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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/627 20210101AFI20230905BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20230905BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20230905BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20230905BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230905BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20230905BHJP
   H01G 11/80 20130101ALI20230905BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20230905BHJP
【FI】
H01M50/627
H01M50/645
H01M50/15
H01M50/103
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01G11/80
H01G11/84
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020206988
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022094139
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】村田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
(72)【発明者】
【氏名】丸林 啓則
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-114799(JP,A)
【文献】特開2016-143508(JP,A)
【文献】特開2016-076346(JP,A)
【文献】特開2013-084480(JP,A)
【文献】中国実用新案第206727177(CN,U)
【文献】特開2014-099351(JP,A)
【文献】特開昭54-057135(JP,A)
【文献】特開2014-212130(JP,A)
【文献】特開2020-098687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/609-664
H01M 50/15
H01M 50/103
H01M 10/04
H01M 10/058
H01G 11/84
H01G 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極を有する電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記外装体の前記開口を封口し、貫通孔と、前記電極体と対向する側の面において前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、
前記封口板の前記貫通孔を封止する封止部材と、
を備え、
前記封止部材は、
前記貫通孔に挿通された挿通部と、
前記挿通部から前記外装体の内部に延び、前記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、
を有し、
前記拡径部の少なくとも一部は、前記封口板の前記凹部の内部に配置されており、
前記封口板は、略矩形状であり、
前記拡径部は、前記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、
ここで、前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、
前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、
前記断面X1および前記断面X2は、前記最大幅部を通過し、且つ前記電極体と交わらない直線Aを有し、
前記封止部材は、ブラインドリベットである、
電池。
【請求項2】
前記貫通孔は、注液孔である、
請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記封口板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、
前記断面X1および前記断面X2のそれぞれにおいて、前記直線Aの前記封口板を通過する距離が、10mm以下である、
請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記断面X1および前記断面X2のそれぞれにおいて、前記直線Aが前記凹部を通過する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の電池。
【請求項5】
前記凹部は、底面と、前記底面の外縁から前記電極体の側に立ち上がる側面とを有し、
前記断面X1および前記断面X2のそれぞれにおいて、前記直線Aが前記凹部の前記底面を通過する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の電池。
【請求項6】
前記封口板は、厚みが略均一なベース部を有し、
前記断面X1および前記断面X2のそれぞれにおいて、前記直線Aが前記ベース部の前記電極体と対向する側の面を通過しない、
請求項1から5のいずれか1つに記載の電池。
【請求項7】
前記ブラインドリベットは、袋部を含み、
前記袋部は、前記拡径部を含む、
請求項1から6のいずれか1つに記載の電池。
【請求項8】
前記凹部の側壁にテーパが設けられている、
請求項1から7のいずれか1つに記載の電池。
【請求項9】
正極および負極を有する電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記外装体の前記開口を封口し、貫通孔と、前記電極体と対向する側の面において前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、
前記封口板の前記貫通孔を封止する封止部材と、
を備え、
前記封止部材は、
前記貫通孔に挿通された挿通部と、
前記挿通部から前記外装体の内部に延び、前記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、
を有し、
前記拡径部の少なくとも一部は、前記封口板の前記凹部の内部に配置されており、
前記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有し、
前記拡径部は、前記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、
前記凹部は、底面と、前記底面の外縁から前記電極体の側に立ち上がる側面とを有し、
ここで、前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、
前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、
前記断面X1において、
前記封止部材の中心軸に対して平行で且つ前記最大幅部を通過する直線1と、前記ベース部の前記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点Aとし、
前記電極体の前記封口板の側の面における接線であり、前記点Aを通過する直線を直線Bとし、
前記直線1と、前記凹部の前記底面と、が交差する点を点Bとし、
前記直線Bに平行で、且つ前記点Bを通過する直線を直線Cとすると、
前記直線Bおよび前記直線Cは、前記凹部の前記底面または前記側面を通過し、
前記断面X2において、
前記封止部材の中心軸に対して平行で且つ前記最大幅部を通過する直線1’と、前記ベース部の前記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点A’とし、
前記電極体の前記封口板の側の面における接線であり、前記点A’を通過する直線を直線B’とし、
前記直線1’と、前記凹部の前記底面と、が交差する点を点B’とし、
前記直線B’に平行で、且つ前記点B’を通過する直線を直線C’としたときに、
前記直線B’および前記直線C’は、前記凹部の前記底面または前記側面を通過し、
前記直線Bおよび前記直線B’が前記凹部の前記底面を通過し、
前記封止部材は、ブラインドリベットである、
電池。
【請求項10】
前記直線Cと前記凹部の前記側面との最短距離、および、前記直線C’と前記凹部の前記側面との最短距離が、それぞれ15mm以内である、
請求項9に記載の電池。
【請求項11】
正極および負極を有する電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記外装体の前記開口を封口し、貫通孔と、前記電極体と対向する側の面において前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、
前記封口板の前記貫通孔を封止する封止部材と、
を備え、
前記封止部材は、
前記貫通孔に挿通された挿通部と、
前記挿通部から前記外装体の内部に延び、前記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、
を有し、
前記拡径部の少なくとも一部は、前記封口板の前記凹部の内部に配置されており、
前記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有し、
前記拡径部は、前記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、
前記凹部は、底面と、前記底面の外縁から前記電極体の側に立ち上がる側面とを有し、
ここで、前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、
