(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】背のう
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20230905BHJP
【FI】
A45F3/04 400J
A45F3/04 300
(21)【出願番号】P 2020059728
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390022482
【氏名又は名称】株式会社エムアンドケイヨコヤ
(74)【代理人】
【識別番号】230100022
【氏名又は名称】山田 勝重
(74)【代理人】
【識別番号】100084319
【氏名又は名称】山田 智重
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【氏名又は名称】平山 巌
(72)【発明者】
【氏名】横谷 晶明
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-154917(JP,A)
【文献】実開平04-015417(JP,U)
【文献】特開平03-293706(JP,A)
【文献】特開2018-164494(JP,A)
【文献】特開平04-016684(JP,A)
【文献】特開2009-254778(JP,A)
【文献】特開2000-279217(JP,A)
【文献】特開平08-010029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に、使用者の背中に接して支持される背当て部を備えた背のう部本体と、
使用者の左右の肩部に前記背のう部本体を背負わせるべく掛け回され、前記背当て部の上部にその上端部が支持され、前記背のう部本体の下部にその下端部側が支持される左右一対の背負いベルトと、
前記一対の背負いベルトの下端部を、前記背のう部本体の下部にそれぞれ接合させる左右一対の連結環と、
前記背のう部本体の下部に設けられた
、1本の引っ張りばねとを備え、
前記左右一対の連結環からは軸部がそれぞれ延びており、前記軸部は、連結溝を介して互いに接続された2つの内部空間にそれぞれ挿入されており、
前記引っ張りばねは、前記連結溝内に配置されており、その両端に前記左右一対の連結環の軸部がそれぞれ固定され、
前記
引っ張りばねは、前記
左右一対の連結環を、互いに近づき、かつ、後側へ向かう方向へ変位させる付勢力を有することを特徴とする背のう。
【請求項2】
前記左右一対の連結環は、所定方向に沿って延びるように設けられた一対の案内孔に沿ってそれぞれ変位し、
前記左右一対の連結環を結ぶ方向と、前記所定方向とがなす角度は120度~150度の範囲に設定されている請求項1に記載の背のう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドセル、リュックサックなど、使用者の背中に背負われる背のうに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセル、リュックサックなどの背のうには、様々な形状や構造のものが存在するが、その多くは、使用者の背中に接して支持される背当て部を備えるとともに、使用者の背中に背負われて内部に収納部を備えてなる背のう部本体と、使用者の左右の肩部に該背のう部本体を背負わせるべく掛け回され、背のう部本体の背当て部上方にその上端部が支持され、背のう部本体の背当て部下方にその下端部側が支持される左右一対の各背負いベルトと、を備えている。
【0003】
左右一対の各背負いベルトは、背のう部本体の背当て部の上側に備えられる連結体にその上端部が結合されており、一方、背のう部本体の背当て部の下方側に支持される下端側は、その長さを調整可能に連結される。
【0004】
背負いベルトの中には、特許文献1や特許文献2に示すように、背のう部本体の背当て部の上側に備えられる連結体にその上端部を結合してなる上ベルトと、背のう部本体の背当て部の下方側に支持され、該下方側から延びる下ベルトとにより構成され、上ベルトの下端と下ベルトの上端とは掛け回す肩部のサイズに対応し、その結合位置を可変にし、長さ調整可能に相互に連結可能とされたものがある。こうした構成からなる背負いベルトは、上ベルトの下端と、下ベルトの上端との連結を、上ベルトの下端あるいは下ベルトの上端のいずれかに他のベルトの端部を挿通可能とするバックル状の連結環を支持させ、この連結環が支持されたベルトに対する他方のベルトの端部にはその長さ方向において所定間隔をもって複数の止着孔を穿設し、他方のベルトを連結環に挿通させて連結環に支持される止着針を任意の長さ位置にある止着孔に止着して行うようにしている。これにより連結環に挿通される他のベルトの端部の連結環に対する止着結合位置を可変にし、上下のベルトを長さ調整可能に相互に連結させることを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録3133399号公報
【文献】特開2008-54940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背のうにおいて、背負いベルトの全体長さが長くなると、背当て部の上方位置が人の背中から離れる方向の力が作用しやすくなる。この現象は背のう部本体の収納部内に高荷重の物を収納したり、また収納部の底の方に重い物を収納させる場合に顕著に現れやすい。このため、背負いベルトの全体長さをできる限り短く設定して、背のう部本体の背当て部全体が使用者の背中に密着状態で接するようにすることが好ましい。
【0007】
上記各特許文献1に記載のランドセルや特許文献2に記載の背負い鞄で使用される従来の背負いベルトは、上ベルトの下端と下ベルトの上端との止着結合位置を調整することで、背のう部本体に対する背負いベルトの全体長さを可変に調整することを可能としているが、いったん背のうを背負った後には、上ベルトと下ベルトの結合位置を変更して長さ調整を行うことは難しかった。このため、背のう部本体を背負う際に、使用者の肩部に対する背負いベルトの掛け回し操作を容易にするために背負いベルトを長めに設定すると、背負った後に長さを調整することができないことから、使用者の背中に対する密着性の確保が難しくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、こうした従来の不具合に着目してなされたものであり、ランドセル、リュックサックなどの背のうにあって、背のう部本体を使用者が背中に背負ったり、使用者が背中から離脱させる場合における背負いベルトの脱着操作性を確保しつつ、装着した状態においては、背のう部本体の背当て部の全体が使用者の背中に接触しやすくし、密着度を高めた良好な装着状態を確保できるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の背のうは、前側に、使用者の背中に接して支持される背当て部を備えた背のう部本体と、使用者の左右の肩部に背のう部本体を背負わせるべく掛け回され、背当て部の上部にその上端部が支持され、背のう部本体の下部にその下端部側が支持される左右一対の背負いベルトと、一対の背負いベルトの下端部を、背のう部本体の下部にそれぞれ接合させる左右一対の連結環と、背のう部本体の下部に設けられた調整部材とを備え、調整部材は、一対の連結環を、互いに近づき、かつ、後側へ向かう方向へ変位させる付勢力を有することを特徴としている。
【0010】
本発明の背のうにおいて、調整部材は、1本の引っ張りばねであって、その両端に一対の連結環がそれぞれ接合されていることが好ましい。
【0011】
