有している。一方、各支持片63hは、各第1ガイドユニット63の左端部を除いて左右方向にのびている。また、各支持片63hの正面形状はL字形であり、各側壁63aに対して平行に垂下する係止部63hと、両側壁63a,63aの対向方向内方に、レール部63g側に下り勾配でのびる傾斜部63hとからなっている。
【0023】
各レール部63gは、スクリーン抜止部材9を第1ガイド6に取り付け及び取り外す際のガイドとして機能する。図5(a)(b)も参照して、スクリーン抜止部材9は、第1ガイド6の各第1ガイドユニット63の枢動方向に屈曲自在で長尺な基部91と、間隔を存して基部91に取り付けられた多数本の針状部92とからなっている。スクリーン抜止部材9は、第1ガイド6の左右両端のいずれか一方から各第1ガイドユニット63の各収納部63iの内部に基部91を挿入することによって、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの対向方向内側に装着される。各レール部63gはスクリーン抜止部材9の装着時における収納部63iへの基部91の挿入をガイドする。スクリーン抜止部材9の装着状態では、基部91が各レール部63gと各支持片63hとの間で支持されると共に、全ての針状部92が、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの対向方向内方に突出する。また、スクリーン抜止部材9は、第1ガイドの左右両端のいずれか一方から基部91を各第1ガイドユニット63の各収納部63iの内部から引き出すことによって、各レール部63gにガイドされて第1ガイド6から取り外すことができる。
【0024】
具体的には、各第1ガイドユニット63の支持片63hの係止部63hによって基部91が係止され、傾斜部63hによって、全ての針状部92が、傾斜部63hの下り勾配に沿って底壁63b側に傾斜する(図3(b))。全ての針状部92のこの傾斜によって、第1ガイド6では、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aに装着された2つのスクリーン抜止部材9の針状部92の突出方向先端の間に、図2に示すY軸方向の隙間が形成される。
【0025】
このようなスクリーン抜止部材9の基部91は、上記のように、第1ガイド6の各第1ガイドユニット63の枢動方向に屈曲自在であるため、図1に示す第1框2が上端部に向かうように屈曲する時、図6に示すように、スクリーン抜止部材9も同一方向に屈曲する。また、上記のように、各レール部63gが、各第1ガイドユニット63の上記枢軸の中心を連結方向に結ぶ仮想線VLを含む面内で仮想線VLに沿ってのびているため、図3(a)に示すように、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの対向方向内側に装着された各スクリーン抜止部材9の基部91は仮想線VLを含む面内で仮想線VLと平行に配置される。このように仮想線VLと平行に基部91が配置されることによって、各第1ガイドユニット63の枢動、すなわち、第1ガイド6の屈曲がスムーズに実現される。また、上記枢軸が、第1ガイドユニット63の上端部に位置しているため、上記枢軸は、スクリーン装置SDが設置される上記開口部の下端から上方に離れて配置される。従って、上記枢軸は、上記開口部の下端に溜まりやすい埃、砂、泥等の影響を受けにくく、第1ガイド6のスムーズな屈曲と相俟って、ユーザーによる第1框2の閉操作が軽快且つ安定に行われる。同様に、スクリーン抜止部材9の基部91は、屈曲した状態から元の状態に容易に戻るため、第1ガイド6が第1框2の内部から引き出される時の元の状態への戻りもスムーズに実現される。従って、第1框2の開動作も軽快且つ安定に行われる。
【0026】
そして、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aには、第1框2の内部から引き出されて左右方向にのびる第1ガイド6の部分62と同一方向にのび、対向方向内方に凹んだ凹部63jが設けられている。凹部63jが設けられた両側壁63a,63aの左端部には、第1窪み部63a及び第2窪み部63aと同様な、両側壁63a,63aの対向方向内方に窪む第3窪み部63aが形成されている。第3窪み部63aは、各側壁63aで第1窪み部63aと第2窪み部63aとの間に位置している。また、凹部63jが設けられた両側壁63a,63aの右端部の対向方向内面が切り欠かれて第2切欠部63aが形成されている(図4(b)(c))。
【0027】
第1ガイド6が第1框2の内部から引き出され、各第1ガイドユニット63が枢動する時、枢動する第1ガイドユニット63の第2切欠部63aが、既に枢動し終わった隣接する第1ガイドユニット63の第3窪み部63aに重合する。この重合と、枢動する第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの下端部の右端と既に枢動し終わった第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの左端との接触とによって、第1框2の内部から引き出された第1ガイド6の部分62の直線性が維持される。また、凹部63jが設けられた両側壁63a,63aの対向方向内面が面一に配置される。