前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、
前記断面X1において、
前記最大幅部の前記電極体に近い側の端を点Xとし、
前記電極体の前記封口板の側の面における接線であり、前記点Xを通過する直線を直線Dとし、
前記最大幅部の前記封口板に近い側の端を点Yとし、
前記直線Dに平行で、且つ前記点Yを通過する直線を直線Eとしたときに、
前記直線Dおよび前記直線Eは、前記凹部の前記底面を通過し、
前記断面X2において、
前記最大幅部の前記電極体に近い側の端を点X’とし、
前記電極体の前記封口板の側の面における接線であり、前記点X’を通過する直線を直線D’とし、
前記最大幅部の前記封口板に近い側の端を点Y’とし、
前記直線D’に平行で、且つ前記点Y’を通過する直線を直線E’としたときに、
前記直線D’および前記直線E’は、前記凹部の前記底面を通過し、
前記封止部材は、ブラインドリベットである、
電池。
【請求項12】
正極および負極を有する電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記外装体の前記開口を封口し、貫通孔と、前記電極体と対向する側の面において前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、
前記封口板の前記貫通孔を封止する封止部材と、
を備え、
前記封止部材は、
前記貫通孔に挿通された挿通部と、
前記挿通部から前記外装体の内部に延び、前記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、
を有し、
前記拡径部の少なくとも一部は、前記封口板の前記凹部の内部に配置されており、
前記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有し、
前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記封止部材の中心を通過する断面C1において、前記封止部材の中心軸と、前記ベース部の前記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点Cとしたときに、
前記封口板の前記電極体から遠い側の面には、前記点Cから前記電極体の前記封口板の側の面に引いた接線と交わるように、溝部が設けられている、
電池。
【請求項13】
正極および負極を有する電極体と、開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、前記外装体の前記開口を封口し、貫通孔と、前記電極体と対向する側の面において前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、前記封口板の前記貫通孔を封止する封止部材と、を備え、
前記封口板は、略矩形状であり、
前記封止部材は、前記貫通孔に挿通された挿通部と、前記挿通部から前記外装体の内部に延び、前記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、を有し、
前記拡径部は、前記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、
前記拡径部の少なくとも一部は、前記封口板の前記凹部の内部に配置されている、
電池の製造方法であって、
前記貫通孔から前記外装体内に電解液を注液する注液工程と、
前記貫通孔に前記封口板の外面側から前記封止部材を挿入し、前記封止部材の先端を変形させることにより、前記拡径部を形成する拡径部形成工程と、
前記拡径部形成工程の後、X線を照射して前記拡径部が所定の形状となっているか否かを確認する確認工程と、
を有し、
ここで、前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、
前記封口板に対して垂直で、且つ前記封口板の短手方向に延び、前記最大幅部の前記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、
前記断面X1および前記断面X2は、前記最大幅部を通過し、且つ前記電極体と交わらない直線Aを有し、
前記確認工程では、前記直線Aに沿って、前記封口板に対して前記短手方向から斜めに前記X線を照射する、電池の製造方法。
【請求項14】
前記凹部は、底面と、前記底面の外縁から前記電極体の側に立ち上がる側面とを有し、
前記断面X1および前記断面X2のそれぞれにおいて、前記直線Aが前記凹部の前記底面を通過する、
請求項13に記載の電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正極および負極を有する電極体と、開口を有し電極体を収容する外装体と、注液孔が設けられ、外装体の開口を封口する封口板と、封口板の注液孔を封止する封止部材と、を備える電池が知られている。このような電池では、注液孔から電解液を注液した後、注液孔を封止部材で封止する。
【0003】
例えば特許文献1には、封止部材としてブラインドリベットを用いることが開示されている。ブラインドリベットは、かしめ加工後の状態で、注液孔に挿通された挿通部と、挿通部から外装体の外部に延び、注液孔よりも大径に形成された鍔状のフランジと、挿通部から外装体の内部に延び、挿通部よりも大径に形成された拡径部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-114799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電池では、ブラインドリベットの拡径部が封口板の下面から電極体に向かって突出している。このため、電極体の高さを、拡径部と干渉しないように低く抑える必要がある。その結果、外装体内で電極体の占める割合が小さくなり、電池の体積エネルギー密度が低くなってしまう課題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、体積エネルギー密度の高い電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により、正極および負極を有する電極体と、開口を有し、上記電極体を収容する外装体と、上記外装体の上記開口を封口し、貫通孔と、上記電極体と対向する側の面において上記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、上記封口板の上記貫通孔を封止する封止部材と、を備える電池が提供される。上記封止部材は、上記貫通孔に挿通された挿通部と、上記挿通部から上記外装体の内部に延び、上記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、を有する。上記拡径部の少なくとも一部は、上記封口板の上記凹部の内部に配置されている。
【0008】
本発明では、封口板の内面に凹部が設けられ、封止部材の少なくとも一部が当該凹部内に配置されている。このような構成により、封口板の下面から電極体に向かって突出する封止部材の長さ(突出高さ)を短くできる。したがって、例えば特許文献1の電池に比べて、相対的に電極体の上端部を封口板側に配置することができ、電極体の高さを高くできる。その結果、外装体の内部で電極体の占める体積割合を大きくすることができ、体積エネルギー密度の高い電池を提供できる。
【0009】
また、電池を出荷する前には、封口板に設けられた貫通孔が封止部材でしっかりと封止されていること(封止性)を確認する工程がある。本発明者らの検討によれば、封止性の確認は、例えば、X線検査によって封止部材の拡径部が所定の形状となっているか否かを確認することで行いうる。このとき、封口板の内面に凹部が設けられていると、X線が封口板を透過する距離(封口板通過距離)を短くすることができ、X線の透過が妨げられにくくなる。その結果、例えば封口板がX線を透過しにくい材質(例えば金属)で構成されていても、拡径部の鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、拡径部が所定の形状となっているか否かを精度よく判断できる。このため、安定してX線検査を行うことができ、封止部の信頼性が高い電池を提供できる。
【0010】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、略矩形状であり、上記拡径部は、上記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有する。ここで、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、上記断面X1および上記断面X2は、上記最大幅部を通過し、且つ上記電極体と交わらない直線Aを有する。このような構成では、X線検査においてX線を直線Aに沿って照射することで、最大幅部の鮮明なX線写真を得やすくなる。これにより、拡径部が所定の形状となっているか否かを精度よく判断できる。