本発明の背のうにおいて、一対の連結環は、所定の方向に沿って延びるように設けられた一対の案内孔に沿ってそれぞれ変位し、一対の連結環を結ぶ方向と、上記所定方向とがなす角度は120度~150度の範囲に設定されていることが好ましい。
【0012】
本発明の背のうにおいて、調整部材は、互いに独立した、第1引っ張りばねと第2引っ張りばねとを備え、一対の連結環は、一対の背負いベルトの一方に対応する第1連結環と、一対の背負いベルトの他方に対応する第2連結環とを備え、第1引っ張りばねは、一方の端部が背のう部本体の下部に固定され、他方の端部が、第1連結環に接合され、第2引っ張りばねは、一方の端部が背のう部本体の下部に固定され、他方の端部が、第2連結環に接合されていることが好ましい。
【0013】
本発明の背のうにおいて、背のう部本体を開閉可能とし、下端から引張帯が延びる蓋板と、引張帯を、背のう部本体の下部に対して固定された状態と、背のう部本体の下部から離間可能な状態とに択一的に選択可能とする尾錠とを備えることが好ましい。
【0014】
本発明の背のうにおいて、尾錠は、引張帯の先端と背のう部本体の下部の一方に雌部を、他方に雄部をそれぞれ備え、雄部と雌部の一方において、雄部及び雌部に対して相対移動可能に操作部材が設けられ、雄部は、雌部が固定される表面から垂直外側へ突出する突起体を備え、突起体の側面には、外方へ突出する第1係合部が設けられ、雌部は、引張帯が延びる方向に沿って順に配置され、突起体を択一的に挿入可能な、複数の係合孔部を有し、雄部と雌部のうち、操作部材が設けられていない方に第1マグネットが設けられ、操作部材は、複数の係合孔部のそれぞれに対応する位置に配置された、複数の開口部及び複数の第2マグネットと、開口部の内面から内側へ突出する第2係合部とを備え、雄部の突起体を、複数の係合孔部のいずれかに択一的に挿入したときに、第1マグネットと第2マグネットの間の磁気的な吸引によって、第1係合部と第2係合部が互いに係合されて雄部と雌部が互いに固定された状態となり、雄部と雌部が互いに固定された状態から、操作部材を、所定方向に沿ってスライドさせることによって、第1マグネットに対する第2マグネットの位置をずらすとともに、第1係合部と第2係合部の係合を解除して、雌部と雄部の固定状態を解除することが好ましい。
【0015】
本発明の背のうにおいて、操作部材は雌部に設けられ、第1マグネットは、雄部において、雌部が固定される表面であって突起体の周囲に設けられており、雄部はかばんの本体の前面に設けられ、雌部は蓋板に設けられ、第1マグネットは、雄部の表面において、所定方向に沿って突起体を挟んで1つずつ配置され、雌部は、所定方向に沿って2つ配置された係合孔部を有し、
係合孔部及び開口部は、2つの第1マグネットの間隔に対応する間隔で2つずつ設けられ、第2マグネットは、所定方向において、係合孔部を挟んで3つ配置されていることが好ましい。
【0016】
本発明の背のうにおいて、雄部の表面において、2つの第1マグネットにそれぞれ隣り合うように、第1マグネットとは逆の極性を有する2つの第3マグネットがそれぞれ配置されており、雄部と雌部が互いに固定された状態から、操作部材を、所定方向に沿ってスライドさせたときに、第1マグネットと第2マグネットの間の磁気的な吸引が解除されるとともに、第3マグネットと第2マグネットの間の磁気的な反発が生じることが好ましい。
【0017】
本発明の背のうにおいて、尾錠は、背のう部本体の下部に取り付けられる位置決め部材と、位置決め部材に対して引張帯が延びる方向に沿って相対移動可能に取り付けられる第1部材と、第1部材に対して脱着可能となるように引張帯の先端に設けられた第2部材とを備え、第1部材と第2部材の一方は雄部であり、他方は雌部であり、雄部と雌部の一方において、雄部及び雌部に対して相対移動可能に操作部材が設けられ、雄部は、雌部が固定される表面から垂直外側へ突出する突起体を備え、雌部は、突起体を挿入可能な係合孔部を有し、雄部と雌部のうち、操作部材が設けられていない方に第1マグネットが設けられ、
操作部材は、開口部及び第2マグネットを備え、雄部の突起体を、係合孔部に挿入したときに、第1マグネットと第2マグネットの間の磁気的な吸引によって、雄部と雌部が互いに固定された状態となり、雄部と雌部が互いに固定された状態から、操作部材を、所定方向に沿ってスライドさせることによって、第1マグネットに対する第2マグネットの位置をずらすことで、雌部と雄部の固定状態を解除し、第1部材の係合部と位置決め部材の被係合部との係合により、第1部材は、引張帯が延びる方向に沿った相対移動が可能な状態で位置決め部材に取り付けられ、位置決め部材は、被係合部において、引張帯が延びる方向において複数設けられた位置決め凹部を備え、第1部材の係合部が位置決め凹部に係合することにより、第1部材の相対移動が規制されることが好ましい。
【0018】
本発明の背のうにおいて、被係合部は、引張帯が延びる方向に沿って延びるように設けられた凹部であり、第1部材において、引張帯が延びる方向に沿って延びる側面の外側に配置されており、係合部は、第1部材の側面から、外側の被係合部側へ延びるように形成されていることが好ましい。
【0019】
本発明の背のうにおいて、第1部材は、係合部を外側へ付勢する弾性部材を備え、位置決め凹部は、被係合部において、係合部が弾性部材による付勢される方向に沿ってより深く凹設された凹部であることが好ましい。
【0020】
本発明の背のうにおいて、被係合部は、弾性部材による付勢方向に沿って位置決め部材の壁部を貫通して設けられ、第1部材の係合部は、壁部を貫通して配置され、その先端には押さえ部を備え、弾性部材の弾性力に反して押さえ部を、付勢方向に沿って弾性部材が収縮されるように操作することによって、位置決め凹部と係合部の係合を解除することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、ランドセル、リュックサックなどの背のうにあって、背のう部本体を使用者が背中に背負ったり、使用者が背中から離脱させる場合における背負いベルトの脱着操作性を確保しつつ、装着した状態においては、背のう部本体の背当て部の全体が使用者の背中に接触しやすくし、密着度を高めた良好な装着状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るランドセルの全体斜視図である。
【
図2】
図1に示すランドセルを使用者が背負った状態を示す側面図である。
【
図3】
図1に示すランドセルの蓋板を開けた状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態における、一対の調整部材、一対の連結環、及び、尾錠の雄部が配置された、固定板の平面図である。
【
図6】第1実施形態において、固定板の裏面カバーを外し、ばねの配置を示した底面図である。
【
図7】
図5のVII-VII’線に沿った断面図である。
【
図8】変形例における固定板の構成を示す断面図である。
【
図9】第1実施形態における尾錠の雄部と雌部の構成を示す斜視図である。
【
図10】第1実施形態における、雄部と、分解した雌部の構成を示す斜視図である。
【
図11】(a)は第1実施形態における雄部と雌部を係合させる前の状態を示し、(b)は雄部と雌部を係合させた固定状態を示し、(c)は雄部と雌部の係合を解除するために操作部材をスライドさせた後の状態を示し、(d)は雄部と雌部の係合が解除された後の状態を示す断面図である。
【