【0028】
なお、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aでは、図3(b)及び図4(c)(d)に示すように、各第2窪み部63aの下端部の対向方向内面が切り欠かれて第3切欠部63aが形成されている。各第3切欠部63aは、各第2窪み部63aの左端から右端に向かって切欠代が小さくされている。また、各第3切欠部63aの右端から連続して両側壁63a,63aの対向方向内方に突出する被ガイド片63kが設けられている。各被ガイド片63kの右端は、底壁63bの右端の下方に位置している。両被ガイド片63k,63kは、第1ガイド6が第1框2の内部から引き出される時、図1に示す下レール5のY軸方向一側端部及び他側端部の夫々と係合して、第1ガイド6の引き出された部分62における各第1ガイドユニット63が下レール5から離脱するのを抑制する。一方、各第3切欠部63aは、第1ガイド6が第1框2の内部に収納される時、各被ガイド片63kと、下レール5の上記Y軸方向一側端部及び他側端部の夫々との係合をスムーズに解除させて、各第1ガイドユニット63の下レール5からの離脱を容易にしている。これらの結果として、第1框2の左右方向のスライドがよりスムーズに実現される。
【0029】
図1に戻って、第1ガイド6の右端部に位置する第1ガイドユニット63は第2框3の下端部に固定され、第1ガイド6の右端は固定端とされている。また、第1ガイド6の自由端61は、常時、第1框2の内部に収納されている。具体的には、自由端61は、第1框2の長手方向に昇降するアジャスター10の上端に位置している。アジャスター10は、第1ガイド6が第1框2の内部に収納された時の上端に位置する第1ガイドユニット63に連結されている。アジャスター10には、上下方向に長手で棒状の錘101が内蔵されている。錘101に作用する重力は、第1框2の内部に収納された第1ガイド6の部分に作用し、第1框2を左方にスライドさせる時、ローラーパイプ31に内蔵されたコイルバネ31aの弾発力に抗して、第1ガイド6が、第1框2の内部からスムーズに右方に引き出されるようにアシストして、ユーザーの閉操作により軽快感と安定感とを与える。また、錘101に作用する重力は、第1框2を右方にスライドさせてスクリーン1を第2框3の内部に収納させる際に、第1ガイド6の第1框2の内部への収納に適度の抵抗を与え、コイルバネ31aに蓄積された弾発力の解放によるスクリーン1のローラーパイプ31の外周面への巻取りが急激に行われないようにアシストする。
【0030】
第1框2の下端部には、図2に示すY軸方向に対向する一対の内側面(不図示)に、所定の曲率で湾曲する湾曲突起11が設けられている。湾曲突起11は、各第1ガイドユニット63の凹部63j内に挿入されることによって、第1ガイド6の第1框2の内部への収納及び引出しをガイドする。すなわち、湾曲突起11は、第1ガイド6を、第1框2の内部で上方にスムーズに向かうように屈曲させると共に、第1框2の内部で右方に戻すことができるような所定の曲率で湾曲している。従って、第1ガイド6の第1框2の内部へのよりスムーズな収納及び引出しが実現される。
【0031】
以上のスクリーン装置SDでは、第1框2の左方のスライドに伴って第1框2の下端部の内部から右方に第1ガイド6が引き出される時、スクリーン1の下端部が、第1ガイド6の引き出された部分62における各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの間に挿入される。具体的には、スクリーン1の下端部は、各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aに装着された2つのスクリーン抜止部材9の、図2及び図3(a)(b)に示す針状部92の突出方向先端の間の上記隙間に挿入される。この時、スクリーン1の挿入された部分に、スクリーン抜止部材9の各針状部92が突き刺さって、スクリーン1が、第1ガイド6の引き出された部分62から抜け外れ不能とされる。また、第1框2の右方のスライドに伴って第1ガイド6が第1框2の内部に収納される時、各スクリーン抜止部材9の針状部92がスクリーン1に突き刺さった部分から抜け外れる。上記のように、スクリーン装置SDでは、スクリーン抜止部材9が、第1ガイド6の各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの対向方向内側に取外し自在に装着されるため、スクリーン1の種類に対応する多数本の針状部92が基部91に取り付けられた複数種のスクリーン抜止部材9を予め用意しておくことができる。そして、それらの中から適宜な1つを選択して第1ガイド6の各第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aに装着することができ、スクリーン1の展開及び収納の繰返しによっても、スクリーン1の下端部の破損を抑制することができる。また、スクリーン1の種類毎に第1ガイドユニット63を作製する必要がなく、1種類の第1ガイドユニット63だけで第1ガイド6を形成することができる。