【0011】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製である。上記断面X1および上記断面X2のそれぞれにおいて、上記直線Aの上記封口板を通過する距離が、10mm以下である。このような構成により、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0012】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記断面X1および上記断面X2のそれぞれにおいて、上記直線Aが上記凹部を通過する。このような構成により、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0013】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記凹部は、底面と、上記底面の外縁から上記電極体の側に立ち上がる側面とを有し、上記断面X1および上記断面X2のそれぞれにおいて、上記直線Aが上記凹部の上記底面を通過する。このような構成により、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0014】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、厚みが略均一なベース部を有し、上記断面X1および上記断面X2のそれぞれにおいて、上記直線Aが上記ベース部の上記電極体と対向する側の面を通過しない。このような構成により、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0015】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有し、上記拡径部は、上記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、上記凹部は、底面と、上記底面の外縁から上記電極体の側に立ち上がる側面とを有する。ここで、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、上記断面X1において、上記封止部材の中心軸に対して平行で且つ上記最大幅部を通過する直線1と、上記ベース部の上記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点Aとし、上記電極体の上記封口板の側の面における接線であり、上記点Aを通過する直線を直線Bとし、上記直線1と、上記凹部の上記底面と、が交差する点を点Bとし、上記直線Bに平行で、且つ上記点Bを通過する直線を直線Cとすると、上記直線Bおよび上記直線Cは、上記凹部の上記底面または上記側面を通過し、上記断面X2において、上記封止部材の中心軸に対して平行で且つ上記最大幅部を通過する直線1’と、上記ベース部の上記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点A’とし、上記電極体の上記封口板の側の面における接線であり、上記点A’を通過する直線を直線B’とし、上記直線1’と、上記凹部の上記底面と、が交差する点を点B’とし、上記直線B’に平行で、且つ上記点B’を通過する直線を直線C’としたときに、上記直線B’および上記直線C’は、上記凹部の上記底面または上記側面を通過する。このような構成により、凹部内に配置される最大幅部の全体を確認しやすくなる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができ、封止部の信頼性を向上できる。
【0016】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記直線Bおよび上記直線B’が上記凹部の上記底面を通過する。このような構成により、X線が封口板を透過する長さをさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0017】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記直線Cと上記凹部の上記側面との最短距離、および、上記直線C’と上記凹部の上記側面との最短距離が、それぞれ15mm以内である。このような構成により、凹部の幅を必要最小限に抑え、封口板の強度および耐変形性を高めることができる。
【0018】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有し、上記拡径部は、上記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有し、上記凹部は、底面と、上記底面の外縁から上記電極体の側に立ち上がる側面とを有する。ここで、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、上記断面X1において、上記最大幅部の上記電極体に近い側の端を点Xとし、上記電極体の上記封口板の側の面における接線であり、上記点Xを通過する直線を直線Dとし、上記最大幅部の上記封口板に近い側の端を点Yとし、上記直線Dに平行で、且つ上記点Yを通過する直線を直線Eとしたときに、上記直線Dおよび上記直線Eは、上記凹部の上記底面または上記側面を通過し、上記断面X2において、上記最大幅部の上記電極体に近い側の端を点X’とし、上記電極体の上記封口板の側の面における接線であり、上記点X’を通過する直線を直線D’とし、上記最大幅部の上記封口板に近い側の端を点Y’とし、上記直線D’に平行で、且つ上記点Y’を通過する直線を直線E’としたときに、上記直線D’および上記直線E’は、上記凹部の上記底面または上記側面を通過する。このような構成により、凹部内に配置される最大幅部の全体を確認しやすくなる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができ、封止部の信頼性を向上できる。
【0019】
ここに開示される電池の好適な一態様では、上記封口板は、略矩形状であり、厚みが略均一なベース部を有する。上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記封止部材の中心を通過する断面C1において、上記封止部材の中心軸と、上記ベース部の上記電極体と対向する側の面の延長線と、が交差する点を点Cとしたときに、上記封口板の上記電極体から遠い側の面には、上記点Cから上記電極体の上記封口板の側の面に引いた接線と交わるように、溝部が設けられている。このような構成により、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0020】
また、本発明により、正極および負極を有する電極体と、開口を有し、上記電極体を収容する外装体と、上記外装体の上記開口を封口し、貫通孔と、上記電極体と対向する側の面において上記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する封口板と、上記封口板の上記貫通孔を封止する封止部材と、を備え、上記封止部材は、上記貫通孔に挿通された挿通部と、上記挿通部から上記外装体の内部に延び、上記挿通部よりも大径に形成された拡径部と、を有し、上記拡径部の少なくとも一部は、上記封口板の上記凹部の内部に配置されている、電池の製造方法が提供される。かかる電池の製造方法は、上記貫通孔に上記外装体の外部から上記封止部材を挿入し、上記封止部材の先端を変形させることにより、上記拡径部を形成する拡径部形成工程と、上記拡径部形成工程の後、X線を照射して上記拡径部が所定の形状となっているか否かを確認する確認工程と、を有する。
【0021】
本発明者らの検討によれば、確認工程において、X線を用いて拡径部の形状を検査することにより、拡径部の不良を精度よく検知できる。これにより、貫通孔が封止部材でしっかりと封止されていることを確認できる。このため、封止部の信頼性が高い電池を提供できる。
【0022】
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記封口板は、略矩形状であり、上記拡径部は、上記封口板の長手方向における幅が最大である最大幅部を有する。ここで、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の一端を通過する断面を断面X1とし、上記封口板に対して垂直で、且つ上記封口板の短手方向に延び、上記最大幅部の上記長手方向の他端を通過する断面を断面X2としたときに、上記断面X1および上記断面X2は、上記最大幅部を通過し、且つ上記電極体と交わらない直線Aを有し、上記確認工程では、上記直線Aに沿って上記X線を照射する。直線Aに沿ってX線を照射することで、最大幅部の鮮明なX線写真を得やすくなる。これにより、拡径部が所定の形状となっているか否かを精度よく判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る二次電池を模式的に示す斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。
図3図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。
図5】封口板の注液孔の近傍を電池内部側から見た模式的な平面図である。
図6図5のX1-X1線に沿う一部の模式的な縦断面図である。
図7】点A,Bおよび直線B,Cを説明する図6対応図である。
図8】点X,Yおよび直線D,Eを説明する図6対応図である。
図9図8の最大幅部の近傍を拡大した部分拡大図である。
図10】直線F,Gおよび角α1,β1を説明する図6対応図である。
図11】直線H,Iおよび角α2,β2を説明する図6対応図である。
図12】直線J,Kおよび角α3,β3を説明する図6対応図である。
図13】封口板に取り付けられた電極体群を模式的に示す斜視図である。
図14】正極第2集電部および負極第2集電部が取り付けられた電極体を模式的に示す斜視図である。
図15】電極体の構成を示す模式図である。
図16】正極端子と負極端子と正極第1集電部と負極第1集電部と正極内部絶縁部材と負極内部絶縁部材とが取り付けられた封口板を模式的に示す斜視図である。
図17図16の封口板を裏返した斜視図である。
図18】第1変形例に係る電池の図6対応図である。
図19】第2変形例に係る電池の図6対応図である。
図20】第3変形例に係る電池の封口板の一部を示す模式的な平面図である。
図21図20のC1-C1線に沿う一部の模式的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術のいくつかの好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、A以上B以下の意と共に、「好ましくはAより大きい」および「好ましくはBより小さい」の意を包含するものとする。
【0025】
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
【0026】
<二次電池100>
図1は、二次電池100の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、二次電池100の短辺方向、短辺方向と直交する長辺方向、上下方向を、それぞれ表すものとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、二次電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