図12】(a)は第1実施形態における雄部と雌部を係合させる前の状態を示し、(b)は雄部上に雌部を載置した状態を示し、(c)は(b)の状態から雄部へ雌部を押し入れて雌部と雄部を係合させた固定状態を示し、(d)は雄部と雌部の係合を解除するために操作部材をスライドさせた後の状態を示し、(e)は雄部と雌部の係合が解除された後の状態を示す断面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係るランドセルの全体斜視図である。
【
図14】第2実施形態における、一対の調整部材、一対の連結環、及び、尾錠が配置された、固定板の平面図である。
【
図15】(a)は
図14(a)のXVA-XVA’線に沿った断面図、(b)は
図14(b)のXVB-XVB’線に沿った断面図である。
【
図16】第2実施形態における尾錠を構成する、雌部、雄部、及び、位置決め部材を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る背のうについて図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、ランドセルに適用した例を挙げるが、ランドセルに限定されず、例えばリュックサックその他の背負い鞄(背のう)も対象としている。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るランドセル11の全体斜視図である。
図2は、
図1に示すランドセル11を使用者20が背負った状態を示す側面図である。
図3は、
図1に示すランドセル11の蓋板16を開けた状態を示す斜視図である。
図4は、
図3のA部分の拡大図であり、背負いベルト17a、17bの図示を省略している。以下の説明において、ランドセル11の背当て部13側(
図2のF側(左側))を前方、蓋板16側(
図2のR側(右側))を後方、
図2における左右を左右方向、とそれぞれ称する。
【0024】
図1又は
図2に示すように、背のうとしてのランドセル11は、背のう部本体14を有し、この背のう部本体14は、使用者20の背中21に密着状態で接し、支持する平板状の背当て部13を備え、使用者20の背中21に背負われて内部に教科書や学用品などが収納可能とされている。
【0025】
全体として箱状をなす背のう部本体14は、蓋板16を
図1の矢印B方向に開くことで上部を開口させることを可能としている。ランドセル11は、左右一対の各背負いベルト17a、17bを備え、これらの背負いベルト17a、17bは、使用者20の左右の肩部に背のう部本体14を背負わせるべく掛け回され、背のう部本体14の背当て部13の上部にその上端部17uが支持され、背のう部本体14の背当て部13の下部で下端部17dが支持される。
【0026】
図1に示すように、蓋板16の下端からは引張帯18が延びており、この引張帯18の先端には、尾錠24の雌部50が設けられている。一方、背のう部本体14の底面15には、尾錠24の雄部40が回転可能に取り付けられている(
図3、
図4参照)。尾錠24の雄部40に対して雌部50は着脱自在であり、蓋板16は、尾錠24によって固定されて閉じた状態と、尾錠24から離間可能となって開くことができる状態とが選択可能となる。
【0027】
(調整部材)
図5は、一対の調整部材30a、30b、左右一対の連結環33a、33b、及び、尾錠24(
図1、
図11(a)参照)の雄部40が配置された、固定板31の平面図、
図6は、固定板31の裏面カバー31dを外し、ばね36の配置を示した底面図、
図7は、
図5のVII-VII’線に沿った断面図である。
【0028】
図1に示すように、背のう部本体14の底面15において、尾錠24の左右両側には一対の調整部材30a、30bが設けられている。
図5に示すように、固定板31において、尾錠24の左側(
図5の左側)には、左側の連結環33a(第1連結環)の移動方向を規定する案内経路としての案内孔32aが設けられた調整部材30aが設けられ、尾錠24の右側には、右側の連結環33b(第2連結環)の移動方向を規定する案内経路としての案内孔32bが設けられた調整部材30bが設けられている。
【0029】
固定板31を構成する材料は、一対の連結環33a、33bを互いに連結したばね36の弾性力や連結環33a、33bの移動に対する耐久性や剛性、ランドセル11の全体の重量や重量バランスなどを鑑みて選択することが好ましく、例えばアルミニウムなどの軽量で耐久性の高い金属で構成するとよい。
【0030】
左右一対の調整部材30a、30bは、それぞれに設けられた案内孔32a、32bが、前側、すなわち背当て部13側へ向かうほど互いの距離が広がるようなハの字形状となるように設けられている。別言すると、一対の調整部材30a、30bは、左右方向(
図5~
図7の左右方向)において、それぞれの前側の側面31f間の距離の方が、それぞれの後側の側面31r間の距離よりも大きくなるように配置されている。
【0031】
このハの字形状については、
図5に示す平面視において、一対の連結環33a、33bの中心を結ぶ直線の延びる方向C1と、案内孔32aが延びる方向(所定方向)C2とのなす角度θは約140度となっている。これは、方向C1と案内孔32bが延びる方向C3についても同様である。このような角度θとすることによって、使用者が背負いベルト17a、17bを操作するときの操作性を確保しつつ、使用者への密着性を高めることが可能となる。このような操作性と密着性を両立するためには、上記角度θは120度~150度程度の範囲に設定することが好ましく、120度未満では背負いベルト17a、17bが使用者の真後ろに近い方向に延びるため操作性が低下してしまい、150度を超えると背負いベルト17a、17b横方向へ延びてしまうため十分な密着性を確保することが難しくなる。
【0032】
図1・
図2に示すように、左側の背負いベルト17aの下端部17dには、左側の連結環33aが接合され、右側の背負いベルト17bの下端部17dには、右側の連結環33bが連結されている。一対の連結環33a、33bは、一対の案内孔32a、32bの幅よりも、それぞれ大きな外径を有している。連結環33a、33bを構成する材料は、ばね36の弾性力に抗して移動させることに対する耐久性・剛性や、ランドセル11全体の重量や重量バランスを考慮して選定することが好ましく、例えば、アルミニウムなどの軽量の金属や硬性の合成樹脂で構成するとよい。
【0033】
図7に示すように、連結環33a、33bからは、軸部34a、34bがそれぞれ延びており、この軸部34a、34bは、固定板31の内部へ、厚み方向(上下方向)に沿って延びている。軸部34a、34bの下部は、案内孔32a、32bを介して、
固定板31の内部空間31a、31bにそれぞれ挿入されている。
図6・
図7に示すように、内部空間31a、31bは、互いに左右対称な形状を有し、連結溝36aを介して互いに接続されている。連結溝36aは、内部空間31a、31bを上下に貫通することなく凹設された溝である。連結溝36aは、前後方向及び上下方向のいずれにおいても、内部空間31a、31bよりも小さなサイズをそれぞれ有しているため、連結環33a、33bが挿入されることがない。よって、連結環33a、33bは、案内孔32a、32bに沿ってそれぞれ移動可能である一方で、連結溝36a内への侵入は規制されている。
【0034】
軸部34a、34bには、案内孔32a、32bの幅よりも大きな直径を有する円板状の止め板35a、35b(ナット)がそれぞれ固定されている。この止め板35a、35bを内部空間31a、31b内に配置することによって、連結環33a、33bが案内孔32a、32bから外れることが防止され、かつ、案内孔32a、32bに沿って移動可能となっている。
【0035】
図6・