【0032】
なお、各第1ガイドユニット63には、硬質樹脂製の一体成形品を採用することができる。スクリーン1には、軽量化を考慮して、樹脂製繊維を編んだ布や網等を採用することができる。スクリーン抜止部材9の基部91には、軟質樹脂製のものやアルミニウム等の軽金属製のもの等を採用することができる。針状部92は、スクリーン1の種類に対応した適宜な材料から形成することができる。また、各針状部92のサイズ及び各針状部92間の間隔は、スクリーン1の種類に対応して適宜に設定することができる。例えば、スクリーン1が編み物や網である場合、各針状部92のサイズは、編み目又は網目に入ることができるサイズにし、各針状部92間の間隔は、編み目間又は網目間と同一の等間隔にすることができる。さらに、湾曲突起11には、第1ガイドユニット63の凹部63jへの繰返しの挿入によっても、第1ガイドユニット63が摩損しにくい材料から形成することができる。
【0033】
さらに、スクリーン装置SDが備える第2ガイド7については、従前のものを採用することができる。従前のものも、第1ガイド6と同様に、複数の第2ガイドユニット73の連結によって形成される。図7を参照して、各第2ガイドユニット73は、第2ガイド7が第1框2の内部から引き出される時、Y軸方向に対向して配置される一対の側壁73a,73aと、両側壁73a,73aを連結する底壁73bとを備える。また、第2ガイド7では、隣接する2つの第2ガイドユニット73の内、一方の第2ガイドユニット73が他方の第2ガイドユニット73に枢支され、第2ガイド7の、第1框2の内部から引き出された部分72における各第2ガイドユニット73の両側壁73a,73aの間に、展開するスクリーン1の上端部が挿入されるものであればよい。第2ガイド7も、第1ガイド6と同様に、右端が第2框3に固定され、固定端とされている。
【0034】
スクリーン装置SDでは、第1框2の内部に収納される第1ガイド6と第2ガイド7とは、第1框2の内部で異なる領域に収納されるようにしている。すなわち、第1框2のY軸方向に対向する一対の内側面の夫々に、第1框2の上下両端部を除いて、第1框2の長手方向にのび、両内側面の対向方向内方に突出するガイド片21が設けられている。両ガイド片21によって、第1框2の内部が、第1ガイド6を収納する第1収納部22と、第2ガイド7を収納する第2収納部23とに区画されている。第1収納部22は、第1框2の内部左側に位置し、第2収納部23は、第1框2の内部右側に位置している。このように第1ガイド6と第2ガイド7との収納領域を第1収納部22と第2収納部23とに分けることによって、第1框2の内部に収納される第1ガイド6と第2ガイド7とが、衝突せずに済むと共に、第1框2の内部ですれ違うことができるため、第1ガイド6及び第2ガイド7の全長を、スクリーン装置SDを設置する開口部の左右方向の寸法に対応したものにすることができる。また、第1ガイド6における各第1ガイドユニット63の両側壁63aの対向内側に装着されるスクリーン抜止部材9の針状部92が、第2ガイド7によって損傷することはなく、第2ガイド7を形成する第2ガイドユニット73に構造上の制約が課せられることがない。
【0035】
なお、両ガイド片21,21の突出端は、Y軸方向に離れて配置されていて、第1ガイド6のアジャスター10の昇降をガイドすると共に、第2ガイド7が第2収納部23の内部に収納された時の下端部に位置する第2ガイドユニット73に連結され、第2ガイド7の自由端71を形成する被ガイド部材12の昇降をガイドする。第2ガイド7の自由端71は、被ガイド部材12の下端に位置している。
【0036】
このように、第1ガイド6及び第2ガイド7が、夫々、第1框2の内部で、異なる領域である第1収納部22及び第2収納部23に収納されるようにすると、第1框2は、見付け寸法(左右方向の寸法)が比較的大きなものとなる。このことを考慮すると、第2ガイドユニット73には、図1に示すように、第1框2の第2収納部23から引き出された部分72における第2ガイドユニット73の両側壁73a,73aの上下方向の寸法が、第1框2の第1収納部22から引き出された部分62における第1ガイドユニット63の両側壁63a,63aの上下方向の寸法よりも短いものを採用することが望ましい。この場合、第2ガイド7に、第1ガイド6に装着されるようなスクリーン抜止部材9を設けることが難しい場合には、上レール4の、図7に示すY軸方向の対向する一対の内側面の夫々に、左右方向に長手のスクリーン抜止部材13を支持片等を介して装着することができる。スクリーン抜止部材13は、例えば、スクリーン抜止部材9と同様な構成とすることができ、この場合、スクリーン抜止部材13の各針状部が、展開するスクリーン1に突き刺さって、展開したスクリーン1は、風圧等の外力を受けても上レール4から抜け外れるのを抑制することができる。また、スクリーン1の展開及び収納の繰返しによっても、スクリーン1の上端部の破損を抑制することができる。