【0027】
図2に示すように、二次電池100は、電池ケース10と、電極体群20と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50と、負極集電部60と、正極内部絶縁部材70と、負極内部絶縁部材80と、を備えている。詳しくは後述するが、正極集電部50は、正極第1集電部51と正極第2集電部52とを備え、負極集電部60は、負極第1集電部61と負極第2集電部62とを備えている。図示は省略するが、二次電池100は、ここではさらに電解液を備えている。二次電池100は、ここではリチウムイオン二次電池である。
【0028】
電池ケース10は、電極体群20を収容する筐体である。電池ケース10は、ここでは扁平且つ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。図2に示すように、電池ケース10は、開口12hを有する外装体12と、開口12hを塞ぐ封口板(蓋体)14と、を備えている。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。封口板14の接合は、例えばレーザ溶接等の溶接によって行うことができる。電池ケース10の開口12hは、気密に封止(封口)されている。
【0029】
外装体12は、図1に示すように、底壁12aと、底壁12aから延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底壁12aから延び相互に対向する一対の短側壁12cと、を備えている。底壁12aは、略矩形状である。短側壁12cの面積は、長側壁12bの面積よりも小さい。外装体12の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。外装体12は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがさらに好ましい。
【0030】
封口板14は、外装体12の開口12hを塞ぐように外装体12に取り付けられている。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。封口板14は、平面視において略矩形状である。ここでは、封口板14の短手方向が、二次電池100の短辺方向Xと一致し、封口板14の長手方向が、二次電池100の長辺方向Yと一致している。封口板14の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。封口板14は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがさらに好ましい。
【0031】
封口板14の短手方向(図1の短辺方向X)の幅は、25~55mmであることが好ましく、30~50mmであることがより好ましく、35~45mmであることがさらに好ましい。これにより、後述する確認工程においてX線検査をより精度よく行うことができる。また、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。
【0032】
図2に示すように、封口板14には、ベース部14bが設けられている。ベース部14bは、所定の厚みを有する。ベース部14bは、厚みが略均一な領域、言い換えれば、上下方向Zに凹凸が形成されていない領域である。ベース部14bの厚み(上下方向Zの長さ)は、2~4mmであることが好ましく、2.5~3.2mmであることがより好ましい。これにより、X線検査の精度と封口板14の強度および耐変形性とをバランスよく向上できる。
【0033】
封口板14にはまた、ガス排出弁17と、2つの端子引出孔18、19と、が設けられている。ガス排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成されている。端子引出孔18、19は、封口板14の長手方向の両端部にそれぞれ形成されている。端子引出孔18、19は、封口板14を上下方向Zに貫通している。
【0034】
封口板14にはさらに、注液孔15と、凹部14aと、が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後に電解液を注液するためのものである。図2に示すように、注液孔15は、封口板14を上下方向Zに貫通している。図5は、封口板14の注液孔15の近傍を電池内部側から見た模式的な平面図である。図5に示すように、注液孔15は、平面視において略円形状に形成されている。注液孔15は、ブラインドリベット16によって封口されている。注液孔15には、ブラインドリベット16の挿通部16a(図6参照)が挿入されている。注液孔15は、貫通孔の一例である。
【0035】
凹部14aは、図5に示すように、注液孔15の周囲を囲むように設けられている。凹部14aは、ここでは、平面視において注液孔15よりも大きい略円形状に形成されている。平面視において、凹部14aの中心は、注液孔15の中心と一致している。短辺方向Xにおいて、封口板14の幅を100%としたときに、凹部14aの幅の割合は、25~40%が好ましく、30~35%がより好ましい。
【0036】
図6は、図5のX1-X1線に沿う一部の模式的な縦断面図である。図6に示すように、凹部14aは、電極体群20と対向する側の面(電池内部側の面、図6の下面)から上方側に窪んでいる。凹部14aは、底面14a1と、側面14a2と、を有する。底面14a1は、ここでは封口板14の上面(電池外部側の面)と略平行である。側面14a2は、底面14a1の外縁から電極体群20の側に立ち上がっている。側面14a2は、ここでは底面14a1から略垂直に立ち上がっている。ただし、底面14a1と側面14a2とのなす角度は、鋭角あるいは鈍角であってもよい。
【0037】
凹部14aが形成された部分の封口板14の残肉部の厚み(上下方向Zの長さ)は、0.8~1.8mmであることが好ましく、0.9~1.4mmであることがより好ましくは、1~1.2mmであることがさらに好ましい。残肉部の厚みを上記範囲とすることで、X線検査の精度と封口板14の強度および耐変形性とをバランスよく向上できる。これにより、二次電池100の使用時に電池ケース10内の圧力が多少変動しても、封口板14が変形しにくくなる。したがって、外装体12と封口板14と接合部(例えば溶接接合部)が破損して、リークが発生することを効果的に抑制できる。また、ガス排出弁17の差動圧にバラつきが生じことを抑制できる。
【0038】
ブラインドリベット16は、封口板14の注液孔15を封止する部材である。ブラインドリベット16は、典型的には金属製である。ブラインドリベット16は、封止部材の一例である。図6に示すように、ブラインドリベット16は、挿通部16aと、鍔部16bと、拡径部16cと、を有する。ブラインドリベット16は、鍔部16bと拡径部16cとによって、封口板14にかしめ固定されている。
【0039】
挿通部16aは、注液孔15に挿通された部分である。挿通部16aの外径は、注液孔15よりも小さい。鍔部16bは、挿通部16aの上端から上方に延びている。鍔部16bの外径は、注液孔15よりも大きい。鍔部16bは、注液孔15から電池ケース10の外部に突出している。鍔部16bは、封口板14の上面に載置されている。鍔部16bは、平面視において略円形状に形成されていてもよいし、略四角形状に形成されていてもよい。鍔部16bは、ここでは平面視において封口板14の凹部14aよりも小さい。
【0040】
拡径部16cは、挿通部16aの下端から下方(挿通部16aと反対側)に延びている。拡径部16cの外径は、注液孔15よりも大きい。拡径部16cは、挿通部16aから外装体12の内部に延びている。ここに開示される技術では、図6に示すように、拡径部16cの少なくとも一部が封口板14の凹部14aの内部に配置されている。拡径部16cは、その全体が14aの内部に配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。拡径部16cの少なくとも一部が封口板14の凹部14aの内部に配置されていることで、電極体群20の側の面に突出するブラインドリベット16の長さ(突出高さ)を短くできる。したがって、電極体群20の上端部を封口板14の近くに配置することができ、電極体群20の高さを高くできる。拡径部16cは、長辺方向Yにおける幅が最大である最大幅部16dを有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、上下方向Zおよび短辺方向Xに沿って延び(封口板14に対して垂直で、且つ封口板14の短手方向に延び)、最大幅部16dの長辺方向Y(封口板14の長手方向)の一端16e1(図5参照)を通過するX1-X1線断面を断面X1としたときに、図6に示すように、断面X1は、最大幅部16dを通過し、且つ電極体群20と交わらない直線Aを有する。言い換えれば、断面X1に、直線Aを描くことができる。また、図示は省略するが、上下方向Zおよび短辺方向Xに沿って延び(封口板14に対して垂直で、且つ封口板14の短手方向に延び)、最大幅部16dの長辺方向Y(封口板14の長手方向)の他端16e2(図5参照)を通過するX2-X2線断面を断面X2としたたときに、断面X1と同様に、断面X2は、最大幅部16dを通過し、且つ電極体群20と交わらない直線Aを有する。断面X1および断面X2が直線Aを有することにより、X線検査において、最大幅部16dの鮮明なX線写真を得やすくなり、拡径部16cが所定の形状となっているか否かを精度よく判断できる。
【0042】
X線検査の検査条件等によっても異なりうるため特に限定されるものではないが、断面X1および断面X2のそれぞれにおいて、直線Aが封口板14を通過する距離は、12mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、7mm以下がさらに好ましい。これにより、X線が封口板を透過する距離(封口板通過距離)をさらに短くすることができ、より鮮明なX線写真を得ることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0043】