図7に示すように、内部空間31a、31bに挿入された軸部34a、34bには、弾性体としてのばね36の両端がそれぞれ固定されている。このばね36は引っ張りばねであって、連結溝36a内に配置されるとともに、両端部が内部空間31a、31b内で、軸部34a、34bにそれぞれ固定されている。
【0036】
ばね36は、連結環33a、33bが互いに近づくように、別言すると、一方の連結環33aが、案内孔32aにおいて連結溝36aとの接続位置に近接して配置され、かつ、他方の連結環33bが案内孔32bにおいて連結溝36aとの接続位置に近接して配置されるように、連結環33a、33bを変位させる付勢力(弾性力)を有する。連結環33a、33bは、固定板31における案内孔32a、32bのハの字状の形状により、連結溝36aとの接続位置に配置されたとき、最も後側に位置することとなる。
【0037】
左右の背負いベルト17a、17bのいずれからの力が加わっていない状態においては、ばね36が収縮しようとする弾性力により、連結環33a、33bは、それぞれの案内孔32a、32bにおいて、最も連結溝36a側に位置する。
【0038】
これに対して、使用者20がランドセル11を背負うために背負いベルト17a、17bを操作すると、その操作力に応じて、ばね36の弾性力に抗して連結環33a、33bが案内孔32a、32b内を外側へそれぞれ移動し、ばね36は伸張する。
【0039】
例えば、使用者20が、その背中21に背当て部13を当てた状態で、背負いベルト17a、17bを前方に引くと、これにしたがって、ばね36の弾性力に逆らって連結環33a、33bが前側かつ外側へ移動する。これによって、使用者20は、左右の背負いベルト17a、17bの位置を調整することができる。よって、使用者20は、背負いベルト17a、17bと背のう部本体14との間に所望の間隔を形成できるため、ランドセル11を容易に背負うことができる。
【0040】
一方、背負いベルト17a、17bを前方に引く力を解除すると、ばね36の弾性力によって連結環33a、33bが、案内孔32a、32bに沿って後側かつ内側へ移動するため、ランドセル11は、使用者20の背中21から離れた状態(
図2で破線で示す状態S2)から使用者20側(
図2のT方向)へ変位し、背負いベルト17a、17bを使用者20の胸22に密着させることができ、使用者20の背中21と背当て部13の密着度を高めることが可能となる(
図2で実線で示す状態S1)。
【0041】
さらに、ランドセル11を背負った使用者20が背負いベルト17a、17bを前方に引くと、ばね36の弾性力に逆らって連結環33a、33bが前側かつ外側に移動するため、背負いベルト17a、17bと使用者20の胸22との間に所望の間隔を形成できることから、背負いベルト17a、17bを使用者20の肩から容易に外すことが可能となる。
【0042】
このように、固定板31において案内孔32a、32bが前側へ向かうほど広がるハの字状に形成されていることから、使用者20の肩からの背負いベルト17a、17bの脱離がさらに容易となっている。
【0043】
なお、上述の構成においては、コイルばねであるばね36を用いていたが、連結環33a、33bを互いに近づけかつ後側へ変位させることができれば、ばね以外の弾性体、例えばゴム材や、弾性を有するプラスチック材や、コイルばね以外の形態のばねを用いることもできる。
また、上述の第1実施形態の背負いベルトの取付構造は、ランドセル以外のリュックサックその他の背負い鞄にも適用可能である。
【0044】
図8は変形例における固定板31の構成を示す断面図であって、
図7に対応する位置における図である。上記実施形態においては、1本の引っ張りばねとしてのばね36を用いて、2つの連結環33a、33bを弾性的に支持していたが、これに代えて、
図8に示すように、互いに独立した2つのばね37a、37b(弾性体)を用いて、2つの連結環33a、33bを弾性的に支持することもできる。
【0045】
図8に示すように、連結溝36aの左右の端部には、2つの支持部38a、38bがそれぞれ設けられ、一方の支持部38aには、第1の引っ張りばね37aの端部が固定され、他方の支持部38bには、第2の引っ張りばね37bの端部が固定されている。連結環33a、33bが案内孔32a、32bに沿ってそれぞれ移動可能な点は上記実施形態と同様である。
【0046】
第1の引っ張りばね37aは、左側の端部が軸部34aの下部に固定され、右側の端部が支持部38aに固定されている。使用者20が背負いベルト17aを引く操作を行うと、それに応じて連結環33aが、第1引っ張りばね37aの弾性力に逆らって、案内孔32aに沿って左側へ移動する。これに対して、使用者20の操作が終了し、又は、背負いベルト17aに負荷がかかっていない場合には、第1の引っ張りばね37aは、その弾性力によって収縮し、33aを固定板31の中央側へ移動させる。
【0047】
第2の引っ張りばね37bは、右側の端部が軸部34bの下部に固定され、左側の端部が支持部38bに固定されている。第2の引っ張りばね37bにおいても、使用者20が背負いベルト17bを引く操作を行うと、それに応じて連結環33bが、第2引っ張りばね37bの弾性力に逆らって、案内孔32bに沿って右側へ移動する。これに対して、使用者20の操作が終了し、又は、背負いベルト17bに負荷がかかっていない場合には、第2の引っ張りばね37bは、その弾性力によって収縮し、33bを固定板31の中央側へ移動させる。
【0048】
なお、ばね37a、37bについても、上記ばね36と同様に、ばね以外の弾性体、例えばゴム材や、弾性を有するプラスチック材や、コイルばね以外の形態のばねを用いることもできる。
【0049】
<尾錠>
ランドセル11は、引張帯18を、背のう部本体14の下部の底面15に対して固定した状態と、背のう部本体14の下部の底面15から離間可能な状態とに択一的に選択可能とする尾錠24を備える。
図9は、尾錠24の雄部40と雌部50の構成を示す斜視図である。
図10は、雄部40と、分解した雌部50の構成を示す斜視図である。
図11(a)は雄部40と雌部50を係合させる前の状態を示し、(b)は雄部40と雌部50を係合させた固定状態を示し、(c)は雄部40と雌部50の係合を解除するために操作部材80をスライドさせた後の状態を示し、(d)は雄部40と雌部50の係合が解除された後の状態を示す断面図である。
図12(a)は雄部40と雌部50を係合させる前の状態を示し、(b)は雄部40上に雌部50を載置した状態を示し、(c)は(b)の状態から雄部40へ雌部50を押し入れて雌部50と雄部40を係合させた固定状態を示し、(d)は雄部40と雌部50の係合を解除するために操作部材80をスライドさせた後の状態を示し、(e)は雄部40と雌部50の係合が解除された後の状態を示す断面図である。
図11(a)~(d)は
図9のXI-XI’線に沿った位置における断面図であり、
図12(a)~(e)は
図9のXII-XII’線に沿った位置における断面である。
【0050】
<雌部>
図9と
図10に示すように、雌部50は、上下方向(Z1-Z2方向)に沿って延びる略長板状をなす、外板60、保持板70、操作部材80、及び、裏板90とを備える。操作部材80は、上下方向に沿ってスライド可能な状態で、保持板70の凹部71と裏板90で挟まれた空間に保持される。外板60は、保持板70の外側(Y2側)において、保持板70に対向するように配置され、保持板70を保護する。保持板70と裏板90は、
図10に一部を示すビス100によって互いに固定される。雌部50は、3つの雌部側磁石84、85、86(第2マグネット)を除いて、非磁性で、蓋板16の開閉操作などに対する耐久性を有する材料、例えば真鍮(黄銅)、チタン、ステンレス鋼、合成樹脂で構成される。