【0037】
また、スクリーン装置SDでは、第1框2の第2収納部23の上端部に、所定の曲率で湾曲する湾曲面141を有する屈曲ガイド14が設けられている。屈曲ガイド14の湾曲面141は、第2ガイド7を形成する各第2ガイドユニット73の底壁73bと接触可能である。屈曲ガイド14は、湾曲面141と底壁73bとの接触によって、各第2ガイドユニット73を枢動させて第2ガイド7を屈曲させると共に、左右方向に戻し、第1框2の左右方向のスライドに伴う、第2ガイド7の第2収納部23の内部への収納及び引出しをスムーズに実現させる。湾曲面141の所定の曲率は、そのような第2ガイド7の屈曲及び戻りを考慮して適宜設定することができる。
【0038】
さらに、スクリーン装置SDでは、第1框2の第1収納部22の内部における上下両端部の夫々に、プーリー等の方向転換部材15が設けられている。各方向転換部材15は、第1収納部22の上端部及び下端部を構成するブロックに軸支されている。各方向転換部材15は、その外周面の一部に張力部材8を掛けることによって、張力部材8の向きを上下に変えると共に、張力部材8に所定の張力を付与する。
【0039】
張力部材8は、一端が、第2ガイド7の自由端71にネジ等により固定され、第1収納部22を上方にのび、第1収納部22の上端部に位置する一方の方向転換部材15に掛けられて下向きに方向転換し、第1ガイド6の自由端61に固定され、第1収納部22の下端部に位置する他方の方向転換部材15に掛けられて上向きに方向転換し、他端が一端と共に第2ガイド7の自由端71に固定されて、交差しないループを形成している。このようなループ状の張力部材8によって、第1ガイド6及び第2ガイド7の第1框2の内部への収納長さと引出し長さとが同一になり、その結果、第1框2を第2框3に対して確実に平行にスライドさせることができると共に、この第1框2の平行なスライドは、ユーザーが第1框2の上下方向の任意の部位で閉操作しても実現される。また、第1框2の平行なスライドは、コイルバネ31aの弾発力による開動作時にも同様に実現される。張力部材8に付与する所定の張力は、第1框2の上記スライドを考慮して適宜設定することができる。
【0040】
なお、張力部材8の上記一端及び他端を第2ガイド7の自由端71に固定する際には、張力部材8を第1収納部22の内部から第2収納部23の内部に進入させるが、この進入は、両ガイド片21,21の突出端が、図7に示すように、Y軸方向に離れていることによって可能になっている。一方、第1框2は見付け寸法が比較的長くなっているため、張力部材8を第2ガイド7の自由端71に固定する作業が行いにくくなる場合がある。この場合には、自由端71を形成する被ガイド部材12の一部を第1収納部22の内部に突出させ、突出部分に張力部材8の上記一端及び他端を固定するようにして、張力部材8の第2ガイド7の自由端71への固定作業を行いやすくすることができる。図7に示すように、第1框2の左端面には第1収納部22に連通する開口24が形成され、張力部材8の配線時には、開口24を通じて張力部材8を第1框2の内部に挿入することができる。開口24には、不図示のカバーが取外し自在に装着される。
【0041】
以上、本発明を上記実施形態に関して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、スクリーン装置SDは、上記実施形態のようなコイルバネ31aの弾発力を利用した自動収納式の他、モーターを備え、スクリーン1の展開及び収納にモーターが回転する時のトルクを利用する自動開閉式や、スクリーン1の展開及び収納の両方を手動で行う手動開閉式のものであっても構わない。また、スクリーン1には、折り畳むことができる複数のプリーツが形成されたものを採用することができる。さらに、上記手動開閉式のスクリーン装置SDの場合、第2框3を上記開口部に固定されずに、第1框2と同様に、左右方向にスライド自在にして、スクリーン装置SDを両開き式にすることができる。そして、Z軸方向は、水平方向に限られることはなく、X軸方向に直交方向であればよい。例えば、スクリーン装置SDは、鉛直面に対して傾斜する開口部にも設置可能である。
【符号の説明】
【0042】
SD…スクリーン装置、1…スクリーン、2…第1框、3…第2框、6…第1ガイド、61…第1ガイド6の自由端、62…第1ガイド6の第1框2の内部から引き出された部分、63…第1ガイドユニット、63a…側壁、63b…底壁、63c…ピン、63d…開孔、63g…レール部、63h…支持片、63j…凹部、7…第2ガイド、71…第2ガイド7の自由端、8…張力部材、9…スクリーン抜止部材、91…基部、92…針状部、11…湾曲突起、VL…仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7