直線Aは、図6に示すように、断面X1において、封口板14の凹部14aを通過することが好ましく、凹部14aの底面14a1を通過することがより好ましい。直線Aは、断面X1において、ベース部14bの下面(電極体群20と対向する側の面)14b1を通過しないことが好ましい。また、図示は省略するが、断面X2において、封口板14の凹部14aを通過することが好ましく、凹部14aの底面14a1を通過することがより好ましい。直線Aは、断面X2において、ベース部14bの下面14b1を通過しないことが好ましい。これらのうちの少なくとも1つを満たすことにより、封口板通過距離をさらに短くすることができ、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、図7に示すように、断面X1において、(1)ブラインドリベット16の中心軸CAに対して平行(封口板14に対して垂直)で且つ最大幅部16dを通過する直線1と、ベース部14bの下面14b1の延長線ELと、が交差する点を点Aとし、(2)電極体群20の封口板14の側の面(詳しくは、後述する湾曲部20rの表面)における接線であり、上記点Aを通過する直線を直線Bとし、(3)上記直線1と、凹部14aの底面14a1と、が交差する点を点Bとし、(4)上記直線Bに平行で、且つ上記点Bを通過する直線を直線Cとすると、上記直線Bおよび上記直線Cは、凹部14aの底面14a1または側面14a2を通過することが好ましく、底面14a1を通過することがより好ましい。また、図示は省略するが、断面X2において、断面X1の直線1に対応する直線を直線1’とし、断面X1の点Aに対応する点を点A’とし、断面X1の直線Bに対応する直線を直線B’とし、断面X1の直線Cに対応する直線を直線C’としたときに、上記直線B’および上記直線C’は、凹部14aの底面14a1または側面14a2を通過することが好ましく、底面14a1を通過することがより好ましい。このような構成により、凹部14a内に配置される最大幅部16dの全体を確認しやすくなり、封止部の信頼性を向上できる。
【0045】
直線B、B’は、ここでは封口板14のベース部14bを通過している。直線B、B’の封口板通過距離は、10mm以下が好ましい。封口板通過距離を所定値以下とすることで、X線検査をより精度よく行うことができる。また、直線C、C’は、ここでは封口板14の凹部14aが形成された部分、すなわち上記した残肉部を通過している。直線C、C’は、封口板14のベース部14bを通過しないことが好ましい。直線C、C’の封口板通過距離は、10mm以下が好ましい。直線Cと凹部14aの側面14a2との最短距離、および、直線C’と凹部14aの側面14a2との最短距離は、それぞれ15mm以内であることが好ましい。最短距離を所定値以下とすることにより、凹部14aの幅を必要最小限に抑え、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、図8に示すように、断面X1において、(5)最大幅部16dの電極体群20に近い側の端(図8の下端)を点Xとし、(6)電極体群20の封口板14の側の面における接線であり、上記点Xを通過する直線を直線Dとし、(7)最大幅部16dの封口板14に近い側の端(図8の上端)を点Yとし、(8)上記直線Dに平行で、且つ上記点Yを通過する直線を直線Eとしたときに、上記直線Dおよび上記直線Eは、凹部14aの底面14a1または側面14a2を通過することが好ましく、底面14a1を通過することがより好ましい。また、図示は省略するが、断面X2において、断面X1の点Xに対応する点を点X’とし、断面X1の直線Dに対応する直線を直線D’とし、断面X1の点Yに対応する点を点Y’とし、断面X1の直線Eに対応する直線を直線E’としたときに、上記直線D’および上記直線E’は、凹部14aの底面14a1または側面14a2を通過することが好ましく、底面14a1を通過することがより好ましい。このような構成により、凹部14a内に配置される最大幅部16dの全体を確認しやすくなり、封止部の信頼性を向上できる。
【0047】
凹部14aの深さ(上下方向Zの長さ)等にもよるが、点X、X’は、ここでは封口板14のベース部14bの下面14b1よりも上方に位置している。図9は、図8の最大幅部16dの近傍を拡大した部分拡大図である。図9に示すように、点Xは、上記した点A(ベース部14bの下面14b1の延長線ELとの交差点)よりも上方に位置している。また、図8に示すように、直線D、D’は、ここでは封口板14のベース部14bを通過している。直線D、D’の封口板通過距離は、10mm以下が好ましい。封口板通過距離を所定値以下とすることで、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0048】
点Y、Y’は、ここでは凹部14aの底面14a1よりも下方に位置している。図9に示すように、点Yは、上記した点B(凹部14aの底面14a1との交差点)よりも下方に位置している。点Xから点Yまでの垂直長さt(最大幅部16dの高さ)は、例えば1mm以上であることが好ましい。点Xから点Yまでの垂直長さtは、凹部14aの深さ(上下方向Zの長さ)以下であってもよい。
【0049】
直線E、E’は、図8に示すように、ここでは封口板14の凹部14aが形成された部分、すなわち上記した残肉部を通過している。直線E、E’は、封口板14のベース部14bを通過しないことが好ましい。直線E、E’の封口板通過距離は、10mm以下が好ましい。直線Eと凹部14aの側面14a2との最短距離、および、直線E’と凹部14aの側面14a2との最短距離は、それぞれ15mm以内であることが好ましい。最短距離を所定値以下とすることにより、凹部14aの幅を必要最小限に抑え、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、図10に示すように、断面X1および/または断面X2において、(9)最大幅部16dの封口板14に近い側の端(図10の上端)を点Dとし、(10)電極体群20の封口板14の側の面における接線であり、上記点Dを通過する直線を直線Fとし、(11)最大幅部16dの電極体群20に近い側の端(図10の下端)を点Eとし、(12)上記点Eと、凹部14aの底面14a1の縁と、を通過する直線を直線Gとしたときに、上記直線Fの最大の仰角α1と上記直線Gの最小の仰角β1との差(α1-β1)が、10~18°であることが好ましい。これにより、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。また、X線検査でX線の照射角度が多少ずれたとしても、安定してX線検査を行うことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、図11に示すように、断面X1および/または断面X2において、(13)電極体群20の封口板14の側の面における接線であり、最大幅部16dの中心を通過する直線を直線Hとし、(14)最大幅部16dの中心と、凹部14aの底面14a1(典型的には底面14a1の縁)と、を通過する直線を直線Iとしたときに、上記直線Hの最大の仰角α2と上記直線Iの最小の仰角β2との差(α2-β2)が、8~15°であることが好ましい。これにより、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。また、X線検査でX線の照射角度が多少ずれたとしても、安定してX線検査を行うことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、図12に示すように、断面X1および/または断面X2において、(15)最大幅部16dの電極体群20に近い側の端(図12の下端)を点Eとし、(16)電極体群20の封口板14の側の面における接線であり、上記点Eを通過する直線を直線Jとし、(17)上記点Eと、凹部14aの底面14a1(典型的には底面14a1の縁)と、を通過する直線を直線Kとしたときに、上記直線Jの最大の仰角α3と上記直線Kの最小の仰角β3との差(α3-β3)が、1~4°であることが好ましい。これにより、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。また、X線検査でX線の照射角度が多少ずれたとしても、安定してX線検査を行うことができる。
【0053】
図13は、封口板14に取り付けられた電極体群20を模式的に示す斜視図である。電極体群20は、ここでは3つの電極体20a、20b、20cを有する。ただし、1つの電池ケース10の内部に配置される電極体の数は特に限定されず、1つであってもよいし、2つ以上(複数)であってもよい。電極体20a、20b、20cは、ここでは正極集電部50が長辺方向Yの一方側(図13の左側)に配置され、負極集電部60が長辺方向Yの他方(図13の右側)に配置され、並列に接続されている。ただし、電極体20a、20b、20cは、直列に接続されていてもよい。電極体群20は、ここでは樹脂製シートからなる電極体ホルダ29(図3参照)に覆われた状態で、電池ケース10の外装体12の内部に配置されている。
【0054】
図14は、電極体20aを模式的に示す斜視図である。図15は、電極体20aの構成を示す模式図である。なお、以下では電極体20aを例として詳しく説明するが、電極体20b、20cについても同様の構成とすることができる。
【0055】
図15に示すように、電極体20aは、正極22と負極24とセパレータ26とを有する。電極体20aは、ここでは、帯状の正極22と帯状の負極24とが2枚の帯状のセパレータ26を介して積層され、捲回軸WLを中心として捲回された捲回電極体である。電極体20aは、扁平形状の外形を有する。ただし、電極体20aは、円筒形状の外形を有していてもよい。電極体20aは、捲回軸WLが長辺方向Yと略平行になる向き(捲回軸横置き)で、外装体12の内部に配置されている。ただし、電極体20aは、捲回軸WLが上下方向Zと略平行になる向き(捲回軸縦置き)で配置されていてもよい。
【0056】