【0051】
保持板70は、操作部材80が配置される側の面に凹部71を備え、この凹部71には、上下方向(所定方向)に並んだ2つの係合孔部72、73が設けられている。係合孔部72、73は、保持板70を厚み方向(Y1-Y2方向)に貫通するように形成され、雄部40の突起体42を挿入可能な、互いに同一の平面形状を備える。ここで平面形状とは、雌部50の厚み方向(Y1-Y2方向)に沿って見た形状である。
【0052】
操作部材80は、保持板70の凹部71と裏板90で挟まれた空間内に配置され、上下方向(Z1-Z2方向)に沿ってスライド可能である。操作部材80のスライドは、上方向(Z1方向)については、上側の先端面88が凹部71の上側の内面71aに当接する位置までスライド可能であり、また、下方向(Z2方向)については、下側の端面89が凹部71の下側の内面71bに当接する位置までスライド可能である。操作部材80には、その下側の端面89から下側へ延びるように舌部87が設けられており、操作部材80を保持板70の凹部71と裏板90の間に配置したときに、舌部87は、外側へ延出しており、この舌部87を把持して操作することにより、操作部材80を上下方向にスライドさせることができる。
【0053】
操作部材80の本体部81には、厚み方向に貫通する2つの開口部82、83が設けられている。これらの開口部82、83は、雄部40の突起体42が挿入可能であり、かつ、突起体42が挿入された状態で操作部材80を上下方向に沿ってスライド可能な上下方向の長さを有する。
【0054】
下側の開口部82の左右の内面の上側の領域には、第2係合部としての一対の突起部82a、82bが、左右方向(X1-X2方向)において互いに対向するように設けられている。これら一対の突起部82a、82bは、互いに近づき、かつ、裏板90側へ突出するように形成されている。同様に、上側の開口部83の左右の内壁の上側の領域にも、一対の突起部83a、83bが左右方向において互いに対向するように設けられている。これら一対の突起部83a、83bは、互いに近づき、かつ、裏板90側へ突出するように形成されている。
【0055】
操作部材80の本体部81には、上下方向(Z1-Z2方向)において等間隔に、平面視矩形状の3つの雌部側磁石84、85、86(第2マグネット)が配置されている。第1の雌部側磁石84は下側(Z2側)の開口部82の下側に隣接するように配置され、第2の雌部側磁石85は、2つの開口部82、83の間であって両者に隣接するように配置され、第3の雌部側磁石86は開口部83の上側(Z1側)に隣接するように配置されている。3つの雌部側磁石84、85、86は、左右方向において、2つの開口部82、83と中心が一致するように配置され、かつ、2つの開口部82、83よりも小さな幅を有する。これらの雌部側磁石84、85、86は、裏板90側に互いに同じ磁極が位置するように配置され、雄部40に設けた固定用磁石43a、43b(第1マグネット)との間で互いに磁気的に吸引させたときに、背のう部本体14に対して引張帯18が確実に固定・保持されるような強さの磁性を有する。
【0056】
2対の突起部82a、82b、83a、83bは、3つの雌部側磁石84、85、86(第2マグネット)のうちの隣り合う2つの磁石と、雄部40の2つの固定用磁石43a、43b(第1マグネット)とがそれぞれ対向し、磁気的に吸引されたとき(
図11(b)参照)に、雄部40の突起体42に設けた爪部45a、45bに係合又は係止する位置に設けられている(
図11(b)、
図12(c)参照)。また、操作部材80のスライドにより、操作部材80の雌部側磁石84、85、86と、雄部40の固定用磁石43a、43bとが対向しない状態となったとき(
図11(c)参照)には、2対の突起部82a、82b、83a、83bは、爪部45a、45bとの係合(係止)が解除される(
図12(d)参照)。
【0057】
裏板90には、厚み方向(Y1-Y2方向)に貫通した開口部91が設けられている。この開口部91は、操作部材80の3つの雌部側磁石84、85、86、及び、2つの開口部82、83を、Y1-Y2方向に投影した形状を有する。よって、操作部材80と裏板90を互いに重ねると、操作部材80が上下方向に沿ってスライド可能な状態で、3つの雌部側磁石84、85、86が開口部91内に収容される。また、操作部材80をスライド可能に挟んだ状態で保持板70と裏板90を互いに固定したとき、保持板70の係合孔部72と操作部材80の開口部82と開口部91が厚み方向に沿って連なった貫通孔が形成され、また、保持板70の係合孔部73と操作部材80の開口部83と開口部91についても厚み方向に沿って連なった貫通孔が形成される。
【0058】
<雄部>
図9又は
図10に示すように、雄部40は、第1マグネットとしての2つの固定用磁石43a、43b、及び、第3マグネットとしての2つの解除用磁石44a、44bを除いて、雌部50と同様の材料、すなわち、非磁性で、バの開閉操作などに対する耐久性を有する材料、例えば真鍮(黄銅)、チタン、ステンレス鋼、合成樹脂で構成される。
【0059】
雄部40は、幅方向(X1-X2方向)の中央において、雌部50を収容可能な凹部41を備える。この凹部41の平面視、すなわち雄部40の厚み方向(Y1-Y2方向)に沿って見た状態において略中央には、垂直外側へ突出する突起体42が設けられ、この突起体42は、雄部40と雌部50をY1-Y2方向に沿って対向させたときに、雌部50側へ突出する。この突起体42は、左右方向(X1-X2方向)においては、保持板70の係合孔部72、73、操作部材80の開口部82、83、及び、裏板90の開口部91に挿通可能な幅を有し、厚み方向(Y1-Y2方向)においては、組み上げられた雌部50に挿通したときに先端面42aが外側へ延出するような高さを有する(
図11(b)、
図12(c)参照)。
【0060】
上下方向(Z1-Z2方向)において、突起体42の下側(Z2側)には第3マグネットとしての解除用磁石44aが並設され、この解除用磁石44aのさらに下側には第1マグネットとしての固定用磁石43aが並設されている。また、突起体42の上側(Z1側)には第1マグネットとしての固定用磁石43bが並設され、この固定用磁石43bの上側には、第3マグネットとしての解除用磁石44bが並設されている。固定用磁石43a、43b及び解除用磁石44a、44bはそれぞれ、平面視矩形状の形状を有している。また、固定用磁石43a、43b及び解除用磁石44a、44bのそれぞれの上下方向における幅は、雌部50に設けた雌部側磁石84、85、86の幅と同一、又は、より広いことが好ましく、これにより、操作部材80の位置によって、雌部側磁石84、85、86に対する磁気的な吸着と反発を確実に区別して得ることができる。
【0061】
第1マグネットとしての2つの固定用磁石43a、43bの上下方向における間隔は、第3マグネットとしての解除用磁石44a、44bの間隔と同一とされており、かつ、この間隔は、操作部材80の雌部側磁石84、85、86の間隔と同一とされている。
【0062】
第1マグネットとしての2つの固定用磁石43a、43bは、雄部40と雌部50をY1-Y2方向に沿って対向させたときに、雌部50側に互いに同じ磁極が位置するように配置される。この固定用磁石43a、43bの磁極は、Y1-Y2方向において、操作部材80の雌部側磁石84、85、86とは逆の極性とされている。よって、雄部40の固定用磁石43a、43bと、操作部材80の雌部側磁石84、85、86のうちの2つとをそれぞれ対向させると、互いに磁気的に吸引される。
【0063】
一方、第3マグネットとしての解除用磁石44a、44bは、第1マグネットとしての2つの固定用磁石43a、43bとは逆向きに磁極が配置されている。したがって、これらの解除用磁石44a、44bと、操作部材80の雌部側磁石84、85、86のうちの2つとをそれぞれ対向させると、互いに磁気的に反発する。
【0064】
図12に示すように、突起体42の左右方向(X1-X2方向)の両側面からは、第1係合部としての一対の爪部45a、45bが外側へ延出している。一対の爪部45a、45bは、それぞれ、突起体42の内部に一端が固定された一対のばね46a、46b(弾性体)の他端に固定されており、ばね46a、46bの弾性力によって外側へ広がるように付勢されている。なお、爪部45a、45bを付勢することができれば、ばね46a、46b以外の弾性部材を用いることもできる。
なお、一対の爪部45a、45b及びばね46a、46bは、
図2から
図10では省略している。
【0065】
<雌部と雄部の係合及び解除>
以下、
図11と
図12を参照して、雌部50と雄部40の係合、固定、及び、解除の工程について説明する。
(1)まず、蓋板16を閉じ、
図11(a)と
図12(a)に示すように、厚み方向又は前後方向(Y1-Y2方向)において、雌部50と雄部40を互いに対向させる。
【0066】
(2)次に、雌部50を雄部40に押し当てることにより、
図12(b)に示すように、雄部40の突起体42を、雌部50の下側の開口部82及び係合孔部72に挿入する。このとき、
図11(b)に示すように、雌部50の雌部側磁石84、85と、雄部40の固定用磁石43a、43bとがそれぞれ対向し、逆向きの極性同士の吸引力が働くことにより、雌部50と雄部40が磁力によって確実に吸着される。このとき、
図11(b)、
図12(c)に示すように、雌部50は、厚み方向(Y1-Y2方向)において突起体42の先端面42aが保持板70の表面74から突出するまで、雄部40に吸着する。
【0067】
この過程において、一対の突起部82a、82bは、一対の爪部45a、45bを突起体42の内側へ押し込んだ後に、これらの奥側(Y1側)に入り込む。この状態では、一対の爪部45a、45bは、一対のばね46a、46bの弾性力により外側へ変位し、雌部50内に突起体42を挿入する前の位置まで回復している。よって、厚み方向において、一対の爪部45a、45bが一対の突起部82a、82bの移動を規制するように係合(係止)することから、雌部50と雄部40とが互いに係合される。したがって、雌部側磁石84、85と、固定用磁石43a、43bとの磁気的な吸引、及び、爪部45a、45bによる、突起部82a、82bの移動の規制によって、雌部50と雄部40の係合状態が確実に維持され、互いに固定される。
【0068】
(3)雌部50と雄部40の係合の解除は操作部材80を上下方向(Z1-Z2方向)に沿ってスライドする、すなわち、操作部材80を雌部50と雄部40に対して相対移動させることによって行う。このスライドによって、
図11(c)に示すように、操作部材80は、雌部側磁石84、85が、雄部40の解除用磁石44a、44bと対向する位置まで変位する。この位置においては、
図12(d)に示すように、雌部50の突起部82a、82bは雄部40の爪部45a、45bとは接触しておらず、雌部50が雄部40から離間することの規制は解除されている。これにより、互いに同じ向きの極性を有する、雌部側磁石84、85と、解除用磁石44a、44bとの間の反発力により、雌部50と雄部40は互いに離間し、使用者20は容易に蓋板16を持ち上げることができる(
図11(d)、
図12(e))。
【0069】
以上の説明では、雄部40の突起体42を雌部50の下側(Z2側)の開口部82及び係合孔部72に挿入する場合について述べたが、上側(Z1側)の開口部83と係合孔部73に挿入する場合についても同様である。したがって、突起体42は、係合孔部72及び開口部82と、係合孔部73及び開口部83との一方に対して択一的に挿入可能であり、これにより、上下方向における雌部50の位置を変更することができるため、ランドセル11の収納量などに応じて、背のう部本体14に対する引張帯18の位置を変えることができる。
【0070】
以上述べたように、本実施形態のランドセル11においては、雌部側磁石84、85と固定用磁石43a、43bのそれぞれとの磁気的な吸引力より、雌部50を雄部40に近づける操作で簡単に蓋板16を閉じることができ、かつ、突起部82a、82bと爪部45a、45bとの係合により確実に固定状態を維持できる。これにより、使用時の振動を抑えることができるため、留め具の損傷を抑えることができる。
【0071】
さらに、操作部材80をスライドすることによって、雌部側磁石84、85と固定用磁石43a、43bとの間の磁気的な吸引を解除でき、かつ、磁気的な反発によって雌部50と雄部40の離間状態を維持できる。したがって、このような操作によって、ランドセル11の蓋板16の開閉を簡便に行うことができる。
【0072】
<第2実施形態>
図13は、第2実施形態に係るランドセル101の全体斜視図である。
図14(a)、(b)は、一対の調整部材30a、30b、一対の連結環33a、33b、及び、尾錠110が配置された、固定板102の平面図であって、(a)は尾錠110の雌部120及び雄部130が位置決め部材140に対して位置決めされていない状態を示し、(b)は雌部120及び雄部130が位置決め部材140に対して位置決めされた状態を示している。
図15(a)は
図14(a)のXVA-XVA’線に沿った断面図、(b)は
図14(b)のXVB-XVB’線に沿った断面図である。
図16は、尾錠110を構成する、雌部120、雄部130、及び、位置決め部材140を分解して示す斜視図である。
【0073】
第2実施形態においては、第1実施形態の尾錠24に代えて、
図13~
図16に示す、別の構成の尾錠110を備えている。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ参照符号を使用し、詳細な説明は省略する。
【0074】
図13に示すように、背のう部本体14の下部の底面15には、第1実施形態の固定板31と同様の構成・材料からなる固定板102が配置されている。
図14に示すように、固定板102において、中央に位置する尾錠110の左右両側には、第1実施形態と同様に、一対の調整部材30a、30bや一対の連結環33a、33bなどが設けられている。一対の調整部材30a、30b、及び、一対の連結環33a、33bは第1実施形態と共通するため詳細な説明は省略する。
【0075】
図16に示すように、尾錠110は、引張帯18の先端に設けられた第2部材としての雌部120と、雌部120と係合する第1部材としての雄部130と、背のう部本体14の底面15(背のう部本体14の下部)に取り付けられる位置決め部材140とを備える。
なお、第2部材として雄部を設け、第1部材として雌部を設けることも可能である。
【0076】
<雌部>
第1実施形態では、雌部50が、外板60、保持板70、操作部材80、及び、裏板90で構成されていたが、第2実施形態の雌部120も同様の構成を有する。第1実施形態の雌部50においては、雄部40の突起体42が挿入される位置として、上下方向(Z1-Z2方向)において、2つの係合孔部72、73、及び、これらに対応する2つの開口部82、83に共通して2カ所が設定されていたが、第2実施形態の雌部120では1カ所のみとなっている(
図16参照)。すなわち、第1実施形態と同様に、保持板(不図示)に係合孔部が設けられ、この係合孔部に対応するように、操作部材124に孔部121が形成されており、孔部121は上下方向の中央に配置されている。