図3に示すように、電極体20aは、外装体12の底壁12aおよび封口板14と対向する一対の湾曲部(R部)20rと、一対の湾曲部20rを連結し、外装体12の長側壁12bに対向する平坦部20fと、を有する。平坦部20fは、長側壁12bに沿って延びている。このような場合、電極体群20にX線が当たりやすいため、ここに開示される技術を適用することがより効果的である。ただし、電極体20aは、複数枚の方形状(典型的には矩形状)の正極と、複数枚の方形状(典型的には矩形状)の負極とが、絶縁された状態で積み重ねられてなる積層電極体であってもよい。
【0057】
正極22は、図15に示すように、正極集電体22cと、正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を有する。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。正極集電体22cは、帯状である。正極集電体22cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極集電体22cは、ここでは金属箔、具体的にはアルミニウム箔である。
【0058】
正極集電体22cの長辺方向Yの一方の端部(図15の左端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、正極22の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。複数の正極タブ22tは、長辺方向Yの一方側(図15の左側)に突出している。複数の正極タブ22tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。ただし、正極タブ22tは、長辺方向Yの他方の端部(図15の右端部)に設けられていてもよいし、長辺方向Yの両端部にそれぞれ設けられていてもよい。正極タブ22tは、正極集電体22cの一部であり、金属箔(アルミニウム箔)からなっている。ただし、正極タブ22tは、正極集電体22cとは別の部材であってもよい。正極タブ22tの少なくとも一部には、正極活物質層22aおよび正極保護層22pが形成されずに、正極集電体22cが露出している。
【0059】
図4に示すように、複数の正極タブ22tは長辺方向Yの一方の端部(図4の左端部)で積層され、正極タブ群23を構成している。複数の正極タブ22tは、外方側の端が揃うように折り曲げられて湾曲している。これにより、電池ケース10への収容性を向上して二次電池100を小型化できる。正極タブ群23は、正極集電部50を介して正極端子30と電気的に接続されている。複数の正極タブ22tは、折り曲げられ、正極端子30と電気的に接続されていることが好ましい。正極タブ群23には、正極第2集電部52が付設されている。複数の正極タブ22tのサイズ(長辺方向Yの長さおよび長辺方向Yに直交する幅、図15参照)は、正極集電部50に接続される状態を考慮し、例えばその形成位置等によって、適宜調整することができる。複数の正極タブ22tは、ここでは湾曲させたときに外方側の端が揃うように相互にサイズが異なっている。
【0060】
正極活物質層22aは、図15に示すように、帯状の正極集電体22cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。正極活物質層22aの固形分全体を100質量%としたときに、正極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料を使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
【0061】
正極保護層22pは、図15に示すように、長辺方向Yにおいて正極集電体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、ここでは正極集電体22cの長辺方向Yの一方の端部(図15の左端部)に設けられている。ただし、正極保護層22pは、長辺方向Yの両端部に設けられていてもよい。正極保護層22pは、正極活物質層22aに沿って、帯状に設けられている。正極保護層22pは、無機フィラー(例えば、アルミナ)を含んでいる。正極保護層22pの固形分全体を100質量%としたときに、無機フィラーは、概ね50質量%以上、典型的には70質量%以上、例えば80質量%以上を占めていてもよい。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材およびバインダは、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。
【0062】
負極24は、図15に示すように、負極集電体24cと、負極集電体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を有する。負極集電体24cは、帯状である。負極集電体24cは、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極集電体24cは、ここでは金属箔、具体的には銅箔である。銅や銅合金は、金属の中でもX線の遮蔽性が高い材料である。
【0063】
負極集電体24cの長辺方向Yの一方の端部(図15の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、負極24の長手方向に沿って間隔を置いて(間欠的に)設けられている。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。負極タブ24tは、長辺方向Yの一方側(図15の右側)に突出している。ただし、負極タブ24tは、長辺方向Yの他方の端部(図15の左端部)に設けられていてもよいし、長辺方向Yの両端部にそれぞれ設けられていてもよい。負極タブ24tは、負極集電体24cの一部であり、金属箔(銅箔)からなっている。ただし、負極タブ24tは、負極集電体24cとは別の部材であってもよい。負極タブ24tの少なくとも一部には、負極活物質層24aが形成されずに、負極集電体24cが露出している。
【0064】
図4に示すように、複数の負極タブ24tは長辺方向Yの一方の端部(図4の右端部)で積層され、負極タブ群25を構成している。負極タブ群25は、正極タブ群23と長辺方向Yに対称的な位置に設けられている。複数の負極タブ24tは、外方側の端が揃うように折り曲げられて湾曲している。これにより、電池ケース10への収容性を向上して、二次電池100を小型化できる。負極タブ群25は、負極集電部60を介して負極端子40と電気的に接続されている。複数の負極タブ24tは、折り曲げられ、負極端子40と電気的に接続されていることが好ましい。負極タブ群25には、負極第2集電部62が付設されている。複数の負極タブ24tは、ここでは複数の正極タブ22tと同様に、湾曲させたときに外方側の端が揃うように相互にサイズが異なっている。
【0065】
負極活物質層24aは、図15に示すように、帯状の負極集電体24cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含んでいる。負極活物質層24aの固形分全体を100質量%としたときに、負極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類を使用し得る。分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類を使用し得る。
【0066】
セパレータ26は、図15に示すように、正極22の正極活物質層22aと、負極24の負極活物質層24aと、を絶縁する部材である。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、樹脂製の多孔性シートからなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面上に設けられ、無機フィラーを含む耐熱層(Heat Resistance Layer:HRL)と、を有していてもよい。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、チタニア等を使用し得る。
【0067】
電解液は従来と同様でよく、特に制限はない。電解液は、例えば、非水系溶媒と支持塩とを含有する非水電解液である。非水系溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類を含んでいる。支持塩は、例えば、LiPF等のフッ素含有リチウム塩である。ただし、電解液は固体状(固体電解質)で、電極体群20と一体化されていてもよい。
【0068】
正極端子30は、図1図2に示すように、封口板14の長手方向の一方の端部(図1図2の左端部)に配置されている。正極端子30は、封口板14に固定されていることが好ましい。正極端子30は、図2に示すように、外装体12の内部で正極集電部50を介して電極体群20の正極22(図15参照)と電気的に接続されている。正極端子30は、端子引出孔18を挿通して封口板14の内部から外部へと引き出されている。正極端子30は、正極内部絶縁部材70およびガスケット90によって、封口板14と絶縁されている。正極端子30は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。
【0069】
正極端子30の上には、正極外部導電部材32が固定されている。正極端子30は電池ケース10の外部で正極外部導電部材32と電気的に接続されている。正極外部導電部材32は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁された状態で封口板14に取り付けられている。正極外部導電部材32は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。
【0070】
負極端子40は、図1図2に示すように、封口板14の長手方向の他方の端部(図1図2の右端部)に配置されている。負極端子40は、封口板14に固定されていることが好ましい。負極端子40は、図2に示すように、外装体12の内部で負極集電部60を介して電極体群20の負極24(図15参照)と電気的に接続されている。負極端子40は、端子引出孔19を挿通して封口板14の内部から外部へと引き出されている。負極端子40は、負極内部絶縁部材80およびガスケット90によって、封口板14と絶縁されている。負極端子40は、金属製であることが好ましく、例えば銅または銅合金からなることがより好ましい。負極端子40は、2つの導電部材が接合され一体化されて構成されていてもよい。負極端子40は、例えば、負極集電部60と接続される部分が銅または銅合金からなり、封口板14の外側に露出する部分がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっていてもよい。負極端子40の具体的な構成は、正極端子30と同様であってよい。