【0077】
図16に示すように、孔部121に関して上下対称の位置には、平面視矩形状の一対の雌部側磁石122、123(第2マグネット)が配置されている。これらの雌部側磁石122、123は、第1実施形態の雌部側磁石84、85、86と同様の磁石を用いる。
【0078】
雌部側磁石122、123は、第1実施形態と同様に、操作部材124に設けられている。操作部材124は、第1実施形態の操作部材80と同様に、雌部120内の空間に配置され、外側へ延出した舌部124aを操作することによって、上下方向に沿ってスライド可能である。このスライドによって、一対の雌部側磁石122、123が上下方向に変位する。
【0079】
孔部121の左右の内面には、第2係合部としての一対の突起部125a、125bが、左右方向(X1-X2方向)において互いに対向するように設けられている。これらの突起部125a、125bは、第1実施形態における、一対の突起部82a、82b、又は、一対の突起部83a、83bと同様の構成である。
【0080】
一対の突起部125a、125bは、2つの雌部側磁石122、123(第2マグネット)と、雄部130の2つの固定用磁石133a、133b(第1マグネット)とがそれぞれ対向し、磁気的に吸引されたときに、雄部130の突起体132に設けた爪部(不図示)に係合又は係止する位置に設けられている。また、操作部材124のスライドにより、操作部材124の雌部側磁石122、123と、雄部130の固定用磁石133a、133bとが対向しない状態となったときには、一対の突起部125a、125bは、上記爪部との係合(係止)が解除される。なお、上記爪部の構成は、第1実施形態の爪部45a、45bと同様である。
【0081】
<雄部>
図16に示すように、雄部130は、第1マグネットとしての2つの固定用磁石133a、133b、及び、第3マグネットとしての2つの解除用磁石134a、134bを備え、雌部120と同様の材料で構成される。
【0082】
雄部130は、幅方向(X1-X2方向)の中央において、雌部120を収容可能な凹部131を備える。この凹部131の平面視において略中央には、垂直外側へ突出する突起体132が設けられ、この突起体132は、第1実施形態の突起体42と同様に、雄部130と雌部120を対向させたときに、雌部120側へ突出する。
【0083】
第1実施形態と同様に、突起体132の下側(Z2側)には第3マグネットとしての解除用磁石134aが並設され、この解除用磁石134aのさらに下側には第1マグネットとしての固定用磁石133aが並設されている。また、突起体132の上側(Z1側)には第1マグネットとしての固定用磁石133bが並設され、この固定用磁石133bの上側には、第3マグネットとしての解除用磁石134bが並設されている。固定用磁石133a、133b及び解除用磁石134a、134bはそれぞれ、平面視矩形状の形状を有している。また、固定用磁石133a、133b及び解除用磁石134a、134bのそれぞれの上下方向における幅は、雌部120に設けた雌部側磁石122、123の幅と同一、又は、より広いことが好ましく、これにより、操作部材124の位置によって、雌部側磁石122、123に対する磁気的な吸着と反発を確実に区別して得ることができる。
【0084】
第1マグネットとしての2つの固定用磁石133a、133bの上下方向における間隔は、第3マグネットとしての解除用磁石134a、134bの間隔と同一とされており、かつ、この間隔は、操作部材124の雌部側磁石122、123の間隔と同一とされている。
【0085】
第1マグネットとしての2つの固定用磁石133a、133bは、雄部130と雌部120を対向させたときに、雌部120側に互いに同じ磁極が位置するように配置される。この固定用磁石133a、133bの磁極は、操作部材124の雌部側磁石122、123とは逆の極性とされている。よって、雄部130の固定用磁石133a、133bと、操作部材124の雌部側磁石122、123とをそれぞれ対向させると、互いに磁気的に吸引される。
【0086】
一方、第3マグネットとしての解除用磁石134a、134bは、第1マグネットとしての2つの固定用磁石133a、133bとは逆向きに磁極が配置されている。したがって、これらの解除用磁石134a、134bと、操作部材124の雌部側磁石122、123とをそれぞれ対向させると、互いに磁気的に反発する。
【0087】
図16に示すように、雄部130の幅方向(X1-X2方向)の両側壁部135a、135bには、一対の係合部136、137がそれぞれ配置されている。
【0088】
図15(a)、(b)に示すように、第1の係合部136は、幅方向に沿って延びる本体部136aと、本体部136aから幅方向外側へ延びる薄板部136bと、薄板部136bから上側へ延びる押さえ部136cとを備え、第2の係合部137は、幅方向に沿って延びる本体部137aと、本体部137aから幅方向外側へ延びる薄板部137bと、薄板部137bから上側へ延びる押さえ部137cとを備える。薄板部136b、137bは、本体部部136a、137aに対して、厚みが薄く形成されている。
【0089】
本体部136a、137aは、それぞれ、雄部130の内部に配置されて幅方向に沿って延びる。本体部136a、137aは、幅方向において内側の端部136d、137dが、雄部130内において幅方向に沿って伸縮可能に配置された圧縮ばね138a、138bの伸縮方向の一方の端部にそれぞれ固定されている。圧縮ばね138a、138bの他方の端部は、130の内壁に固定されているため、本体部136a、137aは、圧縮ばね138a、138bの弾性力によって幅方向において外側へ付勢される。
【0090】
<雌部と雄部の係合及び解除>
まず、蓋板16を閉じ、雌部120と雄部130を互いに対向させる。
次に、雌部120を雄部130に押し当てることにより、雄部130の突起体132を、雌部120の孔部121に挿入する。このとき、雌部120の雌部側磁石122、123と、雄部130の固定用磁石133a、133bとがそれぞれ対向し、逆向きの極性同士の吸引力が働くことにより、雌部120と雄部130が磁力によって確実に吸着される。
【0091】
この過程において、雌部120の一対の突起部125a、125bが、一対の爪部(不図示)を突起体132の内側へ押し込んだ後に、これらの奥側に入り込み、雌部120と雄部130の係合状態が確実に維持され、互いに固定されるのは、第1実施形態と同様である。
【0092】
雌部120と雄部130の係合の解除は、第1実施形態と同様に、操作部材124を上下方向(Y1-Y2方向)に沿ってスライドする、すなわち、操作部材124を雌部120と雄部130に対して相対移動させることによって行う。このスライドによって、操作部材124は、雌部側磁石122、123が、雄部130の解除用磁石134a、134bと対向する位置まで変位する。この位置においては、雌部120の突起部125a、125bは雄部130の爪部(不図示)とは接触しておらず、雌部120が雄部130から離間することの規制は解除されている。これにより、互いに同じ向きの極性を有する、雌部側磁石122、123と、解除用磁石134a、134bとの間の反発力により、雌部120と雄部130は互いに離間し、使用者20は容易に蓋板16を持ち上げることができる。
【0093】
<位置決め部材140>
図16に示すように、位置決め部材140は、平面視矩形状をなしており、雌部120と雄部130と同様の材料で構成される。位置決め部材140の幅方向(X1-X2方向)の両端部には、奥行き方向(Z1-Z2方向)に沿って延びるとともに、本体部141から外側(Y2側)へ突出するように、一対の側壁部142、143がそれぞれ設けられている。