【0071】
負極端子40の上には、負極外部導電部材42が固定されている。負極外部導電部材42は、電池ケース10の外部で負極端子40と電気的に接続されている。負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁された状態で封口板14に取り付けられている。負極外部導電部材42は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。
【0072】
正極集電部50は、複数の正極タブ22tからなる正極タブ群23と、正極端子30と、を電気的に接続する導通経路を構成している。図2に示すように、正極集電部50は、ここでは正極第1集電部51と正極第2集電部52とで構成されている。正極第1集電部51および正極第2集電部52は、正極集電体22cと同じ金属種、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。
【0073】
図16は、封口板14を模式的に示す斜視図である。図17は、図16の封口板を裏返した斜視図である。図17は、封口板14の電極体群20と対向する側(電池内部側)の面を示している。図16図17に示すように、正極第1集電部51は、封口板14の電池内部側の面に取り付けられている。正極第1集電部51は、正極端子30と電気的に接続されている。正極第1集電部51は、第1領域51aと、第2領域51bと、を有する。正極第1集電部51は、1つの部材を例えばプレス加工等によって折り曲げることで構成されてもよく、複数の部材を溶接接合等によって一体化することで構成されてもよい。
【0074】
第1領域51aは、封口板14と電極体群20との間に配置される部位である。第1領域51aは、長辺方向Yに沿って延びている。第1領域51aは、封口板14の電池内部側の表面に沿って水平に広がっている。封口板14と第1領域51aとの間には、正極内部絶縁部材70が配置されている。第1領域51aは、正極内部絶縁部材70によって封口板14と絶縁されている。第1領域51aは、正極端子30と電気的に接続されている。第1領域51aにおいて、封口板14の端子引出孔18に対応する位置には、上下方向Zに貫通した貫通孔51hが形成されている。
【0075】
第2領域51bは、外装体12の短側壁12cと電極体群20との間に配置される部位である。第2領域51bは、図2に示すように、第1領域51aの長辺方向Yの一方の端(図2の左端)から外装体12の短側壁12cに向かって延びている。第2領域51bは、上下方向Zに沿って延びている。第2領域51bは、正極第2集電部52と接合されている。
【0076】
正極第2集電部52は、図2に示すように、外装体12の短側壁12cに沿って延びている。正極第2集電部52は、図13図14に示すように、集電板接続部52aと、傾斜部52bと、タブ接合部52cと、を有する。
【0077】
集電板接続部52aは、正極第1集電部51と電気的に接続される部位である。集電板接続部52aは、上下方向Zに沿って延びている。集電板接続部52aは、電極体20a、20b、20cの捲回軸WLに対して略垂直に配置されている。集電板接続部52aには、その周囲よりも厚みが薄い凹部52dが設けられている。凹部52dには、短辺方向Xに貫通した貫通孔52eが設けられている。貫通孔52eには、正極第1集電部51との接合部が形成されている。接合部は、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接によって形成された溶接接合部である。特に、レーザ等の高エネルギー線の照射による溶接を用いることが好ましい。
【0078】
タブ接合部52cは、正極タブ群23に付設され、複数の正極タブ22tと電気的に接続される部位である。タブ接合部52cは、上下方向Zに沿って延びている。タブ接合部52cは、電極体20a、20b、20cの捲回軸WLに対して略垂直に配置されている。タブ接合部52cの複数の正極タブ22tと接続される面は、外装体12の短側壁12cと略平行に配置されている。
【0079】
図4に示すように、タブ接合部52cには、正極タブ群23との接合部Jが形成されている。接合部Jは、例えば、複数の正極タブ22tを重ねた状態で、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接によって形成された溶接接合部である。接合部Jでは、複数の正極タブ22tを電極体20a、20b、20cの短辺方向Xの一方側に寄せて配置している。これにより、複数の正極タブ22tをより好適に折り曲げて、図4に示すような湾曲形状の正極タブ群23を安定して形成できる。
【0080】
傾斜部52bは、集電板接続部52aの下端とタブ接合部52cの上端とを連結する部位である。傾斜部52bは、集電板接続部52aとタブ接合部52cとに対して傾斜している。傾斜部52bは、長辺方向Yにおいて、集電板接続部52aがタブ接合部52cよりも中央側に位置するように、集電板接続部52aとタブ接合部52cとを連結している。これにより、電極体群20の収容空間を広げて、二次電池100の高エネルギー密度化を図ることができる。傾斜部52bの下端(言い換えれば、外装体12の底壁12aの側の端部)は、正極タブ群23の下端よりも下方に位置することが好ましい。これにより、複数の正極タブ22tをより好適に折り曲げて、図4に示すような湾曲形状の正極タブ群23を安定して形成できる。
【0081】
負極集電部60は、複数の負極タブ24tからなる負極タブ群25と、負極端子40と、を電気的に接続する導通経路を構成している。図2に示すように、負極集電部60は、ここでは負極第1集電部61と負極第2集電部62とで構成されている。負極第1集電部61および負極第2集電部62は、負極集電体24cと同じ金属種、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。負極第1集電部61および負極第2集電部62の具体的な構成は、正極集電部50の正極第1集電部51および正極第2集電部52と同様であってよい。
【0082】
負極第1集電部61は、図17に示すように、第1領域61aと、第2領域61bと、を有する。封口板14と第1領域61aとの間には負極内部絶縁部材80が配置されている。第1領域61aは、負極内部絶縁部材80によって封口板14と絶縁されている。第1領域51aにおいて、封口板14の端子引出孔19に対応する位置には、上下方向Zに貫通した貫通孔61hが形成されている。負極第2集電部62は、図14に示すように、負極第1集電部61と電気的に接続される集電板接続部62aと、傾斜部62bと、負極タブ群25に付設され、複数の負極タブ24tと電気的に接続されるタブ接合部62cと、を有する。集電板接続部62aは、タブ接合部62cと連結される凹部62dを有する。凹部62dには、短辺方向Xに貫通した貫通孔62eが設けられている。
【0083】
正極内部絶縁部材70は、電池ケース10の内部で、封口板14と正極第1集電部51とを絶縁する部材である。正極内部絶縁部材70は、例えば、使用する電解液に対する耐性と電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料からなる。正極内部絶縁部材70は、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等からなることが好ましい。正極内部絶縁部材70は、図2に示すように、基部70aと、複数の突出部70bと、を有する。基部70aと突出部70bとは、ここでは一体成型されている。
【0084】
基部70aは、上下方向Zにおいて、封口板14と、正極第1集電部51の第1領域51aと、の間に配置される部位である。基部70aは、正極第1集電部51の第1領域51aに沿って水平に広がっている。基部70aは、上下方向Zに貫通した貫通孔(図示せず)を有する。貫通孔は封口板14の端子引出孔18と対応する位置に形成されている。
【0085】
複数の突出部70bは、それぞれ、基部70aよりも電極体群20の側に突出している。図17に示すように、長辺方向Yにおいて、複数の突出部70bは、基部70aよりも封口板14の中央側(図17の右側)に設けられている。複数の突出部70bは、短辺方向Xに並んで配置されている。図3に示すように、複数の突出部70bは、ここでは電極体群20を構成する電極体20a、20b、20cの湾曲部20rと対向している。突出部70bの数は、ここでは電極体群20を構成する電極体20a、20b、20cの数と同数である。すなわち、3つである。ただし、突出部70bの数は、電極体群20を構成する電極体の数と異なっていてもよく、例えば1つであってもよい。
【0086】
負極内部絶縁部材80は、図2に示すように、電極体群20の長辺方向Yに対して、正極内部絶縁部材70と対称に配置されている。負極内部絶縁部材80の具体的な構成は、正極内部絶縁部材70と同様であってよい。負極内部絶縁部材80は、ここでは正極内部絶縁部材70と同様に、封口板14と負極第1集電部61との間に配置される基部80aと、複数の突出部80bと、を有する。
【0087】
<二次電池100の製造方法>
二次電池100において、封口板14の注液孔15(貫通孔)は、ブラインドリベット16(封止部材)で封止されている。このような二次電池100は、例えば、組立工程と、拡径部形成工程と、確認工程と、をこの順に含む製造方法によって製造することができる。また、ここに開示される製造方法は、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよい。
【0088】
組立工程では、まず、外装体12と封口板14と電極体群20と電解液とを用意する。封口板14は、凹部14aと注液孔15とを有する。次いで、電極体群20を外装体12の内部空間に収容した後、外装体12の開口12hの縁部に封口板14を接合して、開口12hを封口する。外装体12と封口板14とは例えばレーザ溶接等の溶接接合で行うことができる。次いで、注液孔15から電解液を注入する。