【0094】
第1の側壁部142は、奥行き方向に沿って延び、かつ、厚み方向(X1-X2方向)に貫通する案内孔部142a(被係合部)を備える。これと同様に、第2の側壁部143は、奥行き方向に沿って延び、かつ、厚み方向に貫通する案内孔部143a(被係合部)を備える。
【0095】
図16又は
図14(a)、(b)に示すように、案内孔部142aには、奥行き方向において一定の間隔で、3つの位置決め凹部142b、142c、142dが順に設けられている。これらの位置決め凹部142b、142c、142dは、いずれも、案内孔部142aから外側(Y2側)へ向けて凹設されている。位置決め凹部142b、142c、142dは、第1の側壁部142の内側から、厚み方向(X1-X2方向)に貫通しない有底の溝状に形成されている。
【0096】
第2の側壁部143に設けた案内孔部143aについても、位置決め凹部142b、142c、142dと同様に、3つの位置決め凹部143b、143c、143dが設けられている。位置決め凹部143b、143c、143dは、第2の側壁部143の内側から、厚み方向に貫通しない有底の溝状に形成されている。位置決め凹部143b、143c、143dは、奥行き方向(Z1-Z2方向)において、第1の側壁部142に設けた位置決め凹部142b、142c、142dのそれぞれと対応する位置に設けられている。
【0097】
2つの案内孔部142a、143aは、第1の係合部136の薄板部136b、137bよりも大きく、かつ、本体部136a、137aよりも小さい高さ(Y1-Y2方向)で凹設されている。第1の側壁部142の位置決め凹部142b、142c、142dと、第2の側壁部143の位置決め凹部143b、143c、143dとは、いずれも、案内孔部142a、143aと合わせた高さが、本体部136a、137aよりも大きくなるように凹設されている。
【0098】
図14(a)、(b)と
図15(a)、(b)に示すように、第1の係合部136は、第1の側壁部142の案内孔部142aを内側から外側へ貫通するように配置され、第2の係合部137は、第2の側壁部143の案内孔部143aを内側から外側へ貫通するように配置されている。このとき、押さえ部136cは第1の側壁部142の外側に配置され、押さえ部137cは第2の側壁部143の外側に配置されている。
【0099】
この構成によれば、第1の係合部136は圧縮ばね138aにより外側へ付勢されつつ案内孔部142aに係合して案内孔部142a内を移動可能とされ、第2の係合部137は圧縮ばね138bにより外側へ付勢されつつ案内孔部143aに係合して案内孔部143a内を移動可能とされる。したがって、雄部130は全体として、一対の案内孔部142a、143aに案内されながら奥行き方向(Z1-Z2方向)に移動可能となる。この移動の際には、
図14(a)と
図15(a)に示すように、本体部136aが第1の側壁部142の内壁に当接し、本体部137aが第2の側壁部143の内壁に当接している。
【0100】
雄部130の奥行き方向における移動において、第1の係合部136が位置決め凹部142cの位置に至るとともに、第2の係合部137が、上記位置決め凹部142cに対向する位置決め凹部143cの位置に至ると、
図14(b)と
図15(b)に示すように、第1の係合部136が圧縮ばね138aの弾性力によって外側へ変位して、本体部136aが位置決め凹部142c内に侵入し内壁に当接し、第2の係合部137も圧縮ばね138bの弾性力によって外側へ変位して、本体部137aが位置決め凹部143c内に侵入し内壁に当接する。これにより、本体部136aが位置決め凹部142c内で奥行き方向(Z1-Z2方向)の動きを規制され、かつ、本体部137aも位置決め凹部143c内で奥行き方向の動きを規制されるため、雄部130は全体として奥行き方向の位置が固定される。よって、雄部130に取り付けられた雌部120の位置も定まるため、雌部120に装着された引張帯18の位置も定まる。
なお、互いに対向する位置決め凹部142c、143cにおけるこのような作用は、第1の係合部136が、別の位置決め凹部142b、142dに至り、第2の係合部137が別の位置決め凹部143b、143dに至った場合も同様である。
【0101】
上述のように固定された雄部130において、互いに対向する2つの押さえ部136c、137cを互いに近づくように内側へ押し込むと、2つの圧縮ばね138a、138bが収縮する。このとき、位置決め凹部142cの内壁に当接していた本体部136aは位置決め凹部142cの内壁から離間し、位置決め凹部143cの内壁に当接していた本体部137aも位置決め凹部143cの内壁から離間するため、位置決め凹部142c、143cによる奥行き方向の移動の規制が解除されて、雄部130は奥行き方向に沿った移動が可能な状態となる。この状態から、第1の係合部136を、ほかの位置決め凹部142b、142dの位置へ移動させ、第2の係合部137をほかの位置決め凹部143b、143dの位置へ移動させると、引張帯18の位置を変更することができ、蓋板16の開き具合を調節することが可能となる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明に係る背のうは、背負いベルトの脱着操作性を確保でき、装着した状態においては、背のう部本体の背当て部の全体が使用者の背中に接触しやすくし、密着度を高めた良好な装着状態を確保できる点で有用である。
【符号の説明】
【0103】
11 ランドセル(背のう)
13 背当て部
14 背のう部本体
15 底面
16 蓋板
17a、17b 背負いベルト
17d 下端部
17u 上端部
18 引張帯
20 使用者
21 背中
22 胸
24 尾錠
30a、30b 調整部材
31 固定板
31a、31b 内部空間
31d 裏面カバー
31f、31r 側面
32a、32b 案内孔(案内経路)
33a、33b 連結環
34a、34b 軸部
35a、35b 止め板
36 ばね(弾性体)
36a 連結溝
37a、37b ばね(弾性体)
38a、38b 支持部
40 雄部
41 凹部
42 突起体
42a 先端面
43a、43b 固定用磁石
44a、44b 解除用磁石
45a、45b 爪部
46a、46b ばね
50 雌部
60 外板
70 保持板
71 凹部
71a、71b 内面
72、73 係合孔部
74 表面
80 操作部材
81 本体部
82、83 開口部
82a、82b、83a、83b 突起部
84、85、86 雌部側磁石
87 舌部
88 先端面
89 下側の端面
90 裏板
91 開口部
100 ビス
101 ランドセル(背のう)
102 固定板
110 尾錠
120 雌部(第2部材)
121 孔部
122、123 雌部側磁石
124 操作部材
124a 舌部
125a、125b 突起部
130 雄部(第1部材)
131 凹部
132 突起体
133a、133b 固定用磁石
134a、134b 解除用磁石
135a、135b 側壁部
136 第1の係合部
136a 本体部
136b 薄板部
136c 押さえ部
136d 端部
137 第2の係合部
137a 本体部
137b 薄板部
137c 押さえ部
137d 端部
138a、138b 圧縮ばね
140 位置決め部材
141 本体部
142 第1の側壁部
142a 案内孔部
142b、142c、142d 位置決め凹部
143 第2の側壁部
143a 案内孔部
143b、143c、143d 位置決め凹部
C1 一対の連結環を結ぶ方向
C2、C3 案内孔が延びる方向(所定方向)