【0089】
拡径部形成工程では、まず、封止部材としてのブラインドリベットを用意する。ブラインドリベットは、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。一例において、ブラインドリベットは、加工前(注液孔15を封止する前)の状態で、注液孔15に挿入可能な筒状のスリーブと、スリーブの一端から延び、注液孔15よりも外径が大きい鍔状のフランジと、スリーブの一部であって、フランジとは反対側の端部に設けられた袋部と、スリーブおよび袋部の内部に設けられたマンドレル(シャフト)と、を備える。ブラインドリベットの材質は特に限定されないが、一例では、スリーブがアルミニウム(例えば、A1200W)製であり、マンドレルがステンレス鋼(例えば、SUS430)製である。マンドレルは、一端がフランジから延出されている。マンドレルの他端には、一端よりも大径の頭部が形成されている。頭部は、袋部の近傍に位置している。
【0090】
次に、用意したブラインドリベットを封口板14の注液孔15に挿入する。具体的には、ブラインドリベットのスリーブを袋部の側から注液孔15に挿入する。そして、フランジを封口板14に押圧しながら、マンドレルのフランジから延出した部分を工具等で上方に引っ張る。これにより、袋部の内側が塑性変形されると共に、マンドレルのフランジから延出した部分が切断されて排出される。その結果、図6に示すように、挿通部16aの下端に拡径部16cが形成され、注液孔15の周縁にブラインドリベット16がかしめ固定されると共に、ブラインドリベット16で注液孔15が封止される。
【0091】
確認工程では、拡径部形成工程後の電池に対してX線検査を行う。具体的には、ブラインドリベット16にX線を照射し、ブラインドリベット16のかしめ加工後(変形後)の形状、すなわち、拡径部16cが所定の形状となっているか否かを確認する。これにより、かしめ不良を精度よく検知することができ、注液孔15の封止性を確認できる。したがって、かしめ不良品の流出が防止でき、二次電池100の信頼性を向上できる。一例では、X線検査により、封口板14の長手方向における最大幅部16dの幅が所定の範囲内か否かを確認することが好ましい。また、他の一例では、X線検査により、拡径部16cの電極体群20と対向する側の面(下面)の位置を確認することが好ましい。これにより、信頼性を一層向上できる。なお、X線検査の条件は、例えば、加速電圧:80kV、ビーム電流:150uAの露光条件で、露光時間を50ms、積算回数を16回とすることができる。
【0092】
X線検査では、封口板14を透過する距離(封口板通過距離)が短くなるよう、封口板14に対して短手方向から斜めにX線を照射することが好ましい。一例では、図6に示すように、直線Aに沿ってX線を照射することが好ましい。例えば、封口板14の上方、且つ封口板14の短手方向の一方側(図6の後方側)にX線源を配置し、封口板14の下方、且つ封口板14の短手方向の一方側に、X線源から照射されたX線を検出する検出器を配置することが好ましい。
【0093】
なお、例えば封口板14がX線を透過しにくい材質(例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属)で構成されている場合、真横からのX線照射(水平撮影)では、拡径部16cのX線写真が不鮮明になり、検査の信頼性が落ちることがある。これに対して、斜めからの撮影(斜め撮影)では、X線の封口板通過距離を短くできる。また、ここに開示されている封口板14には、凹部14aが設けられているので、X線の封口板通過距離をさらに短くできる。その結果、拡径部16cの鮮明なX線写真を得ることができ、拡径部16cが所定の形状となっているか否かを精度よく判断できる。
以上のようにして、二次電池100を製造することができる。
【0094】
二次電池100は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。
【0095】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形例に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形例を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0096】
例えば、上記した図5の実施形態では、凹部14aが、平面視において略円形状に形成されていた。しかしこれには限定されない。凹部14aは、平面視において多角形状、例えば略四角形状に形成されていてもよい。ある変形例において、凹部14aは、平面視において略矩形状であってもよい。凹部14aは、例えば、封口板14の長手方向(図5の長辺方向Y)における幅が、封口板14の短手方向(図5の短辺方向X)における幅よりも小さくてもよい。これにより、X線検査の精度と封口板14の強度とをバランスよく向上することができる。また、他の変形例において、凹部14aは、平面視において略正方形状であってもよい。凹部14aは、短辺方向Xの幅と長辺方向Yの幅とが略同じ(短辺方向Xの幅:長辺方向Yの幅=1:0.8~1.2程度)であってもよい。
【0097】
また、上記した図5の実施形態では、平面視において、凹部14aの中心が、注液孔15の中心と一致していた。しかしこれには限定されない。平面視において、凹部14aの中心は、注液孔15の中心よりもX線検査でX線を照射する側に位置していてもよい。凹部14aは、X線検査においてX線を照射する側に偏って設けられていてもよい。これにより、封口板14のX線が照射される部分を選択的に薄肉とすることができ、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができる。
【0098】
また、例えば、上記した図6の実施形態では、凹部14aの側面14a2が、底面14a1から略垂直に立ち上がっていた。しかしこれには限定されない。図18は、第1変形例に係る電池の図6対応図である。図18に示すように、第1変形例の電池は、凹部114aを有する封口板114を備えている。凹部114aは、底面114a1と、側面114a2と、を有する。側面114a2は、テーパ形状である。側面114a2は、底面114a1から離れるほど(言い換えれば、電極体群20に近づくほど)拡径するテーパ形状に形成されている。これにより、凹部114aの縁(角部)にX線があたりにくくなり、X線検査において、X線の封口板通過距離をさらに短くすることができる。したがって、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0099】
また、例えば、上記した図5図6の実施形態では、封止部材がブラインドリベット16であった。しかしこれには限定されない。封止部材は、上記した挿通部と拡径部とを有するものであればよく、ブラインドリベット16には限定されない。また、ブラインドリベット16の断面は、図7の実施形態には限定されず、任意の形状とすることができる。
【0100】
また、例えば、上記した図6の実施形態では、封口板14の凹部14aが、ブラインドリベット16の鍔部16bよりも大きかった。しかしこれには限定されない。図19は、第2変形例に係る電池の図6対応図である。図19に示すように、第2変形例の電池は、凹部214aを有する封口板214を備えている。第2変形例の電池では、凹部214aが、ブラインドリベット16の鍔部16bと略同じかそれよりも小さい。これにより、封口板214の強度および耐変形性を一層高めることができる。
【0101】
また、例えば、上記した図6の実施形態、図18の第1変形例および図19の第2変形例では、封口板14の上面(電池外部側の面)において、注液孔15から離れた領域が、平坦に形成されていた。しかしこれには限定されない。図20は、第3変形例に係る電池の封口板314の一部を示す模式的な平面図である。第3変形例の電池は、封口板314を備えている。封口板314は、厚みが略均一なベース部314bを有する。封口板314の電池外部側の面において、注液孔15から離れた位置には、凹状の溝部14gが設けられている。
【0102】
ここで、上下方向Zおよび短辺方向Xに沿って延び(封口板314に対して垂直で、且つ封口板314の短手方向に延び)、封口板314の長辺方向Y(封口板314の長手方向)の中心を通過するC1-C1線断面を断面C1とする。図21は、断面C1の模式図である。図21に示すように、断面C1において、封口板314の電極体群20と対向する側の面(図21の下面)には凹部314aが設けられている。また、ブラインドリベット16の中心軸CAと、ベース部314bの下面314b1の延長線ELと、が交差する点を点Cとすると、溝部14gは、上記点Cから電極体群20の封口板314の側の面に引いた接線TLと交わるように設けられている。これにより、封口板通過距離をさらに短くすることができ、X線検査をより精度よく行うことができる。
【0103】
短辺方向Xにおいて、封口板14の幅を100%としたときに、溝部14gの幅の割合は、15~35%であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。これにより、封口板14の強度および耐変形性を高めることができる。また、溝部14gが形成された部分の封口板14の残肉部の厚み(上下方向Zの長さ)は、1.2~2.2mmであることが好ましく、1.3~1.8mmであることがより好ましく、1.4~1.6mmであることがさらに好ましい。これにより、X線検査の精度と封口板14の強度および耐変形性とをバランスよく向上できる。
【符号の説明】
【0104】
10 電池ケース
12 外装体
14、114、214、314 封口板
14a、114a、214a、314a 凹部
14b、314b ベース部
15 注液孔
16 ブラインドリベット(封止部材)
16a 挿通部
16b 鍔部
16c 拡径部
16d 最大幅部
20a、20b、20c 電極体
100 二次電池
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